JP2013169760A - インクジェット記録装置及びその画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】曲がりノズル等に起因する画像のムラを補正する。
【解決手段】インクジェットヘッド27の各ノズルのうちの曲がりノズルN(E)を検出可能な異常ノズル検出部53を設ける。曲がりノズルN(E)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)に上限を設ける。曲がりノズルN(E)の出力濃度が上限値UL以下に制限され、かつ曲がりノズルN(E)に隣接する隣接ノズルN(A)の出力濃度が増加するように画像データに信号変換処理を施す。曲がりノズルN(E)を不吐出化することなく、出力濃度が制限された状態で画像記録を行う。着弾干渉により隣接ノズルの打滴の間隔が広がった場合でも、曲がりノズルN(E)による画像記録が行われることにより、一本スジムラの発生が抑えられる。
【選択図】図10

Description

本発明は、吐出異常ノズルに起因する画像のムラを補正するインクジェット記録装置及びその画像記録方法に関する。
インクジェットヘッドの複数のインク吐出用ノズル(以下、単にノズルという)からインク(液滴)を吐出して記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。インクジェットヘッドの複数のノズルには、吐出異常が発生している吐出異常ノズル、例えばインクの飛翔曲がりが発生する曲がりノズルが含まれる場合がある。
図20(A)に示すように、曲がりノズルN(E)からインクが吐出された場合は、インクの記録媒体上での着弾位置にずれ(誤差)が生じてしまう。その結果、図20(B)に示すように、記録画像を観察したときに、曲がりノズルN(E)に起因する一本スジムラ(白筋WLや黒筋WK)が発生する。このため、曲がりノズルN(E)に起因する記録画像のムラを防ぐ技術が提案されている。
特許文献1には、曲がりノズルN(E)を含む各種の異常ノズルを不吐出化させるとともに、異常ノズルに隣接する隣接ノズルのインク出力濃度を増加させることで、一本スジムラ(以下、単にスジムラという)の補正を行うインクジェット記録装置が開示されている。この特許文献1のインクジェット記録装置は、着弾干渉パターンの違いに応じたスジムラ補正用の補正係数(補正パラメータ)を用いてスジムラの補正を行っている。
特開2011−201121号公報
しかしながら、図21(A)に示すように、曲がりノズルN(E)を不吐出化させるとともに、隣接ノズルN(A)のインク出力濃度を増加させた場合でも、図21(B)に示すように、スジムラの補正を行うことができない場合がある。例えば多種の液滴サイズのインクを選択的に突出可能なインクジェット記録装置であっても、最大サイズのインク(ドット)を吐出したときに、それが十分な大きさを有していなければ不吐出部分を埋めきれなくなるので、スジムラを完全に補正することができない。
特に図22(A)に示すように、隣接ノズルからのインクの吐出が、この隣接ノズルのさらに外側に隣接するノズルからのインクの吐出よりも後である場合に、隣接ノズルから吐出されたインクが着弾干渉により外側に引っ張られてしまう。その結果、図22(B)に示すように、隣接ノズルによる打滴の間隔Wがさらに広がってしまい、不吐部分の補正がしきれない状況が発生してしまうことがある。また、補正するのに十分なドットサイズのインクの打滴が可能であったとしても、インクの滴量が大きくなりすぎると着弾位置が不安定となり、スジムラの補正が不安定になる、という問題も生じる。
本発明の目的は、曲がりノズルなどの吐出異常ノズルに起因する画像のムラを補正可能なインクジェット記録装置及びその画像記録方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録装置は、液滴の吐出を行う複数のノズルを有する記録ヘッドと、複数のノズルのうちの吐出異常を示す吐出異常ノズルを検出する異常ノズル検出手段と、吐出異常ノズルに起因する画像のムラの補正に用いられる補正値を記憶する記憶手段と、異常ノズル検出手段で検出された吐出異常ノズルから吐出される液滴の滴量を、吐出異常ノズル以外の他の正常ノズルから吐出される液滴の滴量よりも小さい所定の上限値以下に制限する滴量制限手段と、記憶手段に記憶された補正値に基づき、正常ノズルから吐出される液滴の滴量を補正する滴量補正手段と、記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら、記録ヘッドの吐出異常ノズル及び正常ノズルからそれぞれ吐出された液滴を記録媒体上に付着させることにより、記録媒体上に画像を記録する画像記録手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、吐出異常ノズルを不吐出化させることなく吐出されるインクの滴量を制限した状態で記録を行わせるので、画像のムラ(スジムラ)の発生が抑えられるとともに、このムラの補正に用いる液滴(インク)の使用量を減らすことができる。
滴量補正手段は、吐出異常ノズルに対応するドットの隣接ドットを記録する正常ノズルから吐出される液滴の滴量を増加させることが好ましい。これにより、吐出異常ノズルに起因するスジムラを補正することができる。
吐出異常ノズルは液滴の飛翔曲がりが発生する曲がりノズルであり、曲がりノズルから記録媒体上に吐出された液滴の着弾位置のずれ量を検出するずれ量検出手段を備えており、滴量制限手段は、ずれ量検出手段が検出したずれ量の大きさに応じて、上限値を変更することが好ましい。これにより、ずれ量の大きさに応じた最適な上限値が設定されるので、画像のムラ(スジムラ)がより確実に抑えられ、良好な画像が得られる。
滴量補正手段は、ずれ量検出手段が検出したずれ量の大きさに応じて、正常ノズルから吐出される液滴の滴量の補正量を変更することが好ましい。これにより、ずれ量の大きさに応じた最適な補正が設定されるので、画像のムラ(スジムラ)がより確実に抑えられ、良好な画像が得られる。また、画像のムラの補正に用いる液滴(インク)の使用量を減らすことができる。
滴量制限手段は、画像データに画像処理を施すことにより、吐出異常ノズルから吐出される液滴の滴量を上限値以下に制限することが好ましい。吐出異常ノズルを不吐出化させることなく吐出される液滴(インク)の滴量を制限した状態で記録を行うことができる。
複数のノズルは、液滴サイズが異なる複数種類の液滴を選択的に吐出可能であり、滴量制限手段は、上限値以下の滴量に対応する液滴サイズの液滴を吐出異常ノズルから吐出させることが好ましい。吐出異常ノズルを不吐出化させることなく吐出されるインクの滴量を制限した状態で記録を行うことができる。
滴量制限手段は、液滴サイズが最小の液滴を吐出異常ノズルから吐出させることが好ましい。吐出異常ノズルを不吐出化させることなく吐出される液滴(インク)の滴量を制限した状態で記録を行うことができる。
複数のノズルに対してそれぞれ駆動信号を送るヘッドドライバを備えており、滴量制限手段は、ヘッドドライバを制御して吐出異常ノズルに送る駆動信号を調整することにより、吐出異常ノズルから吐出される液滴の滴量を上限値以下に制限することが好ましい。吐出異常ノズルを不吐出化させることなく吐出される液滴(インク)の滴量を制限した状態で記録を行うことができる。
異常ノズル検出手段は、複数のノズルごとにそれぞれ記録されたラインパターンにより構成されるテストチャートの読み取り結果に基づき、吐出異常ノズルの検出を行うことが好ましい。これにより、複数のノズルごとに吐出異常ノズルか否かを判定することができる。
記録ヘッドは、記録媒体に対する1回の相対移動で画像を記録するシングルパス方式のヘッドであることが好ましい。シングルパス方式では、マルチパス方式とは異なり1回の画像記録しか行わないので、この1回の画像記録で画像のムラ(スジムラ)を確実に補正する必要があるからである。
また、上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録装置の画像記録方法は、液滴の吐出を行う複数のノズルを有する記録ヘッドから吐出異常を示す吐出異常ノズルを検出する異常ノズル検出ステップと、異常ノズル検出ステップで検出された吐出異常ノズルから吐出される液滴の滴量を、吐出異常ノズル以外の他の正常ノズルから吐出される液滴の滴量よりも小さい所定の上限値以下に制限する滴量制限ステップと、予め記憶されかつ吐出異常ノズルに起因する画像のムラの補正に用いられる補正値に基づき、正常ノズルから吐出される液滴の滴量を補正する滴量補正ステップと、記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら、記録ヘッドの吐出異常ノズル及び正常ノズルからそれぞれ吐出された液滴を記録媒体上に付着させることにより、記録媒体上に画像を記録する画像記録ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、吐出異常ノズルを不吐出化させることなく吐出されるインクの滴量を制限した状態で記録を行わせるので、画像のムラ(スジムラ)の発生が抑えられるとともに、このムラの補正に用いる液滴(インク)の使用量を減らすことができる。
本発明のインクジェット記録装置及びその画像記録方法によれば、吐出異常ノズルから吐出される液滴の滴量を所定の上限値以下に制限し、かつ吐出異常ノズルに起因する画像のムラの補正に用いられる補正値に基づき、他の正常ノズルから吐出される液滴の滴量を補正するので、特に着弾干渉により吐出異常ノズルに隣接する隣接ノズルから吐出される液滴の間隔が広がってしまう場合でも、曲がりノズルから吐出される液滴により描画記録を行うことができる。その結果、画像のムラ(スジムラ)の発生を抑えることができる。
また、吐出異常ノズルから液滴を吐出させることで、画像のムラの補正に用いる液滴(吐出異常ノズルに隣接する隣接ノズルから吐出される液滴)の量を減らすことができる。このため、隣接ノズルから吐出される液滴の滴量が大きくなりすぎて着弾位置が不安定となるといった問題の発生も抑えられる。
第1実施形態のインクジェット印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。 PCの電気的構成を示すブロック図である。 不吐出ノズル補正LUTの生成処理の一例を説明するための説明図である。 (A)は異常ノズル検知用テストチャート56の概略図であり、(B)は曲がりノズルにより記録されたラインパターンの拡大図である。 曲がりノズル補正用テストチャートの概略図である。 曲がりノズル補正データの概略図である。 不吐出ノズル補正処理部による補正処理を説明するための説明図である。 曲がりノズル補正処理部による補正処理を説明するための説明図である。 第1実施形態のインクジェット印刷システムの作用を説明するためのフローチャートである。 インクジェット印刷システムの作用効果を説明するための説明図である。 第2実施形態のインクジェット印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態のインクジェット印刷システムの作用を説明するためのフローチャートである。 第3実施形態のインクジェット印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。 曲がりノズル補正処理部による補正処理を説明するための説明図である。 第3実施形態のインクジェット印刷システムの作用を説明するためのフローチャートである。 インクジェット記録装置の全体構成図である。 (a)はインクジェットヘッドの構造例を示す平面透視図、(b)はその一部の拡大図である。 ヘッドの他の構造例を示す平面透視図である。 図17中のA−A線に沿う断面図である。 曲がりノズルに起因するスジムラを説明するための説明図である。 曲がりノズルに起因するスジムラの補正を行った場合でもスジムラが発生する例を説明するための説明図である。 着弾干渉により隣接ノズルの打滴の間隔が広がることを説明するための説明図である。
[第1実施形態のインクジェット印刷システムの全体構成]
図1は本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷システム(以下、単に印刷システムという、インクジェット記録装置)10の構成例を示すブロック図である。印刷システム10は、本発明の記録ヘッドに相当するインクジェットヘッドを用いて、シングルパス方式で画像を記録するシステムである。すなわち、インクジェットヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(1回の副走査で)、記録媒体の画像形成領域に所定記録解像度(例えば、1200dpi)の画像を形成する。印刷システム10では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色のインクを用いるものとし、各色のインクを吐出する手段として、色別にインクジェットヘッドを備える場合を説明する。ただし、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されない。
印刷システム10は、プリンタ12、コンピュータ本体(以下「PC」と表記する。)14、モニタ16及び入力装置18から構成される。
プリンタ12にはPC14が接続されている。PC14は、プリンタ12の動作を制御する制御装置として機能するとともに、各種データを管理するデータ管理装置として機能する。
PC14には、ユーザーインターフェース(UI)としてのモニタ16及び入力装置18が接続されている。入力装置18は、キーボード、マウス、タッチパネル、トラックボールなどの各種の手段を採用することができ、これらの適宜の組み合わせであってもよい。また、入力装置18には、外部から各種のデータを入力するための各種入力I/Fが設けられている。オペレータは、モニタ16及び入力装置18を使ってプリンタ12の操作を行う。PC14からプリント指示を指令したときに、プリンタ12にページデータなどの画像データ50が送られ、画像処理回路(イメージプロセスボード)20で処理される。
<第1実施形態のプリンタの構成>
プリンタ12は、PC14を介して入力される印刷用の画像データ50をマーキング信号に変換する信号処理を行う画像処理回路20(各種処理部22,23,24)と、マーキング信号に従って色別のインクジェットヘッド27を駆動して画像記録を実行するマーキング部(画像記録手段)28と、マーキング部28で記録されたテストチャートなどを読み取るインラインセンサ29とを備える。
画像処理回路20は、画像データ50からマーキング信号を生成する様々な処理を行う中で、階調変換処理、ノズル吐出補正処理、ハーフトーン処理を施すことにより、マーキング信号を生成する。画像処理回路20は、階調変換処理部22と、ノズル吐出補正処理部(滴量制限手段、滴量補正手段)23と、ハーフトーン処理部24とを備えている。
階調変換処理部22は、マーキング部28で画像を形成(記録)するときに、どのくらいの色の濃さで描画するかという、濃度階調の特性を決める処理を行う。階調変換処理部22は、プリンタ12で規定された発色特性になるように画像データ50を変換する。例えば、階調変換処理部22は、CMYK信号をC’M’Y’K’信号に変換したり、C信号、M信号、Y信号、K信号の各信号を色別に、C’信号、M’信号、Y’信号、K’信号に変換したりする。
階調変換処理部22による信号変換は、階調変換LUT格納部40に格納されている図示しない階調変換ルックアップテーブル(LUT)を参照して変換関係を定める。階調変換LUT格納部40には、記録媒体(使用する用紙)の種類ごとに最適化された複数のLUTが格納されており、記録媒体に合わせて適切なLUTが参照される。このような階調変換LUTは、インクの色ごとに用意されている。本例の場合は、CMYKの各色について、それぞれ階調変換LUTが設けられている。
プリントの実行指示が入力されると、その印刷条件に合致した階調変換LUTが自動的に選択された後、階調変換処理部22にセットされる。また、入力装置18からLUTの選択、変更、修正等の指示を入力することにより、所望のLUTに設定することができる。
ノズル吐出補正処理部23は、記録媒体に記録される画像のムラを補正するために、インクジェットヘッド27の各ノズルの出力濃度(吐出されるインクの滴量)を補正する処理部である。ここでいう「画像のムラ」とは、正常な描画記録ができない異常ノズルに起因するスジムラである(図20、図21参照)。
また、「異常ノズル」とは、例えば不吐出ノズルや吐出異常ノズルなどである。不吐出ノズルとは、インクの吐出量を増大させるシェーディング補正処理によっても正常量のインクを吐出することができない、あるいはインクを全く吐出させることができないノズルである。吐出異常ノズルとは、インクが吐出されるものの、インクの飛翔曲がりが発生する吐出方向異常や、吐出されるインクの滴量が多かったり少なかったりする滴量異常などの吐出異常などが発生するノズルである。以下、吐出異常ノズルとして、インクの飛翔曲がりが発生する、いわゆる曲がりノズルN(E)[図10参照]を例に挙げて説明を行う。
このような異常ノズル(不吐出ノズルや曲がりノズル)に起因するスジムラを補正するため、ノズル吐出補正処理部23にて画像信号(画像データ50)の信号変換等が行われる。
具体的にノズル吐出補正処理部23は、インクジェットヘッド27の複数のノズルのうち、異常ノズル(曲がりノズル)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)と、特に異常ノズルに隣接する隣接ノズルの出力濃度(吐出されるインクの滴量)とをそれぞれ補正すべく画像信号を変換等する。ここで、出力濃度の補正とは、画像の1ドットを形成するインクの滴量の補正であり、例えばインクのドット径の補正やノズルから吐出されるインクの平均の滴量の補正などである。
また、「隣接ノズル」とは、異常ノズルに隣接しているノズルに限定されるものではなく、異常ノズルに対応する画素に隣接する画素を記録するノズル、すなわち、異常ノズルに必ずしも隣接していないノズルも含まれる。なお、隣接ノズルの出力濃度を補正したときに、必要に応じて隣接ノズルの外側(異常ノズル側とは反対側)に位置するノズルの出力濃度の補正を同時に行ってもよい。
ノズル吐出補正処理部23による画像信号の変換は、例えば、CMYK信号をC”M”Y”K”信号に変換したり、C’信号、M’信号、Y’信号、K’信号の各信号を色別に、C”信号、M”信号、Y”信号、K”信号に変換したりする。この変換処理は、PC14内のノズル吐出補正データ格納部42に格納されているLUTやテーブルを参照して変換関係を定める。
ハーフトーン処理部24は、多階調(例えば、1色当たり8ビット256階調)の画像信号を画素単位で、インク吐出する/しないの2値、若しくは、インク径(滴サイズ、ドットサイズ)が複数選択できる場合はどの滴種を吐出するかの多値の信号に変換する。一般的には、M値(Mは3以上の整数)の多階調画像データをN値(Nは2以上M未満の整数)のデータに変換する処理を行う。ハーフトーン処理には、ディザ法、誤差拡散法、濃度パターン法など、を適用できる。
例えば、インクジェットヘッド27が大滴、中滴、小滴の3種類の液滴サイズを打ち分けることができる場合に、ハーフトーン処理部24は、ノズル吐出補正処理後の多階調(例えば256階調)のデータを「大滴インクを吐出する」、「中滴インクを吐出する」、「小滴インクを吐出する」、「吐出しない」の4値の信号に変換する。ハーフトーン処理部24における信号変換は、PC14内のハーフトーンテーブル格納部44に格納された図示しないハーフトーンテーブルを参照して変換関係を決める。
ハーフトーンテーブルは、大中小の各サイズのドットが単位面積あたりにどのような割合(比率)で用いられるかを規定したテーブルであり、入力信号の大きさに対応して各ドットサイズのドット比率が定められている。ハーフトーンテーブル格納部44には、複数種類のハーフトーンテーブルが格納されており、プリント時にいずれかのテーブルが選択される。
マーキング部28は、前述の色別のインクジェットヘッド27と、インクジェットヘッド27及び記録媒体を相対移動させる相対移動機構(図16参照)とを有している。各インクジェットヘッド27のインク吐出面(ノズル面)には、記録媒体の画像形成領域の最大幅に対応する長さにわたってインク吐出用のノズルが複数配列されている。インク吐出面に多数のノズルを二次元的に配列させる構成によって、高記録解像度を実現できる。
二次元ノズル配列を有するインクジェットヘッド27の場合に、各ノズルを媒体搬送方向(「副走査方向」に相当)と直交する方向(「主走査方向」に相当)に沿って並ぶように投影(正射影)した投影ノズル列は、主走査方向(媒体幅方向)について、記録解像度を達成するノズル密度でノズルが概ね等間隔で並ぶ1列のノズル列と等価なものと考えることができる。「概ね等間隔」とは、印刷システムで記録可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差や着弾干渉による媒体上での液滴の移動を考慮して僅かに間隔を異ならせたものなどが含まれている場合も「等間隔」の概念に含まれる。投影ノズル列(「実質的なノズル列」ともいう。)を考慮すると、主走査方向に沿って並ぶ投影ノズルの並び順に、ノズル位置(ノズル番号)を対応付けることができる。以下の説明で「ノズル位置(ノズル番号)」という場合、この実質的なノズル列におけるノズルの位置(番号)を指す。
ハーフトーン処理部24で生成された多値の信号(本例の場合4値のマーキング信号)は、マーキング部28のインクジェットヘッド27に送られ、対応するノズルの吐出エネルギー発生素子(例えば、圧電素子や発熱素子)の駆動制御に用いられる。すなわち、この4値の信号に従って各ノズルのインク吐出の制御が行われる。大滴インクによって記録媒体上に大ドットが記録され、中滴インクによって記録媒体上に中ドットが記録され、小滴インクによって記録媒体上に小ドットが記録される。こうして、記録媒体上に形成するインクドットの配置による面積階調によって多階調を再現する。
インラインセンサ29は、インクジェットヘッド27により記録媒体に形成された各種のテストチャートを読み取るものであり、例えばCCDラインセンサなどが適用される。このインラインセンサ29によるテストチャートの読み取り結果(特性情報)に基づき、各ノズルの記録特性(例えば記録濃度、着弾位置誤差など)や、異常ノズルの検出が可能となる。
<第1実施形態のPCの構成>
PC14は、大別して、プリント処理制御部30、ユーザーインターフェース(UI)制御部32、LUT/テーブル生成部34、階調変換LUT格納部40、ノズル吐出補正データ格納部(記憶手段)42、ハーフトーンテーブル格納部44を備える。これらの各部は、PC14のハードウエア又はソフトウェア、若しくはこれらの組み合わせによって構成される。
プリント処理制御部30はプリンタ12の動作を制御する。このプリント処理制御部30は、LUT/テーブル生成部34等における各種の処理の制御を行うとともに、UI制御部32と連携してモニタ16の表示制御や入力装置18からの入力指令に対応した制御を行う。
また、プリント処理制御部30は、プリンタ12に対してテストチャートの作成指令、並びにテストチャートの読み取り指令を行う。これらの指令を受けて、プリンタ12はテストチャートの作成、インラインセンサ29によるテストチャートの読み取り、並びにこの読み取り結果のPC14への出力を行う。
LUT/テーブル生成部34は、プリント処理制御部30からの制御信号及びUI制御部32から与えられる指令信号(操作信号)を受けて、階調変換LUT、不吐出ノズル補正LUT46(図2参照)、ハーフトーンテーブル等の画像処理パラメータ、及び異常ノズル情報テーブル47(図2参照)などを生成する。
図2に示すように、LUT/テーブル生成部34は、不吐出ノズル補正LUT生成部52と、異常ノズル検出部(異常ノズル検出手段)53とを有している。不吐出ノズル補正LUT生成部52は、不吐出ノズルに起因する画像のスジムラの補正に用いられる不吐出ノズル補正LUT46を生成する。異常ノズル検出部53は、異常ノズル(不吐出ノズル、曲がりノズル)を検出する。
<不吐出ノズル補正LUT生成処理>
不吐出ノズル補正LUT生成部52は、インラインセンサ29で読み取られたスジムラ補正用テストチャート55の読取結果に基づき、不吐出ノズル補正LUT46を生成する。なお、不吐出ノズル補正LUT46を生成するタイミングは任意であり、例えば、入力装置18で不吐出ノズル補正LUT46の生成開始操作がなされたときに生成する態様、印刷JOBの開始前に生成する態様、一定期間の経過ごとに生成する態様、所定枚数のプリントを実施するごとに生成する態様、記録媒体の種類やサイズを切り替えるごとに生成する態様などがあり得る。不吐出ノズル補正LUT46は、プリント処理制御部30からの指令に基づき、前述の適当なタイミングで更新される。
図3(A)に示すように、スジムラ補正用テストチャート55を生成する際には、インクジェットヘッド27の特定のノズル(少なくとも1つ、好ましくは適当な間隔を隔てた複数のノズル)について、インクを吐出させないようにする(特定のノズルに描画させないようにする)。具体的には、特定のノズルの描画位置での画素の値(濃度の階調を表す画像設定値)を0とする、あるいはインクジェットヘッド27の図示しないヘッドドライバ(駆動回路)に不吐化命令を与える。これにより、特定のノズルが擬似的に不吐出状態とされる。この擬似的に不吐出状態とされたノズルを「疑似不吐出ノズル」と呼ぶ。
また同時に、擬似不吐出ノズルの前後に隣接するノズルの描画位置の画像設定値は、所定の濃度(階調値)のベタ画像に相当する基本画像設定値に補正係数が乗算された値とする。ある特定の濃度に対応した基本画像設定値について、補正係数を段階的に(ステップ状に)を変化させて、複数のパッチを描画する。
なお、図3(A)では、補正係数を5段階に変化させて、5種類の補正係数に対応した5つのパッチを描画した例を示したが、補正係数を変化させるステップ数は特に限定されない。また、ここでは特定の濃度に対応した1つの基本画像設定値に関するチャート(パッチ群)のみを示したが、濃度(階調値)の異なる複数の基本画像設定値について、同様のパッチ群が形成される。
例えば、0〜255階調の範囲を32段階に等分割し、各階調(濃度)の基本画像設定値について、補正係数をステップ状に20段階に変化させて20個のパッチ群を形成する。つまり、1つの疑似不吐出ノズルについて、32×20のパッチが形成される。測定精度向上(計測の信頼性向上)の観点から疑似不吐出ノズルは複数とすることが好ましく、複数の疑似不吐出ノズルについて、同様のパッチ群が形成される。なお、一枚の記録媒体P上に全てのパッチ群を記録する態様に限らず、これら帯状のパターンを複数枚の記録媒体に分けて記録してもよい。
図3(B)に示すように、不吐出ノズル補正LUT生成部52は、インラインセンサ29によるスジムラ補正用テストチャート55の読取結果に基づき、スジムラ補正用テストチャート55において補正係数を変えて描画された複数のパッチの中で視認性が最も良くなる(筋が目立たない良好な出力画質が得られる)補正係数を使用したパッチを選定する。こうして、各基本画像設定値に対する最良の補正係数が決定され、不吐出ノズル補正LUT46が得られる。なお、図中の不吐出ノズル補正LUT46は、不吐出ノズル補正LUTの一例を示したものである。
不吐出ノズル補正LUT46の横軸は、テストチャートを作成するときのベタ指令の濃度(ベースとなる階調)を示す画像設定値を示し、縦軸は最良の補正効果が得られる補正係数として決定された値である。図中では連続的な滑らかなグラフを示したが、例えば、0〜255の値の範囲で32段階にベース階調を変えてテストチャートを作成した場合には、各値に対応した離散的なデータが得られる。この離散的なデータから公知の補間法を利用することで中間のデータが推定される。そして、不吐出ノズル補正LUT生成部52は、不吐出ノズル補正LUT46をノズル吐出補正データ格納部42に格納する。
<異常ノズルの検出処理>
図2及び図4(A)、(B)に示すように、異常ノズル検出部53は、インラインセンサ29による異常ノズル検知用テストチャート(テストチャート)56の読取結果に基づき、インクジェットヘッド27の各ノズルの中の異常ノズルを検出する。
異常ノズルを検出するタイミングは、不吐出ノズル補正LUT46の生成と同様に任意であり、例えば、入力装置18で異常ノズルの検出開始操作がなされたときに検出する態様、印刷JOBの開始前に検出する態様、一定期間の経過ごとに検出する態様、所定枚数のプリントを実施するごとに検出する態様などがあり得る。異常ノズルの検出は、プリント処理制御部30からの指令に基づき前述の適当なタイミングで実行される。
異常ノズル検知用テストチャート56を生成する際には、インクジェットヘッド27の各ノズルにより記録媒体Pにラインパターン58を記録させる。この異常ノズル検知用テストチャート56は、いわゆる「1オンnオフ」型のラインパターンである。
例えば、1つのラインヘッドにおいて、実質的に記録媒体Pの幅方向(主走査方向)に沿って1列に並ぶノズル列(正射影によって得られる実質的なノズル列)を構成するノズルの並びについて、その主走査方向の端から順番にノズル番号を付与する。そして、ノズル番号を2以上の整数「A」で除算したときの剰余数「B」(B=0,1・・A−1)によって同時吐出するノズル群をグループ分けし、AN+0、AN+1、・・・AN+Bのノズル番号のグループごとに打滴タイミングを変えて(ただし、Nは0以上の整数)、それぞれ各ノズルからの連続打滴によるライン群を形成する。これにより、1オンnオフ型のラインパターンが得られる。
このような異常ノズル検知用テストチャート56を用いることで互いに隣接する隣接ノズル同士のラインパターン58が重なり合わず、全ノズルについてそれぞれ他のノズルと区別可能な独立した(ノズル別の)ラインパターン58が形成される。
異常ノズル検知用テストチャート56では、図4(A)中の矩形枠内の「不吐出」で表されるように、インクを全く吐出させることができない不吐出ノズルに対応するラインパターン58が欠落する。また、正常量(画像記録可能な量)のインクを吐出することができない不吐出ノズルに対応するラインパターン58は濃度が低くなる。このため、ラインパターン58が欠落しているか否か、あるいはラインパターン58(後述のラインパターン58aを含む)の濃度が一定の規定値以上となるか否かに基づいて、不吐出ノズルの位置(ノズル番号)を特定することができる。なお、各ラインパターン58の濃度は、各ラインパターン58の幅などに基づき、所定の演算式やテーブルを用いて検出することができる。
また、異常ノズル検知用テストチャート56では、図4(A)中の矩形枠内の「曲がり」で表されるように、曲がりノズルN(E)に対応するラインパターン58aが本来の記録位置(異常が発生していない正常なときに記録される記録位置)に対してずれた位置に記録される。なお、インクの吐出方向が変動するような曲がりノズルN(E)が発生した場合に、この曲がりノズルN(E)に対応するラインパターンは曲がる(図示は省略)。これにより、ラインパターン58aの記録位置から曲がりノズルN(E)の位置を特定することができる。
このような異常ノズル検知用テストチャート56は、上述の「1オンnオフ」タイプのラインパターン以外に、他のラインブロック(例えば、ラインブロック相互間の位置誤差確認用のブロック)やラインブロック間を区切る横線(仕切り線)など、他のパターンを含んでも良い。また、異常ノズル検知用テストチャート56は、インク色の異なるインクジェットヘッド27ごとに形成される。
異常ノズル検出部53は、異常ノズル検知用テストチャート56を解析して不吐出ノズルや曲がりノズルN(E)などの位置を検出し、これらの位置を示すノズル番号などの異常ノズル情報をノズル吐出補正データ格納部42の異常ノズル情報テーブル47に登録(記憶)する。なお、異常ノズル検出部53は、曲がりノズルN(E)を検出したときに、この曲がりノズルN(E)の出力濃度[吐出されるインクの滴量(画像の1ドットを形成するインクの滴量:例えばインクのドット径やノズルから吐出されるインクの平均の滴量など)]を検出する。曲がりノズルN(E)の出力濃度は、例えば、曲がりノズルN(E)に対応するラインパターン58aの幅(平均値、最大値、最小値、特定の部位の幅のいずれでも可)などから検出することができる。
さらに、異常ノズル検出部53には、ずれ量検出部(ずれ量検出手段)53aが設けられている。ずれ量検出部53aは、異常ノズル検出部53で曲がりノズルN(E)が検出されたときに作動する。
図4(B)に示すように、ずれ量検出部53aは、曲がりノズルN(E)に対応するラインパターン58aの本来の記録位置(図中、点線で表示したラインパターン58)からのずれ量Xに基づき、曲がりノズルN(E)から吐出されるインクの記録媒体上での着弾位置のずれ量(以下、着弾位置ずれ量という)を検出する。なお、ずれ量Xはラインパターン58aを構成するドットごとに求め、その最大値、最小値、あるいは平均値などから着弾位置ずれ量を求めてもよい。この着弾位置ずれ量は、曲がりノズルN(E)の不具合の程度を示す指標となる値である。
曲がりノズルN(E)の出力濃度の検出結果、及びずれ量検出部53aによる着弾位置ずれ量の検出結果は、前述の曲がりノズルの異常ノズル情報(ノズル番号)と対応付けられた状態で異常ノズル情報テーブル47に登録(記憶)される(図2参照)。
<曲がりノズル補正データの取得>
図2に戻って、ノズル吐出補正データ格納部42には、前述の不吐出ノズル補正LUT46及び異常ノズル情報テーブル47の他に、曲がりノズルN(E)に起因する画像のスジムラの補正に用いられる曲がりノズル補正データ(補正値)60が格納されている。
曲がりノズルに起因する画像のスジムラの補正は、曲がりノズルN(E)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)を、他の正常ノズルの出力濃度よりも小さい所定の上限値UL(図8参照)以下に制限するとともに、曲がりノズルN(E)に隣接する隣接ノズルN(A)[本発明の正常ノズルに相当、図10参照]の出力濃度を増加させることにより行われる。この補正は、曲がりノズルN(E)からのインクの吐出は停止させずに、出力濃度に上限を設ける点で前述の不吐出ノズルに起因する画像のスジムラの補正とは異なる。曲がりノズル補正データ60は、例えば外部の検査装置で生成された後、入力装置18の入力I/Fなどを介してノズル吐出補正データ格納部42に格納される。なお。ここでいう正常ノズルとは、吐出異常や不吐出異常などの異常が発生していないノズルである。
図5に示すように、曲がりノズル補正データ60を生成する際には、外部の検査装置にて曲がりノズル補正用テストチャート63の作成と読み取りを行う。曲がりノズル補正用テストチャート63には、着弾位置ずれ量が既知の曲がりノズルN(E)を有するインクジェットヘッドを用い、例えば「着弾位置ずれ量X1の曲がりノズルN(E)」の出力濃度(吐出されるインクの滴量)を段階的に減少させて複数のパッチを描画する(図5(A1)、(B1)、・・・)。このため、曲がりノズルN(E)の出力濃度は、他の正常ノズル(補正前及び補正後の隣接ノズルを含む)の出力濃度よりも小さくなる。以下、曲がりノズルN(E)の出力濃度を「曲がりノズル出力濃度」という。
また同時に、隣接ノズルN(A)の描画位置の画像設定値を、所定の濃度(階調値)のベタ画像に相当する基本画像設定値に補正係数が乗算された値とする。ある特定の濃度に対応した基本画像設定値について、補正係数を段階的に変化させて複数のパッチを描画する(図5(A2)、(B2)、・・・)。
このように着弾位置ずれ量X1の曲がりノズルN(E)について、曲がりノズル出力濃度と補正係数とをそれぞれ段階的に変化させてパッチを描画することでパッチ群を形成する。ここでは特定の濃度に対応した1つの基本画像設定値に関するパッチ群のみを示したが、濃度(階調値)の異なる複数の基本画像設定値について同様のパッチ群が形成される。また、測定精度向上(計測の信頼性向上)の観点から、複数の「着弾位置ずれ量X1の曲がりノズル」について同様のパッチ群が形成される。
以下同様にして、着弾位置ずれ量X1とは異なる複数種類の曲がりノズルN(E)についてもそれぞれパッチ群が形成される。
外部の検査装置では、曲がりノズル補正用テストチャート63の読取結果に基づき、例えば着弾位置ずれ量X1の曲がりノズルN(E)について、視認性が良くなる(筋が目立たない良好な出力画質が得られる)曲がりノズル出力濃度の上限値ULを決定する。こうして、着弾位置ずれ量X1の曲がりノズルN(E)について、各基本画像設定値に対する曲がりノズル出力濃度の上限値ULが決定される。
また、検査装置は、曲がりノズル補正用テストチャート63の読取結果に基づき、例えば着弾位置ずれ量X1の曲がりノズルN(E)について、曲がりノズル出力濃度ごとにそれぞれ最も視認性が良くなる補正係数を決定する。こうして、着弾位置ずれ量X1の曲がりノズルN(E)について、曲がりノズル出力濃度ごとに、各基本画像設定値に対する最良の補正係数が決定される。
以下同様にして検査装置は、着弾位置ずれ量ごとに、各基本画像設定値に対する曲がりノズル出力濃度の上限値を決定する。また、検査装置は、着弾位置ずれ量ごとでかつ曲がりノズル出力濃度ごとに、各基本画像設定値に対する最良の補正係数を決定する。
こうして図6に示すように、出力濃度制限LUT群61と、吐出補正LUT群62とを含む曲がりノズル補正データ60が生成される。出力濃度制限LUT群61は、各着弾位置ずれ量ごとに定められた出力濃度制限LUT61aにより構成される。吐出補正LUT群62は、各着弾位置ずれ量ごとでかつインクの滴量ごとに定められた吐出補正LUT62aにより構成される。
出力濃度制限LUT61aは、図示は省略するが、テストチャートを作成するときのベタ指令の濃度(ベースとなる階調)を示す画像設定値と、曲がりノズルN(E)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)の上限値ULとを対応付けたものであり、例えば、図3(B)に示した不吐出ノズル補正LUT46の縦軸を「出力濃度の上限値」に置き換えたグラフである。また、吐出補正LUT62aは、図示は省略するが、画像設定値と、最良の補正効果が得られる補正係数とを対応付けたグラフである。なお、図中の曲がりノズル補正データ60は、曲がりノズル補正データの一例を示したものである。
<ノズル吐出補正処理>
図2に戻って、プリンタ12のノズル吐出補正処理部23には、不吐出ノズル補正処理部65と、曲がりノズル補正処理部66とが設けられている。不吐出ノズル補正処理部65及び曲がりノズル補正処理部66は、画像データ出力時(例えば画像データ50がPC14(画像処理回路20)に入力されたときなど)に作動する。
<不吐出ノズル補正処理部の動作>
不吐出ノズル補正処理部65には、停止処理部65aと信号変換処理部65bとが設けられている。停止処理部65aは、異常ノズル情報テーブル47内の不吐出ノズルのノズル番号に基づき、不吐出ノズルに対して不吐出補正処理(例えば画像設定値を0にする)を行う。これにより、不吐出ノズルが不吐出化される。
信号変換処理部65bは、停止処理部65aによる不吐出補正処理後に作動する。この信号変換処理部65bは、ノズル吐出補正データ格納部42内の不吐出ノズル補正LUT46に基づき、不吐出ノズルに隣接する隣接ノズルの出力濃度が補正されるように、階調変換処理部22による信号変換処理済みの画像信号に対して信号変換処理を施す。
図7に示すように、信号変換処理部65bによる信号変換処理により、不吐出ノズルに隣接する隣接ノズルの出力濃度が不吐出ノズル補正LUT46などにより定められる補正量だけ増加される。図7中では、隣接ノズルの出力濃度が1.0(補正前)から例えば1.5(補正後)に増加している。なお、図7は隣接ノズルの出力濃度の補正の一例を示したものであり、補正量は適宜決定してもよい。また、両隣接ノズルの補正量を異ならせてもよい。さらに、上述したように、隣接ノズルの周辺のノズルの出力濃度の補正も同時に行ってもよい。信号変換処理部65bによる信号変換処理済みの画像信号はハーフトーン処理部24に送られる。
<曲がりノズル補正処理部の動作>
図2に戻って、曲がりノズル補正処理部66には、制限処理部(滴量制限手段)66aと信号変換処理部(滴量補正手段)66bとが設けられている。制限処理部66aは、異常ノズル情報テーブル47内の曲がりノズルN(E)のノズル番号と着弾位置ずれ量と出力濃度とに基づき、曲がりノズル補正データ60を参照して、曲がりノズルN(E)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)を制限する出力濃度制限処理を行う。具体的には、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に対応する出力濃度制限LUT61aを参照して、曲がりノズルN(E)の出力濃度が出力濃度制限LUT61aで定められる上限値UL以下となるように、階調変換処理部22による信号変換処理済みの画像信号に対して信号変換処理を施す。なお、出力濃度が上限値UL以下の曲がりノズルN(E)については、出力濃度制限処理は行わない。
信号変換処理部66bは、制限処理部66aによる出力濃度制限処理後に作動する。この信号変換処理部66bは、異常ノズル情報テーブル47内の曲がりノズルN(E)のノズル番号に基づき、隣接ノズルN(A)の出力濃度が補正されるように、曲がりノズル補正データ60を参照して、階調変換処理部22による信号変換処理済みの画像信号に対して信号変換処理を施す。具体的には、異常ノズル情報テーブル47内の着弾位置ずれ量と、出力濃度制限処理後の曲がりノズルN(E)の出力濃度とに対応する吐出補正LUT62aを参照して、隣接ノズルN(A)の出力濃度が増加するように画像信号に対して信号変換処理を施す。
図8に示すように、制限処理部66aによる出力濃度制限処理(信号変換処理後)により、曲がりノズルの出力濃度が出力濃度制限LUT61aで定められる上限値UL以下となるように制限される。図中では、曲がりノズルN(E)の出力濃度が1.0(補正前)から上限値UL(例えば0.6)まで減少される。なお、本実施形態では曲がりノズルN(E)の出力濃度を上限値ULに設定しているが、上限値ULよりも低い値に設定してもよい。
また、信号変換処理部66bによる信号変換処理により、隣接ノズルN(A)の出力濃度が吐出補正LUT62aなどにより定められる補正量だけ増加される。図8中では、隣接ノズルの出力濃度が1.0(補正前)から例えば1.5(補正後)に増加している。なお、図8は隣接ノズルN(A)の出力濃度の補正の一例を示したものであり、両隣接ノズルN(A)の補正量を異ならせたり、隣接ノズルN(A)の周辺のノズルの出力濃度の補正も同時に行ったりしてもよい。制限処理部66a及び信号変換処理部66bによる信号変換処理済みの画像信号はハーフトーン処理部24に送られる。
<第1実施形態のインクジェット印刷システムの作用>
図9に示すフローチャートを用いて上記構成の印刷システム10の作用について説明を行う。画像データ50の出力前(画像記録前)に、前述の不吐出ノズル補正LUT生成処理により得られた不吐出ノズル補正LUT46と、外部の検査装置等で得られた曲がりノズル補正データ60とがそれぞれノズル吐出補正データ格納部42に格納される(ステップS1、S2)。
また、画像データ50の出力前(画像記録前)に、プリント処理制御部30は、所定のタイミングでプリンタ12に対してテストチャート作成・読取指令を送る。この指令を受けて、マーキング部28にて記録媒体Pに異常ノズル検知用テストチャート56が記録(出力)された後、異常ノズル検知用テストチャート56がインラインセンサ29で読み取られる。この読取結果は異常ノズル検出部53に送られる。
次いで、プリント処理制御部30は、異常ノズル検出部53に対して異常ノズル検出指令を送る。この指令を受けて異常ノズル検出部53は、異常ノズル検知用テストチャート56の読取結果を解析して、インクジェットヘッド27の各ノズルの中の不吐出ノズルや曲がりノズルN(E)などの異常ノズル(その位置を示すノズル番号)を検出する。また、異常ノズル検出部53は、曲がりノズルN(E)を検出したときにその出力濃度を同時に検出する。さらに、曲がりノズルN(E)が検出されたときに、ずれ量検出部53aが作動して、曲がりノズルN(E)に対応するラインパターン58aから着弾位置ずれ量を検出する。これにより、不吐出ノズルのノズル番号と、曲がりノズルN(E)のノズル番号及び着弾位置ずれ量とがそれぞれ異常ノズル情報テーブル47に登録される(ステップS3:異常ノズル検出ステップ)。
なお、前述のステップS1,S2,S3を実行するタイミングは任意であり、入力装置18で開始操作がなされたとき、印刷JOBの開始前、一定期間の経過ごと、所定枚数のプリントを実施するごとなどの適当なタイミングで実行してもよい。また、ステップS1,S2の前にステップS3を実行してもよい。
画像データ50がPC14に入力された後(ステップS4)に、入力装置18で印刷開始操作がなされると、プリント処理制御部30は、画像データ50をPC14に送るとともに、画像処理回路20に対して画像処理指令を発する。この指令を受けて画像処理回路20の階調変換処理部22、ノズル吐出補正処理部23、ハーフトーン処理部24が作動する。
階調変換処理部22は、階調変換LUTで定められた変換関係に従って、PC14から入力された画像データ50(画像信号)を変換する(ステップS5)。次いで、ノズル吐出補正処理部23の各部(不吐出ノズル補正処理部65、曲がりノズル補正処理部66)が作動する。
<曲がりノズル補正処理>
曲がりノズル補正処理部66の制限処理部66aは、異常ノズル情報テーブル47を参照して、インクジェットヘッド27に曲がりノズルN(E)が含まれているか否かをチェックし、曲がりノズルN(E)が含まれている場合にはそのノズル番号と着弾位置ずれ量と出力濃度とを取得する(ステップS6)。これにより、曲がりノズルN(E)の位置と着弾位置ずれ量と出力濃度とが判別される。
次いで、制限処理部66aは、曲がりノズル補正データ60の出力濃度制限LUT群61の中から曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に対応する出力濃度制限LUT61aを選択して参照する(ステップS7)。これにより、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に応じた出力濃度の上限値ULが定められる。
上限値ULが定められた後、制限処理部66aは、出力濃度が上限値ULを上回る曲がりノズルN(E)の出力濃度が上限値UL以下となるように、階調変換処理部22による信号変換処理済みの画像信号に対して信号変換処理(出力濃度制限処理)を行う(ステップS8:滴量低減ステップ)。これにより、曲がりノズルN(E)は不吐出化されないものの、出力濃度が上限値UL以下に制限される。その結果、曲がりノズルN(E)から吐出されるインクの滴量(画像の1ドットを形成するインクの滴量:例えばインクのドット径やノズルから吐出されるインクの平均の滴量など)がある一定の滴量以下に制限される。
出力濃度制限処理の後、信号変換処理部66bは、曲がりノズル補正データ60の吐出補正LUT群62を参照する。そして、信号変換処理部66bは、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量と、出力濃度制限処理後の曲がりノズルN(E)の出力濃度(例えば、上限値UL)とに対応した吐出補正LUT62aを選択して参照する(ステップS9)。これにより、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量及び出力濃度に応じた最良の補正係数が定められる。
次いで、信号変換処理部66bは、先に定めた補正係数に従って、曲がりノズルN(E)に隣接する隣接ノズルN(A)の出力濃度が増加するように、階調変換処理部22による信号変換処理済みの画像信号に対して信号変換処理を行う(ステップS10:滴量補正ステップ)。これにより、隣接ノズルN(A)の出力濃度が増加する。すなわち、隣接ノズルN(A)から吐出されるインクの滴量が増加する。
<不吐出ノズル補正処理>
不吐出ノズル補正処理部65の停止処理部65aは、異常ノズル情報テーブル47を参照して、インクジェットヘッド27に不吐出ノズルが含まれているか否かをチェックし、曲がりノズルが含まれている場合にはそのノズル番号を取得する(ステップS11)。これにより、不吐出ノズルの位置が判別される。
次いで、停止処理部65aは、不吐出ノズルに対して不吐出補正処理(例えば画像設定値を0にする)を行う(ステップS12)。この不吐出補正処理後、信号変換処理部65bは、不吐出ノズル補正LUT46に基づき、不吐出ノズルに隣接する隣接ノズルの出力濃度が補正されるように、階調変換処理部22による信号変換処理済みの画像信号に対して信号変換処理を施す(ステップS12)。これにより、不吐出ノズルが不吐出化されるとともに、隣接ノズルの出力濃度が増加する。
なお、図中では曲がりノズル補正処理(ステップS6〜S10)を先に実行しているが、不吐出ノズル補正処理(ステップS11〜S12)を先に実行してもよく、さらに、曲がりノズル補正処理と不吐出ノズル補正処理とを同時に実行してもよい。また、ノズル吐出補正処理部23において、曲がりノズル補正処理及び不吐出ノズル補正処理以外に、各ノズルが持つ吐出特性(記録特性)のばらつきに起因する記録画像の濃度ムラの補正を行ってもよい。なお、濃度ムラの補正は公知(例えば、特開2010−82989号公報参照)であるのでここでは具体的な説明は省略する。
<その他の処理>
ハーフトーン処理部24は、ノズル吐出補正処理部23の各部で信号変換処理等された多階調の画像信号を多値(例えば4値)の信号に変換するハーフトーン処理を行う(ステップS13)。ハーフトーン処理により生成された多値の信号はマーキング部28に送られる。
マーキング部28では、プリント処理制御部30による制御の下、ハーフトーン処理部24から入力された多値の信号に基づき、インクジェットヘッド27の各ノズルを駆動制御されて、各ノズルからインクが吐出される。インクジェットヘッド27と記録媒体Pとを相対移動させながら各ノズルにより記録媒体上にドットを記録することで、記録媒体P上に画像が形成される(ステップS14)。
<第1実施形態の作用効果>
図10(A)に示すように、本実施形態では曲がりノズルN(E)が発生している場合に、この曲がりノズルN(E)を不吐出化せずに出力濃度を上限値UL以下に制限した上で、隣接ノズルN(A)の出力濃度を増加させている。このため、図21及び図22で説明した着弾干渉により隣接ノズルN(A)から吐出されるインクの間隔が広がってしまう場合でも、曲がりノズルN(E)から吐出されるインクにより描画記録を行うことができる。その結果、図21に示したようなスジムラの発生を抑えることができる。また、曲がりノズルN(E)の出力濃度は制限されているので、図20に示したスジムラの発生も抑えられる。これにより、図10(B)に示すように、曲がりノズルに起因する画像のムラ(スジムラ)を抑えることができるので、良好な画像が得られる。
また、曲がりノズルN(E)からインクを吐出させることで、隣接ノズルN(A)から吐出されるインクの滴量(インクの使用量)を減らすことができる。このため、隣接ノズルN(A)から吐出されるインクの滴量が大きくなりすぎて着弾位置が不安定となるといった問題の発生も抑えられる。
さらに本実施形態では、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に応じてこの曲がりノズルN(E)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)の上限値ULを変えている。このため、例えば、着弾位置ずれ量が小さい場合(曲がりノズルN(E)の不具合の程度が小さい場合)には上限値ULを増加させることで出力濃度を増加させることができる。また、逆に着弾位置ずれ量が大きい場合(曲がりノズルN(E)の不具合の程度が大きい場合)には、上限値ULを減少させることで出力濃度を減少させることができる。これにより、曲がりノズルN(E)に起因する画像のムラ(スジムラ)をより確実に抑えることができるので、良好な画像が得られる。
さらにまた本実施形態では、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量などに応じて隣接ノズルN(A)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)を変えている。これにより、画像のムラ(スジムラ)の発生がより確実に抑えられる。また、隣接ノズルN(A)の出力濃度を減少させることができるので、インクの使用量を減らすことができる。
<第1実施形態の他の構成>
上記第1実施形態では、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に応じてこの曲がりノズルN(E)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)の上限値ULを変えているが、着弾位置ずれ量に関係なく、ある一定の上限値ULを設定してもよい。この場合には、多数の出力濃度制限LUT61aを求める手間を省くことができる。さらに、上限値ULを一定にすることで、吐出補正LUT62aをより簡単に求める(例えば、曲がりノズルN(E)の出力濃度は考慮せず、着弾位置ずれ量ごとに求める)ことができる。
[第2実施形態のインクジェット印刷システムの構成]
次に、図11を用いて本発明の第2実施形態の印刷システム70について説明を行う。上記第1実施形態の印刷システム10では、曲がりノズルN(E)の出力濃度を上限値UL以下に制限するためにハーフトーン処理前の画像データに画像処理(信号変換処理)を施している。これに対して、印刷システム70ではハーフトーン処理後の多値(例えば4値)の信号を修正することにより、曲がりノズルN(E)から小滴のみを吐出させる。
なお、印刷システム70は、ハーフトーン処理後のドットデータに画像処理を施す点を除けば、上記第1実施形態の印刷システム10と基本的に同じ構成である。従って、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
<第2実施形態のPCの構成>
第2実施形態のPC14は、第1実施形態とは異なる曲がりノズル補正データ72がノズル吐出補正データ格納部42に格納されている点を除けば、第1実施形態のPC14と基本的に同じ構成である。
曲がりノズル補正データ72は、第1実施形態とは異なる吐出補正LUT群73により構成されている。吐出補正LUT群73は、着弾位置ずれ量ごとに定められた吐出補正LUT73aにより構成されている。吐出補正LUT73aは、図5に示した曲がりノズル補正用テストチャート63と基本的には同じテストチャート(ただし、曲がりノズルN(E)から吐出されるインクは小滴に固定)を解析して、着弾位置ずれ量ごとに、各基本画像設定値に対する「最良の補正係数」を決定することにより生成される。
<第2実施形態のプリンタの構成>
第2実施形態のプリンタ12は、ノズル吐出補正処理部23に第1実施形態とは異なる曲がりノズル補正処理部(滴量補正手段)75が設けられているとともに、ハーフトーン処理部24に制限処理部(滴量制限手段)76が設けられている点を除けば、第1実施形態のプリンタ12と基本的に同じ構成である。
曲がりノズル補正処理部75は、第1実施形態で説明した曲がりノズルN(E)の出力濃度制限処理は行わず、第1実施形態の信号変換処理部66bと同様に隣接ノズルN(A)の出力濃度を補正する。具体的には、異常ノズル情報テーブル47内の曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に対応する吐出補正LUT73aを参照して、隣接ノズルN(A)の出力濃度が増加するように画像信号に対して信号変換処理を施す。
制限処理部76は、異常ノズル情報テーブル47内の曲がりノズルN(E)のノズル番号に基づき、出力濃度が上限値ULを上回る曲がりノズルN(E)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)を上限値UL以下に制限する出力濃度制限処理を行う。具体的には、ハーフトーン処理部24によるハーフトーン処理後の多値(例えば4値)の信号のうち、曲がりノズルN(E)に対応する「大滴インクを吐出する」の信号及び「中滴インクを吐出する」の信号を、「小滴インクを吐出する」の信号に修正する。なお、本実施形態では、曲がりノズルに対応する信号が「吐出しない」の場合には修正を行わない。
<第2実施形態のインクジェット印刷システムの作用>
図12に示すフローチャートを用いて上記構成の印刷システム70の作用について説明を行う。なお、ハーフトーン処理(ステップS13)までの処理の流れは、図9に示した第1実施形態の処理の流れと基本的に同じであるので、ここでは説明は省略する。ただし、印刷システム70では、曲がりノズル補正処理部75による出力濃度制限処理(図9のステップS7、S8に相当)は実施されない。また、不吐出ノズル補正処理(図9のステップS11、S12)についても第1実施形態と同様であるので、ここでは説明は省略する。
ハーフトーン処理後、プリント処理制御部30からの指令を受けてハーフトーン処理部24の制限処理部76が作動する。制限処理部76は、異常ノズル情報テーブル47を参照して、インクジェットヘッド27に曲がりノズルN(E)が含まれているか否かをチェックし、曲がりノズルN(E)が含まれている場合にはそのノズル番号及び出力濃度を取得する(ステップS16)。これにより、曲がりノズルN(E)の位置が判別される。
次いで、制限処理部76は、ハーフトーン処理後の多値の信号のうち、出力濃度が上限値ULを上回る曲がりノズルに対応する「大滴インクを吐出する」及び「中滴インクを吐出する」の信号を「小滴インクを吐出する」の信号に修正する(ステップS17)。これにより、曲がりノズルN(E)は不吐出化されないものの、この曲がりノズルN(E)から吐出されるインクは小滴以下の滴量に限定される。すなわち、第1実施形態と同様に曲がりノズルN(E)の出力濃度が上限値UL以下に制限される。
ハーフトーン処理後の多値の信号(制限処理部76で修正済みの信号を含む)は、マーキング部28に送られ、以下、第1実施形態と同様に記録媒体P上に画像が形成される。
<第2実施形態の作用効果>
第1実施形態と同様に、曲がりノズルN(E)の出力濃度を制限するとともに、隣接ノズルN(A)の出力濃度を増加させているので、第1実施形態で説明した効果と同様の効果が得られる。
<第2実施形態の他の構成>
上記第2実施形態では、曲がりノズルN(E)に対応する信号が「吐出しない」の場合には修正を行っていないが、「吐出しない」の信号も「小滴インクを吐出する」の信号に修正してもよい。また、上記第2実施形態では、出力濃度が上限値ULを上回る曲がりノズルN(E)に対応する「大滴・中滴インクを吐出する」の信号を「小滴インクを吐出する」の信号に修正しているが、出力濃度に関係なく全ての曲がりノズルN(E)についての信号を修正してもよい。
上記第2実施形態では、曲がりノズルN(E)から吐出されるインクの滴量を小滴以下に制限しているが、出力濃度(吐出されるインクの滴量)を上限値UL以下に制限可能な範囲内で、複数種類の滴種の中から選択された滴種以下(例えば中滴以下)にインクの滴量を制限してもよい。
[第3実施形態のインクジェット印刷システムの構成]
次に、図13を用いて本発明の第3実施形態の印刷システム80について説明を行う。上記第1及び第2実施形態の印刷システム10,70では画像処理により曲がりノズルN(E)の出力濃度の制限と隣接ノズルN(A)の出力濃度の補正とを行っている。これに対して、印刷システム80では、インクジェットヘッド27の各ノズルを駆動する駆動信号を調整することにより、曲がりノズルN(E)の出力濃度の制限と隣接ノズルN(A)の出力濃度の補正とを行う。
なお、印刷システム80は、基本的には上記第1実施形態の印刷システム10と同じ構成であるので、上記第1実施形態と機能・構成上同一のものについては同一符号を付してその説明は省略する。
<第3実施形態のPCの構成>
第3実施形態のPC14は、第1実施形態とは異なる曲がりノズル補正データ82と、不吐出ノズル補正LUT83とがノズル吐出補正データ格納部42に格納されている点を除けば、第1実施形態のPC14と基本的に同じ構成である。
曲がりノズル補正データ82は、曲がりノズルN(E)の駆動信号の調整(出力濃度制限処理)に用いられる出力濃度制限LUT群85と、隣接ノズルN(A)の駆動信号の調整(出力濃度の補正)に用いられる吐出補正LUT群86とを有している。
出力濃度制限LUT群85は、第1実施形態の出力濃度制限LUT群61(図6参照)と同様に、各着弾位置ずれ量ごとに定められた出力濃度制限LUT85aにより構成されている。個々の出力濃度制限LUT85aは、各基本画像設定値に対して視認性が良くなる曲がりノズルN(E)の駆動信号の大きさの上限値UL’(図14参照)を定めたものである。
吐出補正LUT群86は、各着弾位置ずれ量ごとでかつ各上限値UL’にそれぞれ定められた吐出補正LUT86aにより構成されている。個々の吐出補正LUT86aは、基本画像設定値ごとに隣接ノズルN(A)の駆動信号を補正する補正係数、すなわち、最も視認性が良くなるような最良の補正係数を定めたものある。なお、各出力濃度制限LUT85a及び各吐出補正LUT86aの生成方法は、第1実施形態の各出力濃度制限LUT61a及び各吐出補正LUT62aの生成方法と基本的に同じであるので、ここでは説明を省略する。
不吐出ノズル補正LUT83は、基本画像設定値ごとに隣接ノズル(不吐出ノズルに隣接するノズル)の駆動信号を補正する補正係数、すなわち、最も視認性が良くなるような最良の補正係数を定めたものある。この不吐出ノズル補正LUT83は、不吐出ノズル補正LUT生成部87により生成される。なお、不吐出ノズル補正LUT83の生成方法は、第1実施形態の不吐出ノズル補正LUT46の生成方法と基本的に同じであるので、ここでは説明を省略する。
<第3実施形態のプリンタの構成>
第3実施形態のプリンタ12は、マーキング部90にて曲がりノズル補正処理及び不吐出ノズル補正処理を行う点を除けば、第1実施形態のPC14と基本的に同じ構成である。
マーキング部90には、インクジェットヘッド27の各ノズルに対してそれぞれ駆動信号を送るヘッドドライバ91、曲がりノズル補正処理部(滴量制限手段、滴量補正手段)92、及び不吐出ノズル補正処理部93が設けられている。
曲がりノズル補正処理部92は、異常ノズル情報テーブル47内の曲がりノズルN(E)のノズル番号と着弾位置ずれ量に基づき、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に対応する出力濃度制限LUT85aを参照する。そして、曲がりノズル補正処理部92は、出力濃度制限LUT85aに基づき、ヘッドドライバ91から出力される曲がりノズルN(E)の駆動信号の大きさを制限する駆動信号制限処理を実行する。
具体的には、図14(A)、(B)に示すように、曲がりノズルN(E)の駆動信号(波形)の大きさが出力濃度制限LUT85aで定められる上限値UL’以下となるように、ヘッドドライバ91を制御する。これにより、曲がりノズルN(E)の駆動信号の大きさ(振幅)が、例えば補正前の1.0から上限値UL’の0.5以下に制限される。なお、本実施形態では駆動信号の大きさを上限値UL’に調整しているが、この上限値UL’よりも低い値に調整してもよい。このように駆動信号の大きさを制限することで、上記第1及び第2実施形態と同様に、曲がりノズルN(E)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)が制限される。
また、曲がりノズル補正処理部92は、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量と上限値UL’とに対応する吐出補正LUT86aを参照して、ヘッドドライバ91から出力される隣接ノズルN(A)の駆動信号の大きさを補正する駆動信号補正処理を実行する。具体的には、吐出補正LUT86aで定められた最良の補正係数に従って補正された駆動信号が隣接ノズルN(A)へ出力されるようにヘッドドライバ91を制御する。これにより、図14(C)に示すように、隣接ノズルN(A)の駆動信号の大きさ(振幅)が、例えば補正前の1.0から1.5に増加される。
図13に戻って、不吐出ノズル補正処理部93は、異常ノズル情報テーブル47内の不吐出ノズルのノズル番号に基づき、不吐出ノズルに対して不吐出補正処理(例えば駆動信号の大きさ(振幅)を0にする)を行う。これにより、不吐出ノズルが不吐出化される。
また、不吐出ノズル補正処理部93は、不吐出ノズル補正LUT83に基づき、不吐出ノズルに隣接する隣接ノズルの駆動信号の大きさ(振幅)を補正する。これにより、駆動信号の大きさが不吐出ノズル補正LUT83で定められる補正量だけ増加される。
<第3実施形態のインクジェット印刷システムの作用>
図13に示すフローチャートを用いて上記構成の印刷システム80の作用について説明を行う。なお、ハーフトーン処理(ステップS13)までの処理の流れは、図9に示した第1実施形態の処理の流れと基本的に同じであるので、ここでは説明は省略する。ただし、印刷システム80では、ハーフトーン処理前の曲がりノズル補正処理(ステップS6〜S10)と、不吐出補正処理(ステップS11、S12)は実施されない。
ハーフトーン処理後の多値の信号がマーキング部90に送られた後、プリント処理制御部30からの指令を受けてヘッドドライバ91が作動する。ヘッドドライバ91は、ハーフトーン処理部24から入力された多値の信号に基づき、インクジェットヘッド27の各ノズルを駆動して画像記録を開始する。また、これと同時に、曲がりノズル補正処理部92と不吐出ノズル補正処理部93とが作動する。
曲がりノズル補正処理部92は、異常ノズル情報テーブル47を参照して、そのノズル番号と着弾位置ずれ量とを取得する(ステップS19)。これにより、曲がりノズルN(E)の位置と着弾位置ずれ量とが判別される。
次いで、曲がりノズル補正処理部92は、出力濃度制限LUT群85の中から曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に対応する出力濃度制限LUT85aを選択して参照する。これにより、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に応じた駆動信号の大きさの上限値UL’が定められる。
上限値UL’が定められた後、曲がりノズル補正処理部92は、駆動信号制限処理を実行して、曲がりノズルN(E)の駆動信号の大きさが出力濃度制限LUT85aで定められる上限値UL’以下となるように、ヘッドドライバ91を制御する(ステップS20)。これにより、曲がりノズルN(E)は、不吐出化されないものの、駆動信号の大きさが制限されることで、出力濃度がある一定濃度以下(吐出されるインクの滴量がある一定の滴量以下)に制限される。
また、曲がりノズル補正処理部92は、吐出補正LUT群86の中から曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量と上限値UL’とに対応する吐出補正LUT86aを参照する。これにより、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量及び上限値UL’に応じた最良の補正係数が定められる。
次いで、曲がりノズル補正処理部92は、駆動信号補正処理を実行して、先に定めた補正係数に従って隣接ノズルN(A)の駆動信号の大きさが増加されるようにヘッドドライバ91を制御する(ステップS21)。駆動信号の大きさが増加されることにより、隣接ノズルの出力濃度が増加する。すなわち、隣接ノズルから吐出されるインクの滴量が増加する。
また、図示は省略するが、不吐出ノズル補正処理部93は、異常ノズル情報テーブル47を参照した結果、インクジェットヘッド27に不吐出ノズルが含まれている場合には、不吐出ノズルに対して不吐出補正処理(例えば駆動信号の大きさ(振幅)を0にする)を施す。また、不吐出ノズル補正処理部93は、不吐出ノズル補正LUT83に基づき、不吐出ノズルに隣接する隣接ノズルの駆動信号の大きさが増加するように、ヘッドドライバ91を制御する。これにより、不吐出ノズルが不吐出化されるとともに、隣接ノズルの出力濃度が増加される。
以下、上記第1及び第2実施形態と同様に、インクジェットヘッド27と記録媒体Pとを相対移動させながら各ノズルにより記録媒体上にドットを記録することで、記録媒体P上に画像が形成される(ステップS14)。
<第3実施形態の作用効果>
第1実施形態と同様に、曲がりノズルN(E)の出力濃度を制限するとともに、隣接ノズルN(A)の出力濃度を増加させているので、第1実施形態で説明した効果と同様の効果が得られる。
<第3実施形態の他の構成>
上記第3実施形態では、曲がりノズルN(E)の出力濃度の制限や隣接ノズルN(A)の出力濃度を増加させるために、ノズルの駆動信号の大きさ(振幅)を調整しているが、例えば駆動信号のパルス幅や周波数などを調整してもよい。
また、上記第3実施形態では、曲がりノズルN(E)の着弾位置ずれ量に応じて曲がりノズルN(E)の駆動信号の大きさの上限値UL’を変えているが、着弾位置ずれ量に関係なく、ある一定の上限値UL’を設定してもよい。この場合には、多数の出力濃度制限LUT85aを求める手間を省くことができ、さらに、吐出補正LUT62aをより簡単に求めることができる。
<インクジェット記録装置の構成例>
次に、図1に示したプリンタ12の一例であるインクジェット記録装置の構成例について説明する。
図16に示すように、インクジェット記録装置100は、描画ドラム170に保持された記録媒体P(以下、「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Y(上記各実施形態のインクジェットヘッド27に相当)から複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体P上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体P上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたドロップオンデマンドタイプの画像形成装置である。
インクジェット記録装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122を備えて構成される。
(給紙部)
給紙部112には、枚葉紙である記録媒体Pが積層されている。給紙部112の給紙トレイ150から記録媒体Pが一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。記録媒体Pとして、枚葉紙(カット紙)を用いているが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部114は、記録媒体Pの記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
処理液付与部114は、給紙胴152、処理液ドラム154、及び処理液塗布装置156を備えている。処理液ドラム154は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)155を備え、この保持手段155の爪と処理液ドラム154の周面の間に記録媒体Pを挟み込むことによって記録媒体Pの先端を保持できるようになっている。処理液ドラム154の外周面に吸引孔を設け、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体Pを処理液ドラム154の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム154の周面に対向して処理液塗布装置156が配置される。処理液塗布装置156は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム154上の記録媒体Pに圧接されて計量後の処理液を記録媒体Pに転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置156によれば、処理液を計量しながら記録媒体Pに塗布することができる。本実施形態では、ローラによる塗布方式を適用した構成を例示したが、これに限定されず、例えば、スプレー方式、インクジェット方式などの各種方式を適用することも可能である。
処理液が付与された記録媒体Pは、処理液ドラム154から中間搬送部126を介して描画部116の描画ドラム170へ受け渡される。
(描画部)
描画部116は、描画ドラム170、用紙抑えローラ174、及びインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを備えている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。
インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yはそれぞれ、記録媒体Pにおける画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yは、記録媒体Pの搬送方向(描画ドラム170の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム170上に密着保持された記録媒体Pの記録面に向かって各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部114で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体P上での色材流れなどが防止され、記録媒体Pの記録面に画像が形成される。
すなわち、描画ドラム170によって記録媒体Pを一定の速度で搬送し、この搬送方向について、記録媒体Pと各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録媒体Pの画像形成領域に画像を記録することができる。
描画部116で画像が形成された記録媒体Pは、描画ドラム170から中間搬送部128を介して乾燥部118の乾燥ドラム176へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、乾燥ドラム176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体Pの先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置178は、乾燥ドラム176の外周面に対向する位置に配置され、複数のハロゲンヒータ180と、各ハロゲンヒータ180の間にそれぞれ配置された温風噴出ノズル182とで構成される。乾燥部118で乾燥処理が行われた記録媒体Pは、乾燥ドラム176から中間搬送部130を介して定着部120の定着ドラム184へ受け渡される。
(定着部)
定着部120は、定着ドラム184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体Pの先端を保持できるようになっている。
定着ドラム184の回転により、記録媒体Pの記録面に対して、ハロゲンヒータ186による予備加熱と、定着ローラ188による定着処理と、インラインセンサ190による検査が行われる。
定着ローラ188は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体Pを加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ188は、定着ドラム184に対して圧接するように配置されており、定着ドラム184との間でニップローラを構成するようになっている。記録媒体Pは、定着ローラ188と定着ドラム184との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。
また、定着ローラ188は、ハロゲンランプなどを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度に制御される。
インラインセンサ190は、記録媒体Pに形成された画像(上記各実施形態のテストチャートなどを含む)を読み取り、画像の濃度、画像の欠陥などを検出するための手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
定着部120によれば、乾燥部118で形成された薄層の画像層内のラテックス粒子が定着ローラ188によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体Pに固定定着させることができる。また、定着ドラム184の表面温度は50℃以上に設定されている。定着ドラム184の外周面に保持された記録媒体Pを裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
なお、高沸点溶媒及びポリマー微粒子(熱可塑性樹脂粒子)を含んだインクに代えて、UV露光にて重合硬化可能なモノマー成分を含有していてもよい。この場合、インクジェット記録装置100は、ヒートローラによる熱圧定着部(定着ローラ188)の代わりに、記録媒体P上のインクにUV光を露光するUV露光部を備える。このように、UV硬化性樹脂などの活性光線硬化性樹脂を含んだインクを用いる場合には、加熱定着の定着ローラ188に代えて、UVランプや紫外線LD(レーザダイオード)アレイなど、活性光線を照射する手段が設けられる。
(排紙部)
定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部120の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。記録媒体Pは、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。搬送ベルト196による用紙搬送機構の詳細は図示しないが、印刷後の記録媒体Pは無端状の搬送ベルト196間に渡されたバー(不図示)のグリッパーによって用紙先端部が保持され、搬送ベルト196の回転によって排出トレイ192の上方に運ばれてくる。
また、図示は省略するが、本例のインクジェット記録装置100には、上記構成の他、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部114に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体Pの位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
<ヘッドの構造>
次に、ヘッドの構造について説明する。各ヘッド172M、172K、172C、172Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号250によってヘッドを示すものとする。
図17(a)はヘッド250の構造例を示す平面透視図であり、図17(b)はその一部の拡大図である。また、図18はヘッド250の他の構造例を示す平面透視図、図19は記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル251に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図17中のA−A線に沿う断面図)である。
図17(a)に示したように、本例のヘッド250は、インク吐出口であるノズル251と、各ノズル251に対応する圧力室252等を有する複数のインク室ユニット(液滴吐出素子)253をマトリクス状に二次元配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影(正射影)される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体Pの送り方向(矢印S方向;副走査方向)と略直交する方向(矢印M方向;主走査方向)に記録媒体Pの描画領域の全幅Wmに対応する長さ以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図17(a)の構成に代えて、図18(a)に示すように、複数のノズル251が二次元に配列された短尺のヘッドモジュール250’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体Pの全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成する態様や、図18(b)に示すように、ヘッドモジュール250”を1列に並べて繋ぎ合わせる態様もある。
各ノズル251に対応して設けられている圧力室252は、その平面形状が概略正方形となっており(図17(a)、(b)参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル251への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)254が設けられている。なお、圧力室252の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図19に示すように、ヘッド250は、ノズル251が形成されたノズルプレート251Aと、圧力室252や共通流路255等の流路が形成された流路板252P等を積層接合した構造から成る。
流路板252Pは、圧力室252の側壁部を構成するとともに、共通流路255から圧力室252にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としての供給口254を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図19では簡略的に図示しているが、流路板252Pは一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート251A及び流路板252Pは、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通流路255はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路255を介して各圧力室252に供給される。
圧力室252の一部の面(図19において天面)を構成する振動板256には、個別電極257を備えた圧電アクチュエータ258が接合されている。本例の振動板256は、圧電アクチュエータ258の下部電極に相当する共通電極259として機能するニッケル(Ni)導電層付きのシリコン(Si)から成り、各圧力室252に対応して配置される圧電アクチュエータ258の共通電極を兼ねる。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様も可能であり、この場合は、振動板部材の表面に金属などの導電材料による共通電極層が形成される。また、ステンレス鋼(SUS)など、金属(導電性材料)によって共通電極を兼ねる振動板を構成してもよい。
個別電極257に駆動電圧を印加することによって圧電アクチュエータ258が変形して圧力室252の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル251からインクが吐出される。インク吐出後、圧電アクチュエータ258が元の状態に戻る際、共通流路255から供給口254を通って新しいインクが圧力室252に再充填される。
かかる構造を有するインク室ユニット253を図17(b)に示す如く、主走査方向に
沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。かかるマトリクス配列において、副走査方向の隣接ノズル間隔をLsとするとき、主走査方向については実質的に各ノズル251が一定のピッチP=Ls/tanθで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。
ノズル251の配列形態は図示の例に限定されず、様々なノズル配置構造を適用できる。例えば、1列の直線配列、V字状のノズル配列、V字状配列を繰り返し単位とするジグザク状(W字状など)のような折れ線状のノズル配列なども可能である。
<本実施形態の作用効果>
本実施形態によれば、曲がりノズルなどの吐出異常ノズルを不吐出化させることなく、出力濃度(吐出されるインクの滴量)を制限している。
着弾干渉により吐出異常ノズルに隣接する隣接ノズルから吐出されるインクの間隔が広がってしまう場合でも、吐出異常ノズルにより描画記録を行うことができるので、スジムラの発生が抑えられる。
<変形例>
上記実施形態では、記録媒体Pに直接インク滴を打滴して画像を形成する方式(直接記録方式)のインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、一旦、中間転写体上に画像(一次画像)を形成し、その画像を転写部において記録紙に対して転写することで最終的な画像形成を行う中間転写型の画像形成装置についても本発明を適用することができる。
<ヘッドと用紙を相対移動させる手段について>
上述の実施形態では、停止したインクジェットヘッドに対して記録媒体を搬送する構成を例示したが、本発明の実施に際しては、停止した記録媒体(被描画媒体)に対してヘッドを移動させる構成も可能である。
<記録媒体について>
「記録媒体」は、インクジェットヘッドから吐出された液滴によってドットが記録される媒体の総称であり、印字媒体、被記録媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体など様々な用語で呼ばれるものが含まれる。本発明の実施に際して、記録媒体の材質や形状等は、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フィルム、布、不織布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々な媒体に適用できる。
<吐出方式について>
なお、インクジェットヘッドにおける各ノズルから液滴を吐出させるための吐出用の圧力(吐出エネルギー)を発生させる手段は、ピエゾアクチュエータ(圧電素子)に限らない。圧電素子の他、静電アクチュエータ、サーマル方式(ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させる方式)におけるヒータ(加熱素子)や他の方式による各種アクチュエータなど様々な圧力発生素子(吐出エネルギー発生素子)を適用し得る。ヘッドの吐出方式に応じて、相応のエネルギー発生素子が流路構造体に設けられる。
<装置応用例>
上記の各実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを描画するインクジェット装置に広く適用できる。
上記各実施形態では、曲がりノズルN(E)の出力濃度(吐出されるインクの滴量)を制限する場合について説明したが、インクを吐出可能な他の吐出異常ノズルについても同様に出力濃度の制限を行ってもよい。なお、画像記録に使用できない吐出異常ノズル(例えば、インクの吐出量が極めて少ない、あるいはインクが断続的に吐出される吐出異常ノズルなど)については不吐出ノズルとして扱ってもよい。
上記各実施形態では、印刷システムにインラインセンサ29と異常ノズル検出部53が設けられているが、これらが印刷システムと別体(例えば、外部の検査装置)に設けられていてもよい。この場合には、外部の検査装置で読み取り・解析された異常ノズル検知用テストチャートの解析結果(異常ノズル検出結果)が入力される印刷システム(PC14など)の入力IFが本発明の異常ノズル検出手段として機能する。
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内でこの分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
<付記;開示する発明の態様について>
上記に詳述した発明の実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書は少なくとも以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
10,70,80…インクジェット印刷システム,12…プリンタ,14…PC,23…ノズル吐出補正処理部,47…異常ノズル情報テーブル,52…不吐出ノズル補正LUT生成部,53…異常ノズル検出部,56…異常ノズル検知用テストチャート,60,72,82…曲がりノズル補正データ,61a,85a…出力濃度制限LUT,62a,73a,86a…吐出補正LUT,66,75,92…曲がりノズル補正処理部,66a、76…制限処理部,66b…信号変換処理部

Claims (11)

  1. 液滴の吐出を行う複数のノズルを有する記録ヘッドと、
    前記複数のノズルのうちの吐出異常を示す吐出異常ノズルを検出する異常ノズル検出手段と、
    前記吐出異常ノズルに起因する前記画像のムラの補正に用いられる補正値を記憶する記憶手段と、
    前記異常ノズル検出手段で検出された前記吐出異常ノズルから吐出される前記液滴の滴量を、前記吐出異常ノズル以外の他の正常ノズルから吐出される前記液滴の滴量よりも小さい所定の上限値以下に制限する滴量制限手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記補正値に基づき、前記正常ノズルから吐出される前記液滴の滴量を補正する滴量補正手段と、
    前記記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら、前記記録ヘッドの前記吐出異常ノズル及び前記正常ノズルからそれぞれ吐出された液滴を前記記録媒体上に付着させることにより、前記記録媒体上に画像を記録する画像記録手段と、
    を備えるインクジェット記録装置。
  2. 前記滴量補正手段は、前記吐出異常ノズルに対応するドットの隣接ドットを記録する前記正常ノズルから吐出される前記液滴の滴量を増加させる請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記吐出異常ノズルは、前記液滴の飛翔曲がりが発生する曲がりノズルであり、
    前記曲がりノズルから前記記録媒体上に吐出された前記液滴の着弾位置のずれ量を検出するずれ量検出手段を備え、
    前記滴量制限手段は、前記ずれ量検出手段が検出した前記ずれ量の大きさに応じて、前記上限値を変更する請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記滴量補正手段は、前記ずれ量検出手段が検出した前記ずれ量の大きさに応じて、前記正常ノズルから吐出される前記液滴の滴量の補正量を変更する請求項3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記滴量制限手段は、画像データに画像処理を施すことにより、前記吐出異常ノズルから吐出される前記液滴の滴量を前記上限値以下に制限する請求項1から4のいずれか1項記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記複数のノズルは、液滴サイズが異なる複数種類の前記液滴を選択的に吐出可能であり、
    前記滴量制限手段は、前記上限値以下の滴量に対応する前記液滴サイズの前記液滴を前記吐出異常ノズルから吐出させる請求項1から4のいずれか1項記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記滴量制限手段は、前記液滴サイズが最小の前記液滴を前記吐出異常ノズルから吐出させる請求項6記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記複数のノズルに対してそれぞれ駆動信号を送るヘッドドライバを備えており、
    前記滴量制限手段は、前記ヘッドドライバを制御して前記吐出異常ノズルに送る前記駆動信号を調整することにより、前記吐出異常ノズルから吐出される前記液滴の滴量を前記上限値以下に制限する請求項1から4のいずれか1項記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記異常ノズル検出手段は、前記複数のノズル毎にそれぞれ記録されたラインパターンにより構成されるテストチャートの読み取り結果に基づき、前記吐出異常ノズルの検出を行う請求項1から8のいずれか1項記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記記録ヘッドは、前記記録媒体に対する1回の相対移動で前記画像を記録するシングルパス方式のヘッドである請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 液滴の吐出を行う複数のノズルを有する記録ヘッドから吐出異常を示す吐出異常ノズルを検出する異常ノズル検出ステップと、
    前記異常ノズル検出ステップで検出された前記吐出異常ノズルから吐出される前記液滴の滴量を、前記吐出異常ノズル以外の他の正常ノズルから吐出される前記液滴の滴量よりも小さい所定の上限値以下に制限する滴量制限ステップと、
    予め記憶されかつ前記吐出異常ノズルに起因する前記画像のムラの補正に用いられる補正値に基づき、前記正常ノズルから吐出される前記液滴の滴量を補正する滴量補正ステップと、
    前記記録ヘッドと記録媒体とを相対移動させながら、前記記録ヘッドの前記吐出異常ノズル及び前記正常ノズルからそれぞれ吐出された液滴を前記記録媒体上に付着させることにより、前記記録媒体上に画像を記録する画像記録ステップと、
    を有するインクジェット記録装置の画像記録方法。
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