JP2014180804A - 画像記録方法 - Google Patents

画像記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014180804A
JP2014180804A JP2013056207A JP2013056207A JP2014180804A JP 2014180804 A JP2014180804 A JP 2014180804A JP 2013056207 A JP2013056207 A JP 2013056207A JP 2013056207 A JP2013056207 A JP 2013056207A JP 2014180804 A JP2014180804 A JP 2014180804A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
liquid
dots
recording medium
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013056207A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Oshige
博士 大重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2013056207A priority Critical patent/JP2014180804A/ja
Publication of JP2014180804A publication Critical patent/JP2014180804A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】記録媒体の表面状態や吐出ヘッドのノズル製造ばらつきに起因する濃度ムラが抑制された画像を形成する画像記録方法を提供する。
【解決手段】ヘッドの移動方向に所定方向と直交する直交方向の成分が含まれることを維持しつつヘッドを移動させながら、ノズルから間欠的に液体を吐出させて記録媒体にドットを順次形成する第一液体吐出処理及び第二液体吐出処理において連続して形成されたドットの、直交方向におけるドット形成位置の間に、第二液体吐出処理において形成されたドットの直交方向におけるドット形成位置が位置するように、記録媒体にドットを形成する第一液体吐出処理及び第二液体吐出処理であって、直交方向における位置において、第一液体吐出処理及び第二液体吐出処理のうちの少なくともどちらか一方の移動方向に所定方向の成分が含まれるように且つ双方の該移動方向が互いに交差するようにヘッドを移動させて下地層を形成する。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像記録方法に関する。
ノズルから液体を吐出して記録媒体上に液滴(ドット)を着弾させることで画像等の記録を行う液体吐出装置(画像記録装置)が知られている。このような液体吐出装置を用いて記録が行われる際に、記録媒体の表面の特性や状態によって着弾した液滴の形状が一定にならないことがある。また、製造段階で生じたノズルの精度誤差等によって、本来吐出するべき位置にドットを吐出することができないことがある。その結果、記録された画像に濃度ムラ(例えば、白スジや黒スジ)が生じ、記録画像の画質が劣化する場合がある。
記録画像の画質の劣化を抑制するために、異なるノズルを用いて複数回の吐出動作によって一つのドット列を形成することによって、吐出誤差が判らないようにして濃度ムラを目立たなくする方法がある。例えば、ノズルを往復させながら液体を吐出させることで、該往復方向に沿ったドット列を形成する液体吐出装置において、往路での液体吐出動作と復路での液体吐出動作とで、液体を吐出するノズルをそれぞれ変更することによって、ドットの着弾位置のズレを平均化して画質の劣化を抑制する方法が知られている。
また、被記録媒体の搬送誤差による濃度ムラや画像の乱れを抑制する方法として、液体を吐出するタイミングを調整する方法がある。例えば、スキューによって、記録媒体が斜めに搬送される場合に、その傾きに応じて液体を吐出するノズルをシフトすることによって、斜めのドット列を形成し、画質の劣化を抑制する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2007−144946号公報
上述のような方法によれば、液体吐出装置を用いて画像を記録する際に濃度ムラが発生した場合でも、該濃度ムラの影響を目立ちにくくすることができる。しかしながら、記録媒体の表面の特性や状態によっては、例えば、表面が液体に対して濡れ性の悪い記録媒体を使用する場合や、記録媒体の表面処理状態にムラが生じている場合などには、記録媒体の表面に着弾した液滴の形状が一定にならず、画像が濃度ムラになることがあった。このように、従来の方法では十分に濃度ムラを目立たなくすることができない虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る画像記録方法は、所定方向にノズルが並んだノズル列を有するヘッドと、前記ヘッドの移動方向に前記所定方向と直交する直交方向の成分が含まれることを維持しつつ前記ヘッドを移動させながら、前記ノズルから間欠的に液体を吐出させて記録媒体にドットを順次形成する第一液体吐出処理及び第二液体吐出処理であって、前記第一液体吐出処理において連続して形成されたドットの、前記直交方向におけるドット形成位置の間に、前記第二液体吐出処理において形成されたドットの前記直交方向におけるドット形成位置が位置するように、前記記録媒体にドットを形成する前記第一液体吐出処理及び前記第二液体吐出処理を実行させるための制御部と、を有する画像記録装置を用いて前記記録媒体の画像形成領域に画像を形成する画像記録方法であって、前記液体として画像形成用の第1の液体を用いた前記液体吐出方法により前記画像を形成する画像形成ステップと、前記画像形成ステップの前に、前記画像形成領域の一部または全部に前記液体として下地層形成用の第2の液体を用いた前記液体吐出方法により下地層を形成する下地層形成ステップと、を含み、前記下地層形成ステップでは、前記制御部が、前記直交方向における少なくとも一部の位置において、前記第一液体吐出処理及び前記第二液体吐出処理のうちの少なくともどちらか一方の前記移動方向に前記所定方向の成分が含まれるように、かつ、双方の該移動方向が互いに交差するように、前記ヘッドを移動させるヘッド移動制御を行うことを特徴とする。
本適用例によれば、画像記録媒体の表面上に下地層形成用の第2の液体により下地層を形成してから、その下地層上に画像形成用の第1の液体により画像を形成するため、記録媒体の表面状態(表面処理状態)のムラによって、画像形成用の液体によって形成される画像に濃度ムラが発生するのを抑えることができる。
しかも、本適用例の下地層形成ステップでのヘッド移動制御によれば、画像を記録する際に濃度ムラが発生した場合でも、当該濃度ムラが筋状ではなく点状として現れるため、濃度ムラを目立たなくすることができる。これにより、画像記録媒体の表面上に下地層形成用の液体を均一に塗布することができるため、下地層上に形成する画像の品質を安定させることができる。
従って、記録媒体の表面状態や、吐出ヘッドのノズルの製造ばらつきなどに起因する濃度ムラを目立たなくすることが可能な画像記録方法を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の画像記録方法において、前記第2の液体として、色剤を実質的に含有しない液体を用いることが好ましい。
本適用例によれば、色剤を実質的に含有しない液体は、画像記録媒体上で色剤による固形分の影響がなく色剤を含む液体に比べて広がりやすいため、画像記録媒体の表面に均一に塗布することが可能となるので、表面処理状態のムラを軽減することができる。これによって、画像形成する工程で発生する濃度ムラをより目立たなくする効果を奏する。
[適用例3]上記適用例に記載の画像記録方法において、前記画像形成ステップで、前記下地層形成ステップの前記ヘッド移動制御と同様のヘッド移動制御を行うことが好ましい。
本適用例によれば、下地層を形成することにより記録媒体の表面状態が均一に画像形成できる状態になっているうえに、画像形成ステップでも、下地層形成ステップで適用した濃度ムラを目立たなくすることが可能なヘッド移動制御を行うことにより、濃度ムラが目立たない高品質な画像を形成することができる。
プリンターの構成を示すブロック図。 図2Aは、本実施形態のプリンターの構成を説明する概略断面図である。図2Bは、本実施形態のプリンターの構成を説明する概略上面図。 ヘッドユニットにおけるヘッドの配置を示す図。 比較例1においてプリンターが行う印刷動作について説明する図。 図5Aは、理想的にドットが形成されたときのラスタラインの様子を説明する図である。図5Bは、濃度ムラが発生したときのラスタラインの様子を説明する図。 比較例2においてプリンターが行う印刷動作について説明する図。 比較例2におけるドット形成の様子を説明する図。 実施形態1の画像記録方法により形成される印刷物の一例を示すものであり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図。 実施形態1における画像記録方法を示すフローチャート。 実施形態1における下地層形成工程のドット形成の様子を説明する図。 ヘッドの移動方向が途中で変化する場合の例を示す図。 図12Aは、比較例1または比較例2の場合における濃度ムラの発生の様子を概略的に表す図。図12Bは、第1実施形態の場合における濃度ムラの発生の様子を概略的に表す図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
===液体吐出装置の基本的構成===
まず、発明を実施するための液体吐出装置の形態として、プリンター1を例に挙げて説明する。
(プリンター1の構成)
図1は、プリンター1の全体構成を示すブロック図である。
プリンター1は、紙・布・フィルム等の記録媒体にインクを吐出することで文字や画像を記録(印刷)する液体噴出装置であり、外部装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。
コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされる。プリンタードライバーは、表示装置にユーザーインターフェイスを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーはインターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
コンピューター110はプリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンター1に出力する。
図2Aに、プリンター1の概略断面図を、図2Bに、プリンター1の概略上面図を示す。プリンター1は、搬送ユニット20と、駆動ユニット30と、ヘッドユニット40と、検出器群50と、コントローラー60と、を有する。コントローラー60は、外部装置であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいて各ユニットを制御し、記録媒体に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出器群50から出力された検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
<搬送ユニット20>
搬送ユニット20は、記録媒体S(例えば紙など)を搬送方向(またはX方向という)の上流側から下流側に搬送させるためのものである。搬送モーター(不図示)によって駆動する搬送ローラー21により、印刷前のロール状の記録媒体Sを印刷領域に供給し、その後、印刷済みの記録媒体Sを巻取機構によりロール状に巻き取ったり、適当な長さにカッティングして排出したりする。搬送モーターの動作はプリンター側のコントローラー60により制御される。なお、印刷中の印刷領域では、記録媒体Sが下からバキューム吸着され、記録媒体Sは所定の位置に保持される。
<駆動ユニット30>
駆動ユニット30は、ヘッドユニット40を、搬送方向に対応するX方向と、記録媒体Sの紙幅方向(搬送方向と直交する方向)に対応するY方向とに自在に移動させるものである。駆動ユニット30は、ヘッドユニット40をX方向に移動させるX軸ステージ31と、X軸ステージ31をY方向に移動させるY軸ステージ32と、これらを移動させるモーター(不図示)とで、構成されている。
<ヘッドユニット40>
ヘッドユニット40は、記録媒体Sにインクを吐出して画像を形成するためのものであり、複数のヘッド41を有する。ヘッド41の下面には、インク噴射部であるノズルが複数設けられ、各ノズルにはインクが入ったインク室が設けられている。
このヘッドユニット40はX軸ステージ31に設けられ、X軸ステージ31がX方向(搬送方向)に移動すると、ヘッドユニット40もX方向に移動する。また、Y軸ステージ32がY方向(紙幅方向)に移動すると、ヘッドユニット40もY方向に移動する。そして、ヘッドユニット40をX方向に移動させつつ、同時にY方向にも移動させることで、ヘッドユニット40をX方向に対して斜めの方向に移動させることができる。ヘッドユニット40の移動中にノズルからインクを間欠的に吐出することによって、該斜め方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が記録媒体S上に形成される。その後、ヘッドユニット40は、Y軸ステージ32により、X軸ステージ31を介してY方向(紙幅方向)に移動し、再び、ヘッドユニット40が斜め方向に移動しながら印刷を行う。
このように、ヘッドユニット40の移動によりラスタラインを形成する動作と、ヘッドユニット40のY方向への移動を繰り返すことで、印刷領域の記録媒体Sに画像を印刷することができる。印刷領域に供給された記録媒体Sに画像を印刷する動作(画像形成動作)と、搬送ユニット20により記録媒体Sを搬送方向に搬送して新たな記録媒体S部分を印刷領域に供給する動作(搬送動作)とを、交互に繰り返すことで連続記録媒体Sに多数の画像を印刷する。
図3は、ヘッドユニット40における複数のヘッド41の配置を示す図である。なお、実際にはヘッドユニット40の下面にノズル面が形成されるが、図3は上面からノズルを仮想的に見た図である(以下の図も同様)。
Y方向(紙幅方向)に多数のノズルが並ぶことで、ヘッドユニット40のX方向(搬送方向)への1回の移動により、大きな幅の画像を印刷することができる。そうすることで、印刷の高速化を図れる。ただし、製造上の問題により長尺のヘッドを形成することが出来ない。そこで、プリンター1では、複数の短尺ヘッド41(1)〜41(n)をY方向に並べて配置する。図3に示されるように複数のヘッド41はベースプレートBPに取り付けられている。
各ヘッド41のノズル面には、ブラックインクを噴射するブラックノズル列Kと、シアンインクを噴射するシアンノズル列Cと、マゼンタインクを噴射するマゼンタノズル列Mと、イエローインクを噴射するイエローノズル列Yとが形成されている。各ノズル列はノズルを180個ずつ備え、180個のノズルはY方向に一定のノズルピッチ(180dpi)で整列している。図示するようにY方向の奥側のノズルから順に小さい番号を付す(#1〜#180)。
また、Y方向に隣り合う2つのヘッド(例えば41(1)と41(2))のうちの奥側のヘッド41(1)の最も手前側のノズル#180と、手前側のヘッド41(2)の最も奥側のノズル#1との間隔も一定の間隔(180dpi)となっている。つまり、ヘッドユニット40の下面では、ノズルがY方向に一定のノズルピッチ(180dpi)で並んでいることになる。なお、図3に示すように、異なるヘッド41の端部ノズルの間隔を180dpiにするためには、ヘッド41の構造上の問題により、ヘッド41を千鳥状に配置する必要がある。また、異なるヘッド41の端部ノズルが重複していてもよい。
<検出器群50>
図1に戻り、検出器群50には、ロータリー式エンコーダーや、リニア式エンコーダー(共に不図示)などが含まれる。ロータリー式エンコーダーは搬送ローラー21の回転量を検出し、その検出結果に基づいて記録媒体の搬送量が検出される。リニア式エンコーダーは、X軸ステージ31やY軸ステージ32の移動方向の位置を検出する。
<コントローラー60>
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する(図1)。
インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して搬送ユニット20等の各ユニットを制御する。
===比較例1===
はじめに、比較例1として、プリンター1を用いた従来の一般的な印刷動作について説明する。
<印刷動作の説明>
図4は、比較例1においてプリンター1が行う印刷動作について説明する図である。図中では説明の簡略のため、ヘッドユニット40においてY方向(紙幅方向)に並ぶノズル数を10個と少なくしている。ヘッドユニット40がX方向へ移動しながら画像を形成する1回の動作を「パス」と呼ぶ。ここではプリンター1は4回のパスで画像を完成し、あるパスで形成されたラスタライン(X方向(搬送方向)に沿うドット列)の間に別のパスのラスタラインを形成する。そうすることで、Y方向の印刷解像度をノズルピッチ(180dpi)よりも高くすることができ、高画質な画像を印刷できる。
具体的に説明すると、まず、パス1にてヘッドユニット40をX方向に移動させながら10個のラスタライン(黒丸)を形成する。その後、Y軸ステージ32によってヘッドユニット40をY方向の手前側に所定量f移動する。そして、パス2にて再びヘッドユニット40をX方向に移動させながら10個のラスタライン(白丸)を形成する。このとき、パス1で形成されたラスタラインよりも搬送方向の奥側にパス2のラスタラインが形成されるように、ヘッドユニットを所定量fでY方向に移動する。このように、ヘッドユニット40をX方向に移動してラスタラインを形成する動作と、ヘッドユニット40をY方向に所定量fで移動する動作を繰り返すことによって、画像が完成する。
ここで、パス1とパス2でヘッドユニット40のX方向の移動方向が同じ場合を単方向印刷と呼び、パス1とパス2でヘッドユニット40のX方向の移動方向が異なる場合を双方向印刷と呼ぶ。
単方向印刷では、例えば、パス1において、ヘッドユニット40はX方向の左側から右側に移動しながらインクを吐出してラスタラインを形成する。その後、ヘッドユニット40はX方向を右側から左側に移動して元の位置に戻ってから(戻り動作)、Y方向をfだけ移動し、パス1と同様にしてパス2の印刷動作が行われる。単方向印刷では、同じ方向(X方向)にインクが吐出されるため、X方向におけるインクドットの着弾位置のズレが少なく、良好な画質の画像を印刷したい場合などに適している。
一方、双方向印刷では、例えば、パス1において、ヘッドユニット40はX方向の左側から右側に移動しながらインクを吐出してラスタラインを形成する。その後、ヘッドユニット40はY方向をfだけ移動し、パス2において、パス1とは逆にX方向の右側から左側に移動しながらインクを吐出してラスタラインを形成する。双方向印刷では、ヘッドユニット40の戻り動作が不要となり、ヘッドユニット40がX方向を往復する間に2列分のラスタラインを形成することができる。そのため、単方向印刷の場合よりも印刷に要する時間を短縮することができる。
なお、図4に示す印刷方法では、紙幅方向の奥側および手前側ではラスタライン間の埋まらない領域がある。そのため、ラスタライン間に隙間が生じない領域が、プリンター1がY方向に印刷可能な画像幅となる。
また、以下の説明のため、「画素領域」と「列領域」を設定する。「画素領域」とは記録媒体S上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさが決定する。記録媒体S上の1つの「画素領域」と画像データ上の1つの「画素データ」が対応する。また、「列領域」とはX方向に並ぶ複数の画素領域によって構成される領域である。「列領域」は、画像データ上の複数の画素データがX方向に対応する方向に沿って並ぶ「画素列データ」と対応する。
Y方向の奥側の列領域から順に小さい番号を付す。例えば、図4に示す印刷方法では、パス3のノズル#1に形成されたラスタライン(点線)を1番目の列領域に形成されるラスタラインとする。2番目の列領域に形成されるラスタラインはパス2のノズル#2に形成され、3番目の列領域に形成されるラスタラインはパス1の3番目のノズル#3に形成される。また、7番目の列領域に形成されるラスタラインはパス1の4番目のノズル#4に形成され、8番目の列領域に形成されるラスタラインはパス4の2番目のノズル#2に形成される。なお、本実施形態の印刷方法では、同じ2番目のノズル#2にて形成される列領域であっても、隣接する列領域にラスタラインを形成するノズルが同じノズルになるとは限らない。
<濃度ムラについて>
プリンター1を用いて比較例1の方法によって印刷を行う場合に、インクを吐出するノズル列の加工精度のばらつき等により、Y方向におけるインクドットの着弾予定位置がずれたり、インク吐出量が異なったりすることがある。その結果、形成されるラスタラインの濃度にムラが生じる場合がある。このような「濃度ムラ」が発生すると、印刷面に筋状の模様が形成されたように見え(バンディング)、印刷画像の画質が劣化する。
以下、「濃度ムラ」について説明する。なお、説明の簡略化のために単色印刷された画像中に生じる濃度ムラの発生原因について説明する。
図5Aに、理想的にドットが形成されたとき(濃度ムラが発生していないとき)の様子の説明図を示す。同図では、理想的にドットが形成されているので、各ドットは破線で区切られた画素領域内に正確に形成され、ラスタラインは列領域に沿って規則正しく形成される。各列領域には、その領域の着色に応じた濃度の画像片が形成されている。ここでは、説明の簡略化のため、ドット生成率が50%となるような一定濃度の画像を印刷するものとする。
次に、図5Bに、濃度ムラが発生したときの様子の説明図を示す。本図では、ヘッド41の製造時におけるノズル孔の位置や大きさの誤差により、ノズルから吐出されたインク滴が着弾予定位置よりもずれた場合を示している。例えば、図5Bでは、図5Aにおいて2番目の列領域に形成されていたラスタラインが相対的に3番目の列領域側に寄って形成されている。その結果、2番目の列領域の濃度は淡くなり、3番目の列領域の濃度は濃くなる。一方、5番目の列領域に吐出されたインク滴のインク量は規定量よりも少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。その結果、5番目の列領域の濃度は淡くなる。
このように濃淡の違う列領域からなる画像を巨視的に見ると、ラスタライン形成方向(本実施形態においてはX方向)に沿う縞状の濃度ムラが視認される(バンディング)。この濃度ムラが目立つと、画質が劣化しているような印象を与えるため、該濃度ムラを目立たなくする必要がある。
===比較例2===
次に、比較例1で説明したような濃度ムラの影響をなるべく目立たないようにする方法として、比較例2を示す。比較例2では、一つのラスタラインを複数のノズルを用いて形成する。すなわち、一列のラインに対して、ヘッド41をオーバーラップするように複数回移動させてラスタラインを形成する。これにより、製造時におけるノズル精度誤差等によるインクドットの着弾位置のズレを平均化し、濃度ムラを見えにくくする。
<印刷動作の説明>
図6は、比較例2においてプリンター1が行う印刷動作について説明する図である。ヘッドに設けられるノズルの配置や条件については比較例1と同様であるものとして説明を行なう。
比較例2では、ヘッドユニット40がX方向を1回のパスで移動する間に、各ノズルが、数ドットおきに間欠的にドットを形成する。そして、他のパスにおいて、他のノズルが既に形成されている間欠的なドットを補完するように(ドットの間を埋めるように)ドットを形成することにより、1つラスタラインが複数のノズルにより形成される。以後、このような印刷方式をオーバーラップ印刷と呼び、M回のパスにて1つのラスタラインが形成される場合、「オーバーラップ数M」と定義する。
図6では、各ノズルは1ドットおきに間欠的にドットを形成するので、パス毎に奇数番目の画素又は偶数番目の画素にドットが形成される。そして、1つのラスタラインが2つのノズルにより形成されているので、オーバーラップ数M=2になる。
なお、オーバーラップ印刷において、ヘッドユニット40のY方向の移動量fを一定にして記録を行うためには、インクを吐出可能なノズル数=N(整数)、形成されるドットのY方向の間隔=Dとすると、(1)N/Mが整数であること、(2)N/Mはkと互いに素の関係にあること、(3)移動量fが(N/M)・Dに設定されること、が条件となる。
図6では、ノズル群はY方向に沿って配列された(#1〜#10の)10個のノズルを有する。ノズル群のノズルピッチk=4とすると、オーバーラップ印刷を行うための条件である「N/M=10/2=5とk=4が互いに素の関係」を満たすために、全てのノズルを用いることができる。また、10個のノズルが用いられるため、移動量f=5・Dにて搬送される。その結果、例えば、180dpi(4・D)のノズルピッチのノズル群を用いて、720dpi(=D)のドット間隔にて紙にドットが形成される。
図6では、パス1では各ノズルが奇数画素にドットを形成し、パス2では各ノズルが偶数画素にドットを形成し、パス3では各ノズルが奇数画素にドットを形成し、パス4では各ノズルが偶数画素にドットを形成する。つまり、前半の4回のパスでは、奇数画素−偶数画素−奇数画素−偶数画素の順にドットが形成される。そして、後半の4回のパス(パス5〜パス8)では、前半の4回のパスと逆の順にドットが形成され、偶数画素−奇数画素−偶数画素−奇数画素の順にドットが形成される。なお、パス9以降のドットの形成順は、パス1からのドット形成順と同様である。
その結果、1番目の列領域はパス1の#9とパス5の#4という異なる2つのノズルによって形成される。同様に、2番目の列領域はパス2の#8とパス6の#3という異なる2つのノズルによって形成される。
なお、この場合において、パス1及びパス5におけるヘッドユニット40の移動方向は同じ方向でも良いし(単方向印刷)、異なる方向であっても良い(双方向印刷)。
<濃度ムラについて>
図7に、比較例2におけるドット形成の様子を説明する図を示す。同図では図5Bの場合と同様のノズル誤差を有するヘッド41を用いてオーバーラップ印刷によってドット列を形成した時の様子を表している。
図5Bでは、2番目の列領域に形成されるべきラスタラインが3番目の列領域側に寄って形成され、その結果、2番目の列領域の濃度は淡くなり、3番目の列領域の濃度は濃くなっていた。一方、比較例2では2つの異なるノズルによって一つのラスタラインが形成される。本図において、パス1で所定のノズルから吐出されるインクにより黒丸で表されるドット(●)が形成され、パス2で該所定のノズルとは異なるノズルから吐出されるインクにより白丸で表されるドット(○)が形成される。つまり、●と○とは異なるパスの異なるノズルによって形成される。したがって、一方のパスにおいて異常なノズルによってずれた位置にドットが形成されたとしても、他方のパスで正常なノズルによって適正な位置にドットが形成される可能性が高い。例えば、図7では、パス1では2番目の列領域において●が3番目の列領域の方にずれて形成されるが、パス2では○が正しい位置に形成される可能性が高いため、当該2番目の列領域の濃度の淡さは比較例1の場合よりも軽減される。
また、図5Bでは、5番目の列領域に吐出されたインク滴のインク量が規定量よりも少なく、5番目の列領域の濃度は淡くなっていた。しかし、図7では、当該5番目の列領域において、パス1で●が小さく形成されても、パス2で○が適正な大きさに形成される可能性が高いため、当該列領域の濃度の淡さは比較例1の場合よりも軽減される。
このように、比較例2ではオーバーラップ印刷によって、同じ列領域に対して異なるノズルを用いてドットを形成することによって、ドットの着弾位置のズレ等による影響を平均化している。これによって、比較例1の場合よりも濃度ムラを目立ちにくくしている。
しかし、ドットのズレを目立ちにくくすると言っても、同じ列領域中の半数のドットはずれた位置に形成されるため(例えば、図7の2番目の列領域中の●)、X方向において筋状に見える濃度ムラは完全には解消されない。特に、濃い色のインクを用いて印刷を行う場合には、濃度ムラが認識されやすい。
===記録媒体の表面状態に起因する濃度ムラについて===
上記比較例1および比較例2で説明したドットの大きさや着弾位置のばらつきに起因する濃度ムラの他に、画像を形成する記録媒体の表面状態によっても濃度ムラは発生し得る。
例えば、記録媒体の画像形成面が撥液性を有している場合には、着弾ドットが画像形成面に濡れ難くなるので、着弾ドットの大きさにばらつきが生じたり、隣接する着弾ドットどうしが着弾位置から移動して凝集したりすることにより、形成された画像に濃度ムラが生じてしまう。
また、画像形成する前に記録媒体の画像形成面に、例えば、表面の保護や形成されたインクの親和性を向上させるための表面処理(前処理)を施す場合に、その表面処理状態にムラが生ずると、その表面処理状態のムラが形成された画像に反映されて濃度ムラとなる虞がある。
===実施形態1===
次に、上記比較例1および比較例2、あるいは、記録媒体の表面状態などに起因する濃度ムラの発生を抑制する画像記録方法の一実施形態について図面に沿って説明する。
(印刷物)
まず、本実施形態の画像記録方法により形成される印刷物について説明する。図8は、本実施形態の画像記録方法により形成された印刷物の一実施形態を模式的に示すものであり、図8(a)は平面図、図8(b)は(a)のA−A線断面図である。
図8において、印刷物150は、液状インクに対して非吸収性の記録媒体S上に、紫外線硬化性の液状インクを用いたインクジェット記録方式により任意の画像を形成したものを示している。印刷物150は、透明な非吸収性の記録媒体S上(画像形成面)に形成された透過性の下地層160と、その下地層160上に積層された第1カラー部170aおよび第2カラー部170bを有する画像層170とを有している。印刷物150において、画像層170の第1カラー部170aは、第2カラー部170bよりも可視光線透過性が低い層になっている。この第1カラー部170aと第2カラー部170bとの可視光線透過率の差により任意の画像(本実施形態では複数のアルファベット文字A〜C)が視認されるようになっている。
本実施形態の印刷物150において、画像層170を構成する第1カラー部170aは、第2カラー部170bよりも面積が広く、また、可視光線透過性が低いために、上記比較例1や比較例2で説明した濃度ムラが生じた場合に、その濃度ムラがスジ状や斑状に目立ちやすくなる。本実施形態では、下記に説明する画像記録方法を用いて印刷物150を形成することにより、画像層170の、特に第1カラー部の濃度ムラが抑えられている。
(画像記録方法)
次に、上記した印刷物150を形成する画像記録方法について説明する。図9は本実施形態の画像記録方法を示すフローチャートである。
本実施形態の画像記録方法では、まず、ステップS1において、記録媒体Sの全面に、第2の液体より下地層160(図8を参照)を形成する下地層形成を行う。
下地層160の形成は、本実施形態で形成する画像において、上述の記録媒体Sの画像形成面の表面状態に起因したインクの濃度ムラを抑制するために、記録媒体Sの画像形成面に第2の液体による均一な表面状態を形成するために行うものである。したがって、この下地層160(図8を参照)の形成においては均一な塗布が求められるため、本実施形態1では、オーバーラップ印刷方式でラスタラインを形成する際に、パス1とパス2との少なくとも一方について、ヘッドユニット40の移動方向にY方向の成分を含める。すなわち、少なくとも一方のヘッドの移動方向を斜めにすることで、一方のパスにおけるヘッドの移動方向と、他方のパスにおけるヘッドの移動方向とが、互いに交差するように(平行にならないように)してドットを形成する。
このような、下地層160形成用の第2の液体の均一な塗布を実現するためのドット形成方法について、以下、図面を参照しながら詳細に説明する。
図10は、下地層形成工程の印刷動作におけるドット形成の様子を説明する図である。
図10では、双方向印刷において、パス1で黒丸で表されるドット(●)を形成し、パス2で白丸で表されるドット(○)を形成する場合を表している。そして、矢印線は各パスにおけるヘッドユニット40の移動方向を表している。つまり、ヘッドユニット40は、パス1ではX方向を左側から右側に、Y方向を上側から下側に移動しながらノズルから間欠的にインクを吐出して、順次●を形成する。一方、パス2ではX方向を右側から左側に、Y方向を上側から下側に移動しながらノズルから間欠的にインクを吐出して、順次○を形成する。その際、パス1において連続して形成された●のX方向における形成位置の間に、パス2において形成される○のX方向における形成位置が位置するように各ドットが形成される。これにより、所謂オーバーラップ印刷が行われる。
本実施形態では、パス1におけるヘッドユニット40の移動方向とパス2におけるヘッドユニット40の移動方向とで、少なくともどちらか一方にはY方向の成分が含まれるようにする。そして、2つの移動方向が交差するようにしてドット列を形成する。なお、実際の印刷に際しては、単方向印刷方式でドットを形成しても良いし、それぞれのパスでの移動方向のX方向に対する角度(移動方向のY方向成分の大きさ)を変更しても良い。例えばパス1ではX方向に平行にヘッドを移動させ、パス2でX方向に対して角度をつけながらヘッドを移動させる方法であっても良い。
また、1回のパスの途中でヘッドユニット40の移動方向が変化しても良い。図11に移動方向を途中で変化する場合の例を示す。図の矢印線は各パスにおけるヘッドユニット40の移動方向を示している。この場合、パス1において、ヘッドユニット40がX方向を移動しながら連続的にドットを形成し、移動途中のA点においてY方向成分を増加させて、移動方向を変更する。一方、パス2においてはヘッドユニット40の移動方向を変更せず、最初から斜め方向に移動させ、図11のB点においてパス1の移動方向と交差させる。
このように、1回のパスの途中でヘッドの移動方向が変化しても。移動方向の少なくとも一部の位置(X方向位置)で他のパスにおける移動方向と交差するものであればよい。
なお、パス1におけるヘッドの移動方向及びドットの形成位置と、パス2におけるヘッドの移動方向及びドットの形成位置とをX方向またはY方向で対称となるようにすれば、ヘッドの動作の制御やインク吐出データの生成が単純になるため、コントローラー60にかかる負荷が小さくなり、安定した印刷が可能になる。
このように、オーバーラップ印刷において、ドット列同士を交差させるようにして形成することで、比較例1及び比較例2で説明した筋状の濃度ムラ(バンディング)を軽減することができる。以下、その仕組みを説明する。
図12Aに比較例1または比較例2の方法でドット列を形成した場合における濃度ムラの発生の様子を概略的に表す図を示す。図12Bに実施形態1の方法でドット列を形成した場合における濃度ムラの発生の様子を概略的に表す図を示す。図12A、図12B共に、矢印線は1回のパスで形成されるドット列を表しており、当該矢印線の左側に付された数字は、形成される列領域の番号を示している。
図12Aでは、パス1の移動方向とパス2の移動方向とが平行であり、両パスで形成されるドット列も平行になる。そのため、ある列領域において、ノズル位置の製造誤差等によって正常時の着弾予定位置からずれてインクが吐出された場合には、その列領域ではX方向の全体にわたって、ずれた位置にドットが形成されることになる。例えば、図12Aの3番目の列領域と4番目の列領域のようにドット列同士の間隔(Y方向の間隔)が開いて形成される部分では、図の斜線部で示される領域にはドットが形成されない。したがって、この部分がはっきりと筋状の濃度ムラとして見えるため、ドット列同士の間隔が目立ちやすい。比較例2の場合は比較例1の場合よりもドット列間の隙間が目立ちにくくなるが、ドット列を形成するために使用されるノズルの組み合わせ等によっては、筋状の濃度ムラが目立つ場合がある。
一方、図12Bでは、パス1の移動方向とパス2の移動方向とが平行ではなく、ドット列は図のように斜めに交差するように形成される。そのため、ドット列同士の間隔が開いて形成される場合でも、図12AのようにX方向の全体にわたってドットがずれて形成されるということなく、各列領域中のX方向のいずれかの部分には必ずドットが形成される。例えば、図12Bの3番目の列領域と4番目の列領域ではドット列同士の間隔(Y方向の間隔)が開いて形成されるが、実際にドットが形成されない領域は図の斜線部で示される楕円状(実際の印刷では点状となる)の狭い領域に限られる。すなわち、濃度ムラが筋状ではなく点状に見えるため、ドット列間の隙間が目立ちにくく、画像の劣化も目立ちにくくなる。
なお、双方向印刷において、パス1で形成されるドット列とパス2で形成されるドット列との交差角度が小さいほど(単方向印刷においては交差角度が大きいほど)、図12Bの斜線部で示される領域を狭くすることができる。このようにすることで、点状の濃度ムラを小さくすることができるので、より濃度ムラが目立ちにくくなる。
また、本実施形態において、下地層160を形成する第2の液体としては、色剤を実質的に含有しない液体を用いることが好ましい。色剤を実質的に含有しない液体は、記録媒体S上で色剤による固形分の影響がなく色剤を含む液体に比べて広がりやすいため、記録媒体Sの表面(画像形成面)に均一に塗布することが可能となるこれにより、後述する本描画工程により形成する画像に発生し得る濃度ムラをより目立たなくする効果を奏する。なお、「色剤を実質的に含有しない」とは、色剤を用いる意義を十分に発揮する量を意図的に混入させない場合を指し、例えばインク中の色剤の含有量が0.05質量%未満であること、一層好ましくは0.01質量%未満、さらに、好ましくは0.005質量%未満、最も好ましくは0.001質量%未満であることをいう。
図9に戻り、上記下地層形成工程で形成した下地層160は、例えば、ヒーターブロックなどの加熱手段により記録媒体S側から加熱することによって乾燥・固化させる(ステップS3)。
次に、ステップS3において、記録媒体Sの画像形成面に形成した下地層160上に所望の画像を形成する本描画を行う。
本描画は、例えば図4に示すプリンター1が行う印刷動作を実施することにより行うことができる。
次に、ステップS4において、本描画後は、例えば熱風を記録媒体Sに吹き付けることにより液体の溶媒成分を乾燥させて、一連の画像形成工程を終了する。
以上、述べた上記実施形態1の画像記録方法によれば、画像記録媒体の表面上に下地層160を形成してから、その下地層上に画像層170を形成するため、記録媒体Sの表面状態(表面処理状態)にムラがあった場合でも、画像形成用の第1の液体によって形成される画像に記録媒体Sの表面状態のムラに起因する濃度ムラが発生するのを抑えることができる。
しかも、下地層160を形成する際に、上記したようなヘッド移動制御によるドット形成を採用していることにより、ヘッドの移動方向が、往路と復路で交差するため、濃度ムラが発生した場合でも筋状の濃度ムラではなく点状の濃度ムラとなり、視認される画像の濃度ムラが軽減され、均一の下地層160を形成することができる。
したがって、本描画により形成された画像の濃度ムラが抑制され、品質の高い画像を得ることができる。
===実施形態2===
次に、画像記録方法の実施形態2について説明する。
実施形態1では、図9のステップS1において、記録媒体の全部に第2の液体より下地層160(図8を参照)を形成することにより、記録媒体Sの表面(画像形成面)に均一な層ができているため、この下地層160上に形成される第1の液体による所望の画像の濃度ムラを軽減することができる。
しかしながら、下地層160により表面状態が均一となっていても、第1の液体によって形成された画像は、ノズルの製造ばらつきによって、比較例1や比較例2での筋状の濃度ムラが発生する虞がある。
そこで、実施形態2では、図9のステップS3で実施される本描画工程での画像形成ステップにおいても、ステップS1の下地層形成時に行なった図10及び図11に示すヘッド移動制御と同様のヘッド移動制御を行って所望の画像を形成する。
本適用例によれば、下地層160を形成することにより記録媒体Sの表面状態が均一な状態になっているうえに、画像形成ステップでも、下地層形成ステップで適用した濃度ムラを目立たなくすることが可能なヘッド移動制御を行うことにより、濃度ムラが目立たないより高品質な画像を形成することができる。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<使用するインクについて>
前述の実施形態では、CMYKの4色のインクを使用して画像を印刷する例が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト、クリア等、CMYK以外の色のインクを用いて記録を行ってもよい。
また、上記実施形態では、下地層160を形成する第2の液体として、色剤を実質的に含有しない液体を用いる例と、その効果について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、白色系の顔料を含む液体を用いて下地層160を形成することにより、次の描画工程で行なう第1の液体のインクの色が映えた高品位な画像を得ることができる。
ここで、白色系の顔料とは、例えば、社会通念上「白」と呼称される色を記録出来る顔料であり、微量着色されているものも含む。
また、白色系の顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物粒子や中空構造を有する粒子が挙げられる。これらの中でも、白色度に優れているという観点から、二酸化チタンを粉末状にした二酸化チタン粒子を用いることが好ましい。
<ノズル列の配置について>
ヘッド部のノズル列は搬送方向に沿ってKCMYの順で並んでいたが、これに限られるものではない。例えば、ノズル列の順番が入れ替わっていてもよいし、Kインクのノズル列数が他のインクのノズル列数より多い構成などであってもよい。
<プリンタードライバーについて>
プリンタードライバーの処理はプリンター側で行ってもよい。その場合、プリンターとドライバーをインストールしたPCとで印刷装置が構成される。
1…液体吐出装置としてのプリンター、20…搬送ユニット、30…駆動ユニット、31…X軸ステージ、32…Y軸ステージ、40…ヘッドユニット、41…ヘッド、50…検出器群、60…制御部としてのコントローラー、61…インターフェイス部、62…CPU、63…メモリー、64…ユニット制御回路、110…コンピューター、150…印刷物、160…下地層、170…画像層、170a…第1カラー部、170b…第2カラー部。

Claims (3)

  1. 所定方向にノズルが並んだノズル列を有するヘッドと、
    前記ヘッドの移動方向に前記所定方向と直交する直交方向の成分が含まれることを維持しつつ前記ヘッドを移動させながら、前記ノズルから間欠的に液体を吐出させて記録媒体にドットを順次形成する第一液体吐出処理及び第二液体吐出処理であって、前記第一液体吐出処理において連続して形成されたドットの、前記直交方向におけるドット形成位置の間に、前記第二液体吐出処理において形成されたドットの前記直交方向におけるドット形成位置が位置するように、前記記録媒体にドットを形成する前記第一液体吐出処理及び前記第二液体吐出処理を実行させるための制御部と、
    を有する画像記録装置を用いて前記記録媒体の画像形成領域に画像を形成する画像記録方法であって、
    前記液体として画像形成用の第1の液体を用いた前記液体吐出方法により前記画像を形成する画像形成ステップと、
    前記画像形成ステップの前に、前記画像形成領域の一部または全部に前記液体として下地層形成用の第2の液体を用いた前記液体吐出方法により下地層を形成する下地層形成ステップと、を含み、
    前記下地層形成ステップでは、前記制御部が、前記直交方向における少なくとも一部の位置において、前記第一液体吐出処理及び前記第二液体吐出処理のうちの少なくともどちらか一方の前記移動方向に前記所定方向の成分が含まれるように、かつ、双方の該移動方向が互いに交差するように、前記ヘッドを移動させるヘッド移動制御を行うことを特徴とする画像記録方法。
  2. 請求項1に記載の画像記録方法において、
    前記第2の液体として、色剤を実質的に含有しない液体を用いることを特徴とする画像記録方法。
  3. 請求項1または2に記載の画像記録方法において、
    前記画像形成ステップで、前記下地層形成ステップの前記ヘッド移動制御と同様のヘッド移動制御を行うことを特徴とする画像記録方法。
JP2013056207A 2013-03-19 2013-03-19 画像記録方法 Pending JP2014180804A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013056207A JP2014180804A (ja) 2013-03-19 2013-03-19 画像記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013056207A JP2014180804A (ja) 2013-03-19 2013-03-19 画像記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014180804A true JP2014180804A (ja) 2014-09-29

Family

ID=51699960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013056207A Pending JP2014180804A (ja) 2013-03-19 2013-03-19 画像記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014180804A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022190367A1 (ja) * 2021-03-12 2022-09-15 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および画像形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022190367A1 (ja) * 2021-03-12 2022-09-15 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5326924B2 (ja) 流体噴射装置、及び、流体噴射方法
JP5211838B2 (ja) 補正値算出方法、及び、液体吐出方法
JP5923935B2 (ja) 液体吐出装置、及び、液体吐出方法
JP5125666B2 (ja) 液体吐出装置
JP5636649B2 (ja) 流体噴射装置、及び、流体噴射方法
JP6432247B2 (ja) インクジェットプリンタ
US8128200B2 (en) Fluid ejecting apparatus and method of ejecting fluid
JP2011083936A (ja) 印刷装置、及び、印刷方法
JP5776348B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2012061841A (ja) 記録装置及び記録方法
JP6520298B2 (ja) 液滴吐出装置及び液滴吐出方法
US8955934B2 (en) Fluid ejecting apparatus and fluid ejecting method
JP2011143704A (ja) 流体噴射装置、及び、流体噴射方法
WO2015133597A1 (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2011051111A (ja) 印刷装置
JP2014180804A (ja) 画像記録方法
US8888239B2 (en) Inkjet printer
JP5679011B2 (ja) 流体噴射装置、及び、流体噴射方法
JP5593799B2 (ja) 流体噴射装置、及び、流体噴射方法
JP2010208121A (ja) 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP5584996B2 (ja) 補正値取得方法、及び、流体噴射装置の製造方法
JP6317141B2 (ja) 印刷装置及び印刷方法
WO2015137479A1 (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2012162070A (ja) 記録装置及び記録方法
JP5560679B2 (ja) 流体噴射装置、及び、流体噴射方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150109