JP2004114618A - 搬送装置、印刷装置、搬送方法、プログラムおよびコンピュータシステム - Google Patents

搬送装置、印刷装置、搬送方法、プログラムおよびコンピュータシステム Download PDF

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Abstract

【課題】被印刷体の搬送が画質の良否に影響を与えることになるので、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図る。
【解決手段】本発明の搬送装置は、媒体を搬送するための搬送手段を備え、目標搬送量に基づいて媒体を搬送する搬送装置であって、前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第1の補正情報を前記搬送装置側で記憶しておき、前記目標搬送量に関する情報を外部から受信し、前記外部に記憶されており前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第2の補正情報と前記第1の補正情報とに基づいて前記目標搬送量を補正し、補正された目標搬送量に基づいて、前記搬送手段が前記媒体を搬送することを特徴とする。このような搬送装置によれば、媒体の搬送の精度を高めることができる。
【選択図】   図18

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙などの媒体を搬送する搬送装置および搬送方法に関する。また、本発明は、紙などの被印刷体に印刷を行う印刷装置に関する。また、本発明は、搬送装置を制御するためのプログラム及びコンピュータシステムに関する。
【0002】
【従来技術】
紙、布、フィルム等の各種の被印刷体に画像を印刷する印刷装置として、インクを断続的に吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタでは、被印刷体を紙搬送方向に移動させて位置決めする工程と、走査方向にノズルを移動させながらインクを吐出する工程とを交互に繰り返し、印刷を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
被印刷体を間欠的に搬送し、その間欠的な搬送の間に印刷を行うプリンタでは、被印刷体の搬送が、画質の良否に影響を与えることになる。
そこで、本発明は、被印刷体等の媒体の搬送の精度を高めることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための主たる発明は、媒体を搬送するための搬送手段を備え、目標搬送量に基づいて、媒体を搬送する搬送装置であって、前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第1の補正情報を、前記搬送装置側で記憶しておき、前記目標搬送量に関する情報を外部から受信し、前記外部に記憶されており前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第2の補正情報と、前記第1の補正情報と、に基づいて前記目標搬送量を補正し、補正された目標搬送量に基づいて、前記搬送手段が前記媒体を搬送することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載により明らかにする。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を以下の順序で説明する。
『開示の概要』
『印刷装置(インクジェットプリンタ)の概要』
『紙の搬送量と画質の劣化の関係(参考例)』
『搬送量の補正方法』
『基準搬送量Aの設定』
『印刷完了までの全体の流れ』
『コンピュータシステム等の構成』
『その他の実施の形態』
なお、本実施形態を理解するには、『基準搬送量Aの設定』と『印刷完了までの全体の流れ』の記載が特に参考になる。ただし、これらの記載の内容や意義を十分理解するためには、他の箇所の記載も参考にする必要がある。
【0006】
===開示の概要===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
すなわち、媒体を搬送するための搬送手段を備え、目標搬送量に基づいて、媒体を搬送する搬送装置であって、前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第1の補正情報を、前記搬送装置側で記憶しておき、前記目標搬送量に関する情報を外部から受信し、前記外部に記憶されており前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第2の補正情報と、前記第1の補正情報と、に基づいて前記目標搬送量を補正し、補正された目標搬送量に基づいて、前記搬送手段が前記媒体を搬送することを特徴とする搬送装置が記載されている。このような搬送装置によれば、媒体の搬送の精度を高めることができる。
【0007】
かかる搬送装置であって、前記第1の補正情報は、搬送装置の個体差によって生ずる搬送誤差に関する情報であることが望ましい。このような搬送装置によれば、搬送装置が、自らの原因によって生ずる搬送誤差をうち消す情報を持つことができる。
【0008】
かかる搬送装置であって、前記搬送手段は、間欠的に前記媒体を搬送するものであり、前記第1の補正情報は、前記搬送手段が行った搬送回数に対する補正の割合に関する情報であることが望ましい。
【0009】
かかる搬送装置であって、前記第2の補正情報は、前記媒体の種類に対応した情報であることが望ましく、前記第2の補正情報は、前記媒体の滑りやすさに対応した情報であることが好ましい。また、かかる搬送装置であって、前記第2の補正情報は、前記搬送手段の搬送モードに対応した情報であることが望ましく、前記第2の補正情報は、前記目標搬送量が大きいほど前記目標搬送量を多く補正する情報であることが好ましい。このような搬送装置によれば、外部で把握できる搬送誤差の原因に関して、その搬送誤差をうち消す情報を外部で持つことができる。
【0010】
かかる搬送装置であって、前記搬送手段は、間欠的に前記媒体を搬送するものであり、前記第2の補正情報は、前記搬送手段が行った搬送回数に対する補正の割合に関する情報であることが望ましい。
【0011】
かかる搬送装置であって、前記搬送手段は、間欠的に前記媒体を搬送するものであり、間欠的に前記媒体を搬送する際に、前記目標搬送量を補正する場合と、前記目標搬送量を補正しない場合とがあることが望ましい。また、かかる搬送装置であって、前記第1の補正情報と前記第2の補正情報に基づいて、基準となる基準搬送量を設定し、前記基準搬送量を超えて前記搬送手段が前記媒体を搬送するたびに、前記目標搬送量の補正を行うことが望ましい。このような搬送装置によれば、1回の搬送で生じる搬送誤差が最小単位以下であっても、累積する搬送誤差を減少させることができる。
【0012】
かかる搬送装置であって、前記搬送手段が搬送する前記媒体の搬送量を検出するための検出器を更に有し、前記目標搬送量の補正は、前記検出器によって検出可能な搬送量を最小単位として行われることが望ましい。
【0013】
また、このような印刷装置、搬送方法、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、およびコンピュータシステムなども記載されている。
【0014】
===印刷装置(インクジェットプリンタ)の概要===
<インクジェットプリンタの構成について>
図1、図2、図3および図4を参照しつつ、印刷装置としてインクジェットプリンタを例にとって、その概要について説明する。なお、図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの全体構成の説明図である。また、図2は、本実施形態のインクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概略図である。また、図3は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。また、図4は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の斜視図である。なお、このプリンタ自身又は搬送ユニットは、紙を搬送する搬送装置としても機能している。
【0015】
本実施形態のインクジェットプリンタは、紙搬送ユニット10、インク吐出ユニット20、クリーニングユニット30、キャリッジユニット40、計測器群50、および制御ユニット60を有する。
【0016】
紙搬送ユニット10は、被印刷体である例えば紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(図1において紙面に垂直な方向(以下、紙搬送方向という))に所定の移動量で紙を移動させるためのものである。すなわち、紙搬送ユニット10は、紙を搬送する搬送機構(搬送手段)として機能する。紙搬送ユニット10は、紙挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙送りモータ(以下、PFモータという)15と、紙送りモータドライバ(以下、PFモータドライバという)16と、紙送りローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。ただし、紙搬送ユニット10が搬送機構として機能するためには、必ずしも、これらの構成要素を全て要するというわけではない。
【0017】
紙挿入口11Aは、被印刷体である紙を挿入するところである。給紙モータ(不図示)は、紙挿入口11Aに挿入された紙をプリンタ内に搬送するモータであり、パルスモータで構成される。給紙ローラ13は、紙挿入口11に挿入された紙をプリンタ内に自動的に搬送するローラであり、給紙モータ12によって駆動される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有している。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PFモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて被印刷体をPFモータ15まで搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(不図示)の摩擦抵抗とによって、複数の被印刷体が一度に給紙されることを防いでいる。被印刷体の搬送のシーケンスについては、後で詳述する。
【0018】
プラテン14は、印刷中の紙Sを支持する。PFモータ15は、被印刷体である例えば紙を紙搬送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成される。PFモータドライバ16は、PFモータ15の駆動を行うためのものである。紙送りローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ内に搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Aは、紙送りローラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを紙送りローラ17Aとの間に挟むことによって紙Sを紙送りローラ17Aに向かって押さえる。
【0019】
排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。排紙ローラ17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17Bとの間に挟むことによって紙Sを排紙ローラ17Bに向かって押さえる。
【0020】
インク吐出ユニット20は、被印刷体である例えば紙にインクを吐出するためのものである。インク吐出ユニット20は、ヘッド21と、ヘッドドライバ22とを有する。ヘッド21は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。ヘッドドライバ22は、ヘッド21を駆動して、ヘッドから断続的にインクを吐出させるためのものである。
【0021】
クリーニングユニット30は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するためのものである。クリーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピング装置35とを有する。ポンプ装置は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを吸い出すものであり、ポンプモータ32とポンプモータドライバ33とを有する。ポンプモータ32は、ヘッド21のノズルからインクを吸引する。ポンプモータドライバ33は、ポンプモータ32を駆動する。キャッピング装置35は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、印刷を行わないとき(待機時)に、ヘッド21のノズルを封止する。
【0022】
キャリッジユニット40は、ヘッド21を所定の方向(図1において紙面の左右方向(以下、走査方向という))に走査移動させるためのものである。キャリッジユニット40は、キャリッジ41と、キャリッジモータ(以下、CRモータという)42と、キャリッジモータドライバ(以下、CRモータドライバという)43と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46とを有する。キャリッジ41は、走査方向に移動可能であって、ヘッド21を固定している(したがって、ヘッド21のノズルは、走査方向に沿って移動しながら、断続的にインクを吐出する)。また、キャリッジ41は、インクを収容するインクカートリッジ48を着脱可能に保持している。CRモータ42は、キャリッジを走査方向に移動させるモータであり、DCモータで構成される。CRモータドライバ43は、CRモータ42を駆動するためのものである。プーリ44は、CRモータ42の回転軸に取付けられている。タイミングベルト45は、プーリ44によって駆動される。ガイドレール46は、キャリッジ41を走査方向に案内する。
【0023】
計測器群50には、リニア式エンコーダ51と、ロータリー式エンコーダ52と、紙検出センサ53と、紙幅センサ54とがある。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、紙送りローラ17Aの回転量を検出するためのものである。なお、エンコーダの構成等については、後述する。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ13が紙送りローラ17Aに向かって紙を搬送する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。紙幅センサ54は、キャリッジ41に取付けられている。紙幅センサ54は、発光部541と受光部543を有する光学センサであり、紙によって反射された光を検出することにより、紙幅センサ54の位置における紙の有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出する。また、紙幅センサ54は、キャリッジ41の位置によって、紙の先端を検出できる。紙幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53よりも位置検出の精度が高い。
【0024】
制御ユニット60は、プリンタの制御を行うためのものである。制御ユニット60は、CPU61と、タイマ62と、インターフェース部63と、ASIC64と、メモリ65と、DCコントローラ66とを有する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うためのものであり、DCコントローラ66、PFモータドライバ16、CRモータドライバ43、ポンプモータドライバ32およびヘッドドライバ22に制御指令を与える。タイマ62は、CPU61に対して周期的に割り込み信号を発生する。インターフェース部63は、プリンタの外部に設けられたホストコンピュータ67との間でデータの送受信を行う。ASIC64は、ホストコンピュータ67からインターフェース部63を介して送られてくる印刷情報に基づいて、印刷の解像度やヘッドの駆動波形等を制御する。メモリ65は、ASIC64及びCPU61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、PROM、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。DCコントローラ66は、CPU61から送られてくる制御指令と計測器群50からの出力に基づいて、PFモータドライバ16及びCRモータドライバ43を制御する。
【0025】
<エンコーダの構成について>
図5は、リニア式エンコーダ51の説明図である。
リニア式エンコーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのものであり、リニアスケール511と検出部512とを有する。
リニアスケール511は、所定の間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられており、プリンタ本体側に固定されている。
【0026】
検出部512は、リニアスケール511と対向して設けられており、キャリッジ41側に設けられている。検出部512は、発光ダイオード512Aと、コリメータレンズ512Bと、検出処理部512Cとを有しており、検出処理部512Cは、複数(例えば、4個)のフォトダイオード512Dと、信号処理回路512Eと、2個のコンパレータ512Fa、512Fbとを備えている。
【0027】
発光ダイオード512Aは、両端の抵抗を介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコリメータレンズに入射される。コリメータレンズ512Bは、発光ダイオード512Aから発せられた光を平行光とし、リニアスケール511に平行光を照射する。リニアスケールに設けられたスリットを通過した平行光は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイオード512Dに入射する。フォトダイオード512Dは、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオードから出力される電気信号は、コンパレータ512Fa、512Fbにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。そして、コンパレータ512Fa、512Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスENC−Bが、リニア式エンコーダ51の出力となる。
【0028】
図6は、リニア式エンコーダ51の2種類の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図6Aは、CRモータ42が正転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。図6Bは、CRモータ42が反転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。
【0029】
図6A及び図6Bに示す通り、CRモータ42の正転時および反転時のいずれの場合であっても、パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90度ずれている。CRモータ42が正転しているとき、すなわち、キャリッジ41が主走査方向に移動しているときは、図6Aに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、CRモータ42が反転しているときは、図6Bに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、キャリッジ41がリニアスケール511のスリットの間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))を移動する時間に等しい。
【0030】
キャリッジ41の位置の検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント数に基づいて、キャリッジ41の位置を演算する。カウント数は、CRモータ42が正転しているときに一つのエッジが検出されると『+1』を加算し、CRモータ42が反転しているときに一つのエッジが検出されると『−1』を加算する。パルスENCの周期はリニアスケール511のスリット間隔に等しいので、カウント数にスリット間隔を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ41の位置からの移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔となる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ41の位置を検出しても良い。パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はリニアスケール511のスリット間隔に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ずれているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントすれば、カウント数『1』は、リニアスケール511のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント数にスリット間隔の1/4を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ41の位置から移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔の1/4となる。
【0031】
キャリッジ41の速度Vcの検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度は、λ/Tとして順次求めることができる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ41の速度を検出しても良い。各パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出することにより、リニアスケール511のスリット間隔の1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度Vcは、Vc=λ/(4T)として順次求めることができる。
【0032】
なお、ロータリー式エンコーダ52では、プリンタ本体側に設けられた上記リニアスケール511の代わりに紙送りローラ17Aの回転に応じて回転する回転円板521を用いる点と、キャリッジ41に設けられた検出部512の代わりにプリンタ本体側に設けられた検出部522を用いる点が異なるだけで、他の構成はリニア式エンコーダ51とほぼ同様である(図4参照)。
また、ロータリー式エンコーダの解像度に基づいて、搬送ユニットが搬送可能な最小の搬送量(最小単位C)が定まる。なお、本実施形態では、補正可能な最小の搬送量を1/5760インチとしている(なお、ドットの間隔は、1/720インチである)。
【0033】
<ノズルの構成について>
図7は、ヘッド21の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド21の下面には、濃ブラックインクノズル群KDと、淡ブラックインクノズル群KLと、濃シアンインクノズル群CDと、淡シアンインクノズル群CLと、濃マゼンタインクノズル群MDと、淡マゼンタノズル群MLと、イエローインクノズル群YDが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態ではn個)備えている。なお、各ノズル群を示す符号の最初のアルファベットはインク色を意味しており、また、添え字の「 D」は濃度が比較的高いインクであることを意味しており、また、添え字の「 L 」は濃度が比較的低いインクであることをそれぞれ意味している。
【0034】
各ノズル群の複数のノズルは、紙搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、紙搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)であり、例えば、解像度が720dpiであれば1/720インチ(約35.3μm)である。また、kは、1以上の整数である。
【0035】
また、各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯n)。また、各ノズル群のノズルは、紙搬送方向の位置に関して、隣のノズル群のノズルの間に位置するように設けられている。例えば、淡ブラックインクノズル群KLの一番ノズル♯1は、紙搬送方向の位置に関して、濃ブラックインクノズル群KDの一番ノズル♯1と二番ノズル♯2との間に設けられている。また、紙幅センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番下流側にあるn番ノズル♯nとほぼ同じ位置に設けられている。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
【0036】
なお、印刷時には、紙Sが紙搬送ユニット10によって間欠的に所定の搬送量Fで搬送され、その間欠的な搬送の間にキャリッジ41が走査方向に移動して各ノズルからインク滴が吐出される。
【0037】
===紙の搬送量と画質の劣化の関係(参考例)===
<搬送誤差がない場合>
図8は、紙Sを搬送するときに誤差がない場合(つまり、搬送ユニットによる紙Sの搬送量が、目標搬送量と一致している場合)のドットの形成の様子を示す説明図である。同図では、説明の便宜上、ヘッド21は、1色分の7個のノズルのみを有するものとしている(つまり、n=7)。また、同図では、説明の便宜上、紙Sが走査方向にも移動しているかのように描かれているが、実際には、紙Sは紙搬送方向に移動するだけであって走査方向には移動しない。
同図において、このノズル群のノズルピッチk・Dは、ドットピッチDの4倍である(つまり、k=4)。なお、ヘッド21の中において、丸の中に示されている数字1〜7は、ノズル番号を意味している。同図に示された通り、ノズル番号が若いノズルほど、紙搬送方向の下流に設けられている。
【0038】
紙Sは、ノズルが走査方向に1回走査移動した(以下、『パス』と呼ぶ)後に、搬送ユニット10によって、紙走査方向に搬送量F=L・D(Lは整数、Dはドットピッチ)だけステップ移動する。同図では、搬送ユニット10による搬送量Fは7・D(つまり、L=7)であり、目標搬送量も7・Dである。なお、一定の搬送量F(=L・D)で紙Sの搬送を行う場合、整数Lを整数kで割ったときの余りが(k−1)になるような整数Lを採用することが好ましい。
【0039】
紙S内において、丸印は1回目のパスで形成されるドットの位置(画素の位置)を示し、四角形印は2回目のパスで形成されるドットの位置を示し、六角形印は3回目のパスで形成されるドットの位置を示し、八角形印は4回目のパスで形成されるドットの位置を示している。そして、各印の中の数字は、そのドットを形成するためのインクを吐出したノズルの番号を示している。また、同図では、1回のパス毎に2つのドットを形成しているが、実際には、ノズルが走査方向に移動しながら間欠的にインクを吐出するので、走査方向に沿って多数のドットがライン状に形成される(以下、これを『ラスタライン』と呼ぶ)。
【0040】
同図の記録方式では、紙Sが走査方向に搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。また、同図の記録方式は、『インターレース印刷』の一例でもある。ここで、『インターレース印刷』とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方式を意味する。
【0041】
<搬送誤差がある場合>
図9は、紙Sを搬送するときに誤差がある場合(つまり、搬送ユニットによる搬送量が、目標搬送量に対して、誤差を含んでいる場合)のドットの形成の様子を示す説明図である。また、図10は、紙Sを搬送するときに誤差がある場合に搬送ユニットの目標搬送量を毎回補正したときのドットの形成の様子を示す説明図である。また、図11は、図9及び図10における印刷縞(バンディング)の発生の様子を示す説明図である。
【0042】
図9では、搬送ユニットは、目標搬送量F(=L・D)の指令信号が入力されたときに、一定のプラス誤差δの誤差を含む搬送量(F+δ)で紙を搬送している。すなわち、図8の場合と比較して、紙Sが、誤差δだけ余分に紙搬送方向下流側に搬送されている。その結果、パス1で記録されるラスタライン(L2、L6)とパス2で記録されるラスタライン(L1、L5)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス2で記録されるラスタライン(L5)とパス3で記録されるラスタライン(L4)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス3で記録されるラスタライン(L4)とパス4で記録されるラスタライン(L3)との間のドットピッチがδだけ短くなる。そして、このように搬送の誤差が蓄積された結果、図11Aで示される通り、例えば第2列目のラスタライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成されるライン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で第1番ノズルにより形成されるライン)との間のドットピッチが、3δだけ広がる。そのため、図11Aで示される通り、理想的なドットピッチDよりも大きいので、肉眼では色の薄い縞が発生する。このような色の薄い縞(以下、『明バンディング』と呼ぶ。但し、『白バンディング』又は『淡バンディング』ともいう。)は、画質劣化として観察される。
【0043】
図10では、目標搬送量F(目標搬送量Fのとき、搬送ユニットの搬送量はF+δになる)に補正量−Cを加えた指令信号が搬送ユニットに入力されている。ここで、Cは、搬送ユニットが搬送可能な最小の搬送量であり、紙送りモータやロータリー式エンコーダの解像度などから決まる値である。本実施形態の場合、ロータリー式エンコーダの解像度に依存し、C=1/5760インチである。但し、ここでは、搬送誤差δが最小補正量Cよりも小さいため、搬送量Fを毎回補正したのでは、図9とは逆方向の誤差δ−Cが生じる。したがって、図10では、図8の場合と比較して、紙Sが、δ−Cだけ余分に紙搬送方向下流側に搬送されている(つまり、紙Sが、C−δだけ不足して紙搬送方向に搬送されている)。そして、このように搬送の誤差が蓄積された結果、図11Bで示される通り、例えば第2列目のラスタライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成されるライン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で第1番ノズルにより形成されるライン)との間のドットピッチが、3D−3δだけ狭くなる(3δ−3Dだけ広がる)。そのため、図11Aで示される通り、L2とL3との間のドットピッチが理想的なドットピッチDよりも狭いので、肉眼では色の濃い縞が発生する。このような色の濃い縞(以下、『暗バンディング』と呼ぶ。但し、『黒バンディング』又は『濃バンディング』ともいう。)は、画質劣化として観察される。
【0044】
<本実施形態の搬送量の補正方法について>
上記の参考例では、搬送ユニットの搬送量に誤差が含まれていたとしても、搬送ユニットの搬送量を毎回補正したのでは、画質の劣化を招くことがあることを示している。したがって、搬送ユニットの搬送量の補正を一定にするのではなく、適宜設定することが必要である。
以下、搬送ユニットの搬送量を、どのようなタイミングで、どのくらい補正をするのか、詳しく説明する。
【0045】
===搬送量の補正方法===
<補正を行うためのフローについて>
図12は、本実施形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。本実施形態では、紙Sを搬送する際の目標搬送量Fの補正量が、その搬送を行う前に搬送ユニットが既に行った搬送量に基づいて、決定されている。なお、以下に説明するプリンタの動作は、制御ユニット60によって制御される(又は、プリンタドライバによって制御される)。
【0046】
まず、フロー図の『START』の状態は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、その位置から印刷開始位置に搬送された状態である。このときの超過搬送量Fcは、ゼロになるようにリセットする(S101)。なお、超過搬送量Fcの性質については、後述する。
【0047】
次に、超過搬送量Fcに対して、搬送量Fが加算される(S102)。ここで、搬送量Fは、紙を間欠的に搬送する際の理想的な1回分の搬送量である。また、搬送量Fは、印刷モード等によって定まるものであり、プリンタ本体のメモリに記憶されているか、または、プリンタドライバによって予め設定されている。
【0048】
次に、超過搬送量Fcを基準補正量Aで割り、商mと余りaを算出する(S103)。なお、仮に目標搬送量が基準搬送量Aであった場合、搬送ユニットがこの目標搬送量に基づいて紙を搬送すると、紙は目標搬送量Aに対して最小補正量Cの搬送誤差を含んで搬送される。逆に、搬送誤差がCとなるような目標搬送量の値が、基準搬送量Aとなる。なお、基準搬送量Aの設定方法は、後で詳細に説明される。
【0049】
算出された商mが1よりも小さいならば(S104)、目標搬送量Fを補正せず(S105)、目標搬送量Fに基づいて紙を搬送する(S106)。つまり、この場合の補正量は、ゼロと決定される。
算出された商mが1以上ならば(S104)、補正量をm・Cと決定し、目標搬送量FをF−m・Cと補正して(S111)、目標搬送量F−m・Cに基づいて紙を搬送する(S112)。この場合、紙の搬送量Fが補正されたので、超過搬送量FcはS103で算出した余りaとする(S113)。
【0050】
次に、キャリッジを走査方向に移動して、ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印刷を行う(S121)。そして、印刷が終了しないならば、工程S102に戻る(S122)。これを繰り返すことによって、紙は間欠的に搬送される。そして、紙の間欠的な搬送の間に、移動するノズルからインクを吐出して、紙にドットが形成されて印刷が行われる。なお、工程S122における印刷終了の判断は、例えば、紙の搬送量の累積などから判断することができる。
【0051】
本実施形態のように、超過搬送量Fcに基づいて搬送量の補正量を決定しても、ドットピッチDの極端な近接や離間を抑えることができるので、バンディングの発生を抑えることができる。したがって、超過搬送量Fcをメモリに記憶していれば、その値を用いて、次の搬送の目標搬送量に対する補正量を算出することができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、単に毎回目標搬送量を補正するのではなく、所定の位置に対する超過搬送量に基づいて目標補正量を補正しているので、搬送を行う前の搬送状態や補正状態を反映して目標搬送量を補正することができる。さらに本実施形態によれば、超過搬送量に目標搬送量を加算して補正量を決定しているので、搬送前後の搬送状態や補正状態を反映して、補正量を決定することができる。したがって、本実施形態によれば、高画質な印刷を行うことができる。
【0053】
また、本実施形態の搬送量の補正方法のフローでは、紙を搬送する前に超過搬送量Fcに目標搬送量Fを加算し、その値を基に目標搬送量の補正の要否や補正量を判断しているので、実際の搬送後の搬送誤差を抑制することができる。
【0054】
<ドットの形成の様子について>
図13は、本実施形態のドットの形成の様子を示す説明図である。また、図14は、印刷縞(バンディング)の発生が抑制された様子を示す説明図である。ここでは、目標搬送量がF=7・Dであり、基準搬送量がA=14・Dとして設定されている(なお、基準搬送量が、どのように設定されるかは、後で明らかになる)。紙が目標搬送量Fで搬送されると搬送誤差δが生じる。そして、紙が14・Dの搬送量で搬送されるたびに、最小補正量Cと同程度の搬送誤差が生ずる(つまり、C=2・δとなる)。
【0055】
本実施形態では、上記の参考例と比較すると、搬送ユニットの搬送量を補正する場合と、搬送ユニットの搬送量を補正しない場合との両方がある点で異なっている(同図では、2回の搬送につき1度の割合で搬送量を補正している)。
【0056】
本実施形態でも、搬送ユニットは、目標搬送量F(=L・D)の指令信号が入力されたときに、一定のプラス誤差δの誤差を含む搬送量(F+δ)で紙を搬送している。そして、パス1とパス2との間の搬送量及びパス3とパス4との間の搬送量は、補正していない。その結果、パス1で記録されるラスタライン(L2、L6)とパス2で記録されるラスタライン(L1、L5)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス3で記録されるラスタライン(L4)とパス4で記録されるラスタライン(L3)との間のドットピッチがδだけ短くなる。
【0057】
一方、本実施形態では、パス2とパス3との間の搬送量には、補正量−Cが加えられている。その結果、パス2で記録されるラスタライン(L5)とパス3で記録されるラスタライン(L4)との間のドットピッチがC−δだけ広くなる(δ−Cだけ短くなる)。よって、本実施形態では、図14で示される通り、例えば第2列目のラスタライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成されるライン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で第1番ノズルにより形成されるライン)との間のドットピッチが、D+3δ−C(=D+δ)になる。
【0058】
本実施形態では、上記の参考例(図11Aおよび図11B)の場合と比較すると、搬送誤差の蓄積が軽減されるため、理想的なドットピッチDに対して極端に近接や離間することがないので、バンディング(暗バンディング及び淡バンディング)の発生を抑制することができる。
【0059】
<搬送量と補正量の関係について>
図15は、図13の場合の搬送量と補正量との関係を示す表である。この表と図12のフロー図を用いて、搬送量と補正量の関係について、再度説明する。ただし、前述の図14では2回の搬送につき1度の割合で搬送量を補正していたが、図15では、説明の便宜のため、4回の搬送につき3度の割合で搬送量を補正するものとする。すなわち、紙が7D×4(4回の搬送)だけ搬送される間に3Cの搬送誤差が生じるので、基準搬送量Aは、A=7D×4/3になる。
【0060】
(パス1〜パス2の搬送量と補正量)まず、パス1のラスタラインが印刷された後の、パス2までの搬送量と補正量について計算する。ゼロにリセットされている超過搬送量Fcに目標搬送量Fが加算され、Fcが7・Dになる(S102)。次に、この超過搬送量7・Dを基準搬送量A(A=7D×4/3)で割って、商と余りを算出する(S103)。この場合、商はゼロなので、目標搬送量を補正せず、目標搬送量Fに基づいて紙を搬送する(S104〜S106)。その後、キャリッジを走査方向に移動してノズルからインクを吐出し、パス2のラスタラインが印刷される。
【0061】
(パス2〜パス3の搬送量と補正量)次に、パス3までの搬送量と補正量について計算する。前回の搬送では搬送量の補正が行われていないので、超過搬送量Fcは7・Dである。この超過搬送量Fcに目標搬送量Fが加算され、Fcが14・Dになる(S102)。次に、この超過搬送量14・Dを基準搬送量A(A=7D×4/3)で割って、商と余りを算出する(S103)。この場合、商は1なので、補正量は1・Cと決定され、目標搬送量FをF−Cに補正し、この目標搬送量F−Cに基づいて、紙を搬送する。このとき、余りの4.67Dが、繰り越される。
【0062】
(パス3〜パス4の搬送量と補正量)次に、パス4までの搬送量と補正量について計算する。前回の余り4.67Dが繰り越されたので、この超過搬送量Fcに目標搬送量Fが加算され、Fcが11.67Dになる(S102)。次に、この超過搬送量11.67Dを基準搬送量A(A=7D×4/3)で割って、商と余りを算出する(S103)。この場合、商は1なので、補正量は1・Cと決定され、目標搬送量FをF−Cに補正し、この目標搬送量F−Cに基づいて、紙を搬送する。このとき、余りの2.33Dが、繰り越される。
【0063】
(パス4〜パス5の搬送量と補正量)次に、パス4までの搬送量と補正量について計算する。前回の余り2.33Dが繰り越されたので、この超過搬送量Fcに目標搬送量Fが加算され、Fcが9.33Dになる(S102)。次に、この超過搬送量9.33Dを基準搬送量A(A=7D×4/3)で割って、商と余りを算出する(S103)。この場合、商は1なので、補正量は1・Cと決定され、目標搬送量FをF−Cに補正し、この目標搬送量F−Cに基づいて、紙を搬送する。このとき、余りはゼロになる。
【0064】
なお、パス5以降の搬送量と補正量も、同様に求められる。本実施形態の場合、4回の搬送につき3度の割合で搬送量を補正しているので、補正を行う搬送と補正を行わない搬送とが発生する。
【0065】
<補正量と搬送誤差との関係について>
図16は、4回の搬送につき最小補正量Cの3つ分の補正を行う場合の累積誤差δTと搬送回数(パス)との関係を示すグラフである。同図において、実線は目標搬送量を補正した場合の累積誤差を示し、点線は目標搬送量を補正しない場合の累積誤差を示している。なお、本実施形態の補正方法も、図12のフローに従がって、目標搬送量の補正を行っている。
【0066】
本実施形態では、4回の搬送につき3度の割合で搬送量を補正しているので、1回の搬送の度に、δ=0.75Cの搬送誤差を発生していると考えている。仮に、目標搬送量を補正しなかった場合、1回の搬送で生じる搬送誤差が、たとえ最小補正量Cよりも小さくても、搬送誤差は蓄積されていく(図中の点線を参照)。そして、搬送誤差が蓄積される結果、上述した通りバンディングが発生してしまう。
一方、4回の搬送につき3度の割合で目標搬送量を補正した場合、搬送誤差の蓄積が改善される(図中の実線を参照)。そして、搬送誤差の蓄積が改善された結果、バンディングの発生を抑制することができる。
特に、図12に示されたフローに従がって目標搬送量を補正すれば、蓄積誤差δTが最小補正量Cを超えないようにすることができる。その結果、ラスタライン間のドットピッチを、搬送ユニットの解像度(エンコーダの解像度)で可能な限り、理想的なドットピッチに近づけることができるので、バンディングの発生を抑制することができる。
【0067】
<補正のタイミングについて>
図17は、本実施形態のフローに従がって目標搬送量Fを補正したときの、補正のタイミングや補正量と基準搬送量Aとの関係を示す説明図である。同図において、矢印の連続は、紙が間欠的に搬送されていることを示すものである。
【0068】
本実施形態では、4回の搬送につき3度の割合で目標搬送量を補正するように、基準搬送量Aが設定されている。すなわち、基準搬送量Aは、F×4/3に設定される。
このように基準搬送量Aを設定し、図12に示されたフローに従がって目標搬送量を補正すると、紙が基準搬送量の整数倍の搬送量で搬送される毎に、目標搬送量は補正されることになる。このことは、搬送ユニットが紙を間欠的に搬送するとき、補正量が各搬送に対してほぼ均等に配分されることを意味する。そして、目標搬送量の補正が均等に配分されるので、目標搬送量の補正が偏って配分された場合と比較して、画質が向上する。
【0069】
なお、例えば、パス3まで紙を搬送した後における前述の超過搬送量Fc(=a)は、図中に示された通り、パス3までの搬送量のうちの基準搬送量Aを超えた分の搬送量(2×F−A)である。そして、この超過搬送量Fc(=a)と次の搬送の際の目標搬送量Fとを加算し、その値に基づいて、次の搬送の際の目標搬送量に対する補正量を算出する。また、同様に、パス4からパス5まで紙を搬送する際の目標搬送量の補正量は、パス4までの搬送量のうちの2×Aを超えた分の搬送量(3F−2A)と目標搬送量Fとを加算した値に基づいて、算出される。
【0070】
パス3からパス4までの搬送の際の目標搬送量に対する補正量は、搬送量の累積に基づいて、求めることもできる。すなわち、パス4までの搬送量の累積(パス3までの搬送量に目標搬送量Fを加算したもの)をAで割れば、パス4までの搬送の際の補正量の累積が算出できる(図17では最小補正量Cの2つ分)。一方、パス3までの搬送量の累積をAで割れば、パス3までの搬送の際の補正量の累積が算出できる(図17では最小補正量Cの1つ分)。そして、2つの補正量の累積の差分から、パス3からパス4までの搬送の際の補正量を決定することができる。したがって、搬送量の累積をメモリに記憶していれば、その値を用いて、次の搬送の目標搬送量に対する補正量を算出しても良い。なお、搬送量の累積に基づいて補正量を決定することについては、後述する。
【0071】
===基準搬送量Aの設定===
上記の通り、基準搬送量Aは、目標搬送量に対する補正量を決める要素になる。この基準搬送量Aは、各種の要因による搬送誤差に基づいて、設定される。つまり、基準搬送量Aは、各種の搬送誤差をうち消すことができるように、設定される。搬送誤差δの発生要因としては、主に、(1)プリンタ本体の製造のばらつき、(2)搬送する紙の種類、(3)紙の搬送量、等が挙げられる。そこで、本実施形態では、これらの要因に基づく搬送誤差を考慮して、基準搬送量Aを設定している。
【0072】
<プリンタ本体の製造のばらつきによる搬送誤差について>
プリンタ本体の製造のばらつき(個体差)による搬送誤差δ1は、例えば、搬送ユニットの紙送りローラの径のばらつき等によって、発生する。この搬送誤差δ1は、プリンタを工場から出荷する際に、工場でのプリンタの検査において決定される。この搬送誤差δ1は、個々のプリンタ毎に独自の値になる。
【0073】
プリンタ本体の製造のばらつきによる搬送誤差δ1は、例えば工場において出荷前のプリンタを用いてテストパターンを印刷し、そのテストパターンの印刷状況に基づいて、決定される。なお、このようなテストパターンとしては、段階的に補正量(搬送量)を異ならせて複数のパターンを印刷したものが考えられる。そして、この複数のパターンの中から最適なパターンを選択することによって、搬送誤差δ1が決定される。
【0074】
決定された搬送誤差δ1は、プリンタ本体側に設けられたメモリに記憶される。そして、メモリに記憶された搬送誤差δ1に基づいて、基準搬送量Aが設定される。なお、メモリに記憶される情報は、搬送誤差δ1の代わりに、搬送誤差δ1に対応する補正量(又は搬送量)に関する情報であってもよい。例えば、製造のばらつきに対する補正量に関する情報が、「4回の搬送につき3度の割合で目標搬送量を補正する」との情報であっても良い。
【0075】
<搬送する紙の種類による搬送誤差について>
搬送する紙の種類による搬送誤差δ2は、例えば、紙が搬送時に紙送りローラに対して滑ること等によって、発生する。したがって、この搬送誤差δ2は、紙が滑りやすいほど小さい値(マイナスになる場合も含む)になり、紙が滑りにくいほど大きい値になる。例えば、普通紙は、光沢紙と比較して、搬送誤差が大きい値になる。また、搬送される紙がロール紙であれば、紙がロール側(すなわち搬送方向と反対方向)に引っ張られる傾向にあるので、搬送誤差δが小さい値(マイナスになる場合も含む)になる。
【0076】
紙の種類による搬送誤差δ2は、以下に説明するように、決定される。まず、ユーザーが、プリンタドライバの設定を行うためのユーザーインターフェースを介して、印刷する紙の種類を選択する。プリンタドライバをインストールしたコンピュータ本体は、予め、印刷する紙の種類と搬送誤差δ2とを関連づけたテーブル(参照表)を記憶している。そして、ユーザーが選択した紙の種類に基づいてテーブルを参照することによって、対応する搬送誤差δ2が決定される。
【0077】
決定された搬送誤差δ2は、コンピュータ本体(プリンタにとって外部装置)に設けられたメモリに記憶される。そして、メモリに記憶された搬送誤差δ2に基づいて、基準搬送量Aが設定される。なお、メモリに記憶される情報は、搬送誤差δ2の代わりに、搬送誤差δ2に対応する補正量(又は搬送量)に関する情報であってもよい。例えば、紙の種類に対する補正量に関する情報が、「4回の搬送につき2度の割合でマイナス方向に目標搬送量を補正する」との情報であっても良い。
【0078】
<紙の搬送量による搬送誤差について>
紙の搬送量による搬送誤差δ3は、例えば、紙が搬送時に紙送りローラに対して滑ること等によって、発生する。したがって、搬送誤差δ3は、搬送量Fが大きいときには大きい値になり、搬送量Fが小さいときには小さい値になる。なお、紙の搬送量は、印刷モード(又は印刷モードに含まれる搬送モード)と関連している。例えば、高精度な印刷モードは、低い精度の印刷モードと比較して、間欠的な搬送の際の搬送量が小さい。したがって、高精度な印刷モード(又は高精度な搬送モード)では、低い精度の印刷モードと比較して、搬送誤差δ3が小さい値になる。
【0079】
紙の搬送量による搬送誤差δ3は、以下に説明するように、決定される。まず、ユーザーが、プリンタドライバの設定を行うためのユーザーインターフェースを介して、印刷モードを選択する。プリンタドライバをインストールしたコンピュータ本体は、予め、印刷モードと搬送誤差δ3とを関連づけたテーブル(参照表)を記憶している。そして、ユーザーが選択した印刷モードに基づいてテーブルを参照することによって、対応する搬送誤差δ3が決定される。
【0080】
決定された搬送誤差δ3は、コンピュータ本体に設けられたメモリに記憶される。そして、メモリに記憶された搬送誤差δ3に基づいて、基準搬送量Aが設定される。なお、メモリに記憶される情報は、搬送誤差δ3の代わりに、搬送誤差δ3に対応する補正量(又は搬送量)に関する情報であってもよい。例えば、搬送量に対する補正量に関する情報は、「4回の搬送につき2度の割合で目標搬送量を補正する」との情報であっても良い。
【0081】
<基準搬送量Aの設定について>
基準搬送量Aは、各種の補正量に関する情報(又は搬送誤差に関する情報)に基づいて、設定される。この基準搬送量Aは、プリンタ側で記憶している補正量に関する情報(製造のばらつきに対する補正量に関する情報(第1の補正情報))と、コンピュータ本体側から送信される印刷データに含まれる補正量に関する情報(紙の種類に対する補正量と搬送量に対する補正量とに関する情報(第2の補正情報))とに基づいて、設定される。
【0082】
例えば、(1)製造のばらつきに対する補正量に関する情報が、「4回の搬送につき3度の割合で搬送量を補正する」との情報であり、(2)紙の種類に対する補正量に関する情報が、「4回の搬送につき2度の割合でマイナス方向に搬送量を補正する」との情報であり、(3)搬送量に対する補正量に関する情報が、「4回の搬送につき2度の割合で搬送量を補正する」との情報であったとする。この場合、すべての補正量に関する情報を考慮すると、4回の搬送につき3度(=3度−2度+2度)の割合で搬送量を補正することになる。このことは、目標搬送量が7Dであれば、紙が7D×4(4回の搬送)だけ搬送される間に3Cの搬送誤差が生じることを意味する。したがって、基準搬送量Aは、A=7D×4/3として設定される。
【0083】
なお、前述の通り目標搬送量が基準搬送量Aに基づいて補正されており、この基準搬送量Aは各種の補正量に関する情報に基づいて設定されているので、目標搬送量は、各種の補正量に関する情報に基づいて補正されていることになる。
【0084】
===印刷完了までの全体の流れ===
図18は、コンピュータ本体側およびプリンタ側の動作を説明するためのフロー図である。以下、同図を用いて、印刷完了までの全体の流れを説明しながら、基準搬送量Aの設定について説明する。なお、同図において、S1C〜S6Cはコンピュータ本体側で行う工程であり、S1P〜S8Pはプリンタ側で行う工程である。また、S1P〜S4Pはプリンタを製造する工場内で行う工程であり、S1C〜S6CおよびS5P〜S8Pはユーザー側で行う工程である。
【0085】
まず、工場で製造されたプリンタを用いて、テストパターンを印刷する(S1P)。このテストパターンは、段階的に目標搬送量に対する補正量を異ならせて複数のパターンを印刷したものである。つまり、テストパターンとして印刷されている複数のパターンは、それぞれ特定の補正量と対応している。
【0086】
次に、工場内の作業者又は検査装置が、複数のパターンが印刷されたテストパターンを検査し、複数のパターンのうちの最適なパターンを選択する(S2P)。パターンの選択は、プリンタに設けられた入力装置又はプリンタに接続された入力装置を用いて、行われる。なお、最適なパターンとは、実際の搬送量(補正された目標搬送量によって実際に搬送された量)が目標搬送量に最も近い状態で印刷されたパターンである。
【0087】
次に、プリンタの製造のばらつきに対する補正量を決定する(S3P)。決定された補正量は、選択されたパターンを印刷したときに用いた補正量になる。なぜなら、最適なパターンを印刷したときの補正量を用いて目標搬送量を補正すれば、実際の搬送量は、目標搬送量(補正前の目標搬送量)に近づくからである。プリンタの製造のばらつきに対する補正量は、プリンタ側のメモリに記憶される。
【0088】
工場内において製造のばらつきに対する補正量をメモリに記憶したプリンタは、梱包されて出荷される(S4P)。出荷されたプリンタは、ユーザーの下に届けられる。プリンタを購入したユーザーは、コンピュータ本体とプリンタとをケーブルで接続し、セッティングを行う(S5P)。
【0089】
セッティング後、ユーザーはプリンタドライバのインストールを行う。プリンタドライバのインストールは、例えば、プリンタドライバのプログラムを記憶した記憶媒体であるCD−ROMをコンピュータに読み取らせることにより行う。但し、プリンタドライバのインストールは、CD−ROMを用いずに、インターネット等の通信回線を介してプログラムをダウンロードすることによって行ってもよい。
【0090】
次に、プリンタドライバの設定が行われる(S2C)。プリンタドライバの設定は、プリンタドライバのユーザーインターフェースを介して行う。ユーザーインターフェースは、コンピュータ本体に接続された表示装置(後述)の画面に表示される。そして、ユーザーは、入力装置(後述)を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行う。
【0091】
例えば、ユーザーは、この画面上から、印刷する紙の種類を選択することができる。プリンタドライバのインストール時に、コンピュータ本体には、印刷する紙の種類と補正量とを関連づけたテーブル(参照表)が記憶されている。そして、プリンタドライバの設定によって特定された紙の種類に応じてテーブルを参照し、紙の種類に対する補正量を決定することができる(S3C)。また、ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択することができる。そして、印刷モードが決まれば、紙の搬送量が決定されるので、同様に、搬送量に対する補正量を決定することができる。
【0092】
ユーザーが印刷を指示すれば(S4C)、印刷データの作成が行われる(S5C)。印刷の指示は、例えばアプリケーション上で印刷コマンドを選択することによって、行われる。そして、アプリケーション上で作成された原稿(画像データ)は、プリンタドライバの設定内容に基づいて、印刷データに変換される。
【0093】
作成された印刷データは、プリンタ側に送信される(S6C)。印刷データの送信は、コンピュータ本体側のディスクにスプールした後に行われる。但し、印刷データの送信は、プリントサーバー側にスプールしてから行ってもよい。送信される印刷データには、紙の種類に対する補正量に関する情報と、搬送量に対する補正量に関する情報とが含まれている。また、送信される印刷データには、目標搬送量に関する情報が含まれている。なお、印刷データに含まれている目標搬送量は、補正前の値(補正量によって補正されていない値)である。この理由は、後述する。
【0094】
プリンタは、コンピュータ本体側から印刷データを受信する(S6P)。これにより、プリンタは、目標搬送量に関する情報と、紙の種類に対する補正量に関する情報と、搬送量に対する補正量に関する情報とを取得することができる。取得したこれらの情報は、プリンタ側のメモリに記憶される。
【0095】
次に、各種の補正量に関する情報に基づいて、基準搬送量Aが設定される(S7P)。この基準搬送量Aは、プリンタ側で記憶している補正量に関する情報(製造のばらつきに対する補正量に関する情報)と、コンピュータ本体側から送信される印刷データに含まれる補正量に関する情報(紙の種類に対する補正量と搬送量に対する補正量とに関する情報)とに基づいて、設定される。
そして、設定された基準搬送量Aに基づいて、前述の図12に示されたフローに従って、印刷動作が開始される(S8P)。
【0096】
<補正していない目標搬送量を印刷データに含める理由>
前述の通り、印刷データに含まれる目標搬送量は、補正前の値(補正量によって補正されていない値)である。この理由は、以下に説明される通りである。なお、以下の説明では、コンピュータ側の補正量に関する情報が「4回の搬送につき1度の割合で搬送量を補正する」との情報であり、プリンタ側の補正量に関する情報が「4回の搬送につき2度の割合で搬送量を補正する」との情報であるものとする。
【0097】
図19Aは、本実施形態とは別の比較例を説明するための図である。また、図19Bは、比較例の構成の場合における、搬送ユニットに指令される目標搬送量を説明するための図である。この比較例では、コンピュータ側で目標搬送量が補正され、コンピュータ側からプリンタ側に送信される印刷データには、補正された目標搬送量が含まれている。
【0098】
この比較例の構成では、印刷データに含まれる目標搬送量(補正された目標搬送量)には、4回に1度の割合で補正量Cが加えられることになる。一方、プリンタ側では、印刷データに含まれる目標搬送量を4回に2回の割合で目標搬送量を補正している。この結果、搬送ユニットに指令される目標搬送量は、4回に1度の割合で補正量2Cが加えられ、4回に1度の割合で補正量Cが加えられ、4回に2度の割合で補正が行われないようになる。つまり、比較例のような構成では、搬送ユニットに指令される目標搬送量(間欠的な搬送の際の目標搬送量)が、均等に補正されていない。
【0099】
図20Aは、本実施形態を説明をするための図である。また、図20Bは、本実施形態の場合の補正の様子を説明するための図である。本実施形態では、目標搬送量は、コンピュータ側では補正されず、そのままの値で印刷データに含まれることになる。そして、プリンタ側において、目標搬送量が、紙種・搬送量に対する補正量と製造ばらつきに対する補正量とに基づいて、補正されている。この結果、本実施形態では、搬送ユニットに指令される目標搬送量は、均等に補正されている。
【0100】
つまり、比較例と本実施形態とを比較すると、4回の搬送につき3Cの補正量が加えられている点で共通するが、補正が均等に行われる点で本実施形態が有利である。そして、本実施形態のプリンタは、目標搬送量の補正が均等に行われるので、高精度な印刷を行うことができるのである。
【0101】
===コンピュータシステム等の構成===
次に、コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図21は、コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。コンピュータシステム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0102】
図22は、図21に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。上述したプリンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、記録媒体であるフレキシブルディスクFDやCD−ROM等に記録され、読取装置1110により読みこまれる。また、コンピュータプログラムは、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータシステム1000にダウンロードされるようにしても良い。
【0103】
図23は、コンピュータシステムに接続された表示装置1104の画面に表示されたプリンタドライバのユーザーインターフェースを示す説明図である。ユーザーは、入力装置1108を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。例えば、ユーザーは、この画面上から、印刷する紙の種類を選択することができる。そして、選択された紙の種類に応じて、前述の基準搬送量Aを設定することができる。また、ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択することができる。そして、印刷モードが決まれば、紙の搬送量が決定されるので、前述の基準搬送量Aを設定することができる。また、ユーザーがプリンタドライバを設定するために入力した他の情報に基づいて、基準搬送量Aを設定しても良い。
【0104】
図24は、コンピュータ本体1102からプリンタ1106に供給される印刷データのフォーマットの説明図である。この印刷データは、プリンタドライバの設定に基づいて画像情報から作成されるものである。印刷データは、印刷条件コマンド群と各パス用コマンド群とを有する。印刷条件コマンド群は、印刷解像度を示すコマンドや、印刷方向(単方向/双方向)を示すコマンドなどを含んでいる。また、各パス用の印刷コマンド群は、目標搬送量コマンドCLや、画素データコマンドCPとを含んでいる。画素データコマンドCPは、各パスで記録されるドットの画素毎の記録状態を示す画素データPDを含んでいる。なお、同図に示す各種のコマンドは、それぞれヘッダ部とデータ部とを有しているが、簡略して描かれている。また、これらのコマンド群は、各コマンド毎にコンピュータ本体側からプリンタ側に間欠的に供給される。但し、印刷データは、このフォーマットに限られるものではない。
【0105】
なお、本実施形態では、印刷条件コマンド群の中に、紙種に対する補正量に関する情報と、紙の搬送量に対する補正量に関する情報とが含まれている。したがって、搬送する紙の種類が異なれば、印刷条件コマンド群の中のデータが異なることになる。また、紙の搬送量が異なれば、印刷条件コマンド群の中のデータが異なることになる。また、本実施形態では、パス用コマンド群の中の目標搬送量は補正されていないので、画素データPDを作成する際に基準とした目標搬送量のデータが、プリンタ側に送信されることになる。
【0106】
以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されてコンピュータシステムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、コンピュータシステムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0107】
また、上述した実施形態において、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、制御ユニット60のメモリ65に取り込まれていても良い。そして、制御ユニット60が、このコンピュータプログラムを実行することにより、上述した実施形態におけるプリンタの動作を達成しても良い。
【0108】
このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【0109】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る搬送装置又は印刷装置に含まれるものである。
【0110】
<補正量の決定方法ついて1>
前述の実施形態では、基準搬送量を超えた分の紙の搬送量に関する情報に基づいて、目標搬送量に対する補正量を決定していた。しかし、補正量の決定は、上述した実施形態に限られるものではなく、他の決定要素に基づいていても良い。要するに、前述の実施形態で設定された基準搬送量Aに基づいて目標搬送量を補正すれば、プリンタ側で記憶されている補正情報とコンピュータ側で記憶されている補正情報とに基づいて目標搬送量を補正することができる。
【0111】
図25は、他の実施形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。本実施形態では、紙Sを搬送する際の目標搬送量Fの補正量が、その搬送を行う前に搬送ユニットが既に行った搬送量を累積した累積搬送量に基づいて、決定されている。なお、以下に説明するプリンタの動作は、制御ユニット60によって制御される(又は、プリンタドライバによって制御される)。
【0112】
まず、フロー図の『START』の状態は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、その位置から印刷開始位置に搬送された状態である。このときの累積搬送量Faは、ゼロになるようにリセットする(S201)。なお、累積搬送量Faとは、後述の説明からも分かる通り、印刷開始位置からの搬送量であり、搬送ユニットが既に行った搬送量を累積したものである。
【0113】
次に、累積搬送量Faを基準搬送量Aで割り、商m1を算出する。また、累積搬送量Faに目標搬送量Fを累積(加算)したものを基準搬送量Aで割り、商m2を算出する(S202)。ここで、累積搬送量Faに目標搬送量Fを加算したものは、紙Sを搬送した後の累積搬送量となる。なお、商m1は、次の搬送を行う前に行った補正量の累積と関連している。また、商m2は、搬送を行った後の補正量の累積と関連している。したがって、商m2から商m1を引いた値に基づいて、次の搬送を行う間の補正量を決定することが可能になる。なお、基準搬送量Aの設定方法は、前述の実施形態と同様である。
【0114】
次に、補正量を(m2−m1)・Cと決定し、目標搬送量をF−(m2−m1)・Cと補正して(S203)、補正された目標搬送量に基づいて紙Sを搬送する(S204)。つまり、補正量は、搬送を行う前の累積搬送量と、搬送を行った後の累積搬送量とに基づいて、決定される。搬送後、累積搬送量の値をFa+Fにする(S205)。
【0115】
次に、キャリッジを走査方向に移動して、ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印刷を行う(S206)。そして、印刷が終了しないならば、工程S202に戻る(S207)。これを繰り返すことによって、紙は間欠的に搬送される。そして、紙の間欠的な搬送の間に、移動するノズルからインクを吐出して、紙にドットが形成されて印刷が行われる。なお、工程S207における印刷終了の判断は、例えば、累積搬送量Faに基づいて、行うことができる。  本実施形態によっても、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0116】
<補正量の決定について2>
前述の実施形態では、基準搬送量Aに基づいて、目標搬送量に対する補正量を決定していた。しかし、補正量の決定は、上述した実施形態に限られるものではなく、他の決定要素に基づいていても良い。要するに、プリンタ側で記憶されている補正情報とコンピュータ側で記憶されている補正情報とに基づいて、プリンタ側で目標搬送量を補正することができればよい。
【0117】
図26は、他の実施形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。この実施形態では、間欠的な搬送の搬送回数が、補正量の決定要素になっている。具体的には、n回の搬送につき1回、搬送量の補正を行っている。なお、以下に説明するプリンタの動作は、制御ユニット60によって制御される(又は、プリンタドライバによって制御される)。
【0118】
まず、フロー図の『START』の状態は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、その位置から印刷開始位置に搬送された状態である。このときのカウントiは、ゼロである(S301)。
次に、カウントiに1が加算される(S302)。これは、1回分の搬送が行われることを意味する。
次に、n回の搬送につき1回の補正動作を行うので、カウントiが、nよりも大きいかどうかを判断する(S303)。なお、n回の搬送が行われたときに、目標搬送量に対して最小補正量Cだけ搬送誤差が生じていると考えられる。
カウントiがnよりも小さいならば、目標搬送量Fを補正せず(S304)、目標搬送量Fに基づいて紙を搬送する(S305)。
カウントiがnよりも大きいならば、目標搬送量FをF−Cに補正して(S311)、目標搬送量F−Cに基づいて紙を搬送する(S312)。また、この場合、紙の搬送量Fが補正されているので、カウントiからnを減算する(S313)。
【0119】
次に、キャリッジを走査方向に移動して、ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印刷を行う(S321)。そして、印刷が終了しないならば、工程S302に戻る(S322)。これを繰り返すことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行われる。なお、工程S322における印刷終了の判断は、紙の総搬送量から判断することができる。
本実施形態のように、間欠的な搬送の際の搬送回数に基づいて搬送量の補正の要否を判断しても、ドットピッチDの極端な近接や離間を抑えることができるので、バンディングの発生を抑えることができる。
【0120】
なお、上記の説明で用いたnは、整数である必要はない。例えば、n=4/3ならば、前述の図15で説明した実施例と同様に、4回の搬送のうち3回の搬送において搬送量の補正ができる。ただし、このnの値は、プリンタ側で記憶されている補正情報とコンピュータ側で記憶されている補正情報とに基づいて、プリンタ側で設定される。
このようにすれば、前述の基準搬送量Aを決定しなくても、既に搬送ユニットが行った搬送に関する情報に基づいて、補正量を決定することができる。そして、前述の実施形態と同様に、本実施形態でも搬送の精度を高めることができる。
【0121】
<補正情報について1>
前述の実施形態によれば、紙種に対する補正量に関する情報は、コンピュータ側に記憶されており、プリンタドライバを設定することによって決定された。しかし、紙種に対する補正量に関する情報は、プリンタ側に記憶されても良く、プリンタ側で紙種を検出することによって決定されても良い。この場合、プリンタ側には、紙種を検出するための紙種センサが必要である。ただし、キャリッジに搭載されている紙幅センサ54を利用して紙種を検出しても良い。なお、プリンタ側で紙種に対する補正量に関する情報を記憶するならば、印刷データの中にこの情報を含ませる必要はない。
【0122】
<補正情報について2>
前述の実施形態によれば、プリンタ側に記憶されていた補正情報は、プリンタの製造ばらつきに対する補正量に関する情報であった。しかし、補正情報の種類は、これに限られるものではない。要するに、補正情報は、目標搬送量を補正するための情報であればよい。
同様に、コンピュータ側に記憶されていた情報は、紙種に対する補正量に関する情報や、搬送量に対する補正量に関する情報であった。しかし、補正情報の種類は、これに限られるものではない。要するに、補正情報は、目標搬送量を補正するための情報であればよい。
【0123】
<補正量について>
前述の実施形態によれば、目標搬送量の補正は、最小補正量Cの1つ分又はゼロであった。しかし、補正量は、これに限られるものではない。
図27は、4回の搬送につき6つ分の最小補正量Cを補正している場合について、図17と同様に、補正のタイミングや補正量と基準搬送量Aとの関係を示す説明図である。また、図28は、この場合の搬送量と補正量との関係を示す表である。なお、前述の実施形態ではノズル数が7であって目標搬送量Fが7であったが、本実施形態では、ノズル数が180であって、目標搬送量Fが179・Dである。
本実施形態では、目標搬送量の補正量が、4回の搬送につき最小補正量Cの6つ分である。したがって、基準搬送量Aは、F×4/6に設定される。
このように基準搬送量Aを設定し、前述の実施形態のフローに沿って目標搬送量を補正すると、紙が基準搬送量の整数倍の搬送量で搬送される毎に、目標搬送量は補正されることになる。このことは、搬送ユニットが紙を間欠的に搬送するとき、補正量が各搬送に対してほぼ均等に配分されることを意味する。そして、目標搬送量の補正が均等に配分されるので、目標搬送量の補正が偏って配分された場合と比較して、画質が向上する。
【0124】
<印刷方法について>
前述の実施形態では、インターレース方式の印刷方法を行う場合の搬送量の補正について述べたが、印刷方法は、これに限られるものではない。
また、前述の実施形態では、一つのラスタラインは、一つのノズルから吐出されたインク滴によるドットから形成されていた。しかし、これに限られるものではない。例えば、一つのラスタラインが、二つ以上のノズルを用いて形成されていても良い(いわゆるオーバーラップ印刷方式)。
また、他の印刷方法であっても、上述した実施形態の搬送量の補正を適用することが可能であることは言うまでもない。
【0125】
<搬送量について>
前述の実施形態では、紙を間欠的に搬送する際の搬送量は、一定の搬送量Fであった。しかし、紙の搬送量は、これに限られるものではない。例えば、印刷モードによって、搬送量が異なっても良い。また、紙の上端や下端において、搬送量が異なっても良い。そして、搬送量が異なるときに搬送量の補正の条件が異なるように、プリンタ本体やプリンタドライバ等の設定を行ってもよい。
【0126】
<インクの吐出方法について>
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインク滴を吐出させていた。しかし、インクの吐出方法は、これに限られるものではない。例えば、ヒーターを用いて泡を発生させることによって、インク滴をノズルから吐出させても良いし、他の方法でインク滴を吐出しても良い。
【0127】
<ノズルについて>
前述の実施形態によれば、ノズルはヘッド21に設けられ、ヘッド21はキャリッジ41に設けられていたので、ノズルはキャリッジ41と一体的に設けられていた。しかし、ノズルやヘッド21の構成は、これに限られるものではない。例えば、ノズルやヘッドが、カートリッジ48(図2参照)と一体的に設けられ、キャリッジ41に対して着脱可能であっても良い。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、被印刷体などの媒体の搬送の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のプリンタの全体構成の説明図である。
【図2】本実施形態のプリンタのキャリッジ周辺の概略図である。
【図3】本実施形態のプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。
【図4】本実施形態のプリンタの搬送ユニット周辺の斜視図である。
【図5】リニア式エンコーダの構成の説明図である。
【図6】出力信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図7】ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。
【図8】搬送誤差がない場合のドット形成の説明図である(参考例)。
【図9】搬送誤差がある場合のドット形成の説明図である(参考例)。
【図10】搬送誤差がある場合に搬送ユニットの搬送量を毎回補正したときのドットの形成の様子を示す説明図である(参考例)。
【図11】印刷縞(バンディング)の説明図である(参考例)。
【図12】本実施形態の搬送量の補正タイミングのフロー図である。
【図13】本実施形態のドット形成の説明図である。
【図14】印刷縞(バンディング)の抑制された様子の説明図である。
【図15】搬送量と補正量との関係を示す表である。
【図16】累積される誤差δTと搬送回数との関係を示すグラフである。
【図17】補正量等と基準搬送量Aとの関係を示す説明図である。
【図18】印刷完了までの全体の流れを説明するためのフロー図である。
【図19】図19Aは、比較例の説明図である。図19Bは、比較例の場合の補正の様子の説明図である。
【図20】図20Aは、本実施形態の説明図である。図20Bは、本実施形態の場合の補正の様子の説明図である。
【図21】コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。
【図22】コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図23】プリンタドライバのユーザーインターフェースの説明図である。
【図24】印刷データのフォーマットの説明図である。
【図25】他の実施形態におけるフロー図である。
【図26】他の実施形態におけるフロー図である。
【図27】補正量等と基準搬送量との関係を示す説明図である。
【図28】図27の場合の搬送量と補正量との関係を示す表である。
【符号の説明】
10 紙搬送ユニット、 11A 紙挿入口、 11B ロール紙挿入口、
13 給紙ローラ、 14 プラテン、 15 紙送りモータ(PFモータ)、
16 紙送りモータドライバ(PFモータドライバ)、 17A 紙送りローラ、
17B 排紙ローラ、 18A・18B フリーローラ、
20 インク吐出ユニット、 21 ヘッド、 22 ヘッドドライバ、
30 クリーニングユニット、 31 ポンプ装置、 32 ポンプモータ、
33 ポンプモータドライバ、 35 キャッピング装置、
40 キャリッジユニット、 41 キャリッジ、
42 キャリッジモータ(CRモータ)、
43 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ)、
44 プーリ、 45 タイミングベルト、 46 ガイドレール、
50 計測器群、 51 リニア式エンコーダ、 511 リニアスケール、
512 検出部、 512A 発光ダイオード、 512B コリメータレンズ、
512C 検出処理部、 512D フォトダイオード、
512E 信号処理回路、 512F コンパレータ、
52 ロータリー式エンコーダ、 53 紙検出センサ、 54 紙幅センサ、60 制御ユニット、 61 CPU、 62 タイマ、
63 インターフェース部、 64 ASIC、 65 メモリ、
66 DCコントローラ、 67 ホストコンピュータ

Claims (15)

  1. 媒体を搬送するための搬送手段を備え、
    目標搬送量に基づいて、媒体を搬送する搬送装置であって、
    前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第1の補正情報を、前記搬送装置側で記憶しておき、
    前記目標搬送量に関する情報を外部から受信し、
    前記外部に記憶されており前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第2の補正情報と、前記第1の補正情報と、に基づいて前記目標搬送量を補正し、
    補正された目標搬送量に基づいて、前記搬送手段が前記媒体を搬送することを特徴とする搬送装置。
  2. 請求項1に記載の搬送装置であって、
    前記第1の補正情報は、搬送装置の個体差によって生ずる搬送誤差に関する情報である。
  3. 請求項1又は2に記載の搬送装置であって、
    前記搬送手段は、間欠的に前記媒体を搬送するものであり、
    前記第1の補正情報は、前記搬送手段が行った搬送回数に対する補正の割合に関する情報である。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の搬送装置であって、
    前記第2の補正情報は、前記媒体の種類に対応した情報である。
  5. 請求項4に記載の搬送装置であって、
    前記第2の補正情報は、前記媒体の滑りやすさに対応した情報である。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の搬送装置であって、
    前記第2の補正情報は、前記搬送手段の搬送モードに対応した情報である。
  7. 請求項6に記載の搬送装置であって、
    前記第2の補正情報は、前記目標搬送量が大きいほど前記目標搬送量を多く補正する情報である。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の搬送装置であって、
    前記搬送手段は、間欠的に前記媒体を搬送するものであり、
    前記第2の補正情報は、前記搬送手段が行った搬送回数に対する補正の割合に関する情報である。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の搬送装置であって、
    前記搬送手段は、間欠的に前記媒体を搬送するものであり、
    間欠的に前記媒体を搬送する際に、前記目標搬送量を補正する場合と、前記目標搬送量を補正しない場合とがある。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の搬送装置であって、
    前記第1の補正情報と前記第2の補正情報に基づいて、基準となる基準搬送量を設定し、
    前記基準搬送量を超えて前記搬送手段が前記媒体を搬送するたびに、前記目標搬送量の補正を行う。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の搬送装置であって、
    前記搬送手段が搬送する前記媒体の搬送量を検出するための検出器を更に有し、
    前記目標搬送量の補正は、前記検出器によって検出可能な搬送量を最小単位として行われる。
  12. 媒体を搬送するための搬送手段を備え、
    目標搬送量に基づいて、媒体を搬送する印刷装置であって、
    前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第1の補正情報を、前記搬送装置側で記憶しておき、
    前記目標搬送量に関する情報を外部から受信し、
    前記第1の補正情報と、前記外部に記憶され前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するため第2の補正情報と、に基づいて前記目標搬送量を補正し、
    補正された目標搬送量に基づいて、前記搬送手段が前記媒体を搬送し、
    前記第1の補正情報は、搬送装置の製造個体差によって生ずる搬送誤差に関する情報であり、
    前記搬送手段は間欠的に前記媒体を搬送するものであり、前記第1の補正情報は前記搬送手段が行った搬送回数に対する補正の割合に関する情報であり、前記第2の補正情報は前記搬送手段が行った搬送回数に対する補正の割合に関する情報であり、
    前記第2の補正情報は、前記媒体の種類に対応した情報であり、
    前記第2の補正情報は、前記媒体の滑りやすさに対応した情報であり、
    前記第2の補正情報は、前記搬送手段が搬送するモードに対応した情報であり、
    前記第2の補正情報は、前記目標搬送量が大きいほど前記目標搬送量を多く補正する情報であり、
    間欠的に前記媒体を搬送する際に、前記目標搬送量を補正する場合と、前記目標搬送量を補正しない場合とがあり、
    前記第1の補正情報と前記第2の補正情報に基づいて基準となる基準搬送量を設定し、前記基準搬送量を超えて前記搬送手段が前記媒体を搬送するたびに、前記目標搬送量の補正を行い、
    前記搬送手段が搬送する前記媒体の搬送量を検出するための検出器を更に有し、前記目標搬送量の補正は、前記検出器によって検出可能な搬送量を最小単位として行われる
    ことを特徴とする印刷装置。
  13. 媒体を搬送するための搬送手段を備え、目標搬送量に基づいて媒体を搬送する搬送装置を用いた搬送方法であって、
    前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第1の補正情報を、前記搬送装置側で記憶しておき、
    前記目標搬送量に関する情報を外部から受信し、
    前記第1の補正情報と、前記外部に記憶され前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するため第2の補正情報と、に基づいて前記目標搬送量を補正し、
    補正された目標搬送量に基づいて、前記搬送手段が前記媒体を搬送することを特徴とする搬送方法。
  14. 媒体を搬送するための搬送手段を備え、目標搬送量に基づいて媒体を搬送する搬送装置に、
    前記目標搬送量に関する情報を外部から受信する機能と、
    前記搬送装置側に記憶され前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第1の補正情報と、前記外部に記憶され前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するため第2の補正情報と、に基づいて前記目標搬送量を補正する機能と、
    補正された目標搬送量に基づいて、前記搬送手段が前記媒体を搬送する機能とを実現させることを特徴とするプログラム。
  15. コンピュータ本体と、目標搬送量に基づいて媒体を搬送する搬送装置と、を備えたコンピュータシステム、
    前記搬送装置は、前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第1の補正情報を記憶しており、
    前記コンピュータ本体は、前記目標搬送量に応じて前記目標搬送量を補正するための第2の補正情報を記憶しており、
    前記搬送装置は、前記目標搬送量に関する情報を前記コンピュータ本体から受信し、
    前記搬送装置は、前記第1の補正情報と第2の補正情報とに基づいて前記目標搬送量を補正し、
    前記搬送装置は、補正された目標搬送量に基づいて、前記搬送手段が前記媒体を搬送する
    ことを特徴とするコンピュータシステム。
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