JP5293918B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する記録ヘッド及びその維持回復機構を備える画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体にインクを着弾させて画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。
このようなインクジェット記録方式の画像形成装置においては、インク滴を吐出する記録ヘッドの性能を維持回復する維持回復機構が備えられる。このヘッドの維持回復機構(装置)は、ヘッドのノズル面(液滴を吐出する面)を密閉するキャップ(キャップ部材)を備えている。また、適宜、キャップ内に連通する吸引ポンプなどの吸引手段により、ノズルからヘッド内に充填されているインクを吸引する動作(ヘッド吸引又はノズル吸引)、ゴムなどの弾性部材を用いたワイパーブレード(ワイパ部材)によるヘッド表面のワイピング動作、および、画像形成に寄与しないようにインクを吐出しノズル孔内部及び入り口付近にある増粘インクや混色インクを排出する空吐出動作(或いは予備吐出動作ともいう。)などを組み合わせて、液室内の気泡や増粘インク、付着したごみなどを取り除き、安定した液滴吐出を行なえる状態に保持する動作を行なうようにしている。
維持回復機構による維持回復動作の制御に関して、例えば特許文献1にはインクジェット記録装置の複数の状態、すなわち、記録ヘッドが最後に吐出してからの時間、最後に吸引してからの時間、及び記録ヘッドのインクの吐出口部を覆うキャップがキャッピングされていない時間を計時し、それぞれの組み合わせに応じて吐出回復処理を制御することが記載されている。
特許第2877971号公報
特許文献2にはインクジェットンプリンタの正確な休止時間を得て、インクジェットプリンタの不要な回復処理を回避することが記載されている。
特開2002−46293号公報
特許文献3、4にはインクカートリッジ交換が行われたときに回復動作を行うことや、インクカートリッジが実質的に交換されたときには回復動作を行い、実質的に交換されていないときには回復動作を行わないことが記載されている。
特開平8−174863号公報 特開2006−150686号公報
特許文献5、6には空吐出による回復動作を行った時点からの放置時間を計測しておき、印字動作の前に回復動作処理に入り、放置時間の長さに応じて、異なる空吐出回復動作やインクの物性に応じた回復動作を行うことが記載されている。
特開2007−136772号公報 特開2006−187893号公報
画像形成装置は、使用者によって使用環境、使用頻度、使用目的も様々であり、それらの状況によって画像形成装置の記録ヘッドの状態が異なることとなる。例えば、常温環境において連続でカラー印字をされる場合は、全ての記録ヘッドから吐出している状態が長く連続的に続くことになる。また、高温低湿環境で長期間保管された場合も考えられる。そのため、様々な状態を想定し、記録ヘッドの印字品質を保つため回復処理をある一定間隔で実施されている場合がある。
ところで、上述した特許文献1では、記録ヘッドが最後に吐出してからの時間、最後に吸引してからの時間、及び記録ヘッドのインクの吐出口部を覆うキャップがキャッピングされていない時間を計時して回復動作を行っているが、吸引してからの時間や、最後に吐出してからの時間の計時であるので、吐出回復のために長く吸引された場合や、吐出量が多かった場合との区別がつけられない。そのため、多量のインクを使用し吸引動作をされた場合と少量のインクを使用し吸引動作をされた場合では、その後同様の吐出回復動作がなされてしまい無駄なインク消費が生じてしまう。さらには、ヘッドごとそれぞれの時間を計時しなければいけないので多くのメモリ領域を必要としメモリ領域を圧迫してしまうこととなる。
また、特許文献2に記載のものでは、印刷の完了からの時間は得ているが、吐出回復動作からの時間が得られていないため、印字終了後に吐出回復が実施されても、その直後に吐出回復動作が連続で実施される場合がある。
また、特許文献3、4に記載のものは、印刷前後に実施される吐出回復動作などのインクカートリッジ脱着時以外の動作についてはインクの無駄な消費が省けない。
また、特許文献5に記載のものは、吐出回復動作からの時間を得ているが、印刷の完了からの時間が得られていない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドが置かれた状況に応じた適切な維持回復動作を行って無駄なインク消費を低減することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに液体を供給するサブタンクと、
前記サブタンクに液体を供給する交換可能な液体カートリッジと、
前記液体カートリッジから前記サブタンクへ供給チューブを介して記液体を送液する送液ポンプと、
前記サブタンクに設けられ、前記サブタンク内を大気に連通する大気開放路を開閉する大気開放機構と、
前記記録ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップ部材と、前記キャップ部材に接続された吸引手段と、前記記録ヘッドのノズル面を払拭するワイパ部材とを有する維持回復機構と、
前記送液ポンプ、前記大気開放機構、前記維持回復機構を制御して、複数の異なる維持回復動作を制御する回復制御手段と、を備え、
前記複数の異なる維持回復動作は、
前記大気開放機構で前記大気開放路を閉じて前記サブタンク内を大気と遮断した状態で、前記キャップ部材で前記ノズル面をキャッピングして前記吸引手段を駆動して前記記録ヘッドのノズルから液体を吸引するノズル吸引動作と、前記送液ポンプを駆動して前記液体カートリッジから前記サブタンクへの送液動作とを、繰り返した後、前記サブタンクへの送液動作、ノズル吸引動作、前記ワイパ部材による払拭動作、及び画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作の各動作を行う第1回復動作と、
前記大気開放機構で前記大気開放路を開いて前記サブタンク内を大気に連通させた状態で、前記送液動作、前記ノズル吸引動作、前記払拭動作及び空吐出動作の各動作を行う第2回復動作と、
前記空吐出動作を行う第3回復動作であり、
印字終了からの経過時間を計測する第1計測手段と、
前記第1回復動作終了からの経過時間を計測する第2計測手段と、
前記第2回復動作終了からの経過時間を計測する第3計測手段と、を有し、
前記回復制御手段は、予め定められた、前記第1計測手段ないし前記第3計測手段で計測した各経過時間と前記第1回復動作ないし前記第3回復動作の実施及び不実施の組合せに基づいて、前記第1回復動作ないし前記第3回復動作の実施及び不実施を制御し、
前記組合せは、
前記第1計測時間で計測する経過時間が複数の経過時間に分けられ、
前記第1計測時間で計測する経過時間の前記分けられた複数の経過時間について、前記第2計測手段で計測する経過時間がそれぞれ対応付けられ、
前記対応付けられた前記第2計測手段で計測する経過時間が複数の経過時間に分けられ、
前記第2計測手段で計測する経過時間の前記分けられた複数の経過時間について、前記第3計測手段で計測する経過時間がそれぞれ対応付けられ、
前記対応付けられた前記第3計測手段で計測する経過時間が複数の経過時間に分けられ、
前記第3計測時間で計測する経過時間の前記分けられた複数の経過時間について、前記第1回復動作ないし前記第3回復動作のいずれかの実施又は前記第1回復動作ないし前記第3回復動作のすべての不実施が割り当てられている
ことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、記録ヘッドが置かれた状況に応じた適切な維持回復動作を行って無駄な液体消費を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置であり、装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図2で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのサブタンク35a、35b(区別しないときは「サブタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のインクカートリッジ10y、10m、10c、10kから、供給ポンプユニット5によって各色の供給チューブ36を介して、各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図2のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、図2に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などとを備えている。また、このヘッドの維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク100が装置本体に対して交換可能に装着される。
また、図2に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
そして、記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33をホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動して、キャップ部材82によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
次に、サブタンク35の一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3は同サブタンクの1つのヘッド分の模式的上面説明図、図4は同サブタンクの1つのヘッド分の模式的正面説明図である。
サブタンク35は、インクを保持するための一側部が開口したタンクケース201を有し、このタンクケース201の開口部は可撓性フィルム203で密閉し、タンクケース201内に配置した弾性部材としてバネ204によってフィルム203を常時外方へ付勢している。これにより、タンクケース201のフィルム203がバネ204によって外方への付勢力が作用しているので、タンクケース201内のインク残量が減少することによって負圧が発生する。
また、タンクケース201の外側には、一端部を揺動可能に支持されたフィラ205がフィルム203に接着などで固定され、フィルム203の動きに連動してフィラ205が動くので、装置本体側に配置された光学センサ301によってフィラ205を検知することによりサブタンク35内のインク残量などを検知することができる。
また、タンクケース201の上部には、インクカートリッジ10からインクを供給するための供給口209があり、インク供給チューブ36に接続されている。また、タンクケース201の側部には、サブタンク35内を大気に開放する大気開放機構207が設けられている。この大気開放機構207は、サブタンク35内に連通する大気開放路207aを開閉する弁体207b及びこの弁体207bを閉弁状態に付勢するスプリング207cなどを備え、装置本体側の大気開放ソレノイド302によって弁体207bを押すことで開弁されて、サブタンク35内に大気開放状態(大気に連通した状態)になる。
また、フィラ205の検知が行えない場合などにインクの残量を検出するための電極ピン208aと208bが取り付けられている。インクは電導性を持っており、電極ピン208aと208bの所までインクが到達すると、電極ピン208aと208b間に電流が流れて両者の抵抗値が変化するため、インクの残量を検出することができる。
次に、この画像形成装置における維持回復機構81について図5を参照して説明する。なお、図5は同維持回復機構の模式的概略構成図である。
この維持回復機構81は、維持装置フレーム211に、キャップホルダ212に保持されたキャップ82a、82bと、弾性体を含むワイパ部材83と、ワイパクリーナ86とがそれぞれ昇降可能(上下動可能)に保持されている。
そして、ワイパ部材83と吸引用となるキャップ82aとの間には筒状の空吐出受け84が配置され、この空吐出受け84のワイパ部材83側上端部はワイパ部材83に付着したインクを掻き落とすワイパクリーナ部85が形成されている。ワイパ部材83のクリーニングを行うときにはワイパクリーナ86でワイパ部材83をワイパクリーナ部85に押し付けた状態でワイパ部材83を下降させることにより、ワイパ部材83に付着したインクを空吐出受け84側に掻き落す。
また、印字領域に最も近い側のキャップ82aには可撓性チューブ219を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)220を接続し、キャップ82aのみを吸引(回復)及び保湿用キャップ(以下単に「吸引用キャップ」という。)とし、キャップ82bは単なる保湿用キャップとしている。したがって、記録ヘッド34の回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド34を吸引用キャップ82aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
また、これらのキャップ82a、82b、ワイパ部材83などの下方にはフレーム211に回転自在に支持したカム軸221を配置し、このカム軸221には、キャップホルダ212を昇降させるためのキャップカム222と、ワイパ部材83を昇降させるためのワイパカム224、空吐出受け84内で空吐出される液滴がかかる回転体としてのコロ226と、ワイパクリーナ86を揺動させるためのクリーナカム228と、キャリッジロック87を昇降させるためのキャリッジロックカム229をそれぞれ設けている。
そして、吸引ポンプ220及びカム軸221を回転駆動するために、モータ231の回転をモータ軸231aに設けたモータギヤ232に、吸引ポンプ220のポンプ軸220aに設けたポンプギヤ233を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ233と一体の中間ギヤ234に中間ギヤ235を介して一方向クラッチ237付きの中間ギヤ236を噛み合わせ、この中間ギヤ236と同軸の中間ギヤ238に中間ギヤ239を介してカム軸221に固定したカムギヤ240を噛み合わせている。なお、クラッチ237付きの中間ギヤ236、238の回転軸である中間軸241はフレーム211にて回転可能に保持している。
この維持回復機構81においては、記録ヘッド34のノズルを形成した面(ノズル面)に付着したインクや不純物を取り除くときには、モータ231を駆動して、ワイパカム224を介してワイパブレード83を上昇させる。この状態で、キャリッジ33を主走査方向に移動させることにより、ワイパブレード83によって記録ヘッド34のノズル面をワイピングして、不純物などを払拭する。
また、記録ヘッド34のノズルを外気に露呈した状態のまま放置すると、内部のインクが乾燥して増粘、固着し、インク吐出性能が低下してしまうことから、これを防ぐために、記録ヘッド34のノズル面をキャップ82で覆うときには、モータ231を回転させ、キャップカム213を介してキャップ82を上昇させ、記録ヘッド34のノズル面をキャッピングする。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司る本発明に係る第1計時手段、第2計時手段、回復制御手段を兼ねるCPU511と、CPU511が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
また、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ581、維持回復機構81の維持回復モータ231を駆動するためのモータ駆動部510と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511、サブタンク35の大気開放機構207を開閉する大気開放ソレノイド302を駆動するソレノイド駆動部512などを備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド7を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ制御部510、ACバイアス供給部511の制御に使用する。センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。また、I/O部513に入力されるセンサ群515には、前述したサブタンク35のフィラ205を検知する光学センサ206、検知電極ピン208a、208bなどの信号も入力される。
この制御部500は、前述したように、印字終了からの経過時間を計測する第1計測手段と、維持回復機構81による維持回復動作終了からの経過時間を計測する第2計測手段と、第1計測手段及び第2計測手段で計測した各経過時間に応じて維持回復機構81による異なる維持回復動作を行わせる回復制御手段とを兼ねている。なお、装置電源遮断時でも、経過時間はバッテリバックアップあるいはVRAMなどの書換え可能な記憶手段(メモリ)に更新されながら格納される。
次に、本発明の第1実施形態について図7を参照して説明する。
ここでは、異なる維持回復動作(以下「吐出回復動作」という。)として、吐出回復動作α、吐出回復動作β、吐出回復動作γの3種類を行う。吐出回復動作αでは、サブタンク35の大気開放機構207を閉じた状態で、ノズルからの吸引とサブタンク35へのインクの供給を繰り返してインク供給経路(供給チューブ36)内の空気をサブタンク35へ集め、その後に、インク供給、吸引、ワイピング、空吐出の各動作を行う。吐出回復動作βでは、サブタンク35の大気開放機構207を開いた状態で、インク供給、吸引、ワイピング、空吐出の各動作を行う。吐出回復動作γでは、空吐出の動作を行う。なお、これらの吐出回復動作α、β、γと回復動作に伴うインク消費量の関係は、α>β>γの関係としている。
つまり、装置が長期間使用されないで状態で放置されると、供給チューブ36内にチューブの透過性によって自然に供給経路内に空気が多く混入することから、この状態で、大気と連通して回復動作、特にサブタンク35へのインク供給を行うと、大気連通路207aよりインクが溢れ出すことがある。そこで、インクが大気連通路207aより溢れ出すことを防ぐために、大気と連通させずに吸引とインクの供給を繰り返して供給経路内の空気をサブタンク35へ集め、その後に、インク供給、吸引、ワイピング、空吐出の各動作で構成される吐出回復動作αを行うようにする。
また、吐出回復動作αとは別に、長期間放置されていない場合には、サブタンク35を大気開放した状態でインク供給、吸引、ワイピング、空吐出の各動作で構成される吐出回復動作βを行うようにする。
そして、図7に示す例では、前回の印刷が終了(印字終了)してからの経過時間T1と、予め定めた吐出回復動作としての前回の吐出回復動作αが終了してからの経過時間T2とを計測し、これらの経過時間T1及びT2に応じて吐出回復動作α、β、γを行うようにしている。ここでは、経過時間Tがいずれも2ヶ月である場合、経過時間T2に応じて異なる吐出回復動作を選択して行う。
例えば、図7(a)に示す例では、最後の印字動作(印刷終了)で、吐出回復動作αの終了からの経過時間T2が1.5ヶ月である場合、印刷要求を受けて、吐出回復動作として吐出回復動作αを実施するようにしている。また、図7(b)に示す例では、最後の印字動作(印刷終了)で、吐出回復動作αの終了からの経過時間T2が10日である場合、印刷要求を受けて、吐出回復動作として吐出回復動作βを実施するようにしている。また、図7(c)に示す例では、最後の印字動作(印刷終了)で、吐出回復動作αの終了からの経過時間T2が4日である場合、印刷要求を受けて、吐出回復動作として吐出回復動作γを実施するようにしている。また、図7(d)に示す例では、最後の印字動作(印刷終了)で、吐出回復動作αの終了からの経過時間T2が5時間である場合、印刷要求を受けても、吐出回復動作を行わないようにしている。
このように、前回の吐出回復動作の終了からの経過時間を計測することで、前回の印字終了からの経過時間で決定される吐出回復動作の内容(ここでは、吐出回復動作α)に限定させず、最適な吐出回復動作を行うことができ、特に、吐出回復動作β、γ、実施しないが選択される場合には、吐出回復動作に伴う時間を短縮でき、また、インクの無駄な消費を低減することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図8を参照して説明する。
ここでは、上記第1実施形態に加えて、維持回復貴行81による異なる吐出回復動作についてのそれぞれの吐出回復動作終了からの各経過時間を計測するようにしている。この例では、吐出回復動作αと吐出回復動作βについてそれぞれが終了してからの各経過時間T2、T3を計測する。この場合、経過時間を計測する吐出回復動作としては、吐出回復動作α、βのようにインク消費量が予め定めた消費量以上のものとすることで、より多くのインク消費量を伴う吐出回復動作が計時の対象となり、経過時間を記憶するためのメモリ容量が少なくて済むようになる。
図8(a)に示す例では、印刷終了からの経過事件T1が3週間、吐出回復動作α終了からの経過時間T2が10日のとき、吐出回復動作β終了からの経過時間T3が2週間である場合、印刷要求を受けて、吐出回復動作βを行っている。図8(b)に示す例では、印刷終了からの経過事件T1が3週間、吐出回復動作α終了からの経過時間T2が10日のとき、吐出回復動作β終了からの経過時間T3が10時間である場合、印刷要求を受けて、吐出回復動作γを行っている。なお、図9に上記第2実施形態における経過時間T1、T2、T3と行う吐出回復動作の内容の対応関係の一例を示している。
このように、各吐出回復動作についてそれぞれ経過時間を計測し、前回の吐出回復動作の内容(この例では、吐出回復動作α、β)に応じて次に行う吐出回復動作の内容を決めることで、より的確な吐出回復動作を選択することができ、吐出回復動作に要する時間の短縮化、吐出回復動作に伴うインク消費量の低減、吐出回復動作単位等で経過時間を記憶することでメモリの圧迫も防ぐことができる。
上記各実施形態において、上述したように一連の動作(インク供給、ワイピング、ノズル吸引、空吐出など)を含む維持回復動作(吐出回復動作)を単位として経過時間を計測することで、経過時間を記憶するメモリ容量を低減することができる。また、各記録ヘッド毎、あるいは、1つの記録ヘッドに複数色を吐出するノズル列を有する場合にはノズル列(インクの色毎)に、経過時間を計測することで、経過時間を記憶するメモリ容量を低減することができる。
なお、本発明に係る画像形成装置は、インクジェットプリンタ以外にも、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などにも適用することができる。さらに、インク以外の液体(記録液)、例えばレジスト、医療分野におけるDNA試料などを吐出させる画像形成装置などにも適用することができる。
本発明に係る画像形成装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図である。 同機構部の要部平面説明図である。 ヘッドタンクの一例を示す模式的平面説明図である。 同じく図3の模式的正面説明図である。 同装置における維持回復機構の模式的概略構成図である。 同装置の制御部を説明する概略ブロック説明図である。 本発明の第1実施形態の説明に供する説明図である。 本発明の第2実施形態の説明に供する説明図である。 同実施形態の経過時間T1、T2、T3と行う吐出回復動作の内容の対応関係の一例を示す説明図である。
符号の説明
33…キャリッジ
34、34a、34b…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
35…サブタンク
81…維持回復機構
82a、82b…キャップ
83…ワイパ部材
84…空吐出受け

Claims (2)

  1. 液滴を吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに液体を供給するサブタンクと、
    前記サブタンクに液体を供給する交換可能な液体カートリッジと、
    前記液体カートリッジから前記サブタンクへ供給チューブを介して記液体を送液する送液ポンプと、
    前記サブタンクに設けられ、前記サブタンク内を大気に連通する大気開放路を開閉する大気開放機構と、
    前記記録ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップ部材と、前記キャップ部材に接続された吸引手段と、前記記録ヘッドのノズル面を払拭するワイパ部材とを有する維持回復機構と、
    前記送液ポンプ、前記大気開放機構、前記維持回復機構を制御して、複数の異なる維持回復動作を制御する回復制御手段と、を備え、
    前記複数の異なる維持回復動作は、
    前記大気開放機構で前記大気開放路を閉じて前記サブタンク内を大気と遮断した状態で、前記キャップ部材で前記ノズル面をキャッピングして前記吸引手段を駆動して前記記録ヘッドのノズルから液体を吸引するノズル吸引動作と、前記送液ポンプを駆動して前記液体カートリッジから前記サブタンクへの送液動作とを、繰り返した後、前記サブタンクへの送液動作、ノズル吸引動作、前記ワイパ部材による払拭動作、及び画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作の各動作を行う第1回復動作と、
    前記大気開放機構で前記大気開放路を開いて前記サブタンク内を大気に連通させた状態で、前記送液動作、前記ノズル吸引動作、前記払拭動作及び空吐出動作の各動作を行う第2回復動作と、
    前記空吐出動作を行う第3回復動作であり、
    印字終了からの経過時間を計測する第1計測手段と、
    前記第1回復動作終了からの経過時間を計測する第2計測手段と、
    前記第2回復動作終了からの経過時間を計測する第3計測手段と、を有し、
    前記回復制御手段は、予め定められた、前記第1計測手段ないし前記第3計測手段で計測した各経過時間と前記第1回復動作ないし前記第3回復動作の実施及び不実施の組合せに基づいて、前記第1回復動作ないし前記第3回復動作の実施及び不実施を制御し、
    前記組合せは、
    前記第1計測時間で計測する経過時間が複数の経過時間に分けられ、
    前記第1計測時間で計測する経過時間の前記分けられた複数の経過時間について、前記第2計測手段で計測する経過時間がそれぞれ対応付けられ、
    前記対応付けられた前記第2計測手段で計測する経過時間が複数の経過時間に分けられ、
    前記第2計測手段で計測する経過時間の前記分けられた複数の経過時間について、前記第3計測手段で計測する経過時間がそれぞれ対応付けられ、
    前記対応付けられた前記第3計測手段で計測する経過時間が複数の経過時間に分けられ、
    前記第3計測時間で計測する経過時間の前記分けられた複数の経過時間について、前記第1回復動作ないし前記第3回復動作のいずれかの実施又は前記第1回復動作ないし前記第3回復動作のすべての不実施が割り当てられている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2計測手段は、液体消費量が予め定めた量以上である維持回復動作について前記経過時間を計測することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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