JP3937910B2 - 印刷装置、プログラム及びコンピュータシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙などの被印刷体に印刷を行う印刷装置に関する。また、本発明は、このような印刷装置を制御するプログラム及びコンピュータシステムに関する。
【0002】
【背景技術】
紙、布、フィルム等の各種の被印刷体に画像を印刷する印刷装置として、インクを断続的に吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタでは、被印刷体を紙搬送方向に移動させて位置決めする工程と、走査方向にノズルを移動させながらインクを吐出する工程とを交互に繰り返し、印刷を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
被印刷体を間欠的に搬送し、その間欠的な搬送の間に印刷を行うプリンタでは、被印刷体の搬送が、画質の良否に影響を与えることになる。
本発明は、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための主たる発明は、被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置であって、被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う際に、プリンタが補正可能な最小補正量よりも小さい搬送誤差を累積して累積誤差を算出し、前記累積誤差が前記最小補正量よりも大きい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正し、前記累積誤差が前記最小補正量よりも小さい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しないことを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を以下の順序で説明する。
『開示の概要』
『印刷装置(インクジェットプリンタ)の概要』
『紙の搬送量と画質の劣化の関係(参考例)』
『本実施形態の搬送量の補正』
『コンピュータシステム等の構成』
『その他の実施の形態』
【0006】
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0007】
被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置であって、間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する場合と、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない場合とがあることを特徴とする印刷装置。このような印刷装置によれば、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることができる。
【0008】
また、かかる印刷装置であって、前記搬送量の補正の要否は、前記搬送機構が搬送する被印刷体の搬送量の誤差に基づいて、決定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、搬送量の誤差を抑制することができるので、ドットピッチの極端な近接や離間を抑制することができる。
【0009】
また、かかる印刷装置であって、前記搬送量の補正の要否は、前記間欠的な搬送によって蓄積された搬送量の誤差に基づいて、決定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、搬送機構が補正可能な最小補正量よりも1回の搬送で生じる誤差の方が小さかった場合でも、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることができる。
【0010】
また、かかる印刷装置であって、前記搬送機構が補正可能な搬送量よりも前記蓄積された誤差の方が大きいとき、前記搬送量を補正することが望ましい。このような印刷装置によれば、搬送機構が補正可能な最小補正量よりも1回の搬送で生じる誤差の方が小さかった場合でも、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることができる。
【0011】
また、かかる印刷装置であって、前記搬送量の誤差は、実際に誤差が生ずる前に求められることが望ましい。このような印刷装置によれば、誤差が実際に生ずる前に、その誤差を抑制することができる。
【0012】
また、かかる印刷装置であって、前記搬送量の補正の要否は、前記被印刷体の搬送量に基づいて、決定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、検知が容易な搬送量に基づいて、補正の要否を判断することができる。
【0013】
また、かかる印刷装置であって、前記搬送量の補正の要否は、前記間欠的な搬送の総搬送量に基づいて、決定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、検知が容易な総搬送量に基づいて、補正の要否を決定することができる。
【0014】
また、かかる印刷装置であって、前記搬送量の補正の要否は、前記間欠的な搬送の回数に基づいて、決定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、検知が容易な搬送回数に基づいて、補正の要否を決定することができる。
【0015】
被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置であって、間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する場合と、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない場合とがあり、この搬送量の補正の要否は、前記間欠的な搬送によって蓄積された搬送量の誤差に基づいて、決定されるものであって、前記搬送量の誤差は、実際に誤差が生ずる前に求められ、前記搬送機構が補正可能な搬送量よりも前記蓄積された誤差の方が大きいとき、前記搬送量を補正することを特徴とする印刷装置。このような印刷装置によれば、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることができる。
【0016】
被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置に対し、間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する場合と、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない場合とがあるように前記被印刷体の搬送を実行させることを特徴とするプログラム。このようなプログラムによれば、被印刷体の搬送の精度を高めて画質の向上を図ることができるように、印刷装置を制御することができる。
【0017】
コンピュータ本体と、前記コンピュータ本体に接続可能な印刷装置を備えたコンピュータシステムであって、前記印刷装置は、被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置であって、間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する場合と、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない場合とがあることを特徴とするコンピュータシステム。このようなコンピュータシステムによれば、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることができる。
【0018】
===印刷装置(インクジェットプリンタ)の概要===
<インクジェットプリンタの構成について>
図1、図2、図3および図4を参照しつつ、印刷装置としてインクジェットプリンタを例にとって、その概要について説明する。なお、図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの全体構成の説明図である。また、図2は、本実施形態のインクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概略図である。また、図3は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。また、図4は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の斜視図である。
【0019】
本実施形態のインクジェットプリンタは、紙搬送ユニット10、インク吐出ユニット20、クリーニングユニット30、キャリッジユニット40、計測器群50、および制御ユニット60を有する。
【0020】
紙搬送ユニット10は、被印刷体である例えば紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(図1において紙面に垂直な方向(以下、紙搬送方向という))に所定の移動量で紙を移動させるためのものである。すなわち、紙搬送ユニット10は、紙を搬送する搬送機構として機能する。紙搬送ユニット10は、紙挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙送りモータ(以下、PFモータという)15と、紙送りモータドライバ(以下、PFモータドライバという)16と、紙送りローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。ただし、紙搬送ユニット10が搬送機構として機能するためには、必ずしも、これらの構成要素を全て要するというわけではない。
【0021】
紙挿入口11Aは、被印刷体である紙を挿入するところである。給紙モータ(不図示)は、紙挿入口11Aに挿入された紙をプリンタ内に搬送するモータであり、パルスモータで構成される。給紙ローラ13は、紙挿入口11に挿入された紙をプリンタ内に自動的に搬送するローラであり、給紙モータ12によって駆動される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有している。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PFモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて被印刷体をPFモータ15まで搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(不図示)の摩擦抵抗とによって、複数の被印刷体が一度に給紙されることを防いでいる。被印刷体の搬送のシーケンスについては、後で詳述する。
【0022】
プラテン14は、印刷中の紙Sを支持する。PFモータ15は、被印刷体である例えば紙を紙搬送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成される。PFモータドライバ16は、PFモータ15の駆動を行うためのものである。紙送りローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ内に搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Aは、紙送りローラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを紙送りローラ17Aとの間に挟むことによって紙Sを紙送りローラ17Aに向かって押さえる。
【0023】
排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。排紙ローラ17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17Bとの間に挟むことによって紙Sを排紙ローラ17Bに向かって押さえる。
【0024】
インク吐出ユニット20は、被印刷体である例えば紙にインクを吐出するためのものである。インク吐出ユニット20は、ヘッド21と、ヘッドドライバ22とを有する。ヘッド21は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。ヘッドドライバ22は、ヘッド21を駆動して、ヘッドから断続的にインクを吐出させるためのものである。
【0025】
クリーニングユニット30は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するためのものである。クリーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピング装置35とを有する。ポンプ装置は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを吸い出すものであり、ポンプモータ32とポンプモータドライバ33とを有する。ポンプモータ32は、ヘッド21のノズルからインクを吸引する。ポンプモータドライバ33は、ポンプモータ32を駆動する。キャッピング装置35は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、印刷を行わないとき(待機時)に、ヘッド21のノズルを封止する。
【0026】
キャリッジユニット40は、ヘッド21を所定の方向(図1において紙面の左右方向(以下、走査方向という))に走査移動させるためのものである。キャリッジユニット40は、キャリッジ41と、キャリッジモータ(以下、CRモータという)42と、キャリッジモータドライバ(以下、CRモータドライバという)43と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46とを有する。キャリッジ41は、走査方向に移動可能であって、ヘッド21を固定している(したがって、ヘッド21のノズルは、走査方向に沿って移動しながら、断続的にインクを吐出する)。また、キャリッジ41は、インクを収容するインクカートリッジ48を着脱可能に保持している。CRモータ42は、キャリッジを走査方向に移動させるモータであり、DCモータで構成される。CRモータドライバ43は、CRモータ42を駆動するためのものである。プーリ44は、CRモータ42の回転軸に取付けられている。タイミングベルト45は、プーリ44によって駆動される。ガイドレール46は、キャリッジ41を走査方向に案内する。
【0027】
計測器群50には、リニア式エンコーダ51と、ロータリー式エンコーダ52と、紙検出センサ53と、紙幅センサ54とがある。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、紙送りローラ17Aの回転量を検出するためのものである。なお、エンコーダの構成等については、後述する。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ13が紙送りローラ17Aに向かって紙を搬送する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。紙幅センサ54は、キャリッジ41に取付けられている。紙幅センサ54は、発光部541と受光部543を有する光学センサであり、紙によって反射された光を検出することにより、紙幅センサ54の位置における紙の有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出する。また、紙幅センサ54は、キャリッジ41の位置によって、紙の先端を検出できる。紙幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53よりも位置検出の精度が高い。
【0028】
制御ユニット60は、プリンタの制御を行うためのものである。制御ユニット60は、CPU61と、タイマ62と、インターフェース部63と、ASIC64と、メモリ65と、DCコントローラ66とを有する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うためのものであり、DCコントローラ66、PFモータドライバ16、CRモータドライバ43、ポンプモータドライバ32およびヘッドドライバ22に制御指令を与える。タイマ62は、CPU61に対して周期的に割り込み信号を発生する。インターフェース部63は、プリンタの外部に設けられたホストコンピュータ67との間でデータの送受信を行う。ASIC64は、ホストコンピュータ67からインターフェース部63を介して送られてくる印刷情報に基づいて、印刷の解像度やヘッドの駆動波形等を制御する。メモリ65は、ASIC64及びCPU61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、PROM、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。DCコントローラ66は、CPU61から送られてくる制御指令と計測器群50からの出力に基づいて、PFモータドライバ16及びCRモータドライバ43を制御する。
【0029】
<エンコーダの構成について>
図5は、リニア式エンコーダ51の説明図である。
リニア式エンコーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのものであり、リニアスケール511と検出部512とを有する。
リニアスケール511は、所定の間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられており、プリンタ本体側に固定されている。
【0030】
検出部512は、リニアスケール511と対向して設けられており、キャリッジ41側に設けられている。検出部512は、発光ダイオード512Aと、コリメータレンズ512Bと、検出処理部512Cとを有しており、検出処理部512Cは、複数(例えば、4個)のフォトダイオード512Dと、信号処理回路512Eと、2個のコンパレータ512Fa、512Fbとを備えている。
【0031】
発光ダイオード512Aは、両端の抵抗を介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコリメータレンズに入射される。コリメータレンズ512Bは、発光ダイオード512Aから発せられた光を平行光とし、リニアスケール511に平行光を照射する。リニアスケールに設けられたスリットを通過した平行光は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイオード512Dに入射する。フォトダイオード512Dは、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオードから出力される電気信号は、コンパレータ512Fa、512Fbにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。そして、コンパレータ512Fa、512Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスENC−Bが、リニア式エンコーダ51の出力となる。
【0032】
図6は、リニア式エンコーダ51の2種類の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図6Aは、CRモータ42が正転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。図6Bは、CRモータ42が反転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。
【0033】
図6A及び図6Bに示す通り、CRモータ42の正転時および反転時のいずれの場合であっても、パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90度ずれている。CRモータ42が正転しているとき、すなわち、キャリッジ41が主走査方向に移動しているときは、図6Aに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、CRモータ42が反転しているときは、図6Bに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、キャリッジ41がリニアスケール511のスリットの間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))を移動する時間に等しい。
【0034】
キャリッジ41の位置の検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント数に基づいて、キャリッジ41の位置を演算する。カウント数は、CRモータ42が正転しているときに一つのエッジが検出されると『+1』を加算し、CRモータ42が反転しているときに一つのエッジが検出されると『−1』を加算する。パルスENCの周期はリニアスケール511のスリット間隔に等しいので、カウント数にスリット間隔を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ41の位置からの移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔となる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ41の位置を検出しても良い。パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はリニアスケール511のスリット間隔に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ずれているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントすれば、カウント数『1』は、リニアスケール511のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント数にスリット間隔の1/4を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ41の位置から移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔の1/4となる。
【0035】
キャリッジ41の速度Vcの検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度は、λ/Tとして順次求めることができる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ41の速度を検出しても良い。各パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出することにより、リニアスケール511のスリット間隔の1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度Vcは、Vc=λ/(4T)として順次求めることができる。
【0036】
なお、ロータリー式エンコーダ52では、プリンタ本体側に設けられた上記リニアスケール511の代わりに紙送りローラ17Aの回転に応じて回転する回転円板521を用いる点と、キャリッジ41に設けられた検出部512の代わりにプリンタ本体側に設けられた検出部522を用いる点が異なるだけで、他の構成はリニア式エンコーダ51とほぼ同様である(図4参照)。
【0037】
なお、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には、紙送りローラ17Aの回転量を検出している。一方、紙送りローラ17Aが回転して紙を搬送するとき、紙送りローラ17Aと紙との間の滑りによって、搬送誤差が生じている。したがって、ロータリー式エンコーダ52は、直接的に、紙の搬送量を検出しているわけではない。そこで、ロータリー式エンコーダ52が検出した回転量と搬送誤差との関係を表すテーブルを作成し、そのテーブルを制御ユニット60のメモリ65に格納しても良い。そして、ロータリー式エンコーダの検出結果に基づいてテーブルを参照し、紙の搬送量(又は搬送誤差)を検出する。このテーブルは、回転量と搬送誤差との関係を表すものに限られず、回転量と搬送量との関係を表すものであっても良く、搬送回数等と搬送誤差との関係を表すものであっても良い。また、紙質に応じて滑りが異なるので、紙質に応じた複数のテーブルを作成し、メモリ65に格納しても良い。
【0038】
<ノズルの構成について>
図7は、ヘッド21の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド21の下面には、濃ブラックインクノズル群KDと、淡ブラックインクノズル群KLと、濃シアンインクノズル群CDと、淡シアンインクノズル群CLと、濃マゼンタインクノズル群MDと、淡マゼンタノズル群MLと、イエローインクノズル群YDが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態ではn個)備えている。なお、各ノズル群を示す符号の最初のアルファベットはインク色を意味しており、また、添え字の「 D」は濃度が比較的高いインクであることを意味しており、また、添え字の「 L 」は濃度が比較的低いインクであることをそれぞれ意味している。
【0039】
各ノズル群の複数のノズルは、紙搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、紙搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)であり、例えば、解像度が720dpiであれば1/720インチ(約35.3μm)である。また、kは、1以上の整数である。
【0040】
また、各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯n)。また、各ノズル群のノズルは、紙搬送方向の位置に関して、隣のノズル群のノズルの間に位置するように設けられている。例えば、淡ブラックインクノズル群KLの一番ノズル♯1は、紙搬送方向の位置に関して、濃ブラックインクノズル群KDの一番ノズル♯1と二番ノズル♯2との間に設けられている。また、紙幅センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番下流側にあるn番ノズル♯nとほぼ同じ位置に設けられている。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
【0041】
なお、印刷時には、紙Sが紙搬送ユニット10によって間欠的に所定の搬送量Fで搬送され、その間欠的な搬送の間にキャリッジ41が走査方向に移動して各ノズルからインク滴が吐出される。
【0042】
===紙の搬送量と画質の劣化の関係(参考例)===
<搬送誤差がない場合>
図8は、紙Sを搬送するときに誤差がない場合(つまり、搬送ユニットによる搬送量が、目標搬送量と一致している場合)のドットの形成の様子を示す説明図である。同図では、説明の便宜上、ヘッド21は、1色分の7個のノズルのみを有するものとしている(つまり、n=7)。また、同図では、説明の便宜上、紙Sが走査方向にも移動しているかのように描かれているが、実際には、紙Sは紙搬送方向に移動するだけであって走査方向には移動しない。
【0043】
同図において、このノズル群のノズルピッチk・Dは、ドットピッチDの4倍である(つまり、k=4)。なお、ヘッド21の中において、丸の中に示されている数字1〜7は、ノズル番号を意味している。同図に示された通り、ノズル番号が若いノズルほど、紙搬送方向の下流に設けられている。
【0044】
紙Sは、ノズルが走査方向に1回走査移動した(以下、『パス』と呼ぶ)後に、搬送ユニット10によって、紙走査方向に搬送量F=L・D(Lは整数、Dはドットピッチ)だけステップ移動する。同図では、搬送ユニット10による搬送量Fは7・D(つまり、L=7)であり、目標搬送量も7・Dである。なお、一定の搬送量F(=L・D)で紙Sの搬送を行う場合、整数Lが、整数Lを整数kで割ったときの余りが(k−1)になるような値を採用することが好ましい。
【0045】
紙S内において、丸印は1回目のパスで形成されるドットの位置(画素の位置)を示し、四角形印は2回目のパスで形成されるドットの位置を示し、六角形印は3回目のパスで形成されるドットの位置を示し、八角形印は4回目のパスで形成されるドットの位置を示している。そして、各印の中の数字は、そのドットを形成するためのインクを吐出したノズルの番号を示している。また、同図では、1回のパス毎に2つのドットを形成しているが、実際には、ノズルが走査方向に移動しながら間欠的にインクを吐出するので、走査方向に沿って多数のドットがライン状に形成される(以下、これを『ラスタライン』と呼ぶ)。
【0046】
同図の記録方式では、紙Sが走査方向に搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。また、同図の記録方式は、『インターレース印刷』の一例でもある。ここで、『インターレース印刷』とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方式を意味する。
【0047】
<搬送誤差がある場合>
図9は、紙Sを搬送するときに誤差がある場合(つまり、搬送ユニットによる搬送量が、目標搬送量に対して、誤差を含んでいる場合)のドットの形成の様子を示す説明図である。また、図10は、紙Sを搬送するときに誤差がある場合に搬送ユニットの搬送量を毎回補正したときのドットの形成の様子を示す説明図である。また、図11は、図9及び図10における印刷縞(バンディング)の発生の様子を示す説明図である。
【0048】
図9では、搬送ユニットは、目標搬送量F(=L・D)の指令信号が入力されたときに、一定のプラス誤差δの誤差を含む搬送量(F+δ)で紙を搬送している。すなわち、図8の場合と比較して、紙Sが、誤差δだけ余分に紙搬送方向下流側に搬送されている。その結果、パス1で記録されるラスタライン(L2、L6)とパス2で記録されるラスタライン(L1、L5)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス2で記録されるラスタラインとパス3で記録されるラスタライン(L4)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス3で記録されるラスタラインとパス4で記録されるラスタライン(L3)との間のドットピッチがδだけ短くなる。そして、このように搬送の誤差が蓄積された結果、図11Aで示される通り、例えば第2列目のラスタライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成されるライン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で第1番ノズルにより形成されるライン)との間のドットピッチが、3δだけ広がる。そのため、図11Aで示される通り、理想的なドットピッチDよりも大きいので、肉眼では色の薄い縞が発生する。このような色の薄い縞(以下、『明バンディング』と呼ぶ。但し、『白バンディング』又は『淡バンディング』ともいう。)は、画質劣化として観察される。
【0049】
図10では、搬送ユニットは、搬送ユニットの搬送量F+δに補正量−Cを加えている。ここで、Cは、プリンタが補正可能な最小の搬送量であり、紙送りモータやロータリー式エンコーダの解像度などから決まる値である。但し、ここでは、搬送誤差δが最小補正量Cよりも小さいため、搬送量Fを毎回補正したのでは、δ−Cが、図9とは逆方向の誤差となる。したがって、図10では、図8の場合と比較して、紙Sが、δ−Cだけ余分に紙搬送方向下流側に搬送されている(つまり、紙Sが、C−δだけ不足して紙搬送方向に搬送されている)。そして、このように搬送の誤差が蓄積された結果、図11Bで示される通り、例えば第2列目のラスタライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成されるライン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で第1番ノズルにより形成されるライン)との間のドットピッチが、3D−3δだけ狭くなる(3δ−3Dだけ広がる)。そのため、図11Aで示される通り、理想的なドットピッチDよりも狭いので、肉眼では色の濃い縞が発生する。このような色の濃い縞(以下、『暗バンディング』と呼ぶ。但し、『黒バンディング』又は『濃バンディング』ともいう。)は、画質劣化として観察される。
【0050】
===本実施形態の搬送量の補正===
<ドットの形成の様子について>
図12は、本実施形態のドットの形成の様子を示す説明図である。また、図13は、印刷縞(バンディング)の発生が抑制された様子を示す説明図である。ここでは、搬送誤差δと最小補正量Cとの関係は、δ=0.5Cが成り立つ関係である。本実施形態では、上記の参考例と比較すると、搬送ユニットの搬送量を補正する場合と、搬送ユニットの搬送量を補正しない場合との両方がある点で異なっている(同図では、2回の搬送につき1度の割合で搬送量を補正している)。
【0051】
本実施形態でも、搬送ユニットは、目標搬送量F(=L・D)の指令信号が入力されたときに、一定のプラス誤差δの誤差を含む搬送量(F+δ)で紙を搬送している。そして、パス1とパス2との間の搬送量及びパス3とパス4との間の搬送量は、補正していない。その結果、パス1で記録されるラスタライン(L2、L5)とパス2で記録されるラスタライン(L1、L5)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス3で記録されるラスタラインとパス4で記録されるラスタライン(L3)との間のドットピッチがδだけ短くなる。
【0052】
一方、本実施形態では、パス2とパス3との間の搬送量には、補正量−Cが加えられている。その結果、パス2で記録されるラスタラインとパス3で記録されるラスタライン(L4)との間のドットピッチがC−δだけ広くなる(δ−Cだけ短くなる)。よって、本実施形態では、図13で示される通り、例えば第2列目のラスタライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成されるライン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で第1番ノズルにより形成されるライン)との間のドットピッチが、D+3δ−C(=D+δ)になる。
【0053】
本実施形態では、上記の参考例の場合と比較すると、搬送誤差の蓄積が軽減されるため、理想的なドットピッチDに対して極端に近接や離間することがないので、バンディング(暗バンディング及び淡バンディング)の発生を抑制することができる。
【0054】
<補正を行うタイミングについて>
図14は、本実施形態の搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。以下、同図を用いて、搬送量の補正を行うタイミングについて説明する。なお、以下に説明するプリンタの動作は、制御ユニット60によって制御される(又は、プリンタドライバによって制御される)。
【0055】
まず、フロー図の『START』の状態は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、その位置から印刷開始位置に搬送された状態である。このときの搬送誤差の蓄積(以下、蓄積誤差δTという)は、ゼロである(S101)。
【0056】
次に、累積誤差δTに搬送誤差δが加算される(S102)。ここで、搬送誤差δは、目標搬送量Fに基づいて紙を搬送したときに、実際の搬送量に含まれる誤差である。また、搬送誤差δは、プリンタ本体のメモリに記憶されているか、または、プリンタドライバによって予め設定されている。
【0057】
次に、累積誤差δTが、プリンタの搬送量の最小補正量Cよりも大きいかどうかを判断する(S103)。なお、この判断を行う前(つまり、実際の搬送を行う前)に累積誤差δTに搬送誤差δを加算している(S102)ので、ここでの判断の対象となる累積誤差δTは、紙を搬送する前の累積誤差ではなく、紙を搬送した後に予想される累積誤差である。
【0058】
累積誤差δTが最小補正量Cよりも小さいならば、目標搬送量Fを補正せず(S104)、目標搬送量Fに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量Fに対して、誤差δを含んでいる(S105)。
【0059】
累積誤差δTが最小補正量Cよりも大きいならば、目標搬送量FをF−Cに補正して(S111)、目標搬送量F−Cに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量F−Cに対して、誤差δを含んでいる(S112)。また、この場合、紙の累積誤差δTが補正されているので、累積誤差δTから最小補正量Cを減算する(S113)。
【0060】
次に、キャリッジを走査方向に移動して、ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印刷を行う(S121)。そして、印刷が終了しないならば、工程S102に戻る(S122)。これを繰り返すことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行われる。なお、工程S122における印刷終了の判断は、紙の目標搬送量の累積から判断することができる。
【0061】
本実施形態の搬送量の補正方法のフローでは、紙を搬送した後に予想される累積誤差δTが最小補正量Cよりも大きいときに搬送量を補正しているので、実際の累積誤差が最小補正量を超えることがない。その結果、ドットピッチDの極端な近接や離間を抑えることができるので、バンディングの発生を抑えることができる。
【0062】
図15は、本実施形態の一例として、δ=0.75Cである場合の累積誤差δTと搬送回数との関係を示すグラフである。以下、同図と図14とを用いて、この場合の搬送量の補正を行うタイミングを説明する。
【0063】
1回目の紙の搬送(パス1)では、S102において累積誤差δTは0.75Cなので、δT<Cと判断されるため(S103)、目標搬送量はFになる(S104)。つまり、この場合、パス1では、搬送量は補正されない。そして、実際には、紙は搬送量F+δだけ搬送され(S105)、印刷が行われる(S121)。なお、グラフにおいて、横軸の1の手前で累積誤差δTが0.75Cになっているのは、S102において、紙を搬送する前に予想される累積誤差を考慮しているためである(以下、同様である)。
【0064】
次に、2回目の紙の搬送(パス2)では、S102において累積誤差δTは1.50Cなので、δT≧Cと判断されるため(S103)、目標搬送量はF−Cになる(S111)。つまり、この場合、パス2では、搬送量が補正される。そして、実際には、紙は搬送量F+δ−Cだけ搬送され(S112)、印刷が行われる(S121)。なお、この時の累積誤差δTは、搬送量が補正されているので、δT=0.5Cになる。
【0065】
次に、3回目の紙の搬送(パス3)では、S102において累積誤差δTは1.25Cなので、δT≧Cと判断されるため(S103)、目標搬送量はF−Cになる(S111)。つまり、この場合、パス3では、搬送量が補正される。そして、実際には、紙は搬送量F+δ−Cだけ搬送され(S112)、印刷が行われる(S121)。なお、この時の累積誤差δTは、搬送量が補正されているので、δT=0.25Cになる。
【0066】
次に、4回目の紙の搬送(パス4)では、S102において累積誤差δTは1.0Cなので、δT≧Cと判断されるため(S103)、目標搬送量はF−Cになる(S111)。つまり、この場合、パス4では、搬送量が補正される。そして、実際には、紙は搬送量F+δ−Cだけ搬送され(S112)、印刷が行われる(S121)。なお、この時の累積誤差δTは、搬送量が補正されているので、δT=0になる。
【0067】
次のパス以降の動作は、パス1〜パス4での動作とほぼ同様である。すなわち、4回の搬送のうちの3回の搬送は、搬送量の補正を行う。
【0068】
<搬送誤差δの決定について>
上記の通り、搬送誤差δは、搬送量の補正のタイミングを決める要素となる。この搬送誤差δは、主に、(1)プリンタ本体の製造のばらつき、(2)搬送する紙の種類、(3)紙の搬送量、等に依存していると考えられる。
【0069】
(1)プリンタ本体の製造のばらつきによる搬送誤差δは、例えば、搬送ユニットの紙送りローラの径のばらつき等によって、発生する。この搬送誤差は、プリンタを工場から出荷する際に、工場でのプリンタの検査において決定される。例えば、工場において、出荷前のプリンタを用いてテストパターン(いわゆるパッチパターン)を印刷し、そのテストパターンの印刷状況に基づいて、搬送誤差δが決定される。なお、このようなテストパターンとしては、異なる搬送量で印刷した複数のパターンを印刷したものが考えられる。そして、この複数のパターンの中から最適なパターンを選択することによって、搬送誤差δが決定されるのである。
【0070】
(2)搬送する紙の種類による搬送誤差δは、例えば、紙が搬送時に紙送りローラに対して滑ること等によって、発生する。したがって、この搬送誤差は、紙が滑りやすいほど小さい値になり、紙が滑りにくいほど大きい値になる。例えば、普通紙と光沢紙では、普通紙の方が搬送誤差が大きい値になる。また、紙がロール紙であれば、紙がロール側(すなわち搬送方向と反対方向)に引っ張られる傾向にあるので、搬送誤差が小さい値になる。この場合、搬送誤差δと紙の種類とを関連付けたテーブルが、プリンタ本体のメモリに記憶されるか、または、プリンタドライバによって予め設定されている。
【0071】
(3)紙の搬送量による搬送誤差は、例えば、搬送量Fが大きいと大きい値になり、搬送量Fが小さいと小さい値になる。この場合、搬送誤差δと目標搬送量Fとを関連付けたテーブルが、プリンタ本体のメモリに記憶されるか、または、プリンタドライバによって予め設定されている。
【0072】
なお、搬送誤差δは、上記の3つの要因に依存するものに限られない。また、搬送誤差δは、上記の3つの要因のうちの少なくとも1つの要因に依存するものであっても良い。
【0073】
===コンピュータシステム等の構成===
次に、コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0074】
図16は、コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。コンピュータシステム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0075】
図17は、図16に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。上述したプリンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、記録媒体であるフレキシブルディスクFDやCD−ROM等に記録され、読取装置1110により読みこまれる。また、コンピュータプログラムは、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータシステム1000にダウンロードされるようにしても良い。
【0076】
図18は、コンピュータシステムに接続された表示装置1104の画面に表示されたプリンタドライバのユーザーインターフェースを示す説明図である。ユーザーは、入力装置1108を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。例えば、ユーザーは、この画面上から、印刷する紙の種類を選択することができる。そして、選択された紙の種類に応じて、前述の搬送誤差δを決定又は算出することができる。また、ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択することができる。そして、印刷モードが決まれば、紙の搬送量が決定されるので、前述の搬送誤差δを決定又は算出することができる。
【0077】
図19は、コンピュータ本体1102からプリンタ1106に供給される印刷データのフォーマットの説明図である。この印刷データは、プリンタドライバの設定に基づいて画像情報から作成されるものである。印刷データは、印刷条件コマンド群と各パス用コマンド群とを有する。印刷条件コマンド群は、印刷解像度を示すコマンドや、印刷方向(単方向/双方向)を示すコマンドなどを含んでいる。また、各パス用の印刷コマンド群は、目標搬送量コマンドCLや、画素データコマンドCPとを含んでいる。上述した搬送量の補正をコンピュータ本体側で行うのであれば、この目標搬送量コマンドCLは補正量を既に含まれている。また、上述した搬送量の補正をプリンタ本体側で行うのであれば、この目標搬送量コマンドCLは補正量を含んでいない。画素データコマンドCPは、各パスで記録されるドットの画素毎の記録状態を示す画素データPDを含んでいる。なお、同図に示す各種のコマンドは、それぞれヘッダ部とデータ部とを有しているが、簡略して描かれている。また、これらのコマンド群は、各コマンド毎にコンピュータ本体側からプリンタ側に間欠的に供給される。但し、印刷データは、このフォーマットに限られるものではない。
【0078】
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されてコンピュータシステムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、コンピュータシステムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0079】
また、上述した実施形態において、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、制御ユニット60のメモリ65に取り込まれていても良い。そして、制御ユニット60が、このコンピュータプログラムを実行することにより、上述した実施形態におけるプリンタの動作を達成しても良い。
このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【0080】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれるものである。
【0081】
<搬送量の補正の要否の判断について1>
前述の実施形態では、紙を搬送する前に予め搬送後の累積誤差δTを求め、その累積誤差δTと最小補正量Cとの関係から、搬送量の補正が必要であるか否かの判断をしていた。しかし、搬送量の補正の要否の判断は、これに限られるものではない。
例えば、図20は、他の実施形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。以下に説明するプリンタの動作は、制御ユニット60によって制御される(又は、プリンタドライバによって制御される)。
【0082】
まず、フロー図の『START』の状態は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、その位置から印刷開始位置に搬送された状態である。このときの搬送誤差の蓄積(以下、蓄積誤差δTという)は、ゼロである(S201)。
【0083】
次に、累積誤差δTが、プリンタの搬送量の最小補正量Cよりも大きいかどうかを判断する(S203)。前述の実施形態では、この判断の対象となる累積誤差δTは、実際の搬送を行う前に予め求めた値であった。一方、本実施形態では、現在の搬送量の累積誤差δTを判断の対象としている。
【0084】
累積誤差δTが最小補正量Cよりも小さいならば、目標搬送量Fを補正せず(S204)、目標搬送量Fに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量Fに対して、誤差δを含んでいる(S205)。そして、紙を搬送した後、現在の累積誤差δTを記憶するために、累積誤差δTにδを加算する(S206)。
【0085】
累積誤差δTが最小補正量Cよりも大きいならば、目標搬送量FをF−Cに補正して(S211)、目標搬送量F−Cに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量F−Cに対して、誤差δを含んでいる(S212)。そして、紙を搬送した後、現在の累積誤差δTを記憶するために、累積誤差δTにδを加算するとともに、紙の累積誤差δTが補正されているので、累積誤差δTから最小補正量Cを減算する(S213)。
【0086】
次に、キャリッジを走査方向に移動して、ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印刷を行う(S221)。そして、印刷が終了しないならば、工程S203に戻る(S222)。これを繰り返すことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行われる。なお、工程S222における印刷終了の判断は、紙の目標搬送量の累積から判断することができる。
【0087】
本実施形態の搬送量の補正方法のフローでは、現在の累積誤差δTが最小補正量Cよりも大きいときに搬送量を補正している。このようにしても、ドットピッチDの極端な近接や離間を抑えることができるので、バンディングの発生を抑えることができる。
【0088】
<搬送量の補正の要否の判断について2>
また、搬送量の補正の要否の判断要素は、上述した実施形態のように累積誤差と最小補正量との大小関係に限られるものではなく、他の判断要素に基づいても良い。
図21は、他の実施形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。この実施形態では、紙の総搬送量が補正の要否の判断要素になっている。なお、以下に説明するプリンタの動作は、制御ユニット60によって制御される(又は、プリンタドライバによって制御される)。
【0089】
まず、フロー図の『START』の状態は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、その位置から印刷開始位置に搬送された状態である。このときの繰越搬送量FTは、ゼロである(S301)。
【0090】
次に、繰越搬送量FTに対して、搬送量Fが加算される(S302)。ここで、搬送量Fは、紙を間欠的に搬送する際の1回分の搬送量である。また、搬送量Fは、印刷モード等によって定まるものであり、プリンタ本体のメモリに記憶されているか、または、プリンタドライバによって予め設定されている。
【0091】
次に、繰越搬送量FTが、基準搬送量Aよりも大きいかどうかを判断する(S303)。なお、紙の搬送量は、基準搬送量Aだけ搬送されたときに、目標搬送量に対して最小補正量Cだけ搬送誤差が生じる。
【0092】
繰越搬送量FTが基準搬送量Aよりも小さいならば、目標搬送量Fを補正せず(S304)、目標搬送量Fに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量Fに対して、誤差δを含んでいる(S305)。
【0093】
繰越搬送量FTが基準補正量Aよりも大きいならば、目標搬送量FをF−Cに補正して(S311)、目標搬送量F−Cに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量F−Cに対して、誤差δを含んでいる(S312)。また、この場合、紙の搬送量Fが補正されているので、繰越搬送量FTから基準搬送量Aを減算する(S313)。
【0094】
次に、キャリッジを走査方向に移動して、ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印刷を行う(S321)。そして、印刷が終了しないならば、工程S302に戻る(S322)。これを繰り返すことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行われる。なお、工程S322における印刷終了の判断は、紙の総搬送量から判断することができる。
【0095】
本実施形態のように、紙の総搬送量に基づいて搬送量の補正の要否を判断しても、ドットピッチDの極端な近接や離間を抑えることができるので、バンディングの発生を抑えることができる。
【0096】
<搬送量の補正の要否の判断について3>
また、搬送量の補正の要否の判断要素は、上述した実施形態のように限られるものではなく、他の判断要素に基づいても良い。
図22は、他の実施形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。この実施形態では、間欠的な搬送の搬送回数が判断要素になっている。具体的には、n回の搬送につき1回、搬送量の補正を行っている。なお、以下に説明するプリンタの動作は、制御ユニット60によって制御される(又は、プリンタドライバによって制御される)。
【0097】
まず、フロー図の『START』の状態は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、その位置から印刷開始位置に搬送された状態である。このときのカウントiは、ゼロである(S401)。
次に、カウントiに1が加算される(S402)。これは、紙を間欠的に搬送する際の1回分の搬送が行われることを意味する。
次に、n回の搬送につき1回の補正動作を行うので、カウントiが、nよりも大きいかどうかを判断する(S403)。なお、n回の搬送が行われたときに、目標搬送量に対して最小補正量Cだけ搬送誤差が生じていると考えられる。
カウントiがnよりも小さいならば、目標搬送量Fを補正せず(S404)、目標搬送量Fに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量Fに対して、誤差δを含んでいる(S405)。
カウントiがnよりも大きいならば、目標搬送量FをF−Cに補正して(S411)、目標搬送量F−Cに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量F−Cに対して、誤差δを含んでいる(S412)。また、この場合、紙の搬送量Fが補正されているので、カウントiからnを減算する(S413)。
【0098】
次に、キャリッジを走査方向に移動して、ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印刷を行う(S421)。そして、印刷が終了しないならば、工程S402に戻る(S422)。これを繰り返すことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行われる。なお、工程S422における印刷終了の判断は、紙の総搬送量から判断することができる。
本実施形態のように、間欠的な搬送の際の搬送回数に基づいて搬送量の補正の要否を判断しても、ドットピッチDの極端な近接や離間を抑えることができるので、バンディングの発生を抑えることができる。
【0099】
なお、上記の説明で用いたnは、整数である必要はない。例えば、n=4/3ならば、前述の図15で説明した実施例と同様に、4回の搬送のうち3回の搬送において搬送量の補正ができる。
また、n回の搬送のうちの何回目の搬送時に補正を行うのかを予め定めていても良い。この場合、条件をプリンタ本体のメモリに記憶させることが望ましく、又は、その条件に基づいてコンピュータ本体のプリンタドライバを設定することが望ましい。このようにすれば、搬送誤差を決定しなくても、搬送の精度を高めることができる。
【0100】
<搬送誤差の決定方法について>
前述の実施形態では、工場においてパッチパターンを印刷し、このパターンを用いて搬送誤差を求めていた。しかし、搬送誤差の決定方法は、これに限られるものではない。例えば、ユーザー先において搬送誤差を求めても良い。また、例えば、複数の条件で印刷を行い、適当な印刷条件を選択することによって、搬送誤差が求められても良い。
また、上述したように、搬送誤差以外の要件に基づいて搬送量の補正の要否を判断する場合ならば、搬送誤差を直接的に求めていなくても良い。
【0101】
<印刷方法について>
前述の実施形態では、インターレース方式の印刷方法を行う場合の搬送量の補正について述べたが、印刷方法は、これに限られるものではない。
また、前述の実施形態では、一つのラスタラインは、一つのノズルから吐出されたインク滴によるドットから形成されていた。しかし、これに限られるものではない。例えば、一つのラスタラインが、二つ以上のノズルから吐出されたインク滴によるドットから形成されていても良い(いわゆるオーバーラップ印刷方式)。
また、他の印刷方法であっても、上述した実施形態の搬送量の補正を適用することが可能であることは言うまでもない。
【0102】
<搬送量について>
前述の実施形態では、紙を間欠的に搬送する際の搬送量は、一定の搬送量Fであった。しかし、紙の搬送量は、これに限られるものではない。例えば、印刷モードによって、搬送量が異なっても良い。また、紙の上端や下端において、搬送量が異なっても良い。そして、搬送量が異なるときに搬送量の補正の条件が異なるように、プリンタ本体やプリンタドライバ等の設定を行ってもよい。
【0103】
<インクの吐出方法について>
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインク滴を吐出させていた。しかし、インクの吐出方法は、これに限られるものではない。例えば、ヒーターを用いて泡を発生させることによって、インク滴をノズルから吐出させても良いし、他の方法でインク滴を吐出しても良い。
【0104】
<ノズルについて>
前述の実施形態によれば、ノズルはヘッド21に設けられ、ヘッド21はキャリッジ41に設けられていたので、ノズルはキャリッジ41と一体的に設けられていた。しかし、ノズルやヘッド21の構成は、これに限られるものではない。例えば、ノズルやヘッドが、カートリッジ48(図2参照)と一体的に設けられ、キャリッジ41に対して着脱可能であっても良い。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェットプリンタの全体構成の説明図である。
【図2】本実施形態のインクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概略図である。
【図3】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。
【図4】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の斜視図である。
【図5】リニア式エンコーダの構成の説明図である。
【図6】リニア式エンコーダの出力信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図7】ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。
【図8】紙Sを搬送するときに誤差がない場合のドットの形成の様子を示す説明図である(参考例)。
【図9】紙Sを搬送するときに誤差がある場合のドットの形成の様子を示す説明図である(参考例)。
【図10】紙Sを搬送するときに誤差がある場合に搬送ユニットの搬送量を毎回補正したときのドットの形成の様子を示す説明図である(参考例)。
【図11】図9及び図10における印刷縞(バンディング)の発生の様子を示す説明図である(参考例)。
【図12】本実施形態のドットの形成の様子を示す説明図である。
【図13】印刷縞(バンディング)の発生が抑制された様子を示す説明図である。
【図14】本実施形態の搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。
【図15】累積誤差δTと搬送回数との関係を示すグラフである(δ=0.75C)。
【図16】コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。
【図17】図16に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図18】プリンタドライバのユーザーインターフェースを示す説明図である。
【図19】コンピュータ本体からプリンタに供給される印刷データのフォーマットの説明図である。
【図20】他の実施形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。
【図21】他の実施形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。
【図22】他の実施形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロー図である。
【符号の説明】
10 紙搬送ユニット
11A 紙挿入口
11B ロール紙挿入口
13 給紙ローラ
14 プラテン
15 紙送りモータ(PFモータ)
16 紙送りモータドライバ(PFモータドライバ)
17A 紙送りローラ
17B 排紙ローラ
18A、18B フリーローラ
20 インク吐出ユニット
21 ヘッド
22 ヘッドドライバ
30 クリーニングユニット
31 ポンプ装置
32 ポンプモータ
33 ポンプモータドライバ
35 キャッピング装置
40 キャリッジユニット
41 キャリッジ
42 キャリッジモータ(CRモータ)
43 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ)
44 プーリ
45 タイミングベルト
46 ガイドレール
50 計測器群
51 リニア式エンコーダ
511 リニアスケール
512 検出部
512A 発光ダイオード
512B コリメータレンズ
512C 検出処理部
512D フォトダイオード
512E 信号処理回路
512F コンパレータ
52 ロータリー式エンコーダ
53 紙検出センサ
54 紙幅センサ
60 制御ユニット
61 CPU
62 タイマ
63 インターフェース部
64 ASIC
65 メモリ
66 DCコントローラ
67 ホストコンピュータ

Claims (7)

  1. 被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置であって、
    被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う際に、プリンタが補正可能な最小補正量よりも小さい搬送誤差を累積して累積誤差を算出し、
    前記累積誤差が前記最小補正量よりも大きい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正し、
    前記累積誤差が前記最小補正量よりも小さい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記累積誤差は、実際に誤差が生ずる前に求められる。
  3. 請求項1又は2に記載の印刷装置であって、
    前記搬送機構は、前記被印刷体を搬送するためのモータを有し、
    前記最小補正量は、前記モータの解像度に基づいて決定される。
  4. 請求項1又は2に記載の印刷装置であって、
    前記搬送機構は、前記被印刷体を搬送するためのローラと、前記ローラの回転量を検出するエンコーダとを有し、
    前記最小補正量は、前記エンコーダの解像度に基づいて決定される。
  5. 被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置であって、
    被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う際に、プリンタが補正可能な最小補正量よりも小さい搬送誤差を累積して累積誤差を算出し、前記累積誤差が前記最小補正量よりも大きい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正し、前記累積誤差が前記最小補正量よりも小さい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しないこととし、
    前記累積搬送誤差は、実際に誤差が生ずる前に求められ、
    前記搬送機構は、前記被印刷体を搬送するためのローラと、前記ローラの回転量を検出するエンコーダとを有し、
    前記最小補正量は、前記エンコーダの解像度に基づいて決定される
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置に対し、
    被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う際に、プリンタが補正可能な最小補正量よりも小さい搬送誤差を累積して累積誤差を算出させ、
    前記累積誤差が前記最小補正量よりも大きい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正させ、
    前記累積誤差が前記最小補正量よりも小さい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正させない
    ことを実現させること特徴とするプログラム。
  7. コンピュータ本体と、前記コンピュータ本体に接続可能な印刷装置を備えたコンピュータシステムであって、
    前記印刷装置は、被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置であって、
    被印刷体に対して間欠的な多数回の搬送を行う際に、プリンタが補正可能な最小補正量よりも小さい搬送誤差を累積して累積誤差を算出し、
    前記累積誤差が前記最小補正量よりも大きい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正し、
    前記累積誤差が前記最小補正量よりも小さい場合、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない
    ことを特徴とするコンピュータシステム。
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