JP2006263938A - 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 淡インクあるいは淡トナー等の使用量を抑制することで、印刷に要する手間や費用の低減を可能とする。
【解決手段】 濃インクと淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置において、これらのインクを使用して通常通りに画像を印刷する第1の印刷態様と、少なくとも1つの淡インクについては、第1の印刷態様よりはインクの使用が抑制された状態で印刷される第2の印刷態様とを選択可能としておき、それぞれ選択された印刷態様に従って画像を印刷する。こうすれば、第2の印刷態様が選択された場合は、淡インクの使用が抑制された状態で画像が印刷される。淡インクは濃インクに比べてインク使用量が多くなりがちで、インクの交換あるいは補充の手間も増加することから、淡インクの使用を抑制して画像を印刷すれば、印刷に要する手間や費用を抑制しながら適切に画像を印刷することが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】 濃インクと淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置において、これらのインクを使用して通常通りに画像を印刷する第1の印刷態様と、少なくとも1つの淡インクについては、第1の印刷態様よりはインクの使用が抑制された状態で印刷される第2の印刷態様とを選択可能としておき、それぞれ選択された印刷態様に従って画像を印刷する。こうすれば、第2の印刷態様が選択された場合は、淡インクの使用が抑制された状態で画像が印刷される。淡インクは濃インクに比べてインク使用量が多くなりがちで、インクの交換あるいは補充の手間も増加することから、淡インクの使用を抑制して画像を印刷すれば、印刷に要する手間や費用を抑制しながら適切に画像を印刷することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、印刷媒体上にインク、あるいはトナー等の粉体を付着させて画像を印刷する技術に関する。
コンピュータを初めとするいわゆるデジタル技術の進歩に伴って、画像はデジタルデータ(いわゆる画像データ)として取り扱われることが多くなっている。例えば、絵画や、写真、文書などをスキャナーで画像データに変換したり、あるいはデジタルカメラなどの撮影機器で直接、画像データを生成したり、更にはコンピュータ上で画像データを作成することも、今日では比較的容易に実行することが可能となっている。もちろん、人間は、画像データのままでは画像として認識することはできないから、画像データを読み込んで画像を印刷する印刷装置も広く使用されている。
こうした印刷装置では、いずれもインクあるいは粉体(いわゆるトナーなど)を何らかの方法で印刷媒体上に適切な密度で付着させることで画像を印刷している。インクあるいはトナー等を付着させる手法としては、印刷媒体上にインク滴を吐出してインクによる微細なドットを形成するものや、電気的な力によって印刷媒体上にトナーを付着させるもの、あるいはインクシートからインクを昇華または転写させることでインクを付着させるものなど、種々の手法が知られている。
これらの印刷装置でハイライト領域(明度が高く、明るい領域)の画像を印刷するためには、印刷媒体上に付着するインク量あるいはトナー等の量がごく僅かな分量となるように、付着量を制御する必要がある。しかし、僅かに付着させるインクやトナー等の分量を正確に制御することは必ずしも容易なことではない。そこで、通常のインクとは別に、染料や顔料などの色材の濃度が低いインクを用意しておき、ハイライト領域では通常のインク(濃インク)の代わりに、色材濃度の低いインク(淡インク)を付着させて画像を印刷する技術が開発され、今日では広く使用されるようになってきた(特許文献1)。
しかし、淡インクは濃インクに比べて色材濃度が薄いため、どうしてもインクの使用量が多くなってしまうという問題がある。インク使用量が多いと、それだけインクが無くなり易く、インクの補充または交換の頻度が高くなるので、印刷に要する手間や費用が増加してしまう。
また、こうした問題は、インクを用いて画像を印刷する印刷装置に限らず、トナー等を用いる印刷装置においても同様に生じ得る。すなわち、通常のトナーおよび、より明度の高いトナー(言わば、淡トナー)を用いて画像を印刷する場合、画質を向上させるために通常のトナー(言わば、濃トナー)を淡トナーに置き換えながら印刷すると、濃トナーに比べて淡トナーの消費量が多くなりがちであることから、トナーの交換あるいは補充の頻度が高くなり、それだけ、印刷に要する手間や費用が増加してしまうという問題が生じ得る。
この発明は、従来技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、必要に応じて淡インクあるいは淡トナー等の使用量を抑制することで、印刷に要する手間や費用を低減させることを可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の第1の印刷装置は次の構成を採用した。すなわち、
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する画像印刷手段と
を備えることを特徴とする。
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する画像印刷手段と
を備えることを特徴とする。
また、上記の印刷装置に対応する本発明の第1の印刷方法は、
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷方法において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する第1の工程と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する第2の工程と
を備えることを特徴とする。
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷方法において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する第1の工程と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する第2の工程と
を備えることを特徴とする。
かかる本発明の第1の印刷装置および第1の印刷方法においては、画像を印刷する態様として、第1の印刷態様あるいは第2の印刷態様の何れかを選択することが可能となっている。ここで、第1の印刷態様とは、濃インクおよび淡インクを用いて画像を印刷する態様である。また、第2の印刷態様とは、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する態様である。そして、印刷しようとする画像の画像データを受け取ると、選択しておいた印刷態様で画像を印刷する。
淡インクは濃インクに比べて、インクに含まれる染料あるいは顔料などの色材の濃度が低いため、淡インクを用いて印刷すると濃インクを使用した場合よりもインクの使用量が多くなってしまう傾向がある。このため、淡インクの使用を抑制して、その代わりに濃インクを用いて画像を印刷すれば、淡インクの使用量が減少したほどには濃インクの使用量が増加することはないので、全体としてのインク使用量を抑制しながら適切に画像を印刷することができる。従って、印刷に要する手間や費用を抑制したい場合など、何らかの理由でインクの使用量を抑制したい場合には、第2の印刷態様を選択しておけば、淡インクの使用が抑制された状態で画像が印刷されることになるので、全体としてのインク使用量が抑制されて、印刷に要する手間や費用を抑制することが可能となる。
また、このようにすれば、特に、淡インクの使用量を抑制しながら適切に画像を印刷することができる。このため、淡インクの残量が残り少なくなった場合には、第2の印刷態様を選択しておくことで、印刷中に淡インクが尽きてしまうことを回避しながら、適切に画像を印刷することが可能となる。
また、こうした印刷装置においては、第2の印刷態様が選択された場合には、淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクを用いることなく画像を印刷することとしても良い。
淡インクを用いることなく画像を印刷すれば、単に使用を抑制しながら印刷した場合よりもインク使用量を少なくすることができるので、インクを交換あるいは補充する頻度が少なくなり、印刷に要する手間や費用をより大きく抑制することが可能となる。また、淡インクを使用することなく画像を印刷することとすれば、たとえ、淡インクが尽きてしまっていた場合でも、適切に画像を印刷することが可能であるという利点も得ることができる。
こうした印刷装置においては、濃インクおよび淡インクの何れのインクも備える色相については、色相毎に、第1の印刷態様または第2の印刷態様を選択することとしても良い。例えば、シアン色のインクとしては、濃シアンインクと淡シアンインクとを備えており、マゼンタ色のインクとしては、濃マゼンタインクと淡マゼンタインクとを備えた印刷装置においては、淡シアンインクあるいは淡マゼンタインクのそれぞれについて個別に、第1の印刷態様または第2の印刷態様を選択可能としても良い。
このように、濃インクおよび淡インクの何れも備える色相について、第1の印刷態様または第2の印刷態様を、色相毎に選択可能としておけば、それぞれの色相の淡インクについて使用を抑制するか否かを個別に設定することができる。このため、各色相の淡インクの残量が異なっている場合などにも、インク残量に応じて適切に淡インクの使用を抑制しながら画像を印刷することが可能となるので好ましい。
また、こうした印刷装置においては、次のようにして画像データを変換して画像を印刷することとしても良い。先ず、画像データの階調値と、該階調値の画像を印刷する場合のインク使用量に対応するデータたるインク量データとを対応づけた変換テーブルを記憶しておき、変換テーブルとしては、第1の変換テーブルと第2の変換テーブルとを記憶しておく。ここで、第1の変換テーブルとは、印刷装置に備えられた複数種類のインクを用いて画像を印刷するとした場合の、画像データの階調値とインク量データとを対応づけた変換テーブルである。また、第2の変換テーブルとは、少なくとも1つの淡インクについては、該淡インクの使用が抑制された状態で画像を印刷するとした場合の、画像データの階調値とインク量データとを対応づけた変換テーブルである。そして、画像の印刷に際して、第1の印刷態様が選択されている場合は第1の変換テーブルを使用し、一方、第2の印刷態様が選択されている場合は第2の変換テーブルを使用して、画像データをインク量データに変換した後、画像を印刷することとしてもよい。
画像データをインク量データに変換するに際して、変換テーブルを使用して変換すれば、画像データをインク量データに迅速に変換することが可能である。また、第1の変換テーブルおよび第2の変換テーブルとして、それぞれに適切な変換テーブルを記憶しておけば、第1の印刷態様が選択されている場合は高画質な画像を印刷することが可能となり、一方、第2の印刷態様が選択されている場合は使用する変換テーブルを切り換えるという簡単な処理により、淡インクの使用を抑制しながら適切に画像を印刷することが可能となるので好ましい。
また、このように変換テーブルを用いて画像データをインク量データに変換して画像を印刷する印刷装置においては、第2の変換テーブルとして、淡インクの使用を抑制する程度が異なる複数の変換テーブルを記憶しておくこととしてもよい。そして、画像を印刷するに際しては、第1の変換テーブル、または複数記憶されている第2の変換テーブルの中から選択した1の変換テーブルを用いて、画像データをインク量データに変換した後、画像を印刷することとしてもよい。
こうすれば、第1の変換テーブルおよび複数の第2の変換テーブルは、それぞれに淡インクの使用が抑制される程度が異なっていることから、何れの変換テーブルを用いて画像を印刷するかによって、淡インクの使用量を幾段階かに変更することができる。このため、印刷に要する手間や費用と、印刷画質とをよりきめ細かくバランスさせながら画像を印刷することが可能となるので好ましい。
また、上記の印刷装置では、次のようにして画像を印刷することとしてもよい。先ず、印刷しようとする画像の画像データを受け取ると、画像データをインク量データに変換する。ここでインク量データとは、印刷装置に備えられた複数種類のインクを用いて画像を印刷する場合の、インクの使用量に対応するデータである。そして、第1の印刷態様が選択されている場合は、得られたインク量データに基づいて画像を印刷する。一方、第2の印刷態様が選択されている場合は、使用が抑制された淡インクについては、インク量データの少なくとも一部を、同色の濃インクについてのインク量データに一旦振り替えてやる。ここで、淡インクのインク量データを濃インクのインク量データに振り替えるとは、淡インクのインク量データの値を減少させて、これによる淡インクのインク量の減少に見合う分だけ濃インクのインク量を増加させることを言う。こうして淡インクのインク量データの少なくとも一部を振り替えて、振り替えた後の淡インクおよび濃インクのインク量データに基づいて画像を印刷することとしてもよい。
淡インクのインク量データを濃インクのインク量データに振り替える処理は迅速に実施することができることから、このようにして画像を印刷すれば、第1の印刷態様および第2の印刷態様の何れが選択されている場合でも迅速に画像を印刷することが可能となる。また、第2の印刷態様が選択されている場合には、淡インクのインク量データの少なくとも一部が濃インクのインク量データに振り替えられることから、淡インクの使用が抑制された状態で、適切に画像を印刷することができる。
また、淡インクのインク量データを濃インクのインク量データに振り替えるに際しては、淡インクのインク量データの全量を、該淡インクと同色で且つ色材濃度が高い濃インクのインク量データに振り替えることとしてもよい。
淡インクのインク量データの全量を濃インクのインク量データに振り替えてやれば、淡インクを用いることなく画像を印刷することができる。その結果、インク使用量を大きく抑制することができ、印刷に要する手間や費用をより大きく抑制することが可能となる。また、淡インクを使用することなく画像を印刷することができるので、たとえ、淡インクの残量が無くなってしまった場合でも、適切に画像を印刷することが可能となる。
あるいは、次のようにして、濃インクのインク量データの少なくとも一部を、淡インクのインク量データに振り替えることとしてもよい。先ず、印刷しようとする画像の画像データを受け取ると、その画像データを、淡インクを用いることなく画像を印刷する場合のインクの使用量に対応するインク量データに変換する。印刷態様として、第2の印刷態様が選択されている場合には、このようにして得られた濃インクのインク量データに従って画像を印刷する。一方、印刷態様として第1の印刷態様が選択されている場合には、得られた濃インクのインク量データの少なくとも一部を、所定の比率で淡インクのインク量データに振り替えた後、淡インクおよび濃インクのインク量データに従って画像を印刷することとしてもよい。
このようにして画像を印刷してやれば、第2の印刷態様が選択されている場合は、淡インクを使用することなく画像が印刷されることになる。このため、画像の印刷に際して、インク使用量を抑制することが可能となり、その結果、印刷に要する手間や費用を抑制することが可能となる。
また、濃インクのインク量データを淡インクのインク量データに振り替えるに際しては、次のようにして振り替えることとしてもよい。先ず、淡インクのみを用いて画像を印刷する階調領域である淡インク使用領域と、淡インクおよび濃インクを用いて画像を印刷する階調領域である濃淡インク使用領域とを、予め設定しておく。そして、印刷態様として第1の印刷態様が選択されている場合は、淡インク使用領域では濃インクのインク量データの全量を淡インクのインク量データに振り替えるとともに、濃淡インク使用領域では濃インクのインク量データの一部を該淡インクのインク量データに振り替えてやる。こうして得られた淡インクおよび濃インクのインク量データに基づいて、画像を印刷することとしてもよい。
こうすれば、淡インク使用領域および濃淡インク使用領域を適切に設定しておくことで、淡インクの使用を抑制する程度を適切に調整しながら画像を印刷することが可能となるので好ましい。
また、画像データの階調値と、淡インクを用いることなく階調値の画像を印刷する場合のインク量データと、を対応づけた濃インク変換テーブルを記憶しておき、第1の印刷態様が選択された場合には、次のようにして、濃インク変換テーブルから生成された新たな変換テーブルを用いて、画像を印刷することとしてもよい。すなわち、淡インクのみを用いて画像を印刷する階調領域たる淡インク使用領域と、淡インクおよび濃インクを用いて画像を印刷する階調領域たる濃淡インク使用領域とを予め設定しておく。そして、淡インク使用領域では、濃インク変換テーブルに設定された濃インクのインク量データの全量を淡インクのインク量データに振り替えるとともに、濃淡インク使用領域では、濃インク変換テーブルに設定された濃インクのインク量データの一部を淡インクのインク量データに振り替えることによって、新たな変換テーブルを生成する。このようにして生成された変換テーブルは、画像データの階調値と、濃インクおよび淡インクのインク量データとが対応づけられた変換テーブル(濃淡インク変換テーブル)となっている。そして、印刷態様として第1の印刷態様が選択されている場合には、濃淡インク変換テーブルを参照することによって画像データを濃インクおよび淡インクについてのインク量データに変換し、一方、第2の印刷態様が選択されている場合には、濃インク変換テーブルを参照することによって濃インクについてのインク量データに変換する。こうして選択されている印刷態様に応じて、それぞれに得られたインク量データに基づいて画像を印刷することとしてもよい。
このように、淡インク使用領域および濃淡インク使用領域を設定しておき、これらの設定値と、予め記憶しておいた濃インク変換テーブルとに基づいて濃淡インク変換テーブルを生成してやれば、淡インク使用領域および濃淡インク使用領域の設定値に応じて淡インクの使用を抑制する程度が異なる適切な濃淡インク変換テーブルを生成することができる。従って、印刷態様として第1の印刷態様が選択されている場合には、このようにして生成された濃淡インク変換テーブルを使用して画像データをインク量データに変換し、一方第2の印刷態様が選択されている場合は、予め記憶しておいた濃インク変換テーブルを使用してインク量データに変換してやれば、必要な程度まで淡インクの使用を抑制しながら、適切に画像を印刷することが可能となるので好ましい。
また、従来の技術が有する前述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の第2の印刷装置は次の構成を採用した。すなわち、
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納する粉体収納器と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する画像印刷手段と
を備えることを特徴とする。
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納する粉体収納器と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する画像印刷手段と
を備えることを特徴とする。
また、上記の印刷装置に対応する本発明の第2の印刷方法は、
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷方法において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納しておく工程(A)と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する工程(B)と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する工程(C)と
を備えることを特徴とする。
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷方法において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納しておく工程(A)と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する工程(B)と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する工程(C)と
を備えることを特徴とする。
かかる本発明の第2の印刷装置および第2の印刷方法においても、画像を印刷する態様として、濃色粉体および淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様、あるいは少なくとも1つの淡色粉体については該粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様の何れかを選択することが可能となっており、印刷しようとする画像の画像データを受け取ると、選択しておいた印刷態様で画像を印刷する。
淡色粉体は濃色粉体に比べて、粉体の使用量が多くなってしまう傾向がある。このため、淡色粉体の使用を抑制して画像を印刷すれば、全体としての粉体使用量が抑制されて、粉体の交換あるいは補充の頻度を少なくすることができるので、印刷に要する手間や費用を抑制することが可能となる。また、このようにすれば、特に、淡色粉体の使用量を抑制しながら適切に画像を印刷することができることから、淡色粉体の残量が残り少なくなった場合には第2の印刷態様を選択しておくことにより、印刷中に淡色粉体がなくなって、印刷できなくなることを回避しながら、適切に画像を印刷することが可能となる。
また、かかる第2の印刷装置においても、前述した第1の印刷装置と同様に、第2の印刷態様が選択された場合には、淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体を用いることなく画像を印刷することとしても良い。
淡色粉体を用いることなく画像を印刷すれば、単に使用を抑制しながら印刷した場合よりも粉体の使用量を少なくすることができる。このため、粉体を交換あるいは補充する頻度を一層少なくすることができ、印刷に要する手間や費用をより大きく抑制することが可能となる。また、たとえ、淡色粉体がなくなってしまった場合でも、単色粉体を交換あるいは補充することなく、適切に画像を印刷することが可能となる。
また、上述した第1の印刷装置および第2の印刷装置において、画像を印刷するために印刷データを、画像データから生成している点に着目すれば、本発明は次のような画像処理装置あるいは画像処理方法として把握することも可能である。すなわち、上述した第1の印刷装置に対応する本発明の第1の画像処理装置は、
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理装置において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する印刷データ生成手段と
を備えることを特徴とする。
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理装置において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する印刷データ生成手段と
を備えることを特徴とする。
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の第1の画像処理方法は、
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理方法において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する工程(1)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する工程(2)と
を備えることを特徴とする。
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理方法において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する工程(1)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する工程(2)と
を備えることを特徴とする。
かかる第1の画像処理装置および第1の画像処理方法においても、濃インクおよび淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、少なくとも1つの淡インクについては、該淡インクの使用が第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択しておき、画像データを受け取ると選択しておいた印刷態様で画像を印刷するための印刷データを生成する。こうして生成した印刷データを印刷装置に供給すれば、必要に応じて淡インクの使用が抑制された状態で画像が印刷されることになるので、インクを交換あるいは補充する頻度が減少し、延いては、画像を印刷するために要する手間や費用を抑制することが可能となる。
また、上述した第2の印刷装置に対応する本発明の第2の画像処理装置は、
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理装置において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納する粉体収納器と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する印刷データ生成手段と
を備えることを特徴とする。
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理装置において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納する粉体収納器と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する印刷データ生成手段と
を備えることを特徴とする。
更に、上記の画像処理装置に対応する本発明の第2の画像処理方法は、
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理方法において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納しておく工程(ア)と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する工程(イ)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する工程(ウ)と
を備えることを特徴とする。
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理方法において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納しておく工程(ア)と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する工程(イ)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する工程(ウ)と
を備えることを特徴とする。
かかる第2の画像処理装置および第2の画像処理方法においても、予め第1の印刷態様あるいは第2の印刷態様を選択しておき、画像データを受け取ると選択した印刷態様で画像を印刷するための印刷データを生成する。こうすれば、第2の印刷態様を選択しておけば、淡色粉体の使用が抑制された状態で画像が印刷されることになるので、粉体の使用量が抑制され、粉体の交換あるいは補充の頻度が減少することになり、延いては、印刷に要する手間や費用を抑制しながら、適切に画像を印刷することが可能となる。
更に本発明は、上述した第1の画像処理方法あるいは第2の画像処理方法を実現するためのプログラムをコンピュータに読み込ませ、所定の機能を実行させることにより、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述した第1の画像処理方法に対応する本発明のプログラムは、
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムにおいて、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(1)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(2)と
をコンピュータを用いて実現させることを特徴とする。
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムにおいて、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(1)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(2)と
をコンピュータを用いて実現させることを特徴とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の第1の記録媒体は、
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成するためのプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(1)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(2)と
をコンピュータを用いて実現するプログラムを記録していることを要旨とする。
同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成するためのプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(1)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(2)と
をコンピュータを用いて実現するプログラムを記録していることを要旨とする。
更に、上述した第2の画像処理方法に対応する本発明のプログラムは、
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムにおいて、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(ア)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(イ)と
をコンピュータを用いて実現させることを特徴とする。
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムにおいて、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(ア)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(イ)と
をコンピュータを用いて実現させることを特徴とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成するためのプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(ア)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(イ)と
をコンピュータを用いて実現するプログラムを記録していることを特徴とする。
印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成するためのプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(ア)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(イ)と
をコンピュータを用いて実現するプログラムを記録していることを特徴とする。
これらのプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種機能を実現させれば、必要に応じて淡インクや淡トナー等の使用量を抑制し、延いては、印刷に要する手間や費用を抑制することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.実施例の概要:
B.装置構成:
C.画像印刷処理の概要:
D.第1実施例の色変換処理:
D−1.第1実施例の変形例:
E.第2実施例の色変換処理:
E−1.第2実施例の変形例:
(1)第1の変形例 :
(2)第2の変形例 :
(3)第3の変形例 :
F.第3実施例の色変換処理:
F−1.第3実施例の変形例:
A.実施例の概要:
B.装置構成:
C.画像印刷処理の概要:
D.第1実施例の色変換処理:
D−1.第1実施例の変形例:
E.第2実施例の色変換処理:
E−1.第2実施例の変形例:
(1)第1の変形例 :
(2)第2の変形例 :
(3)第3の変形例 :
F.第3実施例の色変換処理:
F−1.第3実施例の変形例:
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明しておく。図1は、印刷媒体上にインクあるいはトナーによるドットを形成して画像を印刷する印刷装置を例にとって、本発明の印刷装置についての実施例の概要を示した説明図である。図示した印刷装置は、コンピュータ10とプリンタ20などが組み合わされて構成されており、全体が一体の印刷装置として機能する。
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明しておく。図1は、印刷媒体上にインクあるいはトナーによるドットを形成して画像を印刷する印刷装置を例にとって、本発明の印刷装置についての実施例の概要を示した説明図である。図示した印刷装置は、コンピュータ10とプリンタ20などが組み合わされて構成されており、全体が一体の印刷装置として機能する。
このような印刷装置では、次のようにして画像を印刷する。先ず、印刷しようとする画像の画像データを、プリンタ20に搭載されたインクあるいはトナーの色によって表現された画像データに変換する。かかる変換は、コンピュータ10に搭載された色変換モジュールと呼ばれる専用プログラムあるいは専用の論理回路によって行われる。またプリンタには、一般に、白黒プリンタであれば黒(K)色のインク(あるいはトナー)が搭載されており、カラープリンタであれば、少なくともシアン(C)色,マゼンタ(M)色,イエロ(Y)色のインク(またはトナー)が搭載されている。また、画質上の観点から、灰(LK)色や、淡いシアン(LC)色、淡いマゼンタ(LM)色、淡いイエロ(LY)色のインク(またはトナー)が搭載されることもある。色変換モジュールでは、受け取った画像データを、プリンタに搭載されているインク(またはトナー)の色毎の画像データに変換する処理を行う。尚、主に画質上の観点から搭載されるLK,LC,LM,LY色のインク(またはトナー)を総称して、淡インク(または淡トナー)と呼び、K,C,M,Y色のインク(またはトナー)を総称して、濃インク(または濃トナー)と呼ぶことにする。図1に例示したプリンタ20には、濃インク(または濃トナー)と、その濃インク(濃トナー)と同色の淡インク(または淡トナー)が少なくとも1つ搭載されており、色変換モジュールでは、画像データが、これらインク(またはトナー)の色毎の画像データに変換される。
色変換モジュールにおいてインク(またはトナー)の色毎に変換された画像データは、ハーフトーンモジュールに供給されて、ドットの形成有無を表すデータに変換された後、印刷データとしてプリンタ20に供給される。ハーフトーンモジュールも、コンピュータ10に記憶された専用プログラムあるいは専用の論理回路によって構成されている。プリンタ20では、このようにして生成された印刷データに従って、インク(またはトナー)によるドットが形成される。例えば、色変換モジュールにおいて、画像データが、K,C,M,Y,LC,LMの各色についての画像データに変換された場合には、K,C,M,Y,LC,LMの各色のドットが形成され、その結果、カラー画像が印刷されることになる。
ここで、図1に示した印刷装置では、画像の印刷に先立って、色変換モジュールに対して、淡インク(または淡トナー)の使用を抑制するか否かを指定することが可能となっている。使用を抑制する形態としては、単純に淡インク(または淡トナー)を使用するか否かを切り換えるものであっても良いし、あるいは指定された程度に使用を抑制することとしても良い。また、複数種類の淡インク(または淡トナー)が搭載されている場合は、使用を抑制する旨を、淡インク(または淡トナー)毎に個別に指定しても良いし、あるいはこれらの使用を一括して抑制する旨を指定しても良い。
こうして淡インク(または淡トナー)についての抑制の有無が指定されると、色変換モジュールでは、指定の内容を反映しながら、画像データをインク(またはトナー)の色毎のデータに変換する。使用を抑制する旨が指定された淡インク(または淡トナー)については、対応する濃インク(または濃トナー)のデータを増加させて、淡インク(または淡トナー)の使用が抑制された分を補ってやる。このようにして色変換モジュールで変換された画像データは、ハーフトーンモジュールで色毎に印刷データに変換される。そして、プリンタ20に供給されて、各色のドットが形成されて画像が印刷されることになる。
図1に例示した印刷装置は、以上のようにして画像を印刷していることから、例えば淡インク(または淡トナー)の残量が少なくなった場合でも、淡インク(または淡トナー)を使用を抑制することで適切に画像を印刷することができる。また、淡インク(または淡トナー)が無くなってしまった場合でも、これら淡インク(または淡トナー)を使用せずに画像を印刷することで、適切な画像を印刷することが可能となる。
更に、淡インク(または淡トナー)は濃インク(または濃トナー)に比べて使用量が多く、従って、比較的無くなり易いということができる。このため、淡インク(または淡トナー)の使用を抑制した状態で印刷してやれば、インクの交換または補充の頻度を少なくすることができ、延いては、印刷に要する手間や費用を軽減することが可能となる。こうした印刷装置は、図1に例示したものに限られず、各種の態様で実施することが可能である。また、印刷装置としての態様に限られず、印刷データを生成するための画像処理装置としての態様を取ることも可能である。以下では、こうした各種の実施態様について、実施例に基づいて詳しく説明する。
B.装置構成 :
図2は、画像データに画像処理を加えて印刷データを生成するためのコンピュータ100の構成を示す説明図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続することによって構成されている。コンピュータ100には、フレキシブルディスク124やコンパクトディスク126などからデータを読み込むためのディスクコントローラDDC109や、周辺機器との間でデータの授受を行うために用いられる周辺機器インターフェースPIF108、CRT114を駆動するためのビデオインターフェースVIF112等が接続されている。PIF108には、ハードディスク118や、後述するカラープリンタ200等が接続されている。また、デジタルカメラ120や、カラースキャナ122等をPIF108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像を印刷することも可能である。また、ネットワークインターフェースカードNIC110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。
図2は、画像データに画像処理を加えて印刷データを生成するためのコンピュータ100の構成を示す説明図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続することによって構成されている。コンピュータ100には、フレキシブルディスク124やコンパクトディスク126などからデータを読み込むためのディスクコントローラDDC109や、周辺機器との間でデータの授受を行うために用いられる周辺機器インターフェースPIF108、CRT114を駆動するためのビデオインターフェースVIF112等が接続されている。PIF108には、ハードディスク118や、後述するカラープリンタ200等が接続されている。また、デジタルカメラ120や、カラースキャナ122等をPIF108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像を印刷することも可能である。また、ネットワークインターフェースカードNIC110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。
図3は、印刷用紙上に画像を印刷するプリンタ200の概略構成を示す説明図である。カラープリンタ200にはシアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの4色のインクに加えて、インク濃度の低い淡シアンインク、淡マゼンタインクの2色のインクを加えた合計6色のインクが搭載されており、それぞれのインクによる6色のインクドットを形成可能なインクジェットプリンタである。尚、以下では、シアンインク,マゼンタインク,イエロインク,ブラックインク,淡シアンインク,淡マゼンタインクを、必要に応じて、それぞれCインク,Mインク,Yインク,Kインク,LCインク,LMインクと略称することがあるものとする。また、以下では、画像はもっぱらインクジェットプリンタを用いて印刷するものとして説明するが、もちろん、インクジェットプリンタに限らず、各色のトナーを用いてドットを形成して画像を印刷するレーザープリンタなど、異なる方式でドットを形成して画像を印刷するプリンタや、インクシートに熱を加えてインクを昇華させることによって印刷用紙上に移したり、あるいはインクシートに物理的な力を加えて印刷用紙上に転写させるなど、異なる方式で画像を印刷するプリンタに対しても、同様に適用することが可能である。
カラープリンタ200は、図示するように、キャリッジ240に搭載された印字ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ240をキャリッジモータ230によってプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ235によって印刷用紙Pを搬送する機構と、ドットの形成やキャリッジ240の移動および印刷用紙の搬送を制御する制御回路260などから構成されている。
キャリッジ240には、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク,LCインク、Mインク,LMインク、Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243とが装着されている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、印字ヘッド241の下面に設けられた各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし249に供給される。各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし249は、こうして供給されたインクを用いてインク滴を吐出することにより、印刷媒体上にインクドットを形成する。尚、図3に示したカラープリンタ200では、Cインク,LCインク、Mインク,LMインク、Yインクについては一つのインクカートリッジ243に一体に収納されているものとして説明したが、これらインクをそれぞれ別体に形成された専用のインクカートリッジに収納することも可能である。
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、周辺機器インターフェースPIF等に加えて、デジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器等から構成されている。もちろん、CPUを搭載せずに、ハードウェアあるいはファームウェアによって同様の機能を実現することとしても良い。制御回路260は、キャリッジモータ230および紙送りモータ235の動作を制御することによって、キャリッジ240の主走査動作および副走査動作の制御を行う。また、キャリッジ240の主走査および副走査に合わせて、適切なタイミングで印字ヘッド241を駆動することによってインク滴を吐出する。こうして制御回路260の制御の下で、各色のインク吐出用ヘッド244ないし249から適切なタイミングで各色のインク滴が吐出され、その結果、印刷用紙P上に各色のインクドットが適切な分布で形成されて、カラー画像が印刷されることになる。
尚、各色のインク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
図4は、各色のインク吐出用ヘッド244ないし249の底面に、インク滴を吐出する複数のノズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐出用ヘッドの底面には、各色毎のインク滴を吐出する6組のノズル列が形成されており、1組のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチpの間隔を空けて千鳥状に配列されている。これらノズルは、制御回路260の制御の下で駆動され、インク滴を吐出することによって印刷用紙上にインクドットを形成する。
以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ200は、キャリッジモータ230を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド244ないし249を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ235を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路260は、キャリッジ240の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出する。こうすることで、印刷用紙P上の適切な位置にインクドットが形成されて、その結果、画像が印刷されることになる。
C.画像印刷処理の概要 :
上述したカラープリンタ200で所望の画像を印刷するためには、画像データに予め適切な画像処理を施して、画像をドット形成の有無によって表現した印刷データに変換しておく必要がある。このため、画像の印刷に先立って、先ず、画像データをコンピュータ100に供給して所定の画像処理を行い、次いで、得られた印刷データをカラープリンタ200に供給して画像を印刷することになる。また、淡インク(本実施例ではLCインクあるいはLMインク)の使用を抑制する旨を予め設定しておけば、画像データから印刷データを生成する際に、設定内容が反映された印刷データを生成することで、淡インクによるドットの発生を抑制することができ、延いては、淡インクの消費量を抑制することが可能となる。以下では、淡インクの使用を抑制する旨の設定を反映させながら印刷データを生成する方法について詳しく説明するが、その準備として、先ず初めに、コンピュータ100およびカラープリンタ200を用いて、画像データに対応した画像を印刷する方法について、簡単に説明しておく。
上述したカラープリンタ200で所望の画像を印刷するためには、画像データに予め適切な画像処理を施して、画像をドット形成の有無によって表現した印刷データに変換しておく必要がある。このため、画像の印刷に先立って、先ず、画像データをコンピュータ100に供給して所定の画像処理を行い、次いで、得られた印刷データをカラープリンタ200に供給して画像を印刷することになる。また、淡インク(本実施例ではLCインクあるいはLMインク)の使用を抑制する旨を予め設定しておけば、画像データから印刷データを生成する際に、設定内容が反映された印刷データを生成することで、淡インクによるドットの発生を抑制することができ、延いては、淡インクの消費量を抑制することが可能となる。以下では、淡インクの使用を抑制する旨の設定を反映させながら印刷データを生成する方法について詳しく説明するが、その準備として、先ず初めに、コンピュータ100およびカラープリンタ200を用いて、画像データに対応した画像を印刷する方法について、簡単に説明しておく。
図5は、コンピュータ100およびカラープリンタ200を用いて、画像データに対応した画像を印刷する処理(画像印刷処理)の流れを示すフローチャートである。尚、本実施例では、便宜上、後述するインターレース処理まではコンピュータ100の内部で行われ、カラープリンタ200ではドットを形成する処理(後述するドット形成処理)のみが行われるものとして説明するが、コンピュータ100およびカラープリンタ200の間で処理を分担する形態は、このような形態に限らず、例えば、コンピュータ100では後述するハーフトーン処理までを行い、インターレース処理以降についてはカラープリンタ200で行うこととしても良い。以下、図5に示したフローチャートに従って、画像印刷処理の概要について説明する。
図5に示した画像印刷処理を開始すると、コンピュータ100は先ず初めに、印刷しようとする画像の画像データを読み込む処理を開始する(ステップS100)。ここでは、画像データは、画像を構成する複数の画素の各々について、RGB各色についての階調値が設定されたいわゆるRGBカラー画像データであるものとして説明する。R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色は光の三原色と呼ばれ、これら3色を加法混色することにより、無彩色から有彩色に亘る広い色域の色彩を表現することが可能である。もちろん、画像データはRGBカラー画像データに限らず、例えば、インクの三原色と呼ばれるC(シアン色)、M(マゼンタ色)、Y(イエロ色)を含んだ複数色について階調値が設定された画像データを用いることもできる。更には、カラー画像データに限らず、モノクロ画像データについても同様に適用することができる。
こうして画像データを読み込むと、続いて、画像データの解像度をカラープリンタ200が印刷するための解像度(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS102)。画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、隣接する画素の間に補間演算を行って新たな画像データを設定することで、より高い解像度に変換する。逆に、読み込んだ画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合は、隣接する画素の間から一定の割合で画像データを間引くことによって、より低い解像度に変換する。このように解像度変換処理では、読み込んだ画像データに対して適切な割合で画像データを生成あるいは間引くことによって、読み込んだ解像度を印刷解像度に変換する処理を行う。
画像データの解像度を印刷解像度に変換すると、コンピュータ100は色変換処理を開始する(ステップS104)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組合せによって表現されているRGBカラー画像データを、プリンタに搭載された各色インクの使用量に対応するデータに変換する処理である。前述したようにカラープリンタ200は、C,M,Y,K,LC,LMの6色のインクを用いて画像を印刷している。そこで、色変換処理ではRGB各色によって表現された画像データを、C,M,Y,K,LC,LMの各色インクの使用量に対応する階調値のデータに変換する処理を行うのである。尚、後述するように、本実施例では、淡インク(ここでは、LCインクおよびLMインク)を使用することなく印刷するよう指定することも可能となっており、淡インクの使用を抑制する旨が指定された場合は、色変換処理では、LC,LM各色のインク使用量が抑制された階調データに変換される。
色変換処理は、色変換テーブル(LUT)と呼ばれる3次元の数表を参照することによって行われる。図6は、色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概念的に示した説明図である。RGB各色の階調値が0〜255の値を取り得るとすれば、図6に示すように直交する3軸にR,G,B各色の階調値を取った色空間を考えると、全てのRGB画像データは、原点を頂点として一辺の長さが255の立方体(色立体)の内部の点に対応づけることができる。このことから、色立体をRGB各軸に直角に格子状に細分すれば、各格子点を、それぞれのRGB画像データに対応づけることも可能である。そこで、このようにRGB画像データに対応づけられた各々の格子点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの使用量に対応する階調値の組合せを予め記憶しておく。こうすれば、RGB画像データが与えられた場合に、次のようにして格子点に記憶されている階調値を読み出すことによって、そのRGB画像データを、各色インクの使用量に対応するデータに迅速に変換することが可能となる。
例えば、画像データのR成分がRA、G成分がRG、B成分がRBであったとすると、この画像データは、色空間内のA点に対応づけられる(図6参照)。そこで、色立体を細分する微細な立方体の中から、A点を内包する立方体dVを検出し、この立方体dVの各格子点に記憶されている各色インクの階調値を読み出してやる。そして、これら各格子点の階調値から補間演算すればA点での階調値を求めることができる。以上に説明したように、色変換テーブルLUTとは、RGB各色の階調値の組合せで示される各格子点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの使用量に対応する階調値の組合せを記憶した3次元の数表と考えることができ、色変換テーブルを参照すれば、RGB画像データを各色インクの使用量に対応する階調データに、迅速に色変換することが可能である。
また、本実施例では、淡インク(ここでは、LCインクおよびLMインク)の使用量が抑制された状態で色変換することも可能となっているが、このような色変換を行う方法については、種々の態様が存在しており、これらについては後ほどまとめて詳しく説明する。
以上の様にして色変換処理を終了したら、コンピュータ100は、各色インクの使用量に対応する階調値に変換された階調データに対してハーフトーン処理を開始する(図5のステップS106)。ハーフトーン処理とは、次のような処理である。色変換処理によって得られた階調データは、階調値0から階調値255までの値を取ることができる。これに対してプリンタは、ドットを形成することによって画像を表示しているから、それぞれの画素についてはドットを形成するか否かの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有する階調データを、画素毎にドット形成の有無によって表現されたデータ(ドットデータ)に変換しておく必要がある。ハーフトーン処理とは、このようにインク使用量に対応する階調データをドットデータに変換する処理である。
ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用することができる。誤差拡散法は、ある画素についてドットの形成有無を判断したことでその画素に発生する階調表現の誤差を、周辺の画素に拡散するとともに、周囲から拡散されてきた誤差を解消するように、各画素についてのドット形成の有無を判断していく手法である。また、ディザ法は、ディザマトリックスにランダムに設定されている閾値と印刷画像データの階調値とを画素毎に比較して、印刷画像データの方が大きい画素にはドットを形成すると判断し、逆に閾値の方が大きい画素についてはドットを形成しないと判断することで、各画素についてのドットデータを得る手法である。本実施例の画像印刷処理では、誤差拡散法あるいはディザ法の何れの方法を用いてハーフトーン処理を行うことも可能であるが、ここでは、ディザ法を用いてハーフトーン処理を行うものとして説明する。
図7は、ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。図示したマトリックスには、縦横それぞれ64画素、合計4096個の画素に、階調値0〜255の範囲から万遍なく選択された閾値がランダムに記憶されている。ここで、閾値の階調値が0〜255の範囲から選択されているのは、本実施例ではインク使用量に対応する階調データが1バイトデータであり、画素に割り当てられる階調値が0〜255の値を取り得ることに対応するものである。尚、ディザマトリックスの大きさは、図7に例示したように縦横64画素分に限られるものではなく、縦と横の画素数が異なるものも含めて、種々の大きさに設定することが可能である。
図8は、ディザマトリックスを参照しながら、画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。ドット形成有無の判断に際しては、先ず、判断の対象として着目している画素(着目画素)の階調値と、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値とを比較する。図中に示した細い破線の矢印は、着目画素の階調値を、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値と比較していることを模式的に表したものである。そして、ディザマトリックスの閾値よりも着目画素の階調値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成するものと判断する。逆に、ディザマトリックスの閾値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成しないものと判断する。
図8に示した例では、印刷画像データの左上隅にある画素の階調データは階調値97であり、ディザマトリックス上でこの画素に対応する位置に記憶されている閾値は1である。従って、左上隅の画素については、階調データの階調値97の方がディザマトリックスの閾値1よりも大きいから、この画素にはドットを形成すると判断する。図8中に実線で示した矢印は、この画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模式的に表したものである。一方、この画素の右隣の画素については、階調データの階調値は97、ディザマトリックスの閾値は177であり、閾値の方が大きいので、この画素についてはドットを形成しないものと判断する。このように、階調データとディザマトリックスに設定された閾値とを比較することにより、ドットの形成有無を画素毎に決定することができる。
以上に説明したように、図5に示した画像印刷処理のステップS106では、色変換処理によって得られた各色インクのインク使用量に対応する階調データに対して、上述した処理を施すことにより、画素毎にドットについての形成有無を判断することにより、ドットデータを生成する処理を行う。
こうしてハーフトーン処理を終了したら、今度は、インターレース処理を開始する(ステップS108)。インターレース処理とは、次のような処理である。先ず、ハーフトーン処理では、画像を構成する画素毎にドットを形成するか否かを示すドットデータが得られるが、このデータは画素の順番に並んだデータとなっている。ところが、図4を用いて前述したように、カラープリンタ200のインク吐出用ヘッド244〜249には、インク滴を吐出するノズルNzがノズルピッチkの間隔で設けられており、しかも1本のラスタを複数回に分けて印刷することも行われていることから、実際には画素の順番でドットが形成されるわけではない。そこで、各色のインク吐出用ヘッドが実際にドットを形成する順番を考慮してドットデータを並べ替えた後、ドットを形成する順序でカラープリンタ200に出力する処理が必要となる。インターレース処理では、このようにドットデータを並べ替えて、得られたデータを印刷データとしてカラープリンタ200に出力する処理を行う。
カラープリンタ200は、このようにしてインターレース処理が施された状態で、コンピュータ100から供給されてきた印刷データを受け取ると、その印刷データに従って、キャリッジ240の主走査と印刷用紙の副走査とに同期させて、適切なタイミングでインク滴を吐出する(ステップS110)。その結果、印刷用紙上に適切な分布でインクドットが形成されて、画像が印刷されることになる。
以上に説明した画像印刷処理では、RGB画像データに対して色変換処理を行うことにより、各色インクのインク使用量に対応する階調データに変換し、得られた階調データに対して、ハーフトーン処理およびインターレース処理を行って画像を印刷している。従って、各色インクの使用量は、色変換処理によって決定されている。本実施例では、画像の印刷に際して、淡インクの使用を抑制した状態で印刷する旨を指定することが可能となっている。そして、このような指定がなされた場合には、淡インクの使用が抑制されるように色変換処理を行う。こうした色変換処理を行う方法には種々の方法が存在しており、以下では、これら色変換処理の内容について詳しく説明する。
D.第1実施例の色変換処理 :
図9は、第1実施例の色変換処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って、第1実施例の色変換処理について説明する。
図9は、第1実施例の色変換処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って、第1実施例の色変換処理について説明する。
第1実施例の色変換処理を開始すると、コンピュータ100は先ず初めに、印刷モードがコスト優先モードに設定されているか否かを判断する(ステップS200)。本実施例のカラープリンタ200では、画像の印刷に先立って、コンピュータ100の設定画面から予め種々の印刷条件を設定しておくことが可能となっており、この画面上で印刷モードも設定することが可能となっている。
図10は、コンピュータ100の画面上で印刷条件を設定している様子を例示した説明図である。図示した例では、画像を印刷しようとしている用紙の種類や、用紙サイズに加えて、印刷モードも設定することが可能となっている。印刷モードとしては、できるだけ高い印刷画質が得られるように印刷するモード(画質優先モード)と、印刷コストを抑制して印刷するモード(コスト優先モード)とが用意されており、画面上でラジオボタンを選択することによって何れかのモードを指定することが可能となっている。図9に示した色変換処理のステップS200では、この印刷モードとしてコスト優先モードが選択されているか否かを判断するのである。
そして、コスト優先モードが選択されていると判断された場合は(ステップS200:yes)、4色用の色変換テーブルを選択し(ステップS202)、逆に、コスト優先モードが選択されていないと判断された場合は(ステップS200:no)、6色用の色変換テーブルを選択する(ステップS204)。ここで、図6を用いて前述したように、色変換テーブルとは、RGB各色の階調値の組合せで示される各格子点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの使用量に対応する階調値の組合せを記憶した3次元の数表である。4色用の色変換テーブルには、各格子点に、C,M,Y,Kの4色のインクについての階調値が記憶されており、一方、6色用の色変換テーブルには、C,M,Y,K,LC,LMの6色のインクについての階調値が記憶されている。そして、このような色変換テーブルを参照すれば、RGB画像データによって指定された色を、各色のインクを用いて表現することが可能である。以下では、4色用の色変換テーブルあるいは6色用の色変換テーブルの各格子点に、RGB画像データに対して、適切なインク使用量に対応する階調データを設定する方法について説明する。
図11は、4色用の色変換テーブルにC,M,Y,Kの各インクの使用量に対応する階調データを設定する方法を概念的に示した説明図である。先ず初めに、R軸上、G軸上、B軸上の各格子点についてインク使用量に対応する階調値を設定する様子について説明する。図11(a)には、R軸上の格子点にインク各色の階調値を設定する様子が示されている。減法混色の理論によれば、MインクとYインクとをほぼ等量ずつ使用することによってR色を表現することが可能である。このことからR軸上では、R階調値が0から255へと大きくなるに従って、CおよびKの階調値は0に保ったまま、MおよびYの階調値を0から255へと大きくしていけば、C,M,Y,Kの各インクの使用量に対応する階調データを設定することができる。
図11(b)には、G軸上の各格子点にインク各色の階調値を設定する様子が示されている。減法混色の理論によれば、CインクとYインクとをほぼ等量ずつ使用すればG色を表現することができる。このことからG軸上では、G階調値が0から255へと大きくなるに従って、MおよびKの階調値は0に保ったまま、CおよびYの階調値を0から255へと大きくしていけばよい。また、図11(c)には、B軸上の各格子点にインク各色の階調値を設定する様子が示されている。減法混色の理論によれば、CインクとMインクとをほぼ等量ずつ使用すればB色を表現することができる。このことからB軸上では、B階調値が0から255へと大きくなるに従って、YおよびKの階調値は0に保ったまま、CおよびMの階調値を0から255へと大きくしていけば、C,M,Y,Kの各インクの使用量に対応する階調データを設定することができる。
また、図11(d)には、R,G,Bの各階調値が同じように大きくなる場合、換言すれば、座標値(R,G,B)=(0,0,0)の格子点(すなわち色空間の原点)と、座標値(R,G,B)=(255,255,255)の格子点とを結ぶ直線上の格子点に、各色インクの階調値を設定する様子が示されている。以下では、便宜上、このような直線をK軸と呼ぶことがあるものとする。加法混色の理論によれば、R,G,B各色の階調値が、階調値0から階調値255へと同時に大きくなるに従って(すなわち、K軸上でR,G,B階調値が大きくなれば)、表現される色は黒色から始まって次第に黒色が薄くなり、灰色を経由して最後は白色へと変化していく。このことから、座標値(R,G,B)=(0,0,0)の格子点については、Kの階調値は「255」に設定し、C,M,Yの階調値は「0」に設定しておく。次いで、K軸上でR,G,Bの階調値が大きくなり、黒色から灰色に向かって変化するに従って、C,M,Yの階調値を「0」に保ったまま、Kの階調値を「255」から次第に小さくしていく。
ここで、R,G,Bの階調値が大きくなるに従って、そのままKの階調値を小さくして行き、R,G,B階調値が255に達した時点でKの階調値を「0」にしてもよいが、実際には、主に画質上の観点から、R,G,B階調値がある程度まで大きくなった時点で、K階調値の一部を、同じ大きさのC,M,Y階調値に置換していく。すなわち、途中まではR,G,B階調値が増加するに従って、C,M,Y階調値は0のままでK階調値のみが単調に減少するが、途中からK階調値の減少速度が大きくなり、代わりにC,M,Y階調値が増加していく。そして、K階調値が0に達したら、今度は、C,M,Y階調値を同時に減少させていき、R,G,B階調値が「255」に達した時点でC,M,Y階調値が「0」となるように設定する。
4色用の色変換テーブルのR軸上、G軸上、B軸上、およびK軸上の各格子点については、このようにして、C,M,Y,K各色の階調値が設定されている。色変換テーブルの各格子点の中で、これらR軸、G軸、B軸、K軸上に無い他の格子点については、各軸上の格子点から補間演算することによって設定すればよい。このようにして、各格子点にC,M,Y,Kの階調値をしていけば、4色用の色変換テーブルを設定することができる。次に、6色用の色変換テーブルを設定する方法について説明する。
図12は、6色用の色変換テーブルにC,M,Y,K,LC,LMの各インクの使用量に対応する階調データを設定する方法を概念的に示した説明図である。先ず初めに、R軸上、G軸上、B軸上の各格子点についてインク使用量に対応する階調値を設定する様子について説明する。図12(a)には、R軸上の格子点にインク各色の階調値を設定する様子が示されている。前述したように、MインクとYインクとをほぼ等量ずつ使用すれば、R色を表現することが可能であり、R軸上では、R階調値が0から255へと増加するに従って、MおよびYの階調値を次第に大きくしていけばよい。もっとも、6色用の色変換テーブルでは、LMインクを使用することができるから、M階調値を発生させる代わりにLM階調値を発生させてやる。ここで、LMインクはMインクよりも淡いインクであるから、M階調値の代わりに発生させるLM階調値は、M階調値よりも大きな値となる。例えば、LMインクの染料あるいは顔料の濃度がMインクの半分であれば、LM階調値はM階調値の2倍の階調値としておく必要があり、Mインクの1/3であれば、LM階調値はM階調値の3倍としておく必要がある。
図12(a)には、このようにして、R軸上でR階調値が増加するに従って、LM階調値、M階調値、およびY階調値を増加させていく様子が示されている。上述したように、LM階調値はR階調値の増加に対して大きく増加するので、LM階調値は直ぐに「255」に達してしまう。そこで、それ以降は、R階調値が増加するに従ってLM階調値を減少させ、M階調値を増加させていく。このとき、LM階調値の減少分をM階調値で補う必要があるので、M階調値の増加量は、R階調値の増加に伴う分と、LM階調値の減少を補う分とを加えた値となる。そして、LM階調値が階調値0に達したら、今度は、R階調値の増加に伴う分だけM階調値を増加させていけばよい。図12(a)では、以上に説明したように、R軸上でR階調値が増加するに従って、LM階調値が変化する様子を太い破線で示し、M階調値が増加する様子を太い実線で、そして、Y階調値が増加する様子を細い一点鎖線で示している。
図12(b)には、G軸上の各格子点にインク各色の階調値を設定する様子が示されている。前述したように、CインクとYインクとをほぼ等量ずつ使用すれば、G色を表現することが可能であり、G軸上では、G階調値が「0」から「255」へと増加するに従って、CおよびYの階調値を次第に大きくしていけばよい。もっとも、6色用の色変換テーブルでは、LCインクを使用することができるから、C階調値を発生させる代わりにLC階調値を発生させてやる。また、LCインクはCインクよりも淡いインクであるから、C階調値の代わりに発生させるLC階調値は、C階調値よりも大きな値となる。
図12(b)には、このようにして、G軸上でG階調値が増加するに従って、LC階調値、C階調値、およびY階調値を増加させていく様子が示されている。図12(b)中では、LC階調値の変化を太い破線で示し、C階調値の変化を太い実線で、Y階調値の変化を細い一点鎖線で示している。
また、図12(c)には、B軸上の各格子点にインク各色の階調値を設定する様子が示されている。前述したように、CインクとMインクとをほぼ等量ずつ使用すればB色を表現することが可能であり、B軸上では、B階調値が「0」から「255」へと増加するに従って、CおよびMの階調値を次第に大きくしていけばよい。もっとも、6色用の色変換テーブルでは、LCインクおよびLMインクを使用することができるから、C階調値を発生させる代わりにLC階調値を発生させ、M階調値を発生させる代わりにLM階調値を発生させてやる。
図12(c)には、このようにして、B軸上でB階調値が増加するに従って、LC階調値、LM階調値、C階調値、M階調値、およびY階調値を増加させていく様子が示されている。図12(c)中では、LC階調値およびLM階調値の変化を太い破線で示し、C階調値およびM階調値の変化を太い実線で示している。
更に、図12(d)には、K軸上の各格子点にインク各色の階調値を設定する様子が示されている。前述したように、K軸上でR,G,B各色の階調値が、階調値0から階調値255へと同時に大きくなっていけば、表現される色は黒色から始まって次第に黒色が薄くなり、灰色を経由して最後は白色へと変化する。従って、K軸上では、R,G,B階調値が「0」から「255」へと増加するに従って、K階調値を次第に小さくしていき、途中からC,M,Y階調値を発生させる。そして、R,G,B階調値が更に大きくなると、C階調値の代わりにLC階調値を発生させ、M階調値の代わりにLM階調値を発生させてやればよい。
図12(d)には、このようにして、K軸上でR,G,B階調値が増加するに従って、LC階調値、LM階調値、C階調値、M階調値、およびY階調値を増加させていく様子が示されている。図12(d)中では、LC階調値およびLM階調値の変化を太い破線で示し、C階調値およびM階調値の変化を太い実線で示し、そしてY階調値の変化を細い一点鎖線で示している。
以上、6色用の色変換テーブルのR軸上、G軸上、B軸上、およびK軸上の各格子点について、C,M,Y,K,LC,LM各色の階調値を設定する様子について説明した。色変換テーブルの各格子点の中で、R軸、G軸、B軸、K軸上に無い他の格子点については、各軸上の格子点から補間演算することによって設定すればよい。
図9に示した第1実施例の色変換処理のステップS200において、印刷モードにコスト優先モードが設定されていると判断された場合は(ステップS200:yes)、図11に示したようにして設定された4色用の色変換テーブルを選択し(ステップS202)、印刷モードにコスト優先モードが設定されていないと判断された場合は(ステップS200:no)、図12に示したようにして設定された6色用の色変換テーブルを選択するのである(ステップS204)。
こうして4色用あるいは6色用の何れかの色変換テーブルを選択したら、前述した解像度変換処理(図5のステップS102)において印刷解像度に変換された画像データの中から、処理の対象とする画素を1つ選択して、その画素のRGB画像データを取得する(ステップS206)。
続いて、選択しておいた色変換テーブルを参照して、処理対象とする画素のRGB画像データを、各色インクについてのインク使用量に対応するデータに変換する(ステップS208)。前述したように、ステップS200においてコスト優先モードが設定されていると判断された場合は(ステップS200:yes)、4色用の色変換テーブルが選択されているので(ステップS202)、ステップS208では、C,M,Y,Kの4色のインクについてのインク使用量に対応するデータが得られることになる。一方、ステップS200においてコスト優先モードではなく、画質優先モードが設定されていると判断された場合は(ステップS200:no)、6色用の色変換テーブルが選択されているので、(ステップS204)、C,M,Y,K,LC,LMの6色のインクについてのインク使用量に対応するデータが得られることになる。
こうして1つの画素について、RGB画像データを各色のインク使用量に対応するデータに変換したら、画像データの全画素について処理を終了したか否かを判断する(ステップS210)。そして、未処理の画素が残っている場合は(ステップS210:no)、ステップS206に戻って新たな画素を処理対象の画素として選択し、選択した画素について上述した一連の処理を行う。こうした操作を繰り返し、全ての画素についての処理を終了したと判断されたら(ステップS210:yes)、図9に示した第1実施例の色変換処理を終了して、図5の画像印刷処理に復帰する。
以上に説明した第1実施例の色変換処理によれば、印刷モードとしてコスト優先モードが設定されている場合には、4色用の色変換テーブルを参照して色変換が行われる。このため、RGB画像データは、C,M,Y,K各色インクについてのインク使用量に対応する階調データに変換され、Cインク、Mインク、Yインク、Kインクによるドットが形成されて画像が印刷されることになる。LCインクやLMインクは、薄いインクであるため、インク使用量が多くなりがちであり、比較的無くなり易いインクであると言える。従って、LCインクおよびLMインクを使用することなく画像を印刷すれば、インクの消費量を抑制することができ、延いては画像の印刷コストを抑制することが可能となる。
もちろん、LCインクやLMインクを用いなければ、これらインクを使用して印刷した画像に比べて、ドットが目立ち易くなり画質が悪化し易くなる。しかし、文字や、線図、グラフなどが中心の画像を印刷する場合などのように、LCインクやLMインクを用いることなく印刷した画像でも、実用上の支障が無い場合も多い。従って、このような画像を印刷する場合は、コスト優先モードに設定しておくことで、何らデメリットを生じさせること無く印刷コストを抑制することが可能となる。また、写真を印刷する場合など、高画質な画像を印刷したい場合は、画質優先モードに設定しておけば、6色用の色変換テーブルが参照されて、LCインクおよびLMインクも含めた6色のインクを用いることにより、高画質な画像を印刷することが可能となる。
D−1.第1実施例の変形例 :
以上に説明した第1実施例では、印刷モードがコスト優先モードに設定されると、LCインクおよびLMインクの何れも使用せずに画像が印刷されるものとして説明した。しかし、LCインク、LMインクを使用するか否かを、個別に設定することも可能である。以下では、このような第1実施例の各種変形例について説明する。
以上に説明した第1実施例では、印刷モードがコスト優先モードに設定されると、LCインクおよびLMインクの何れも使用せずに画像が印刷されるものとして説明した。しかし、LCインク、LMインクを使用するか否かを、個別に設定することも可能である。以下では、このような第1実施例の各種変形例について説明する。
図13は、第1実施例の変形例において、コンピュータ100の画面から印刷モードを設定している様子を示した説明図である。図示されているように、第1実施例の変形例では、印刷モードを設定する部分に「詳細設定」と表示されたボタンが設けられている。そして、画面上でこのボタンをクリックすると、各色のインク毎に、使用するか否かを設定する画面が表示される。
図14は、カラープリンタ200に搭載されている各色のインク毎に、使用するか否かを設定している様子を示した説明図である。図示されているように、LCインクおよびLMインクについては、「使用する」または「使用しない」の何れかのラジオボタンを選択することで、個別に設定することが可能となっている。尚、C,M,Y,Kの各インクについては、「使用しない」を選択することはできず、必ず「使用する」が選択されるようになっている。結局、「C,M,Y,Kの4色のインクを使用して印刷する場合」、「C,M,Y,KにLCを加えた5色のインクを使用する場合」、「C,M,Y,KにLMを加えた5色のインクを使用する場合」、「C,M,Y,KにLCおよびLMを加えた6色のインクを使用する場合」の、合計4つの場合が存在していることになる。
第1実施例の変形例では、これら4つの場合にそれぞれ対応する4つの色変換テーブルを用意しておく。これらの色変換テーブルは、C,Mインクの内で淡インクを使用するインクについては、図12に示した方法を用いて、その他のインクについては図11に示した方法を用いて設定することができる。そして、図14の画面上で、いずれの場合が選択されているかに応じて、対応する色変換テーブルを選択し、選択した色変換テーブルを参照して色変換処理を行えば、「使用する」に設定されたインクのみを用いて画像を印刷することが可能となる。
このようにしてLCインク、LMインクを使用するか否かを個別に指定することができれば、例えば、いずれか一方の淡インクが無くなってしまったり、あるいは残り少なくなった場合でも、その淡インクを使用せずに印刷することで、適切に印刷することが可能となる。
E.第2実施例の色変換処理 :
以上に説明した第1実施例の色変換処理では、いずれも予め用意されている色変換テーブルの中から適切な色変換テーブルを選択することで、淡インクを使用して印刷する場合と、淡インクを使用せずに印刷する場合とを切り換えていた。しかし、これに限らず、淡インクを使用して印刷するための色変換テーブルを記憶しておき、淡インクを使用せずに印刷する場合も、記憶している色変換テーブルを用いて印刷することとしてもよい。以下では、このような第2実施例の色変換処理について説明する。
以上に説明した第1実施例の色変換処理では、いずれも予め用意されている色変換テーブルの中から適切な色変換テーブルを選択することで、淡インクを使用して印刷する場合と、淡インクを使用せずに印刷する場合とを切り換えていた。しかし、これに限らず、淡インクを使用して印刷するための色変換テーブルを記憶しておき、淡インクを使用せずに印刷する場合も、記憶している色変換テーブルを用いて印刷することとしてもよい。以下では、このような第2実施例の色変換処理について説明する。
図15は、第2実施例の色変換処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図5に示した画像印刷処理の中で、コンピュータ100に搭載されたCPU102によって実施される処理である。以下、フローチャートに従って説明する。
第2実施例の色変換処理を開始すると、先ず初めに、処理対象とする画素を選択して、その画素に記憶されているRGB画像データを取得する(ステップS300)。
次いで、6色用の色変換テーブルを参照して、RGB画像データをインク色毎の使用量に対応する階調データに変換する(ステップS302)。前述したように、6色用の色変換テーブルの格子点には、C,M,Y,K,LC,LMの各色インクについての階調値が記憶されているから、RGB画像データは、これら6色インクについての階調データに変換されることになる。
次いで、LCインクを使用して印刷するか否かを判断する(ステップS304)。LCインクを使用するか否かは、図13および図14を用いて説明したようにして、画像の印刷を開始する前に、コンピュータ100に予め設定されており、コンピュータ100のCPU102は、かかる設定状態を参照することにより、LCインクを使用するか否かを用意に判断することができる。そして、LCインクを使用しないと判断された場合は(ステップS304:no)、LCインクの使用量に対応する階調値を、Cインクの使用量に対応する階調値に振り替える処理を行う(ステップS306)。
図16は、LCインクの階調値をCインクの階調値に振り替える様子を概念的に示した説明図である。今、6色用の色変換テーブルを参照してRGB画像データを色変換したところ、LCインクおよびCインクについては、図16に示すような階調データに変換されたものとする。図中に示した棒グラフの細かいハッチングを付した部分はCインクの階調値を示し、荒いハッチングを付した部分はLCインクの階調値を示しているものとする。LCインクはCインクよりも濃度が低いから、LCインクの階調値をCインクの階調値に振り替える場合は、濃度比に応じて小さな階調値に振り替えられることになる。すなわち、LCインクの濃度をCインクの濃度で割った値を濃淡比(Rdl)とすると、LCインクが振り替えられたCインクの階調値は、LCインクの階調値に濃淡比を乗算した階調値となる。そして、色変換テーブルを参照して求められたCインクの階調値に、こうしてLCインクから振り替えられた階調値を加算して得られた値を、最終的なCインクの階調値とすればよい。図15に示した第2実施例のステップS306では、このようにして、LCインクの使用量に対応する階調値を、Cインクの使用量に対応する階調値に振り替える処理を行う。
一方、ステップS304において、LCインクを使用すると判断された場合は(ステップS304:yes)、LCインクの階調値をCインクの階調値に振り替える処理はスキップする。
以上のようにしてLCインクに対する処理を終了したら、今度は、LMインクに対しても同様な処理を行う。すなわち、LMインクを使用するか否かを判断し(ステップS308)、LMインクを使用しないと判断された場合は(ステップS308:no)、LMインクの階調値をMインクの階調値に振り替える処理を行う(ステップS310)。かかる処理では、LMインクの階調値に、LMインクとMインクとの濃淡比(Rdl)を乗算することによってMインクの階調値を算出し、得られた値を、色変換テーブルを参照して求められたMインクの階調値に加算することによって、最終的なMインクの階調値を算出する処理を行う。一方、ステップS308において、LMインクを使用すると判断された場合は(ステップS308:yes)、こうしたLMインクの階調値をMインクの階調値に振り替える処理は行わない。
こうして、処理対象として選択した画素について、色変換を行い、予め設定された内容に応じてLCインクあるいはLMインクを振り替える処理を終了したら、全画素について上述した処理を終了したか否かを判断する(ステップS312)。そして、未だ処理していない画素が残っている場合は(ステップS312:no)、ステップS300に戻って新たな画素を選択し、選択した画素に対して、上述した一連の処理を行う。こうした処理を繰り返し、全ての画素について処理を終了したと判断されたら(ステップS312:yes)、第2実施例の色変換処理を終了して、図5の画像印刷処理に復帰する。そして、得られた各色インクについての階調データに対して、ハーフトーン処理およびインターレース処理が施された後、インクドットが形成されて、画像が印刷されることになる。
このようにして画像を印刷すれば、予めコンピュータ100の画面上で設定したインクを用いて画像を印刷することができる。従って、インク使用量が多くなり易いLCインクおよびLMインクを使用せずに印刷することで、印刷コストを抑制しながら画像を印刷することが可能となる。また、LCインクやLMインクの一方が無くなってしまったり、残り少なくなった場合には、そのインクを使用することなく適切に画像を印刷することが可能となる。
加えて、上述した第2実施例の色変換処理では、予め記憶しておく色変換テーブルは、6色用の色変換テーブルを一組だけ記憶しておけばよく、多数の色変換テーブルを記憶しておく必要が無いので、記憶容量を節約することが可能という利点も得ることができる。
E−1.第2実施例の変形例 :
(1)第1の変形例 :
上述した第2実施例の色変換処理では、6色用の色変換テーブルを参照することにより、RGB画像データを6色インクの階調値に一旦変換し、その後、LCインクまたはLMインクを使用しない旨が設定されている場合は、使用しない淡インクの階調値を、対応する濃インクの階調値に振り替えていた。これに対して、LCインクあるいはLMインクを使用しない旨が設定されている場合は、6色用の色変換テーブルから、使用するインクのみの階調値が設定された色変換テーブルを生成して、この生成した色変換テーブルを参照することによって色変換処理を行うこととしてもよい。例えば、LCインクを使用しない旨が設定されている場合は、6色インクからLCインクを除いた5色用の色変換テーブルを生成しておき、このテーブルを参照することにより、RGB画像データを、直ちに、C,M,Y,K,LMの各インクの使用量に対応する階調データに変換することとしてもよい。
(1)第1の変形例 :
上述した第2実施例の色変換処理では、6色用の色変換テーブルを参照することにより、RGB画像データを6色インクの階調値に一旦変換し、その後、LCインクまたはLMインクを使用しない旨が設定されている場合は、使用しない淡インクの階調値を、対応する濃インクの階調値に振り替えていた。これに対して、LCインクあるいはLMインクを使用しない旨が設定されている場合は、6色用の色変換テーブルから、使用するインクのみの階調値が設定された色変換テーブルを生成して、この生成した色変換テーブルを参照することによって色変換処理を行うこととしてもよい。例えば、LCインクを使用しない旨が設定されている場合は、6色インクからLCインクを除いた5色用の色変換テーブルを生成しておき、このテーブルを参照することにより、RGB画像データを、直ちに、C,M,Y,K,LMの各インクの使用量に対応する階調データに変換することとしてもよい。
図17は、6色用の色変換テーブルから、使用するインクのみによる色変換テーブルを生成する様子について示した説明図である。図14に示したように、使用するか否かを設定することができるのは淡インクのみであるから、使用しないと設定された淡インクの階調値を対応する濃インクの階調値に振り替えてやれば、6色用の色変換テーブルから、使用するインクのみによる色変換テーブルを生成することが可能である。以下、図17を参照しながら説明する。
今、6色用の色変換テーブルR軸、G軸、B軸のいずれかの軸を選択して、その軸上の格子点に設定されている淡インクおよび濃インクの階調値を調べると、図17に示すような結果が得られる。例えば、R色はM色とY色とを組み合わせて表現されるから、R軸上の格子点に設定されているLMインクの階調値は、太い破線で示すような値が設定され、Mインクの階調値は太い実線で示すような値が設定されている。また、B色はC色とM色とを組み合わせて表現されるから、B軸上の格子点に設定されているLCインクおよびLMインクの階調値は、太い破線で示すような値が設定され、CインクおよびMインクの階調値は太い実線で示すような値が設定されている。
これらLCインクあるいはLMインクの中で、使用しない淡インクについては、濃インクの階調値に振り替えて、得られた各色インクの階調値の組み合わせを格子点に記憶してやる。こうすれば、6色用の色変換テーブルから、使用するインクのみによる色変換テーブルを生成することができる。例えば、ある格子点には、淡インクの階調値としてLIが、濃インクの階調値として「0」が設定されていたとする。その淡インクが使用されない場合は、淡インクの階調値LIに濃淡比Rdlを乗算した値DIを、濃インクの階調値に加算する。そして、得られた階調値の組み合わせを、新たな色変換テーブルの格子点に記憶してやればよい。図17中に荒いハッチングを付して示した部分は淡インクの階調値を示し、細かいハッチングを付して示した部分は、淡インクが振り替えられた濃インクの階調値を示している。このようにして、6色用の色変換テーブルの各格子点に設定されている各インクの階調値の中から、使用しない淡インクの階調値については対応する濃インクの階調値に振り替えて、新たな階調値の組み合わせを格子点に記憶していけば、6色用の色変換テーブルから、使用するインクのみによる色変換テーブルを生成することができる。
こうして、使用するインクのみによる色変換テーブルを生成し、生成した色変換テーブルを参照しながらRGB画像データを色変換してやれば、使用するインクのみによる階調データを直ちに得ることができる。このため、迅速に色変換処理を実行し、延いては迅速に画像を印刷することが可能となる。また、使用するインクの組合せ毎に、色変換テーブルを予め記憶しておく必要も無いので、記憶容量も節約することが可能となる。
(2)第2の変形例 :
また、上述した第2実施例では、淡インクを使用するか否かを設定することができるだけであり、淡インクを使用しながら使用量を抑制する旨を設定することはできなかった。これに対して、指定された淡インクの使用を完全に止めてしまうのではなく、指定された淡インクの使用量を、例えば半分、あるいは三分の一などのように所定の比率で抑制することとしてもよい。
また、上述した第2実施例では、淡インクを使用するか否かを設定することができるだけであり、淡インクを使用しながら使用量を抑制する旨を設定することはできなかった。これに対して、指定された淡インクの使用を完全に止めてしまうのではなく、指定された淡インクの使用量を、例えば半分、あるいは三分の一などのように所定の比率で抑制することとしてもよい。
図18は、第2実施例の第2の変形例において、指定された淡インクの使用量を所定の比率で抑制する原理を示す説明図である。例えば、6色用の色変換テーブルを参照して色変換した結果、濃インクの階調値と淡インクの階調値とに変換されたものとする。使用を抑制する旨が設定されている淡インクについては、淡インクの階調値Dliの一定割合Kを、濃淡比(Rdl)に従って濃インクDdiの階調値に振り替えてやる。淡インクを振り替える形態としては、第2実施例において前述したように、6色用の色変換テーブルを参照して色変換することによって得られた各色インクの階調値に対して行っても良いし、あるいは第2実施例の第1の変形例において前述したように、指定された淡インクの使用が抑制された色変換テーブルを生成しておき、この色変換テーブルを参照して、RGB画像データを色変換することとしてもよい。あるいは、淡インクの中から濃インクに振り替えられる割合Kを指定可能としてもよい。
このように、淡インクの使用を抑制する旨が設定された場合に、淡インクの使用を止めてしまうのではなく、所定の割合で淡インクの使用を少なくするすることができれば、たとえ印刷画質をおろそかにすることはできない画像であっても、画質と印刷コストとを両立させながら、適切に画像を印刷することが可能となる。
(3)第3の変形例 :
また、上述した各種の実施例では、淡インクとしては、LCインクおよびLMインクのみが用いられているものとして説明した。しかし、Yインクや、Kインクに対する淡インクを備えることとしても良い。更には、同色のインクに複数の淡インクを設けておき、これら複数の淡インクの中から、使用を抑制する淡インクを指定することとしても良い。
また、上述した各種の実施例では、淡インクとしては、LCインクおよびLMインクのみが用いられているものとして説明した。しかし、Yインクや、Kインクに対する淡インクを備えることとしても良い。更には、同色のインクに複数の淡インクを設けておき、これら複数の淡インクの中から、使用を抑制する淡インクを指定することとしても良い。
図19は、このような第2実施例の第3の変形例において、使用を抑制する淡インクを指定する画面を例示した説明図である。図示した例では、淡インクとして、CインクおよびMインクに対しては、それぞれLCインクおよびLMインクが1つずつ搭載されているが、Kインクに対しては、LKインクと、該LKインクよりも更にインク濃度が低いLLKインクとの、2つの淡インクが搭載されている。そして、これら4つの淡インク毎に、使用を抑制するか否かを設定することが可能となっている。
このような第3の変形例の色変換処理では、次のようにして、RGB画像データの色変換を行う。先ず、これら7色全てのインクを用いて画像を印刷するための、7色用の色変換テーブルを記憶しておき、この色変換テーブルを参照して、RGB画像データを、7色分のインク使用量に対応する階調データに変換する。次いで、使用を抑制する旨が設定されている淡インクが存在するか否かを判断し、抑制する旨が設定された淡インクが存在している場合は、その淡インクの階調値を、より濃度の高いインクの階調値に振り替えてやる。例えば、図19に示した例では、LMインクおよびLKインクについては使用しない旨が設定されているから、色変換テーブルを参照して得られたLMインクの階調値をMインクの階調値に、そして、LKインクの階調値をKインクの階調値に、それぞれの濃淡比(Rdl)に従って振り替えてやればよい。ここで、濃淡比(Rdl)とは、淡インクの濃度を濃インクの濃度で除算した値である。
また、例えば、LLKインクを使用しない旨が設定されている場合は、LLKインクの階調値をLKインクの階調値に振り替えてやればよい。このとき、LLKインクとLKインクとの濃淡比(Rdl)としては、LLKインクに含まれるK色の染料または顔料濃度を、LKインクの染料または顔料濃度で除算した値を用いればよい。更に、LLKインクおよびLKインクを何れも使用しない旨が設定されている場合は、先ず初めにLLKインクの階調値をLKインクの階調値に振り替えた後、LLKインクが振り替えられたLKインクの階調値を、Kインクの階調値に振り替えてやればよい。
このようにして、一旦、全てのインクを使用するものとして色変換処理を行った後、使用しない旨が設定されている淡インクが存在していれば、その淡インクをより濃度の高いインクに振り替えてやる。そして、最終的に得られたインク使用量に対応する階調データに対して、ハーフトーン処理およびインターレース処理を行った後、得られた印刷データに従って画像を印刷する。
こうすれば、指定された淡インクの使用を抑制しながら適切に画像を印刷することが可能となる。また、このように一旦、全てのインクを使用するものとして色変換処理を行った後、使用を抑制する淡インクについてはインクの使用量に対応する階調値を振り替えることとすれば、全てのインクを使用する場合に色変換テーブルだけを記憶しておけば足りるので、淡インクの種類が多くなった場合でも、設定に応じて任意の淡インクの使用を簡単に抑制することが可能となる。
尚、上述した第3の変形例では、淡インクの使用を抑制するか否かの設定は、「使用する」または「使用しない」の何れかしか取り得ないものとして説明したが、前述した第2実施例のように、使用量を一定比率で減少させる旨を設定することも可能である。
F.第3実施例の色変換処理 :
上述した各種実施例では、画像の印刷に先立って、淡インクの使用を抑制するか否かの設定に従って、色変換処理を行うものとして説明した。しかし、淡インクの使用を抑制するか否かだけでなく、抑制する程度を設定可能として、設定された程度に応じて淡インクの使用を抑制しながら画像を印刷することとしても良い。以下では、こうした第3実施例の色変換処理について説明する。
上述した各種実施例では、画像の印刷に先立って、淡インクの使用を抑制するか否かの設定に従って、色変換処理を行うものとして説明した。しかし、淡インクの使用を抑制するか否かだけでなく、抑制する程度を設定可能として、設定された程度に応じて淡インクの使用を抑制しながら画像を印刷することとしても良い。以下では、こうした第3実施例の色変換処理について説明する。
図20は、第3実施例の色変換処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図9を用いて前述した第1実施例の色変換処理に対して、淡インクの使用を抑制する程度を、幾段階かに設定可能となっており、設定された抑制の程度に応じて、参照する色変換テーブルを使い分ける点が大きく異なっている。以下では、こうした第1実施例の相違点を中心として、第3実施例の色変換処理について説明する。
第3実施例の色変換処理を開始すると、コンピュータ100は先ず初めに、淡インクの使用を抑制する程度に関する設定を取得する(S400)。使用を抑制する程度は、画像の印刷に先立って、コンピュータ100の画面上から予め設定されている。
図21は、コンピュータ100の画面上から淡インクの使用を抑制する程度を設定している様子を例示した説明図である。第3実施例では、印刷モードとして、淡インクを使用して高画質な画像を印刷する「画質優先モード」から、淡インクを全く使用せずに印刷する「コスト優先モード」まで、淡インクの使用を抑制する程度が異なる4つのモードが用意されている。そして、これらは、コンピュータ100の画面上でツマミ150の位置を、「A」,「B」,「C」,「D」の何れかの位置に合わせることで設定することが可能となっている。図20に示したステップS400では、予め図21に示した画面上で、ツマミ150が何れの位置に設定されていたかを検出することにより、淡インクの使用を抑制する程度に関する設定を取得する処理を行う。
こうして、予め設定されている抑制程度を取得したら、設定されていた抑制程度に応じて、対応する色変換テーブルを選択する(ステップS402)。図21を用いて説明したように、第3実施例の色変換処理では、淡インクの抑制程度を幾段階かに設定可能であり、それぞれの抑制程度に応じた色変換テーブルが予め設定されて記憶されている。
図22は、淡インクの抑制程度に応じて設定されている各種の色変換テーブルを概念的に示した説明図である。図22(a)は、淡インクを用いることなく画像を印刷する場合に参照される色変換テーブル(LUT−A)を概念的に示している。色変換テーブル(LUT−A)の各格子点には、濃インクのインク使用量に対応する階調値のみが記憶されており、濃インクの階調値は、RGB画像データの入力階調値が増加するに従って、次第に大きな値となるように設定されている。図21に示した画面上でツマミ150を「A」の位置に合わせて「コスト優先モード」を選択した場合には、このような色変換テーブル(LUT−A)が選択される。
図22(b)は、図21に示した画面上でツマミ150を「B」の位置に合わせた場合に選択される色変換テーブル(LUT−B)を概念的に示した説明図である。図示されているように、色変換テーブル(LUT−B)の各格子点には、濃インクおよび淡インクの階調値が記憶されているものの、淡インクの階調値は、RGB画像データの入力階調値が低い領域でだけ「0」以外の値を取り、入力階調値がある程度に大きくなると、淡インクの階調値は「0」となっている。また、淡インクの階調値が「0」でない値を取る階調領域の格子点では、入力階調値が増加するに従って淡インクの階調値が直線的に増加していき、入力階調値がある階調値に達すると、淡インクの階調値が直線的に今度は減少していくとともに、濃インクの階調値が増加し始めるように、淡インクおよび濃インクの階調値が設定されている。そして、淡インクの階調値が「0」に達した後の各格子点には、入力階調値が増加するに従って濃インクの階調値が直線的に増加していき、淡インクの階調値は「0」に保たれるように、淡インクおよび濃インクの階調値が設定されている。
また、図22(c)は、図21に示した画面上でツマミ150を「C」の位置に合わせた場合に選択される色変換テーブル(LUT−C)を概念的に示した説明図である。上述した色変換テーブル(LUT−B)と同様に、色変換テーブル(LUT−C)の各格子点にも、濃インクおよび淡インクの階調値が記憶されており、淡インクの階調値は、RGB画像データの入力階調値が低い領域でだけ「0」以外の値を取るように、淡インクおよび濃インクの階調値が設定されている。もっとも、色変換テーブル(LUT−C)では、上述した色変換テーブル(LUT−B)よりも、広い入力階調範囲で、淡インクの階調値が「0」以外の値を取る点で異なっている。
更に、図22(d)は、図21に示した画面上でツマミ150を「D」の位置に合わせて「画質優先モード」を指定した場合に選択される色変換テーブル(LUT−D)を概念的に示した説明図である。色変換テーブル(LUT−D)では、RGB画像データの入力階調値が増加するに従って、淡インクの階調値が直線的に増加していき、淡インクの階調値が「255」に達すると反転して直線的に減少するとともに、濃インクの階調値が直線的に増加するようになっている。そして、淡インクの階調値が「0」に達した後は、入力階調値が増加するに従って濃インクの階調値が直線的に増加していき、淡インクの階調値は「0」に保たれるようになっている。
第3実施例では、図22に概念的に示した4つの色変換テーブルがコンピュータ100に予め記憶されている。そして、図20に示した第3実施例の色変換処理では、コンピュータ100の画面上でツマミ150の位置が「A」ないし「D」の何れの位置に合わされたかを検出することによって、淡インクの使用を抑制する程度に関する設定を取得して(ステップS400)、記憶されている4つの色変換テーブルの中から対応する色変換テーブルを選択する処理を行うのである(ステップS402)。
こうして、淡インクの使用を抑制する程度に応じた色変換テーブルを選択したら、処理対象とする画素を1つ選択し、選択した画素に記憶されているRGB画像データを取得する(ステップS404)。そして、選択した色変換テーブルを参照して、処理対象とする画素のRGB画像データを、各色インクについてのインク使用量に対応するデータに変換する(ステップS406)。
図22を用いて概念的に説明したように、「コスト優先モード」が指定されており、淡インクを使用しない旨が設定されている場合は、色変換テーブル(LUT−A)が選択されているので、処理対象とする画素のRGB画像データがどのような値であっても、濃インクの階調データのみに変換されることになる。また、ツマミ150が「B」の位置に合わされており、淡インクを少しだけ使用する旨が設定されている場合は、色変換テーブル(LUT−B)が選択される。このため、処理対象とする画素のRGB画像データが、極小さな階調値の場合にだけ、淡インクの階調値が発生し、その他の場合は、濃インクの階調値のみが発生するような各色インクの階調データに変換される。更に、ツマミ150が「C」の位置に合わされており、淡インクを少しだけ抑制しながら使用する旨が設定されている場合は、色変換テーブル(LUT−C)が選択され、ツマミ150が「B」の位置に合わされた場合よりも淡インクの階調値が「0」でない値を取る領域が広くなる。そして、ツマミ150が「D」の位置に合わされて、「画質優先モード」が指定されており、淡インクの使用を全く抑制せずに画像を印刷する旨が設定されている場合は、色変換テーブル(LUT−D)が選択され、淡インクの階調値が「0」でない値を取る領域が最も広くなる。
こうして、処理対象として選択された1つの画素について、色変換テーブルを参照しながらRGB画像データを各色のインク使用量に対応するデータに変換したら、画像データの全画素について処理を終了したか否かを判断する(ステップS408)。そして、未処理の画素が残っている場合は(ステップS408:no)、ステップS404に戻って新たな画素を処理対象の画素として選択し、選択した画素について上述した一連の処理を行う。こうした操作を繰り返し、全ての画素についての処理を終了したと判断されたら(ステップS408:yes)、図20に示した第3実施例の色変換処理を終了して、図5の画像印刷処理に復帰する。
以上に説明した第3実施例の色変換処理によれば、コンピュータ100の画面上でツマミ150を合わせる位置に応じて、適切な色変換テーブルが選択される。そして、図22に示したように、これら色変換テーブルは、淡インクの階調値が設定されている格子点の範囲および、格子点に設定されている淡インクの階調値が異なっており、色変換テーブル(LUT−A),色変換テーブル(LUT−B),色変換テーブル(LUT−C),色変換テーブル(LUT−D)の順番で、格子点の範囲および格子点に設定されている淡インクの階調値が大きくなっている。このため、ツマミ150の設定位置に応じて、淡インクの使用量が抑制される程度を4段階に切り換えることが可能となり、インク使用量を抑制することによる印刷コストの低減と、印刷画質の確保とを、よりきめ細かく両立させることが可能となる。
F−1.第3実施例の変形例 :
以上に説明した第3実施例の色変換処理では、淡インクの使用を抑制する程度に応じて、予め複数の色変換テーブルを記憶しておき、これら複数のテーブルの中から適切なものを選択するものとして説明した。しかし、複数の色変換テーブルを予め記憶しておくのではなく、淡インクの使用を抑制する程度に応じて、適切な色変換テーブルを生成することとしても良い。以下では、このような第3実施例の変形例の色変換処理について説明する。
以上に説明した第3実施例の色変換処理では、淡インクの使用を抑制する程度に応じて、予め複数の色変換テーブルを記憶しておき、これら複数のテーブルの中から適切なものを選択するものとして説明した。しかし、複数の色変換テーブルを予め記憶しておくのではなく、淡インクの使用を抑制する程度に応じて、適切な色変換テーブルを生成することとしても良い。以下では、このような第3実施例の変形例の色変換処理について説明する。
図23は、第3実施例の変形例の色変換処理の流れを示すフローチャートである。かかる変形例の色変換処理は、上述した第3実施例の色変換処理に対して、淡インクの使用を抑制する程度に応じて適切な色変換テーブルを生成する点が大きく異なっている。以下では、かかる相違点を中心として、第3実施例の変形例の色変換処理について説明する。
第3実施例の変形例の色変換処理を開始すると、コンピュータ100は先ず初めに、淡インクの使用を抑制する程度に関する設定を取得する(S450)。上述した第3実施例の色変換処理では、参照する色変換テーブルを切り換えることによって、淡インクの使用を抑制する程度を換えているため、淡インクの使用を抑制する程度の設定は、段階的にしか設定することができなかった。しかし、第3実施例の変形例においては、淡インクの使用を抑制する程度に応じて色変換テーブルを生成することとしており、このため、使用の抑制程度を連続的に変化させながら設定することが可能となっている。
図24は、第3実施例の変形例において、コンピュータ100の画面上から淡インクの使用を抑制する程度を設定している様子を例示した説明図である。図示されているように、第3実施例の変形例では、画面上でツマミ150をスライドさせることで、淡インクを使用して高画質な画像を印刷する「画質優先モード」から、淡インクを全く使用せずに印刷する「コスト優先モード」まで、淡インクの使用を抑制する程度を連続的に変化させることが可能となっている。図23に示したステップS450では、コンピュータ100の画面上でツマミ150が設定されている位置を検出することにより、淡インクの使用を抑制する程度に関する設定を取得する処理を行う。
こうして、淡インクの使用を抑制する程度(換言すれば、ツマミ150の設定位置)を取得したら、これを、濃インクの発生階調値、および淡インクの完全置換階調値に変換する(ステップS452)。
ここで、濃インクの発生階調値、および淡インクの完全置換階調値とは、次のような階調値である。前述した第3実施例では、淡インクの使用を抑制する程度に応じて設定された色変換テーブルが予め記憶されており、これら色変換テーブルの各格子点に設定された各色インクの階調値は、図22を用いて概念的に説明したように、入力階調値が低い値の領域では、淡インクのみが「0」でない階調値を有しており、入力階調値がそれより大きな値になると、淡インクおよび濃インクが何れも「0」でない階調値を有するようになり、更に入力階調値が大きくなると、濃インクのみが「0」でない階調値を有するようになっている。そして、淡インクの使用を抑制する程度が大きくなるほど、淡インクの階調値が「0」でない値を有するような入力階調値の範囲が狭くなっていく。第3実施例の変形例における濃インク発生階調値とは、濃インクの階調値が「0」でない値を取り始めるような入力階調値、換言すれば、淡インクおよび濃インクがともに「0」でない階調値を取るような入力階調範囲の下限値を指している。また、第3実施例の変形例における淡インク完全置換階調値とは、淡インクの階調値が「0」でない値を取る最も大きな入力階調値、換言すれば、濃インクのみが「0」でない階調値を取るような入力階調範囲の下限値を指している。
図23に示した変形例の色変換処理におけるステップS452の処理では、ステップS450で取得したツマミ150の設定位置(すなわち、淡インクの使用を抑制する程度)を、濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値に変換する処理を行う。かかる変換は、予め設定しておいた対応関係を参照することによって行うことができる。
図25は、淡インクの使用を抑制する程度(ツマミ150の設定位置)と、濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値とが対応づけて記憶されている様子を示す説明図である。図では、淡インクの使用抑制程度(ツマミ150の設定位置)を横軸に取り、濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値を縦軸に取って、両者の対応関係がグラフによって表示されている。また、図中に示した実線は濃インク発生階調値を示しており、破線は淡インク完全置換階調値を示している。このような対応関係を参照すれば、横軸の座標、すなわち淡インクの使用を抑制する程度(若しくはツマミ150の設定位置)から、濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値を直ちに求めることが可能である。
あるいは、簡便には、次のようにしても良い。先ず、対応関係には、淡インクの使用を抑制する程度(若しくはツマミ150の設定位置)と、これに対する濃インク発生階調値のみを記憶しておく。そして、淡インクの使用抑制程度を取得すると、対応関係を参照して濃インク発生階調値を求め、この濃インク発生階調値に所定の係数kを乗算することによって、淡インク完全置換階調値を算出することとしても良い。
図26は、濃インク発生階調値に所定の係数kを乗算することによって、淡インク完全置換階調値を算出している様子を示す説明図である。このように、淡インク完全置換階調値を、濃インク発生階調値から算出することとすれば、淡インクの使用を抑制する程度と濃インク発生階調値との対応関係のみを記憶しておけばよいので、コンピュータ100の記憶容量を節約することが可能となる。一方、図25に示したように、淡インクの使用抑制程度と、淡インク完全置換階調値および濃インク発生階調値とを対応関係に設定しておくこととすれば、淡インク完全置換階調値と濃インク発生階調値とを独立して設定することができるので、設定の自由度が高くなる分だけ、よりきめ細かく適切な設定とすることが可能となる。
以上に説明したように、図23に示した変形例の色変換処理のステップS452では、予め設定されている対応関係を参照することによって、淡インクの使用を抑制する程度から、濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値を取得する処理を行う。
こうして、濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値を取得したら、今度は、対応する色変換テーブルを生成する処理を開始する(ステップS454)。図27は、濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値から、色変換テーブルを生成する方法を概念的に示した説明図である。以下では、図27を参照しながら色変換テーブルの生成方法について説明する。
色変換テーブルの生成は、濃インクのみを用いて画像を印刷するための色変換テーブルをベースとして、このテーブルの各格子点に設定されている各色インクの階調値を変更することによって行う。濃インクのみによる色変換テーブルの各格子点には、図11を用いて前述した分布となるように、C,M,Y,K各色インクの階調値が設定されている。これら各色インクの階調値を設定する方法については、既に第1実施例において前述していることから、説明が重複して煩雑化することを避けるため、以下では、C,M,Yインクに着目して説明する。また、これらC,M,Yインクをまとめて濃インクと総称することがあるものとする。
図27(a)には、濃インクのみによる色変換テーブルの各格子点に、各色インクの階調値が設定されている様子が概念的に示されている。図示されているように、濃インクのみを用いる場合は、色変換テーブルの各格子点には、入力階調値が増加するに従って直線的に増加するように、濃インクの階調値が設定されている。
次いで、先に取得しておいた濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値に従って、濃インクの階調値の一部を淡インクの階調値に置き換えることを考える。ここで、前述したように、淡インク完全置換階調値とは、淡インクの階調値が「0」でない値を取る入力階調範囲を示しているから、淡インクの階調値に置き換える範囲は、入力階調値が「0」から淡インク完全置換階調値までの範囲となる。また、濃インク発生階調値とは、濃インクの階調値が「0」となる入力階調範囲を示しているから、入力階調値が「0」から濃インク発生階調値までの範囲では、濃インクの階調値を全て淡インクの階調値に置き換えることになる。
図27(b)には、全ての濃インクが置き換えられて淡インクの階調値のみが発生する階調領域と、濃インクの一部が置き換えられて淡インクおよび濃インクの階調値が同時に発生する階調領域とが示されている。淡インクのみの階調値が発生する領域(すなわち、入力階調値が濃インク発生階調値以下の階調領域)では、前述した濃淡比(Rdl)に従って、濃インクの階調値を全て淡インクの階調値に置き換えていく。すなわち、濃淡比(Rdl)とは、淡インクに含まれる染料あるいは顔料濃度を濃インクの染料あるいは顔料濃度で割った値であるから、濃インクの階調値を濃淡比(Rdl)除算してやれば、淡インクの階調値を求めることができる。入力階調値が濃インク発生階調値よりも小さな階調領域では、このようにして、各格子点に記憶されている濃インクの階調値を濃淡比(Rdl)で除算することによって淡インクの階調値を算出し、得られた階調値を格子点に設定していけばよい。
図27(c)には、濃インクの階調値を置き換えることによって、淡インクの階調値を発生させる様子が概念的に示されている。上述したように、濃インク発生階調値よりも小さな階調領域では、濃インクの階調値を全て淡インクの階調値に置き換えることにより、淡インクの階調値は、図中の原点0からa点まで直線的に増加することになる。
一方、濃インク発生階調値から淡インク完全置換階調値までの階調範囲においては、淡インクの階調値と濃インクの階調値とを同時に発生させるために、濃インクの階調値の一部を淡インクの階調値に置き換えてやる。具体的には、図27(c)に示すように、濃インク発生階調値におけるa点と、淡インク完全置換階調値を示すb点とを直線で結ぶことにより、淡インクの階調値を決定する。すなわち、淡インクの階調値は、a点から直線的に減少し、ちょうどb点で階調値が「0」になるものとする。次いで、このようにして淡インクの階調値を発生させた分だけ、濃インクの階調値を減少させる。すなわち、発生させた淡インクの階調値に濃淡比(Rdl)を乗算した値だけ、濃インクの階調値を減少させてやるのである。図27(c)中にハッチングを付した示した領域は、a点からb点までの範囲で淡インクの階調値を発生させたことに伴って、濃インクの階調値を減少させた領域を示している。このようにして濃インクの階調値を減少させる結果、濃インクの階調値はc点からd点へと直線的に増加するような変化を示すことになる。
図25あるいは図26に例示されているように、設定されている印刷モードがコスト優先モードに近付くなる程、濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値は小さな値となり、逆に、印刷モードが画質優先モードに近く付く程、濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値は大きな値となるように設定されている。このため、コスト優先モードに近くなるほど、淡インクの発生領域および淡インクの階調値が小さくなり、淡インクの使用が抑制された色変換テーブルが得られることになる。
図23に示した変形例の色変換処理におけるステップS454の処理では、以上に説明したように、濃インクのみによる色変換テーブルをベースとして、淡インクの使用を抑制する程度から求められた濃インク発生階調値および淡インク完全置換階調値に従って、各格子点に設定されている階調値を置き換えることにより、淡インクの使用の抑制程度に応じた新たな色変換テーブルを生成する処理を行うのである。
以上のようにして、淡インクの使用の抑制程度に応じた色変換テーブルを生成したら、前述した第3実施例と同様にして、RGB画像データの色変換を実施する。以下、簡単に説明すると、先ず、処理対象とする画素を1つ選択し、選択した画素に記憶されているRGB画像データを取得する(ステップS456)。そして、生成した色変換テーブルを参照して、RGB画像データを、各色インクについてのインク使用量に対応するデータに変換する(ステップS458)。次いで、画像データの全画素について処理を終了したか否かを判断する(ステップS460)。その結果、未処理の画素が残っている場合は(ステップS460:no)、ステップS456に戻って新たな画素を処理対象の画素として選択し、選択した画素について上述した一連の処理を行う。こうした操作を繰り返し、全ての画素についての処理を終了したと判断されたら(ステップS460:yes)、図23に示した第3実施例の変形例の色変換処理を終了して、図5の画像印刷処理に復帰する。
以上に説明した第3実施例の変形例の色変換処理によれば、コンピュータ100の画面上でツマミ150を合わせる位置に応じて、淡インクの使用を抑制する程度が異なる適切な色変換テーブルを生成することができる。このため、インク使用量を抑制することによる印刷コストの低減と、印刷画質の確保とを、よりきめ細かく両立させることが可能となる。
また、色変換テーブルを参照して画像データをインク量データに変換していることから、画像データを迅速に変換することができ、延いては迅速に画像を印刷することが可能となる。更に、淡インクの使用を抑制する程度に応じて色変換テーブルを生成していることから、複数の色変換テーブルを記憶しておく必要がないので、コンピュータ100の記憶容量を節約することも可能となる。
以上、各種の実施例について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
10…コンピュータ、 20…プリンタ、 100…コンピュータ
200…プリンタ、 230…キャリッジモータ、 240…キャリッジ、
241…印字ヘッド、 242…インクカートリッジ 243…インクカートリッジ、 244…インク吐出用ヘッド、260…制御回路
200…プリンタ、 230…キャリッジモータ、 240…キャリッジ、
241…印字ヘッド、 242…インクカートリッジ 243…インクカートリッジ、 244…インク吐出用ヘッド、260…制御回路
Claims (20)
- 同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する画像印刷手段と
を備えることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置であって、
前記印刷態様選択手段は、前記第2の印刷態様として、前記淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクを用いることなく画像を印刷する態様を選択する手段である印刷装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記印刷態様選択手段は、前記濃インクおよび前記淡インクを備える色相については、該色相毎に、前記第1の印刷態様または前記第2の印刷態様を選択する手段である印刷装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記画像データの階調値と、該階調値の画像を印刷する場合のインク使用量に対応するデータたるインク量データとを対応づけた変換テーブルを記憶している変換テーブル記憶手段を備え、
前記変換テーブル記憶手段は、
前記印刷装置に備えられた前記複数種類のインクを用いて画像を印刷する場合の、前記画像データの階調値と前記インク量データとを対応づけた第1の変換テーブルと、
前記淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が抑制された状態で画像を印刷する場合の、前記画像データの階調値と前記インク量データとを対応づけた第2の変換テーブルと
を記憶している手段であり、
前記印刷態様選択手段は、前記第1の変換テーブルまたは前記第2の変換テーブルの何れか一方を選択することによって、前記第1の印刷態様または前記第2の印刷態様の何れかを選択する手段であり、
前記画像印刷手段は、前記画像データを受け取ると、前記選択された変換テーブルに基づいて前記インク量データに変換した後、画像を印刷する手段である印刷装置。 - 請求項4記載の印刷装置であって、
前記変換テーブル記憶手段は、前記第2の変換テーブルとして、前記抑制された状態で使用される淡インクについての該抑制の程度が異なる複数の変換テーブルを記憶している手段であり、
前記印刷態様選択手段は、前記第1の変換テーブル、または複数記憶されている前記第2の変換テーブルの中から、1の変換テーブルを選択する手段である印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置であって、
前記画像印刷手段は、
前記印刷しようとする画像の画像データを受け取ると、前記印刷装置に備えられた前記複数種類のインクを用いて画像を印刷する場合の、インクの使用量に対応するデータたるインク量データに、該画像データを変換する画像データ変換手段と、
前記第2の印刷態様が選択されている場合には、前記使用の抑制された淡インクについての前記インク量データの少なくとも一部を、前記同色の濃インクについての前記インク量データに振り替えるインク量データ振替手段と
を備えるとともに、
前記第1の印刷態様が選択されている場合には、前記画像データを変換して得られたインク量データに基づいて画像を印刷し、前記第2の印刷態様が選択されている場合には、前記振り替えられたインク量データに基づいて画像を印刷する手段である印刷装置。 - 請求項6記載の印刷装置であって、
前記インク量データ振替手段は、前記第2の印刷態様が選択されている場合には、前記抑制された状態で使用される淡インクについて得られた前記インク量データの全量を、該淡インクと同色で且つ該淡インクよりも前記色材濃度が高いインクについてのインク量データに振り替える手段である印刷装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記画像印刷手段は、
前記印刷しようとする画像の画像データを受け取ると、前記淡インクを用いることなく画像を印刷する場合のインクの使用量に対応するデータたるインク量データに、該画像データを変換する画像データ変換手段と、
前記第1の印刷態様が選択されている場合には、前記変換して得られた前記濃インクのインク量データの少なくとも一部を、所定の比率で前記淡インクのインク量データに振り替えるインク量データ振替手段と
を備えるとともに、
前記第1の印刷態様が選択されている場合には、前記少なくとも一部が振り替えられた前記濃インクおよび前記淡インクのインク量データに基づいて画像を印刷し、前記第2の印刷態様が選択されている場合には、前記画像データを変換して得られた前記濃インクのインク量データに基づいて画像を印刷する手段である印刷装置。 - 請求項8記載の印刷装置であって、
前記淡インクのみを用いて画像を印刷する階調領域たる淡インク使用領域と、該淡インクおよび前記濃インクを用いて画像を印刷する階調領域たる濃淡インク使用領域とを設定する使用領域設定手段を備え、
前記インク量データ振替手段は、前記淡インク使用領域では前記濃インクのインク量データの全量を前記淡インクのインク量データに振り替えるとともに、前記濃淡インク使用領域では前記濃インクのインク量データの一部を該淡インクのインク量データに振り替える手段である印刷装置。 - 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
前記淡インクのみを用いて画像を印刷する階調領域たる淡インク使用領域と、該淡インクおよび前記濃インクを用いて画像を印刷する階調領域たる濃淡インク使用領域とを設定する使用領域設定手段と、
前記画像データの階調値と、前記淡インクを用いることなく該階調値の画像を印刷する場合のインクの使用量のデータたるインク量データと、を対応づけた濃インク変換テーブルを記憶している濃インク変換テーブル記憶手段と、
前記淡インク使用領域では、前記濃インク変換テーブルに設定された前記濃インクのインク量データの全量を前記淡インクのインク量データに振り替えるとともに、前記濃淡インク使用領域では、該濃インク変換テーブルに設定された該濃インクのインク量データの一部を該淡インクのインク量データに振り替えることによって、前記画像データの階調値と、該濃インクおよび該淡インクのインク量データとを対応づけた濃淡インク変換テーブルを生成する変換テーブル生成手段と、
前記第1の印刷態様が選択されている場合には、前記濃淡インク変換テーブルを参照することにより、前記画像データを前記濃インクおよび前記淡インクについてのインク量データに変換し、前記第2の印刷態様が選択されている場合には、前記濃インク変換テーブルを参照することにより、該画像データを該濃インクについてのインク量データに変換する画像データ変換手段と
を備え、
前記画像印刷手段は、前記画像データを変換して得られた前記インク量データに基づいて画像を印刷する手段である印刷装置。 - 印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納する粉体収納器と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する画像印刷手段と
を備えることを特徴とする印刷装置。 - 請求項11記載の印刷装置であって、
前記印刷態様選択手段は、前記第2の印刷態様として、前記淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体を用いることなく画像を印刷する態様を選択する手段である印刷装置。 - 同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理装置において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する印刷データ生成手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理装置において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納する粉体収納器と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する印刷態様選択手段と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する印刷データ生成手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷方法において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する第1の工程と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する第2の工程と
を備えることを特徴とする印刷方法。 - 印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷方法において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納しておく工程(A)と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する工程(B)と、
印刷しようとする画像の画像データを受け取ると前記選択した印刷態様で画像を印刷する工程(C)と
を備えることを特徴とする印刷方法。 - 同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理方法において、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する工程(1)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する工程(2)と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する画像処理方法において、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを、それぞれに収納しておく工程(ア)と、
前記濃色粉体および前記淡色粉体を用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する工程(イ)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する工程(ウ)と
を備えることを特徴とする画像処理方法。 - 同色で色材濃度の異なる複数種類のインクを備え、該同色のインクの中で最も色材濃度の高いインクたる濃インクと、該同色のインクの中から該濃インクを除いた残余のインクたる淡インクとを用いて画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムにおいて、
前記濃インクおよび前記淡インクを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡インクの中の少なくとも1つのインクについては、該淡インクの使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(1)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(2)と
をコンピュータを用いて実現させることを特徴とするプログラム。 - 印刷媒体上に粉体を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該画像を印刷するために用いる印刷データを生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムにおいて、
所定の色の粉体たる濃色粉体と、該濃色粉体と同色で且つ該濃色粉体よりも明度の高い粉体たる淡色粉体とを用いて画像を印刷する第1の印刷態様と、該淡色粉体の中の少なくとも1つの粉体については、該淡色粉体の使用が該第1の印刷態様よりも抑制された状態で画像を印刷する第2の印刷態様と、の何れかを選択する機能(ア)と、
前記選択した印刷態様で画像を印刷するための前記印刷データを生成する機能(イ)と
をコンピュータを用いて実現させることを特徴とするプログラム。
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JP2005081202A JP2006263938A (ja) | 2005-03-22 | 2005-03-22 | 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2005
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