JP2005007591A - 印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインク量決定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有色インクに対して無色インクを付加して印刷するにあたり、単純に無色インクを加えるのみでは各印刷条件で好ましい画質とすることが困難であった。
【解決手段】色剤を含む有色インクと色剤を含まない無色インクとを印刷媒体上に記録して画像を形成するにあたり複数の印刷条件によって画像を形成可能な印刷装置において、上記無色インクの量を所定の基準に対して所定の比率として有色インクとともに上記印刷媒体に記録するに際し、上記印刷条件によって上記所定の比率を異なる値として上記印刷媒体に記録する各インクの量を決定し、同決定されたインク量で画像を形成するように印刷装置を駆動する。
【選択図】 図3
【解決手段】色剤を含む有色インクと色剤を含まない無色インクとを印刷媒体上に記録して画像を形成するにあたり複数の印刷条件によって画像を形成可能な印刷装置において、上記無色インクの量を所定の基準に対して所定の比率として有色インクとともに上記印刷媒体に記録するに際し、上記印刷条件によって上記所定の比率を異なる値として上記印刷媒体に記録する各インクの量を決定し、同決定されたインク量で画像を形成するように印刷装置を駆動する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインク量決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置によって形成される画像においては印刷媒体の種類によって画質が大きく異なるので、画像を印刷する際にはユーザがその用途に応じて印刷媒体の種類を使い分けることが多い。印刷媒体には多くの種類があるが、例えば、光沢紙と普通紙のように光沢の異なる媒体が存在し、写真等の高画質印刷に光沢紙を利用し、最高の画質を要求しないときに普通紙を利用するなどしている。光沢紙においては、インクを多く記録すると光沢が強く感じられるが、このインクの記録量が少ないと光沢が感じられにくく、インク量によって光沢にムラが生じることがある。そこで、従来、特許文献1に記載された色剤を含まない無色インクを有色インクと共に使用して、安定的に画質改善を行うことが行われていた(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−60059号公報
【特許文献2】
特願2003−66997号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術においては、有色インクのインク量が少ない部位に無色インクを記録することにより画質改善効果が望めるものの、実際の印刷装置においては、種々のモードを備えるなど多くの印刷条件が存在し、単純に無色インクの量を規定するのみでは各印刷条件で好ましい画質とすることが困難であった。
すなわち、従来の技術によって複数の印刷条件で複数の画像を印刷したときに、各画像単体で見ると確かに低インク量の部位でも光沢を有していて画質が改善されるものの、複数の画像同士で比較するとそれぞれの光沢が異なるなどして画像の印象を統一することができず、すべての画像で良好な画質にすることが困難であった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、異なる印刷条件においても高画質の印刷物を得ることが可能な印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインク量決定方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、本発明では印刷条件毎に無色インクの量を規定する所定の比率を異なる値とする。すなわち、所定の基準に対して所定の比率となるように無色インクの量を規定するが、この比率を印刷条件によって変えることにより、各印刷条件毎に好ましい量で無色インクを記録することができ、これにより異なる印刷条件で印刷した場合に各印刷条件のすべてで高画質の印刷物を得ることが可能になる。また、異なる印刷条件での印刷物同士で画質や色の見え方を統一することができる。
【0006】
ここで、有色インクとしては溶媒内に有色の色剤が含まれたインクであって、印刷媒体に記録されたときに有色の色として見えるインクであればよい。無色インクは、有色インクの発色性を改善させることができるインクであればよく、例えば有色インクと同様の光沢を有し、色剤が含まれないことによって無色透明のインクを採用可能である。より具体的には、特開平8−60059号公報に記載のインク等を使用することができる。これらのインクによれば、光沢紙における光沢ムラを低減することができるし、耐水性、耐光性を向上させることができる。
【0007】
光沢ムラを低減するという意味では、有色インクの記録量が少なく、有色インクのみでは他の部位より光沢が小さくなるような部位に無色インクを比較的多く記録するのが好ましく、有色インクの記録率が小さな所定の値以下である場合に無色インクの記録率が大きくなるように上記所定の比率が規定されていることが好ましい。さらに、無色インクによって光沢を加えることにより、有色インクの組み合わせによって表現可能な色の領域、すなわち、色域を広くすることができる。従って、この意味でも画質が向上する。むろん、印刷条件によって光沢が異なると言うことは同じデータで印刷したときの色も異なりうると言うことなので、異なる印刷条件のそれぞれにおいて印刷を実施したときに色の見え方も統一されるように無色インクを記録するように、所定の比率を決定することが好ましい。
【0008】
印刷条件は、印刷装置において印刷を実行する際に予め設定を要する各種条件を含むが、本発明においては、少なくとも同じ画像データについて共通の比率で無色インクの量を特定して印刷を実施したときに光沢、色の見え方が異なるような条件であればよい。印刷条件としては、印刷装置にてサポートする印刷解像度,インクの種類(カラーやモノクロ等),印刷媒体の種類,印刷品質(きれい、はやい等),カラーマネジメントの種類(自動調整の可否やディスプレイの色域を超えた色の使用可否等),双方向印刷の可否などが想定される。
【0009】
むろん、これら条件のいずれかが異なる場合に上記所定の比率を異なる値としてもよいしこれら条件のいくつかが異なる場合に上記所定の比率を異なる値としてもよい。これら条件が異なる特定の条件同士で比較したときに得られる光沢、色の見え方が共通であれば、上記所定の比率を同じ値としてよい。尚、所定の比率としては、有色インクのインク量に対する比率であってもよいし、単位面積当たりに記録可能なインク量に対する比率であってもよい。前者の場合は所定の基準が有色インクのインク量になるし、後者の場合は所定の基準が印刷媒体上の単位面積当たりに記録可能なインク量になる。
【0010】
インク量決定手段においては、印刷対象の画像を形成するために印刷媒体に記録する各インクの量を決定することができればよく、印刷条件毎に予め決められた色変換テーブルによって印刷対象画像の色を特定の表色系で表現した画像データについて印刷装置で使用するインクで色を指定した表色系に色変換する際に有色インクと無色インクとのインク量を決定する構成等、種々の構成を採用可能である。むろん、色変換テーブル以外にも、両表色系を関数によって対応づけたプロファイルによって色変換を行う構成等種々の構成を採用可能である。
【0011】
尚、通常の印刷装置においては、色変換によってインク毎の階調値を取得した後にハーフトーン処理を行って当該階調値に対応したインク記録率でインクを記録するように構成する。従って、色変換によって各インクの階調値を取得することによってインク量を決定しているといえる。具体的には、各インクの階調値0〜最大階調値までが各色毎のインク記録率0〜100%に対応しており、ハーフトーン処理ではこのインク記録率でインクが記録されるように各画素毎のインク使用量を決定する。
【0012】
インク量決定手段における好適な構成例として、印刷解像度が異なる印刷条件同士では上述の所定の比率を変更し、印刷解像度毎に無色インクの量を調整する構成を採用可能である。すなわち、印刷解像度が異なると単位面積当たりの画素数が異なることにより、異なる解像度について同じインク記録率を考えたとき、各解像度で一画素当たりのインク量が共通であれば単位面積当たりで印刷媒体がインクに覆われる部位の面積が大きく異なることになる。
【0013】
同じインク記録率で印刷媒体がインクに覆われる部位の面積が異なると色が異なってしまうので、一般的には一画素当たりのインク量を異なる値にする。また、印刷解像度毎に異なる色変換テーブルを予め用意し、印刷解像度毎に異なる色変換結果を得るようにすることもある。いずれにしても、印刷解像度が異なるときには同じ画像データを印刷するために使用される有色インクの量が異なるので、印刷解像度が異なる場合に所定の比率を異なる値として無色インクの量を変更することで印刷解像度毎の光沢差、色の差を解消することができる。
【0014】
さらに、インク量決定手段における好適な構成例として、印刷媒体の単位面積当たりで上記有色インクが占める面積が印刷条件毎に異なる場合に上記所定の比率を変更し、当該有色インクが占める面積に応じて無色インクの量を調整する構成を採用可能である。すなわち、同じ画像データを印刷するとしても印刷条件によって印刷媒体の単位面積当たりで上記有色インクが占める面積が異なる場合があり、この場合に無色インクの量を調整する。かかる構成によれば、印刷条件によって印刷媒体の単位面積当たりで上記有色インクが占める面積に差異が生じていてもそれぞれの印刷物で光沢差、色の差を解消することができる。
【0015】
尚、印刷条件によって印刷媒体の単位面積当たりで上記有色インクが占める面積に差異が生じる状況としては、一画素当たりのインク量が異なる場合や印刷媒体が異なることによりインクが印刷媒体に付着する様子が異なる場合、印刷時の温度,湿度によってインクの粘性が異なる場合、印刷媒体の温度,湿度によってインクが印刷媒体に付着する様子が異なる場合など、種々の状況がある。
【0016】
さらに、インク量決定手段における好適な構成例として、一画素当たりに記録するインク重量が印刷条件によって異なる場合に上記所定の比率を変更し、当該有色インクが占める面積に応じて無色インクの量を調整する構成を採用可能である。すなわち、同じ画像データを印刷するとしても印刷条件によって一画素当たりに記録するインク重量が異なる場合があり、この場合に無色インクの量を調整する。かかる構成によれば、印刷条件によって一画素当たりに記録するインク重量が異なっていてもそれぞれの印刷物で光沢差、色の差を解消することができる。一画素当たりに記録するインク重量が異なる状況は、インクが充填されたヘッドにおいてインクを吐出する際にインクに作用させる力が異なる場合など種々の状況がある。
【0017】
印刷条件によって上記所定の比率を変更する際には、印刷条件の変化に合わせて、すなわち、共通の印刷条件項目についてその項目の設定値が変化する傾向に合わせて所定の比率を決定してもよい。かかる構成によれば、容易に印刷条件の変化に応じて無色インクの量を決定することができ、各印刷条件での印刷物で光沢差、色の差を解消することができる。印刷条件によって所定の比率を変更する程度としては、当該所定の比率を変更、すなわち、無色インクの使用量を変更して各印刷条件について試し印刷を行い、各印刷条件で光沢、色に差異が生じないような比率を見つけだしてもよいし、試し印刷によって印刷条件と上記所定の比率とによる印刷物の光沢、色の相関を算出し、この相関に従って上記所定の比率を決定するように構成してもよく、種々の構成を採用可能である。
【0018】
尚、印刷条件としては上述のように種々の条件があるが、印刷条件がどのように設定されているのかを判別するための構成は種々の構成を採用可能である。例えば、印刷を実行する前に所定の表示装置にUIを表示するとともに印刷条件項目に対する入力を実行可能に構成し、ユーザーの入力によって設定された印刷条件を取得するような構成を採用可能である。また、すべての印刷条件をユーザーの入力で設定する構成に限らず、ユーザーが設定しない項目はデフォルトの印刷条件を利用する構成を採用可能であるし、すべてデフォルトで設定された印刷条件で印刷を実行する構成を採用可能であり、このような場合も印刷実行時の印刷条件を取得すればよい。
【0019】
無色インクの量は上記所定の比率を異なる値にすることによって調整されるが、この所定の比率として好適な構成として、単位面積当たりに記録可能な無色インクの最大インク記録率に対する比率を採用可能である。すなわち、単位面積当たりに記録可能な無色インクの最大インク記録率は、単位面積当たりに記録される無色インクの上限であり、これに対する比率で無色インクを調整することにより容易に最大インク記録率と比較しながら無色インク量を規定することができる。一般に、印刷媒体においては媒体上に記録可能な最大インク記録率(各インクの和)が決められるので、当該媒体上に記録可能な最大インク記録率との比較が容易という意味でも好ましい。
【0020】
また、上述のように色変換によって各インクの量を決める構成においては各インクのインク記録率は上述のように色変換後の階調値によって決められるので、無色インクの量も当該色変換によって実施する構成とすれば、階調値によって容易に上記所定の比率を決めることができ、容易にインク量を調整することができる。
【0021】
当該所定の比率が単位面積当たりに記録可能な無色インクの最大インク記録率に対する比率であるとき、さらにこの比率を単位面積当たりに記録される有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有限の値となる比率とすると好ましい。すなわち、無色インクに関する所定の比率は、有色インクの記録率に対して相関を持たせてあり、少なくとも単位面積当たりに記録される有色インクの記録率が所定の値以下の値域では、無色インクに関する所定の比率を有限として無色インクが有限量記録されるようにする。
【0022】
上述のように、光沢紙において有色インクの記録率が小さく、有色インクのみでは他の部位より光沢が小さくなるような部位に無色インクを比較的多く記録するのが好ましく、単位面積当たりに記録される有色インクの記録率が所定の値以下の値域で無色インクに関する所定の比率を有限の値とすることにより、容易に光沢ムラを抑えることができる。
【0023】
さらに、単位面積当たりに記録される有色インクの記録率が所定の値以下の値域で無色インクに関する所定の比率を有限の値とするに当たり、有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有色インクと無色インクとの記録率の和が略同一になるよう上記所定の比率を変化させる。インクによって得られる印刷媒体の光沢は、有色インクと無色インクとの双方によって決められるが、有色インクの記録率が所定の値以下の値域で両者のインク記録率の和が略同一であることにより、当該所定の値以下の値域で光沢が略一定になる。この結果、光沢ムラが抑えられる。本発明においては、有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有色および無色インクの記録率の和が略同一であるとしても、この所定の値および和の値を印刷条件毎に変更する。この結果、印刷条件毎に光沢に差が生じないようにすることができる。
【0024】
さらに、所定の比率を調整することにより、無色インクの量を調整可能である関係上、上述のように有色および無色インクの記録率の和が略同一になるように構成する他、種々の構成を採用可能である。すなわち、このように略同一とするよりも印刷条件毎により細かい調整を行った方が好ましい場合もあり、このような場合に有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有色インクと無色インクとの記録率の和を逓増、低減させる様子を変えたり、一律とする場合の値を変えたり、上記所定の値を変えることにより、より詳細な調整をすることができる。これにより、有色インク記録率の変化に起因して光沢ムラが生じる場合やこの光沢ムラの生じる様子が印刷条件毎に異なる場合であっても対応して光沢ムラを解消することができる。
【0025】
このように無色インクの量を規定する所定の比率を印刷条件毎に調整する手法は必ずしも実体のある装置に限られるものではなく、請求項9に記載した発明のように方法の発明としても有効である。また、上述の印刷制御装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としては、各種の態様を含むものである。また、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
【0026】
発明の思想の具現化例として印刷制御装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用される。むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。むろん、請求項10に記載した発明のようにプログラムの発明として特定することもできる。
【0027】
さらに、印刷装置におけるインク量を決定する手法として請求項11にかかるインク量決定方法として発明を特定することも可能である。すなわち、印刷装置毎に印刷条件が異なる場合や、同一機種において印刷モードが異なることによって印刷条件が異なる場合において、印刷条件毎に上記所定の比率を異なる値とすることにより、各場合において確実に光沢ムラを解消することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)印刷制御装置の構成:
(2)印刷制御処理:
(3)インク記録率の詳細:
(4)他の実施形態:
【0029】
(1)印刷制御装置の構成:
図1は本発明にかかる印刷制御装置となるコンピュータの概略構成を示すブロック図である。コンピュータ10は演算処理の中枢をなす図示しないCPUや記憶媒体としてのROMやRAM等を備えており、HDD15等の周辺機器を利用しながら所定のプログラムを実行することができる。コンピュータ10にはシリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、プリンタ40とはUSB用I/O19bを介して接続されている。
【0030】
本実施形態におけるプリンタ40は複数色のインクを充填するインクカートリッジを色毎に着脱可能な機構を備えており、この機構にCMYKlclmCL(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック,ライトシアン,ライトマゼンタ,無色インク(クリアインク))の各インクのカートリッジ41a〜41gを搭載する。CMYKlclmの各インクは溶媒内に有色の色剤が混入しており、印刷媒体に記録されたときに各色剤の色を発色する有色インクである。プリンタ40においては、これらの有色インクを組み合わせて多数の色を形成可能であり、これにより印刷媒体上に画像を形成する。
【0031】
CLインクはこれら有色インクで形成される画像の画質を向上するためのインクであり、本実施形態においては各有色インクと同様の光沢を有するとともに溶媒内に有色の色剤が存在しないことによって無色になっている。当該CLインクは有色インクとともに使用されることにより、有色インクが少なく光沢が少ない部位に光沢を付加することができ、発色を改善することができる。具体的には、CLインクを使用しない状態と比較してプリンタ40にて印刷可能な色の色域を広くすることができる。
【0032】
尚、CLインクはこのような光沢差の解消以外にも種々の利点があり、有色インクとともに記録されることにより、有色インクのみの状態と比較して耐水性、耐光性を向上することが可能である。本実施形態におけるプリンタ40は、いわゆるインクジェット方式のプリンタであり、各インクが充填されたヘッドの内部でインクに対して力を作用させ各インクを吐出する。このとき、ピエゾ素子に対して電圧を印加してインクに対して吐出力を作用させてもよいし、ヘッド内でバブルを形成してインクに対して吐出力を作用させてもよい。
【0033】
本実施形態においては、一回当たりのCMYKlclmCLの各インク滴の吐出量が一定の場合について説明するが、むろん、インク滴の吐出量を3段階に変化させる構成など種々の構成に本発明を適用することが可能である。また、インクジェット方式の他にもレーザー方式等、種々のプリンタに対して本発明を適用可能である。さらに、図1に示すようにCMYKlclmの6色の有色インクを使用する構成が必須ではなく、CMYKの4色やCMYKlclmDY(ダークイエロー)の7色を使用する構成であってもよい。むろん、他の色、例えばR(レッド)やV(バイオレット)をlclmインクの代わりに使用してもよいし、Kインクについて濃淡インクを使用してもよい。
【0034】
本コンピュータ10の構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものを採用することができる。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパーソナルコンピュータに限定されるものではない。この実施形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータであるが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。また、コンピュータ10とプリンタ40の接続インタフェースも上述のものに限る必要はなくパラレルインタフェースやSCSI接続,無線接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
【0035】
さらに、本実施形態においてはコンピュータ10によって印刷制御装置を構成しているが、プリンタ40に搭載するプログラム実行環境によって本発明にかかる印刷制御処理を実施可能に構成し、プリンタ40に対して直接的に接続されるデジタルカメラから画像データを取得して印刷制御処理を行ってもよい。むろん、同様の構成においてデジタルカメラにて印刷制御処理を実施してもよいし、他にも分散処理によって本発明にかかる印刷制御処理を実施するなど種々の構成を採用可能である。画像を取り込むスキャナと画像を印刷するプリンタとが一体となったいわゆる複合機において本発明にかかる印刷制御処理を行ってもよい。
【0036】
本実施形態にかかるコンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。ディスプレイDRV23はディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22はシリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
【0037】
APL25は、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者は当該APL25の実行下において上記操作用入力機器を操作して当該カラー画像をプリンタ40にて印刷させることができる。すなわち、APL25は利用者の指示によりHDD15に記録された画像データ15aをRAMに読み出して、ディスプレイDRV23を介して当該画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。利用者が上記入力機器を操作するとその操作内容が入力機器DRV22を介して取得されて内容が解釈されるようになっており、APL25はその操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行う。
【0038】
上記画像データ15aはRGB(レッド,グリーン,ブルー)の各色成分を階調表現して各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、本実施形態では各色256階調であり、sRGB規格に従った表色系を採用した画像データである。本実施形態においてはこの画像データ15aを例にして説明するが、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データやCMYK表色系を採用した画像データ等、種々のデータを採用可能である。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等について本発明を適用することもできる。
【0039】
APL25にて印刷指示がなされると上記PRTDRV21が駆動され、PRTDRV21はディスプレイDRV23にデータを送出して、図示しないUIを表示する。利用者は上記キーボード31やマウス32等を操作し、このUIによって印刷を実行する際に必要な印刷条件、すなわち、印刷解像度,インクの種類(カラー、モノクロの選択),印刷媒体の種類,印刷品質(きれい、はやい等),カラーマネジメントの種類(自動調整の可否やディスプレイの色域を超えた色の使用可否等),双方向印刷の可否につき、所望の設定にする。
【0040】
利用者が設定を行わない印刷条件項目については前回の値をデフォルトとして設定する。利用者が当該UIにて印刷条件の設定を行うと、上記PRTDRV21の各モジュールが起動され、各モジュールによって上記画像データ15aの各画素データに対する処理が実施され、印刷条件に応じた印刷データが生成される。生成された印刷データはUSB用I/O19bを介してプリンタ40に出力され、プリンタ40は当該印刷データに基づいて印刷を実行する。
【0041】
(2)印刷制御処理:
より具体的には、PRTDRV21は印刷を実行するために画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えており、図2に示すフローに従って印刷制御処理を実施する。上記APL25で画像データ15aを読み出し、レタッチ処理等の後に印刷実行指示がなされると、上述の印刷条件設定がなされ、上記PRTDRV21が起動される。そして、上記画像データ取得モジュール21aは上記APL25によって印刷実行指示がなされた画像を示す画像データ15aをステップS100にて取得する。このとき、画像データ15aの画素数に過不足があれば印刷に必要な画素を確保するため適宜解像度変換処理を行う。
【0042】
色変換モジュール21bは各画素の色を示す表色系を変換するモジュールであり、HDD15に記録されたLUT(色変換テーブル)15b〜15nのいずれかを参照して画像データ15aのsRGB表色系をプリンタ40が搭載するインク(CMYKlclmCL)を成分とするCMYKlclmCL表色系に変換する。本実施形態において、LUT15b〜15nはsRGB表色系とCMYKlclmCL表色系とのそれぞれによって色を階調表現するとともに両者を対応づけ、複数の色についてこの対応関係を記述したテーブルである。従って、sRGB表色系で表現した任意の色に関し、その周りの色であってLUT15b〜15nに規定されたsRGBの色を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCMYKlclmCL表色系の色を算出することができ、色変換を実施することができる。
【0043】
但し、sRGB表色系での色はRGBの各階調値によって一義的に特定されるが、CMYKlclmCL表色系での色はCMYKlclmCLの各階調値が同一であるとしても印刷条件によって異なるので、印刷条件毎にLUTが作成され、LUT15b〜15nとして予めHDD15に記録されている。LUT15b〜15nが印刷条件毎に予め作成されているので、各LUTに規定するCLの階調値を調整することにより、印刷条件毎に無色のCLインク量を調整することができる。より具体的には、有色インクであるCMYKlclmの階調値が共通のもの同士で比較したとしても、印刷条件によってはCLの階調値が異なるようになっている。
【0044】
すなわち、この階調値によって決められる所定の比率でCLインクの量を規定しCLインクとともに有色インクを記録するようになっており、この構成によって印刷条件が異なっていても光沢に差異を生じさせずに印刷を実行することが可能になっている。尚、実際に色を発色するのはCMYKlclmの各インクであるが、CLインクを記録する状態と記録しない状態とでは印刷媒体上の発色が変わるので、CLインクが無色であるものの、CMYKlclmCL表色系としてCLが含まれた状態でLUTを規定し、CLが含まれた状態に変換することを色変換としている。
【0045】
尚、本実施形態におけるLUT15b〜15nは、CMYKlclmCLの各インクを組み合わせて得られる複数の色についてパッチを印刷し、当該パッチを測色することによってRGB表色系での色との対応関係を規定して作成されているが、本発明においてかかる構成が必須になるわけではない。すなわち、本発明においては有色インクとともにCLインクを記録する構成において、印刷条件毎に所定の基準に対するCLインクの比率を変更することができればよい。従って、LUTにおいてはCLインクを除いたCMYKlclm表色系とsRGB表色系について対応関係を規定し、色変換後のCMYKlclmデータからインク記録率を算出すると共に、各インク記録率に応じてCLインクを付加する構成を採用してもよい。
【0046】
いずれにしても、HDD15には印刷条件に応じたLUT15b〜15nが記録されており、色変換モジュール21bはステップS105にて上記UIにて設定された印刷条件を取得する。ステップS110ではLUT15b〜15nの中から印刷条件に対応したLUTを選択して取得し、ステップS120において当該取得したLUTを参照した補間演算によって色変換を実施する。すなわち、印刷対象の画像を示す画像データにおいてはsRGB表色系で各画素の色を表現しており、LUTを参照して各画素の色の周りに存在する色を抽出し、補間演算を実施して各画素の色をCMYKlclmCL表色系で表現した色に変換する。
【0047】
色変換処理によって生成されたCMYKlclmCLデータは各色成分についての階調データであり、色成分毎のインク記録率に相当する。LUT15b〜15nは後述するように、印刷条件毎に光沢差が生じないように作成されている。従って、当該LUTを参照した色変換により、印刷条件毎に光沢差を生じさせないように印刷を実施することが可能になる。
【0048】
ハーフトーン処理モジュール21cは、CMYKlclmCL表色系で表現された各画素の階調値を変換してインク滴の記録密度で表現するためのハーフトーン処理を行うモジュールであり、ステップS130にてこのデータに基づいてハーフトーン処理を行う。すなわち、プリンタ40の各画素についてインク滴の吐出/非吐出を決定する。
【0049】
さらに、印刷データ生成モジュール21dはかかるハーフトーン処理後のデータを受け取って、ステップS140において各データがプリンタ40で使用される順番に並べ替え、ステップS150では一回の主走査にて使用されるデータをプリンタ40に出力する。すなわち、プリンタ40においてはインク吐出デバイスとして吐出ノズル列が搭載されており、当該ノズル列では副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッファリングされるようにステップS140にて順番に並べ替える。
【0050】
ステップS150では、印刷データ生成モジュール21dが並べ替え処理後のデータに画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、上記USB用I/O19bを介してプリンタ40に出力する。ステップS160では画像を構成する全ラスタについて処理が終了したか否かを判別し、全ラスタについて処理が終了したと判別されるまでステップS100を繰り返す。全ラスタについて処理が終了すると、プリンタ40に対して画像を形成するために必要なすべてのデータ転送され、プリンタ40にて印刷媒体上に画像が形成される。
【0051】
(3)インク記録率の詳細:
本発明では、上述のように印刷条件毎に異なるLUT15b〜15nを利用することによって印刷条件毎に異なる所定の比率でCLインクの量を規定し、有色インクとともに記録しているが、本実施形態においては特に低インク記録率の部位と高インク記録率の部位との光沢差を解消するようにしており、以下有色インクとともに無色のCLインクを記録する様子を具体的に説明する。図3は、印刷条件としての解像度が異なる場合について異なるLUTを参照することによって得られるインク記録率を説明する説明図である。
【0052】
同図(a),(b)ともに横軸は有色インクのインク記録率であり、図3(a)の縦軸はCLインクの記録率であり、図3(b)の縦軸もインク記録率であり、CLインクの記録率と有色インクの記録率を加えあわせた値を細線および一点鎖線,有色インクの記録率を太線にて示している。ここで、各色インクの記録率の値域は0〜100%であり、各色のCMYKlclmCLデータの階調値域0〜255と一対一に対応する。すなわち、各色の階調値は上記ハーフトーン処理によって階調値の大きさに応じた単位面積当たりのインク記録率でドットを吐出するように変換されるので、上記LUTに規定された各色の階調値から各色のインク記録率を評価することができる。
【0053】
従って、LUTに規定されたCMYKlclmCLの階調値から得られるインク記録率についてCLインク単独で評価すればCLインクの記録率となるし、CMYKlclmインクについて足し合わせれば有色インクの記録率となるし、CMYKlclmCLインクについて足し合わせればCLインクの記録率と有色インクの記録率を加えあわせた値となる。但し、図3の横軸については、印刷媒体の単位面積に対して記録可能な最大インク記録率を100%として規格化しており、この100%を超えると印刷媒体の波打ち、インクのにじみ、粒状感の悪化、バンディングが生じ得る。
【0054】
本実施形態においては、同じ印刷条件において有色インクの記録率が小さい部位と大きい部位とでの光沢差を解消するように各LUTを作成するとともに、印刷条件が異なる場合であってもそれぞれで光沢差が生じないようにそれぞれのLUTを作成している。図3はこのようにして作成されたLUTを参照して色変換を実施し、ハーフトーン処理を実施した場合に得られるインク記録率を2種類の解像度1440×720dpi(解像度1),2880×1440dpi(解像度2)について示している。
【0055】
まず、それぞれの解像度で有色インクの記録率が小さい部位と大きい部位とでの光沢差を解消する様子を説明する。印刷媒体上で有色インクの記録率が小さい部位はインクの記録率が大きい部位よりインク量が少ないので、光沢も少ない。一方、ある程度以上のインク量になるとインク量の増加に伴って光沢が増加するのではなく、インク量依存性が少なくなる。従って、有色インクの記録率が所定の値以下であるときにCLインクを記録することにより、低インク記録率の色には大きな影響を与えずに光沢を与えることができ、光沢差を解消することができる。
【0056】
そこで、本実施形態においては、有色インクの記録率”0”から所定の値までは有色インクの記録率の増加に対してCLインクの記録率を逓減させつつ有色インクに対して付加し、有色インクの記録率が所定の値以上ではCLインクの記録率を”0”としている。さらに、有色インクの記録率が所定の値以下の値域では有色インクの記録率とCLインクの記録率との和が略同一になるようにしている。具体的には、図3(a)に示すように、解像度1での印刷で参照されるLUTにおいては、有色インクの記録率が”0”のときにCLインクの記録率を25%とし、有色インクの記録率が25%となる点に向けて直線的にCLインクの記録率を逓減させる。
【0057】
このため、図3(b)に示すように、有色インク記録率の直線的な増加に対して当該有色インク記録率25%まではCLインク記録率が逓減しつつ付加され、両者の和が25%で一定となる。本実施形態における解像度1ではインク記録率25%を超えると、それ以上インク記録率が増加しても光沢に大きな差異が生じないため、上述のようなCLインクの付加によって、有色インクの記録率が小さい部位と大きい部位とでの光沢差を解消することができる。
【0058】
一方、本発明においては、このように有色インクの記録率の差異によって光沢差を生じさせないようにすると同時に印刷条件同士でも光沢差を生じさせないようにしている。すなわち、この例における解像度2では、インク記録率20%を超えるとそれ以上インク記録率が増加しても光沢に大きな差異を生じることが無く、光沢差を解消するために必要なインク記録率は上記解像度1と異なっている。
【0059】
そこで、解像度2での印刷で参照されるLUTにおいては、図3(a)に示すように有色インクの記録率が”0”のときにCLインクの記録率を20%とし、有色インクの記録率が20%となる点に向けて直線的にCLインクの記録率を逓減させる。この結果、図3(b)に示すように、有色インク記録率20%までは当該有色インクとCLインクの記録率の和が20%で一定となり、この解像度2においても有色インクの記録率が小さい部位と大きい部位とでの光沢差を解消することができる。また、本実施形態においては、解像度1でのインク記録率25%で得られる光沢と解像度2でのCLインク記録率20%で得られる光沢とが略同一の光沢となっている。従って、解像度毎の光沢差を解消することができる。
【0060】
本実施形態においては、同一の画像データについての印刷で印刷解像度が異なることによって印刷物の光沢に差異が生じ得るときに解像度毎にLUTを変更することでこの光沢差を解消しているが、一般的には印刷条件が異なると各種の複雑な要因によって光沢に差が生じ得る。以下、光沢に差を生じさせる一因を説明する。上述の2種類の解像度のうち、解像度2の方が解像度1より高精細である。単位面積当たりに記録するインク記録率(単位面積当たりに記録されるドット数)が同じであるとき、異なる解像度で一画素当たりのインク吐出量を同じにすると、単位面積当たりに記録されるインクの量が著しく異なるので、一画素当たりのインク吐出量を異なる量にすることが一般的である。
【0061】
本実施形態においても解像度1,2では後者の方が2倍高精細であるため、後者における一画素当たりのインク吐出量を前者の約1/2としている。従って、この例において、印刷条件としての解像度が異なる場合に一画素当たりのインク吐出量も異なることになる。また、一画素当たりのインク吐出量が異なると、印刷媒体にインクが付着したときの媒体上での広がり程度に差異が生じる。すなわち、一画素当たりのインク吐出量が異なると、インク滴の径が異なるので表面張力の差や粘性の影響等で媒体上での広がりとインク吐出量とが必ずしも比例せず、広がりに差異が生じる。
【0062】
以上のように、印刷解像度が異なり、一画素当たりのインク吐出量,媒体上でのインクの広がりが異なる場合、同じ画像データについて印刷したとしても媒体上のインク量や媒体上でのインクの様子が異なる。従って、CLインクの量を規定する比率を共通の値にしておくと印刷条件毎に光沢のムラが生じてしまう。
【0063】
本実施形態はこのような印刷条件毎の差異を解消するために解像度毎に異なるLUTを参照することとしており、各解像度毎にCMYKlclmCLの各インクを組み合わせて得られる複数の色についてパッチを印刷して解像度毎の光沢差を比較する。そして、解像度によって光沢に差が生じないようにCLインクを付加したLUTを作成する。この結果、解像度毎に光沢差を生じさせることなく印刷を実行することができる。
【0064】
むろん、異なる解像度において上記一画素当たりのインク吐出量が共通であったとしても、CLインクの量を規定する所定の比率を解像度毎に共通の値にしたときに解像度毎に光沢のムラが生じてしまうのであれば、本発明を適用することができる。上述のようにLUTの作成時に解像度毎の比較をすることができるので、解像度毎に光沢のムラが生じる原因が詳細に分析できなかったとしても、結果としては解像度毎の光沢差を解消することができる。
【0065】
この他、解像度が同一であって一画素当たりのインク吐出量が異なる場合に光沢差が生じるのであれば、一画素当たりのインク吐出量が異なる状態で上述のパッチを印刷し、インク吐出量毎に異なるLUTを作成して光沢差を解消すればよい。すなわち、上述のように解像度が2倍になるときにインク吐出量が1/2にするとは限らず、他の種々の条件との関係でインク吐出量は種々の値を取り得るので、複雑な印刷条件を加味しつつ印刷条件毎にLUTを作成することで光沢差を解消すればよい。また、同様に、解像度や一画素当たりのインク吐出量が共通であっても媒体上でのインクの広がりが異なることもある。例えば、印刷媒体の種類やインクの種類が異なる場合が想定される。
【0066】
この場合であっても、媒体上でのインクの広がりが異なる状況で上述のパッチを印刷し、インクの広がりの差異に応じて異なるLUTを作成して光沢差を解消すればよい。すなわち、印刷条件としては各種の条件が存在し、条件の差異によって複雑な要因で印刷条件毎の光沢差が生じるが、いずれにしてもCLインクを付加する所定の比率を異なる値にすることによって印刷条件毎の光沢差を解消することができる。尚、印刷条件が異なっている場合に光沢差が生じていないのであれば、むろん異なるLUTにする必要はない。
【0067】
(4)他の実施形態:
以上の実施形態においては、LUTに規定するCLインクの階調値を印刷条件毎に調整することによってCLインクのインク記録率を調整し、有色インクとCLインクとの記録率の和が有色インク記録率の所定値域で略一定になるようにしていたが、むろん他の構成を採用することも可能である。例えば、プリンタにおいてインクを吐出する際にインクに作用させる力を調整することによって実現することも可能であり、上記図3(a)に示すようなCLインク記録率のデータをプリンタあるいはコンピュータに保持し、印刷実行時に有色インクの記録率を取得するとともに対応するCLインク記録率となるようにピエゾ素子を駆動しつつ印刷を行う構成等を採用可能である。
【0068】
さらに、ヘッド内にバブルを形成してインクを吐出する構成に対して本発明を適用することも可能である。また、異なるプリンタにて印刷条件が異なる場合に各印刷条件毎にCLインクの比率を変更する構成を採用することもできる。また、印刷条件毎のCLインクの記録率を上記図3(a)のようにすることは必須ではない。例えば、図4(a)に示す無色インク記録率のように、三種類の印刷条件1〜3のように異なる印刷条件について有色インク記録率”0”に対するCLインク記録率の値を大きく変化させてもよい。
【0069】
この結果、図4(b)に示すように印刷条件1では有色インクの記録率25%以下で有色インクとCLインクの記録率の和が25%となり、印刷条件2では有色インクの記録率50%以下で有色インクとCLインクの記録率の和が50%となり、印刷条件3では有色インクの記録率75%以下で有色インクとCLインクの記録率の和が75%となる。かかる構成によれば、インク記録率が光沢に大きく寄与する場合であっても印刷条件毎の光沢差を解消することができる。
【0070】
また、印刷条件の設定項目値を傾向として変化させることができる場合、例えば解像度を連続的あるいは離散的にある範囲で変更可能である場合、印刷条件は複数存在し、その光沢差は大きくなるので、かかる場合に適用すると好適である。むろん、多数のLUTを予め作成する作業や記録するためのリソースを低減したい場合には、複数個のLUTを作成しておき、その間の印刷条件でのCLインク記録率を補間によって算出する構成としてもよい。
【0071】
さらに、上述の実施形態のように、有色インク記録率の変化に対して有色インクとCLインクの記録率の和を略一定にする構成が必須というわけではない。すなわち、印刷条件毎の光沢差は各種の複雑な要因によって生じるので、CLインク記録率が逓減する際の変化率をより急激にしたり、CLインク記録率を逓増させたりすることも可能である。これにより、印刷条件毎により詳細に光沢を調整することができ、印刷条件毎の光沢差をより確実に解消することが可能になる。
【0072】
図5はかかる構成の一例を示しており、CLインク記録率の変化率を調整することによって、CLインク記録率の傾きを矢印Aのように調整することができる。また、CLインクを有限とする値を増減して矢印Bのように調整することができるし、有色インクが”0”である時のCLインク記録率を増減して矢印Cのように調整することができる。印刷媒体上に記録されたインクの総量によって光沢が左右される場合には、上記矢印Bに示す調整をすることが好ましいし、同じインク記録率で印刷媒体上のインク量やインクの広がりが異なる場合には上記矢印Cに示す調整をすることが好ましい。
【0073】
さらに、CLインク記録率は直線的に変化させることが必須というわけではない。すなわち、CLインク記録率の有色インクの記録率に対する変化率を一定とはせず、その変化率を変えることにより、図5のDに示すように有色インクとCLインクの記録率の和をグラフ上で屈曲させるようにしてもよいし、曲線的に変化するように構成してもよい。これにより、印刷条件毎に詳細に光沢を調整することができ、印刷条件毎の光沢差をより確実に解消することが可能になる。むろん、CLインク記録率の変化率を離散的にしてもよく、例えば、有色インク記録率”0”でCLインク記録率を有限の値とすることも可能である。尚、図4(a),(b)における横軸および縦軸は図3(a),(b)における横軸および縦軸と同様であり、図5(a),(b)における横軸および縦軸も図3(a),(b)における横軸および縦軸と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷制御装置となるコンピュータの概略構成を示す図である。
【図2】印刷制御処理のフローチャートである。
【図3】第1実施形態におけるインク記録率の説明図である。
【図4】他の実施形態におけるLUT及びインク量の説明図である。
【図5】他の実施形態におけるLUT及びインク量の説明図である。
【符号の説明】
10…コンピュータ、15…HDD、15a…画像データ、15b〜15n…LUT、21…プリンタドライバ、21a…画像データ取得モジュール、21b…色変換モジュール、21c…ハーフトーン処理モジュール、21d…印刷データ生成モジュール、22…入力機器ドライバ、23…ディスプレイドライバ、25…APL、31…キーボード、32…マウス、40…プリンタ、41a〜41g…インクカートリッジ
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインク量決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置によって形成される画像においては印刷媒体の種類によって画質が大きく異なるので、画像を印刷する際にはユーザがその用途に応じて印刷媒体の種類を使い分けることが多い。印刷媒体には多くの種類があるが、例えば、光沢紙と普通紙のように光沢の異なる媒体が存在し、写真等の高画質印刷に光沢紙を利用し、最高の画質を要求しないときに普通紙を利用するなどしている。光沢紙においては、インクを多く記録すると光沢が強く感じられるが、このインクの記録量が少ないと光沢が感じられにくく、インク量によって光沢にムラが生じることがある。そこで、従来、特許文献1に記載された色剤を含まない無色インクを有色インクと共に使用して、安定的に画質改善を行うことが行われていた(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−60059号公報
【特許文献2】
特願2003−66997号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術においては、有色インクのインク量が少ない部位に無色インクを記録することにより画質改善効果が望めるものの、実際の印刷装置においては、種々のモードを備えるなど多くの印刷条件が存在し、単純に無色インクの量を規定するのみでは各印刷条件で好ましい画質とすることが困難であった。
すなわち、従来の技術によって複数の印刷条件で複数の画像を印刷したときに、各画像単体で見ると確かに低インク量の部位でも光沢を有していて画質が改善されるものの、複数の画像同士で比較するとそれぞれの光沢が異なるなどして画像の印象を統一することができず、すべての画像で良好な画質にすることが困難であった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、異なる印刷条件においても高画質の印刷物を得ることが可能な印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよびインク量決定方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、本発明では印刷条件毎に無色インクの量を規定する所定の比率を異なる値とする。すなわち、所定の基準に対して所定の比率となるように無色インクの量を規定するが、この比率を印刷条件によって変えることにより、各印刷条件毎に好ましい量で無色インクを記録することができ、これにより異なる印刷条件で印刷した場合に各印刷条件のすべてで高画質の印刷物を得ることが可能になる。また、異なる印刷条件での印刷物同士で画質や色の見え方を統一することができる。
【0006】
ここで、有色インクとしては溶媒内に有色の色剤が含まれたインクであって、印刷媒体に記録されたときに有色の色として見えるインクであればよい。無色インクは、有色インクの発色性を改善させることができるインクであればよく、例えば有色インクと同様の光沢を有し、色剤が含まれないことによって無色透明のインクを採用可能である。より具体的には、特開平8−60059号公報に記載のインク等を使用することができる。これらのインクによれば、光沢紙における光沢ムラを低減することができるし、耐水性、耐光性を向上させることができる。
【0007】
光沢ムラを低減するという意味では、有色インクの記録量が少なく、有色インクのみでは他の部位より光沢が小さくなるような部位に無色インクを比較的多く記録するのが好ましく、有色インクの記録率が小さな所定の値以下である場合に無色インクの記録率が大きくなるように上記所定の比率が規定されていることが好ましい。さらに、無色インクによって光沢を加えることにより、有色インクの組み合わせによって表現可能な色の領域、すなわち、色域を広くすることができる。従って、この意味でも画質が向上する。むろん、印刷条件によって光沢が異なると言うことは同じデータで印刷したときの色も異なりうると言うことなので、異なる印刷条件のそれぞれにおいて印刷を実施したときに色の見え方も統一されるように無色インクを記録するように、所定の比率を決定することが好ましい。
【0008】
印刷条件は、印刷装置において印刷を実行する際に予め設定を要する各種条件を含むが、本発明においては、少なくとも同じ画像データについて共通の比率で無色インクの量を特定して印刷を実施したときに光沢、色の見え方が異なるような条件であればよい。印刷条件としては、印刷装置にてサポートする印刷解像度,インクの種類(カラーやモノクロ等),印刷媒体の種類,印刷品質(きれい、はやい等),カラーマネジメントの種類(自動調整の可否やディスプレイの色域を超えた色の使用可否等),双方向印刷の可否などが想定される。
【0009】
むろん、これら条件のいずれかが異なる場合に上記所定の比率を異なる値としてもよいしこれら条件のいくつかが異なる場合に上記所定の比率を異なる値としてもよい。これら条件が異なる特定の条件同士で比較したときに得られる光沢、色の見え方が共通であれば、上記所定の比率を同じ値としてよい。尚、所定の比率としては、有色インクのインク量に対する比率であってもよいし、単位面積当たりに記録可能なインク量に対する比率であってもよい。前者の場合は所定の基準が有色インクのインク量になるし、後者の場合は所定の基準が印刷媒体上の単位面積当たりに記録可能なインク量になる。
【0010】
インク量決定手段においては、印刷対象の画像を形成するために印刷媒体に記録する各インクの量を決定することができればよく、印刷条件毎に予め決められた色変換テーブルによって印刷対象画像の色を特定の表色系で表現した画像データについて印刷装置で使用するインクで色を指定した表色系に色変換する際に有色インクと無色インクとのインク量を決定する構成等、種々の構成を採用可能である。むろん、色変換テーブル以外にも、両表色系を関数によって対応づけたプロファイルによって色変換を行う構成等種々の構成を採用可能である。
【0011】
尚、通常の印刷装置においては、色変換によってインク毎の階調値を取得した後にハーフトーン処理を行って当該階調値に対応したインク記録率でインクを記録するように構成する。従って、色変換によって各インクの階調値を取得することによってインク量を決定しているといえる。具体的には、各インクの階調値0〜最大階調値までが各色毎のインク記録率0〜100%に対応しており、ハーフトーン処理ではこのインク記録率でインクが記録されるように各画素毎のインク使用量を決定する。
【0012】
インク量決定手段における好適な構成例として、印刷解像度が異なる印刷条件同士では上述の所定の比率を変更し、印刷解像度毎に無色インクの量を調整する構成を採用可能である。すなわち、印刷解像度が異なると単位面積当たりの画素数が異なることにより、異なる解像度について同じインク記録率を考えたとき、各解像度で一画素当たりのインク量が共通であれば単位面積当たりで印刷媒体がインクに覆われる部位の面積が大きく異なることになる。
【0013】
同じインク記録率で印刷媒体がインクに覆われる部位の面積が異なると色が異なってしまうので、一般的には一画素当たりのインク量を異なる値にする。また、印刷解像度毎に異なる色変換テーブルを予め用意し、印刷解像度毎に異なる色変換結果を得るようにすることもある。いずれにしても、印刷解像度が異なるときには同じ画像データを印刷するために使用される有色インクの量が異なるので、印刷解像度が異なる場合に所定の比率を異なる値として無色インクの量を変更することで印刷解像度毎の光沢差、色の差を解消することができる。
【0014】
さらに、インク量決定手段における好適な構成例として、印刷媒体の単位面積当たりで上記有色インクが占める面積が印刷条件毎に異なる場合に上記所定の比率を変更し、当該有色インクが占める面積に応じて無色インクの量を調整する構成を採用可能である。すなわち、同じ画像データを印刷するとしても印刷条件によって印刷媒体の単位面積当たりで上記有色インクが占める面積が異なる場合があり、この場合に無色インクの量を調整する。かかる構成によれば、印刷条件によって印刷媒体の単位面積当たりで上記有色インクが占める面積に差異が生じていてもそれぞれの印刷物で光沢差、色の差を解消することができる。
【0015】
尚、印刷条件によって印刷媒体の単位面積当たりで上記有色インクが占める面積に差異が生じる状況としては、一画素当たりのインク量が異なる場合や印刷媒体が異なることによりインクが印刷媒体に付着する様子が異なる場合、印刷時の温度,湿度によってインクの粘性が異なる場合、印刷媒体の温度,湿度によってインクが印刷媒体に付着する様子が異なる場合など、種々の状況がある。
【0016】
さらに、インク量決定手段における好適な構成例として、一画素当たりに記録するインク重量が印刷条件によって異なる場合に上記所定の比率を変更し、当該有色インクが占める面積に応じて無色インクの量を調整する構成を採用可能である。すなわち、同じ画像データを印刷するとしても印刷条件によって一画素当たりに記録するインク重量が異なる場合があり、この場合に無色インクの量を調整する。かかる構成によれば、印刷条件によって一画素当たりに記録するインク重量が異なっていてもそれぞれの印刷物で光沢差、色の差を解消することができる。一画素当たりに記録するインク重量が異なる状況は、インクが充填されたヘッドにおいてインクを吐出する際にインクに作用させる力が異なる場合など種々の状況がある。
【0017】
印刷条件によって上記所定の比率を変更する際には、印刷条件の変化に合わせて、すなわち、共通の印刷条件項目についてその項目の設定値が変化する傾向に合わせて所定の比率を決定してもよい。かかる構成によれば、容易に印刷条件の変化に応じて無色インクの量を決定することができ、各印刷条件での印刷物で光沢差、色の差を解消することができる。印刷条件によって所定の比率を変更する程度としては、当該所定の比率を変更、すなわち、無色インクの使用量を変更して各印刷条件について試し印刷を行い、各印刷条件で光沢、色に差異が生じないような比率を見つけだしてもよいし、試し印刷によって印刷条件と上記所定の比率とによる印刷物の光沢、色の相関を算出し、この相関に従って上記所定の比率を決定するように構成してもよく、種々の構成を採用可能である。
【0018】
尚、印刷条件としては上述のように種々の条件があるが、印刷条件がどのように設定されているのかを判別するための構成は種々の構成を採用可能である。例えば、印刷を実行する前に所定の表示装置にUIを表示するとともに印刷条件項目に対する入力を実行可能に構成し、ユーザーの入力によって設定された印刷条件を取得するような構成を採用可能である。また、すべての印刷条件をユーザーの入力で設定する構成に限らず、ユーザーが設定しない項目はデフォルトの印刷条件を利用する構成を採用可能であるし、すべてデフォルトで設定された印刷条件で印刷を実行する構成を採用可能であり、このような場合も印刷実行時の印刷条件を取得すればよい。
【0019】
無色インクの量は上記所定の比率を異なる値にすることによって調整されるが、この所定の比率として好適な構成として、単位面積当たりに記録可能な無色インクの最大インク記録率に対する比率を採用可能である。すなわち、単位面積当たりに記録可能な無色インクの最大インク記録率は、単位面積当たりに記録される無色インクの上限であり、これに対する比率で無色インクを調整することにより容易に最大インク記録率と比較しながら無色インク量を規定することができる。一般に、印刷媒体においては媒体上に記録可能な最大インク記録率(各インクの和)が決められるので、当該媒体上に記録可能な最大インク記録率との比較が容易という意味でも好ましい。
【0020】
また、上述のように色変換によって各インクの量を決める構成においては各インクのインク記録率は上述のように色変換後の階調値によって決められるので、無色インクの量も当該色変換によって実施する構成とすれば、階調値によって容易に上記所定の比率を決めることができ、容易にインク量を調整することができる。
【0021】
当該所定の比率が単位面積当たりに記録可能な無色インクの最大インク記録率に対する比率であるとき、さらにこの比率を単位面積当たりに記録される有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有限の値となる比率とすると好ましい。すなわち、無色インクに関する所定の比率は、有色インクの記録率に対して相関を持たせてあり、少なくとも単位面積当たりに記録される有色インクの記録率が所定の値以下の値域では、無色インクに関する所定の比率を有限として無色インクが有限量記録されるようにする。
【0022】
上述のように、光沢紙において有色インクの記録率が小さく、有色インクのみでは他の部位より光沢が小さくなるような部位に無色インクを比較的多く記録するのが好ましく、単位面積当たりに記録される有色インクの記録率が所定の値以下の値域で無色インクに関する所定の比率を有限の値とすることにより、容易に光沢ムラを抑えることができる。
【0023】
さらに、単位面積当たりに記録される有色インクの記録率が所定の値以下の値域で無色インクに関する所定の比率を有限の値とするに当たり、有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有色インクと無色インクとの記録率の和が略同一になるよう上記所定の比率を変化させる。インクによって得られる印刷媒体の光沢は、有色インクと無色インクとの双方によって決められるが、有色インクの記録率が所定の値以下の値域で両者のインク記録率の和が略同一であることにより、当該所定の値以下の値域で光沢が略一定になる。この結果、光沢ムラが抑えられる。本発明においては、有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有色および無色インクの記録率の和が略同一であるとしても、この所定の値および和の値を印刷条件毎に変更する。この結果、印刷条件毎に光沢に差が生じないようにすることができる。
【0024】
さらに、所定の比率を調整することにより、無色インクの量を調整可能である関係上、上述のように有色および無色インクの記録率の和が略同一になるように構成する他、種々の構成を採用可能である。すなわち、このように略同一とするよりも印刷条件毎により細かい調整を行った方が好ましい場合もあり、このような場合に有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有色インクと無色インクとの記録率の和を逓増、低減させる様子を変えたり、一律とする場合の値を変えたり、上記所定の値を変えることにより、より詳細な調整をすることができる。これにより、有色インク記録率の変化に起因して光沢ムラが生じる場合やこの光沢ムラの生じる様子が印刷条件毎に異なる場合であっても対応して光沢ムラを解消することができる。
【0025】
このように無色インクの量を規定する所定の比率を印刷条件毎に調整する手法は必ずしも実体のある装置に限られるものではなく、請求項9に記載した発明のように方法の発明としても有効である。また、上述の印刷制御装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としては、各種の態様を含むものである。また、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
【0026】
発明の思想の具現化例として印刷制御装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用される。むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。むろん、請求項10に記載した発明のようにプログラムの発明として特定することもできる。
【0027】
さらに、印刷装置におけるインク量を決定する手法として請求項11にかかるインク量決定方法として発明を特定することも可能である。すなわち、印刷装置毎に印刷条件が異なる場合や、同一機種において印刷モードが異なることによって印刷条件が異なる場合において、印刷条件毎に上記所定の比率を異なる値とすることにより、各場合において確実に光沢ムラを解消することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)印刷制御装置の構成:
(2)印刷制御処理:
(3)インク記録率の詳細:
(4)他の実施形態:
【0029】
(1)印刷制御装置の構成:
図1は本発明にかかる印刷制御装置となるコンピュータの概略構成を示すブロック図である。コンピュータ10は演算処理の中枢をなす図示しないCPUや記憶媒体としてのROMやRAM等を備えており、HDD15等の周辺機器を利用しながら所定のプログラムを実行することができる。コンピュータ10にはシリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、プリンタ40とはUSB用I/O19bを介して接続されている。
【0030】
本実施形態におけるプリンタ40は複数色のインクを充填するインクカートリッジを色毎に着脱可能な機構を備えており、この機構にCMYKlclmCL(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック,ライトシアン,ライトマゼンタ,無色インク(クリアインク))の各インクのカートリッジ41a〜41gを搭載する。CMYKlclmの各インクは溶媒内に有色の色剤が混入しており、印刷媒体に記録されたときに各色剤の色を発色する有色インクである。プリンタ40においては、これらの有色インクを組み合わせて多数の色を形成可能であり、これにより印刷媒体上に画像を形成する。
【0031】
CLインクはこれら有色インクで形成される画像の画質を向上するためのインクであり、本実施形態においては各有色インクと同様の光沢を有するとともに溶媒内に有色の色剤が存在しないことによって無色になっている。当該CLインクは有色インクとともに使用されることにより、有色インクが少なく光沢が少ない部位に光沢を付加することができ、発色を改善することができる。具体的には、CLインクを使用しない状態と比較してプリンタ40にて印刷可能な色の色域を広くすることができる。
【0032】
尚、CLインクはこのような光沢差の解消以外にも種々の利点があり、有色インクとともに記録されることにより、有色インクのみの状態と比較して耐水性、耐光性を向上することが可能である。本実施形態におけるプリンタ40は、いわゆるインクジェット方式のプリンタであり、各インクが充填されたヘッドの内部でインクに対して力を作用させ各インクを吐出する。このとき、ピエゾ素子に対して電圧を印加してインクに対して吐出力を作用させてもよいし、ヘッド内でバブルを形成してインクに対して吐出力を作用させてもよい。
【0033】
本実施形態においては、一回当たりのCMYKlclmCLの各インク滴の吐出量が一定の場合について説明するが、むろん、インク滴の吐出量を3段階に変化させる構成など種々の構成に本発明を適用することが可能である。また、インクジェット方式の他にもレーザー方式等、種々のプリンタに対して本発明を適用可能である。さらに、図1に示すようにCMYKlclmの6色の有色インクを使用する構成が必須ではなく、CMYKの4色やCMYKlclmDY(ダークイエロー)の7色を使用する構成であってもよい。むろん、他の色、例えばR(レッド)やV(バイオレット)をlclmインクの代わりに使用してもよいし、Kインクについて濃淡インクを使用してもよい。
【0034】
本コンピュータ10の構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものを採用することができる。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパーソナルコンピュータに限定されるものではない。この実施形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータであるが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。また、コンピュータ10とプリンタ40の接続インタフェースも上述のものに限る必要はなくパラレルインタフェースやSCSI接続,無線接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
【0035】
さらに、本実施形態においてはコンピュータ10によって印刷制御装置を構成しているが、プリンタ40に搭載するプログラム実行環境によって本発明にかかる印刷制御処理を実施可能に構成し、プリンタ40に対して直接的に接続されるデジタルカメラから画像データを取得して印刷制御処理を行ってもよい。むろん、同様の構成においてデジタルカメラにて印刷制御処理を実施してもよいし、他にも分散処理によって本発明にかかる印刷制御処理を実施するなど種々の構成を採用可能である。画像を取り込むスキャナと画像を印刷するプリンタとが一体となったいわゆる複合機において本発明にかかる印刷制御処理を行ってもよい。
【0036】
本実施形態にかかるコンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。ディスプレイDRV23はディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22はシリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
【0037】
APL25は、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者は当該APL25の実行下において上記操作用入力機器を操作して当該カラー画像をプリンタ40にて印刷させることができる。すなわち、APL25は利用者の指示によりHDD15に記録された画像データ15aをRAMに読み出して、ディスプレイDRV23を介して当該画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。利用者が上記入力機器を操作するとその操作内容が入力機器DRV22を介して取得されて内容が解釈されるようになっており、APL25はその操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行う。
【0038】
上記画像データ15aはRGB(レッド,グリーン,ブルー)の各色成分を階調表現して各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、本実施形態では各色256階調であり、sRGB規格に従った表色系を採用した画像データである。本実施形態においてはこの画像データ15aを例にして説明するが、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データやCMYK表色系を採用した画像データ等、種々のデータを採用可能である。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等について本発明を適用することもできる。
【0039】
APL25にて印刷指示がなされると上記PRTDRV21が駆動され、PRTDRV21はディスプレイDRV23にデータを送出して、図示しないUIを表示する。利用者は上記キーボード31やマウス32等を操作し、このUIによって印刷を実行する際に必要な印刷条件、すなわち、印刷解像度,インクの種類(カラー、モノクロの選択),印刷媒体の種類,印刷品質(きれい、はやい等),カラーマネジメントの種類(自動調整の可否やディスプレイの色域を超えた色の使用可否等),双方向印刷の可否につき、所望の設定にする。
【0040】
利用者が設定を行わない印刷条件項目については前回の値をデフォルトとして設定する。利用者が当該UIにて印刷条件の設定を行うと、上記PRTDRV21の各モジュールが起動され、各モジュールによって上記画像データ15aの各画素データに対する処理が実施され、印刷条件に応じた印刷データが生成される。生成された印刷データはUSB用I/O19bを介してプリンタ40に出力され、プリンタ40は当該印刷データに基づいて印刷を実行する。
【0041】
(2)印刷制御処理:
より具体的には、PRTDRV21は印刷を実行するために画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えており、図2に示すフローに従って印刷制御処理を実施する。上記APL25で画像データ15aを読み出し、レタッチ処理等の後に印刷実行指示がなされると、上述の印刷条件設定がなされ、上記PRTDRV21が起動される。そして、上記画像データ取得モジュール21aは上記APL25によって印刷実行指示がなされた画像を示す画像データ15aをステップS100にて取得する。このとき、画像データ15aの画素数に過不足があれば印刷に必要な画素を確保するため適宜解像度変換処理を行う。
【0042】
色変換モジュール21bは各画素の色を示す表色系を変換するモジュールであり、HDD15に記録されたLUT(色変換テーブル)15b〜15nのいずれかを参照して画像データ15aのsRGB表色系をプリンタ40が搭載するインク(CMYKlclmCL)を成分とするCMYKlclmCL表色系に変換する。本実施形態において、LUT15b〜15nはsRGB表色系とCMYKlclmCL表色系とのそれぞれによって色を階調表現するとともに両者を対応づけ、複数の色についてこの対応関係を記述したテーブルである。従って、sRGB表色系で表現した任意の色に関し、その周りの色であってLUT15b〜15nに規定されたsRGBの色を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCMYKlclmCL表色系の色を算出することができ、色変換を実施することができる。
【0043】
但し、sRGB表色系での色はRGBの各階調値によって一義的に特定されるが、CMYKlclmCL表色系での色はCMYKlclmCLの各階調値が同一であるとしても印刷条件によって異なるので、印刷条件毎にLUTが作成され、LUT15b〜15nとして予めHDD15に記録されている。LUT15b〜15nが印刷条件毎に予め作成されているので、各LUTに規定するCLの階調値を調整することにより、印刷条件毎に無色のCLインク量を調整することができる。より具体的には、有色インクであるCMYKlclmの階調値が共通のもの同士で比較したとしても、印刷条件によってはCLの階調値が異なるようになっている。
【0044】
すなわち、この階調値によって決められる所定の比率でCLインクの量を規定しCLインクとともに有色インクを記録するようになっており、この構成によって印刷条件が異なっていても光沢に差異を生じさせずに印刷を実行することが可能になっている。尚、実際に色を発色するのはCMYKlclmの各インクであるが、CLインクを記録する状態と記録しない状態とでは印刷媒体上の発色が変わるので、CLインクが無色であるものの、CMYKlclmCL表色系としてCLが含まれた状態でLUTを規定し、CLが含まれた状態に変換することを色変換としている。
【0045】
尚、本実施形態におけるLUT15b〜15nは、CMYKlclmCLの各インクを組み合わせて得られる複数の色についてパッチを印刷し、当該パッチを測色することによってRGB表色系での色との対応関係を規定して作成されているが、本発明においてかかる構成が必須になるわけではない。すなわち、本発明においては有色インクとともにCLインクを記録する構成において、印刷条件毎に所定の基準に対するCLインクの比率を変更することができればよい。従って、LUTにおいてはCLインクを除いたCMYKlclm表色系とsRGB表色系について対応関係を規定し、色変換後のCMYKlclmデータからインク記録率を算出すると共に、各インク記録率に応じてCLインクを付加する構成を採用してもよい。
【0046】
いずれにしても、HDD15には印刷条件に応じたLUT15b〜15nが記録されており、色変換モジュール21bはステップS105にて上記UIにて設定された印刷条件を取得する。ステップS110ではLUT15b〜15nの中から印刷条件に対応したLUTを選択して取得し、ステップS120において当該取得したLUTを参照した補間演算によって色変換を実施する。すなわち、印刷対象の画像を示す画像データにおいてはsRGB表色系で各画素の色を表現しており、LUTを参照して各画素の色の周りに存在する色を抽出し、補間演算を実施して各画素の色をCMYKlclmCL表色系で表現した色に変換する。
【0047】
色変換処理によって生成されたCMYKlclmCLデータは各色成分についての階調データであり、色成分毎のインク記録率に相当する。LUT15b〜15nは後述するように、印刷条件毎に光沢差が生じないように作成されている。従って、当該LUTを参照した色変換により、印刷条件毎に光沢差を生じさせないように印刷を実施することが可能になる。
【0048】
ハーフトーン処理モジュール21cは、CMYKlclmCL表色系で表現された各画素の階調値を変換してインク滴の記録密度で表現するためのハーフトーン処理を行うモジュールであり、ステップS130にてこのデータに基づいてハーフトーン処理を行う。すなわち、プリンタ40の各画素についてインク滴の吐出/非吐出を決定する。
【0049】
さらに、印刷データ生成モジュール21dはかかるハーフトーン処理後のデータを受け取って、ステップS140において各データがプリンタ40で使用される順番に並べ替え、ステップS150では一回の主走査にて使用されるデータをプリンタ40に出力する。すなわち、プリンタ40においてはインク吐出デバイスとして吐出ノズル列が搭載されており、当該ノズル列では副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッファリングされるようにステップS140にて順番に並べ替える。
【0050】
ステップS150では、印刷データ生成モジュール21dが並べ替え処理後のデータに画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、上記USB用I/O19bを介してプリンタ40に出力する。ステップS160では画像を構成する全ラスタについて処理が終了したか否かを判別し、全ラスタについて処理が終了したと判別されるまでステップS100を繰り返す。全ラスタについて処理が終了すると、プリンタ40に対して画像を形成するために必要なすべてのデータ転送され、プリンタ40にて印刷媒体上に画像が形成される。
【0051】
(3)インク記録率の詳細:
本発明では、上述のように印刷条件毎に異なるLUT15b〜15nを利用することによって印刷条件毎に異なる所定の比率でCLインクの量を規定し、有色インクとともに記録しているが、本実施形態においては特に低インク記録率の部位と高インク記録率の部位との光沢差を解消するようにしており、以下有色インクとともに無色のCLインクを記録する様子を具体的に説明する。図3は、印刷条件としての解像度が異なる場合について異なるLUTを参照することによって得られるインク記録率を説明する説明図である。
【0052】
同図(a),(b)ともに横軸は有色インクのインク記録率であり、図3(a)の縦軸はCLインクの記録率であり、図3(b)の縦軸もインク記録率であり、CLインクの記録率と有色インクの記録率を加えあわせた値を細線および一点鎖線,有色インクの記録率を太線にて示している。ここで、各色インクの記録率の値域は0〜100%であり、各色のCMYKlclmCLデータの階調値域0〜255と一対一に対応する。すなわち、各色の階調値は上記ハーフトーン処理によって階調値の大きさに応じた単位面積当たりのインク記録率でドットを吐出するように変換されるので、上記LUTに規定された各色の階調値から各色のインク記録率を評価することができる。
【0053】
従って、LUTに規定されたCMYKlclmCLの階調値から得られるインク記録率についてCLインク単独で評価すればCLインクの記録率となるし、CMYKlclmインクについて足し合わせれば有色インクの記録率となるし、CMYKlclmCLインクについて足し合わせればCLインクの記録率と有色インクの記録率を加えあわせた値となる。但し、図3の横軸については、印刷媒体の単位面積に対して記録可能な最大インク記録率を100%として規格化しており、この100%を超えると印刷媒体の波打ち、インクのにじみ、粒状感の悪化、バンディングが生じ得る。
【0054】
本実施形態においては、同じ印刷条件において有色インクの記録率が小さい部位と大きい部位とでの光沢差を解消するように各LUTを作成するとともに、印刷条件が異なる場合であってもそれぞれで光沢差が生じないようにそれぞれのLUTを作成している。図3はこのようにして作成されたLUTを参照して色変換を実施し、ハーフトーン処理を実施した場合に得られるインク記録率を2種類の解像度1440×720dpi(解像度1),2880×1440dpi(解像度2)について示している。
【0055】
まず、それぞれの解像度で有色インクの記録率が小さい部位と大きい部位とでの光沢差を解消する様子を説明する。印刷媒体上で有色インクの記録率が小さい部位はインクの記録率が大きい部位よりインク量が少ないので、光沢も少ない。一方、ある程度以上のインク量になるとインク量の増加に伴って光沢が増加するのではなく、インク量依存性が少なくなる。従って、有色インクの記録率が所定の値以下であるときにCLインクを記録することにより、低インク記録率の色には大きな影響を与えずに光沢を与えることができ、光沢差を解消することができる。
【0056】
そこで、本実施形態においては、有色インクの記録率”0”から所定の値までは有色インクの記録率の増加に対してCLインクの記録率を逓減させつつ有色インクに対して付加し、有色インクの記録率が所定の値以上ではCLインクの記録率を”0”としている。さらに、有色インクの記録率が所定の値以下の値域では有色インクの記録率とCLインクの記録率との和が略同一になるようにしている。具体的には、図3(a)に示すように、解像度1での印刷で参照されるLUTにおいては、有色インクの記録率が”0”のときにCLインクの記録率を25%とし、有色インクの記録率が25%となる点に向けて直線的にCLインクの記録率を逓減させる。
【0057】
このため、図3(b)に示すように、有色インク記録率の直線的な増加に対して当該有色インク記録率25%まではCLインク記録率が逓減しつつ付加され、両者の和が25%で一定となる。本実施形態における解像度1ではインク記録率25%を超えると、それ以上インク記録率が増加しても光沢に大きな差異が生じないため、上述のようなCLインクの付加によって、有色インクの記録率が小さい部位と大きい部位とでの光沢差を解消することができる。
【0058】
一方、本発明においては、このように有色インクの記録率の差異によって光沢差を生じさせないようにすると同時に印刷条件同士でも光沢差を生じさせないようにしている。すなわち、この例における解像度2では、インク記録率20%を超えるとそれ以上インク記録率が増加しても光沢に大きな差異を生じることが無く、光沢差を解消するために必要なインク記録率は上記解像度1と異なっている。
【0059】
そこで、解像度2での印刷で参照されるLUTにおいては、図3(a)に示すように有色インクの記録率が”0”のときにCLインクの記録率を20%とし、有色インクの記録率が20%となる点に向けて直線的にCLインクの記録率を逓減させる。この結果、図3(b)に示すように、有色インク記録率20%までは当該有色インクとCLインクの記録率の和が20%で一定となり、この解像度2においても有色インクの記録率が小さい部位と大きい部位とでの光沢差を解消することができる。また、本実施形態においては、解像度1でのインク記録率25%で得られる光沢と解像度2でのCLインク記録率20%で得られる光沢とが略同一の光沢となっている。従って、解像度毎の光沢差を解消することができる。
【0060】
本実施形態においては、同一の画像データについての印刷で印刷解像度が異なることによって印刷物の光沢に差異が生じ得るときに解像度毎にLUTを変更することでこの光沢差を解消しているが、一般的には印刷条件が異なると各種の複雑な要因によって光沢に差が生じ得る。以下、光沢に差を生じさせる一因を説明する。上述の2種類の解像度のうち、解像度2の方が解像度1より高精細である。単位面積当たりに記録するインク記録率(単位面積当たりに記録されるドット数)が同じであるとき、異なる解像度で一画素当たりのインク吐出量を同じにすると、単位面積当たりに記録されるインクの量が著しく異なるので、一画素当たりのインク吐出量を異なる量にすることが一般的である。
【0061】
本実施形態においても解像度1,2では後者の方が2倍高精細であるため、後者における一画素当たりのインク吐出量を前者の約1/2としている。従って、この例において、印刷条件としての解像度が異なる場合に一画素当たりのインク吐出量も異なることになる。また、一画素当たりのインク吐出量が異なると、印刷媒体にインクが付着したときの媒体上での広がり程度に差異が生じる。すなわち、一画素当たりのインク吐出量が異なると、インク滴の径が異なるので表面張力の差や粘性の影響等で媒体上での広がりとインク吐出量とが必ずしも比例せず、広がりに差異が生じる。
【0062】
以上のように、印刷解像度が異なり、一画素当たりのインク吐出量,媒体上でのインクの広がりが異なる場合、同じ画像データについて印刷したとしても媒体上のインク量や媒体上でのインクの様子が異なる。従って、CLインクの量を規定する比率を共通の値にしておくと印刷条件毎に光沢のムラが生じてしまう。
【0063】
本実施形態はこのような印刷条件毎の差異を解消するために解像度毎に異なるLUTを参照することとしており、各解像度毎にCMYKlclmCLの各インクを組み合わせて得られる複数の色についてパッチを印刷して解像度毎の光沢差を比較する。そして、解像度によって光沢に差が生じないようにCLインクを付加したLUTを作成する。この結果、解像度毎に光沢差を生じさせることなく印刷を実行することができる。
【0064】
むろん、異なる解像度において上記一画素当たりのインク吐出量が共通であったとしても、CLインクの量を規定する所定の比率を解像度毎に共通の値にしたときに解像度毎に光沢のムラが生じてしまうのであれば、本発明を適用することができる。上述のようにLUTの作成時に解像度毎の比較をすることができるので、解像度毎に光沢のムラが生じる原因が詳細に分析できなかったとしても、結果としては解像度毎の光沢差を解消することができる。
【0065】
この他、解像度が同一であって一画素当たりのインク吐出量が異なる場合に光沢差が生じるのであれば、一画素当たりのインク吐出量が異なる状態で上述のパッチを印刷し、インク吐出量毎に異なるLUTを作成して光沢差を解消すればよい。すなわち、上述のように解像度が2倍になるときにインク吐出量が1/2にするとは限らず、他の種々の条件との関係でインク吐出量は種々の値を取り得るので、複雑な印刷条件を加味しつつ印刷条件毎にLUTを作成することで光沢差を解消すればよい。また、同様に、解像度や一画素当たりのインク吐出量が共通であっても媒体上でのインクの広がりが異なることもある。例えば、印刷媒体の種類やインクの種類が異なる場合が想定される。
【0066】
この場合であっても、媒体上でのインクの広がりが異なる状況で上述のパッチを印刷し、インクの広がりの差異に応じて異なるLUTを作成して光沢差を解消すればよい。すなわち、印刷条件としては各種の条件が存在し、条件の差異によって複雑な要因で印刷条件毎の光沢差が生じるが、いずれにしてもCLインクを付加する所定の比率を異なる値にすることによって印刷条件毎の光沢差を解消することができる。尚、印刷条件が異なっている場合に光沢差が生じていないのであれば、むろん異なるLUTにする必要はない。
【0067】
(4)他の実施形態:
以上の実施形態においては、LUTに規定するCLインクの階調値を印刷条件毎に調整することによってCLインクのインク記録率を調整し、有色インクとCLインクとの記録率の和が有色インク記録率の所定値域で略一定になるようにしていたが、むろん他の構成を採用することも可能である。例えば、プリンタにおいてインクを吐出する際にインクに作用させる力を調整することによって実現することも可能であり、上記図3(a)に示すようなCLインク記録率のデータをプリンタあるいはコンピュータに保持し、印刷実行時に有色インクの記録率を取得するとともに対応するCLインク記録率となるようにピエゾ素子を駆動しつつ印刷を行う構成等を採用可能である。
【0068】
さらに、ヘッド内にバブルを形成してインクを吐出する構成に対して本発明を適用することも可能である。また、異なるプリンタにて印刷条件が異なる場合に各印刷条件毎にCLインクの比率を変更する構成を採用することもできる。また、印刷条件毎のCLインクの記録率を上記図3(a)のようにすることは必須ではない。例えば、図4(a)に示す無色インク記録率のように、三種類の印刷条件1〜3のように異なる印刷条件について有色インク記録率”0”に対するCLインク記録率の値を大きく変化させてもよい。
【0069】
この結果、図4(b)に示すように印刷条件1では有色インクの記録率25%以下で有色インクとCLインクの記録率の和が25%となり、印刷条件2では有色インクの記録率50%以下で有色インクとCLインクの記録率の和が50%となり、印刷条件3では有色インクの記録率75%以下で有色インクとCLインクの記録率の和が75%となる。かかる構成によれば、インク記録率が光沢に大きく寄与する場合であっても印刷条件毎の光沢差を解消することができる。
【0070】
また、印刷条件の設定項目値を傾向として変化させることができる場合、例えば解像度を連続的あるいは離散的にある範囲で変更可能である場合、印刷条件は複数存在し、その光沢差は大きくなるので、かかる場合に適用すると好適である。むろん、多数のLUTを予め作成する作業や記録するためのリソースを低減したい場合には、複数個のLUTを作成しておき、その間の印刷条件でのCLインク記録率を補間によって算出する構成としてもよい。
【0071】
さらに、上述の実施形態のように、有色インク記録率の変化に対して有色インクとCLインクの記録率の和を略一定にする構成が必須というわけではない。すなわち、印刷条件毎の光沢差は各種の複雑な要因によって生じるので、CLインク記録率が逓減する際の変化率をより急激にしたり、CLインク記録率を逓増させたりすることも可能である。これにより、印刷条件毎により詳細に光沢を調整することができ、印刷条件毎の光沢差をより確実に解消することが可能になる。
【0072】
図5はかかる構成の一例を示しており、CLインク記録率の変化率を調整することによって、CLインク記録率の傾きを矢印Aのように調整することができる。また、CLインクを有限とする値を増減して矢印Bのように調整することができるし、有色インクが”0”である時のCLインク記録率を増減して矢印Cのように調整することができる。印刷媒体上に記録されたインクの総量によって光沢が左右される場合には、上記矢印Bに示す調整をすることが好ましいし、同じインク記録率で印刷媒体上のインク量やインクの広がりが異なる場合には上記矢印Cに示す調整をすることが好ましい。
【0073】
さらに、CLインク記録率は直線的に変化させることが必須というわけではない。すなわち、CLインク記録率の有色インクの記録率に対する変化率を一定とはせず、その変化率を変えることにより、図5のDに示すように有色インクとCLインクの記録率の和をグラフ上で屈曲させるようにしてもよいし、曲線的に変化するように構成してもよい。これにより、印刷条件毎に詳細に光沢を調整することができ、印刷条件毎の光沢差をより確実に解消することが可能になる。むろん、CLインク記録率の変化率を離散的にしてもよく、例えば、有色インク記録率”0”でCLインク記録率を有限の値とすることも可能である。尚、図4(a),(b)における横軸および縦軸は図3(a),(b)における横軸および縦軸と同様であり、図5(a),(b)における横軸および縦軸も図3(a),(b)における横軸および縦軸と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷制御装置となるコンピュータの概略構成を示す図である。
【図2】印刷制御処理のフローチャートである。
【図3】第1実施形態におけるインク記録率の説明図である。
【図4】他の実施形態におけるLUT及びインク量の説明図である。
【図5】他の実施形態におけるLUT及びインク量の説明図である。
【符号の説明】
10…コンピュータ、15…HDD、15a…画像データ、15b〜15n…LUT、21…プリンタドライバ、21a…画像データ取得モジュール、21b…色変換モジュール、21c…ハーフトーン処理モジュール、21d…印刷データ生成モジュール、22…入力機器ドライバ、23…ディスプレイドライバ、25…APL、31…キーボード、32…マウス、40…プリンタ、41a〜41g…インクカートリッジ
Claims (11)
- 色剤を含む有色インクと色剤を含まない無色インクとを印刷媒体上に記録して画像を形成するにあたり複数の印刷条件によって画像を形成可能な印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
上記無色インクの量を所定の基準に対して所定の比率として有色インクとともに上記印刷媒体に記録するに際し、上記印刷条件によって上記所定の比率を異なる値として上記印刷媒体に記録する各インクの量を決定するインク量決定手段と、
同インク量決定手段によって決定されたインク量で画像を形成するように上記印刷装置を駆動する印刷実行手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。 - 上記インク量決定手段は、上記印刷条件によって印刷解像度に差異が生じるときに上記所定の比率を異なる値とすることを特徴とする上記請求項1に記載の印刷制御装置。
- 上記インク量決定手段は、上記印刷条件によって印刷媒体の単位面積当たりで上記有色インクが占める面積に差異が生じるときに上記所定の比率を異なる値とすることを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 上記インク量決定手段は、上記印刷条件によって一画素当たりに記録するインク重量に差異が生じるときに上記所定の比率を異なる値とすることを特徴とする上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 上記インク量決定手段は、上記印刷条件の変化傾向に合わせて上記所定の比率を変化させて異なる値としていることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 上記所定の比率は単位面積当たりに記録可能な無色インクの最大インク記録率に対する比率であり、単位面積当たりに記録される有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有限の値となる比率であることを特徴とする上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 上記所定の比率は、上記有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有色インクと無色インクとの記録率の和が略同一になるよう値が変化する比率であることを特徴とする上記請求項6に記載の印刷制御装置。
- 上記所定の比率は上記有色インクの記録率が所定の値以下の値域で有色インクと無色インクとの記録率の和が逓増,逓減,一律あるいはこれらの組み合わせであり、上記印刷条件によって上記所定の値、上記逓増,逓減の様子、一律であるときの値のいずれか又は組み合わせが変化することによって所定の比率が異なる値とされることを特徴とする上記請求項6または請求項7のいずれかに記載の印刷制御装置。
- 色剤を含む有色インクと色剤を含まない無色インクとを印刷媒体上に記録して画像を形成するにあたり複数の印刷条件によって画像を形成可能な印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
上記無色インクの量を所定の基準に対して所定の比率として有色インクとともに上記印刷媒体に記録するに際し、上記印刷条件によって上記所定の比率を異なる値として上記印刷媒体に記録する各インクの量を決定するインク量決定工程と、
同インク量決定工程によって決定されたインク量で画像を形成するように上記印刷装置を駆動する印刷実行工程とを備えることを特徴とする印刷制御方法。 - 色剤を含む有色インクと色剤を含まない無色インクとを印刷媒体上に記録して画像を形成するにあたり複数の印刷条件によって画像を形成可能な印刷装置を制御する印刷制御プログラムであって、
画像をドットマトリクス状の画素で表現した画像データを取得する画像データ取得機能と、
同画像データが示す画像を上記有色インクおよび無色インクで形成するために上記無色インクの量を所定の基準に対して所定の比率として有色インクとともに上記印刷媒体に記録するに際し、上記印刷条件によって上記所定の比率を異なる値として上記印刷媒体に記録する各インクの量を決定するインク量決定機能と、
同インク量決定機能によって決定されたインク量で画像を形成するように上記印刷装置を駆動する印刷実行機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。 - 色剤を含む有色インクと色剤を含まない無色インクとを印刷媒体上に記録するに際し、上記無色インクの量を所定の基準に対して所定の比率として有色インクとともに記録する印刷装置にて画像を形成する際に使用するインク量を決定するインク量決定方法であって、
画像を形成するための印刷条件が異なる場合に、印刷条件によって上記所定の比率を異なる値として上記印刷媒体に記録する各インク量とすることを特徴とするインク量決定方法。
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