JP6236796B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてのインクジェット記録装置が知られている。
このような画像形成装置においては、記録ヘッドのノズルの吐出安定性を維持するため、ノズル面をキャッピングする吸引手段が接続された吸引キャップ、ノズル内のインク乾燥、ノズル内への埃混入防止のため、ノズル面をキャッピングする保湿キャップと、記録ヘッドのノズル面を払拭して清浄化するワイパ部材(ワイパブレード、ワイピングブレード、ブレードなどとも称される。)などを含む維持回復機構を備え、例えばノズルから増粘インクを吸引キャップ内に排出した後、ノズル面をワイパ部材で払拭してノズルメニスカスを形成する回復動作やクリーニング動作などを行なう。
ところで、モノクロ画像を印刷するとき(モノクロ印刷時)でも目詰まり防止のためにカラーのインクも排出し、印刷品質を保持するようにしている。この場合、モノクロ印刷をメインで使用する場合には、印刷に使用しないカラーインクを消費してしまい、ランニングコストが高くなる。
そこで、従来、ヘッド面を密閉するキャップ手段と、吸引回復手段と、予備吐出手段と、キャップが開放された時間(デキャップ時間)を累積でカウントする手段、累積時間を更新する手段を備え、予備吐出を累積時間から段階的ステップで行わせる構成とし、段階的ステップは色毎で条件が異なり、さらに予備吐出はモノクロデータの場合は黒のみ、カラーデータの場合は全色実施する構成が知られている(特許文献1)。
特開2004−160803号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように、デキャップ時間に応じて印刷色のみ印刷前に回復動作を実施することを繰り返すと、場合によっては、ノズル内のインク増粘が極度に進むことになる。その結果、極度に増粘したインクを排出するために、回復動作で大量のインクも消費し、あるいは、回復動作に時間がかかるという課題が生じる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、無駄な液体消費を抑えつつ、適切な回復動作を行えるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る画像形成装置は、
ブラックの液滴を吐出する複数のノズルが配列されたモノクロ用ノズル列と、
カラーの液滴を吐出する複数のノズルが配列されたカラー用ノズル列と、
各ノズル列の回復動作を制御する回復制御手段と、を備え、
前記回復制御手段は、
モノクロ画像を印刷するとき、
カラー画像の印刷頻度が予め定めた所定量以上であるときには、前記モノクロ用ノズル列及び前記カラー用ノズル列に対して回復動作を行い、
前記カラー画像の印刷頻度が所定量未満であるときには、前記モノクロ用ノズル列に対してのみ回復動作を行い、
印刷画像がモノクロ画像かカラー画像かを判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果からモノクロ画像を印刷していないモノクロ非印刷時間を計測する第1計測手段と、
前記判別手段の判別結果からカラー画像を印刷していないカラー非印刷時間を計測する第2計測手段と、
前記第1計測手段及び前記第2計測手段の各計測結果から前記カラー画像の印刷頻度を予測する予測手段と、を有し、
前記第2計測手段が計測した前記カラー非印刷時間が所定値より長い場合には、カラー画像を印刷するときにのみ前記カラー用ノズル列に対して回復動作を行い、
前記第2計測手段が計測した前記カラー非印刷時間が所定値以下の場合には、モノクロ画像を印刷するときであっても、前記カラー用ノズル列に対して回復動作を行う
構成とした。
本発明によれば、無駄な液体消費を抑えつつ、適切な回復動作を行えるようになる。
本発明に係る画像形成装置の一例の機構部を説明する側面説明図である。 同機構部の要部平面説明図である。 同装置における維持回復機構の模式的概略構成図である。 同じく要部平面説明図である。 同装置の制御部の概要の説明に供するブロック説明図である。 稼働日に対するカラー印刷頻度の一例を説明する説明図である。 図6の例におけるカラー印刷頻度に対するモノクロ印刷時の累積カラーメンテナンスインク消費量の説明に供する説明図である。 未使用期間と必要メンテナンスインク量との関係の一例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態における回復動作の制御の説明に供するフロー図である。 印刷頻度の算出の説明に供する印刷頻度データの一例の説明図である。 空吐出条件テーブルの一例の説明図である。 本発明の第2実施形態における回復動作の制御の説明に供するフロー図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置である。装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、後述する主走査モータによってタイミングベルトを介してキャリッジ主走査方向に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を搭載している。記録ヘッド34は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34は、それぞれ液滴を吐出する複数のノズルを配列した2つのノズル列を有する。
記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を吐出するモノクロ用ノズル列であり、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を吐出するカラー用ノズル列である。
また、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を吐出するカラー用ノズル列であり、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を吐出するカラー用ノズル列である。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク35a、35b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。
このヘッドタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のメインタンクであるインクカートリッジ10y、10m、10c、10kから、供給ポンプユニット24によって各色の供給チューブ36を介して、各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向する分離パッド44を備えている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えている。さらに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。
また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、後述する副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて、再度、カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。
この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)を備えている。また、維持回復機構81は、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83を備えている。さらに、維持回復機構81は、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などを備えている。
ここで、吸引用のキャップ82a内には排出された液体の廃液を吸収する吸収部材(吸収体)90が配置されている。
また、このヘッドの維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク100が装置本体に対して交換可能に装着される。
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置している。この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド部材45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送される。さらに、用紙42は先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
そして、帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
そして、記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33をホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動する。ここで、キャップ82によるキャッピングを行ってノズルからインクを吸引排出するノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
次に、この画像形成装置における維持回復機構81について図3及び図4を参照して説明する。図3は同維持回復機構の模式的概略構成図、図4は同じく要部平面説明図である。
この維持回復機構81は、維持装置フレーム211に、キャップホルダ212に保持されたキャップ82a、82bと、弾性体を含むワイパ部材83と、第1ワイパ清掃手段であるワイパクリーナ86とがそれぞれ昇降可能(上下動可能)に保持されている。
キャップ82は、記録ヘッド34のノズル面と対向する側に開口を有する箱型の部材である。このキャップ82はその開口上面部に弾性部分を有しており、前記弾性部分をノズル面に当接し、密着させることでノズルの開口を封止(キャッピング)することができる。また、キャップ82内には多孔質のスポンジ状部材である図示しない吸収部材が配設されている。これにより、吸収部材の持つ毛管力により、キャップ82内でインクを均一な状態で保持すると同時に、吸引ポンプ220によりキャップ82a内のインクを排出する際に排出する負圧をキャップ全体に伝播させることができる。
そして、ワイパ部材83と吸引用となるキャップ82aとの間には筒状の空吐出受け84が配置されている。この空吐出受け84のワイパ部材83側上端部はワイパ部材83に付着したインクを掻き落して除去する第2ワイパ清掃手段としてワイパクリーナ部85が形成されている。ワイパ部材83のクリーニングを行うときにはワイパクリーナ86でワイパ部材83をワイパクリーナ部85に押し付けた状態でワイパ部材83を下降させることにより、ワイパ部材83に付着したインクを空吐出受け84側に掻き落す。
また、印字領域に最も近い側のキャップ82aにはチューブ部材である弾性部材からなるチューブ219を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)220を接続している。これにより、キャップ82aのみを吸引(回復)及び保湿用キャップ(以下単に「吸引用キャップ」という。)とし、キャップ82bは単なる保湿用キャップとしている。したがって、記録ヘッド34の回復動作を行うときには、回復動作を行う記録ヘッド34を吸引用キャップ82aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
吸引ポンプ220は、吸引チューブ219に対して複数の加圧部材による加圧と移動を繰り返すことによってチューブ219に吸引力を発生させる。
一方、キャップ82a、82b、ワイパ部材83などの下方にはフレーム211に回転自在に支持したカム軸221を配置している。このカム軸221には、キャップホルダ212を昇降させるためのキャップカム222を設けている。また、カム軸221には、ワイパ部材83を昇降させるためのワイパカム224を設けている。また、カム軸221には、空吐出受け84内で空吐出される液滴がかかる回転体としてのコロ226を設けている。さらに、カム軸221には、ワイパクリーナ86を揺動させるためのクリーナカム228と、キャリッジロック87を昇降させるためのキャリッジロックカム229をそれぞれ設けている。
そして、吸引ポンプ220及びカム軸221を回転駆動するために、維持回復用モータ231の回転をモータ軸231aに設けたモータギヤ232に、吸引ポンプ220のポンプ軸220aに設けたポンプギヤ233を噛み合わせている。
更にこのポンプギヤ233と一体の中間ギヤ234に中間ギヤ235を介して一方向クラッチ237付きの中間ギヤ236を噛み合わせている。この中間ギヤ236と同軸の中間ギヤ238に中間ギヤ239を介してカム軸221に固定したカムギヤ240を噛み合わせている。なお、クラッチ237付きの中間ギヤ236、238の回転軸である中間軸241はフレーム211にて回転可能に保持している。
この維持回復機構81においては、記録ヘッド34のノズルを形成した面(ノズル面)に付着したインクや不純物を取り除くときには、モータ231を駆動して、ワイパカム224を介してワイパ部材83を上昇させる。この状態で、キャリッジ33を主走査方向に移動させることにより、ワイパ部材83によって記録ヘッド34のノズル面をワイピングして、不純物などを払拭する。
また、記録ヘッド34のノズル面をキャップ82で覆うときには、モータ231を回転させ、キャップカム222を介してキャップ82を上昇させ、記録ヘッド34のノズル面をキャッピングする。
また、記録動作の前後やその最中において、キャップ82aに対して記録動作に寄与しないインク滴の吐出(予備吐出、空吐出)を行ってノズル吐出性能の維持を図る。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図5を参照して説明する。図5は同制御部のブロック説明図である。
この制御部500は、本発明に係る回復制御手段、判別手段、第1計測手段、第2計測手段、予測手段などの各種手段を兼ねる、装置全体の制御を司るCPU501を備えている。
そして、制御部500は、CPU501に本発明に係る各種手段に関する制御を実行させるプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503を備えている。
さらに、制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
また、制御部500は、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509を備えている。
また、制御部500は、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構81の維持回復モータ231を駆動するためのモータ駆動部510を備えている。
また、制御部500は、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511と、送液ポンプ541を駆動するポンプ駆動部516とを備えている。また、制御部500は、インクカートリッジ10に設けられて不揮発性メモリ(ここでは、EEPROM)521に対するデータの読み出し及び書き込みのための通信を行うカートリッジ通信部522を備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する。また、印刷制御部508は、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含んでいる。そして、印刷制御部508は、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド34に与えて駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510、ACバイアス供給部511の制御に使用する。
センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度、湿度を監視するためのサーミスタなどの温度、湿度検出手段が含まれる。また、センサ群515には、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどが含まれる。I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。
また、この制御部500は、時間を計測する計時手段520を備えている。
ここで、制御部500は、前述したように記録ヘッド34の回復動作を制御する回復制御手段、印刷画像がモノクロ画像かカラー画像かを判別する判別手段、判別結果からモノクロ画像を印刷していないモノクロ非印刷時間を計測する第1計測手段、判別結果からカラー画像を印刷していないカラー非印刷時間を計測する第2計測手段、第1計測手段及び第2計測手段の各計測結果からカラー画像の印刷頻度を算出する算出手段を兼ねている。
次に、カラー非印刷時間と必要インク量の関係について図6及び図7を参照して説明する。図6は稼働日に対するカラー印刷頻度の一例を説明する説明図、図7は図6の例におけるカラー印刷頻度に対するモノクロ印刷時の累積カラーメンテナンスインク消費量の説明に供する説明図である。
図6及び図7に示すように、カラー印刷頻度が多い場合と、カラー印刷頻度が少ない場合のモノクロ印刷時におけるカラーのメンテナンスインク量に注目する。
ここで、カラー印刷頻度が多い場合には、記録ヘッド34のカラーノズルのインク増粘度合いをできるだけ少なくするために、モノクロ印刷時にもカラーインクをある程度排出しておいた方がよい。
そうすることで、カラー印刷するときには、少ないメンテナンス量で、少ない回復動作時間で印刷を開始することができる。
これに対し、カラー印刷頻度が少ない場合には、記録ヘッド34のカラーノズルのインク増粘度合いをできるだけ少なく保っておく必要はなく、モノクロ印刷時にできるだけカラーインクを消費しない方がよい。
そうすることで、カラー印刷するときには、トータルのカラーメンテナンスインク消費量を少なくできる。
つまり、回復動作における累積のインク消費量(液体消費量)は、前回カラー画像を印刷してからのカラー画像非印刷時間が長くなるほど少なくなるようにする。
次に、ノズル未使用期間に対する回復に必要なメンテナンスインク消費量について図8を参照して説明する。
この図8から分かるように、インク未使用期間が長くなるほど、回復に必要なインク消費量は飽和する傾向がある。
これより、未使用期間が長い場合には、カラー印刷が必要なときだけカラーインクの回復動作を実施する方がよい。
これに対し、未使用期間が短い場合には、カラー印刷が必要なときだけカラーインクの回復動作を実施するより、カラー印刷が必要でないときでもカラーインクの増粘具合を適正に維持することで、トータルのインク消費量(液体消費量)は少なくでき、実際にカラー印刷するときの回復動作を実施する所要時間が短くできる。
これは、次のような理由による。つまり、記録ヘッド34のノズル内のインクのうち、大気と接触している部分は時間と共に急激に乾燥が進んでいくのに対し、大気と接触していない部分はその乾燥したインクが蓋の役割となることで乾燥があまり進行しない。
したがって、大気と接触している部分及びその周辺だけを排出することで、正常に吐出できる状態へと回復できるためである。
次に、本発明の第1実施形態における回復動作の制御について図9のフロー図を参照して説明する。
この第1実施形態は、印刷における回復動作を自動で判別する例である。
まず、印刷命令を受信したときには、印刷物がカラー画像であるか否かを判別する。つまり、印刷画像がモノクロ画像かカラー画像かを判別する。
そして、印刷画像がカラー画像でないとき、すなわち、印刷画像がモノクロ画像であるときには、カラー印刷頻度が所定量以上か否かを判別する。
このとき、カラー印刷頻度が所定量以上でなければ、つまり、カラー印刷頻度が所定量未満であれば、回復動作が空吐出動作である場合、印刷頻度に応じた空吐出条件を選択する。例えば、印刷頻度に応じたブラック色の空吐出条件を、予め設定される空吐出条件テーブルの中から選択する。
そして、選択した空吐出条件で、ブラック色の空吐出を実行する。つまり、ブラック色だけ印刷前に印刷とは関係ない空吐出を実行する。ここで、空吐出とは、印刷領域外に記録ヘッド34のノズルからインク滴をキャップ部材82a内又は空吐出受け84内に吐出することで排出し、記録ヘッド34のノズルの増粘インクを除去することで吐出性を維持する動作である。
これに対し、印刷画像がカラー画像であるとき、あるいは、カラー印刷頻度が所定量以上であるときには、印刷頻度に応じた全色の空吐出条件を選択する。印刷頻度に応じた全色の空吐出条件を、予め設定される空吐出条件テーブルの中から選択する。
そして、印刷前に全色の空吐出動作を実行する。空吐出条件は、色毎、環境センサで読み取った温湿度環境毎でも異なって設定されている。
その後、印刷を開始し、印刷終了後、モノクロ/カラー印刷頻度データを更新する。印刷頻度データは、直近数回分のモノクロ印刷又はカラー画像印刷を行った日時情報を元に、モノクロ印刷の印刷周期を平均したものと、カラー印刷の印刷周期を平均したものの両方のデータである。印刷頻度データは、印刷終了後に、書換え可能な不揮発性メモリ504に格納保持する。
ここで、モノクロ/カラー印刷頻度データの一例を図10に示している。
この図10の例では、数回前のモノクロ印刷したときの印刷日時、数回前のカラー印刷したときの印刷日時を記憶しておき、モノクロ印刷頻度、カラー印刷頻度を数回分の印刷日時から計算して記憶保持する。
例えば、今回の印刷がモノクロ印刷の場合、1、2、3回前の印刷日時と今回の印刷日時との平均から印刷頻度を更新する。
次に、空吐出条件のテーブルの一例を図11に示している。
空吐出条件のテーブルは、ブラック(モノクロ)用とカラー用を作成している。この空吐出条件は、カラー印刷頻度が低いとき(所定量未満であるとき)には、モノクロ印刷時にカラーの空吐出を行わないように設定している。
次に、本発明の第2実施形態における回復動作の制御について図12のフロー図を参照して説明する。
この第2実施形態は、回復動作を手動設定する例である。
まず、印刷命令を受信したときには、カラー印刷頻度は所定量以上の設定であるか否かを判別する。ここで、カラー印刷頻度は、例えば操作パネル514やホスト600のプリンタドライバ601を通じて設定される。
そして、カラー印刷頻度は所定量以上の設定でなければ、つまり、カラー印刷頻度は所定量未満の設定であれば、印刷物がカラー画像であるか否かを判別する。つまり、印刷画像がモノクロ画像かカラー画像かを判別する。
そして、印刷画像がカラー画像でないとき、すなわち、印刷画像がモノクロ画像であるときには、モノクロ非印刷時間に応じた空吐出条件を選択する。例えば、モノクロ非印刷時間に応じたブラック色の空吐出条件を、予め設定される空吐出条件テーブルの中から選択する。
そして、選択した空吐出条件で、ブラック色の空吐出を実行する。つまり、ブラック色だけ印刷前に印刷とは関係ない空吐出を実行する。
これに対し、カラー印刷頻度は所定量以上の設定であるとき、あるいは、印刷画像がカラー画像であるときには、非印刷時間に応じた全色の空吐出条件を選択する。例えば、非印刷時間に応じた全色の空吐出条件を、予め設定される空吐出条件テーブルの中から選択する。
そして、印刷前に全色の空吐出動作を実行する。空吐出条件は、色毎、環境センサで読み取った温湿度環境毎でも異なって設定されている。
その後、印刷を開始し、印刷終了後、モノクロ/カラー印刷時間データを更新する。印刷時間データは、計時手段520による計時結果を使用しているが、ホスト600側からの時刻情報を得るようにしてもよい。
なお、上記各実施形態においては、回復動作が空吐出動作である例で説明しているが、これに限らない。
例えば、ブラック用の記録ヘッドとカラー用の1又は複数の記録ヘッドを備え、それぞれの記録ヘッドをキャップ部材でキャッピングできる構成であれば、キャップで選択的にノズル面を覆ってインクを吸引する吸引動作(インク吸引動作)を回復動作とすることもできる。
また、このようなブラックとカラー用の異なる記録ヘッドを備える場合には、印刷頻度が高いときは、インク消費量の少ない空吐出を、印刷頻度が低いときには、増粘インクを確実に排出できるインク吸引動作を実施し、印刷頻度に応じてインク吸引量を変更するとさらに最適な回復動作を行うことができる。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味である。被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
10 インクカートリッジ(メインタンク)
33 キャリッジ
34、34a、34b 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
35 ヘッドタンク
81 維持回復機構
82a キャップ(吸引用)
220 吸引ポンプ(吸引手段)
500 制御部

Claims (5)

  1. ブラックの液滴を吐出する複数のノズルが配列されたモノクロ用ノズル列と、
    カラーの液滴を吐出する複数のノズルが配列されたカラー用ノズル列と、
    各ノズル列の回復動作を制御する回復制御手段と、を備え、
    前記回復制御手段は、
    モノクロ画像を印刷するとき、
    カラー画像の印刷頻度が予め定めた所定量以上であるときには、前記モノクロ用ノズル列及び前記カラー用ノズル列に対して回復動作を行い、
    前記カラー画像の印刷頻度が所定量未満であるときには、前記モノクロ用ノズル列に対してのみ回復動作を行い、
    印刷画像がモノクロ画像かカラー画像かを判別する判別手段と、
    前記判別手段の判別結果からモノクロ画像を印刷していないモノクロ非印刷時間を計測する第1計測手段と、
    前記判別手段の判別結果からカラー画像を印刷していないカラー非印刷時間を計測する第2計測手段と、
    前記第1計測手段及び前記第2計測手段の各計測結果から前記カラー画像の印刷頻度を予測する予測手段と、を有し、
    前記第2計測手段が計測した前記カラー非印刷時間が所定値より長い場合には、カラー画像を印刷するときにのみ前記カラー用ノズル列に対して回復動作を行い、
    前記第2計測手段が計測した前記カラー非印刷時間が所定値以下の場合には、モノクロ画像を印刷するときであっても、前記カラー用ノズル列に対して回復動作を行う
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記カラー画像の印刷頻度を設定する手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記回復動作の1つは、印刷領域外で、前記ノズル列から画像形成に寄与しない液滴を吐出させる空吐出動作である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記回復動作の1つは、印刷領域外で、前記ノズル列をキャップ部材でキャッピングして吸引する吸引動作である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記回復動作における累積の液体消費量は、前回カラー画像を印刷してからのカラー画像非印刷時間が長くなるほど少なくなる
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
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