JP6399170B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主走査方向において波形状に成形された用紙に画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
従来より、用紙にインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。このインクジェット記録装置の中には、用紙の搬送向きと交差する主走査方向において用紙を波形状に成形する波形形成機構を備えるものが存在する。例えば特許文献1には、凹凸が設けられたプラテンと、プラテンに対向して設けられた紙押え板とで用紙を挟むことによって、当該用紙を波形状に成形している。
特開平9−48161号公報
しかしながら、特許文献1のように主走査方向において用紙を波形状に成形することにより、記録ヘッドと用紙とのギャップが主走査方向において一定でなくなる。その結果、ギャップが小さい山部分とギャップが大きい谷部分とで、当該位置にインクを着弾させるための吐出タイミングを変更する必要が生じる。また、プラテン及び紙押え板に挟まれた用紙と、挟まれていない用紙とでは、上下方向の振幅及び主走査方向の長さが異なるので、用紙の形状によってもインクの吐出タイミングを変更する必要が生じる。
本発明の目的は、波形状に成形された用紙に対して画像を記録するインクジェット記録装置において、用紙の形状に応じた適切なタイミングでインクを吐出させることにある。
(1) 本発明に係るインクジェット記録装置は、用紙を搬送向きに搬送する搬送部と、
上記搬送向きに交差する主走査方向に移動するキャリッジと、上記キャリッジに搭載されており、上記搬送部によって搬送された用紙にインクを吐出する記録ヘッドと、上記搬送向きの波形形成位置を含む位置に設けられており、上記記録ヘッドと対向する用紙の上記主走査方向の形状を、上記記録ヘッドと用紙との間隔が減少から増加に転じる境界である複数の山頂位置と増加から減少に転じる境界である複数の谷底位置とが上記主走査方向に交互に配列された波形状に成形する波形形成機構と、上記搬送部、上記キャリッジ、及び上記記録ヘッドの動作を制御する制御部とを備える。上記制御部は、上記搬送向きに沿う所定の改行幅だけ用紙を上記搬送部に搬送させる搬送処理と、上記キャリッジを上記主走査方向に移動させ、且つ上記記録ヘッドにインクを吐出させる記録処理とを繰り返し実行する。上記記録処理は、上記搬送処理後に上記波形形成位置に用紙が存在することを条件として、上記山頂位置及び上記谷底位置に着弾すべきインクを第1吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる第1記録処理と、上記搬送処理後に上記波形形成位置に用紙が存在しないことを条件として、上記山頂位置及び上記谷底位置に着弾すべきインクを、用紙上における上記主走査方向の基準位置から着弾位置が離れるほど上記第1吐出タイミングから大きくずれた第2吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる第2記録処理とを含む。そして、上記第2吐出タイミングでは、上記基準位置より上記キャリッジの移動向きの上流側の各着弾位置に着弾させるインクが上記第1吐出タイミングより早く吐出され、上記基準位置より上記キャリッジの移動向きの下流側の各着弾位置に着弾させるインクが上記第1吐出タイミングより遅く吐出される。
波形形成位置に存在する用紙は、波形形成位置から外れた用紙と比較して、上下方向(搬送向き及び主走査方向に直交する方向)の振幅が大きく、主走査方向に縮んだ状態となっている。そこで、上記構成のように、波形形成位置に用紙が存在しているか否か(すなわち、用紙の形状)に応じてインクの吐出タイミングを変更することにより、当該インクを適切な着弾位置に着弾させることができる。
(2) 一例として、上記搬送部は、上記キャリッジより上記搬送向きの上流側に設けら
れており、用紙を挟持して上記搬送向きに搬送する搬送ローラ部と、上記キャリッジより上記搬送向きの下流側に設けられており、上記搬送ローラ部によって搬送された用紙を挟持して上記搬送向きに搬送する排出ローラ部とを含む。上記波形形成機構は、上記搬送ローラ部より上記搬送向きの下流側で且つ上記記録ヘッドより上記搬送向きの上流側の上記波形形成位置において、用紙を上記波形状に成形する。そして、上記制御部は、用紙の後端の位置を検知する検知処理をさらに実行し、上記検知処理で検知された用紙の後端が上記搬送ローラ部を通過する前の上記記録処理において、上記第1記録処理を実行し、上記検知処理で検知された用紙の後端が上記波形形成位置を通過した後の上記記録処理において、上記第2記録処理を実行する。
上記構成のインクジェット記録装置において、後端が波形形成位置を通過した後の用紙は、波形形成位置を通過する前と比較して、上下方向の振幅が減少し且つ主走査方向に広がる。そこで、上記構成のように、用紙の後端が波形形成位置を通過する前後においてインクの吐出タイミングを変更することにより、当該インクを適切な着弾位置に着弾させることができる。
(3) 具体的には、該インクジェット記録装置は、吐出タイミングの基準となる基準値
と、上記山頂位置の上記第1吐出タイミングを上記基準値より遅らせるための複数の山頂ズレ値と、上記谷底位置の上記第1吐出タイミングを上記基準値より早めるための複数の谷底ズレ値と、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を調整するための複数の調整値と、を記憶する記憶部をさらに備える。上記調整値は、上記キャリッジの移動向きの上流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく減少させ、上記キャリッジの移動向きの下流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく増加させる値である。そして、上記制御部は、上記山頂位置及び上記谷底位置に着弾させるインクを、上記第1記録処理において、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第1吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させ、上記第2記録処理において、対応する上記調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第2吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる。
(4) さらに具体的には、上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より上流側
に位置する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記調整値は、上記基準位置から離れるほど小さい0以下の値である。上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より下流側に位置する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記調整値は、上記基準位置から離れるほど大きい0以上の値である。そして、上記第2記録処理における上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値は、当該山頂ズレ値及び当該谷底ズレ値に対応する上記調整値が加算されることによって調整される。
(5) 好ましくは、上記制御部は、上記主走査方向において隣接する上記山頂位置及び
上記谷底位置の間に位置する中途位置に着弾させるインクを、上記第1記録処理において、上記中途位置に隣接する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を予め用意された補間関数に入力して得られるズレ値だけ上記基準値からずれた上記第1吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させ、上記第2記録処理において、上記中途位置に隣接する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を上記補間関数に入力して得られるズレ値だけ上記基準値からずれた上記第2吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる。
上記構成によれば、山頂位置及び谷底位置以外の着弾位置におけるズレ値を記憶部に記憶させておく必要がないので、記憶部の容量を小さくすることができる。なお、補間関数の具体例は特に限定されないが、例えば、波形状に成形された用紙の形状をトレースした3次関数を用いることができる。
(6) 好ましくは、上記記録処理は、上記山頂位置及び上記谷底位置に着弾すべきイン
クを、上記基準位置から着弾位置が離れるほど上記第1吐出タイミングから大きくずれた第3吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる第3記録処理をさらに含む。上記第3吐出タイミングでは、上記基準位置より上記キャリッジの移動向きの上流側の各着弾位置に着弾させるインクが上記第1吐出タイミングより遅く吐出され、上記基準位置より上記キャリッジの移動向きの下流側の各着弾位置に着弾させるインクが上記第1吐出タイミングより早く吐出される。そして、上記制御部は、上記検知処理で検知された用紙の後端が上記搬送ローラ部を通過した後で且つ上記波形形成位置を通過する前の上記記録処理において、上記第3記録処理を実行する。
後端が搬送ローラ部を通過した後で且つ波形形成位置を通過する前の用紙は、搬送ローラ部を通過する前及び波形形成位置を通過した後と比較して、上下方向の振幅が増加し且つ主走査方向に縮みむ。そこで、上記構成のように、用紙の後端が搬送ローラ部を通過する前後及び波形形成位置を通過する前後においてインクの吐出タイミングを変更することにより、当該インクを適切な着弾位置に着弾させることができる。
(7) 具体的には、該インクジェット記録装置は、吐出タイミングの基準となる基準値
と、上記山頂位置の上記第1吐出タイミングを上記基準値より遅らせるための複数の山頂ズレ値と、上記谷底位置の上記第1吐出タイミングを上記基準値より早めるための複数の谷底ズレ値と、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を調整するための複数の第1調整値及び複数の第2調整値と、を記憶する記憶部をさらに備える。上記第1調整値は、上記キャリッジの移動向きの上流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく減少させ、上記キャリッジの移動向きの下流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく増加させる値である。上記第2調整値は、上記キャリッジの移動向きの上流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく増加させ、上記キャリッジの移動向きの下流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく減少させる値である。そして、上記制御部は、上記山頂位置及び上記谷底位置に着弾させるインクを、上記第1記録処理において、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第1吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させ、上記第2記録処理において、上記第1調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第2吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させ、上記第3記録処理において、上記第2調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第3吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる。
(8) さらに具体的には、上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より上流側
に位置する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記第1調整値は、上記基準位置から離れるほど小さい0以下の値である。上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より下流側に位置する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記第1調整値は、上記基準位置から離れるほど大きい0以上の値である。上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より上流側に位置する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記第2調整値は、上記基準位置から離れるほど大きい0以上の値である。上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より下流側に位置する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記第2調整値は、上記基準位置から離れるほど小さい0以下の値である。そして、上記第2記録処理及び上記第3記録処理における上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値は、当該山頂ズレ値及び当該谷底ズレ値に対応する上記調整値が加算されることによって調整される。
(9) 好ましくは、上記制御部は、上記主走査方向において隣接する上記山頂位置及び
上記谷底位置の間に位置する中途位置に着弾させるインクを、上記第1記録処理において、上記中途位置に隣接する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を予め用意された補間関数に入力して得られるズレ値だけ上記基準値からずれた上記第1吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させ、上記第2記録処理及び上記第3記録処理において、上記中途位置に隣接する上記山頂位置及び上記谷底位置の上記調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を上記補間関数に入力して得られるズレ値だけ上記基準値からずれた上記第2吐出タイミング及び上記第3吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる。
(10) 例えば、上記基準値は、上記記録ヘッドから吐出されたインクが上記山頂位置及び上記谷底位置の中央の位置である中間位置に到達するのに要する時間を表す。上記山頂ズレ値は、上記中間位置に着弾させるインクの吐出位置である基準吐出位置と、上記山頂位置に着弾させるインクの吐出位置である山頂吐出位置との上記主走査方向における距離を表す。上記谷底ズレ値は、上記中間位置に着弾させるインクの吐出位置である基準吐出位置と、上記谷底位置に着弾させるインクの吐出位置である谷底吐出位置との上記主走査方向における距離を表す。上記調整値は、用紙の形状に応じて上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を調整する上記主走査方向における距離を表す。上記第1吐出タイミングは、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を上記キャリッジの移動速度で除算した値に上記基準値を加算することによって算出される。上記第2吐出タイミング又は上記第3吐出タイミングは、上記調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を上記キャリッジの移動速度で除算した値に上記基準値を加算することによって算出される。
ただし、基準値、山頂ズレ値、谷底ズレ値、及び調整値の定義は上記の例に限定されない。例えば、基準値、山頂ズレ値、及び谷底ズレ値を時間或いは距離を表すパラメータに統一してもよい。
(11) 他の例として、上記搬送部は、上記キャリッジより上記搬送向きの上流側に設けられており、用紙を挟持して上記搬送向きに搬送する搬送ローラ部と、上記キャリッジより上記搬送向きの下流側に設けられており、上記搬送ローラ部によって搬送された用紙を挟持して上記搬送向きに搬送する排出ローラ部とを含む。上記波形形成機構は、上記排出ローラ部より上記搬送向きの下流側の上記波形形成位置において、用紙を上記波形状に形成する。そして、上記制御部は、用紙の先端の位置を検知する検知処理をさらに実行し、上記検知処理で検知された用紙の先端が上記波形形成位置を通過する前の上記記録処理において、上記第2記録処理を実行し、上記検知処理で検知された用紙の先端が上記波形形成位置を通過した後の上記記録処理において、上記第1記録処理を実行する。
上記構成のインクジェット記録装置において、先端が波形形成位置を通過した後の用紙は、波形形成位置を通過する前と比較して、上下方向の振幅が増加し且つ主走査方向に縮む。そこで、上記構成のように、用紙の先端が波形形成位置を通過する前後においてインクの吐出タイミングを変更することにより、当該インクを適切な着弾位置に着弾させることができる。
(12) 好ましくは、上記制御部は、用紙の種類が第1種類である場合の上記第2吐出タイミング或いは上記第3吐出タイミングを、用紙の種類が上記第1種類より剛性の高い第2種類である場合より上記第1吐出タイミングから大きくずらす。
剛性の低い用紙は、剛性の高い用紙と比較して、波形形成位置を通過する前後における形状の変化が大きい。そこで、このような場合には、第2吐出タイミングを第1タイミングから大きくずらすのが望ましい。
(13) 好ましくは、上記制御部は、用紙を構成する繊維の方向が上記搬送向きに沿う場合の上記第2吐出タイミング或いは上記第3吐出タイミングを、用紙を構成する繊維の方向が上記搬送向きと交差する場合より上記第1吐出タイミングから大きくずらす。
縦目の用紙は、横目の用紙と比較して、波形形成位置を通過する前後における形状の変化が大きい。そこで、このような場合には、第2吐出タイミングを第1タイミングから大きくずらすのが望ましい。
(14) 好ましくは、該インクジェット記録装置は、周辺の温度を計測する温度センサをさらに備える。そして、上記制御部は、上記温度センサによって計測された温度が予め定められた閾値温度より高い場合の上記第2吐出タイミング或いは上記第3吐出タイミングを、上記閾値温度以下の場合より上記第1吐出タイミングから大きくずらす。
高温環境下における用紙は、低温環境下における用紙と比較して、波形形成位置を通過する前後における形状の変化が大きい。そこで、このような場合には、第2吐出タイミングを第1タイミングから大きくずらすのが望ましい。
(15) 好ましくは、該インクジェット記録装置は、周辺の湿度を計測する湿度センサをさらに備える。そして、上記制御部は、上記湿度センサによって計測された湿度が予め定められた閾値湿度より高い場合の上記第2吐出タイミング或いは上記第3吐出タイミングを、上記閾値湿度以下の場合より上記第1吐出タイミングから大きくずらす。
高湿環境下における用紙は、低湿環境下における用紙と比較して、波形形成位置を通過する前後における形状の変化が大きい。そこで、このような場合には、第2吐出タイミングを第1タイミングから大きくずらすのが望ましい。
(16) 例えば、該インクジェット記録装置は、上記搬送部によって搬送される用紙を支持するプラテンをさらに備える。上記波形形成機構は、上記搬送向きにおける上記搬送ローラ部と上記記録ヘッドとの間において用紙の上面に当接する当接部を有しており、上記主走査方向に離間して設けられた複数の当接部材と、上記プラテンの上面に設けられており、各々が上記当接部の下端よりも上方において用紙の下面と当接する複数のリブとを含む。そして、複数の上記当接部材と複数の上記リブとは、上記主走査方向において交互に配列されている。
(17) 例えば、該インクジェット記録装置は、複数のサイズの用紙を支持可能であって、用紙の幅方向の中央を予め定められた位置に一致させた状態で当該用紙の幅方向の両端の位置を決定する位置決め部材を有する給紙トレイをさらに備える。そして、上記基準位置は、上記主走査方向における用紙の中央である。
本発明によれば、波形形成位置に用紙が存在しているか否か(すなわち、用紙の形状)に応じてインクの吐出タイミングを変更することにより、当該インクを適切な着弾位置に着弾させることができるインクジェット記録装置を得ることができる。
図1は、複合機10の外観斜視図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、給紙トレイ20の斜視図である。 図4は、ガイドレール43、44に支持された記録部24の斜視図である。 図5は、当接部材80とプラテン42とを示す斜視図である。 図6は、プラテン42の支持リブ52と当接部材80の当接リブ85との位置関係を示す断面図である。 図7は、複合機10が備える制御部130のブロック図である。 図8は、実施形態における画像記録処理のフローチャートである。 図9は、基準値D0、山頂ズレ値Y(m)、谷底ズレ値Y(m+1)を説明するための図である。 図10は、後端が位置Aを通過する前の用紙12の形状(上段)と、後端が位置Aを通過した後の用紙12の形状(下段)とを示す図である。 図11は、後端が位置Aを通過する前の用紙12の形状(上段)と、後端が位置Bを通過した後の用紙12の形状(下段)とを示す図である。 図12は、EEPROM134のデータ構造を示す図である。 図13は、吐出タイミングをさらに補正する処理のフローチャートであって、(A)は用紙種による補正処理、(B)は縦目/横目による補正処理を、(C)は周辺温度による補正処理を、(D)は周辺湿度による補正処理をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明においては、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
[複合機10の全体構成]
複合機10(本発明のインクジェット記録装置の一例)は、図1に示されるように、概ね直方体に形成されている。また複合機10は、下部にインクジェット記録方式で用紙12(図2参照)に画像を記録するプリンタ部11が設けられている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
プリンタ部11は、図2に示されるように、給紙部15と、給紙トレイ20と、排紙トレイ21と、搬送ローラ部54と、記録部24と、排出ローラ部55と、プラテン42と、コルゲート拍車68と、当接部材80とを備えている。給紙部15は、給紙トレイ20から用紙12をピックアップして搬送路65に給紙する。搬送ローラ部54は、給紙部15によって搬送路65に給紙された用紙12を搬送向き16の下流側に搬送する。記録部24は、搬送ローラ部54によって搬送された用紙12に画像を記録する。排出ローラ部55は、記録部24によって画像が記録された用紙12を排紙トレイ21に排出する。プラテン42は、搬送ローラ部54に搬送される用紙12を支持する。コルゲート拍車68及び当接部材80は、搬送ローラ部54に搬送される用紙12をプラテン42に向けて押圧する。
[給紙トレイ20]
給紙トレイ20は、プリンタ部11の正面に形成された開口13を通じて前後方向8に挿抜される。給紙トレイ20は、複数の用紙12を支持可能である。排紙トレイ21は、給紙トレイ20の上側に設けられている。給紙トレイ20は、図3に示されるように、上方が開放された箱形状の部材であって、底板91と、左側板92及び右側板93と、前板94と、傾斜板95とを備えている。左側板92及び右側板93は、底板91の左右方向9における両端部から上向きへ突出している。前板94は、底板91の前後方向8における前端部から上向きへ突出している。左側板92と右側板93と前板94とにより、排紙トレイ21が支持されている(図1参照)。傾斜板95は、前後方向8における底板91の後端から後方斜め上へ向かって延びており、給紙部15により送り出される用紙12を搬送路65へ案内する。
底板91は、A4サイズ、B5サイズ、リーガルサイズ、或いは葉書サイズなどの複数の定型サイズの用紙12を支持する。底板91には、種々の定型サイズの用紙12の左右方向9の一方側端部(図3の例では左端部)の位置を示す目印が付されている。図3には、目印の一例として、「A4」、「B5」、「はがき」の3種類が図示されているが、これらに限定されないことは言うまでもない。また、底板91には、底板91に支持される用紙12の左右方向の両端の位置を位置決めするガイド部材96、97が設けられている。ガイド部材96、97は、底板91に支持された種々の定型サイズの用紙12をセンタ合わせにより位置決めし、且つ用紙12の斜行を抑制する。センタ合わせとは、用紙12の左右方向9の中央を底板91の左右方向9の中央に一致させる位置合わせを意味する。
ユーザは、用紙12の左右方向9の中央を中心線に一致させるようにして、用紙12を底板91上に載置する。次に、ユーザは、ガイド部材96(本発明の位置決め部材の一例)を左右方向9の左向きにスライドさせて、用紙12のサイズに相当する目印の位置に到達させる。これにより、ガイド部材96が用紙12の右端に当接する。また、ガイド部材97は、ピニオンギア(不図示)によってガイド部材96と連動して右向きにスライドされ、用紙12の左端に当接する。このようにして、底板91に載置された種々の定型サイズの用紙12は、ガイド部材96、97によりセンタ合わせによって位置決めされる。
[給紙部15]
給紙部15は、図2に示されるように、プリンタ部11の開口13に装着された状態の給紙トレイ20の上側に設けられている。給紙部15は、給紙ローラ25と、給紙アーム26と、軸27とを備えている。給紙ローラ25は、給紙アーム26の先端側に回転可能に設けられている。給紙ローラ25は、搬送モータ102(図7参照)から駆動力を付与されて回転する。給紙アーム26は、プリンタ部11のフレームに支持された軸27に回動可能に設けられている。給紙アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給紙トレイ20側へ回動付勢されている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に支持されている用紙12に当接した状態で回転することによって、給紙トレイ20に支持されている用紙12をピックアップして搬送路65に給紙する。
[搬送路65]
搬送路65は、図2に示されるように、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19によって区画される空間を指す。搬送路65は、給紙トレイ20の後端部を基点としてプリンタ部11の後方側に延び、プリンタ部11の後方側において下方から上方に延びつつUターンし、記録部24を経て排紙トレイ21に至る通路である。より詳細には、搬送路65は、搬送ローラ部54の挟持位置、プラテン42と記録ヘッド39との間、及び排出ローラ部55の挟持位置を経て排紙トレイ21へ通じている。なお、搬送路65内における用紙12の搬送向き16は、図2において一点鎖線の矢印で示されている。
[搬送ローラ部54及び排出ローラ部55]
搬送ローラ部54は、図2に示されるように、搬送路65における給紙部15よりも搬送向き16の下流側で且つ記録部24よりも搬送向き16の上流側に設けられている。搬送ローラ部54は、搬送モータ102によって駆動される搬送ローラ60と、搬送ローラ60の回転に伴って連れ回るピンチローラ61とを有する。搬送ローラ60とピンチローラ61とは、用紙12を挟持して搬送向き16に搬送する。排出ローラ部55は、搬送路65における記録部24よりも搬送向き16の下流側に設けられている。排出ローラ部55は、搬送モータ102によって駆動される排出ローラ62と、排出ローラ62の回転に伴って連れ回る拍車63とを有する。排出ローラ62と拍車63とは、用紙12を挟持して搬送向き16に搬送する。搬送ローラ部54及び排出ローラ部55は、用紙12を搬送向き16に搬送する本発明の搬送部の一例を構成する。
[プラテン42]
プラテン42は、図2に示されるように、搬送向き16における搬送ローラ部54と排出ローラ部55との間に設けられている。プラテン42は、記録部24に対向して配置され、搬送路65を搬送される用紙12を下側から支持する。プラテン42の上面には、図5に示されるように、上方に突出し且つ前後方向8へ延出された複数の支持リブ52が形成されている。複数の支持リブ52は、左右方向9において、相互に所定の間隔を空けて配置されている。搬送路65を搬送される用紙12は、プラテン42によって、詳細にはプラテン42の上面に形成された複数の支持リブ52によって支持される。
[記録部24]
記録部24は、図2に示されるように、搬送向き16における搬送ローラ部54と排出ローラ部55との間に設けられている。また、記録部24は、プラテン42に対向して搬送路65の上側に配置されている。記録部24は、ガイドレール43、44に沿って左右方向9(本発明の主走査方向の一例)に移動可能なキャリッジ23と、キャリッジ23に搭載されたエンコーダセンサ38及び記録ヘッド39と、記録ヘッド39の下面に形成されたノズル40とを備える。ガイドレール43、44は、図4に示されるように、各々が左右方向9に延設され且つ前後方向8において互いに離間して設けられている。
キャリッジ23は、キャリッジモータ103(図7参照)から駆動力を付与されて左右方向9に移動する。キャリッジ23の移動向きの切り替えは、例えば、キャリッジモータ103の回転向きを反転させることによって実現できる。ノズル40は、インクカートリッジから供給されたインクを微小なインク滴として吐出する。すなわち、記録部24は、キャリッジ23が左右方向9に移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙12に向けてノズル40からインク滴を吐出する。これにより、用紙12に画像が記録される。
[レジストセンサ160]
複合機10は、図2に示されるように、搬送路65の搬送ローラ部54よりも搬送向き16の上流側に、公知のレジストセンサ160を備えている。レジストセンサ160は、用紙12が当該レジストセンサ160の設置位置(以下、「検知位置」と表記する。)に存在するか否かに応じた検知信号を出力する。具体的には、レジストセンサ160は、用紙12が検知位置に存在していることを条件として、検知信号であるローレベル信号(つまり、「信号レベルが閾値未満の信号」)を後述する制御部130に出力する。一方、レジストセンサ160は、用紙12が検知位置に存在しないことを条件として、検知信号であるハイレベル信号(つまり、「信号レベルが閾値以上の信号」)を制御部130に出力する。
[ロータリーエンコーダ170]
また、複合機10は、図4に示されるように、搬送ローラ60の回転(換言すれば、搬送モータ102の回転)に応じてパルス信号を発生させる周知のロータリーエンコーダ170を備えている。ロータリーエンコーダ170は、エンコーダディスクと、光学センサとを備える。エンコーダディスクは、搬送ローラ60の回転と共に回転する。光学センサは、回転するエンコーダディスクを読み取ってパルス信号を発生させ、発生させたパルス信号を制御部130に出力する。
[リニアエンコーダ180]
ガイドレール43には、図4に示されるように、左右方向9に延びる帯状のエンコーダストリップ45が設けられている。エンコーダストリップ45には、長手方向に沿って透過部と非透過部とが交互に形成されている。図2に示されるエンコーダセンサ38は、エンコーダストリップ45と対面し得る位置において、キャリッジ23に搭載されている。キャリッジ23が左右方向9に移動する過程において、エンコーダセンサ38は、エンコーダストリップ45の透過部と非透過部とを読取ってパルス信号を発生させ、このパルス信号を制御部130に出力する。図7に示されるリニアエンコーダ180は、エンコーダセンサ38とエンコーダストリップ45とで構成される。
[当接部材80]
当接部材80は、図2に示されるように、搬送路65における記録ヘッド39よりも搬送向き16の上流側に設けられている。当接部材80は、図4及び図5に示されるように、左右方向9に離間した複数箇所に設けられている。各当接部材80は、図2及び図5に示されるように、固定部81と、湾曲部82と、当接部83とで構成されている。
固定部81は、概ね平板形状である。当接部材80は、固定部81によってガイドレール43に固定される。固定部81の上面には、図5に示されるように、複数(本実施形態では4個)の係止部75が突設されている。係止部75がガイドレール43に設けられた開口74の周縁に係止されることによって、当接部材80がガイドレール43の下面に固定される。湾曲部82は、図2に示されるように、固定部81から前方(つまり、搬送向き16の下流側)及び下方に向かって湾曲している。湾曲部82の先端部には、当接部83が概ね搬送向き16に突設されている。
当接部83は、概ね平板形状であって、図6に示されるように、上下方向7においてプラテン42と対向する位置に設けられている。当接部83の下面84とプラテン42との間の間隔は、記録ヘッド39の下面とプラテン42との間の間隔より狭く、用紙12の搬送に支障がない程度の間隔である。換言すれば、当接部83は、搬送向き16及び左右方向9に直交する対向方向(本実施形態では上下方向7)において、キャリッジ23とプラテン42との間に設けられている。当接部83の下面84には、下方に向かって突出する当接リブ85が設けられている。当接リブ85の下端は、プラテン42に支持された用紙12の上面に当接する。これにより、用紙12は、当接部83によって下側(つまりプラテン42)へ向けて押さえられる。
ここで、各当接部83は、図6に示されるように、プラテン42の上面に左右方向9に離間して形成された複数の支持リブ52の間に位置する。換言すれば、各支持リブ52は、左右方向9に隣接する当接部材80の間の位置からキャリッジ23側に向けて突出している。つまり、当接リブ85と支持リブ52とは、左右方向9において交互に配列されている。また、各支持リブ52は、当接リブ85の下端よりも上側まで突出している。より詳細には、各支持リブ52は、当接リブ85と用紙12との当接位置より記録ヘッド39に近い位置で用紙12と当接する。
これにより、プラテン42と当接部83との間の用紙12(すなわち、記録ヘッド39と対向する位置の用紙12)は、搬送向き16の上流側或いは下流側からみて波打った状態となる。なお、当接リブ85の先端(搬送向き16の下流側の端部)は本発明の波形形成位置の一例であって、搬送ローラ部54より搬送向き16の下流側で且つ記録ヘッド39より搬送向き16の上流側に位置している。また、当接部材80及びプラテン42の支持リブ52とは、本発明の波形形成機構の一例を構成する。すなわち、波形形成機構は、波形形成位置を含む位置に設けられている。
[コルゲート拍車68]
コルゲート拍車68は、図2及び図5に示されるように、排出ローラ部55より搬送向き16の下流側に設けられている。また、コルゲート拍車68は、図5に示されるように、左右方向9に離間した複数の位置に設けられている。さらに、コルゲート拍車68は、上下方向7において排出ローラ部55の拍車63より下方に配置されている。これにより、コルゲート拍車68は、用紙12の上面に当接する。さらに、各コルゲート拍車68は、左右方向9において当接部材80と概ね同じ位置に配置されている。換言すれば、各当接部材80及び各コルゲート拍車68は、前後方向8において一列に並んで配置されている。これにより、コルゲート拍車68と当接リブ85とは、用紙12の概ね同じ位置に当接する。コルゲート拍車68は、本発明の波形形成機構の他の例である。また、コルゲート拍車68と用紙12との当接位置は、本発明の波形形成位置の他の例であって、排出ローラ部55より搬送向き16の下流側に位置している。
波形形成機構は、記録ヘッド39と対面する位置における用紙12の左右方向9の形状を、山頂位置12A及び谷底位置12Bが左右方向9に交互に位置した波形状に成形する。山頂位置12Aとは、記録ヘッド39と用紙12との間隔が左右方向9において減少から増加に転じる境界の位置である。なお、山頂位置12Aは、概ねプラテン42の支持リブ52の位置に相当する。谷底位置12Bとは、記録ヘッド39と用紙12との間隔が左右方向9において増加から減少に転じる境界の位置である。なお、谷底位置12Bは、概ね当接部材80の当接リブ85及びコルゲート拍車68の位置に相当する。また、隣接する山頂位置12Aと谷底位置12Bとの間は概ね3次関数で近似される曲線形状となる。
本実施形態における当接部材80は、図4に示されるように、左右方向9に離間した9箇所に設けられている。したがって、本実施形態における谷底位置12Bは9つ存在する。また、本実施形態においては、用紙12の左右方向9の端部が自由端となって記録ヘッド39と接触するのを防止するために、用紙12の左右方向9の端部を谷底位置12Bとしている。つまり、各山頂位置12Aは、隣合う各谷底位置12Bの間に位置する。したがって、本実施形態における山頂位置12Aは8つ存在する。さらに、本実施形態では、左右方向9の中央の谷底位置12B(すなわち、左右方向9の端から数えて5個目の谷底位置12B)を基準位置と定義する。一般的に、この谷底位置は、左右方向9における用紙12の中央と概ね一致する。
[制御部130]
制御部130は、図7に示されるように、CPU131と、ROM132と、RAM133と、EEPROM134と、ASIC135とを備えており、これらが内部バス137によって接続されている。ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
ASIC135には、搬送モータ102及びキャリッジモータ103が接続されている。ASIC135は、各モータを回転させるための駆動信号をCPU131から取得し、駆動信号に応じた駆動電流を各モータに出力する。各モータは、ASIC135から出力された駆動電流によって駆動される。例えば、制御部130は、搬送モータ102の駆動を制御して各ローラを回転させる。また、制御部130は、キャリッジモータ103の駆動を制御してキャリッジ23を往復移動させる。さらに、制御部130は、記録ヘッド39を制御してノズル40からインクを吐出させる。
また、ASIC135には、レジストセンサ160と、ロータリーエンコーダ170と、リニアエンコーダ180とが電気的に接続されている。制御部130は、レジストセンサ160から出力される検知信号と、ロータリーエンコーダ170から出力されるパルス信号とに基づいて、用紙12の位置を検出する。また、制御部130は、リニアエンコーダ180から取得したパルス信号に基づいて、キャリッジ23の位置を検出する。
[画像記録処理]
図8を参照して、複合機10による画像記録処理が説明される。画像記録処理は、制御部130のCPU131によって実行される。なお、以下の各処理は、ROM132に記憶されているプログラムをCPU131が読み出して実行してもよいし、制御部130に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。
制御部130は、ユーザから画像記録指示を取得したことを条件として、図8に示す画像記録処理を実行する。画像記録指示の取得先は特に限定されないが、例えば、複合機10に設けられた操作パネルを通じて取得してもよいし、外部機器から通信ネットワークを通じて取得してもよい。画像記録指示は、各ローラ、キャリッジ23、及び記録ヘッド39を制御部130に制御させることで、用紙12に画像記録を行わせる指示である。また、画像記録指示には、例えば、用紙12に記録される画像データ、画像を記録すべき用紙12の種類に関する種類情報(例えば、用紙12が普通紙であるか或いは光沢紙であるかを特定する情報)、及び当該用紙12の繊維方向に関する繊維情報(すなわち、用紙12が縦目或いは横目のいずれであるかを特定する情報)等が含まれていてもよい。
[給紙処理(S11)]
まず、制御部130は、給紙トレイ20に支持されている用紙12を記録開始位置に給紙する給紙処理を実行する(S11)。具体的には、制御部130は、搬送モータ102によって給紙ローラ25を回転させることにより、給紙トレイ20上の用紙12を搬送路65に送り出す。やがて、用紙12の先端(「搬送向き16の下流側の端部」を指す。以下同じ。)が搬送ローラ部54に到達すると、制御部130は、搬送モータ102によって搬送ローラ60を回転させることにより、用紙12を記録開始位置まで搬送する。記録開始位置とは、用紙12のうちの最初に画像が記録される領域と、記録ヘッド39のノズル面とが対面する位置である。また、制御部130は、用紙12が搬送ローラ部54及び記録開始位置に到達したことを、制御部130へ出力されるレジストセンサ160の検知信号及びロータリーエンコーダ170のパルス信号の組み合わせによって認識する。給紙処理(S11)及び後述する搬送処理(S18)は、搬送向き16に沿う所定の改行幅だけ用紙12を搬送部に搬送させる本発明の搬送処理の一例である。
[検知処理(S12)]
次に、制御部130は、給紙処理(S11)或いは搬送処理(S18)によって搬送された用紙12の後端(「搬送向き16の上流側の端部」を指す。以下同じ。)の位置を検知する検知処理を実行する(S12)。具体的には、制御部130は、レジストセンサ160から出力される検知信号と、ロータリーエンコーダ170から出力されるパルス信号との組み合わせによって、用紙12の後端位置を検知する。そして、本実施形態における画像記録処理では、検知した用紙12の後端位置と、図2に示される位置A、Bとの位置関係に基づいて、後述する記録処理A〜Cのいずれかに分岐する(S13)。なお、図2に示される位置Aは、搬送向き16における搬送ローラ部54の挟持位置である。また、図2に示される位置Bは、搬送向きにおける当接リブ85の先端(すなわち、波形形成位置)である。
制御部130は、レジストセンサ160からローレベル信号が出力されていることを条件として、後述する記録処理A(S14)を実行する。なお、制御部130が記録処理Aを実行するのは、用紙12の後端が搬送ローラ部54を通過していない位置にある場合である。つまり、このときの用紙12の後端は、位置Aより搬送向き16の上流側に位置する(S13:後端≦A)。また、制御部130は、レジストセンサ160から出力される信号がローレベル信号からハイレベル信号に変化した時点からロータリーエンコーダ170から出力されるパルス信号の数を、カウントする。そして、制御部130は、カウントしたパルス信号の数が予め定められた第1閾値未満であることを条件として、記録処理A(S14)を実行する。なお、このときの用紙12の後端は、上記と同様に、搬送ローラ部54を通過していない(S13:後端≦A)。ここで、上記の第1閾値とは、搬送向き16におけるレジストセンサ160の設置位置から位置Aまでの距離(又はパルス信号のカウント値)を示す値である。
一方、制御部130は、カウントしたパルス信号の数が第1閾値以上且つ第2閾値未満(>第1閾値)であることを条件として、後述する記録処理B(S15)を実行する。なお、制御部130が記録処理Bを実行するのは、用紙12の後端が搬送ローラ部54を通過し且つ波形形成位置を通過していない位置にある場合である。つまり、このときの用紙12の後端は、位置Aより搬送向き16の下流側で且つ位置Bより搬送向き16の上流側に位置する(S13:A<後端≦B)。さらに、制御部130は、カウントしたパルス信号が第2閾値以上であることを条件として、後述する記録処理C(S16)を実行する。なお、制御部130が記録処理Cを実行するのは、用紙12の後端が波形形成位置を通過した位置にある場合である。つまり、このときの用紙12の後端は、位置Bより搬送向き16の下流側に位置する(S13:B<後端)。ここで、上記の第2閾値とは、搬送向き16におけるレジストセンサ160の設置位置から位置Bまでの距離(又はパルス信号のカウント値)を示す値である。
[記録処理(S14〜S16)]
次に、制御部130は、キャリッジモータ103を駆動させることによってキャリッジ23を左右方向9に移動させ、且つ所定の吐出タイミングで記録ヘッド39にインクを吐出させる記録処理を実行する(S14〜S16)。具体的には、制御部130は、用紙12の後端が搬送ローラ部54を通過していないことを条件(S13:後端≦A)として記録処理A(S14)を実行し、用紙12の後端が搬送ローラ部54を通過し且つ波形形成位置を通過していないことを条件(S13:A<後端≦B)として記録処理B(S15)を実行し、用紙12の後端が波形形成位置を通過したことを条件(S13:B<後端)として記録処理C(S16)を実行する。なお、記録処理A、B、Cは、各着弾位置に着弾させるインクの吐出タイミングが異なる。記録処理Aは本発明の第1記録処理の一例であり、記録処理Bは本発明の第3記録処理の一例であり、記録処理Cは本発明の第2記録処理の一例である。
以下、図9〜図12を参照して、記録処理A〜C(S14〜S16)を詳細に説明する。なお、図9と図10及び図11の上段とは、ステップS13で後端≦Aとなった時の左右方向9における用紙12の形状を示す。図10の下段は、ステップS13でA<後端≦Bとなった時の左右方向9における用紙12の形状を示す。図11の下段は、ステップS13でB<後端となった時の左右方向9における用紙12の形状を示す。また、以下の説明では、キャリッジ23が左から右(以下、「FWD向き」と表記する。)へ移動する過程におけるインクの吐出タイミングについて説明するが、キャリッジ23が右から左(以下、「RVS向き」と表記する。)へ移動する過程におけるインクの吐出タイミングは、下記の説明の右及び左を反転させればよい。
[記録処理A(S14)]
制御部130は、記録ヘッド39が各着弾位置の直上に到達する前にノズル40にインクを吐出させる必要がある。また、記録開始位置まで搬送された用紙12は、波形形成機構によって図9に示されるような波形状となっている。そのため、制御部130は、用紙12の各着弾位置に対する吐出タイミングを、上下方向7における記録ヘッド39と用紙12との間隔が狭い着弾位置ほど遅くし、上下方向7における記録ヘッド39と用紙12との間隔が広い着弾位置ほど早くする必要がある。
そこで、制御部130は、複数の山頂位置12A及び複数の谷底位置12Bのそれぞれについて、当該位置にインクを着弾させるための吐出タイミングを決定する。具体的には、制御部130は、基準値D0と、複数の山頂ズレ値Y(m)と、複数の谷底ズレ値Y(m+1)とをEEPROM134(本発明の記憶部の一例)から読み出す。なお、EEPROM134に記憶される各値は、実験或いはシミュレーションによって複合機10が出荷される前に算出された値である。
[基準値D0について]
基準値D0は、各着弾位置に着弾させるインクの吐出タイミングの基準となる時間を示す値である。具体的には、ノズル40から吐出されたインクが基準着弾位置Lsに到達するのに要する時間を表す。基準着弾位置Lsは、上下方向7(すなわち、記録ヘッド39と用紙12との対向方向)において、隣接する山頂位置12A及び谷底位置12Bの間の中間位置12C(つまり、振幅が0の位置)に相当する。また、基準値D0は、キャリッジ23が基準吐出位置Esから基準着弾位置Lsの直上に移動するのに要する時間に相当する。すなわち、キャリッジ23の移動速度をVとすれば、左右方向9における基準吐出位置Esと基準着弾位置Lsとの距離は、D0×Vとなる。
FWD向きに移動速度Vで移動するキャリッジ23が基準吐出位置Esに到達した時点で記録ヘッド39からインクを吐出すると、当該インクは基準値D0秒後に用紙12上の基準着弾位置Lsに着弾し、且つキャリッジ23は基準値D0秒後に基準着弾位置Lsの直上に到達する。換言すれば、基準着弾位置Lsにインクを着弾させるためには、当該基準着弾位置Lsにキャリッジ23が到達する基準値D0秒前(すなわち、基準吐出位置Es)にインクを吐出する必要がある。基準値D0は、中間位置12Cに着弾させるインクの吐出タイミング(すなわち、基準吐出位置Es)を特定する情報の一例である。
上述の中間位置12Cの特定方法は特に限定されないが、例えば、上下方向7において、複数の山頂位置12Aのうちの最も記録ヘッド39に近い山頂位置12Aと、複数の谷底位置12Bのうちの最も記録ヘッド39から遠い谷底位置12Bとの平均の位置を中間位置12Cとしてもよい。他の例として、上下方向7において、複数の山頂位置12Aの平均位置と、複数の谷底位置12Bの平均位置とをさらに平均した位置を中間位置12Cとしてもよい。基準値D0は、全ての着弾位置に対して共通に用いられる。但し、本発明の基準値D0は上述の例に限定されず、例えば、各山頂位置12Aの吐出タイミングの基準となる第1基準値(例えば、全ての山頂位置12Aの吐出タイミングの平均値)と、各谷底位置12Bの吐出タイミングの基準となる第2基準値(例えば、全ての谷底位置12Bの吐出タイミングの平均値)とを、個別にEEPROM134が記憶してもよい。
[山頂ズレ値Y(m)について]
まず、図9に示される用紙12の山頂位置12Aに向けて記録ヘッド39がインクを吐出する場合を考える。山頂位置12Aに着弾させるべきインクを当該山頂位置12Aの直上にキャリッジ23が到達する基準値D0秒前(すなわち、基準吐出位置Es)に吐出すると、当該インクは、左右方向9において当該山頂位置12AよりFWD向きの上流側の位置(すなわち、着弾位置LA1)で用紙12に着弾する。すなわち、左右方向9における基準吐出位置Esと着弾位置LA1との距離a1は、基準吐出位置Esと山頂位置12Aとの距離a(=D0×V)よりも小さくなる(つまり、a1<a)。この距離a1と距離aとのズレ量が山頂ズレ値Y(m)に相当する。
したがって、制御部130は、図9に示されるように、山頂位置12Aに着弾させるインクを、基準吐出位置EsからFWD向きの下流側に山頂ズレ値Y(m)だけずれた位置である山頂吐出位置Eaで、記録ヘッド39に吐出させる。すなわち、山頂ズレ値Y(m)は、基準吐出位置Esと山頂吐出位置Eaとの左右方向9における距離を表す。換言すれば、山頂ズレ値Y(m)は、基準値D0で特定される中間位置12Cの吐出タイミング(すなわち、基準吐出位置Es)を遅らせる向きに補正することによって、山頂位置12Aの吐出タイミング(すなわち、山頂吐出位置Ea)を特定するための値である。
[谷底ズレ値Y(m+1)について]
次に、図9に示される用紙12の谷底位置12Bに向けて記録ヘッド39がインクを吐出する場合を考える。谷底位置12Bに着弾させるべきインクを当該谷底位置12Bの直上にキャリッジ23が到達する基準値D0秒前(すなわち、基準吐出位置Es)に吐出すると、当該インクは、左右方向9において当該谷底位置12BよりFWD向きの下流側の位置(すなわち、着弾位置LB1)で用紙12に着弾する。すなわち、左右方向9における基準吐出位置Esと着弾位置LB1との距離b1は、基準吐出位置Esと谷底位置12Bとの距離b(=D0×V)よりも大きくなる(つまり、b1>b)。この距離b1と距離bとのズレ量が谷底ズレ値Y(m+1)に相当する。
したがって、制御部130は、図9に示されるように、谷底位置12Bに着弾させるインクを、基準吐出位置EsからFWD向きの上流側に谷底ズレ値Y(m+1)だけずれた位置である谷底吐出位置Ebで、記録ヘッド39に吐出させる。すなわち、谷底ズレ値Y(m+1)は、基準吐出位置Esと谷底吐出位置Ebとの左右方向9における距離を表す。換言すれば、谷底ズレ値Y(m+1)は、基準値D0で特定される中間位置12Cの吐出タイミング(すなわち、基準吐出位置Es)を早める向きに補正することによって、谷底位置12Bの吐出タイミング(すなわち、谷底吐出位置Eb)を特定するための値である。
[山頂位置12A及び谷底位置12Bによる吐出タイミングの補正]
山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)をキャリッジ23の移動速度Vで除算すれば、山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)に相当する距離をキャリッジ23が移動するのに要する時間を求めることができる。つまり、山頂位置12Aの吐出タイミングはD0+Y(m)/Vで表され、谷底位置12Bの吐出タイミングはD0+Y(m+1)/Vで表される。このように、山頂位置12A及び谷底位置12Bの吐出タイミングを基準値D0からずらすことで、山頂位置12A及び谷底位置12Bにインクを着弾させることができる。但し、実験或いはシミュレーションの結果、本実施形態ではY(m)/Vに、さらに1/2を乗算することとする。
そこで、制御部130は、記録処理A(S14)において、各山頂位置12Aに着弾させるインクを吐出タイミング(D0+Y(m)/2V)で記録ヘッド39に吐出させ、各谷底位置12Bに着弾させるインクを吐出タイミング(D0+Y(m+1)/2V)で記録ヘッド39に吐出させる。すなわち、D0+Y(m)/2V、D0+Y(m+1)/2Vは、本発明の第1吐出タイミングの一例である。また、基準値D0、山頂ズレ値Y(m)、及びキャリッジ23の移動速度Vは、山頂位置12Aに着弾させるインクの吐出タイミング(すなわち、山頂吐出位置Ea)を特定する情報の一例である。さらに、基準値D0、谷底ズレ値Y(m+1)、及びキャリッジ23の移動速度Vは、谷底位置12Bに着弾させるインクの吐出タイミング(すなわち、谷底吐出位置Eb)を特定する情報の一例である。
なお、上述の吐出タイミングを特定する値D(=D0+Y(m)/2V、=D0+Y(m+1)/2V)は、着弾位置の直上にキャリッジ23が到達するD秒前にインクを吐出しなければならないことを示している。すなわち、Dの値が大きいほど吐出タイミングが早いことを示し、Dの値が小さいほど吐出タイミングが遅いことを示す。したがって、基準値D0を正の数とすると、Y(m)/2Vは負の数で且つ絶対値が基準値D0より小さい値となり、Y(m+1)/2Vは正の数となる。
本実施形態では、山頂位置12Aは8つ存在し、谷底位置12Bは9つ存在する。そこで、EEPROM134は、図12に示されるように、1つの基準値D0と、8つの山頂位置12Aそれぞれに対応する山頂ズレ値Y(2)、Y(4)、Y(6)、Y(8)、Y(10)、Y(12)、Y(14)、Y(16)と、9つの谷底位置12Bそれぞれに対応する谷底ズレ値Y(1)、Y(3)、Y(5)、Y(7)、Y(9)、Y(11)、Y(13)、Y(15)、Y(17)と、複数の調整値α(1)〜α(17)と、複数の調整値β(1)〜β(17)と、を記憶している。なお、本実施形態では、ある山頂位置12Aと、当該山頂位置の右隣に位置する谷底位置12Bと、これらの間に位置する各中途位置との吐出タイミングを算出する処理を説明するために、山頂位置12Aの山頂ズレ値をY(m)と表記し、谷底位置12Bの谷底ズレ値をY(m+1)と表記する。また、特に、基準位置PsよりFWD向きの上流側の山頂ズレ値及び谷底ズレ値をY(m)、Y(m+1)と表記し、基準位置PsよりFWD向きの下流側の山頂ズレ値及び谷底ズレ値をY(n)、Y(n+1)と表記することがある。
[記録処理B(S15)]
左右方向9における用紙12の形状は、後端が位置Aを通過する前(図10の上段参照)と、後端が位置A、Bの間に位置している時(図10の下段参照)とで変化する。具体的には、図10の下段に示される各山頂位置12A’及び基準位置Ps(つまり、図10の一点鎖線上の谷底位置12B’)を除く谷底位置12B’は、左右方向9において、図10の上段に示される各山頂位置12A及び谷底位置12Bより基準位置Psに近づく向きに変位している。また、山頂位置12Aに対する山頂位置12A’の左右方向9の変位量及び谷底位置12Bに対する谷底位置12B’の左右方向9の変位量は、基準位置Psから遠いほど大きくなっている。換言すれば、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する山頂位置12A’及び谷底位置12B’は、対応する山頂位置12A及び谷底位置12BよりFWD向きの下流側に変位し、且つ基準位置Psから離れるほど変位量が大きくなっている。一方、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する山頂位置12A’及び谷底位置12B’は、対応する山頂位置12A及び谷底位置12BよりFWD向きの上流側に変位し、且つ基準位置Psから離れるほど変位量が大きくなっている。
そこで、制御部130は、図10の下段に示されるように、山頂位置12A’に着弾させるインクを、基準位置Psに近づく向きに山頂吐出位置Eaからずれた位置である山頂補正吐出位置Ea’で記録ヘッド39に吐出させる。同様に、制御部130は、谷底位置12B’に着弾させるインクを基準位置Psに近づく向きに谷底吐出位置Ebからずれた位置である谷底補正吐出位置Eb’で記録ヘッド39に吐出させる。そして、山頂吐出位置Eaから山頂補正吐出位置Ea’への吐出タイミングの補正、及び谷底吐出位置Ebから谷底補正吐出位置Eb’への吐出タイミングの補正には、調整値αが用いられる。
EEPROM134は、図12に示されるように、各山頂位置12A’の山頂ズレ値Y(m)及び各谷底位置12B’の谷底ズレ値Y(m+1)を調整するための複数の調整値α(1)〜α(17)を記憶している。なお、図12において、対応するズレ値Y及び調整値αには、カッコ内に同一の数字が付されている。調整値αは、山頂位置12A’及び谷底位置12B’がFWD向きの上流側に基準位置Psから離れるほど山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)を大きく増加させる値である。さらに調整値αは、山頂位置12A’及び谷底位置12B’がFWD向きの下流側に基準位置Psから離れるほど山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)を大きく減少させる値である。より具体的には、FWD向きにおける基準位置Psより上流側に位置する山頂位置12A’及び谷底位置12B’の調整値α(1)〜α(8)は、基準位置Psから離れるほど大きい0以上の値である。また、FWD向きにおける基準位置Psより下流側に位置する山頂位置12A’及び谷底位置12B’の調整値α(10)〜α(17)は、基準位置Psから離れるほど小さい0以下の値である。さらに、基準位置Psの調整値α(9)は、0である。すなわち、α(1)≧α(2)≧α(3)≧α(4)≧α(5)≧α(6)≧α(7)≧α(8)≧α(9)≧α(10)≧α(11)≧α(12)≧α(13)≧α(14)≧α(15)≧α(16)≧α(17)となる。調整値α(1)〜α(17)は、本発明の第2調整値の一例である。
そして、記録処理B(S15)におけるインクの吐出タイミングは、調整値αで調整された山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)だけ基準値D0からずらすことによって特定される。具体的には、山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)は、対応する調整値αが加算されることによって調整される。そして、記録処理B(S15)における吐出タイミングは、調整された山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)をキャリッジ23の移動速度Vで除算し、さらに1/2を乗算した値に基準値D0を加算することによって算出される。
すなわち、記録処理B(S15)において、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する山頂位置12A’の吐出タイミング(すなわち、山頂補正吐出位置Ea’)はD0+(Y(m)+α(m))/2Vで表され、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する谷底位置12B’の吐出タイミング(すなわち、谷底補正吐出位置Eb’)はD0+(Y(m+1)+α(m+1))/2Vで表される。同様に、記録処理B(S15)において、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する山頂位置12A’の吐出タイミング(すなわち、山頂補正吐出位置Ea’)はD0+(Y(n)+α(n))/2Vで表され、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する谷底位置12B’の吐出タイミング(すなわち、谷底補正吐出位置Eb’)はD0+(Y(n+1)+α(n+1))/2Vで表される。
そして、制御部130は、記録処理B(S15)において、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する各山頂位置12A’に着弾させるインクを吐出タイミング(D0+(Y(m)+α(m)/2V)で記録ヘッド39に吐出させ、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する各谷底位置12B’に着弾させるインクを吐出タイミング(D0+(Y(m+1)+α(m+1))/2V)で記録ヘッド39に吐出させる。同様に、制御部130は、記録処理B(S15)において、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する各山頂位置12A’に着弾させるインクを吐出タイミング(D0+(Y(n)+α(n)/2V)で記録ヘッド39に吐出させ、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する各谷底位置12B’に着弾させるインクを吐出タイミング(D0+(Y(n+1)+α(n+1))/2V)で記録ヘッド39に吐出させる。すなわち、記録処理B(S15)では、図10に示されるように、基準位置PsよりFWD向きの上流側の各着弾位置に着弾させるインクが記録処理A(S14)より遅く吐出され、基準位置PsよりFWD向きの下流側の各着弾位置に着弾させるインクが記録処理A(S14)より早く吐出される。
D0+(Y(m)+α(m))/2V、D0+(Y(m+1)+α(m+1))/2V、D0+(Y(n)+α(n))/2V、D0+(Y(n+1)+α(n+1))/2Vは、本発明の第3吐出タイミングの一例である。そして、基準値D0、山頂ズレ値Y(m)、Y(n)、調整値α(m)、及びキャリッジ23の移動速度Vは、山頂位置12A’に着弾させるインクの吐出タイミング(すなわち、山頂補正吐出位置Ea’)を特定する情報の一例である。また、基準値D0、谷底ズレ値Y(m+1)、Y(n+1)、調整値α(m+1)、及びキャリッジ23の移動速度Vは、谷底位置12B’に着弾させるインクの吐出タイミング(すなわち、谷底補正吐出位置Eb’)を特定する情報の一例である。
[記録処理C(S16)]
左右方向9における用紙12の形状は、後端が位置Aを通過する前(図11の上段参照)と、後端が位置Bを通過した後(図11の下段参照)とで変化する。具体的には、図11の下段に示される各山頂位置12A”及び基準位置Ps(つまり、図11の一点鎖線上の谷底位置12B”)を除く谷底位置12B”は、左右方向9において、図11の上段に示される各山頂位置12A及び谷底位置12Bより基準位置Psから遠ざかる向きに変位している。また、山頂位置12Aに対応する山頂位置12A”の左右方向9の変位量及び谷底位置12Bに対応する谷底位置12B”の左右方向9の変位量は、基準位置Psから遠いほど大きくなっている。換言すれば、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する山頂位置12A”及び谷底位置12B”は、対応する山頂位置12A及び谷底位置12BよりFWD向きの上流側に変位し、且つ基準位置Psから離れるほど変位量が大きくなっている。一方、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する山頂位置12A”及び谷底位置12B”は、対応する山頂位置12A及び谷底位置12BよりFWD向きの下流側に変位し、且つ基準位置Psから離れるほど変位量が大きくなっている。
したがって、制御部130は、図11の下段に示されるように、山頂位置12A”に着弾させるインクを、基準位置Psから離れる向きに山頂吐出位置Eaからずれた位置である山頂補正吐出位置Ea”で記録ヘッド39に吐出させる。同様に、制御部130は、谷底位置12B”に着弾させるインクを、基準位置Psから遠ざかる向きに谷底吐出位置Ebからずれた位置である谷底補正吐出位置Eb”で記録ヘッド39に吐出させる。山頂吐出位置Eaから山頂補正吐出位置Ea”への吐出タイミングの補正、及び谷底吐出位置Ebから谷底補正吐出位置Eb”への吐出タイミングの補正には、調整値βが用いられる。
EEPROM134は、図12に示されるように、各山頂位置12A”の山頂ズレ値Y(m)及び各谷底位置12B”の谷底ズレ値Y(m+1)を調整するための複数の調整値β(1)〜β(17)を記憶している。なお、図12において、対応するズレ値Y及び調整値βには、カッコ内に同一の数字が付されている。調整値βは、山頂位置12A”及び谷底位置12B”がFWD向きの上流側に基準位置Psから離れるほど山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)を大きく減少させる値である。さらに調整値βは、山頂位置12A”及び谷底位置12B”がFWD向きの下流側に基準位置Psから離れるほど山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)を大きく増加させる値である。より具体的には、FWD向きにおける基準位置Psより上流側に位置する山頂位置12A”及び谷底位置12B”の調整値β(1)〜β(8)は、基準位置Psから離れるほど小さい0以下の値である。また、FWD向きにおける基準位置Psより下流側に位置する山頂位置12A”及び谷底位置12B”の調整値β(10)〜β(17)は、基準位置Psから離れるほど大きい0以上の値である。さらに、基準位置Psの調整値β(9)は、0である。すなわち、β(1)≦β(2)≦β(3)≦β(4)≦β(5)≦β(6)≦β(7)≦β(8)≦β(9)≦β(10)≦β(11)≦β(12)≦β(13)≦β(14)≦β(15)≦β(16)≦β(17)となる。調整値β(1)〜β(17)は、本発明の第1調整値の一例である。
そして、記録処理C(S16)におけるインクの吐出タイミングは、調整値βで調整された山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)だけ基準値D0からずらすことによって特定される。具体的には、山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)は、対応する調整値βが加算されることによって調整される。そして、記録処理C(S16)における吐出タイミングは、調整された山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)をキャリッジ23の移動速度Vで除算し、さらに1/2を乗算した値に基準値D0を加算することによって算出される。
すなわち、記録処理C(S16)において、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する山頂位置12A”の吐出タイミング(すなわち、山頂補正吐出位置Ea”)はD0+(Y(m)+β(m))/2Vで表され、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する谷底位置12B”の吐出タイミング(すなわち、谷底補正吐出位置Eb”)はD0+(Y(m+1)+β(m+1))/2Vで表される。同様に、記録処理C(S16)において、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する山頂位置12A”の吐出タイミング(すなわち、山頂補正吐出位置Ea”)はD0+(Y(n)+β(n))/2Vで表され、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する谷底位置12B”の吐出タイミング(すなわち、谷底補正吐出位置Eb”)はD0+(Y(n+1)+β(n+1))/2Vで表される。
そして、制御部130は、記録処理C(S16)において、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する各山頂位置12A”に着弾させるインクを吐出タイミング(D0+(Y(m)+β(m)/2V)で記録ヘッド39に吐出させ、基準位置PsよりFWD向きの上流側に位置する各谷底位置12B”に着弾させるインクを吐出タイミング(D0+(Y(m+1)+β(m+1))/2V)で記録ヘッド39に吐出させる。同様に、制御部130は、記録処理C(S16)において、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する各山頂位置12A”に着弾させるインクを吐出タイミング(D0+(Y(n)+β(n)/2V)で記録ヘッド39に吐出させ、基準位置PsよりFWD向きの下流側に位置する各谷底位置12B”に着弾させるインクを吐出タイミング(D0+(Y(n+1)+β(n+1))/2V)で記録ヘッド39に吐出させる。すなわち、記録処理C(S16)では、図11に示されるように、基準位置PsよりFWD向きの上流側の各着弾位置に着弾させるインクが記録処理A(S14)より早く吐出され、基準位置PsよりFWD向きの下流側の各着弾位置に着弾させるインクが記録処理A(S14)より遅く吐出される。
D0+(Y(m)+β(m))/2V、D0+(Y(m+1)+β(m+1))/2V、D0+(Y(n)+β(n))/2V、D0+(Y(n+1)+β(n+1))/2Vは、本発明の第2吐出タイミングの一例である。そして、基準値D0、山頂ズレ値Y(m)、Y(n)、調整値β(m)、及びキャリッジ23の移動速度Vは、山頂位置12A”に着弾させるインクの吐出タイミング(すなわち、山頂補正吐出位置Ea”)を特定する情報の一例である。また、基準値D0、谷底ズレ値Y(m+1)、Y(n+1)、調整値β(m+1)、及びキャリッジ23の移動速度Vは、谷底位置12B”に着弾させるインクの吐出タイミング(すなわち、谷底補正吐出位置Eb”)を特定する情報の一例である。
[中途位置の吐出タイミング]
また、制御部130は、記録処理A(S14)において、山頂位置12A及び谷底位置12Bの間の吐出位置である中途位置に着弾させるインクの第1吐出タイミングを算出し、算出した第1吐出タイミングで記録ヘッド39にインクを吐出させる。各中途位置の吐出タイミングは、当該中途位置に最も近い山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)と、下記式1に示される補間関数と、基準値D0とを用いて算出される。
具体的には、制御部130は、算出対象の中途位置の位置を特定する情報(x、c)と、当該中途位置に最も近い山頂位置12A及び谷底位置12Bの山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)とを、式1に入力する。これにより、制御部130は、キャリッジ23が中途位置に到達する基準値D0秒前に記録ヘッド39から吐出されたインクの着弾位置と中途位置とのズレ量y’を算出する。そして、制御部130は、ズレ量y’と基準値D0とを式2に入力することによって、当該中途位置の吐出タイミングを算出する。制御部130は、上述の処理を全ての中途位置に対して繰り返し実行する。
Figure 0006399170
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なお、式1におけるxは、キャリッジ23の位置を特定する情報であって、リニアエンコーダ180のパルス信号に基づいて決定される値である。式1におけるcは、吐出タイミングを算出しようとするノズル40の記録ヘッド39の中心からの距離を示す値である。式1におけるX(m)は、山頂位置12A及び谷底位置12Bの位置を特定する情報であって、リニアエンコーダ180のパルス信号に基づいて決定される値である。式1のLは、山頂位置12A及び谷底位置12Bとの左右方向9での距離を示す値であり、具体的にはL=X(m+1)−X(m)である。式2のVは上述のように、ステップS11で制御部130が取得したキャリッジ23の移動速度を示す値である。
また、制御部130は、記録処理B(S15)において、山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)に代えて、調整された山頂ズレ値(Y(m)+α(m))及び調整された谷底ズレ値(Y(m+1)+α(m+1))を補間関数に入力することによって算出される中途位置の第3吐出タイミングで記録ヘッド39にインクを吐出させる。同様に、制御部130は、記録処理C(S16)において、山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)に代えて、調整された山頂ズレ値(Y(m)+β(m))及び調整された谷底ズレ値(Y(m+1)+β(m+1))を補間関数に入力することによって算出される中途位置の第2吐出タイミングで記録ヘッド39にインクを吐出させる。
次に、画像記録が終了していなければ(S17:No)、制御部130は、用紙12を搬送向き16に所定の改行幅だけ搬送させる搬送処理を実行する(S18)。具体的には、制御部130は、搬送モータ102を所定の回転数だけ回転させることによって、少なくとも搬送ローラ部54及び排出ローラ部55の一方に用紙12を所定の改行幅だけ搬送させる。その結果、次に画像記録が行われる用紙12の領域が、記録ヘッド39に対向する。
以降、当該用紙12に対する画像記録が終了(S17:Yes)するまでの間、制御部130は、ステップS12〜S18の処理を繰り返し実行する。そして、当該用紙12に対する画像記録が終了すると(S17:Yes)、制御部130は、用紙12を排紙トレイ21に排出する(S19)。具体的には、制御部130は、搬送モータ102を所定の回転数だけ回転させることによって、排出ローラ部55に用紙12を排出させる。
[実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、搬送向き16における用紙12の位置(換言すれば、用紙12の形状)に応じて吐出タイミングの異なる記録処理A、B、Cを実行する。すなわち、左右方向9に縮んだ状態(すなわち、図10の下段の状態)の用紙12にインクを着弾させる場合において、基準位置PsよりFWD向きの上流側では吐出タイミングを遅らせ、基準位置PsよりFWD向きの下流側では吐出タイミングを早める。また、左右方向9に広がった状態(すなわち、図11の下段の状態)の用紙12にインクを着弾させる場合において、基準位置PsよりFWD向きの上流側では吐出タイミングを早め、基準位置PsよりFWD向きの下流側では吐出タイミングを遅らせる。これにより、用紙12の全域においてインクの着弾ズレを抑制することができる。
なお、本実施形態では、用紙12の後端が位置Aを通過する前後において吐出タイミングを変更し、用紙12の後端が位置Bを通過する前後において吐出タイミングを変更する例を説明した。しかしながら、用紙12の後端が常に位置Aと位置Bとの間で停止するわけではないので、記録処理Bは省略することができる。すなわち、制御部130は、用紙12の後端が位置Bを通過するまでは記録処理Aを実行し、用紙12の後端が位置Bを通過した後は記録処理Bを実行してもよい。
さらに、変形例として、用紙12の先端がコルゲート拍車68を通過する前後においてもインクの吐出タイミングを変更してもよい。例えば、制御部130は、用紙12の先端がコルゲート拍車68を通過するまでは記録処理Cを実行し、用紙12の先端がコルゲート拍車68を通過した後は記録処理Aを実行してもよい。なお、上述の変形例に係る制御は、図8に示される画像記録処理に加えて実行されてもよいし、独立して実行されてもよい。すなわち、変形例に係る制御は、当接部材80が省略された複合機10に対して実行されてもよい。
また、本実施形態によれば、山頂位置及び谷底位置以外の着弾位置(すなわち、中途位置)の吐出タイミングを山頂ズレ値及び谷底ズレ値等を補間関数に代入して算出するので、無数に存在する中途位置それぞれのズレ値をEEPROM134に記憶させておく必要がない。その結果、EEPROM134の容量を小さくすることができる。また、記録処理B、Cでは、調整値α、βで調整された山頂ズレ値及び谷底ズレ値を用いて中途位置の吐出タイミングを求めるので、中途位置に対してもインク吐出量に応じた適切なタイミングでインクを吐出できる。
また、本実施形態では、基準値D0を時間を表すパラメータとし、山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)を距離を表すパラメータとした例を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、吐出タイミングを特定可能なあらゆる種類のパラメータを用いることができる。例えば、基準値D0、山頂ズレ値Y(m)、及び谷底ズレ値Y(m+1)を、時間或いは距離のパラメータに統一してもよい。
さらに、本実施形態では、左右方向9の中央の谷底位置12Bを基準位置Psと定義した例を示したが、左右方向9における用紙12上の任意の位置を基準位置Psとしてもよい。例えば、山頂位置12A及び谷底位置12Bの位置にかかわらず左右方向9の中央を基準位置Psとしてもよいし、左右方向9の端部を基準位置Psとしてもよい。また、本実施形態では、用紙12をセンタ合わせした例を示したが、本発明はこれに限定されず、用紙12の左右方向9の一方側端部を基準とするサイド合わせであってもよい。
[その他の変形例]
次に、図13を参照して、記録処理B、Cにおける吐出タイミングをさらに変更する処理を説明する。なお、図14に示される各処理は、特定の条件が満たされた場合における第2吐出タイミング及び第3吐出タイミングを、特定の条件が満たされなかった場合より第1吐出タイミングから大きくずらす処理である。なお、第2吐出タイミング及び第3吐出タイミングを第1吐出タイミングから大きくずらす具体的な方法は特に限定されないが、例えば、調整値α、βの絶対値を増加させればよい。
図13(A)を参照して、用紙12の種類によって第2吐出タイミング及び第3吐出タイミングをさらに補正する方法を説明する。剛性の低い用紙12は、剛性の高い用紙12と比較して、当該用紙12の後端が位置A、Bを通過する前後における左右方向9の変位量が大きくなる傾向がある。
そこで、制御部130は、用紙12の種類が普通紙である場合(S31:普通紙)、制調整値α、βの絶対値を増加させる(S32)。一方、用紙12の種類が光沢紙である場合(S31:光沢紙)は、ステップS32がスキップされる。なお、図13(A)のステップS31は、例えば、画像記録指示に含まれる用紙12の種類を特定する情報に基づいて分岐する。なお、普通紙及び光沢紙は剛性の異なる用紙の一例であって、本発明がこれに限定されないことは言うまでもない。すなわち、ステップS32では、用紙12の剛性が閾値より低い場合に、調整値α、βの絶対値を増加させればよい。
次に、図13(B)を参照して、用紙12の目の向きによって第2吐出タイミング及び第3吐出タイミングをさらに補正する方法を説明する。繊維の方向が搬送向き16に沿う(すなわち、縦目)用紙12は、繊維の方向が搬送向き16と交差する(すなわち、横目)用紙12と比較して、当該用紙12の後端が位置A、Bを通過する前後における左右方向9の変位量が大きくなる傾向がある。
そこで、制御部130は、用紙12の目の向きが縦目である場合(S41:縦目)、調整値α、βの絶対値を増加させる(S42)。一方、用紙12の目の向きが横目である場合(S41:横目)は、ステップS42がスキップされる。なお、図13(B)のステップS41は、例えば、画像記録指示に含まれる用紙12の繊維の方向を特定する情報(例えば、用紙12のサイズ及び向き等を示す情報でも良いし、目の向きを示す情報でも良い)に基づいて分岐する。
次に、図13(C)を参照して、複合機10の周辺の温度によって第2吐出タイミング及び第3吐出タイミングをさらに補正する方法を説明する。周辺の温度が高い場合の用紙12は、周辺の温度が低い場合と比較して、当該用紙12の後端が位置A、Bを通過する前後における左右方向9の変位量が大きくなる傾向がある。
そこで、制御部130は、周辺の温度が閾値温度より高い場合(S51:Yes)、調整値α、βの絶対値を増加させる(S52)。一方、周辺の温度が閾値温度以下の場合(S51:No)は、ステップS52がスキップされる。この場合の複合機10は、周辺の温度を計測して制御部130に通知する温度センサ(不図示)を備える。なお、図13(C)のステップS51は、例えば、温度センサから通知された周辺の温度と、予め定められた閾値温度とに基づいて分岐する。また、温度センサの設置位置(すなわち、温度の測定位置)は特に限定されない。
次に、図13(D)を参照して、複合機10の周辺の湿度によって第2吐出タイミング及び第3吐出タイミングをさらに補正する方法を説明する。周辺の温度が高い場合の用紙12は、周辺の温度が低い場合と比較して、当該用紙12の後端が位置A、Bを通過する前後における左右方向9の変位量が大きくなる傾向がある。
そこで、制御部130は、周辺の湿度が閾値湿度より高い場合(S61:Yes)、調整値α、βの絶対値を増加させる(S62)。一方、周辺の湿度が閾値湿度以下の場合(S61:No)は、ステップS62がスキップされる。この場合の複合機10は、周辺の湿度を計測して制御部130に通知する湿度センサ(不図示)を備える。なお、図13(D)のステップS61は、例えば、湿度センサから通知された周辺の湿度と、予め定められた閾値湿度とに基づいて分岐する。また、湿度センサの設置位置(すなわち、湿度の測定位置)は特に限定されない。
なお、図13(A)〜(D)の処理は、例えば、図8のステップS12とステップS13との間で実行される。また、図13(A)〜(D)の処理は、いずれか1つのみが実行されてもよいし、任意の組み合わせで組み合わせて実行されてもよい。これにより、用紙12の状態に応じた適切な吐出タイミングでインクを吐出できる。
また、本実施形態では、α(1)〜α(17)、β(1)〜β(17)の各値をEEPROM134に記憶させた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、EEPROM134に各値を記憶させなくても、制御部130は、記録処理B、Cを実現することができる。以下にその例を示す。例えば、制御部130は、山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)を調整する手段、すなわち、Y’=Y+(X(m)−X(c))Cを計算する手段を有してもよい。なお、この手段は、制御部130が実行するソフトウェアによって実現されてもよいし、ハードウェア回路によって実現されてもよい。つまり、制御部130は、上記Y’が示す一次式を用いてY(Y(m)、Y(m+1))を調整してもよい。
上記のYは、山頂ズレ値Y(m)及び谷底ズレ値Y(m+1)を示す。またX(m)は、山頂位置12A及び谷底位置12Bの位置を特定する値であって、リニアエンコーダ180のパルス信号に基づいて決定される値である。またX(c)は、各谷底位置12Bのうち、中央の谷底位置12B、つまり、左右方向9における中央の支持リブ52の位置を示す値である。これら、X(m)及びX(c)の値は、ROM131に記憶させてもよいし、EEPROM134に記憶させてもよい。また、Cは、上記Y’が示す一次式の傾きを示す値であり、装置毎に異なる値がEEPROM134に記憶される。
例えば、山頂ズレ値Y(2)を調整する場合、まず、制御部130は、山頂ズレ値Y(2)及び傾きCをEEPROM134から読み出し、X(m)及びX(c)をROM131又はEEPROM134から読み出す。そして、制御部130は、読み出したY(2)、C、X(m)、及びX(c)を上記一次式に代入して、Y’(2)を算出する。なお、例えば、FWD向きに移動するキャリッジ23がX(2)に位置(すなわち、山頂位置12A(2)上に位置)しているタイミングで記録ヘッド39にインクを吐出させると、当該インクは山頂位置12A(2)よりFWD向きの下流側に着弾する。したがって、制御部130は、FWD向きに移動するキャリッジ23が位置X(2)より所定距離だけFWD向きの上流側に位置しているタイミングでY’(2)を算出する必要がある。そして、算出したY’(2)で特定される吐出タイミングで記録ヘッド39にインクを吐出させることにより、当該インクが山頂位置12A(2)に着弾する。また、制御部130は、キャリッジ23がFWD向きに移動を開始する前に、上記の各Y’の値を算出してもよい。
また、EEPROM134には上記傾きCの値として、1つの装置に、少なくとも2つの異なる値C1、C2を記憶させてもよい。例えば、傾きC1は、用紙12の後端が位置Aより搬送向き16の下流側で且つ位置Bより搬送向き16の上流側に位置する(図8に示すフローチャートのS13:A<後端≦B)場合に制御部130が使用する値である。つまり、用紙12の後端が位置Aと位置Bとの間に位置する場合に、制御部130は、EEPROM134からC1を読み出してYを調整する。また、傾きC2は、用紙12の後端が位置Bより搬送向き16の下流側に位置する(図8に示すフローチャートのS13:B<後端)場合に制御部130が使用する値である。つまり、用紙12の後端が位置Bの下流側に位置する場合に、制御部130は、EEPROM134からC1を読み出してYを調整する。なお、C1<C2であり、さらに本実施形態では、C1は負の定数であり、C2は正の定数である。
10・・・複合機
20・・・給紙トレイ
23・・・キャリッジ
24・・・記録部
39・・・記録ヘッド
42・・・プラテン
52・・・支持リブ
54・・・搬送ローラ部
55・・・排出ローラ部
80・・・当接部材
83・・・当接部
96,97・・・ガイド部材
130・・・制御部

Claims (15)

  1. 用紙を搬送向きに搬送する搬送部と、
    上記搬送向きに交差する主走査方向に移動するキャリッジと、
    上記キャリッジに搭載されており、インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドと、
    上記搬送向きにおいて上記記録ヘッドよりも上流側に設けられ、上記搬送部に搬送される用紙の上面と対向する当接部材と、
    上記搬送部に搬送される用紙の下面と対向する支持リブと、
    制御部と、を備え、
    上記搬送部に搬送される用紙は、上記当接部材と上記支持リブにより、上記記録ヘッドと対向する部分が、上記記録ヘッドと用紙との間隔が減少から増加に転じる境界である山頂部分と増加から減少に転じる境界である谷底部分とが上記主走査方向に並ぶ形状に変形させられ、
    上記制御部は、
    上記搬送向きに所定量だけ用紙を上記搬送部に搬送させる搬送処理と、
    上記キャリッジを上記主走査方向に移動させ、且つ上記記録ヘッドの上記ノズルからインクを吐出させる記録処理と、を繰り返し実行し、
    さらに、上記制御部は、
    用紙の後端の位置を検知する検知処理を実行し、
    上記記録処理は、
    上記搬送処理後に上記検知処理で検知された用紙の後端が上記当接部材を通過していない場合には、上記山頂部分及び上記谷底部分に着弾すべきインクを第1吐出タイミングで上記記録ヘッドの上記ノズルから吐出させる第1記録処理と、
    上記搬送処理後に上記検知処理で検知された用紙の後端が上記当接部材を通過している場合には、上記山頂部分及び上記谷底部分に着弾すべきインクを、用紙上における上記主走査方向の基準位置から着弾位置が離れるほど上記第1吐出タイミングからずれた第2吐出タイミングで上記記録ヘッドの上記ノズルから吐出させる第2記録処理と、を含み、
    上記第2吐出タイミングでは、
    上記基準位置より上記キャリッジの移動向きの上流側の各着弾位置に着弾させるインクが上記第1吐出タイミングより早く吐出され、
    上記基準位置より上記キャリッジの移動向きの下流側の各着弾位置に着弾させるインクが上記第1吐出タイミングより遅く吐出されるインクジェット記録装置。
  2. 上記搬送部は、
    上記キャリッジより上記搬送向きの上流側に設けられており、用紙を挟持して上記搬送向きに搬送する搬送ローラ部を含み、
    上記記録処理は、上記山頂部分及び上記谷底部分に着弾すべきインクを、上記基準位置から着弾位置が離れるほど上記第1吐出タイミングからずれた第3吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる第3記録処理をさらに含み、
    上記第3吐出タイミングでは、
    上記基準位置より上記キャリッジの移動向きの上流側の各着弾位置に着弾させるインクが上記第1吐出タイミングより遅く吐出され、
    上記基準位置より上記キャリッジの移動向きの下流側の各着弾位置に着弾させるインクが上記第1吐出タイミングより早く吐出され、
    上記制御部は、
    上記検知処理で検知された用紙の後端が上記搬送ローラ部を通過した後で且つ上記当接部材を通過していない場合には、上記第3記録処理を実行する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 上記搬送部に搬送される用紙は、上記記録ヘッドと対向する部分に、上記山頂部分と上記谷底部分とをそれぞれ複数有しており、さらに、上記複数の山頂部分と上記複数の谷底部分とが上記主走査方向に交互に並んでおり、
    吐出タイミングの基準となる基準値と、上記山頂部分の上記第1吐出タイミングを上記基準値より遅らせるための複数の山頂ズレ値と、上記谷底部分の上記第1吐出タイミングを上記基準値より早めるための複数の谷底ズレ値と、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を調整するための複数の調整値と、を記憶する記憶部をさらに備えており、
    上記調整値は、上記キャリッジの移動向きの上流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく減少させ、上記キャリッジの移動向きの下流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく増加させる値であり、
    上記制御部は、上記山頂部分及び上記谷底部分に着弾させるインクを、
    上記第1記録処理において、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第1吐出タイミングで上記記録ヘッドの上記ノズルから吐出させ、
    上記第2記録処理において、対応する上記調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第2吐出タイミングで上記記録ヘッドの上記ノズルから吐出させる請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より上流側に位置する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記調整値は、上記基準位置から離れるほど小さい0以下の値であり、
    上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より下流側に位置する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記調整値は、上記基準位置から離れるほど大きい0以上の値であり、
    上記第2記録処理における上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値は、当該山頂ズレ値及び当該谷底ズレ値に対応する上記調整値が加算されることによって調整される請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 上記制御部は、上記主走査方向において隣接する上記山頂部分及び上記谷底部分の間に位置する中途部分に着弾させるインクを、
    上記第1記録処理において、上記中途部分に隣接する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を予め用意された補間関数に入力して得られるズレ値だけ上記基準値からずれた上記第1吐出タイミングで上記記録ヘッドの上記ノズルから吐出させ、
    上記第2記録処理において、上記中途部分に隣接する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を上記補間関数に入力して得られるズレ値だけ上記基準値からずれた上記第2吐出タイミングで上記記録ヘッドの上記ノズルから吐出させる請求項3又は4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 吐出タイミングの基準となる基準値と、上記山頂部分の上記第1吐出タイミングを上記基準値より遅らせるための複数の山頂ズレ値と、上記谷底部分の上記第1吐出タイミングを上記基準値より早めるための複数の谷底ズレ値と、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を調整するための複数の第1調整値及び複数の第2調整値と、を記憶する記憶部をさらに備えており、
    上記第1調整値は、上記キャリッジの移動向きの上流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく減少させ、上記キャリッジの移動向きの下流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく増加させる値であり、
    上記第2調整値は、上記キャリッジの移動向きの上流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく増加させ、上記キャリッジの移動向きの下流側に上記基準位置から離れるほど上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を大きく減少させる値であり、
    上記制御部は、上記山頂部分及び上記谷底部分に着弾させるインクを、
    上記第1記録処理において、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第1吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させ、
    上記第2記録処理において、上記第1調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第2吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させ、
    上記第3記録処理において、上記第2調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値だけ上記基準値からずれた上記第3吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  7. 上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より上流側に位置する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記第1調整値は、上記基準位置から離れるほど小さい0以下の値であり、
    上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より下流側に位置する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記第1調整値は、上記基準位置から離れるほど大きい0以上の値であり、
    上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より上流側に位置する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記第2調整値は、上記基準位置から離れるほど大きい0以上の値であり、
    上記キャリッジの移動向きにおける上記基準位置より下流側に位置する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記第2調整値は、上記基準位置から離れるほど小さい0以下の値であり、
    上記第2記録処理における上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値は、当該山頂ズレ値及び当該谷底ズレ値に対応する上記第1調整値が加算されることによって調整され、
    記第3記録処理における上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値は、当該山頂ズレ値及び当該谷底ズレ値に対応する上記第2調整値が加算されることによって調整される請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 上記制御部は、上記主走査方向において隣接する上記山頂部分及び上記谷底部分の間に位置する中途部分に着弾させるインクを、
    上記第1記録処理において、上記中途部分に隣接する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を予め用意された補間関数に入力して得られるズレ値だけ上記基準値からずれた上記第1吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させ、
    上記第2記録処理において、上記中途部分に隣接する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記第1調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を上記補間関数に入力して得られるズレ値だけ上記基準値からずれた上記第2吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させ、
    記第3記録処理において、上記中途部分に隣接する上記山頂部分及び上記谷底部分の上記第2調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を上記補間関数に入力して得られるズレ値だけ上記基準値からずれた上記第3吐出タイミングで上記記録ヘッドに吐出させる請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 上記基準値は、上記記録ヘッドから吐出されたインクが上記山頂部分及び上記谷底部分の中央の位置である中間位置に到達するのに要する時間を表し、
    上記山頂ズレ値は、上記中間位置に着弾させるインクの吐出位置である基準吐出位置と、上記山頂部分に着弾させるインクの吐出位置である山頂吐出位置との上記主走査方向における距離を表し、
    上記谷底ズレ値は、上記中間位置に着弾させるインクの吐出位置である基準吐出位置と、上記谷底部分に着弾させるインクの吐出位置である谷底吐出位置との上記主走査方向における距離を表し、
    上記調整値は、用紙の形状に応じて上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を調整する上記主走査方向における距離を表し、
    上記第1吐出タイミングは、上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を上記キャリッジの移動速度で除算した値に上記基準値を加算することによって算出され、
    上記第2吐出タイミング又は上記第3吐出タイミングは、上記調整値で調整された上記山頂ズレ値及び上記谷底ズレ値を上記キャリッジの移動速度で除算した値に上記基準値を加算することによって算出される請求項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 上記制御部は、用紙の種類が第1種類である場合の上記第2吐出タイミング或いは上記第3吐出タイミングを、用紙の種類が上記第1種類より剛性の高い第2種類である場合より上記第1吐出タイミングから大きくずらす請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  11. 上記制御部は、用紙を構成する繊維の方向が上記搬送向きに沿う場合の上記第2吐出タイミング或いは上記第3吐出タイミングを、用紙を構成する繊維の方向が上記搬送向きと交差する場合より上記第1吐出タイミングから大きくずらす請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  12. 当該インクジェット記録装置周辺の温度を計測する温度センサをさらに備えており、
    上記制御部は、上記温度センサによって計測された温度が予め定められた閾値温度より高い場合の上記第2吐出タイミング或いは上記第3吐出タイミングを、上記閾値温度以下の場合より上記第1吐出タイミングから大きくずらす請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  13. 当該インクジェット記録装置周辺の湿度を計測する湿度センサをさらに備えており、
    上記制御部は、上記湿度センサによって計測された湿度が予め定められた閾値湿度より高い場合の上記第2吐出タイミング或いは上記第3吐出タイミングを、上記閾値湿度以下の場合より上記第1吐出タイミングから大きくずらす請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  14. 上記当接部材と上記支持リブは、それぞれ複数設けられており、
    上記複数の当接部材と上記複数のリブとは、上記主走査方向において交互に配列されている請求項1から13のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. 複数のサイズの用紙を支持可能であって、用紙の幅方向の中央を予め定められた位置に一致させた状態で当該用紙の幅方向の両端の位置を決定する位置決め部材を有する給紙トレイをさらに備えており、
    上記基準位置は、上記主走査方向における用紙の中央である請求項1から14のいずれかに記載のインクジェット記録装置
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