JP4240210B2 - 印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム - Google Patents

印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有彩色インクおよび淡黒色インクを使用して印刷可能な印刷装置に対して印刷制御を行う印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の色インクを備えたプリンタに画像を印刷させる際、有彩色インクであるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)インクの一部または全部を墨色系インク(無彩色インクともいう)である黒色(K)インクに置き換えてドットを形成させることが行われている。また、特許文献1,2に開示されたように、Kインクよりも濃度の低い淡黒色(Lk,LLk)インクをプリンタに備えさせておき、明度の高いいわゆるハイライト側の領域において、ライトシアン(Lc)インク、ライトマゼンタ(Lm)インク、Yインクの一部または全部をLkインクやLLkインクに置き換えてドットを形成させることも行われている。同プリンタに対して印刷制御を行う印刷制御装置は、画像データを入力し、色変換テーブルを参照して複数のインクのそれぞれに対応した画像データに色変換することにより印刷制御を行う。すると、各種有彩色インクのインク吐出量のばらつき等の影響を少なくさせることができ、グレーのバランス等を向上させることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−277552号公報
【特許文献2】
特開2002−331693号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術では、以下のような課題があった。
すなわち、各種有彩色インクを墨色系インクに置き換えると、印刷用紙等のメディアに形成されるインクのドットが少なくなるため、バンディングを呼ばれる筋状のムラが生じやすくなっており、また、使用されるインクが濃くなるためドットの粒状感が目立つことがあった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、印刷装置で使用される有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを同有彩色インクおよび淡黒色インクが含まれる複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換して印刷を行う際、バンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たない良好な画質の画像を得ることが可能な印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明では、少なくとも有彩色インクおよび淡黒色インクが含まれる複数のインクを使用して印刷可能な印刷装置に対して印刷制御を行う際、同有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを入力し、同印刷装置に対して同複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換することにより印刷制御を行う印刷制御装置であって、上記印刷条件取得手段と色変換手段と印刷制御手段とを具備し、同有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを入力して同複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換することにより印刷装置に対して印刷制御を行う構成としてある。
【0007】
上記印刷条件取得手段により、上記第一の画像データに対して設定された印刷条件が取得される。また、有彩色インクと相対的に濃度の低い第二の淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様が複数の印刷条件のそれぞれに対応して予め設けられており、色変換手段により、これらの色変換態様のうち印刷条件取得手段にて取得された印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で上記第一の画像データが上記第二の画像データに色変換される。言い換えると、色変換手段は、取得された印刷条件に応じて有彩色インクと第二の淡黒色インクとの使用割合を変更させるように、入力される第一の画像データを複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換する。
色変換された第二の画像データに基づいて同画像データに対応する画像を印刷装置に印刷させる制御が印刷制御手段により行われる。すると、印刷装置は、印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で変更された使用割合で有彩色インクと第二の淡黒色インクとを使用して画像の印刷物を印刷することになる。
従って、印刷装置で使用される有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを同有彩色インクおよび淡黒色インクが含まれる複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換して印刷を行う際、バンディングを防ぎながら良好な画質の画像を得ることが可能となる。その際、淡黒色インクの使用割合を多くしても同淡黒色インクは墨色系インクの中で相対的に濃度が低いので、有彩色インクから淡黒色インクに置き換えてドットが少なくなってもドットの粒状感は目立たなくなる。また、第一・第二(第一および第二)の淡黒色インクのうち相対的に濃度の低い第二の淡黒色インクの使用割合を複数のインクの中で多くすることにより、さらにドットの粒状感が目立たなくなる。
このように、本発明によると、印刷装置で使用される有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを同有彩色インクおよび淡黒色インクが含まれる複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換して印刷を行う際、バンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たない良好な画質の画像を得ることが可能となる。
【0008】
また、請求項2にかかる印刷制御装置は、印刷装置にて印刷される印刷物におけるバンディングの生じやすさに影響を与えるものとされた複数の印刷条件が予め設けられている。これらの印刷条件のうち上記第一の画像データに対して設定された印刷条件が印刷条件取得手段により取得される。
色変換された第二の画像データに基づいて同画像データに対応する画像を印刷装置に印刷させる制御が印刷制御手段により行われると、印刷装置は、バンディングの生じやすさに影響を与える印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で変更された使用割合で有彩色インクと第二の淡黒色インクとを使用して画像の印刷物を印刷することになる。
従って、印刷装置で使用される有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを同有彩色インクおよび淡黒色インクが含まれる複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換して印刷を行う際、バンディングを防ぎながら良好な画質の画像を得ることが可能となる。また、有彩色インクから淡黒色インクに置き換えてドットが少なくなってもドットの粒状感は目立たなくなるし、第一・第二の淡黒色インクのうち相対的に濃度の低い第二の淡黒色インクの使用割合を複数のインクの中で多くすることにより、さらにドットの粒状感が目立たなくなる。このように、バンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たない良好な画質の画像を得ることが可能となる。
本発明にいう印刷条件は、印刷装置にて印刷される印刷物におけるバンディングの生じやすさに影響を与える条件であればよく、後述するように、画像の一行分を印刷するパス数、メディアの種類、印刷する解像度、印刷するドットサイズ、等、様々なものが考えられる。
上記印刷装置には、互いに濃度の異なる複数の淡黒色インクを使用する装置が含まれる。この場合、淡黒色インクのうち濃度の低いインクを第二の淡黒色インクとすることができる。また、上記印刷装置には、第一の淡黒色インクよりも濃度の高い墨色系インクが含まれるインクを使用して印刷可能な装置も含まれる。
【0009】
ここで、上記色変換手段は、上記第一の画像データを構成する各画素の階調データを順次色変換する際、色変換する対象画素の無彩色成分を表す階調量が所定の基準量から高明度側となるときには上記淡黒色インクのうち上記第二の淡黒色インクのみを使用させるように色変換する構成としてもよい。対象画素の無彩色成分が所定量から高明度側であるときには相対的に濃度が低い第二の淡黒色インクのみが用いられるので、より確実に粒状感の目立たない良好な画質の画像を得ることが可能となる。
また、上記色変換手段は、上記第一の画像データを構成する各画素の階調データを順次色変換する際、色変換する対象画素の無彩色成分を表す階調量が別の所定の基準量から低明度側となるときには上記淡黒色インクのうち上記第一の淡黒色インクのみを使用させるように色変換する構成としてもよい。対象画素の無彩色成分が所定量から低明度側であるときには相対的に濃度が高い第一の淡黒色インクのみが用いられるので、画像の暗部である低明度領域を良好に表現することができ、より良好な画質の画像を得ることが可能となる。
【0010】
なお、対象画素の無彩色成分を表す階調量は、数値であってもよいし、数値以外の情報であってもよい。同階調量は、画像データで表される画像の各要素色の色成分量から求めることができ、各要素色の色成分値の最小値、最大値、または、平均、等とすることができる。上記所定の基準量は、各要素色の色成分量の違いに対応させて変動する量であってもよいし、各要素色の色成分量の違いにかかわらず固定された所定量であってもよい。
【0011】
さらに、上記有彩色インクと上記第一および第二の淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様が上記印刷条件に対応して設けられているとき、色変換手段は、これらの複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得手段にて取得された印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換してもよい。すると、印刷装置は、バンディングの生じやすさに影響を与える印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせるように変更された使用割合で有彩色インクと第一・第二の淡黒色インクとを使用して画像の印刷物を印刷する。すなわち、バンディングを生じさせないように有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様を設けておくと、バンディングを防ぎながら良好な画質を得ることができ、淡黒色インクの使用割合を多くしても同淡黒色インクは墨色系インクの中で相対的に濃度が低いのでドットの粒状感は目立たない。従って、バンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たない良好な画質の画像を得ることが可能となる。
むろん、第一・第二の淡黒色インクのうち第二の淡黒色インクのみと有彩色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様から選ばれた色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換してもよい。すると、第一・第二の淡黒色インクのうち相対的に濃度の低い第二の淡黒色インクの使用割合を複数のインクの中で多くすることにより、バンディングを防ぎながらドットの粒状感がさらに目立たない良好な画質の画像を得ることが可能となる。
【0012】
ところで、上記色変換手段は、上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換する際、色変換可能な色空間のうち所定の高明度領域のみ上記有彩色インクと上記淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得手段にて取得された印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で色変換する構成としてもよい。有彩色インクを淡黒色インクに置き換えるとき、バンディングが生じやすいのは明度の高い領域である。従って、有彩色インクを淡黒色インクに置き換えるときにバンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たない良好な画質の画像を得ることが可能となる。
【0013】
上記印刷条件の一例として、請求項6にかかる発明では、上記印刷装置が複数種類のパス数の中から設定されたパス数で上記第二の画像データに対応する画像の一行分を印刷するとき、上記第一の画像データに対して設定されたパス数が上記印刷条件として取得される。色変換手段は、上記パス数に対応して設けられた複数の色変換態様のうち第一の画像データに対して設定されたパス数に対応する色変換態様で有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させるように、入力される第一の画像データを複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換する。すると、印刷装置は、設定されたパス数に対応して変更されたインク使用割合にて画像の印刷物を印刷することになる。従って、バンディングを防ぎながらパス数に応じてドットの粒状感が目立たない適切な画質の画像を得ることが可能となる。
【0014】
その具体例として、上記色変換手段は、上記パス数が大きいほど上記淡黒色インクの使用割合を増加させる構成としてもよい。パス数が大きいほど、一般にバンディングは生じにくくなるので、グレーバランスを優先することができ、淡黒色インクの使用割合を増加させてドットの粒状感が目立たない最適な画質の画像を得ることが可能となる。
【0015】
また、請求項8にかかる発明では、第二の画像データに対応する画像を印刷可能な複数のメディアの種類のうち、上記第一の画像データに対して設定されたメディアの種類が上記印刷条件として取得される。色変換手段は、上記メディアの種類に対応して設けられた複数の色変換態様のうち上記印刷条件として取得されたメディアの種類に対応する色変換態様で有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させるように、入力される第一の画像データを複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換する。すると、印刷装置は、取得されたメディアの種類に対応して変更されたインク使用割合にて画像の印刷物を印刷することになる。従って、バンディングを防ぎながらメディアの種類に応じてドットの粒状感が目立たない適切な画質の画像を得ることが可能となる。
【0016】
その具体例として、上記色変換手段は、上記メディア上に形成されるインクのドット径が上記印刷装置の副走査ピッチより大きく、上記メディアの種類が、同じ吐出量にて形成されるインクのドット径が相対的に大きくなる種類であるとき、上記淡黒色インクの使用割合を増加させる構成としてもよい。ドット径が副走査ピッチより大きいとき、同じ吐出量にてメディア上に形成されるインクのドット径が大きいほど一般にバンディングは生じにくくなるので、グレーバランスを優先することができ、淡黒色インクの使用割合を増加させてドットの粒状感が目立たない最適な画質の画像を得ることが可能となる。
【0017】
さらに、請求項10にかかる発明では、上記印刷装置が複数種類の解像度の中から設定された解像度で上記第二の画像データに対応する画像を印刷するとき、上記第一の画像データに対して設定された解像度が上記印刷条件として取得される。色変換手段は、上記解像度に対応して設けられた複数の色変換態様のうち印刷装置に対して設定された解像度に対応する色変換態様で有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させるように、入力される第一の画像データを複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換する。すると、印刷装置は、設定された解像度に対応して変更されたインク使用割合にて画像の印刷物を印刷することになる。従って、バンディングを防ぎながら解像度に応じてドットの粒状感が目立たない適切な画質の画像を得ることが可能となる。
【0018】
その具体例として、上記色変換手段は、上記解像度が大きいほど上記淡黒色インクの使用割合を増加させる構成としてもよい。解像度が大きいほどドットの配置の自由度が大きくなるため、一般にバンディングは生じにくくなる。すなわち、解像度が大きいほど、グレーバランスを優先することができ、淡黒色インクの使用割合を増加させてドットの粒状感が目立たない最適な画質の画像を得ることが可能となる。
【0019】
さらに、請求項12にかかる発明では、上記印刷装置が複数種類のドットサイズの中から設定されたドットサイズで上記複数のインクを使用して上記第二の画像データに対応する画像を印刷するとき、上記第一の画像データに対して設定されたドットサイズが上記印刷条件として取得される。色変換手段は、上記ドットサイズに対応して設けられた複数の色変換態様のうち印刷装置に対して設定されたドットサイズに対応する色変換態様で有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させるように、入力される第一の画像データを複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換する。すると、印刷装置は、設定されたドットサイズに対応して変更されたインク使用割合にて画像の印刷物を印刷することになる。従って、バンディングを防ぎながらドットサイズに応じてドットの粒状感が目立たない適切な画質の画像を得ることが可能となる。
【0020】
その具体例として、上記色変換手段は、上記メディア上に形成されるインクのドット径が上記印刷装置の副走査ピッチより大きいとき、上記ドットサイズが大きいほど上記淡黒色インクの使用割合を増加させる構成としてもよい。解像度が大きいほどドットの配置の自由度が大きくなるため、一般にバンディングは生じにくくなる。すなわち、メディア上に形成されるインクのドット径が副走査ピッチより大きいとき、ドットサイズが大きいほど一般にバンディングは生じにくくなるので、グレーバランスを優先することができ、淡黒色インクの使用割合を増加させてドットの粒状感が目立たない最適な画質の画像を得ることが可能となる。
【0021】
ところで、入力された第一の画像データの色変換を行う構成の一例として、上記色変換手段は、上記印刷条件別に色変換前後の画像データの対応関係を規定した複数の色変換テーブルから上記印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換テーブルを参照して色変換を行う構成としてもよい。すなわち、入力された第一の画像データは、バンディングの生じやすさに影響を与える印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換テーブルにより、印刷条件別に色変換される。従って、バンディングを生じさせないように有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させる色変換テーブルを印刷条件別に用意すると、印刷条件に応じて最適なインク使用割合となるように色変換を行うことができ、バンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たない良好な画質の画像を得ることが可能となる。
むろん、色変換テーブル以外にも、例えば、印刷条件別に色変換前後の画像データの対応関係を換算する複数の換算式から印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる換算式を使用して画像データの色変換を行ってもよい。
【0022】
なお、上記有彩色インクは、低彩度のシアン系色インクと、低彩度のマゼンタ系色インクと、高彩度のイエロー系色インクとから構成してもよい。シアン系色インクとマゼンタ系色インクを低彩度とすることにより、有彩色インクの使用量が相対的に大きくなり、バンディングを防ぎながら淡黒色インクの使用割合を増加させたときにより良好な画質の画像を得ることが可能となる。
【0023】
ところで、請求項14にかかる発明のように、記憶手段を設けた構成としてもよい。同様に、バンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たないように画像の画質を向上させることが可能となる。
なお、上述した印刷制御装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。
また、上記各手段に対応した所定の手順に従って処理を進めていくことも可能であるので、本発明は制御方法としても適用可能であり、請求項15にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
さらに、上記複数のインクを使用して印刷を行う印刷手段を備える印刷システムとしても適用可能であり、基本的には同様の作用となる。
【0024】
本発明を実施しようとする際に、印刷制御装置にて所定の制御プログラムを実行させる場合もある。そこで、そのプログラムとしても適用可能であり、請求項16にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。また、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられるので、そのプログラムを記録した媒体としても適用可能であり、基本的には同様の作用となる。ここで、上記記録媒体は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体の他、今後開発されるいかなる記録媒体であってもよい。一次複製品、二次複製品などの複製段階も問わない。一部がハードウェアで実現される場合や、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む場合も本発明の思想に含まれる。
むろん、請求項2〜請求項14に記載された構成を上記方法や印刷システムやプログラムやプログラムを記録した媒体に対応させることも可能であることは言うまでもない。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)印刷制御装置の概略構成:
(3)印刷制御装置が行う処理の詳細:
(4)第二の実施形態:
(5)第三の実施形態:
【0026】
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる印刷制御装置と周辺装置とからなる印刷システム100の概略構成を示している。本システム100は、本発明にいう印刷制御装置となるパーソナルコンピュータ(PC)10、印刷装置であるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20、デジタルカメラ30等から構成されている。
PC10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してPC全体の制御を行う。同バス10aには、ROM12、RAM13、各種インターフェイス(I/F)15〜19等が接続され、ハードディスクドライブを介してハードディスク(HD)14も接続されている。本発明にいう記憶手段は、これらのハードディスクドライブとHD14とから構成される。本発明に用いられるコンピュータは、デスクトップ型PC、ノート型PC、モバイル対応PC、等、コンピュータとして一般的な構成を有していればよく、PCに限定されるものではない。
【0027】
HD14にはオペレーティングシステム(OS)や画像情報等を作成可能なアプリケーションプログラム(APL)等が格納されており、これらのソフトウェアは、実行時にCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。また、HD14は、複数の印刷条件14aを記憶しているとともに、複数の色変換態様14bも複数の印刷条件14aに対応付けて記憶している。
周辺機器I/F(PIF)15には、デジタルカメラ30や、図示しないカラースキャナ等が接続されるようになっている。入力I/F16には、キーボード16aやマウス16bが操作用入力機器として接続されている。また、CRTI/F17には、表示用のディスプレイ17aが接続されている。さらに、プリンタI/F19には、プリンタ20が接続されている。プリンタ20との接続には、パラレルI/F、シリアルI/F接続など種々の接続態様を採用可能である。
【0028】
なお、HD14は本発明にいう印刷制御プログラムを記録した媒体となるが、本プログラムを格納可能な記録媒体は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、不揮発性メモリ等であってもよい。さらに、バス10aに接続されたモデム等の通信I/F18をインターネット網に接続し、所定のサーバにアクセスして本印刷制御プログラムをダウンロードして実行することも可能である。
【0029】
本実施形態で使用するプリンタ20は、有彩色インクとして、高彩度のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、低彩度のライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)の5種類を使用し、墨色系インクとして、ブラック(K)、第一の淡黒色インクであるライトブラック(Lk)、第二の淡黒色インクであるライトライトブラック(LLk)の3種類を使用するものとする。なお、明細書や図面中では、インクの色を、単にC、M、Y、Lc、Lm、K、Lk、LLkと記載する。
Lkインクは、Kインクよりも濃度が低ければよく、例えばKインクの濃度の1/10〜1/2等の濃度とすることができる。また、LLkインクは、Lkインクよりも濃度が低ければよく、例えばLkインクの濃度の1/10〜1/2等の濃度とすることができる。
図2は、色変換後の画像データに基づいて8種類ある複数のインクを使用して印刷する印刷手段であるプリンタ20のブロック構成をPC10とともに示している。プリンタ20内部に設けられたバス20aには、各部を制御するCPU21の他、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、イメージデータや駆動信号等を送信するためのI/F27、等が接続されている。
【0030】
コントロールIC25は、CPU21と所定の信号を送受信しながらカートリッジホルダ25aへのインクカートリッジ28の装着状態を検出等する。通信I/O24はPC10のプリンタI/F19と接続されており、プリンタ20は通信I/O24を介してPC10から送信される8種類のインクのそれぞれに対応したデータやページ記述言語等からなる印刷ジョブを受信する。また、PC10から各種要求を受信したとき、通信I/Oは対応する情報をPC10に出力する。本プリンタ20は、画像の一行分を印刷するパス数や、印刷時の解像度や、画像を印刷するドットサイズを選択可能であり、PC10から通信I/O24を介してパス数や解像度やドットサイズの選択情報を入手し、RAM23にこれらの選択情報23aを記憶する。すなわち、選択情報23aを記憶させることによりプリンタ20に対してパス数や解像度やドットサイズを設定可能であり、同プリンタ20は、設定(選択)されたパス数で、解像度に応じたドット単位で、かつ、設定(選択)されたドットサイズで印刷を行うことが可能となっている。
【0031】
ASIC26は図示しない印刷ヘッドを駆動するためにカスタマイズされたICであり、CPU21と所定の信号を送受信しつつ選択情報23aに応じた印刷ヘッド駆動のための処理を行う。また、ヘッド駆動部26aに対して印加電圧データを出力する。ヘッド駆動部26aは、専用ICと駆動用トランジスタと放熱板等からなる回路であり、ASIC26から入力される印加電圧データに基づいて印刷ヘッドに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成する。印刷ヘッドは、カートリッジホルダ25aと接続されており、それぞれ異なる8種類のインクが充填されたインクカートリッジ28から各インクの供給を受けてピエゾ素子が駆動されることにより、インクを吐出し、印刷用紙等のメディア上にインクのドットを形成する。印刷ヘッドのインク吐出面には、8種類のインクのそれぞれを吐出する8組のノズル列が印刷ヘッドの主走査方向に並ぶように形成され、ノズル列のそれぞれは複数のノズル(例えば、48個)が副走査方向に一定の間隔で直線状に配置されている。
【0032】
I/F27には、キャリッジ機構27aと紙送り機構27bとが接続されている。紙送り機構27bは、紙送りモータや紙送りローラ等からなり、印刷用紙などのメディアを順次送り出して副走査を行う。キャリッジ機構27aは、印刷ヘッドを搭載するキャリッジと、このキャリッジをタイミングベルト等を介して走行させるキャリッジモータ等からなり、印刷ヘッドを主走査させる。その際、設定されたパス数のドットが画像の一行分に形成されるように主走査させる。副走査方向に複数のノズルが設けられた印刷ヘッドは、ビット列からなるヘッドデータに基づいてヘッド駆動部26aが出力する駆動信号にてピエゾ素子が駆動され、各ノズルから解像度に応じたドット単位でインク滴を吐出させる。その際、インク滴は選択されたドットサイズとする。
【0033】
図3は、画像の一行分を印刷するパス数を説明する模式図である。本プリンタ20は、複数種類のパス数の中から設定されたパス数で印刷可能であり、同パス数として2パスと4パスの2種類を設定可能である。ここで、ドット内に記載した数字は、何パス目でドットが形成されるかを表している。なお、印刷解像度はともに1440×720dpi であり、メディアの種類とドットサイズも両者同じであるとする。
2パスの場合、図の上段に示すように、主走査方向に形成するドット一行に対してキャリッジを2回主走査させることにより印刷を行う。2回の主走査は、ともに同じ方向の走査(いわゆる単方向印刷)でもよいし、互いに反対方向の走査(いわゆる双方向印刷)でもよい。一方、4パスの場合、図の下段に示すように、主走査方向に形成するドット一行に対してキャリッジを4回主走査させることにより印刷を行う。むろん、4回の主走査は、同じ方向の走査でも、互いに反対方向の走査でもよい。ROM22には、パス数別にヘッド駆動部26aやキャリッジ機構27aや紙送り機構27bに対して異なった駆動をさせる制御プログラムが記憶されている。そして、CPU21は、RAM23からパス数の選択情報を読み出し、同選択情報に対応した制御プログラムに従って、設定されたパス数で画像データに基づく画像の一行分が印刷されるように、ASIC26やI/F27を介して各部26a,27a,27bを制御する。
【0034】
ここで、パスが切り替わる時、副走査方向(紙送り方向)に所定の距離だけ紙送りしてから次のパスの印刷を行う。すなわち、同じ行において異なる数字が付されたドットは、異なるノズルにより形成されることになる。従って、パス数が大きくなるほど、一行を印刷するために使用するノズル数が増えることになる。
2パスのようにパス数が小さいとき、一行を印刷するノズルの中に飛行曲がりのある、すなわち、インク吐出方向のずれたノズルがあると、当該ノズルの影響を大きく受けるためにバンディングと呼ばれる筋状のムラが生じやすい。一方、4パスのようにパス数が大きいとき、インク吐出方向のずれたノズルがあっても当該ノズルの影響が小さくて済む。LcLmYインク(Lc,Lm,Yの各インク。以下、同様)に対してLkLLkインク(Lk,LLkの各インク。以下、同様)を多く使用することによってドット数が減少することになるが、パス数が大きいほどバンディングは生じにくいため、LkLLkインクの使用割合を増やすことが可能となる。そして、PC10では、第一の画像データに対して設定されたパス数に応じてバンディングを生じさせないように同画像データをCMYKLcLmLkLLkの8色からなる第二の画像データに色変換することになる。
【0035】
図4は、画像を印刷する解像度を説明する模式図である。本プリンタ20は、複数種類の解像度の中から設定された解像度で印刷可能であり、解像度として720×360dpi 、720×720dpi 、1440×720dpi の3種類を設定可能であるが、720×360dpi と720×720dpi を例にとって説明する。ここで、メディア上に形成されるドットを点線により模式的に示している。なお、ドットサイズ等の他の印刷条件は両者同じであるとする。
720×360dpi の場合、図の上段に示すように、主走査方向では1/720inch=35μm単位、副走査方向では1/360inch=71μm単位でドットを形成する。一方、720×720dpi の場合、図の下段に示すように、主走査方向、副走査方向ともに1/720inch単位でドットを形成することが可能となる。パス数別とされてROM22に記憶された制御プログラムは、さらに解像度別とされている。そして、CPU21は、RAM23から解像度の選択情報を読み出し、同選択情報に対応した制御プログラムに従って、設定された解像度で画像データに基づく画像が印刷されるように、各部26a,27a,27bを制御する。
ここで、副走査方向の1/360inch内に、解像度が比較的小さい720×360dpi であるときにはドットを1行しか配置できないのに対し、解像度が比較的大きい720×720dpi であるときにはドットを2行配置することが可能である。すなわち、解像度が小さいときには、飛行曲がりのあるノズルがあると主走査方向を向いた筋状の隙間ができてバンディングが生じやすいことになる。一方、解像度が大きいときには、ドットの配置の自由度は大きくなり、同じ間隔内に配置されるドットの行数が増える。従って、飛行曲がりのあるノズルがあっても、筋状の隙間ができないため、バンディングは生じにくい。
【0036】
図5の上段は、ヘッド駆動部26aが出力する駆動信号の電圧差と印刷ヘッドから吐出されるインクのドットサイズとの関係を示している。本プリンタ20は、複数種類のドットサイズの中から設定されたドットサイズで印刷可能であり、ドットサイズとして大中小のいずれかを設定可能である。ここで、駆動信号の電圧差が小さければドットサイズは小さく、小ドットが形成される。同電圧差が大きければドットサイズは大きく、大ドットが形成される。同電圧差がこれらの中間であればドットサイズも中間サイズであり、中ドットが形成される。そして、CPU21は、RAM23からドットサイズの選択情報を読み出し、同選択情報に対応したサイズのドットが形成されるように印加電圧データを作成してASIC26に対して出力し、ヘッド駆動部26aの駆動電圧パターンを生成させる。
ここで、メディア上に形成されるインクのドット径は通常副走査ピッチよりも大きいため、図の下段に示すように、小ドットのドット径は大ドットのドット径よりも副走査ピッチに近くなる。したがって、小ドットを形成するときには、飛行曲がりのあるノズルがあるとバンディングが生じやすいことになる。一方、大ドットを形成するときには、飛行曲がりのあるノズルがあってもバンディングは生じにくい。
【0037】
(2)印刷制御装置の概略構成:
PC10では、以上のハードウェアを基礎としてバイオスが実行され、その上層にてOSとAPLとが実行される。OSには、CRTI/F17を制御するディスプレイドライバや、プリンタI/F19を制御するプリンタドライバ、等が組み込まれ、OSの一部となって各種の制御を実行する。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。
本発明の印刷制御プログラムが含まれているプリンタドライバは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、プリンタI/F19を介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能である。同プリンタドライバは、GDI(Graphics Device Interface )等が組み込まれたOSを介してAPLから画像データを受け取ってプリンタ20に対して出力する画像データに変換し、印刷ジョブとしてプリンタ20に送出する。
【0038】
図6は、上記プリンタドライバの機能により実現される印刷制御装置の概略構成を模式的に示している。
プリンタドライバは、各種モジュールを有しており、図示しない機能制御モジュールの制御に基づいて所定の機能を実現しつつ連携動作して画像データに基づく画像を印刷させる制御を行う。同モジュールにより、図に示す各処理部が構成される。画像入力処理部は、APLにて作成された画像データを、GDIを介して入力する。同画像データは、画像をドットマトリクス状の多数の画素で多階調表現したデータである。本実施形態では、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)別の階調値0〜255の256階調の階調データから画像データが構成されているものとして説明する。すなわち、入力する画像データを構成する各画素の階調値を色成分別にR,G,Bとすると、各画素の階調データは(R,G,B)と表される。なお、様々な画像データについて本プログラムによる印刷制御を実行可能であり、例えば、輝度データとブルーの色差データとレッドの色差データからなるYUV等の画像データについて印刷制御を行ってもよい。
解像度変換処理部は、入力されたRGB3色からなる画像データの解像度をプリンタ20に印刷させる解像度に変換する。色変換処理部は、解像度変換後の画像データを画素別にCMYKLcLmLkLLkの8色からなる階調データで表現した画像データに色変換する。従って、色変換後の各画素の階調データは(C,M,Y,K,Lc,Lm,Lk,LLk)と8色の色成分値で表される。
ハーフトーン処理部は、色変換後の画像データをさらにドット形成の有無(例えば、ドット形成せず、小ドット形成、中ドット形成、大ドット形成、別に0〜3を割り当てた4階調)により表現した画像データに変換する。ラスタライズ処理部は、画像の一行分を印刷させるパス数に基づいて、画像データをさらにプリンタ20で使用される順番に並べ替え、同プリンタに送出する。すると、プリンタ20は、変換された画像データに基づいて、メディア上にインクのドットを形成し、画像データに対応するカラー画像を印刷する。
【0039】
本印刷制御装置は、概略、以下説明する手段U1〜U4を備えている。
手段U1,U2は、色変換処理部に含まれている。印刷制御手段U3は、ハーフトーン処理部とラスタライズ処理部とから構成される。記憶手段U4は、上記ハードディスクドライブとHD14とから構成される。
印刷条件取得手段U1は、プリンタ20にて印刷される印刷物におけるバンディングの生じやすさに関するものとして予め設けられた複数の印刷条件のうち、入力した画像データに対して設定された印刷条件を取得する。同印刷条件の種類としては、画像の一行分を2パスで印刷させるか4パスで印刷させるかのパス数、画像を印刷させるメディアの種類、720×360dpi で印刷させるか1440×720dpi で印刷させるかの解像度、大中小ドットのいずれを形成するかのドットサイズ、等がある。同印刷条件の各種類別に複数の条件が印刷制御装置に予め設けられ、HD14に記憶されている。種類別に複数とされたこれらの条件は、印刷物におけるバンディングの生じやすさに影響を与える印刷条件である。
なお、画像を印刷させる解像度は解像度変換処理部に使用される解像度と同じであるため、同処理部が取得した解像度を本手段U1にて取得してもよい。また、パス数はラスタライズ処理部が使用するパス数と同じであるため、本手段U1にて取得されたパス数を同処理部が利用するようにしてもよい。
【0040】
色変換手段U2は、有彩色であるLcLmY3色のインクと淡黒色であるLkLLk2色のインクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち、上記取得された印刷条件に対応する色変換態様で画像データを色変換する。その際、色変換前後の画像データの対応関係を規定したLUT(ルックアップテーブル)と呼ばれる色変換テーブルを参照して、画像データを構成する各画素の階調データを順次色変換する。同LUTは、上述した複数の印刷条件のそれぞれに対応して複数設けられ、HD14に記憶されている。すなわち、複数のLUTのそれぞれは本発明にいう複数の色変換態様に対応して設けられていることになり、取得された印刷条件に対応したLUTを参照して色変換を行うようになっている。
【0041】
本実施形態のLUTは、256階調のRGBそれぞれの階調値をCMYKLcLmLkLLk8色それぞれについて0〜255の256階調とされた階調値に対応させた情報テーブルであり、補間演算を前提として、例えば、17×17×17の格子点に対応した大量のデータを備えているものとして説明する。むろん、256階調以外にも様々な階調とすることができ、変換前後の階調値の階調数は異なっていてもよい。変換された画像データも、画像をドットマトリクス状の画素で多階調表現したデータであり、階調値が大きくなるほど上記8色の各成分が大きくなるようにしてある。従って、階調値が大きくなるほど、メディア上に形成されるドット密度は大きくなる。
【0042】
ここで、CMYLcLmインクのみでR=G=Bであるニュートラルグレーを再現させるのは困難であるため、LUTはCMYLcLmインクの一部または全部をLkインクやLLkインクに置き換えるように作成されている。図7は、グレーレベル(R=G=B)におけるLUTの対応関係の一例を示している。なお、横軸は無彩色成分を表す階調量であるグレーレベルの階調値の相対値を示しており、左方向が黒色(RGBの階調値小)、右方向が白色(RGBの階調値大)となっている。また、縦軸は上記8色それぞれのインク使用量(相対値)を示している。図において、グレーレベルが0%(R=G=B=0)のとき、Kのインクの使用量を100%とし、CMYLcLmLkLLkのインクの使用量を0%としている。グレーレベルが増加すると、Kの使用量が減少するとともに、CMYとLkの使用量が増加する。グレーレベルがG1となると、Kの使用量がほぼ0%になり、Yの使用量がほぼ最大になって減少し始めるとともに、LcLmの使用量が0%から増加し始める。G2になると、Lkの使用量が最大になって減少し始め、CMの使用量もほぼ最大となって減少し始めるとともに、LLkの使用量が0%から増加し始める。G3になると、CMの使用量が0%となる。G4になると、LcLmの使用量がほぼ最大となって減少し始め、Lkの使用量が0%になるとともに、LLkの使用量が最大となって減少し始める。そして、グレーレベルが100%(R=G=B=255)のとき、YLcLmLLkの使用量も0%となる。
【0043】
このようなLUTを使用して画像データを色変換し、色変換した画像データに基づく画像をプリンタに印刷させると、有彩色インクの一部または全部が淡黒色インクに置き換えられてドットが形成されることになる。その結果、各種有彩色インクのインク吐出量のばらつき等の影響を少なくさせることができ、グレーバランスを向上させることができるとともに、メタメリズムの点でも画質を向上させることが可能となる。特に、LcLmYインクの一部または全部をLkLLkインクに置き換えてドットを形成させているので、明度の高いいわゆるハイライト側の領域においてもグレーバランス等を向上させることができる。
しかし、各種有彩色インクを淡黒色インクに置き換えると、メディアに形成されるインクのドットが少なくなるため、バンディングが生じやすくなっていた。このため、LUTを作成するにあたり、バンディングを防ぐために、各種印刷条件のうちバンディングが生じやすい印刷条件に合わせて有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を決定し、画像データ変換前後の対応関係を規定してLUTを作成していた。
そこで、本実施形態では、バンディングが生じにくい印刷条件で淡黒色インクの使用割合を増やしてグレーバランス等を向上させるため、印刷条件別に色変換前後の画像データの対応関係を規定した複数のLUTを予め作成している。同複数のLUTは、バンディングを生じさせないように有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させてドットを形成させるものである。そして、印刷条件に応じてLUTを変更することにより、バンディングを防ぎながら良好な画質の画像を得るようにしている。また、淡黒色インクはKインクよりも濃度が低いため、有彩色インクから淡黒色インクに置き換えてドットが少なくなってもドットの粒状感は目立たず、この点でも良好な画質の画像を得ることを可能にさせている。
【0044】
上記LUTは、図8に示すように、複数種類のパス数別、複数のメディアの種類別、複数種類の解像度別、複数種類のドットサイズ別に予め設けられ、これらの印刷条件の組み合わせとともにHD14に記憶されている。パス数、メディアの種類、解像度、複数種類のドットサイズは、いずれも、プリンタで印刷される印刷物におけるバンディングの生じやすさに影響を与えるものとして予め設けられた印刷条件である。各LUTは、同印刷条件の組み合わせ別にLcLmYのインクとLkLLkのインクとの使用割合を変更させた色変換態様で色変換させる際に参照される情報テーブルとされている。なお、LUTには便宜上異なる番号を付しているが、これらの印刷条件別に全て異なるLUTを用いる必要はなく、異なる印刷条件であっても同じ種類のLUTを使用してもよい。
すなわち、記憶手段U4は、上記複数の印刷条件を記憶しているとともに、有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様を同複数の印刷条件に対応付けて記憶している。
【0045】
淡黒色インクの使用量については、以下のように規定している。
すなわち、無彩色成分を表す階調値が所定の基準量G4(相対値)に対応する所定の第一の基準値G4’から高明度側(グレーレベルがG4〜100%の範囲)であるとき、淡黒色インクのうち相対的に濃度の低いLLkインクのみが使用される。LUTについては、画像データを構成する各画素のうち色変換する対象画素の無彩色成分を表す階調値が基準値G4’から高明度側となるときにはLkLLk2色のインクのうちLLkインクのみを使用させる色変換態様が規定されていることになる。
また、無彩色成分を表す階調値が別の所定の基準量G2(相対値)に対応する所定の第二の基準値G2’から低明度側(グレーレベルが0%〜G2の範囲)であるとき、淡黒色インクのうち相対的に濃度の高いLkインクのみが使用される。なお、基準量G2は、基準量G4よりも低明度側にある。LUTについては、画像データを構成する各画素のうち色変換する対象画素の無彩色成分を表す階調値が基準値G2’から低明度側となるときにはLkLLk2色のインクのうちLkインクのみを使用させる色変換態様が規定されていることになる。
【0046】
なお、RGBからなるRGB色空間内でR=G=Bのグレー軸からずれた領域でも、無彩色成分を表す階調量が所定の基準量から高明度側となるときにもLkLLk2色のインクのうちLLkインクのみを使用させる色変換態様が規定されている。一例として、RGBからなる階調データの各階調値をR,G,Bで表し、対象画素の無彩色成分を表す階調量を階調値Nで表すと、R,G,Bの平均値を階調値Nとすることができる。LUTについては、N>G4’(またはN≧G4’)となるときに2種類の淡黒色インクのうちLLkインクのみを使用させる色変換態様を規定しておけばよい。
また、グレー軸からずれた領域で、無彩色成分を表す階調量が別の所定の基準量から低明度側となるときにもLkLLk2色のインクのうちLkインクのみを使用させる色変換態様が規定されている。同様に、R,G,Bの平均値を階調値Nとすることができる。LUTについては、N<G2’(またはN≦G2’)となるときに2種類の淡黒色インクのうちLkインクのみを使用させる色変換態様を規定しておけばよい。
ここで、基準値G4’,G2’は、各RGBの階調値の違いに対応させて変動する関数値G4’(R,G,B),G2’(R,G,B)であってもよいし、各RGBの階調値の違いにかかわらず固定された所定値であってもよい。
また、後述する図16のRGB色空間S1内できめ細やかに高明度領域S2を設けておき、同領域S2内ではLkLLk2色のインクのうちLkインクのみを使用させる色変換態様を規定しておいてもよい。
【0047】
図9は、上記複数のLUTを使用して印刷制御を行う処理をフローチャートにより示している。本フローは、PCのCPU11によって行われる。
APLが有するAPL用印刷機能にてディスプレイ17aに表示される印刷実行メニューが選択されると、画像入力処理部がRGBからなる画像データを入手する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。画像データを入力する際、データ全体を一括して読み込む必要はなく、部分的に読み込むようにしてもよいし、他のAPLから呼び出されるような場合にはデータの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけであってもよい。なお、画像を印刷させるパス数や、メディアの種類や、解像度や、ドットサイズを選択する情報が画像データに付加されていれば、その情報を入手する。
【0048】
次に、解像度変換処理部がプリンタ20に印刷させる解像度を取得する。まず、入力した画像データに解像度を設定する情報が付加され、かつ、その情報に対応する解像度がHD14に記憶されている複数種類の解像度のいずれかであるか否かを判断する(S110)。条件成立の場合、その情報に対応する解像度を取得し(S115)、S125に進む。条件不成立の場合、記憶されている複数種類の解像度を読み出して図示しない解像度選択画面を表示し、同画面に設けた解像度を選択する欄にて同複数種類の解像度からいずれかの解像度を選択する操作入力を受け付け、選択入力された解像度を取得し(S120)、S125に進む。すると、ユーザは操作入力により画像データに対して解像度を設定することができる。むろん、デフォルトの解像度(例えば、720×360dpi )を取得してもよい。
このようにして、入力した画像データに対して設定された解像度を取得する。
S125では、入手した画像データの解像度をプリンタ20が印刷するための解像度に変換する、解像度変換処理を行う。ここで、入手した画像データの解像度が高い場合には、例えば一定の割合でデータを間引くことにより解像度を変換し、入手した画像データの解像度が低い場合には、例えば線形補間により画像データを補間して解像度を変換する。
【0049】
その後、色変換処理部がバンディングの生じやすさに影響を与える各種印刷条件を取得する。なお、印刷条件のうち解像度についてはS110で取得した解像度をそのまま利用する。パス数やメディアの種類やドットサイズを取得する際、これらの印刷条件の種類別に順次、以下の処理を行う。
まず、取得しようとする種類の印刷条件について、その種類の印刷条件を設定する情報が画像データに付加され、かつ、その情報に対応する印刷条件がHD14に記憶されている複数の印刷条件のいずれかであるか否かを判断する(S130)。同複数の印刷条件のいずれかであると判断した場合、その情報に対応する印刷条件を取得し(S135)、S145に進む。同複数の印刷条件のいずれでないと判断した場合、記憶されている複数の印刷条件を読み出して図示しない印刷インターフェイス画面を表示し、同画面に設けた印刷モードを選択する欄にて同複数の印刷条件からいずれかの印刷条件を選択する操作入力を受け付け、選択入力された印刷条件を取得し(S140)、S145に進む。すると、ユーザは操作入力により画像データに対して印刷条件を設定することができる。むろん、デフォルトのパス数(例えば、2パス)やメディアの種類(例えば、普通紙)やドットサイズ(例えば、大ドット)を取得してもよい。
S145では、全種類の印刷条件について複数の印刷条件のうち画像データに設定された印刷条件を取得したか否かを判断し、取得していない種類の印刷条件がある場合にはS130に戻り、全種類について印刷条件を取得した場合にはS150に進む。
このように、S130〜S145の処理により、印刷条件取得手段が構成される。
【0050】
S150では、印刷条件別とされた複数のLUTから印刷条件に対応したLUTを選択し、色変換態様を特定する。この処理の詳細は、後述する。なお、LUTを選択する際、LUTのデータ全体をHD14から一括してRAM13に読み出してもよいし、部分的に読み出してもよいし、HDの領域を表すポインタの決定だけであってもよい。
そして、複数の印刷条件に対応させてLcLmYインクとLkLLkインクの使用割合を変更させるLUTを参照して、RGBからなる画像データを8色のインクのそれぞれに対応した画像データに変換する、色変換処理を行う(S155)。具体的には、画像データを構成する各画素について、階調データを色変換する対象画素を順次移動させながら、選択されたLUTを参照することによって対象画素のRGB別の階調値に対応するCMYKLcLmLkLLk別の階調値を取得し、これらの階調値からなる階調データを色変換後の階調データとしていく。参照するLUTは、有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させるように選択されるので、印刷条件に対応してこれら両インクの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち、取得された印刷条件に対応する色変換態様で画像データを色変換することになる。
このように、S150〜S155の処理により、色変換手段が構成される。
【0051】
その後、ハーフトーン処理部が、データを変換する対象画素を順次移動させながら全画素の階調データについて所定のハーフトーン処理を行うことにより、画像をドットマトリクス状の画素で多階調表現した画像データをドット形成の有無により表現した画像データに変換する(S160)。
また、ラスタライズ処理部が、S135またはS140で取得されたパス数を利用し、プリンタ20のドットの形成順序を考慮しながらドット形成の有無により表現した画像データを並べ替えるラスタライズ処理を行う(S165)。さらに、S135またはS140で取得されたパス数や解像度やドットサイズの選択情報とともに、最終的に得られた画像データをプリンタ20に対して送出し(S170)、本フローを終了する。すると、プリンタ20は、同選択情報を入手するとともに画像データを入手し、印刷ヘッドを駆動してパス数や解像度やドットサイズに対応した各インクのドットをメディア上に形成する。その結果、APLからの画像データに対応したカラー画像がメディアに印刷されることになる。
このように、S160〜S170の処理により、色変換された画像データに基づいてプリンタに対して印刷制御を行う印刷制御手段が構成される。
【0052】
(3)印刷制御装置が行う処理の詳細:
次に、本印刷制御装置が行うLUT選択処理の詳細を説明する。
図8で示したような複数のLUTが複数の印刷条件のそれぞれに対応してHD14に格納されているとき、例えば、取得したパス数が「2パス」、メディアの種類が「普通紙」、解像度が「720×360dpi 」、ドットサイズが「大」であるとき、「1」のLUTをHD14から選択する。パス数のみ「4パス」になると、「13」のLUTを選択する。
【0053】
ここで、印刷条件別とされたLUTを作成するにあたり、プリンタ20にて印刷される印刷物におけるバンディングの生じやすさを考慮して作成している。上述したように、一般にパス数が小さいほどバンディングは生じやすいため、図10に示すように、2パスのときにはLcLmYインクに対するLkLLkインクの使用割合を4パスのときよりも小さくさせ、4パスのときにはLkLLkインクの使用割合を2パスのときよりも大きくさせるように画像データ変換前後の対応関係を規定する。すなわち、パス数が大きいほど、LkLLkインクの使用割合を多くしてもバンディングは生じないので、グレーバランスを優先してLkLLkインクの使用割合を増加させ、ドットの粒状感が目立たない、より良好な画質にて画像が印刷されるようにする。
【0054】
図11は、パス数に応じて作成した複数のLUTのグレーレベルにおける対応関係の例を示している。なお、いずれも720×360dpi 、かつ、大ドットに対応したLUTであり、左側のLUTa,cは2パスに対応し、右側のLUTb,dは4パスに対応し、上側のLUTa,bは普通紙に対応し、下側のLUTc,dはスーパーファイン紙に対応している。
メディアの種類が普通紙である場合、図に示すように、パス数が4パスのときのLkLLkインクの使用量の最大量I2(例えば、約85%)は、パス数が2パスのときのLkLLkインクの使用量の最大量I1(例えば、約60%)よりも大きくしてある。また、メディアの種類がスーパーファイン紙である場合も、パス数が4パスのときのLkLLkインクの使用量の最大量I4は、2パスのときのLkLLkインクの使用量の最大量I3よりも大きくしてある。
【0055】
すると、パス数が相対的に小さい2パスであるとき、解像度が720×360dpi 、ドットサイズが大であれば、LUT選択処理ではLUTaまたはLUTcを選択し、色変換処理ではLcLmYインクに対してLkLLkインクの使用割合を少なくさせるLUTa,cを参照して色変換する。一方、同解像度、同ドットサイズでパス数が相対的に大きい4パスであるとき、LUT選択処理ではLUTbまたはLUTdを選択し、色変換処理ではLcLmYインクに対してLkLLkインクの使用割合を多くさせるLUTb,dを参照して色変換する。なお、パス数が小さいほどCMYインクに対するKLkインクの使用割合を減少させ、パス数が大きいほどCMYインクに対するKLkインクの使用割合を増加させてもよい。以下も、同様である。このようにして、LcLmYインクとLkLLkインクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様からパス数に対応する色変換態様で色変換される。そして、プリンタ20は、色変換され、ハーフトーン処理とラスタライズ処理が行われた画像データを入手するとともに印刷条件の選択情報も入手し、パス数が大きいほどLkLLkインクの使用割合を多くして画像データに対応する画像の印刷物を印刷する。すなわち、バンディングが生じにくいパス数である4パスでは、従来よりもLkLLkインクの使用割合を増加させることができ、各種有彩色インクのインク吐出量のばらつき等の影響を少なくさせてグレーバランスを向上させることができるとともに、メタメリズムの点でも画質を向上させることが可能となる。
【0056】
ここで、図12の上段に示すように、有彩色インクからKインクに置き換えると、インクが濃くなる一方でドットが少なくなるので、粒状感が目立ってしまう。本発明のように、有彩色インクからLkLLkインクに置き換えると、Kインクと比べてインクが薄いので、形成されるドットが少なくなったとしても図の下段に示すようにドットの粒状感は目立たない。
また、図7で例示したように、各画素の階調データを順次色変換する際、色変換する対象画素の無彩色成分を表す階調値Nが所定の基準値G4’から高明度側となるときにはLkLLkインクのうちLLkインクのみを使用させるように色変換される。すると、画像の明るい部分ではLk,LLkの両インクのうち相対的に濃度が低いLLkインクのみが用いられる。図12の下段で示したように、画像の明るい部分で有彩色インクをLLkインクに置き換えることによって、より確実に高明度領域でドットの粒状感を目立たせないようにさせる。より高画質の画像が求められる最近では、より粒状性の良好な画質の画像を得ることを可能にさせる点で、特に有用な印刷制御装置となる。
また、色変換する対象画素の無彩色成分を表す階調値Nが所定の基準値G2’から低明度側となるときにはLkLLkインクのうちLkインクのみを使用させるように色変換される。画像の暗い部分ではLk,LLkの両インクのうち相対的に濃度が高いLkインクのみが用いられるので、濃度の低いLLkインクでは表現できない低明度領域を良好に表現することができ、より良好な画質の画像を得ることが可能となる。なお、後述するように、メディアの種類、解像度、ドットサイズに対応してインク使用割合を変更させる場合も、同様のことが言える。
このように、画像データに基づく画像の一行分を印刷させるパス数に対応して有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させることにより、バンディングを防ぎながらパス数に応じてドットの粒状感が目立たない適切な画質を得ることが可能となる。
【0057】
また、図10に示すように、メディアの種類が普通紙のときにはLcLmYインクに対するLkLLkインクの使用割合をスーパーファイン紙よりも大きくさせ、スーパーファイン紙のときにはLkLLkインクの使用割合を普通紙よりも小さくさせるように画像データ変換前後の対応関係を規定する。このようにするのは、普通紙のときにはバンディングが生じにくく、スーパーファイン紙のときはバンディングが生じやすいためである。スーパーファイン紙は普通紙と比べて横方向ににじみにくい材質とされているため、図13に示すように、同じインク吐出量にてメディア上に形成されるインク(例えば、LLkインク)のドット径は、普通紙よりもスーパーファイン紙のほうが小さくなる。なお、図の上段は普通紙に形成されたインクドットをメディアの断面視にて示しており、図の下段はスーパーファイン紙に形成されたインクドットをメディアの断面視にて示している。すると、図14に示すように、普通紙はスーパーファイン紙と比べてメディアに形成されるドット1個当たりの面積が大きくなる。
ここで、メディアに形成するドットの径は通常副走査ピッチよりも大きいため、スーパーファイン紙に形成されるドットの径は普通紙に形成されるドットの径よりも副走査ピッチに近くなる。したがって、スーパーファイン紙であるときには、飛行曲がりのあるノズルがあるとバンディングが生じやすいことになる。一方、普通紙であるときには、LkLLkインクの使用割合を多くしてもバンディングは生じにくい。そこで、メディア上に形成されるインクのドット径が副走査ピッチより大きいときに、同じ吐出量にてドット径が相対的に大きくなるメディアの種類である場合、グレーバランスを優先してLkLLKインクの使用割合を増加させ、ドットの粒状感が目立たない、より良好な画質にて画像が印刷されるようにする。
【0058】
図11に示すように、パス数が2パスである場合、メディアの種類がスーパーファイン紙であるときのLkLLkインクの使用量の最大量I3(例えば、約45%)は、メディアの種類が普通紙であるときのLkLLkインクの使用量の最大量I1(例えば、約60%)よりも小さくしてある。また、パス数が4パスである場合も、メディアの種類がスーパーファイン紙であるときのLkLLkインクの使用量の最大量I4は、普通紙であるときのLkLLkインクの使用量の最大量I2よりも小さくしてある。
【0059】
すると、メディアの種類が相対的にインクドット径の大きい普通紙であるとき、解像度が720×360dpi 、ドットサイズが大であれば、LUT選択処理ではLUTaまたはLUTbを選択し、色変換処理ではLcLmYインクに対してLkLLkインクの使用割合を多くさせるLUTa,bを参照して色変換する。一方、同解像度、同ドットサイズでメディアの種類が相対的にインクドット径の小さいスーパーファイン紙であるとき、LUT選択処理ではLUTcまたはLUTdを選択し、色変換処理ではLcLmYインクに対してLkLLkインクの使用割合を少なくさせるLUTc,dを参照して色変換する。このようにして、LcLmYインクとLkLLkインクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様からメディアの種類に対応する色変換態様で色変換される。そして、プリンタ20は、色変換され、ハーフトーン処理とラスタライズ処理が行われた画像データを入手するとともに印刷条件の選択情報も入手する。そして、メディア上に形成されるインクのドットの径が副走査ピッチより大きいとき、同じ吐出量にてメディア上に形成されるインクのドットの径が副走査ピッチより大きいほどLkLLkインクの使用割合を多くして画像データに対応する画像の印刷物を印刷する。すなわち、バンディングが生じにくいメディアの種類である普通紙では、従来よりもLkLLkインクの使用割合を増加させることができ、各種有彩色インクのインク吐出量のばらつき等の影響を少なくさせてグレーバランス等を向上させることができる。
従って、画像データに基づく画像が印刷されるメディアの種類に対応してインク使用割合を変更させることにより、バンディングを防ぎながらメディアの種類に応じてドットの粒状感が目立たない適切な画質を得ることが可能となる。
【0060】
さらに、図10に示すように、解像度が720×360dpi のときにはLcLmYインクに対するLkLLkインクの使用割合を720×720dpi のときよりも小さくさせ、720×720dpi のときにはLkLLkインクの使用割合を720×360dpi のときよりも大きくさせるように画像データ変換前後の対応関係を規定する。このようにするのは、図4で示したように、720×360dpi のときには筋状の隙間ができてバンディングが生じやすく、720×720dpi のときは筋状の隙間ができにくいのでバンディングが生じにくいためである。すると、720×720dpi では720×360dpi の場合と比べて、LkLLkインクの使用割合を多くしてもバンディングは生じない。そこで、高解像度の場合、グレーバランスを優先してLkLLkインクの使用割合を増加させ、ドットの粒状感が目立たない、より良好な画質にて画像が印刷されるようにする。
【0061】
パス数が2パスであり、かつ、ドットサイズが大である場合、解像度が720×720dpi であるときには4パスで使用するLUTb,dと概略同じLUTを使用する。図11を参照して説明すると、メディアの種類が普通紙である場合、解像度が720×720dpi であるときのLkLLkインクの使用量の最大量I2は、解像度が720×360dpi であるときのLkLLkインクの使用量の最大量I1よりも大きくしてある。スーパーファイン紙である場合も、同様である。
【0062】
すると、解像度が相対的に小さい720×360dpi であるとき、パス数が2パス、ドットサイズが大であれば、LUT選択処理ではLUTaまたはLUTcを選択し、色変換処理ではLcLmYインクに対してLkLLkインクの使用割合を少なくさせるLUTa,cを参照して色変換する。一方、同パス数、同ドットサイズで解像度が相対的に大きい720×720dpi であるとき、LUT選択処理ではLUTbまたはLUTdを選択し、色変換処理ではLcLmYインクに対してLkLLkインクの使用割合を多くさせるLUTb,dを参照して色変換する。このようにして、LcLmYインクとLkLLkインクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様から解像度に対応する色変換態様で色変換される。そして、プリンタ20は、色変換され、ハーフトーン処理とラスタライズ処理が行われた画像データを入手するとともに印刷条件の選択情報も入手し、解像度が大きいほどLkLLkインクの使用割合を多くして画像データに対応する画像の印刷物を印刷する。すなわち、バンディングが生じにくい解像度である720×720dpi では、従来よりもLkLLkインクの使用割合を増加させることができ、各種有彩色インクのインク吐出量のばらつき等の影響を少なくさせてグレーバランス等を向上させることができる。
従って、印刷させる解像度に応じてインク使用割合を変更させることにより、バンディングを防ぎながら解像度に応じてドットの粒状感が目立たない適切な画質を得ることが可能となる。
【0063】
さらに、図10に示すように、メディア上に形成されるインクのドット径がプリンタ20の副走査ピッチに近い(本実施形態では、小ドット)ときにはLcLmYインクに対するLkLLkインクの使用割合を小さくさせ、副走査ピッチから遠い(本実施形態では、大ドット)ときにはLkLLkインクの使用割合を大きくさせるように画像データ変換前後の対応関係を規定する。このようにするのは、図5で示したように、小ドットのドット径は大ドットのドット径よりも副走査ピッチに近く、小ドットを形成するときにはバンディングが生じやすいことによる。一方、大ドットを形成するときには、LkLLkインクの使用割合を多くしてもバンディングは生じにくい。そこで、メディア上に形成されるインクのドット径が副走査ピッチよりも大きいときに、ドットサイズが大きければ、グレーバランスを優先してLkLLkインクの使用割合を増加させ、ドットの粒状感が目立たない、より良好な画質にて画像が印刷されるようにする。
【0064】
パス数が4パスであり、かつ、解像度が720×360dpi である場合、ドット径が副走査ピッチより大きいときにドットサイズが小であれば2パスで使用するLUTa,cと概略同じLUTを使用する。図11を参照して説明すると、メディアの種類が普通紙である場合、ドットサイズが大であるときのLkLLkインクの使用量の最大量I2は、ドットサイズが小であるときのLkLLkインクの使用量の最大量I1よりも大きくしてある。スーパーファイン紙である場合も、同様である。
【0065】
すると、ドットサイズが小であるとき、パス数が4パス、解像度が720×360dpi であれば、LUT選択処理ではLUTaまたはLUTcを選択し、色変換処理ではLcLmYインクに対してLkLLkインクの使用割合を少なくさせるLUTa,cを参照して色変換する。一方、同パス数、同解像度で、ドット径が副走査ピッチよりも大きいときにドットサイズが大であれば、LUT選択処理ではLUTbまたはLUTdを選択し、色変換処理ではLcLmYインクに対してLkLLkインクの使用割合を多くさせるLUTb,dを参照して色変換する。このようにして、LcLmYインクとLkLLkインクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様からドットサイズに対応する色変換態様で色変換される。そして、プリンタ20は、色変換され、ハーフトーン処理とラスタライズ処理が行われた画像データを入手するとともに印刷条件の選択情報も入手し、ドットサイズが大きいほどLkLLkインクの使用割合を多くして画像データに対応する画像の印刷物を印刷する。すなわち、バンディングが生じにくいドットサイズである大ドットを形成するときには、従来よりもLkLLkインクの使用割合を増加させることができ、各種有彩色インクのインク吐出量のばらつき等の影響を少なくさせてグレーバランス等を向上させることができる。
従って、印刷させるドットサイズに応じてインク使用割合を変更させることにより、バンディングを防ぎながらドットサイズに応じてドットの粒状感が目立たない適切な画質を得ることが可能となる。
【0066】
以上説明したように、プリンタにて印刷される印刷物におけるバンディングの生じやすさに影響を与えるとして予め設定された複数の印刷条件のうち第一の画像データに対して設定された印刷条件に対応して有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させた色変換態様で画像データを色変換し、印刷制御を行うことにより、バンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たない良好な画質の画像を得ることが可能となる。特に、明度の高い領域において、効果的にバンディングを防ぎながらドットの粒状感の目立たないように画像の画質を向上させることが可能となる。なお、本発明では、LkLLkインクに置き換える有彩色インクを、Lcインク(低彩度のシアン系色インク)と、Lmインク(低彩度のマゼンタ系色インク)と、Yインク(高彩度のイエロー系色インク)とから構成している。CMインクよりもLcLmインクのほうが明度が高いのでドットの発生量が多くなり、バンディングを防ぎながら淡黒色インクの使用割合を増加させたときにより良好な画質の画像を得ることが可能となる。
なお、本プリンタ20のように、有彩色インクを5種類装着するカラー印刷可能な印刷装置の場合、低彩度のLcLmインクが備えられているので、専用の色インクを別途用意する必要はない。
【0067】
(4)第二の実施形態:
なお、本発明の印刷制御プログラムを実行可能な印刷制御装置と印刷装置は、様々な構成が可能である。
例えば、プリンタは、コンピュータと一体化されたものや、単色画像のみを印刷する専用品であってもよい。また、プリンタは少なくとも有彩色インクと淡黒色インクとを有する複数のインクを使用して印刷可能であればよいため、複数のインクは、Kが無いCMYLcLmLkLLkの組み合わせ、LcLmYLkLLkの組み合わせ、等、様々な組み合わせが可能である。さらに、LcLmについてはいずれかのインクのみを備えているものであってもよい。濃黄色インク(Dy)を備えたプリンタであってもよい。有彩色インクは、CMYLcLm以外のインクであってもよい。むろん、インクを吐出してドットを形成するピエゾ素子を用いたプリンタ以外にも、例えば、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタを使用してもよい。なお、複数のインクは、それぞれ別のインクカートリッジに充填されたものであってもよいし、一つのインクカートリッジに充填されたものであってもよい。
上述したフローについては、APL等が実現させるようにしてもよい。むろん、PC内で実行する以外にも、一部または全部をプリンタあるいは専用の画像出力装置で実行するようにしてもよい。
【0068】
プリンタに対してプリンタドライバによらずにパス数や解像度やドットサイズが設定されるようになっている場合等では、プリンタに印刷させるこれらの情報を印刷条件取得機能にて取得するにあたり、プリンタからパス数や解像度やドットサイズについての情報を入手することによりこれらの印刷条件を取得してもよい。メディアの種類についても同様のことが言える。
また、入力する画像データは、CMYに基づくデータであってもよい。この場合、所定のLUTを参照して、CMYに基づく画像データをCYMKLcLmLkLLkに基づく画像データに色変換すればよい。この他、C成分について所定のLUTを参照してCとLcとに分版し、M成分について別のLUTを参照してMとLmとに分版し、さらに、CMYLcLmを別のLUTを参照してCMYKLcLmLkLLkに色変換すればよい。むろん、CMYLcLmに基づく画像データを入力する場合には、所定のLUTを参照してCMYKLcLmLkLLkに色変換すればよい。
【0069】
さらに、有彩色インクを淡黒色インクに置き換えるとき、バンディングが生じやすいのは明度の高い領域である。そこで、色変換可能な色空間のうち所定の高明度領域のみ有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させるように色変換を行うようにしてもよい。
図15は、第二の実施形態にかかる印刷制御装置が行う処理で使用されるLUTのグレーレベルにおける対応関係の例を示している。なお、いずれも普通紙、720×360dpi 、かつ、大ドットに対応したLUTであり、左側のLUTa’は2パスに対応し、右側のLUTb’は4パスに対応している。
本LUTa’,b’は、グレーレベルが0%から増加しても、Kのインク使用量がほぼ0%となるまではLkは使用されない。また、明度の低い領域では、各インクの使用量は印刷条件であるパス数にかかわらず同じとなっている。そして、明度の高い所定の高明度領域のみ、LcLmYインクとLkLLkインクとの使用割合を変更させるように画像データの対応関係が規定されている。ここで、パス数が4パスのときのLkLLkインクの使用量の最大量I2’は、パス数が2パスのときのLkLLkインクの使用量の最大量I1’よりも大きくしてある。
【0070】
上記高明度領域は、図15を用いて説明すると、例えば、無彩色成分を表す階調量であるグレーレベルの階調値の相対値が所定の基準量G11(相対値)から高明度側(グレーレベルがG11〜100%の範囲)とすることができる。図のG11は50%の位置に描いているが、G11は50%以外であってもよい。RGB色空間内でR=G=Bのグレー軸からずれた領域については、RGBからなる色変換前の階調データの各階調値をR,G,Bで表し、階調データを色変換する対象画素の無彩色成分を表す階調量を階調値Nで表すとして、R,G,Bの平均値を階調値Nとし、この階調値Nが基準量G11に対応する所定の基準値G11’より大または以上となるRGB色空間内の領域を高明度領域とすることができる。LUTについては、N>G11’(またはN≧G11’)となるときのみLcLmYインクとLkLLkインクとの使用割合を変更させた色変換態様を規定しておけばよい。
また、図16に示すように、RGB色空間S1の内部できめ細やかに高明度領域S2を設けてもよい。同高明度領域S2は、R=G=B=255の点を含むとともに、少なくともR,G,Bの最小値が所定値Mr,Mg,Mb以上とされている。むろん、高明度領域は、様々な領域とすることができる。
【0071】
すると、パス数が2パスであるとき、メディアの種類が普通紙、解像度が720×360dpi 、ドットサイズが大であれば、S150のLUT選択処理ではLUTa’を選択し、S155の色変換処理ではLcLmYインクに対してLkLLkインクの使用割合を少なくさせる同LUTa’を参照して色変換する。すなわち、色変換可能なRGB色空間のうち所定の高明度領域のみLcLmYインクとLkLLkインクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち、取得された印刷条件に対応する色変換態様で色変換する。そして、プリンタ20は、色変換され、ハーフトーン処理とラスタライズ処理が行われた画像データを入手し、パス数が大きいほど高明度の領域においてLkLLkインクの使用割合を多くして画像データに対応する画像の印刷物を印刷する。すなわち、バンディングが生じにくいパス数である4パスでは、従来よりもLkLLkインクの使用割合を増加させることができ、各種有彩色インクのインク吐出量のばらつき等の影響を少なくさせてグレーバランス等を向上させることができる。また、LcLmYインクをLkLLkインクに置き換えるときに、バンディングが生じやすい高明度の領域のみインク使用割合を変更させることができ、バンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たない良好な画質の画像を得ることができる。
【0072】
なお、図17に示すように、Lk,LLkの両インクのうちLLkインクのみ使用割合を変更させ、Lkインクについては使用割合を変更させないように色変換態様を規定してもよい。すると、LcLmYインクとLLkインクのみとの使用割合を変更させる複数の色変換態様のうち、取得された印刷条件に対応する色変換態様で画像データが色変換される。ここで、淡黒色インクの使用割合を増加させるとき、Lk,LLkの両インクのうち濃度が相対的に低いLLkインクの使用割合が増加するので、ドットの粒状感が目立たない。従って、バンディングを防ぎながらドットの粒状感がさらに目立たないように画像の画質を向上させることが可能となる。
【0073】
(5)第三の実施形態:
ところで、印刷条件別とされた複数のLUTを使用せず、所定の換算式により印刷条件別に有彩色インクと淡黒色インクとの使用割合を変更させるようしてもよい。図18は、第三の実施形態にかかる印刷制御装置が行う色変換処理(換算式使用)をフローチャートにより示している。なお、本フローは、上記S150〜S155のLUT選択処理と色変換処理の代わりに行われるものである。また、Lcの1/3ドットとLmの1/3ドットとYの1/9ドットを合わせたものが、LLkの1ドットに相当するものとして色変換を行うことにしている。以下、CMYKLcLmLkLLkの画像データの各階調値をC、M、Y、K、Lc、Lm、Lk、LLkで表して、説明する。
【0074】
画像データを入力し、解像度を取得して解像度変換処理を行い、各種印刷条件を取得すると(上記S105〜S145に相当)、本フローを開始する。まず、HD14に記憶された所定のLUTを参照して、RGBからなる画像データをCMYKLcLmLkの7色からなる画像データに色変換する(S205)。次に、上記換算式に基づいてLc、Lm、YをLLkに換算する際に使用する換算係数Aを選択する(S210)。同換算係数Aは、図19に示すように、パス数別、メディアの種類別、解像度別、ドットサイズ別に設けられ、0≦A≦1の値とされている。なお、換算係数Aは、これらの印刷条件別に全て異なる値である必要はなく、異なる印刷条件であっても同じ値とされてもよい。
ここでも、印刷条件別とされた換算係数Aを設定するにあたり、プリンタ20にて印刷される印刷物におけるバンディングの生じやすさを考慮している。例えば、パス数が小さいほどバンディングは生じやすいため、2パスのときにはLcLmYインクからLLkインクへの換算量を小さくし、4パスのときにはLLkインクへの換算量を大きくするように換算係数Aを設定する。パス数以外の印刷条件が普通紙、720×360dpi 、ドットサイズ大である場合の換算係数A1,A13は、A1<A13となるようにしてある。メディアの種類がスーパーファイン紙になったときの換算係数A7,A19は、A7<A19となるようにしてある。
【0075】
その後、Lc×3とLm×3とY×9とから最小値MINを取得する(S215)。ここで、最小値MINは、LLk成分に置き換えることができる最大値となる。
そして、以下の式のように、最小値MINに換算係数Aを乗じた値を、LLkとする(S220)。
LLk=A×MIN ・・・(1)
また、換算後のLc、Lm、YをLc’、Lm’、Y’で表すことにして、以下の式によりLc’、Lm’、Y’を算出し(S225)、本フローを終了する。
Lc’=Lc−A×MIN/3 ・・・(2)
Lm’=Lm−A×MIN/3 ・・・(3)
Y’ =Y −A×MIN/9 ・・・(4)
すると、プリンタ20は、色変換され、ハーフトーン処理とラスタライズ処理が行われた画像データを入手し、印刷条件に対応して変更したLcLmYインクとLLkインクとの使用割合で画像データに対応する画像の印刷物を印刷する。例えば、バンディングが生じにくいパス数である4パスでは、従来よりもLLkインクの使用割合を増加させることができ、各種有彩色インクのインク吐出量のばらつき等の影響を少なくさせてグレーバランス等を向上させることができる。その結果、バンディングを防ぎながらドットの粒状性の良好な画質の画像を得ることが可能となる。
【0076】
なお、1ドットのLLkに置き換えるLc、Lm、Yのそれぞれのドット数は、インクの種類に応じて適宜変更可能である。その際、S215では1ドットのLLkに置き換えるLc、Lm、Yのドット数の逆数を係数としてそれぞれLc、Lm、Yに乗じた値の最小値MINを取得し、S225では上記式(2)〜(4)のA×MINをそれぞれS215のLc、Lm、Yの係数で除した値を換算前のLc、Lm、Yから差し引くことによりLc’、Lm’、Y’を算出することができる。
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、バンディングを防ぎながらドットの粒状感が目立たない良好な画質の画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態における印刷システムの概略ブロック構成図。
【図2】プリンタのブロック構成をPCとともに示す図。
【図3】画像の一行分を印刷するパス数を説明する模式図。
【図4】画像を印刷する解像度を説明する模式図。
【図5】駆動信号の電圧差とインクのドットサイズとの関係を示す図。
【図6】印刷制御装置の概略構成を模式的に示す図。
【図7】グレーレベルにおけるLUTの対応関係の一例を示す図。
【図8】印刷条件別にLUTが設けられていることを示す図。
【図9】印刷制御を行う処理を示すフローチャート。
【図10】バンディングの生じやすさとLkLLkインクの使用割合との関係を示す図。
【図11】複数のLUTのグレーレベルにおける対応関係の例を示す図。
【図12】KインクとLLkインクとのドットの粒状感の違いを説明する図。
【図13】メディアに形成されるドットの径をメディアの断面視にて示す模式図。
【図14】メディアの種類により形成されるドットの違いを説明する模式図。
【図15】第二の実施形態において、複数のLUTのグレーレベルにおける対応関係の例を示す図。
【図16】RGB色空間内の高明度領域を示す模式図。
【図17】変形例において、複数のLUTのグレーレベルにおける対応関係の例を示す図。
【図18】第三の実施形態にかかる印刷制御装置が行う色変換処理を示すフローチャート。
【図19】印刷条件別に換算係数が設けられていることを示す図。
【符号の説明】
10…パーソナルコンピュータ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク、14a…印刷条件、14b…色変換態様、20…インクジェットプリンタ、100…印刷システム、S1…RGB色空間、S2…所定の高明度領域、U1…印刷条件取得手段、U2…色変換手段、U3…印刷制御手段、U4…記憶手段

Claims (16)

  1. 少なくとも有彩色インクおよび淡黒色インクが含まれる複数のインクを使用して印刷可能な印刷装置に対して印刷制御を行う際、同有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを入力し、同印刷装置に対して同複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換することにより印刷制御を行う印刷制御装置であって、
    上記淡黒色インクは、第一の淡黒色インクと、この第一の淡黒色インクよりも濃度が低い第二の淡黒色インクとから構成され、
    上記第一の画像データに対して設定された印刷条件を取得する印刷条件取得手段と、
    上記印刷条件に対応して設けられているとともに上記有彩色インクと上記第二の淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得手段にて取得された印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換する色変換手段と、
    色変換された第二の画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  2. 上記印刷条件取得手段は、上記印刷装置にて印刷される印刷物におけるバンディングの生じやすさに影響を与えるものとして予め設けられた複数の印刷条件のうち、上記第一の画像データに対して設定された印刷条件を取得することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 上記色変換手段は、上記第一の画像データを構成する各画素の階調データを順次色変換する際、色変換する対象画素の無彩色成分を表す階調量が所定の基準量から高明度側となるときには上記淡黒色インクのうち上記第二の淡黒色インクのみを使用させるように色変換することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷制御装置。
  4. 上記色変換手段は、上記印刷条件に対応して設けられているとともに上記有彩色インクと上記第一および第二の淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得手段にて取得された印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  5. 上記色変換手段は、上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換する際、色変換可能な色空間のうち所定の高明度領域のみ上記有彩色インクと上記淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得手段にて取得された印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で色変換することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  6. 上記印刷装置は、複数種類のパス数の中から設定されたパス数で上記第二の画像データに対応する画像の一行分を印刷する装置であり、
    上記印刷条件取得手段は、上記第一の画像データに対して設定されたパス数を上記印刷条件として取得し、
    上記色変換手段は、上記パス数に対応して設けられているとともに上記有彩色インクと上記淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得手段にて取得されたパス数に対応する色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  7. 上記色変換手段は、上記パス数が大きいほど上記淡黒色インクの使用割合を増加させることを特徴とする請求項6に記載の印刷制御装置。
  8. 上記印刷条件取得手段は、上記第二の画像データに対応する画像を印刷可能な複数のメディアの種類のうち、上記第一の画像データに対して設定されたメディアの種類を上記印刷条件として取得し、
    上記色変換手段は、上記メディアの種類に対応して設けられているとともに上記有彩色インクと上記淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得手段にて取得されたメディアの種類に対応する色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  9. 上記色変換手段は、上記メディア上に形成されるインクのドット径が上記印刷装置の副走査ピッチより大きく、上記メディアの種類が、同じ吐出量にて形成されるインクのドット径が相対的に大きくなる種類であるとき、上記淡黒色インクの使用割合を増加させることを特徴とする請求項8に記載の印刷制御装置。
  10. 上記印刷装置は、複数種類の解像度の中から設定された解像度で上記第二の画像データに対応する画像を印刷する装置であり、
    上記印刷条件取得手段は、上記第一の画像データに対して設定された解像度を上記印刷条件として取得し、
    上記色変換手段は、上記解像度に対応して設けられているとともに上記有彩色インクと上記淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得手段にて取得された解像度に対応する色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  11. 上記色変換手段は、上記解像度が大きいほど上記淡黒色インクの使用割合を増加させることを特徴とする請求項10に記載の印刷制御装置。
  12. 上記印刷装置は、複数種類のドットサイズの中から設定されたドットサイズで上記複数のインクを使用して上記第二の画像データに対応する画像を印刷する装置であり、
    上記印刷条件取得手段は、上記第一の画像データに対して設定されたドットサイズを取得し、
    上記色変換手段は、上記ドットサイズに対応して設けられているとともに上記有彩色インクと上記淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得手段にて取得されたドットサイズに対応する色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の印刷制御装置。
  13. 上記色変換手段は、上記メディア上に形成されるインクのドット径が上記印刷装置の副走査ピッチより大きいとき、上記ドットサイズが大きいほど上記淡黒色インクの使用割合を増加させることを特徴とする請求項12に記載の印刷制御装置。
  14. 少なくとも有彩色インクおよび淡黒色インクが含まれる複数のインクを使用して印刷可能な印刷装置に対して印刷制御を行う際、同有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを入力し、同印刷装置に対して同複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換することにより印刷制御を行う印刷制御装置であって、
    上記淡黒色インクは、第一の淡黒色インクと、この第一の淡黒色インクよりも濃度が低い第二の淡黒色インクとから構成され、
    上記印刷装置にて印刷される印刷物におけるバンディングの生じやすさに影響を与えるものとして予め設けられた複数の印刷条件を記憶しているとともに、上記有彩色インクと上記第二の淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様を同複数の印刷条件に対応付けて記憶した記憶手段と、
    記憶された上記複数の印刷条件のうち、上記第一の画像データに対して設定された印刷条件を取得する印刷条件取得手段と、
    上記記憶手段にて記憶された上記複数の色変換態様の中から上記印刷条件取得手段にて取得された印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様を特定し、特定した色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換する色変換手段と、
    色変換された第二の画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  15. 少なくとも有彩色インクおよび淡黒色インクが含まれる複数のインクを使用して印刷可能な印刷装置に対して印刷制御を行う際、同有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを入力し、同印刷装置に対して同複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換することにより印刷制御を行う印刷制御方法であって、
    上記淡黒色インクは、第一の淡黒色インクと、この第一の淡黒色インクよりも濃度が低い第二の淡黒色インクとから構成され、
    上記第一の画像データに対して設定された印刷条件を取得する印刷条件取得工程と、
    上記印刷条件に対応して設けられているとともに上記有彩色インクと上記第二の淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得工程にて取得された印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換する色変換工程と、
    色変換された第二の画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。
  16. 少なくとも有彩色インクおよび淡黒色インクが含まれる複数のインクを使用して印刷可能な印刷装置に対して印刷制御を行う際、同有彩色インクおよび淡黒色インクとは異なる色の組み合わせに対応した第一の画像データを入力し、同印刷装置に対して同複数のインクのそれぞれに対応した第二の画像データに色変換することにより印刷制御を行う機能をコンピュータに実現させる印刷制御プログラムであって、
    上記淡黒色インクは、第一の淡黒色インクと、この第一の淡黒色インクよりも濃度が低い第二の淡黒色インクとから構成され、
    上記第一の画像データに対して設定された印刷条件を取得する印刷条件取得機能と、
    上記印刷条件に対応して設けられているとともに上記有彩色インクと上記第二の淡黒色インクとの使用割合を変更させた複数の色変換態様のうち上記印刷条件取得機能にて取得された印刷条件に応じて印刷物におけるバンディングを生じにくくさせる色変換態様で上記第一の画像データを上記第二の画像データに色変換する色変換機能と、
    色変換された第二の画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御機能とを実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
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