JP2016182695A - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

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Shota Hiramatsu
翔太 平松
徹司 武石
Tetsuji Takeishi
徹司 武石
正行 ▲徳▼永
正行 ▲徳▼永
Masayuki Tokunaga
宏樹 千野
Hiroki Chino
宏樹 千野
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Abstract

【課題】液体吐出部の吐出位置に違いによって、液体吐出部の吐出方向の位置ずれ量が異なっても、吐出対象に対する液体の着弾位置のばらつきを小さく抑えることができる液体吐出装置及び液体吐出方法を提供する。【解決手段】プリンターは、インク滴を吐出する吐出ヘッド27を有するキャリッジ22と、キャリッジ22に設けられたイメージセンサー45と、吐出ヘッド27の吐出タイミングを制御するコントローラーとを備える。イメージセンサー45は、キャリッジ22の移動領域に沿ってその背面側に配置された背板フレーム123の一部の面を検出対象として経時的に取得した2次元の画像データの差分に基づいて吐出ヘッド27がインク滴を吐出する方向と平行な吐出方向Zの位置を検出する。コントローラーは、イメージセンサー45の検出信号に基づいて取得した吐出ヘッド27の吐出方向Zの変位量ΔZ(x)に基づいて吐出タイミングを制御する。【選択図】図8

Description

本発明は、吐出対象に液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
従来から、液体吐出部の一例としての吐出ヘッドを有するキャリッジが走査方向に往復移動可能に設けられたシリアル式の印刷装置(シリアルプリンター)が広く知られている(例えば特許文献1〜3等)。シリアル式の印刷装置では、キャリッジを走査方向に移動させながら吐出ヘッドにより用紙等の媒体に一走査分の印刷をする印刷動作と、媒体を走査方向と交差する搬送方向へ次の印刷位置まで搬送する搬送動作とを略交互に繰り返し、媒体に画像等を印刷する。
例えば特許文献1には、吐出ヘッドと媒体とのギャップ(距離)を調整するギャップ調整機構を備えた印刷装置が開示されている。このギャップ調整機構は、モーターの動力で吐出ヘッドの支持軸を高さ調整する機構の駆動位置をセンサーで検知することで、ギャップを複数段階に調整する。ギャップは例えば用紙種(媒体種)に応じて調整される。
また、例えば特許文献2には、吐出ヘッドと媒体との間のギャップに応じて吐出タイミングを補正し、吐出ヘッドから吐出した液体を媒体の適切な位置に着弾させる技術が開示されている。この技術では、吐出ヘッドと媒体との間のギャップに応じて記憶データから求まる液体の飛翔速度(吐出速度)に基づいて吐出タイミングを補正する。
さらに、例えば特許文献3には、パス毎に印刷ヘッドの主走査方向の移動に伴って検出器により検出されるヘッド用紙間距離から最大用紙高さを求め、求めた最大用紙高さが閾値よりも大きいときには、次のパスでプラテンギャップを広げることで、パス毎に最適なプラテンギャップを設定する技術が開示されている。
特開2006−256229号公報 特開2010−142978号公報 特開2010−173150号公報
ところで、キャリッジの組み付けのばらつきやキャリッジ走査系の経年劣化等により、吐出ヘッドと媒体とのギャップ(距離)が、キャリッジの走査方向の位置の違いによって異なる場合がある。この場合、キャリッジの走査方向の位置の違いによって、吐出ヘッドのノズルから吐出されたインク滴の媒体への着弾位置が目標位置からずれ、しかもずれ量のばらつきにより、媒体の走査方向における印刷ドットの間隔がばらついて印刷品質が低下するという課題がある。特許文献1〜3に記載の技術では、吐出ヘッドが1回移動するパス内ではギャップが一定であるものとして吐出タイミングが決められていたので、吐出ヘッドの移動方向におけるインク滴の媒体への着弾位置のばらつきが発生し易い。なお、シリアルプリンターに限らず、ラインプリンターであっても、吐出ヘッドにおける位置の違いによってギャップが異なると、吐出ヘッドのノズルから吐出されたインク滴の着弾位置がずれてしまい、同様に印刷品質の低下を招くという、概ね同様の課題が存在する。
本発明の目的は、液体吐出部の吐出位置に違いによって、液体吐出部の吐出方向の位置ずれ量が異なっても、吐出対象に対する液体の着弾位置のばらつきを小さく抑えることができる液体吐出装置及び液体吐出方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置であって、液体の吐出対象に液体を吐出する液体吐出部と、前記吐出対象を搬送する搬送機構と、前記吐出対象が搬送される搬送方向と交差する方向に異なる二以上の吐出位置ごとに前記液体吐出部の吐出方向の変位量を検出する検出部と、前記変位量に基づいて前記吐出位置ごとに前記液体吐出部の吐出タイミングを制御する制御部とを備えている。なお、吐出位置とは、液体吐出部が液体を吐出可能な位置を指す。
この構成によれば、吐出対象が搬送される搬送方向と交差する方向に異なる二以上の吐出位置ごとに液体吐出部の吐出方向の変位量が検出部により検出される。制御部は、検出部により吐出位置ごとに検出された変位量に基づいて吐出位置ごとに液体吐出部の吐出タイミングを制御する。よって、液体吐出部の吐出位置に違いによって、液体吐出部の吐出方向の変位量(位置ずれ量)が異なっても、吐出対象に対する液体の着弾位置のばらつきを小さく抑えることができる。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置であって、液体の吐出対象に液体を吐出する液体吐出部と、前記液体吐出部と前記吐出対象とを相対移動させる移動機構と、前記移動機構による前記液体吐出部と前記吐出対象との相対移動中に、前記液体吐出部の吐出方向の変位量を検出する検出部と、前記変位量に基づいて前記液体吐出部と前記移動機構とのうち少なくとも一方を制御する制御部と、を備えている。
この構成によれば、移動機構による液体吐出部と吐出対象との相対移動中に、液体吐出部の吐出方向の変位量が検出部により検出される。その検出された変位量に基づいて液体吐出部と移動機構とのうち少なくとも一方が、制御部により制御される。よって、液体吐出部の位置の違いによって吐出方向の変位量が異なっても、吐出対象に対する液体の着弾位置の相対移動方向におけるばらつきを小さく抑えることができる。
上記液体吐出装置では、前記検出部は、前記液体吐出部の前記吐出方向の変位量を検出し、前記制御部は、前記変位量に基づいて前記液体吐出部を制御することが好ましい。
この構成によれば、液体吐出部の吐出方向の変位量が検出部により検出される。そして、制御部により、液体吐出部の変位量に基づいて液体吐出部が制御される。よって、液体吐出部が吐出方向に位置変動しても、吐出対象に対する液体の相対移動方向における着弾位置のずれを相対的に小さく抑えることができる。
上記液体吐出装置では、液体吐出部と前記吐出対象とのギャップを調整するギャップ調整部を更に備え、前記検出部は、前記ギャップ調整部によりギャップが調整された前記液体吐出部の相対移動中に、前記液体吐出部の吐出方向の変位量を検出し、前記制御部は、前記変位量に基づいて前記液体吐出部を制御する。
この構成によれば、ギャップ調整部によりギャップ調整された液体吐出部の相対移動中に検出部により液体吐出部の吐出方向の変位量が検出される。そして、制御部によって、液体吐出部の変位量に基づいて液体吐出部が制御される。よって、液体吐出部が吐出方向に位置変動しても、吐出対象に対する液体の相対移動方向における着弾位置のずれを相対的に小さく抑えることができる。
上記液体吐出装置では、前記制御部は、前記変位量に基づいて前記液体吐出部の吐出タイミングを補正することが好ましい。
この構成によれば、液体吐出部の吐出対象と対向する方向における変位量が検出される。制御部により液体吐出部による液体の吐出タイミングが補正される。よって、媒体に対する液体の着弾位置精度を向上できる。
上記液体吐出装置では、前記検出部は、前記移動機構による前記液体吐出部の相対移動方向の変位量をも検出し、前記制御部は、前記液体吐出部の相対移動方向の変位量に基づいて、前記液体吐出部と前記移動機構とのうち少なくとも一方を制御することが好ましい。
この構成によれば、検出部により、移動機構による液体吐出部の相対移動方向の変位量も検出される。よって、リニアエンコーダー等の液体吐出部の相対移動方向の位置の検出に必要な検出系の部品の構成を簡単にしたり、あるいは検出系の部品からの信号に基づいて制御部が行う処理の少なくとも一部を簡単にしたりすることができる。
上記液体吐出装置では、前記移動機構は、前記液体吐出部が設けられたキャリッジを移動させる構成であり、前記検出部は、前記キャリッジに設けられ、前記検出部が検出可能に前記キャリッジの移動領域に沿って配置された被検出部を更に備えていることが好ましい。
この構成によれば、液体吐出部の移動中にキャリッジと共に移動する検出部が、キャリッジの移動領域に沿って配置された被検出部を検出することで、キャリッジの移動中に、液体吐出部の吐出方向の変位量を検出する。よって、液体吐出部が吐出対象に対して移動する構成において、液体吐出部が吐出方向に位置変動しても、キャリッジの移動方向における液体の着弾位置のずれを相対的に小さく抑えることができる。
上記液体吐出装置では、前記被検出部は、前記キャリッジを移動可能に案内する支持部の一部、又は前記キャリッジに動力を伝達する前記移動機構を構成する動力伝達機構の一部を支持する支持部の一部であることが好ましい。
この構成によれば、キャリッジの移動中に、キャリッジと共に移動する検出部により、支持部の一部が被検出部として検出されることにより、液体吐出部の吐出方向の変位量が検出される。よって、キャリッジを案内する支持部の一部又は動力伝達機構の一部を支持する支持部の一部を、被検出部として利用できる。このため、検出専用の被検出用部品を別途設ける必要がない。
上記液体吐出装置では、前記移動機構は、前記キャリッジの一部が連結されて往復回転可能な状態に掛装された無端状のベルトを有し、前記被検出部は、前記無端状のベルトを回転可能に支持するフレームの一部の面であることが好ましい。
この構成によれば、移動機構を構成する無端状のベルトを回転可能に支持するフレームの一部の面が被検出部として利用される。よって、検出専用の被検出部を別途設ける必要がなく、部品点数を相対的に少なく抑えることができる。
上記液体吐出装置では、前記検出部は、経時的に取得した2次元の画像データの差分から前記液体吐出部の変位量を検出することが好ましい。
この構成によれば、検出部は、経時的に取得した2次元の画像データの差分から液体吐出部の変位量を検出するので、検出専用の被検出部を別途設ける必要がない。
上記課題を解決する液体吐出方法は、液体を吐出対象に吐出する液体吐出方法であって、前記吐出対象が搬送される搬送方向と交差する方向に異なる二以上の吐出位置ごとに液体吐出部の吐出方向の変位量を検出する検出ステップと、前記変位量に基づいて前記吐出位置ごとに前記液体吐出部の吐出タイミングを制御する制御ステップと、を備えている。この方法によれば、上記液体吐出装置と同様の作用効果を得ることができる。
上記課題を解決する液体吐出方法は、液体を吐出対象に吐出する液体吐出方法であって、液体吐出部と吐出対象とを相対移動させる移動ステップと、液体吐出部の吐出方向における変位量を検出する検出ステップと、前記変位量に基づいて前記液体吐出部を制御する制御ステップと、を備え、前記検出ステップでは、前記液体吐出部と前記吐出対象との相対移動中に、前記変位量を検出する。この方法によれば、上記液体吐出装置と同様の作用効果を得ることができる。
一実施形態における外装カバーが取り外された状態にあるプリンターを示す斜視図。 吐出ヘッドの底面及び吐出駆動系を示す模式図。 キャリッジが一走査するときの速度プロファイルを示すグラフ。 (a)は定速過程のインク滴吐出、(b)は加減速過程のインク滴吐出を説明する模式正面図。 (a)は吐出ヘッドの吐出方向の位置が変位した際のインク滴の着弾位置のずれ、(b)は吐出ヘッドの吐出方向の位置が変位した際の吐出制御をそれぞれ説明する模式正面図。 背板フレームとキャリッジとを示す模式側面図。 背板フレームを示す正面図。 吐出ヘッドの吐出方向Zの変位の様子を示す正面図。 吐出ヘッドの図8とは異なる吐出方向Zの変位の様子を示す正面図。 プリンターの電気的構成を示すブロック図。 吐出制御装置の電気的構成を示すブロック図。 イメージセンサーの模式斜視図。 吐出タイミング信号の生成方法を説明する信号波形図。 印刷制御ルーチンを示すフローチャート。 第2実施形態におけるラインプリンターの模式平面図。 ラインプリンターの模式正面図。 (a),(b)は変形例における検出部の一例を示す部分側面図、(c)はエンコーダー信号を示す信号波形図。
(第1実施形態)
以下、液体吐出装置を、シリアル式のプリンターに具体化した第1実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、液体吐出装置の一例としてのシリアル式のプリンター11(シリアルプリンター)は、一例としてインクジェット式カラープリンターである。図1では、プリンター11は、外装ハウジングが取り外された状態にあり、上側と前側が開口する略四角箱状の本体フレーム12を有する。本体フレーム12は、例えば底板フレーム121と左右一対の側板フレーム122と背板フレーム123等を有する。なお、本実施形態では、背板フレーム123により、「被検出部」、「支持部」及び「フレーム」の一例が構成される。
本体フレーム12の背面部には、吐出対象の一例としての複数枚の用紙Pを幅方向に位置決め可能な一対のエッジガイド13を有する給送トレイ14を備えた自動給送装置15が設けられている。自動給送装置15は、給送トレイ14にセットされた用紙群のうち一枚ずつをプリンター11の本体内へ給送する。なお、自動給送装置15は、カセット給送方式やロール紙給送方式でもよい。
図1に示すように、本体フレーム12の図1におけるその左右の側壁間には、所定長さを有するガイド軸21が架設され、キャリッジ22はこのガイド軸21に沿って走査方向X1(主走査方向)に往復移動可能に案内される。キャリッジ22は、本体フレーム12の背板フレーム123に取着された一対のプーリー23,23に巻き掛けられた無端状のタイミングベルト24の一部に固定されている。図1における右側のプーリー23はキャリッジモーター25の駆動軸に連結されている。キャリッジモーター25が正逆転駆動されると、タイミングベルト24が正転・逆転し、キャリッジ22は走査方向X1に往復移動する。なお、本実施形態では、キャリッジモーター25、一対のプーリー23,23及びタイミングベルト24等により、「移動機構」の一例が構成される。また、一対のプーリー23,23及びタイミングベルト24により、「動力伝達機構」の一例が構成される。
図1に示すように、キャリッジ22の上部のホルダー22aには、液体供給源の一例である複数個(図1の例では4個)のインクカートリッジ26が装着されている。各インクカートリッジ26には、液体の一例として、例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を含む複数色(図1の例では4色)のインクがそれぞれ1色ずつ収容されている。なお、インクの色数は4色に限らず、1色(一例として黒)、2色、3色、5〜8色等でもよい。また、本体フレーム12側のホルダーに装着されたインクカートリッジ26からチューブを通じてキャリッジ22へインクを供給してもよいし、外付けのインクタンクからキャリッジへインクを供給してもよい。
また、図1に示すように、キャリッジ22の下部には吐出ヘッド27が設けられている。吐出ヘッド27は、各インクカートリッジ26から供給されたインクを、給送された用紙Pに向かって吐出する。吐出ヘッド27は、キャリッジ22に接続されたフレキシブルフラットケーブルFCを介してプリンター11内に設けられた制御部の一例としてのコントローラー50(図10参照)から転送される吐出データに基づいて駆動される。
図1に示すように、吐出ヘッド27の印刷時に移動する領域(印刷領域)と対向する下方位置には、長尺状の支持台28が、走査方向X1に沿って延びる状態に配置されている。支持台28は、用紙Pを支持することで、吐出ヘッド27と用紙Pとの間を印刷条件(用紙種や印刷モード)に応じた一定のギャップに保持する。印刷中は、吐出ヘッド27から吐出されたインク滴が、用紙Pのうち支持台28に支持された部分に着弾することで、用紙Pに文書や画像等が印刷される。
また、キャリッジ22の背面側には、キャリッジ22の走査方向X1における位置及び速度を検出するためのリニアエンコーダー29が設けられている。プリンター11は、リニアエンコーダー29の検出信号に基づき把握される位置及び速度の情報を基にキャリッジ22の位置制御及び速度制御を行う。また、リニアエンコーダー29の検出信号(エンコーダーパルス信号)は、吐出ヘッド27がインク滴を吐出する吐出タイミングを決める吐出タイミング信号PTSの生成に用いられる。
また、本体フレーム12の図1における右側下部には、給送モーター30及び搬送モーター31が配設されている。給送モーター30は、自動給送装置15の動力源で、不図示の給送ローラーを駆動し、給送トレイ14にセットされた用紙Pを最上位のものから順に一枚ずつ給送する。
図1に示す搬送モーター31は、走査方向X1と交差(特には直交)する搬送方向Yに給送された用紙Pを、その搬送方向Yに支持台28を挟んだ上流側と下流側に各々配置された搬送ローラー対32と排出ローラー対33とを回転駆動させる。各ローラー対32,33は、搬送モーター31の動力で回転駆動する駆動ローラー32a,33aと、駆動ローラー32a,33aと接触して連れ回りする従動ローラー32b,33bとを有する。印刷中の用紙Pは両ローラー対32,33に挟持(ニップ)された状態で搬送方向Yに間欠的に搬送される。なお、本実施形態では、搬送モーター31及び両ローラー対32,33等により、「搬送機構」の一例が構成される。
図1に示すシリアル式のプリンター11は、キャリッジ22を走査方向X1に往復動させながら吐出ヘッド27のノズル27b(図2参照)から用紙Pに向けてインクを吐出する印字動作と、用紙Pを搬送方向Yに次の走査位置(印刷位置)まで搬送する送り動作とを略交互に繰り返すことで、用紙Pに文書や画像等を印刷する。印刷中は、両ローラー対32,33間で支持台28に支持される部分で、吐出ヘッド27と用紙Pとの間隔が所定のギャップに保持される。印刷済みの用紙Pは、排出ローラー対33に搬送方向下流側へ搬送され、不図示の排出スタッカー(排紙トレイ)上に排出される。
図1において、キャリッジ22の移動経路上の一端位置(図1では右端位置)が、キャリッジ22が非印刷時に待機するホーム位置HP(ホームポジション)となっている。ホーム位置HPにあるキャリッジ22の直下には、メンテナンス装置34が配設されている。メンテナンス装置34は、キャップ35、ワイパー36及び吸引ポンプ37等を備える。吐出ヘッド27のノズルからキャップ35に向かってインク滴を吐出するフラッシング(空吐出)や、吸引ポンプ37の駆動により吐出ヘッド27に接触したキャップ35内を負圧にし、ノズルから増粘インクや気泡を強制的に吸引排出するクリーニングが行われる。このクリーニング時の廃インクは、キャップ35から支持台28の下側に配置された廃液タンク38へ排出される。
また、プリンター11には、キャリッジ22を吐出方向Zに移動させることで、吐出ヘッド27と支持台28上の用紙Pとのギャップ(間隔)を調整可能なギャップ調整部の一例としてのギャップ調整装置39が装備されている。ギャップ調整装置39は駆動されることで、ホスト装置から受信した印刷データに含まれる印刷条件情報又は不図示の操作パネルで入力設定された印刷条件情報に含まれる印刷モード及び用紙種に応じた適切なギャップが確保される。ギャップ調整装置39の駆動により、キャリッジ22は、必要なギャップの種類に応じた複数段階に高さ調整可能となっている。なお、本実施形態では、吐出ヘッド27からインク滴が吐出される方向(一例として重力方向)と平行で、特に吐出ヘッド27と支持台28上に支持された用紙PとのギャップPGが変化する方向を「吐出方向Z」と呼ぶ。
図2に示すように、吐出ヘッド27の底面であるノズル開口面27aには、搬送方向Y(副走査方向)(図2における上下方向)に一定のノズルピッチで一列に配列された計n個(但しnは2以上の自然数で、一例として400個)のノズル♯1〜♯nによりなるノズル列Nが複数列形成されている。吐出ヘッド27は、一例として、A列〜H列の合計8列のノズル列Nを備えている。左から奇数列(A,C,E,G列)のノズル列に対して偶数列(B,D,F,H列)のノズル列は、ノズルピッチの半ピッチ分だけ搬送方向Y下流側(図2における上側)へシフトして位置する。本例では、合計8列のノズル列を用いて、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色で印刷を行う。同一インク色となる二つのノズル列の組み合わせは、奇数列と偶数列との組合せであればよい。2つのノズル列で同一色を印刷することで、ノズルピッチの半分の分解能で高解像度の印刷が可能になる。
また、吐出ヘッド27には、各ノズル♯1〜♯nと対応する図2に示す吐出駆動素子40がノズル数と同数内蔵されている(但し、図2では吐出ヘッド27の外側に模式的に1ノズル列分のみ描いている)。吐出ヘッド27は、ノズル27bと吐出駆動素子40とを有する吐出部41を、ノズル列A〜H毎にn個ずつ備えている。そして、ノズル一列毎に、n個の吐出駆動素子40からなる吐出駆動素子群42を備えている。吐出駆動素子40の電圧制御(吐出制御)は、コントローラー50によってヘッド駆動回路54(いずれも図10参照)を介して行われる。吐出駆動素子40は、例えば圧電振動素子又は静電駆動素子からなり、所定駆動波形の電圧パルスが印加されると、電歪作用又は静電駆動作用によりノズルに連通するインク室を膨張・圧縮させることによりノズルからインク滴を吐出させる。なお、吐出ヘッド27は、吐出駆動素子40がヒーター素子で、ヒーター素子で加熱したインクの膜沸騰により発生した気泡の膨張圧を利用してノズルからインク滴を吐出させるサーマル方式でもよい。
次に、図3を参照して、コントローラー50がキャリッジ用の速度制御データVD(図10参照)を用いて行うキャリッジ22の速度制御について説明する。図3のグラフに示されるように、この速度制御データVDは、キャリッジ位置とキャリッジ速度との関係が示されたデータである。CPU60は、エンコーダー信号を基に取得したキャリッジ位置から、速度制御データVDを参照してその位置に応じた目標速度を求め、実速度と目標速度との差分を小さくするフィードバック制御を行う。但し、キャリッジ移動範囲のうち少なくとも一部の範囲(例えば加減速領域)についてはフィードフォワード制御を行ってもよい。本例では、キャリッジ22が原点位置P0〜位置P2までの区間が、停止状態(速度「0」)から定速度Vcに到達するまでの加速領域であり、位置P2から位置P3までの範囲が定速度Vcで速度制御される定速領域、位置P3から停止位置P5までの範囲が定速度Vcから停止(速度「0」)まで減速される減速領域となっている。そして、本実施形態では、キャリッジ22の定速領域で印刷する定速印刷を行うだけではなく、定速領域の両側において加速領域の一部で印刷する加速印刷と減速領域の一部で印刷する減速印刷とを行う加減速印刷を採用している。すなわち、走査方向X1(キャリッジ移動方向)における印刷可能範囲が、定速領域で行われる定速印刷の他、加速領域のうち位置P1〜P2間の区間で行われる加速印刷と、減速領域のうち位置P3〜P4間の区間で行われる減速印刷が設定されている。なお、以下の説明では、加速印刷が行われる加速領域と、減速印刷が行われる減速領域とをまとめて、「加減速領域」と総称する。
次に、図4を参照して、吐出ヘッド27の吐出制御について説明する。図4(a)に示すように、ヘッド速度Vh(つまりキャリッジ速度)が定速度Vcであるとき(Vh=Vc)、吐出ヘッド27のノズル27bからはノズル開口面27aと垂直な吐出方向、すなわち鉛直方向下向きに速度Vm(初速)でインク滴は吐出される。吐出方向に吐出されたインク滴は、鉛直方向下向きの速度Vmと、ヘッド進行方向のヘッド速度Vh=Vcとの合成速度ベクトルの方向及び速度で飛行し、用紙P上の目標位置に着弾する。このとき、インク滴の着弾位置は、インク滴の速度Vmと、ヘッド速度Vh=Vcと、吐出ヘッド27と用紙Pとの間のギャップPGoとにより決まる。定速度Vcのときは、目標位置よりも第1距離だけ手前の所定位置に達した時点を吐出タイミングとすることで、インク滴は目標位置に着弾する。
一方、図4(b)に示すように、加減速過程では、ヘッド速度Vhが定速度Vc未満の速度Va(<Vc)で移動する。このとき、定速過程と同様に目標位置に対して第1距離手前の図4(b)に二点鎖線で示す位置からインク滴を吐出すると、吐出されたインク滴は、鉛直方向下向きの速度Vmと、ヘッド速度Vh=Va(<Vc)との合成速度ベクトルの方向及び速度で飛行し、同図に二点鎖線で示す経路で、目標位置よりもかなり手前の位置に着弾してしまう。そのため、加減速過程では、目標位置に対して第1距離だけ手前の位置に達した時点よりも更に時間Δtだけ遅らせて目標位置に対して第2距離だけ手前の位置を吐出タイミングとすることで、インク滴を目標位置に着弾させることができる。
次に、図5を参照して、吐出ヘッド27の高さが変動した際の吐出制御について説明する。図5(a)に示すように、ヘッド速度Vhが定速度Vcであるとき(Vh=Vc)、吐出ヘッド27の高さ方向の位置が変動して、吐出ヘッド27の走査方向の位置x(以下、「キャリッジ位置x」ともいう。)におけるギャップPGが、規定の(適正な)ギャップPGoに対して変位量ΔZ(x)だけ変動したとする。この場合、吐出ヘッド27のノズル27bから吐出された速度Vmと、ヘッド速度Vh=Vcとの合成速度ベクトルの方向及び速度が同じでも、ギャップPGの変動によって、図5(a)に二点鎖線の矢印で示すインク滴の飛行経路から、同図に実線の矢印で示す飛行経路にずれて、インク滴の用紙Pに対する着弾位置が目標位置からずれることになる。このため、図5(b)に示すように、ギャップPGが変動した場合は、吐出ヘッド27が二点鎖線で示す吐出位置(図5(a)の吐出位置)に達した時点の吐出タイミングよりも時間Δtだけ早めた吐出タイミングに調整する必要がある。
ここで、吐出タイミングを規定する吐出タイミング信号は、リニアエンコーダー29のエンコーダーパルス信号から生成される。プリンター11に備えられたコントローラー50は、エンコーダーパルス信号を基に、吐出周期と同じパルス周期をもつ基準タイミング信号を生成し、基準タイミング信号のパルスをヘッド駆動回路54(図11参照)に出力する出力時期を遅延させることで、キャリッジ位置xにおける吐出タイミング信号PTS(x)(図11参照)を生成する。吐出タイミング信号PTS(x)の出力時期を決める遅延時間は、キャリッジ位置xにおけるディレイ値Dp(x)(図11参照)(PTSディレイ段数)を設定することで行われる。このディレイ値Dp(x)の詳細は、後述する。
図6に示すように、背板フレーム123のキャリッジ22と対向する表面には、ねじ123aの頭部や隙間123bや凹部(図示せず)が露出した部分などがある。このような部分が、イメージセンサー45の検出対象エリアに含まれると、イメージセンサー45と背板フレーム123との距離が適正な設定距離から外れてしまい、必要な検出精度が得られなくなる。イメージセンサー45は、検出対象との距離が設定距離(例えば1〜10mmの範囲内の所定値)以内に定められている。このため、イメージセンサー45は、走査方向に移動しても、その検出対象エリア内に、ねじ123aや隙間123b等が存在せず、かつ、キャリッジ22が吐出方向Zに想定最大変位量で位置変位しても、その検出対象エリア内にねじ123aや隙間123b等が存在しないキャリッジ22の背面上の所定位置に取り付けられている。このため、イメージセンサー45は、背板フレーム123の表面と一定の距離を保持した状態でその背板フレーム123の表面上の検出対象エリアを検出できるため、必要な検出精度が保証される。イメージセンサー45は、背板フレーム123の一部の表面を検出対象とする。イメージセンサー45は、背板フレーム123の表面の素地を検出する。
また、図7に示すように、背板フレーム123の表面には、ホーム位置HPにあるキャリッジ22が適正なギャップPGoとなる吐出方向Zの基準位置にあるときにイメージセンサー45が検出できる位置に、基準位置検出用の所定パターンのマークが形成されている。図7の例では、マークMは吐出方向Zと直交する直線の例を示している。マークMは例えば印刷又は塗装により形成されている。プリンター11は、ギャップを調整するときは、ギャップ調整装置39を駆動させてキャリッジ22の高さを調整することで、印刷モードや用紙種等に応じたギャップに調整する。このとき、ギャップ調整装置39を駆動させてキャリッジ22を昇降させることで、イメージセンサー45によりマークMを探し、マークMを検出できた位置を、吐出ヘッド27の吐出方向Zの基準位置とする。
次に、図8及び図9等を参照して、吐出ヘッド27の吐出方向Zの変位量ΔZ(x)について説明する。
図6及び図8に示すように、タイミングベルト24が掛装された一対のプーリー23を支持する背板フレーム123は、キャリッジ22の移動領域の背面側に立設されている。キャリッジ22の組み付けのばらつきや、キャリッジ22を含む走査系の経年劣化等によるキャリッジ22を案内するガイド軸21の変形や、キャリッジ22とガイド軸21との摺動部分の偏摩耗などの原因により、キャリッジ22は走査方向X1に移動する過程で吐出方向Zに変位する。ここで、コントローラー50は、キャリッジ22のホーム位置HPを原点(零)とする走査方向X1の位置x(キャリッジ位置x)を管理している。
図8及び図9の例では、キャリッジ22が走査方向X1に移動する過程で吐出方向Zに位置が変動する様子を示している。図8の例では、キャリッジ22はホーム位置HPからX方向に移動する過程で、同図に二点鎖線で示す軌跡に沿って、吐出方向Zに変位する。また、図9の例では、キャリッジ22はホーム位置HPからX方向に移動する過程で、二点鎖線K1で示す軌跡に沿ってほぼ一定の傾きで上昇したり、二点鎖線K2で示す軌跡に沿ってほぼ一定の傾きで下降したりするなど、走査方向X1に一定の傾きで変位する。なお、図8及び図9では、ギャップ調整装置39により所定のギャップPGoに調整されたとき、イメージセンサー45はマークMを検出する。このマークMを検出した位置を、吐出ヘッド27の吐出方向Zの原点とする。吐出ヘッド27の吐出方向Zの位置が基準位置Zrefとなる。
図8に示すように、キャリッジ22が吐出方向Zに変位量ΔZ(x)だけ変位すると、ギャップPGが、適正なギャップPGoに対して変位量ΔZ(x)だけ変位する。本例では、キャリッジ22の背面に設けられたイメージセンサー45が、背板フレーム123の表面を検出対象として、背板フレーム123の表面の画像を経時的に取得し、画像の差分に基づいて背板フレーム123に対するキャリッジ22の相対移動方向と相対移動量とを検出する。そして、イメージセンサー45の検出信号から、適正なギャップPGoのときのキャリッジ22の位置に対して吐出方向Zの相対移動量を取得し、これを変位量ΔZ(x)として取得する。なお、画像の差分には、画像中の注目領域の位置の差分が含まれる。
図10は、プリンター11の電気的構成を示す。図10に示すように、プリンター11は、コントローラー50、モーター駆動回路51〜53及びヘッド駆動回路54を備えている。また、プリンター11は、入力系として、前述のリニアエンコーダー29及びキャリッジ22(つまり吐出ヘッド27)の吐出方向Zの変位量を検出するために用いられるイメージセンサー45を備えている。
リニアエンコーダー29は、走査方向X1に沿って延びるリニアスケール43とキャリッジ22に固定されてリニアスケールを検出対象とする光学式センサー44とを備える。光学式センサー44は、キャリッジ22の走査方向X1への移動によりリニアスケール43の一定ピッチの符号(スリット又はマーク)を光学的に検出し、キャリッジ22の移動量に比例する数のパルスを含むエンコーダー信号を出力する。
また、本実施形態のイメージセンサー45は、キャリッジ22の吐出方向Zの位置zを検出し、位置zを示す検出信号Szを出力する。コントローラー50は、イメージセンサー45から入力した検出信号Szから取得した吐出方向Zの位置zを逐次取得し、単位時間毎の位置の差分からキャリッジ22の吐出方向Zにおける基準位置Zrefに対する変位量ΔZ(x)を取得する。
コントローラー50は、モーター駆動回路51を介してキャリッジモーター25を駆動制御し、キャリッジ22及び吐出ヘッド27を走査方向X1に所定の速度プロファイルに従って加速・定速・減速を伴って移動させることで、キャリッジ22の1回の走査を行う。また、コントローラー50は、モーター駆動回路52を介して給送モーター30を駆動制御して給送ローラーを回転させることで用紙Pを給送し、用紙Pが所定位置まで給送された以後、モーター駆動回路53を介して搬送モーター31を駆動制御することで、印刷中の用紙Pを間欠的に搬送する。また、コントローラー50は、例えばホスト装置(図示せず)から入力した印刷データPDに基づいてヘッド駆動回路54を介して吐出ヘッド27(詳しくはノズル毎に内蔵された吐出駆動素子40)を駆動制御する。
コントローラー50は、CPU60(中央処理装置)、カスタムLSIとしてのASIC61(Application Specific Integrated Circuit)(特定用途向け集積回路)、ROM62、RAM63、不揮発性メモリー64(例えばフラッシュROM)、入力インターフェイス65、入出力インターフェイス66及びクロック回路67などから構成されている。CPU60、ASIC61、ROM62、RAM63、不揮発性メモリー64、入力インターフェイス65及び入出力インターフェイス66はバス68を介して互いに接続されている。
図10に示す入力インターフェイス65は、ホスト装置と有線又は無線で通信可能に接続され、ホスト装置から例えば通信ケーブル(いずれも図示せず)を介して転送されてきた印刷データPDを受信してプリンター11に入力する。入力された印刷データPDは、RAM63に格納される。ROM62には、各種制御プログラム及び各種データが記憶されている。不揮発性メモリー64には、印刷制御プログラム(ファームウェアプログラム)をはじめとする各種プログラム及び印刷処理に必要な各種データ等が記憶されている。不揮発性メモリー64には、吐出ヘッド27の吐出タイミング制御用のプログラムPR、キャリッジ用の速度制御データVDなどが記憶されている。
RAM63には、CPU60が実行するプログラム及びCPU60による演算結果及び処理結果である各種データ、さらにASIC61で処理された各種データ等が一時記憶される。また、RAM63には、印刷データPDや、印刷データPDから吐出データを生成する過程で生成される中間データ等が格納される。吐出データは、吐出ヘッド27が1走査の過程でノズルからインク滴を吐出する1パス分のデータである。
CPU60は、印刷データPDに含まれる印刷言語で記述されたコマンドを解析(解釈)する。ASIC61は、印刷データPD中の中間コードを印刷ドットに対応する画素が所定の階調で示されたビットマップデータに変換してRAM63上に展開する画像展開処理部71を備える。画像展開処理部71は1走査分ずつデータの展開処理を行い、1走査分ずつ吐出データ(階調値データ)を、入出力インターフェイス66からフレキシブルフラットケーブルFCを介してキャリッジ22側のヘッド駆動回路54に出力する。ヘッド駆動回路54は、受信した吐出データに基づき吐出ヘッド27内の吐出駆動素子40を駆動制御し、ノズル27bからのインク滴の吐出を制御する。
また、CPU60が印刷制御プログラムを実行することにより、速度制御データVDを参照してその時々のキャリッジ位置xに応じて決まる目標速度に実速度を近づける制御の指令値が入出力インターフェイス66を介してモーター駆動回路51に出力し、キャリッジモーター25を速度制御する。これによりキャリッジモーター25は、図3のグラフで示される速度プロファイルに従って速度制御される。
また、CPU60が印刷制御プログラムを実行することにより搬送系の指令値が入出力インターフェイス66を介して各モーター駆動回路52,53に出力されることで、給送モーター30及び搬送モーター31がそれぞれ駆動制御される。これら各モーター30,31の駆動制御により、給送機構及び搬送機構が駆動され、用紙Pの給送、搬送及び排出が行われる。コントローラー50には、入力系として、搬送モーター31の回転量に比例する数のパルスを有するエンコーダー信号を出力する不図示のエンコーダー(ロータリーエンコーダー)及び紙検出器が電気的に接続されている。コントローラー50は、このエンコーダーから入力したエンコーダー信号のパルスエッジを計数して把握した用紙Pの搬送位置に従って、各モーター30,31による用紙Pの搬送制御を行う。
また、図10に示すASIC61は、吐出ヘッド27のノズルから吐出されるインク滴の吐出タイミングを決定する吐出タイミング信号PTSを生成する処理を行う。このため、ASIC61には、エッジ検出回路73及び印刷タイミング発生回路74を備える。エッジ検出回路73は、リニアエンコーダー29から入力するエンコーダー信号ESの立ち上がりエッジを検出する度にパルスを発生させてエンコーダー信号とパルス周期が同じ基準パルス信号RSを出力する。
印刷タイミング発生回路74は、エッジ検出回路73から入力した基準パルス信号RS及びクロック回路67から入力したクロック信号CK等を用いた信号生成処理を行って吐出タイミング信号PTSを生成する。印刷タイミング発生回路74が行う信号生成処理には、基準パルス信号RSの1周期を分割(逓倍)してパルス信号を発生させる周期分割処理(逓倍処理)と、得られたパルス信号をキャリッジ22の速度及び移動方向(往動と復動の違い)等に応じたディレイ時間だけ遅延させて吐出タイミング信号PTSを生成する遅延処理とが含まれる。印刷タイミング発生回路74が生成した吐出タイミング信号PTSは、ヘッド駆動回路54に出力される。
吐出ヘッド27にノズル毎に設けられた吐出駆動素子40には、吐出データに基づき選択された駆動パルスが印加される。この駆動パルスの印加により吐出駆動素子40が駆動されると、ノズル毎に設けられたインク室が膨張・圧縮することで、ノズルからインク滴が吐出される。ヘッド駆動回路54は、吐出ヘッド27内の各吐出駆動素子40に駆動パルスが印加される印加タイミングを、吐出タイミング信号PTSに基づいて決定する。
また、エッジ検出回路73から出力された基準パルス信号RSは位置検出用パルスとしてCPU60に入力される。CPU60は、リニアエンコーダー29からのエンコーダーパルス信号に含まれるA相とB相の位相差に基づきキャリッジ22の移動方向を取得する。そして、CPU60は基準パルス信号RSの立ち上がりエッジをCRカウンター75で計数し、その計数値をキャリッジ往動時にインクリメント、キャリッジ復動時にデクリメントして、その得られたカウント値からキャリッジ22の例えばホーム位置HPを原点とする走査方向X1の位置(以下、「キャリッジ位置」ともいう。)を検出するようにしている。このキャリッジ位置は、速度制御データVD(図4)を参照して実行されるキャリッジモーター25の速度制御に用いられる。
また、印刷タイミング発生回路74は、速度データをCPU60に出力する。詳しくは、印刷タイミング発生回路74は、エッジ検出回路73から入力した基準パルス信号RSの1周期の期間に、クロック回路67からのクロック信号CKのパルスエッジ数を計数することで、現在のキャリッジ速度Vcrに反比例する基準パルス信号RSの周期Tprtを計数する。さらに印刷タイミング発生回路74は、その周期Tprtの逆数を演算した値を現在の速度データVcr(=1/Tprt)としてCPU60に出力する。また、印刷タイミング発生回路74には、吐出タイミング信号PTSの出力タイミングを決める後述するディレイ値Dp(x)の決定に必要な基準値及び補正値などの設定値をCPU60から入力する。なお、ASIC61は、搬送モーター31の回転を検出する不図示のエンコーダーから入力したエンコーダーパルス信号のパルスエッジの数を計数する不図示のPFカウンターを備える。そして、ASIC61は、給送途中の用紙Pを不図示の検出器が検知すると、PFカウンターに計数を開始させる。これにより、CPU60は、PFカウンターの計数値から取得される用紙Pの搬送位置に基づいて、搬送モーター31による用紙Pの位置制御及び速度制御を行う。
プリンター11は、図11に示す吐出制御装置80を備える。プリンター11は、図10に示すコントローラー50内のコンピューターが、プログラムPRを実行することで構築される、各種の機能部を有する図11に示す印刷制御部81を備えている。図11に示すように、印刷制御部81は、機能部として、主制御部82、キャリッジ制御部83、ヘッド制御部84、変位量検出部85及び駆動パルス生成部86を備えている。
主制御部82は、各部83〜86に指示を出してキャリッジの走査制御及び吐出ヘッドの吐出タイミング制御等の各種の制御を司る。
キャリッジ制御部83は、キャリッジモーター25を駆動制御することで、キャリッジ22を走査方向X1に移動させる際の速度制御を行う。このとき、キャリッジ制御部83は、印刷中のキャリッジ22の実速度(現在のキャリッジ速度Vcr)を取得し、実速度Vcrをその時のキャリッジ位置を基に速度制御データVD(図3参照)を参照して取得される目標速度に近づけるフィードバック制御を行う。これによりキャリッジ制御部83は、キャリッジ22を図3に示す速度プロファイルに沿って加速・定速・減速させることで、キャリッジ22を一走査(1パス分の移動)させる。
ヘッド制御部84は、吐出ヘッド27が備える複数の吐出部41のノズル27bからインク滴を吐出する吐出制御を行う。ヘッド制御部84は、画像展開処理部71(図10参照)を有し、画像展開処理部71により印刷データPDから吐出データを生成してヘッド駆動回路54へ出力する。また、ヘッド制御部84は、吐出タイミングを補正する際の基準となる基準値(ディレイ基準値)を印刷タイミング発生回路74に出力する。基準値とは、キャリッジ速度Vcrが定速度Vcのときに適正な吐出タイミングとなるように設定された基準となるディレイ値である。この基準値は印刷モードに応じた定速度Vc毎に設定されている。また、双方向印刷が行われる印刷モードの場合、キャリッジ22の往動過程と復動過程で適正な吐出タイミングが異なるため、往動過程と復動過程で異なる基準値が用いられる。
変位量検出部85は、イメージセンサー45からの検出信号Szに基づいて吐出ヘッド27の吐出方向Zの変位量ΔZ(x)を検出する。そして、変位量検出部85は、検出した変位量ΔZ(x)を印刷タイミング発生回路74内の補正部92に出力する。
駆動パルス生成部86は、ノズル27bから1ドットを吐出する吐出周期(1周期)毎に複数種(例えば2種又は3種)の吐出波形を含む駆動パルスを生成してヘッド駆動回路54へ出力する。本実施形態の吐出ヘッド27は、複数サイズのインク滴、一例として大中小3種類のインク滴を吐出可能である。
ヘッド駆動回路54は、吐出データと駆動パルスを入力する。ヘッド駆動回路54は、入力した駆動パルスのうち、入力される吐出データの画素の階調値に応じた1種又は2種の吐出波形を選択し、その選択した吐出波形の駆動パルスを吐出タイミング信号PTSに基づくタイミングで、吐出駆動素子群42を構成する吐出駆動素子40に印加することで、インク滴のサイズを制御する。吐出データは、一例として画素の階調値を2ビットで表したデータであり、階調値が「00」のときは非吐出、「01」のときは小ドット、「10」のときは中ドット、「11」のときは大ドットを表わす。そして、吐出駆動素子40に吐出データの階調値に応じた吐出波形の駆動パルスが印加されることで、例えば電歪作用によってインク室が膨張・圧縮することにより、ノズル27bから吐出データに応じたサイズのインク滴が吐出される。なお、吐出ヘッド27から吐出されるインク滴のサイズは、複数種でなく1種類でもよい。
次に図12を参照して、イメージセンサー45の構成を説明する。図12に示すようにイメージセンサー45は、光を取り込む透明な窓部46Aを有するイメージセンサー用のIC部品46と、背板フレーム123の表面に光を照射可能な発光部47とを備えている。発光部47は例えばレーザー光を出射可能な発光ダイオードからなる。IC部品46と発光部47は、発光部47が背板フレーム123の表面に照射したレーザー光の反射光がIC部品46の窓部46Aに入射される所定の位置関係に配置されている。IC部品46は、背板フレーム123のうちレーザー光の照射領域SAの像を撮像した2次元の画像データを経時的に取得し、前回と今回の画像データの差分に基づいて背板フレーム123に対するキャリッジ22の移動方向及び移動量を検出する。IC部品46は1つの出力ピンから背板フレーム123の吐出方向Zにおける変位量ΔZ(x)を示す検出信号Szを出力する。詳しくは、IC部品46は、窓部46Aから入射したレーザー光の照射領域SAの像を不図示の撮像素子で撮像して逐次取得する2次元の画像データの単位時間毎の差分に基づいて、背板フレーム123上のX・Z平面におけるZ方向の変位量ΔZ(x)を示す検出信号Szを出力ピンから出力する。
そして、補正部92は、取得したディレイ値Dp(x)(補正値)をディレイ値設定部93に設定する。ディレイ値設定部93は、例えば不図示のレジスターを内蔵し、補正部92がレジスターにディレイ値Dp(x)を格納することで、ディレイ値Dp(x)が設定される。
吐出タイミング信号生成部94は、リニアエンコーダー29からのエンコーダー信号ES及びクロック信号CKを入力するとともにディレイ値設定部93からディレイ値Dp(x)を入力し、吐出ヘッド27の吐出タイミングを決定する吐出タイミング信号PTSを、ディレイ値Dp(x)に応じたタイミングで生成する。吐出タイミング信号生成部94は、リニアエンコーダー29から入力したエンコーダー信号ESを基にこれよりパルス周期の短い基準タイミング信号PRS(図13参照)を生成する第一信号生成部と、基準タイミング信号PRSよりもパルス周期の十分短い補正計数用パルスCP(図13参照)を生成する第二信号生成部(共に図示せず)とを備える。さらに、吐出タイミング信号生成部94は、基準タイミング信号PRSと補正計数用パルスCPとを入力するディレイカウンター95を備える。ディレイカウンター95には、ディレイ値設定部93からディレイ値Dp(x)が目標値として設定される。ディレイカウンター95は、図13に示すように、基準タイミング信号PRSをトリガーとして補正計数用パルスCPのパルス数の計数を開始する。吐出タイミング信号生成部94は、ディレイカウンター95の計数値がディレイ値Dp(x)に達すると、吐出タイミング信号PTSをヘッド駆動回路54に出力する機能を有している。よって、吐出タイミング信号生成部94は、基準タイミング信号PRSに対してディレイ値設定部93に設定されたディレイ値Dp(x)に応じた分だけ遅れたタイミングで吐出タイミング信号PTSを出力する。
次に、図11及び図13を参照して、印刷タイミング発生回路74で行われる吐出タイミング信号PTSの生成について説明する。コントローラー50内の図11に示す印刷制御部81では、変位量検出部85が、イメージセンサー45からの検出信号に基づいて単位時間前の前回の位置z1と今回の位置z2とを取得し、前回の位置z1と今回の位置z2の差分を計算して吐出ヘッド27の現在のヘッド速度Vhを演算する。また、主制御部82は、指定された印刷モード及び用紙種の情報から、不揮発性メモリー64の参照データ(図示せず)を参照して、吐出ヘッド27と用紙Pとの間に設定するべきギャップPGを取得する。さらに主制御部82は、不揮発性メモリー64の速度制御データVDを参照して、指定の印刷モードに応じた目標搬送速度Vcを取得する。また、ヘッド制御部84は、吐出ヘッド27が走査方向X1に移動しているときの現在のヘッド速度Vh、ギャップPG及び目標搬送速度Vcの各情報を、補正部92に与える。補正部92は、現在のヘッド速度Vh(つまりキャリッジ速度Vcr)、印刷モーター等に応じたギャップPGo、目標搬送速度Vc及びインク吐出速度Vmの各情報を用いて、ディレイ値Dp(x)(PTSディレイ段数)を、次式により算出する。
Dp(x)=(PGo+ΔZ(x))/Vm・(Vc−Vh) …(1)
ここで、上記(1)式における項(PGo+ΔZ(x))は、変位量ΔZ(x)で補正した補正後のギャップPGmに相当する。本実施形態では、変位量ΔZ(x)は、イメージセンサー45により検出される。
補正部92は、上記(1)式に基づいて取得したディレイ値Dp(x)をディレイ値設定部93に設定する。つまり、補正部92は、ディレイ値設定部93が内蔵するレジスターにディレイ値Dp(x)を格納することでこれを設定する。
吐出タイミング信号生成部94は、エッジ検出回路73からの基準パルス信号RSと、クロック回路67からのクロック信号CKとを入力するとともに、ディレイ値設定部93からディレイ値Dp(x)を入力する。吐出タイミング信号生成部94は、基準パルス信号RSを逓倍して吐出タイミング信号PTSと同じパルス周期をもつ基準タイミング信号PRS(図13)を生成する。また、吐出タイミング信号生成部94は、基準タイミング信号PRSよりも、パルス周期の十分短い補正計数用パルスCP(図13参照)を生成する。
吐出タイミング信号生成部94は、ディレイ値Dp(x)に基づく遅延時間を計時するためのディレイカウンター95を備える。ディレイカウンター95には、ディレイ値Dp(x)が目標値として設定されるとともに、基準タイミング信号PRSと、補正計数用パルスCPとが入力される。ディレイカウンター95は、図13に示すように、基準タイミング信号PRSのパルスをトリガーとして、補正計数用パルスCPのパルス数の計数を開始してその計数値がディレイ値Dp(x)に達すると、吐出タイミング信号PTSを出力する。つまり、吐出タイミング信号生成部94は、基準タイミング信号PRSのパルスを、ディレイ値Dp(x)に応じた遅延時間だけ遅らせたタイミングで出力することで、吐出タイミング信号PTSを生成する。
次に、プリンター11の作用を説明する。印刷ジョブを受け付けると、図11に示す印刷制御部81は、印刷モードから決まる定速度Vcのデータと、印刷モード及び媒体種(例えば用紙種)などの情報から決まるギャップPGのデータとを、補正部92に送る。また、本例では、キャリッジ速度Vcrは、基準パルス信号RSの周期の逆数で管理される。このため、印刷制御部81は、印刷モードから決まる定速度Vcのデータとして、キャリッジ速度Vcrが定速度Vcにあるときの周期に相当する基準周期Trefの逆数で示される基準速度データ1/Tref(=Vc)を、補正部92に送る。
コントローラー50は、吐出ヘッド27を制御する図14に示す印刷制御ルーチンの他に、搬送系のモーター30,31を制御する搬送制御ルーチンを行う。搬送系のモーター30,31の駆動制御により、用紙Pは給送及び搬送される。用紙Pが所定の印刷開始位置まで搬送されると、コントローラー50は、キャリッジモーター25を駆動制御して、キャリッジ22を走査方向X1に移動させる。
印刷を開始して、キャリッジ22が走査方向X1に移動を開始すると、コントローラー50は、リニアエンコーダー29からA相・B相のエンコーダーパルス信号を入力する。コントローラー50は、エッジ検出回路73でエンコーダーパルス信号のパルスエッジを検出して基準パルス信号RSを生成し、その生成した基準パルス信号RSを印刷タイミング発生回路74及びCRカウンター75に出力する。CRカウンター75は、キャリッジ22がホーム位置にあるときにリセットされ、キャリッジ22が走査方向X1に往動するときに「1」ずつインクリメントし、復動するときに「1」ずつデクリメントする。これにより、コントローラー50は、CRカウンター75の計数値からキャリッジ位置xを取得する。
印刷タイミング発生回路74内の速度検出部91(図11参照)は、基準パルス信号RSのパルス間隔の時間を計時(計数)してパルス周期Tprtを取得し、その現在の周期Tprtの逆数1/Tprtを、走査方向X1に移動中の吐出ヘッド27の現在のヘッド速度Vhとして補正部92に送る。
また、吐出ヘッド27の移動中に、イメージセンサー45は、キャリッジ位置xにおける変位量ΔZ(x)を逐次検出する。そのため、コントローラー50には、イメージセンサー45が検出したキャリッジ22の吐出方向Zの変位量ΔZ(x)が逐次入力される。このキャリッジ22の走査中(移動中)において、コントローラー50は図14に示す印刷制御ルーチンを実行して吐出ヘッド27の吐出制御を行う。
コントローラー50が行う印刷制御について説明する。印刷開始時にコントローラー50は、ユーザーが入力した印刷条件情報と印刷データPDとを取得する。印刷条件情報には、印刷モードや用紙種、用紙サイズ等が含まれる。
ステップS11では、吐出方向Zの原点シーク処理を行う。すなわち、コントローラー50は、ギャップ調整装置39を駆動して吐出ヘッド27を吐出方向Zに移動させて原点を探すシーク処理を行う。なお、原点シーク処理は、電源オン時の初期動作として行ってもよいし、印刷指示を受け付けた際に行ってもよい。
ステップS12では、ギャップ調整を行う。コントローラー50は、印刷モード及び用紙種を基に例えば不揮発性メモリー64に記憶されたテーブルデータを参照して、印刷モード及び用紙種に応じたギャップPGoを取得し、ギャップ調整装置39を駆動させてその取得したギャップPGoに調整する。
ステップS13では、印刷を給送する。コントローラー50は、給送モーター及び搬送モーターを駆動させて用紙Pを給送する。
ステップS14では、用紙を搬送する。コントローラー50は、用紙Pを次の印刷位置まで搬送する。例えば用紙Pの給送時は次の印刷位置として印刷開始位置まで用紙Pを搬送する。
ステップS15では、吐出ヘッドの走査を開始する。すなわち、コントローラーは、キャリッジモーター25を駆動させてキャリッジ22に走査方向X1への移動(走査)を開始させる。この吐出ヘッド27の走査中に次のステップS16〜S18の処理を行うことで、走査方向X1に異なる位置毎にインク滴が吐出される。
まずステップS16において、変位量ΔZ(x)を取得する。すなわち、コントローラー50は、イメージセンサー45の検出信号Szに基づいて吐出ヘッド27の原点に対する変位量ΔZ(x)を取得する。例えば吐出ヘッド27が原点に対して上方(用紙Pから離れる方向)へ変位したときには、変位量ΔZ(x)はプラスの値をとり、原点に対して下方(用紙Pに接近する方向)へ変位したときには、変位量ΔZ(x)はマイナスの値をとる。コントローラー50内の印刷制御部81は、イメージセンサー45から入力した検出信号Szに基づき変位量ΔZ(x)を取得する。変位量検出部85は、イメージセンサー45から入力した検出信号Szから取得される位置zに基づいて、キャリッジ22の吐出方向Zにおける基準位置Zrefを原点とするキャリッジ22の変位量ΔZ(x)を検出し、印刷タイミング発生回路74内の補正部92に送る。なお、ステップS16の処理が、「検出ステップ」の一例に相当する。
ステップS17では、変位量ΔZ(x)を用いてディレイ値Dp(x)を演算する。コントローラー50は、上記(1)式に基づいて、吐出ヘッド27の位置xにおけるディレイ値Dp(x)を演算する。コントローラー50内の補正部92は、変位量ΔZ(x)と、現在周期Tprtと、基準周期Trefとを用いて、上記(2)式に基づいて、ディレイ値Dp(x)を演算する。補正部92は、算出したディレイ値Dp(x)をディレイ値設定部93に設定する。
ステップS18では、ディレイ値Dp(x)に基づく吐出制御を行う。詳しくは、吐出タイミング信号生成部94は、ディレイ値設定部93からディレイ値Dp(x)を読み込んでディレイカウンター95にセットする。ディレイカウンター95は、カウントダウンして計数値が0(零)になる度に、吐出タイミング信号PTS(x)を順番にヘッド駆動回路54に出力する。この結果、キャリッジ22のその時々の位置毎に、そのときの実際のギャップPG(=PGo+ΔZ(x))に応じて補正されたディレイ値Dp(x)に基づく吐出タイミングで、各ノズル27bからインク滴が吐出される。なお、ステップS17及びS18の処理が、「制御ステップ」の一例に相当する。
この結果、印刷中に、キャリッジ22が移動中に吐出方向Zに正常位置から位置ずれしても、変位量ΔZに基づく実際のギャップPGに応じて補正された吐出タイミングで吐出ヘッド27からインク滴が吐出される。以後、ステップS11〜S13の処理を繰り返す。この結果、補正部92は、1吐出毎に、つまり1回の吐出が行われる印刷周期毎に、イメージセンサー45から変位量ΔZ(x)を取得し(S11)、変位量ΔZ(x)に応じたディレイ値Dp(x)を演算する(S12)。1吐出毎に補正部92が変位量ΔZ(x)に基づく実際のギャップPG(=PGo+ΔZ(x))に応じて補正した吐出タイミングで、吐出ヘッド27が吐出制御される。こうして、その時々の測定ギャップPGに応じて補正された吐出タイミングでインク滴が吐出されることにより、ギャップが正常値からずれても、正常時とさほどずれのない位置にインク滴を着弾させることができる。よって、キャリッジ22の実際のギャップPGが変動しても、着弾位置のずれが小さく抑えられる。
ステップS19では、吐出ヘッドが走査を終了したか否かを判断する。つまり、コントローラー50は、キャリッジ22が走査方向X1に吐出開始位置から吐出終了位置までの移動を終えたか否かを判断する。吐出ヘッド27が走査を終了していなければ、ステップS16に進む。
そして、ステップS16〜S18の処理を行うことで、走査方向X1の異なる位置で1回ずつインク滴を吐出する。そして、1回の吐出毎にその時々の変位量ΔZに応じて吐出タイミングが補正される。なお、ステップS15で開始してステップS19で終了する、キャリッジ22を走査方向X1に移動させる処理が、「移動ステップ」の一例に相当する。
ステップS20では、印刷を終了したか否かを判断する。印刷終了していなければ、ステップS14に戻り、ステップS14〜S19の処理を行う。すなわち、キャリッジ22が一走査を終えると、搬送モーター31を駆動させて用紙Pを次の印刷位置まで搬送する。そして、次の走査を開始し、次の走査においても同様に変位量ΔZに応じて吐出タイミングを補正する。こうしてほぼリアルタイムで、その時々の変位量ΔZに応じた吐出タイミングに補正される。このため、用紙Pの走査方向X1に一定のドットピッチで印刷ドットが形成される。こうして印刷ドットのピッチのばらつきを小さく抑えることができる。一方、印刷を終了すれば、用紙Pを排出して、当該ルーチンを終了する。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)コントローラー50は、キャリッジ22の移動中にイメージセンサー45の検出信号Szに基づいて、吐出ヘッド27が液体を吐出可能な吐出位置ごとに吐出ヘッド27の吐出方向Zの変位量ΔZ(x)を取得する。そして、吐出ヘッド27の変位量ΔZ(x)に基づき、上記(1)式に従って補正した吐出タイミングで吐出ヘッド27を制御する。よって、吐出ヘッド27及びキャリッジ22を含む走査系の組み付けのばらつきや経年劣化に起因し、キャリッジ22の走査方向X1の位置の違いによって吐出ヘッド27の吐出方向Zにおける位置が変動しても、用紙Pに対するインク滴の着弾位置の走査方向X1(相対移動方向)のばらつきを小さく抑えることができる。よって、印刷ドットの走査方向X1のピッチのばらつきを小さく抑え、相対的に高い印刷品質の印刷物を提供できる。
(2)ギャップ調整装置39により規定のギャップPGoに調整された吐出ヘッド27の走査方向X1への移動中に、イメージセンサー45により吐出ヘッド27の吐出方向Zの変位量ΔZを検出する。コントローラー50は、イメージセンサー45により検出された吐出ヘッド27の吐出位置ごとの変位量ΔZ(x)に応じて吐出タイミングを補正する。よって、ギャップ調整後に移動中の吐出ヘッド27の吐出方向Zの位置ずれ量がばらついても、用紙P(吐出対象の一例)に対するインク滴の走査方向X1における着弾位置のばらつきを小さく抑えることができる。つまり、吐出ヘッド27の走査方向X1の位置の違いによって正常なギャップPGoとなる基準位置Zrefに対する吐出方向Zの位置ずれ量がばらつく割に、インク滴の走査方向X1における着弾位置のばらつきを小さく抑えることができる。
(3)キャリッジ22の走査方向X1への移動中に異なる二以上のキャリッジ位置x(吐出位置)ごとに変位量ΔZ(x)を検出するので、吐出ヘッド27の走査方向X1の位置の違いに応じた変位量ΔZ(x)を取得することができる。そして、キャリッジ22の走査方向X1の異なる位置間で個別に変位量ΔZ(x)に基づく吐出タイミングを調整できるので、インク滴の着弾位置の走査方向X1のばらつきを一層小さく抑えることができる。
(4)キャリッジ22と共に移動するイメージセンサー45が、キャリッジ22の移動領域に沿って配置された背板フレーム123(被検出部の一例)を検出することで、吐出ヘッド27の走査方向X1の異なる位置に応じた吐出方向Zの変位量ΔZ(x)を検出する。よって、吐出ヘッド27が用紙P(吐出対象の一例)に対して走査方向X1に移動するシリアル式のプリンター11において、吐出ヘッド27が走査方向X1の位置の違いによって吐出方向Zに位置変動しても、インク滴の着弾位置の走査方向X1におけるばらつきを相対的に小さく抑えることができる。
(5)キャリッジ22の一部が連結されて往復回転可能な無端状のタイミングベルト24(ベルトの一例)が掛装されている複数のプーリー23を支持する背板フレーム123(フレームの一例)の一部の面を、イメージセンサー45の被検出部として利用した。よって、検出専用の被検出部を別途設ける必要がなく、部品点数を相対的に少なく抑えることができる。
(6)イメージセンサー45は、経時的に取得した2次元の画像データの差分から吐出ヘッド27の吐出方向Zの位置を検出する。よって、キャリッジ22の移動領域に沿って配置された背板フレーム123の一部の面を被検出部として利用することができる。このため、検出専用の被検出部を別途設ける必要がない。
(第2実施形態)
次に、図15及び図16を参照して、第2実施形態について説明する。本実施形態は、液体吐出装置の一例としてのプリンターがラインプリンターである例である。なお、第1実施形態と共通の構成については説明を省略し、特に異なる点についてのみ説明する。
図15及び図16に示すように、液体吐出装置の一例であるラインプリンター130は、液体吐出部の一例としての吐出ユニット131を備えている。吐出ユニット131は用紙Pの搬送方向Yと交差(特に直交)する幅方向Wに沿って延びる長尺状を有している。図15に示すように、吐出ユニット131は、用紙Pの想定最大幅全域に亘って印刷ができるように複数の吐出ヘッド132が幅方向Wに沿って所定の配置パターンで配列された所謂マルチヘッドタイプのものである。吐出ヘッド132は複数のノズル列Nを有している。複数の吐出ヘッド132は、一例として2列に配列された吐出ヘッド132が異なる列同士で列方向に半ピッチずれたジグザグ状に配列されている。この吐出ユニット131は、ラインプリンター130の本体フレームを構成する板状のフレーム133に支持されている。フレーム133は、吐出ユニット131対して搬送方向上流側の位置に吐出ユニット131の長手方向に沿って延びる板状を有している。換言すれば、フレーム133は、吐出ユニット131のインク吐出領域(液体吐出領域)に沿って配置されている。
図15に示すように、コントローラー50は、印刷データPDを展開した吐出データを吐出ヘッド132の数と同数に分配した各吐出データを、対応する各吐出ヘッド132へ転送することで、複数の吐出ヘッド132を制御する。吐出ヘッド132の構成は、図2に示す吐出ヘッド132とノズル列数及びノズルの配置パターンが異なるものの、基本的に同様である。なお、吐出ユニット131は、長尺状の1つの吐出ヘッドを備えた構成としてもよい。
図15に示すように、吐出ユニット131と対向する下方位置には、ベルト搬送方式の搬送機構140が配設されている。搬送機構140は、吐出対象の一例である用紙Pを搬送方向Yに搬送するために駆動される。なお、本実施形態では、搬送機構140が「移動機構」の一例に相当する。
搬送機構140は、搬送方向Yに所定の間隔を離して対峙する一対のローラー141,142と、一対のローラー141,142に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト143とを備える。例えば駆動側のローラー141の軸部141aには、動力源の一例としての搬送モーター145の出力軸が連結されている。また、ローラー141の搬送ベルト143を挟んで対向する上方位置には、搬送ベルト143と接触して連れ回り可能な従動ローラー148が配置されている。用紙Pは、従動ローラー148によって搬送ベルト143上への給送タイミングが調整される。なお、搬送モーター145とローラー141との動力伝達経路上に減速機構が介在してもよい。
また、ラインプリンター130には、例えばローラー141の回転を検出するロータリーエンコーダー147が設けられている。ロータリーエンコーダー147は、ローラー141の軸部141bと一体回転可能な円板状のスケール板147aと、スケール板147aを検出して回転量に比例する数のパルスを含むエンコーダー信号ESを出力可能な光学式センサー147bとを有している。コントローラー50は、ロータリーエンコーダー147から入力したエンコーダー信号ESに基づいて生成した吐出タイミング信号PTSに基づき各吐出ヘッド132の吐出タイミングを制御する。
コントローラー50は、搬送モーター145を駆動制御し、印刷時の搬送ベルト143を印刷モードに応じた一定の搬送速度Vpfに制御する。コントローラー50は、入力した印刷データPDに基づき吐出ユニット131を制御し、一定の搬送速度Vpfで搬送さえる用紙Pに向かって吐出ユニット131からインク滴を吐出させて画像等を印刷させる。このとき、コントローラー50は、吐出タイミング信号PTSに基づく一定の吐出タイミング(吐出周期)で吐出ユニット131からインク滴を吐出させ、用紙Pには、搬送方向Yに、搬送速度Vpfとインク滴の吐出周期とから決まる一定のドットピッチでインク滴が着弾する。この結果、用紙Pには、印刷モードに応じた印刷解像度で画像等が印刷される。
そして、図15に示すように、吐出ユニット131は、その搬送方向Y上流側の位置に架設されたフレーム133(支持部材)に対して昇降機構136(図16参照)により吐出方向Zに移動可能な状態で取り付けられている。コントローラー50が昇降機構136の動力源である電動モーター137を正逆転駆動させることで、吐出ユニット131の高さを調整してノズル開口面132aと搬送ベルト143上の用紙Pとのギャップ(距離)を調整する。
また、図15及び図16に示すように、吐出ユニット131のフレーム133と対向する面(背面)には、複数のイメージセンサー135が、吐出ユニット131の長手方向に異なる各位置に固定されている。イメージセンサー135は、フレーム133の対向する面の一部を検出対象とし、経時的に取得した2次元の画像データの差分から、吐出ユニット131の長手方向に異なる各位置xにおいて、フレーム133に対する吐出方向Zの変位量ΔZ(x)を検出する。
用紙Pの搬送方向Yと直交する幅方向Wにおける位置をxとすると、複数のイメージセンサー135は、吐出ユニット131の長手方向に異なる複数の位置xにおける吐出方向Zの変位量ΔZ(x)を検出する。本例では、コントローラー50は、複数のイメージセンサー45が検出した位置データzから、吐出ユニット131の各位置xにおける変位量ΔZ(x)を求め、位置xに対応する吐出ヘッド132の吐出タイミングを制御する。吐出タイミングを決めるディレイ値Dp(x)は、吐出ヘッド132と用紙Pとの相対移動速度である用紙Pの搬送速度Vpf(定速度)を用いて、次式で与えられる。
Dp(x)=(PGo+ΔZ(x))/Vm・Vpf …(2)
よって、コントローラー50は、吐出ユニット131の位置x毎の変位量ΔZ(x)に基づき上記(2)式を用いて演算したディレイ値Dp(x)に基づき、複数の吐出ヘッド132を幅方向Wに複数個(例えば二個)ずつの位置に応じた吐出タイミングに制御する。
例えば図16に示すように、吐出ユニット131の組み付けのばらつきや経年劣化等に起因し、二点鎖線に示すように吐出ユニット131が傾き、吐出ユニット131の長手方向(幅方向W)の異なる位置x間で吐出方向Zの変位量ΔZ(x)が異なっても、その変位量ΔZ(x)に基づいて上記(2)式に従って吐出タイミングが補正される。よって、吐出ユニット131の長手方向における異なる位置x間で、吐出されたインク滴の着弾位置の搬送方向Yにおけるばらつきが小さく抑えられる。この結果、用紙Pに印刷される印刷ドットの搬送方向Yのドットピッチが、位置x間でほぼ一定になる。つまり、搬送方向Yの印刷解像度が位置xに依らずほぼ一定となる印刷物が得られる。なお、吐出ユニット131の変位量ΔZ(x)の測定は、吐出ユニット131と用紙Pとの相対移動中(本例では用紙搬送中)であれば、印刷中でも、印刷中以外のときでもよい。また、ラインプリンターにおいては、吐出ユニット131の変位量ΔZ(x)の測定は、用紙Pが搬送されていないときでもよく、例えば搬送機構140の準備駆動中でもよい。さらに、変位量ΔZ(x)の測定は、搬送機構140の停止中、すなわち吐出ユニット131と用紙Pとが相対移動していないときでも、図15及び図16に示す構成であれば、吐出ユニット131の長手方向に異なる複数の位置で変位量ΔZ(x)を測定することができる。
第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(7)ラインプリンター130においても、吐出ユニット131と用紙Pとの相対移動中(本例では用紙搬送中)である印刷中に、吐出ユニット131の変位量ΔZ(x)を測定し、変位量ΔZ(x)を用いて吐出ヘッド132の吐出タイミングを補正する。よって、吐出ユニット131の組み付けのばらつきや経年劣化、さらに印刷装置の揺れや振動等に起因して、吐出ユニット131の高さが変動しても、その変動した高さ位置に応じた適切な吐出タイミングに補正されるので、印刷ドットを目標位置に形成して印刷品質を高めることができる。
(8)吐出ユニット131の搬送方向Yと交差(特に直交)する長手方向に異なる二以上の箇所(吐出位置)で吐出方向Zの変位量ΔZ(x)を、二以上のイメージセンサー135の検出信号に基づいて取得する。よって、吐出ユニット131の長手方向に異なる二以上の吐出位置によって吐出方向Zの変位量ΔZ(x)が異なっても、各位置に対応する吐出ヘッド132毎に吐出タイミングが個別に補正されるので、印刷ドットの搬送方向Y(相対移動方向)のずれをより小さく抑え、印刷品質を高めることができる。なお、搬送機構140の停止中に変位量ΔZ(x)を測定した場合は、搬送機構140の駆動に起因する印刷装置の揺れや振動に起因する変位量ΔZ(x)に応じた吐出タイミングに補正することはできないものの、吐出ユニット131の組み付けのばらつきや経年劣化に起因する変位量ΔZ(x)に応じて吐出タイミングを補正することはできる。
なお、上記各実施形態は、以下のような形態に変更することもできる。
・吐出ヘッド27の吐出方向Zの変位量ΔZ(x)を検出するセンサーは、イメージセンサーに限定されない。他のセンサーを用いて吐出ヘッド27の変位量ΔZ(x)を取得してもよい。例えば、図17(a)に示すリニアエンコーダー151を用いてもよい。リニアエンコーダー151は、キャリッジ22の走査領域の背面側に配置されたリニアスケール152と、光学式センサー153とを備える。リニアスケール152は、吐出方向Zに一定のピッチで交互に形成された非透光部152Aと透光部152Bとを有する。リニアスケール152は、キャリッジ22(つまり吐出ヘッド27)の印刷領域に亘る幅を有し、この幅に亘って非透光部152Aと透光部152Bとを有し、印刷領域を外れた例えばキャリッジ22のホーム位置HPに相当する箇所に、吐出ヘッド27の吐出方向Zの原点を検出するための被検出部(図示せず)が形成されている。原点用の被検出部は、例えばスリット又はマークからなる。
また、光学式センサー153は、リニアスケール152を挟んで対向する発光素子154と受光素子155とを備える。発光素子154と受光素子155は、ブラケット156を介してキャリッジ22に取り付けられている。発光素子154は、リニアスケール152を検出して生成されるパルスの周期で、1/4周期ずれた位置に一対の発光部158を有し、受光素子155は、同じく1/4周期ずれた位置に一対の受光部157を有する。このため、コントローラー50は、光学式センサー153から、図17(c)に示すように1/4周期ずれたA相・B相のパルス信号からなるエンコーダー信号ESを入力する。
コントローラー50は、吐出ヘッド27がホーム位置HPにあるときにギャップ調整装置39(図1参照)を駆動して吐出ヘッド27を昇降させて、光学式センサー153により吐出ヘッド27の吐出方向Zの原点を探し出す。そして、コントローラー50は、ギャップ調整装置39を駆動して、吐出ヘッド27を、用紙種等から決まるギャップPGoとなるよう吐出ヘッド27を吐出方向Zに位置調整する。コントローラー50は、Zカウンター77を備え、原点検出時にZカウンター77をリセットし、光学式センサー153から入力する1/4周期ずれたA相・B相のエンコーダー信号ESのパルスエッジをZカウンター77で計数する。このとき、Zカウンター77は、吐出ヘッド27の移動方向がギャップPGが広がる方向であれば、Zカウンター77の計数値を「1」ずつインクリメントし、ギャップPGが狭くなる方向であれば、Zカウンター77の計数値を「1」ずつデクリメントする。こうしてZカウンター77には、キャリッジ22の基準位置に対してギャップが大きくなる方向をプラス方向、ギャップが小さくなる方向がマイナス方向となる変位量を示す計数値が計数される。そして、補正部92は、Zカウンターの計数値で示される変位量ΔZ(x)を用いて、上記(1)式に基づいてディレイ値Dp(x)を求める。そして、コントローラー50の印刷タイミング発生回路74内のディレイ値設定部93にそのディレイ値Dp(x)を設定することで、変位量ΔZ(x)で補正された吐出タイミング信号PTS(x)を生成しヘッド駆動回路54に出力する。また、光透過型のリニアエンコーダー151に替え、図17(b)に示すような光反射型のリニアエンコーダー161を用いてもよい。リニアエンコーダー161は、キャリッジ22の走査領域の背面側に配置された背板フレーム123の一部の面に施されたリニアスケール部162と、リニアスケール部162を検出対象とする光学式センサー163とを備える。リニアスケール部162は、印刷等で吐出方向Zに一定のピッチで施された光反射率の相対的に低い複数のマーク162Aと、マーク162A間に配置され、光反射率の相対的に高い金属面等からなる光反射部162Bとを有する。リニアスケール部162は、背板フレーム123の面に印刷等により簡単に形成できるうえ、発光部が不要になるので、リニアエンコーダー161の構成が簡単となる。
・前記各実施形態では、検出部の一例を構成するイメージセンサーが検出した吐出方向の位置zを示す検出信号Szに基づいて、コントローラー50内の変位量検出部85が変位量ΔZ(x)を検出したが、イメージセンサーが変位量ΔZ(x)を検出したり、ギャップPG(x)を検出したりしてもよい。例えば後者の場合、基準位置Zrefを原点とする変位量を検出する構成に替え、印刷モード等に応じたギャップPGoをオフセット値とし、PG(x)=PGo+ΔZ(x)を検出信号として出力する構成としてもよい。なお、前者の構成では、イメージセンサーが検出部の一例に相当し、後者の構成では、イメージセンサーにおいて変位量ΔZ(x)を検出する部分が、検出部の一例に相当する。
・イメージセンサー45により、吐出ヘッド27の変位量ΔZ(x)と共に、移動中の吐出ヘッド27の走査方向X1の変位量を検出してもよい。コントローラー50は、吐出ヘッド27の走査方向X1の変位量に基づいて、吐出ヘッド27とキャリッジモーター25とのうち少なくとも一方を制御する。よって、吐出ヘッド27の走査方向X1の位置の検出に必要な検出系の部品であるリニアエンコーダー29の構成を簡単にしたり、あるいはリニアエンコーダー29のエンコーダー信号(検出信号の一例)に基づいてコントローラー50が行う処理の少なくとも一部を簡単にしたりすることができる。例えば、イメージセンサー45の検出信号により取得したキャリッジ22の変位量に基づきキャリッジ位置xを取得し、キャリッジ位置xをキャリッジ22の速度制御に用いてもよい。
・第1実施形態において、キャリッジ22を走査方向X1に移動させて行う吐出ヘッド27の変位量ΔZ(x)の測定は、用紙Pが搬送されていないとき、すなわち吐出ヘッド27と用紙Pとが相対移動していないときでもよく、例えばローラー対32,33を備えた搬送機構の準備駆動中や、搬送機構の停止中でもよい。さらに吐出ヘッド27の変位量ΔZ(x)の測定は、電源投入時にキャリッジ22を移動させる初期動作中に行ってもよい。
・第2実施形態において、フレーム133の吐出ユニット131と対向する面に幅方向Wに移動可能にイメージセンサー135を組み付け、イメージセンサー135を幅方向Wに移動させつつ吐出ユニット131側の対向面を検出対象として、吐出ユニット131の長手方向(幅方向W)に異なる位置x毎の吐出方向Zの変位量ΔZ(x)を求めてもよい。この構成によれば、少ない個数(例えば1個)のイメージセンサーで、吐出ユニット131の長手方向に異なる各部位の変位量ΔZ(x)を検出できる。
・被検出部は、背板フレームの一部の面に限定されない。例えばキャリッジ22の移動領域に対して搬送方向下流側の位置にその移動領域に沿って配置された前側フレーム(フロントフレーム)の一部の面でもよい。また、グリス等の潤滑油が検出の妨げにならない限りにおいて、被検出部は、ガイド軸21でもよい。さらにリニアエンコーダー29のリニアスケールを、イメージセンサーの被検出部として利用し、吐出ヘッド27の吐出方向Zの変位量を検出してもよい。
・ガイド軸21に替え、あるいはガイド軸21に加え、背板フレーム123と前側フレームとの少なくとも一方に、キャリッジ22を走査方向X1に移動可能なガイド部を形成してもよい。この構成によれば、キャリッジを案内するガイド部を形成するフレームの一部の面を、イメージセンサー45の被検出部として利用することができる。この構成によっても、検出専用の被検出部を別途設ける必要がないので、部品点数を相対的に少なく抑えることができる。
・吐出ヘッドの吐出方向の変位量に基づいてキャリッジモーター25を制御することで、キャリッジ速度を制御してもよい。例えばギャップが大きくなる方向に変動すれば、キャリッジ速度を遅くし、一方、ギャップが小さくなる方向に変動すれば、キャリッジ速度を速くする。また、吐出ヘッドの吐出方向の変位量に基づいて吐出ヘッド27の吐出タイミングとキャリッジ速度との両方を制御してもよい。
・移動機構を構成する動力伝達機構は、動力源の動力をキャリッジに伝達するベルト式の動力伝達機構に限定されない。例えばラック・アンド・ピニオン式の動力伝達機構でもよい。例えばフレームに固定されたラックと噛合するピニオンがキャリッジに設けられた構成が挙げられる。そして、ラックが固定されたフレームの一部の面を、イメージセンサーの被検出部に利用する。
・ラインプリンターにおいて、吐出ヘッドの吐出方向の変位量に基づいて搬送モーターを制御することで、搬送機構の搬送速度を制御してもよい。この場合、搬送機構が移動機構の一例となる。例えばギャップが大きくなる方向に変動すれば、搬送速度を遅くし、一方、ギャップが小さくなる方向に変動すれば、搬送速度を速くする。また、吐出ヘッドの吐出方向の変位量に基づいて吐出ヘッド27の吐出タイミングと搬送速度との両方を制御してもよい。
・イメージセンサー45により走査方向X1の移動量を検出してもよい。この場合、コントローラー50は、移動量に基づいて把握されるキャリッジ位置xに基づき速度制御データを参照して得られた目標速度に実速度を近づけるキャリッジの速度制御を行ってもよい。
・移動機構は、液体吐出部(吐出ヘッド27)を移動させる構成に限定されず、吐出対象(用紙P等の媒体)を移動させる構成でもよい。例えば搬送中の用紙Pにインク滴を吐出するラインプリンターに適用してもよい。ラインプリンターは、長尺状の吐出ユニット(液体吐出部の一例)と、用紙Pを搬送可能な搬送機構とを備える。そして、印刷中は、搬送機構が用紙を搬送することで、吐出ユニットと用紙Pとを相対移動させる。つまり、用紙Pを搬送方向に移動させることで、吐出ユニットと用紙Pとを相対移動させる搬送機構によって、移動機構の一例が構成される。
・前記第1実施形態では、シリアルプリンターに適用したが、キャリッジ(又は吐出ヘッド)を移動させながら印刷する他の走査式の印刷装置ででもよい。例えばキャリッジが主走査方向と副走査方向との2方向に移動可能なラテラル式プリンターに適用してもよい。
・検出部は、イメージセンサー45や図17に示すリニアエンコーダーの構成に限定されず、吐出ヘッドの吐出方向の変位を検出できる他の検出器でもよい。例えば背板フレーム123の面から水平に突設された凸条に対して吐出方向に対向する距離センサーから凸条までの距離を検出し、検出した距離に基づいて吐出ヘッド27の吐出方向Zの変位量を検出する構成でもよい。
・プリンターのコントローラー50内の印刷制御部81及び印刷タイミング発生回路74内に構築される各機能部は、プログラムを実行するコンピューターによりソフトウェアで実現されたり、例えばFPGA(field-programmable gate array)やASIC(Application Specific IC)等の電子回路によりハードウェアで実現されたり、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現されたりしてもよい。
・吐出対象は、用紙P等の媒体に限定されず、樹脂製のフィルムやシート、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、金属箔、金属フィルム、セラミックシートなどであってもよい。また、用紙やシート等の平坦形状のものに限らず、円柱、円錐、多角錐等の所定形状を有する立体物でもよい。
・液体吐出装置は、吐出対象の一例として用紙Pに印刷を行う印刷装置に限らず、液体吐出方式(例えばインクジェット方式)で樹脂液滴を吐出して三次元立体物(吐出対象物の一例)を成形する液体吐出装置でもよい。このような液体吐出装置でも、液体吐出部の吐出タイミングを補正することで、液体の吐出対象に対する着弾位置精度を高めることができるので、精度の高い三次元立体物を成形できる。
・液体吐出装置は、前記実施形態におけるインクを吐出するプリンター(印刷装置)に限定されず、インク以外の他の液体を吐出する液体吐出装置であってもよい。なお、液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する液体吐出装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する液体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置であってもよい。
11…液体吐出装置の一例としてのプリンター、22…液体吐出部の一例を構成するキャリッジ、24…ベルトの一例としてのタイミングベルト、25…移動機構の一例を構成するキャリッジモーター、27…液体吐出部の一例を構成する吐出ヘッド、27a…ノズル開口面、27b…ノズル、31…搬送機構の一例を構成する搬送モーター、32…搬送機構の一例を構成する搬送ローラー対、33…搬送機構の一例を構成する排出ローラー対、39…ギャップ調整部の一例としてのギャップ調整装置、40…吐出部、45…検出部の一例を構成するイメージセンサー、50…制御部の一例としてのコントローラー、92…補正部、123…被検出部、支持部及びフレームの一例としての背板フレーム、131…液体吐出部の一例を構成する吐出ユニット、132…吐出ヘッド、133…被検出部の一例としてのフレーム、135…検出部の一例を構成するイメージセンサー、140…移動機構の一例としての搬送機構、145…移動機構及び搬送機構の一例を構成する搬送モーター、151、161…リニアエンコーダー、PD…印刷データ、P…吐出対象の一例としての媒体、X1…走査方向、Y…搬送方向、N…ノズル列、PG…ギャップ、ΔZ(x)…変位量。

Claims (12)

  1. 液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置であって、
    液体の吐出対象に液体を吐出する液体吐出部と、
    前記吐出対象を搬送する搬送機構と、
    前記吐出対象が搬送される搬送方向と交差する方向に異なる二以上の吐出位置ごとに前記液体吐出部の吐出方向の変位量を検出する検出部と、
    前記変位量に基づいて前記吐出位置ごとに前記液体吐出部の吐出タイミングを制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 液体を吐出する液体吐出部を備えた液体吐出装置であって、
    液体の吐出対象に液体を吐出する液体吐出部と、
    前記液体吐出部と前記吐出対象とを相対移動させる移動機構と、
    前記移動機構による前記液体吐出部と前記吐出対象との相対移動中に、前記液体吐出部の吐出方向の変位量を検出する検出部と、
    前記変位量に基づいて前記液体吐出部と前記移動機構とのうち少なくとも一方を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記検出部は、前記液体吐出部の前記吐出方向の変位量を検出し、
    前記制御部は、前記変位量に基づいて前記液体吐出部を制御することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 液体吐出部と前記吐出対象とのギャップを調整するギャップ調整部を更に備え、
    前記検出部は、前記ギャップ調整部によりギャップが調整された前記液体吐出部の相対移動中に、前記液体吐出部の吐出方向の変位量を検出し、
    前記制御部は、前記変位量に基づいて前記液体吐出部を制御することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記制御部は、前記変位量に基づいて前記液体吐出部の吐出タイミングを補正することを特徴とする請求項3又は4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記検出部は、前記移動機構による前記液体吐出部の相対移動方向の変位量をも検出し、
    前記制御部は、前記液体吐出部の相対移動方向の変位量に基づいて、前記液体吐出部と前記移動機構とのうち少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  7. 前記移動機構は、前記液体吐出部が設けられたキャリッジを移動させる構成であり、
    前記検出部は、前記キャリッジに設けられ、
    前記検出部が検出可能に前記キャリッジの移動領域に沿って配置された被検出部を更に備えたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記被検出部は、前記キャリッジを移動可能に案内する支持部の一部、又は前記キャリッジに動力を伝達する前記移動機構を構成する動力伝達機構の一部を支持する支持部の一部であることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記移動機構は、前記キャリッジの一部が連結されて往復回転可能な状態に掛装された無端状のベルトを有し、
    前記被検出部は、前記無端状のベルトを回転可能に支持するフレームの一部の面であることを特徴とする請求項7又は8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記検出部は、経時的に取得した2次元の画像データの差分から前記液体吐出部の変位量を検出することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  11. 液体を吐出対象に吐出する液体吐出方法であって、
    前記吐出対象が搬送される搬送方向と交差する方向に異なる二以上の吐出位置ごとに液体吐出部の吐出方向の変位量を検出する検出ステップと、
    前記変位量に基づいて前記吐出位置ごとに前記液体吐出部の吐出タイミングを制御する制御ステップと、
    を備えたことを特徴とする液体吐出方法。
  12. 液体を吐出対象に吐出する液体吐出方法であって、
    液体吐出部と吐出対象とを相対移動させる移動ステップと、
    液体吐出部の吐出方向における変位量を検出する検出ステップと、
    前記変位量に基づいて前記液体吐出部を制御する制御ステップと、を備え、
    前記検出ステップでは、前記液体吐出部と前記吐出対象との相対移動中に、前記変位量を検出する、ことを特徴とする液体吐出方法。
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