JP2012076419A - 印刷装置の製造方法、印刷装置の調整方法、及び、印刷装置 - Google Patents

印刷装置の製造方法、印刷装置の調整方法、及び、印刷装置 Download PDF

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昌彦 吉田
Tatsuya Nakano
龍也 中野
Michiaki Tokunaga
道昭 徳永
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Abstract

【課題】適切に濃度補正を行うこと。
【解決手段】ノズルからインクを噴射して移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンを媒体に形成し、前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むように、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールを複数配置し、前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取って画像データを取得し、前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔を求め、前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値を補正し、補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて、各列領域に対応する濃度の補正値を求め、前記調整用パターンを形成した印刷装置の記憶部に前記補正値を記憶する。
【選択図】図10

Description

本発明は、印刷装置の製造方法、印刷装置の調整方法、及び、印刷装置に関する。
インクを噴射して印刷を行うインクジェット式のプリンターが使用されている。このようなプリンターでは、ノズルから噴射されるインクの飛行特性が異なることが原因となり、ドットラインがずれて形成されることがある。ドットラインがずれて形成されると、その領域において所望の濃度と異なる濃度の画像が形成されることになる。そのため、その濃度を補正する手法が考えられている。
このような濃度補正を行う際に、印刷されたパターンを読み取って、画像の濃度(読取階調値)の特性を取得する。しかしながら、パターンを読み取る際の読取キャリッジの移動において適切な移動がされていないと、正確な濃度の特性を取得することができない。
特許文献1には、読み取ったスケールのデータに基づいて、読み取った画像を補正することが示されている。
特開2006−305963号公報
しかしながら、このような手法であると、読み取りキャリッジが蛇行するケースには対応できない。よって、このような状況においても適切な濃度(読取階調値)の特性を取得して、正確に濃度補正できるようにすることが望ましい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、適切に濃度補正を行うことを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
(A)移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射して前記移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する交差方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンを媒体に形成することと、
(B)前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むように、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールを複数配置することと、
(C)前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取り、前記調整用パターンと前記複数のスケールとの画像データとを取得することと、
(D)前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔を求めることと、
(E)前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値を補正することと、
(F)補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて、各列領域に対応する濃度の補正値を求めることと、
(G)前記調整用パターンを形成した印刷装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
を含む印刷装置の製造方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
図1Aは、本実施形態のプリンター1の全体構成ブロック図であり、図1Bは、プリンター1の一部の斜視図である。 ヘッド41の下面におけるノズル配列を示す図である。 図3A及び図3Bは、通常印刷の説明図である。 先端印刷及び後端印刷の説明図である。 図5Aは、理想的にドットが形成されたときの説明図であり、図5Bは、濃度むらが発生したときの説明図であり、図5Cは、本実施形態で使用する補正値によってドットが形成されたときの様子の説明図である。 テストパターンTSと基準スケールSSr、SSlを示す図である。 スキャナーの読取キャリッッジが蛇行する様子を示す図である。 本実施形態において取得された画像データと基準スケールの目盛りとの関係を示す図である。 読取階調値の補正を説明する図である。 基準スケールの目盛り間隔が理論値となるように変形したときのテストパターンの一例である。 仮想的な基準スケールを用いて座標変換を行う場合について説明する図である。 シアンの補正用パターンをスキャナーで読み取った結果である。 図13A及び図13Bは、濃度むら補正値Hの具体的な算出方法を示す図である。 インターレース印刷の通常印刷領域のシアンに関する補正テーブルを示す図である。 シアンのn番目の列領域に関して各階調値に対応した補正値Hを算出する様子を示す図である。 濃度補正処理(印刷処理)のフローを示す図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
(A)移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射して前記移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する交差方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンを媒体に形成することと、
(B)前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むように、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールを複数配置することと、
(C)前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取り、前記調整用パターンと前記複数のスケールとの画像データとを取得することと、
(D)前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔を求めることと、
(E)前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値を補正することと、
(F)補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて、各列領域に対応する濃度の補正値を求めることと、
(G)前記調整用パターンを形成した印刷装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
を含む印刷装置の製造方法。
このようにすることで、適切に濃度補正を行うことができる。
かかる印刷装置の製造方法であって、前記調整用パターンと前記複数のスケールは、前記交差方向に移動する読み取り部を有するスキャナーによって同時に読み取られることが望ましい。また、前記調整用パターンは、前記移動方向に複数の階調のサブパターンが並ぶパターンであることが望ましい。また、前記読取階調値の補正は、前記交差方向の前記目盛り間隔が理論値になるように前記画像データの画像が変形されることにより行われることが望ましい。また、前記読取階調値の補正は、複数のスケールに基づいて調整用パターンの位置における仮想スケールが求められ、該仮想スケールにおける目盛り間隔が理論値になるように、前記画像データの画像が変形されることにより行われてもよい。
このようにすることで、適切に濃度補正を行うことができる。
(A)移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射して前記移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する交差方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンと、前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むスケールであって、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールと、を形成することと、
(B)前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取り、前記調整用パターンと前記複数のスケールとの画像データとを取得することと、
(C)前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔を求めることと、
(D)前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値を補正することと、
(E)補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて、各列領域に対応する濃度の補正値を求めることと、
(F)前記調整用パターンを形成した印刷装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
を含む印刷装置の製造方法。
このようにすることで、適切に濃度補正を行うことができる。
(A)移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射して前記移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する交差方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンを媒体に形成することと、
(B)前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むように、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールを複数配置することと、
(C)前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取り、前記調整用パターンと前記複数のスケールとの画像データとを取得することと、
(D)前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔を求めることと、
(E)前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値を補正することと、
(F)補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて、各列領域に対応する濃度の補正値を求めることと、
(G)前記調整用パターンを形成した印刷装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
を含む印刷装置の調整方法。
このようにすることで、適切に濃度補正を行うことができる。
(A)移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射して前記移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより画像を形成するヘッドと、
(B)各前記列領域に対応する濃度の補正値を記憶した記憶部であって、
各前記列領域に対応する濃度の補正値は、
(b1)前記列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する交差方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンが媒体に形成され、
(b2)前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むように、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールが複数配置され、
(b3)前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取り、前記調整用パターンと前記複数のスケールとの画像データとが取得され、
(b4)前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔が求められ、
(b5)前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値が補正され、
(b6)補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて求められるものであり、
(C)前記補正値に基づいて前記ノズルからインクを噴射させる制御部と、
を備える印刷装置。
このようにすることで、適切に濃度補正を行うことができる。
===印刷システムについて===
以下、流体噴射装置としてインクジェットプリンター(以下、プリンター1)を例に挙げ、プリンター1とコンピューター60が接続された印刷システムについて説明する。
図1Aは、本実施形態のプリンター1の全体構成ブロック図であり、図1Bは、プリンター1の一部の斜視図である。外部装置であるコンピューター60から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー10により、各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御し、用紙S(媒体)に画像を形成する。また、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピューター60とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12は、ユニット制御回路14により各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込み、印刷時に搬送方向(所定方向に相当)に所定の搬送量で用紙Sを搬送させるためのものである。
キャリッジユニット30(移動機構)は、ヘッド41を搬送方向と交差する方向(以下、移動方向という、所定方向と交差する方向に相当)に移動させるためのものである。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを噴射するためのものであり、ヘッド41有する。ヘッド41の下面にはインク噴射部であるノズルが複数設けられている。また、各ノズルに対応付けられたピエゾ素子を駆動することによって、ノズルからインクが噴射される。
図2は、ヘッド41の下面におけるノズル配列を示す図である。180個のノズル(#1〜#180)が所定のノズルピッチk・Dにて搬送方向に並んだノズル列が形成されている。ヘッド41には4つのノズル列が形成され、それぞれ異なる色のインクを噴射する。本実施形態のヘッド41では、イエローインクを噴射するイエローノズル列Yと、マゼンタインクを噴射するマゼンタノズル列Mと、シアンインクを噴射するシアンノズル列Cと、ブラックインクを噴射するブラックノズル列Kと、を有する。
このような構成のシリアル式のプリンター1では、印刷データに基づいて、キャリッジユニット30によって移動方向に移動するヘッド41からインクを断続的に噴射させて用紙S上に移動方向に沿うドット列(ラスタライン)を形成するドット形成動作と、搬送ユニット20によって用紙Sを搬送方向に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返す。その結果、先のドット形成動作により形成されたドットの位置とは異なる位置にドットを形成することができ、用紙上に2次元の画像を形成することができる。
<印刷データについて>
コンピューター60からプリンター1に送信される印刷データは、コンピューター60のメモリーに記憶されているプリンタードライバーに従って作成される。以下、印刷データの作成処理の概要について説明する。
まず、解像度変換処理にて、各種アプリケーションプログラムから出力された画像データを用紙Sに印刷する際の解像度に変換する。解像度変換処理後の画像データはRGB色空間により表される256階調のRGBデータである。なお、複数の画素データが集まって画像データを構成している。
次に色変換処理にて、RGBデータをプリンター1のインクに対応したCMYKデータに変換する。
その後、ハーフトーン処理にて、高い階調数の256階調のデータをプリンター1が形成可能な低い階調数のデータに変換する。本実施形態のプリンター1は3種類のドットを形成可能とするため4階調のデータに変換する。
最後に、ラスタライズ処理にて、マトリクス状の画像データをプリンター1に転送すべき順にデータごとに並べ替える。
これらの処理を経たデータは、印刷方式に応じたコマンドデータ(搬送量など)と共に、印刷データとしてプリンタードライバーによりプリンター1に送信される。
===インターレース印刷について===
本実施形態のプリンター1は、通常、インターレース印刷を行うとする。インターレース印刷では、1回のパスで記録されるラスタライン間に、他のパスのラスタラインが形成される。インターレース印刷では、印刷の始めと終わりの印刷方法が通常と異なるため、通常印刷と先端印刷及び後端印刷とに分けて説明する。
図3A及び図3Bは、通常印刷の説明図である。図3Aはパスn〜パスn+3の様子を示し、図3Bはパスn〜パスn+4の様子を示す。説明の便宜上、ノズル列のノズル数を少なくし、また、ノズル列と用紙Sとの相対位置を示すためにヘッド41(ノズル列)が用紙Sに対して移動しているように描く。同図において、黒丸で示されたノズルはインク噴射ノズルであり、白丸で示されたノズルはインク非噴射ノズルである。また、同図において、黒丸で示されたドットは、最後のパスで形成されたドットであり、白丸で示されたドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。
インターレース印刷の通常印刷では、用紙Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送されるごとに、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインの直ぐ上(先端側)のラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インクを吐出可能なノズル数N(整数)はk(ノズルピッチk・D)と互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。ここでは、N=7、k=4で、F=7・Dである。しかし、これでは、印刷の始めと終わりに、ラスタラインを形成されない箇所がある。その為、先端印刷及び後端印刷では、通常印刷とは異なる印刷方法を行う。
図4は、先端印刷及び後端印刷の説明図である。最初の5回のパスが先端印刷であり、最後の5回のパスが後端印刷である。先端印刷では、通常印刷時の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)にて、用紙Sが搬送される。そして、先端印刷と後端印刷では、インクを噴射するノズルが一定していない。これにより、印刷の初めと終わりにも、搬送方向に連続して並ぶ複数のラスタラインを形成することができる。また、先端印刷では30本のラスタラインが形成され、後端印刷でも30本のラスタラインが形成される。これに対し、通常印刷では、用紙Sの大きさにもよるが、およそ数千本のラスタラインが形成される。
通常印刷により印刷される領域(以下、通常印刷領域)のラスタラインの並び方には、インク噴射可能なノズル数(ここではN=7個)と同じ数のラスタラインごとに規則性がある。通常印刷で最初に形成されたラスタラインから7番目までのラスタラインは、それぞれ、ノズル♯3、♯5、♯7、♯2、♯4、♯6、♯8、により形成され、次の8番目以降の7本のラスタラインも、これと同じ順序の各ノズルで形成されている。一方、先端印刷により印刷される領域(以下、先端印刷領域)及び後端印刷により印刷される領域(以下、後端印刷領域)のラスタラインの並びには、通常印刷領域のラスタラインと比べると、規則性を見出し難い。
===濃度むらについて===
以下の説明のため、「画素領域」と「列領域」を設定する。「画素領域」とは用紙S上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさが決定する。用紙S上の1つの「画素領域」と画像データ上の1つの「画素データ」が対応する。また、「列領域」とは移動方向に並ぶ複数の画素領域によって構成される領域である。「列領域」は、画像データ上の複数の画素データが移動方向に対応する方向に沿って並ぶ「画素列データ」と対応する。
図5Aは、理想的にドットが形成されたときの説明図である。理想的にドットが形成されるとは、画素領域の中心に規定量のインク滴が着弾し、ドットが形成されることである。
図5Bは、濃度むらが発生したときの説明図である。2番目の列領域に形成されたラスタラインは、ノズルから吐出されたインク滴の飛行曲がりにより、3番目の列領域側に寄って形成される。その結果、2番目の列領域は淡くなり、3番目の列領域は濃くなる。一方、5番目の列領域に吐出されたインク滴のインク量は規定量よりも少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。その結果、5番目の列領域は淡くなる。このように濃淡の違う列領域からなる画像を巨視的に見ると、キャリッジの移動方向に沿う縞状の濃度むらが視認される。
図5Cは、本実施形態で使用する補正値(後述)によってドットが形成されたときの様子の説明図である。濃く視認されやすい列領域に対しては、淡く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素データの示す階調値を補正する。また、淡く視認されやすい列領域に対しては、濃く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素データの示す階調値を補正する。例えば、淡く視認される2番目と5番目の列領域のドット発生率を高くし、濃く視認される3番目の列領域のドット発生率が低くする。そうすることで、画像の濃度むらを抑制できる。
ここで、図5Bにおいて、3番目の列領域に形成される画像片の濃度が濃くなる理由は、3番目の列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものではなく、隣接する2番目の列領域にラスタラインを形成するノズルの影響によるものである。このため、3番目の列領域にラスタラインを形成するノズルが別の列領域にラスタラインを形成する場合、その列領域に形成される画像片が濃くなるとは限らない。図3及び図4に示すインターレース印刷においても、あるノズルに割り当てられる列領域に隣接する列領域が毎回同じノズルとは限らない。
つまり、同じノズルにより形成された画像片であっても、隣接する画像片を形成するノズルが異なれば、濃度が異なる場合がある。このような場合、単にノズルに対応付けた補正値では、濃度むらを抑制することができない。そこで、本実施形態では、列領域ごと(画素列データごと)に濃度むら補正値Hを設定する。
===濃度むら補正値Hについて===
濃度むらはノズルの加工精度等の問題により発生するため、列領域ごと(画素列データごと)の補正値Hは、プリンター1の製造工程などにおいて、プリンター1ごとに算出する。補正値Hを算出するプリンター1には、スキャナーとコンピューターが接続される。そして、コンピューターには、テストパターン(後述)をプリンター1に印刷させるためのプリンタードライバーと、スキャナーが読み取った読取データに基づいて補正値Hを算出するための補正値取得プログラムがインストールされている。以下、補正値Hの取得方法について説明する。
<テストパターンと基準スケール>
図6は、テストパターンTSと基準スケールSSr、SSlを示す図である。テストパターンは、異なる色のノズル列ごと(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)に形成された4つの補正用パターン(調整用パターンに相当する。テストパターンは、複数の調整用パターンを含む)によって構成される。各補正用パターンは3種類の濃度の帯状パターンから構成される。帯状パターンはそれぞれ一定の階調値の画像データから生成されたものである。帯状パターンを形成するための階調値を指令階調値と呼び、濃度30%の帯状パターンの指令階調値をSa(76)、濃度50%の帯状パターンの指令階調値をSb(128)、濃度70%の帯状パターンの指令階調値をSc(179)と表す。なお、高い階調値が濃い濃度を示し、低い階調値が淡い濃度を示すとする。
また、テストパターンTSが読み込まれるときにおいて、基準スケールSSr、SSlに挟み込まれるようにしてスキャナーの原稿台に載置される。基準スケールSSrは、主走査方向を左右方向として見たときの右側(ここでは、読み取りキャリッッジの駆動力の作用点に近い方)にセットされる基準スケールであり、基準スケールSSlは、左側にセットされる基準スケールである。
基準スケールSSrと基準スケールSSlは同じものである。ここでは、基準スケールSSrを例に説明を行う。基準スケールSSrの大きさは10mm×300mmであり、長細い形をしている。そして、基準スケールSSrの長手方向(所定方向に相当)について、36dpi間隔にて多数の目盛りが付けられており、これら目盛りは目盛りパターンを構成している。各目盛りは、前記長手方向と直交する方向に沿って直線状に形成されている。基準スケールSSは繰り返し使用されるため、紙ではなく、PETフィルム等の樹脂素材から構成される。また、基準スケールSSrの目盛りは、レーザー加工により高精度に形成されている。すなわち、各目盛りは、隣り合う目盛りとの間隔が所定の理論値(36dpi)を目標値として、この目標値に極力揃うように高精度に(例えば、1/36インチ±0.000027ミリの寸法公差で)形成されている。
図7は、スキャナーの読取キャリッッジが蛇行する様子を示す図である。主走査方向が長手方向である読取キャリッジを副走査方向に移動させる際、図に示すように左右のいずれか一方が先行して移動することがある。これは、読取キャリッジを移動させるための動力の作用点のバランスが均一でない場合や、読取キャリッジの移動に用いられる摺動部の摩擦の影響にもよる。このように、読取キャリッッジが蛇行することになると、そのときに読み取られる画像データにも影響を与える。例えば、次の図に示すような問題が生ずる。
図8は、本実施形態において取得された画像データと基準スケールの目盛りとの関係を示す図である。図には、左右の基準スケールにおける目盛りが示されている。また、基準スケールに挟み込まれるようにして、複数の画素が示されている。そして、ある目盛りを通過してから次の目盛りを通過するまでの読取階調値の取得について考察してみる。ここでは、仮に読取キャリッジの左側の移動速度が右側よりも速かった場合を例にする。このように、左側の移動速度が速い場合、同じ濃度の画像を走査しても単位長さを通過する時間が右より左の方が早い。そうすると、得られた画像データにおいて、右側の画像が淡くなり、左側の画像が濃くなるという問題が生ずる。そこで、本実施形態では、以下のようにして読取階調値の補正を行う。
図9は、読取階調値の補正を説明する図である。本実施形態では、左右の基準スケールSSr、SSlを基準として、読み取ったテストパターンの画像データを座標変換することにより、読み取り階調値の補正が行われる。前述の図8では、左側の目盛りピッチと右側の目盛りピッチとが異なっていた。よって、これらの目盛りピッチが基準のピッチと同じ長さとなるように左右の目盛りピッチが変形させられる。そして、これにあわせてテストパターンTSの画像データも変形させられる。例えば、図8の右側の目盛りピッチが正しく、左側の目盛りピッチが短いとした場合、左側の目盛りピッチが引き延ばされるように変形させられることになる。これに伴い、テストパターンTSも変形させられるが、テストパターンTSの右側の部分はほとんど変形されないのに対し、左側の部分は副走査方向に引き延ばされるように変形される。これらの変形比率は、右から左にかけて徐々に大きくなるように比例的に行われる。なお、このような変形を行う座標変換は既知のものを採用することができる。
このように画像データにおける画像が変形されることにより、移動が遅く読取階調値が高く(濃く)取得された場合には引き延ばされて読取階調値は低く変換される。また、移動が早く読取階調値が低く(淡く)取得された場合には圧縮されて読取階調値は高く変換される。このようにすることにより、各画素の読取データが適切に補正される。以下、このように補正された読取データを補正後読取データという。
図10は、基準スケールの目盛り間隔が理論値となるように変形したときのテストパターンの一例である(本図では、説明の便宜上、テストパターンTSの大きさに比して目盛りが前述のものよりも大きく記載されている)。図に示されるように、左右の目盛り間隔が異なっていたのが理論値に修正されるとともに、その間に挟まれているテストパターンPS自体も変形させられることにより、読取データが補正されることになる。
上述の手法では、左右の基準スケールの目盛りの位置に基づいて画像の座標変換を行うことにより補正を行ったが、左右の基準スケールに基づいて求めた仮想的な基準スケールに基づいて画像を変形させることとしてもよい。
図11は、仮想的な基準スケールを用いて座標変換を行う場合について説明する図である。ここでは、マゼンタの補正用パターンに着目する。そして、左右の基準スケールSSr、SSlに基づいて、仮に仮想的な基準スケールがマゼンタの補正用パターンの位置に配置されていた場合の仮想基準スケールにおける目盛りを求める。仮想基準スケールにおける目盛りの位置は、右の基準スケールSSrの目盛りと左の基準スケールSSlの目盛りとを線分で結び、補正用パターンの位置における線分の位置を特定することにより得ることができる。
このようにして得た仮想基準スケールの目盛りにおいても、目盛り間のピッチが異なっている。よって、この目盛り間のピッチを理論値となるように変形する。そして、目盛り間のピッチを理論値に変形するのに伴って、マゼンタの補正用パターンの副走査方向の画像も変形する。
同様の手法が、シアン、イエロー、及び、ブラックKの補正用パターンにも適用される。このようにすることによっても、各画素の読取データが補正されることになる。
また、上述の手法では、基準スケールSSr、SSlとテストパターンTSとを別途用意して、同時に読み取ることとしたが、媒体にテストパターンTSと基準スケールSSr、SSlの両方を印刷することとしてもよい。そして、これらが印刷された媒体をスキャナーで読み取り、上記のような読取階調値の補正を行うこととしてもよい。
<読取階調値の取得>
テストパターンをスキャナーで読み取らせ、色ごと、濃度ごとの読取階調値を取得し、さらに前述の手法により補正後読取階調値を得る。また、補正後読取データにおいて、1つの画素列データ(移動方向に対応する方向に並ぶ複数の画素データ)と、補正用パターンにおける1つの列領域(1つのラスタライン)とを対応付ける。
図12は、シアンの補正用パターンをスキャナーで読み取った結果である。以下、シアンの補正後読取データを例に説明する。画素列データと列領域(ラスタライン)を一対一で対応させた後、帯状パターンごとに、各列領域の濃度を算出する。ある列領域に対応する画素列データに属する各画素データの読取階調値の平均値を、その列領域の補正後読取階調値とする。図12のグラフでは、横軸を列領域番号とし、縦軸を各列領域の補正後読取階調値とする。
各帯状パターンは、それぞれの指令階調値で一様に形成されたにも関わらず、図12に示すように列領域ごとに補正後読取階調値にばらつきが生じる。例えば、図12のグラフにおいて、i列領域の補正後読取階調値Cbiは他の列領域の補正後読取階調値よりも低く、j列領域の補正後読取階調値Cbjは他の列領域の補正後読取階調値よりも高い。即ち、i列領域は淡く視認され、j列領域は濃く視認される。このような各列領域の補正後読取階調値のばらつきが、印刷画像の濃度むらである。
<濃度むら補正値Hの算出>
濃度むらを改善するために、列領域ごとの補正後読取階調値のばらつきを低減したい。即ち、各列領域の補正後読取階調値を一定の値に近づけたい。そこで、同一の指令階調値(例えばSb・濃度50%)において、全列領域の補正後読取階調値(Cb1〜Cb116)の平均値Cbtを、「目標値Cbt」として設定する。そして、指令階調値Sbにおける各列領域の補正後読取階調値を目標値Cbtに近づけるように、各列領域に対応する画素列データの示す階調値を補正する。
具体的には、図12において目標値Cbtよりも補正後読取階調値の低い列領域iに対応する画素列データの示す階調値を、指令階調値Sbよりも濃い階調値を補正する。一方、目標値Cbtよりも補正後読取階調値の高い列領域jに対応する画素列データの示す階調値を、指令階調値Sbよりも淡い階調値に補正する。このように、同一の階調値に対して、全列領域の濃度を一定の値に近づけるために、各列領域に対応する画素列データの階調値を補正する補正値Hを算出する。
図13A及び図13Bは、濃度むら補正値Hの具体的な算出方法を示す図である。まず、図13Aは目標値Cbtよりも補正後読取階調値の低いi列領域において、指令階調値(例Sb)における目標指令階調値(例Sbt)を算出する様子を示す。横軸が階調値を示し、縦軸がテストパターン結果における補正後読取階調値を示す。グラフ上には、指令階調値(Sa,Sb,Sc)に対する補正後読取階調値(Cai,Cbi,Cci)がプロットされている。例えば指令階調値Sbに対してi列領域が目標値Cbtにて表されるための目標指令階調値Sbtは次式(直線BCに基づく線形補間)により算出される。
Sbt=Sb+{(Sc−Sb)×(Cbt−Cbi)/(Cci−Cbi)}
同様に、図13Bに示すように、目標値Cbtよりも補正後読取階調値の高いj列領域において、指令階調値Sbに対してj列領域が目標値Cbtにて表されるための目標指令階調値Sbtは次式(直線ABに基づく線形補間)により算出される。
Sbt=Sa+{(Sb−Sa)×(Cbt−Caj)/(Cbj−Caj)}
こうして、指令階調値Sbに対する各列領域の目標指令階調値Sbtが算出される。そうして、次式により、各列領域の指令階調値Sbに対するシアンの補正値Hbを算出する。同様にして、他の指令階調値(Sa,Sc)に対する補正値、及び、他の色(イエロー,マゼンタ,ブラック)に対する補正値も算出する。
Hb=(Sbt−Sb)/Sb
図14は、インターレース印刷の通常印刷領域のシアンに関する補正値テーブルを示す図である。前述のように、通常印刷領域では7個のラスタラインごとに規則性があるため、通常印刷領域に関しては指令階調値(Sa,Sb,Sc)ごとに7個の補正値を算出する。例えば規則性のある1番目の列領域の指令階調値Saに対する補正値を「Ha_1」と示す。
このような補正値テーブルを、先端印刷領域および後端印刷領域に関しても作成する(不図示)。また、他の色(イエロー・マゼンタ・ブラック)に関しても、先端印刷領域、通常印刷領域、後端印刷領域の各補正値テーブルを作成する。そうして、補正値Hを算出するためにテストパターンを印刷したプリンター1のメモリー13に記憶させる。その後、プリンター1はユーザーのもとへ出荷される。
===濃度補正処理について===
ユーザーは、プリンター1の使用開始時に、プリンター1に接続するコンピューター60にプリンタードライバーをインストールする。そうすると、プリンタードライバーはプリンター1に対してメモリー13に記憶されている補正値Hをコンピューター60に送信するように要求する。プリンタードライバーは、プリンター1から送信される補正値Hをコンピューター60内のメモリーに記憶する。
図15は、シアンのn番目の列領域に関して各階調値に対応した補正値Hを算出する様子を示す図である。横軸を補正前の階調値S_inとし、縦軸を補正前の階調値S_inに対応した補正値H_outとする。
図16は、濃度補正処理(印刷処理)のフローを示す図である。前述のように、プリンタードライバーは、ユーザーからの印刷命令を受けると、図16のフローに従って印刷データを生成し、印刷データをプリンター1に送信する。
まず、プリンタードライバーは、ユーザーの印刷命令と共に各種アプリケーションソフトから画像データを受信する(S001)。その画像データは、印刷解像度に応じた解像度に変換され(S002)、プリンター1が有するインクの色YMCKに応じて色変換される(S003)。
そして、プリンタードライバーは、YMCKの256階調のデータに対して補正値Hを用いて濃度補正処理を行う(S004)。即ち、画像データを構成する各画素データの256階調の階調値(補正前の階調値S_in)を、色ごと、及び、その画素データが対応する列領域ごとに設定された補正値Hによって、補正する。
補正前の階調値S_inが指令階調値のいずれかSa,Sb,Scと同じであれば、各指令階調値に対応した補正値Hであってコンピューター60のメモリーに記憶されている補正値Ha,Hb,Hcをそのまま用いることができる。例えば、補正前の階調値S_in=Scであれば、補正後の階調値S_outは次式により求められる。
S_out=Sc×(1+Hc)
補正前の階調値S_inが指令階調値と異なる場合、補正前の階調値S_inに応じた補正値H_outを算出する。例えば、図15に示すように補正前の階調値S_inが指令階調値SaとSbの間であるとき、指令階調値Saの補正値Haと指令階調値Sbの補正値Hbの線形補間によって次式により補正値H_outを算出し、補正後の階調値S_outを算出する。
H_out=Ha+{(Hb−Ha)×(S_in−Sa)/(Sb−Sa)}
S_out=S_in×(1+H_out)
なお、補正前の階調値S_inが指令階調値Saよりも小さい場合には、最低階調値0と指令階調値Saの線形補間により補正値H_outを算出し、補正前の階調値S_inが指令階調値Scよりも大きい場合には、最高階調値255と指令階調値Scの線形補間によって補正値H_outを算出する。
こうして、色ごと、画素データが属する列領域ごと、階調値ごとに設定された補正値Hによって、256階調の画素データの示す階調値S_inが補正される。そうすることで、濃度が淡く視認される列領域に対応する画素データの階調値S_inは濃い階調値S_outに補正され、濃度が濃く視認される列領域に対応する画素データの示す階調値S_inは淡い階調値S_outに補正される。その結果、印刷画像に発生する濃度むらを低減することができる。
===その他の実施の形態===
上述の実施形態では、流体噴射装置としてプリンター1が説明されていたが、これに限られるものではなくインク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする液体吐出装置に具現化することもできる。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、気体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用してもよい。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
1 プリンター、10 コントローラー、
11 インターフェース部、12 CPU、
13 メモリー、14 ユニット制御回路、
15 濃度補正処理部、20 搬送ユニット、
30 キャリッジユニット、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、60 コンピューター

Claims (8)

  1. (A)移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射して前記移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する交差方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンを媒体に形成することと、
    (B)前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むように、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールを複数配置することと、
    (C)前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取り、前記調整用パターンと前記複数のスケールとの画像データとを取得することと、
    (D)前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔を求めることと、
    (E)前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値を補正することと、
    (F)補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて、各列領域に対応する濃度の補正値を求めることと、
    (G)前記調整用パターンを形成した印刷装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
    を含む印刷装置の製造方法。
  2. 前記調整用パターンと前記複数のスケールは、前記交差方向に移動する読み取り部を有するスキャナーによって同時に読み取られる、請求項1に記載の印刷装置の製造方法。
  3. 前記調整用パターンは、前記移動方向に複数の階調のサブパターンが並ぶパターンである、請求項1又は2に記載の印刷装置の製造方法。
  4. 前記読取階調値の補正は、前記交差方向の前記目盛り間隔が理論値になるように前記画像データの画像が変形されることにより行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置の製造方法。
  5. 前記読取階調値の補正は、複数のスケールに基づいて調整用パターンの位置における仮想スケールが求められ、該仮想スケールにおける目盛り間隔が理論値になるように、前記画像データの画像が変形されることにより行われる、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置の製造方法。
  6. (A)移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射して前記移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する交差方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンと、前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むスケールであって、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールと、を形成することと、
    (B)前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取り、前記調整用パターンと前記複数のスケールとの画像データとを取得することと、
    (C)前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔を求めることと、
    (D)前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値を補正することと、
    (E)補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて、各列領域に対応する濃度の補正値を求めることと、
    (F)前記調整用パターンを形成した印刷装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
    を含む印刷装置の製造方法。
  7. (A)移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射して前記移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する交差方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンを媒体に形成することと、
    (B)前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むように、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールを複数配置することと、
    (C)前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取り、前記調整用パターンと前記複数のスケールとの画像データとを取得することと、
    (D)前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔を求めることと、
    (E)前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値を補正することと、
    (F)補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて、各列領域に対応する濃度の補正値を求めることと、
    (G)前記調整用パターンを形成した印刷装置の記憶部に前記補正値を記憶することと、
    を含む印刷装置の調整方法。
  8. (A)移動方向に移動する複数のノズルからインクを噴射して前記移動方向に沿う列領域にドット列を形成することにより画像を形成するヘッドと、
    (B)各前記列領域に対応する濃度の補正値を記憶した記憶部であって、
    各前記列領域に対応する濃度の補正値は、
    (b1)前記列領域にドット列を形成することにより、前記移動方向と交差する交差方向に並ぶ複数の前記列領域に形成された複数の前記ドット列から構成される調整用パターンが媒体に形成され、
    (b2)前記調整用パターンを前記移動方向に挟み込むように、前記交差方向に並ぶ目盛りが形成されたスケールが複数配置され、
    (b3)前記調整用パターンと前記複数のスケールとを読み取り、前記調整用パターンと前記複数のスケールとの画像データとが取得され、
    (b4)前記複数のスケールの画像データに基づいて、前記複数のスケールの目盛り間隔が求められ、
    (b5)前記複数のスケールの目盛り間隔に基づいて、前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値が補正され、
    (b6)補正された前記調整用パターンの画像データにおける読取階調値に基づいて求められるものであり、
    (C)前記補正値に基づいて前記ノズルからインクを噴射させる制御部と、
    を備える印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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