JP2011051182A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化及びコストアップを伴わずに回転体の原点位置を決定することができる手段を提供する。
【解決手段】制御部100は、キャリッジ41を第1検知位置へ移動させてLFモータ85を駆動させ、用紙検出センサ32の検出結果に基づいて、搬送ローラ60の原点位置を決定し、キャリッジ41を第2検知位置へ移動させてLFモータ85を駆動させ、用紙検出センサ32の検出結果に基づいて、排紙ローラ62の原点位置を決定する。
【選択図】図12

Description

本発明は、複数の回転体の原点位置を決定する画像記録装置に関する。
画像記録装置は、記録用紙などの被記録媒体を搬送して画像記録を行う。この被記録媒体の搬送手段として搬送ローラや排出ローラが知られている。搬送ローラや排出ローラは、被記録媒体に接触した状態で回転されることによって被記録媒体を搬送する。高画質な画像記録が実現されるためには、被記録媒体が正確に搬送される必要がある。そのために、搬送ローラや排出ローラの回転量は正確に制御される。搬送ローラや排出ローラの回転変位を把握するために、フラグを有するプーリを搬送ローラ及び排出ローラの端にそれぞれ設けて搬送ローラ及び排出ローラと共に回転させ、各フラグをフォトインタラプタでそれぞれ検出する構成が知られている(特許文献1参照)。
特許文献2に記載された構成では、インクリメンタル型のロータリーエンコーダが、搬送ローラ及び排出ローラにそれぞれ設けられている。この搬送ローラと排出ローラとは、R1:R2の回転比で回転される。搬送ローラ及び排出ローラにそれぞれ設けられた各ロータリーエンコーダのスリット数はL1,L2である。そして、R1×L1の値とR2×L2の値が互いに素の関係となるように定められている。これにより、搬送ローラがR1周回転され、排出ローラがR2周回転されるまでに、両者と共に回転される各ロータリーエンコーダのパルスが同時となるタイミングが生じる。このタイミングを基準として搬送ローラ及び排出ローラの各原点位置が検出される。
特許文献3には、第1の搬送ローラの搬送量を検出する第1のエンコーダセンサと、第2の搬送ローラの搬送量を検出する第2のエンコーダセンサとが設けられ、それぞれの出力信号に基づいて記録媒体の搬送を制御する構成が開示されている。
特許文献4には、ローラの搬送誤差を検出するためのテストパターンを記録媒体に形成させて、そのテストパターンを用いてローラの偏心に依存する搬送誤差を補正する構成が開示されている。そして、記録装置が備える複数のローラに対して、複数のテストパターンを記録媒体にそれぞれ形成させて、各ローラの補正値を得ることが開示されている。
特開平6−143705号公報 特開2008−280108号公報 特開2008−49555号公報 特開2008−260166号公報
しかしながら、特許文献1に記載された装置では、原点位置を決定するためのプーリやフォトインタラプタが、搬送ローラ及び排出ローラにそれぞれ設けられることが必要である。したがって、これら部材の増加によって、装置が大型化するとともにコストが嵩むといった別の問題が生じる。
特許文献2に記載された装置では、原点位置を決定するための機構を各ローラに設ける必要がない。しかしながら、特許文献2に開示されているような基準となるパルスが発生するタイミングは、機械的な構成における誤差や、演算装置の処理の遅れなどを原因として、容易にずれるおそれがある。
また、モータから搬送ローラや排出ローラまでのギヤ比は等しくないため、搬送ローラ及び排出ローラの各位相は独立に変化する。したがって、それぞれのローラに対して適切な補正値が算出されることが望まれる。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置の大型化及びコストアップを伴わずに回転体の原点位置を決定することができる手段を提供することにある。
(1) 本発明に係る画像記録装置は、当該装置において回転される第1回転体と、当該装置において回転される第2回転体と、上記第1回転体を回転させるための駆動力を付与する第1駆動源と、上記第2回転体を回転させるための駆動力を付与する第2駆動源と、上記第1回転体と同期して回転される同期軸の回転量を検出する第1検出手段と、上記第2回転体と同期して回転される同期軸の回転量を検出する第2検出手段と、被記録媒体に画像記録を行う記録ヘッドが搭載されており、上記被記録媒体が搬送される搬送向きと交差する移動方向へ移動するキャリッジと、上記キャリッジに搭載されており、対象物の所定の物理量を検出する第3検出手段と、搬送される上記被記録媒体と対向するときの上記第3検出手段の検出結果に基づいて、搬送される上記被記録媒体を検出する被記録媒体検出手段と、上記第3検出手段と対向し得る位置に配置されて上記第1回転体に同期して回転される第1被検知回転部材と、上記第3検出手段と対向し得る位置に配置されて上記第2回転体に同期して回転される第2被検知回転部材と、上記第3検出手段が上記第1被検知回転部材を検知し得る第1検知位置へ上記キャリッジを移動させて、上記第1駆動源を駆動させて上記第1回転体を回転させ、このときの上記第1検出手段の検出結果及び上記第3検出手段の検出結果に基づいて、上記第1回転体の原点位置を決定する第1原点決定手段と、上記第3検出手段が上記第2被検知回転部材を検知し得る第2検知位置へ上記キャリッジを移動させて、上記第2駆動源を駆動させて上記第2回転体を回転させ、このときの上記第2検出手段の検出結果及び上記第3検出手段の検出結果に基づいて、上記第2回転体の原点位置を決定する第2原点決定手段と、を備える。
キャリッジが第1検知位置へ移動されて、第1駆動源によって第1回転体が駆動されると、第1回転体に同期して第1被検知回転部材が回転される。第1原点決定手段は、第3検出手段による第1被検知回転部材の検出結果に基づいて、そのときの第1回転体の原点位置を決定する。
キャリッジが第2検知位置へ移動されて、第2駆動源によって第2回転体が駆動されると、第2回転体に同期して第2被検知回転部材が回転される。第2原点決定手段は、第3検出手段による第2被検知回転部材の検出結果に基づいて、第2回転体の原点位置を決定する。
(2) 上記第1被検知回転部材及び上記第2被検知回転部材は、1回転を1周期として変化して上記第3検出手段により検出可能な物理量をそれぞれ有するものが好ましい。
(3) 上記第1被検知回転部材が1回転すると、上記第1回転体がM回(Mは自然数)回転し、上記第2被検知回転部材が1回転すると、上記第2回転体がN回(Nは自然数)回転することが好ましい。
これにより、第1被検知回転部材が所定の位相にあるときの第1回転体の位相が一意に決まる。また、第2被検知回転部材が所定の位相にあるときの第2回転体の位相が一意に決まる。
(4) 上記M,Nは共に1であることが好ましい。
これにより、第1回転体又は第2回転体が1回転すれば、原点位置が検出できるので、迅速な原点位置の検出が実現される。
(5) 上記第1回転体として、上記キャリッジより上記搬送向きの上流側に配置されて、被記録媒体を上記搬送向きへ搬送する第1搬送ローラが挙げられる。上記第2回転体として、上記キャリッジより上記搬送向きの下流側に配置されて、被記録媒体を上記搬送向きへ搬送する第2搬送ローラが挙げられる。上記記録ヘッドは、上記第1搬送ローラ又は上記第2搬送ローラの少なくとも一方によって搬送される被記録媒体に画像記録を行うものである。
(6) 上記第1駆動源及び上記第2駆動源は同一の駆動源であってもよい。上記画像記録装置は、上記第1搬送ローラ又は上記第2搬送ローラの少なくとも一方によって、被記録媒体の搬送と静止とを交互に繰り返す間欠搬送をすべく上記駆動源の駆動を制御し、その間欠搬送において被記録媒体が静止されている間に、上記キャリッジを移動させながら、上記記録ヘッドにより当該被記録媒体に画像記録を行わせる制御手段を備えるものであってもよい。
(7) 上記画像記録装置は、上記第1搬送ローラの上記原点位置からの回転量である回転位相と上記第1搬送ローラの目標回転量の補正値との対応関係、及び上記第2搬送ローラの上記原点位置からの回転量である回転位相と上記第2搬送ローラの目標回転量の補正値との対応関係を各々記憶する記憶手段を備えてもよい。上記制御手段は、上記第1原点決定手段及び上記第2原点決定手段によってそれぞれ決定された各原点位置と、上記第1検出手段及び上記第2検出手段によってそれぞれ検出された上記第1回転体の回転量及び上記第2回転体の回転量と、上記記憶手段に記憶されている上記対応関係とに基づいて、上記第1搬送ローラ又は上記第2搬送ローラの回転量を補正すべく上記駆動源の駆動を制御するものであってもよい。
これにより、第1搬送ローラ及び第2搬送ローラの回転量を目標回転量として、間欠搬送における被記録媒体の搬送精度が高められる。
(8) 上記画像記録装置は、上記被記録媒体が上記第1搬送ローラ及び上記第2搬送ローラのいずれに接触しているかを判断する判断手段を備えてもよい。上記制御手段は、上記判断手段の判断に基づいて、上記第1搬送ローラの回転量又は上記第2搬送ローラの回転量のいずれを補正するかを決定するものであってもよい。
これにより、第1搬送ローラ又は第2搬送ローラのいずれか一方のみによって被記録媒体が搬送される際の搬送精度が高められる。
(9) 上記第3検出手段が検出する物理量として、反射率又は距離が挙げられる。
(10) 上記第3検出手段として、上記対象物へ向けて光を照射する発光手段と、上記対象物からの反射光を受光して当該反射光量に応じた信号を出力する受光手段とを有するものが挙げられる。
本発明によれば、キャリッジと共に第3検出手段が第1検知位置へ移動され、その第3検出手段によって、第1回転体に同期して回転される第1被検知回転部材が検出され、その検出結果に基づいて第1原点決定手段が第1回転体の原点位置を決定する。また、キャリッジと共に第3検出手段が第2検知位置へ移動され、その第3検出手段によって、第2回転体に同期して回転される第2被検知回転部材が検出され、その検出結果に基づいて第2原点決定手段が第2回転体の原点位置を決定する。これにより、画像記録装置が他の目的のために備える部材を有効活用して、装置の大型化及びコストアップを伴わずに複数の回転体の原点位置を検出することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機10の外観構成を示す斜視図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を示す模式図である。 図3は、プリンタ部11の内部構成を示す部分平面図である。 図4は、プリンタ部11の内部構成を示す部分斜視図である。 図5は、伝達ギヤ77周辺の構成を示す部分斜視図である。 図6は、第1ドラム131及び第2ドラム132の構成を示す平面図である。 図7は、図6におけるVII-VII切断線の断面を示す断面図である。 図8は、制御部100の構成を示すブロック図である。 図9は、記録用紙50の搬送量の周期的変動について説明するための図であり、(A)はエンコーダディスク71と光学センサ55の模式図であり、(B)はロータリーエンコーダ89から出力されるパルス信号あたりの記録用紙50の搬送量を例示するグラフである。 図10は、補正関数A(θ1)を取得する処理について説明するための図である。 図11は、補正関数A(θ1)を取得する処理について説明するための図である。 図12は、複合機10の電源が投入された際に複合機10で行われる処理の手順を例示するフローチャートである。 図13は、記録開始命令があったときに複合機10で行われる処理の手順を例示するフローチャートである。
以下、適宜図面が参照されて、本発明の好ましい実施形態が説明される。なお、以下に述べる各実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態が適宜変更できることは言うまでもない。
[複合機10の概略構成]
図1に示されるように、複合機10は、プリンタ部11とスキャナ部12とを一体的に備えており、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。プリンタ部11が本発明に係る画像記録装置に相当する。なお、複合機10は、必ずしもスキャナ部12を有している必要はなく、スキャナ機能やコピー機能を有しない単機能のプリンタとして本発明に係る画像記録装置が実施されてもよい。したがって、スキャナ部12の詳細な構成の説明は、ここでは省略される。
複合機10の下部にプリンタ部11が設けられている。プリンタ部11の正面側に開口13が形成されている。プリンタ部11には、開口13を通じて給紙カセット21及び給紙カセット22が装着される。給紙カセット21,22には、定形の矩形の記録用紙50が載置される(図2参照)。プリンタ部11では、給紙カセット21又は給紙カセット22からプリンタ部11内へ記録用紙50が選択的に供給される。この記録用紙50は、記録部40(図2参照)によって画像が記録された後に給紙カセット22の上面23に排出される。上面23は、排紙トレイとして機能する。記録用紙50は、本発明における被記録媒体の一例である。
複合機10は、主にコンピュータなどの外部情報機器(不図示)と接続された状態で使用される。プリンタ部11は、外部情報機器から受信した印刷データやスキャナ部12で読み取られた原稿の画像データに基づいて、記録用紙50に画像を記録する。
複合機10の正面上部に操作パネル14が設けられている。操作パネル14には、各種情報を表示するディスプレイや情報の入力を受け付ける入力キーが設けられている。複合機10は、操作パネル14から入力された指示情報、又は外部情報機器からプリンタドライバやスキャナドライバなどを通じて送信される指示情報に基づいて動作する。
[プリンタ部11]
以下、図2〜図8が適宜参照されながら、プリンタ部11の構成が説明される。
図2に示されるように、給紙カセット21と給紙カセット22とは、給紙カセット22を上側として上下二段に配置されている。給紙カセット21及び給紙カセット22は、いずれも画像記録が行われる記録用紙50を保持するものである。独立した2つの給紙カセット21及び給紙カセット22が設けられることによって、それぞれにサイズや紙種が異なる記録用紙50が保持され得る。
給紙カセット21は、複合機10の背面側の一部が開口された容器形状のものであり、その内部空間に記録用紙50が積層状態で載置される。給紙カセット21には、例えば、A3サイズ以下のA4サイズ、B5サイズ、はがきサイズ等の各種サイズの記録用紙50が収容可能である。
給紙カセット22は、複合機10の背面側(図2における右側)の一部が開口された容器形状のものであり、その内部空間に記録用紙50が積層状態で載置される。給紙カセット22には、例えば、A3サイズ以下のA4サイズ、B5サイズ、はがきサイズ等の各種サイズの記録用紙50が収容可能である。給紙カセット22の上面23は、複合機10の正面側(図2における左側)に設けられている。
[第1供給部28]
給紙カセット22の傾斜板24の上側には、湾曲状に形成された搬送路18が設けられている。プリンタ部11に給紙カセット22が装着されると、傾斜板24が搬送路18の下方に配置され、且つ、給紙カセット22の上側に第1供給部28が配置される。第1供給部28は、給紙ローラ25、アーム26及び軸27を有している。給紙ローラ25は、アーム26の先端側に回転可能に設けられている。アーム26は、プリンタ部11の筐体に支持された軸27に回動可能に設けられている。アーム26は、自重によって或いはバネ等による弾性力を受けて給紙カセット22側へ回動付勢されている。
[第2供給部38]
給紙カセット21の傾斜板34の上側には、湾曲状に形成された搬送路17が設けられている。プリンタ部11に給紙カセット21が装着されると、傾斜板34が搬送路17の下方に配置され、且つ、給紙カセット21の上側に第2供給部38が配置される。第2供給部38は、給紙ローラ35、アーム36及び軸37を有している。給紙ローラ35は、アーム36の先端側に回転可能に設けられている。アーム36は、プリンタ部11の筐体に支持された軸37に回動可能に設けられている。アーム36は、自重によって或いはバネ等による弾性力を受けて給紙カセット21側へ回動付勢されている。
[搬送路17,18,19]
プリンタ部11の内部には、搬送路17及び搬送路18と連続する搬送路19が設けられている。搬送路19は、搬送路17又は搬送路18に沿って搬送された記録用紙50が搬送される経路であり、搬送路17と搬送路18とが合流する位置から複合機10の正面側へ向けて給紙カセット22の上面23の上方まで延出されている。
搬送路19における搬送ローラ60より搬送向き124の上流側には、レジストセンサ30が設けられている。レジストセンサ30は、搬送路19を通過する記録用紙50の有無を検出する。レジストセンサ30からのオン/オフの信号変化によって、記録用紙50の先端又は後端がレジストセンサ30が設けられた位置に到達したか否かが判断される。
[プラテン43]
図2に示されるように、搬送路19にプラテン43が設けられている。プラテン43は、搬送路19に沿って搬送される記録用紙50を下から支持するものである。このプラテン43の上側に記録部40が配置されている。この記録部40については後述される。プラテン43の上面は、記録用紙50の反射率と異なる反射率となるように着色されている。記録用紙50は、白色であることが通常なので、プラテン43の上面は、例えば黒色に着色される。
[パージ機構67及び廃インクトレイ66]
図3及び図4に示されるように、プラテン43に対して幅方向121の両側には、パージ機構67及び廃インクトレイ66が夫々配置されている。廃インクトレイ66は、プラテン43に対して幅方向121の伝達ギヤ77側(図3における左側、不図示)に配置されており、パージ機構67は、プラテン43に対して幅方向121の反対側(図3における右側)に配置されている。
パージ機構67は、主としてキャップ68、ワイパ69と吸引ポンプ(不図示)とから構成されている。キャップ68は、LFモータ85(図5参照)から駆動伝達されて、記録ヘッド42のノズル面に対して接離する高さ方向122(図3において紙面に直交する方向)へ移動される。キャップ68は、ノズル面に密着して、各ノズル口を密閉空間で覆う。キャップ68の底面には開口が設けられており、この開口が流路を通じて吸引ポンプに連結されている。吸引ポンプは、いわゆるチューブポンプであり、LFモータ85からの駆動伝達により動作される。吸引ポンプが動作されると、キャップ68の内部空間に吸引圧が発生し、この吸引圧によって、記録ヘッド42の各ノズル口からインクがキャップ68内へ吸引される。記録ヘッド42からインクが吸引される際に、記録ヘッド42内に生じた気泡やゴミなどがインクとともにキャップ68内へ吸引される。本明細書において、このような吸引動作がパージと称される。
ワイパ69は、記録ヘッド42のノズル面に当接して、ノズル面に付着したインクを拭うものである。ワイパ69は、ゴムなどの弾性部材からなる平板形状の部材であり、ノズル面において搬送方向124へ並ぶ全ノズル口の範囲より長い幅を有し、その幅方向が奥行き方向123となるように配置されている。ワイパ69は、LFモータ85から駆動伝達されて記録ヘッド42のノズル面に対して接離する高さ方向122へ移動される。ワイパ69は、パージ機構67よりプラテン43側に配置されている。ワイパ69は、主としてパージ機構67によってパージされた記録ヘッド42のノズル面に残留するインクを拭い取るために用いられる。本明細書において、このように記録ヘッド42のノズル面のインクを拭い取る動作がワイピングと称される。
図4に示されるように、プラテン43の幅方向121の一方端であって、後述される伝達ギヤ77(図3参照)が配置される側には、廃インクトレイ66が設けられている。廃インクトレイ66は、メンテナンスのために記録ヘッド42から噴出されるインク滴を受けるものである。廃インクトレイ66は、記録ヘッド42のノズル領域に対応するトレイ形状であり、その内部空間にインク吸収材が充填されている。インク吸収材は、記録ヘッド42から噴出されたインク滴を吸収して保持する。例えばパージが行われてワイパ69によってノズル面のインクが拭い取られると、各ノズル口に、対応するインク色以外のインクが若干混入するおそれや、各ノズル口におけるインクのメニスカスが正常でない状態となるおそれがある。したがって、パージの後に記録ヘッド42の全ノズル口からインク滴を噴出することによって、混入したインクを排出したり、各ノズル口のメニスカスを正常な状態に復帰させる。本明細書において、このようなインク滴の噴出動作がフラッシングと称される。
[搬送ローラ対59]
プラテン43よりも記録用紙50の搬送向き124の上流側に搬送ローラ対59が設けられている。搬送ローラ対59は、搬送ローラ60及びピンチローラ61からなる。搬送ローラ60は、搬送路19の上側に配置されており、LFモータ85(図5参照)からの駆動力を受けて回転する。ピンチローラ61は、搬送路19を挟んで搬送ローラ60の下側に回転自在に配置されており、搬送ローラ60へ向けてバネによって付勢されている。搬送ローラ60及びピンチローラ61による記録用紙50の挟持力は、後述される排紙ローラ62及び拍車63による挟持力よりも強い。この搬送ローラ60が、本発明における第1回転体、第1搬送ローラに相当する。
[排出ローラ対64]
プラテン43よりも記録用紙50の搬送向き124の下流側に排出ローラ対64が設けられている。排出ローラ対64は、排紙ローラ62及び拍車63からなる。排紙ローラ62は、搬送路19の下側に配置されており、LFモータ85(図5参照)からの駆動力を受けて回転する。拍車63は、搬送路19を挟んで排紙ローラ62の上側に回転自在に配置されており、排紙ローラ62へ向けてバネによって付勢されている。排紙ローラ62及び拍車63は、画像記録後の記録用紙50を挟み込むものなので、その挟持力が、搬送ローラ60及びピンチローラ61による記録用紙50の挟持力より弱くなるように設定されている。この排紙ローラ62が、本発明における第2回転体、第2搬送ローラに相当する。
[LFモータ85]
図5に示されるように、プリンタ部11には、LFモータ85が設けられている。LFモータ85は、搬送ローラ60及び排紙ローラ62を回転制御しつつ回転させるものである。LFモータ85としては、例えばDCモータが挙げられる。このLFモータ85が、本発明における第1駆動源及び第2駆動源に相当する。つまり、本実施形態では、1つのLFモータ85によって、本発明における第1駆動源及び第2駆動源が実現されている。
LFモータ85の出力軸75は、その外周に平歯が形成されており、伝達ギヤ77と噛合している。伝達ギヤ77は、平歯ギヤであり、搬送ローラ60の軸76に同軸に連結されており、軸76と同期して回転する。伝達ギヤ77によって、LFモータ85の回転が搬送ローラ60の軸76に伝達される。
伝達ギヤ77は、伝達ギヤ78と噛合されている。この伝達ギヤ78には、平歯が形成されたプーリ79が同軸に連結されている。図4に示されるように、排紙ローラ62の軸80にも、平歯が形成されたプーリ81が設けられている。この2つのプーリ79,81に内側に歯が形成されたベルト82が巻回されている。これにより、LFモータ85の回転が、排紙ローラ62の軸80に伝達される。また、搬送ローラ60と排紙ローラ62とが同期して回転される。
なお、搬送ローラ60及び排紙ローラ62においては、それぞれの必要な強度とコスト、或いは加工技術の問題上、周辺の他部品との位置関係などの種々の要因から決定されるため、また、複数のローラの回転位相をずらすことで周期的な回転むらの発生を防ぐように設計されるため、一般に搬送ローラ60の半径と排紙ローラ62の半径とは等しくない。LFモータ85から搬送ローラ60までのギヤ比と、LFモータ85から排紙ローラ62までのギヤ比との比は、搬送ローラ60の半径と排紙ローラ62の半径との比の概ね逆数になっているため、搬送ローラ60と排紙ローラ62とは、半径が異なっても概ね同じ周速で回転することができる。ただし、搬送ローラ60及び排紙ローラ62の両方で記録用紙50を搬送しているときの記録用紙50の弛みを防ぐため、搬送ローラ60の周速よりも排紙ローラ62の周速の方が若干大きく設定されている。
搬送ローラ60及び排紙ローラ62は、記録部40による画像記録が行われる際には、LFモータ85によって間欠駆動される。間欠駆動とは、所定の目標搬送量に相当する回転量だけ搬送ローラ60及び排紙ローラ62が回転するまでLFモータ85が連続して駆動され、目標搬送量に到達すると所定時間だけLFモータ85が停止され、これらを交互に繰り返す駆動方式である。
搬送路19に供給された記録用紙50が搬送ローラ60及びピンチローラ61の間に到達すると、その記録用紙50は、搬送ローラ60とピンチローラ61とに挟持された状態で、搬送ローラ60の回転力を受けてプラテン43上へ送り出される。この記録用紙50が排紙ローラ62及び拍車63の間に到達すると、その記録用紙50は、排紙ローラ62と拍車63とに挟持された状態で、排紙ローラ62の回転力を受けて給紙カセット22の上方へ送り出される。
このように、記録用紙50は、搬送ローラ60及び排紙ローラ62の少なくとも一方の回転力を受けてプラテン43上を搬送される。その際、搬送ローラ60及び排紙ローラ62が間欠駆動されているので、記録用紙50は、搬送路19に沿って間欠搬送される。そして、間欠搬送において記録用紙50がプラテン43上に静止された間に、記録部40による画像記録が行われる。
なお、記録部40による画像記録が行われていない間は、搬送ローラ60及び排紙ローラ62が間欠駆動される必要はない。したがって、記録ヘッド42による記録動作の開始前や記録動作が完了した後は、搬送ローラ60及び排紙ローラ62が連続して回転される。
[エンコーダディスク71、光学センサ55]
図3から図5に示されるように、搬送ローラ60の軸76には、エンコーダディスク71が設けられている。エンコーダディスク71は、透明な円盤状のものであり、光を遮るマークが周方向に所定ピッチで記されている。このエンコーダディスク71は、搬送ローラ60の軸76に固定されており、搬送ローラ60と共に回転する。光学センサ55は、発光素子及び受光素子が幅方向121に所定の間隔を隔てられて対向して配置されたものである。光学センサ55は、発光素子と受光素子との間の空間にエンコーダディスク71の周縁が位置するように設けられている。光学センサ55の受光素子で光が受光されると、受光した光の輝度に応じたレベルの電気信号が光学センサ55で生成される。発光素子と受光素子との間にマークが位置している状態では、LOWレベルの電気信号が生成される。発光素子と受光素子との間にマークが位置していない状態では、HIレベルの電気信号が生成される。すなわち、光学センサ55によってエンコーダディスク71のマークが検出される毎にパルス信号が生成される。このパルス信号は、制御部100へと出力される。このエンコーダディスク71及び光学センサ55によって、本発明における第1検出手段及び第2検出手段が実現されている。なお、本実施形態では、本発明における第1検出手段及び第2検出手段が、エンコーダディスク71及び光学センサ55によって兼ねられているが、これらはそれぞれ別に実現されてもよい。
[記録部40]
図2から図4に示されるように、記録部40は、プラテン43の上側にプラテン43と所定間隔を隔てられて対向して配置されている。すなわち、記録部40は、搬送ローラ対59よりも搬送向き124の下流側に配置されている。記録部40は、インクジェット記録方式の記録ヘッド42と、キャリッジ41とを備えている。
[キャリッジ41]
図4に示されるように、キャリッジ41は、直方体形状をなしている。記録ヘッド42は、このキャリッジ41に搭載されて、下面側へ露出されている。キャリッジ41は、後述されるガイドフレーム44,45に沿って幅方向121へ移動可能である。
[ガイドフレーム44,45]
図3及び図4に示されるように、搬送路19の上側において、搬送向き124に所定の間隔が隔てられて、一対のガイドフレーム44,45が設けられている。ガイドフレーム44,45は、幅方向121へ延設されている。ガイドフレーム44は、ガイドフレーム45よりも搬送向き124の上流側に設けられている。キャリッジ41は、ガイドフレーム44,45を跨ぐようにしてガイドフレーム44,45に載置されている。これにより、キャリッジ41は、搬送路19を挟んでプラテン43と対向して配置されている。なお、図2では、ガイドフレーム44,45は省略されている。
キャリッジ41の搬送向き124の上流側の端部は、ガイドフレーム44の上面に摺動自在に支持されている。キャリッジ41の搬送向き124の下流側の端部は、ガイドレーム45の上面に摺動自在に支持されている。ガイドフレーム45の端部39は、ガイドフレーム45が上方へ向かって略直角に曲折されたものであり、幅方向121へ延出されている。キャリッジ41は、この端部39を不図示の高摺動性の樹脂部材等によって挟持している。これにより、キャリッジ41は、端部39を基準として幅方向121への移動が可能である。
[ベルト駆動機構46]
図3及び図4に示されるように、ガイドフレーム45の上面にベルト駆動機構46が設けられている。ベルト駆動機構46は、駆動プーリ47、従動プーリ48、及びベルト49を有している。駆動プーリ47及び従動プーリ48は、幅方向121の両端付近にそれぞれ設けられている。ベルト49は、内側に歯が設けられた無端環状のものであり、駆動プーリ47と従動プーリ48との間に架け渡されている。
駆動プーリ47の軸にCRモータ86(図4参照)が接続されている。駆動プーリ47は、CRモータ86の駆動力を受けて回転する。この駆動プーリ47の回転力によってベルト49が周運動する。キャリッジ41は、このベルト49に固定されているので、ベルト49が周運動することによって幅方向121へ移動する。
[エンコーダストリップ51、光学センサ52]
図3及ぶ図4に示されるように、ガイドフレーム45には、エンコーダストリップ51が設けられている。エンコーダストリップ51は、キャリッジ41の幅方向121における移動範囲にわたって架設されている。エンコーダストリップ51は、透明な樹脂からなる帯状のものである。エンコーダストリップ51には、光を遮る遮光部と、光を透過させる透光部とが等ピッチで交互に並んだパターンが記されている。キャリッジ41には、このエンコーダストリップ51のパターンを検出するための光学センサ52が搭載されている。
光学センサ52は、発光素子及び受光素子が奥行き方向123に所定の間隔が隔てられて対向して配置されたものである。光学センサ52は、発光素子と受光素子との間の空間にエンコーダストリップ51が位置するように設けられている。光学センサ52の受光素子で光が受光されると、受光した光の輝度に応じたレベルの電気信号が光学センサ52で生成される。発光素子と受光素子との間にマークが位置している状態では、LOWレベルの電気信号が生成される。発光素子と受光素子との間にマークが位置していない状態では、HIレベルの電気信号が生成される。すなわち、光学センサ52によってエンコーダストリップ51のマークが検出される毎にパルス信号が生成される。このパルス信号は、制御部100へと出力される。
[記録ヘッド42]
図2及び図4に示されるように、記録ヘッド42は、そのノズルがキャリッジ41の下面から露出されている。ノズルは、幅方向121及び奥行き方向123に多数並べられている。この記録ヘッド42には、プリンタ部11の内部に配置されたインクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。搬送ローラ60及び排紙ローラ62が間欠して記録用紙50がプラテン43上で静止される毎に、キャリッジ41が幅方向121へ移動される。このキャリッジ41と共に記録ヘッド42も幅方向へ移動され、その移動の間に、記録ヘッド42のノズルから微小なインク滴がプラテン43上の記録用紙50へ向けて選択的に噴出される。そして、搬送ローラ対59及び排出ローラ対64によって所定の改行幅だけ記録用紙50が搬送向き124へ搬送される。このような記録用紙50の間欠搬送と、キャリッジ41の移動とが交互に繰り返されながら、記録ヘッド42によって記録用紙50に画像が記録される。
[用紙検出センサ32]
図2に示されるように、キャリッジ41には用紙検出センサ32が設けられている。用紙検出センサ32は、キャリッジ41の下面に露出されており、記録ヘッド42より搬送向き124の上流側に配置されている。用紙検出センサ32は、反射型の光学センサである。同図には詳細に現れていないが、用紙検出センサ32は発光素子と受光素子とを有する。この発光素子から光が高さ方向122の下方へ照射され、用紙検出センサ32の高さ方向122からの反射光を受光素子が受光する。そして、用紙検出センサ32は、受光素子の受光レベルに対応した電気信号を出力する。例えば、用紙検出センサ32の直下に記録用紙50があるときは、記録用紙50からの反射光量に応じた電気信号を用紙検出センサ32が出力する。用紙検出センサ32の直下にプラテン43が存在するときは、プラテン43からの反射光量に応じた電気信号を用紙検出センサ32が出力する。この用紙検出センサ32が、本発明における第3検出手段に相当する。用紙検出センサ32は、一定の強さの照射光の下で反射光の強さ、すなわち用紙検出センサ32に対向する領域の反射率に応じた電気信号を出力していることになる。この反射率が、本発明における物理量に相当する。
[第1ドラム131及び第2ドラム132]
図6に示されるように、プラテン43における幅方向121の伝達ギヤ77側には第1ドラム131及び第2ドラム132が設けられている。第1ドラム131は、搬送ローラ60の回転に同期して回転されるものであり、第2ドラム132は、排紙ローラ62の回転に同期して回転されるものである。本実施形態では、搬送ローラ60と排紙ローラ62とは同期して回転されるので、搬送ローラ60、排紙ローラ62、第1ドラム131及び第2ドラム132がすべて同期して回転する。第1ドラム131及び第2ドラム132は、幅方向121に並んで配置されており、第1ドラム131が、第2ドラム132より伝達ギヤ77側に配置されている。第1ドラム131と第2ドラム132とは、配置や回転比が異なる他は同様の構成なので、以下、第1ドラム131を例として詳細な構成が説明される。なお、図6及び図7においては、各ギヤの歯が省略されている。また、図6においては、キャリッジ41、プラテン43等が破線で示されている。
図6及び図7に示されるように、第1ドラム131は、プラテン43の下側に配置されている。第1ドラム131は、円筒形状の部材であり、幅方向121を軸方向としてプラテン43の下面側に回転自在に支持されている。プラテン43の上面において、幅方向121の伝達ギヤ77側の一部が切り欠かれており、この位置に配置された第1ドラム131がプラテン43の上側に対して露出されている。第1ドラム131の搬送向き124に対する位置は、キャリッジ41に搭載された用紙検出センサ32に対応して配置されている。したがって、キャリッジ41が伝達ギヤ77付近であって用紙検出センサ32が幅方向121に沿っても第1ドラム131と対向するような所定の位置に移動されると、第1ドラム131は、用紙検出センサ32に対向される。
図7に示されるように、第1ドラム131の周面において、一部が着色されて検知部133が形成されている。この検知部133は、用紙検出センサ32が検知部133に対向しているときとそれ以外の部分に対向しているときとで異なる電気信号を出力するよう、検知部133とその他の部分との反射率が異なるように構成されている。これは、検知部133とその他の部分とで表面粗さが異なっていたり、ドラムの円周面に対する面の角度が異なっていたり、表面の材質が異なっていたりすることによって実現される。本実施形態では、検知部133とその他の部分とが異なる色に着色されることで反射率を変化させている。具体的には、検知部133が白色に着色されており、他の部分が黒色に着色されている。ここで、検知部133は、第1ドラム131の周面において1箇所だけ設けられている。したがって、用紙検出センサ32から観測される第1ドラム131の周面の反射率は、第1ドラム131が1回転する間に1回だけ大きくなり、1回だけ小さくなるような変動をすることになる。これが、本発明における、1回転を1周期として変化して第3検出手段により検出可能な物理量を有している第1被検知回転部材が構成されているということである。
第1ドラム131の軸方向の一端側には、平歯ギヤ134が形成されている。また、搬送ローラ60の軸76には、平歯ギヤ130が設けられている。この平歯ギヤ130は、平歯ギヤ134と搬送向き124に対して対向する。この平歯ギヤ130と平歯ギヤ134とを連結するように伝達ギヤ135が設けられている。これにより、搬送ローラ60の軸76の回転が第1ドラム131へ伝達される。平歯ギヤ130,134及び伝達ギヤ135により軸76から第1ドラム131へ伝達される回転の比は、軸76が1周する間に第1ドラム131が1周するように設定されている。すなわち、LFモータ85からのギヤ比と、LFモータ85から第1ドラム131までのギヤ比とは等しい。
図6に示されるように、第2ドラム132も、プラテン43の下側に配置されており、用紙検出センサ32によって検知可能な検知部136を有する。また、第2ドラム132の軸方向の一端側には平歯ギヤ137が形成されており、搬送ローラ60の軸76に形成された平歯ギヤ130と、伝達ギヤ138を介して連結されている。これにより、搬送ローラ60の軸76の回転が第2ドラム132へ伝達される。平歯ギヤ130,137及び伝達ギヤ138により軸76から第2ドラム132へ伝達される回転の比は、軸76と同期して回転される排紙ローラ62の軸80が1周する間に、第2ドラム132が1周するように設定されている。すなわち、LFモータ85から排紙ローラ62までのギヤ比と、LFモータ85から第2ドラム132までのギヤ比とは等しい。第1ドラム131が、本発明における第1被検知回転部材に相当し、第2ドラム132が、本発明における第2被検知回転部材に相当する。
[制御部100]
図8に示される制御部100は、プリンタ部11のみならず、複合機10の全体動作を統括的に制御するものである。制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、EEPROM104、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)109を主とするマイクロコンピュータとして構成されている。この制御部100が本発明における被記録媒体検出手段、第1原点決定手段、第2原点決定手段、制御手段として機能する。なお、図8では、各モータ85,86,87からの駆動力の伝達経路が破線で示されている。
ROM102には、CPU101がモータ85,86,87や複合機10を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。このRAM103には、搬送ローラ60の現在の回転位相(以下、「現在位相θ1」という。)及び排紙ローラ62の現在の回転位相(以下、「現在位相θ2」という。)が格納されている。これら現在位相θ1,θ2は、搬送ローラ60及び排紙ローラ62が回転される毎に適宜更新される。EEPROM104は、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等を記憶する。このEEPROM104には、後述する補正値関数A(θ1)及び補正関数B(θ2)が格納されている。補正値関数A(θ1)は、搬送ローラ60の現在位相θ1と、搬送ローラ60の回転量あたりの記録用紙50の搬送量の補正値との対応関係を規定した関数である。補正値関数B(θ2)は、排紙ローラ62の現在位相θ2と、排紙ローラ62の回転量あたりの記録用紙50の搬送量の補正値との対応関係を規定した関数である。補正関数A(θ1)は、変数θ1を代入することによって一つの補正値C1を返すような対応関係であり、補正関数B(θ2)は、変数θ2を代入することによって一つの補正値C2を返すような対応関係である。これらの補正関数はテーブルの形で記憶されていてもよいし、多項式やその他の規則の形で記憶されてもよい。多項式で記憶されている場合には、多項式の形がROM102に記憶されて、多項式の各項の係数のみがEEPROM104に記憶されていてもよい。
ASIC109には、用紙検出センサ32、駆動回路72,73,74、リニアエンコーダ88、及びロータリーエンコーダ89が接続されている。なお、制御部100には、スキャナ部12や操作パネル14などが接続されているが、これらは本発明の趣旨には直接関係しないので、ここでは説明が省略される。
駆動回路72は、LFモータ85を駆動させるものである。LFモータ85には、伝達ギヤ77,78などを介して搬送ローラ60の軸76及び排紙ローラ62の軸が連結されている。駆動回路72は、ASIC109からの出力信号を受けてLFモータ85を駆動させる。LFモータ85の駆動力は軸76などに伝達され、搬送ローラ60と排紙ローラ62とが同期して回転する。搬送路19に供給された記録用紙50は、搬送ローラ60又は排紙ローラ62の回転力を受けて搬送路19に沿って搬送された後、給紙カセット22の上面23に排出される。
駆動回路73は、ASIC109からの出力信号を受けてCRモータ86を駆動させる。CRモータ86の駆動力は、ベルト駆動機構46を介してキャリッジ41に伝達される。これにより、キャリッジ41が幅方向121へ移動する。
駆動回路74は、ASFモータ87を駆動させるものである。ASFモータ87は、不図示の駆動伝達機構を介して、給紙ローラ25又は給紙ローラ35と連結される。駆動回路74は、ASIC109からの出力信号を受けてASFモータ87を回転させる。そして、駆動伝達機構が、ASFモータ87の駆動力を選択的に給紙ローラ25又は給紙ローラ35へ伝達する。給紙カセット21又は給紙カセット22内の最上位置の記録用紙50は、給紙ローラ25又は給紙ローラ35の回転力を受けて搬送路18,19へ供給される。
用紙検出センサ32は、受光素子が受光した光量に応じたアナログの電気信号(電圧信号又は電流信号)を出力する。制御部100は、用紙検出センサ32から出力された信号の電気的なレベル(電圧値又は電流値)が所定の閾値以上の場合にHIレベル信号と判定し、所定の閾値未満の場合にLOWレベル信号と判定する。本実施形態では、用紙検出センサ32から出力される信号は、白色の記録用紙50や第1ドラム131の検知部133、第2ドラム132の検知部136からの反射光を受光しているときにHIレベル信号と判定され、黒色のプラテン43の上面からの反射光を受光しているときにLOWレベル信号と判定される。
リニアエンコーダ88は、エンコーダストリップ51のパターンを、キャリッジ41に搭載された光学センサ52により検出してパルス信号を出力する。制御部100は、この出力されるパルス信号に基づいて、キャリッジ41の速度及び位置を判断し、CRモータ86の駆動を制御する。
ロータリーエンコーダ89は、光学センサ55によってエンコーダディスク71のマークをを光学センサ55により検出してパルス信号を出力する。制御部100は、この出力されるパルス信号に基づいて搬送ローラ60及び排紙ローラ62の回転量を判断し、LFモータ85の駆動を制御する。
ところで、プリンタ部11において記録用紙50が高精度に搬送されるためには、ロータリーエンコーダ89によって検出される搬送ローラ60の回転量と、搬送ローラ60による記録用紙50の実際の搬送量との間に線形性が成り立っていることが好ましい。同様に、ロータリーエンコーダ89によって検出される排紙ローラ62の回転量と、排紙ローラ62による記録用紙50の実際の搬送量との間に線形性が成り立っていることが好ましい。搬送ローラ60と記録用紙50との間に滑りが無ければ、記録用紙50の搬送量は搬送ローラ60の表面の移動量と一致するが、回転体の表面の移動量は回転半径と回転角度との積であるから、搬送ローラ60の回転半径がばらつけば、結果として記録用紙50の搬送量がばらついてしまう。これは排紙ローラ62についても同様である。
図9(A)には、搬送ローラ60の軸76に偏心したエンコーダディスク71が取り付けられた状態が示されている。このようなエンコーダディスク71の偏心、搬送ローラ60の反りやコーティングの厚みムラ、搬送ローラ60の軸76に噛合された伝達ギヤ77の偏心などが原因で、ロータリーエンコーダ89によって検出される回転量あたりの搬送ローラ60による記録用紙50の搬送量は、搬送ローラ60の1周分を1周期として、周期的に変動する(図9(B)参照)。図9に示される例では、エンコーダディスク71の位置Bが検出されているときに、ロータリーエンコーダ89から出力されるパルス信号あたりの記録用紙50の搬送量が多い。逆に、エンコーダディスク71の位置Dが検出されているときに、ロータリーエンコーダ89から出力されるパルス信号あたりの記録用紙50の搬送量が少ない。このように、搬送ローラ60による記録用紙50の搬送量が周期的に変動する。このような変動は、排紙ローラ62によっても起こり得る。
このため、制御部100は、搬送ローラ60及び排紙ローラ62の各搬送量の周期的変動を抑制するために、LFモータ85の駆動を制御して搬送ローラ60及び排紙ローラ62による記録用紙50の搬送量が一様となるように補正する。EEPROM104には、この回転量の補正処理に使用される補正値関数A(θ1)及び補正関数B(θ2)が記憶されている。搬送ローラ60の回転量の補正処理に用いられる補正関数A(θ1)と、排紙ローラ62の回転量に用いられる補正関数B(θ2)とは、同様の手法によって得られるので、以下、補正関数A(θ1)を取得する処理を例に詳細な説明がなされる。なお、補正関数A(θ1)及び補正関数B(θ2)は、複合機10の工場出荷前に取得されてEEPROM104に予め書き込まれる。ただし、補正関数A(θ1)及び補正関数B(θ2)は、ユーザが複合機10の使用開始時に、説明書や操作パネル14に表示される指示に従って所定操作を行うことによってEEPROM104に書き込まれてもよい。
[補正関数A(θ1)の取得]
本実施形態では、搬送ローラ60が1周したときに記録用紙50が1.2インチ送られるように、搬送ローラ60が構成されている。また、記録ヘッド42のノズルの搬送向き124の密度は150dpi(dot per inch)である。これは、1/150インチの等間隔でノズルが並んでいることを表す。また、エンコーダディスク71が1回転すると、ロータリーエンコーダ89から8640個のパルス信号が出力されるものとする。
制御部100は、ASFモータ87の駆動を制御して給紙カセット21又は給紙カセット22から記録用紙50を搬送路19に供給する。そして、制御部100は、記録部40の動作を制御して、記録用紙50の先端側に幅方向121に長い1本の線を記録部40によって記録させる(図10(A)参照)。具体的には、制御部100は、キャリッジ41を幅方向121の一端側から他端側へ第1距離だけ移動させつつ、記録ヘッド42の搬送向き124の最上流側のノズル(第1ノズル)からインクを噴出させる。このようにして記録用紙50の先端側に1本の長線が引かれると、制御部100は、LFモータ85の駆動を制御して、0.57インチに相当するパルス信号分だけ記録用紙50を搬送させる。具体的には、制御部100は、ロータリーエンコーダ89から4104(=8640/1.2×0.57)個のパルス信号が出力されるまでLFモータ85を駆動させて、搬送ローラ60に記録用紙50を搬送させる。LFモータ85は、ロータリーエンコーダ89から出力されたパルス信号数が4104個に到達した後に停止される。
次に、制御部100は、記録用紙50に幅方向121に短い1本の短線を記録部40によって記録させる(図10(B)参照)。具体的には、制御部100は、キャリッジ41を幅方向121の一端側から他端側へ第1距離よりも短い第2距離だけ移動させつつ、記録ヘッド42の搬送向き124の最上流側から91番目のノズル(第91ノズル)からインクを噴出させる。記録ヘッド42の搬送向き124の密度が150dpiであるため、第1ノズルと第91ノズルとの搬送向き124の離間距離は、0.6(=(91−1)/150)インチである。このため、第91ノズルと上記長線とは、理想的には、搬送向き124に0.03(=0.6−0.57)インチ離間されている。
制御部100は、記録部40に短線を引かせる動作と、LFモータ85に0.01インチに相当するパルス信号である72(=8640/1.2×0.01)個のパルス信号が出力されるまで記録用紙50を搬送させる動作とを交互に繰り返す。これにより、記録用紙50に7本の短線が記録される(図10(C)参照)。なお、これらの7本の短線の幅方向121の位置が異なるように、記録ヘッド42による記録動作は、キャリッジ41の幅方向121の位置が変更されながら行われる。
そして、制御部100は、前回記録した長線から0.1インチ進んだ位置に長線を記録させ、その長線に対して7本の短線を記録する処理を繰り返す(図10(D)参照)。このような1本の長線と7本の短線とを記録する処理が1パターンとして繰り返されることによって、合計12個のパターンが記録用紙50に記録される(図11(A)参照)。なお、記録用紙50を常に同じ方向のみに搬送してパターンを形成する場合には、各長線及び短線の記録の順番は、上記の説明に対して前後する場合がある。記録用紙50を常に同じ方向のみに搬送してパターンを形成する場合には、例えば1本目の長線から0.1インチ進んだ位置に記録される2本目の長線は、1本目の長線から0.57インチ進んだ位置に記録される1本目の長線付随の1本目の短線よりも先に記録される。後述の、記録用紙50の搬送量と搬送ローラ60の位相との関係を求める操作において、パターンが記録された順番は結果に影響を及ぼさない。記録された各線が所定の相対的位置関係になればよい。
続いて、各パターンにおいて、長線に最もよく重なる短線が何本目の短線であるか、或いは短線の間であるかが判断される。具体的には、記録用紙50がスキャナ部12のコンタクトガラス上に載置されて、記録用紙50の画像読取をスキャナ部12に実行させる。そして、何本目の短線或いは短線の間が長線に最もよく重なるかを制御部100が判断する。この判断処理は、各パターンにおいてそれぞれ行われる。ここで、各長線に付随する短線に左から順に1,2,3,4,5,6,7と番号を与えると、図11(A)に示される記録用紙50であれば、図11(A)における上側の長線から順に、3,2.5,2,3,4,4,5,6,6.5,6,4,3.5と判断することができる。なお、長線が2本の短線の間である場合には、2本の短線の番号の平均値が用いられる。
第1ノズルと第91ノズルとは、搬送向き124に0.6インチだけ離れている。このため、上記数値が4である場合には、0.6(=0.57+0.01×(4−1))インチの目標搬送量に対して、実際に記録用紙50が0.6インチ搬送されたことを示している。上記数値が3である場合には、0.59(=0.57+0.01×(3−1))インチの目標搬送量に対して、実際には記録用紙50が0.6インチ搬送されたことを示している。これは、図9(A)における位置B側の搬送ローラ60の周面によって記録用紙50が搬送されたことを表している。上記数値が5である場合には、0.61(=0.57+0.01×(5−1))インチの目標搬送量に対して、実際には記録用紙50が0.6インチ搬送されたことを示している。これは、図9(A)における位置D側の搬送ローラ60の周面によって記録用紙50が搬送されたことを表している。
横軸に1/12周(720パルス)刻みでパルス数を割り当て、縦軸にパルス数当たりの搬送量を目標搬送量に対する割合で表せば、図9(B)に相当するグラフが得られる(図11(B)参照)。すなわち、搬送ローラ60が1周する間に、記録用紙50の搬送量が目標搬送量に対してどのようにずれるかを把握することができる。
図11(A)に示されるパターンを記録用紙50に記録したときの最初の長線を記録したときのエンコーダディスク71の回転位相に対して、現在のエンコーダディスク71がどれだけ回転したかは、ロータリーエンコーダ89によって搬送ローラ60の回転を検出している限り把握することができる。したがって、記録用紙50の搬送命令が入力されたときに、前述のグラフから、現在の位置から搬送完了後の位置までの搬送ローラ60の搬送量の平均ズレを算出し、予めその影響を考慮して目標搬送量を補正すれば、記録用紙50の搬送量の周期的変動を抑制することができる。
前述のように、LFモータ85から搬送ローラ60までのギヤ比とLFモータ85から排紙ローラ62までのギヤ比とは等しくないため、搬送ローラ60及び排紙ローラ62の各位相は独立に変化する。したがって、それぞれのローラに対してそれぞれ上記の方法で適切な補正値を算出することが必要なのである。
なお、最初の長線を記録したときのエンコーダディスク71の回転位相は、後述される搬送ローラ60の原点位置と一致しているか、または、原点位置から所定の位相差の位置に管理されている。本実施形態では、図11(B)に示されるグラフに基づいて記録用紙50の目標搬送量を補正するための補正関数A(θ1)が生成され、EEPROM104に記憶されている。このため、複合機10の電源が切られてから再投入された場合でも、搬送ローラ60の回転位相の物理的な原点を決定することにより、搬送ローラ60の回転量を適切に補正することが可能である。
[原点位置の決定]
以下、複合機10の電源が投入された際にプリンタ部11において行われる処理の手順が、図12のフローチャートが参照されながら説明される。なお、以下のフローチャートに基づいて説明する各処理は、ROM102に記憶されているプログラムに基づいて制御部100が発行する命令に従って行われる。
制御部100は、操作パネル14の所定の入力キーの操作の有無に基づいて、複合機10の電源が投入されたか否かを判断する(S1)。複合機10の電源が投入されていないと制御部100が判断した場合(S1:NO)、待機状態となる。制御部100は、複合機10の電源が投入されたと判断した場合(S1:YES)、駆動回路73を制御してCRモータ86を駆動させる(S2)。なお、制御部100は、複合機10の電源がオフにされると、キャリッジ41をホームポジションへ移動させている。このホームポジションは、キャリッジ41の往復動範囲において、伝達ギヤ77と反対側の端である(図3における右側)。なお、伝達ギヤ77が配置されている側のキャリッジ41の往復動範囲の端が、エンドポジションと称される(図3における左側)。このエンドポジション付近において、キャリッジ41に搭載された用紙検出センサ32が第1ドラム131と対向される。用紙検出センサ32が第1ドラム131と対向するキャリッジ41の位置が、本発明における第1検知位置に相当する。
CRモータ86が駆動されると、ホームポジションに位置されていたキャリッジ41がエンドポジションへ向かって移動する。制御部100は、リニアエンコーダ88の検出結果に基づいて、キャリッジ41が第1検知位置へ、すなわち用紙検出センサ32が第1ドラム131と対向する位置へ到達したか否かを判断する(S3)。キャリッジ41が第1検知位置へ到達するまでCRモータ86が駆動される。そして、キャリッジ41が第1検知位置へ到達すると(S3:YES)、制御部100は、CRモータ86を停止する(S4)。
キャリッジ41が第1検知位置に位置されて、用紙検出センサ32が第1ドラム131と対向されると、制御部100は、用紙検出センサ32をオンにする(S5)。ただし、用紙検出センサ32は、この時点より前の他の時点で既にオンにされていても構わない。そして、制御部100は、LFモータ85を駆動させる(S6)。LFモータ85が駆動されると、伝達ギヤ77が回転し、搬送ローラ60も回転する。この回転は、平歯ギヤ130及び伝達ギヤ135を通じて第1ドラム131へ伝達されて、第1ドラム131も回転する。搬送ローラ60の軸76が1回転されると第1ドラム131が1回転する。ドラムが1回転する間に、検知部133が1回だけ用紙検出センサ32と対向される。用紙検出センサ32が検知する反射光の大部分が検知部133以外の部分によって反射された反射光に由来するとき、用紙検出センサ32の出力信号は制御部100においてLOWと判断される。また、用紙検出センサ32が検知する反射光の大部分が検知部133によって反射された反射光に由来するとき、用紙検出センサ32の出力信号は制御部100においてHIと判断される。
制御部100は、LFモータ85が駆動されている間、用紙検出センサ32の出力の変化を監視する(S7)。前述されたように、第1ドラム131の周面には色の異なる1箇所の検知部133とそれ以外の部分とがあり、第1ドラム131が回転するとこれらの部分が用紙検出センサ32と対向する領域を通過する。したがって、第1ドラム131が回転する間に、用紙検出センサ32の出力は対向する部分の反射率に応じて変動し、LFモータ85の駆動が開始されたときに検知部133以外の部分が用紙検出センサ32に対向していて、用紙検出センサ32の出力がLOWと判定される量であったなら、第1ドラム131が1回転する間に、用紙検出センサ32の出力の判定はLOWからHIへ変動し、再びLOWへ変動する。また、LFモータ85の駆動が開始されたときに検知部133が用紙検出センサ32に対向していて、用紙検出センサ32の出力がHIと判定される量であったなら、第1ドラム131が1回転する間に、用紙検出センサ32の出力の判定はHIからLOWへ変動し、再びHIへ変動する。
制御部100は、用紙検出センサ32の出力の判定がLOWからHIに変化する、所謂信号の「立ち上がり」を検出すると(S7:YES)、このときのロータリーエンコーダ89の回転位相を0すなわち原点として、その後のこの位置からのロータリーエンコーダ89を累積することで各時点での搬送ローラ60の現在位相θ1が定義される(S10)。この搬送ローラ60の原点位置を示す情報は、RAM103に格納される。なお、本実施例では、信号の立ち上がり位置を原点として設定するように構成されているが、信号の立ち下がり位置や、立ち下がり位置と立ち上がり位置との中間点など、第1ドラム131の1回転の間に1度だけ現れる特徴点であれば、そのような特徴点を原点と決定しても構わない。また、現在位相θ1は搬送ローラ60の回転向きの角度であるから、その値が2πを超えた場合には、その値から2πが減算される。また、その値が負になった場合には、その値に2πが加算される。これにより、現在位相θ1が常に0≦θ≦2πの関係を満たすように、現在位相θ1の値が調整される。ここでは、搬送ローラ60の位相が角度(ラジアン)で説明されているが、角度に比例する別の単位で表現される形式で取り扱われても構わないのはもちろんである。
続いて、制御部100は、ロータリーエンコーダ89の検出結果に基づいて、搬送ローラ60の現在位相θ1が0すなわち原点位置にあるかを判断する(S11)。搬送ローラ60の現在位相θ1が原点位置となっていないと制御部100が判断した場合(S11:NO)、制御部100は、搬送ローラ60の現在位相θ1が原点位置となるまで、LFモータ85を駆動する。制御部100は、搬送ローラ60の現在位相θ1が原点位置になったと判断した場合(S11:YES)、LFモータ85を停止する(S12)。
制御部100は、用紙検出センサ32の出力に基づいて信号の立ち上がりが検出されずに(S8:NO)、搬送ローラ60がM’周回転されると、具体的には、制御部100がロータリーエンコーダ89から出力されたパルス信号数が8640個のM’倍に達したと判断すると(S8:YES)、第1ドラム131の反射率の変化が検出できなかったとして、操作パネル14のディスプレイにエラー表示を行う(S9)。本実施形態においては、搬送ローラ60が1回転すると第1ドラム131も1回転するので、M’には任意の数が設定されてよい。搬送ローラ60がM回転する間に第1ドラム131が1回転するように構成されている場合は、M’としてM以上の任意の数が設定されていれば、エラーと判定されるまでに第1ドラム131が少なくとも1回転以上回転することになる。
なお、排紙ローラ62の原点位置の検出についても、キャリッジ41が第2検知位置、つまり用紙検出センサ32が第2ドラム132と対向する位置に停止される点や、エラー判定に使われるM’に代えてN’(≧N)が使われる点の他は、前述された搬送ローラ60の原点位置の決定と同様であるので、詳細な説明が省略される。
[記録用紙50の搬送動作]
以下、複合機10に対して記録開始命令が入力された場合に、プリンタ部11において行われる処理の手順が、図13のフローチャートが参照されながら説明される。
制御部100は、記録開始命令があったか否かを判断する(S21)。具体的には、制御部100は、外部情報機器から記録開始を指示するコマンド及び印刷データを受信したか否か、或いは、操作パネル14において記録開始を指示する操作入力が行われたか否かを判断する。記録開始命令がないと制御部100が判断した場合(S21:NO)、待機状態となる。
制御部100は、記録開始命令があったと判断した場合(S21:YES)、EEPROM104から補正関数A(θ1)及び補正関数B(θ2)を読み出す(S22)。制御部100は、RAM103から搬送ローラ60の現在位相θ1及び排紙ローラ62の現在位相θ2を読み出す(S23)。この現在位相θ1は、搬送ローラ60の上述の原点位置を基準とした回転向きの角度を示すものであり、現在位相θ2は、排紙ローラ62の上述の回転位置を基準とした回転向きの角度を示すものである。
次に、制御部100は、記録用紙50の先端が、搬送ローラ60及びピンチローラ61により挟持される位置を通過したかを判断する。LFモータ85が駆動されると、給紙トレイ21又は給紙トレイ22から記録用紙50が、搬送路17又は搬送路18へ給送される。そして、搬送路19において、制御部100は、レジストセンサ30からの出力及びロータリーエンコーダ89の出力に基づいて、記録用紙50の先端位置及び後端位置を監視する。そして、記録用紙50の先端がプラテン43上に到達すると、制御部100は、画像記録を行うべく、記録用紙50を間欠搬送する。
前述されたように、搬送ローラ60及びピンチローラ61が記録用紙50を挟持する力は、排紙ローラ62及び拍車63が記録用紙50を挟持する力より強いので、間欠搬送において、記録用紙50が搬送ローラ60及びピンチローラ61により挟持されて搬送されている間は、記録用紙50の搬送量は搬送ローラ60の周面の移動量と一致し、記録用紙50の搬送量と排紙ローラ62の周面の移動量との間に差があっても記録用紙50と排紙ローラ62との間では滑りが発生するため、記録用紙50の搬送量は搬送ローラ60の周面の移動量によって決まる。したがって、この間は、搬送ローラ60の回転に対して補正がなされる。そして、記録用紙50が、排紙ローラ62及び拍車63のみによって挟持されて搬送される間は、記録用紙50の搬送量は排紙ローラ62の周面の移動量によって決まる。したがって、この間は、排紙ローラ62の回転量に対して補正がなされる。
制御部100は、搬送ローラ60によって記録用紙50を目標位置まで搬送させる間にロータリーエンコーダ89から出力されるパルス信号数である目標回転量Xmを取得する(S24)。記録用紙50の後端が、搬送ローラ60及びピンチローラ61により挟持される位置を通過していなければ(S25:NO)、制御部100は、ステップS22で読み出した補正関数A(θ1)に現在位相θ1を代入して、パルス信号数を表す補正値C1を演算する(S26)。
制御部100は、ステップS24の処理で取得した目標回転量Xmに補正値C1を加えて、目標回転量Xmを補正する(S27)。そして、制御部100は、補正された目標回転量Xmに基づいて、現在位相θ1を更新する(S28)。また、制御部100は、補正された目標回転量Xmに基づいて、現在位相θ2を更新する(S29)。
次に、制御部100は、LFモータ85を駆動させる(S30)。間欠搬送において、制御部100は、ロータリーエンコーダ89によって検出された搬送ローラ60の回転量が、ステップS27の処理によって補正された目標回転量Xmに達したか否かを判断する(S31)。具体的には、制御部100は、ロータリーエンコーダ89から出力されるパルス信号数が目標回転量Xmに達したか否かを判断する。搬送ローラ60の回転量が目標回転量Xmに達していないと制御部100が判断した場合(S31:NO)、処理がステップS30へ戻される。すなわち、搬送ローラ60の回転量が目標回転量Xmに達するまでLFモータ85が駆動される。
搬送ローラ60が回転している間、ロータリーエンコーダ89によって検出される搬送ローラ60の回転量と、実際の搬送ローラ60の回転量との間には、搬送ローラ60の1周分を1周期とする周期的なズレが発生する。本実施形態では、複合機10の電源投入後に取得された搬送ローラ60の原点位置に基づいて搬送ローラ60の現在位相θ1が判断され、現在位相θ1に対応する補正値C1によって目標回転量Xmが補正されている。搬送ローラ60の回転量がこの補正後の目標回転量Xmに沿うようにLFモータ85の駆動が制御されるので、搬送ローラ60の回転量の周期的なズレが相殺され、記録用紙50は、目標とする位置まで精度良く搬送される。
制御部100は、搬送ローラ60の回転量が目標回転量Xmに達したと判断した場合(S31:YES)、LFモータ85を停止させる(S32)。そして、制御部100は、記録部40に画像記録を実行させる(S33)。具体的には、制御部100は、キャリッジ41を幅方向121の一端側から他端側へ移動させつつ、記録ヘッド42からインクを噴出させる。
制御部100は、記録用紙50の搬送動作が完了したか否かを判断する(S34)。記録用紙50の搬送動作が完了していないと制御部100が判断した場合(S34:NO)、処理がステップS25へ戻される。
記録用紙50の後端が、搬送ローラ60及びピンチローラ61により挟持される位置を通過すると(S25:YES)、制御部100は、ステップS22で読み出した補正関数B(θ2)に現在位相θ2を代入して、パルス信号数を表す補正値C2を演算する(S35)。そして、制御部100は、ステップS35の処理で取得した目標回転量Xmに補正値C2を加えて、目標回転量Xmを補正する(S36)。そして、制御部100は、補正された目標回転量Xmに基づいて、現在位相θ1を更新する(S28)。また、制御部100は、補正された目標回転量Xmに基づいて、現在位相θ2を更新する(S29)。
次に、制御部100は、LFモータ85を駆動させる(S30)。間欠搬送において、制御部100は、ロータリーエンコーダ89によって検出された排紙ローラ62の回転量が、ステップS36の処理によって補正された目標回転量Xmに達したか否かを判断する(S31)。具体的には、制御部100は、ロータリーエンコーダ89から出力されるパルス信号数が目標回転量Xmに達したか否かを判断する。排紙ローラ62の回転量が目標回転量Xmに達していないと制御部100が判断した場合(S31:NO)、処理がステップS30へ戻される。すなわち、排紙ローラ62の回転量が目標回転量Xmに達するまでLFモータ85が駆動される。
排紙ローラ62が回転している間、ロータリーエンコーダ89によって検出される排紙ローラ62の回転量と、実際の排紙ローラ62の回転量との間には、排紙ローラ62の1周分を1周期とする周期的なズレが発生する。本実施形態では、複合機10の電源投入後に取得された排紙ローラ62の原点位置に基づいて排紙ローラ62の現在位相θ2が判断され、現在位相θ2に対応する補正値C2によって目標回転量Xmが補正されている。排紙ローラ62の回転量がこの補正後の目標回転量Xmに沿うようにLFモータ85の駆動が制御されるので、排紙ローラ62の回転量の周期的なズレが相殺され、記録用紙50は、目標とする位置まで精度良く搬送される。
制御部100は、排紙ローラ62の回転量が目標回転量Xmに達したと判断した場合(S31:YES)、LFモータ85を停止させる(S32)。そして、制御部100は、記録部40に画像記録を実行させる(S33)。具体的には、制御部100は、キャリッジ41を幅方向121の一端側から他端側へ移動させつつ、記録ヘッド42からインクを噴出させる。
そして、制御部100は、記録用紙50の搬送動作が完了したか否かを判断する(S34)。記録用紙50の搬送動作が完了していないと制御部100が判断した場合(S34:NO)、処理がステップS25へ戻される。
これにより、搬送ローラ60又は排紙ローラ62を目標回転量Xmだけ回転させる処理と、記録用紙50に画像を記録する処理とが交互に繰り返されるので、記録用紙50に連続的な画像が記録される。記録用紙50の搬送動作が完了したと制御部100が判断した場合(S34:YES)、一連の処理が完了する。
[本実施形態の作用効果]
以上に説明されたように、第1検知位置又は第2検知位置へ移動されたキャリッジ41に搭載された用紙検出センサ32が、搬送ローラ60又は排紙ローラ62の回転に同期して回転される第1ドラム131又は第2ドラム132を検出することによって、搬送ローラ60及び排紙ローラ62の原点位置がそれぞれ決定されるので、プリンタ部11が他の目的のために備える用紙検出センサ32などを有効活用して、装置の大型化及びコストアップを伴わずに搬送ローラ60及び排紙ローラ62の原点位置を決定することができる。
また、本実施形態では、制御部100によって検出された搬送ローラ60及び排紙ローラ62の原点位置を基準に求められた搬送ローラ60及び排紙ローラ62の現在位相θ1,θ2を、EEPROM104に記憶されている補正関数A(θ1)及び補正関数B(θ2)とに適用して、搬送ローラ60の現在位相θ1に対応する補正値C1及び排紙ローラ62の現在位相θ2に対応する補正値C2が取得される。この補正値C1又は補正値C2によって目標回転量Xmが補正される。この補正後の目標回転量Xmだけ搬送ローラ60又は排紙ローラ62が回転されることによって記録用紙50の搬送量の周期的変動が抑制される。その結果、記録用紙50が搬送ローラ60又は排紙ローラ62のいずれによって搬送されるかに拘わらず、ほぼ一定の改行幅で間欠搬送されるので、乱れのない綺麗な画像を記録用紙50に記録することができる。
また、本実施形態では、第1ドラム131が1回転すると搬送ローラ60が1回転し、第2ドラム132が1回転すると排紙ローラ62が1回転するので、第1ドラム131又は第2ドラム132が1回転すれば、原点位置が決定できるので、迅速な原点位置の決定が実現される。もちろん、搬送ローラ60がM回転(Mは自然数)すると第1ドラム131が1回転し、排紙ローラ62がN回転(Nは自然数)すると第2ドラム132が1回転する実施態様であっても、第1ドラム131及び第2ドラム132が特定の位相にあるときの搬送ローラ60及び排紙ローラ62の位相が一意に決まるので、各原点位置が決定可能である。
[変形例]
本実施形態では、用紙検出センサ32から観測される第1ドラム131の周面の反射率は、第1ドラム131が1回転する間に1回だけ大きくなり、1回だけ小さくなるような変動をするような態様が説明されたが、以下のような態様でも本実施形態と同様の効果が奏される。すなわち、Mを自然数として搬送ローラ60がM回転すると第1ドラム131が1回転するとき、検知部133が第1ドラム131の周面において角度2π/Mを隔てられたM箇所に設けられ、用紙検出センサ32から観測される第1ドラム131の周面の反射率が、第1ドラム131が1回転する間にM回だけ大きくなり、M回だけ小さくなるような変動をするような態様であれば、反射率の変動の特徴点における搬送ローラ60の位相はやはり一意に決まるので、搬送ローラ60の原点を決定することが可能である。これは排紙ローラ62についても同様であることは言うまでもない。
また、上述のように、M,Nを自然数として搬送ローラ60がM回転すると第1ドラム131が1回転し、排紙ローラ62がN回転すると第2ドラム132が1回転するような態様が望ましいのは、第1ドラム131の特徴点が検出されたときの搬送ローラ60の位相が一意に決まることが望ましいためであるが、用紙検出センサ32が第1ドラム131の特徴点を検出する位置の情報と用紙検出センサ32が第2ドラム132の特徴点を検出する位置との情報を組み合わせることにより、このような態様以外の回転比であっても本実施形態と同様の効果が奏されるような装置が構成される。
例えば、第1ドラム131及び第2ドラム132の反射率がドラム1回転を1周期として変動し、搬送ローラ60が6回転する間に第1ドラム131が7回転し、排紙ローラ62が1回転すると第2ドラム132が1回転し、さらに搬送ローラ60が6回転する間に排紙ローラ62が5回転するように駆動連結されている態様を考える。このようにMを自然数として表すことができない態様では、用紙検出センサ32によって第1ドラム131の特徴点が検出されたときの搬送ローラ60の位相は7通りの可能性があり、上述された実施形態で示された方法のみによっては現在位相θ1の原点を正しく決定できないが、用紙検出センサ32によって第1ドラム131の特徴点が検出されたときに、その位置で搬送ローラ60の回転を停止し、キャリッジ41を第2ドラム132と対向する位置に移動させて搬送ローラ60の回転を再開し、用紙検出センサ32によって第2ドラム132の特徴点を検出して、搬送ローラ60の回転を再開してから第2ドラム132の特徴点を検出するまでの搬送ローラ60の回転量を取得すれば、その回転量は5/7×2πずつ異なる7通りのいずれかとなる。これらの値は、上述の搬送ローラ60の7通りの位相に1対1で対応しているため、これに基づいて搬送ローラ60の位相を決定することができる。
なお、本実施形態では、伝達ギヤ135,138によって、搬送ローラ60の軸76の回転が第1ドラム131又は第2ドラム132に伝達される構成が開示されているが、この駆動伝達機構は、ギヤに限らずベルトなどの他の駆動伝達機構が採用されてもよい。
また、本実施形態では、ロータリーエンコーダ89によって搬送ローラ60及び排紙ローラ62の回転量を検出する実施態様が説明されたが、ロータリーエンコーダ89に代えて例えば磁気センサを用いて搬送ローラ60及び排紙ローラ62の回転量が検出されてもよい。また、用紙検出センサ32が検出し得る物理量は、反射率に限定されず、被検知部材までの距離などであってもよい。その場合、第1ドラム131の検知部133及び第2ドラム132の検知部136は、各外周面の他の部分と用紙検出センサ32までの距離が異なるように凹凸されればよい。さらに、用紙検出センサ32が検出する物理量は、対向する領域の電場であったり、磁場であったりしてもよい。その場合、第1ドラム131の検知部133及び第2ドラム132の検知部136は、各外周面の他の部分に比べて異なる量に帯電していたり磁化されたりしていればよい。
また、本実施形態では、第1ドラム131及び第2ドラム132には他の部分と異なる検知部133及び検知部136がそれぞれ設けられている態様が説明されたが、用紙検出センサ32によって検出される物理量が第1ドラム131及び第2ドラム132の1回転を1周期として変動するようなものであれば、検知部133,136とその他の部分が明確に区別される必要はない。例えば、円筒形のドラムを、その円筒の中心軸と平行に少し離れた回転軸を中心に回転させると、用紙検出センサ32から円筒周面までの距離は連続的に滑らかに変化するが、この距離を本発明の物理量として検出しても搬送ローラ60及び排紙ローラ62の原点を決定することが可能である。
また、本実施形態では、用紙検出センサ32が出力する電気信号は、所定の閾値を境にHI−LOWの2値のいずれかに判定されて、その立ち上がり位置や立ち下がり位置を元にした特徴点に基づいて原点を検出する態様が説明されたが、用紙検出センサ32が出力する電気信号は2値ではなく、例えば8ビットや16ビットなど複数ビットのデジタル値に変換されたり、アナログ値のまま扱われてもよく、また、信号の立ち上がりや立ち下がりではなく、最大値や最小値などその他の特徴点を用いて原点が決定されても構わない。
また、本実施形態では、LFモータ85がDCモータである実施態様が説明されたが、LFモータ85はステッピングモータであってもよい。この場合、ロータリーエンコーダ89は不要であり、制御部100がカウントするモータパルスカウントが本発明における第1検出手段及び第2検出手段に相当する。また、本実施形態では、本発明に係る第1駆動源と第2駆動源とが1つのLFモータ85によって実現される態様が示されているが、これらは別のモータなどによって実現されてもよいことは言うまでもない。
また、本実施形態では、本発明における第1回転体及び第2回転体が搬送ローラ60及び排紙ローラ62である実施態様が説明されたが、本発明は、搬送ローラ60及び排紙ローラ62以外のプリンタ部11における回転体について適用されても、前述と同様の効果が奏される。
例えば、本発明における第1回転体又は第2回転体は、パージ機構67のキャップ68又はワイパ69を駆動されるギヤであってもよい。前述されたように、キャップ68又はワイパ69は、LFモータ85から駆動伝達されて高さ方向122へ移動される。このようにLFモータ85から、搬送ローラ60や排紙ローラ62、パージ機構67などの複数の動作部へ駆動伝達する態様では、搬送ローラ60や排紙ローラ62への駆動伝達にキャップ68やワイパ69が従動することがある。そうすると、キャップ68やワイパ69の位置を正確に把握していないと、キャリッジ41をホームポジションへ移動させたときに、キャリッジ41又は記録ヘッド42がキャップ68やワイパ69と衝突するおそれがある。
LFモータ85からキャップ68又はワイパ69への駆動伝達において、LFモータ85の一方向の回転に対して、キャップ68又はワイパ69は、高さ方向122への上下動を周期的に繰り返すように駆動伝達されていると、その駆動伝達系におけるギヤなどの原点位置が把握されることによって、キャップ68又はワイパ69の高さ方向122に対する位置を把握することができるので、前述されたようなキャリッジ41又は記録ヘッド42とキャップ68やワイパ69との衝突が防止される。したがって、本実施形態における第1ドラム131又は第2ドラム132を、そのようなギヤの回転に同期して回転させることによって、ギヤの原点位置を決定することができる。
また、本発明における第1回転体又は第2回転体は、パージ機構67の吸引ポンプのポートを切り替える回転カムであってもよい。例えば、キャップ68が、カラー色のインクに対応する記録ヘッド42のノズルと、黒色のインクに対応する記録ヘッド42のノズルに分割されており、回転カムの回転位置によって、吸引ポンプから各々のキャップに吸引圧が選択的に付与される構成が挙げられる。したがって、本実施形態における第1ドラム131又は第2ドラム132を、そのような回転カムの回転に同期して回転させることによって、回転カムの原点位置を決定することができる。
また、本実施形態では、第1ドラム131及び第2ドラム132の2つのドラムが設けられた実施態様が示されているが、本発明において原点位置を検出可能な複数の回転体は2つに限定されない。したがって、搬送ローラ60及び排紙ローラ62に加えて、前述されたパージ機構67に駆動伝達するギヤや、パージ機構67の吸引ポンプの回転カムなどの回転に同期して回転される第3のドラム、第4のドラムが設けられてもよい。
11・・・プリンタ部(画像記録装置)
32・・・用紙検出センサ(第3検出手段)
41・・・キャリッジ
42・・・記録ヘッド
60・・・搬送ローラ(第1回転体、第1搬送ローラ)
62・・・排紙ローラ(第2回転体、第2搬送ローラ)
85・・・LFモータ(第1駆動源、第2駆動源)
89・・・ロータリーエンコーダ(第1検出手段、第2検出手段)
100・・・制御部(被記録媒体検出手段、第1原点決定手段、第2原点決定手段)
131・・・第1ドラム(第1被検知回転部材)
132・・・第2ドラム(第2被検知回転部材)

Claims (10)

  1. 当該装置において回転される第1回転体と、
    当該装置において回転される第2回転体と、
    上記第1回転体を回転させるための駆動力を付与する第1駆動源と、
    上記第2回転体を回転させるための駆動力を付与する第2駆動源と、
    上記第1回転体と同期して回転される同期軸の回転量を検出する第1検出手段と、
    上記第2回転体と同期して回転される同期軸の回転量を検出する第2検出手段と、
    被記録媒体に画像記録を行う記録ヘッドが搭載されており、上記被記録媒体が搬送される搬送向きと交差する移動方向へ移動するキャリッジと、
    上記キャリッジに搭載されており、対象物の所定の物理量を検出する第3検出手段と、
    搬送される上記被記録媒体と対向するときの上記第3検出手段の検出結果に基づいて、搬送される上記被記録媒体を検出する被記録媒体検出手段と、
    上記第3検出手段と対向し得る位置に配置されて上記第1回転体に同期して回転される第1被検知回転部材と、
    上記第3検出手段と対向し得る位置に配置されて上記第2回転体に同期して回転される第2被検知回転部材と、
    上記第3検出手段が上記第1被検知回転部材を検知し得る第1検知位置へ上記キャリッジを移動させて、上記第1駆動源を駆動させて上記第1回転体を回転させ、このときの上記第1検出手段の検出結果及び上記第3検出手段の検出結果に基づいて、上記第1回転体の原点位置を決定する第1原点決定手段と、
    上記第3検出手段が上記第2被検知回転部材を検知し得る第2検知位置へ上記キャリッジを移動させて、上記第2駆動源を駆動させて上記第2回転体を回転させ、このときの上記第2検出手段の検出結果及び上記第3検出手段の検出結果に基づいて、上記第2回転体の原点位置を決定する第2原点決定手段と、を備える画像記録装置。
  2. 上記第1被検知回転部材及び上記第2被検知回転部材は、1回転を1周期として変化して上記第3検出手段により検出可能な物理量をそれぞれ有する請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 上記第1被検知回転部材が1回転すると、上記第1回転体がM回(Mは自然数)回転し、
    上記第2被検知回転部材が1回転すると、上記第2回転体がN回(Nは自然数)回転する請求項1又は2に記載の画像記録装置。
  4. 上記M,Nは共に1である請求項3に記載の画像記録装置。
  5. 上記第1回転体は、上記キャリッジより上記搬送向きの上流側に配置されて、被記録媒体を上記搬送向きへ搬送する第1搬送ローラであり、
    上記第2回転体は、上記キャリッジより上記搬送向きの下流側に配置されて、被記録媒体を上記搬送向きへ搬送する第2搬送ローラであり、
    上記記録ヘッドは、上記第1搬送ローラ又は上記第2搬送ローラの少なくとも一方によって搬送される被記録媒体に画像記録を行うものである請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置。
  6. 上記第1駆動源及び上記第2駆動源は同一の駆動源であり、
    上記第1搬送ローラ又は上記第2搬送ローラの少なくとも一方によって、被記録媒体の搬送と静止とを交互に繰り返す間欠搬送をすべく上記駆動源の駆動を制御し、その間欠搬送において被記録媒体が静止されている間に、上記キャリッジを移動させながら、上記記録ヘッドにより当該被記録媒体に画像記録を行わせる制御手段を備える請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 上記第1搬送ローラの上記原点位置からの回転量である回転位相と上記第1搬送ローラの目標回転量の補正値との対応関係、及び上記第2搬送ローラの上記原点位置からの回転量である回転位相と上記第2搬送ローラの目標回転量の補正値との対応関係を各々記憶する記憶手段を備え、
    上記制御手段は、上記第1原点決定手段及び上記第2原点決定手段によってそれぞれ決定された各原点位置と、上記第1検出手段及び上記第2検出手段によってそれぞれ検出された上記第1回転体の回転量及び上記第2回転体の回転量と、上記記憶手段に記憶されている上記対応関係とに基づいて、上記第1搬送ローラ又は上記第2搬送ローラの回転量を補正すべく上記駆動源の駆動を制御する請求項6に記載の画像記録装置。
  8. 上記被記録媒体が上記第1搬送ローラ及び上記第2搬送ローラのいずれに接触しているかを判断する判断手段を備え、
    上記制御手段は、上記判断手段の判断に基づいて、上記第1搬送ローラの回転量又は上記第2搬送ローラの回転量のいずれを補正するかを決定する請求項7に記載の画像記録装置。
  9. 上記第3検出手段が検出する物理量は、反射率又は距離である請求項1から8のいずれかに記載の画像記録装置。
  10. 上記第3検出手段は、上記対象物へ向けて光を照射する発光手段と、上記対象物からの反射光を受光して当該反射光量に応じた信号を出力する受光手段とを有するものである請求項9に記載の画像記録装置。
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