JP2010005843A - 画像形成装置及び液体収容容器 - Google Patents

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靖和 北村
Seiya Ogawa
誠也 小川
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Abstract

【課題】タンク内の液面高さを検知するために3本以上の検知電極を使用すると実装スペースが増大し、2本の検知電極では液面高さの変位量を検出できない。
【解決手段】記録ヘッド34に供給するインク200を収容するサブタンク35は検知電極208a、208bを有し、少なくとも電極ピン208bは、抵抗材料からなり、長さ方向で一端からの距離に応じて、基準点(一端)から距離a,b,c,dの各点における抵抗値が、それぞれ抵抗値R、2R、3R、4Rと変化する構造である。
【選択図】図7

Description

本発明は画像形成装置及び液体収容容器に関し、特に液滴を吐出する記録ヘッド及び記録ヘッドにインクを供給するタンクを備える画像形成装置及び画像形成装置で使用するインクを収容する液体収容容器に関する。
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、インクの液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを備え、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、インク滴を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、「インク」とは、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる液体の総称として用いる。
このような画像形成装置において、記録ヘッドにインクを供給するサブタンク(ヘッドタンク、バッファタンクとも称される。)を備え、記録ヘッドのノズルからのインクの染み出しやダレを防止するために負圧を発生する負圧形成機能(機構)をサブタンクに持たせ、サブタンク内の負圧の異常を検知したとき、例えば空気が流入したときには当該負圧を正常な状態に戻す負圧回復動作(負圧再形成動作)を行うようにしたものが知られている。
特開2007−015153号公報
サブタンク内への空気の流入は、サブタンクを大気開放する大気開放機構の弁手段などに微小な異物が挟まる等した場合などに、時間を掛けてサブタンク内部に空気が侵入する空気漏れないしスローリークが発生する。また、サブタンクで記録ヘッドにインクを供給する場合には、装置本体側からサブタンクにインクを供給するための供給チューブとの連結部や供給チューブそのものなどから空気が混入、浸透し易くなる。
従来、サブタンクに対する空気の流入を検知する手段としてはサブタンク内の液面レベルと検知する手段が用いられている。サブタンク内の液面を検知する構成としては、特許文献2に記載されているように最高レベル検知電極と基準レベル検知電極と最低レベル検知電極を検出する3本の電極と、各電極のグランド電極の計4本の電極を備えたもの、特許文献3に記載されているように、2本の検知電極を備えて、液面レベルと電極に流れる電流量を検知するものなどが知られている。なお、2本の検知電極を用いるものは特許文献1にも記載されている。
特開平4−261860号公報 特開平2−165963号公報
上述したように、従来の画像形成装置では、サブタンク内に2本の電極ピンを配設し、電極ピンにインクが接触するか否かによって変化する電流値に基づいて、サブタンク内が所定のインク残量になったこと、あるいは、所定の空気量以上になったことを検出するようにしている。
この場合、2本の電極ピンがインクに浸かっている状態では、電極ピン間を流れる電流の変化量は液面レベルの変化量に対して微小なため、オン/オフ的な検知は可能であっても、液面レベルの変化量を検出することは困難であるという課題がある。
そこで、上述した特許文献2に記載されているように、長さの異なる3本以上の電極ピンを使用して液面レベルの変化を検出することも行われているが、電極ピンの本数が増えることで、サブタンクにおける電極ピンの実装スペースが拡大し、また検出回路の回路構成も複雑になるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、少ない検知電極数で液面の変化量を検出できるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、
前記サブタンク内の液面を検出する2つの検知電極と、を備え、
少なくとも1つの検知電極は抵抗材料からなり、長さ方向で一端からの距離に応じて抵抗値が変化する
構成とした。
ここで、前記少なくとも1つの検知電極は抵抗値が同じ領域が複数存在している構成とできる。
また、前記少なくとも1つの検知電極は抵抗値が異なる領域が複数存在している構成とできる。この場合、前記少なくとも1つの検知電極の抵抗値が異なる3箇所以上の領域を有し、連続する3箇所の領域の抵抗値の変化量が異なっている構成とできる。
また、前記検知電極の検知信号に基づいて前記サブタンクのインク残量を検出する構成とできる。
また、前記検知電極の検知信号に基づいて前記サブタンクの空気量を検出する構成とできる。この場合、前記サブタンクの空気量が所定量以上になった頻度を検出し、この検出結果に基づいて前記サブタンクに対する負圧再形成動作を行う構成とできる。
本発明に係る液体収容容器は、
記録ヘッドに供給するインクを収容するタンク本体と、
前記タンク本体内の液面を検出する2つの検知電極と、を備え、
少なくとも1つの検知電極は抵抗材料からなり、長さ方向で一端からの距離に応じて抵抗値が変化する
構成とした。
本発明に係る画像形成装置によれば、記録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、サブタンク内の液面を検出する2つの検知電極と、を備え、少なくとも1つの検知電極は抵抗材料からなり、長さ方向で一端からの距離に応じて抵抗値が変化する構成としたので、検知電極の占有スペースを増大することなく、液面の変化量を検出することができる。
本発明に係る液体収容容器によれば、記録ヘッドに供給するインクを収容するタンク本体と、タンク本体内の液面を検出する2つの検知電極と、を備え、少なくとも1つの検知電極は抵抗材料からなり、長さ方向で一端からの距離に応じて抵抗値が変化する構成としたので、検知電極の占有スペースを増大することなく、液面の変化量を検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置であり、装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図2で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、記録ヘッド34としては、1つのノズル面に複数のノズルを並べた各色のノズル列を備えるものなどを用いることもできる。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するための第2インク供給部としてのサブタンクであるサブタンク35a、35b(区別しないときは「サブタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のインクカートリッジ(メインタンク)10y、10m、10c、10kから、供給ポンプユニット24によって各色の供給チューブ36を介して、各色の記録液が補充供給される。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図2のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などとを備えている。また、このヘッドの維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク100が装置本体に対して交換可能に装着される。
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
そして、記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33をホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動して、キャップ部材82によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
次に、サブタンク35の一例について図3ないし図5を参照して説明する。なお、図3は同サブタンクの1つのヘッド分の模式的正面説明図、図4は同じく上面説明図、図5は同じく側面説明図である。
サブタンク35は、インク200を保持するインク収容部202を形成する一側部が開口したタンクケース(タンク本体)201を有し、このタンクケース201の開口部は可撓性フィルム203で密閉してインク収容部202を形成し、タンクケース201内に配置した弾性部材としてバネ204によってフィルム203を常時外方へ付勢している。これにより、タンクケース201のフィルム203がバネ204によって外方への付勢力が作用しているので、タンクケース201内のインク残量が減少することによって負圧が発生する。
また、タンクケース201の外側には、一端部を揺動可能に支持されたフィラからなる変位部材205がフィルム203に接着などで固定され、フィルム203の動きに連動して変位部材205が変位するので、装置本体側に配置された光学センサ301によって変位部材205の変位量を検知することによりサブタンク35内のインク残量などを検知することができる。
また、タンクケース201の上部には、インクカートリッジ10からインクを供給するための供給口209があり、インク供給チューブ36に接続されている。また、タンクケース201の側部には、サブタンク35内を大気に開放する大気開放機構207が設けられている。この大気開放機構207は、サブタンク35内に連通する大気開放路207aを開閉する弁体207b及びこの弁体207bを閉弁状態に付勢するスプリング207cなどを備え、装置本体側の大気開放ソレノイド302によって弁体207bを押すことで開弁されて、サブタンク35内に大気開放状態(大気に連通した状態)になる。
また、タンクケース201には、内部のインクの液面高さを検知する2つの検知電極である2本の電極ピン208a、208bが取り付けられている。この電極ピン208aと208bによってインク液面の変位量を検知してサブタンク35内(タンクケース201内)の空気量を検出することができる。この点の詳細については後述する。なお、検知電極はピン形状のものに限られないが、以下ではピン形状の検知電極(電極ピン)で説明する。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司る本発明に係る制御を行う手段を兼ねるCPU511と、CPU511が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
また、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構81の維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511、サブタンク35の大気開放機構207を開閉する大気開放ソレノイド302を駆動するソレノイド駆動部512などを備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド7を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ制御部510、ACバイアス供給部511の制御に使用する。センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。また、I/O部513に入力されるセンサ群515には、前述したサブタンク35の変位部材205を検知する光学センサ206、検知電極ピン208a、208bなどの信号も入力される。
次に、本発明に係る液体収容容器としてのサブタンクの第1実施形態について図7及び図8を参照して説明する。
サブタンク35の電極ピン208a、208bのうち、少なくとも電極ピン208bは、抵抗材料からなり、長さ方向で一端からの距離に応じて抵抗値が変化する構造であって、ここでは同じ抵抗値Rである領域が複数(この例では4箇所)存在している構造としている。
この構成では、電極ピン208bは、基準点(一端)から距離a,b,c,dの各点における抵抗値が、それぞれ抵抗値R、2R、3R、4Rとなる。なお、抵抗値差を一端からの距離a、b、c、dの4点のポジションとしているが、ポジション数に制限は無いものとする(以下、同様である。)。また、電極ピン208aについても電極ピン208bと同様な構成とすることができる。
このように構成することで、電極ピン208aと208bとの間にインクが存在するときと存在しないときとで電極ピン208aと電極ピン208bとの間の抵抗値が変化するとともに、電極ピン208aと208bとの間にインクが存在するとき、インクの液面が電極ピン208bのいずれの高さ位置に存在するかによって電極ピン208aと電極ピン208bとの間の抵抗値が変化することになる。
つまり、インク液面が電極ピン208bの下端に接しない高さのときには抵抗値は無限大になり、インク液面が電極ピン208bの下端(基準点)に接する高さAから距離bの位置に対応する高さBまでの間では抵抗値が4Rになり、インク液面が高さBから距離cの位置に対応する高さCまでの間では抵抗値が3Rになり、インク液面が高さCから距離dの位置に対応する高さDまでの間では抵抗値が2Rになり、インク液面が高さDからタンク内上壁面に接する高さEまでの間では抵抗値がRになる。
この結果、電極ピン208aに電圧VCCを印加したとき、電極ピン208b側から得られる出力電圧Voutとインクの液面レベルとは、例えば図8に示すように、液面レベルが高くなる程出力電圧Voutが高くなるように比例的に変化する関係になる。
このように、2本の電極ピンで液面レベルの変化(変化量)を検出することができる。つまり、従前の2本の電極ピンを用いた構成にあっては、電極ピンは長さ方向で実質的に抵抗差がない(抵抗変化を無視できる程度の抵抗差)ために、インクが電極ピン間に存在するか否かの二値的な検知しかできず、液面レベルの変化量までは検知できず、また長さの異なる3本以上の検知電極ピンを設ける構成では実装スペースが拡大するという不具合があったが、本発明によれば電極ピンの実装スペースを拡大することなく液面レベルの変化量を検知することができるようになる。
また、抵抗値が同じ複数の領域を有することで、液面レベルの変化に比例した出力電圧Voutを得ることができ、検知精度を一定にすることができる。
次に、本発明に係る液体収容容器としてのサブタンクの第2実施形態について図9及び図10を参照して説明する。
ここでは、電極ピン208bは、基準点(一端)からの距離aの点における抵抗値を抵抗値4R、距離aの点から距離bの点までにおける抵抗値を抵抗値3R、距離bの点から距離cの点までにおける抵抗値を抵抗値2R、距離cの点から距離dの点までにおける抵抗値を抵抗値Rとし、抵抗値の異なる複数の領域を有している構造としている。
この構成では、電極ピン208bは、基準点(一端)から距離a,b,c,dの点における抵抗値が、それぞれ抵抗値4R、7R、9R、10Rとなる。
したがって、インク液面が電極ピン208bの下端に接しない高さのときには抵抗値は無限大になり、インク液面が電極ピン208bの下端(基準点)に接する高さAから距離bの位置に対応する高さBまでの間では抵抗値が10Rになり、インク液面が高さBから距離cの位置に対応する高さCまでの間では抵抗値が6Rになり、インク液面が高さCから距離dの位置に対応する高さDまでの間では抵抗値が3Rになり、インク液面が高さDからタンク内上壁面に接する高さEまでの間では抵抗値がRになる。
これにより、電極ピン208aに電圧VCCを印加したとき、電極ピン208b側から得られる出力電圧Voutとインクの液面レベルとは、例えば図10に示すように、液面レベルが高くなる程出力電圧Voutの変化量が大きくなるように変化する関係になる。
このように、抵抗値の異なる複数の領域を有し、高い液面レベルに対応する領域の抵抗値が低い液面レベルに対応する領域の抵抗値より大きい構成とすることで、液面レベルが上昇するにつれて、出力電圧Voutの変化量が大きくなるため、検知精度が可変となって、液面レベルの上昇と共に検知精度を向上することができる。
次に、本発明に係る液体収容容器としてのサブタンクの第3実施形態について図11及び図12を参照して説明する。
ここでは、電極ピン208bは、基準点(一端)から距離aの点における抵抗値を抵抗値10R、距離aの点から距離bの点までにおける抵抗値を抵抗値9R、距離bの点から距離cの点までにおける抵抗値を抵抗値2R、距離cの点から距離dの点までにおける抵抗値を抵抗値Rとし、抵抗値の異なる複数の領域を有し、かつ、基準点から距離aの点までにおける抵抗値と距離bの点から距離cの点までにおける抵抗値との差(抵抗値の変化量:10R−9R=R)よりも距離aの点から距離bの点までにおける抵抗値と距離bの点から距離cの点までにおける抵抗値との差(抵抗値の変化量:9R−2R=7R)を大きくしている。
この構成では、電極ピン208bは、基準点(一端)から距離a,b,c,dの点における抵抗値が、それぞれ抵抗値10R、19R、21R、22Rとなる。
したがって、インク液面が電極ピン208bの下端に接しない高さのときには抵抗値は無限大になり、インク液面が電極ピン208bの下端(基準点)に接する高さAから距離bの位置に対応する高さBまでの間では抵抗値が22Rになり、インク液面が高さBから距離cの位置に対応する高さCまでの間では抵抗値が12Rになり、インク液面が高さCから距離dの位置に対応する高さDまでの間では抵抗値が3Rになり、インク液面が高さDからタンク内上壁面に接する高さEまでの間では抵抗値がRになる。
これにより、電極ピン208aに電圧VCCを印加したとき、電極ピン208b側から得られる出力電圧Voutとインクの液面レベルとは、例えば図12に示すように、液面レベルが高くなる程出力電圧Voutの変化量が大きくなるように変化し、かつ、液面レベルが高さAから高さBに移行したときの出力電圧Voutの変化量よりも、液面レベルが高さBから高さCに移行したときの出力電圧Voutの変化量が大きくなる関係になる。
このように、抵抗値の異なる複数の領域を有し、高い液面レベルに対応する領域の抵抗値が低い液面レベルに対応する領域の抵抗値より大きい構成とし、さらに、抵抗値が異なる3箇所以上の領域を有し、連続する3箇所の領域の抵抗値の変化量が異なっている構成とすることで、液面レベルが上昇するにつれて、出力電圧Voutの変化量が大きくなるため、検知精度が可変となって、液面レベルの上昇と共に検知精度を向上することができるとともに、検知精度を上げるポイントを設定することができる。
次に、サブタンクの液面変化を電圧値として検出する手段の一例について図13及び図14を参照して説明する。
ここでは、電極ピン208aに電源電圧VCCを印加し、電極ピン208bに基準抵抗400(抵抗値r5)を接続して、基準抵抗400の両端電圧を出力電圧Voutとして出力する構成としている。なお、電極ピン208bは、下端から抵抗値r1、r2、r3、r4の複数の領域を有しているものとする。
このとき、電源電圧VCC及び基準抵抗400を固定値とすることで、基準抵抗400を流れる電流変化を電圧Voutの変化として検出することができる。
なお、基準抵抗400を流れる電流をIとしたとき、図13(a)〜(c)、図14(a)、(b)におけるインク液面200aの位置における電流I及び出力電圧Voutは、次の式によって求められる。
図13(a)の電流I及び出力電圧Voutは、次の式によって求められる。
Figure 2010005843
図13(b)の電流I及び出力電圧Voutは、次の式によって求められる。
Figure 2010005843
図13(c)の電流I及び出力電圧Voutは、次の式によって求められる。
Figure 2010005843
図14(a)の電流I及び出力電圧Voutは、次の式によって求められる。
Figure 2010005843
図14(b)の電流I及び出力電圧Voutは、次の式によって求められる。
Figure 2010005843
このように基準抵抗を用いて出力電圧に変換することによって回路構成が簡単になる。
次に、電極ピン208bで検知した出力電圧Voutをインクの液面レベルに変換する構成について図15を参照して説明する。
電極ピン208bから得られる(前述した基準抵抗400の両端出力である。)出力電圧Vouは、主制御部500のCPU501などで構成されるVout検出回路531によって検出される。一方、ROM502などで構成される変換テーブル532を有し、変換テーブル532はパラメータ変換可能な変換テーブルとなっており、出力電圧Voutを液面レベルとして検知するための基準値が格納されている。なお、パラメータとは、電源電圧VCC及び抵抗値r1、r2、r3、r4、r5である。
ここで、インク液面レベル(高さ)を図16に示すように規定したときの基準値P1、P2、P3、P4、P5は、次のとおりとなる。
液面レベルAを検知する基準値P1は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
液面レベルBを検知する基準値P2は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
液面レベルCを検知する基準値P3は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
液面レベルDを検知する基準値P4は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
液面レベルEを検知する基準値P5は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
また、基準値は、次のように一定の範囲を持つものでもよい。
液面レベルAを検知する基準値P1は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
液面レベルBを検知する基準値P2は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
液面レベルCを検知する基準値P3は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
液面レベルDを検知する基準値P4は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
液面レベルEを検知する基準値P5は、次の式で求まる。
Figure 2010005843
そして、比較部533は、上述した変換テーブル532に格納した基準値とVout検出回路531の出力を比較し、比較結果に応じて液面レベルを示す信号を出力する。例えば、次のような信号を出力する。
Vout検出回路531の出力がP1と一致すれば液面レベルAと判断し、「0」を出力し、
Vout検出回路531の出力がP2と一致すれば液面レベルBと判断し、「0」を出力し、
Vout検出回路531の出力がP3と一致すれば液面レベルCと判断し、「0」を出力し、
Vout検出回路531の出力がP4と一致すれば液面レベルDと判断し、「0」を出力し、
Vout検出回路531の出力がP5と一致すれば液面レベルEと判断し、「0」を出力する。
このように、基準値をパラメータ変更可能な変換テーブルに格納することによって、電源電圧(印加電圧)VCC及び電極ピンの抵抗値(r)が変更になった場合も、ハード部分を変更することなく対応することができる。
また、基準値を設け、電極ピンからの出力と比較することで、液面レベルを検知することによって、液面レベルを確実に検知することが可能になって、インク補給供給時の溢れ等を回避することができる。つまり、従前は、電極ピンがインクと接触したか否かを検知し、接触してからの時間管理により、液面レベルを判断しているために、実際の液面レベルを電極ピンにより検知することができず、その結果インクの粘度等により、液面レベルのバラツキが大きいという不具合があったが、本発明では電極ピンで直接的に液面レベルを検出できるので、このような不具合がない。
次に、上記画像形成装置における負圧再形成動作に関して説明する。
まず、サブタンク35内のインクの残量、空気量の変化によるサブタンク35の変化について図17を参照して説明すると、インクカートリッジ10からサブタンク35にインクを供給した状態では図17(a)に示す状態となり、この状態では安定した印字が出来ないため、負圧形成動作(例えば大気開放機構207を閉じた状態でノズルから所要量の液滴を吐出させる動作)を行って、同図(b)に示す状態にする。このとき、サブタンク35内のインク残量が減少することによってスプリング204の付勢力に抗してフィルム203がタンクケース201側に変形し、サブタンク35内は所要の負圧状態になるとともに、内容積が変化する(減少する)ことで液面200aも変化する(高くなる:ただし、負圧形成で吐出する滴量による)。
この状態で、印字を行うことによってサブタンク35内のインクが消費される。このとき、サブタンク35内は理想的には真空となって入るため、インク消費量に応じて内容積が変化し、同図(c)に示すように液面200aのレベルは保持される。
ここで、サブタンク35の不良などにより、スローリークが発してサブタンク35内に空気が混入すると、図17(c)の状態を保持することができず、図17(d)に示すように、サブタンク35の内容積が増加して液面レベルが低下し、負圧が低下する。
そこで、図17(b)、(c)の液面レベルを理想液面レベルとし、前記電極ピンで構成される液面レベルの検出手段を使用して、検出した液面レベルから混入した空気量を算出する。侵入した空気量は、「空気量=理想液面レベル−検出した液面レベル」で得られる。
このように、本発明では液面レベルを段階的に検知することができるので、インクの理想消費量と検出した液面レベルの差より、単に空気量が所定量以上になったか否かだけでなく、混入した空気量を算出することができる。
そこで、図18に示すように、電極ピン208bから得られる出力電圧Voutに基づいて液面レベルを検出して、理想液面レベルとの差分を求めて、サブクタンク35内に混入した空気量を検知し、混入した空気量を安定した印刷が可能な空気量に相当する予め定めた許容値と比較して、許容値内であれば正常処理(印刷及び印刷待機処理)をして終了とする。サブタンクは完全な真空状態となっていることが理想であるが、印刷に影響が無い程度の空気の混入は許容することで、負圧形成動作を繰り返すことによる装置のダウンタイムを低減する。
これに対し、混入した空気量が許容値内でなければ、つまり、空気量が許容値を越えていれば、エラー情報としてメモリに空気量、マシーン情報(装置情報)を記憶する。空気が混入したときマシーン情報をフィードバック可能な構成とすることで、マシーン改善等の資料として役立てることができる。
その後、空気量が許容値を越えた回数(検知回数)をインクリメント(+1)した後、検知回数が予め設定した設定カウント値になったか否かを判別する。
このとき、検知回数が設定カウント値以上でなければ、負圧形成動作(負圧再形成)を行って、空気量の検知処理に戻る。負圧形成をリトライすることによって、正常動作可能な状態で空気検知をした際のエラー発生を防ぐことができる。
これに対し、検知回数が設定カウント値以上であれば、異常処理を行った後、メモリに記憶して処理を終了する。ここで、異常処理としては、ユーザやサービスへの報知を実施する。このように、装置異常を報知することにより異常状態の装置が使用し続けられるおそれを防止できる。また、異常処理としては、頻度情報をメモリに記憶する。頻度情報は、RTC(リアルタイムクロック)による時間情報を付加した情報としている。このように、空気検知による異常発生の頻度情報を時間管理することによって、ユーザの使用環境を推測することができる。
なお、上記実施形態では、空気量を検出しているが、インク残量を検出することもできる。また、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ単機能構成のものに限らず、プリンタ/ファクシミリ/複写などの複合機能を有する画像形成装置であってもよい。また、液体収容容器はサブタンクに限るものではなく、キャリッジに搭載されるインクカートリッジのインク残量検知などにも適用できる。
本発明に係る画像形成装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図である。 同機構部の要部平面説明図である。 サブタンクの一例を示す模式的正面説明図である。 同じく模式的上面説明図である。 同じく模式的側面説明図である。 同装置の制御部を説明する概略ブロック説明図である。 本発明に係る液体収容容器としてのサブタンクの第1実施形態の説明に供する模式的説明図である。 同実施形態の液面高さと出力電圧の関係の説明に供する説明図である。 本発明に係る液体収容容器としてのサブタンクの第2実施形態の説明に供する模式的説明図である。 同実施形態の液面高さと出力電圧の関係の説明に供する説明図である。 本発明に係る液体収容容器としてのサブタンクの第3実施形態の説明に供する模式的説明図である。 同実施形態の液面高さと出力電圧の関係の説明に供する説明図である。 サブタンクの液面変化を電圧値として検出する手段の一例の説明に供する説明図である。 同じくサブタンクの液面変化を電圧値として検出する手段の一例の説明に供する説明図である。 電極ピンで検知した出力電圧Voutをインクの液面レベルに変換する構成の一例の説明に供するブロック説明図である。 図15の説明に供する説明図である。 サブタンクの変化の説明に供する説明図である。 サブタンクの空気検知処理の説明に供するフロー図である。
符号の説明
10…インクカートリッジ
33…キャリッジ
34、34a、34b…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
35…サブタンク(サブタンク)
81…維持回復機構
208a、208b…電極ピン(検知電極)

Claims (8)

  1. 液滴を吐出する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、
    前記サブタンク内の液面を検出する2つの検知電極と、を備え、
    少なくとも1つの検知電極は抵抗材料からなり、長さ方向で一端からの距離に応じて抵抗値が変化する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記少なくとも1つの検知電極は抵抗値が同じ領域が複数存在していることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記少なくとも1つの検知電極は抵抗値が異なる領域が複数存在していることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、前記少なくとも1つの検知電極の抵抗値が異なる3箇所以上の領域を有し、連続する3箇所の領域の抵抗値の変化量が異なっていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記検知電極の検知信号に基づいて前記サブタンクのインク残量を検出することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記検知電極の検知信号に基づいて前記サブタンクの空気量を検出することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、前記サブタンクの空気量が所定量以上になったときに前記サブタンクに対する負圧再形成動作を行うことを特徴とする画像形成装置。
  8. 記録ヘッドに供給するインクを収容するタンク本体と、
    前記タンク本体内の液面を検出する2つの検知電極と、を備え、
    少なくとも1つの検知電極は抵抗材料からなり、長さ方向で一端からの距離に応じて抵抗値が変化する
    ことを特徴とする液体収容容器。
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