JP3925431B2 - 有彩1次色インクと有彩2次色インクとを含む複数のインク成分への分版処理 - Google Patents

有彩1次色インクと有彩2次色インクとを含む複数のインク成分への分版処理 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数種類のインクを用いたカラー印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像の出力装置として、カラーインクジェットプリンタが広く普及している。通常のカラーインクジェットプリンタは、ブラック(K)インクの他に、シアンC、マゼンタM、イエローYの色相を有する複数種類のインクを使用する。カラー画像の任意の色は、これらの複数種類のインクを用いて再現することができる。
【0003】
このようなプリンタでは、カラー画像の任意の色に応じて、使用可能な各インクのインク量が決定される。本明細書では、このような色再現のために印刷時に用いる各インクのインク量を決定する処理を「分版処理」又は「インク色分解処理」と呼んでいる。カラー画像の色データと各色インク量との関係は、あらかじめ色変換ルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)として記憶されており、印刷時にはLUTに従って各画素位置における各色のインク量が決定される。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−191089
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プリンタによる色の再現性は、プリンタが使用可能なインクの種類によって決まる。典型的には、3つの有彩1次色インク(例えば、シアンC、マゼンタM、イエローYのインク)を組み合わせることによって任意の色を再現することができる。また、このような各有彩1次色インクとは色相が異なる有彩2次色インクが用いられる場合もある。ここで「有彩2次色」とは、2つの有彩1次色成分に分解できる色を意味する。有彩2次色インクを用いると、有彩2次色インクの色相に近い色相を有する画像領域の色の再現性を向上させることができる。しかし、従来は、このような有彩1次色インクと有彩2次色インクとが利用可能なときに、有彩2次色インクの節約を図った分版処理を行う点については工夫されていないのが実情であった。
【0006】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためのものであり、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを利用可能なときに、有彩2次色インクの節約を図った分版処理を行うことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、この発明の第1の態様に係る分版方法は、印刷媒体上で複数色のインクを用いて任意の色を再現するために、各インクのインク量を決定する分版方法であって、(a)使用可能なインクとして、互いに組み合わせて用いることにより無彩色を再現可能な複数の減法混色の有彩1次色インクと、前記複数の有彩1次色インクのいずれとも色相が異なる少なくとも1つの有彩2次色インクとを含むインクセットを設定する工程と、(b)任意の1つの入力色に応じて前記印刷媒体上で再現される色を再現色と呼び、前記再現色を前記印刷媒体上で再現するための前記インクセットの各インク量の組み合わせを分版インク量セットと呼び、前記複数の有彩1次色インクの各インク量を基準ベクトルとして表される色空間を1次色色空間と呼ぶときに、前記1次色色空間内の複数の入力色に応じて前記印刷媒体上で再現される複数の再現色を決定する工程と、(c)前記複数の再現色を再現するための複数の分版インク量セットを決定する工程と、を備え、前記工程(c)は、各再現色に関して、(c1)前記再現色の彩度に相関のある彩度パラメータ値をそれぞれ求める工程と、(c2)前記再現色の色相が前記有彩2次色インクとほぼ同じであり前記彩度パラメータ値が無彩色に近い所定の第1の低彩度範囲にあるときに、明度および前記彩度パラメータ値が示す彩度が比較的高い再現色のための前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量と比べて、明度および前記彩度パラメータ値が示す彩度が比較的低い再現色のための前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量をより小さい値に設定し、前記再現色のための前記複数の有彩1次色インクの各インク量を、前記入力色に対応付けられた再現色が再現されるように設定する工程と、を実行する。
また、この発明の第2の態様に係る印刷装置は、互いに組み合わせて用いることにより無彩色を再現可能な複数の減法混色の有彩1次色インクと、前記複数の有彩1次色インクのいずれとも色相が異なる少なくとも1つの有彩2次色インクとを含むインクセットを用いて印刷媒体に画像を印刷する印刷装置であって、第1の表色系で表された入力カラー画像データを、再現色表色系で表された第2のカラー画像データに変換する色変換モジュールを備え、前記再現色表色系は、前記インクセットの各インク量を用いて前記印刷媒体上で再現される再現色を表すための表色系であり、前記色変換モジュールは、前記再現色が、前記再現色表色系の色空間の少なくとも一部の範囲であって、前記再現色の色相が前記有彩2次色インクとほぼ同じであり彩度が無彩色に近い所定の第1の低彩度範囲にあるときに、明度および彩度が比較的高い再現色のための前記有彩2次色インクのインク量と比べて、明度および彩度が比較的低い再現色のための前記有彩2次色インクのインク量をより小さい値に設定し、前記再現色のための前記複数の有彩1次色インクの各インク量を、前記入力カラー画像データの色に対応付けられた再現色が再現されるように設定する。
また、この発明の第3の態様に係る印刷装置は、互いに組み合わせて用いることにより無彩色を再現可能な複数の減法混色の有彩1次色インクと、前記複数の有彩1次色インクのいずれとも色相が異なる少なくとも1つの有彩2次色インクとを含むインクセットを用いて印刷媒体に画像を印刷する印刷装置であって、入力カラー画像データの色を、前記インクセットの各インク量を用いて前記印刷媒体上で再現される再現色に変換する色変換モジュールを備え、前記色変換モジュールは、前記入力カラー画像データの色の色相が前記有彩2次色インクとほぼ同じであり彩度が無彩色に近い所定の第1の低彩度範囲にあるときに、明度および彩度が比較的高い入力カラー画像データの色に対応付けられた再現色のための前記有彩2次色インクのインク量と比べて、明度および彩度が比較的低い入力カラー画像データの色に対応付けられた再現色のための前記有彩2次色インクのインク量をより小さい値に設定し、前記再現色のための前記複数の有彩1次色インクの各インク量を、前記入力カラー画像データの色に対応付けられた再現色が再現されるように設定する。
また、この発明の第4の態様に係る印刷装置は、色相が互いに異なる複数のインクを用いて印刷を行う印刷装置であって、前記複数のインクの内の少なくとも1つのインクは他の異なる色相の2種の減法混色の有彩1次色インクの組み合わせで再現可能な有彩2次色インクであり、所定の彩度よりも低い第1の低彩度範囲の彩度の画像を、彩度が低くなるにつれて前記有彩2次色インクの使用量を少なくし、前記他の異なる色相の2種のインクの組み合わせを用いて印刷するとともに、前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い一部の所定の第2の低彩度範囲にある彩度の画像のための前記有彩2次色インクのインク量をゼロとなるように設定して印刷する事を特徴とする。
【0008】
この分版方法によれば、彩度パラメータ値が無彩色に近い第1の低彩度範囲にあるときに、有彩2次色インクの代わりに有彩1次色インクを積極的に用いることができるので、有彩2次色インクを節約することができる。
【0009】
上記分版方法において、前記工程(c2)では、前記彩度パラメータ値が前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い少なくとも一部の範囲にあるときに、前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量が、同じ分版インク量セットに含まれる前記有彩1次色インクのそれぞれのインク量以下となるように調整されることが好ましい。
【0010】
こうすることで、彩度パラメータ値が第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い少なくとも一部の範囲にあるときに、有彩2次色インクのインク量が有彩1次色インクのそれぞれのインク量以下となるように調整されるので、有彩2次色インクを節約することができる。
【0011】
上記各分版方法において、前記工程(c2)では、前記彩度パラメータ値が前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い少なくとも一部の範囲にあるときに、前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量が、前記彩度パラメータ値に比例した減り方よりも大きく減少するように調整されることが好ましい。
【0012】
こうすることで、彩度パラメータ値が第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い少なくとも一部の範囲にあるときに、有彩2次色インクのインク量が彩度パラメータ値に比例した減り方よりも大きく減少するように調整されるので、有彩2次色インクのインク量を節約することができる。
【0013】
上記各分版方法において、前記工程(c2)では、前記彩度パラメータ値が前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い少なくとも一部の範囲にあるときに、前記有彩2次色インクの実際のインク量が、前記再現色を再現するための前記有彩2次色インクの仮想インク量であって、所定のインク量条件に従って決定される仮想インク量よりも小さくなるように調整されることが好ましい。
【0014】
こうすることで、彩度パラメータ値が第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い少なくとも一部の範囲にあるときに、有彩2次色インクのインク量が仮想インク量よりも小さくなるように調整されるので、有彩2次色インクのインク量を節約することができる。
【0015】
上記各分版方法において、前記工程(c2)では、前記彩度パラメータ値が前記第1の低彩度範囲にあるときに、前記再現色を再現するための前記有彩2次色インクの仮想インク量であって、所定のインク量条件に従って決定される仮想インク量に対する前記有彩2次色インクの実際のインク量の割合が、前記彩度パラメータ値の無彩色の方向への変化に対して単調減少するように調整されることが好ましい。
【0016】
こうすることで、彩度パラメータ値の無彩色の方向への変化に対して、有彩2次色インクのインク量が単調減少するように調整されるので、有彩2次色インクのインク量を節約することができる。
【0017】
上記各分版方法において、前記工程(c2)では、前記再現色の色相に係わらず、前記彩度パラメータ値が前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い少なくとも一部の第2の低彩度範囲にあることを含む所定の条件を前記再現色が満たすときに、前記再現色のための前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量がゼロとなるように調整されることが好ましい。
【0018】
こうすることで、彩度パラメータ値が無彩色に近い第2の低彩度範囲においては、有彩2次色インクの代わりに有彩1次色インクを積極的に用いることができるので、有彩2次色インクを節約することができる。
【0019】
上記各分版方法において、前記工程(c2)では、前記彩度パラメータ値が前記第2の低彩度範囲にあるときに、前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量が、前記再現色が比較的暗い色であるときにはゼロより大きい値となるように調整され、前記再現色が比較的明るい色であるときにはゼロとなるように調整されることが好ましい。
【0020】
こうすることで、比較的暗い画像領域においては、無彩色に近い画像領域においても有彩2次色インクを用いることができるので、より濃度の高い画像領域を再現することができる。
【0021】
上記各分版方法において、前記工程(c2)は、(c2−1)前記彩度パラメータ値に基づいて前記有彩2次色インクの候補インク量を求める工程と、(c2−2)前記有彩2次色インクの前記候補インク量とともに前記再現色を再現するために必要とされる前記有彩1次色インクの候補インク量を決定することによって、候補インク量セットを決定する工程と、(c2−3)前記候補インク量セットが前記印刷媒体の単位面積当たりに使用可能なインク量の上限値を制限するインクデューティ制限の範囲内にある場合には、前記候補インク量セットをそのまま前記分版インク量セットとして採用し、一方、前記候補インク量セットが前記インクデューティ制限を越える場合には、前記インクデューティ制限を満たすように前記候補インク量セットを修正することによって前記分版インク量セットを決定する工程と、を含む、ことが好ましい。
【0022】
こうすることで、有彩2次色インクのインク量の調整を容易に行うことができる。
【0023】
上記各分版方法において、前記工程(c2−1)は、(c2−1−1)前記再現色を再現するための前記有彩2次色インクの基準分版インク量を決定する工程と、(c2−1−2)前記有彩2次色インクの候補インク量の前記基準分版インク量に対する割合を、前記彩度パラメータ値の前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い少なくとも一部の第3の低彩度範囲においてゼロとなるように調整する工程と、を含むことが好ましい。
【0024】
こうすることで、基準分版インク量を用いて有彩2次色インクのインク量の調整を行うので、有彩2次色インクのインク量を適切な値に調整することができる。
【0025】
上記各分版方法において、前記工程(c2−1−1)は、前記1次色色空間内の最外殻位置にある有彩色を最外殻有彩色と呼ぶときに、前記最外殻有彩色に対応付けられた最外殻分版インク量セットであって、前記インクセットによって再現可能で前記最外殻有彩色よりも彩度の高い拡張有彩色を再現するための最外殻分版インク量セットを決定する工程と、前記拡張有彩色を、前記1次色色空間において前記最外殻有彩色を表す最外殻有彩色ベクトルと同一の方向を有するより長い拡張有彩色ベクトルで表される色として決定するとともに、前記拡張有彩色を再現するための前記最外殻分版インク量セットを決定する工程と、前記1次色色空間において前記入力色と同じベクトル方向を有する最外殻有彩色に対する最外殻分版インク量セットに、前記入力色のベクトル長と前記最外殻有彩色のベクトル長との比を乗じることによって、前記有彩2次色インクの前記基準分版インク量を決定する工程と、を含むことが好ましい。
【0026】
こうすることで、基準分版インク量を、入力色に基づいて適切に決定することができる。
【0027】
上記各分版方法において、前記工程(b)は、(b1)前記1次色色空間内の最外殻位置にある有彩色を最外殻有彩色と呼ぶときに、前記最外殻有彩色に対応付けられた最外殻分版インク量セットであって、前記インクセットによって再現可能で前記最外殻有彩色よりも彩度の高い拡張有彩色を再現するための最外殻分版インク量セットを決定する工程と、(b2)前記最外殻有彩色と前記最外殻分版インク量セットとの関係に基づいて、前記1次色色空間内の前記複数の入力色にそれぞれ対応付けられた前記複数の再現色を決定する工程と、を含み、前記工程(b1)は、前記印刷媒体の単位面積当たりに使用可能なインク量の上限値をインクデューティ制限として設定する工程と、前記拡張有彩色を、前記1次色色空間において前記最外殻有彩色を表す最外殻有彩色ベクトルと同一の方向を有するより長い拡張有彩色ベクトルで表される色として決定するとともに、前記拡張有彩色を再現するための前記最外殻分版インク量セットを決定する工程と、を備え、前記拡張有彩色および前記最外殻分版インク量セットの決定は、以下の条件:(i)前記最外殻分版インク量セットが前記インクデューティ制限内である、を満足するように行われることが好ましい。
【0028】
こうすることで、有彩1次色インクのみで再現可能な最も高い彩度を有する最外殻有彩色よりも、さらに彩度の高い拡張有彩色を再現するように最外殻分版インク量セットを決定するので、色再現範囲の拡張を考慮した分版処理を行うことができる。また、インクデューティ制限によってインク量を制限しているので、印刷媒体の特性に応じた分版処理を行うことが可能である。
【0029】
上記各分版方法において、前記拡張有彩色および前記最外殻分版インク量セットの決定は、さらに、以下の条件:(ii)前記インクセットで再現可能な範囲で前記拡張有彩色ベクトルの長さが最も長くなる、を満足するように行われることが好ましい。
【0030】
こうすることで、インクセットで再現可能な色再現範囲を有効に利用した分版処理を行うことができる。
【0031】
上記各分版方法において、前記拡張有彩色および前記最外殻分版インク量セットの決定は、さらに、以下の条件:(iii)前記拡張有彩色を再現するための前記最外殻分版インク量セットのインク量の合計が最も少なくなる、を満足するように行われることが好ましい。
【0032】
こうすることで、インクの使用量を節約することができる。
【0033】
上記各分版方法において、前記再現色は、前記1次色色空間において前記入力色と同じベクトル方向を有する最外殻有彩色に対する最外殻分版インク量セットに、前記入力色のベクトル長と前記最外殻有彩色のベクトル長との比を乗じることによって得られる仮の分版インク量セットによって再現される色であることが好ましい。
【0034】
こうすることで、入力色に対応付けられた再現色の設定を容易に行うことができる。
【0035】
上記各分版方法において、前記彩度パラメータ値は、前記入力色または前記再現色を前記有彩1次色インクのみで再現したときの前記有彩1次色インクの各インク量の最大値と最小値の差分であることが好ましい。
【0036】
こうすることで、彩度パラメータ値を容易に得ることができる。
【0037】
上記各分版方法において、前記有彩2次色インクは、前記複数の有彩1次色インクとは異なる色材を含有することが好ましい。
【0038】
こうすることで、色の再現性を向上させることができる。
【0039】
上記各分版方法において、前記有彩2次色インクは、前記有彩2次色インクが再現可能な色相を前記複数の有彩1次色インクの混色によって再現した場合に、前記有彩1次色インクの混色で再現することが可能な彩度よりも高い彩度を再現することが可能であることが好ましい。
【0040】
こうすることで、有彩1次色インクのみで再現可能な彩度以上の彩度を有する色彩を再現することができる。
【0041】
上記各分版方法において、前記インクセットは、互いに色相が異なる第1と第2の2つの有彩2次色インクを含み、前記有彩2次色インクを前記複数の有彩1次色インクの組み合わせに置換することによってほぼ同じ色相と彩度を再現するときの前記有彩2次色インクのインク量に対する前記複数の有彩1次色インクの各インク量を置換インク量とし、前記第1と第2の有彩2次色インクのそれぞれに関して、前記置換インク量の中で値が最も大きい2つのインクを主成分1次色インクとしたときに、前記第1の有彩2次色インクの2つの主成分1次色インクのうちの1つと、前記第2の有彩2次色インクの2つの主成分1次色インクのうちの1つが異なるインクであることが好ましい。
【0042】
こうすることで、色再現範囲をさらに拡張することができる。
【0043】
上記各分版方法において、前記インクセットは、ブラックインクを含み、前記工程(b)は、前記入力色に前記ブラックインクの下色除去処理を行うことによって、ブラック成分が除去されて複数の有彩1次色成分で構成された修正入力色を求める工程を含み、前記再現色は前記修正入力色に応じて決定されることが好ましい。
【0044】
こうすることで、色再現範囲をさらに拡張することができる。
【0045】
なお、この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、上記分版方法を用いた画像データ変換方法および装置、印刷方法および印刷装置、色変換ルックアップテーブルの作成方法および装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の構成:
B.分版処理の第1実施例:
C.分版処理の第2実施例:
D.最終分版インク量セット算出処理の実施例:
E.分版処理の第3実施例:
F.インクセットの変形例:
G.変形例:
【0047】
A.装置の構成:
図1は、本発明の一実施例として印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、画像データ処理装置としてのコンピュータ90と、印刷部としてのカラープリンタ20と、を備えている。なお、プリンタ20とコンピュータ90とは、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
【0048】
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、プリンタ20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示している。
【0049】
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ20に供給する印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100と、色変換ルックアップテーブルLUTと、が備えられている。
【0050】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、印刷解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、各画素ごとに、RGB画像データ(入力カラー画像データ)を、プリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データ(第2のカラー画像データ)に変換する。
【0051】
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、いわゆるハーフトーン処理を実行してハーフトーン画像データを生成する。このハーフトーン画像データは、ラスタライザ100によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータと、を含んでいる。
【0052】
なお、プリンタドライバ96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0053】
図2は、プリンタ20の概略構成図である。プリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙PPを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
【0054】
印刷用紙PPを搬送する副走査送り機構は、紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ39とを備えている。
【0055】
図3は、制御回路40を中心としたプリンタ20の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ22およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷データPDを受け取ることができる。I/F専用回路50が内蔵する回路は、パラレルインタフェース回路に限らず、ユニバーサルシリアルバスインタフェース回路などコンピュータ90との接続の容易性や通信速度等を考慮して決めることができる。プリンタ20は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM44は、ラスタデータを一時的に格納するためのバッファメモリとして機能する。
【0056】
印刷ヘッドユニット60は、印刷ヘッド28を有しており、また、インクカートリッジを搭載可能である。なお、印刷ヘッドユニット60は、1つの部品としてプリンタ20に着脱される。すなわち、印刷ヘッド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユニット60を交換することになる。
【0057】
図4は、印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド28の下面には、シアンインクCを吐出するためのノズル群と、マゼンタインクMを吐出するためのノズル群と、ブラックインクKを吐出するためのノズル群と、レッドインクRを吐出するためのノズル群と、バイオレットインクVを吐出するためのノズル群と、イエローインクYを吐出するためのノズル群とが形成されている。この実施例では、6つのインクC、M、Y、R、V、Kからなるインクセットを使用することが可能である。なお、図4の例では、1つのノズル群の複数のノズルNzは副走査方向SSに沿って一直線上に配列されているが、千鳥状に配列されていてもよい。
【0058】
図5(a)は、インクセットのCMYRVK各色インクのインク成分を示す説明図である。各色のインクは、イオン交換水をベースとして、所望の色を付与するための各種染料あるいは顔料からなる色材や、粘度調整用のエチレングリコールなどが適量ずつ添加された混合溶液である。色材の種類は色材のカラーインデックス(C.I.)で示されている。
【0059】
シアンインクCと、マゼンタインクMと、イエローインクYとは、互いに組み合わせて用いることによってグレー(無彩色)を再現することが可能であり、有彩1次色インクに相当する。レッドインクRとバイオレットインクVとは、その色相が有彩1次色インク(CMY)のいずれとも異なるインクであり、有彩2次色インクに相当する。レッドインクRは、イエローインクYとマゼンタインクMとの間の色相を有しており、バイオレットインクVは、マゼンタインクMとシアンインクCとの間の色相を有している。
【0060】
有彩1次色インクC、M、Yの混色は、有彩2次色インクR、Vのそれぞれの色とほぼ同じ色相と彩度を再現することが可能である。ここで、有彩2次色インクのインク量に対する有彩1次色インクの混色の各インク量、すなわち、有彩2次色インクのインク量を1としたときの、有彩1次色インクの混色の各インク量を置換インク量と呼ぶ。このとき、CMY各色のインクとRV各色のインクとを、置換インク量に基づいて置換してもほぼ同じ色彩を再現することが可能である。
【0061】
図5(b)(c)は、それぞれ、図5(a)に示すインクセットを利用して置換インク量を測定した実験結果を示している。この実験結果は、有彩1次色インクC、M、Yの混色によるカラーパッチと、有彩2次色インクR、Vのそれぞれのカラーパッチを測色して比較することによって得たものである。図5(b)は、レッドインクRに対する置換インク量を示しており、CMY各色の置換インク量が、順にwCR、wMR、wYRの符号を付して記されている。図5(c)は、バイオレットインクVに対する置換インク量を示しており、CMY各色の置換インク量が、順にwCV、wMV、wYVの符号を付して記されている。各表の右側の列には、各置換インク量の合計値が記されている。
【0062】
このように、各有彩2次色インクR、Vの置換インク量は、3つのインク量のうちの2つのインク量がゼロより大きい値となり、1つのインク量がゼロとなる。すなわち、有彩2次色インクR、Vは、2つの有彩1次色成分に分解することができる。また、図5に示すインクセットでは、有彩1次色インクの混色を、各インク量の合計値よりも少ない量の有彩2次色インクに置換することが可能である。その結果、有彩2次色インクを積極的に用いることによって、より少ないインク量でほぼ同じ色相と彩度を再現することが可能である。また、インク量を減らすことによって、より高い明度を再現することも可能となる。さらに、有彩1次色インクの混色と同程度のインク量の有彩2次色インクを用いることによって、より高い彩度を再現することが可能である。そのため、利用するインク量の合計値に制限(インクデューティ制限)が課せられている場合(詳細は後述する)でも、有彩2次色インクを用いることによって、有彩1次色インクの混色で再現することが可能な彩度よりも高い彩度を再現することが可能である。このように、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを利用することによって、有彩1次色インクのみで再現可能な範囲より広い範囲の色彩を再現することが可能となる。
【0063】
また、2つの有彩2次色インクR、Vは互いに色相が異なるインクである。さらに、これらのインクR、Vのそれぞれの主成分1次色インク、すなわち、CMY各色の置換インク量の中で値が最も大きい2つのインクは、その1つが互いに異なっている。図5の例では、レッドインクRの主成分1次色インクはマゼンタインクMとイエローインクYである。バイオレットインクVの主成分1次色インクはシアンインクCとマゼンタインクMである。この例では、イエローインクYとシアンインクCとが異なっている。その結果、2つの有彩2次色インクR、Vは、それぞれ色相の異なる領域の色再現範囲を拡張することができる。よって、互いに色相が類似した有彩2次色インクを用いる場合と比べて、より広い色再現範囲を再現することができる。
【0064】
さらに、図5(a)に示すインクセットでは、有彩2次色インクR、Vは、有彩1次色インクC、M、Yとは異なる色材を含有している。そのため、有彩1次色インクC、M、Yの混色の代わりに有彩2次色インクを用いることによって、有彩2次色インクに近い色相の再現性を向上させることができる。
【0065】
以上説明したハードウェア構成を有するプリンタ20は、紙送りモータ22により用紙PPを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド28のピエゾ素子を駆動して、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して用紙PP上に多色多階調の画像を形成する。
【0066】
B.分版処理の第1実施例:
B1.色変換ルックアップテーブルの作成方法:
図6は、この実施例における色再現の処理手順を示すフローチャートである。ステップS10〜S70では、色再現を行うための色変換ルックアップテーブルLUT(図1)を作成している。
【0067】
まず、ステップS10では、印刷で使用する印刷媒体とインクセットとの組合せを1つ選択する。通常のプリンタでは、複数種類の印刷媒体(普通紙、光沢紙、マット紙など)の中から、ユーザによって選択された1つの印刷媒体を使用することを想定している。また、ある種のプリンタでは、使用するインクセットを、複数種類のインクセット(例えば染料インクセットと顔料インクセット)の中から選択できる場合がある。印刷物の色の再現性は、印刷媒体とインクセットに依存する。そこで、本実施例では、印刷媒体とインクセットの組合せ毎にステップS10〜S60の処理を実行して、その組合せに適した色変換ルックアップテーブルLUTをそれぞれ作成する。なお、プリンタ20において使用が想定されている印刷媒体の種類やインクセットの種類は、プリンタドライバ96の印刷条件設定のための画面(図示せず)に表示されるのが普通である。
【0068】
ステップS20では、1次色表色系で表された1次色階調値セットを、再現色表色系で表された第2の階調値セットに変換する分版処理を実行する。1次色表色系は、有彩1次色インクCMYの各色インク量で表される表色系であり、再現色表色系は、印刷時に用いる各色インクのインク量で表される表色系である。この1次色階調値セットは、複数の有彩1次色インクC、M、Yの各インク量で構成されている。各有彩1次色インクC、M、Yのインク量は、その取り得る最小値(ゼロ)から最大値(ベタ領域を再現するときのインク量)の範囲を、例えば、0〜255の256階調で表現した値である。この実施例においては、ベタ領域は全ての画素にインクを吐出することによって再現される。よって、このようなベタ領域を再現するときのインク量を100%とすることができる。
【0069】
このステップS20では、まず、複数の1次色階調値セットを準備する。これらの複数の1次色階調値セットの各有彩1次色インクC、M、Yのインク量は、その取り得る範囲(0%〜100%)の全体に分布していることが好ましく、全体に均一に分布することが特に好ましい。このようなインク量の複数の値としては、例えば、「0,25,50,75,100,125,150,175,200,225,255」の11個の値を用いることができる。なお、各インク量の階調値の変化に対する再現された色彩の見た目の変化が、各インクの階調値によって異なる場合がある。このような場合には、色彩の見た目の変化が大きい階調値の範囲ほど、より細かい間隔で各インクのインク量を準備することが好ましい。こうすることによって、見た目の色彩の変化に細かく対応した色変換ルックアップテーブルLUTを作成することができる。
【0070】
次に、これらの複数の1次色階調値セットを再現色表色系で表された第2の階調値セットに変換する。再現色表色系は、印刷時に用いるインクセットの各インク量、例えば、有彩1次色インクCMYと有彩2次色インクRVの各色インク量で表される表色系である。第2の階調値セットは、CMYRV各色のインク量について、その取り得る最小値(0%)から最大値(100%)の範囲を、例えば、0〜255の256階調で表現した値である。1次色表色系から再現色表色系への分版処理の詳細については後述する。
【0071】
ステップS30では、複数の1次色階調値セットに対応する複数種類のカラーパッチを作成する。図7は、本実施例において作成されるカラーパッチの一例を示す説明図である。縦軸は、上述のステップS20で準備された1次色階調値セットのマゼンタインクMの階調値、横軸はイエローインクYの階調値である。各カラーパッチは、各階調値をステップ20の分版処理に従って変換して得られたインクセットの各インク量で再現される。なお、図7の例は、1次色階調値セットにおけるシアンインクCの階調値をゼロに設定した場合について示している。実際には、シアンインクCの複数の階調値に対応した複数種類のカラーパッチが作成されるが、図示を省略している。このように、ステップS30では、上述のステップS20で準備された複数の1次色階調値セットに対応する複数種類のカラーパッチが作成される。
【0072】
ステップS40(図6)では、測色計を用いて、ステップ30で作成された複数のカラーパッチの測色を行う。測色の結果得られるデータは、プリンタやモニタ等のデバイスに依存しない表色系、例えば、L*a*b*表色系やXYZ表色系で表されたデータである。このように、ステップS40では、各カラーパッチの測色を行うことによって、1次色表色系と、デバイス非依存表色系との「1次色/デバイス非依存表色系の対応関係」を決定することができる。また測色の結果、デバイス非依存表色系における、プリンタ20が再現可能な色彩の範囲も確認することができる。
【0073】
ステップS50では、任意の第1の表色系と1次色表色系との対応関係を、上述のステップS40で得られた「1次色/デバイス非依存表色系の対応関係」に基づいて設定する。第1の表色系は、色変換ルックアップテーブルLUTの入力カラー画像データの表色系であり、例えば、sRGB表色系を用いることができる。このような第1の表色系とデバイス非依存表色系との「第1表色系/デバイス非依存表色系の対応関係」は予め設定されている。よって、この「第1表色系/デバイス非依存表色系の対応関係」と、ステップS40で得られた「1次色/デバイス非依存表色系の対応関係」とを用いることによって、第1の表色系と1次色表色系との対応関係を設定することができる。なお、第1の表色系での色再現範囲と、プリンタの色再現範囲とには、互いに重ならない部分が存在する場合がある。このような場合には、適宜、拡大縮小させた対応関係を設定することによって、互いの色彩領域の全体を有効に利用することが好ましい。
【0074】
こうして第1の表色系と1次色表色系との第1の対応関係(ステップS50)と、1次色表色系と再現色表色系との第2の対応関係(ステップS20)が設定されると、ステップS60において、設定された対応関係を再現するための色変換ルックアップテーブルLUT(図1)が作成される。本実施例における色変換ルックアップテーブルLUTは、RGB画像データを入力とし、図4に示す6つのインク色のための多階調画像データを出力とするものである。そこで、色変換ルックアップテーブルLUTを作成する際には、まず、RGB画像データの階調値に応じたCMYで表現されている1次色階調値セットが算出される。次に、この1次色階調値セットに応じた第2の階調値セット、すなわち、各インクのインク量が、後述する分版処理に従って決定される。そして、このRGB画像データの値を入力とし、各インクのインク量を出力とする対応関係がルックアップテーブルLUTに格納される。
【0075】
図6のステップS70では、プリンタ20で使用が想定されている印刷媒体とインクセットのすべての組合せについてステップS10〜S60の処理が完了したか否かが判断される。すべての処理が完了していない場合には、ステップS10〜S60の処理が繰り返され、完了している場合には次のステップS80に移行する。
【0076】
ステップS80では、作成された複数種類の色変換ルックアップテーブルLUTがプリンタドライバ96(図1)に組み込まれる。プリンタドライバ96は、プリンタ20に供給される印刷データPDを作成する機能をコンピュータ90に実現させるためのコンピュータプログラムである。色変換ルックアップテーブルLUTは、プリンタドライバ96が参照するデータとして、プリンタドライバ96とともにコンピュータ90にインストールされる。なお、色変換ルックアップテーブルLUTが組み込まれたプリンタドライバ96は、通常は、プリンタ20の製造元によって供給される。
【0077】
図6のステップS90では、ユーザがプリンタ20を用いて印刷を実行する。この際、印刷媒体とインクセットのすべての組合せに関する色変換ルックアップテーブルLUTの中から、実際の印刷に使用する印刷媒体とインクセットの組に適したルックアップテーブルが選択されて、印刷が実行される。実際の印刷に使用する印刷媒体とインクセットの組は、プリンタドライバ96の印刷条件設定のための画面(図示せず)において、ユーザによって選択される。
【0078】
B2.第1実施例における分版処理の詳細:
図8は、分版処理の処理手順を示すフローチャートである。この分版処理では、1次色表色系から再現色表色系への変換処理を実行している。図8のステップS500では、使用可能なインクとして、有彩1次色インクC,M,Yと有彩2次色インクR,Vとで構成されるインクセットを設定する。
【0079】
ステップS510では、入力色I(Ci,Mi,Yi)に対応する再現色を印刷媒体上で再現するための仮の分版インク量セットI(Cp,Mp,Yp,Rp,Yp)を算出する。なお、第1実施例では、入力色I(Ci,Mi,Yi)と再現色とは一致している。任意の再現色を得る分版インク量セットとしては無数のものがあり得るので、特定の条件を設けることによって仮の分版インク量セットを決定する。例えば、本実施例では、合計インク量が最小になるように、仮の分版インク量セットP(Cp,Mp,Yp,Rp,Yp)を決定する。
【0080】
なお、図5で説明したように、有彩2次色インクの色成分は、2つの有彩1次色インクの色成分に分解できる。従って、有彩2次色インクのインク量が多いほど合計インク量が小さくなる。また、本実施例の仮の分版インク量セットPは、入力色Iと同じ再現色を再現することが可能な分版インク量セットのうちで合計インク量が最小のものなので、一意に決定される。但し、後述する他の実施例から理解できるように、仮の分版インク量セットPは、他の条件に従って決定することも可能である。
【0081】
ステップS520では、この仮の分版インク量セットP(Cp,Mp,Yp,Rp,Yp)に基づいて、最終的な分版インク量セットO(Co,Mo,Yo,Ro,Yo)が決定される(詳細は後述する)。ステップS530では、ルックアップテーブルを作成するために必要とされるすべての再現色についてステップS510,S520の処理が終了したか否かが判定され。そして、すべての再現色についての処理が終了するまでステップS510,S520の処理が繰り返される。
【0082】
図9は、ステップS520の詳細手順を示すフローチャートである。ステップS600では、仮の分版インクセットPから2つの有彩2次色インクR,Vの候補インク量Rtmp,Vtmpを決定する。
【0083】
ステップS600が実行される際には、まず、有彩2次色インクR、Vの最大インク量Rmax、Vmaxと、彩度SRが算出される。そして、これらの値に基づいて、候補インク量Rtmp、Vtmpが決定される。
【0084】
図10は、レッドインクRの最大インク量Rmaxに対する候補インク量Rtmpの割合kと、彩度SRとの関係を示すグラフである。
【0085】
最大インク量Rmaxは、仮の分版インク量セットPの各インク量を置換インク量に基づいてレッドインクRのインク量に置換したときの、レッドインクRのインク量が取り得る最大値である。なお、本実施例では、最大インク量Rmaxが候補インク量Rtmpを調整するための基準分版インク量に相当する。
【0086】
彩度SRは、入力色Iの各色成分Ci、Mi、Yiにおける最大値max(Ci,Mi,Yi)と最小値min(Ci,Mi,Yi)との差分値である。入力色Iが無彩色に近いほど、各色成分Ci、Mi、Yiの大きさの差は小さくなる。よって、入力色Iが無彩色に近いほど、彩度SRは小さい値となり、入力色Iが無彩色の場合にゼロとなる。本実施例では、入力色Iと再現色とは一致しているので、彩度SRは、再現色の彩度に相関のある彩度パラメータ値として考えることができる。
【0087】
図10のグラフでは、彩度SRがゼロから第1の値SRstartに至るまでの第1の範囲R1では、割合kがゼロ(Rtmp=0)に設定される。また、彩度SRが第1の値SRstartから第2の値SRendに至るまでの第2の範囲R2では、割合kはゼロから直線的に上昇してゆく。但し、この第2の範囲R2では、割合kは1以下、すなわち、候補インク量Rtmpは最大インク量Rmaxよりも小さな値に維持されている。彩度SRが第2の値SRend以上である第3の範囲R3では、割合kは1(Rtmp=Rmax)に設定される。
【0088】
割合k、すなわち、候補インク量Rtmpが図10のように設定される理由は、以下の通りである。より鮮やかな画像領域を再現可能とするためには、より彩度の高いインクを用いることが好ましく、特に彩度が高い範囲ではなるべく彩度の高いインクを多く用いて画像領域の彩度を高めることが好ましい。ところで、有彩2次色インクR、Vは、その彩度が有彩1次色インクに比べて高いという特徴がある。そこで、図10の彩度SRの高い第3の範囲R3では、割合k=1、すなわち、有彩2次色インクの最大インク量Rmaxをそのまま候補インク量Rtmpとして設定している。こうすれば、より高い彩度を再現することができる。また、彩度が高い範囲において有彩2次色インクを利用可能な範囲内において多く用いることによって、有彩2次色インクの色相に近い色相を有する画像領域の色の再現性を向上させることもできる。
【0089】
一方、彩度の小さい範囲では、再現したい画像領域が無彩色に近いので、彩度の高いインクを用いる必要性が小さくなる。そこで、図10の彩度SRの低い第1の範囲R1では、割合k=0、すなわち、候補インク量Rtmpをゼロに設定している。こうすることによって、有彩2次色インクを節約することができる。第2の範囲R2では、3つの範囲R1〜R3において候補インク量Rtmpがステップ状に変化すること無く滑らかに変化するように、割合kを直線的に増加させている。このように、彩度SRの大きさに応じて割合k、すなわち、候補インク量Rtmpを設定することによって、有彩1次色インクと有彩2次色インクの使い分けを、それぞれのインクの色再現特性の違いを考慮して行うことができる。なお、割合kを直線的に変化させる代わりに曲線的に変化させても良い。このとき、第2と第3の範囲R2,R3において、割合kと彩度SRとの関係を、上に凸のグラフで表される関係に設定することによって、割合kの変化の度合いを、彩度SRが高いほど、より小さくなるように設定することができる。その結果、彩度SRが高い範囲における各色成分のインク量の変化を目立たなくすることができる。
【0090】
バイオレットインクVに関しても、レッドインクRと同様の方法に従って、彩度SRから割合k、すなわち、候補インク量Vtmpが決定される。
【0091】
図9のステップS610では、候補インク量ペアRtmp,Vtmpから、最終的な分版インク量ペアRo、Voが決定される。この最終分版インク量ペアRo、Voは、インクデューティ制限を満足するように、必要に応じて候補インク量ペアRtmp,Vtmpを修正することによって決定される。ここで、インクデューティ制限とは、印刷媒体の単位面積当たりに使用可能なインク量に関する制限である。インクデューティ制限としては、各インク毎の制限と、2種類のインクのインク量の合計値に対する制限と、全インクのインク量の合計値に対する制限などが含まれている。
【0092】
ステップS610を実行する際には、まず、候補インク量ペアRtmp,Vtmpとともに所望の再現色を再現するために必要とされる有彩1次色インクC,M,Yの候補インク量が算出される。そして、この候補インク量セットがインクデューティ制限を満たすか否かが判断される。
【0093】
図11は、インクデューティ制限の許容範囲RAの例を有彩2次色インクR,Vで規定される2次元色空間上で描いたものである。この図には、仮の分版インク量ペアの座標点P(Rp,Vp)と、候補インク量ペアの座標点Prv(Rtmp,Vtmp)の例も示されている。許容範囲RAの外縁は、有彩2次色インク単独のデューティ制限で決まる境界線だけでなく、他のインクのデューティ制限から決まる境界線によっても規定されている。例えば、許容範囲RAの左下の境界線LRVM1は、マゼンタインクのインクデューティ制限に対応している。図5で説明したように、2つの有彩2次色インクR,Vはいずれもマゼンタ成分を含んでいるので、有彩2次色インクR,Vのインク量が減少すると、マゼンタインクMのインク量が増加してしまう。そこで、マゼンタインクMのデューティー制限を満たすためには、2つの有彩2次色インクR,Vのインク量が、境界線LRVM1の右上にあることが要求される。この説明から理解できるように、インクデューティ制限を満たすか否かは、インクセットを構成するすべてのインクのインク量を考慮して決定される。但し、以下では説明の便宜上、候補インク量ペアRtmp,Vtmpが許容範囲RA内にあるときには、すべてのインクデューティ制限が満たされるものとして説明する。
【0094】
図11(a)のように候補インク量ペアの色座標点Prvが許容範囲RA内にある場合には、候補インク量ペアRtmp,Vtmpがそのまま最終分版インク量ペアRo、Voとして採用される。一方、図11(b)のように、候補インク量ペアの色座標点Prvが許容範囲RAの外にある場合には、インクデューティ制限を満たすように候補インク量ペアRtmp,Vtmpを修正することによって最終分版インク量ペアRo.Voを決定する。このとき、最終分版インク量ペアRo、Voの色座標点としては、2次元色空間の許容範囲RA内に存在し、かつ、候補インク量ペアの色座標点Prvに近接した点が選択される。図11(b)の例では、このような最終分版インク量ペアの色座標点として選択し得る3つの点Oa,Ob,Ocが描かれている。第1の点Oa(Ro,Vo)は、候補インク量ペアの比Rtmp:Vtmpと最終分版インク量ペアの比Ro:Voとが等しくなる点である。第2の点Obは、仮の分版インク量ペアの色座標点P(Rp、Vp)と候補インク量ペアの色座標点Prvとを結ぶ直線が、許容範囲RAの境界線と交差する点である。第3の点Ocは、許容範囲RA内において、候補インク量ペアの色座標点Prvに最も近い点である。
【0095】
最終分版インク量ペアの色座標点としては、これらの3つの点Oa,Ob,Ocのいずれを選択しても良いが、特に、第1の点Oaを選択することが好ましい。この理由は、候補インク量ペアRtmp,Vtmpは、有彩1次色インクと有彩2次色インクの使い分けを各インクの色の再現特性の違いを考慮して行うための、好ましいインク量として図10の関係に従って決定された値である。従って、その比Rtmp:Vtmpを維持すれば、2つの有彩2次色インクの一方を偏重して用いることを抑制することができるからである。
【0096】
なお、インクデューティ制限は画像を形成するインク量が多いときにのみ制限として機能するので、主に明度の低い画像領域(すなわち濃度の高い画像領域)において問題となる。従って、明度が比較的高い領域ではインクデューティ制限は問題とならず、図10に示した関係で設定された候補インク量Rtmp,Vtmpがそのまま最終分版インク量Ro,Voとして採用される。従って、濃度が薄く無彩色に近い画像領域においては有彩2次色インクR,Vのインク量が少なくなる。特に、無彩色に近い画像領域(彩度SRが第1の範囲R1内)では、有彩2次色インクのインク量がゼロとなる。このようなインク量(Ro=Vo=0)は、色相に係わらず彩度SRが第1の範囲R1内にある再現色に対して設定される。また、彩度の高い画像領域では、有彩2次色インクのインク量が、利用可能な範囲内において大きい値となる。その結果、より鮮やかな画像領域を再現可能とするとともに、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを、効率よく使い分けることができる。
【0097】
また、有彩2次色インクR、Vは、その彩度が有彩1次色インクに比べて高いという特徴がある。よって、有彩1次色インクの代わりに有彩2次色インクを用いることによって、インク量合計値を小さくすることができる。従って、明度の低い画像領域では、全インクのインク量合計値がインクデューティ制限によって制限されている場合でも、有彩2次色インクR,Vを用いることによって、より濃い画像領域を再現することができる。
【0098】
図9のステップS620では、こうして得られた最終分版インク量ペアRo,Voとともに所望の再現色を再現するために必要な他のインクのインク量Co,Mo,Yoが決定される。この結果、所望の再現色を再現するための分版インク量セット(Co,Mo,Yo,Ro,Vo)が決定される。
【0099】
このように、第1実施例では、有彩2次色インクR,Vのそれぞれについて、その彩度パラメータ値SRが小さいほど、候補インク量Rtmp、Vtmpの、値を取り得る最大値Rmax、Vmaxに対する割合kが小さくなるように設定される(図10)。従って、有彩2次色インクの最終的な分版インク量Ro、Voは、彩度が小さい範囲においては、彩度パラメータ値SRが小さいほど小さい値に設定される。一般的には、彩度パラメータ値が無彩色に近い所定の範囲にあるときに、彩度が小さくなる方向への彩度パラメータ値の変化に応じて有彩2次色インクのインク量が小さくなるように調整されることが好ましい。こうすることによって、より鮮やかな画像領域が有彩2次色インクによって再現可能となるとともに、有彩2次色インクを節約することができる。特に、彩度SRが比較的小さな値をとる第1の範囲R1(図10)では、候補インク量Rtmp,Vtmpがゼロに設定されるので、無彩色に近い領域では最終的な分版インク量Ro,Voもゼロに設定されて、有彩2次色インクの使用量を大幅に節約することができる。但し、この第1の範囲R1において、候補インク量Rtmp,Vtmpをゼロでない比較的小さな値に設定することも可能である。
【0100】
また、本実施例では、彩度パラメータ値SRの第2の値SRendより小さい範囲において、候補インク量Rtmp、Vtmpは、最大インク量Rmax、Vmaxよりも小さい値に設定される(図10)。すなわち、最終分版インク量Ro、Voは、最大インク量Rmax、Vmaxよりも小さい値に設定される。従って、本実施例において置換インク量に基づいて決定される最大インク量Rmax、Vmaxは、本発明における仮想インク量に相当する。また、一般的には、再現色を再現するための有彩2次色インクの仮想インク量であって、所定のインク量条件に従って決定される仮想インク量よりも小さくなるように有彩2次色インクのインク量を調整することが好ましい。こうすることによって、有彩2次色インクのインク量の調整を容易に行うことができる。
【0101】
また、本実施例では、候補インク量Rtmp、Vtmpの最大インク量Rmax、Vmaxに対する割合kが、彩度パラメータ値SRの無彩色の方向への変化に対して単調減少するように構成されている(図10)。一般的には、彩度パラメータ値が無彩色に近い所定の範囲にあるときに、有彩2次色インクのインク量の仮想インク量に対する割合が、彩度パラメータ値の無彩色への変化に対して単調減少するように調整されることが好ましい。こうすることによって、有彩2次色インクのインク量を彩度の低い範囲において適切に小さくすることができる。
【0102】
なお、本実施例においては、最大インク量Rmaxはインクデューティ制限を考慮しない場合の最大値である。よって、レッドインクRの最終分版インク量が実際に取り得る値の最大値は、最大インク量Rmaxよりも小さくなる場合もある。この代わりに、インクデューティ制限を考慮した最大値を用いることもできる。いずれの場合も、再現色に基づくインク量の最大値を最大インク量Rmaxとして設定することによって、候補インク量Rtmpの設定を容易に行うことができる。また、彩度SRの大きさを判断するための第1の値SRstartや第2の値SRend(図10)は、インク毎に異なる値を用いてもよい。こうすることによって、各インクを、それぞれの色再現特性の違いを考慮して使い分ける分版処理を行うことができる。
【0103】
また、有彩2次色インクを全く使用しない色相を有する画像領域においては、有彩2次色インクのインク量の調整処理が、上述のような特性を有している必要はなく、有彩2次色インクのインク量は、彩度に係わらずにゼロに設定される。
【0104】
C.分版処理の第2実施例:
図12は、第2実施例の処理手順を示すフローチャートである。前述した第1実施例では1次色表色系の入力色をそのまま再現色(再現色表色系での色)として用いていたが、第2実施例では、再現色として入力色よりも彩度の高い色を割り当てる。これが可能な理由は、再現色表色系に含まれる有彩2次色インクR,Vが、レッド色,バイオレット色に関して有彩1次色インクの混色よりも高い彩度を達成できるからである。
【0105】
図12のステップS100では、使用可能なインクセットとして有彩1次色インクC、M、Yと有彩2次色インクR、Vからなるインクセットを設定している。
【0106】
次に、ステップS110では、インクセットの各色のインク量の制限であるインクデューティ制限を設定する。このインクデューティ制限はインクや印刷媒体の種類に応じて設定される(詳細は後述)。
【0107】
ところで、1次色表色系で表された入力色は、CMY各色のインク量の取り得る範囲(0%〜100%)を0〜255の256階調で表現した階調値(1次色階調値セット)を用いて表現されている。また、再現色表色系で表された分版インク量セットは、CMYRV各色のインク量の取り得る範囲(0%〜100%)を0〜255の256階調で表現した階調値を用いて表現されている。
【0108】
図13(a)(b)は、CMY各色のインク量を基準ベクトルとして表される1次色色空間を示す説明図である。1次色表色系で表された色は1次色色空間においてCMYの階調値0〜255で表される立方体中の一点として表現される。また、この立方体は、有彩1次色インクのCMY各色のインク量が値を取り得る領域である。以下、この立方体を色立体と呼び、色立体の6つの表面のうちで、原点Wに対向する3つの表面(K(C=M=Y=100%)を取り囲む3つの表面)、を第1種の外殻面と呼ぶ。換言すれば、第1種の外殻面は、少なくとも1つの有彩1次色のインク量が100%であり、かつ、少なくとも1つの有彩1次色インクのインク量が100%よりも小さい値を有する色の点で構成されている。なお、原点Wと点Kとを結ぶ直線を無彩色線と呼ぶときに、1次色色空間中の一点と無彩色線との距離は、彩度の指標として用いることができる。また、1次色色空間中の一点を無彩色線上に垂直に投影して得られる点を投影点と呼ぶときに、原点Wと投影点との距離は、明度の指標として用いることができる。また、投影点から1次色色空間中の一点へと向かう方向は色相の指標として用いることができる。
【0109】
図13(a)(b)には、Yが最大(Y=255)となる第1種の外殻面にハッチングが付されている。さらに、ハッチングが付された第1種の外殻面上に1つの色mが記されている。この色mは、図12のステップS120において最外殻有彩色mとして設定される。図13(a)(b)の例では、最外殻有彩色mはY成分が最大となる外殻面上に設定されており、そのCMY各色の階調値は、CMYの順にCm、Mm、Ymとなっている(この例では、Ym=255)。
【0110】
本実施例の分版処理においては、後述するステップS130〜S150の処理を順次実行することによって、原点Wと最外殻有彩色mとを結ぶ線分上の入力色Iに対応付けられる分版インク量セット(本実施例ではCMYRV各色の階調値)を得ることができる。また、本実施例では、複数の入力色Iに対する分版処理を実行するために、複数の最外殻有彩色が準備され、各最外殻有彩色に対して一連の処理(S130〜S150)が実行される。
【0111】
図12のステップS130では、さらに、インクセットのCMYRV各色のインクを利用することによって再現可能な色彩領域の外殻に位置する拡張有彩色emを求めている(図13(b))。
【0112】
図14は、拡張有彩色emを算出する様子の概略を示す説明図である。図14の例では、説明を簡略化して行うために、有彩1次色インクとしてシアンインクCとマゼンタインクMの2種類が利用可能であり、有彩2次色インクとしてバイオレットインクVの1種類が利用可能であるものとしている。
【0113】
図14(a)は、1次色色空間を示す説明図である。この例では、CMV各色の階調値は0〜100の範囲の値を取り得ることとしている。よって、1次色表色系で表された入力色は一辺の長さが100の正方形内の一点として表現される。この正方形は上述の色立体に相当する。また、図中には、正方形の第1種の外殻線OL1が太線で記されている。この第1種の外殻線OL1は上述の第1種の外殻面に相当する。この第1種の外殻線OL1のCが最大(C=100)となる線上には、最外殻有彩色mが設定されている。
【0114】
図14(b)は、有彩1次色インクCMに加えて、有彩2次色インクVを用いることによって再現することが可能な色を1次色表色系で表現したときの各色の仮想的なインク量が値を取り得る範囲を示している。ここで、シアンインクCとマゼンタインクMの1:1の混色は、同じインク量のバイオレットインクVと、ほぼ同じ色相と彩度を再現することが可能であるものとする。すなわち、バイオレットインクVに対する置換インク量が、シアンインクC、マゼンタインクMともに1である。例えば、図14(b)の色P1は、CMの各色の階調値を100とすることによって再現することが可能な色である。また、CMの各色の階調値をVの階調値に置換してもほぼ同じ色を再現することが可能である。例えば、Vの階調値のみを100としても、すなわち、CMの各色の階調値の全てをVの階調値に置換してもほぼ同じ色を再現することが可能である。ここで、有彩2次色インクVの階調値の全てを有彩1次色インクCMの階調値に置換して得られる階調値(この例では、C=100、M=100)は、CMV各色を用いて再現される色を1次色色空間で表現するための仮想的な階調値として用いることができる。
【0115】
さらに、この例では、各インクの階調値について、以下の制限が課せられている。
【0116】
(条件a)各インクの階調値が80以下である。
(条件b)各インクの階調値の合計値が200以下である。
【0117】
条件a、bによる階調値の制限は、以下のように説明することができる。すなわち、印刷媒体には単位面積当たりのインク吸収量に制限がある。この制限を越えた量のインクを吐出すると、吸収しきれなかったインクによって滲みが生じたり、印刷媒体が波打ったりする場合がある。そのため、利用するインク量に制限を設けるのが好ましい。このようなインク量の上限値、すなわち、階調値の上限値は、インクデューティ制限と呼ばれる。また、インクデューティ制限の適切な値は、インクの種類に応じて異なる場合がある。このような場合には、各色ごとに異なる制限値を設定することによって、印刷画像の画質をさらに向上させることができる。また、条件bのように、各色の階調値の合計値(すなわちインク量の合計値)に制限値を設けることによって、印刷媒体のインク吸収量の制限を越えた量のインクを吐出することを抑制することができる。さらに、2色の混色で再現する領域のために、任意の2つの種類のインク量の合計値に制限値を設けることも好ましく、さらに、多くの種類のインク量の合計値に制限値を設定することも好ましい。また、これらの制限値を、印刷媒体の種類に応じて変えれば、印刷画像の画質を印刷媒体の種類に応じて向上させることもできる。
【0118】
このようなインクデューティ制限は、使用可能なインクCMVの各色の階調値で表現されるが、置換インク量を用いて得られるCM各色の仮想的な階調値を用いることによって1次色色空間に表現することができる。また、図14の例では、インクデューティ制限においてCMV各色の関係は線形で表されるため、1次色色空間においては、直線で表される。そのため、インクデューティ制限を満たす範囲でCMV各色のインクを用いて再現することが可能な色の領域は、各インクデューティ制限に対応する直線で囲まれた領域で表される。図14(b)において、直線LCは、C=80となる直線を示している。C軸に対して傾いているのは、バイオレットインクVを用いることによって、CM各色の仮想的な階調値をさらに大きくすることができるからである。よって、C≦80を満たす領域はこの直線LCの内側となる。また、直線LCVは、C+V=160となる直線である。この直線は、C≦80、V≦80の2つの制限から導かれるC+V≦160という制限に対応している。C+V≦160を満たす領域はこの直線LCVの内側となる。
【0119】
直線LC、LCVの交点P2は、Cの階調値が160であり、Mの階調値が80である。この色P2は、Cの階調値がインクデューティ制限(条件a)を満たしていないため、CMの2色インクのみを用いる場合には再現することができない。ここで、CM各色の階調値のうちの80をVの階調値に置換する。すると、CMVの各色の階調値、すなわち、分版インク量は順に80、0、80となり、インクデューティ制限を満たすようになる。すなわち、色P2は、有彩1次色インクCMと、有彩2次色インクVとを用いることによって再現することが可能となる。
【0120】
さらに、図14(b)には、インクデューティ制限に対応する以下の直線が示されている。すなわち、直線LCMVは、C+M+V=200となる直線であり、直線LMVは、M+V=160となる直線であり、直線LMは、M=80となる直線である。その結果、これらの直線で囲まれた領域A内の色が、インクデューティ制限を満たす色であり、有彩2次色インクVを用いることによって再現可能となる。すなわち、有彩2次色インクの階調値を有彩1次色インクの階調値に置換して得られる仮想的な階調値が、領域A内にあれば、有彩1次色インクと有彩2次色インクを利用して再現可能である。
【0121】
これらの直線LC、LCV、LCMV、LMV、LMと原点Wとの距離は有彩2次色インクの置換インク量に応じて変わる値である。すなわち、置換インク量が多いほど、各インクデューティ制限に対応する直線と原点Wとの距離が大きくなる。その結果、置換インク量が多いほど、有彩1次色インクと有彩2次色インクを利用することによって再現可能となる領域が広くなる。そのため、再現可能な領域拡張の点からは、置換インク量の合計値は、1より大きいことが好ましく、1.5以上であることが特に好ましい。図14の例では、バイオレットインクVの置換インク量はCM各色ともに1としたので、置換インク量の合計値は2となる。また、図5のインクセットの例では、レッドインクRの置換インク量はCMYの順に0.0、0.71、2.86であり、合計値は3.57となる。またバイオレットインクVの置換インク量はCMYの順に0.68、2.89、0.0であり、合計値は3.57となる。2つのインクRVの置換インク量の合計値はいずれも1.5以上であるので、これらのインクR、Vを用いることによって、より広い色再現範囲を得ることができる。また、各有彩1次色インクの置換インク量の合計値が1よりも大きい場合には、有彩2次色インクは、有彩1次色インクの混色と同程度のインク量を用いることによって、より高い彩度を再現することが可能である。こうすれば、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを利用することによって、有彩1次色インクのみで再現可能な領域よりも広い範囲の色彩を再現することが可能となる。
【0122】
本明細書では、このような、インクデューティ制限を満たす領域の外殻を再現色外殻面と呼ぶ。再現色外殻面はインクセットの各インク量のための再現色表色系で表されるものであるが、有彩2次色インクの各インク量を置換インク量に従って有彩1次色インクのインク量に置換することによって、1次色表色系内に写像することができる。図14(b)の例では、領域Aの外殻を構成する外殻線OL2が、1次色色空間に写像された再現色外殻面に相当する(以後、外殻線OL2を再現色外殻線OL2と呼ぶ)。なお、V≦80の条件については、この領域A内であれば満たされているので、対応する直線の図示を省略している。
【0123】
図14において、領域Aにはハッチングが付され、再現色外殻線OL2が太く表示されている。再現色外殻線OL2上には、拡張有彩色emが設定されている。拡張有彩色emは、原点Wと最外殻有彩色mとを通る線分と、再現色外殻線OL2との交点に位置する色である。すなわち、拡張有彩色emは、1次色色空間において最外殻有彩色mを表す最外殻有彩色ベクトルと同一の方向を有する最も長い拡張有彩色ベクトルで表される色であるとともに、拡張有彩色emを再現するための最外殻分版インク量セットがインクデューティ制限内である色である。
【0124】
以上、説明した拡張有彩色は、インクの種類が増えた場合にも同様に設定することができる。図13(b)には、CMY各色のインク量に基づく1次色色空間に、拡張有彩色emが示されている。拡張有彩色emは、有彩1次色インクC、M、Yと有彩2次色インクR、Vを用いて得られる色である。
【0125】
ここで、拡張有彩色emを1次色色空間で表現するための仮想的な階調値を、CMY各色の順にCDem、MDem、YDemとする。また、拡張有彩色emに対応する分版インク量セット(最外殻分版インク量セットに相当する)の各インク量をCMYRVの順にCem、Mem、Yem、Rem、Vemとする。すると、仮想的なCMY各色の階調値CDem、MDem、YDemは、図5(b)(c)に示す置換インク量を用いて、以下の式で表される。
【0126】
【数1】
Figure 0003925431
【0127】
また、本実施例では、これらの最外殻分版インク量Cem、Mem、Yem、Rem、Vemが、以下に示す条件を満たすように拡張有彩色emが算出される。
【0128】
(条件1)CMYRV各色の分版インク量セットがインクデューティ制限を満たす。
【0129】
インクデューティ制限としては、例えば、全種類のインク量の合計値の制限や、各色単独のインク量の制限、2色を混色するためのインク量の制限等を設定することができる。
【0130】
全種類のインク量の合計値の制限については、例えば、次式で表される。
【0131】
【数2】
Figure 0003925431
【0132】
数式中、C、M、Y、R、Vは、それぞれ、CMYRV各色のインク量である(後述する他の数式でも同様である)。また、Duty_Tは、インクや印刷媒体の種類に応じて予め設定された制限値である。
【0133】
各色単独のインク量の制限については、例えば、次式で表される。
【0134】
【数3】
Figure 0003925431
【0135】
Duty_C〜Duty_Vは、インクや印刷媒体の種類に応じて各色のために予め設定された制限値である。
【0136】
2色を混色する際のインク量の制限については、例えば、次式で表される。
【0137】
【数4】
Figure 0003925431
【0138】
なお、この制限においては、任意の2つのインクの組み合わせについて制限が課せられるが、その中の6つの組み合わせについて例示している。Duty_CM〜Duty_MRは、インクや印刷媒体の種類に応じて各インクの組み合わせのために予め設定された制限値である。
【0139】
なお、インクデューティ制限としては、3色の混色、4色の混色等、任意の種類のインクの組み合わせに対する制限を設定しても良い。
【0140】
以上のような各インクデューティ制限(条件1)は、置換インク量を用いて得られるCMY各色の仮想的な階調値を用いて、図13に示す1次色色空間において面で表現することができる(図示せず)。これらの面で囲まれた領域は、インクデューティ制限を満たす領域である。よって、CMYRV各色のインク量で表された色のCMY各色の仮想的な階調値がこれらの面で囲まれた領域内にあれば、各インク量がインクデューティ制限を満たすことができるので、有彩1次色インクC、M、Yと有彩2次色インクR、Vを用いて再現することが可能である。また、本実施例では、有彩1次色インクC、M、Yの混色を、図5(b)(c)に示す置換インク量に基づいて、各インク量の合計値よりも少ない量の有彩2次色インクR、Vに置換することが可能である。すなわち、有彩2次色インクR、Vは、有彩1次色インクC、M、Yの混色と同程度のインク量を用いることによって、より高い彩度を再現することが可能である。その結果、有彩1次色インクCMYと有彩2次色インクRVとを利用することによって、有彩1次色インクCMYのみで再現可能な領域よりも広い範囲の色彩を再現することが可能となる。
【0141】
図13(b)には、拡張有彩色emが示されている。拡張有彩色emは、インクデューティ制限(条件1)を満たす領域の外殻面、すなわち、再現色外殻面(図示せず)に位置している。また、拡張有彩色emは、原点Wと最外殻有彩色mとを通る線分上に位置する。すなわち、拡張有彩色emは、原点Wと最外殻有彩色mとを通る線分と、再現色外殻面とが交わる位置にある色である。換言すれば、拡張有彩色emは、1次色色空間において最外殻有彩色mを表す最外殻有彩色ベクトルと同一の方向を有する最も長い拡張有彩色ベクトルで表される色であるとともに、拡張有彩色emを再現するための最外殻分版インク量セットがインクデューティ制限内である色である。
【0142】
このような拡張有彩色emは種々の方法を用いて算出することが可能である。例えば、1次色色空間における色を選択し、有彩1次色インクから有彩2次色インクへの置換を行って分版インク量セットを算出し、分版インク量セットがインクデューティ制限(条件1)を満足するか否かを判定する、という一連の処理を繰り返し実行することによって、逐次近似的に算出することができる。また、置換インク量やインクデューティ制限(条件1)の各式等に基づき、いわゆる線形計画法を用いて算出することもできる。この場合には、一連のステップS120〜S130(図12)が一度に実行されることとなる。
【0143】
以上のように、最外殻分版インク量セットがインクデューティ制限(条件1)を満たす拡張有彩色emを算出することによって、その色を印刷したときの画質が良好な範囲内で、最外殻有彩色mと同じ方向に位置する最も階調値の大きい拡張有彩色emを得ることができる。
【0144】
図12のステップS140では、入力色I(図13)に対応する仮の分版インク量セットPの算出を行う。このステップS140では、まず、拡張有彩色emに対する最外殻分版インク量セットempの算出を行う。最外殻分版インク量セットempは、上述のステップS130において拡張有彩色emを算出する際に、インクデューティ制限(条件1)を満たすか否かの判断のために既に算出されている値である。ただし、利用可能なインクの種類が多い場合には、有彩1次色インクと有彩2次色インクとの置換の自由度が高くなる。そのため、拡張有彩色emに対応する最外殻分版インク量セットempとして、インクデューティ制限(条件1)を満たす範囲において複数種類のインク量の組み合わせを選択することができる場合がある。このような場合には、本実施例では、複数の組み合わせの中から、各インク量の合計値が最も小さい組み合わせを選択して最外殻分版インク量セットempとして用いている。
【0145】
次に、最外殻分版インク量セットに基づいて仮の分版インク量セットPの算出を行う。図13(c)は、入力色Iと仮の分版インク量セットPとの関係の概略を示す説明図である。本実施例では、入力色Iが示すベクトルの長さLLIと、最外殻有彩色mが示すベクトルの長さLLmの比を、最外殻分版インク量セットempに乗じることによって算出した値を、仮の分版インク量セットPとして用いる。このとき、最外殻有彩色mに対応する分版インク量セットは最外殻分版インク量セットempとなる。原点Wと最外殻分版インク量セットempとの間の色は、印刷媒体とインクセットの特定の組み合わせで再現可能である。よって、印刷媒体とインクセットの特定の組み合わせで再現可能な色の範囲を有効に利用することができる。また、このように長さLLIに比例するように仮の分版インク量セットPを算出することによって、入力色Iに対する仮の分版インク量セットPを容易に算出することができる。また、仮の分版インク量セットPは、入力色Iや長さLLI、LLmとの関係に加えて、置換インク量やインクデューティ制限(条件1)の各式等に基づき、線形計画法を用いて直接算出することもできる。この場合には、一連のステップS120〜S140(図12)が一度に実行されることとなる。なお、仮の分版インク量セットPで再現される色が、入力色Iに対応付けられた再現色(印刷媒体上に再現される色)に相当する。
【0146】
図12のステップS150では、仮の分版インク量セットPに基づいて最終分版インク量セットOの算出を行う。最終分版インク量セットOは、仮の分版インク量セットPを基に、置換インク量に従って有彩1次色インクと有彩2次色インクの置換を行うことによって得られる分版インク量セットである。従って、最終分版インク量セットOで再現される色は、仮の分版インク量セットPで再現される色とほぼ一致する。ここで、有彩1次色インクと有彩2次色インクの置換は、それぞれの色の再現特性の違いを考慮して実行される。最終分版インク量セット算出処理としては、上述の処理方法(図9〜図11)や、後述する種々の方法を用いることができる。
【0147】
こうして、ステップS100〜S150の処理を順次実行することによって、1次色表色系で表された入力色Iに対応する再現色表色系で表された最終分版インク量セットOが算出される。このようにして得られた最終分版インク量セットOは、図6のステップS20における第2の階調値セットとして用いることができる。
【0148】
図12のステップS160では、全ての入力色に対する最終分版インク量セットが算出されたか否かの判断がされる。すべての最終分版インク量セット算出が完了していない場合には、ステップS120〜S150の処理が繰り返され、完了している場合には処理を終了する。
【0149】
なお、分版処理に必要な時間をより短くするためには、一連の処理を実行するための最外殻有彩色の数を制限するのが好ましい。このとき、分版処理を行いたい入力色に対応する最外殻有彩色が無い場合には、その入力色に近い複数の色の最終分版インク量セットを補間して、対応する最終分版インク量セットを求めることができる。また、このとき、最外殻有彩色を、最外殻有彩色と原点Wとを結ぶ直線が色立体中の全範囲に分布するように、予め複数準備するのが好ましい。こうすることによって、色立体中の特定の領域において、分版インク量セットの補間誤差が大きくなることを抑制することができる。
【0150】
以上のように、本実施例では、拡張有彩色emおよび最外殻分版インク量セットの決定が、以下の3つの条件、
(i)最外殻分版インク量セットがインクデューティ制限内である、
(ii)インクセットで再現可能な範囲で拡張有彩色ベクトルの長さが最も長くなる、
(iii)拡張有彩色emを再現するための最外殻分版インク量セットのインク量の合計が最も少なくなる、
を満たすように実行されている。なお、これら全ての条件を満たしていなくても、拡張有彩色emが最外殻有彩色mよりも彩度が高い色であれば、色再現範囲を拡張することができる。例えば、条件(ii)を満たしておらず、拡張有彩色ベクトルが最長でない場合でも、最外殻有彩色ベクトルよりも長くなるように構成されていれば、色再現範囲を拡張することができる。
【0151】
また、色再現範囲をより広い色相範囲において拡張するためには、より広い色相範囲において、拡張有彩色ベクトルが最外殻有彩色ベクトルよりも長くなるようにすることが好ましい。ここで、拡張有彩色ベクトルを延長することができる色相の範囲は、使用可能な有彩2次色インクの色相に応じて変わる範囲である。有彩2次色インクは、そのインクの色相に近い色相を有する領域の色再現範囲を拡張することができる。そのため、互いに色相の異なるより多くの種類の有彩2次色インクを使用可能とすることによって、より広い色相範囲において、拡張有彩色ベクトルが最外殻有彩色ベクトルよりも長くなるようにすることができる。
【0152】
以上説明したように、本実施例では、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを用いて再現することが可能な色彩の範囲を有効に利用した分版処理を行っている。そのため、色再現範囲を拡張させた印刷を行うことができる。また、原点と最外殻有彩色とを結ぶ直線と再現色外殻面との交点に位置する拡張有彩色に基づいた分版処理を行っているので、使用可能なインクの種類が増えた場合でも、容易に分版処理結果を得ることができる。
【0153】
D.最終分版インク量セット算出処理の実施例:
D1.最終分版インク量セット算出処理の第1実施例:
この最終分版インク量セット算出処理では、最終分版インク量セットOを、入力色Iに対する仮の分版インク量セットPを用いて算出する。仮の分版インク量は、再現色を印刷媒体上で再現するための分版インク量セットである。最終分版インク量セットOは、インクデューティ制限(条件1)を満たす範囲において、仮の分版インク量セットPとほぼ同じ色を再現するように算出される。仮の分版インク量セットPとほぼ同じ色を再現するために、仮の分版インク量セットPの各インク量を、置換インク量に従って置換することによって得られるインク量の組み合わせが、最終分版インク量セットOとして用いられる。ここで、インク置換の自由度は、使用可能なインクの種類が多いほど高くなる。よって、最終分版インク量セットOとして用いることが可能なインク量の組み合わせが複数存在する場合がある。このような場合には、有彩1次色インクと有彩2次色インクのそれぞれの色の再現特性の違いを考慮して最終分版インク量セットOの算出が行われる。
【0154】
図15は、本実施例の最終分版インク量セット算出の処理手順を示すフローチャートである。最初のステップS300では、有彩2次色インクR、Vの候補インク量Rtmp、Vtmpを設定している。候補インク量Rtmp、Vtmpは、後述するステップS310において、有彩2次色インクR、Vの最終分版インク量Ro、Voを算出するための指標として用いられる。
【0155】
ステップS300が実行される際には、まず、彩度SR2が算出される。そして、彩度SR2と仮の分版インク量Rpに基づいて、候補インク量Rtmp、Vtmpが設定される。
【0156】
図16は、仮の分版インク量Rpに対する候補インク量Rtmpの割合xと、彩度SR2との関係を示すグラフである。図10に示すグラフとの差異は2つある。1つ目の差異は、彩度SR2が、入力色Iの各色成分Ci、Mi、Yiの代わりに、最外殻有彩色mの各色成分Cm、Mm、Ymに基づいて設定されている点である。2つ目の差異は、候補インク量Rtmpの割合xが、最大インク量の代わりに仮の分版インク量Rpに対する値として設定されている点である。
【0157】
本実施例では、仮の分版インク量Rpが候補インク量Rtmpを調整するための基準分版インク量として用いられる。仮の分版インク量Rpは、再現色を再現することが可能な仮のインク量である。仮の分版インク量は、例えば、図8に示す分版処理のステップS510や、図12に示す分版処理のステップS140で算出されるインク量である。なお、図12に示す分版処理で算出される仮の分版インク量Rp(図13(c))は、入力色Iと同じベクトル方向を有する最外殻有彩色mに対する最外殻分版インク量セットempに、入力色Iのベクトル長LLIと最外殻有彩色mのベクトル長LLmとの比を乗じて得られるインク量である。よって、図12に示す分版処理のステップS150に本実施例を適用する場合には、最外殻分版インク量セットempに比LLI/LLmを乗じて得られるインク量が、基準分版インク量として用いられることとなる。
【0158】
彩度SR2は、最外殻有彩色m(図13)の各色成分Cm、Mm、Ymにおける最大値(max(Cm,Mm,Ym))と最小値(min(Cm,Mm,Ym))との差分値である。最外殻有彩色mは、図13に示す1次色色空間において、入力色Iを表すベクトルと同一の方向を有するベクトルで表されるとともに、第1種の外殻面上に位置する有彩色である。ここで、入力色Iが無彩色に近いほど、各色成分Cm、Mm、Ymの大きさの差は小さくなる。よって、入力色Iが無彩色に近いほど、彩度SR2は小さい値となり、入力色Iが無彩色の場合にゼロとなる。なお、再現色は入力色Iに基づいて設定される色である。よって、彩度SR2は、入力色Iの彩度に相関の値であるとともに、再現色の彩度に相関のある値でもある。従って、彩度SR2は彩度パラメータ値として考えることができる。
【0159】
本実施例では、図16に示すように、彩度SR2が小さいほど、仮の分版インク量Rpに対する候補インク量Rtmpの割合xが小さくなるように構成されている。また、この例では、彩度SR2の大きさを判断するための2つの値SR2start、SR2endが設定されている。SR2≦SR2startとなる第1の範囲R11においては、Rtmp=0(x=0)に設定されている。SR2end≦SR2となる第3の範囲R13においては、Rtmp=Rp(x=1)に設定されている。SR2start<SR2<SR2endとなる第2の範囲R12においては、割合xが直線的に変化するように設定されている。
【0160】
割合x、すなわち、候補インク量Rtmpに関するこのような設定は以下のように理解することができる。有彩2次色インクR、Vは、その彩度が有彩1次色インクに比べて高いという特徴がある。従って、より鮮やかな画像領域を再現可能とするためには、彩度が高い画像領域では彩度の高い有彩2次色インクを多く用いることが好ましい。一方、彩度が低く無彩色に近い画像領域では、有彩2次色インクを用いなくても、有彩1次色インクを用いてその画像領域を再現することが可能である。従って、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを、効果的に使い分けるためには、彩度が低い画像領域では、彩度の高い有彩2次色インクの使用量を小さく抑えることが好ましい。図16の例では、割合xが、彩度SR2が小さいほど小さくなるように構成されている。特に彩度が低い範囲R11においては、候補インク量Rtmpは、有彩2次色インクを用いずに画像領域を再現するような値(すなわちゼロ)に設定されている。また、特に彩度が高い範囲R13においては、候補インク量Rtmpは、レッドインクRを積極的に用いる値(すなわち仮の分版インク量Rp)に設定されている。よって、レッドインクRのインク量を候補インク量Rtmpと同程度の値とすることによって、より高い彩度を有する画像領域を再現可能とするとともに、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを、その色の再現特性の違いを考慮し、効果的に使い分けることが可能となる。
【0161】
ここで、第1と第2の値SR2start、SR2endは、感応評価に基づいて設定することができる。例えば、彩度SR2が0〜100%に変化するグラデーションパターンを、有彩1次色インクC、M、Yの混色によって再現する。さらに、同じグラデーションパターンを有彩2次色インクを利用して再現する。彩度SR2の低い範囲においては、有彩2次色インクを用いなくても、有彩1次色インクのみを用いて十分に色を再現することが可能である。すなわち、2つのグラデーションパターンを比較しても、色の再現性がほぼ同じとなる。このように有彩2次色インクの効果が現れにくくなる彩度を第1の値SR2startとして用いることができる。また、彩度SR2の高い範囲においては、有彩2次色インクによる鮮やかさが顕著になり、有彩2次色インクによって色の再現性が向上する。このような有彩2次色インクの鮮やかさが有効になり始める彩度をSR2endとして用いることができる。いずれの方法においても、彩度パラメータ値SRが小さいほど、候補インク量Rtmpの、仮の分版インク量Rpに対する割合xが小さくなるように構成することによって、より高い彩度を再現可能とするとともに、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを、その色再現特性の差異を考慮して使い分けることが可能となる。なお、本実施例の彩度SR2に限らず、彩度パラメータ値の大きさを判断するための値であれば、同様の方法を用いて設定することができる。
【0162】
また、割合x、すなわち、候補インク量Rtmpは、彩度SR2の全範囲において連続的に変化するように構成されている。こうすることによって、インク量が連続的に変化するグラデーション領域において、各色成分のインク量が急激に変化し、その境界が目立つことを抑制することができる。なお、割合xは、彩度SR2に対して直線的に変化する構成に限定されるものではない。図17は、割合xと、彩度SR2との関係の別の例を示すグラフである。図16に示すグラフとの差異は、第2の範囲R12の範囲において、割合xが彩度SR2のべき乗に従って変化する点である。ここで、べき乗の指数γを1よりも小さい値とすれば、第2と第3の範囲R12,R13において、割合xと彩度SR2との関係を、上に凸のグラフで表される関係に設定することができる。従って、割合xの変化の度合いを、彩度SR2が高いほど、より小さくなるように設定することができる。その結果、彩度SRが高い範囲における各色成分のインク量の変化を目立たなくすることができる。また、指数γを1よりも大きい値とすれば、第2の範囲R12において、割合xと彩度SR2との関係を、下に凸のグラフで表される関係に設定することができる。従って、割合xの変化の度合いを、彩度SR2が低いほど、より小さくなるように設定することができる。その結果、彩度SRが低い範囲における各色成分のインク量の変化を目立たなくすることができる。いずれの場合も、割合xを彩度SR2の全範囲において連続的に変化するように構成することによって、各色成分のインク量が急激に変化し、その境界が目立つことを抑制することができる。
【0163】
図16、図17の例ではレッドインクRの候補インク量Rtmpを算出しているが、他の種類の有彩2次色インクについても同様に候補インク量を算出することができる。いずれの場合も、彩度が低いほど、仮の分版インク量に対する候補インク量の割合が小さくなるように構成される。なお、彩度SR2の大きさを判断するための第1の値SR2startや第2の値SR2end(図16、17)は、インク毎に異なる値を用いてもよい。こうすることによって、各インクを、それぞれの色再現特性の違いを考慮して使い分ける分版処理を行うことができる。
【0164】
図15のステップS310では、上述のステップS300で設定した有彩2次色インクR、Vの候補インク量Rtmp、Vtmpに基づいて、有彩2次色インクR、Vの最終分版インク量Ro、Voの算出を行う。上述したように、候補インク量Rtmp、Vtmpは、主として有彩1次色インクと有彩2次色インクの色再現特性の違いを考慮して算出されたインク量である。よって、Rtmp、Vtmpを用いるインク量の組み合わせは、インクデューティ制限(条件1)を満たしていない場合がある。また、候補インク量Rtmp、Vtmpを用いると、図12のステップS140で得られた仮の分版インク量セットPで再現される色を再現できない場合もある。この場合には、この再現色が達成できるように、インク量を修正する必要が生じる。ステップS310では、これらの制限を満たす範囲において、候補インク量Rtmp、Vtmpに近いインク量を、最終分版インク量Ro、Voとして用いる。
【0165】
図18は、最終分版インク量ペアの色座標点Prv(Ro、Vo)を算出する様子の概略を示す説明図である。図18(a)〜(c)は、RV各色のインク量を基準ベクトルとして表される2次元色空間を示している。横軸はレッドインクRのインク量を示し、縦軸はバイオレットインクVのインク量を示している。レッドインクRとバイオレットインクVとのインク量の組み合わせは、図中の一点として表現される。
【0166】
図18(a)は、最終分版インク量Ro、Voが値を取り得る範囲を示す説明図である。最終分版インク量Ro、Voは以下の条件を満たす許容範囲内において設定される。
【0167】
(条件1b)CMYRV各色の最終分版インク量が、インクデューティ制限を満たす。
(条件2b)CMYRV各色の最終分版インク量が、仮の分版インク量セットPから置換インク量(図5)に基づいてインクを置換することによって得ることができるインク量の組み合わせである。
【0168】
「条件1b」は、上述の「条件1」と同じである。また、これらの条件は、図18(a)において線で表すことができる。よって、許容範囲はこれらの各条件に対応する線で囲まれた領域で表すことができる。図18(a)の例では、説明を簡略化して行うために、以下に説明する5つの直線LR〜LRVM2で囲まれた領域が許容範囲RAであるものとしている。
【0169】
直線LRは、レッドインクRの上限値に対応する直線である。レッドインクRのインク量は、置換インク量(図5)に応じて各インクを置換することによって増やすことが可能である。ただし、その上限値は、レッドインクRのインクデューティ制限と、仮の分版インク量セットPと置換インク量とで決まるレッドインクRの最大インク量との制限を受ける。直線LRは、これらの制限を共に満たす上限値に対応している。
【0170】
直線LVは、バイオレットインクVの上限値に対応する直線である。この直線の意味は、上述の直線LRと同様である。
【0171】
直線LVCは、バイオレットインクVの下限値に対応する直線である。バイオレットインクVのインク量は、2つの有彩1次色インクC、Mに置換することによって減らすことが可能であるが、その代わり、有彩1次色インクのインク量が増加する。従って、バイオレットインクVの下限値は、有彩1次色インクのインクデューティ制限によって制限を受ける。直線LVCは、この制限を満たす下限値に対応している。
【0172】
直線LRVM1は、2つのインクR、Vに共通の下限値に対応する直線である。レッドインクRとバイオレットインクVのインク量は、ともに、2つの有彩1次色インクに置換することによって減らすことが可能である。その代わり、これらのインクR、Vに共通する主成分1次色インク(図5(b)(c)、この例ではマゼンタインクM)のインク量が増加することになる。マゼンタインクMのインク量は、マゼンタインクMのインクデューティ制限と、仮の分版インク量セットPと置換インク量とで決まるマゼンタインクMの最大インク量との制限を受ける。よって、2つのインクR、Vのインク量の下限値は、マゼンタインクMのインク量の上限値を、互いに分け合うことが可能な範囲に制限される。この制限においては、2つのインクR、Vの下限値は互いに反比例する。直線LRVM1は、このようにして決まる2つのインクR、Vの下限値に対応している。
【0173】
直線LRVM2は、2つのインクR、Vに共通の上限値に対応する直線である。レッドインクRとバイオレットインクVのインク量は、ともに、2つの有彩1次色インクを置換することによって増やすことが可能である。その代わり、これらのインクR、Vに共通する主成分1次色インク(マゼンタインクM)のインク量が減少することになる。よって、2つのインクR、Vのインク量の上限値は、マゼンタインクMの最大インク量を、互いに分け合うことが可能な範囲に制限される。この制限においては、2つのインクR、Vの上限値は互いに反比例する。直線LRVM2は、このようにして決まる2つのインクR、Vの上限値に対応している。
【0174】
図15のステップS310では、このようにして得られる許容範囲RA内において、候補インク量ペアの色座標点Prv(Rtmp、Vtmp)に近いインク量の組み合わせを、最終分版インク量Ro、Voとして用いる。
【0175】
図18(b)は、候補インク量ペアの色座標点Prvが、許容範囲RA内にある場合を示している。この場合には、候補インク量Rtmp、Vtmpを、そのまま、最終分版インク量Ro、Voとして用いる。こうすることによって、有彩1次色インクと有彩2次色インクの色再現特性の違いを考慮した最終分版インク量Ro、Voを算出することができる。なお、図18の例では、2つの有彩2次色インクR、Vについて同じ割合x(図16、17)を用いた場合について示しているので、候補インク量ペアPrvは、原点Wと仮の分版インク量Pとを結ぶ直線LP上の点で表現されている。
【0176】
図17(c)は、候補インク量ペアの色座標点Prvが、許容範囲RA外にある場合を示している。この場合には、直線LPと許容範囲RAの境界との交点のうち、候補インク量ペアの色座標点Prvに近い方の点Ob2で表現されるインク量の組み合わせを、最終分版インク量Ro、Voとして用いる。直線LPは、候補インク量Rtmp、Vtmpの比率が一定に保たれる直線である。このような直線LP上の点を用いることによって、有彩2次色インクR、Vのうちの1つのインク量を過度に小さくし、他のインク量が十分に小さくならないことを抑制することができる。
【0177】
なお、最終分版インク量セットとして用いるインクの組み合わせは、上述の点Ob2で表現される組み合わせに限定されるものではない。許容範囲RA内であって候補インク量ペアの色座標点Prvの近くに位置する点で表現される組み合わせであれば、有彩1次色インクと有彩2次色インクの色再現特性の違いを考慮した最終分版インク量セットの算出を行うことができる。例えば、許容範囲RA内の点であって、候補インク量ペアの色座標点Prvに最も近い点Oc2で表現されるインク量の組み合わせを用いることもできる。いずれの場合も、許容範囲RA内であって、候補インク量ペアの色座標点Prvに近い点で表現されるインク量の組み合わせを用いることによって、色再現特性の違いを考慮した最終分版インク量Ro、Voの算出を行うことができる。また、2つの有彩2次色インクR、Vについて異なる割合x(図16、17)を用いた場合には、候補インク量ペアPrvが直線LP上に位置しない場合がある。この場合にも、許容範囲RA内であって候補インク量ペアの色座標点Prvの近くに位置する点で表現されるインク量の組み合わせを、最終分版インク量Ro、Voとして用いることが好ましい。このような場合には、例えば、図11(b)に示す方法に基づいて最終分版インク量Ro、Voを算出することができる。
【0178】
図15のステップS320では、インクセットを構成する全てのインクの最終分版インク量セットの算出を行う。有彩2次色インクの最終分版インク量Ro、Voは、ステップS310で算出されたインク量を用いる。有彩1次色インクの最終分版インク量Co、Mo、Yoは、仮の分版インク量セットPと置換インク量に基づいて算出される。
【0179】
以上説明したように、本実施例の最終分版インク量セット算出処理は、有彩1次色インクと有彩2次色インクの色再現特性の違いを考慮して行われる。再現したい画像領域の彩度が高い場合には、有彩2次色インクをより多く用いることによって、色の再現性の向上を図り、画像領域の彩度を高めることができる。また、再現したい画像領域の彩度は低い場合には、有彩2次色インクのインク量を少なくすることによって、有彩2次色インクを節約することができる。従って、有彩2次色インクを効果的に用いることができる。
【0180】
明度が比較的高い領域においては、インクセットの各インク量の大きさはインクデューティ制限に対して小さくなる。よって、より多くのインク量の組み合わせがインクデューティ制限を満たすようになる。その結果、有彩2次色インクの候補インク量Rtmp、Vtmpがゼロとなる場合に、最終分版インク量Ro、Voをゼロとすることができる。このようなインク量(Ro=Vo=0)は、色相に係わらず彩度SR2が第1の範囲R11内にある再現色に対して設定される。従って、明度が比較的高く、彩度が低い領域においては、有彩2次色インクを用いずに色を再現するので、有彩2次色インクを節約することができる。
【0181】
明度が比較的低い画像領域(すなわち濃度が比較的高い画像領域)においては、インクセットの各インク量の大きさはインクデューティ制限に対して大きくなるので、各インク量が値を取り得る許容範囲が狭くなる傾向がある。また、図12に示す分版処理に本実施例を適用する場合のように、色再現範囲の拡張を考慮した分版処理を行う場合には、より彩度の高い画像領域、すなわち、より濃度の高い画像領域を再現するように仮の分版インク量セット(候補インク量セット)が算出される。従って、高濃度画像領域を再現しつつ各インク量の合計値を小さく抑えるために、有彩2次色インクの最終分版インク量Ro、Voがゼロより大きい値に設定される場合がある。このようなインク量(Ro>0、Vo>0)は、色相に係わらず無彩色に近い再現色に対して設定される。このように、明度が比較的低い画像領域においては、無彩色に近い画像領域においても有彩2次色インクを用いることによって、色再現範囲をより濃度の高い領域へ拡張することができる。
【0182】
なお、本実施例においては、彩度SR2が第1の範囲R11内にある再現色に対応付けられた有彩2次色インクR、Vの最終分版インク量Ro、Voがゼロより大きい値となる明度の暗い範囲は、インクデューティ制限に基づいて決まる範囲である。この代わりに、明度の暗い範囲を、インクデューティ制限と独立に設定しても良い。この場合も、最終分版インク量セットがインクデューティ制限を満たすように明度の暗い範囲を設定することによって、インクの滲みが生じたり、印刷媒体が波打ったりすることを抑制することができる。
【0183】
図19は、本実施例の最終分版インク量算出処理に基づいて作成された色変換ルックアップテーブルLUTを用いて得られる各インクのインク量を示している。図19の例では、RedからGray(無彩色)を経てCyanへと色彩が変化する画像領域を再現する場合の各インク量の変化を示している。横軸は彩度SR2であり、0〜255の範囲で定義されている。また、グラフの左半分がRedからGrayへと色彩が変化した場合の彩度SR2を表し、グラフの右半分がGrayからCyanへ色彩が変化した場合の彩度SR2を表している。縦軸はインク量(ドット記録率)である。なお、「ドット記録率」とは、1種類のインクによってベタ領域を印刷する場合を100%としたときの相対的なインク量を意味している。
【0184】
この例では、色変換ルックアップテーブルLUTの入力カラー画像データを表す表色系としてRGB表色系を用いている。RGBの各色成分は0〜255の256階調で表現されている。図19の例では、入力カラー画像データを、Red(R,G,B=255,0,0)からGray(R,G,B=128,128,128)を経てCyan(R,G,B=0,255,255)へ至る直線(RGBで規定される3次元色立体の対角線)に沿って変化させた場合の例を示している。
【0185】
図19の例では、彩度が比較的小さいとき(具体的には、彩度SR2が90/255以下)に、有彩2次色インクのインク量R、Vが、彩度が小さくなる方向への彩度パラメータ値SR2の変化に応じて小さくなるように調整されるとともに、彩度パラメータ値SR2に比例した減り方よりも大きく減少するように調整されている。一般的には、彩度パラメータ値が無彩色に近い所定の範囲にあるときに、彩度が小さくなる方向への彩度パラメータ値の変化に応じて有彩2次色インクのインク量が小さくなるように調整されることが好ましく、さらに、有彩2次色インクのインク量が彩度パラメータ値に比例した減り方よりも大きく減少するように調整されることが特に好ましい。こうすることによって、より鮮やかな画像領域が有彩2次色インクによって再現可能となるとともに、有彩2次色インクを節約することができる。
【0186】
また、図19の例では、彩度が比較的小さいとき(彩度SR2が50/255以下)に有彩2次色インクのインク量R、Vが、有彩1次色インクのそれぞれのインク量C、M、Y以下となるように調整されている。一般的には、彩度パラメータ値が無彩色に近い所定の範囲にあるときに、有彩2次色インクのインク量が有彩1次色インクのそれぞれのインク量以下となるように調整されることが好ましい。こうすることによって、比較的彩度の低い範囲において、適切に有彩2次色インクのインク量を小さくすることができる。
【0187】
さらに、図19の例では、彩度が比較的小さいとき(具体的には、彩度SR2が25/255以下のとき)に有彩2次色インクが使用されておらず有彩1次色インクCMYのみを用いて色彩が再現されている。一般的には、彩度パラメータ値が無彩色に近い所定の範囲にあるときに、有彩2次色インクのインク量がゼロとなるように調整されることが好ましい。その結果、有彩2次色インクを節約することができる。また、Redに向かって彩度が高くなるにしたがって、Redの色彩に近い色相を有する有彩2次色インクRのインク量が増加している。その結果、より高い彩度のRedの色彩を再現することが可能となる。また、Cyanに向かって彩度が高くなる場合には、Cyanの色彩に近い色相を有する有彩1次色インクCのインク量が増加する。
【0188】
また、本実施例では、彩度パラメータ値SR2の第2の値SR2endより小さい範囲において、候補インク量Rtmp、Vtmpは、仮の分版インク量Rp、Vpよりも小さい値に設定される(図16、17)。すなわち、最終分版インク量Ro、Voは、仮の分版インク量Rp、Vpよりも小さい値に設定される。従って、本実施例において置換インク量に基づいて決定される仮の分版インク量Rp、Vpは、本発明における仮想インク量に相当する。
【0189】
なお、このような最終分版インク量セットの算出処理は、さらに多くの種類の有彩2次色インクを用いる場合にも、同様に実行することができる。例えば、3つの有彩2次色インクを用いる場合には、まず、各インクの候補インク量を算出する。次に、許容範囲(3つのインク量を基準ベクトルとして表される色空間において立体で表現される)内の点であって、候補インク量セットで表される点に近い点で表現されるインク量の組み合わせを、有彩2次色インクの最終分版インク量セットとして用いればよい。
【0190】
以上説明したように、本実施例では、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを用いることによって、階調値の大きい拡張有彩色に基づいた分版処理を行っている。従って、色再現範囲の拡張を考慮した分版処理を容易に実行することができる。また、彩度の低い範囲においては、有彩2次色インクのインク量が小さい値に設定されるので、有彩2次色インクを節約することができる。また、最終分版インク量セット算出処理を、有彩1次色インクと有彩2次色インクのそれぞれの色の再現特性の違いを考慮して実行しているので、有彩1次色インクと有彩2次色インクを効果的に使い分ける分版処理を行うことができる。
【0191】
なお、本実施例の分版処理(図12)の最終分版インク量セットの算出処理S150としては、図15〜19に示した種々の方法の代わりに、図8に示す分版処理の最終分版インク量セットの算出処理S520に適用される方法(図9〜図11)を用いても良い。同様に、図8に示す分版処理の最終分版インク量セットの算出処理S520としては、図9〜図11に示した方法の代わりに、本実施例の分版処理(図12)の最終分版インク量セットの算出処理S150に適用される種々の方法(図15〜19)のいずれかを用いても良い。
【0192】
E.分版処理の第3実施例:
図20は、分版処理の第3実施例の処理手順を示すフローチャートである。上述の図12の分版処理実施例との差異は、ブラックインクKを用いた下色除去(UCR:Under Color Removal)処理S220を実行している点である。本実施例のUCR処理は、有彩1次色インクC、M、Yの階調値の一部をブラックインクKの階調値に置換する処理である。UCR処理は、周知の種々の方法によって実現可能であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0193】
ステップS200では、使用可能なインクセットとして、有彩1次色インクC、M、Yと有彩2次色インクR、VとブラックインクKからなるインクセットを設定している。
【0194】
次に、ステップS210では、インクセットの各色のインク量の制限であるインクデューティ制限を設定する。上述の図12に示す実施例におけるインクデューティ制限との差異は、ブラックインクKのインク量を考慮して設定されている点である(詳細は後述)。
【0195】
次に、ステップS220では、分版処理の対象となる入力色(例えば、図6のステップS20では1次色階調値セットで表現されている)に対し、UCR処理を実行する。その結果、CMYK各色の階調値Ci、Mi、Yi、Kiで表現された入力色Iが得られる。本実施例では、これらの階調値のうちのCMY各色の階調値Ci、Mi、Yiに対して、拡張有彩色emを用いた分版処理を実行する。一連の処理S230〜S270は、図12に示す実施例の処理S120〜S160と同じ処理である。その結果、CMY各色の階調値Ci、Mi、Yiに対する分版インク量Co、Mo、Yo、Ro、Voが得られる。ブラックインクKについては、UCR処理S220の結果得られる階調値Kiが分版インク量Koとして用いられる。
【0196】
このように、第3実施例の分版処理では、有彩1次色インクCMYと有彩2次色インクRVに加えて、ブラックインクKを用いて再現することが可能な色彩の範囲を有効に利用した分版処理を行っている。そのため、色再現範囲をさらに拡張させた印刷を行うことが可能である。
【0197】
また、この実施例においては、上述のインクデューティ制限(条件1)において、ブラックインクKのインク量を考慮した制限を設けるのが好ましい。例えば、数式2に示す全種類のインク量の合計値の制限については、CMYRV各色のインク量に、ステップS220で得られたブラックインクKのインク量Kiを合わせた合計値が、Duty_T以下となるように設定することができる。こうすることによって、印刷媒体のインク吸収量の制限を越えた量のインクを吐出することを抑制することができる。また、複数色を混色する場合のインク量の制限についても、ブラックインクKのインク量Kiを用いて制限を設定することができる。ブラックインクK単独のインク量の制限についてはUCR処理S220においてインク量Kiを算出する際に考慮するのが好ましい。
【0198】
なお、本実施例の分版処理を図6に示す色変換ルックアップテーブルの作成処理のステップS20に適用したときには、第2の階調値セットは、有彩1次色インクCMYと有彩2次色インクRVとブラックインクKの各色インク量で表された階調値となる。よって、ステップS30では、CMYRVK各色を用いて再現されたカラーパッチが作成される。
【0199】
F.インクセットの変形例:
上述の各実施例には、図5に示すインクセット以外にも様々な種類のインクセットを適用することができる。図21〜28は、いずれも、適用可能なインクセットの実施例の各インク成分を示す説明図である。ブラックインクKの成分と色材以外の成分については、図5と同様であるので、図示を省略している。図5に示すインクセットとの差異は、色材の種類と濃度が一部異なる点である。その結果、これらのインクセットは、互いに少しずつ異なる色彩の再現性を向上させることが可能である。よって、印刷したい画像に適したインクセットを選択して用いることによって、より高画質な印刷結果を得ることができる。
【0200】
図21〜26のインクセットには、カラーパッチを測色して得られた、レッドインクRとバイオレットインクVのそれぞれの置換インク量が示されている。このように、これらのインクセットでは、置換インク量の合計値がいずれも1.7以上である。その結果、有彩2次色インクは、有彩1次色インクの混色と同程度のインク量を用いることによって、より高い彩度を再現することが可能である。その結果、有彩1次色インクと有彩2次色インクとを利用することによって、有彩1次色インクのみで再現可能な領域よりも広い範囲の色彩を再現することが可能となる。
【0201】
また、各インクとしては、上述の図5、図21〜28に示す組成に限定されることなく、その他の組成に従った適切なインクを用いても良い。さらに、用いるインクの色や数についても、この組み合わせに限定されることなく、例えば、有彩2次色インクとしてレッドインクRのみを利用可能な構成としても良く、また、有彩2次色インクとして、グリーンインクやブルーインクを用いる構成としてもよい。但し、互いに組み合わせて無彩色を再現可能なインクを有彩1次色インクとして用い、有彩1次色インクのいずれとも色相が異なるインクを有彩2次色インクとして用いることが好ましい。このようなインクで構成されたインクセットを用いることによって、色再現範囲の拡張を考慮した分版処理を実行することができる。
【0202】
以上、説明したように、上述の各実施例では、彩度の小さい範囲において有彩2次色インクのインク量が小さくなるように調整されるので、有彩2次色インクを節約することができる。また、最終分版インク量セット算出処理を、有彩1次色インクと有彩2次色インクのそれぞれの色の再現特性の違いを考慮して実行しているので、有彩1次色インクと有彩2次色インクを効果的に使い分ける分版処理を行うことができる。
【0203】
なお、最終分版インク量セット算出処理(例えば、図8のS520や図12のS150、図20のS260)としては、上述の処理(図9〜図11、図15〜図19)に限定されるものではなく、一般に、再現色を再現する分版インク量セットであって、彩度の小さい範囲において有彩2次色インクのインク量が小さくなるように各インク量を調整する処理であれば良い。
【0204】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0205】
G.変形例:
G1.変形例1:
彩度パラメータ値としては、上述の彩度SR(図10)や彩度SR2(図16)に限定されるものではなく、再現色の彩度に相関のある種々の値を用いることができる。例えば、図13に示す1次色色空間において原点Wと点Kとを結ぶ直線を無彩色線と呼ぶときに、1次色色空間中の一点と無彩色線との距離を彩度パラメータ値として用いることができる。このとき、1次色色空間に表現された再現色に基づいて算出される彩度を用いることができる。また、再現色は入力色Iに対応付けられた色であるので、入力色Iに基づいて算出される彩度も、再現色の彩度に相関のある彩度パラメータ値として用いることができる。
【0206】
なお、彩度パラメータ値の範囲のうちで、有彩2次色インクのインク量をゼロとなるように調整する無彩色に最も近い第1の範囲は、彩度パラメータ値が値を取り得る範囲を0%(グレー)〜100%(色鮮やか)としたときに、5%以下の範囲を含むことが好ましく、10%以下の範囲を含むことが特に好ましく、15%以下の範囲を含むことが最も好ましい。なお、彩度パラメータ値が第1の範囲内であっても、明度が低い画像領域においては、有彩2次色インクを用いることが好ましい。こうすることによって、全インクのインク量合計値のインクデューティ制限によって各インクのインク量が制限されている場合でも、有彩2次色インクR,Vを用いることによって、より濃い画像領域を再現することができる。また、第1の範囲を再現したい画像領域の明るさに応じて調整することも好ましい。こうすることによって、より細かく有彩1次色インクと有彩2次色インクの使い分けを行うことができる。
【0207】
G2.変形例2:
上述の各実施例では、使用可能なインクセットの各インクの色相が互いに異なっているが、色相がほぼ同じで濃度の異なる複数種類のインクを使用可能な構成としても良い。この場合、各色相の階調値に応じて濃度の異なるインクを使い分けることによって、インクドットの数が少ないほど目立ちやすい粒状性(画像のざらつき)を向上し、インクドットの数が多い場合に目立ちやすいバンディング(筋状の模様)を抑制することができる。このとき、各インクのインク量は、上述のインクデューティ制限や置換インク量等の条件設定を、全てのインクのインク量を考慮した設定とし、いわゆる線形計画法を用いて算出することができる。また、各色相ごとに分版インク量を算出し、得られた分版インク量を、ほぼ同じ色相を有し濃度の異なる複数のインクに再分配する方法を用いても良い。この場合も、インクデューティ制限において全てのインクのインク量を考慮した制限を設け、最終的な各インクのインク量がインクデューティ制限を満たすようにすることが好ましい。
【0208】
なお、上記各実施例においては、「インク量」は、ベタ領域を再現するときのインク量を100%としたときの、0%〜100%の範囲を表す各インクの階調値であり、色変換ルックアップテーブルLUTの出力を意味している。色相がほぼ同じで濃度の異なる複数種類のインクを使用可能な場合には、同じ色相を有する濃淡インクの色材の合計値を「インク量」に対応させることによって、分版処理を行うことができる。このとき、得られた「インク量」を、濃淡インクのそれぞれに分配することによって、適切な色彩を再現することができる。
【0209】
G3.変形例3:
この発明は熱転写プリンタやドラムスキャンプリンタにも適用可能である。この発明は、いわゆるインクジェットプリンタのみではなく、一般に、複数色のインク色の混色によって色を再現する印刷装置に適用することができる。このような印刷装置としては、例えばファクシミリ装置や、コピー装置がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 印刷システムの構成を示すブロック図
【図2】 プリンタ20の概略構成図
【図3】 プリンタ20の構成を示すブロック図
【図4】 印刷ヘッド28の下面におけるノズル配列を示す説明図
【図5】 インクセットを示す説明図
【図6】 色再現の処理手順を示すフローチャート
【図7】 カラーパッチを示す説明図
【図8】 分版処理の処理手順を示すフローチャート
【図9】 最終分版インク量セット算出の処理手順を示すフローチャート
【図10】 候補インク量の割合と彩度との関係を示す説明図
【図11】 有彩2次色インクの最終分版インク量を算出する様子の概略を示す説明図
【図12】 分版処理の処理手順を示すフローチャート
【図13】 1次色色空間を示す説明図
【図14】 拡張有彩色を算出する様子の概略を示す説明図
【図15】 最終分版インク量セット算出の処理手順を示すフローチャート
【図16】 候補インク量の割合と彩度との関係を示す説明図
【図17】 候補インク量の割合と彩度との関係を示す説明図
【図18】 有彩2次色インクの最終分版インク量を算出する様子の概略を示す説明図
【図19】 各インクのインク量を示す説明図
【図20】 分版処理の処理手順を示すフローチャート
【図21】 インクセットを示す説明図
【図22】 インクセットを示す説明図
【図23】 インクセットを示す説明図
【図24】 インクセットを示す説明図
【図25】 インクセットを示す説明図
【図26】 インクセットを示す説明図
【図27】 インクセットを示す説明図
【図28】 インクセットを示す説明図
【符号の説明】
20…プリンタ
21…CRT
22…紙送りモータ
24…キャリッジモータ
26…プラテン
28…印刷ヘッド
30…キャリッジ
32…操作パネル
34…摺動軸
36…駆動ベルト
38…プーリ
39…位置センサ
40…制御回路
41…CPU
43…P−ROM
44…RAM
45…CG
50…I/F専用回路
52…ヘッド駆動回路
54…モータ駆動回路
56…コネクタ
60…印刷ヘッドユニット
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…解像度変換モジュール
98…色変換モジュール
99…ハーフトーンモジュール
100…ラスタライザ
LUT…色変換ルックアップテーブル
PP…印刷用紙
PD…印刷データ

Claims (25)

  1. 互いに組み合わせて用いることにより無彩色を再現可能な複数の減法混色の有彩1次色インクと、前記複数の有彩1次色インクのいずれとも色相が異なる少なくとも1つの有彩2次色インクとを含むインクセットを用いて印刷媒体に画像を印刷する印刷装置であって、
    第1の表色系で表された入力カラー画像データを、再現色表色系で表された第2のカラー画像データに変換する色変換モジュールを備え、
    前記再現色表色系は、前記インクセットの各インク量を用いて前記印刷媒体上で再現される再現色を表すための表色系であり、
    前記色変換モジュールは、前記再現色が、前記再現色表色系の色空間の少なくとも一部の範囲であって、前記再現色の色相が前記有彩2次色インクとほぼ同じであり彩度が無彩色に近い所定の第1の低彩度範囲にあるときに、明度および彩度が比較的高い再現色のための前記有彩2次色インクのインク量と比べて、明度および彩度が比較的低い再現色のための前記有彩2次色インクのインク量をより小さい値に設定し、前記再現色のための前記複数の有彩1次色インクの各インク量を、前記入力カラー画像データの色に対応付けられた再現色が再現されるように設定する、
    印刷装置。
  2. 互いに組み合わせて用いることにより無彩色を再現可能な複数の減法混色の有彩1次色インクと、前記複数の有彩1次色インクのいずれとも色相が異なる少なくとも1つの有彩2次色インクとを含むインクセットを用いて印刷媒体に画像を印刷する印刷装置であって、
    入力カラー画像データの色を、前記インクセットの各インク量を用いて前記印刷媒体上で再現される再現色に変換する色変換モジュールを備え、
    前記色変換モジュールは、前記入力カラー画像データの色の色相が前記有彩2次色インクとほぼ同じであり彩度が無彩色に近い所定の第1の低彩度範囲にあるときに、明度および彩度が比較的高い入力カラー画像データの色に対応付けられた再現色のための前記有彩2次色インクのインク量と比べて、明度および彩度が比較的低い入力カラー画像データの色に対応付けられた再現色のための前記有彩2次色インクのインク量をより小さい値に設定し、前記再現色のための前記複数の有彩1次色インクの各インク量を、前記入力カラー画像データの色に対応付けられた再現色が再現されるように設定する、
    印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記色変換モジュールは、さらに、前記彩度が前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い一部の所定の第2の低彩度範囲にあるときに、前記再現色のための前記有彩2次色インクのインク量をゼロとなるように設定する、
    印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記色変換モジュールは、明度が比較的高い所定の高明度範囲においては、色相に係わらず、前記彩度が前記第2の低彩度範囲にあるときに、前記再現色のための前記有彩2次色インクのインク量をゼロとなるように設定する、
    印刷装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1の低彩度範囲における色相と明度は、所定の色相と所定の明度を持つ
    印刷装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記色変換モジュールは、
    色相が一部の所定の範囲にあり、前記彩度が前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い一部の所定の第2の低彩度範囲にあるときに、
    前記再現色が比較的暗い色であるときには、前記再現色のための前記有彩2次色インクのインク量をゼロより大きい値となるように設定し、
    前記再現色が比較的明るい色であるときには、前記再現色のための前記有彩2次色インクのインク量をゼロとなるように設定する、
    印刷装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記再現色を前記印刷媒体上で再現するための前記インクセットの各インク量の組み合わせを分版インク量セットと呼ぶときに、
    前記色変換モジュールは、さらに、
    前記彩度が前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い一部の範囲にあるときに、
    前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量を、同じ分版インク量セットに含まれる前記有彩1次色インクのそれぞれのインク量以下となるように設定する、印刷装置。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記有彩2次色インクを前記複数の有彩1次色インクの組み合わせに置換することによってほぼ同じ色相と彩度を再現するときの前記有彩2次色インクのインク量に対する前記複数の有彩1次色インクの各インク量を置換インク量と呼び、
    前記再現色を前記印刷媒体上で再現するための前記インクセットの各インク量の組み合わせを分版インク量セットと呼ぶときに、
    前記色変換モジュールは、さらに、
    前記彩度が前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い一部の範囲にあるときに、
    前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量を、前記彩度に相関のある彩度パラメータ値に比例した減り方よりも大きく減少させ、前記減少分を前記置換インク量に従って前記複数の有彩1次色インクの組み合わせに置換した値に設定する、印刷装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記有彩2次色インクは、前記複数の有彩1次色インクとは異なる色材を含有する、
    印刷装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記有彩2次色インクは、前記有彩2次色インクが再現可能な色相を前記複数の有彩1次色インクの混色によって再現した場合に、前記有彩1次色インクの混色で再現することが可能な彩度よりも高い彩度を再現することが可能である、印刷装置。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記インクセットは、互いに色相が異なる第1と第2の2つの有彩2次色インクを含み、
    前記有彩2次色インクを前記複数の有彩1次色インクの組み合わせに置換することによってほぼ同じ色相と彩度を再現するときの前記有彩2次色インクのインク量に対する前記複数の有彩1次色インクの各インク量を置換インク量とし、
    前記第1と第2の有彩2次色インクのそれぞれに関して、前記置換インク量の中で値が最も大きい2つのインクを主成分1次色インクとしたときに、
    前記第1の有彩2次色インクの2つの主成分1次色インクのうちの1つと、前記第2の有彩2次色インクの2つの主成分1次色インクのうちの1つが異なるインクである、
    印刷装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記色変換モジュールは、前記第1の表色系と前記再現色表色系との対応関係を定めるルックアップテーブルを参照することによって、前記変換を実行する、印刷装置。
  13. 印刷媒体上で複数色のインクを用いて任意の色を再現するために、各インクのインク量を決定する分版方法であって、
    (a)使用可能なインクとして、互いに組み合わせて用いることにより無彩色を再現可能な複数の減法混色の有彩1次色インクと、前記複数の有彩1次色インクのいずれとも色相が異なる少なくとも1つの有彩2次色インクとを含むインクセットを設定する工程と、
    (b)任意の1つの入力色に応じて前記印刷媒体上で再現される色を再現色と呼び、前記再現色を前記印刷媒体上で再現するための前記インクセットの各インク量の組み合わせを分版インク量セットと呼び、前記複数の有彩1次色インクの各インク量を基準ベクトルとして表される色空間を1次色色空間と呼ぶときに、前記1次色色空間内の複数の入力色に応じて前記印刷媒体上で再現される複数の再現色を決定する工程と、
    (c)前記複数の再現色を再現するための複数の分版インク量セットを決定する工程と、を備え、
    前記工程(c)は、各再現色に関して、
    (c1)前記再現色の彩度に相関のある彩度パラメータ値をそれぞれ求める工程と、
    (c2)前記再現色の色相が前記有彩2次色インクとほぼ同じであり前記彩度パラメータ値が無彩色に近い所定の第1の低彩度範囲にあるときに、明度および前記彩度パラメータ値が示す彩度が比較的高い再現色のための前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量と比べて、明度および前記彩度パラメータ値が示す彩度が比較的低い再現色のための前記分版インク量セットに含まれる前記有彩2次色インクのインク量をより小さい値に設定し、前記再現色のための前記複数の有彩1次色インクの各インク量を、前記入力色に対応付けられた再現色が再現されるように設定する工程と、
    を実行する、
    分版方法。
  14. 請求項13に記載の分版方法であって、
    前記有彩2次色インクを前記複数の有彩1次色インクの組み合わせに置換することによってほぼ同じ色相と彩度を再現するときの前記有彩2次色インクのインク量に対する前記複数の有彩1次色インクの各インク量を置換インク量と呼ぶときに、
    前記工程(c2)では、前記彩度パラメータ値が前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い少なくとも一部の範囲にあるときに、
    前記有彩2次色インクの実際のインク量が、前記再現色を再現するための前記有彩2次色インクの仮想インク量であって、所定のインク量条件に従って決定される仮想インク量よりも小さくなるように調整され、前記減少分を前記置換インク量に従って前記複数の有彩1次色インクの組み合わせに置換する、分版方法。
  15. 請求項13ないし請求項14のいずれかに記載の分版方法であって、
    前記工程(c2)は、
    (c2−1)前記彩度パラメータ値に基づいて前記有彩2次色インクの候補インク量を求める工程と、
    (c2−2)前記有彩2次色インクの前記候補インク量とともに前記再現色を再現するために必要とされる前記有彩1次色インクの候補インク量を決定することによって、候補インク量セットを決定する工程と、
    (c2−3)前記候補インク量セットが前記印刷媒体の単位面積当たりに使用可能なインク量の上限値を制限するインクデューティ制限の範囲内にある場合には、前記候補インク量セットをそのまま前記分版インク量セットとして採用し、一方、前記候補インク量セットが前記インクデューティ制限を越える場合には、前記インクデューティ制限を満たすように前記候補インク量セットを修正することによって前記分版インク量セットを決定する工程と、を含む、
    分版方法。
  16. 請求項15に記載の分版方法であって、
    前記工程(c2−1)は、
    前記1次色色空間内の最外殻位置にある有彩色を最外殻有彩色と呼ぶときに、前記最外殻有彩色に対応付けられた最外殻分版インク量セットであって、前記インクセットによって再現可能で前記最外殻有彩色よりも彩度の高い拡張有彩色を再現するための最外殻分版インク量セットを決定する工程と、
    前記拡張有彩色を、前記1次色色空間において前記最外殻有彩色を表す最外殻有彩色ベクトルと同一の方向を有するより長い拡張有彩色ベクトルで表される色として決定するとともに、前記拡張有彩色を再現するための前記最外殻分版インク量セットを決定する工程と、
    前記1次色色空間において前記入力色と同じベクトル方向を有する最外殻有彩色に対する最外殻分版インク量セットに、前記入力色のベクトル長と前記最外殻有彩色のベクトル長との比を乗じて得られる値と前記彩度パラメータ値とに基づいて、前記有彩2次色インクの前記候補インク量を決定する工程と、
    を含む、分版方法。
  17. 請求項13ないし請求項15のいずれかに記載の分版方法であって
    前記工程(b)は、
    (b1)前記1次色色空間内の最外殻位置にある有彩色を最外殻有彩色と呼ぶときに、前記最外殻有彩色に対応付けられた最外殻分版インク量セットであって、前記インクセットによって再現可能で前記最外殻有彩色よりも彩度の高い拡張有彩色を再現するための最外殻分版インク量セットを決定する工程と、
    (b2)前記最外殻有彩色と前記最外殻分版インク量セットとの関係に基づいて、前記1次色色空間内の前記複数の入力色にそれぞれ対応付けられた前記複数の再現色を決定する工程と、
    を含み、
    前記工程(b1)は、
    前記印刷媒体の単位面積当たりに使用可能なインク量の上限値をインクデューティ制限として設定する工程と、
    前記拡張有彩色を、前記1次色色空間において前記最外殻有彩色を表す最外殻有彩色ベクトルと同一の方向を有するより長い拡張有彩色ベクトルで表される色として決定するとともに、前記拡張有彩色を再現するための前記最外殻分版インク量セットを決定する工程と、
    を備え、
    前記拡張有彩色および前記最外殻分版インク量セットの決定は、以下の条件:
    (i)前記最外殻分版インク量セットが前記インクデューティ制限内である、
    を満足するように行われる、
    分版方法。
  18. 請求項17に記載の分版方法であって、
    前記拡張有彩色および前記最外殻分版インク量セットの決定は、さらに、以下の条件:
    (ii)前記インクセットで再現可能な範囲で前記拡張有彩色ベクトルの長さが最も長くなる、
    を満足するように行われる、分版方法。
  19. 請求項17または請求項18に記載の分版方法であって、
    前記拡張有彩色および前記最外殻分版インク量セットの決定は、さらに、以下の条件:
    (iii)前記拡張有彩色を再現するための前記最外殻分版インク量セットのインク量の合計が最も少なくなる、
    を満足するように行われる、分版方法。
  20. 請求項17ないし請求項19のいずれかに記載の分版方法であって、
    前記再現色は、前記1次色色空間において前記入力色と同じベクトル方向を有する最外殻有彩色に対する最外殻分版インク量セットに、前記入力色のベクトル長と前記最外殻有彩色のベクトル長との比を乗じることによって得られる仮の分版インク量セットによって再現される色である、分版方法。
  21. 請求項13ないし請求項20のいずれかに記載の分版方法であって、
    前記彩度パラメータ値は、前記入力色または前記再現色を前記有彩1次色インクのみで再現したときの前記有彩1次色インクの各インク量の最大値と最小値の差分である、分版方法。
  22. 請求項13ないし請求項21のいずれかに記載の分版方法であって、
    前記インクセットは、ブラックインクを含み、
    前記工程(b)は、
    前記入力色に前記ブラックインクの下色除去処理を行うことによって、ブラック成分が除去されて複数の有彩1次色成分で構成された修正入力色を求める工程を含み、前記再現色は前記修正入力色に応じて決定される、
    分版方法。
  23. 第1の表色系で表された入力カラー画像データを、再現色表色系で表された第2のカラー画像データに変換するための色変換ルックアップテーブルを作成する方法であって、
    前記再現色表色系は、互いに組み合わせて用いることにより無彩色を再現可能な複数の減法混色の有彩1次色インクと、前記複数の有彩1次色インクのいずれとも色相が異なる少なくとも1つの有彩2次色インクを含むインクセットを用いて色を再現するための表色系であり、
    前記色変換ルックアップテーブルの作成方法は、
    前記第1の表色系で表された第1の階調値セットを、前記複数の有彩1次色インクの各インク量のための1次色表色系で表された1次色階調値セットに変換するための第1の対応関係を設定する工程と、
    請求項13ないし請求項22のいずれかに記載の分版方法に従って、前記1次色表色系内の複数の入力色に対する前記1次色階調値セットを前記インクセットの各インク量に変換するための第2の対応関係を設定する工程と、
    前記第1と第2の対応関係を用いて、前記第1の表色系で表された前記第1の階調値セットと前記インクセットの各インク量との対応関係を求めるとともに、前記色変換ルックアップテーブルに格納する工程と、
    を備える、
    色変換ルックアップテーブルの作成方法。
  24. 第1の表色系で表された入力カラー画像データを、再現色表色系で表された第2のカラー画像データに変換する画像データ処理装置であって、
    請求項23の方法に従って作成された色変換ルックアップテーブルと、
    前記色変換ルックアップテーブルを参照して前記変換処理を実行する色変換モジュールと、
    を備える、画像データ処理装置。
  25. 色相が互いに異なる複数のインクを用いて印刷を行う印刷装置であって、
    前記複数のインクの内の少なくとも1つのインクは他の異なる色相の2種の減法混色の有彩1次色インクの組み合わせで再現可能な有彩2次色インクであり、
    所定の彩度よりも低い第1の低彩度範囲の彩度の画像を、彩度が低くなるにつれて前記有彩2次色インクの使用量を少なくし、前記他の異なる色相の2種のインクの組み合わせを用いて印刷するとともに、前記第1の低彩度範囲の中の無彩色に近い一部の所定の第2の低彩度範囲にある彩度の画像のための前記有彩2次色インクのインク量をゼロとなるように設定して印刷する事を特徴とする印刷装置。
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