しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ラインヘッドを振動させるためのヘッド振動手段を搭載する必要があり装置の大型化や製品コストのアップを招来するという問題点があった。
また、特許文献2に開示された技術についても、1つのノズルに対して個別に駆動可能な複数のヒーターを設ける必要があり製造工程の複雑化や製品コストのアップを招来したり、その複数のヒーターを個別に制御するための制御が複雑化するという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡易な制御で着弾滴の位置ずれを目立たなくして高画質な画像を形成することができるインクジェッット記録装置用制御装置、インクジェット記録装置用制御プログラム、インクジェット記録装置の制御方法およびインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載のインクジェット記録装置用制御装置は、記録媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴の面積が印刷データに基づいた所定の大きさになるように、各ノズルからインク滴を記録媒体に向けて吐出させる指示をインクジェット記録装置に出力する装置であって、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルに対して、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも大きいインク滴となるようにインクジェット記録装置に指示を出力する吐出指示手段を備えている。
請求項2記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項1記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記吐出指示手段は、隣合う着弾滴のピッチが大きくなるほど前記第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが大きくなるように指示を出力する。
請求項3記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記第1ノズルは、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち、適正な位置とは異なる位置に着弾するインク滴を吐出するノズルである。
請求項4記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記第1ノズルは、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち、適正な位置とは異なる位置に着弾するインク滴を吐出するノズルとは別のノズルである。
請求項5記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記吐出指示手段は、前記第1ノズルの両側に位置する2つのノズルのうち、前記第1ノズルから吐出されたインク滴によって形成される着弾滴とのピッチが小さい位置に着弾するインク滴を吐出する第2ノズルに対して、その第2ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが、印刷データに対応する所定の大きさよりも小さいインク滴となるようにインクジェット記録装置に指示を出力する。
請求項6記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記第1ノズルは、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルである。
請求項7記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項6に記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記吐出指示手段は、前記第1ノズルとしての2つのノズルの両側に位置する2つの第2ノズルに対して、その2つの第2ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが、印刷データに対応する所定の大きさよりも小さいインク滴となるようにインクジェット記録装置に指示を出力する。
請求項8記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも大きくなるような指示を示す第1パラメータと、前記第2ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも小さくなるような指示を示す第2パラメータとのうち少なくとも一方のパラメータを記憶する記憶手段を備え、前記吐出指示手段は、その記憶手段に記憶されているパラメータに従って、インクジェット記録装置に指示を出力する。
請求項9記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項8に記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記記憶手段に記憶されているパラメータは書換え可能に構成されている。
請求項10記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項8又は9に記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記記憶手段は、前記第1ノズルを除くノズルの各々に関し、新たに前記第1パラメータや前記第2パラメータを記憶可能に構成されている。
請求項11記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項1から10のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記吐出指示手段は、外部装置から受信したデータに基づいた画像を記録媒体に形成するインクジェット記録装置に対して、インクジェット記録装置のインターフェースを介してインクジェット記録装置に指示を出力する。
請求項12記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項1から11のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記吐出指示手段は、記録媒体との1方向への相対移動によって記録媒体に画像を形成するラインヘッドを有するインクジェット記録装置に対して、インクジェット記録装置のインターフェースを介してインクジェット記録装置に指示を出力する。
請求項13記載のインクジェット記録装置用制御装置は、請求項5から12のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置において、前記吐出指示手段は、印刷データに基づいた複数の大きさのインク滴を吐出させるための指示をインクジェット記録装置に出力し、前記第1ノズル及び前記第2ノズル以外の第3ノズルに対して、印刷データに基づいた大きさとなるインク滴を吐出させるようにインクジェット記録装置に指示を出力する。
請求項14記載のインクジェット記録装置用制御プログラムは、記録媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに基づいた所定の大きさになるように、各ノズルからインク滴を記録媒体に向けて吐出させる指示をインクジェット記録装置に出力するプログラムであって、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルに対して、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも大きいインク滴となるようにインクジェット記録装置に指示を出力する吐出指示ステップを備えている。
請求項15記載のインクジェット記録装置の制御方法は、記録媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに基づいた所定の大きさになるように、各ノズルからインク滴を記録媒体に向けて吐出させる指示をインクジェット記録装置に出力する制御方法であって、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルに対して、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも大きいインク滴となるようにインクジェット記録装置に指示を出力する吐出指示工程を備えている。
請求項16記載のインクジェット記録装置は、各ノズルから記録媒体に向けてインク滴を吐出し、その吐出した各インク滴が記録媒体に着弾して形成される着弾滴により画像を形成する装置であって、請求項1から13のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置又は請求項14に記載のインクジェット記録装置用制御プログラムを備え、そのインクジェット記録装置用制御装置又はインクジェット記録装置用制御プログラムによって制御される。
請求項17記載のインクジェット記録装置は、請求項16記載のインクジェット記録装置において、記録媒体との1方向への相対移動によって記録媒体に画像を形成するラインヘッドと、そのラインヘッドと記録媒体とを1方向に相対移動させる移動手段とを備え、前記ラインヘッドは、記録媒体との1方向に相対移動に伴い、前記吐出指示手段又は前記吐出指示ステップによる指示に従って、インク滴を各ノズルから吐出させて記録媒体に画像を形成する。
請求項1記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルからは、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも大きくなるようなインク滴が吐出されるようにインクジェット記録装置に指示を出力する。
よって、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するために、印刷データに対応する所定の大きさの着弾滴では、隣合う着弾滴の間に隙間が生じてしまうが、第1ノズルに対応する印刷データに対応する所定の大きさよりも大きな着弾滴を形成するインク滴を吐出させるようにインクジェット記録装置に指示を出力するので、前記隙間を低減することができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項2記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項1に記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、隣合う着弾滴のピッチが大きくなるほど第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが大きくなるようにインクジェット記録装置に指示するるので、印刷データに対応する所定の大きさの着弾滴では、隣合う着弾滴の間に生じてしまう隙間の大きさに応じて、その隙間を低減することができるような大きさの着弾滴を形成するインク滴をインクジェット記録装置にて吐出させることができる。従って、着弾滴の位置ずれによって大きな隙間が生じてしまうケースであっても、その隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項3記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、第1ノズルは、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち、適正な位置とは異なる位置に着弾するインク滴を吐出するノズルであるので、簡単な制御で第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも大きくなるようにすることができるという効果がある。
請求項4記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、第1ノズルは、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち、適正な位置とは異なる位置に着弾するインク滴を吐出するノズルとは別のノズルであるので、請求項3記載のインクジェット記録装置用制御装置のように第1ノズルを適正な位置とは異なる位置に着弾するインク滴を吐出するノズルに設定する場合に比べて、第1ノズルに対応する着弾滴と第1ノズルの両側のノズルに対応する着弾滴との重複部分を少なくすることができる。従って、高濃度になる重複部分の範囲が制限され、濃度が均一化された高画質な画像を形成することができるという効果がある。
請求項5記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、第1ノズルの両側に位置する2つのノズルのうち、第1ノズルから吐出されたインク滴によって形成される着弾滴とのピッチが小さい位置に着弾するインク滴を吐出する第2ノズルからは、その第2ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも小さくなるようなインク滴をインクジェット記録装置にて吐出させることができる。
よって、第2ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくするので、第1ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを大きくしたとしても、第1ノズルに対応する着弾滴と第2ノズルに対応する着弾滴との重複部分を減少させることができる。従って、高濃度になる重複部分の範囲が制限され、濃度が均一化された高画質な画像を形成することができるという効果がある。
請求項6記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、第1ノズルは、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルであるので、請求項3又は4に記載のインクジェット記録装置用制御装置のように第1ノズルを2つのノズルのいずれか一方にする場合に比べて、同じ大きさの隙間を埋めるのに必要な第1ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくすることができる。よって、粒状感が抑制された高画質な画像を形成することができるという効果がある。
また、第1ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくすることができるので、その第1ノズルに対応する着弾滴と第1ノズルと隣合う他方のノズルに対応する着弾滴との重複部分は、請求項3又は4に記載のインクジェット記録装置用制御装置のように第1ノズルを2つのノズルのいずれか一方にする場合に比べて少なくすることができる。従って、高濃度になる重複部分の範囲が制限され、濃度が均一化された高画質な画像を形成することができるという効果がある。
請求項7記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項6に記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、第1ノズルとしての2つのノズルの両側に位置する2つの第2ノズルからは、その第2ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも小さくなるようなインク滴をインクジェット記録装置にて吐出させることができる。
よって、第2ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくするので、第1ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを大きくしたとしても、第1ノズルに対応する着弾滴と第2ノズルに対応する着弾滴との重複部分を減少させることができる。従って、高濃度になる重複部分の範囲が制限され、濃度が均一化された高画質な画像を形成することができるという効果がある。
請求項8記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、前記吐出指示手段は、その記憶手段に記憶されているパラメータに従って、インクジェット記録装置に指示を出力するので、記憶手段に記憶されているパラメータに従ってインクを吐出さえすれば良く、インク吐出指示手段の制御を簡易にすることができるという効果がある。
請求項9記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項8に記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されているパラメータは書換え可能に構成されているので、第1パラメータ又は第2パラメータを状況に応じて変更することができる。即ち、第1パラメータ又は第2パラメータを変更することで第1ノズルや第2ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを変更することができる。
例えば、当初、第1ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさの大きさの1.2倍になるように第1パラメータを設定していれば隙間を覆うことができていたものの、後で何らかの原因で更に隙間が生じてしまうことがある。この場合に第1ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさが1.4倍になるように第1パラメータを変更することで、その隙間を低減することができる。従って、長期にわたり高画質の画像を形成するとができるという効果がある。
請求項10記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項8又は9に記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、第1ノズルを除くノズルの各々に関し、新たに第1パラメータや第2パラメータを記憶可能に構成されているので、当初は適正な位置に着弾するインク滴を吐出するノズルであっても、何らかの原因でそのノズルから吐出されるインク滴が適正な位置とは異なる位置に着弾するようになってしまうことがある。この場合に、そのノズルやそのノズル隣合うノズルについて第1パラメータや第2パラメータを設定することで、その適正な位置とは異なる位置に着弾するインク滴によって生ずる隙間を低減することができる。従って、長期にわたり高画質の画像を形成するとができるという効果がある。
請求項11記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項1から10のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、吐出指示手段は、外部装置から受信したデータに基づいた画像を記録媒体に形成するインクジェット記録装置に対して、インクジェット記録装置のインターフェースを介してインクジェット記録装置に指示を出力するので、このインクジェット記録装置用制御装置をインクジェット記録装置に搭載することなく、このタイプのインクジェット記録装置を制御することができる。よって、インクジェット記録装置自体の構造や製品コストに影響を与えることなくこのタイプのインクジェット記録装置を利用して高画質な画像を形成することができるという効果がある。
請求項12記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項1から11のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、吐出指示手段は、記録媒体との1方向への相対移動によって記録媒体に画像を形成するラインヘッドを有するインクジェット記録装置に対して、インクジェット記録装置のインターフェースを介してインクジェット記録装置に指示を出力するので、このインクジェット記録装置用制御装置をインクジェット記録装置に搭載することなく、このタイプのインクジェット記録装置を制御することができる。よって、インクジェット記録装置自体の構造や製品コストに影響を与えることがなくこのタイプのインクジェット記録装置を利用して高画質な画像を形成することができるという効果がある。
請求項13記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項5から12のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、第3ノズルに対しては、印刷データに基づいた大きさとなるインク滴を吐出させるようにインクジェット記録装置に指示を出力するので、第3ノズルからは印刷データに基づいた大きさとなるインク滴が吐出される。よって、印刷データに対応する大きさの着弾滴によって画像を形成することができるという効果がある。
請求項14記載のインクジェット記録装置用制御プログラムによれば、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルからは、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも大きくなるようなインク滴が吐出されるようにインクジェット記録装置に指示を出力する。
よって、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するために、印刷データに対応する所定の大きさの着弾滴では、隣合う着弾滴の間に隙間が生じてしまうが、第1ノズルに対応する印刷データに対応する所定の大きさよりも大きな着弾滴を形成するインク滴を吐出させるようにインクジェット記録装置に指示を出力するので、前記隙間を低減することができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項15記載のインクジェット記録装置の制御方法によれば、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するインク滴を吐出する2つのノズルのうち少なくとも一方の第1ノズルからは、その第1ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも大きくなるようなインク滴が吐出されるようにインクジェット記録装置に指示を出力する。
よって、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きい位置に着弾するために、印刷データに対応する所定の大きさの着弾滴では、隣合う着弾滴の間に隙間が生じてしまうが、第1ノズルに対応する印刷データに対応する所定の大きさよりも大きな着弾滴を形成するインク滴を吐出させるようにインクジェット記録装置に指示を出力するので、前記隙間を低減することができる。従って、着弾滴の位置ずれによって生ずる隙間を目立たなくして高画質の画像を形成することができるという効果がある。
請求項16記載のインクジェット記録装置によれば、請求項1から13のいずれかに記載のインクジェット記録装置用制御装置又は請求項14に記載のインクジェット記録装置用制御プログラムにより制御されるので、請求項1から14のいずれかに記載の効果と同様な効果を奏することができるという効果がある。
請求項17記載のインクジェット記録装置用制御装置によれば、請求項16に記載のインクジェット記録装置用制御装置の奏する効果に加え、ラインヘッドは、記録媒体との1方向に相対移動に伴い、吐出指示手段又は吐出指示ステップによる指示に従って、インク滴を各ノズルから吐出させて記録媒体に画像を形成するので、ヘッドと記録媒体との両方を移動させる場合に比べて、インク滴を高速に且つ安定して吐出させることができる。よって、高速に高画質な画像を形成することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の1つであるインクジェット記録装置用制御装置としてのパーソナルコンピュータ1(以下、「PC1」と称す)と、そのPC1と通信ケーブル40を介して接続されたインクジェットプリンタ1A(以下「プリンタ1A」と称す)とを示す概略図である。
PC1は、記録媒体に着弾するインク滴によって形成される着弾滴が印刷データに対応した所定の大きさになるように、各ノズルからインク滴を記録媒体に向けて吐出させる指示を通信ケーブル40を介してプリンタ1Aに出力する装置であり、出力画像等を表示するCRTディスプレイ42と、プリンタ1Aに出力する指示等を入力するキーボード43とを備えている。
尚、インクジェット記録装置用制御装置としては、このPC1の他にもタブレットやPDA等の演算装置であれば採用することができる。また、PC1からの指示をプリンタ1Aに出力する通信手段としては、通信ケーブル40の他にWIFI等の無線LANモジュール等も採用できる。
プリンタ1Aは、4つのインクジェットヘッド3を有するカラーインクジェットプリンタであり、PC1から出力される指示に従って、各インクジェットヘッド3に穿設されているノズルから記録媒体に向けてインク滴を吐出し、そのインク滴が記録媒体に着弾して形成される着弾滴により画像を形成するものである。
プリンタ1Aは、図中左方に給紙部4と図中右方に排紙部5とを備え、プリンタ1Aの内部には、その給紙部4から排紙部5に向かって記録媒体が搬送される用紙搬送経路が形成されている。
給紙部4のすぐ下流側には、記録媒体を挟持搬送する一対の送りローラ6a,6bが配置されている。一対の送りローラ6a,6bによって記録媒体は図中左方から右方へ送られる。
用紙搬送経路の中間部には、二つのベルトローラ7a,7bと、両ローラ7a,7b間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8とが配置されている。搬送ベルト8の外周面すなわち搬送面にはシリコン処理が施されており、一対の送りローラ6a,6bによって搬送されてくる記録媒体を、搬送ベルト8の搬送面にその粘着力により保持させながら、一方のベルトローラ7aの図中時計回り(矢印9の方向)への回転駆動によって下流側(右方)に向けて搬送できるようになっている。
ベルトローラ7a,7bに対する挿入及び排出位置には、押さえ部材10a,10bがそれぞれ配置されている。押さえ部材10a,10bは、搬送ベルト8上の記録媒体が搬送面から浮かないように、搬送ベルト8の搬送面に記録媒体を押し付けて搬送面上に確実に粘着させるためのものである。
用紙搬送経路に沿って搬送ベルト8のすぐ下流側には、剥離機構11が設けられている。剥離機構11は、搬送ベルト1の搬送面に粘着されている記録媒体を搬送面から剥離して、右方の排紙部5へ向けて送るように構成されている。
4つのインクジェットヘッド3は、その下端にヘッド本体12を有している。ヘッド本体12は、それぞれが矩形断面を有しており、その長手方向が用紙搬送方向に垂直な方向(図1の紙面垂直方向)となるように互いに近接配置され固定されている。つまり、このプリンタ1Aは、ライン式プリンタである。4つのヘッド本体12の各底面は用紙搬送経路に対向しており、これら底面には微小径を有する多数のノズルが設けられている。4つのヘッド本体12のそれぞれからは、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのインク滴が吐出される。
ヘッド本体12は、その下面と搬送ベルト8の搬送面との間に少量の隙間が形成されるように配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成されている。この構成で、搬送ベルト8上を搬送される記録媒体が4つのヘッド本体12のすぐ下方側を順に通過する際、この記録媒体の上面すなわち印刷面に向けてノズルから各色のインク滴が吐出されることで、記録媒体上に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
プリンタ1Aは、インクジェットヘッド3に対するメンテナンスを自動的に行うためのメンテナンスユニット14を有している。このメンテナンスユニット14には、4つのヘッド本体12の下面を覆うための4つのキャップ15や、図示しないパージ機構などが設けられている。
メンテナンスユニット14は、プリンタ1Aで印刷が行われているときには、給紙部4の直下方の位置(退避位置)に位置している。そして、印刷終了後に所定の条件が満たされたとき(例えば、印刷動作が行われない状態が所定の時間だけ継続したときや、プリンタ1Aの電源オフ操作がされたとき)は、4つのヘッド本体12の直ぐ下方の位置に移動して、この位置(キャップ位置)にて、キャップ15によってヘッド本体12の下面をそれぞれ覆い、ヘッド本体12のノズル部分のインクの乾燥を防止するようになっている。
ベルトローラ7a,7bや搬送ベルト8は、シャーシ16によって支持されている。シャーシ16は、その下方に配置された円筒部材17上に載置されている。円筒部材17は、その中心から外れた位置に取り付けられた軸18を中心として回転可能となっている。そのため、軸18の回転に伴って円筒部材17の上端高さが変化すると、それに合わせてシャーシ16が昇降する。メンテナンスユニット16を退避位置からキャップ位置に移動させる際には、予め円筒部材17を適宜の角度回転させてシャーシ16、搬送ベルト8及びベルトローラ7a,7bを図1に示す位置から適宜の距離だけ下降させ、メンテナンスユニット14の移動のためのスペースを確保しておく必要がある。
搬送ベルト8によって囲まれた領域内には、ヘッド本体12と対向する位置、つまり上側にある搬送ベルト8の下面と接触することによって内周側からこれを支持するほぼ直方体形状(搬送ベルト8と同程度の幅を有している)のガイド19が配置されている。
図2は、PC1とプリンタ1Aとの電気回路構成の概略を示すブロック図である。PC1には、CPU44、ハードディスク47、インターフェース48、CRTディスプレイ42、キーボード43が搭載され、これらは入出力ポート49を介して接続されている。
演算装置であるCPU44には、データバスを介してROM45と、RAM46とが接続されている。CPU44は、ROM45に記憶されているインク吐出制御プログラム45aや各種プログラムを実行するものである。
ROM45は、書換え不可能な不揮発性のメモリであり、CPU44により実行されるインク吐出制御プログラム45aや各種の制御プログラム、その他、固定値データが記憶されている。
インク吐出制御プログラム45aは、ノズルから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも大きいインク滴となるように又は小さいインク滴となるようにプリンタ1Aに指示を出力するプログラムである。
RAM46は、書換え可能な揮発性のメモリであり、各種のデータ等が一時的に記憶されている。
ハードディスク47は、書換え可能な不揮発性のメモリであり、ドットレベルテーブル47aが記憶されている。ドットレベルテーブル47aは、各ノズル毎に、ドットレベルとして各ノズルから吐出するインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが所定の大きさになるような指示を示すパラメータを記憶するテーブルである。インク吐出制御プログラム45aは、このドットレベルテーブル47aに記憶されているパラメータに従って各ノズルから所定の大きさのインク滴を吐出させる指示を出力する。
インターフェース48は、通信ケーブル40を介して後述するプリンタ1Aのインターフェース33と接続され、印刷データをプリンタ1Aに出力する通信手段である。
一方、プリンタ1Aには、1チップ構成のマイクロコンピュータ(CPU)20と、ROM21と、RAM22と、EEPROM23と、ゲートアレイ(G/A)24と、ヘッド用ドライバ25等が搭載されている。尚、CPU20と、ROM21、RAM22、EEPROM23とゲートアレイ24、ヘッド用ドライバ25の各々は、アドレスバス26やデータバス27を介して接続されている。
演算装置であるCPU20は、ROM21に予め記憶されている制御プログラムに従い、インク滴の吐出やカートリッジ内のインク残量又はインクの有無の検出等の制御を実行するものである。また、吐出タイミング信号およびリセット信号を生成し、各信号を後述のゲートアレイ24へ転送する。
また、このCPU20には、ユーザが印字の指示などを行うための操作パネル28や、記録媒体を搬送する搬送モータ(LFモータ)29を動作させるためのモータ駆動回路30や、記録媒体の先端を検出するペーパーセンサ31が接続されており、各デバイスの動作はCPU20により制御されている。
ROM21は、書換え不可能な不揮発性のメモリであり、CPU20により実行されるインク滴の吐出を制御するための各種の制御プログラム、その他、固定値データが記憶されている。RAM22は、書換え可能な揮発性のメモリであり、各種のデータ等が一時的に記憶されている。EEPROM23は、書換え可能な不揮発性のメモリである。
ゲートアレイ24は、CPU20から転送される印字タイミング信号に従い、イメージメモリ32に記憶されている画像データに基づいて、その画像データを記録媒体に印字するための印字データ(駆動信号)と、その印字データと同期する転送クロックCLKと、ラッチ信号と、基本印字波形信号を生成するためのパラメータ信号と、一定周期で出力される噴射タイミング信号JETとを出力し、それら各信号を、ヘッド用ドライバ25に出力する。
また、ゲートアレイ24は、PC1からインターフェース33を介して転送されてくる印刷データを、イメージメモリ32に記憶させる。
ヘッド用ドライバ25は、ゲートアレイ24から出力される信号に応じて、その信号に合った波形の駆動パルスを各ノズルに対応した駆動素子に印加する駆動回路である。この駆動パルスにより駆動素子が作動して、各ノズルからインクが吐出される。
次に、図3を参照して、上述したように構成されたPC1による第1実施例の制御について説明する。図3(a)の(1)乃至(4)は、プリンタ1Aの各ノズル35a〜35dから吐出されるインク滴が記録媒体に着弾して形成される着弾滴の面積の大きさの種類を示す図であり、図3(b)は、ノズル35a〜35eとその各ノズル35a〜35eから吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図であり、図3(c)は、ドットレベルテーブル47aを示す図である。
図3(a)に示すように、プリンタ1AはPC1からの印刷データに基づき(1)乃至(4)の4種類の大きさの着弾滴が形成できるように構成されているものとする。具体的には、最も小さい着弾滴が(1)に示す着弾滴で、その(1)に示す着弾滴よりも大きい着弾滴が(2)に示す着弾滴で、その(2)に示す着弾滴よりも大きい着弾滴が(3)に示す着弾滴で、最も大きい着弾滴が(4)に示す着弾滴である。尚、プリンタ1Aによって形成可能な着弾滴の面積の大きさは、この4種類に限定されるものではない。
また、図3(b)に示すように、プリンタ1Aのヘッド3には、所定ピッチPを開けてライン状に並ぶ複数のノズルが形成された、いわゆるラインヘッドであり、図3(b)では、5つのノズル35a〜35eが示されている。
尚、本来、この35a〜35eのノズルは同じ直線状には並べられておらず、各ノズル35a〜35eは、ラインヘッドに並ぶ複数列のいずれかの列に配置されている。即ち、図3では、同一直線状に並ぶ着弾滴を形成するためのインク滴を吐出する各ノズル35a〜35eを擬似的に同一直線状に並べた状態を示している。
プリンタ1Aでは、記録媒体の搬送と固定されたヘッド3のノズル35a等からのインク滴の吐出により記録媒体に画像が形成される。各ノズル35a〜35eのうち、ノズル35cから吐出されるインク滴が何らかの原因により記録媒体に対して斜め方向(ノズル35d寄りに)に吐出されるものとする。
よって、例えば、各ノズル35a〜35eから図3(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさになるようなインク滴を吐出する場合には、図9(b)において説明したのと同様に、着弾滴列Bと着弾滴列CとのピッチD2がノズルの所定ピッチPよりも大きく形成され、着弾滴列Cと着弾滴列Bとの間に隙間が生じ、この隙間が記録媒体の搬送方向Hに延びるスジSのように見えてしまう。
そこで、この第1実施例では、図3(b)に示すように、ノズル35cから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを、印刷データに対応して指示される大きさよりも大きくし、且つ、ノズル35dから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを印刷データに対応して指示される大きさよりも小さくするように、PC1はプリンタ1Aに指示するものである。
即ち、第1実施例では、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する隣合うノズル35bとノズル35cのうち、ノズル35cに対応する着弾滴を大きくし、それに伴い重複部分が多くなるノズル35dに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくなるように、PC1はプリンタ1Aに指示するものである。即ち、ノズル35cの両側に位置する2つのノズル35b、35dのうち、ノズル35cから吐出されたインク滴によって形成される着弾滴とのピッチが小さい位置に着弾するインク滴を吐出するノズル35dからは、そのノズル35dから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも小さくなるようなインク滴が吐出される。
このように着弾滴を形成させるために、図3(c)に示すドットレベルテーブル23aにはノズル位置番号とドットレベルとが記憶されている。ノズル位置番号は各ノズル35a〜35e毎に対応して付された番号であり、ドットレベルは、各ノズル35a〜35eから吐出するインク滴が記録媒体に着弾して形成される着弾滴の面積の大きさが所定の大きさになるような指示を示すパラメータである。
具体的には、ノズル35aに対してノズル位置番号「1」とドットレベル「0」、ノズル35bに対してノズル位置番号「2」とドットレベル「0」、ノズル35cに対してノズル位置番号「3」とドットレベル「+2」、ノズル35dに対してノズル位置番号「4」とドットレベル「−1」、ノズル35eに対してノズル位置番号「5」とドットレベル「0」が記憶されている。PC1は、このドットレベルテーブル47aに従って、各ノズルからインク滴を記録媒体に向けて吐出させる指示をプリンタ1Aに出力する。
例えば、印刷データに対応して各ノズル35a〜35eから図3(a)の(2)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1Aに出力する場合、PC1はドットレベルテーブル47aに従って、ドットレベルが「0」に設定されているノズル35a,35b,35eについては、印刷データに対応した指示を出力する。よって、記録媒体には図3(a)の(2)に示す大きさの着弾滴が形成される。
一方、ドットレベルが「+2」に設定されているノズル35cに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図3(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも2段階大きい図3(a)の(4)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1Aに出力する。よって、記録媒体には、図3(a)の(4)に示す大きさの着弾滴が記録媒体に形成される。
また、ドットレベルが「−1」に設定されているノズル35dに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図3(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも1段階小さい図3(a)の(1)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1Aに出力する。よって、記録媒体には、図3(a)の(1)に示す大きさの着弾滴が形成される。
より具体的には、ドットレベル「0」を基準レベルとし、その基準レベル「0」が設定されているノズル35a等を駆動する駆動素子には「20V」の電圧、ドットレベル「+2」に設定されているノズル35cを駆動する駆動素子には「30V」の電圧、ドットレベル「−1」に設定されているノズル35dを駆動する駆動素子には「15V」の電圧をヘッド用ドライバ25がインクジェットヘッド3に印加するような指示をPC1が出力する。
すると、例えば、「20V」の電圧が印加された駆動素子によりノズル35a,35b,35dからは10plのインク滴が吐出され、「30V」の電圧が印加された駆動素子によりノズル35cからは15plのインク滴が吐出され、「15V」の電圧が印加された駆動素子によりノズル35dからは7.5plのインク滴が吐出される。即ち、各駆動素子に印加する電圧に略比例する量のインク滴が各ノズル35a〜35eから吐出される。
その結果、ノズル35a,35b,35eから吐出されるインク滴によって図3(a)の(2)に示す大きさの着弾滴が、ノズル35cから吐出されるインク滴によって図3(a)の(2)に示す大きさの着弾滴よりも2段階大きい図3(a)の(4)に示す大きさの着弾滴が、ノズル35dから吐出されるインク滴によって図3(a)の(2)に示す着弾滴よりも1段階小さい図3(a)の(1)に示す大きさの着弾滴が記録媒体に形成される。
以上、第1実施例で説明したように、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する隣合うノズル35bとノズル35cとのうち、ノズル35cによって形成される着弾滴の面積の大きさが大きくなるように制御することで、印刷データに対応したインク滴によって発生する着弾滴列Cと着弾滴列Dとの間の隙間を、着弾滴列Cによって低減することができ、高画質な画像を形成することができる。
一方で、ノズル35cに対応する着弾滴の面積の大きさを大きくすると、ノズル35cに対応する着弾滴とノズル35dに対応する着弾滴との重複部分が多くなり、この重複部分は他の部分と比べて濃度が高くなるので、濃度が均一化せず画像品質が低下する。
しかし、ノズル35dに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくすることで、たとえ、ノズル35cに対応する着弾滴の面積の大きさを大きくしたとしても、ノズル35cに対応する着弾滴とノズル35dに対応する着弾滴との重複部分が減少し、画像品質が低下するのを抑制することができる。
また、上述したノズル35cに対して設定されるドットレベル「+2」は、ノズル35cから吐出されるインクが、どの程度ノズル35d寄りに吐出されるかに応じて設定される。換言すれば、印刷データに対応するインク滴によって発生する着弾滴列Cと着弾滴列Dとの間に生ずる隙間の大きさに応じて設定される。尚、この隙間の大きさは、CCDラインスキャナ等を利用して濃度を読み取ることで検出することができる。
例えば、本実施例では、ノズル35bに対応する着弾滴とノズル35cに対応する着弾滴とのピッチはピッチD2に形成される場合について説明したが、このノズル35bに対応する着弾滴とノズル35cに対応する着弾滴とのピッチがピッチPよりも大きくピッチD2よりも小さかった場合には、当然に隙間も小さくなるので、ノズル35cに対して設定されるドットレベルを「+2」から「+1」に減少設定すれば、ノズル35cから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積大きさは、図3(a)の(4)に示す着弾滴の面積の大きさよりも小さい図3(a)の(3)に示す大きさに形成される。
このように、隙間量に応じて着弾滴の面積の大きさを設定することで隙間を埋めつつ、更に、隣合う着弾滴が過度に重複して濃度差が生ずるのを抑制することができる。
また、ドットレベルテーブル47aは書換え可能なハードディスク47に記憶され、且つ、各ノズル毎に設定可能に構成されているので、例えば、ノズル35a〜35eのうちノズル35cに加え、何らかの原因によりノズル35aから吐出されるインク滴がノズル35bから遠ざかる方向に吐出されるようになり、印刷データに対応するインク滴では、着弾滴列Aと着弾滴列Bとの間に隙間が生ずるようになった場合には、例えば、ノズル35aに対応する着弾滴の面積の大きさが大きくなるようにノズル35aに対応するドットレベルを「0」から「+1」に書き換えることで、ノズル35aに対応する着弾滴の面積の大きさが1段階大きくなり、この大きく形成される着弾滴によって着弾滴列Aと着弾滴列Bとの間の隙間を低減することができ、長期にわたって高画質な画像を維持することができる。
次に、図4を参照して、上述したように構成されたPC1による第2実施例の制御について説明する。図4(a)の(1)乃至(4)は、プリンタ1Aの各ノズル35a〜35dから吐出されるインク滴が記録媒体に着弾して形成される着弾滴の面積の大きさの種類を示す図であり、図4(b)は、ノズル35a〜35eとその各ノズル35a〜35eから吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図であり、図4(c)は、ドットレベルテーブル47aを示す図である。
尚、この第2実施例においても、図3において説明した第1実施例と同様に、ノズル35a〜35eのうちノズル35cから吐出されるインク滴が何らかの原因により記録媒体に対して斜め方向(ノズル35d寄りに)に吐出されるようになり、印刷データに対応するインク滴では着弾滴列Cと着弾滴列Bとの間に隙間が生ずるようになっているものとする。
そこで、この第2実施例では、ノズル35bから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを、印刷データに対応して指示される大きさよりも大きくし、且つ、ノズル35aから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを印刷データに対応して指示される大きさよりも小さくするように、PC1はプリンタ1Aに指示するものである。
即ち、第2実施例では、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する隣合うノズル35bとノズル35cのうち、ノズル35bに対応する着弾滴を大きくし、それに伴い重複部分が多くなるノズル35bの両側のノズル35aとノズル35cのうちノズル35bに近い側のノズル35aに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくするように、PC1はプリンタ1Aに指示するものである。即ち、ノズル35bの両側に位置する2つのノズル35a、35cのうち、ノズル35bから吐出されたインク滴によって形成される着弾滴とのピッチが小さい位置に着弾するインク滴を吐出するノズル35aからは、そのノズル35aから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさが印刷データに対応する所定の大きさよりも小さくなるようなインク滴が吐出される。
よって、図4(c)に示すように、第2実施例のドットレベルテーブル47aには、ノズル35aに対してノズル位置番号「1」とドットレベル「−1」、ノズル35bに対してノズル位置番号「2」とドットレベル「+2」、ノズル35cに対してノズル位置番号「3」とドットレベル「0」、ノズル35dに対してノズル位置番号「4」とドットレベル「0」、ノズル35eに対してノズル位置番号「5」とドットレベル「0」が記憶されている。
例えば、印刷データに対応して各ノズル35a〜35eから図4(a)の(2)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する場合、PC1はドットレベルテーブル47aに従って、ドットレベルが「0」に設定されているノズル35c,35d,35eについては、印刷データに対応した指示を出力する。よって、記録媒体には図4(a)の(2)に示す大きさの着弾滴が形成される。
一方、ドットレベルが「+2」に設定されているノズル35bに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図4(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも2段階大きい図4(a)の(4)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する。よって、記録媒体には、図4(a)の(4)に示す大きさの着弾滴が記録媒体に形成される。
また、ドットレベルが「−1」に設定されているノズル35aに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図4(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも1段階小さい図4(a)の(1)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する。よって、記録媒体には、図4(a)の(1)に示す大きさの着弾滴が形成される。
以上、第2実施例で説明したように、ノズル35cに代えて、ノズル35bに対応する着弾滴の面積の大きさを大きくすることでも、第1実施例で説明したの同様に、印刷データに対応するインク滴では着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に生ずる隙間を、着弾滴列Bによって低減することができ、隙間を目立たなくして、高画質な画像を形成することができる。
また、ノズル35aに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくすることで、第1実施例で説明したのと同様に、ノズル35bに対応する着弾滴とノズル35aに対応する着弾滴との重複部分が減少し、画像品質が低下するのを抑制することができる。
次に、図5を参照して、上述したように構成されたPC1による第3実施例の制御について説明する。図5(a)の(1)乃至(4)は、プリンタ1Aの各ノズル35a〜35dから吐出されるインク滴が記録媒体に着弾して形成される着弾滴の面積の大きさの種類を示す図であり、図5(b)は、ノズル35a〜35eとその各ノズル35a〜35eから吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図であり、図5(c)は、ドットレベルテーブル47aを示す図である。
尚、この第3実施例においても、第1、第2実施例と同様に、ノズル35a〜35eのうちノズル35cから吐出されるインク滴が何らかの原因により記録媒体に対して斜め方向(ノズル35d寄りに)に吐出されるようになり、印刷データに対応するインク滴では着弾滴列Cと着弾滴列Bとの間に隙間が生ずるようになっているものとする。
そこで、この第3実施例では、ノズル35bとノズル35cとから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを、印刷データに基づいて指示される大きさよりも大きくし、且つ、ノズル35aとノズル35dとから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを印刷データに対応して指示される大きさよりも小さくするように、PC1はプリンタ1Aに指示するものである。
即ち、第3実施例では、隣合う着弾滴のピッチが所定ピッチよりも大きく形成される位置に着弾するインク滴を吐出する隣合うノズル35bとノズル35cのうち、そのノズル35bとノズル35cの両方に対応する着弾滴を大きくし、それに伴い重複部分が多くなるノズル35bとノズル35aの両側に位置するノズル35aとノズル35dの両方に対応する着弾滴の面積の大きさを小さくするように、PC1はプリンタ1Aに指示するものである。
よって、図5(b)に示すように、第3実施例のドットレベルテーブル47aには、ノズル35aに対してノズル位置番号「1」とドットレベル「−1」、ノズル35bに対してノズル位置番号「2」とドットレベル「+1」、ノズル35cに対してノズル位置番号「3」とドットレベル「+1」、ノズル35dに対してノズル位置番号「4」とドットレベル「−1」、ノズル35eに対してノズル位置番号「5」とドットレベル「0」が記憶されている。
例えば、印刷データに対応して各ノズル35a〜35eから図5(a)の(2)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する場合、PC1はドットレベルテーブル47aに従って、ドットレベルが「0」に設定されているノズル35eについては、印刷データに対応した指示を出力する。よって、記録媒体には図5(a)の(2)に示す大きさの着弾滴が形成される。
一方、ドットレベルが「+1」に設定されているノズル35bとノズル35cに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図5(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも1段階大きい図5(a)の(3)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する。よって、記録媒体には、図5(a)の(3)に示す大きさの着弾滴が記録媒体に形成される。
また、ドットレベルが「−1」に設定されているノズル35aとノズル35dに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図5(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも1段階小さい図5(a)の(1)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する。よって、記録媒体には、図5(a)の(1)に示す大きさの着弾滴が形成される。
以上、第3実施例で説明したように、ノズル35bとノズル35cとの何れか一方に対応する着弾滴の面積の大きさを大きくするのに代えて、ノズル35bとノズル35cとの両方に対応する着弾滴の面積の大きさを大きくしても、第1、第2実施例で説明したの同様に、着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に生ずる隙間を、この着弾滴列Bと着弾列Cとによって低減することができ、隙間を目立たなくして、高画質な画像を形成することができる。
また、ノズル35aとノズル35dに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくすることで、第1、第2実施例で説明したのと同様に、ノズル35aに対応する着弾滴とノズル35bに対応する着弾滴との重複部分やノズル35cに対応する着弾滴とノズル35dに対応する着弾滴との重複部分が減少し、画像品質が低下するのを抑制することができる。
更に、第1、第2実施例で説明したように、ノズル35bとノズル35cのいずれか一方に対応する着弾滴の面積の大きさを大きくする場合に比べて、ノズル35bとノズル35cに対応する両方の着弾滴の面積の大きさを大きくする場合には、両方の着弾滴を利用して印刷データに対応するインク滴では発生してしまう隙間を低減すればよいので、第1、第2実施例の場合に比べて各着弾滴を大きくする程度を小さくでき、着弾滴の粒状感を抑制し、一層、画像品質を向上させることができる。
次に、図6を参照して、上述したように構成されたPC1による第4実施例の制御について説明する。図6(a)の(1)乃至(4)は、プリンタ1Aの各ノズル35a〜35dから吐出されるインク滴が記録媒体に着弾して形成される着弾滴の面積の大きさの種類を示す図であり、図6(b)は、ノズル35a〜35eとその各ノズル35a〜35eから吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図であり、図6(c)は、ドットレベルテーブル47aを示す図である。
この第4実施例においては、ノズル35a〜35eのうちノズル35cから吐出されるインク滴が何らかの原因により記録媒体に対して斜め方向(ノズル35d寄りに)に吐出されるようになり、更に、ノズル35bから吐出されるインク滴が何らかの原因により記録媒体に対して斜め方向(ノズル35a寄りに)に吐出されるようになり、着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に、印刷データに対応するインク滴では第1乃至第3実施例等で説明した場合よりも大きな隙間が生ずるようになっているものとする。
この場合、第1又は第2実施例で説明したように、ノズル35b又はノズル35cのいずれか一方に対応する着弾滴の面積の大きさを大きくしても着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に生ずる隙間を低減することができる。
しかし、第4実施例のように着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間に大きな隙間が生ずるような場合に、その隙間をノズル35b又はノズル35cのいずれか一方に対応する着弾滴のみの大きさを大きくして隙間を低減しようとすると、着弾滴の面積の大きさを相当大きくする必要がある。この場合、相当大きな着弾滴によって粒状感がきわだってしまう。そこで、この第4実施例の場合には、第3実施例で説明したように、ノズル35bとノズル35cとの両方に対応する着弾滴の面積の大きさを大きくすることが好ましい。
即ち、この第4実施例では、第3実施例で説明したのと同様に、ノズル35bとノズル35cとから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを、印刷データに対応して指示される大きさよりも大きくし、且つ、ノズル35aとノズル35dとから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを印刷データに対応して指示される大きさよりも小さくするように、PC1はプリンタ1Aに指示するものである。
尚、 印刷データに対応するインク滴によって発生する着弾滴列Bと着弾滴列Cとの間の隙間の大きさは第3実施例よりも第4実施例の方が大きく形成されるので、当然に、第4実施例において、ノズル35bとノズル35cとから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさは、第3実施例において、ノズル35bとノズル35cとから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさよりも大きいものとなる。
よって、図6(b)に示すように、第4実施例のドットレベルテーブル47aには、ノズル35aに対してノズル位置番号「1」とドットレベル「−1」、ノズル35bに対してノズル位置番号「2」とドットレベル「+2」、ノズル35cに対してノズル位置番号「3」とドットレベル「+2」、ノズル35dに対してノズル位置番号「4」とドットレベル「−1」、ノズル35eに対してノズル位置番号「5」とドットレベル「0」が記憶されている。
例えば、印刷データに対応して各ノズル35a〜35eから図6(a)の(2)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する場合、PC1はドットレベルテーブル47aに従って、ドットレベルが「0」に設定されているノズル35eについては、印刷データに対応した指示を出力する。よって、記録媒体には図6(a)の(2)に示す大きさの着弾滴が形成される。
一方、ドットレベルが「+2」に設定されているノズル35bとノズル35cに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図6(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも3段階大きい図6(a)の(4)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する。よって、記録媒体には、図6(a)の(4)に示す大きさの着弾滴が記録媒体に形成される。
また、ドットレベルが「−1」に設定されているノズル35aとノズル35dに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図6(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも1段階小さい図6(a)の(1)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する。よって、記録媒体には、図6(a)の(1)に示す大きさの着弾滴が形成される。
以上、第4実施例で説明したように、ノズル35bとノズル35cとの両方に対応する着弾滴の面積の大きさを大きくすることで、着弾列Bと着弾列Cとの間に生ずる大きな隙間を粒状感を抑制しつつ低減することができる。
次に、図7を参照して、上述したように構成されたPC1による第5実施例の制御について説明する。図7(a)の(1)乃至(4)は、プリンタ1Aの各ノズル35a〜35dから吐出されるインク滴が記録媒体に着弾して形成される着弾滴の面積の大きさの種類を示す図であり、図7(b)は、ノズル35a〜35eとその各ノズル35a〜35eから吐出されたインク滴によって形成される着弾滴との関係を説明するための図であり、図7(c)は、ドットレベルテーブル47aを示す図である。
この第5実施例においては、ノズル35a〜35eのうちノズル35cから吐出されるインク滴が何らかの原因により記録媒体に対して斜め方向(ノズル35d寄りに)に吐出されるようになり、更に、ノズル35bから吐出されるインク滴が何らかの原因により記録媒体に対して斜め方向(ノズル35c寄りに)に吐出されるようになり、印刷データに対応するインク滴では着弾滴列Aと着弾滴列Bとの間に隙間が生ずるようになっているものとする。尚、この第5実施例では、着弾列Bと着弾列CとのピッチD2は、ノズルのピッチPと同じであり、着弾滴列Aと着弾滴列Bとの間に隙間は生じていないものとする。
即ち、この第5実施例のケースでは、着弾滴列Aと着弾滴列BとのピッチD1がノズルのピッチPよりも大きくなり、印刷データに対応するインク滴では着弾滴列Aと着弾滴列Bとの間に隙間が生じ、着弾滴列Cと着弾滴列DとのピッチD3がノズルのピッチPよりも小さくなっているものとする。
この第5実施例では、ノズル35bから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを、印刷データに対応して指示される大きさよりも大きくし、且つ、ノズル35cから吐出されるインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを印刷データに対応して指示される大きさよりも小さくするように、PC1はプリンタ1Aに指示するものである。
よって、図7(c)に示すように、第4実施例のドットレベルテーブル47aには、ノズル35aに対してノズル位置番号「1」とドットレベル「0」、ノズル35bに対してノズル位置番号「2」とドットレベル「+2」、ノズル35cに対してノズル位置番号「3」とドットレベル「−1」、ノズル35dに対してノズル位置番号「4」とドットレベル「0」、ノズル35eに対してノズル位置番号「5」とドットレベル「0」が記憶されている。
例えば、印刷データに対応して各ノズル35a〜35eから図7(a)の(2)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する場合、PC1はドットレベルテーブル47aに従って、ドットレベルが「0」に設定されているノズル35a、35d、35eについては、印刷データに対応した指示を出力する。よって、記録媒体には図7(a)の(2)に示す大きさの着弾滴が形成される。
一方、ドットレベルが「+2」に設定されているノズル35bに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図7(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも2段階大きい図7(a)の(4)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する。よって、記録媒体には、図7(a)の(4)に示す大きさの着弾滴が記録媒体に形成される。
また、ドットレベルが「−1」に設定されているノズル35cに対しては、PC1は、印刷データに対応した着弾滴の面積の大きさ(図7(a)の(2)に示す着弾滴の面積の大きさ)よりも1段階小さい図7(a)の(1)に示す着弾滴を形成するような指示をプリンタ1に出力する。よって、記録媒体には、図7(a)の(1)に示す大きさの着弾滴が形成される。
以上、第5実施例で説明したように、ノズル35bに対応する着弾滴の面積の大きさを大きくすることで、印刷データに対応するインク滴では着弾列Aと着弾列Bとの間に生ずる隙間を低減することができる。また、ノズル35cに対応する着弾滴の面積の大きさを小さくすることで、画像品質の低下を抑制することができる。
次に、図8を参照して本発明の一つであるインクジェット記録としてのインクジェットプリンタ2Aについて説明する。図8は、インクジェットプリンタ2Aの電気回路構成の概略を示すブロック図である。
このインクジェットプリンタ2A(以下「プリンタ2A」と称す)は、上述したプリンタ1AのROM21にインク吐出制御プログラム45aを、EEPROM23にドットレベルテーブル47aを記憶したものである。
このように、上述したPC1に搭載されているインク吐出制御プログラム45aや、ドットレベルテーブル47aを直接にプリンタ2Aに搭載し、PC1において行われる処理をプリンタ2Aにおいて実行するようにしても良い。かかる場合にも、上述したプリンタ1Aと同様に高画質な画像をプリンタ2Aによって形成することができる。
以上実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施例では、各ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを変化させる方法として、各ノズルを駆動する駆動素子に印加する電圧値を変化させる方法について説明したが、各ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを変化させる方法としては、かかる方法に限定されるものではない。
例えば、所定インク量のインク滴を複数滴空中または記録媒体上にて結合させて結果的に、その結合されたインク滴によって形成される着弾滴の面積の大きさを大きくなるようにしても良い。また、駆動素子を駆動させることで各ノズルからインクを吐出するタイプのプリンタ1Aに代えて、各ノズル毎に熱源を設け、その熱源から発生する熱に応じて各ノズルからインクを吐出するタイプのプリンタを用いる場合には、その熱源から発生する熱量を制御することで、各ノズルに対応する着弾滴の面積の大きさを制御するようにしても良い。
また、上記実施例では、プリンタ1Aとは別体の検出装置としてのCCDスキャナにより隙間を検出する場合について述べたが、この隙間を検出するための検出装置をプリンタ1Aに組み込むようにしても良い。かかる場合には、プリンタ1Aとは別に検出装置を用意する必要がなく、検出装置による隙間の検出をストレスなく行うことができる。
また、上記実施例では、何らかの原因で鉛直方向からズレて吐出されるインク滴は、ノズルが並ぶ方向にズレる場合について説明したが、インク滴が記録媒体の搬送方向にズレる場合には、そのノズルからインク滴を吐出するタイミングを制御することで、搬送方向にズレるインク滴によって形成される隙間を低減することができる。
また、上記実施例では、ドットレベルテーブル47aに記憶するドットレベルには、「0」を基準とし、その「0」に対して何段階大きな又は小さな着弾滴の面積の大きさを形成するかを示すパラメータを記憶する場合について説明したが、ドットレベルに記憶するパラメータとしてはかかるものに限定されるものではなく、例えば、各ノズル毎に印加する電圧値を直接に記憶するようにしても良い。この場合には、予め設定されているパラメータとの対応関係を確認する必要がなく高速に処理することができるという効果がある。
また、例えば、第1実施例として図3において説明したように、ノズル35dに対応する着弾滴を小さくすることにより、着弾列Dと着弾列Eとの間に小さな隙間が生ずるような場合には、ノズル35eに対応するドットレベルを「0」から「+1」に設定し、ノズル35eに対応する着弾滴の面積の大きさを印刷データに対応して指示される大きさよりも大きくするようにしても良い。かかる場合には、着弾列Dと着弾列Eとの間に生ずる小さな隙間を着弾列Eによって低減することができ、高画質な画像を形成することができる。