以下、図面を参照して、本発明に係る搬送方法、画像記録方法及び画像記録装置の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、本発明に係る搬送方法、画像記録方法及び画像記録装置を、外部装置であるワークステーションとインクジェットプリンタとで構成されるプリンタシステムに適用したものである。このプリンタシステムは、ノズルピッチよりも高解像度である記録解像度の画像を記録するものであり、具体的には、ノズルピッチが600dpiのインクジェットプリンタを用いて、2400dpiの画像を記録するものである。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
図1は、本実施形態に係るプリンタシステムを示す概略図である。図1に示すように、本実施形態に係るプリンタシステム1は、ワークステーション10と、インクジェットプリンタ20とで構成されており、ワークステーション10とインクジェットプリンタ20とがケーブルにより電気的に接続されている。
ワークステーション10は、インクジェットプリンタ20で記録(印刷)する画像を生成するとともに、この画像をラスタデータに変換してインクジェットプリンタ20に転送するものである。このため、ワークステーション10は、描画アプリケーション11と、RIP(Raster Image Processor)12と、エッジ補正部13と、間引処理部14と、I/Fコントローラ15と、を備える。
描画アプリケーション11は、ユーザ操作により、ペジェ曲線を利用したベクタデータで表されたPostScriptデータ(原画像データ)を生成するものである。
RIP12は、描画アプリケーション11で生成されたPostScriptデータに基づいて、AM網点パターンで形成された2値ビットマップデータのAM網点データを生成するものである。RIP12は、まず、描画アプリケーション11で生成されたPostScriptデータを取得し、このPostScriptデータを分析する。次に、RIP12は、レンダリング処理やラスタリング処理を行い、このPostScriptデータを画像化する。次に、RIP12は、スクリーニング処理を行い、この画像化したデータから2400dpiの2値ビットマップデータであるAM網点データを生成する。このAM網点データの各画素には、ドット記録の有無が設定される。次に、RIP12は、このAM網点データを1bit TIFF形式の印刷データに変換する。この印刷データは、2400dpiのAM網点パターンで構成されており、画素毎に、ドットの記録有無が設定されている。なお、描画アプリケーション11で生成した原画像データがフルカラーのデータであれば、色毎に印刷データが生成される。
エッジ補正部13は、実際に記録されるドットの広がりを考慮して、AM網点パターンのドット面積を小さくするために、画像のエッジ部分を補正するものである。例えば、3plのインク液滴でドットを記録すると、ドットの直径が20〜30μmとなるため、エッジのドットゲインが大きくなって階調性が低下する。そこで、エッジ補正部13は、RIP12が生成したAM網点データの各画素のうち、画像のエッジ(画像の輪郭)に対応するエッジ画素(輪郭画素)を検出し、このエッジ画素のドットを補正する。エッジの補正には、後述するように、両エッジ削除、片エッジ削除(有→無)、片エッジ削除(無→有)の3種類があるが、何れの手法によりエッジ画素のドットを補正しても良い。
ここで、図2及び図3を参照して、2400dpiかつ175lpiのAM網において、両エッジ削除を行った場合のドット形状と、片エッジ削除(有→無)を行った場合のドット形状とについて説明する。図2は、AM網におけるドット形状を例示した図であり、(a)は補正前のドット形状、(b)は両エッジ削除を行ったドット形状、(c)は片エッジ削除(有→無)を行ったドット形状を示している。図3は、AM網におけるドットの面積占有率を示した図である。なお、図2において、斜線のハッチングで示した画素は、エッジ補正によりドットを削除した画素である。
図2に示すように、ドット面積占有率が2.5%のドット形状に対して、両エッジ削除を行うと、両エッジのドットが削除されてドット面積占有率が0%になってドットが無くなり、片エッジ削除(有→無)を行うと、片エッジのドットが削除されてドット面積占有率が0.5%のドット形状になる。ドット面積占有率が3.0%のドット形状に対して、両エッジ削除を行うと、両エッジのドットが削除されてドット面積占有率が0.5%のドット形状になり、片エッジ削除(有→無)を行うと、片エッジのドットが削除されてドット面積占有率が1.0%のドット形状になる。ドット面積占有率が10.0%のドット形状に対して、両エッジ削除を行うと、両エッジのドットが削除されてドット面積占有率が4.0%のドット形状になり、片エッジ削除(有→無)を行うと、片エッジのドットが削除されてドット面積占有率が6.5%のドット形状になる。同様に、ドット面積占有率が90.0%である場合、両エッジ削除を行うと、両エッジのドットが削除されてドット面積占有率が82.0%のドット形状になり、片エッジ削除(有→無)を行うと、片エッジのドットが削除されてドット面積占有率が85.0%のドット形状になる。これらを纏めると、図3に示すグラフのようになる。
間引処理部14は、ベタ塗部分でドットが重なりインクが溢れる(ドットが広がる)のを抑制するために、エッジ部分を残してベタ塗り部分のドットを間引くものである。例えば、解像度が2400dpiの各画素の寸法は10.58×10.58μmであるのに対し、3plのインク液滴で記録するドットの直径は20〜30μmとなる。このため、3plのインク液滴で隣接する画素にドットを記録すると、2つのドットが重なってインクが溢れてしまう。そこで、間引処理部14は、注目画素の上下左右の4画素においてドットが記録されると判断すると、この注目画素のドットを削除する(間引く)。
ここで、図4〜図7を参照して、ドット径が21μmのドットを2400dpiの解像度で記録する場合の間引き処理について説明する。図4は、間引き処理の基本概念を説明する図であり、(a)は記録されるドット、(b)は印刷データ上のドット記録有無を示している。図5は、3×3の画素部分がベタ塗である場合を示した図であり、(a)は記録されるドット、(b)は印刷データ上のドット記録有無を示している。図6は、4×4の画素部分がベタ塗である場合を示した図であり、(a)は記録されるドット、(b)は印刷データ上のドット記録有無を示している。図7は、8×8の画素部分がベタ塗である場合を示した図であり、(a)は記録されるドット、(b)は印刷データ上のドット記録有無を示している。なお、図4〜図7の(a)では、間引きするドットを破線で示しており、図4〜図7の(b)では、間引きする注目画素を格子状のハッチングで示している。
図4に示すように、ある注目画素αの上下左右の画素βにドットが記録される場合を考える。この場合、各画素の寸法が10.58×10.58μmであるのに対し、各画素に記録されるドットの径が21μmであるため、注目画素αに記録されるドットと上下左右の画素βに記録されるドットとが重なり合い、上下左右の画素βに記録されるドットで注目画素αが埋められる。そこで、この注目画素αのドットを間引くことで、注目画素αでのドットの重なり合いが少なくなる。
同様に、図5〜図7に示すように、3×3、4×4、8×8の画素部分がベタ塗である場合も、それぞれ、エッジ部分の画素を除き、上下左右の全画素にドットが記録される注目画素を間引く。これにより、画像の輪郭が不明確になるのを防止しつつ、ドットが重なり合うことによりインクが溢れるのを抑制することができる。
I/Fコントローラ15は、インクジェットプリンタ20との通信を制御することで、RIP12が生成した印刷データをインクジェットプリンタ20に転送するものである。
図1に示すように、インクジェットプリンタ20は、インク液滴を吐出することで記録媒体に画像を記録する画像記録装置であるため、バッファ21と、プリント機構部30と、制御装置40と、を備えている。
バッファ21は、ワークステーション10のI/Fコントローラ15から転送された印刷データを一時的に格納する一時記憶装置である。
図8は、インクジェットプリンタのプリント機構部を示す概略構成図である。図8に示すように、プリント機構部30は、記録媒体Mを載置するフラットベッド31と、インク液滴を吐出するインクジェットヘッド32と、インクジェットヘッド32を搭載するキャリッジ33と、キャリッジ33を主走査方向Sに移動可能に保持すると共に主走査方向Sに直交する副走査方向Fへ搬送されるYバー34と、Yバー34を副走査方向Yへ搬送する搬送ユニット36と、を備える。
インクジェットヘッド32には、インク液滴を吐出する多数のノズル35が、600dpiに相当するドットピッチで形成されている。このため、隣接するノズル35間のドットピッチは、10.58μmとなっている。
搬送ユニット36は、Yバー34に連結された搬送ベルト37と、搬送ベルト37を回転駆動する搬送モータ38と、搬送モータ38における駆動軸38aの回転量(回転角度や回転変位量など)を検出するエンコーダ39と、を備える。
搬送ベルト37は、搬送モータ38による回転駆動によりYバー34を副走査方向Yに牽引するものである。このため、搬送ベルト37は、伸縮性の低い樹脂や金属などで構成されており、Yバー34に連結されて副走査方向Yに延在している。なお、搬送ベルト37は、副走査方向Y両端部が図示しないプーリなどにより保持されることで、副走査方向Yに延在するとともに、Yバー34を副走査方向Yに牽引することが可能となっている。
搬送モータ38は、搬送ベルト37を回転駆動する駆動源であり、その駆動軸38aが搬送ベルト37に連結されている。この搬送モータ38は、回転量を細かく制御することが可能なステップモータなどで構成されており、後述する制御装置40の搬送制御部45から送信されたパルス制御信号に応じて駆動軸38aの回転量を細かく制御することが可能となっている。このため、駆動軸38aの回転量を制御することで、Yバー34の搬送量を制御することが可能となっている。
エンコーダ39は、搬送モータ38の駆動軸38aに取り付けられて駆動軸38aの回転量(回転角度や回転変位量など)を検出するロータリーエンコーダ(検出器)である。エンコーダ39は、所定の分解能で駆動軸38aの回転量を検出することが可能となっている。そして、エンコーダ39の最小分解能で検出できる回転量によりYバー34が搬送される搬送量は、0.25μmとなっている。そして、エンコーダ39は、駆動軸38aの回転量を検出すると、随時その検出した回転量を制御装置40に送信する。
このようにプリント機構部30が構成されることで、キャリッジ33を主走査方向Sに移動させることで、インクジェットヘッド32を記録媒体Mに対して主走査方向Sに移動させることができ、搬送モータ38を回転駆動させてYバー34を副走査方向Fへ搬送することで、インクジェットヘッド32を記録媒体Mに対して副走査方向Fへ搬送することができる。このため、以下の説明では、キャリッジ33を主走査方向Sに移動させることを、インクジェットヘッド32を主走査方向Sに移動させるとも表現し、Yバー34を副走査方向Fへ搬送することを、インクジェットヘッド32を副走査方向Fへ搬送するとも表現する。
そして、プリント機構部30は、制御装置40からの制御により、主走査方向Sにキャリッジ33を移動させながらノズル35からインク液滴を吐出させることで、印刷データにおける左右方向(横方向)の画素にドットを記録することができ、更に、Yバー34を所定幅ずつ副走査方向Fへ搬送することで、順次、印刷データにおける上下方向(縦方向)の画素にドットを記録することができる。このため、印刷データの左右方向は主走査方向Sに対応し、印刷データの上下方向は副走査方向Fに対応する。そして、プリント機構部30は、パス毎にこのようなキャリッジ33の主走査方向Sへの移動とYバー34の副走査方向Fへの搬送とを繰り返すことで、所定パス数のマルチパス記録により記録媒体Mに画像を記録することが可能となっている。
制御装置40は、プリント機構部30を制御して、16パスのマルチパス記録で2400dpiの画像を記録させるものである。なお、制御装置40は、例えば、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。そして、後述する制御装置40の各制御は、CPUやRAM上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませ、CPUの制御のもとで動作させることで実現される。このため、このコンピュータソフトウェアには、後述する制御装置40の各機能を実現するプログラムが組み込まれている。
ここで、図9を参照して、本実施形態におけるマルチパス記録の仕組みについて説明する。図9は、16パスのマルチパス記録を説明するための図である。図9に示すように、インクジェットヘッド32に形成されるノズル35のノズルピッチが600dpiであるのに対し、記録媒体Mに記録する画像の記録解像度は2400dpiである。このため、印字解像度はノズルピッチの4倍となる。
そこで、従来は、4パスのマルチパス記録を行うことで、2400dpiの画像を記録していた。すなわち、1パス目で記録媒体Mの1ライン目の全ての画素にドットを記録し、2パス目で記録媒体Mの2ライン目の全ての画素にドットを記録し、3パス目で記録媒体Mの3ライン目の全ての画素にドットを記録し、4パス目で記録媒体Mの4ライン目の全ての画素にドットを記録している。
これに対し、本実施形態では、副走査方向Fに対応する上下方向(縦方向)に4ライン×主走査方向Sに対応する左右方向(横方向)に4列で構成される2次元領域の16画素を一つのブロック(単位領域)Zとし、このブロックZを構成する画素数と同じパス数、すなわち16パスのマルチパス記録で画像を印刷する。そして、Yバー34及びキャリッジ33の搬送制御と、インク液滴の吐出タイミング制御とにより、パス毎に順次ブロックZの各画素に一つずつドットを記録していくことで、記録媒体Mに2400dpiの解像度の画像を記録する。
そこで、図1に示すように、制御装置40は、このような画像の記録を可能とするために、マスクパターン処理部41と、並び替え処理部42と、各ノズル35から吐出するインク液滴の吐出タイミングを制御する吐出タイミング制御部43と、キャリッジ33の主走査方向Sへの移動制御を行うキャリッジ駆動制御部44と、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御を行う搬送制御部45と、を備える。なお、上述したように、キャリッジ33を主走査方向Sに移動させることで、インクジェットヘッド32を主走査方向Sに移動させることができ、Yバー34を副走査方向Fへ搬送することで、インクジェットヘッド32を副走査方向Fへ搬送することができる。
マスクパターン処理部41は、印刷データをブロックZ単位に分割し、所定のマスクパターンに基づいて各ブロックZにおける各画素のドット記録順序を決定(設定)するものである。マスクパターンは、ブロックZにおける各画素のドット記録順序が登録されたものであり、予めインクジェットプリンタの記憶装置などに格納されている。また、本実施形態では、分割される各ブロックの番号を、副走査方向F後方から前方に向けて順次1番から番号付けするものとする。このため、副走査方向Fにおいて最後方のブロックは、第1ブロックとなる。
そして、マスクパターン処理部41は、印刷データをバッファ21から読み出してブロックZ単位に分割し、記憶装置に格納されているマスクパターンを参照して各ブロックZにおける各画素のドット記録順序を決定する。更に、マスクパターン処理部41は、この決定したドット記録順序で印刷データの各画素を配列する。
ここで、図10を参照して、マスクパターンに登録されたドット記録順序について説明する。図10は、マスクパターンを示した図であり、(a)は画素群、(b)はドット記録順序を示している。図10に示すように、マスクパターンは、ブロックZと同様に、副走査方向Fに対応する上下方向(縦方向)に4ライン×主走査方向Sに対応する左右方向(横方向)に4列の16画素で構成されている。
図10(a)に示すように、マスクパターンは、主走査方向Sに対応する左右方向に4画素かつ副走査方向Fに対応する上下方向に4画素の計16画素で構成されている。このマスクパターンの各画素は、第一画素群A、第二画素群B、第三画素群C及び第四画素群Dの4つの画素群に分けられている。第一画素群Aは、上下左右斜めに互いに隣接しない画素群であって、上下左右斜めに1画素ずつ離間した(1画素隔てた)位置に配置される4画素で構成される画素群となっている。また、第二画素群Bは、第一画素群Aの左右に配置される4画素で構成される画素群となっており、第三画素群Cは、第一画素群Aの上下に配置される4画素で構成される画素群となっており、第四画素群Dは、第一画素群の斜めに配置される4画素で構成される画素群となっている。
図10(b)に示すように、マスクパターンにおける各画素のドット記録順序は、左右及び上下に隣接画素が連続しない順序となっている。具体的に説明すると、マスクパターンのドット記録順序は、第一画素群Aが第一順位、第二画素群Bが第二順位、第三画素群Cが第三順位、第四画素群Dが第四順位となっている。なお、ドット記録順序は、第一順位→第二順位→第三順位→第四順位の順番である。そして、各画素群のドット記録順序は、対角線を描く順序であって、左上の画素→右下の画素→右上の画素→左下の画素の順となっている。すなわち、1ライン目の1列目の画素が1番目、3ライン目の3列目の画素が2番目、1ライン目の3列目の画素が3番目、3ライン目の1列目の画素が4番目、1ライン目の2列目の画素が5番目、3ライン目の4列目の画素が6番目、1ライン目の4列目の画素が7番目、3ライン目の2列目の画素が8番目、2ライン目の1列目の画素が9番目、4ライン目の3列目の画素が10番目、2ライン目の3列目の画素が11番目、4ライン目の1列目の画素が12番目、2ライン目の2列目の画素が13番目、4ライン目の4列目の画素が14番目、2ライン目の4列目の画素が15番目、4ライン目の2列目の画素が16番目となる。
ここで、図11を参照して、マスクパターンを上述したドット記録順序とすることによる効果について説明する。図11は、画素群ごとのドット記録状態を示した図である。
まず、図11(a)に示すように、第一画素群Aの各画素にドットを記録する際、第一画素群Aの各画素に左右上下斜めに隣接する画素には、何れもドットが記録されていない。このため、第一画素群Aの各画素に記録されるドットは、他のドットに引っ張られることがなく、位置がずれない。
次に、図11(b)に示すように、第二画素群Bの各画素にドットを記録する際、既に第一画素群Aの各画素にドットが記録されている。しかしながら、第二画素群Bの各画素は、第一画素群Aの各画素により左右から挟まれているため、第二画素群Bの各画素に記録されるドットは、第一画素群Aの各画素に記録された各ドットにより左右均等な力でバランスよく引っ張られる。このため、第二画素群Bの各画素に記録されるドットは、位置がずれ難くなる。
次に、図11(c)に示すように、第三画素群Cの各画素にドットを記録する際、既に第一画素群A及び第二画素群Bの各画素にドットが記録されている。しかしながら、第三画素群Cの各画素は、第一画素群Aの各画素により上下から挟まれていると共に、第二画素群Bの各画素により斜めから挟まれているため、第三画素群Cの各画素に記録されるドットは、第一画素群A及び第二画素群Bの各画素に記録された各ドットにより上下及び斜めから均等な力でバランスよく引っ張られる。このため、第三画素群Cの各画素に記録されるドットは、位置がずれ難くなる。
次に、図11(d)に示すように、第四画素群Dの各画素にドットを記録する際、既に第一画素群A、第二画素群B、及び第三画素群Cの各画素にドットが記録されている。しかしながら、第四画素群Dの各画素は、第一画素群Aの各画素により斜めから挟まれ、第二画素群Bの各画素により上下から挟まれ、更に第三画素群Cの各画素により左右から挟まれているため、第四画素群Dの各画素に記録されるドットは、第一画素群A、第二画素群B及び第三画素群Cの各画素に記録された各ドットにより上下左右斜めの8方向から均等な力でバランスよく引っ張られる。このため、第四画素群Dの各画素に記録されるドットは、位置がずれ難くなる。
並び替え処理部42は、インクジェットヘッド32に記録された各ノズル35のノズル配列と、記録解像度に応じたインクジェットヘッド32(Yバー34)の副走査方向Fへの搬送スケジュールとに基づいて、ノズル35からインク液滴を吐出する順、すなわち、実際にドットが記録される順に、マスクパターン処理部41で配列された各画素を再配列するものである。このノズル配列及びインクジェットヘッド32の搬送スケジュールは、予めインクジェットプリンタの記憶装置などに格納されている。そこで、並び替え処理部42は、記憶装置に格納されているノズル配列及び2400dpiの解像度に対応するインクジェットヘッド32の搬送スケジュールを参照して、実際にドットが記録される順を計算し、この計算した順に印刷データの各画素を再配列する。
ここで、図12及び図13を参照して、インクジェットヘッド32の副走査方向Fへの搬送スケジュールとドット記録位置について具体的に説明する。
図12は、ノズル配列と記録画素との関係を示した図である。図12に示すように、インクジェットヘッド32には、600dpiのノズルピッチで1271個のノズル35が形成されている。そして、各ノズル35で4ラインの画素にドットを記録するため、インクジェットヘッド32の記録幅は、5084ラインとなる。なお、本実施形態では、各ノズル35のノズル番号を、副走査方向F前方から後方に向けて順に1〜1271番とする。
図13は、インクジェットヘッドの搬送スケジュールを示した図である。図13に示すように、インクジェットヘッド32(Yバー34)の搬送スケジュールは、各パス間における副走査方向Fへの送り量で表される。なお、この送り量を搬送量とも言う。具体的に説明すると、搬送スケジュールは、後述するように、1パス目は、1個のノズル35のみでドットを記録し、2パス目以降は、80個のノズル35で形成されるパス幅で順次ドットを記録するものとなる。このため、搬送スケジュールにおける各パスのYバー34の搬送量は、1パス目〜7パス目が318ライン、8パス目が315ライン、9パス目〜15パス目が318ライン、16パス目が317ラインとなる。なお、1パス目の搬送及び搬送量とは、1パス目と2パス目との間に行う搬送及びこの搬送量を意味し、2パス目〜16パス目も同様である。
搬送制御部45は、印字解像度やノズル配置などに基づき特定されるYバー34(インクジェットヘッド32)の搬送スケジュールに基づいて、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御を行うものである。すなわち、搬送制御部45は、搬送スケジュールに基づいて各パスにおけるYバー34の制御搬送量を求め、パス毎に、エンコーダ39から送信された駆動軸38aの回転量に基づき搬送モータ38に所定のパルス制御信号を送信することにより、制御搬送量だけYバー34を搬送する。この制御搬送量は、エンコーダ39の分解能に基づき特定される搬送量であり、0.25μm単位となる。このため、搬送制御部45がYバー34を搬送制御できる最小搬送量は、エンコーダ39の最小分解能で検出できる回転量によりYバー34を搬送できる0.25μmとなる。なお、エンコーダ39の最小分解能とYバー34の最小搬送量とは、一対一の相関関係がある。このため、例えば、エンコーダ39の最小分解能とYバー34の最小搬送量との相関関係を記憶しておき、又は、エンコーダ39の最小分解能とYバー34の最小搬送量との相関関係を計算することで、エンコーダ39で検出した駆動軸38aの回転量から、Yバー34の搬送量を求めることができる。
ところで、制御搬送量は0.25μm単位であるに対し、印字解像度やノズル配置(ノズルピッチ、ノズル解像度)などに基づき特定されるYバー34の理論搬送量は1ラインの10.58μmである。このため、制御搬送量は理論搬送量に対して誤差が生じる。そこで、搬送制御部45は、この誤差を補正すべく、次に説明する誤差補正処理を行う。
図13に示すように、Yバー34の理論搬送量は、1パス目〜7パス目が318ライン(10.58μm×318ライン=3364.44μm)、8パス目が317ライン(10.58μm×317ライン=3353.86μm)、9パス目〜15パス目が318ライン(10.58μm×318ライン=3364.44μm)、16パス目が315ライン(10.58μm×315ライン=3332.70μm)となる。
これに対し、制御搬送量は、エンコーダ39の分解能である0.25μm単位となるため、1パス目〜7パス目が3364.50μm、8パス目が3354.00μm、9パス目〜15パス目が3364.50μm、16パス目が3332.75μmとなる。なお、この制御搬送量は、理論搬送量以上で理論搬送量に最も近い0.25μm単位の値を示している。
このため、制御搬送量は、理論搬送量に対して、1パス目〜7パス目にそれぞれ+0.06μmの誤差が生じ、8パス目に+0.14μmの誤差が生じ、9パス目〜16パス目にそれぞれ+0.06μmの誤差が生じ、16パス目に+0.05μmの誤差が生じる。そこで、各パスの搬送で生じる誤差を、マルチパス記録を行うマスクパターンの画素数と同じ16パス分累積加算(積算)した累積誤差を求めると、0.06×7+0.14×1+0.06×7+0.05×1=+1.03μmとなる。このため、1パス目〜16パス目の制御補正量に、合計−1.03μmの搬送量を付加する補正を行うことで、累積誤差を0にすることができる。
なお、制御搬送量を、理論搬送量以下で理論搬送量に最も近い0.25μm単位の値とすると、1パス目〜7パス目が3364.25μm、8パス目が3353.75μm、9パス目〜15パス目が3364.25μm、16パス目が3332.50μmとなり、累積誤差が−2.97となる。また、正負に限らず、制御搬送量を、理論搬送量との絶対値が最も小さい値とすると、1パス目〜7パス目が3364.50μm、8パス目が3353.75μm、9パス目〜15パス目が3364.50μm、16パス目が3332.75μmとなり、累積誤差が+0.78となる。
そこで、搬送制御部45は、最小搬送量を補正制御量とし、累積誤差が0に近づくように、1又は複数のパスの制御搬送量を補正制御量ずつ補正する。具体的に説明すると、まず、搬送制御部45は、累積誤差が正の値(搬送量が長い)か負の値(搬送量が短い)かを判断することで、補正制御量の正負を判断する。累積誤差が+1.03μmの場合は、補正制御量は−0.25μmとなる。次に、搬送制御部45は、制御搬送量に補正制御量を何回付加すれば、累積誤差が0に近づくかを判断する。累積誤差が−2.97μmの場合は、制御搬送量に−0.25μmの補正制御量を4回付加することで、累積誤差が+0.03μmとなり、0に近づく。このように、累積誤差が0にならないときは、−0.25の補正制御量を5回付加し、累積誤差を−0.22としても良い。次に、搬送制御部45は、補正を行う制御搬送量の対象パスを選択する。このとき、制御搬送量を補正するパスを略等間隔に選択する。補正回数が4回である場合は、例えば、1パス目、5パス目、9パス目、13パス目を対象パスとして選択する。なお、補正回数によっては、必ずしも選択するパスが均等にならない場合があるが、この場合は、対象パスが部分的に固まらず16パス全体に拡散するように対象パスを選択する。
そして、搬送制御部45は、Yバー34を搬送する際、通常のパスでは、制御搬送量だけYバー34を搬送し、対象パスでは、制御搬送量に補正制御量を付加してYバー34を搬送する。
次に、図14を参照して、プリンタシステム1の処理動作について説明する。図14は、プリンタシステムにおける処理動作を示すシーケンス図である。
図14に示すように、まず、ワークステーション10では、描画アプリケーション11が、ユーザからの操作入力に基づいて、PostScriptデータを生成する(ステップS1)。
次に、ワークステーション10では、RIP12が、ステップS1で生成したPostScriptデータのAM網点処理を行う(ステップS2)。このAM網点処理では、PostScriptデータを分析して画像化し、AM網点データのAM網点データを生成する。そして、この生成したAM網点データを1bit TIFF形式の印刷データに変換する。
次に、ワークステーション10では、エッジ補正部13が、ステップS2で生成したAM網点データのエッジ補正処理を行う(ステップS3)。エッジ補正処理は、上述したように、画像のエッジに対応するエッジ画素を検出し、このエッジ画素のドットを補正することにより行う。エッジの補正は、両エッジ削除、片エッジ削除(有→無)、片エッジ削除の何れを行ってもよく、如何なる手法によりエッジの補正を行っても良い。ここで、図15を参照して、エッジ補正処理の一例について説明する。
図15は、エッジ補正部によるエッジ補正処理の一例を示したフローチャートである。図15に示すように、まず、エッジ補正部13は、処理を開始するに当たり、注目画素を指定する(ステップS301)。なお、図15において、Yは、副走査方向Fにおける位置を示しており、Xは、主走査方向Sにおける位置を示している。
次に、エッジ補正部13は、注目画素、注目画素の1ライン前の画素、注目画素の1ライン後の画素の3画素を基準に、主走査方向S(ライン方向)に8画素をサンプリングする(ステップS302)。なお、注目画素に対応するサンプリング画素をY0とし、注目画素の1ライン前の画素に対応するサンプリング画素をY−1とし、注目画素の1ライン後の画素に対応するサンプリング画素をY+1とする。
次に、エッジ補正部13は、Y0とY−1の画素ごとのAND(論理積)をとり、その演算結果を&Y1に格納する(ステップS303)。同様に、エッジ補正部13は、Y0とY+1の画素ごとのAND(論理積)をとり、その演算結果を&Y2に格納する(ステップS304)。そして、エッジ補正部13は、&Y1と&Y2の画素ごとのAND(論理積)をとり、その演算結果を&Yに格納する(ステップS305)。
次に、エッジ補正部13は、注目画素、注目画素の1列前の画素、注目画素の1列後の画素の3画素を基準に、副走査方向F(列方向)に8画素をサンプリングする(ステップS306)。なお、注目画素に対応するサンプリング画素をX0とし、注目画素の1列前の画素に対応するサンプリング画素をX−1とし、注目画素の1列後の画素に対応するサンプリング画素をX+1とする。
次に、エッジ補正部13は、X0とX−1の画素ごとのAND(論理積)をとり、その演算結果を&X1に格納する(ステップS307)。同様に、エッジ補正部13は、X0とX+1の画素ごとのAND(論理積)をとり、その演算結果を&X2に格納する(ステップS308)。そして、エッジ補正部13は、&X1と&X2の画素ごとのAND(論理積)をとり、その演算結果を&Xに格納する(ステップS309)。
次に、エッジ補正部13は、エッジ補正が両エッジ削除であるか否かを判断する(ステップS310)。なお、ステップS310の判断は、ユーザの操作入力により行ってもよく、予め設定された情報に基づいて行ってもよい。
ステップS310においてエッジ補正が両エッジ削除であると判断すると(ステップS310:YES)、エッジ補正部13は、&Yと&Xの画素ごとのAND(論理積)をとり、その演算結果を&1に格納する(ステップS311)。そして、この&1を処理結果として格納し、後述するステップS316に進む。
ステップS310においてエッジ補正が両エッジ削除でないと判断すると(ステップS310:NO)、エッジ補正部13は、エッジ補正が片エッジ削除(無→有)であるか否かを判断する(ステップS312)。なお、ステップS312の判断は、ユーザの操作入力により行ってもよく、予め設定された情報に基づいて行ってもよい。
ステップS312においてエッジ補正が片エッジ削除(無→有)であると判断すると(ステップS312:YES)、エッジ補正部13は、&Y1と&X1の画素ごとのAND(論理積)をとり、その演算結果を&1に格納する(ステップS313)。そして、この&1を処理結果として格納し、後述するステップS316に進む。
ステップS312においてエッジ補正が片エッジ削除(無→有)でないと判断すると(ステップS312:NO)、エッジ補正部13は、エッジ補正が片エッジ削除(有→無)であるか否かを判断する(ステップS314)。なお、ステップS314の判断は、ユーザの操作入力により行ってもよく、予め設定された情報に基づいて行ってもよい。
ステップS314においてエッジ補正が片エッジ削除(有→無)であると判断すると(ステップS314:YES)、エッジ補正部13は、&Y2と&X2の画素ごとのAND(論理積)をとり、その演算結果を&2に格納する(ステップS315)。そして、この&1を処理結果として格納し、後述するステップS316に進む。
ステップS314においてエッジ補正が片エッジ削除(有→無)でないと判断すると(ステップS314:NO)、エッジ補正部13は、処理を行うことなくステップS316に進む。
以上の処理が終了すると、次に、エッジ補正部13は、注目画素を1列横に移動させる(ステップS316)。
そして、エッジ補正部13は、1ラインが終了したか否かを判断し(ステップS317)、1ラインが終了していないと判断すると(ステップS317:NO)、ステップS302に戻り、再度上述した処理を行う。
一方、1ラインが終了したと判断すると(ステップS317:YES)、エッジ補正部13は、注目画素を1列下に移動させる(ステップS318)。
そして、エッジ補正部13は、全ラインが終了したか否かを判断し(ステップS319)、全ラインが終了していないと判断すると(ステップS319:NO)、ステップS301に戻り、再度上述した処理を行う。
一方、全ラインが終了したと判断すると(ステップS319:YES)、エッジ補正部13は、エッジ補正処理を終了する。
このようにしてエッジ補正処理が終了すると、次に、ワークステーション10では、間引処理部14が間引処理を行い、ステップS3でエッジ補正したAM網点データのベタ塗り部分のドットを間引く。この間引処理は、注目画素の上下左右の4画素においてドットが記録されると判断すると、この注目画素のドットを削除するものであるが、ベタ塗り部分のドットを間引くことができれば、如何なる手法により間引処理を行っても良い。ここで、図16を参照して、間引処理の一例について説明する。
図16は、間引処理部による間引処理の一例を示したフローチャートである。図16に示すように、まず、間引処理部14は、処理を開始するに当たり、注目画素を指定する(ステップS401)。
次に、間引処理部14は、注目画素を中心とした3画素×3画素の領域を切り出し(ステップS402)、注目画素の左右上下の画素にドットを記録するか否かを判断する(ステップS403)。
ステップS403において、注目画素の左右上下の少なくとも1つの画素にドットが記録されないと判断すると(ステップS403:NO)、間引処理部14は、間引きを行うことなくステップS406に進む。
ステップS403において、注目画素の左右上下の全ての画素にドットを記録すると判断すると(ステップS403:YES)、間引処理部14は、注目画素のドットを削除する(ステップS405)。
次に、間引処理部14は、注目画素を1列横に移動させる(ステップS406)。
そして、間引処理部14は、1ラインが終了したか否かを判断し(ステップS407)、1ラインが終了していないと判断すると(ステップS407:NO)、ステップS402に戻り、再度上述した処理を行う。
一方、1ラインが終了したと判断すると(ステップS407:YES)、間引処理部14は、注目画素を1列下に移動させる(ステップS408)。
そして、間引処理部14は、全ラインが終了したか否かを判断し(ステップS409)、全ラインが終了していないと判断すると(ステップS409:NO)、ステップS402に戻り、再度上述した処理を行う。
一方、全ラインが終了したと判断すると(ステップS402:YES)、間引処理部14は、間引処理を終了する。
なお、上記では、ステップS2とステップS3及びS4とを分けて処理するように説明したが、実際には、ステップS2を処理する際に、ステップS3及びS4を行う。すなわち、PostScriptデータに基づいてAM網点データを作成すると、まず、エッジ補正処理と間引き処理とを行った後、印刷データを生成する。
次に、ワークステーション10のI/Fコントローラ15において、印刷データをインクジェットプリンタ20に転送する転送処理を行う(ステップS15)。
このようにしてワークステーション10からインクジェットプリンタ20に転送された印刷データは、インクジェットプリンタ20のバッファ21に一時的に格納される。
次に、インクジェットプリンタ20では、マスクパターン処理部41がマスクパターン処理を行い、印刷データにおけるブロックZごとのドット記録順序を決定する(ステップS5)。マスクパターン処理は、上述したように、まず、バッファ21に格納された印刷データを読み出し、この読み出した印刷データをブロックZ単位に分割する。そして、記憶装置などに格納されているマスクパターン(図10参照)を参照して、各ブロックZにおける各画素のドット記録順序を決定し、この決定したドット記録順序で印刷データの各画素を配列する。
次に、インクジェットプリンタ20では、並び替え処理部42が並び替え処理を行い、記憶装置に格納されている記録解像度に応じたインクジェットヘッド32の搬送スケジュールとインクジェットヘッド32のノズル配列とを参照して、ステップS5で配列された印刷データの各画素を、実際にドットが記録される順に再配列する。(ステップS6)。すなわち、ステップS6では、並び替え処理を行うことで、インクジェットプリンタ20において、パス毎にインクジェットヘッド32が副走査方向Fへ搬送される16パスのマルチパス印字により、パス毎にステップS5で決定された順序で各画素にドットを記録させることが可能となる。
次に、インクジェットプリンタ20では、吐出タイミング制御部43、キャリッジ駆動制御部44及び搬送制御部45がプリント機構部30を制御し、記録媒体Mに2400dpiの画像を形成する(ステップS7)。ステップS7では、ステップS6で各画素が再配列された印刷データに基づいて、キャリッジ駆動制御部44がキャリッジ33の主走査方向Sへの移動制御を行い、吐出タイミング制御部43がインクジェットヘッド32の各ノズル35から吐出されるインク液滴の吐出タイミング制御を行い、搬送制御部45がYバー34の副走査方向Fへの搬送制御を行う。
ここで、図26を参照して、搬送制御部45によるYバー34の搬送制御処理の一例について説明する。図26は、搬送制御部によるYバーの搬送制御処理の一例を示したフローチャートである。
図26に示すように、まず、搬送制御部45は、搬送制御を行うに当たり、記録を行うパス数を設定する(ステップS701)。本実施形態では、16画素のマルチパターンを用いて16パスのマルチパス記録を行うため、パス数として16を設定する。
次に、搬送制御部45は、累積誤差を算出する(ステップS702)。すなわち、ステップS702では、まず、パス毎の理論搬送量と制御搬送量とを求め、理想搬送量に対する制御搬送量の誤差を16パス分累積加算(積算)した値を累積誤差とする。理論搬送量及び制御搬送量を予め記憶装置などに格納しておき、記憶装置から読み出すことで理論搬送量及び制御搬送量を取得することとしても良い。
次に、搬送制御部45は、ステップS701で算出した累積誤差と最小搬送量とを比較し、この累積誤差が最小搬送量よりも大きいか否かを判断する(ステップS703)。
そして、累積誤差が最小搬送量以下であると判断すると(ステップS703:NO)、搬送制御部45は、ステップS705に進む。
一方、累積誤差が最小搬送量よりも大きいと判断すると(ステップS703:YES)、搬送制御部45は、補正搬送量を設定し(ステップS704)、補正対象パスを設定する(ステップS705)。すなわち、ステップS704では、累積誤差が正負の何れであるかを判断し、累積誤差が正の値であれば、負の最小搬送量を補正搬送量とし、累積誤差が負の値であれば、正の最小搬送量を補正搬送量とする。そして、ステップS705では、この補正搬送量による補正回数を求め、この求めた補正回数だけパスの番号を略等間隔に選択し、この選択したパスを補正対象パスとして設定する。例えば、累積誤差が+1.03μmである場合は、補正搬送量は+0.25μm、補正回数は4回、補正対象パスは、1パス目、5パス目、9パス目、13パス目となる。
次に、搬送制御部45は、現在のパスがステップS704で設定した対象パスであるか否かを判定する(ステップS706)。
そして、現在のパスが対象パスではないと判断すると(ステップS706:NO)、搬送制御部45は、制御搬送量を補正することなく、Yバー34を副走査方向Fに制御搬送量だけ搬送する(ステップS707)。すなわち、ステップS707では、エンコーダ39から送信された駆動軸38aの回転量に基づき搬送モータ38に所定のパルス制御信号を送信することにより、制御搬送量だけYバー34を搬送する。
一方、現在のパスが対象パスであると判断すると(ステップS706:YES)、搬送制御部45は、搬送制御量にステップS704で設定した補正搬送量を付加して、Yバー34を副走査方向Fへ搬送する(ステップS708)。すなわち、ステップS708では、エンコーダ39から送信された駆動軸38aの回転量に基づき搬送モータ38に所定のパルス制御信号を送信することにより、制御搬送量に補正搬送量を付加した搬送量だけYバー34を搬送する。
次に、搬送制御部45は、現在のパスがステップS701で設定したパス数における最終パスであるか否かを判断する(ステップS709)。そして、現在のパスが最終パスではないと判断すると(ステップS709:NO)、搬送制御部45は、ステップS706に戻り、パスを一つ繰り上げて再度上述した処理を行う。一方、現在のパスが最終パスであると判断すると(ステップS709:YES)、搬送制御部45は、記録が全て終了したか否かを判断する(ステップS710)。そして、記録を全て終了していないと判断すると(ステップS710:NO)、搬送制御部45は、ステップS701に戻り、パス数を再設定して再度上述した処理を行う。一方、記録を全て終了したと判断すると(ステップS710:YES)、搬送制御部45は、搬送制御処理を終了する。
このように、搬送制御部45によるYバー34の搬送制御により、パス毎に、図13に示したラインだけインクジェットヘッド32(Yバー34)が副走査方向Fへ搬送され、キャリッジ33が主走査方向Sに移動している際に各ノズルからインク液滴が吐出されることで、各ブロックZの画素に順次ドットが記録される。
ここで、図17〜図24を参照して、各パスにおけるインクジェットヘッド32とドット記録位置との関係について説明する。図17は、1パス目におけるインクジェットヘッドの搬送位置とドット記録位置との関係を示した図、図18は、2パス目におけるインクジェットヘッドの搬送位置とドット記録位置との関係を示した図、図19は、3パス目におけるインクジェットヘッドの搬送位置とドット記録位置との関係を示した図、図20は、8パス目におけるインクジェットヘッドの搬送位置とドット記録位置との関係を示した図、図21は、9パス目におけるインクジェットヘッドの搬送位置とドット記録位置との関係を示した図、図22は、10パス目におけるインクジェットヘッドの搬送位置とドット記録位置との関係を示した図、図23は、16パス目におけるインクジェットヘッドの搬送位置とドット記録位置との関係を示した図、図24は、17パス目におけるインクジェットヘッドの搬送位置とドット記録位置との関係を示した図である。
図17に示すように、1パス目の走査を行う際は、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御により、1番ノズルが第1ブロックの1ライン目に対応付けられている。このため、1パス目では、インクジェットヘッド32(キャリッジ33)を主走査方向Sに移動させ、1番ノズルが第1ブロックの1列目に来たときに1番ノズルからインク液滴を吐出させることで、第1ブロックにおけるドット記録番号が1番の1画素にドットが記録される。そして、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御により、インクジェットヘッド32を318ライン(79+1/2ブロック)副走査方向Fに搬送することで、1番ノズル〜80番ノズルをそれぞれ第80ブロック〜第1ブロックの3ライン目に対応付ける。
図18に示すように、2パス目では、1番ノズル〜80番ノズルがそれぞれ第80ブロック〜第1ブロックの3ライン目に対応付けられている。このため、2パス目では、インクジェットヘッド32(キャリッジ33)を主走査方向Sに移動させ、1番ノズル〜80番ノズルが第80ブロック〜第1ブロックの3列目に来たときに1番ノズル〜80番ノズルからインク液滴を吐出させることで、第80ブロック〜第1ブロックにおけるドット記録番号が2番の画素にドットが記録される。これにより、第1ブロックには、ドット記録番号が1番及び2番の2画素にドットが記録され、第2ブロック〜第80ブロックには、ドット記録番号が2番の1画素にドットが記録される。そして、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御により、インクジェットヘッド32を318ライン(79+1/2ブロック)副走査方向Fに搬送することで、1番ノズル〜160番ノズルをそれぞれ第160ブロック〜第1ブロックの1ライン目に対応付ける。
図19に示すように、3パス目では、1番ノズル〜160番ノズルがそれぞれ第160ブロック〜第1ブロックの1ライン目に対応付けられている。このため、3パス目では、インクジェットヘッド32(キャリッジ33)を主走査方向Sに移動させ、1番ノズル〜160番ノズルが第160ブロック〜第1ブロックの3列目に来たときに1番ノズル〜160番ノズルからインク液滴を吐出させることで、第160ブロック〜第1ブロックにおけるドット記録番号が3番の画素にドットが記録される。これにより、第1ブロックには、ドット記録番号が1番〜3番の3画素にドットが記録され、第2ブロック〜第80ブロックには、ドット記録番号が2番及び3番の2画素にドットが記録される。そして、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御により、インクジェットヘッド32を318ライン(79+1/2ブロック)副走査方向Fに搬送することで、1番ノズル〜239番ノズルをそれぞれ第239ブロック〜第1ブロックの3ライン目に対応付ける。
図20に示すように、8パス目では、1番ノズル〜557番ノズルがそれぞれ第557ブロック〜第1ブロックの3ライン目に対応付けられている。このため、8パス目では、インクジェットヘッド32(キャリッジ33)を主走査方向Sに移動させ、1番ノズル〜557番ノズルが第557ブロック〜第1ブロックの2列目に来たときに1番ノズル〜557番ノズルからインク液滴を吐出させることで、第557ブロック〜第1ブロックにおけるドット記録番号が8番の画素にドットが記録される。これにより、第1ブロックには、ドット記録番号が1〜8番の8画素にドットが記録され、第2ブロック〜第80ブロックには、ドット記録番号が2番〜8番の7画素にドットが記録される。そして、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御により、インクジェットヘッド32を315ライン(78+3/4ブロック)副走査方向Fに搬送することで、1番ノズル〜636番ノズルをそれぞれ第636ブロック〜第1ブロックの2ライン目に対応付ける。
図21に示すように、9パス目では、1番ノズル〜636番ノズルがそれぞれ第636ブロック〜第1ブロックの2ライン目に対応付けられている。このため、9パス目では、インクジェットヘッド32(キャリッジ33)を主走査方向Sに移動させ、1番ノズル〜636番ノズルが第636ブロック〜第1ブロックの1列目に来たときに1番ノズル〜636番ノズルからインク液滴を吐出させることで、第636ブロック〜第1ブロックにおけるドット記録番号が9番の画素にドットが記録される。これにより、第1ブロックには、ドット記録番号が1〜9番の9画素にドットが記録され、第2ブロック〜第80ブロックには、ドット記録番号が2番〜9番の8画素にドットが記録される。そして、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御により、インクジェットヘッド32を318ライン(79+1/2ブロック)副走査方向Fに搬送することで、1番ノズル〜715番ノズルをそれぞれ第716ブロック〜第1ブロックの4ライン目に対応付ける。
図22に示すように、10パス目では、1番ノズル〜715番ノズルがそれぞれ第715ブロック〜第1ブロックの4ライン目に対応付けられている。このため、10パス目では、インクジェットヘッド32(キャリッジ33)を主走査方向Sに移動させ、1番ノズル〜715番ノズルが第715ブロック〜第1ブロックの3列目に来たときに1番ノズル〜715番ノズルからインク液滴を吐出させることで、第715ブロック〜第1ブロックにおけるドット記録番号が10番の画素にドットが記録される。これにより、第1ブロックには、ドット記録番号が1〜10番の10画素にドットが記録され、第2ブロック〜第80ブロックには、ドット記録番号が2番〜10番の9画素にドットが記録される。そして、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御により、インクジェットヘッド32を318ライン(79+1/2ブロック)副走査方向Fに搬送することで、1番ノズル〜795番ノズルがそれぞれ第795ブロック〜第1ブロックの2ライン目に対応付けられる。
図23に示すように、16パス目では、1番ノズル〜1192番ノズルがそれぞれ第1192ブロック〜第1ブロックの4ライン目に対応付けられている。このため、16パス目では、インクジェットヘッド32(キャリッジ33)を主走査方向Sに移動させ、1番ノズル〜1192番ノズルが第1192ブロック〜第1ブロックの2列目に来たときに1番ノズル〜1192番ノズルからインク液滴を吐出させることで、第1192ブロック〜第1ブロックにおけるドット記録番号が16番の画素にドットが記録される。これにより、第1ブロックには、ドット記録番号が1〜16番の16画素にドットが記録され、第2ブロック〜第80ブロックには、ドット記録番号が2番〜16番の15画素にドットが記録される。そして、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御により、インクジェットヘッド32を315ライン(78+3/4ブロック)副走査方向Fに搬送することで、1番ノズル〜1271番ノズルをそれぞれ第1272ブロック〜第2ブロックの1ライン目に対応付ける。
図24に示すように、17パス目では、1番ノズル〜1271番ノズルがそれぞれ第1272ブロック〜第2ブロックの1ライン目に対応付けられている。このため、17パス目では、インクジェットヘッド32(キャリッジ33)を主走査方向Sに移動させ、1番ノズル〜1271番ノズルが第1272ブロック〜第2ブロックの1列目に来たときに1番ノズル〜1271番ノズルからインク液滴を吐出させることで、第1272ブロック〜第2ブロックにおけるドット記録番号が1番の画素にドットが記録される。これにより、第2ブロック〜第80ブロックには、ドット記録番号が1番〜16番の16画素にドットが記録される。そして、Yバー34の副走査方向Fへの搬送制御により、インクジェットヘッド32を318ライン(79+1/2ブロック)副走査方向Fに搬送することで、1番ノズル〜1271番ノズルをそれぞれ第1351ブロック〜第81ブロックの1ライン目に対応付ける。
以下、順次ドットの記録が行われるが、このようにパス毎にインクジェットヘッド32を副走査方向Fへ搬送しながらドットを記録していくと、ブロック毎にドットが記録される順序が変わる。
図25は、各ブロックにおけるドット記録順序を示した図である。図25に示すように、第1ブロックは、ドット記録順序が1番の画素からドットが記録されるのに対し、第2ブロック〜第80ブロックは、ドット記録順序が2番の画素からドットが記録され、第81ブロック〜第160ブロックは、ドット記録順序が3番の画素からドットが記録される。更に、第1114ブロック〜第1192ブロックは、ドット記録順序が16番の画素からドットが記録され、次の第1193ブロック〜第1272ブロックになると、ドット記録順序が1番の画素からドットが記録される。
このように、パス毎にインクジェットヘッド32を副走査方向Fへ搬送すると、ブロック毎にドットの記録開始画素が変わるが、従来のように所定ライン毎に連続してドットを記録するのではなく、全体的にドットの記録順序が不均一となる。このため、各画素に記録されたドットが規則的に一方向に引っ張られるのを防止することができ、バンディングの発生を抑制することができる。
次に、図27及び図28を参照して、累積誤差が+1.03である場合に累積誤差を複数パスに分散して制御搬送量を補正による効果について説明する。図27は、比較例の搬送方法によるドット記録位置を示した図であり、(a)は、制御搬送量を補正しない搬送方法、(b)は、累積誤差を一度に補正する比較例の搬送方法を示している。図28は、本実施形態の搬送方法によるドット記録位置を示した図である。なお、図27及び図28では、説明の便宜上、第nブロックの全ての画素にドットを記録した後、第n+1ブロックの全ての画素にドットを記録するものとして説明する。
図27(a)に示すように、制御搬送量を補正しないと、第nブロックにおける1番のドットと第n+1ブロックにおける1番のドットとの間隔L1に生じる累積誤差は、理想搬送量である5084画素分に対して+1.03μmとなる。このため、図27(b)に示すように、累積誤差を一度に補正すると、80ブロック毎にドットの記録位置が−1.00μmずつずれてしまう。
これに対し、図28に示すように、本実施形態によれば、第nブロックにおける1番のドットと第n+1ブロックにおける1番のドットとの間隔L2に生じる累積誤差は、理想搬送量である5084画素分に対して0.25μm以下の極小な値に抑えられる。
このように、本実施形態に係るプリンタシステム1によれば、累積誤差が最小搬送量よりも大きい場合は、選択された複数のパスの制御搬送量に最小搬送量を付加することにより累積誤差を補正することで、累積誤差を最小搬送量以下に抑えることができる。しかも、各制御搬送量の補正量が最小搬送量であるため、制御搬送量の補正に伴う各ドットの位置ずれを小さくすることができる。これによりに、分解能の高いエンコーダ39を用いなくてもドットのズレ量を小さくすることができるため、低コストでドットの記録位置精度を向上させることができる。
そして、制御搬送量を補正する対象パスを略等間隔に選択することで、搬送量の補正に伴い発生するドットの位置ずれを更に目立たせなくすることができる。
更に、4×4画素の16画素で構成される2次元領域を1つのブロックとし、このブロックを構成する画素数と同じ16パスで各画素に順次ドットを記録することで、2次元的な順序でドットを記録することができる。そして、各ブロックでは、左右方向及び上下方向に隣接する画素を連続させずにドットを記録することで、ブロックごとにドットが規則的に一方向に引っ張られるのを防止することができるため、バンディングの発生を抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、Yバー34(インクジェットヘッド32)を副走査方向Fへ搬送することで、インクジェットヘッド32と記録媒体Mとを副走査方向Fに相対的に移動させるものとして説明したが、記録媒体Mを副走査方向Fへ搬送することで、インクジェットヘッド32と記録媒体Mとを副走査方向Fに相対的に移動させるものとしてもよい。
また、上記実施形態では、パス毎にインクジェットヘッド32を副走査方向Fへ搬送して、同じブロックZの画素には異なるノズル35でドットを記録するものとして説明したが、例えば、図27及び図28で説明したように、同じブロックZの画素には同じノズル35でドットを記録するものとしても良い。このように、同じブロックZの画素に同じノズル35でドットを記録することで、全てのブロックZにおいて、マスクパターン処理部41で決定されたドット記録順序における1番目の画素からドットを記録することができる。
また、上記実施形態では、Yバー34を搬送する前に、予め、補正制御量及び制御搬送量を補正する対象パスを特定するものとして説明したが、例えば、図29に示すように、必ずしも、予め補正制御量及び制御搬送量を補正する対象パスを特定しなくても良い。
図29は、搬送制御部によるYバーの搬送制御処理の他の例を示したフローチャートである。図29に示すように、まず、搬送制御部45は、記録を行うパス数を設定し(ステップS721)、累積誤差を算出する(ステップS722)。
次に、搬送制御部45は、累積誤差が最小搬送量よりも大きいか否かを判断する(ステップS723)。そして、累積誤差が最小搬送量以下であると判断すると(ステップS723:NO)、搬送制御部45は、Yバー34を副走査方向Fに制御搬送量だけ搬送する(ステップS724)。一方、累積誤差が最小搬送量よりも大きいと判断すると(ステップS723:YES)、搬送制御部45は、搬送制御量に最小搬送量を付加して、Yバー34を副走査方向Fへ搬送し(ステップS725)、この累積誤差から最小搬送量を引いた値で累積誤差を更新する(ステップS726)。
次に、搬送制御部45は、現在のパスが最終パスであるか否かを判断する(ステップS709)。そして、現在のパスが最終パスではないと判断すると(ステップS726:NO)、搬送制御部45は、ステップS723に戻り、パスを一つ繰り上げて再度上述した処理を行い、現在のパスが最終パスであると判断すると(ステップS726:YES)、記録が全て終了したか否かを判断する(ステップS727)。そして、記録が全て終了していないと判断すると(ステップS727:NO)、搬送制御部45は、ステップS721に戻り、パス数を再設定して再度上述した処理を行い、記録が全て終了したと判断すると(ステップS727:YES)、搬送制御部45は、搬送制御処理を終了する。
このような搬送制御を行うと、制御搬送量を補正するパスが一部に固まるが、補正搬送量や補正対象パスを求める処理を省くことができるため、処理速度を向上させることができる。
また、上記実施形態では、マスクパターン処理及び並び替え処理を、インクジェットプリンタ20の制御装置40(マスクパターン処理部41及び並び替え処理部42)において行うものとして説明したが、ワークステーション10において行うものとしても良い。この場合、このマスクパターン処理及び並び替え処理は、RIP12において行っても良い。
また、上記実施形態では、全てAM網点によりドットを記録するものとして説明したが、印刷データにおけるドットの記録密度の小さいハイライト部では、FM網点によりドットを記録するものとしても良い。高解像度の画像を記録する場合は、画素の大きさに対してドット径が大きくなるため、薄い階調表現が難しくなる。そこで、ドットの記録密度の小さいハイライト部ではFM網点によりドットを記録することで、低い階調表現を可能とすることができる。
また、上記実施形態では、マスクパターン及び各ブロックを、4×4の画素で構成されるものとして説明したが、偶数(ライン)×偶数(列)の画素で構成されるものであれば、如何なる構成であっても良い。例えば、2×2や6×6の他、4×8などライン方向と列方向とで異なる数の画素で構成されるものであっても良い。
また、上記実施形態では、第一画素群Aが偶数(ライン)×偶数(列)に配置されるものとして説明したが、奇数(ライン)×奇数(列)に配置されるものとしても良い。