JP2009220356A - 変換テーブル設定方法、液体噴射装置、印刷システム、及びプログラム - Google Patents

変換テーブル設定方法、液体噴射装置、印刷システム、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】種類が未知の媒体に印刷される画像データの色空間における階調値を、簡易かつ精度良く変換することにある。
【解決手段】一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷する印刷ステップと、印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定させる最大噴射量設定ステップと、設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定するテーブル設定ステップと、を有することを特徴とする変換テーブル設定方法。
【選択図】図14

Description

本発明は、変換テーブル設定方法、液体噴射装置、印刷システム、及びプログラムに関する。
インクジェットプリンタ等の液体噴射装置は、コンピュータ等の外部装置から受信した印刷データに基づいて、媒体に液体を噴射して画像を印刷する。ここで、印刷データは、アプリケーションソフト等によって作成された画像データをコンピュータが画像処理することにより、作成されたものである。そして、画像データは多階調値で表現されるデータであるため、画像処理の一つとして、所定の変換テーブルに基づいて色空間における階調値の変換が行われる。
上記の変換テーブルの中には、画像データがRGB色空間の多階調値で表現されている場合に、前記多階調値を、プリンタが印刷可能なCMYK色空間の多階調値に変換するための色空間テーブルがある(特許文献1参照)。
特開2003−283856号公報
ところで、プリンタの中には、様々な種類の媒体に画像を印刷可能なものがある。媒体の種類が異なる場合には、媒体の表面処理(コート処理等)の違い等に起因して液体の吸収度合いに差が生じる。この結果、同じ階調の画像(印刷データの画像)を印刷しても、媒体の種類によって印刷された画像の滲み度合いが異なる。
そして、従来における変換テーブルは、特定の種類の媒体(いわゆる専用紙)に対応するものである。このため、専用紙以外の種類の媒体(種類が未知の媒体)に印刷する際に、専用紙に対応する変換テーブルで色空間における多階調値を変換する(同一の色空間における多階調値の変換も含まれる)と、印刷された画像の滲み度合いが所望の状態とは異なる(例えば、滲みが強調される)こととなり、画質の劣化が生じる恐れがある。
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、目的とするところは、種類が未知の媒体に印刷される画像データの色空間における階調値を、簡易かつ精度良く変換することにある。
前記課題を解決するために、主たる本発明は、
一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷する印刷ステップと、
印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定させる最大噴射量設定ステップと、
設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定するテーブル設定ステップと、
を有することを特徴とする変換テーブル設定方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも次のことが明らかにされる。
一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷する印刷ステップと、
印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定させる最大噴射量設定ステップと、
設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定するテーブル設定ステップと、
を有することを特徴とする変換テーブル設定方法。
このような変換テーブル設定方法によれば、種類が未知の媒体に印刷される画像データの色空間における階調値を、簡易かつ精度良く変換することが可能となる。
また、かかる変換テーブル設定方法であって、
前記テーブル設定ステップは、
前記対応データにおいて変換テーブルが既知である複数の媒体のうちの、前記一の媒体における前記最大噴射量に最も近い値の最大噴射量の媒体、に対応する変換テーブルを、
前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定することが望ましい。
かかる場合には、最大噴射量が最も近い値を示す既知の媒体に対応する変換テーブルをそのまま利用することにより、より簡易に、種類が未知の媒体に対する変換テーブルを設定できる。
また、かかる変換テーブル設定方法であって、
前記最大噴射量は、噴射可能な3種類以上の液体のうちの所定の2種類の液体による、前記単位面積当たりに噴射可能な噴射量であり、
前記印刷ステップは、前記単位面積当たりの、前記所定の2種類の液体の合計噴射量が異なる前記複数のパターンを、前記一の媒体に印刷することが望ましい。
かかる場合には、全ての種類の液体を用いてパターンを印刷する必要がないので、印刷すべきパターンの数を抑えられる。この結果、迅速に、種類が未知の媒体に対する変換テーブルを設定できる。
また、一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷する印刷ステップと、
印刷された前記複数のパターンの滲み度合いに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定する最大噴射量設定ステップと、
設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定するテーブル設定ステップと、
を有することを特徴とする変換テーブル設定方法。
このような変換テーブル設定方法によれば、高精度、かつ迅速に、種類が未知の媒体に対する変換テーブルを設定できる。
また、液体を噴射するヘッドと、
前記ヘッドに液体を噴射させることにより、一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷し、
印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定させ、
設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定する制御部と、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。
このような液体噴射装置によれば、種類が未知の媒体に印刷される画像データの色空間における階調値を、簡易かつ精度良く変換することが可能となる。
また、液体を噴射するヘッドと、
前記ヘッドに液体を噴射させることにより、一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷し、
印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定させ、
設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定する制御部と、
を備えることを特徴とする印刷システム。
このような印刷システムによれば、種類が未知の媒体に印刷される画像データの色空間における階調値を、簡易かつ精度良く変換することが可能となる。
また、液体噴射装置に、
一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷させる機能と、
印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量の設定を促す機能と、
設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量の対応を示した対応データ、に基づいて、
変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定させる機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
このようなプログラムによれば、種類が未知の媒体に印刷される画像データの色空間における階調値を、簡易かつ精度良く変換することが可能となる。
===印刷システムの概要===
印刷システム100の構成等について、説明する。
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、液体噴射装置の一例であるプリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140と、スキャナ150とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
===プリンタドライバ===
図2は、プリンタドライバによる画像処理の説明図である。
プリンタドライバは、ユーザからの印刷命令を受けると、解像度変換処理、階調値変換処理、濃度ムラ補正処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理を行う。なお、後述するBRS補正値は、この濃度ムラ補正処理に用いられる。以下、これらの処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が360×360dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取った画像データ(本実施例における当該画像データは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである)を360×360dpiの解像度の画像データに変換する。
階調値変換処理は、階調値変換テーブル(後述)に基づいて、CMYK色空間における画像データの階調値を変換する処理である。この階調値変換処理により、紙上のインクの滲み度合いを考慮した階調値に変換される(詳細は後述する)。
濃度ムラ補正処理は、画像データを構成する各画素データの階調値を、その画素データの属する列領域の対応する補正値(具体的には、後述するBRS補正値)に基づいて補正する処理である。この濃度ムラ補正処理により、濃く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する画素の画素データ(CMYKデータ)の階調値が低くなるように補正される。逆に、淡く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する画素の画素データの階調値が高くなるように補正される。なお、他の色の他の列領域に対しても、プリンタドライバは、同様に補正処理を行う。
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンタが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・誤差拡散法などを利用して、プリンタがドットを分散して形成できるように画素データを作成する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のCMYKデータと同等の解像度(例えば360×360dpi)を有している。また、ハーフトーン処理された画素データは、ドットの形成状態を表す。ハーフトーン処理後の画素データが2ビットデータの場合、その画素データは、ドットなし、小ドット形成、中ドット形成、大ドット形成を示す。
本実施形態では、プリンタドライバは、濃度ムラ補正処理によって補正された階調値の画素データに対して、ハーフトーン処理が行われることになる。この結果、濃く視認されやすい列領域では、その列領域の画素データの階調値が低くなるように補正されているので、その列領域のラスタラインを構成するドットのドット生成率が低くなる。逆に、淡く視認されやすい列領域では、ドット生成率が高くなる。
ラスタライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンタに転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタに出力される。
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成>
図3は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図4Aは、プリンタ1の断面図である。また、図4Bは、プリンタ1の搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。以下、本実施形態のプリンタであるラインプリンタの基本的な構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、ヘッドユニット40、検出器群50、コントローラ60、駆動信号生成ユニット70を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット40、駆動信号生成ユニット70)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ(不図示)と、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bと、ベルト24とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。不図示の搬送モータが回転すると、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bが回転し、ベルト24が回転する。給紙ローラ21によって給紙された紙Sは、ベルト24によって、印刷可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。ベルト24が紙Sを搬送することによって、紙Sがヘッドユニット40に対して搬送方向に移動する。印刷可能な領域を通過した紙Sは、ベルト24によって外部へ排紙される。なお、搬送中の紙Sは、ベルト24に静電吸着又はバキューム吸着されている。
ヘッドユニット40は、紙Sに液体の一例であるインクを噴射するためのものである。ヘッドユニット40は、搬送中の紙Sに対してインクを噴射することによって、紙Sにドットを形成し、画像を紙Sに印刷する。本実施形態のプリンタはラインプリンタであり、ヘッドユニット40は紙幅分のドットを一度に形成することができる。このヘッドユニット40の構成については、後で説明する。
検出器群50には、ロータリー式エンコーダ(不図示)、紙検出センサ53などが含まれる。ロータリー式エンコーダは、上流側搬送ローラ23Aや下流側搬送ローラ23Bの回転量を検出する。ロータリー式エンコーダの検出結果に基づいて、紙Sの搬送量を検出することができる。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
駆動信号生成ユニット70は、ヘッドユニット40を駆動する駆動信号COMを生成するためのものである。駆動信号生成ユニット70は、複数の駆動信号生成部71を有する。コントローラ60が各駆動信号生成部71にそれぞれ波形データを設定すると、各駆動信号生成部71は、波形データに応じた波形の駆動信号COMをそれぞれ生成する。そして、この駆動信号COMに応じた、ドットなし、小ドット形成、中ドット形成、大ドット形成が実現される。
<ヘッドユニット40の構成>
図5Aは、ヘッドユニット40の下面における複数のヘッドの配列を示す説明図である。図5Bは、各ヘッドの位置関係の説明図である。ヘッドユニットの下面は、ベルト24で搬送される紙Sと対向する。
ヘッドユニット40の下面では、複数のヘッドが千鳥列配置で並んでいる。以下の説明では、図中の左から順に、第1ヘッド41A、第2ヘッド41B、第3ヘッド41C、第4ヘッド41D、・・・、第nヘッド41Nと呼ぶことにする。搬送方向上流側には、奇数番号の第1ヘッド41A、第3ヘッド41C、第5ヘッド41E、・・・が紙幅方向に並んでいる。また、搬送方向下流側には、偶数番号の第2ヘッド41B、第4ヘッド41D、第6ヘッド41F、・・・が紙幅方向に並んでいる。
各ヘッドには、ブラックインクノズル列K、シアンインクノズル列C、マゼンタインクノズル列M及びイエローインクノズル列Yが形成されている。各ノズル列は、インクを噴射するための噴射口であるノズルを複数個(本実施形態では360個)備えている。各ノズル列の複数のノズルは、図5Bの配列方向(紙幅方向)に沿って、一定のノズルピッチで並んでいる。ここでは、ノズルピッチは1/360インチである。各ヘッドのノズルには、図中の左から順に番号が付されている(♯1〜♯360)。また、各ノズルには、インクが入った圧力室(不図示)と、圧力室の容量を変化させてインクを噴射させるための駆動素子(ピエゾ素子)が設けられている。
搬送方向上流側の奇数番号のヘッド(例えば第3ヘッド41C)の左端のノズル♯1と、搬送方向下流側の偶数番号のヘッド(例えば第2ヘッド41B)の右端のノズル♯360との紙幅方向の間隔は、ノズルピッチと同じ1/360インチである。また、搬送方向上流側の奇数番号のヘッド(例えば第3ヘッド41C)の右端のノズル♯360と、搬送方向下流側の偶数番号のヘッド(例えば第4ヘッド41D)の左端のノズル♯1との紙幅方向の間隔は、ノズルピッチと同じ1/360インチである。
このようにヘッドを配置することによって、印刷される紙の紙幅分の長さにわたって、配列方向(紙幅方向)に1/360インチの間隔でノズルを配置することができる。そして、このようにヘッドを配置することによって、ヘッドユニット40は、紙幅方向に1/360インチの間隔で並ぶドット(ドット列)を紙幅分の長さにわたって形成することができる。なお、ヘッド41Aのノズル#1とヘッド41Nのノズル#360の間の長さは、印刷される紙の幅よりも小さく、画像が紙幅内に印刷される。
もちろん、ヘッド41Aのノズル#1とヘッド41Nのノズル#360の間の長さが、印刷される紙の幅以上である構成であっても良い。
===濃度ムラ===
プリンタが印刷を行うとき、画像中に濃度ムラが生じる。ここでは、説明の簡略化のため、単色印刷された画像中に生じる濃度ムラの発生原因について説明する。なお、多色印刷の場合、以下に説明する濃度ムラの発生原因が色毎に生じている。
以下の説明において、「単位領域」とは、紙等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。例えば、印刷解像度が360dpi(配列方向)×360dpi(搬送方向)の場合、単位領域は、約70.56μm×70.56μm(≒1/360インチ×1/360インチ)の大きさの正方形状の領域になる。理想的にインク滴が噴射されると、この単位領域の中心位置にインク滴が着弾し、その後インク滴が媒体上で広がって、単位領域にドットが形成される。なお、一つの単位領域には、画像データを構成する一つの画素が対応している。また、各単位領域に画素が対応付けられるので、各画素の画素データも、各単位領域に対応付けられることになる。
また、以下の説明において、「列領域」とは、紙の搬送方向に並ぶ複数の単位領域によって構成される領域をいう。例えば印刷解像度が360dpi×360dpiの場合、列領域は、配列方向に70.56μm(≒1/360インチ)の幅の帯状の領域になる。搬送方向に搬送中の紙に対してノズルから理想的にインク滴が断続的に噴射されると、この列領域にラスタラインが形成される。すなわち、各ラスタラインは、それぞれ一つのノズルのみから噴射されたインクによって、形成される。なお、列領域には、搬送方向に並ぶ複数の画素が対応付けられることになる。
図6Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。同図では、理想的にドットが形成されているので、各ドットは単位領域に正確に形成され、ラスタラインは列領域に正確に形成される。図中、各列領域には、その領域の着色に応じた濃度の画像片が形成されている。ここでは、説明の簡略化のため、ドット生成率が50%となるような一定濃度の画像を印刷するものとする。
図6Bは、濃度ムラの説明図である。ここでは、3番目の列領域に向かってインク滴を噴射するノズルの直径が、他の列領域に向かってインク滴を噴射するノズルの直径よりも大きいものとする。これにより、3番目の列領域に向かって噴射されたインク滴のインク量が多くなり、3番目の列領域に形成されるドットが大きくなる。この結果、3番目の列領域の画像片(ラスタライン)は、他の列領域の画像片(ラスタライン)よりも濃くなる。すなわち、本来であれば同じ濃度の画像片が各列領域に形成されるべきであるにもかかわらず、列領域に応じて画像片に濃淡が発生する。そして、このようなラスタラインからなる印刷画像を巨視的に見ると、搬送方向に沿う縞状の濃度ムラが視認される。この濃度ムラは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
このように、ラインプリンタの場合には、ノズル特性に応じた濃度ムラが発生する。
そこで、本実施形態においては、上述したノズル特性に応じた濃度ムラを抑制すべく、列領域毎に設定される補正値(後述するBRS補正値)に基づいて、画素データの階調値を補正している。すなわち、濃く視認されやすい列領域に対しては、淡く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データ(CMYK画素データ)の階調値を補正する。また、淡く視認されやすい列領域に対しては、濃く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データの階調値を補正する。例えば、図6Bに示す3番目の列領域のドットの生成率が低くなるように、3番目の列領域に対応する画素の画素データの階調値が補正される。これにより、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。
===BRS補正値の取得処理===
図7は、BRS補正値の取得処理のフロー図である。なお、BRS補正値とは、濃度ムラを補正するための補正値である。各処理は、コンピュータ110にインストールされたBRS補正用プログラムによって実現される。
まず、コンピュータ110が印刷データをプリンタ1に送信し、プリンタ1がテストシートにBRS補正用のテストパターンを印刷する(ステップS2)。
図8は、BRS補正用のテストパターンの説明図である。テストシートTS1には、BRS補正用のテストパターンが印刷される。このテストパターンには、色別に4つの補正用パターンと、上罫線と、下罫線と、左罫線と、右罫線とが含まれる。各補正用パターンは、3種類の濃度の帯状パターンにより構成されている。各帯状パターンは、各ヘッド41の全てのノズルからインクが噴射されて、形成されている。また、帯状パターンは、それぞれ一定の階調値の画像データから生成されたものである。そして、各補正用パターンにおいては、上の帯状パターンから順に階調値64(濃度25%)、128(濃度50%)、及び192(濃度75%)となり、順に濃い濃度のパターンになっている。なお、これらの3種類の階調値(濃度)を「指令階調値(指令濃度)」と呼び、記号でSa(=64)、Sb(=128)、Sc(=192)と表す。
次に、検査者はテストパターンが印刷されたテストシートTS1をスキャナ150にセットする。そして、コンピュータ110は、スキャナ150にテストパターンを読み取らせ、テストパターンの画像データを取得する(ステップS4)。
次に、コンピュータ110は、テストパターンの画像データを修正する(ステップS6)。これにより、スキャナ150の読み取り位置の誤差に起因して生じる画像の歪み等が修正される。
次に、コンピュータ110は、4つの補正用パターンの各帯状パターンについて、列領域毎に濃度の測定値を検出する(ステップS8)。
図9は、シアンの濃度25%、濃度50%及び濃度75%の帯状パターンの測定値のグラフである。各帯状パターンは、それぞれ指令階調値で一様に形成されたにも関わらず、列領域毎に濃淡が生じている。この列領域の濃淡差が、印刷画像の濃度ムラの原因である。
次に、コンピュータ110は、列領域毎にBRS補正値を算出する(ステップS10)。そこで、階調値Sb(濃度50%)の帯状パターンの測定値を一定にするための処理について検討する。ここでは、階調値Sbの帯状パターンの全列領域の測定値の平均値Cbtを、濃度50%の目標値と定める。この目標値Cbtよりも測定値が淡い列領域iでは、階調値を濃くする方へ補正すれば良いと考えられる。一方、目標値Cbtよりも測定値が濃い列領域jでは、階調値を淡くする方へ補正すれば良いと考えられる。
そこで、コンピュータ110は、列領域毎に補正値を算出する。ここでは、ある列領域における指令階調値Sbに対する補正値の算出について説明する。以下に説明するように、図9の列領域iの指令階調値Sb(濃度50%)に対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sc(濃度75%)の測定値に基づいて算出される。一方、列領域jの指令階調値Sbに対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sa(濃度25%)の測定値に基づいて算出される。
図10Aは、列領域iにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域iでは、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の測定値Cbは、目標値Cbtよりも小さい階調値を示す(この列領域の濃度は、平均濃度よりも淡い)。仮に、この列領域に目標値Cbtの濃度のパターンをプリンタに形成させるならば、プリンタドライバは、次式(直線BCに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよいと考えられる。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Cbt−Cb)/(Cc−Cb)}
図10Bは、列領域jにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域jでは、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の測定値Cbは、目標値Cbtよりも大きい階調値を示す(この列領域の濃度は、平均濃度よりも濃い)。仮に、この列領域に目標値Cbtの濃度のパターンをプリンタに形成させるならば、プリンタドライバは、次式(直線BCに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよいと考えられる。
Sbt=Sb−(Sb−Sa)×{(Cbt−Cb)/(Ca−Cb)}
このようにして目標指令階調値Sbtを算出した後、コンピュータ110は、次式により、この列領域における指令階調値Sbに対する補正値Hbを算出する。
Hb = (Sbt−Sb)/Sb
コンピュータ110は、列領域毎に、階調値Sb(濃度50%)に対する補正値Hbを算出する。同様に、階調値Sc(濃度75%)に対する補正値Hcを、各列領域の測定値Ccと測定値Cbに基づいて、列領域毎に算出する。同様に、階調値Sa(濃度25%)に対する補正値Haを、各列領域の測定値Caと測定値Cbに基づいて、列領域毎に算出する。また、他の色についても、列領域毎に、3つの補正値(Ha、Hb、Hc)を算出する。
図7のフローチャートに戻って、説明を続ける。コンピュータ110は、補正データをプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ63にBRS補正値を記憶させる(ステップS10)。
図11は、シアンの補正値テーブルの説明図である。補正値テーブルには、3つの補正値(Ha、Hb、Hc)が、列領域毎に対応付けられている。例えば、各列領域のn番目のラスタラインには、3つの補正値(Ha_n、Hb_n、Hc_n)が対応付けられている。3つの補正値(Ha_n、Hb_n、Hc_n)は、それぞれ、指令階調値Sa(=64)、Sb(=128)及びSc(=192)に対応する。これらのBRS補正値は、個々のプリンタの濃度ムラ特性を反映したものになる。なお、他の色の補正値テーブルも同様である。
BRS補正値を記憶したプリンタは、梱包されてユーザの下に届けられる。ユーザがプリンタで画像を印刷する際に、プリンタは、印刷すべき画像の画像データをBRS補正値に基づいて補正し、補正後の画像データに基づいて印刷を行う。これにより、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体のノズル特性に応じた濃度ムラが抑制される。
===紙の種類と、画像の濃度との関係について===
プリンタ1は、様々な種類の紙に画像を印刷できる。例えば、プリンタ1は、上質紙やマット紙やグロス紙に画像を印刷できる。上質紙は、化学パルプ100%を原料とする紙である。マット紙及びグロス紙は、上質紙(又は中質紙)の表面に塗料が塗布された(コート処理された)紙である。そして、マット紙は光沢を抑えるように表面処理された紙であり、グロス紙は光沢を出すように表面処理された紙である。このように、3種類の紙は、紙の表面層の処理状態が異なる。また、一般に、上質紙とマット紙とグロス紙の厚みは、上質紙が最も厚く、マット紙が次に厚く、グロス紙が最も薄い。
そして、上述した表面処理や紙の厚みの違いに起因してインクの吸収度合いが異なるため、インクの滲み度合いが紙の種類毎に異なる。
図12Aと図12Bは、インクの紙に対する滲み度合いを説明するための図である。
図12Aの紙は、インクの吸収度合いが小さい。図12Bの紙は、インクの吸収度合いが大きい。このため、2つの紙に同じ大きさのインク滴をノズルから噴射させても、図12Aの紙に形成されたドットの大きさは大きく、図12Bの紙に形成されたドットの大きさは小さい。
また、ノズルの加工精度のばらつき等により、ノズルが偏心することがある。偏心したノズルから噴射されたインク滴は、紙に対して斜めに飛翔するために、紙上のインクの着弾位置がずれる。ここでは、配列方向(紙幅方向)において、インク滴の着弾位置がずれるものとする。
図13Aと図13Bは、紙の厚みとインクの着弾位置との関係を説明するための模式図である。図13Aの紙は薄紙であり、図13Bの紙は厚紙である。かかる場合には、ノズルと紙の表面の間の距離(ギャップ)Lが異なる。すなわち、厚紙の場合にはギャップLが小さく、薄紙の場合にはギャップが大きい。
かかる際に、偏心したノズルがインクを噴射すると、厚紙上におけるインクのずれ量は、薄紙上のインクのずれ量よりも小さい。この結果、厚紙に印刷された印刷画像の濃度ムラと、薄紙に印刷された印刷画像の濃度ムラの度合いも異なる。
ところで、上記したBRS補正値は、特定の専用紙に印刷したパターンに基づいて、求められたものである。このため、例えば専用紙の厚みと異なる厚みの紙(種類が未知の紙)に対して、専用紙のBRS補正値を適用しても、最適な補正とはならない恐れがある。
===種類が未知の紙に対応するBRS補正値の取得処理===
上述したように、種類が未知の紙に印刷される画像の濃度ムラを抑制するために、以下に説明する、未知の紙に対応するBRS補正値の取得処理が実行される。
図14は、種類が未知の紙に対応するBRS補正値の取得処理のフロー図である。本フローは、紙の種類が未知である紙Xに画像が印刷される前に、開始される。以下においては、BRS補正値の取得処理における処理毎に、説明する。なお、各処理は、制御部であるコンピュータ110にインストールされた、未知の紙のBRS補正値取得プログラムによって実現される。
<<噴射制限値設定用パターンの印刷(ステップS102)>>
前述したように、紙の種類によってインクの滲み度合いが異なる。仮に種類が未知である紙Xがインクの吸収し難い紙である場合には、階調値の大きいドットを形成した時にインクの滲みが目立って、画質の劣化が生じる。そこで、紙Xに対するインクの滲み度合いを調べるために、コンピュータ110は、噴射制限値設定パターンを紙Xに印刷させる。
図15は、表示装置120に表示されたユーザインタフェースウィンドーを示した図である。このユーザインタフェースウィンドーには、噴射制限値設定部121が含まれている。そして、ユーザが、噴射制限値設定部121の印刷ボタン121aを入力装置130のマウスでクリックすると、コンピュータ110は、プリンタ1に噴射制限値設定用パターンをテストシートTS2に印刷させる。
図16は、噴射制限値設定パターンの説明図である。テストシートTS2には、25個の正方形パターンが含まれる。本実施例においては、4色のインクのうちシアンインクとマゼンタインクによって、各正方形パターンが形成されている。そして、各正方形パターンは、それぞれシアンインクとマゼンタインクの噴射量が異なる(別言すれば、パターンの濃度が異なる)ように、形成されている。
ここで、シアンインクとマゼンタインクは、正方形パターンの領域に対して重なるように着弾可能である。そして、シアンインク(又はマゼンタインク)が、正方形パターンの領域全体にインクを噴射するときを濃度100%(階調値255)とし、前記領域にインクを噴射しないときを濃度0%(階調値0)とする。例えば、図16に示す正方形パターンA1は、濃度50%(階調値128)のシアンインクと濃度100%(階調値255)のマゼンタインクから成る合計濃度150%のパターンである。正方形パターンA2は、濃度75%(階調値192)のシアンインクと濃度75%のマゼンタインクから成る合計濃度150%のパターンである。
なお、図16において正方形パターンの下の領域に、各正方形パターンの合計濃度が示されている。
このように、本ステップにおいては、テストシートTS2に対して、単位面積当たりのインクの噴射量(濃度)が異なる複数のパターンを印刷する。この結果、パターンA1とパターンA2のように、単位面積当たりの、2種類のインクの合計噴射量(合計濃度)が異なるパターンが、テストシートTS2に印刷される。
<<噴射制限値の設定(ステップS104)>>
コンピュータ110は、印刷された25個の正方形パターンに基づいて、テストシートTS2の単位面積当たりに噴射可能な噴射制限値(インク打込制限値とも呼ばれる)を設定する。
ここで、噴射制限値とは、単位面積当たりに噴射可能なインクの最大噴射量である。なお、本実施例においては、噴射制限値は、4種類のインクのうちのシアンインク及びマゼンタインクのみによる、単位面積当たりに噴射可能な合計噴射量である。このため、噴射制限値は、濃度200%以下の範囲で設定可能である。なお、噴射制限値が、2種類のインクのみの合計噴射量であるので、他の種類のインクを考慮した正方形パターンを形成する必要が無くなり、印刷すべきテストシートの枚数を減らせる。
図17は、噴射制限値を説明するための図である。図17の横軸は、単位面積当たりのシアンインクの噴射量(濃度)を示し、縦軸は、単位面積当たりのマゼンタインクの噴射量(濃度)を示す。また、図17には25個の格子点(図中の○)が示されており、各格子点は図16の正方形パターンに対応する。例えば、格子点P1は、前述した正方形パターンA1に対応する。
図17においては、仮に噴射制限値が140%に設定されているものとして、説明を続ける。上の図は補正前のテーブルを示し、下の図は噴射制限値に基づいて補正された後のテーブルを示す。また、図には、140%制限の境界となる直線が示されている。この直線よりも左側(すなわち、噴射量が140%未満のもの)の領域においては、制限がされない。
一方、この直線よりも右側の領域においては、補正がされる。例えば、格子点P1(合計噴射量は150%)は、噴射制限値よりも大きいので、直線上に位置するように噴射量が制限される。別言すれば、画像データの階調値が大きい場合には、噴射制限値に基づいて階調値を小さく補正することにより、単位面積当たりのインクの噴射量を抑える。この結果、紙上のインクの滲みを抑制できる。
図18は、噴射制限値の設定画面を示した図である。ユーザが、図15のユーザインタフェースウィンドーの噴射制限値設定部121の設定ボタン121bを入力装置130のマウスでクリックすると、コンピュータ110は表示装置120に噴射制限値の設定画面を表示する。
噴射制限値の設定画面上では、ユーザが25個の正方形パターンの滲み度合いを視認して選んだ噴射制限値を、ユーザが入力装置130のキーボード等で入力することができる。すなわち、コンピュータ110は、印刷された正方形パターンの滲み度合いに基づいて、テストシートTS2に対応する噴射制限値を設定する。このように、正方形パターンの滲み度合いに基づいて噴射制限値を設定することにより、紙Xのインクの吸収度合いを考慮した噴射制限値を設定できる。
なお、本実施例では、ユーザが、正方形パターンA2が滲んでいると判断し、正方形パターンA2の合計濃度150%を噴射制限値として入力部123に入力するものとする。
<<紙の種類の選択(ステップS106)>>
コンピュータ110は、テストシートTS2(紙X)に対応する噴射制限値と、プリンタ1のメモリ63に格納されたテーブル(このテーブルは、紙Xとは種類が異なる紙の種類と、噴射制限値との関係を示している)とに基づいて、テストシートTSと噴射制限値が近い値の紙の種類を選択する。
図19は、紙の種類と噴射制限値との関係を示したテーブルである。テーブルのデータは、紙Xとは種類が異なる複数種類の紙であって、入力画像データから印刷データを作成する際にCMYK色空間における多階調値を変換する際の基準となる階調値変換テーブルが、それぞれ既知である複数種類の紙の種類と、各紙における噴射制限値と、の対応を示した対応データである。
図19の対応データにおける紙の種類は、上質紙、マット紙A、マット紙B、グロス紙A、グロス紙Bである。上質紙とマット紙とグロス紙の特性(紙の表面処理や厚み等)については、既述した通りである。なお、マット紙Bは、マット紙Aよりもインクを吸収しやすい紙であり、インクが滲み難い。同様に、グロス紙Bも、グロス紙Aよりもインクを吸収しやすい紙である。
また、対応データにおける噴射制限値(図19では制限値)は、予め実験等により対応する紙にインクを噴射して求めたデータである。例えば、上質紙の噴射制限値は100%であり、マット紙Aの噴射制限値は120%であり、グロス紙Aの噴射制限値は160%である。
ところで、図19に示す種類の紙に画像を印刷する場合には、当該紙についての情報がメモリ63に格納されている(別言すれば、当該紙に関する階調値変換テーブルやBRS補正値等が既知である)ので、本処理を行う必要が無い。一方、メモリ63に格納されていない種類の紙X(テストシートTS2)については、当該紙についての情報がメモリ63に格納されていないので、本処理を行う必要がある。
本実施例においては、S104において噴射制限値が150%と設定されたので、コンピュータ110は、テーブルの噴射制限値のうちで最も近い噴射制限値である160%を選択する。ここで、150%に最も近い対応データにおける噴射制限値は、140%と160%であるが、かかる場合には、コンピュータ110は、ステップS104で設定された噴射制限値よりも大きい値(すなわち、160%)を選択する。これは、本実施例では印刷画像の色の鮮やかさを重視しており、濃度が大きい方が色を鮮やかに表現できるためである。
このように、コンピュータ110は、前記対応データにおいて階調値変換テーブルが既知である複数の紙のうちの、テストシートTS2の噴射制限量(150%)に最も近い値の最大噴射量のグロス紙Aを、選択する。
<<階調値変換テーブルの設定(ステップS108)>>
コンピュータ110は、テストシートTS2の階調値変換テーブルとして、選択したグロス紙Aに対応する階調値変換テーブルを設定する。すなわち、紙Xの噴射制限値に最も近い大きさの既知の紙に対応する階調値変換テーブルを、紙Xの階調値変換テーブルとして、そのまま利用することになる。
図20は、階調値変換テーブルを示した図である。図20には、便宜上、CMYの色空間におけるテーブルが示されている。そして、階調値変換テーブルには、前述した噴射制限値が反映される。これにより、前述した階調値変換処理において、当該処理前の画像データの階調値が、噴射制限値が反映された階調値変換テーブルに基づいて、変換される。すなわち、当該処理前の画像データの各画素の階調値が、図20の対応する格子に入力されると、所定の階調値に変換される。
そして、図20に示すグロス紙Aの階調値変換テーブルは、予めメモリ63に格納されている。このため、コンピュータ110は、紙Xの階調値変換テーブルとして、階調値変換テーブルが既知であるグロス紙Aに対応する階調値変換テーブルを設定する。
このように、コンピュータ110は、ステップS104で設定された噴射制限値と、図19に示す対応データとに基づいて、テストシートTS2に対応する階調値変換テーブルとして、階調値変換テーブルが既知である複数の紙のうちのある紙に対応する階調値変換テーブルを自動設定する。このように、階調値変換テーブルが自動設定されることにより、処理スピードが速まる。
以上説明したように、噴射制限値に基づいて、グロス紙Aに対応する階調値変換テーブルを、紙Xの階調値変換テーブルとして設定することにより、種類が未知の紙Xに適した階調値変換テーブルを設定できることとなる。この結果、紙Xと同じ種類の紙に印刷される画像データの階調値は、設定後の階調値変換テーブルに基づいて、精度良く変換される。
<<仮想補正値の生成(ステップS110)>>
種類が未知の紙Xの階調値変換テーブルとして、グロス紙Aの階調値変換テーブルを設定した後に、コンピュータ110は、以下に説明するように、グロス紙AのBRS補正値に基づいて、紙XのBRS補正値を設定する。
まず、コンピュータ110は、グロス紙Aに対応するBRS補正値(以下、基準補正値とも呼ぶ)に基づいて、基準補正値よりも補正量が大きい仮想補正値と、基準補正量よりも補正量が小さい仮想補正値とを生成する。ここで、グロス紙Aに対応するBRS補正値は、前述したBRS補正値の取得処理により、予め設定されている。
なお、紙XのBRS補正値を取得するのに、グロス紙AのBRS補正値を利用する理由は、以下の通りである。すなわち、紙Xとグロス紙Aの噴射制限値が近い大きさであるため、2つの紙上のドットの形成状態も似たものとなる。このため、グロス紙AのBRS補正値に基づいて設定された補正値が、紙Xに適したものとなる。
以下においては、グロス紙のBRS補正値Ha、Hb、Hcのうち、補正値Hbを例に挙げて、仮想補正値について説明する(補正値Ha、Hcについても、補正値Hbと同様に仮想補正値を生成する)。
図21Aと図21Bは、仮想補正値を説明するための図である。図21Aと図21Bにおいては、1本の太線の曲線が基準補正値を示し、4本の細線の曲線が仮想補正値を示している。そして、4つの仮想補正値のうち、仮想補正値Hf1及び仮想補正値Hf2が、基準補正値Hbよりも補正量が大きく、仮想補正値Hg1及び仮想補正値Hg2が、基準補正値Hbよりも補正値が小さい。なお、仮想補正値Hf2の補正量は仮想補正値Hf1の補正量よりも大きく、仮想補正値Hg2の補正量は仮想補正値Hg1の補正量よりも大きい。また、4つの仮想補正値は、基準補正値Hbとの補正量の差が一定となるように、それぞれ設定される。
なお、本ステップにおいては、図21Aと図21Bのうちの一方に示す仮想補正値のみが、生成される。これは、前述したBRS補正値の取得処理において、グロス紙Aの基準補正値が、図21Aと図21Bのいずれかの基準補正値に該当することが分かるため、該当する基準補正値について仮想補正値を生成すれば、処理が簡素化できるからである。
<<確認用パターンの印刷(ステップS112)>>
ユーザが、図15のユーザインタフェースウィンドーのBRS補正値の設定部122の印刷ボタン122aをクリックすると、コンピュータ110は、基準補正値と、4つの仮想補正値とを適用した5つのパターンを、グロス紙Aとは種類が異なる紙X(前述した正方形パターンが印刷された紙Xと同じ種類の紙であって正方形パターンが印刷された紙Xとは別の紙)に印刷する。5つのパターンは、それぞれ、紙Xに対する各補正値の効果を確認するための確認用パターンである。なお、説明の便宜上、確認用パターンが印刷される紙Xを、テストシートTS3とする。
図22は、確認用パターンの説明図である。テストシートTS3には、補正値別に5つの確認用パターンが印刷される。確認用パターンB1は仮想補正値Hg2を適用したパターンであり、確認用パターンB2は仮想補正値Hg1を適用したパターンであり、確認用パターンB3は基準補正値を適用したパターンであり、確認用パターンB4は仮想補正値Hf1を適用したパターンであり、確認用パターンB5は仮想補正値Hf2を適用したパターンである。
各確認用パターンB1〜B5は、それぞれ色毎の4つの帯状パターンにより構成されている。これらの帯状パターンは、各ヘッド41の全てのノズルにインクを噴射されることにより、形成される。また、確認用パターンを印刷する際の補正前(補正値が適用される前)の指令階調値(指令濃度)は、同じ大きさの一つの階調値128(中間階調値)である。これにより、他の指令階調値(階調値64、192)について確認用パターンを印刷する必要が無いので、印刷すべきパターンの数を抑制できる。
そして、確認用パターンは、補正後の指令階調値に応じて印刷される。例えば、確認用パターンB3は、階調値128を基準補正値で補正した指令階調値で、印刷される。確認用パターンB1は、階調値128を仮想補正値Hg2で補正した指令階調値で、印刷される。この結果、各確認用パターンの実際の階調値は、それぞれ異なる。
<<濃度ムラが目立たない確認用パターンの選択(ステップS114)>>
ユーザは、目視により、テストシートTS3(紙X)に印刷された5つの確認用パターンの中から、濃度ムラの度合いが最も小さい(最も目立たない)確認用パターンを選択する。このようにユーザが目視により確認用パターンを選択することにより、簡易な構成にてパターンを選択できる。
図23は、確認用パターンの選択画面を示した図である。ユーザが、図15のユーザインタフェースウィンドーのBRS補正値の設定部122の設定ボタン122bをクリックすると、コンピュータ110は表示装置120にパターン選択画面を表示する。このパターン設定画面上では、ユーザが、濃度ムラが最も目立たない確認用パターンを入力装置130によって選択できる。ここでは、最も濃度ムラが目立たない確認用パターンは、確認用パターンB4であることとする。すると、ユーザは、選択部124でB4を選択することになる。
そして、ユーザが選択部124にてB4を選択することによって、コンピュータ110は、濃度ムラが最も目立たない確認用パターンが確認用パターンB4であることを、認識できる。
<<紙Xに対応するBRS補正値の設定(ステップS116)>>
コンピュータ110は、ユーザによって選択された確認用パターンB4に対応する仮想補正値Hf1を、紙Xに対応するBRS補正値として設定する。すなわち、コンピュータ110は、テストシートTS3(紙X)に印刷された確認用パターンB1〜B5に基づいて、紙Xに印刷される画像の濃度を補正するためのBRS補正値として、基準補正値と4つの仮想補正値Hf1、Hf2、Hg1、Hg2のうちのいずれかの補正値を設定する。このように、5つの補正値の中のいずれかの補正値を、紙Xに対応する補正値と設定するので、簡易に紙Xの補正値を取得できる。
そして、コンピュータ110は、紙Xに対応する仮想補正値Hf1(補正データ)をプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ63に記憶させる。なお、コンピュータ110は、補正値HaとHcに対応する補正値を、例えば基準補正値と仮想補正値Hg1の差分から、求める。そして、求められた補正値も、メモリ63に記憶される。
その後、紙Xに対応するBRS補正値(仮想補正値Hf1等)を記憶したプリンタ1は、紙Xと同じ種類の紙に印刷すべき画像データを、前記BRS補正値に基づいて補正する。そして、プリンタ1は、補正後の画像データに基づいて印刷を行う。これにより、紙Xと同じ種類の紙に印刷された画像は、ノズル特性に応じた濃度ムラの軽減した画像となる。
なお、上述した、種類が未知の紙に対応するBRS補正値の取得処理においては、噴射制限値設定用パターンの印刷(ステップS102)が印刷ステップに相当し、噴射制限値の設定(ステップS104)が最大噴射量設定ステップに相当し、紙の種類の選択(ステップS106)と階調値変換テーブルの設定(ステップS108)がテーブル設定ステップに相当する。
<<他の実施例>>
上記のステップS114(濃度ムラが目立たない確認用パターンの選択)においては、目視にてパターンを選択することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、スキャナ150により確認用パターンB1〜B5の各濃度をそれぞれ測定し、測定された確認用パターンB1〜B5のうちの測定値の変動幅が最も小さい一つの確認用パターンを選択することとしてもよい。
図24は、スキャナ150により測定された確認用パターンの濃度の測定値を示した図である。図24のグラフの横軸は列領域の位置を示し、縦軸は濃度の階調値を示している。なお、説明の便宜上、確認用パターンB1と確認用パターンB4の測定値のみが示され、他のパターンの測定値は省かれている。
図24に示すように、確認用パターンB1の測定値の濃度変動は大きい(標準偏差が大きい)。これは、濃度ムラが大きい(濃度ムラが目立ち易い)ことを意味する。一方、確認用パターンB4の測定値の濃度変動は小さい(標準偏差は小さい)。これは、濃度ムラが小さい(濃度ムラが目立ち難い)ことを意味する。そして、スキャナ150により測定された他の確認用パターンB2、B3、B5の測定値の濃度変動(不図示)は、確認用パターンB4の測定値の濃度変動よりも大きい。この結果、確認用パターンB4が、濃度ムラが最も目立たないパターンとなる。
この測定結果から、ユーザは、図23のパターン選択画面の選択部124にてB4を選択することとなる。このように、スキャナ150により測定された確認用パターンの濃度変動に基づいて、確認用パターンを選択する場合には、高精度に濃度ムラが目立たないパターンを選ぶことができる(別言すれば、高精度に補正値を選択できる)。
スキャナ150の測定によるパターンの選択後、コンピュータ110は、選択された確認用パターンB4に対応する仮想補正値Hf1を、紙Xに対応するBRS補正値として設定することとなる。
===本実施形態に係る印刷システム100の有効性===
上述した、種類が未知の紙に対応するBRS補正値の取得処理においては、図14に示すように、(a)未知の紙Xに対して、単位面積当たりのインクの噴射量が異なる複数の正方形パターンを印刷する印刷ステップと、(b)印刷された複数の正方形パターンに基づいて、紙Xの単位面積当たりに噴射可能な噴射制限値(最大噴射量)を設定する最大噴射量設定ステップと、(c)設定された噴射制限値と、図19に示す対応データとに基づいて、紙Xに対応する階調値変換テーブル(変換テーブル)として、階調値変換テーブルが既知である複数の紙のうちのある紙に対応する階調値変換テーブルを設定するテーブル設定ステップと、がある。ここで、対応データは、紙Xとは種類が異なる複数種類の紙であって、入力画像データから印刷データを作成する際に色空間における多階調値を変換する際の基準となる階調値変換テーブルが、それぞれ既知である複数種類の紙の種類と、各紙における噴射制限値と、の対応を示すものである。
これにより、種類が未知の紙Xに印刷される画像データの色空間における階調値を、簡易かつ精度良く取得する可能となる。以下においては、この有効性について詳しく説明する。
発明が解決しようとする課題の項で説明したように、紙の種類が異なる場合には、紙の表面処理(コート処理等)の違い等に起因してインクの吸収度合いに差が生じる。この結果、同じ階調の画像(印刷データの画像)を印刷しても、紙の種類によって印刷された画像の滲み度合いが異なる。
そして、従来における変換テーブルは、特定の種類の紙(いわゆる専用紙)に対応するものである。このため、専用紙以外の種類が未知の紙に印刷する際に、専用紙に対応する変換テーブルで色空間における多階調値を変換する(同一の色空間における多階調値の変換も含まれる)と、印刷された画像の滲み度合いが所望の状態とは異なる(例えば、滲みが強調される)こととなり、画質の劣化が生じる恐れがある。
これに対して、本実施の形態においては、種類が未知の紙Xに印刷された複数の正方形パターンに基づいて設定された紙Xの噴射制限値と、前記対応データとに基づいて、種類が既知である紙の階調値変換テーブルを、紙Xの階調値変換テーブルとして設定する変換テーブル設定方法(変換テーブル設定プログラム)が、採用されている。
このような変換テーブル設定方法(変換テーブル設定プログラム)によれば、種類が未知の紙Xの噴射制限値と、種類が既知の複数の紙の噴射制限値とを比較することにより、前記複数の紙の中から、インクの滲み度合いが紙Xに近い紙(仮に、紙Yとする)を選択できる。そして、前記複数の紙(紙Yが含まれる)の階調値変換テーブルが既知であるため、紙Yの階調値変換テーブルを紙Xの階調値変換テーブルとして設定することにより、紙Xに適した階調値変換テーブルを設定できる。これにより、設定された階調値変換テーブルに基づいて、画像データの階調値を紙Xに適した階調値に変換できる。
このように、本実施形態によれば、種類が未知の紙Xに印刷される画像データの色空間における階調値を、簡易かつ精度良く取得する可能となる。
さらに、上記実施の形態において、図19に示す対応データにおいて階調値変換テーブルが既知である複数の紙のうちの、紙Xにおける噴射制限値に最も近い値の噴射制限値の紙(例えば、グロス紙A)、に対応する階調値変換テーブルを、紙Xに対応する階調値変換テーブルとして設定することとした。
かかる場合には、紙Xの噴射制限値に最も近い大きさの既知の紙に対応する階調値変換テーブルをそのまま利用することにより、より簡易に、紙Xに対する階調値変換テーブルを設定できる。
さらに、上記実施の形態において、噴射制限値は、噴射可能な3種類以上のインクのうちの所定の2種類のインク(例えば、図16に示すマゼンタインクとシアンインク)のみによる、単位面積当たりに噴射可能な噴射量である。そして、単位面積当たりの、前記所定の2種類のインクの合計噴射量が異なる複数の正方形パターンを、紙Xに印刷することとした。
かかる場合には、全ての種類のインクで正方形パターンを印刷する必要が無いので、印刷すべきテストシートの枚数(正方形パターンの数)を抑えられる。この結果、迅速に、紙Xに対する階調値変換テーブルを設定できる。
さらに、上記実施の形態において、図16に示すように、印刷された複数の正方形パターンの滲み度合いに基づいて、紙Xに対応する噴射制限値を設定する。そして、設定された噴射制限値と前記対応データとに基づいて、紙Xに対応する階調値変換テーブルとして、階調値変換テーブルが既知である複数の紙のうちのある紙に対応する階調値変換テーブルを自動設定することとした。
紙Xに印刷された正方形パターンの滲み度合いに基づいて噴射制限値を設定することにより、紙Xのインクの吸収度合いを考慮した噴射制限値を設定できるため、精度良く噴射制限値を設定できる。また、噴射制限値の設定に基づいて紙Xの階調値変換テーブルが自動設定されることにより、種類が未知の紙に対応するBRS補正値の取得処理を迅速に行える。この結果、高精度、かつ迅速に紙Xに対応する階調値変換テーブルを設定できる。
===その他の実施の形態===
上記では印刷システム等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
また、前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体噴射装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
また、上記の実施形態においては、階調値変換処理前(解像度変換処理後)の画像データがCMYKデータであることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記画像データがRGB色空間で表現されるRGBデータであることとしても良い。かかる場合には、階調値変換処理と併せて、RGB色空間からCMYK色空間への色変換処理も行われることとなる。
また、上記の実施形態においては、図4A等に示すようなヘッドが移動しないヘッドユニット40を例に挙げて説明したが、いわゆるシリアルプリンタ(ヘッドが、搬送方向と交差する方向に移動する)にも適用可能である。
また、上記の実施形態においては、液体噴射装置の一例であるプリンタ1は、画像を印刷する機能のみを有することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、液体噴射装置は、スキャナ150の機能も有し、プリンタのコントローラ(制御部)によって前述した種類が未知の紙に対応するBRS補正値の取得処理が、実行されることとしても良い。
また、前述の実施形態のプリンタ1は、駆動素子(ピエゾ素子)に電圧をかけて、インク室を膨張・収縮させることによりインクを噴射しているが、これに限らない。例えば、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によってインクを噴射させるプリンタでもよい。
印刷システムの外観構成を示した説明図である。 プリンタドライバによる画像処理の説明図である。 プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図4Aは、プリンタ1の断面図である。また、図4Bは、プリンタ1の搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。 図5Aは、ヘッドユニット40の下面における複数のヘッドの配列を示す説明図である。図5Bは、各ヘッドの位置関係の説明図である。 図6Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。図6Bは、濃度ムラの説明図である。 BRS補正値の取得処理のフロー図である。 BRS補正用のテストパターンの説明図である。 シアンの濃度25%、濃度50%及び濃度75%の帯状パターンの測定値のグラフである。 図10Aは、列領域iにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。図10Bは、列領域jにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。 シアンの補正値テーブルの説明図である。 図12Aと図12Bは、インクの紙に対する滲み度合いを説明するための図である。 図13Aと図13Bは、紙の厚みとインクの着弾位置との関係を説明するための模式図である。 種類が未知の紙に対応するBRS補正値の取得処理のフロー図である。 ユーザインタフェースウィンドーを示した図である。 噴射制限値設定パターンの説明図である。 噴射制限値を説明するための図である。 噴射制限値の設定画面を示した図である。 紙の種類と噴射制限値との関係を示したテーブルである。 階調値変換テーブルを示した図である。 図21Aと図21Bは、仮想補正値を説明するための図である。 確認用パターンの説明図である。 確認用パターンの選択画面を示した図である。 スキャナ150により測定された確認用パターンの濃度の測定値を示した図である。
符号の説明
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、
23A 上流側搬送ローラ、23B 下流側搬送ローラ、24 ベルト、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、53 紙検出センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路、
70 駆動信号生成ユニット、71 駆動信号生成部、
100 印刷システム、110 コンピュータ、120 表示装置、
130 入力装置、140 記録再生装置、150 スキャナ

Claims (7)

  1. 一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷する印刷ステップと、
    印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定させる最大噴射量設定ステップと、
    設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定するテーブル設定ステップと、
    を有することを特徴とする変換テーブル設定方法。
  2. 請求項1に記載の変換テーブル設定方法であって、
    前記テーブル設定ステップは、
    前記対応データにおいて変換テーブルが既知である複数の媒体のうちの、前記一の媒体における前記最大噴射量に最も近い値の最大噴射量の媒体、に対応する変換テーブルを、
    前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定することを特徴とする変換テーブル設定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の変換テーブル設定方法であって、
    前記最大噴射量は、噴射可能な3種類以上の液体のうちの所定の2種類の液体による、前記単位面積当たりに噴射可能な噴射量であり、
    前記印刷ステップは、前記単位面積当たりの、前記所定の2種類の液体の合計噴射量が異なる前記複数のパターンを、前記一の媒体に印刷することを特徴とする変換テーブル設定方法。
  4. 一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷する印刷ステップと、
    印刷された前記複数のパターンの滲み度合いに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定する最大噴射量設定ステップと、
    設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定するテーブル設定ステップと、
    を有することを特徴とする変換テーブル設定方法。
  5. 液体を噴射するヘッドと、
    前記ヘッドに液体を噴射させることにより、一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷し、
    印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定させ、
    設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定する制御部と、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  6. 液体を噴射するヘッドと、
    前記ヘッドに液体を噴射させることにより、一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷し、
    印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量を設定させ、
    設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量、の対応を示した対応データ、に基づいて、変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定する制御部と、
    を備えることを特徴とする印刷システム。
  7. 液体噴射装置に、
    一の媒体に対して、単位面積当たりの液体の噴射量が異なる複数のパターンを印刷させる機能と、
    印刷された前記複数のパターンに基づいて、前記一の媒体の前記単位面積当たりに噴射可能な最大噴射量の設定を促す機能と、
    設定された前記最大噴射量、並びに、前記一の媒体とは種類が異なる複数種類の媒体であって、入力画像データから印刷データへ変換する際の基準となる変換テーブルがそれぞれ既知である複数種類の媒体の種類、及び、各媒体における前記最大噴射量の対応を示した対応データ、に基づいて、
    変換テーブルが既知である前記複数の媒体のうちのある媒体に対応する変換テーブルを前記一の媒体に対応する変換テーブルに設定させる機能と、
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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