JP2020040250A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】縁なし印刷における媒体の位置合わせの精度を高めることのできる液体噴射装置を提供する。【解決手段】プリンターは、キャリッジの移動時における受光部59の出力電圧に基づき、用紙の端部の位置を算出する制御部50を備え、制御部50は、用紙の端部の位置を算出するときに受光部59の出力電圧との比較に用いる閾値として第1の閾値および第1の閾値とは異なる第2の閾値を有し、受光部59の出力電圧が第1の閾値を横切ったときに閾値が第2の閾値に切り替わり、閾値が第2の閾値に切り替わったとき、用紙の端部の算出位置をオフセットする。【選択図】図3
Description
本発明は、液体噴射装置に関する。
従来、この種の液体噴射装置の一例としてインクジェット式のプリンターが知られている。プリンターには用紙の搬送方向と交差する移動方向(主走査方向)に移動するとともに液体噴射ヘッドを有するキャリッジが設けられている。
例えば特許文献1に記載のプリンターでは、キャリッジに光反射式の光学式センサが設けられ、キャリッジを移動方向に移動させるときに光学式センサにより用紙の幅方向の端部の位置を検出している。より詳細には、このプリンターでは、光学式センサの検出閾値を2段階に設定し、第1の閾値を用いて用紙の端部を検出した後、第1の閾値よりも小さい第2の閾値を用いて用紙の端部の位置を検出している。すなわち、まずは用紙の端部の有無を検出し、用紙の端部が検出されたことを条件として用紙の端部の位置を検出している。これにより、例えば鏡面状に研磨された支持部の凸部等を用紙の端部として誤検出する頻度を低減している。
しかしながら、上記文献に記載の装置では、キャリッジが移動している間に光学式センサーが用紙の端部を横切って用紙の上方を移動する過程では、光学式センサーの出力値が次第に増大する。そして、光学式センサーの出力値が第2の閾値を上回った後に第1の閾値に達した時点で用紙の端部を検出し、その後に第2の閾値を横切ったときの光学式センサーの出力値に基づいて用紙の端部の位置を検出する。これにより、例えば鏡面状に研磨された支持部の凸部等を用紙の端部として誤検出する頻度を低減している。しかしながら、支持部の凸部は、用紙の通紙により、鏡面状に研磨された場合、紙端検出位置が変化するため、縁なし印刷時の打ち捨て量が多くなったり、縁ができてしまったりすることが発生する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、媒体に向けて液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記媒体の移動方向と交差する方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジに設けられ、発光部及び前記発光部から射出された光の受光量に応じた出力値を出力する受光部を有する光学式センサーと、前記キャリッジの移動時における前記受光部の出力値に基づき、前記媒体の端部の位置を算出する制御部とを備え、前記制御部は、前記媒体の端部の位置を算出するときに前記受光部の出力値との比較に用いる閾値として第1の閾値および前記第1の閾値とは異なる第2の閾値を有し、前記光学式センサーの出力値が前記第1の閾値を横切ったときに前記閾値が前記第2の閾値に切り替わり、前記閾値が前記第2の閾値に切り替わったとき、前記媒体の端部の算出位置をオフセットする。
(第1の実施の形態)
以下、液体噴射装置をインクジェット式のプリンターに具体化した第1の実施の形態を、図1〜図13を参照して説明する。
以下、液体噴射装置をインクジェット式のプリンターに具体化した第1の実施の形態を、図1〜図13を参照して説明する。
図1に示すように、液体噴射装置の一例であるインクジェット式のプリンター11には、本体12の背面側に媒体の一例としての用紙Pを給送する自動給紙装置13が設けられている。自動給紙装置13は、給紙トレイ14、ホッパー15及びエッジガイド16を有する用紙ガイド17を備え、用紙ガイド17にセットされた用紙を1枚ずつ本体12内に給送する。左右一対のエッジガイド16は、給紙トレイ14の幅方向中央位置を中心として用紙Pを幅方向にガイドする。
また、本体12内にはキャリッジ18がその移動経路に沿った移動方向Xに往復移動可能な状態で設けられ、このキャリッジ18の下部には液体噴射ヘッド19が取り付けられている。プリンター11は、キャリッジ18を移動方向Xに移動させる過程で液体噴射ヘッド19から用紙Pの表面にインクを噴射する記録動作と、用紙Pを移動方向Xと交差する搬送方向Yに要求された搬送量で搬送する紙送り動作とを略交互に繰り返し、与えられた印刷データに基づく画像や文書などを用紙Pに印刷する。印刷後の用紙Pは本体12の前側下部に開口する排紙口12Aから排出される。
また、本体12の上面端部には、操作パネル20が設けられている。操作パネル20は、液晶表示パネル等からなる表示部21と、操作スイッチ22が設けられている。操作スイッチ22には、電源スイッチ23、印刷開始スイッチ24、及び、キャンセルスイッチ25が設けられている。なお、表示部21をタッチパネルとしてもよい。
次に、プリンター11の内部構成について説明する。図2に示すように、プリンター11は、上側と前側が開口する略四角箱状の本体フレーム30を有し、この本体フレーム30の左右の側壁間にはガイド軸31が架設されている。ガイド軸31には、キャリッジ18が移動方向Xに往復移動可能な状態で取り付けられている。本体フレーム30の背板内面に取着された一対のプーリー33には無端状のタイミングベルト34が巻き掛けられており、キャリッジ18はタイミングベルト34の一部に固定されている。片側のプーリー33にはキャリッジモーター35の駆動軸が連結されている。そして、キャリッジモーター35が正逆転駆動されてタイミングベルト34が正転及び逆転することにより、キャリッジ18は移動方向Xに往復移動する。
キャリッジ18の上部には、各色のインク(例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色)がそれぞれ収容された複数個(例えば4個)のインクカートリッジ37が装着されている。各インクカートリッジ37から供給されたインクは、液体噴射ヘッド19に各色に対応して形成されたノズル列NA(図5参照)からそれぞれ噴射される。また、キャリッジ18の移動経路の下方位置には、液体噴射ヘッド19と用紙Pとの間隔を規定する支持台38が移動方向Xに延びるように設けられている。なお、液体噴射ヘッド19が噴射可能なインク色は4色に限らず、1色、3色、5〜8色でもよい。
また、キャリッジ18の背面側には、キャリッジ18の移動量に比例する数のパルスを出力するリニアエンコーダー39がガイド軸31に沿って延びるように設けられている。プリンター11ではリニアエンコーダー39から出力されるパルス信号に基づいてキャリッジ18の位置制御及び速度制御が行われる。
また、本体フレーム30の右側下部には、搬送モーター41が配設されている。搬送モーター41の動力により不図示の給紙ローラーが駆動されることにより給紙トレイ14にセットされた用紙Pが1枚ずつ給送される。搬送方向Yに支持台38を挟んだその上流側と下流側には、それぞれ搬送ローラー対43と排出ローラー対44とが配置されている。各ローラー対43,44は、搬送モーター41の動力で回転する駆動ローラー43a,44aと、駆動ローラー43aの回転に連れ回りする従動ローラー43b,44bとから構成される。用紙Pは、搬送モーター41が駆動されることで、両ローラー対43,44に挟持された状態で搬送方向Yに搬送される。
キャリッジ18の移動経路上の一端は、キャリッジ18が非印刷時に待機するホーム位置となっている。ホーム位置に配置されたキャリッジ18の下方には、液体噴射ヘッド19に対してクリーニング等のメンテナンスを行うメンテナンス装置45が配設されている。本実施の形態では、搬送モーター41がメンテナンス装置45の動力源ともなっている。また、キャリッジ18には、用紙Pの幅方向における両側の端部を検出する紙幅センサー48が設けられている。
図5に示すように、キャリッジ18の底面の略中央位置には液体噴射ヘッド19が取り付けられている。液体噴射ヘッド19のノズル形成面19aには、ノズル列NAが移動方向Xに所定の間隔で複数配置されている。各ノズル列NAは、キャリッジ18がプリンター11に組み付けられた状態で、搬送方向Yに多数のノズルが一定のピッチで配列されてなる。ノズル列NAを構成する各ノズルからは、インクカートリッジ37から供給されるインクが噴射される。また、紙幅センサー48は、キャリッジ18の底面において液体噴射ヘッド19よりも搬送方向Yの上流側の位置に取り付けられている。
次に、プリンター11の電気的構成について説明する。
図3に示すように、プリンター11は、制御部50と、記憶部51とを備える。制御部50は、CPUを含む。記憶部51は、ROM、RAM、及び不揮発性メモリーを含む。ROMには、各種のプログラムが記憶されている。不揮発性メモリーには、一部のプログラム及び各種のプログラムを実行する際の設定データが記憶され、電源をオフにしても記憶内容が保持される。CPUは、ROM及び不揮発性メモリーに記憶されたプログラムを実行することで、プリンター11の印刷動作を制御する。
制御部50は、印刷データに基づいて駆動回路55を介して液体噴射ヘッド19を駆動制御し、液体噴射ヘッド19からインクを噴射させる。また、制御部50は、駆動回路56を介してキャリッジモーター35を駆動制御し、キャリッジ18を移動方向Xに往復移動させる。さらに、制御部50は、駆動回路57を介して搬送モーター41を駆動制御し、用紙Pを搬送方向Yに搬送させる。また、制御部50は、リニアエンコーダー39から入力されるパルス信号に基づいてホーム位置を原点とするキャリッジ18の移動方向における位置を検出する。詳しくは、制御部50は、キャリッジ18がホーム位置にあるときを原点として、リニアエンコーダー39から入力されるパルス信号のパルスエッジの数を計数するカウンターを備え、キャリッジ18の往動時にカウンターの計数値を加算し、キャリッジ18の復動時にカウンターの計数値を減算する。このため、カウンターの計数値は、キャリッジ18の移動方向Xにおける位置を示すものとなる。
また、制御部50は紙幅センサー48に接続されている。紙幅センサー48は、光を支持台38に向けて射出する発光部58と、発光部58から射出された光の反射光を受光する受光部59とを備える。制御部50は、発光部58の発光を制御するとともに、受光部59から受光量に応じた出力電圧が入力される。
次に、支持台38及び紙幅センサー48の詳細を説明する。
図4に示すように、支持台38の支持面71には、搬送方向Yに延びる凸条の一例としてのリブ72が移動方向Xに間隔を隔てた複数の位置に形成されている。リブ72は、用紙Pの幅方向の端部を下方から支持する。支持台38の支持面71におけるリブ72の形成領域には、キャリッジ18の移動方向Xにおいて液体噴射ヘッド19が印刷のためにインクを噴射可能な最大エリアである液体噴射領域PAが配置される。紙幅センサー48の検出対象領域は、液体噴射領域PAよりも搬送方向Yの上流側に配置される。
図7に示すように、紙幅センサー48は、発光部58と受光部59とが隣り合う状態で比較的近接した位置に取り付けられている。発光部58と受光部59の各光軸間の距離は非常に短く、発光部58から下方に射出された光は対象物の反射面RPで上方に反射し、その反射光は受光部59によって受光される。なお、図7では、光路を模式的に斜めに延びる一点鎖線で示している。なお、対象物の反射面RPは、用紙Pの表面及び支持台38の支持面71の溝部71aを含む。
図6に示すように、支持台38の支持面71のうち、リブ72以外の部分には、リブ72の上端面よりも低い底面を有する溝部71aが形成されている。溝部71aの底面は、比較的細かな波状の面に形成されており、発光部58から溝部71aへ略垂直に射出された光が乱反射しやすくなっている。このため、溝部71aは暗部領域となり、溝部71aで反射した光の受光部59による受光量が非常に少なくなり、受光部59の出力電圧は極めて小さくなる。また、光反射率の高い用紙Pは明部領域となり、用紙Pからの反射光を受光した受光部59の受光量は相対的に多く、受光部59の出力電圧は相対的に小さくなる。また、支持台38の支持面71のうち用紙Pを下方から支持するリブ72は、用紙Pが摺動することにより研磨されて次第に鏡面状になる。そのため、支持台38の支持面71の反射率は時間の経過とともに次第に上昇する。
次に、紙幅センサー48による用紙Pの端部の位置の検出方法について説明する。
図8は、紙幅センサー48が受光部59を通じて出力する出力電圧の時間変化の一例を示している。同図に示す例のように、受光部59の出力電圧は、時間の経過に伴う誤差成分を含んでいる。受光部59の出力電圧は、通常であれば、こうした誤差成分を考慮したとしても第1の閾値VS1よりも大きい値に維持される。ただし、同図に破線で囲んだ領域のように、用紙Pの摺動に伴って鏡面状に形成されたリブ72からの反射光が受光部59に入射した場合には、受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1を一時的に下回る場合もある。この場合、受光部59の出力電圧と第1の閾値VS1との比較判定に基づいて用紙Pの端部の位置を検出しようとすると、鏡面状に形成されたリブ72を用紙Pの端部として誤検出してしまうおそれがある。
この点、本実施の形態では、受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1を下回ったときには、用紙Pの端部の検出に用いる閾値を第1の閾値VS1から第2の閾値VS2に切り替える。第2の閾値VS2は、第1の閾値VS1よりも小さい値であって、リブ72を検出不能であって、かつ、用紙Pを検出可能な閾値として設定されている。そのため、鏡面状に形成されたリブ72を用紙Pの端部として誤検出する頻度が抑えられる。
図9は、用紙Pが支持台38を覆う位置まで搬送された状態で、キャリッジ18が移動方向Xに移動して紙幅センサー48によって用紙Pの端部を検出する場合を示す。図9(a)に示すグラフは、紙幅センサー48の移動方向Xにおけるセンサー位置xと、受光部59の出力電圧Voとの関係を示す。また、図9(b)は、用紙Pの端部を検出する際にリブ72及び用紙Pで反射した反射光RLの様子を模式的に示したものである。リブ72で反射した光量の少ない領域をドット領域として示し、用紙Pで反射した光量の多い領域を白色領域として示している。
図9(a)及び図9(b)に示すように、用紙Pの幅方向外側の溝部71aを検出対象としている場合、溝部71aによって反射された光量の少ない反射光RLを受光した受光部59からは極めて高い出力電圧が出力される。そして、反射光RLのうち用紙Pの表面で反射した反射光の占有率が半分になると、出力電圧Voが第1の閾値VS1を下回るようになって用紙Pの第1の端部が検出される。また、用紙Pを検出対象としている区間では、用紙Pの表面で反射した光量の多い反射光RLを受光した受光部から第1の閾値VS1よりも小さい出力電圧Voが出力される。そして、反射光RLのうち用紙Pの表面で反射した反射光RLの占有率が半分になると、出力電圧Voが第1の閾値VS1を上回るようになって用紙Pの第2の端部が検出される。
ところで、図10(a)及び図10(b)に示すように、用紙Pの幅方向外側に位置するリブ72が鏡面状に形成されている場合、このリブ72によって反射された光量の多い反射光RLを受光した受光部59からは第1の閾値VS1よりも小さい出力電圧が出力される。すると、用紙Pの端部を検出する際に用いる閾値は第1の閾値VS1から第2の閾値VS2に切り替わる。そのため、鏡面状に形成されたリブ72の位置が用紙Pの端部として誤検出されることが回避される。この場合、出力電圧Voが第2の閾値VS2を下回るようになって用紙Pの第1の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し内側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第1の端部の検出位置に対してオフセット量dx1を設定することにより、用紙Pの第1の端部を的確に検出している。また同様に、出力電圧Voが第2の閾値VS2を上回るようになって用紙Pの第2の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し内側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第2の端部の検出位置に対してオフセット量dx2を設定することにより、用紙Pの第2の端部を的確に検出している。その後、出力電圧Voが第1の閾値VS1を上回った場合には、用紙Pの端部を検出する際に用いる閾値が第2の閾値VS2から第1の閾値VS1に切り替わる。
次に、図11に示すフローチャートを参照し、閾値設定ルーチンについて説明する。なお、この閾値設定ルーチンは、プリンター11の省電力モードへの移行時に実行される。
図11に示すように、ステップS10において、制御部50は、受光部59の出力電圧を取得する。より詳細には、制御部50は、用紙Pの印刷時において、受光部59の出力電圧の履歴データを記憶部51に格納しておき、プリンター11の省電力モードへの移行時に、記憶部51に格納されている受光部59の出力電圧の履歴データを読み出す。
また、ステップS11において、制御部50は、先のステップS10において取得した受光部59の出力電圧を入力として第1の係数を用いて第1の閾値VS1を算出する。より詳細には、制御部50は、受光部59の出力電圧の履歴データから複数の測定点のデータを読み出し、それらのデータの平均値に第1の係数を乗算して第1の閾値VS1を算出する。なお、第1の係数は、紙幅センサー48のセンサー位置xが用紙Pの端部に到達した時点で受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1と一致するように予め設定されている。また、複数の測定点のデータは、閾値設定ルーチンを実行するごとに、直近の測定点のデータに更新される。
また、ステップS12において、制御部50は、先のステップS10において取得した受光部59の出力電圧を入力として第2の係数を用いて第2の閾値VS2を算出する。より詳細には、制御部50は、先のステップS11と同様、受光部59の出力電圧の履歴データから複数の測定点のデータを読み出し、それらの平均値に第2の係数を乗算して第2の閾値VS2を算出する。なお、第2の係数は、第1の係数よりも小さな値として予め設定されている。
次に、図12に示すフローチャートを参照し、閾値切替フラグ設定ルーチンについて説明する。なお、この閾値切替フラグ設定ルーチンは、後述する用紙端部検出ルーチンに先立って実行される。
図12に示すように、ステップS20において、制御部50は、受光部59の出力電圧を取得する。より詳細には、制御部50は、記憶部51に格納されている受光部59の出力電圧の履歴データのうち最新のデータを読み出す。また、ステップS21において、制御部50は、先のステップS20において取得した受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1以下であるか否かを判定する。
そして、受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1以下である場合(ステップS21:YES)、ステップS22において、制御部50は、閾値切替フラグをオンに設定する。また、受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1を上回る場合(ステップS21:NO)、ステップS23において、制御部50は、閾値切替フラグをオフに設定する。より詳細には、制御部50は、受光部59の出力電圧が短期間の間だけ第1の閾値VS1を下回る場合に限り、閾値切替フラグをオンに設定する。
次に、図13に示すフローチャートを参照し、用紙端部検出ルーチンについて説明する。なお、この用紙端部検出ルーチンは、プリンター11が用紙Pに対して縁なし印刷を実行する際に、印刷動作に先立って実行される。
図13に示すように、ステップS30において、制御部50は、キャリッジモーター35を駆動制御することにより、キャリッジ18を移動方向Xに駆動する。
また、ステップS31において、制御部50は、キャリッジ18が移動方向Xに駆動している間に、受光部59から入力される出力電圧と閾値との比較に基づき、用紙Pの端部の位置を算出する。より詳細には、制御部50は、キャリッジ18が移動方向Xに駆動している間に、受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1を下回らないのであれば、受光部59の出力電圧と第1の閾値VS1との比較に基づき、用紙Pの端部の位置を算出する。また、制御部50は、キャリッジ18が移動方向に駆動している間に、受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1を下回った場合には、受光部59の出力電圧と第2の閾値VS2との比較に基づき、用紙Pの端部の位置を算出する。また、ステップS32において、制御部50は、閾値切替フラグがオンであるか否かを判定する。
そして、閾値切替フラグがオンである場合(ステップS32:YES)、ステップS33において、制御部50は、先のステップS31における用紙Pの端部の算出位置をオフセットする。すなわち、制御部50は、先のステップS31において、受光部59の出力電圧と第2の閾値VS2との比較に基づいて用紙Pの端部の位置を算出した場合には、用紙Pの端部の算出位置をオフセットする。そして、ステップS34において、制御部50は、先のステップS33においてオフセットした用紙Pの端部の算出位置に基づき、印刷データを生成して用紙Pに対する縁なし印刷を実行する。
一方、閾値切替フラグがオフである場合(ステップS32:NO)、制御部50は、ステップS33の処理を経ることなく、ステップS34において、用紙Pに対する縁なし印刷を実行する。すなわち、制御部50は、先のステップS31において、受光部59の出力電圧と第1の閾値VS1との比較に基づいて用紙Pの端部の位置を算出した場合には、用紙の端部の算出位置をオフセットすることなく、印刷データを生成して用紙Pに対する縁なし印刷を実行する。
次に、本実施の形態のプリンター11の作用について説明する。
一般に、プリンター11が用紙Pに対して縁なし印刷を実行する場合、用紙Pに対する印刷範囲を確定させるために、用紙Pの端部の位置を決定する必要がある。そのため、プリンター11は、縁なし印刷を実行する直前に、キャリッジ18を用紙Pの幅方向に往復移動させる。そして、キャリッジ18が用紙Pの幅方向に移動している間に、制御部50が紙幅センサー48から出力される出力電圧と閾値との比較判定を行うことにより、用紙Pの端部の位置を決定する。
ところで、用紙Pが支持台38の支持面71に形成されたリブ72に対して摺動すると、リブ72が鏡面状に形成される。そして、こうしたリブ72からの反射光が紙幅センサー48に入力すると、紙幅センサー48から出力される出力電圧が比較的小さくなり、閾値を下回る場合もある。その結果、支持台38の支持面71に形成されたリブ72が用紙Pの端部として誤検出される虞があった。
この点、本実施の形態では、用紙Pの端部の位置を決定する際、紙幅センサー48の出力電圧との比較判定に用いる閾値を2段階に設定している。そして、上述したように、鏡面状に形成されたリブ72からの反射光に基づき、紙幅センサー48の出力電圧が第1の閾値VS1を下回った場合には、紙幅センサー48の出力電圧との比較判定に用いる閾値を第1の閾値VS1から第2の閾値VS2に切り替える。これにより、支持台38の支持面71に形成されたリブ72が用紙Pの端部として誤検出されることが回避される。
また、本実施の形態では、閾値が第1の閾値VS1から第2の閾値VS2に切り替わったときに用紙Pの端部の算出位置をオフセットする。そのため、縁なし印刷時における用紙Pの位置合わせの精度が高まるため、縁なし印刷時の打ち捨て量が多くなったり、縁ができてしまったりすることが抑えられる。
上記実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)制御部50は、用紙Pの端部の位置を算出するときに受光部59の出力電圧との比較に用いる閾値として第1の閾値VS1および第2の閾値VS2を有し、受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1を下回ったときに閾値が第2の閾値VS2に切り替わり、用紙Pの端部の算出位置をオフセットする。すなわち、閾値の切り替えに伴って用紙Pの端部の算出位置がずれることを考慮して、用紙Pの端部の算出位置を決定している。そのため、用紙Pの端部の位置を的確に算出することができる。
(2)制御部50は、受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1を下回ったときに閾値が第2の閾値VS2に切り替わり、閾値切替フラグをオンに設定して記憶部51に記憶する。また、制御部50は、受光部59の出力電圧が第1の閾値VS1を上回ったときに閾値が第2の閾値VS2から第1の閾値VS1に切り替わり、閾値切替フラグをオフに設定して記憶部51に記憶する。そして、制御部50は、記憶部51に記憶される閾値切替フラグがオンに設定されているときには、記憶部51に記憶される閾値切替フラグがオフに設定されているときの用紙Pの端部の算出位置を基準として、用紙Pの端部の算出位置をオフセットする。そのため、用紙Pの端部の位置を的確に算出することができる。
(3)制御部50は、プリンター11の動作モードが省電力モードに移行するときに閾値を更新する。そのため、例えばインクミストの付着による受光部59の出力電圧の低下等、プリンター11の使用状況を閾値に反映させることにより、用紙Pの端部の位置をより一層的確に算出することができる。
(第2の実施の形態)
次に、プリンターの第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第2の実施の形態は、プリンターの機種に基づいて用紙Pの端部の算出位置に対するオフセット量を調整する点が第1の実施の形態と異なる。したがって、以下の説明においては、第1の実施の形態と相違する構成について主に説明し、第1の実施の形態と同一の又は相当する構成については重複する説明を省略する。
次に、プリンターの第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第2の実施の形態は、プリンターの機種に基づいて用紙Pの端部の算出位置に対するオフセット量を調整する点が第1の実施の形態と異なる。したがって、以下の説明においては、第1の実施の形態と相違する構成について主に説明し、第1の実施の形態と同一の又は相当する構成については重複する説明を省略する。
以下、本実施の形態における紙幅センサー48による用紙Pの端部の位置の検出方法について説明する。
図14及び図15は、用紙Pが支持台38を覆う位置まで搬送された状態で、キャリッジ18が移動方向Xに移動して紙幅センサー48によって用紙Pの端部を検出する場合を示す。なお、図14は、紙幅の狭い用紙Pを印刷する頻度が高いプリンター11を用いて用紙Pの端部を検出する場合を示す。この場合、図14(a)に示すように、支持台38の支持面71に形成されたリブ72のうち、用紙Pの幅方向の内側に位置するリブ72が用紙Pに摺動される頻度が多い傾向にあり、特に高い平面性を有する鏡面状に形成されやすい。また、図15は、紙幅の広い用紙Pを印刷する頻度が高いプリンター11を用いて用紙Pの端部を検出する場合を示す。この場合、図15(a)に示すように、支持台38の支持面71に形成されたリブ72のうち、用紙Pの幅方向に広範囲に亘って存在するリブ72が用紙Pに摺動される頻度が多い傾向にあり、特に高い平面性を有する鏡面状に形成されやすい。
図14(a)及び図14(b)に示すように、用紙Pの端部に位置するリブ72が特に高い平面性を有する鏡面状に形成されていない場合、用紙Pから反射された光量の多い反射光RLに加え、このリブ72によって反射された光量の少ない反射光RLを受光した受光部59からは立ち下がりの遅い出力電圧Voが出力される。この場合、出力電圧Voが第2の閾値VS2を下回るようになって用紙Pの第1の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し内側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第1の端部の検出位置に対してオフセット量dx1αを設定することにより、用紙Pの第1の端部を的確に検出している。また同様に、出力電圧Voが第2の閾値VS2を上回るようになって用紙Pの第2の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し内側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第2の端部の検出位置に対してオフセット量dx2αを設定することにより、用紙Pの第2の端部を的確に検出している。
また、図15(a)及び図15(b)に示すように、用紙Pの端部に位置するリブ72が特に高い平面性を有する鏡面状に形成されている場合、用紙Pから反射された光量の多い反射光RLに加え、このリブ72によって反射された光量の多い反射光RLを受光した受光部59からは立ち下がりの早い出力電圧Voが出力される。この場合、出力電圧Voが第2の閾値VS2を下回るようになって用紙Pの第1の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し外側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第1の端部の検出位置に対してオフセット量dx1βを設定することにより、用紙Pの第1の端部を的確に検出している。また同様に、出力電圧Voが第2の閾値VS2を上回るようになって用紙Pの第2の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し外側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第2の端部の検出位置に対してオフセット量dx2βを設定することにより、用紙Pの第2の端部を的確に検出している。ただし、図15(a)及び図15(b)に示した場合のオフセット量dx1β,dx2βは、図14(a)及び図14(b)に示した場合のオフセット量dx1α,dx1βとは異なる。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(4)制御部50は、用紙Pの端部の算出位置のオフセット量を調整可能である。そのため、用紙Pの端部の位置をより一層的確に算出することができる。
(5)制御部50は、プリンター11の機種に基づいてオフセット量を調整する。そのため、用紙Pの端部の位置をより一層的確に算出することができる。
(第3の実施の形態)
次に、プリンターの第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第3の実施の形態は、用紙の種類に基づいて用紙Pの端部の算出位置に対するオフセット量を調整する点が第1の実施の形態と異なる。したがって、以下の説明においては、第1の実施の形態と相違する構成について主に説明し、第1の実施の形態と同一の又は相当する構成については重複する説明を省略する。
次に、プリンターの第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第3の実施の形態は、用紙の種類に基づいて用紙Pの端部の算出位置に対するオフセット量を調整する点が第1の実施の形態と異なる。したがって、以下の説明においては、第1の実施の形態と相違する構成について主に説明し、第1の実施の形態と同一の又は相当する構成については重複する説明を省略する。
以下、本実施の形態における紙幅センサー48による用紙Pの端部の位置の検出方法について説明する。
図16及び図17は、用紙Pが支持台38を覆う位置まで搬送された状態で、キャリッジ18が移動方向Xに移動して紙幅センサー48によって用紙Pの端部を検出する場合を示す。なお、図16は、紙幅の広い用紙Pの端部を検出する場合を示す。この場合、図16(a)及び図17(a)のいずれの場合にも、用紙Pの使用頻度は共通であることから、用紙Pに摺動される頻度が多い傾向にあるリブ72も共通である。同図に示す例では、支持台38の支持面71に形成されたリブ72のうち、用紙Pの幅方向の内側に位置するリブ72が用紙Pに摺動される頻度が多い傾向にあり、特に高い平面性を有する鏡面状に形成されやすい。
図16(a)及び図16(b)に示すように、用紙Pの端部に位置するリブ72が特に高い平面性を有する鏡面状に形成されていない場合、用紙Pから反射された光量の多い反射光RLに加え、このリブ72によって反射された光量の少ない反射光RLを受光した受光部59からは立ち下がりの遅い出力電圧Voが出力される。この場合、出力電圧Voが第2の閾値VS2を下回るようになって用紙Pの第1の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し内側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第1の端部の検出位置に対してオフセット量dx1γを設定することにより、用紙Pの第1の端部を的確に検出している。また同様に、出力電圧Voが第2の閾値VS2を上回るようになって用紙Pの第2の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し内側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第2の端部の検出位置に対してオフセット量dx2γを設定することにより、用紙Pの第2の端部を的確に検出している。
また、図17(a)及び図17(b)に示すように、用紙Pの端部に位置するリブ72が特に高い平面性を有する鏡面状に形成されている場合、用紙Pから反射された光量の多い反射光RLに加え、このリブ72によって反射された光量の多い反射光RLを受光した受光部59からは立ち下がりの早い出力電圧Voが出力される。この場合、出力電圧Voが第2の閾値VS2を下回るようになって用紙Pの第1の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し外側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第1の端部の検出位置に対してオフセット量dx1δを設定することにより、用紙Pの第1の端部を的確に検出している。また同様に、出力電圧Voが第2の閾値VS2を上回るようになって用紙Pの第2の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し外側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第2の端部の検出位置に対してオフセット量dx2δを設定することにより、用紙Pの第2の端部を的確に検出している。ただし、図17(a)及び図17(b)に示した場合のオフセット量dx1δ,dx2δは、図16(a)及び図16(b)に示した場合のオフセット量dx1γ,dx2γとは異なる。
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(6)制御部50は、用紙Pの種類に基づいてオフセット量を調整する。そのため、用紙Pの端部の位置をより一層的確に算出することができる。
(7)制御部50は、用紙Pのサイズに基づいてオフセット量を調整する。そのため、用紙Pの端部の位置をより一層的確に算出することができる。
(第4の実施の形態)
次に、プリンターの第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第4の実施の形態は、発光部の発光時間の累積値に基づいて用紙の端部の算出位置に対するオフセット量を調整する点が第1の実施の形態と異なる。したがって、以下の説明においては、第1の実施の形態と相違する構成について主に説明し、第1の実施の形態と同一の又は相当する構成については重複する説明を省略する。
次に、プリンターの第4の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、第4の実施の形態は、発光部の発光時間の累積値に基づいて用紙の端部の算出位置に対するオフセット量を調整する点が第1の実施の形態と異なる。したがって、以下の説明においては、第1の実施の形態と相違する構成について主に説明し、第1の実施の形態と同一の又は相当する構成については重複する説明を省略する。
以下、本実施の形態における紙幅センサー48による用紙Pの端部の位置の検出方法について説明する。
図18は、用紙Pが支持台38を覆う位置まで搬送された状態で、キャリッジ18が移動方向Xに移動して紙幅センサー48によって用紙Pの端部を検出する場合を示す。
図18(a)及び図18(b)に示すように、用紙Pの幅方向外側に位置するリブ72が鏡面状に形成されている場合、このリブ72によって反射された光量の多い反射光RLを受光した受光部59からは第1の閾値VS1よりも小さい出力電圧が出力される。すると、用紙Pの端部を検出する際に用いる閾値は第1の閾値VS1から第2の閾値VS2に切り替わる。そのため、鏡面状に形成されたリブ72の位置が用紙Pの端部として誤検出されることが回避される。この場合、出力電圧Voが第2の閾値VS2を下回るようになって用紙Pの第1の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し内側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第1の端部の検出位置に対してオフセット量dx3αを設定することにより、用紙Pの第1の端部を的確に検出している。また同様に、出力電圧Voが第2の閾値VS2を上回るようになって用紙Pの第2の端部が検出される位置は、用紙Pの実際の端部の位置よりも少し内側にずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの第2の端部の検出位置に対してオフセット量dx4αを設定することにより、用紙Pの第2の端部を的確に検出している。
ところで、図18(a)に破線で示すように、発光部58の発光時間が経過するに連れて発光部58から出力される光量が徐々に少なくなり、センサー位置xと出力電圧Voとの関係は、図18(a)に実線で示される初期状態のグラフ線から出力電圧Voの最小値が徐々に上昇する。この場合、用紙Pの端部を検出するときの立ち上がり及び立ち下がりのラインが用紙Pの幅方向内側にシフトする。その結果、図18(a)に破線で示すグラフは、図18(a)に実線で示すグラフと比較して、出力電圧Voが第2の閾値VS2を横切って用紙Pの端部が検出される位置が用紙Pの幅方向内側に少しずれる。そのため、本実施の形態では、こうした位置のずれを考慮して、用紙Pの端部の検出位置に対してオフセット量dx3β,dx4βを設定することにより、用紙Pの端部を的確に検出している。この場合、図19に示すように、オフセット量dx3β,dx4βは、発光部58の発光時間の累積値が大きくなるに連れて次第に大きい値となるように設定される。
以上説明したように、第4の実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(8)制御部50は、発光部58の発光時間の累積値に基づいてオフセット量を調整する。そのため、用紙Pの端部の位置をより一層的確に算出することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のような形態に変更することもできる。
・上記第4の実施の形態において、紙幅センサー48は、発光部58の発光量を検出する光量センサーを搭載してもよい。この場合、制御部50は、光量センサーのセンサ値に基づいて、用紙Pの端部の算出位置に対するオフセット量を調整してもよい。
・上記第3の実施の形態において、制御部50は、用紙Pの種類ごとの光の反射率に基づいて、用紙Pの端部の算出位置に対するオフセット量を調整してもよい。
・上記第2の実施の形態において、制御部50は、プリンター11の機種ごとに異なるキャリッジ18の移動速度に基づいて、用紙Pの端部の算出位置に対するオフセット量を調整してもよい。
・上記各実施の形態において、閾値の更新タイミングは、必ずしも、プリンター11の省電力モードへの移行時である必要はなく、例えば、縁なし印刷を実行する直前や、プリンター11の電源オン時などであってもよい。また、プリンター11の使用状況に応じて閾値を更新することなく、閾値を固定値として用いて用紙Pの端部の位置を算出してもよい。
・上記各実施の形態において、制御部50は、閾値切替フラグを記憶部51に記憶させることなく、受光部59の出力電圧と閾値との比較判定の結果に基づいて、用紙Pの端部の検出に用いる閾値を切り替えてもよい。
・上記各実施の形態において、紙幅センサー48の受光部59は、受光量が多いほど大きな出力電圧を出力する回路構成であってもよい。この場合、用紙Pの端部の検出に用いる第1の閾値VS1及び第2の閾値VS2の大小関係も適宜変更することが好ましい。
・上記各実施の形態において、用紙Pの幅方向の端部を検出する際に用いる閾値は、必ずしも2段階に設定する必要はなく、3段階以上に設定してもよい。
・上記各実施の形態において、用紙Pの搬送方向Yの端部を検出する紙幅センサーを追加して設けてもよい。この場合も同様に、用紙Pの搬送方向Yの端部を検出する際に用いる紙幅センサーの出力電圧の閾値を段階的に設定することが好ましい。
・制御部50は、プログラムを実行するコンピューターによりソフトウェアで実現する構成の他、例えばFPGA(Field-Programmable gate array)やASIC(Application Specific IC)等の電子回路(例えば半導体集積回路)によりハードウェアで実現したり、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現したりしてもよい。
・媒体は、用紙に限定されず、合成樹脂製のフィルムやシート、布、不織布、ラミネートシートなどでもよい。例えば、工業用コピー印刷用途の媒体でもよい。
以下、前記実施の形態および変更例から把握される技術思想を、効果と共に記載する。
[思想1]
媒体に向けて液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記媒体の移動方向と交差する方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジに設けられ、発光部及び前記発光部から射出された光の受光量に応じた出力値を出力する受光部を有する光学式センサーと、前記キャリッジの移動時における前記受光部の出力値に基づき、前記媒体の端部の位置を算出する制御部とを備え、前記制御部は、前記媒体の端部の位置を算出するときに前記受光部の出力値との比較に用いる閾値として第1の閾値および前記第1の閾値とは異なる第2の閾値を有し、前記光学式センサーの出力値が前記第1の閾値を横切ったときに前記閾値が前記第2の閾値に切り替わり、前記閾値が前記第2の閾値に切り替わったとき、前記媒体の端部の算出位置をオフセットする。
媒体に向けて液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記媒体の移動方向と交差する方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジに設けられ、発光部及び前記発光部から射出された光の受光量に応じた出力値を出力する受光部を有する光学式センサーと、前記キャリッジの移動時における前記受光部の出力値に基づき、前記媒体の端部の位置を算出する制御部とを備え、前記制御部は、前記媒体の端部の位置を算出するときに前記受光部の出力値との比較に用いる閾値として第1の閾値および前記第1の閾値とは異なる第2の閾値を有し、前記光学式センサーの出力値が前記第1の閾値を横切ったときに前記閾値が前記第2の閾値に切り替わり、前記閾値が前記第2の閾値に切り替わったとき、前記媒体の端部の算出位置をオフセットする。
この構成によれば、閾値の切り替えに伴って媒体の端部の算出位置がずれることを考慮して、媒体の端部の算出位置をオフセットしている。そのため、媒体の端部の位置を的確に算出することができる。
[思想2]
[思想1]に記載の液体噴射装置において、前記第1の閾値は、前記第2の閾値よりも大きい値として設定され、前記制御部は、前記光学式センサーの出力値が前記第1の閾値を下回ったときに前記閾値が前記第2の閾値に切り替わり、前記閾値が前記第2の閾値に切り替わったとき、前記媒体の端部の算出位置をオフセットするとよい。
[思想1]に記載の液体噴射装置において、前記第1の閾値は、前記第2の閾値よりも大きい値として設定され、前記制御部は、前記光学式センサーの出力値が前記第1の閾値を下回ったときに前記閾値が前記第2の閾値に切り替わり、前記閾値が前記第2の閾値に切り替わったとき、前記媒体の端部の算出位置をオフセットするとよい。
この構成によれば、光学式センサーの出力値が第1の閾値を下回ったときに閾値が第2の閾値に切り替わり、媒体の端部の算出位置をオフセットしている。そのため、媒体の端部の位置を的確に算出することができる。
[思想3]
[思想1]または[思想2]に記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記閾値が前記第1の閾値から前記第2の閾値に切り替わったときに第1の切替情報を記憶部に記憶するとともに、前記閾値が前記第2の閾値から前記第1の閾値に切り替わったときに第2の切替情報を前記記憶部に記憶し、前記記憶部に前記第1の切替情報が記憶されているときには、前記記憶部に前記第2の切替情報が記憶されているときの前記媒体の端部の算出位置を基準として、前記媒体の端部の算出位置を変更するとよい。
[思想1]または[思想2]に記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記閾値が前記第1の閾値から前記第2の閾値に切り替わったときに第1の切替情報を記憶部に記憶するとともに、前記閾値が前記第2の閾値から前記第1の閾値に切り替わったときに第2の切替情報を前記記憶部に記憶し、前記記憶部に前記第1の切替情報が記憶されているときには、前記記憶部に前記第2の切替情報が記憶されているときの前記媒体の端部の算出位置を基準として、前記媒体の端部の算出位置を変更するとよい。
この構成によれば、媒体の端部の位置を的確に算出することができる。
[思想4]
[思想1]〜[思想3]のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記液体噴射装置の動作モードが省電力モードに移行するときに前記閾値を更新するとよい。
[思想1]〜[思想3]のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記液体噴射装置の動作モードが省電力モードに移行するときに前記閾値を更新するとよい。
この構成によれば、例えば液体の付着による受光部の出力値の低下等、液体噴射装置の使用状況を閾値に反映させることにより、媒体の端部の位置をより一層的確に算出することができる。
[思想5]
[思想1]〜[思想4]のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記媒体の端部の算出位置の変更量を調整可能であるとよい。
[思想1]〜[思想4]のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記媒体の端部の算出位置の変更量を調整可能であるとよい。
この構成によれば、媒体の端部の位置をより一層的確に算出することができる。
[思想6]
[思想5]に記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記液体噴射装置の機種に基づいて前記変更量を調整するとよい。
[思想5]に記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記液体噴射装置の機種に基づいて前記変更量を調整するとよい。
この構成によれば、媒体の端部の位置をより一層的確に算出することができる。
[思想7]
[思想5]または[思想6]に記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記媒体の種類に基づいて前記変更量を調整するとよい。
[思想5]または[思想6]に記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記媒体の種類に基づいて前記変更量を調整するとよい。
この構成によれば、媒体の端部の位置をより一層的確に算出することができる。
[思想8]
[思想5]〜[思想7]のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記媒体のサイズに基づいて前記変更量を調整するとよい。
[思想5]〜[思想7]のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記媒体のサイズに基づいて前記変更量を調整するとよい。
この構成によれば、媒体の端部の位置をより一層的確に算出することができる。
[思想9]
[思想5]〜[思想8]のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記発光部の発光時間の累積値に基づいて前記変更量を調整するとよい。
[思想5]〜[思想8]のいずれか1つに記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記発光部の発光時間の累積値に基づいて前記変更量を調整するとよい。
この構成によれば、媒体の端部の位置をより一層的確に算出することができる。
11…プリンター(液体噴射装置の一例)、18…キャリッジ、19…液体噴射ヘッド、48…紙幅センサー(光学式センサーの一例)、50…制御部、51…記憶部、58…発光部、59…受光部、P…用紙(媒体の一例)、VS1…第1の閾値、VS2…第2の閾値。
Claims (9)
- 媒体に向けて液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記媒体の移動方向と交差する方向に移動するキャリッジと、
前記キャリッジに設けられ、発光部及び前記発光部から射出された光の受光量に応じた出力値を出力する受光部を有する光学式センサーと、
前記キャリッジの移動時における前記受光部の出力値に基づき、前記媒体の端部の位置を算出する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記媒体の端部の位置を算出するときに前記受光部の出力値との比較に用いる閾値として第1の閾値および前記第1の閾値とは異なる第2の閾値を有し、前記光学式センサーの出力値が前記第1の閾値を横切ったときに前記閾値が前記第2の閾値に切り替わり、前記閾値が前記第2の閾値に切り替わったとき、前記媒体の端部の算出位置をオフセットする
ことを特徴とする液体噴射装置。 - 前記第1の閾値は、前記第2の閾値よりも大きい値として設定され、
前記制御部は、前記光学式センサーの出力値が前記第1の閾値を下回ったときに前記閾値が前記第2の閾値に切り替わり、前記閾値が前記第2の閾値に切り替わったとき、前記媒体の端部の算出位置をオフセットする
請求項1に記載の液体噴射装置。 - 前記制御部は、前記閾値が前記第1の閾値から前記第2の閾値に切り替わったときに第1の切替情報を記憶部に記憶するとともに、前記閾値が前記第2の閾値から前記第1の閾値に切り替わったときに第2の切替情報を前記記憶部に記憶し、前記記憶部に前記第1の切替情報が記憶されているときには、前記記憶部に前記第2の切替情報が記憶されているときの前記媒体の端部の算出位置を基準として、前記媒体の端部の算出位置をオフセットする
請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。 - 前記制御部は、前記液体噴射装置の動作モードが省電力モードに移行するときに前記閾値を更新する
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記制御部は、前記媒体の端部の算出位置の変更量を調整可能である
請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記制御部は、前記液体噴射装置の機種に基づいて前記変更量を調整する
請求項5に記載の液体噴射装置。 - 前記制御部は、前記媒体の種類に基づいて前記変更量を調整する
請求項5または請求項6に記載の液体噴射装置。 - 前記制御部は、前記媒体のサイズに基づいて前記変更量を調整する
請求項5〜7のいずれか一項に記載の液体噴射装置。 - 前記制御部は、前記発光部の発光時間の累積値に基づいて前記変更量を調整する
請求項5〜8のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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