JP2006335020A - 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 - Google Patents

印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プリンタが対応していない印刷用紙でも、正確な色彩の高画質なカラー画像を印刷可能とする。
【解決手段】 カラー画像データは所定の規格によって測色値と対応付けられた状態で受け取る。また、印刷用紙でカラー画像データを印刷したときの、カラー画像データと測色値との対応関係を示す色再現特性データを読み込む。そして、カラー画像を印刷したときに、カラー画像データが規格によって対応付けられた測色値が得られるように、受け取ったカラー画像データを変換した後、カラー画像を印刷する。変換に際して参照する色変換テーブルは、印刷用紙のインク許容値以下となるように修正しておく。こうすれば、プリンタが対応していない印刷用紙でも、正確な色彩の高画質なカラー画像を印刷することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクを用いて印刷媒体上にカラー画像を印刷する技術に関し、詳しくは、色彩を正確に再現しつつ、滲み等の無い高画質なカラー画像を印刷する技術に関する。
今日では、コンピュータで作成した画像データやデジタルカメラを用いて撮影した画像データから、写真のような高画質なカラー画像を、簡便に印刷することが可能となっている。こうしたカラー画像の印刷は、C(シアン)色、M(マゼンタ)色、Y(イエロ)色、K(ブラック)色のインクを使用して色彩を表現するいわゆる減法混色と呼ばれる原理に基づいて行われている。これに対して、コンピュータやデジタルカメラで生成されるカラー画像データは、R(赤)色、G(緑)色、B(青)色の光を使用して色彩を表すいわゆる加法混色と呼ばれる原理に基づいて表現されている。このように、画像データと印刷画像とでは色彩を表現するための原理が異なっているので、カラー画像を印刷するに際しては、RGB各色で表現された画像データを、CMYK各色を用いて表現されたデータに予め変換しておく必要がある。このような変換は、プリンタドライバと呼ばれる専用のプログラムによって行われる。ついで、得られたCMYK各色の階調値に従って、それぞれCインク、Mインク、Yインク、Kインクを使用することでカラー画像を印刷している。
また、インクの発色は印刷用紙の種類によって微妙に異なっている。従って、厳密に言えば、同じようにCMYK各色のインクを使用して印刷しても、印刷用紙が異なれば、実際に得られる色彩は微妙に異なったものとなってしまう。このため、できるだけ正確な色彩でカラー画像を印刷しようとする場合には、RGB画像データを、印刷用紙の種類に応じて適切なCMYKの階調値に変換しておく必要がある。こうした点に鑑みて、プリンタドライバには、印刷用紙に応じて適切に画像データを変換するための各種のデータが、印刷用紙の種類毎に予め設定されている。そして、プリンタドライバに対して印刷用紙を指定して画像データを変換することで、印刷用紙の種類によらず正確な色彩でカラー画像を印刷することが可能となっている。
もちろん、全ての印刷用紙に対するデータをプリンタドライバに設定しておくことは困難である。そこで、ICCプロファイルと呼ばれる特別なデータを読み込むことにより、プリンタドライバ内にデータが記憶されていない印刷用紙を用いる場合でも、正確な色彩でカラー画像を印刷することを可能とする技術も開発されている(特許文献1)。
特開2003−18419号公報
しかし、ICCプロファイルを用いて印刷した場合でも、得られたカラー画像に滲みが発生する場合があるなど、必ずしも十分に高画質なカラー画像を印刷可能なわけではないという問題があった。
この発明は、従来技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、プリンタドライバが対応していない印刷用紙でも、色彩を正確に再現可能であり、且つ、滲みなどが発生することのない高画質なカラー画像を印刷可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の印刷装置は次の構成を採用した。すなわち、
カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷装置であって、
所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る画像データ受取手段と、
カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する色変換手段と、
前記CMYK階調データに従ってCMYK各色のインクを使用することにより、印刷媒体上にカラー画像を印刷する画像印刷手段と
を備え、
前記色変換手段は、更に、
前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む色再現特性データ読込手段と、
前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込むインク許容値読込手段と、
前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する画像データ変換手段と、
前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する色変換テーブル修正手段と
を備えるとともに、
前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記画像データ変換手段によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する手段であることを要旨とする。
また、上記の印刷装置に対応する本発明の印刷方法は、
カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷方法であって、
所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る第1の工程と、
カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する第2の工程と、
前記CMYK階調データに従ってCMYK各色のインクを使用することにより、印刷媒体上にカラー画像を印刷する第3の工程と
を備え、
前記第2の工程は、更に、
前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む第1の副工程と、
前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む第2の副工程と、
前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する第3の副工程と、
前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する第4の副工程と
を備えるとともに、
前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記第3の副工程で前記各色階調値に組合せに変換した後、前記第4の副工程で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する工程であることを要旨とする。
かかる本発明の印刷装置および印刷方法においては、所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取ると、色変換テーブルを参照することにより、カラー画像データをCMYK階調データに変換した後、得られたCMYK階調データに従ってCMYK各色のインクを使用することにより、印刷媒体上にカラー画像を印刷する。カラー画像データをCMYK階調データに変換するに際しては、先ず、色再現特性データを読み込んでおく。ここで、色再現特性データとは、色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられたCMYK階調データを用いて印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである。すなわち、色再現特性データを参照すれば、各色階調値の組合せを用いて画像を印刷したときに、どのような測色値のカラー画像が得られるかを知ることができる。一方、カラー画像データは、所定の規格によって測色値に対応付けられている。そこで、カラー画像データの規格と色再現特性データとに基づいて、受け取ったカラー画像データを、そのカラー画像データが所定の規格によって対応付けられた測色値と同じ測色値が得られるような各色階調値の組合せに変換する。また、印刷しようとしている印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込んでおき、色変換後のCMYK各色インクの合計使用量がインク許容値を越える場合は、インク許容値以下となるように、色変換テーブルに記憶されているCMYK階調データを修正しておく。そして、受け取ったカラー画像データを変換して得られた各色階調値の合せを、修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換し、得られたCMYK階調データに基づいて画像を印刷する。
このように、カラー画像データの所定の規格と、色再現特性データとに基づいて、受け取ったカラー画像データを各色階調値に変換した後、色変換テーブルを参照してCMYK階調データに変換しているので、対応する色変換テーブルが存在しない印刷用紙に印刷する場合でも、カラー画像データが表す色彩を正確に再現したカラー画像を印刷することができる。また、CMYK各色インクの合計使用量がインク許容値を超えないように色変換テーブルを修正しているので、滲みや皺の発生などのない、高画質なカラー画像を印刷することが可能となる。
こうした印刷装置および印刷方法においては、カラー画像データとしてRGB画像データを受け取ることとしてもよい。
RGB画像データは、カラー画像データとして広く使用されているので、カラー画像データとしてRGB画像データを受け取ることとすれば、ほとんどの画像データから正確な色彩が再現されたカラー画像を印刷することが可能となる。
また、かかる本発明の印刷装置において、色変換テーブルを修正するに際しては、CMYの階調データをKの階調データに置き換えることによって、合計使用量がインク許容値以下となるように、CMYK階調データを修正することとしてもよい。
減法混色の原理によれば、CMY階調データをK階調データに置き換えても、表現される色彩には影響を与えない。このため、CMYK各色インクの合計使用量がインク許容値を越える場合に、CMY階調データをK階調データに置き換えてやれば、印刷されるカラー画像の測色値に影響を与えることなく、インク許容値以下に抑制することができる。
また、印刷装置がカラー画像を印刷する動作を制御する点に着目すれば、本発明の印刷装置あるいは印刷方法は、印刷装置の動作を制御するための制御データを印刷装置に供給する画像処理装置あるいは画像処理方法として把握することも可能である。すなわち、本発明の画像処理装置は、
カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷装置に対して、該カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを供給する画像処理装置であって、
所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る画像データ受取手段と、
カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する色変換手段と、
前記印刷装置が前記カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを、前記CMYK階調データに従って生成して、該印刷装置に供給する制御データ供給手段と
を備え、
前記色変換手段は、更に、
前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む色再現特性データ読込手段と、
前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込むインク許容値読込手段と、
前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する画像データ変換手段と、
前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する色変換テーブル修正手段と
を備えるとともに、
前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記画像データ変換手段によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する手段であることを要旨とする。
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、
カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷装置に対して、該カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを供給する画像処理方法であって、
所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る工程(A)と、
カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する工程(B)と、
前記印刷装置が前記カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを、前記CMYK階調データに従って生成して、該印刷装置に供給する工程(C)と
を備え、
前記工程(B)は、更に、
前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む副工程(B−1)と、
前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む副工程(B−2)と、
前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する副工程(B−3)と、
前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する副工程(B−4)と
を備えるとともに、
前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記副工程(B−3)で前記各色階調値に組合せに変換した後、前記副工程(B−4)で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する工程であることを要旨とする。
かかる画像処理装置あるいは画像処理方法に従って生成した制御データを、印刷装置に供給してカラー画像を印刷させれば、カラー画像データの表す色彩が正確に再現された高画質なカラー画像を印刷することが可能となる。
更に本発明は、上述した印刷方法あるいは画像処理方法を実現するためのプログラムをコンピュータに読み込ませ、所定の機能を実行させることにより、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述した印刷方法に対応する本発明のプログラムは、
カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するプログラムであって、
所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る第1の機能と、
カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する第2の機能と、
前記CMYK階調データに従ってCMYK各色のインクを使用することにより、印刷媒体上にカラー画像を印刷する第3の機能と
を備え、
前記第2の機能は、更に、
前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む第1の副機能と、
前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む第2の副機能と、
前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する第3の副機能と、
前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する第4の副機能と
を備えるとともに、
前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記第3の副機能によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記第4の副機能で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する機能であることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷するプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記録媒体であって、
所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る第1の機能と、
カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する第2の機能と、
前記CMYK階調データに従ってCMYK各色のインクを使用することにより、印刷媒体上にカラー画像を印刷する第3の機能と
をコンピュータを用いて実現するプログラムを記憶しているとともに、
前記第2の機能は、更に、
前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む第1の副機能と、
前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む第2の副機能と、
前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する第3の副機能と、
前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する第4の副機能と
を備えるとともに、
前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記第3の副機能によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記第4の副機能で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する機能であることを要旨とする。
更に、上述した画像処理方法に対応する本発明のプログラムは、
カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷装置に対して、該カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを供給する方法を、コンピュータを用いて実現するプログラムであって、
所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る機能(A)と、
カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する機能(B)と、
前記印刷装置が前記カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを、前記CMYK階調データに従って生成して、該印刷装置に供給する機能(C)と
を備え、
前記機能(B)は、更に、
前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む副機能(B−1)と、
前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む副機能(B−2)と、
前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する副機能(B−3)と、
前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する副機能(B−4)と
を備えるとともに、
前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記副機能(B−3)によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記副機能(B−4)で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する機能であることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷装置に対して、該カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを供給するプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記録媒体であって、
所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る機能(A)と、
カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する機能(B)と、
前記印刷装置が前記カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを、前記CMYK階調データに従って生成して、該印刷装置に供給する機能(C)と
をコンピュータを用いて実現するプログラムを記憶しているとともに、
前記機能(B)は、更に、
前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む副機能(B−1)と、
前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む副機能(B−2)と、
前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する副機能(B−3)と、
前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する副機能(B−4)と
を備えるとともに、
前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記副機能(B−3)によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記副機能(B−4)で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する機能であることを要旨とする。
これらのプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種機能を実現させれば、カラー画像データの表す色彩が正確に再現された高画質なカラー画像を印刷することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.実施例の概要 :
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
B−2.内部構成 :
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
C.画像印刷処理の概要 :
D.色変換処理の内容 :
E.出力側プロファイル生成処理 :
F.色変換テーブル修正処理 :
G.インクデューティ値の決定方法 :
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明しておく。図1は、本実施例の印刷装置10の概要を示した説明図である。図示した印刷装置10は、印刷媒体P上にインク滴を吐出してインクドットを形成することにより画像を印刷するいわゆるインクジェットプリンタである。
図示した印刷装置10には、「色変換モジュール」や「画像印刷モジュール」などが搭載されており、「色変換モジュール」は、デジタルカメラやコンピュータから、印刷しようとする画像のRGB画像データを受け取ると、後述する方法によってCMYK各色の階調データに色変換する。「画像印刷モジュール」は、色変換して得られたCMYK各色の階調データに従って、印刷媒体P上にC,M,Y,K各色のインクドットを形成することで、RGB画像データに対応したカラー画像を印刷する。
また、RGB画像データをCMYK階調データに変換する「色変換モジュール」の内部には、図示されているように、「画像データ変換サブモジュール」と、「色変換テーブル修正サブモジュール」と、「色変換サブモジュール」などの小さなモジュール(サブモジュール)が設けられている。この中の「色変換サブモジュール」は、一般的な印刷装置で行われている処理と同様に、RGB画像データ(すなわち、RGB階調値の組合せ)とCMYK階調データとが予め対応付けて記憶された色変換テーブルを参照することによって、RGB画像データをCMYK階調データに色変換する処理を行う。ここで、本実施例の印刷装置10では、「色変換サブモジュール」が色変換処理を実行するに先立って、色変換しようとするRGB画像データを「画像データ変換サブモジュール」において異なるRGB階調値の組合せに変換するとともに、「色変換テーブル修正サブモジュール」においては、必要に応じて色変換テーブルを修正しておく。そして、「色変換サブモジュール」では、修正された色変換テーブルを参照しながら、変換後のRGB階調値の組合せをCMYK階調データに変換する処理を行う。
「画像データ変換サブモジュール」は次のようにして、RGB画像データの変換を行う。先ず、所定の規格によって測色値と対応付けられたRGB画像データを受け取る。次いで、印刷されたカラー画像の測色値が、受け取ったRGB画像データが規格によって対応付けられた測色値と一致するように、受け取ったRGB画像データを異なるRGB階調値の組合せに変換する。かかる変換は、色再現特性データに基づいて行うことができる。すなわち、色再現特性データには、色変換テーブルに記憶されたRGB階調値の組合せと、該RGB階調値の組合せに対応付けられたCMYK階調データに従って実際に、印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値との対応関係が記述されている。このような色再現特性データは、印刷媒体の種類毎に予め生成して記憶しておくことが可能である。「画像データ変換サブモジュール」は、印刷しようとする印刷媒体に応じた色再現特性データを参照することにより、受け取ったRGB画像データが規格によって対応付けられた測色値を求め、次いで、色再現特性データによってその測色値に対応付けられているRGB階調値の組合せを決定する。そして、受け取ったRGB画像データを、決定しておいたRGB階調値の組合せに変換する処理を行う。
また、「色変換テーブル修正サブモジュール」は、印刷しようとしている印刷媒体のインク許容値(その印刷媒体の単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量)を参照し、CMYK各色インクの合計使用量がインク許容値を越えている場合には、インク許容値以下となるように、色変換テーブルに記憶されているCMYK階調データを修正する。インク許容値は、印刷媒体の種類毎に予め求めて記憶しておくことが可能である。また、CMYK階調データを修正するに際しては、測色的に等価な階調データに修正しておく。測色的に等価な修正は、例えば、ほぼ同量ずつのCMY階調値とKの階調値とを置き換えたり、あるいは、同じ色相で濃さの異なる色同士を濃さの比率に従って互いに置き換えることによって行うことができる。
本実施例の「色変換モジュール」は、デジタルカメラやコンピュータなどから、所定の規格によって測色値に対応付けられたRGB画像データを受け取ると、上述したように「画像データ変換サブモジュール」で異なるRGB階調値の組合せに変換するとともに、「色変換テーブル修正サブモジュール」で色変換テーブルを修正した後、「色変換サブモジュール」において、修正した色変換テーブルを参照しながら、変換しておいたRGB階調値の組合せをCMYK階調データに色変換する。「画像印刷モジュール」は、こうして得られたCMYK階調データに従って、インク吐出ヘッド12を駆動することによりC,M,Y,K各色のインク滴を吐出する。その結果、印刷媒体P上に、C,M,Y,K各色のインクドットが形成されて、カラー画像が印刷される。
以上に説明したように、本実施例の印刷装置10では、カラー画像を印刷するに際して、所定の規格によって測色値と対応付けられたRGB画像データを受け取るとともに、受け取ったRGB画像データを、印刷しようとする印刷媒体についての色再現特性データに基づいてRGB階調値の組合せに変換する。次いで、このRGB階調値の組合せをCMYK階調データに変換した後、カラー画像を印刷している。このため、どのような印刷媒体に印刷する場合でも、受け取ったRGB画像データに対応付けられた測色値の色彩を正確に再現したカラー画像を印刷することが可能となる。また、印刷媒体についてのインク許容値を読み込んで、CMYK各色インクの合計使用量がインク許容値以下となるように、色変換テーブルに記憶されているCMYK階調データを修正している。このため、どのような印刷媒体に印刷する場合でも、CMYK各色インクの合計使用量がインク許容値を超えることによって生ずる各種の弊害(例えば、滲みの発生や、コックリングと呼ばれる皺の発生など)によって画質が悪化することなく、高画質な画像を印刷することが可能となる。以下では、このような印刷装置10について、実施例に基づいて詳しく説明する。
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
図2は、本実施例の印刷装置10の外観形状を示す斜視図である。図示されるように、本実施例の印刷装置10は、スキャナ部100と、プリンタ部200と、スキャナ部100およびプリンタ部200の動作を設定するための操作パネル300などから構成されている。スキャナ部100は、印刷画像を読み込んで画像データを生成するスキャナ機能を有しており、プリンタ部200は、画像データを受け取って印刷媒体上に画像を印刷するプリンタ機能を有している。また、スキャナ部100で読み取った画像をプリンタ部200から出力すれば、コピー機能を実現することも可能である。すなわち、本実施例の印刷装置10は、単独でスキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を実現可能な、いわゆるスキャナ・プリンタ・コピー複合装置(以下、SPC複合装置という)となっている。
図3は、印刷画像を読み込むために、印刷装置10の上部に設けられた原稿台カバー102を開いた様子を示す説明図である。図示されているように、原稿台カバー102を上に開くと、透明な原稿台ガラス104が設けられており、その内部には、スキャナ機能を実現するための後述する各種機構が搭載されている。印刷画像を読み込む際には、図示されているように原稿台カバー102を開いて原稿台ガラス104の上に印刷画像を置き、原稿台カバー102を閉じてから操作パネル300上のボタンを操作する。こうすれば、印刷画像を直ちに画像データに変換することが可能となっている。
また、スキャナ部100は全体が一体のケース内に収納された構成となっており、スキャナ部100とプリンタ部200とは、印刷装置10の背面側でヒンジ機構204(図4参照)によって結合されている。このため、スキャナ部100の手前側を持ち上げることにより、ヒンジの部分でスキャナ部100のみを回転させることが可能となっている。
図4は、スキャナ部100の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。図示するように、本実施例の印刷装置10では、スキャナ部100の手前側を持ち上げることで、プリンタ部200の上面を露出させることが可能である。プリンタ部200の内部には、プリンタ機能を実現するための後述する各種機構や、スキャナ部100を含めて印刷装置10全体の動作を制御するための後述する制御回路260、更には、スキャナ部100やプリンタ部200などに電力を供給するための電源回路(図示は省略)なども設けられている。また、図4に示されているように、プリンタ部200の上面には、開口部202が設けられており、インクカートリッジなどの消耗品の交換や、紙詰まりの処理、軽微な修理などを簡便に行うことが可能となっている。
B−2.内部構成 :
図5は、本実施例の印刷装置10の内部構成を概念的に示した説明図である。前述したように、印刷装置10にはスキャナ部100とプリンタ部200とが設けられており、スキャナ部100の内部にはスキャナ機能を実現するための各種構成が搭載され、プリンタ部200の内部にはプリンタ機能を実現するための各種構成が搭載されている。以下では、初めにスキャナ部100の内部構成について説明し、次いでプリンタ部200の内部構成について説明する。
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
スキャナ部100は、印刷画像をセットする透明な原稿台ガラス104と、セットされた印刷画像を押さえておくための原稿台カバー102と、セットされた印刷画像を読み込む読取キャリッジ110と、読取キャリッジ110を読取方向(主走査方向)に移動させる駆動ベルト120と、駆動ベルト120に動力を供給する駆動モータ122と、読取キャリッジ110の動きをガイドするガイド軸106などから構成されている。また、駆動モータ122や読取キャリッジ110の動作は、後述する制御回路260によって制御されている。
制御回路260の制御の元で駆動モータ122を回転させると、駆動ベルト120を介してその動きが読取キャリッジ110に伝達され、その結果、読取キャリッジ110は、ガイド軸106に導かれながら駆動モータ122の回転角度に応じて読取方向(主走査方向)に移動するようになっている。また、駆動ベルト120は、アイドラプーリ124によって絶えず適度に張った状態に調整されており、このため、駆動モータ122を逆回転させれば回転角度に応じた距離だけ読取キャリッジ110を逆方向に移動させることも可能となっている。
読取キャリッジ110の内部には、光源112や、レンズ114、ミラー116、CCDセンサ118などが搭載されている。光源112からの光は原稿台ガラス104に照射され、原稿台ガラス104の上にセットされた印刷画像で反射する。この反射光は、ミラー116によってレンズ114に導かれ、レンズ114によって集光されてCCDセンサ118で検出される。CCDセンサ118は、光の強度を電気信号に変換するフォトダイオードが、読取キャリッジ110の移動方向(主走査方向)と直交する方向に列状に配置されたリニアセンサによって構成されている。このため、読取キャリッジ110を主走査方向に移動させながら、光源112の光を印刷画像に照射し、CCD118によって反射光強度を検出すれば、印刷画像を電気信号に変換することができる。
また、光源112は、RGBの3色の発光ダイオードによって構成されており、所定の周期でR色、G色、B色の光を順次、照射することが可能となっており、これに応じてCCD118では、R色、G色、B色の反射光が順次、検出されることになる。一般に、画像の赤色の部分はR色の光を反射するが、G色やB色の光はほとんど反射しないから、R色の反射光は画像のR成分を表したものとなっている。同様に、G色の反射光は画像のG成分を表しており、B色の反射光は画像のB成分を表している。従って、RGB3色の光を所定の周期で切り替えながら印刷画像に照射し、これに同期してCCD118で反射光強度を検出すれば、印刷画像のR成分、G成分、B成分を検出することができ、カラー画像を読み込むことが可能となっている。尚、光源112が照射する光の色を切り替えている間も読取キャリッジ110は移動しているから、RGBの各成分を検出する画像の位置は、厳密には、読取キャリッジ110の移動量に相当する分だけ異なっているが、このずれは、各成分を読み込んだ後に、画像処理によって補正することが可能である。
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
次に、プリンタ部200の内部構成について説明する。プリンタ部200には、印刷装置10の全体の動作を制御する制御回路260と、印刷媒体上に画像を印刷するための印刷キャリッジ240と、印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構と、印刷媒体の紙送りを行うための機構などが搭載されている。
印刷キャリッジ240は、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク,Mインク,Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243と、底面側に設けられた印字ヘッド241などから構成されており、印字ヘッド241には、インク滴を吐出するインク吐出ヘッドがインク毎に設けられている。印刷キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、各色毎のインク吐出ヘッド244ないし247に供給される。尚、図5に示したプリンタ部200では、Cインク,Mインク,Yインクについては一つのインクカートリッジ243に一体に収納されているものとして説明したが、これらインクをそれぞれ別体に形成された専用のインクカートリッジに収納することも可能である。また、これらインクに加えて、濃度の低いCインク(LCインク)や、濃度の低いMインク(LMインク)、更には濃度の低いKインク(LKインク)などを搭載することも可能である。
印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構は、印刷キャリッジ240を駆動するためのキャリッジベルト231と、キャリッジベルト231に動力を供給するキャリッジモータ230と、キャリッジベルト231に絶えず適度な張力を付与しておくための張力プーリ232と、印刷キャリッジ240の動きをガイドするキャリッジガイド233と、印刷キャリッジ240の原点位置を検出する原点位置センサ234などから構成されている。後述する制御回路260の制御の元でキャリッジモータ230を回転させると、回転角度に応じた距離だけ印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させることが可能である。まが、キャリッジモータ230を逆回転させれば、印刷キャリッジ240を逆方向に移動させることも可能となっている。
印刷媒体の紙送りを行うための機構は、印刷媒体を裏面側から支えるプラテン236と、プラテン236を回転させて紙送りを行う紙送りモータ235などから構成されている。後述する制御回路260の制御の元で紙送りモータ235を回転させれば、回転角度に応じた距離だけ印刷媒体を副走査方向に紙送りすることが可能となっている。
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、デジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器、更には、周辺機器との間でデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェースPIFなどから構成されている。制御回路260は、印刷装置10全体の動作を制御しており、スキャナ部100に搭載された光源112や、駆動モータ122、CCD118とデータをやり取りしながら、これらの動作を制御している。
また、キャリッジモータ230および紙送りモータ235を駆動して印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながら、各色のインク吐出ヘッド244ないし249に駆動信号を供給してインク滴を吐出させる制御も行っている。インク吐出ヘッド244ないし249に供給する駆動信号は、コンピュータ20やデジタルカメラ30などから画像データを読み込んで、後述する画像処理を行うことによって生成する。もちろん、スキャナ部100で読み込んだ画像データに画像処理を施すことにより、駆動信号を生成することも可能である。こうして制御回路260の制御の元で、印刷キャリッジ240を主走査および副走査させながら、インク吐出ヘッド244ないし247からインク滴を吐出して印刷媒体上に各色のインクドットを形成することによって、カラー画像を印刷することが可能となっている。もちろん、制御回路260内で画像処理を行うのではなく、画像処理が施されたデータをコンピュータ20から受け取って、このデータに従って印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながらインク吐出ヘッド244ないし247を駆動することも可能である。
また、制御回路260は、操作パネル300ともデータをやり取り可能に接続されており、操作パネル300上に設けられた各種のボタンを操作することにより、スキャナ機能や、プリンタ機能の詳細な動作モードを設定することが可能となっている。更には、コンピュータ20から、周辺機器インターフェースPIFを介して詳細な動作モードを設定することも可能である。
図6は、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に、インク滴を吐出する複数のノズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐出ヘッドの底面には、各色毎のインク滴を吐出する6組のノズル列が形成されており、1組のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチpの間隔を空けて千鳥状に配列されている。制御回路260からは、これらノズルNzのそれぞれに駆動信号が供給され、各ノズルNzは駆動信号に従って、それぞれのインクによるインク滴を吐出する。
尚、インク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
C.画像印刷処理の概要 :
上述したように、プリンタ部200で所望の画像を印刷するためには、画像データに適切な画像処理を施して各ノズルに対する駆動信号を生成し、駆動信号に基づいてドットを形成する必要がある。以下では、かかる処理(画像印刷処理)の概要について説明する。尚、本実施例の印刷装置10では、プリンタ部200に組み込まれた制御回路260内で画像処理を行うが、外部に設けられたコンピュータ20で画像処理を行い、処理済みのデータを周辺機器インターフェースPIFから読み込んで、ドットを形成することも可能である。
図7は、画像データを読み込んで画像を印刷する画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。画像印刷処理を開始すると、制御回路260は先ず初めに、印刷しようとするカラー画像の印刷条件を設定する(ステップS100)。印刷条件の設定は、操作パネル300に設けられた液晶画面の表示を確認しながら行うことができる。あるいは、コンピュータ20上でプリンタドライバを起動させて同様な設定を行った後、コンピュータ20から、印刷装置10の周辺機器インターフェースPIFを介してデータを供給することによって設定することも可能である。
図8は、操作パネル300の液晶画面上で、印刷条件を設定している様子を例示した説明図である。図示した例では、印刷条件として、カラー印刷を行うか否かと、印刷用紙の種類とを設定する。図示されているように、液晶画面上には2つのラジオボタンが設けられており、「カラー」と表示された方のラジオボタンを選択することにより、カラー印刷を行う旨を設定することができる。尚、本実施例の操作パネル300では、タッチパネル式の液晶画面が搭載されており、画面上で何れかのラジオボタンに触れると、触れた方のボタンが選択されるようになっている。また、印刷用紙の種類については、「用紙種類」と表示された設定欄に、用紙の種類を設定することによって行う。用紙種類は選択式になっており、設定欄の右隅に表示された下向き矢印の部分に触れると、予め設定されている用紙種類のリストが選択可能な状態で展開されるようになっている。
図9は、用紙種類のリストが展開された様子を概念的に示した説明図である。図示した例では、印刷用紙の種類として「普通紙」、「光沢紙」、「マット紙」、「ファイン紙」、「スーパーファイン紙」などが設定されており、これら用紙種類のリストが表示されている。こうして展開されたリストの中から選択することにより、印刷しようとする用紙種類を設定することができる。
もちろん全ての印刷用紙の種類を、リストとして表示可能に記憶しておくことは困難であり、印刷しようとしている用紙種類がリスト中に表示されない場合も生じ得る。このような場合には、リストの最後に表示されている「詳細プロファイル設定」という項目を選択する。すると、グレーアウトされていた「詳細プロファイル」の設定欄が入力可能となって、「入力側プロファイル」や、「インクデューティ値」、「出力側プロファイル」などを設定することが可能となる。
図10は、「用紙種類」の設定欄に「詳細プロファイル設定」という項目を設定したことで、「詳細プロファイル」に関する各種の設定欄が入力可能となった状態を概念的に表した説明図である。「詳細プロファイル」に設定する項目については後ほど詳しく説明するが、本実施例の印刷装置10では、これら項目を設定することにより、用紙種類のリストに設定されていない印刷用紙に印刷する場合でも、正確な色彩が再現されて、且つ滲みなどの発生のない高画質な画像を印刷することが可能となっている。
以上のようにして、操作パネル300の液晶画面を見ながら印刷条件を設定したら(図7のステップS100)、印刷しようとする画像データの読み込みを行う(ステップS102)。ここでは、画像データはR,G,B各色の階調値によって表現されたRGB画像データであるものとする。
次いで、読み込んだ画像データの解像度を、プリンタ部200が印刷するための解像度(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS104)。読み込んだ画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、隣接する画素の間に補間演算を行って新たな画像データを設定することで、より高い解像度に変換する。逆に、読み込んだ画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合は、隣接する画素の間から一定の割合で画像データを間引くことによって、より低い解像度に変換する。解像度変換処理では、読み込んだ画像データに対して適切な割合で画像データを生成あるいは間引くことによって、読み込んだ解像度を印刷解像度に変換する処理を行う。
こうして画像データの解像度を印刷解像度に変換したら、制御回路260は色変換処理を開始する(ステップS106)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組合せによって表現されているRGBカラー画像データを、印刷にために使用されるインクの色に相当するC,M,Y,K各色の階調値の組合せによって表現されたCMYK階調データに変換する処理である。前述したように、プリンタ部200では、C,M,Y,Kの4色のインクを用いて画像を印刷しているから、本実施例の色変換処理では、RGB画像データを、CMYKの各色についての階調値に変換する処理を行う。もちろん、C,M,Y,Kの4色に加えて、濃度の薄いCインク(LCインク)や、濃度の薄いMインク(LMインク)、あるいは濃度の薄いKインク(LKインク)などが搭載されている場合には、RGB画像データを、これら淡インクを加えた各色の階調値に変換することとしても良い。
また、色変換処理の詳細については後述するが、色変換処理は、色変換テーブルと呼ばれる三次元の数表を参照することによって迅速に実行することができる。色変換テーブルは、印刷用紙の種類毎に用意されており、用紙種類に応じて適切な色変換テーブルを参照しながら色変換処理を行うことで、カラー画像データの色彩が正確に再現され、且つ滲みなどの無い高画質なカラー画像を印刷することが可能である。加えて、本実施例の印刷装置10では、色変換テーブルが設定されていない印刷用紙に印刷する場合でも、色彩が正確に再現され、且つ滲みなどのない高画質なカラー画像を印刷することが可能となっている。
図7に示されているように、画像印刷処理では、色変換処理に続いてハーフトーン処理を行う(ステップS108)。ハーフトーン処理とは、次のような処理である。色変換処理によって得られたCMYK各色の階調データは、画素毎に、階調値0から階調値255までの値を取り得るデータである。これに対してプリンタ部200では、ドットを形成することによって画像を表示しているから、それぞれの画素についてはドットを形成するか否かの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有するCMYK階調データを、画素毎にドット形成の有無を表したデータ(ドットデータ)に変換しておく必要がある。ハーフトーン処理とは、このようにCMYK階調データをドットデータに変換する処理である。
ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用することができる。誤差拡散法は、ある画素についてドットの形成有無を判断したことでその画素に発生する階調表現の誤差を、周辺の画素に拡散するとともに、周囲から拡散されてきた誤差を解消するように、各画素についてのドット形成の有無を判断していく手法である。また、ディザ法は、ディザマトリックスにランダムに設定されている閾値とCMYK階調データとを画素毎に比較して、CMYK階調データの方が大きい画素にはドットを形成すると判断し、逆に閾値の方が大きい画素についてはドットを形成しないと判断することで、各画素についてのドットデータを得る手法である。
図11は、ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。図示したマトリックスには、縦横それぞれ64画素、合計4096個の画素に、階調値0〜255の範囲から万遍なく選択された閾値がランダムに記憶されている。ここで、閾値の階調値が0〜255の範囲から選択されているのは、本実施例ではCMYK階調データが1バイトデータであり、階調値が0〜255の値を取り得ることに対応するものである。尚、ディザマトリックスの大きさは、図11に例示したように縦横64画素分に限られるものではなく、縦と横の画素数が異なるものも含めて、種々の大きさに設定することが可能である。
図12は、ディザマトリックスを参照しながら、画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。尚、かかる判断は、CMYKの各色について行われるが、以下では説明が煩雑となることを避けるために、CMYK階調データの各色を区別することなく、単に階調データと称するものとする。
ドット形成有無の判断に際しては、先ず、判断の対象として着目している画素(着目画素)についての階調データの階調値と、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値とを比較する。図中に示した細い破線の矢印は、着目画素の階調データを、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値と比較していることを模式的に表したものである。そして、ディザマトリックスの閾値よりも着目画素の階調データの方が大きい場合には、その画素にはドットを形成するものと判断する。逆に、ディザマトリックスの閾値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成しないものと判断する。図12に示した例では、画像の左上隅にある画素の階調データは「97」であり、ディザマトリックス上でこの画素に対応する位置に記憶されている閾値は「1」である。従って、左上隅の画素については、階調データの方がディザマトリックスの閾値よりも大きいから、この画素にはドットを形成すると判断する。図12中に実線で示した矢印は、この画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模式的に表したものである。一方、この画素の右隣の画素については、階調データは「97」、ディザマトリックスの閾値は「177」であり、閾値の方が大きいので、この画素についてはドットを形成しないものと判断する。このように、階調データとディザマトリックスに設定された閾値とを比較することにより、ドットの形成有無を画素毎に決定することができる。ハーフトーン処理(図7のステップS108)では、C,M,Y,Kの各インク量データに対して上述したディザ法を適用することにより、画素毎にドット形成の有無を判断してドットデータを生成する処理を行う。
以上のようにして、CMYK階調データをドットデータに変換したら、今度は、インターレース処理を開始する(ステップS110)。インターレース処理とは、印字ヘッド241がドットを形成する順序でドットデータを並び替えて、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に供給する処理である。すなわち、図6に示したように、インク吐出ヘッド244ないし247に設けられたノズルNzは副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けて設けられているから、印刷キャリッジ240を主走査させながらインク滴を吐出すると、副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けてドットが形成されてしまう。そこで全画素にドットを形成するためには、印刷キャリッジ240と印刷媒体との相対位置を副走査方向に移動させて、ノズルピッチkだけ隔たったドット間の画素に新たなドットを形成することが必要となる。このように、実際に画像を印刷する場合には、画像上で上方にある画素から順番にドットを形成しているわけではない。更に、主走査方向に同じ列にある画素についても、一回の主走査でドットを形成するのではなく、画質上の要請から、複数回の主走査に分けてドットを形成することとして、各回の主走査では飛び飛びの位置の画素にドットを形成することも広く行われている。
このように、実際に画像を印刷する場合には、画像上で画素の並びの順番に従ってドットを形成しているわけではない。そこで、実際にドットの形成を開始する前に、C,M,Y,Kの各色毎に得られたドットデータを、インク吐出ヘッド244ないし247がドットを形成する順番に並び替えておく。このような処理が、インターレースと呼ばれる処理である。
画像印刷処理では、インターレース処理を終了すると、インターレース処理によって得られたデータに基づいて、印刷媒体上に実際にドットを形成する処理(ドット形成処理)を開始する(ステップS112)。すなわち、キャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を主走査させながら、順番を並び替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ないし247に供給する。前述したようにドットデータは、各画素にドットを形成するか否かを表したデータであるから、インク吐出ヘッド244ないし247は、ドットデータに従ってインク滴を吐出すれば、各画素に適切にインクドットを形成することができる。
そして、一回の主走査が終了したら、今度は、紙送りモータ235を駆動して印刷媒体を副走査方向に紙送りした後、再びキャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を主走査させつつ、順番を並べ替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ないし247に供給してドットを形成する。このような操作を繰り返し行うことにより、印刷媒体上には、C,M,Y,Kの各色のドットが適切な分布で形成されて、印刷画像が得られることになる。
以上に説明したように、本実施例の印刷装置10では、RGB画像データをCMYK階調データに色変換した後、得られたCMYK階調データに従って、CMYK各色のインクドットを形成することにより印刷媒体上に画像を印刷する。ここで、インクの発色は印刷媒体毎に微妙に異なっており、単位面積あたりに使用可能なインク量の最大許容値(インクデューティ値)も印刷媒体毎に異なることから、印刷媒体毎に用意された専用の色変換テーブルを参照することで、印刷媒体の特性に応じて最適な色変換を行い、高画質な画像を印刷することを可能としている。もちろん、全ての印刷媒体毎に専用の色変換テーブルを用意しておくことは困難であり、色変換テーブルが設定されていない印刷媒体に画像を印刷しなければならない場合も生じ得る。このような場合でも高画質な画像の印刷を可能とするべく、本実施例の印刷装置10では、次のような色変換処理を行っている。
D.色変換処理の内容 :
図13は、本実施例の印刷装置10が行う色変換処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図7を用いて前述した画像印刷処理の中で、印刷装置10の制御回路260によって実行される処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
色変換処理を開始すると、先ず初めに、詳細プロファイルを使用して色変換するか否かを判断する(ステップS200)。詳細プロファイルを使用するか否かは、図7の画像印刷処理中の印刷条件設定処理(図7のステップS100)で予め設定されている。すなわち、図10の印刷条件設定画面の中の「用紙種類」と表示された設定欄で、「普通紙」や「光沢紙」などの印刷用紙の種類が選択されている場合は、「詳細プロファイル」を使用することなく色変換を行うものと判断することができるし(ステップS200:no)、逆に「詳細プロファイル設定」が選択されている場合は、「詳細プロファイル」を使用して色変換を行うものと判断することができる(ステップS200:yes)。
本実施例の色変換処理は、詳細プロファイルを使用することで、どのような種類の印刷用紙に対しても、適切にRGB画像データをCMYK階調データに変換しようとするものであるが、理解の便宜を図るために先ず「詳細プロファイル」を使用せずに色変換を行う方法について説明し、その内容を踏まえて、「詳細プロファイル」を使用した色変換について説明する。
図13のステップS200において、「詳細プロファイル」を使用しないと判断された場合は(ステップS200:no)、図10に示した印刷条件設定画面において「普通紙」や「光沢紙」、「マット紙」などの用紙種類が設定されている。そこで、予め設定されている印刷用紙に対応した色変換テーブルを選択する(ステップS216)。ここで、「詳細プロファイル」を用いた色変換を説明するための準備として、色変換テーブルについて若干説明しておく。
図14は、色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概念的に示した説明図である。図示されているように、直交する3つの軸にR座標、G座標、B座標を取った色空間を考えると、RGB画像データは、必ず色空間内の座標点に対応付けることができる。そこで、R軸、G軸、B軸のそれぞれを細分して色空間内に多数の格子点を設定し、各格子点に、CMYK各色の階調値を対応付けて記憶させる。色変換テーブルは、このようにして、RGB画像データとCMYK各色の階調値とを対応付けた三次元の数表と考えることができる。各格子点に記憶されるCMYK各色の階調値は、次のようにして決定されている。
各格子点のCMYK階調値を決定するに際しては、先ず初めに、種々のCMYK階調値のカラー画像を印刷して、印刷された画像の色彩を測色する。このようなカラー画像は「パッチ画像」と呼ばれることがある。
図15は、種々のCMYK階調値のパッチ画像を印刷する様子を概念的に示した説明図である。図15中に示した複数の小さな矩形は、一つ一つが固有のCMYK階調値が設定されたパッチ画像を表している。尚、実際のパッチ画像では、C,M,Y,Kの4種類の階調値を「0」〜「255」の範囲で、いわば四次元的に変更するが、こうした四次元的な変更を二次元的な図として表現することは困難である。このため、図15では便宜上、C,M,Yの3種類の階調値を「0」〜「255」の範囲で、いわば三次元的に変更するものとして表示している。このようにして印刷したパッチ画像を測色すれば、CMYK階調値の組合せと、その階調値の組合せによって得られるパッチ画像の測色値との対応関係を求めることができる。
一方、周知のように、光の三原色であるR色光、G色光、B色光を混合すれば、種々の色彩を表現することが可能である。RGB画像データは、こうした原理に基づいてカラー画像を表現するものであるが、基準となるRGBの光の選び方の違いなどによって、同じRGB画像データであっても異なる色彩が表現されてしまう。こうしたことを避けるために、RGB画像データには規格が定められており、同じ規格のRGB画像データであれば、必ず同じ色彩を表現することができるようになっている。このような規格の代表的なものとしては、「sRGB」と呼ばれる規格が広く知られており、デジタルカメラで撮影したカラー画像データや、コンピュータで作成したカラー画像データは、多くの場合、sRGB規格による画像データとなっている。その他の規格としては、ソフトウェアメーカーが提唱する種々の規格も存在しており、これらの規格も比較的広く使用されている。
色変換テーブルの各格子点に設定されているCMYK階調値の組合せは、これらの対応関係、すなわち、パッチ画像の測色結果に基づいて得られたCMYK階調値の組合せと測色値との対応関係、および規格として規定されているRGB画像データと測色値との対応関係に基づいて決定されている。
図16は、CMYK階調データと、測色値と、RGB画像データとの関係に基づいて、色変換テーブルの格子点に設定するCMYK階調値の組合せを決定する方法を示した説明図である。先ず、色変換テーブルの格子点を1つ選択し、その格子点の座標値からRGB画像データを取得する。次いで、規格によって、そのRGB画像データが対応付けられている測色値を求める。尚、RGB画像データと測色値との対応関係は、入力側プロファイルと呼ばれることがある。また、測色値は、通常、輝度を表すL*成分と、色相を表す2つの成分(a*成分、b*成分)とによって構成されている。
次に、RGB画像データが表す測色値と同じ測色値に対応付けられたCMYK階調値を、パッチ画像の測色結果から得られたCMYK階調データと測色値との対応関係に基づいて決定する。こうして決定したCMYK各色の階調値を、選択した格子点に設定する。色変換テーブルは、このようにして、測色値を介して、格子点の座標に対応するRGB画像データと、CMYK階調データとを対応付けたものとなっている。
また、前述したように、印刷用紙の種類が違えば、インクの発色も微妙に異なっており、当然、パッチ画像の測色値も異なっている。従って、RGB画像データに対応付けられるCMYK階調データも、印刷用紙の種類毎に異なったものとなり、これに対応して、色変換テーブルも印刷用紙の種類毎に設定されている。本実施例の印刷装置10では、制御回路260のROMの中に、印刷用紙の種類毎に設定された複数の色変換テーブルが予め記憶されている。
図13に示した色変換処理のステップS216では、印刷条件として設定されている印刷用紙を取得して、その印刷用紙に対応する色変換テーブルを、制御回路260に内蔵されたROMの中から選択する処理を行う。次いで、選択した色変換テーブルを参照することにより、RGB画像データをCMYK階調データに変換する(ステップS218)。
一方、「詳細プロファイル」を使用する旨が設定されていた場合は(ステップS200:yes)、入力側プロファイルの読み込みを行う(ステップS202)。図10を用いて前述したように、「用紙種類」を設定する代わりに「詳細プロファイル」を使用する旨を設定した場合は、それまでグレーアウトされていて入力できない状態となっていた詳細プロファイルの設定欄が入力可能な状態となり、入力側プロファイルを設定することが可能となる。
図17は、印刷装置10の操作パネル300の液晶画面に表示された印刷条件設定画面上で、入力側プロファイルを設定している様子を概念的に示した説明図である。本実施例の印刷装置10では、前述した「用紙種類」の設定と同様に、「入力側プロファイル」についても、予め設定されているプロファイルの中から選択して設定するようになっている。印刷しようとするRGB画像データが「sRGB」と呼ばれる規格の画像データである場合は、入力側プロファイルに設定されたリストの中から、「sRGB」を選択することで、入力側プロファイルを設定することができる。また、RGB画像データが特殊な規格によって記述されている場合は、具体的な入力側プロファイルを選択する代わりに、「外部ファイル読込」という項目を選択することで、コンパクトディスクなどの携帯可能な記憶媒体に予め記憶されている入力側プロファイルを読み込むことも可能となっている。図13のステップS202では、このようにして入力側プロファイルを読み込む処理を行う。
入力側プロファイルに続いて、「インクデューティ値」の読み込みを行う(ステップS204)。「インクデューティ値」とは、単位面積あたりの印刷用紙に使用可能なインクの許容量を示す値である。印刷用紙に向かってインク滴を吐出すると、インク滴が印刷用紙に染み込んでインクドットが形成されるが、あまりに多量のインク滴を吐出すると、インクが用紙に染み込むことができず、インクが滲んだり、あるいは印刷用紙が膨れて表面に波打ちが発生するなどの弊害が生じる。そこで、こうしたことの無いように、印刷用紙には使用可能なインク量の最大許容値が設定されており、この値は「インクデューティ値」と呼ばれている。
図18は、印刷装置10の操作パネル300の液晶画面に表示された印刷条件設定画面上で、「インクデューティ値」を設定している様子を概念的に示した説明図である。「インクデューティ値」については、設定欄に対して直接、数値を打ち込むことで設定するようになっている。図13のステップS204では、このようにして設定されたインクデューティ値を読み込む処理を行う。
次いで、制御回路260に内蔵されたROMに記憶されている複数の色変換テーブルの中から、インクデューティ値の近い色変換テーブルを選択する(ステップS206)。すなわち、前述したように色変換テーブルは印刷用紙の種類毎に設定されており、印刷用紙にはインクデューティ値(使用可能なインク量の最大許容値)が存在している。ステップS206では、ROMに予め記憶されている複数の色変換テーブルの中から、設定されたインクデューティ値に出来るだけ近いインクデューティ値を有する印刷用紙の色変換テーブルを選択する処理を行う。
こうして色変換テーブルを選択したら、対応する出力側プロファイルが存在するか否かを判断する(ステップS208)。ここで、出力側プロファイルとは、色変換テーブルを参照して変換しようとしているRGB画像データと、そのRGB画像データに基づいて印刷用紙上に印刷されるカラー画像の測色値との対応関係を示すデータである。当然、出力側プロファイルは、参照する色変換テーブルや印刷用紙の種類に影響される。もちろん、色変換テーブルは印刷用紙の種類毎に設定されているが、ここでは色変換テーブルが設定されていない印刷用紙にカラー画像を印刷しようとしており、インクデューティ値の近い色変換テーブルが選択されている。そこで、選択した色変換テーブルと、印刷しようとしている印刷用紙との組合せに対応した出力側プロファイルが、制御回路260に内蔵されたROMに記憶されているか否かを判断する。かかる判断も、操作パネル300の液晶画面に表示された「出力側プロファイル」についての設定内容から容易に判断することができる。
図19は、印刷装置10の操作パネル300の液晶画面に表示された印刷条件設定画面上で、出力側プロファイルを設定している様子を概念的に示した説明図である。「出力側プロファイル」については、前述した「入力側プロファイル」と同様に、予め設定されているプロファイルの中から選択して設定するようになっている。これら出力側プロファイルの中から、印刷装置10の操作者が、インクデューティ値に基づいて選択した色変換テーブルと印刷しようとする印刷用紙の種類との組合せに対応するプロファイルを選択して、「出力側プロファイル」として設定する。また、「外部ファイル読込」という項目を選択すれば、コンパクトディスクなどの携帯可能な記憶媒体に予め記憶されている出力側プロファイルを読み込むことも可能である。更に、該当する出力側プロファイルが存在しない場合には、「プロファイル生成」という項目を選択することも可能となっている。
図13のステップS208では、こうした出力側プロファイルについての設定内容に基づいて、対応する出力プロファイルが存在しているか否かを判断する。そして、「プロファイル生成」という項目が選択されていた場合は、対応する出力側プロファイルが存在していないと判断して(ステップS208:no)、出力側プロファイルを生成する処理を行う(ステップS300)。出力側プロファイルを生成する処理の内容については後述する。一方、印刷条件設定画面に表示されたリストの中から、何れかの出力側プロファイルが選択された場合、あるいは「外部ファイル読込」という項目が選択されていた場合は、対応する出力側プロファイルが存在するものと判断して(ステップS208:yes)、選択された出力側プロファイルを、ROMあるいは外部ファイルから読み込む処理を行う(ステップS210)。
次いで、測色値が一致するようにRGB画像データを変換する処理を行う(ステップS212)。かかる処理の内容について、図20を用いて説明する。図20は、入力側プロファイルと出力側プロファイルとに基づいて、測色値が一致するようにRGB画像データを変換する様子を概念的に示した説明図である。ここで、入力側プロファイルおよび出力側プロファイルは、それぞれ図17および図19を用いて前述したように、操作パネル300の液晶画面から設定されている。また、入力側プロファイルは、RGB画像データと測色値との対応関係が記述されている。従って、入力側プロファイルを参照することで、デジタルカメラなどから供給されたRGB画像データが、どのような測色値の色彩を表現したものであるかを知ることができる。
一方、出力側プロファイルには、色変換テーブルの入力側のRGB階調値と、測色値との対応関係が記述されている。すなわち、出力側プロファイルを参照すれば、あるRGB画像データを色変換テーブルに従って色変換し、印刷用紙上に印刷すると、どのような測色値の色彩が得られるかを知ることができる。このことから、あるRGB画像データを受け取ったときに、そのRGB画像データが入力側プロファイルによって対応付けられた測色値と同じ測色値が得られるようなRGB階調値の組合せを、出力側プロファイルに基づいて決定することができる。図13に示した色変換処理のステップS212では、印刷しようとするRGB画像データを、このようなRGB階調値によって表現された画像データに変換する処理を行う。
次いで、インクデューティ値に基づいて選択した色変換テーブルを修正する処理を行う(ステップS400)。かかる処理の詳細は後述するが、大まかには次のような処理を行う。先ず、選択した色変換テーブルのインクデューティ値が、カラー画像を印刷しようとしている印刷装置のインクデューティ値よりも大きいか否かを判断する。そして、色変換テーブルのインクデューティ値が、印刷しようとしている印刷用紙のインクデューティ値よりも大きい場合には、そのままの色変換テーブルを参照して色変換を行ったのでは印刷用紙のインクデューティ値を超えてしまい、滲みや皺の発生などの弊害が生じるおそれがある。そこで、色変換テーブルに設定されているCMY各色の階調値を、K階調値に置き換えてやることで、インク使用量を印刷用紙のインクデューティ値以下に抑制する処理を行う。かかる色変換テーブル修正処理の詳細については後述する。
こうして色変換テーブルを修正したら、修正した色変換テーブルを参照して、変換後のRGB画像データをCMYK階調データに変換した後(ステップS214)、図13に示した色変換処理を終了して、図7の画像印刷処理に復帰する。
以上に説明した本実施例の色変換処理では、画像を印刷しようとしている印刷用紙の色変換テーブルが設定されていない場合でも、入力側プロファイルと出力側プロファイルとに基づいて、RGB画像データを測色値が一致するRGB階調値に変換し、得られたRGB階調値を色変換してカラー画像を印刷する。このため、対応する色変換テーブルが記憶されていない印刷用紙に印刷する場合でも、元のRGB画像データの色彩を正確に再現したカラー画像を印刷することが可能である。もちろん、色変換に際して参照される色変換テーブルは、印刷用紙に対応した色変換テーブルではないため、そのまま印刷したのでは印刷用紙のインクデューティ値を越えてしまうおそれがある。こうした点にかんがみて、本実施例の色変換処理では、印刷用紙のインクデューティ値に基づいて、色変換テーブルを修正しているので、印刷用紙のインクデューティ値を越えることがなく、高画質なカラー画像を印刷することができる。もちろん、単純に色変換テーブルを修正したのでは、出力側プロファイルは異なってしまい、RGB画像データの色彩を正確に再現することは出来なくなってしまう。しかし、CMY階調値を等価なK階調値に変換する場合は、変換量がよほど大きくならない限り、色変換テーブルを修正しても、そのことで出力側プロファイルが変わってしまうことは無い。また、色変換テーブルを選択するに際しては、インクデューティ値が近い色変換テーブルを選択しているから、僅かなCMY階調値を等価なK階調値に変換するだけで、インクデューティ値を印刷用紙のインクデューティ値以下に抑制することができる。その結果、色変換テーブルが記憶されていない印刷用紙に印刷する場合でも、RGB画像データの色彩を正確に再現しつつ、印刷用紙のインクデューティ値以内でカラー画像を印刷することができるので、滲みや皺などが発生することの無い高画質なカラー画像を印刷することが可能となる。
次に、出力側プロファイルを生成する処理(図13のステップS300)、および色変換テーブルを修正する処理(図13のステップS400)について説明する。
E.出力側プロファイル生成処理 :
図21は、上述した色変換処理において、対応する出力側プロファイルが存在しない場合に、プロファイルを生成する処理の流れを示したフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。
出力側プロファイルの生成にあたっては、先ず初めにプロファイルを生成しようとする色変換テーブルを選択する(ステップS302)。すなわち、前述したように出力側プロファイルは、RGB画像データを予め選択しておいた色変換テーブルを用いて色変換し、ある種類の印刷用紙にカラー画像を印刷したときに得られる測色値と、RGB画像データとの対応関係を記述したデータであるから、出力側プロファイルを生成するためには、予め対象とする色変換テーブルと印刷用紙の種類とを特定しておく必要がある。そこで、ステップS302では、印刷装置10の制御回路260に内蔵されたROMに記憶されている複数の色変換テーブルの中から、対象とする色変換テーブルを選択するのである。尚、図21に示した出力側プロファイル生成処理を、図13の色変換処理中で行うのであれば、図13のステップS206において、インクデューティ値の近い色変換テーブルが予め選択されているから、図21のステップS302では、その色変換テーブルが選択されることになる。
次いで、出力側プロファイルを生成しようとしている印刷用紙上に、パッチ画像を印刷する(ステップS304)。図22は、出力側プロファイルを生成するために、パッチ画像を印刷している様子を概念的に示した説明図である。図示されているように、パッチ画像の印刷は、RGBの階調値を「0」〜「255」の範囲で変更しながら、一連のRGB階調値の組合せを生成する。次いで、これらRGB階調値の組合せを、先に選択しておいた色変換テーブルを参照して、CMYK階調データに変換した後、得られたCMYK階調データに従って印刷用紙上にカラー画像を印刷する。生成したRGB階調値の全ての組合せについて、こうした操作を行うことにより、図22に例示したようなパッチ画像を印刷することができる。
以上のようにしてパッチ画像を印刷したら、それぞれのパッチ画像に表現されている色彩を測色する(ステップS306)。測色は、測色器と呼ばれる専用機器をパッチ画像に当てることで簡単に行うことができる。それぞれのパッチ画像は、少しずつ異なるRGB画像データを色変換することによって印刷されているから、各パッチ画像の測色値が得られれば、RGB画像データと測色値とが、一対一の関係で対応付けられたことになる。こうして得られた対応関係を、所定のデータ形式に従って整理することにより、出力側プロファイルを生成した後(ステップS308)、図21に示す出力側プロファイル生成処理を終了し、図13の色変換処理に復帰する。
上述した方法によれば、色変換テーブルと印刷用紙との組合せに対応する出力側プロファイルが存在しない場合でも、簡便に出力側プロファイルを生成して、RGB画像データの色彩を正確に再現したカラー画像を印刷することが可能となる。
F.色変換テーブル修正処理 :
上述した方法によって出力側プロファイルを生成し、入力側プロファイルおよび出力側プロファイルとに基づいて、測色値が一致するようにRGB画像データを変換してから画像を印刷すれば、印刷用紙に対応していない色変換テーブルを参照して色変換した場合でも、正しい色彩を再現することが可能である。もっとも、このようにして得られたCMYK階調データは、必ずしも印刷用紙のインクデューティ値以下に納まっているとは限らない。CMYK階調データが印刷用紙のインクデューティ値を超えていると、滲みが生じたり、用紙の膨潤によって皺が発生するなどにより、印刷画質の悪化を引き起こす。そこで、こうしたことを回避するために、図13に示した本実施例の色変換処理では、色変換テーブルを修正する処理を行っている。以下、色変換テーブル修正処理の内容について説明する。
図23は、色変換テーブルに設定されたCMYK各色の階調値を修正する処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図13を用いて前述した色変換処理のステップS400において、本実施例の印刷装置10の制御回路260によって実行される処理である。以下、図23のフローチャートに従って説明する。
色変換テーブル修正処理を開始すると、印刷用紙のインクデューティ値が、色変換テーブルのインクデューティ値より大きいか否かを判断する(ステップS402)。印刷用紙のインクデューティ値は、図18を用いて前述したように、印刷装置10の操作パネル300の液晶画面から設定されており、この値が色変換処理のステップS204において予め取得されている。また、図16を用いて前述したように、色変換テーブルは印刷用紙が特定された状態で設定されており、各印刷用紙にはそれぞれに固有のインクデューティ値が設けられているから、それぞれの色変換テーブルについても固有のインクデューティ値が存在していると考えることができる。図23に示した色変換テーブル修正処理のステップS402では、操作パネル300から設定された印刷用紙のインクデューティ値と、色変換処理中で選択された色変換テーブルのインクデューティ値とを比較して、印刷用紙のインクデューティ値の方が、色変換テーブルのインクデューティ値よりも大きいか否かを判断する。そして、印刷用紙のインクデューティ値の方が大きい場合は(ステップS402:yes)、選択した色変換テーブルをそのまま使用して色変換を行っても、滲みや皺の発生などの弊害が生じることは無い。そこで、色変換テーブルを修正することなく、図23に示した色変換テーブル修正処理を終了する。
一方、印刷用紙のインクデューティ値の方が色変換テーブルのインクデューティ値よりも小さい場合は(ステップS402:no)、そのまま色変換を行って画像を印刷したのでは、印刷用紙のインクデューティ値を越えるインク量が使用されて、滲みや皺の発生などの弊害が生じるおそれがある。そこで、この場合は、以下のようにして、色変換テーブルの格子点に設定されているCMYK各色階調値を修正する処理を行う。
CMYK各色の階調値を修正するに際しては、先ず初めに、色変換テーブルに設定されている複数の格子点の中から、修正の対象とする格子点を1つ選択する(ステップS404)。次いで、選択した格子点に設定されているCMYK階調値を読み出す(ステップS406)。そして、読み出したCMYK各色の階調値を合計し(ステップS408)、合計値が印刷用紙のインクデューティ値を超えているか否かを判断する(ステップS410)。
判断の結果、CMYK各色の階調値の合計値が、インクデューティ値を超えていない場合は(ステップS410:no)、その格子点については、設定されているCMYK各色階調値の修正は不要と判断して、色変換テーブルの全格子点について、上述した操作を行ったか否かを判断する(ステップS414)。一方、CMYK各色階調値の合計値がインクデューティ値を越えている場合は(ステップS410:yes)、いわゆる下色除去と呼ばれる処理を行うことにより、合計値がインクデューティ値以下となるようにCMYK各色階調値を修正する(ステップS412)。
図24は、下色除去と呼ばれる処理の概要を示した説明図である。今、C,M,Y各色の階調値が図24(a)に示すような値を有しているものとする。周知のように、C,M,Yのインクをほぼ等量ずつ混ぜ合わせれば黒色が得られるから、図中に斜線を付した部分の階調値は、等量のKの階調値に置き換えることができる。このように、CMYの階調値を、等量のKの階調値に置き換える処理が下色除去と呼ばれる処理である。図24(b)は、図24(a)に斜線を付したCMYの階調値を、Kの階調値に置き換えた様子を示している。図24(a)と図24(b)とを比較すれば明らかなように、C,M,Yのそれぞれで斜線を付した分だけ階調値が減少し、代わりに、Kの階調値が斜線を付した分だけ増加している。従って、下色除去を行えば、CMYでの減少分とKでの増加分とを差し引して、全体では斜線を付した部分の2倍の階調値を減少させることができる。
図25は、格子点に設定されているCMYK階調値の合計値がインクデューティ値を超えている場合に、下色除去を行うことで、インクデューティ値以下にCMYK各色の合計階調値を抑制する様子を示した説明図である。図25(a)は、下色除去前のCMYK各色の階調値を示している。図中の右端には、各階調値の合計値が示されており、また、図中に示した二点鎖線は、インクデューティ値を表している。図示されているように、CMYK各色の合計階調値がインクデューティ値を超えている場合は、先ず初めに、超過分を算出する。そして、超過分の半分だけ、C,M,Yの各階調値を減少させ、代わりにKの階調値を増加させることにより、CMYの階調値をKの階調値に置き換える。こうすれば、図25(b)に示すように、CMYK各色階調値の合計を、インクデューティ値以下に抑制することが可能となる。図23のステップS412では、このような操作を行うことにより、色変換テーブルの各格子点に設定されているCMYK階調値の合計値がインクデューティ値以下となるように、CMY各色の階調値をKの階調値に置き換える処理を行う。
以上のようにして、ステップS404で選択した1つの格子点についての処理を終了したら、色変換テーブルに設定されている全格子点についての処理を終了したか否かを判断し(ステップS414)、未処理の格子点が残っていれば(ステップS414:no)、ステップS404に戻って新たな格子点を1つ選択して、上述した続く一連の処理を行う。こうした操作を繰り返し、全ての格子点についての処理を終了したと判断されたら(ステップS414:yes)、図23に示した色変換テーブル修正処理を抜けて、図13の色変換処理に復帰する。
本実施例の色変換処理では、以上に説明したようにして、色変換テーブルの格子点に設定されているCMYK階調値をインクデューティ値以下に抑制した後、色変換を行っているため、滲みや皺の発生など、インクデューティ値を越えてインクが使用されることにともなう弊害が生ずることなく、高画質なカラー画像を印刷することができる。もちろん、色変換に際して参照する色変換テーブルは、印刷用紙に対応した正規の色変換テーブルではないが、入力側プロファイルと出力側プロファイルとに基づいて、測色値が一致するようにRGB画像データを変換しているので、正規ではない色変換テーブルを参照しても、元のRGB画像データの色彩を正確に再現したカラー画像を得ることができる。
また、色変換処理のステップS206では、印刷しようとしている印刷用紙と、インクデューティ値が近い色変換テーブルを選択しているので、下色除去を行ったとしても、そのことで、印刷されるカラー画像の色彩が異なることは無い。もちろん、印刷用紙よりもインクデューティ値の小さな色変換テーブルを選択した場合には、下色除去を行うことなく、そのまま色変換を行えば、RGB画像データの色彩が正確に再現され、且つ、滲みや皺などの生じない良好なカラー画像を印刷することが可能となる。
尚、以上の説明では、印刷装置10には、CMYKの4種類のインクが搭載されているものとして説明したが、これらインクに加えて、濃度の低いCインク(LCインク)や、濃度の低いMインク(LMインク)、あるいは場合によっては、濃度の低いKインク(LKインク)などを搭載することも可能である。このようなLCインク、LMインク、LKインクなどの淡インクを搭載した印刷装置10では、色変換テーブルの各格子点にCMYK各色の階調値に加えて、LC,LMなどの淡インクに対応する階調値を設定しておくことも可能である。このような色変換テーブルを使用する場合は、CMY階調値をK階調値に置き換える下色除去処理に加えて、LCやLMなどの淡インクに対応する階調値を、同色の濃インク(すなわち、LCに対してはC、LMに対してはM)の階調値に置き換えることによっても、格子点に設定されている各色階調値の合計値をインクデューティ値以下に抑制することが可能である。図26は、このようにして、淡インクに対応する階調値を、一定比率で濃インクの階調値に置き換えている様子を概念的に表した説明図である。色変換テーブル修正処理では、このような置き換えを行うことにより、色変換テーブルの格子点に設定された各色階調値の合計値を、印刷用紙のインクデューティ値以下に抑制することとしても良い。
G.インクデューティ値の決定方法 :
以上に説明した色変換処理では、操作パネル300の液晶画面上で、印刷用紙のインクデューティ値を設定しておき、このインクデューティ値を使用して、各種の処理を行っている。インクデューティ値は、印刷用紙の種類毎に予め決まっているので、多くの場合は、その印刷用紙の製造メータから情報が提供されている。しかし、こうした情報を受けられなくても、比較的簡単にインクデューティ値を決定することができる。以下では、印刷用紙のインクデューティ値を決定する方法について説明する。
印刷用紙のインクデューティ値は、その印刷用紙を用いて所定の検査画像を印刷することによって決定することができる。図27は、印刷用紙のインクデューティ値を決定するために印刷される検査画像を例示した説明図である。図示した検査画像は、各色の下地の上に黒色の線図が描かれた画像となっている。下地の色は、C色、M色、Y色、R色、G色、B色の6色が用意されている。このうち、C色、M色、Y色は、それぞれC,M,Yのインク単独で表現することが可能ないわゆる一次色であり、従って、1色のインクの上にK色のインクを用いて画像を印刷する場合のインクデューティ値を調べることができる。また、R色、G色、B色は、それぞれC,M,Yのインクを2つ組み合わせて表現することが可能ないわゆる二次色であり、従って、2色のインクの上にK色のインクを用いて画像を印刷する場合のインクデューティ値を調べることができる。
これらの検査画像を、種々のインクデューティ値で実際に印刷してみて、線図の部分に滲みが生じる最も小さなインクデューティ値を、その印刷用紙のインクデューティ値とすればよい。このようにしてインクデューティ値を決定すれば、印刷用紙の正確なインクデューティ値がわからない場合でも、比較的簡単に十分な精度でインクデューティ値を決定することができる。延いては、図13を用いて前述した方法で色変換処理を行うことにより、RGB画像データの色彩が正確に再現された高画質なカラー画像を印刷することが可能となる。
以上、各種の実施例について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
本実施例の印刷装置の概要を示した説明図である。 本実施例の印刷装置の外観形状を示す斜視図である。 印刷画像を読み込むために印刷装置の上部に設けられた原稿台カバーを開いた様子を示す説明図である。 スキャナ部の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。 本実施例の印刷装置の内部構成を概念的に示した説明図である。 各色のインク吐出ヘッドにインク滴を吐出する複数のノズルが形成されている様子を示した説明図である。 画像データを読み込んで画像を印刷する画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。 操作パネルの液晶画面上で印刷条件を設定している様子を例示した説明図である。 用紙種類のリストが展開された様子を概念的に示した説明図である。 グレーアウトされていた「詳細プロファイル」に関する各種の設定欄が入力可能となった様子を概念的に表した説明図である。 ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。 ディザマトリックスを参照しながら画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。 本実施例の印刷装置が行う色変換処理の流れを示すフローチャートである。 色変換処理のために参照される色変換テーブルを概念的に示した説明図である。 CMYK階調値のパッチ画像を印刷する様子を概念的に示した説明図である。 色変換テーブルの格子点に設定するCMYK階調値の組合せを決定する方法を示した説明図である。 印刷条件設定画面上で入力側プロファイルを設定している様子を概念的に示した説明図である。 印刷条件設定画面上でインクデューティ値を設定している様子を概念的に示した説明図である。 印刷条件設定画面上で出力側プロファイルを設定している様子を概念的に示した説明図である。 入力側プロファイルと出力側プロファイルとに基づいて測色値が一致するようにRGB画像データを変換する様子を概念的に示した説明図である。 出力側プロファイルが存在しない場合にプロファイルを生成する処理の流れを示したフローチャートである。 出力側プロファイルを生成するためにパッチ画像を印刷している様子を概念的に示した説明図である。 色変換テーブルに設定されたCMYK各色の階調値を修正する処理の流れを示すフローチャートである。 下色除去と呼ばれる処理の概要を示した説明図である。 下色除去を行うことでCMYK各色の合計階調値をインクデューティ値以下に抑制している様子を示した説明図である。 淡インクに対応する階調値を一定比率で濃インクの階調値に置き換える様子を概念的に表した説明図である。 印刷用紙のインクデューティ値を決定するために印刷される検査画像を例示した説明図である。
符号の説明
10…印刷装置、 12…インク吐出ヘッド、 100…スキャナ部、
200…プリンタ部、 240…印刷キャリッジ、 241…印字ヘッド、
242…インクカートリッジ、 243…インクカートリッジ、
244…インク吐出ヘッド、 260…制御回路、 300…操作パネル

Claims (11)

  1. カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷装置であって、
    所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る画像データ受取手段と、
    カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する色変換手段と、
    前記CMYK階調データに従ってCMYK各色のインクを使用することにより、印刷媒体上にカラー画像を印刷する画像印刷手段と
    を備え、
    前記色変換手段は、更に、
    前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む色再現特性データ読込手段と、
    前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込むインク許容値読込手段と、
    前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する画像データ変換手段と、
    前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する色変換テーブル修正手段と
    を備えるとともに、
    前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記画像データ変換手段によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する手段である印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記画像データ受取手段は、前記カラー画像データとしてRGB画像データを受け取る手段である印刷装置。
  3. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記色変換テーブル修正手段は、前記CMYの階調データを前記Kの階調データに置き換えることによって、前記合計使用量が前記インク許容値以下となるように、前記CMYK階調データを修正する手段である印刷装置。
  4. カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷装置に対して、該カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを供給する画像処理装置であって、
    所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る画像データ受取手段と、
    カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する色変換手段と、
    前記印刷装置が前記カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを、前記CMYK階調データに従って生成して、該印刷装置に供給する制御データ供給手段と
    を備え、
    前記色変換手段は、更に、
    前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む色再現特性データ読込手段と、
    前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込むインク許容値読込手段と、
    前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する画像データ変換手段と、
    前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する色変換テーブル修正手段と
    を備えるとともに、
    前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記画像データ変換手段によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する手段である画像処理装置。
  5. 請求項4記載の画像処理装置であって、
    前記画像データ受取手段は、前記カラー画像データとしてRGB画像データを受け取る手段である画像処理装置。
  6. カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷方法であって、
    所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る第1の工程と、
    カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する第2の工程と、
    前記CMYK階調データに従ってCMYK各色のインクを使用することにより、印刷媒体上にカラー画像を印刷する第3の工程と
    を備え、
    前記第2の工程は、更に、
    前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む第1の副工程と、
    前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む第2の副工程と、
    前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する第3の副工程と、
    前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する第4の副工程と
    を備えるとともに、
    前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記第3の副工程で前記各色階調値に組合せに変換した後、前記第4の副工程で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する工程である印刷方法。
  7. 請求項6記載の印刷方法であって、
    前記第1の工程は、前記カラー画像データとしてRGB画像データを受け取る工程である印刷方法。
  8. カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷装置に対して、該カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを供給する画像処理方法であって、
    所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る工程(A)と、
    カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する工程(B)と、
    前記印刷装置が前記カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを、前記CMYK階調データに従って生成して、該印刷装置に供給する工程(C)と
    を備え、
    前記工程(B)は、更に、
    前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む副工程(B−1)と、
    前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む副工程(B−2)と、
    前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する副工程(B−3)と、
    前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する副工程(B−4)と
    を備えるとともに、
    前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記副工程(B−3)で前記各色階調値に組合せに変換した後、前記副工程(B−4)で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する工程である画像処理方法。
  9. 請求項8記載の画像処理方法であって、
    前記工程(A)は、前記カラー画像データとしてRGB画像データを受け取る工程である画像処理方法。
  10. カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する方法をコンピュータを用いて実現するプログラムであって、
    所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る第1の機能と、
    カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する第2の機能と、
    前記CMYK階調データに従ってCMYK各色のインクを使用することにより、印刷媒体上にカラー画像を印刷する第3の機能と
    を備え、
    前記第2の機能は、更に、
    前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む第1の副機能と、
    前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む第2の副機能と、
    前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する第3の副機能と、
    前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する第4の副機能と
    を備えるとともに、
    前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記第3の副機能によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記第4の副機能で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する機能であるプログラム。
  11. カラー画像データを受け取って、少なくともCMYK各色のインクを用いてカラー画像を印刷する印刷装置に対して、該カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを供給する方法を、コンピュータを用いて実現するプログラムであって、
    所定の規格によって測色値と対応付けられたカラー画像データを受け取る機能(A)と、
    カラー画像データを構成する各色の階調値の組合せと、CMYK階調データとが対応付けられた色変換テーブルを参照することにより、前記受け取ったカラー画像データを該CMYK階調データに変換する機能(B)と、
    前記印刷装置が前記カラー画像を印刷する動作を制御する制御データを、前記CMYK階調データに従って生成して、該印刷装置に供給する機能(C)と
    を備え、
    前記機能(B)は、更に、
    前記色変換テーブルに記憶された各色階調値の組合せと、該各色階調値の組合せに対応付けられた前記CMYK階調データを用いて前記印刷媒体上に印刷されたカラー画像の測色値と、の対応関係を記述したデータである色再現特性データを読み込む副機能(B−1)と、
    前記印刷媒体に対して単位面積あたりに使用可能なインクの最大許容量たるインク許容値を読み込む副機能(B−2)と、
    前記カラー画像データを受け取ると、前記所定の規格によって該カラー画像データが対応付けられた測色値と同じ測色値に前記色再現特性データによって対応付けられる前記各色階調値の組合せに、前記受け取ったカラー画像データを変換する副機能(B−3)と、
    前記CMYK各色インクの合計使用量が前記読み込んだインク許容値を越える場合は、該インク許容値以下となるように、前記色変換テーブルに記憶されている前記CMYK階調データを修正する副機能(B−4)と
    を備えるとともに、
    前記受け取ったカラー画像データを色変換するに際しては、該カラー画像データを前記副機能(B−3)によって前記各色階調値に組合せに変換した後、前記副機能(B−4)で修正された色変換テーブルを参照しながら前記CMYK階調データに変換する機能であるプログラム。
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