JP2006192575A - 記録装置、液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インク噴射位置に対する記録ヘッドの移動方向へのインク到着位置のずれをインク噴射タイミングの調節によって補正する際に、経年変化等による記録ヘッドのインク噴射特性の変化に応じて補正できるようにする。
【解決手段】 記録ヘッド62の移動速度を第1の移動速度V1として、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングでインク噴射ノズルからインクが噴射される如くノズル駆動信号を生成して複数の第1ドット群L1を副走査方向Yと平行な直線となるように形成する。記録ヘッド62の移動速度を第2の移動速度V2として、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけずらしたタイミングでインク噴射ノズルからインクが噴射される如くノズル駆動信号を生成して、複数の第2ドット群L2を記録済みの第1ドット群L1の近傍に対を成す如く第2ドット群L2を形成する。
【選択図】図8
【解決手段】 記録ヘッド62の移動速度を第1の移動速度V1として、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングでインク噴射ノズルからインクが噴射される如くノズル駆動信号を生成して複数の第1ドット群L1を副走査方向Yと平行な直線となるように形成する。記録ヘッド62の移動速度を第2の移動速度V2として、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけずらしたタイミングでインク噴射ノズルからインクが噴射される如くノズル駆動信号を生成して、複数の第2ドット群L2を記録済みの第1ドット群L1の近傍に対を成す如く第2ドット群L2を形成する。
【選択図】図8
Description
本発明は、被記録材へインクを噴射するためのインク噴射ノズルがヘッド面に配設された記録ヘッドを備えた記録装置、及び被噴射材へ液体を噴射するための液体噴射ノズルがヘッド面に配設された液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
インクジェットプリンタ等の公知の記録装置は、主走査方向へ記録ヘッドを往復動させながら記録ヘッドのヘッド面に多数配設されているインク噴射ノズルから被記録材へインクを噴射する動作と、被記録材を副走査方向へ所定搬送量だけ搬送する動作とを交互に繰り返して被記録材への記録を実行するように構成されているのが一般的である。このような記録装置においては、一定の速度で移動する記録ヘッドから被記録材へインクが噴射されるため、主走査方向におけるインクの噴射位置と被記録材へのインク到着位置(インクが被記録材に到着してドットが形成される位置)とに記録ヘッドの移動方向へのずれが生じる。このずれは、記録ヘッドのヘッド面から被記録材の記録面までの距離、記録ヘッドの移動速度及びインク噴射ノズルからのインクの噴射速度等により異なってくる。
このような主走査方向における記録ヘッドの移動方向へのインク到着位置のずれを補正して、正確なドット位置にドットを形成するために所望のドット形成位置に対してインク噴射タイミングを補正する技術が公知である。例えば、記録ヘッドのヘッド面から被記録材の記録面までの実距離、実際の記録ヘッドの移動速度及びインク噴射ノズルからのインクの噴射(吐出)速度のそれぞれを直接検出する手段を設け、検出したそれらの情報に基づいて、インク噴射タイミングが最適になるように補正することで所望のドット形成位置にドットを正確に形成することができる(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、記録ヘッドのヘッド面から被記録材の記録面までの実距離を検出するセンサ等を設けるのは、大幅なコスト増となるためあまり現実的ではない。また、記録ヘッドのヘッド面から被記録材の記録面までの距離のばらつきは、被記録材の状態によるところが大きいが、例えば写真専用紙等であれば比較的安定するため、被記録材へのインク到着位置のずれに対する影響は少ない。
一方、記録ヘッドのインク噴射速度特性は、その構造上ばらつき幅が広いため、被記録材へのインク到着位置のずれに対する影響が大きいが、記録装置単体でインク噴射速度を直接検出するのは困難である。そのため、例えば製造後の調整工程において、記録装置ごとに記録ヘッドのインク噴射速度特性を専用測定装置等で予め精密に測定して不揮発性メモリ等に予めデータテーブルとして記憶しておく。それによって、記録実行時には、そのデータテーブルを参照することで、インク噴射速度を間接的に検出することができる(例えば、特許文献1を参照)。
一方、記録ヘッドのインク噴射速度特性は、その構造上ばらつき幅が広いため、被記録材へのインク到着位置のずれに対する影響が大きいが、記録装置単体でインク噴射速度を直接検出するのは困難である。そのため、例えば製造後の調整工程において、記録装置ごとに記録ヘッドのインク噴射速度特性を専用測定装置等で予め精密に測定して不揮発性メモリ等に予めデータテーブルとして記憶しておく。それによって、記録実行時には、そのデータテーブルを参照することで、インク噴射速度を間接的に検出することができる(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながら、インク噴射速度特性を固定値(データテーブル)とする手段は、固定的な補正しかできないため、経年変化等によるインク噴射特性の変化に対応できない。そのため、経年変化等によるインク噴射速度特性の変化が生じると、実際と異なるインク噴射速度に基づいてインク噴射タイミングを調節してしまい、インク噴射位置に対する記録ヘッドの移動方向へのインク到着位置のずれが却って大きくなってしまう虞が生じる。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、インク噴射位置に対する記録ヘッドの移動方向へのインク到着位置のずれをインク噴射タイミングの調節によって補正する際に、経年変化等による記録ヘッドのインク噴射特性の変化に応じて補正できるようにすることにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、被記録材へインクを噴射するためのインク噴射ノズルがヘッド面に配設された記録ヘッドと、被記録材の記録面と前記記録ヘッドのヘッド面とが略一定の間隔で略平行に対向した状態で、所定の往復動方向へ所定の移動速度で被記録材に対して前記記録ヘッドを相対的に往復動させる記録ヘッド移動手段と、ノズル駆動信号に基づいて前記インク噴射ノズルを駆動するヘッド駆動手段と、前記記録ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記記録ヘッドの移動時にのみ前記インク噴射ノズルからインクを噴射する如く、前記記録ヘッド移動手段及び前記ヘッド駆動手段を制御する記録制御装置とを備えた記録装置であって、前記記録制御装置は、第1の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量と第2の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量との差、及び前記第1の移動速度と前記第2の移動速度との相対速度差から前記インク噴射ノズルの実際のインク噴射速度を推定し、推定したインク噴射速度に基づいて被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした記録装置である。
被記録材の記録面と記録ヘッドのヘッド面とが略一定の間隔で略平行に対向した状態で、被記録材に対して記録ヘッドを相対的に往復動させながら記録ヘッドから被記録材の記録面へインクを噴射すると、被記録材へのインク到着位置は、インク噴射位置に対して記録ヘッドの移動方向へずれることになる。この被記録材へのインク到着位置のずれ量は、被記録材の記録面と記録ヘッドのヘッド面との間隔(以下、ヘッド面間隔という。)、記録ヘッドの移動速度及びインク噴射速度の相関関係により定まる。このうち、ヘッド面間隔は、高い精度で一定になるように設計されているのが通常であり、略設計値の値となる。また、記録ヘッドの移動速度も高精度なモータ制御による記録ヘッドの往復動によって、略正確な移動速度を特定することが容易である。したがって、あとはインク噴射速度を特定することができれば、インク到着位置のずれ量を特定することが可能になるが、記録ヘッドから噴射されたインクの速度を記録装置単体で直接測定するのは困難である。
そこで、本発明においては、インク噴射速度は、移動する記録ヘッドのインク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量が、記録ヘッドの移動速度によって異なってくることを利用して推定する。すなわち、第1の移動速度におけるインク到着位置のずれ量と第2の移動速度におけるインク到着位置のずれ量との差は、インク噴射後の被記録材上で両者のインク到着位置のずれ量をもって特定することができるので、当該ずれ量の差、両移動速度の相対速度差及びヘッド面間隔との相関関係からインク噴射ノズルの実際のインク噴射速度を容易かつ正確に推定することができる。
尚、当該ずれ量の差は、例えば、第1の移動速度及び第2の移動速度で記録ヘッドを移動させながら同じインク噴射タイミングでインク噴射してドット(インク到着位置)を形成し、両者の間隔を光学式センサ等で計測することで特定できる。或いは、所定のテストパターンを被記録材へ記録することで、目視により特定できるようにしても良い。
これにより、本発明の第1の態様に記載の記録装置によれば、インク噴射ノズルの実際のインク噴射速度を容易かつ正確に推定することができるので、インク噴射位置に対する記録ヘッドの移動方向へのインク到着位置のずれをインク噴射タイミングの調節によって補正する際に、経年変化等による記録ヘッドのインク噴射特性の変化に応じて補正することができるという作用効果が得られる。
それによって、インク噴射ノズルのインク噴射速度特性を精度良くかつ経年変化等による特性変化に応じて補正して記録を実行することができるので、記録ヘッドのインク噴射ノズルから噴射したインクがドットを形成すべき位置に正確に到着する如く、経年変化等に応じて最適にインク噴射タイミングを補正して、常に高精度な記録を実現することが可能になる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様において、前記記録制御装置は、前記第1の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量と前記第2の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量との差をずれ量差Dとし、前記第1の移動速度をV1、前記第2の移動速度をV2、前記記録ヘッドの移動速度の基準速度をVc、記録実行時の前記記録ヘッドの移動速度をVsとし、被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングの補正値αを以下の式から算出する、ことを特徴とした記録装置である。
α=Vs・D/(V1−V2)−Vc・D/(V1−V2) …(1)
ここで、ヘッド面間隔をPG、インク噴射速度をViとすると、基準となるインク到着位置(記録ヘッドの移動速度を基準速度Vcとして記録を実行した場合のインク到着位置)に対する記録実行時のインク到着位置(記録ヘッドの移動速度を任意の移動速度Vsとして記録を実行した場合のインク到着位置)のずれを補正するためのインク噴射タイミングの補正値αは、以下の式(2)で表すことができる。
α=Vs・PG/Vi−Vc・PG/Vi …(2)
ヘッド面間隔PG(インク噴射ノズルから噴射されたインクの飛行距離)をインク噴射速度Viで除算(PG/Vi)することで、インクが噴射されてから被記録材の記録面へ到着するまでの時間が得られ、その時間に記録ヘッドの移動速度を乗算することで、記録ヘッドの移動方向におけるインク噴射位置とインク到着位置とのずれ量が得られる。したがって、基準速度Vc及び任意の移動速度Vsについてインク到着位置のずれ量の差を求めることによって、基準となるインク到着位置に対する記録実行時のインク到着位置のずれを補正するためのインク噴射タイミングの補正値αを求めることができる。
α=Vs・D/(V1−V2)−Vc・D/(V1−V2) …(1)
ここで、ヘッド面間隔をPG、インク噴射速度をViとすると、基準となるインク到着位置(記録ヘッドの移動速度を基準速度Vcとして記録を実行した場合のインク到着位置)に対する記録実行時のインク到着位置(記録ヘッドの移動速度を任意の移動速度Vsとして記録を実行した場合のインク到着位置)のずれを補正するためのインク噴射タイミングの補正値αは、以下の式(2)で表すことができる。
α=Vs・PG/Vi−Vc・PG/Vi …(2)
ヘッド面間隔PG(インク噴射ノズルから噴射されたインクの飛行距離)をインク噴射速度Viで除算(PG/Vi)することで、インクが噴射されてから被記録材の記録面へ到着するまでの時間が得られ、その時間に記録ヘッドの移動速度を乗算することで、記録ヘッドの移動方向におけるインク噴射位置とインク到着位置とのずれ量が得られる。したがって、基準速度Vc及び任意の移動速度Vsについてインク到着位置のずれ量の差を求めることによって、基準となるインク到着位置に対する記録実行時のインク到着位置のずれを補正するためのインク噴射タイミングの補正値αを求めることができる。
また、第1の移動速度におけるインク到着位置のずれ量と第2の移動速度におけるインク到着位置のずれ量とのずれ量差Dは、以下の式(3)で表すことができる。尚、第1の移動速度V1又は第2の移動速度V2のいずれか一方が基準速度Vcと同じ速度であっても構わない。
D=V1・PG/Vi−V2・PG/Vi …(3)
上記式(3)から以下の式(4)が得られる。
PG/Vi=D/(V1−V2) …(4)
上記式(4)を上記式(2)に代入することによって、上記式(1)を導き出すことができる。
D=V1・PG/Vi−V2・PG/Vi …(3)
上記式(3)から以下の式(4)が得られる。
PG/Vi=D/(V1−V2) …(4)
上記式(4)を上記式(2)に代入することによって、上記式(1)を導き出すことができる。
そして、基準速度Vc、第1の移動速度V1及び第2の移動速度V2は、既定値として予め定め、第1の移動速度V1におけるインク到着位置のずれ量と第2の移動速度V2におけるインク到着位置のずれ量とのずれ量差Dを、被記録材上での両者のインク到着位置から予め特定して上記式(1)にそれぞれ代入する。記録実行時には、記録ヘッドの移動速度Vsに応じて上記式(1)の演算結果より補正値αを算出することができる。
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様において、前記記録ヘッドの往復動方向と略平行に一定のピッチで多数のスリットが形成されたリニアスケールと、前記スリットを検出可能な状態で前記記録ヘッドとともに往復動可能に配設され、検出した前記スリットの検出周期のパルス信号を前記記録制御装置へ出力するリニアスケールセンサとを備え、前記記録制御装置は、前記リニアスケールセンサが出力するパルス信号の周期に同期した前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成し、前記記録制御装置は、前記第1の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量と前記第2の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量との差をずれ量差Dとし、前記第1の移動速度をV1、前記第2の移動速度をV2、前記記録ヘッドの移動速度の基準速度をVc、記録実行時の前記記録ヘッドの移動速度をVsとし、前記リニアスケールのスケールピッチをλ、補正段数をnとし、被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングの補正値αを以下の式から算出し、前記リニアスケールセンサが出力するパルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成する前記記録ヘッドの移動速度が基準速度Vcであるときを基準として、前記基準速度Vcと前記移動速度Vsとの速度差に応じて前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジに対するインク噴射タイミングを前記補正値αにて前後させて前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成する、ことを特徴とした記録装置である。
α=n/λ・(Vs・D/(V1−V2)−Vc・D/(V1−V2)) …(5)
このように、記録ヘッドの往復動方向と略平行に一定のピッチで多数のスリットが形成されたリニアスケールと、スリットを検出可能な状態で記録ヘッドとともに往復動可能に配設され、検出したスリットの検出周期のパルス信号を記録制御装置へ出力するリニアスケールセンサとを設ける。それによって、記録ヘッドの移動位置、移動方向及び移動速度等を検出することが可能になる。そして、このような態様の記録装置においては、以下のようにしてインク噴射タイミングを補正することができる。
このように、記録ヘッドの往復動方向と略平行に一定のピッチで多数のスリットが形成されたリニアスケールと、スリットを検出可能な状態で記録ヘッドとともに往復動可能に配設され、検出したスリットの検出周期のパルス信号を記録制御装置へ出力するリニアスケールセンサとを設ける。それによって、記録ヘッドの移動位置、移動方向及び移動速度等を検出することが可能になる。そして、このような態様の記録装置においては、以下のようにしてインク噴射タイミングを補正することができる。
記録ヘッドが往復移動すると、リニアセンサにおいてリニアスケールに等間隔に形成されているスリットの検出ON/OFF状態が交互に繰り返されて、記録ヘッドの移動速度に応じた周期のパルス信号がリニアセンサから出力される。そして、このリニアスケールセンサが出力するパルス信号に基づいて、そのパルス信号に同期したインク噴射ノズルの駆動信号が記録制御装置において生成される。インク噴射ノズルの駆動信号(以下、ノズル駆動信号という。)は、記録ヘッドの移動速度が基準速度Vcのときに、パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングでインク噴射ノズルからインクが噴射されるように生成される。この基準速度Vcのときを基準として、記録ヘッドの移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差に応じてインク噴射タイミングが前後するように、パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングに対するインク噴射タイミングが補正値αで補正される。
尚、補正段数nは、リニアスケールの最小単位であるスケールピッチ(スリット間隔)λをさらにn分割するものであり、上記式(5)で得られる補正値αによれば、スケールピッチλのn分割単位でインク噴射タイミング(インク噴射時の記録ヘッドの位置)を補正することができる。したがって、補正段数nは、大きければ大きいほどインク噴射タイミングの微調整が可能になるとともに、論理演算処理の都合のため、2の累乗となる数であることが好ましい。
本発明の第4の態様は、前述した第3の態様において、前記記録制御装置は、前記記録ヘッドの移動速度を前記第1の移動速度V1として、前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成して複数の第1ドット群を被記録材へ形成した後、前記記録ヘッドの移動速度を前記第2の移動速度V2として、前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけずらしたタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成して複数の第2ドット群を前記第1ドット群の近傍に対を成す如く形成し、前記第1ドット群と前記第2ドット群との対ごとに前記第2ドット群を形成する際の前記オフセット時間Sを段階的に変化させて記録を実行するテストパターン記録を実行し、被記録材に記録された前記記録ヘッドの往復動方向における前記第1ドット群の形成位置と前記第2ドット群の形成位置とが一致したときの前記オフセット時間S及び前記第2の移動速度V2から前記ずれ量差Dを特定する、ことを特徴とした記録装置である。
このように、第1の移動速度V1で記録ヘッドを移動させながらインクを噴射して第1ドット群を複数形成し、その第1ドット群と対を成すように複数の第2ドット群を第2の移動速度V2で記録ヘッドを移動させながらインクを噴射して形成する。第2のドット群を形成する際には、基準となるパルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけインク噴射タイミングをオフセットさせるとともに、オフセット時間Sを第2ドット群ごとに段階的に変化させて第1ドット群と第2ドット群との対を複数形成する。
被記録材に記録された記録ヘッドの往復動方向における第1ドット群の形成位置と第2ドット群の形成位置とが一致したときのオフセット時間Sは、第1の移動速度V1におけるインク到着位置のずれ量と第2の移動速度V2におけるインク到着位置のずれ量とのずれ量差Dだけ第2の移動速度で記録ヘッドが移動する時間に相当する。したがって、第1ドット群の形成位置と第2ドット群の形成位置とが一致したときのオフセット時間S、及び第2の移動速度V2からずれ量差Dを特定することができる。
本発明の第5の態様は、被記録材へインクを噴射するためのインク噴射ノズルがヘッド面に配設された記録ヘッドと、被記録材の記録面と前記記録ヘッドのヘッド面とが略一定の間隔で略平行に対向した状態で、所定の往復動方向へ所定の移動速度で被記録材に対して前記記録ヘッドを相対的に往復動させる記録ヘッド移動手段と、ノズル駆動信号に基づいて前記インク噴射ノズルを駆動するヘッド駆動手段と、前記記録ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記記録ヘッドの移動時に前記インク噴射ノズルからインクを噴射するとともに、復路方向への前記記録ヘッドの移動時にも前記インク噴射ノズルからインクを噴射する如く、前記記録ヘッド移動手段及び前記ヘッド駆動手段を制御する記録制御装置とを備えた記録装置であって、前記記録制御装置は、所定の基準速度における往路方向への前記記録ヘッドの移動時のインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量と復路方向への前記記録ヘッドの移動時のインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量との和、及び記録実行時の前記記録ヘッドの往復動速度から前記インク噴射ノズルの実際のインク噴射速度を推定し、推定したインク噴射速度に基づいて被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした記録装置である。
前述したように、インク到着位置のずれ量を特定することができれば、インク噴射速度を推定することが可能となるが、インク噴射後の被記録材の記録面上では、インク噴射位置を特定することはできず、インク到着位置しか特定できないため、被記録材の記録面上のドット形成位置のみからは、インク噴射位置に対するインク到着位置のずれ量を特定することができない。
ところで、所定の往復動方向へ所定の移動速度で被記録材に対して記録ヘッドを相対的に往復動させながら被記録材へインクを噴射する際に、往路及び復路の双方向においてインクを噴射する、いわゆる双方向記録を実行する記録装置においては、被記録材へのインク噴射を効率的に行うことができ、記録実行速度が向上する。しかし、インク噴射位置に対するインク到着位置のずれ方向が往路と復路とで相反する方向となるため、往路と復路とで異なるインク噴射タイミングでインク噴射を実行する必要がある。つまり、同じインク噴射位置でインクを噴射した場合、往路におけるインク到着位置と復路におけるインク到着位置とのずれ量は、往路におけるインク噴射位置に対するインク到着位置のずれ量に復路におけるインク噴射位置に対するインク到着位置のずれ量を加算したずれ量、すなわち両者のずれ量の和となる。
そこで、インク噴射位置に対するインク到着位置のずれ方向が往路と復路とで相反する方向となることを利用して、インク噴射速度を容易に推定して特定する。すなわち、所定の基準速度における往路のインク到着位置のずれ量と復路のインク到着位置のずれ量との和は、インク噴射後の記録紙上で両者のインク到着位置のずれ量をもって特定することができるので、当該ずれ量の和、基準速度と記録実行時の記録ヘッドの往復動速度との相対速度差及びヘッド面間隔との相関関係からインク噴射ノズルの実際のインク噴射速度を容易かつ正確に推定することができる。
尚、当該ずれ量の和は、例えば、基準速度で記録ヘッドを移動させながら同じインク噴射タイミングでインク噴射してドット(インク到着位置)を形成し、両者の間隔を光学式センサ等で計測することで特定できる。或いは、所定のテストパターンを被記録材へ記録することで、目視により特定できるようにしても良い。
これにより、本発明の第5の態様に記載の記録装置によれば、インク噴射ノズルの実際のインク噴射速度を容易かつ正確に推定することができるので、インク噴射位置に対する記録ヘッドの移動方向へのインク到着位置のずれをインク噴射タイミングの調節によって補正する際に、経年変化等による記録ヘッドのインク噴射特性の変化に応じて補正することができるという作用効果が得られる。
それによって、インク噴射ノズルのインク噴射速度特性を精度良くかつ経年変化等による特性変化に応じて補正して記録を実行することができるので、記録ヘッドのインク噴射ノズルから噴射したインクがドットを形成すべき位置に正確に到着する如く、経年変化等に応じて最適にインク噴射タイミングを補正して、常に高精度な記録を実現することが可能になる。
本発明の第6の態様は、前述した第5の態様において、前記記録制御装置は、前記記録ヘッドの移動速度の基準速度をVc、記録実行時の前記記録ヘッドの移動速度をVsとし、前記基準速度Vcにおける往路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量と復路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量との和をずれ量和Tとし、被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングの補正値αを以下の式から算出する、ことを特徴とした記録装置である。
α=T/2・(Vs/Vc−1) …(6)
前述したように、基準となるインク到着位置(記録ヘッドの移動速度を基準速度Vcとして記録を実行した場合のインク到着位置)に対する記録実行時のインク到着位置(記録ヘッドの移動速度を任意の移動速度Vsとして記録を実行した場合のインク到着位置)のずれを補正するためのインク噴射タイミングの補正値αは、前記式(2)で表すことができる。
α=Vs・PG/Vi−Vc・PG/Vi …(2)
また、基準速度Vcにおける往路方向のインク到着位置のずれ量と復路方向のインク到着位置のずれ量とのずれ量和Tは、以下の式(7)で表すことができる。
前述したように、基準となるインク到着位置(記録ヘッドの移動速度を基準速度Vcとして記録を実行した場合のインク到着位置)に対する記録実行時のインク到着位置(記録ヘッドの移動速度を任意の移動速度Vsとして記録を実行した場合のインク到着位置)のずれを補正するためのインク噴射タイミングの補正値αは、前記式(2)で表すことができる。
α=Vs・PG/Vi−Vc・PG/Vi …(2)
また、基準速度Vcにおける往路方向のインク到着位置のずれ量と復路方向のインク到着位置のずれ量とのずれ量和Tは、以下の式(7)で表すことができる。
T=Vc・PG/Vi+Vc・PG/Vi …(7)
上記式(7)から以下の式(8)が得られる。
PG/Vi=T/(2・Vc) …(8)
上記式(8)を上記式(2)に代入することによって、上記式(6)を導き出すことができる。
そして、基準速度Vcは、既定値として予め定め、基準速度Vcにおける往路方向のインク到着位置のずれ量と復路方向のインク到着位置のずれ量とのずれ量和Tを被記録材上での両者のインク到着位置から予め特定し、上記式(6)にそれぞれ代入する。記録実行時には、記録ヘッドの移動速度Vsに応じて上記式(6)の演算結果より補正値αを算出することができる。
本発明の第7の態様は、前述した第5の態様において、前記記録ヘッドの往復動方向と略平行に一定のピッチで多数のスリットが形成されたリニアスケールと、前記スリットを検出可能な状態で前記記録ヘッドとともに往復動可能に配設され、検出した前記スリットの検出周期のパルス信号を前記記録制御装置へ出力するリニアスケールセンサとを備え、前記記録制御装置は、前記リニアスケールセンサが出力するパルス信号の周期に同期した前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成し、前記記録ヘッドの移動速度の基準速度をVc、記録実行時の前記記録ヘッドの移動速度をVsとし、前記基準速度Vcにおける往路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量と復路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量との和をずれ量和Tとし、前記リニアスケールのスケールピッチをλ、補正段数をnとし、被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングの補正値αを以下の式から算出し、前記リニアスケールセンサが出力するパルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成する前記記録ヘッドの移動速度が基準速度Vcであるときを基準として、前記基準速度Vcと前記移動速度Vsとの速度差に応じて前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジに対するインク噴射タイミングを前記補正値αにて前後させて前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成する、ことを特徴とした記録装置である。
α=n/λ・T/2・(Vs/Vc−1) …(9)
前述したように、記録ヘッドの往復動方向と略平行に一定のピッチで多数のスリットが形成されたリニアスケールと、スリットを検出可能な状態で記録ヘッドとともに往復動可能に配設され、検出したスリットの検出周期のパルス信号を記録制御装置へ出力するリニアスケールセンサとを設けることによって、記録ヘッドの移動位置、移動方向及び移動速度等を検出することが可能になる。そして、このような態様の記録装置においては、基準速度Vcのときを基準として、記録ヘッドの移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差に応じてインク噴射タイミングが前後するように、パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングに対するインク噴射タイミングが補正値αで補正される。
尚、補正段数nは、前述したように、リニアスケールの最小単位であるスケールピッチ(スリット間隔)λをさらにn分割するものであり、上記式(9)で得られる補正値αによれば、スケールピッチλのn分割単位でインク噴射タイミング(インク噴射時の記録ヘッドの位置)を補正することができる。したがって、補正段数nは、大きければ大きいほどインク噴射タイミングの微調整が可能になるとともに、論理演算処理の都合のため、2の累乗となる数であることが好ましい。
前述したように、記録ヘッドの往復動方向と略平行に一定のピッチで多数のスリットが形成されたリニアスケールと、スリットを検出可能な状態で記録ヘッドとともに往復動可能に配設され、検出したスリットの検出周期のパルス信号を記録制御装置へ出力するリニアスケールセンサとを設けることによって、記録ヘッドの移動位置、移動方向及び移動速度等を検出することが可能になる。そして、このような態様の記録装置においては、基準速度Vcのときを基準として、記録ヘッドの移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差に応じてインク噴射タイミングが前後するように、パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングに対するインク噴射タイミングが補正値αで補正される。
尚、補正段数nは、前述したように、リニアスケールの最小単位であるスケールピッチ(スリット間隔)λをさらにn分割するものであり、上記式(9)で得られる補正値αによれば、スケールピッチλのn分割単位でインク噴射タイミング(インク噴射時の記録ヘッドの位置)を補正することができる。したがって、補正段数nは、大きければ大きいほどインク噴射タイミングの微調整が可能になるとともに、論理演算処理の都合のため、2の累乗となる数であることが好ましい。
本発明の第8の態様は、前述した第7の態様において、前記記録制御装置は、前記記録ヘッドの移動速度を前記基準速度Vcとして前記記録ヘッドの移動方向が往路方向のときのみインクを噴射して複数の第1ドット群を被記録材へ形成した後、前記記録ヘッドの移動速度を前記基準速度Vcとして、前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけずらしたタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成して複数の第2ドット群を前記第1ドット群の近傍に対を成す如く前記記録ヘッドの移動方向が復路方向のときのみインクを噴射して形成し、前記第1ドット群と前記第2ドット群との対ごとに前記第2ドット群を形成する際の前記オフセット時間Sを段階的に変化させて記録を実行するテストパターン記録を実行し、被記録材に記録された前記記録ヘッドの往復動方向における前記第1ドット群の形成位置と前記第2ドット群の形成位置とが一致したときの前記オフセット時間S及び前記基準速度Vcから前記ずれ量和Tを特定する、ことを特徴とした記録装置である。
このように、基準速度Vcで記録ヘッドを移動させながら往路方向への移動時のみインクを噴射して第1ドット群を複数形成し、その第1ドット群と対を成すように複数の第2ドット群を同じく基準速度Vcで記録ヘッドを移動させながら、第1ドット群の形成時とは反対に復路方向への移動時のみインクを噴射して形成する。第2のドット群を形成する際には、基準となるパルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけインク噴射タイミングをオフセットさせるとともに、オフセット時間Sを第2ドット群ごとに段階的に変化させて第1ドット群と第2ドット群との対を複数形成する。被記録材に記録された記録ヘッドの往復動方向における第1ドット群の形成位置と第2ドット群の形成位置とが一致したときのオフセット時間Sは、基準速度Vcにおける往路方向のインク到着位置のずれ量と復路方向のインク到着位置のずれ量とのずれ量和Tだけ基準速度Vcで記録ヘッドが移動する時間に相当する。したがって、この第1ドット群の形成位置と第2ドット群の形成位置とが一致したときのオフセット時間S、及び基準速度Vcからずれ量和Tを特定することができる。
本発明の第9の態様は、前述した第6の態様〜第8の態様のいずれかにおいて、往路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する復路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置の補正値βを以下の式から算出する、ことを特徴とした記録装置である。
β=T/2・Vs/Vc …(10)
このように、基準速度Vcにおけるずれ量和Tに基準速度Vcに対する記録実行時の移動速度Vsの割合を乗算した補正値βで、その移動速度Vsでの往路方向への記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する復路方向への記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置を補正する。それによって、往路方向おけるインク到着位置と復路方向におけるインク到着位置とのずれを記録実行時の記録ヘッドの移動速度Vsに応じて高精度に補正することができる。
このように、基準速度Vcにおけるずれ量和Tに基準速度Vcに対する記録実行時の移動速度Vsの割合を乗算した補正値βで、その移動速度Vsでの往路方向への記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する復路方向への記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置を補正する。それによって、往路方向おけるインク到着位置と復路方向におけるインク到着位置とのずれを記録実行時の記録ヘッドの移動速度Vsに応じて高精度に補正することができる。
本発明の第10の態様は、前述した第6の態様〜第9の態様のいずれかにおいて、前記記録制御装置は、前記記録ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記記録ヘッドの移動時にのみ前記インク噴射ノズルからインクを噴射する単方向記録モードを有し、前記単方向記録モードにおいても前記補正値αで被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした記録装置である。このように、双方向記録のみならず単方向記録を実行する際においても、補正値αでインク噴射タイミングを補正することができる。
本発明の第11の態様は、被噴射材へ液体を噴射するための液体噴射ノズルがヘッド面に配設された液体噴射ヘッドと、被噴射材の液体噴射面と前記液体噴射ヘッドのヘッド面とが略一定の間隔で略平行に対向した状態で、所定の往復動方向へ所定の移動速度で被噴射材に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に往復動させる液体噴射ヘッド移動手段と、ノズル駆動信号に基づいて前記液体噴射ノズルを駆動するヘッド駆動手段と、前記液体噴射ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時にのみ前記液体噴射ノズルから液体を噴射する如く、前記液体噴射ヘッド移動手段及び前記ヘッド駆動手段を制御する液体噴射制御装置とを備えた液体噴射装置であって、前記液体噴射制御装置は、第1の移動速度で移動する前記液体噴射ヘッドの前記液体噴射ノズルからの液体噴射位置に対する被噴射材への液体到着位置のずれ量と第2の移動速度で移動する前記液体噴射ヘッドの前記液体噴射ノズルからの液体噴射位置に対する被噴射材への液体到着位置のずれ量との差、及び前記第1の移動速度と前記第2の移動速度との相対速度差から前記液体噴射ノズルの実際の液体噴射速度を推定し、推定した液体噴射速度に基づいて被噴射材の液体噴射面へ液体を噴射する際の液体噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
本発明の第12の態様は、被噴射材へ液体を噴射するための液体噴射ノズルがヘッド面に配設された液体噴射ヘッドと、被噴射材の液体噴射面と前記液体噴射ヘッドのヘッド面とが略一定の間隔で略平行に対向した状態で、所定の往復動方向へ所定の移動速度で被噴射材に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に往復動させる液体噴射ヘッド移動手段と、ノズル駆動信号に基づいて前記液体噴射ノズルを駆動するヘッド駆動手段と、前記液体噴射ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時に前記液体噴射ノズルから液体を噴射するとともに、復路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時にも前記液体噴射ノズルから液体を噴射する如く、前記液体噴射ヘッド移動手段及び前記ヘッド駆動手段を制御する液体噴射制御装置とを備えた液体噴射装置であって、前記液体噴射制御装置は、所定の基準速度における往路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時の液体噴射位置に対する被噴射材の液体到着位置のずれ量と復路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時の液体噴射位置に対する被噴射材の液体到着位置のずれ量との和、及び液体噴射実行時の前記液体噴射ヘッドの往復動速度から前記液体噴射ノズルの実際の液体噴射速度を推定し、推定した液体噴射速度に基づいて被噴射材の液体噴射面へ液体を噴射する際の液体噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした液体噴射装置である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る「記録装置」及び「液体噴射装置」の一例としてのインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。
まず、本発明に係る「記録装置」及び「液体噴射装置」の一例としてのインクジェット式記録装置の概略構成について説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット式記録装置の要部平面図であり、図2はその側面図である。図3は、本発明に係るインクジェット式記録装置の概略のブロック図である。
インクジェット式記録装置50には、「被記録材」としての記録紙Pにインクを噴射して記録を行う記録ヘッド62を記録紙Pに対して主走査方向Xに走査させる「記録ヘッド移動手段」として、主走査方向Xに移動可能にキャリッジガイド軸51に軸支されたキャリッジ61が設けられている。キャリッジ61には、記録ヘッド62と後述するPWセンサ34とが搭載されており、CRモータ63(図3)の回転駆動力が図示していない無端ベルトによるベルト伝達機構によって伝達されて主走査方向Xに往復動する。記録ヘッド62のヘッド面と対向する位置には、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定するプラテン52が設けられている。
キャリッジ61の主走査方向Xへの往復動領域の一端側の外側には、公知のキャッピング装置59が設けられている。記録を実行しない待機状態においては、キャリッジ61がキャッピング装置59の上まで移動して停止し、キャッピング装置59に配設されているキャップCPによって記録ヘッド62のヘッド面が封止される。このキャリッジ61の停止位置は、ホームポジションHPとして規定される。
インクジェット式記録装置50には、「被記録材」としての記録紙Pにインクを噴射して記録を行う記録ヘッド62を記録紙Pに対して主走査方向Xに走査させる「記録ヘッド移動手段」として、主走査方向Xに移動可能にキャリッジガイド軸51に軸支されたキャリッジ61が設けられている。キャリッジ61には、記録ヘッド62と後述するPWセンサ34とが搭載されており、CRモータ63(図3)の回転駆動力が図示していない無端ベルトによるベルト伝達機構によって伝達されて主走査方向Xに往復動する。記録ヘッド62のヘッド面と対向する位置には、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pとのギャップを規定するプラテン52が設けられている。
キャリッジ61の主走査方向Xへの往復動領域の一端側の外側には、公知のキャッピング装置59が設けられている。記録を実行しない待機状態においては、キャリッジ61がキャッピング装置59の上まで移動して停止し、キャッピング装置59に配設されているキャップCPによって記録ヘッド62のヘッド面が封止される。このキャリッジ61の停止位置は、ホームポジションHPとして規定される。
また、インクジェット式記録装置50には、記録ヘッド62を記録紙Pに対して副走査方向Yに走査させる「被記録材搬送手段」として、記録紙Pを副走査方向Yに搬送する搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。搬送駆動ローラ53は、PFモータ58(図3)の回転駆動力が歯車伝達されて回転し、搬送駆動ローラ53の回転により、記録紙Pは副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は、複数設けられており、それぞれ個々に搬送駆動ローラ53に付勢され、記録紙Pが搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、記録紙Pに接しながら記録紙Pの搬送に従動して回転する。搬送駆動ローラ53の外周面には、高摩擦抵抗を有する皮膜が施されている。搬送従動ローラ54によって、搬送駆動ローラ53の外周面に押しつけられた記録紙Pは、その外周面の摩擦抵抗によって搬送駆動ローラ53の外周面に密着し、搬送駆動ローラ53の回転によって副走査方向に搬送される。
インクジェット記録装置50の「記録実行手段」は、上述した「記録ヘッド移動手段」と「被記録材搬送手段」とで構成され、記録紙Pを副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド62を主走査方向Xに一往復させる間に記録ヘッド62から記録紙Pにインクを噴射する動作とを交互に繰り返すことによって記録紙Pに記録が行われる。
搬送駆動ローラ53の副走査方向Yの上流側には、多数の記録紙Pを積重可能な「被記録材積重手段」としての給紙トレイ57が配設されている。給紙トレイ57は、例えば普通紙やフォト紙等の記録紙Pを給紙(給送)可能な構成となっている。給紙トレイ57の近傍には、給紙トレイ57に積重されている記録紙Pの最上位の記録紙Pを「記録実行手段」へ自動給送する「自動給送手段」としてのASF(オート・シート・フィーダー)が設けられている。ASFは、給紙トレイ57に設けられた給紙ローラ57b及び図示してない分離パッドを有する自動給紙機構である。給紙ローラ57bは、給紙トレイ57の一方側に配置されている。記録紙ガイド57aは、記録紙Pの幅に合わせて幅方向に摺動可能に給紙トレイ57に設けられている。そして、PFモータ58(図3)の回転駆動力が歯車伝達されて回転する給紙ローラ57bの回転駆動力と、分離パッドの摩擦抵抗により、給紙トレイ57に置かれた記録紙Pが給紙される。その際に、複数の記録紙Pが一度に給紙されることなく最上位の記録紙Pのみが正確に分離されて一枚ずつ自動給紙されるように構成されている。給紙ローラ57bと搬送駆動ローラ53との間には、公知の技術による紙検出器33が配設されている。
一方、記録実行後の記録紙Pを排紙する手段として、「排出駆動ローラ」としての排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56とが設けられている。排紙駆動ローラ55は、PFモータ58(図3)の回転駆動力が歯車伝達されて回転し、排紙駆動ローラ55の回転により、記録実行後の記録紙Pは副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖った歯付きローラになっている。複数の排紙従動ローラ56は、それぞれ個々に排紙駆動ローラ55に付勢され、記録紙Pが排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に記録紙Pに接して記録紙Pの排紙に従動して回転する。
そして、給紙ローラ57bや搬送駆動ローラ53、及び排紙駆動ローラ55を回転駆動するPFモータ58(図3)、並びにキャリッジ61を主走査方向に駆動するCRモータ63(図3)は、後述する記録制御部100により駆動制御される。また、記録ヘッド62も同様に、記録制御部100により駆動制御されて記録紙Pの表面にインクを噴射する。
そして、給紙ローラ57bや搬送駆動ローラ53、及び排紙駆動ローラ55を回転駆動するPFモータ58(図3)、並びにキャリッジ61を主走査方向に駆動するCRモータ63(図3)は、後述する記録制御部100により駆動制御される。また、記録ヘッド62も同様に、記録制御部100により駆動制御されて記録紙Pの表面にインクを噴射する。
引き続き図1〜図3を参照しながら「記録制御装置」としての記録制御部100について説明する。
「記録制御装置」としての記録制御部100は、ROM101、RAM102、ASIC(特定用途向け集積回路)103、MPU104、「不揮発性記憶媒体」としての不揮発性メモリ105、PFモータドライバ106、CRモータドライバ107及びノズル駆動信号に基づいて記録ヘッド62のインク噴射ノズルを駆動する「ヘッド駆動手段」としてのヘッドドライバ108を備えている。MPU104には、ASIC103を介して搬送駆動ローラ53の回転量を検出する「回転量検出手段」としてのロータリエンコーダ31、キャリッジ61の移動量を検出する「キャリッジ移動量検出手段」としてのリニアエンコーダ32、搬送される記録紙Pの先端及び後端を検出する紙検出器33、主走査方向Xの記録紙Pの端部を検出するためのPWセンサ34、及びインクジェット式記録装置50の電源をON/OFFするための電源スイッチ35の出力信号が入力される。
「記録制御装置」としての記録制御部100は、ROM101、RAM102、ASIC(特定用途向け集積回路)103、MPU104、「不揮発性記憶媒体」としての不揮発性メモリ105、PFモータドライバ106、CRモータドライバ107及びノズル駆動信号に基づいて記録ヘッド62のインク噴射ノズルを駆動する「ヘッド駆動手段」としてのヘッドドライバ108を備えている。MPU104には、ASIC103を介して搬送駆動ローラ53の回転量を検出する「回転量検出手段」としてのロータリエンコーダ31、キャリッジ61の移動量を検出する「キャリッジ移動量検出手段」としてのリニアエンコーダ32、搬送される記録紙Pの先端及び後端を検出する紙検出器33、主走査方向Xの記録紙Pの端部を検出するためのPWセンサ34、及びインクジェット式記録装置50の電源をON/OFFするための電源スイッチ35の出力信号が入力される。
公知のロータリエンコーダ31は、搬送駆動ローラ53の回転に連動して回転するロータリスケール311と、ロータリスケール311の外周に沿って等間隔に形成されているスリットを検出するロータリスケールセンサ312とを有している(図2)。搬送駆動ローラ53の回転に伴い変化するロータリスケールセンサ312の出力信号は、ASIC103を介してMPU104へ出力される。
公知のリニアエンコーダ32は、キャリッジ61の近傍に主走査方向Xと略平行に配置されたリニアスケール321と、キャリッジ61に搭載されたリニアスケール321に等間隔に形成されているスリットを検出するリニアスケールセンサ322とを有している(図2)。キャリッジ61の主走査方向Xの移動量に応じたパルスの周期が移動速度に伴い変化するリニアスケールセンサ322の出力信号は、ASIC103を介してMPU104へ出力される。
公知のリニアエンコーダ32は、キャリッジ61の近傍に主走査方向Xと略平行に配置されたリニアスケール321と、キャリッジ61に搭載されたリニアスケール321に等間隔に形成されているスリットを検出するリニアスケールセンサ322とを有している(図2)。キャリッジ61の主走査方向Xの移動量に応じたパルスの周期が移動速度に伴い変化するリニアスケールセンサ322の出力信号は、ASIC103を介してMPU104へ出力される。
公知の紙検出器33は、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ記録紙Pの搬送方向(副走査方向Y)にのみ回動し得るよう記録紙Pの搬送経路内に突出する状態で枢支されたレバーを有し、このレバーの先端が記録紙Pに押されることでレバーが回動し、それによって記録紙Pが検出される構成を成す検出器である(図2)。紙検出器33は、給紙ローラ57bより給紙された記録紙Pの始端位置及び終端位置を検出し、その検出信号は、ASIC103を介してMPU104へ出力される。PWセンサ34は、非接触の光学式センサで構成されており、記録紙Pの主走査方向Xの端部位置(記録紙Pの両側端位置)を検出し、その検出信号は、ASIC103を介してMPU104へ出力される。紙検出器33及びPWセンサ34の出力信号に基づいて記録紙Pの搬送位置や記録紙Pのサイズ等がMPU104において演算される。
記録制御部100のシステムバスには、ROM101、RAM102、ASIC103、MPU104及び不揮発性メモリ105が接続されている。MPU104は、インクジェット式記録装置50の記録制御を実行するための演算処理やその他必要な演算処理を行う。ROM101には、MPU104によるインクジェット式記録装置50の制御に必要な記録制御プログラム(ファームウェア)等が格納されており、記録制御プログラムの処理に必要な各種データ等は不揮発性メモリ105に記憶されている。RAM102は、MPU104の作業領域や記録データ等の格納領域として用いられる。
ASIC103は、DCモータであるPFモータ58及びCRモータ63の回転制御、並びに記録ヘッド62の駆動制御を行う為の制御回路を有している。MPU104から送られてくる制御命令、ロータリエンコーダ31の出力信号、及びリニアエンコーダ32の出力信号に基づいて、「DCモータ」としてのPFモータ58及びCRモータ63の回転制御を行う為の各種演算を行い、その演算結果に基づくモータ制御信号をPFモータドライバ106及びCRモータドライバ107へ送出する。また、MPU104から送出される記録データ等に基づいて、記録ヘッド62の制御信号を演算生成してヘッドドライバ108へ送出して記録ヘッド62を駆動制御する。ASIC103は、「情報処理装置」としてのパーソナルコンピュータ301等との情報伝送を実現する「情報伝送手段」としてホストIF112を有している。
ASIC103は、DCモータであるPFモータ58及びCRモータ63の回転制御、並びに記録ヘッド62の駆動制御を行う為の制御回路を有している。MPU104から送られてくる制御命令、ロータリエンコーダ31の出力信号、及びリニアエンコーダ32の出力信号に基づいて、「DCモータ」としてのPFモータ58及びCRモータ63の回転制御を行う為の各種演算を行い、その演算結果に基づくモータ制御信号をPFモータドライバ106及びCRモータドライバ107へ送出する。また、MPU104から送出される記録データ等に基づいて、記録ヘッド62の制御信号を演算生成してヘッドドライバ108へ送出して記録ヘッド62を駆動制御する。ASIC103は、「情報処理装置」としてのパーソナルコンピュータ301等との情報伝送を実現する「情報伝送手段」としてホストIF112を有している。
図4は、インクジェット式記録装置50の要部ブロック図である。
ここで、CRモータ63の「被駆動装置」としての前記「記録ヘッド移動手段」を構成するキャリッジ駆動手段60について説明する。
キャリッジ61は、軸受け部611においてキャリッジガイド軸51に軸支されている。CRモータ63の回転軸に配設された駆動プーリ65と図示していない従動プーリとの間に無端ベルト64が掛架されている。無端ベルト64の一部は、キャリッジ61に連結されており、CRモータ63の双方向の回転駆動力が無端ベルト64を介してキャリッジ61に伝達されてキャリッジ61が主走査方向Xへ往復動する。
ここで、CRモータ63の「被駆動装置」としての前記「記録ヘッド移動手段」を構成するキャリッジ駆動手段60について説明する。
キャリッジ61は、軸受け部611においてキャリッジガイド軸51に軸支されている。CRモータ63の回転軸に配設された駆動プーリ65と図示していない従動プーリとの間に無端ベルト64が掛架されている。無端ベルト64の一部は、キャリッジ61に連結されており、CRモータ63の双方向の回転駆動力が無端ベルト64を介してキャリッジ61に伝達されてキャリッジ61が主走査方向Xへ往復動する。
リニアスケール321は、キャリッジ61の往復動方向(記録ヘッドの往復動方向)と略平行に一定のピッチで多数のスリットが形成されている。リニアスケールセンサ322は、リニアスケール321のスリットを検出可能な状態で記録ヘッド62とともにキャリッジ61に搭載されて往復動可能に配設され、検出したスリットの検出周期のパルス信号を記録制御部100へ出力する。ASIC103は、リニアスケールセンサ322が出力するパルス信号の周期に同期したノズル駆動信号(記録ヘッド62の制御信号)を生成し、記録ヘッド62は、ASIC103からヘッドドライバ108へ出力されるノズル駆動信号により駆動されてインク噴射ノズルからインクが噴射される。
CRモータ63は、CRモータドライバ107を介して直流電源装置20の出力電圧(DC42V)が印可される。CRモータドライバ107において直流電源装置20の出力電圧から生成される定電圧で一定周期のパルスがCRモータ63に印可され、パルスのON時間(制御デューティ)を調節することによって、CRモータ63への供給電力が調節される。記録制御部100は、所定の移動方向へ所定の移動速度で所定の移動量だけキャリッジ61を移動させるべく、キャリッジ61の往復動方向と略平行に配設されたリニアスケール321のスリットを検出するリニアスケールセンサ322の出力信号に応じて、CRモータドライバ107からCRモータ63へ出力する制御パルスの制御デューティを調節する。
つづいて、記録制御部100にて実行されるインク噴射タイミングの補正制御の第1実施例について説明する。
図5は、記録ヘッド62から噴射されたインクのインク噴射位置とインク到着位置との関係を模式的に示した正面図であり、記録ヘッド62の移動速度(キャリッジ61の移動速度)が基準速度Vcである場合と任意の移動速度Vsである場合とを比較したものである。
前述したように、記録紙Pに対して記録ヘッド62を相対的に往復動させながら記録ヘッド62から記録紙Pの記録面へインクを噴射すると、記録紙Pへのインク到着位置は、インク噴射位置に対して記録ヘッド62の移動方向へずれることになる。そのインク到着位置のずれ量は、記録ヘッド62の移動速度によって異なる。そのため記録制御部100は、基準速度Vcにおけるインク到着位置のずれ量Dcを基準補正量として設定し、記録実行時の移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差から移動速度Vsにおけるインク到着位置のずれ量Dsとのずれ量の差を特定し、その差を補正値αとして基準補正量に加算して移動速度Vsにおけるインク噴射タイミングの補正を行う。それによって、記録ヘッド62の移動速度に応じてインク噴射タイミングが補正されて、記録紙P上のドットを形成すべき位置に常に正確にインクを到着させることができる。
前述したように、記録紙Pに対して記録ヘッド62を相対的に往復動させながら記録ヘッド62から記録紙Pの記録面へインクを噴射すると、記録紙Pへのインク到着位置は、インク噴射位置に対して記録ヘッド62の移動方向へずれることになる。そのインク到着位置のずれ量は、記録ヘッド62の移動速度によって異なる。そのため記録制御部100は、基準速度Vcにおけるインク到着位置のずれ量Dcを基準補正量として設定し、記録実行時の移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差から移動速度Vsにおけるインク到着位置のずれ量Dsとのずれ量の差を特定し、その差を補正値αとして基準補正量に加算して移動速度Vsにおけるインク噴射タイミングの補正を行う。それによって、記録ヘッド62の移動速度に応じてインク噴射タイミングが補正されて、記録紙P上のドットを形成すべき位置に常に正確にインクを到着させることができる。
この記録紙Pへのインク到着位置のずれ量は、記録紙Pの記録面と記録ヘッド62のヘッド面との間隔(ヘッド面間隔PG)、記録ヘッド62の移動速度Vs及びインク噴射速度Viの相関関係により定まる。このうち、ヘッド面間隔PGは、高い精度で略設計値となり、記録ヘッド62の移動速度Vsも高精度なモータ制御によるキャリッジ61の往復動によって、略正確に特定することが容易である。したがって、あとはインク噴射速度Viを特定することができれば、インク到着位置のずれ量Dsを特定することが可能になるが、前述したように、記録ヘッド62から噴射されたインクの速度をインクジェット式記録装置50単体で直接測定するのは困難である。
そこで、当該実施例においては、移動する記録ヘッド62のインク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する記録紙Pへのインク到着位置のずれ量は、記録ヘッド62の移動速度によって異なってくることを利用してインク噴射速度を推定する。
図6は、記録ヘッド62から噴射されたインクのインク噴射位置とインク到着位置との関係を模式的に示した正面図であり、記録ヘッド62の移動速度が第1の移動速度V1である場合と第2の移動速度V2である場合とのインク到着位置のずれ量差Dを示したものである。
当該実施例においては、予め第1の移動速度V1におけるインク到着位置のずれ量D1と第2の移動速度V2におけるインク到着位置のずれ量D2とのずれ量差Dを、インク噴射後の記録紙P上で両者のインク到着位置(ドット形成位置)のずれ量をもって特定する。そして、当該ずれ量差D、両移動速度の相対速度差(V1−V2)及びヘッド面間隔PGとの相関関係からインク噴射ノズルの実際のインク噴射速度Viを推定する。記録紙Pへの記録実行時には、推定したインク噴射速度Viに基づいて記録紙Pの記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングを補正する補正値αを記録ヘッド62の移動速度Vsに応じて算出する。
以下、インク噴射タイミングの補正制御について、さらに詳細に説明する。
図7は、リニアスケールセンサ322から出力されるパルス信号と、記録ヘッド62のインク噴射ノズルを駆動するノズル駆動信号との関係を模式的に示したタイミングチャートである。
図7は、リニアスケールセンサ322から出力されるパルス信号と、記録ヘッド62のインク噴射ノズルを駆動するノズル駆動信号との関係を模式的に示したタイミングチャートである。
図7(A)は、リニアスケールセンサ322が出力するパルス信号を示したものであり、記録ヘッド62の移動速度に応じた周期λとなる。
図7(B)は、記録ヘッド62の移動速度を基準速度Vcとした場合のノズル駆動信号を示したものである。図示の如く、基準速度Vcにおいては、リニアスケールセンサ322が出力するパルス信号の立ち下がりエッジのタイミングでノズル駆動信号が立ち上がり、そのタイミングでインクが噴射される。
図7(C)は、記録ヘッド62の移動速度を任意の移動速度Vsとした場合のノズル駆動信号を示したものである。記録実行時には、その際の記録ヘッド62の移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差から補正値αが設定され、補正値αに相当する時間だけインク噴射タイミングが補正されたノズル駆動信号が生成されて記録が実行される。リニアスケールセンサ322が出力するパルス信号の周期λは、所定の補正段数nによって等分割され、補正値αは、その分割単位の値で設定される。例えば、同図に示した補正値αは、パルス信号の周期λの3/nの時間に相当する。尚、リニアスケールセンサ322が出力するパルス信号の立ち上がりエッジのタイミングをノズル駆動信号におけるインク噴射タイミングの基準としても良い。
図7(B)は、記録ヘッド62の移動速度を基準速度Vcとした場合のノズル駆動信号を示したものである。図示の如く、基準速度Vcにおいては、リニアスケールセンサ322が出力するパルス信号の立ち下がりエッジのタイミングでノズル駆動信号が立ち上がり、そのタイミングでインクが噴射される。
図7(C)は、記録ヘッド62の移動速度を任意の移動速度Vsとした場合のノズル駆動信号を示したものである。記録実行時には、その際の記録ヘッド62の移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差から補正値αが設定され、補正値αに相当する時間だけインク噴射タイミングが補正されたノズル駆動信号が生成されて記録が実行される。リニアスケールセンサ322が出力するパルス信号の周期λは、所定の補正段数nによって等分割され、補正値αは、その分割単位の値で設定される。例えば、同図に示した補正値αは、パルス信号の周期λの3/nの時間に相当する。尚、リニアスケールセンサ322が出力するパルス信号の立ち上がりエッジのタイミングをノズル駆動信号におけるインク噴射タイミングの基準としても良い。
つづいて、当該実施例における補正値αの具体的な算出方法について説明する。
補正値αは、前述した式(5)から算出する。
α=n/λ・(Vs・D/(V1−V2)−Vc・D/(V1−V2)) …(5)
上記式(5)は、前述した式(2)及び式(4)から導き出され、第1の移動速度V1と第2の移動速度V2との速度差及びその両速度差におけるインク到着位置のずれ量差Dから間接的にインク噴射速度Viを特定して補正値αを算出するものである。
α=Vs・PG/Vi−Vc・PG/Vi …(2)
PG/Vi=D/(V1−V2) …(4)
基準速度Vc、ヘッド面間隔PG、第1の移動速度V1及び第2の移動速度V2は、既定値として予め定め、第1の移動速度V1におけるインク到着位置のずれ量D1と第2の移動速度V2におけるインク到着位置のずれ量D2とのずれ量差Dを、インク噴射後の記録紙P上で両者のインク到着位置のずれ量をもって予め特定して上記式(5)にそれぞれ代入する。記録実行時には、記録ヘッド62の移動速度Vsに応じて上記式(5)の演算結果より補正値αを算出することができる。基準速度Vcのときを基準として、記録ヘッド62の移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差に応じてインク噴射タイミングが前後するように、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングに対するインク噴射タイミングが補正値αで補正される。
補正値αは、前述した式(5)から算出する。
α=n/λ・(Vs・D/(V1−V2)−Vc・D/(V1−V2)) …(5)
上記式(5)は、前述した式(2)及び式(4)から導き出され、第1の移動速度V1と第2の移動速度V2との速度差及びその両速度差におけるインク到着位置のずれ量差Dから間接的にインク噴射速度Viを特定して補正値αを算出するものである。
α=Vs・PG/Vi−Vc・PG/Vi …(2)
PG/Vi=D/(V1−V2) …(4)
基準速度Vc、ヘッド面間隔PG、第1の移動速度V1及び第2の移動速度V2は、既定値として予め定め、第1の移動速度V1におけるインク到着位置のずれ量D1と第2の移動速度V2におけるインク到着位置のずれ量D2とのずれ量差Dを、インク噴射後の記録紙P上で両者のインク到着位置のずれ量をもって予め特定して上記式(5)にそれぞれ代入する。記録実行時には、記録ヘッド62の移動速度Vsに応じて上記式(5)の演算結果より補正値αを算出することができる。基準速度Vcのときを基準として、記録ヘッド62の移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差に応じてインク噴射タイミングが前後するように、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングに対するインク噴射タイミングが補正値αで補正される。
尚、第1の移動速度V1又は第2の移動速度V2のいずれか一方が基準速度Vcと同じ速度としても構わない。また、補正段数nは、リニアスケール321の最小単位であるスケールピッチ(スリット間隔)λをさらにn分割するものであり、上記式(5)で得られる補正値αによれば、スケールピッチλのn分割単位でインク噴射タイミング(インク噴射時の記録ヘッド62の位置)を補正することができる。したがって、補正段数nは、大きければ大きいほどインク噴射タイミングの微調整が可能になるとともに、論理演算処理の都合のため、2の累乗となる数であることが好ましい。
つづいて、第1の移動速度V1におけるインク到着位置のずれ量D1と第2の移動速度V2におけるインク到着位置のずれ量D2とのずれ量差Dを、インク噴射後の記録紙P上で両者のインク到着位置(ドット形成位置)のずれ量をもって特定する方法について説明する。
図8は、第1の移動速度V1におけるインク到着位置のずれ量D1と第2の移動速度V2におけるインク到着位置のずれ量D2とのずれ量差Dを目視で特定可能なテストパターンの記録実行方法を示した模式図である。以下、図8を参照しながら記録制御部100によるテストパターンの記録実行手順について説明する。
まず、記録ヘッド62の移動速度を第1の移動速度V1として、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングでインク噴射ノズルからインクが噴射される如くノズル駆動信号を生成して複数の第1ドット群L1を記録紙Pへ形成する。第1ドット群L1は、図示の如く副走査方向Yと平行な直線となるようにドットを形成する。
つづいて、記録ヘッド62の移動速度を第2の移動速度V2として、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけずらしたタイミングでインク噴射ノズルからインクが噴射される如くノズル駆動信号を生成して、複数の第2ドット群L2を記録済みの第1ドット群L1の近傍に対を成す如く第2ドット群L2を形成する。第2ドット群L2は、第1ドット群L1と同様に、副走査方向Yと平行な直線となるようにドットを形成し、かつ図示の如く第1ドット群L1と第2ドット群L2とが副走査方向Yへ隣接するように形成する。また、第2ドット群L2を形成する際には、第1ドット群L1と第2ドット群L2との対ごとにオフセット時間Sを段階的に変化させて記録を実行する。このオフセット時間Sの段階的変化は、パルス信号の周期λを補正段数nで分割した時間を最小単位として行われることになる。第1ドット群L1と第2ドット群L2との対ごとに異なる識別番号等を近傍に記録する。
このように、記録紙Pに第1ドット群L1と第2ドット群L2との対が異なるオフセット時間Sをもって隣接して形成されたテストパターンは、図示の如く主走査方向Xにおける第1ドット群L1と第2ドット群L2とのずれ量が、第1ドット群L1と第2ドット群L2との対ごとに段階的に異なる。そして、第1ドット群L1と第2ドット群L2との位置が一致したとき(識別番号2)のオフセット時間Sは、第1の移動速度V1におけるインク到着位置のずれ量D1と第2の移動速度V2におけるインク到着位置のずれ量D2とのずれ量差Dだけ第2の移動速度V2で記録ヘッド62が移動する時間に相当する。したがって、第1ドット群L1と第2ドット群L2との対ごとに目視で判定し、第1ドット群L1と第2ドット群L2とが最も一致するもの(最も一直線に見えるもの)を選択し(識別番号2)、その識別番号に対応するオフセット時間Sに第2の移動速度V2を乗算することで上記ずれ量差Dを目視で得ることができる。
このようにして、インク噴射位置に対する記録ヘッド62の移動方向へのインク到着位置のずれをインク噴射タイミングの調節によって補正する際に、上記のようにして補正値αを求めることによって、経年変化等による記録ヘッド62のインク噴射特性の変化に応じて補正することができる。
それによって、インク噴射ノズルのインク噴射速度特性を精度良くかつ経年変化等による特性変化に応じて補正して記録を実行することができるので、記録ヘッド62のインク噴射ノズルから噴射したインクがドットを形成すべき位置に正確に到着する如く、経年変化等に応じて最適にインク噴射タイミングを補正して、常に高精度な記録を実現することが可能になる。
それによって、インク噴射ノズルのインク噴射速度特性を精度良くかつ経年変化等による特性変化に応じて補正して記録を実行することができるので、記録ヘッド62のインク噴射ノズルから噴射したインクがドットを形成すべき位置に正確に到着する如く、経年変化等に応じて最適にインク噴射タイミングを補正して、常に高精度な記録を実現することが可能になる。
つづいて、記録制御部100にて実行されるインク噴射タイミングの補正制御の第2実施例について説明する。尚、インクジェット式記録装置50の構成は、第1実施例と同様であるが、第1実施例においては、キャリッジ61が往復動する際に往路においてのみ記録ヘッド62からインクを噴射する単方向記録を実行するのに対して、第2実施例においては、キャリッジ61が往復動する際に往路及び復路の双方向において記録ヘッド62からインクを噴射する双方向記録を実行する。
そこで、第2実施例においては、移動する記録ヘッド62のインク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する記録紙Pへのインク到着位置のずれは、記録ヘッド62の移動方向によって相反する方向になることを利用して実際のインク噴射速度を推定する。
図9は、記録ヘッド62から噴射されたインクのインク噴射位置とインク到着位置との関係を模式的に示した正面図であり、インク噴射時のキャリッジ61の移動方向が往路方向である場合と復路方向である場合とのインク到着位置のずれ量和Tを示したものである。
当該実施例においては、予め基準速度Vcにおける往路方向への記録ヘッド62の移動時のインク噴射位置に対する記録紙Pのインク到着位置のずれ量と復路方向への記録ヘッド62の移動時のインク噴射位置に対する記録紙Pのインク到着位置のずれ量和Tを、インク噴射後の記録紙P上で両者のインク到着位置(ドット形成位置)のずれ量をもって特定し、当該ずれ量和T、基準速度Vc及びヘッド面間隔PGとの相関関係からインク噴射ノズルの実際のインク噴射速度Viを推定する。そして、記録紙Pへの記録実行時には、推定したインク噴射速度Viに基づいて記録紙Pの記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングを補正する補正値αを求める。
つづいて、当該実施例における補正値αの具体的な算出方法について説明する。
補正値αは、前述した式(9)から算出する。
α=n/λ・T/2・(Vs/Vc−1) …(9)
上記式(9)は、前述した式(2)及び式(8)から導き出され、基準速度Vcにおける往路方向でのインク到着位置のずれ量と復路方向でのインク到着位置のずれ量和Tから間接的にインク噴射速度Viを特定して補正値αを算出するものである。
α=Vs・PG/Vi−Vc・PG/Vi …(2)
PG/Vi=T/(2・Vc) …(8)
基準速度Vc及びヘッド面間隔PGは、既定値として予め定め、基準速度Vcにおける往路方向でのインク到着位置のずれ量と復路方向でのインク到着位置のずれ量和Tを、インク噴射後の記録紙P上で両者のインク到着位置のずれ量をもって予め特定して上記式(9)にそれぞれ代入する。記録実行時には、記録ヘッド62の移動速度Vsに応じて上記式(9)の演算結果より補正値αを算出することができる。尚、リニアスケールセンサ322から出力されるパルス信号と、記録ヘッド62のインク噴射ノズルを駆動するノズル駆動信号との関係(図7)については、第1実施例と同様なので説明は省略する。
補正値αは、前述した式(9)から算出する。
α=n/λ・T/2・(Vs/Vc−1) …(9)
上記式(9)は、前述した式(2)及び式(8)から導き出され、基準速度Vcにおける往路方向でのインク到着位置のずれ量と復路方向でのインク到着位置のずれ量和Tから間接的にインク噴射速度Viを特定して補正値αを算出するものである。
α=Vs・PG/Vi−Vc・PG/Vi …(2)
PG/Vi=T/(2・Vc) …(8)
基準速度Vc及びヘッド面間隔PGは、既定値として予め定め、基準速度Vcにおける往路方向でのインク到着位置のずれ量と復路方向でのインク到着位置のずれ量和Tを、インク噴射後の記録紙P上で両者のインク到着位置のずれ量をもって予め特定して上記式(9)にそれぞれ代入する。記録実行時には、記録ヘッド62の移動速度Vsに応じて上記式(9)の演算結果より補正値αを算出することができる。尚、リニアスケールセンサ322から出力されるパルス信号と、記録ヘッド62のインク噴射ノズルを駆動するノズル駆動信号との関係(図7)については、第1実施例と同様なので説明は省略する。
前述したように、記録紙Pに対して記録ヘッド62を相対的に往復動させながら記録ヘッド62から記録紙Pの記録面へインクを噴射すると、記録紙Pへのインク到着位置は、インク噴射位置に対して記録ヘッド62の移動方向へずれることになる。そのインク到着位置のずれ量は、記録ヘッド62の移動速度によって異なる。そのため、記録制御部100は、第1実施例において説明したように、同一方向への記録ヘッド62の移動時におけるインク噴射位置とインク到着位置とのずれについては、補正値αによって移動速度Vsにおけるインク噴射タイミングの補正を行う。基準速度Vcのときを基準として、記録ヘッド62の移動速度Vsと基準速度Vcとの速度差に応じてインク噴射タイミングが前後するように、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングに対するインク噴射タイミングが補正値αで補正される。
また、相反する方向への記録ヘッド62の移動時におけるインク噴射位置とインク到着位置とのずれについては、往路方向への記録ヘッド62の移動時におけるインク噴射位置に対する復路方向への記録ヘッド62の移動時におけるインク噴射位置の補正値βを前述した式(10)から算出する。
β=T/2・Vs/Vc …(10)
このように、基準速度Vcにおけるずれ量和Tに基準速度Vcに対する記録実行時の移動速度Vsの割合を乗算した補正値βで、その移動速度Vsでの往路方向への記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する復路方向への記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置を補正する。それによって、往路方向おけるインク到着位置と復路方向におけるインク到着位置とのずれを高精度に補正することができる。
β=T/2・Vs/Vc …(10)
このように、基準速度Vcにおけるずれ量和Tに基準速度Vcに対する記録実行時の移動速度Vsの割合を乗算した補正値βで、その移動速度Vsでの往路方向への記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する復路方向への記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置を補正する。それによって、往路方向おけるインク到着位置と復路方向におけるインク到着位置とのずれを高精度に補正することができる。
つづいて、基準速度Vcにおける往路方向でのインク到着位置のずれ量と復路方向でのインク到着位置のずれ量和Tを、インク噴射後の記録紙P上で両者のインク到着位置(ドット形成位置)のずれ量をもって特定する方法について説明する。
図10は、基準速度Vcにおける往路方向でのインク到着位置のずれ量と復路方向でのインク到着位置のずれ量和Tを目視で特定可能なテストパターンの記録実行方法を示した模式図である。以下、図10を参照しながら記録制御部100によるテストパターンの記録実行手順について説明する。
記録ヘッド62の移動速度を基準速度Vcとして記録ヘッド62の移動方向が往路方向のときのみインクを噴射して複数の第1ドット群L1を記録紙Pへ形成する。第1実施例(図8)と同様に、第1ドット群L1は、図示の如く副走査方向Yと平行な直線となるようにドットを形成する。
つづいて、記録ヘッド62の移動速度を基準速度Vcとしたまま、パルス信号の立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけずらしたタイミングでインク噴射ノズルからインクが噴射される如くインク噴射ノズルの駆動信号を生成して複数の第2ドット群L2を記録済みの第1ドット群L1の近傍に対を成す如く記録ヘッド62の移動方向が復路方向のときのみインクを噴射して形成する。第1実施例(図8)と同様に、第2ドット群L2は、第1ドット群L1と同様に、副走査方向Yと平行な直線となるようにドットを形成し、かつ図示の如く第1ドット群L1と第2ドット群L2とが副走査方向Yへ隣接するように形成する。また、第2ドット群L2を形成する際には、第1ドット群L1と第2ドット群L2との対ごとにオフセット時間Sを段階的に変化させて記録を実行する。このオフセット時間Sの段階的変化は、パルス信号の周期λを補正段数nで分割した時間を最小単位として行われることになる。第1ドット群L1と第2ドット群L2との対ごとに異なる識別番号等を近傍に記録する。
このように、記録紙Pに第1ドット群L1と第2ドット群L2との対が異なるオフセット時間Sをもって隣接して形成されたテストパターンは、図示の如く主走査方向Xにおける第1ドット群L1と第2ドット群L2とのずれ量が、第1ドット群L1と第2ドット群L2との対ごとに段階的に異なる。そして、第1ドット群L1と第2ドット群L2との位置が一致したとき(識別番号2)のオフセット時間Sは、基準速度Vcにおける往路方向でのインク到着位置のずれ量と復路方向でのインク到着位置のずれ量和Tだけ基準速度Vcで記録ヘッド62が移動する時間に相当する。したがって、第1ドット群L1と第2ドット群L2との対ごとに目視で判定し、第1ドット群L1と第2ドット群L2とが最も一致するもの(最も一直線に見えるもの)を選択し(識別番号2)、その識別番号に対応するオフセット時間Sに基準速度Vcを乗算することで上記ずれ量和Tを目視で得ることができる。
また当該実施例においては、記録制御部100は、記録ヘッド62を所定の移動速度Vsで往復動させながら、往路方向への記録ヘッド62の移動時にのみインク噴射ノズルからインクを噴射する単方向記録モードを有し、単方向記録モードにおいても補正値αで記録紙Pの記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングを補正する。このように、双方向記録を実行するインクジェット式記録装置50において、単方向記録を実行する際においても、補正値αでインク噴射タイミングを補正することができる。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
20 直流電源装置、50 インクジェット式記録装置、51 キャリッジガイド軸、52 プラテン、53 搬送駆動ローラ、54 搬送従動ローラ、55 排紙駆動ローラ、56 排紙従動ローラ、57 給紙トレイ、57b 給紙ローラ、58 PFモータ、59 キャッピング装置、60 キャリッジ駆動手段、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、63 CRモータ、100 記録制御部、101 ROM、102 RAM、103 ASIC、104 MPU、105 不揮発性メモリ、106 PFモータドライバ、107 CRモータドライバ、108 ヘッドドライバ、P 記録紙、X 主走査方向、Y 副走査方向
Claims (12)
- 被記録材へインクを噴射するためのインク噴射ノズルがヘッド面に配設された記録ヘッドと、
被記録材の記録面と前記記録ヘッドのヘッド面とが略一定の間隔で略平行に対向した状態で、所定の往復動方向へ所定の移動速度で被記録材に対して前記記録ヘッドを相対的に往復動させる記録ヘッド移動手段と、
ノズル駆動信号に基づいて前記インク噴射ノズルを駆動するヘッド駆動手段と、
前記記録ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記記録ヘッドの移動時にのみ前記インク噴射ノズルからインクを噴射する如く、前記記録ヘッド移動手段及び前記ヘッド駆動手段を制御する記録制御装置とを備えた記録装置であって、
前記記録制御装置は、第1の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量と第2の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量との差、及び前記第1の移動速度と前記第2の移動速度との相対速度差から前記インク噴射ノズルの実際のインク噴射速度を推定し、
推定したインク噴射速度に基づいて被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした記録装置。 - 請求項1において、前記記録制御装置は、前記第1の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量と前記第2の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量との差をずれ量差Dとし、
前記第1の移動速度をV1、前記第2の移動速度をV2、前記記録ヘッドの移動速度の基準速度をVc、記録実行時の前記記録ヘッドの移動速度をVsとし、
被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングの補正値αを以下の式から算出する、ことを特徴とした記録装置。
α=Vs・D/(V1−V2)−Vc・D/(V1−V2) - 請求項1において、前記記録ヘッドの往復動方向と略平行に一定のピッチで多数のスリットが形成されたリニアスケールと、前記スリットを検出可能な状態で前記記録ヘッドとともに往復動可能に配設され、検出した前記スリットの検出周期のパルス信号を前記記録制御装置へ出力するリニアスケールセンサとを備え、
前記記録制御装置は、前記リニアスケールセンサが出力するパルス信号の周期に同期した前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成し、
前記第1の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量と前記第2の移動速度で移動する前記記録ヘッドの前記インク噴射ノズルからのインク噴射位置に対する被記録材へのインク到着位置のずれ量との差をずれ量差Dとし、
前記第1の移動速度をV1、前記第2の移動速度をV2、前記記録ヘッドの移動速度の基準速度をVc、記録実行時の前記記録ヘッドの移動速度をVsとし、
前記リニアスケールのスケールピッチをλ、補正段数をnとし、
被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングの補正値αを以下の式から算出し、
前記リニアスケールセンサが出力するパルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成する前記記録ヘッドの移動速度が基準速度Vcであるときを基準として、
前記基準速度Vcと前記移動速度Vsとの速度差に応じて前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジに対するインク噴射タイミングを前記補正値αにて前後させて前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成する、ことを特徴とした記録装置。
α=n/λ・(Vs・D/(V1−V2)−Vc・D/(V1−V2)) - 請求項3において、前記記録制御装置は、前記記録ヘッドの移動速度を前記第1の移動速度V1として、前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成して複数の第1ドット群を被記録材へ形成した後、
前記記録ヘッドの移動速度を前記第2の移動速度V2として、前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけずらしたタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成して複数の第2ドット群を前記第1ドット群の近傍に対を成す如く形成し、
前記第1ドット群と前記第2ドット群との対ごとに前記第2ドット群を形成する際の前記オフセット時間Sを段階的に変化させて記録を実行するテストパターン記録を実行し、
被記録材に記録された前記記録ヘッドの往復動方向における前記第1ドット群の形成位置と前記第2ドット群の形成位置とが一致したときの前記オフセット時間S及び前記第2の移動速度V2から前記ずれ量差Dを特定する、ことを特徴とした記録装置。 - 被記録材へインクを噴射するためのインク噴射ノズルがヘッド面に配設された記録ヘッドと、
被記録材の記録面と前記記録ヘッドのヘッド面とが略一定の間隔で略平行に対向した状態で、所定の往復動方向へ所定の移動速度で被記録材に対して前記記録ヘッドを相対的に往復動させる記録ヘッド移動手段と、
ノズル駆動信号に基づいて前記インク噴射ノズルを駆動するヘッド駆動手段と、
前記記録ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記記録ヘッドの移動時に前記インク噴射ノズルからインクを噴射するとともに、復路方向への前記記録ヘッドの移動時にも前記インク噴射ノズルからインクを噴射する如く、前記記録ヘッド移動手段及び前記ヘッド駆動手段を制御する記録制御装置とを備えた記録装置であって、
前記記録制御装置は、所定の基準速度における往路方向への前記記録ヘッドの移動時のインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量と復路方向への前記記録ヘッドの移動時のインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量との和、及び記録実行時の前記記録ヘッドの往復動速度から前記インク噴射ノズルの実際のインク噴射速度を推定し、
推定したインク噴射速度に基づいて被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした記録装置。 - 請求項5において、前記記録制御装置は、前記記録ヘッドの移動速度の基準速度をVc、記録実行時の前記記録ヘッドの移動速度をVsとし、
前記基準速度Vcにおける往路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量と復路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量との和をずれ量和Tとし、
被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングの補正値αを以下の式から算出する、ことを特徴とした記録装置。
α=T/2・(Vs/Vc−1) - 請求項5において、前記記録ヘッドの往復動方向と略平行に一定のピッチで多数のスリットが形成されたリニアスケールと、前記スリットを検出可能な状態で前記記録ヘッドとともに往復動可能に配設され、検出した前記スリットの検出周期のパルス信号を前記記録制御装置へ出力するリニアスケールセンサとを備え、
前記記録制御装置は、前記リニアスケールセンサが出力するパルス信号の周期に同期した前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成し、
前記記録ヘッドの移動速度の基準速度をVc、記録実行時の前記記録ヘッドの移動速度をVsとし、
前記基準速度Vcにおける往路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量と復路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する被記録材のインク到着位置のずれ量との和をずれ量和Tとし、
前記リニアスケールのスケールピッチをλ、補正段数をnとし、
被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングの補正値αを以下の式から算出し、
前記リニアスケールセンサが出力するパルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成する前記記録ヘッドの移動速度が基準速度Vcであるときを基準として、
前記基準速度Vcと前記移動速度Vsとの速度差に応じて前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジに対するインク噴射タイミングを前記補正値αにて前後させて前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成する、ことを特徴とした記録装置。
α=n/λ・T/2・(Vs/Vc−1) - 請求7において、前記記録制御装置は、前記記録ヘッドの移動速度を前記基準速度Vcとして前記記録ヘッドの移動方向が往路方向のときのみインクを噴射して複数の第1ドット群を被記録材へ形成した後、
前記記録ヘッドの移動速度を前記基準速度Vcとして、前記パルス信号の立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジのタイミングからオフセット時間Sだけずらしたタイミングで前記インク噴射ノズルからインクが噴射される如く前記インク噴射ノズルの駆動信号を生成して複数の第2ドット群を前記第1ドット群の近傍に対を成す如く前記記録ヘッドの移動方向が復路方向のときのみインクを噴射して形成し、
前記第1ドット群と前記第2ドット群との対ごとに前記第2ドット群を形成する際の前記オフセット時間Sを段階的に変化させて記録を実行するテストパターン記録を実行し、
被記録材に記録された前記記録ヘッドの往復動方向における前記第1ドット群の形成位置と前記第2ドット群の形成位置とが一致したときの前記オフセット時間S及び前記基準速度Vcから前記ずれ量和Tを特定する、ことを特徴とした記録装置。 - 請求項6〜8のいずれか1項において、往路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置に対する復路方向への前記記録ヘッドの移動時におけるインク噴射位置の補正値βを以下の式から算出する、ことを特徴とした記録装置。
β=T/2・Vs/Vc - 請求項6〜9のいずれか1項において、前記記録制御装置は、前記記録ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記記録ヘッドの移動時にのみ前記インク噴射ノズルからインクを噴射する単方向記録モードを有し、
前記単方向記録モードにおいても前記補正値αで被記録材の記録面へインクを噴射する際のインク噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした記録装置。 - 被噴射材へ液体を噴射するための液体噴射ノズルがヘッド面に配設された液体噴射ヘッドと、
被噴射材の液体噴射面と前記液体噴射ヘッドのヘッド面とが略一定の間隔で略平行に対向した状態で、所定の往復動方向へ所定の移動速度で被噴射材に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に往復動させる液体噴射ヘッド移動手段と、
ノズル駆動信号に基づいて前記液体噴射ノズルを駆動するヘッド駆動手段と、
前記液体噴射ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時にのみ前記液体噴射ノズルから液体を噴射する如く、前記液体噴射ヘッド移動手段及び前記ヘッド駆動手段を制御する液体噴射制御装置とを備えた液体噴射装置であって、
前記液体噴射制御装置は、第1の移動速度で移動する前記液体噴射ヘッドの前記液体噴射ノズルからの液体噴射位置に対する被噴射材への液体到着位置のずれ量と第2の移動速度で移動する前記液体噴射ヘッドの前記液体噴射ノズルからの液体噴射位置に対する被噴射材への液体到着位置のずれ量との差、及び前記第1の移動速度と前記第2の移動速度との相対速度差から前記液体噴射ノズルの実際の液体噴射速度を推定し、
推定した液体噴射速度に基づいて被噴射材の液体噴射面へ液体を噴射する際の液体噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした液体噴射装置。 - 被噴射材へ液体を噴射するための液体噴射ノズルがヘッド面に配設された液体噴射ヘッドと、
被噴射材の液体噴射面と前記液体噴射ヘッドのヘッド面とが略一定の間隔で略平行に対向した状態で、所定の往復動方向へ所定の移動速度で被噴射材に対して前記液体噴射ヘッドを相対的に往復動させる液体噴射ヘッド移動手段と、
ノズル駆動信号に基づいて前記液体噴射ノズルを駆動するヘッド駆動手段と、
前記液体噴射ヘッドを所定の移動速度で往復動させながら、往路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時に前記液体噴射ノズルから液体を噴射するとともに、復路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時にも前記液体噴射ノズルから液体を噴射する如く、前記液体噴射ヘッド移動手段及び前記ヘッド駆動手段を制御する液体噴射制御装置とを備えた液体噴射装置であって、
前記液体噴射制御装置は、所定の基準速度における往路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時の液体噴射位置に対する被噴射材の液体到着位置のずれ量と復路方向への前記液体噴射ヘッドの移動時の液体噴射位置に対する被噴射材の液体到着位置のずれ量との和、及び液体噴射実行時の前記液体噴射ヘッドの往復動速度から前記液体噴射ノズルの実際の液体噴射速度を推定し、
推定した液体噴射速度に基づいて被噴射材の液体噴射面へ液体を噴射する際の液体噴射タイミングを補正する、ことを特徴とした液体噴射装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005003344A JP2006192575A (ja) | 2005-01-11 | 2005-01-11 | 記録装置、液体噴射装置 |
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JP2005003344A JP2006192575A (ja) | 2005-01-11 | 2005-01-11 | 記録装置、液体噴射装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011067991A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Olympus Corp | 画像記録装置及び吐出タイミング調整方法 |
JP2016043643A (ja) * | 2014-08-26 | 2016-04-04 | セイコーエプソン株式会社 | 液体吐出装置 |
KR101846936B1 (ko) * | 2017-03-31 | 2018-04-09 | (주) 마을소프트 | 토출 장치 및 제어 방법 |
CN117119115A (zh) * | 2023-10-23 | 2023-11-24 | 杭州百子尖科技股份有限公司 | 基于机器视觉的校准方法、装置、电子设备及存储介质 |
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2005
- 2005-01-11 JP JP2005003344A patent/JP2006192575A/ja active Pending
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