JP5584996B2 - 補正値取得方法、及び、流体噴射装置の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
このような補正値取得方法によれば、ヘッドユニットが移動する交差する方向への移動位置によらずに、平均的に補正効果のある補正値を取得することができる。
このような補正値取得方法によれば、補正効果のある補正値を取得するためのパターンを形成することができる。また、補正値取得時間を短縮できる。
このような補正値取得方法によれば、ヘッドユニットが移動する交差する方向への移動位置によらずに、平均的に補正効果のある補正値を取得することができる。
このような補正値取得方法によれば、濃い色に対応する補正値を精度良く取得することができ、画像の劣化をより抑制することができる。
このような補正値取得方法によれば、補正値取得時間を短縮することができる。
このような補正値取得方法によれば、補正効果の高い補正値を取得することができる。
このような流体噴射装置の製造方法によれば、ヘッドユニットが移動する交差する方向への移動位置によらずに、平均的に補正効果のある補正値を取得することができる。
以下、流体噴射装置としてインクジェットプリンター(以下、プリンター1)を例に挙げ、プリンター1とコンピューター60が接続された印刷システムについて説明する。
図3は、ヘッドユニット40における複数のヘッド41の配置を示す図である。なお、実際にはヘッドユニット40の下面にノズル面が形成されるが、図3は上面からノズルを仮想的に見た図である(以下の図も同様)。紙幅方向(Y方向)に多数のノズルが並ぶことで、ヘッドユニット40のX方向への1回の移動により、大きな幅の画像を印刷することができる。そうすることで、印刷の高速化を図れる。ただし、製造上の問題により長尺のヘッドを形成することが出来ない。そこで、プリンター1では、複数の短尺ヘッド41(n個)をY方向に並べて配置する。図示するように複数のヘッド41はベースプレートBPに取り付けられている。
<印刷方法について>
図4は、本実施形態のプリンター1が行う印刷方法を説明する図である。図中では説明の簡略のため、ヘッドユニット40においてY方向に並ぶノズル数を10個と少なくしている。ヘッドユニット40がX方向へ移動しながら画像を形成する1回の動作を「パス」と呼ぶ。ここではプリンター1は4回のパスで画像を完成し、あるパスで形成されたラスタライン(X方向に沿うドット列)の間に別のパスのラスタラインを形成する。そうすることで、Y方向の印刷解像度をノズルピッチ(180dpi)よりも高くすることができ、高画質な画像を印刷できる。
また、以下の説明のため、「画素領域」と「列領域」を設定する。「画素領域」とは用紙S上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさが決定する。用紙S上の1つの「画素領域」と画像データ上の1つの「画素データ」が対応する。また、「列領域」とは移動方向に並ぶ複数の画素領域によって構成される領域である。「列領域」は、画像データ上の複数の画素データが移動方向に対応する方向に沿って並ぶ「画素列データ」と対応する。
図5は、濃度むらが発生したときの説明図である。2番目の列領域に形成されたラスタラインは、ノズルから吐出されたインク滴の飛行曲がりにより、3番目の列領域側に寄って形成される。その結果、2番目の列領域は淡くなり、3番目の列領域は濃くなる。一方、5番目の列領域に吐出されたインク滴のインク量は規定量よりも少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。その結果、5番目の列領域は淡くなる。このように濃淡の違う列領域からなる画像を巨視的に見ると、キャリッジの移動方向に沿う縞状の濃度むらが視認される。本実施形態では、この濃度むらを補正することを目的とする。
濃度むらはノズルの加工精度等の問題により発生するため、列領域ごと(画素列データごと)の補正値Hは、プリンター1の製造工程などにおいて、プリンター1ごとに算出する。補正値Hを算出するプリンター1には、スキャナーとコンピューターが接続される。そして、コンピューターには、テストパターン(後述)をプリンター1に印刷させるためのプリンタードライバーと、スキャナーが読み取った読取データに基づいて補正値Hを算出するための補正値取得プログラムがインストールされている。以下、補正値Hの算出方法について説明する。
図6は、補正用パターンを示す図である。補正用パターンは3種類の濃度の帯状パターンから構成される。帯状パターンはそれぞれ一定の階調値の画像データから生成されたものである。帯状パターンを形成するための階調値を指令階調値と呼び、濃度30%の帯状パターンの指令階調値をSa(76)、濃度50%の帯状パターンの指令階調値をSb(128)、濃度70%の帯状パターンの指令階調値をSc(179)と表す。なお、高い階調値が濃い濃度を示し、低い階調値が淡い濃度を示すとする。
図7は、シアンの補正用パターンをスキャナーで読み取った結果である。図7のグラフでは、横軸を列領域番号とし、縦軸を各列領域の読取階調値とする。色ごとの補正用パターンを印刷した後、各補正用パターンをスキャナーに読み取らせ、読取階調値を取得する。以下、図7に示すシアンの読取結果を例に挙げて説明する。そして、色ごとの補正用パターンの読取階調値を取得した後、帯状パターンごとに(指令階調値ごとに)、スキャナーの読取データにおける画素列データ(データ上でX方向に対応する方向に並ぶ複数の読取画素)と、補正用パターンにおける1つの列領域(ラスタライン)を、一対一で対応させる。その後、帯状パターンごとに、各列領域の濃度を算出する。ある列領域に対応する画素列データに属する各画素データの読取階調値の平均値を、その列領域の読取階調値とする。
濃度むらを改善するために、列領域ごとの読取階調値のばらつきを低減したい。即ち、各列領域の読取階調値を一定の値に近づけたい。そこで、同一の指令階調値(例えばSb・濃度50%)において、全列領域の読取階調値の平均値Cbtを、「目標値Cbt」として設定する。そして、指令階調値Sbにおける各列領域の読取階調値を目標値Cbtに近づけるように、各列領域に対応する画素列データの示す階調値を補正する。
Sbt=Sb+{(Sc−Sb)×(Cbt−Cbi)/(Cci−Cbi)}
Sbt=Sa+{(Sb−Sa)×(Cbt−Caj)/(Cbj−Caj)}
Hb=(Sbt−Sb)/Sb
ユーザーは、プリンター1の使用開始時に、プリンター1に接続するコンピューター60にプリンタードライバーをインストールする。そうすると、プリンタードライバーはプリンター1に対してメモリー13に記憶されている補正値Hをコンピューター60に送信するように要求する。プリンタードライバーは、プリンター1から送信される補正値Hをコンピューター60内のメモリーに記憶する。
S_out=S_in×(1+H_out)
こうして、色ごと、画素データが属する列領域ごと、階調値ごとに設定された補正値Hによって、256階調の画素データの示す階調値S_inが補正される。そうすることで、濃度が淡く視認される列領域に対応する画素データの階調値S_inは濃い階調値S_outに補正され、濃度が濃く視認される列領域に対応する画素データの示す階調値S_inは淡い階調値S_outに補正される。その結果、印刷画像に発生する濃度むらを低減することができる。
図11Aは大きい画像を印刷する際のヘッドユニット40の動きを示す図であり、図11Bは小さい画像を印刷する際のヘッドユニット40の動きを示す図である。本実施形態のプリンター1はヘッドユニット40がX方向の左側から右側へ移動する際にのみ印刷を行うとする(単方向印刷)。ただし、これに限らず、X方向の右側から左側へ移動する際にも印刷を行うプリンター1であってもよい(双方向印刷)。
ところで、本実施形態では、色ごと、画素列ごと、階調値ごとの濃度むら補正値Hを算出するために、プリンター1が噴射するインクの色ごとに図6に示す補正用パターンを印刷する。そして、補正用パターンをスキャナーに読み取らせて取得した読取階調値に基づいて補正値Hを算出する。ただし、スキャナーは使用条件等によって読取誤差が発生する場合がある。そのため、仮に、1色に対して1個の補正用パターンしか印刷しない場合、スキャナーの読取誤差の影響を受けて、濃度むら低減の効果の低い補正値Hが算出されてしまう虞がある。
図12Aは、実施例1の補正用パターンの印刷方法を説明するための図である。ところで、スキャナーが1回に読み取ることができる範囲には限界である(例えばA4サイズまで)。そこで、以下では、4個以下の補正用パターンを1つのまとまった「テストパターン」として印刷する。なお、同色の補正用パターンは異なるタイミングにてスキャナーに読み取らせるため、テストパターンを構成する補正用パターンは異なる色の補正用パターンとなる。図12Aは4色KCMYの補正用パターンを1つのテストパターンとして印刷する場合を例に示す。そして、スキャナーの読取誤差などを緩和するために4色のテストパターンを2個印刷する。
図14Aおよび図14Bは、実施例2におけるテストパターンの印刷方法を説明する図である。実施例1では、プリンター1が噴射する7色インクごとの補正用パターンをそれぞれ同数の2個ずつ印刷しているが、これに限らない。濃い色のインクは淡い色のインクに比べて、インク噴射量のばらつきやインク滴の着弾位置のずれによって、画像の濃度むらに与える影響が大きい。そのため、濃い色のインクの補正値Hの補正効果を淡い色のインクの補正値Hの補正効果よりも高めることによって、濃度むらをより低減することが出来る。
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンターを有する印刷システムについて記載されているが、濃度むら補正方法の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施例では、ヘッドユニット40をX方向(ノズル列と交差する方向)に移動させながらインク滴を噴射する動作を、連続用紙Sの搬送動作を間に挟まずに、複数回行うことによって、テストパターンを形成している(即ち、1回の画像形成動作を行っている)。また、このとき、図4に示すようにヘッドユニット40をY方向に微小送りしている。しかし、これに限らない。例えば、ヘッドユニット40をX方向に1回移動させることによってテストパターン(画像)を形成してもよい。即ち、ヘッドユニット40による画像形成動作と連続用紙Sの搬送動作を交互に行ってもよい。この場合、Y方向の印刷解像度はノズルピッチ(例えば180dpi)と等しくなる。また、ヘッドユニット40をX方向に移動させながらインク滴を噴射する動作を、連続用紙Sの搬送動作を間に挟まずに、複数回行う際に、ヘッドユニット40をY方向に移動させなくともよい。即ち、複数回のヘッドユニット40の移動時のインク滴の噴射によって、X方向に沿って並ぶ1つの画素列にドットを形成してもよい(1つのラスタラインを形成してもよい)。この場合も、Y方向の印刷解像度はノズルピッチと等しくなる。ただし、例えば、複数の4色テストパターンや複数の3色テストパターン(第1のパターンおよび第2のパターン)は同じ印刷方法(画像形成動作)にて形成する。
前述の実施形態では、Y方向(ノズル列方向)に複数のヘッドが並んだヘッドユニット40が、印刷領域に位置する媒体に対して、X方向に移動しながらインクを噴射し、その後ヘッドユニット40がY方向に移動して、再びヘッドユニット40がX方向に移動しながらインクを噴射するプリンター1を例に挙げているがこれに限らない。例えば、媒体の紙幅長さ以上にヘッド(ノズル)がY方向に並び、ノズルピッチ間隔が狭く、ヘッドユニット40をX方向に移動させながら流体を噴射するが、ヘッドユニット40をY方向に移動させないプリンターでもよい。
前述の実施形態では、流体噴射装置としてインクジェットプリンターを例示していたが、これに限らない。流体噴射装置であれば、プリンター(印刷装置)ではなく、様々な工業用装置に適用可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置等であっても、本件発明を適用することができる。また、液体を噴射するに限らず、例えば粉体などの流体を噴射する装置であってもよい。
また、流体の噴射方式は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることにより流体を噴射するピエゾ方式でもよいし、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によって液体を噴射させるサーマル方式でもよい。
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、21 搬送ローラー、
30 駆動ユニット、31 X軸ステージ、32 Y軸ステージ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、60 コンピューター
Claims (7)
- 媒体に流体を噴射するノズルが所定方向に並んだノズル列を有するヘッドユニットを前記媒体に対して前記所定方向と交差する方向に移動させながら前記ヘッドユニットが有する前記ノズルから流体を噴射させる画像形成動作を行う流体噴射装置の補正値取得方法であって、
前記媒体の第1の領域に、前記画像形成動作によって、前記ヘッドユニットが減速せずに移動しながら、第1の指令階調値に基づき第1のノズル列を用いて第1のパターンを形成することと、
前記第1の領域と前記交差する方向の位置が異なる前記媒体の第2の領域に、前記画像形成動作によって、前記ヘッドユニットが減速しながら、前記第1の指令階調値に基づき前記第1のノズル列を用いて第2のパターンを形成することと、
前記第1のパターンの読取階調値である第1読取階調値と、前記第2のパターンの読取階調値である第2読取階調値と、を取得することと、
前記第1読取階調値と前記第2読取階調値の平均値に基づいて補正値を算出することと、
を有することを特徴とする補正値取得方法。 - 請求項1に記載の補正値取得方法であって、
前記流体噴射装置は、前記画像形成動作と、前記媒体を前記交差する方向に搬送する搬送動作と、を行い、前記搬送動作の後に次の画像形成動作を行う、
補正値取得方法。 - 請求項1または請求項2に記載の補正値取得方法であって、
前記第1のパターン及び前記第2のパターンを形成する時に、前記ヘッドユニットは、1回の前記画像形成動作によって画像形成可能な領域の前記交差する方向の長さに亘って移動する、
補正値取得方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の補正値取得方法であって、
前記流体噴射装置は、第1の色の流体と、前記第1の色よりも淡い色である第2の色の流体を噴射し、
前記第1の色に対応する前記補正値を算出するために形成するパターンの数の方が、前記第2の色に対応する前記補正値を算出するために形成するパターンの数よりも多い、
補正値取得方法。 - 請求項4に記載の補正値取得方法であって、
前記画像形成動作において、前記第1の色の前記第1のパターンを前記第1の領域に形成し、前記第1の色の前記第2のパターンを前記第2の領域に形成し、
前記第1の色の前記第1のパターン及び前記第2のパターンを形成する前記画像形成動作と異なる前記画像形成動作において、前記第2の色の前記第1のパターンを前記第1の領域に形成し、前記第2の色の前記第2のパターンを前記第2の領域に形成し、前記第2の色の前記第1のパターン及び前記第2のパターンが形成されていない前記媒体の領域に前記第1の色の前記第1のパターンを形成する、
補正値取得方法。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の補正値取得方法であって、
前記読取階調値のデータ上において前記交差する方向と対応する方向に並ぶ複数の画素である画素列データごとに、前記第1読取階調値と前記第2読取階調値の平均値を算出し、
前記画素列データごとの前記平均値に基づいて、前記画素列データごとの前記補正値を算出する、
補正値取得方法。 - 媒体に流体を噴射するノズルが所定方向に並んだノズル列を有するヘッドユニットを前記媒体に対して前記所定方向と交差する方向に移動させながら前記ヘッドユニットが有する前記ノズルから流体を噴射させる画像形成動作を行う流体噴射装置の補正値取得方法であって、
前記媒体の第1の領域に、前記画像形成動作によって、前記ヘッドユニットが減速せずに移動しながら、第1の指令階調値に基づき第1のノズル列を用いて第1のパターンを形成することと、
前記第1の領域と前記交差する方向の位置が異なる前記媒体の第2の領域に、前記画像形成動作によって、前記ヘッドユニットが減速しながら、前記第1の指令階調値に基づき前記第1のノズル列を用いて第2のパターンを形成することと、
前記第1のパターンの読取階調値である第1読取階調値と、前記第2のパターンの読取階調値である第2読取階調値と、を取得することと、
前記第1読取階調値と前記第2読取階調値の平均値に基づいて補正値を算出することと、
前記補正値を前記流体噴射装置の記憶部に記憶することと、
を有することを特徴とする流体噴射装置の製造方法。
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