JP2007098745A - 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 - Google Patents

印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】メモリ量の増加や処理内容の複雑化を招くことなく、擬似輪郭のない高画質な画像を印刷する。
【解決手段】画像データを受け取ると、色材付着量データ(画像を構成する各画素に付着させる色材量を表すデータ)を生成する。次いで、この色材付着量データを、隣接する画素間での色材の付着量の差が小さくなるように修正する。こうして得られた色材付着量データに従って、印刷媒体上に色材を付着させながら画像を印刷する。このように、画像データから生成した色材付着量データを修正してから画像を印刷すれば、たとえ色材付着量データへの変換精度が十分でなかった場合でも、色の繋がりや濃度の変化の不自然な箇所が生じて、その部分が擬似輪郭として認識されることを回避することができ、メモリ容量の圧迫や、処理内容の複雑化を招くことなく、高画質な画像を印刷することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する技術に関し、詳しくは、擬似輪郭の発生しない高画質な画像を印刷する技術に関する。
コンピュータを初めとするデジタル技術の進歩により、今日では、一般家庭においても十分な画質で画像を印刷することが可能となってきた。例えば、コンピュータ上で作成した画像や、デジタルカメラで撮影した画像、更にはスキャナで読み取った画像を、各種の印刷装置から十分な画質で印刷媒体上に出力することが可能である。
これらの印刷装置は、インクやトナーなどの色材を、何らかの方法で印刷媒体に適切な密度で付着させることによって画像を印刷しているが、画像データは、色材の付着量に対応したデータとはなっていない。そこで、画像の印刷に際しては、コンピュータなどの画像処理装置を用いて、画像データを色材の付着量に対応したデータに変換する処理が必要となる。例えば、カラー画像を印刷する場合、C(シアン色)、M(マゼンタ色)、Y(イエロ色)、K(黒色)のインクあるいはトナーを用いて画像を印刷するが、画像データは、光の三原色と呼ばれるR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の三色を用いて表現されていることが通常であるから、画像の印刷に先立って、RGB画像データを、CMYK各色のインクあるいはトナーの付着量に対応するデータに変換している。
また、良好なカラー画像を印刷するために、インクあるいはトナーの付着量のデータに変換するに先立って、RGB画像データに適切な処理を施す技術も各種提案されている。例えば、スキャナで読み取ってRGB画像データを生成する際に、RGB各成分間での色ズレの発生を回避するために、適切な修正を施す技術が提案されている(特許文献1)。更に、画質改善のための処理が施されたRGB画像データは、予めRGB画像データに対応付けてCMYK階調値の組合せを記憶しておいた変換テーブルを参照することにより、インクあるいはトナーなどの色材の付着量に対応するデータに変換される。かかる処理は色変換処理と呼ばれ、色変換処理を迅速に実行するためにも各種の技術が提案されている(例えば、特許文献2)。こうして得られたデータに基づいて印刷媒体上に色材が付着されて、画像が印刷される。
特開2003−92663号公報 特開平7−30772号公報
しかし、このようにして印刷された画像には、擬似輪郭と呼ばれる筋状に画質の乱れた部分が発生することがあるという問題があった。これは、例えばカラー画像を印刷する場合には、上述したように変換テーブルを参照して、RGB画像データをCMYK各色の色材付着量に対応するデータに変換するが、その際に、色の繋ぎが不自然になる箇所が発生して、これが擬似輪郭として認識される場合が生じ得るのである。
もちろん、色変換処理に際して参照する変換テーブルの精度を向上させれば、擬似輪郭の発生を回避することが可能となるが、変換テーブルの精度を向上させるためには大きな記憶容量が必要となるため、コンピュータなどの画像処理装置のメモリ容量を圧迫するという新たな問題を引き起こしてしまう。
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、画像データに基づいて画像を印刷する場合に、コンピュータなどの画像処理装置のメモリ容量を圧迫したり、処理内容を複雑化させることなく、擬似輪郭の発生を回避して高画質な画像を得ることの可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の印刷装置は次の構成を採用した。すなわち、
色材を画像データに応じた分量で印刷媒体上に付着させることにより画像を印刷する印刷装置であって、
前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する色材付着量データ生成手段と、
前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する色材付着量データ修正手段と、
前記修正された色材付着量データに基づいて、前記印刷媒体上に色材を付着させて前記画像を形成する画像形成手段と
を備えることを要旨とする。
また、上記の印刷装置に対応する本発明の印刷方法は、
色材を画像データに応じた分量で印刷媒体上に付着させることにより画像を印刷する印刷方法であって、
前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する第1の工程と、
前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する第2の工程と、
前記修正された色材付着量データに基づいて、前記印刷媒体上に色材を付着させて前記画像を形成する第3の工程と
を備えることを要旨とする。
かかる本発明の印刷装置および印刷方法においては、画像データから、画像を構成する各画素についての色材付着量データを生成した後、隣接する画素間での色材の付着量の差が小さくなるように、色材付着量データを修正する。こうして得られた色材付着量データに従って、印刷媒体上に色材を付着させながら画像を印刷する。
このように、画像データから生成した色材付着量データを、そのまま使って画像を印刷するのではなく、隣接する画素間での色材付着量の差が小さくなるように色材付着量データを修正してから、画像を印刷してやれば、たとえ画像データから色材付着量データへの変換精度が十分でなかった場合でも、色の繋がりや濃度の変化の不自然な箇所が生じて、その部分が擬似輪郭として認識されることを回避することができる。このため、メモリ容量の圧迫や、処理内容の複雑化を招くことなく、高画質な画像を印刷することが可能となる。
こうした印刷装置においては、次のようにして、画像中の特定の色彩の部分だけ、色材付着量データを修正することとしても良い。すなわち、画像データの表現可能な色彩範囲の中で、所定の色彩範囲を予め記憶しておく。そして、印刷しようとする画像の中で、この記憶されている色彩領域に該当する領域を画像データに基づいて抽出し、抽出した画像領域について、色材付着量データを修正することとしてもよい。
色の繋がりや濃度の変化が不自然になって擬似輪郭が発生する現象は、ある特定の色彩(およびその近傍)で生じることが多い。従って、このような色彩の範囲を予め記憶しておき、この色彩範囲に該当する部分について、色材付着量データを修正することとすれば、不要な修正を行う必要がなくなるので、擬似輪郭の発生を効率的に回避することができる。加えて、不要な修正を行ったために、例えば物の輪郭部分が鈍ってしまうといった好ましくない影響が生じるおそれも回避することができる。
尚、予め記憶しておく色彩の範囲としては、いわゆる記憶色と呼ばれ、特定の対象物と結びつけられた色彩の範囲を記憶しておくこととしてもよい。
例えば、空の青色、山の緑色、皮膚の肌色、夕日の赤色など、特定の対象物と結びついて記憶される記憶色は、人の注意を引き付けるので、少しでも色の繋がりや濃度変化の不自然な部分があると、これが擬似輪郭として認識されてしまう傾向にある。従って、こうした記憶色の色彩範囲を記憶しておき、画像中の該当する部分についての色材付着量データを修正することとすれば、擬似輪郭の発生を確実に回避することが可能となる。
また、上述した各種の印刷装置においては、隣接する画素間での色材の付着量の差が、所定値以下の場合にだけ、色材付着量データを修正することとしてもよい。
一般に、物体の輪郭に対応する部分では、色相、彩度、あるいは濃度が大きく変化すると考えられるので、隣接する画素間で色材の付着量の差があまりに大きい場合は、その部分は物体の輪郭に該当している可能性があり、この部分のインク量データを修正してしまうと、輪郭が鈍ってしまうおそれがある。そこで、色材の付着量の差が所定値以下の場合にだけ、色材付着量データを修正することとしておけば、物体の輪郭を鈍らせてしまうことなく、擬似輪郭の発生を回避することにより、高画質な画像を印刷することが可能となる。
また、互いに大きさの異なる複数種類のドットを印刷媒体上に形成して色材を付着させることにより、画像を印刷する印刷装置においては、次のようにして画像を印刷することとしてもよい。先ず、画像データから色材付着量データを生成するに際して、ドットの種類毎の形成密度に関するデータを、色材付着量データとして生成する。ドットの形成密度に関するデータは、それのみで色材の付着量を表すことはできないが、ドットの種類が特定されていれば、形成密度と色材の付着量とは一対一に対応する。このことから、ドットの種類毎に得られた形成密度に関するデータを、色材付着量データとして求めることも可能である。そして、色材付着量データを修正するに際しては、ドットの種類毎の形成密度に関するデータを、隣接する画素間での密度差が小さくなるように修正することとしてもよい。
こうすれば、複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置においても、擬似輪郭の発生しない高画質な画像を印刷することが可能となる。
また、上述した本発明の印刷装置および印刷方法が、画像を印刷するに先立って、印刷しようとする画像の画像データに所定の画像処理を施すことにより、大きさの異なる複数種類のドットについて、画素毎にドット形成の有無を判断している点に着目すれば、本願発明は、次のように画像処理装置および画像処理方法として把握することも可能である。すなわち、本発明の画像処理装置は、
印刷媒体上に色材を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該色材の付着量を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する画像処理装置であって、
前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する色材付着量データ生成手段と、
前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する色材付着量データ修正手段と、
前記修正された色材付着量データに基づいて、前記制御データを生成する制御データ生成手段と
を備えることを要旨とする。
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、
印刷媒体上に色材を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該色材の付着量を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する画像処理方法であって、
前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する工程(A)と、
前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する工程(B)と、
前記修正された色材付着量データに基づいて、前記制御データを生成する工程(C)と
を備えることを要旨とする。
かかる本発明の画像処理装置および画像処理方法においても、画像データから生成した色材付着量データを、隣接する画素間での色材の付着量の差が小さくなるように修正する。次いで、得られた色材付着量データに従って、印刷装置が色材の付着量を制御するために用いる制御データを生成する。
こうすれば、たとえ画像データから色材付着量データへの変換精度が十分でなかった場合でも、色の繋がりや濃度の変化の不自然な箇所が生じて、その部分が擬似輪郭として認識されることの無いような制御データを生成することができる。このため、画像処理装置のメモリ容量の圧迫や、画像処理内容の複雑化を招くことなく、高画質な画像を印刷することが可能となる。
更に本発明は、上述した印刷方法あるいは画像処理方法を実現するためのプログラムをコンピュータに読み込ませ、所定の機能を実行させることにより、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述した印刷方法に対応する本発明のプログラムは、
色材を画像データに応じた分量で印刷媒体上に付着させることにより画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する第1の機能と、
前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する第2の機能と、
前記修正された色材付着量データに基づいて、前記印刷媒体上に色材を付着させて前記画像を形成する第3の機能と
を実現させることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
色材を画像データに応じた分量で印刷媒体上に付着させることにより画像を印刷するプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記録媒体であって、
前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する第1の機能と、
前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する第2の機能と、
前記修正された色材付着量データに基づいて、前記印刷媒体上に色材を付着させて前記画像を形成する第3の機能と
をコンピュータを用いて実現させることを要旨とする。
更に、上述した画像処理方法に対応する本発明のプログラムは、
印刷媒体上に色材を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該色材の付着量を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する機能(A)と、
前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する機能(B)と、
前記修正された色材付着量データに基づいて、前記制御データを生成する機能(C)と
を実現させることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
印刷媒体上に色材を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該色材の付着量を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を施すことによって生成するプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記録媒体であって、
前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する機能(A)と、
前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する機能(B)と、
前記修正された色材付着量データに基づいて、前記制御データを生成する機能(C)と
をコンピュータを用いて実現させることを要旨とする。
これらのプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種機能を実現させれば、色の繋がりや濃度の変化の不自然な部分が擬似輪郭として認識されることを回避しながら、メモリ容量の圧迫や、処理内容の複雑化を招くことなく、高画質な画像を印刷することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.実施例の概要 :
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
B−2.内部構成 :
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
C.第1実施例 :
C−1.第1実施例の画像印刷処理 :
C−2.第1実施例のインク量データ修正処理 :
D.第2実施例 :
D−1.第2実施例の画像印刷処理 :
D−2.第2実施例のインク量データ修正処理 :
E.変形例 :
E−1.第1の変形例 :
E−2.第2の変形例 :
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明しておく。図1は、本実施例の印刷装置10の概要を示した説明図である。図示した印刷装置10は、色材としてのインクを吐出して印刷媒体P上にインクドットを形成することにより画像を印刷するいわゆるインクジェットプリンタである。
図示した印刷装置10には、「画像データ受取モジュール」や、「色材付着量データ生成モジュール」、「色材付着量データ修正モジュール」、「画像形成モジュール」などが搭載されており、画像を印刷しようとする画像データに次のような処理を行うことによって画像を印刷する。先ず「画像データ受取モジュール」は、デジタルカメラやコンピュータから、印刷しようとする画像の画像データを受け取って、「色材付着量データ生成モジュール」に供給する。「色材付着量データ生成モジュール」は、画像データを変換して、色材(ここではインク)の付着量を表すデータである色材付着量データを、画像を構成する各画素について生成し、得られた色材付着量データを「色材付着量データ修正モジュール」に供給する。「色材付着量データ修正モジュール」は、色材付着量データを画素間で比較して、画素間の色材付着量データの差が小さくなるように色材付着量データを修正する。色材付着量データの修正は、最も単純には、各画素の色材付着量データの移動平均を求めることにより、色材付着量データを平滑化することによって実現することができる。図1には、各画素について求められた色材付着量データに移動平均が施されて平滑化されている様子が概念的に示されている。
次いで、修正した色材付着量データを「画像形成モジュール」に供給する。「画像形成モジュール」は、各画素について得られた色材付着量データに基づいて、印刷媒体P上にインクドットを形成するか否かを判断し、インクドットを形成すると判断された画素には、インク吐出ヘッド12を駆動してインク滴を吐出することにより、インクドットを形成する。その結果、印刷媒体P上には、画像データに対応する画像が色材によって印刷されることになる。
ここで、画像データを色材付着量データに変換する際の変換精度が十分でない場合には、画素間の繋がりが不自然となって、これが擬似輪郭として認識されてしまう場合が生じ得る。もちろん、変換精度を高くすれば擬似輪郭の発生を抑制することはできるが、変換精度を高くしようとすると、メモリの使用量が増加したり、あるいは色材付着量データに変換するための制御が複雑になってしまうという問題が生じ得る。
こうした点に鑑みて、図1に示した印刷装置では、画像データを色材付着量データに変換すると、得られた色材付着量データを、隣接する画素間での色材付着量の差が小さくなるように修正し、修正した色材付着量データに基づいて画像を形成する。こうすれば、画像データを変換して得られた色材付着量データに、画素間でのつながりの不自然な部分が生じていても、不自然さを抑制することができるので、擬似輪郭が認識されてしまうことを回避して、高画質な画像を印刷することが可能となる。このような印刷装置10は各種態様で実現することが可能であるため、以下では、実施例に基づいて、各種の態様について詳しく説明する。
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
図2は、本実施例の印刷装置10の外観形状を示す斜視図である。図示されるように、本実施例の印刷装置10は、スキャナ部100と、プリンタ部200と、スキャナ部100およびプリンタ部200の動作を設定するための操作パネル300などから構成されている。スキャナ部100は、印刷画像を読み込んで画像データを生成するスキャナ機能を有しており、プリンタ部200は、画像データを受け取って印刷媒体上に画像を印刷するプリンタ機能を有している。また、スキャナ部100で読み取った画像をプリンタ部200から出力すれば、コピー機能を実現することも可能である。すなわち、本実施例の印刷装置10は、単独でスキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を実現可能な、いわゆるスキャナ・プリンタ・コピー複合装置(以下、SPC複合装置という)となっている。
図3は、印刷画像を読み込むために、印刷装置10の上部に設けられた原稿台カバー102を開いた様子を示す説明図である。図示されているように、原稿台カバー102を上に開くと、透明な原稿台ガラス104が設けられており、その内部には、スキャナ機能を実現するための後述する各種機構が搭載されている。印刷画像を読み込む際には、図示されているように原稿台カバー102を開いて原稿台ガラス104の上に印刷画像を置き、原稿台カバー102を閉じてから操作パネル300上のボタンを操作する。こうすれば、印刷画像を直ちに画像データに変換することが可能となっている。
また、スキャナ部100は全体が一体のケース内に収納された構成となっており、スキャナ部100とプリンタ部200とは、印刷装置10の背面側でヒンジ機構204(図4参照)によって結合されている。このため、スキャナ部100の手前側を持ち上げることにより、ヒンジの部分でスキャナ部100のみを回転させることが可能となっている。
図4は、スキャナ部100の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。図示するように、本実施例の印刷装置10では、スキャナ部100の手前側を持ち上げることで、プリンタ部200の上面を露出させることが可能である。プリンタ部200の内部には、プリンタ機能を実現するための後述する各種機構や、スキャナ部100を含めて印刷装置10全体の動作を制御するための後述する制御回路260(図5参照)、更には、スキャナ部100やプリンタ部200などに電力を供給するための電源回路(図示は省略)なども設けられている。また、図4に示されているように、プリンタ部200の上面には、開口部202が設けられており、インクカートリッジなどの消耗品の交換や、紙詰まりの処理、軽微な修理などを簡便に行うことが可能となっている。
B−2.内部構成 :
図5は、本実施例の印刷装置10の内部構成を概念的に示した説明図である。前述したように、印刷装置10にはスキャナ部100とプリンタ部200とが設けられており、スキャナ部100の内部にはスキャナ機能を実現するための各種構成が搭載され、プリンタ部200の内部にはプリンタ機能を実現するための各種構成が搭載されている。以下では、初めにスキャナ部100の内部構成について説明し、次いでプリンタ部200の内部構成について説明する。
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
スキャナ部100は、印刷画像をセットする透明な原稿台ガラス104と、セットされた印刷画像を押さえておくための原稿台カバー102と、セットされた印刷画像を読み込む読取キャリッジ110と、読取キャリッジ110を読取方向(主走査方向)に移動させる駆動ベルト120と、駆動ベルト120に動力を供給する駆動モータ122と、読取キャリッジ110の動きをガイドするガイド軸106などから構成されている。また、駆動モータ122や読取キャリッジ110の動作は、後述する制御回路260によって制御されている。
制御回路260の制御の下で駆動モータ122を回転させると、駆動ベルト120を介してその動きが読取キャリッジ110に伝達され、その結果、読取キャリッジ110は、ガイド軸106に導かれながら駆動モータ122の回転角度に応じて読取方向(主走査方向)に移動するようになっている。また、駆動ベルト120は、アイドラプーリ124によって絶えず適度に張った状態に調整されており、このため、駆動モータ122を逆回転させれば回転角度に応じた距離だけ読取キャリッジ110を逆方向に移動させることも可能となっている。
読取キャリッジ110の内部には、光源112や、レンズ114、ミラー116、CCDセンサ118などが搭載されている。光源112からの光は原稿台ガラス104に照射され、原稿台ガラス104の上にセットされた印刷画像で反射する。この反射光は、ミラー116によってレンズ114に導かれ、レンズ114によって集光されてCCDセンサ118で検出される。CCDセンサ118は、光の強度を電気信号に変換するフォトダイオードが、読取キャリッジ110の移動方向(主走査方向)と直交する方向に列状に配置されたリニアセンサによって構成されている。このため、読取キャリッジ110を主走査方向に移動させながら、光源112の光を印刷画像に照射し、CCD118によって反射光強度を検出すれば、印刷画像を電気信号に変換することができる。
また、光源112は、RGBの3色の発光ダイオードによって構成され、所定の周期でR色、G色、B色の光を順次、照射することが可能となっており、これに応じてCCD118では、R色、G色、B色の反射光が順次、検出されることになる。一般に、画像の赤色の部分はR色の光を反射するが、G色やB色の光はほとんど反射しないから、R色の反射光は画像のR成分を表したものとなっている。同様に、G色の反射光は画像のG成分を表しており、B色の反射光は画像のB成分を表している。従って、RGB3色の光を所定の周期で切り替えながら印刷画像に照射し、これに同期してCCD118で反射光強度を検出すれば、印刷画像のR成分、G成分、B成分を検出することができ、カラー画像を読み込むことが可能となっている。尚、光源112が照射する光の色を切り替えている間も読取キャリッジ110は移動しているから、RGBの各成分を検出する画像の位置は、厳密には、読取キャリッジ110の移動量に相当する分だけ異なっているが、このずれは、各成分を読み込んだ後に、画像処理によって補正することが可能である。
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
次に、プリンタ部200の内部構成について説明する。プリンタ部200には、印刷装置10の全体の動作を制御する制御回路260と、印刷媒体上に画像を印刷するための印刷キャリッジ240と、印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構と、印刷媒体の紙送りを行うための機構などが搭載されている。
印刷キャリッジ240は、色材としてのKインクを収納するインクカートリッジ242と、色材としてのCインク,Mインク,Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243と、底面側に設けられた印字ヘッド241などから構成されており、印字ヘッド241には、インク滴を吐出するインク吐出ヘッドがインク毎に設けられている。印刷キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、各色毎のインク吐出ヘッド244ないし247に供給される。尚、図5に示したプリンタ部200では、Cインク,Mインク,Yインクについては一つのインクカートリッジ243に一体に収納されているものとして説明したが、これらインクをそれぞれ別体に形成された専用のインクカートリッジに収納することも可能である。また、これらインクに加えて、濃度の低いCインク(LCインク)や、濃度の低いMインク(LMインク)、更には濃度の低いKインク(LKインク)などを搭載することも可能である。
印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構は、印刷キャリッジ240を駆動するためのキャリッジベルト231と、キャリッジベルト231に動力を供給するキャリッジモータ230と、キャリッジベルト231に絶えず適度な張力を付与しておくための張力プーリ232と、印刷キャリッジ240の動きをガイドするキャリッジガイド233と、印刷キャリッジ240の原点位置を検出する原点位置センサ234などから構成されている。後述する制御回路260の制御の下でキャリッジモータ230を回転させると、回転角度に応じた距離だけ印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させることが可能である。また、キャリッジモータ230を逆回転させれば、印刷キャリッジ240を逆方向に移動させることも可能となっている。
印刷媒体の紙送りを行うための機構は、印刷媒体を裏面側から支えるプラテン236と、プラテン236を回転させて紙送りを行う紙送りモータ235などから構成されている。後述する制御回路260の制御の下で紙送りモータ235を回転させれば、回転角度に応じた距離だけ印刷媒体を副走査方向に紙送りすることが可能となっている。
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、デジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器、更には、周辺機器との間でデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェースPIFなどから構成されている。制御回路260は、印刷装置10全体の動作を制御しており、スキャナ部100に搭載された光源112や、駆動モータ122、CCD118とデータをやり取りしながら、これらの動作を制御している。
また、制御回路260は、キャリッジモータ230および紙送りモータ235を駆動して印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながら、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に設けられたノズルの駆動を制御する制御データを供給して、インク滴を吐出させる制御も行っている。インク吐出ヘッド244ないし247に供給する制御データは、コンピュータ20やデジタルカメラ30などから画像データを読み込んで、後述する画像処理を行うことによって生成する。もちろん、スキャナ部100で読み込んだ画像データに画像処理を施すことにより、制御データを生成することも可能である。こうして制御回路260の制御の下で、印刷キャリッジ240を主走査および副走査させながら、インク吐出ヘッド244ないし247からインク滴を吐出して印刷媒体上に各色のインクドットを形成することによって、カラー画像を印刷することが可能となっている。もちろん、制御回路260内で画像処理を行うのではなく、画像処理が施されたデータをコンピュータ20から受け取って、このデータに従って印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながらインク吐出ヘッド244ないし247を駆動することも可能である。
また、制御回路260は、操作パネル300ともデータをやり取り可能に接続されており、操作パネル300上に設けられた各種のボタンを操作することにより、スキャナ機能や、プリンタ機能の詳細な動作モードを設定することが可能となっている。更には、コンピュータ20から、周辺機器インターフェースPIFを介して詳細な動作モードを設定することも可能である。
図6は、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に、インク滴を吐出する複数のノズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐出ヘッドの底面には、各色毎のインク滴を吐出する6組のノズル列が形成されており、1組のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチkの間隔を空けて千鳥状に配列されている。制御回路260からは、これらノズルNzのそれぞれに制御データが供給され、各ノズルNzは制御データに従って、それぞれのインクによるインク滴を吐出する。また、本実施例の印刷装置10は、吐出するインク滴の大きさを制御することにより、印刷媒体上に大きさの異なるドットを形成することも可能となっている。以下、大きさの異なるドットを形成する原理について説明する。
図7は、吐出するインク滴の大きさを制御することにより、インクドットの大きさを制御する原理を示す説明図である。また、図7(a)は、インク滴を吐出するノズルの内部構造およびインク滴を吐出する方法を示した説明図である。各色のインク吐出ヘッド244ないし247には、このようなノズルが複数設けられている。図示するように、各ノズルにはインク通路255とインク室256とが設けられており、また、インク室の上面にはピエゾ素子PEが設けられている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内のインクがインクギャラリ257を経由してインク室256に供給される。
ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧を印加すると結晶構造が歪んで極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定波形の電圧を印加することで、インク室256の側壁を変形させる。その結果、インク室256の容積が減少し、容積の減少分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzから吐出される。このインク滴Ipがプラテン236に装着された印刷用紙Pに染み込むことで、印刷用紙上にインクドットが形成される。
図7(b)は、ピエゾ素子PEに印加する電圧波形を制御することで、吐出するインク滴の大きさを変更する原理を示した説明図である。ノズルからインク滴Ipを吐出するために、ピエゾ素子PEに負の電圧を印加してインクギャラリ257からインク室256内に一旦インクを吸入し、その後、ピエゾ素子PEに正電圧を印加してインク室容積を減少させて、インク滴Ipを吐出させる。ここで、インクの吸引速度が適切であればインク室容積の変化量に相当するインクが吸入されるが、吸引速度が速すぎると、インクギャラリ257とインク室256との間には通路抵抗があるためにインクギャラリ257からのインクの流入が間に合わなくなる。その結果、インク通路255のインクがインク室内に逆流して、ノズル付近のインク界面が大きく後退した状態となる。図7(b)に実線で示した電圧波形aは、適正な速度でインクを吸引する波形を示し、破線で示した電圧波形bは適切速度より大きな速度で吸引する波形の一例を示している。
十分なインクがインク室256内に供給された状態で、ピエゾ素子PEに正電圧を印加すると、インク室256の容積減少に相当する体積のインク滴IpがノズルNzから吐出される。これに対して、インクの供給量が不足してインク界面が大きく後退した状態で正電圧を印加すると、吐出されるインク滴は小さなインク滴となる。このように、本実施例の印刷装置10では、インク滴の吐出前に印加する負の電圧波形を制御してインクの吸引速度を変更することで、吐出するインク滴の大きさを制御することができる。これにより、大ドット、中ドット、小ドットの3種類のインクドットを形成することが可能となっている。
もちろん、3種類に限らず、より多種類のドットを形成することも可能である。更には、微細なインク滴を一度に複数吐出して、吐出するインク滴の数を制御するといった方法を用いて、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御してもよい。
尚、インク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
上述したように、プリンタ部200で所望の画像を印刷するためには、画像データに適切な画像処理を施して、各ノズルの駆動を制御するための制御データを生成する必要がある。従って、画像を印刷する際には、画像データに対して所定の画像処理を施して制御データを生成し、得られた制御データに基づいてインクドットを形成することにより画像を印刷する処理(画像印刷処理)が必要となる。また、詳細には後述するが、本実施例の印刷装置10では、擬似輪郭のない高画質な画像を印刷するために特別な処理を行っており、かかる特別な処理の実施態様に応じて、画像印刷処理にも幾つかの態様が存在している。そこで、以下では、これらの画像印刷処理について詳しく説明する。尚、本実施例の印刷装置10では、プリンタ部200に組み込まれた制御回路260内で画像処理を行うが、外部に設けられたコンピュータ20で画像処理を行い、処理済みのデータを周辺機器インターフェースPIFから読み込んで、ドットを形成することも可能である。
C.第1実施例 :
C−1.第1実施例の画像印刷処理 : 図8は、第1実施例の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。第1実施例の画像印刷処理を開始すると、制御回路260は先ず初めに、印刷しようとする画像データの読み込みを行う(ステップS100)。ここでは、画像データはR,G,B各色の階調値によって表現されたRGB画像データであるものとする。
次いで、読み込んだ画像データの解像度を、プリンタ部200が印刷するための解像度(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS102)。読み込んだ画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、隣接する画素の間に補間演算を行って新たな画像データを設定することで、より高い解像度に変換する。逆に、読み込んだ画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合は、隣接する画素の間から一定の割合で画像データを間引くことによって、より低い解像度に変換する。解像度変換処理では、読み込んだ画像データに対して適切な割合で画像データを生成あるいは間引くことによって、読み込んだ解像度を印刷解像度に変換する処理を行う。
こうして画像データの解像度を印刷解像度に変換したら、制御回路260は色変換処理を開始する(ステップS104)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組合せによって表現されているRGBカラー画像データを、プリンタに搭載された各色インクの使用量(換言すれば、印刷用紙上に付着させるインクの付着量)に対応するデータに変換する処理である。前述したように、プリンタ部200では、C,M,Y,Kの4色のインクを用いて画像を印刷しているから、本実施例の色変換処理では、RGB画像データを、C,M,Y,Kの各色インクの付着量に対応する階調値のデータ(インク量データ)に変換する処理を行う。もちろん、C,M,Y,Kの4色に加えて、濃度の薄いCインク(LCインク)や、濃度の薄いMインク(LMインク)、あるいは濃度の薄いKインク(LKインク)などが搭載されている場合には、RGB画像データを、これら淡インクを加えた各色のインク量のデータに変換することとしても良い。
色変換処理は、色変換テーブル(LUT)と呼ばれる3次元の数表を参照することによって行われる。図9は、色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概念的に示した説明図である。今、RGB各色の階調値が0〜255の値を取り得るものとして、図9に示すように直交する3軸にR,G,B各色の階調値を取った色空間を考える。すると、全てのRGB画像データは、原点を頂点として一辺の長さが255の立方体(色立体)の内部の点に対応付けることができる。このことから、見方を変えて、色立体をRGB各軸に直角に格子状に細分して色空間内に複数の格子点を生成すると、各格子点は、それぞれがRGB画像データに対応していると考えることができる。そこで、各格子点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの付着量に対応する階調値の組合せを予め記憶しておく。こうすれば、格子点に記憶されている階調値を読み出すことによって、RGB画像データを、各色インクの付着量に対応するデータ(インク量データ)に迅速に変換することが可能となる。
例えば、画像データのR成分がRA、G成分がGA、B成分がBAであったとすると、この画像データは、色空間内のA点に対応づけられる(図9参照)。そこで、色立体を細分する微細な立方体の中から、A点を内包する立方体dVを検出し、この立方体dVの各格子点に記憶されている各色インクの付着量を読み出してやる。そして、これら各格子点の階調値から補間演算すればA点でのインク付着量を求めることができる。以上に説明したように、色変換テーブルLUTとは、RGB各色の階調値の組合せで示される各格子点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの付着量に対応する階調値の組合せを記憶した3次元の数表と考えることができ、色変換テーブルを参照すれば、RGB画像データを各色インクの付着量に対応するインク量データに、迅速に色変換することが可能となる。
こうして色変換処理を行って、RGB画像データをCMYK各色のインク量データに変換したら、得られたインク量データを修正する処理を行う(図8のステップS106)。上述したように、色変換処理ではCMYK各色についてのインク量データが画素毎に得られるが、続いて行うインク量データ修正処理では、隣接する画素とのインク量データの階調差が小さくなるように、各色のインク量データを修正する処理を行う。かかる処理の詳細な内容については別図を用いて後述するが、隣接する画素間でのインク量データの階調差が小さくなるように修正しておけば、印刷された画像中で色の繋がりの不自然な部分が発生することを抑制することが可能となる。
図8に示した第1実施例の画像印刷処理では、インク量データ修正処理に続いて、ハーフトーン処理を行う(ステップS108)。ハーフトーン処理とは、次のような処理である。色変換処理によって各画素について求められ、インク量データ修正処理によって修正されたCMYK各色のインク付着量を表すインク量データは、画素毎に、階調値0から階調値255までの値を取り得るデータである。これに対してプリンタ部200では、ドットを形成することによって画像を表示しているから、それぞれの画素については「大ドットを形成する」、「中ドットを形成する」、「小ドットを形成する」、「何れのドットも形成しない」の4つの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有するCMYK各色のインク量データを、画素毎にドット形成の有無を表したデータ(ドットデータ)に変換しておく必要がある。本実施例では、ドット形成の有無を表す状態は4つ存在するから、ドットデータは4階調のデータとなる。ハーフトーン処理とは、このように、256階調を有するCMYK各色のインク量データを、より少ない階調のドットデータに変換する処理である。
ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用することができる。誤差拡散法は、ある画素についてドットの形成有無を判断したことでその画素に発生する階調表現の誤差を、周辺の画素に拡散するとともに、周囲から拡散されてきた誤差を解消するように、各画素についてのドット形成の有無を判断していく手法である。また、ディザ法は、ディザマトリックスにランダムに設定されている閾値とCMYK各色のインク量データとを画素毎に比較して、インク量データの方が大きい画素にはドットを形成すると判断し、逆に閾値の方が大きい画素についてはドットを形成しないと判断することで、各画素についてのドットデータを得る手法である。
また、本実施例のプリンタ部200では、大ドット、中ドット、小ドットの3種類のドットを形成可能であることから、ハーフトーン処理においても、これら大中小の各ドットについて、ドットを形成するか否かを判断する処理を行う。本実施例のハーフトーン処理では、これら大中小の各ドットについての形成有無を、ディザ法を用いて判断するものとして説明するが、その準備として、形成可能なドットの種類が一種類の場合に、ディザ法を用いて行うハーフトーン処理に付いて簡単に説明しておく。
図10は、ディザ法で用いられるディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。図示したマトリックスには、縦横それぞれ64画素、合計4096個の画素に、階調値0〜255の範囲から万遍なく選択された閾値がランダムに記憶されている。ここで、閾値の階調値が0〜255の範囲から選択されているのは、本実施例ではCMYK各色のインク量データが1バイトデータであり、階調値が0〜255の値を取り得ることに対応するものである。尚、ディザマトリックスの大きさは、図10に例示したように縦横64画素分に限られるものではなく、縦と横の画素数が異なるものも含めて、種々の大きさに設定することが可能である。
図11は、ディザマトリックスを参照しながら、画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。尚、かかる判断は、CMYKの各色について行われるが、以下では説明が煩雑となることを避けるために、CMYKの各色を区別することなく、単にインク量データと称するものとする。
ドット形成有無の判断に際しては、先ず、判断の対象として着目している画素(着目画素)についてのインク量データの階調値と、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値とを比較する。図中に示した細い破線の矢印は、着目画素のインク量データを、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値と比較していることを模式的に表したものである。そして、ディザマトリックスの閾値よりも着目画素のインク量データの方が大きい場合には、その画素にはドットを形成するものと判断する。逆に、ディザマトリックスの閾値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成しないものと判断する。図11に示した例では、画像の左上隅にある画素のインク量データは「97」であり、ディザマトリックス上でこの画素に対応する位置に記憶されている閾値は「1」である。従って、左上隅の画素については、インク量データの方がディザマトリックスの閾値よりも大きいから、この画素にはドットを形成すると判断する。図11中に実線で示した矢印は、この画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模式的に表したものである。
一方、この画素の右隣の画素については、インク量データは「97」、ディザマトリックスの閾値は「177」であり、閾値の方が大きいので、この画素についてはドットを形成しないものと判断する。このように、インク量データとディザマトリックスに設定された閾値とを比較することにより、ドットの形成有無を画素毎に決定することができる。
以上の説明を踏まえて、ディザ法を適用して大中小の各ドットについての形成有無を判断することにより、ドットデータを生成するハーフトーン処理について説明する。
図12は、CMYK各色のインク量データに対してディザ法を適用することにより大中小の各種ドットについてのドット形成有無を判断する処理の流れを示したフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。
印刷装置10の制御回路260は、ハーフトーン処理を開始すると先ず初めに、CMYKの各色について得られたインク量データを、大ドット、中ドット、小ドットのドットサイズ毎のインク量データに変換する(ステップS200)。すなわち、概念的には、大中小の各ドットのインク量データを合計が、色毎に求められたインク量データに対応する。もっとも、実際の数値は、大中小各ドットサイズのインク量データの合計と、色毎のインク量データとは一致していない。これは、大中小のドットサイズ毎にディザマトリックスを使い分けることを避ける目的で、ドットサイズ毎のインク量データが、単純なインク量ではなく、ドットサイズと組み合わせて初めてインク量を確定可能な、ドットの形成密度として表現されているためである。すなわち、ドットサイズが特定されれば、インク量とドットの形成密度とは一対一に対応する。しかし、ドットサイズが異なれば、形成密度が同じであっても実際のインク量は異なった値となる。図12のステップS200では、色毎に得られたインク量データが、実際には形成密度を表しており、ドットサイズを特定して初めてインク量を確定することが可能な、ドットサイズ毎のインク量データに変換する処理を行う。このような、色毎のインク量データから、ドットサイズ毎のインク量データへの変換は、予め設定しておいた変換テーブルを参照することによって実施することができる。
図13は、色毎のインク量データをドットサイズ毎のインク量データに変換するために参照される変換テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、変換テーブルには、色毎のインク量データに対して、小ドット、中ドット、大ドットのそれぞれのドットサイズについてのインク量データが、予め対応付けられた状態で設定されている。図中に示した太い破線が小ドットについてのインク量データを表しており、太い一点鎖線が中ドットについてのインク量データを、そして、太い実線が大ドットについてのインク量データを表している。
また、上述したように、ドットサイズ毎のインク量データは、単独ではドットの形成密度を表すデータとなっており、ドットサイズ毎のインク量データの階調値が大きくなるほど、高い密度でドットが形成されることを表している。例えば、ドットサイズ毎のインク量データの階調値255は、全ての画素にドットが形成されることを表しており、階調値0は、ドットが全く形成されないことを表している。変換テーブルには、このようなドットサイズ毎のインク量データが予め設定されており、CMYK各色のインク量データが得られれば、変換テーブルを参照することで、色毎のインク量データのそれぞれを、ドットサイズ毎のインク量データに変換することが可能である。図12のステップS200では、このようにしてドットサイズ毎のインク量データを生成する処理を行う。
以上のようにして、CMYKの色毎のインク量データを、ドットサイズ毎のインク量データに変換したら、先ず初めに大ドットについての形成有無を判断する(ステップS202)。かかる判断は、大ドットのインク量データと、ディザマトリックスに設定されている閾値とを比較して、インク量データの方が大きい場合は大ドットを形成すると判断し、逆に閾値の方が大きければ大ドットは形成しないと判断する。
そして、大ドットを形成すると判断された画素には(ステップS204:yes)、ドットデータ「11」を書き込む処理を行う(ステップS206)。ここでドットデータ「11」は、その画素に大ドットを形成することを表しているデータである。大ドットを形成しないと判断された画素については(ステップS204:no)、中ドットを形成するか否かを判断する処理を開始する。
中ドットについての形成有無の判断は、次のようにして行う。先ず初めに、大ドットのインク量データに中ドットのインク量データを加算して、中ドットの形成有無を判断するための中間データを算出する(ステップS208)。こうして算出した中間データと、ディザマトリックスの閾値とを比較することにより、中ドットの形成有無を判断する(ステップS210)。前述したように、ドットサイズ毎のインク量データを単純なインク量のデータとするのではなく、ドットの形成密度を表すデータとしておけば、大ドットの形成有無を判断するために参照したディザマトリックスと、中ドットの形成有無を判断するために参照するディザマトリックスとを同じマトリックスとすることができる。ディザマトリックスを記憶するためには、比較的おおきなメモリ容量を使用することから、このように同じマトリックスを参照してドット形成の有無を判断することができれば、メモリ容量を大きく節約することが可能となる。
中ドット用の中間データと、ディザマトリックスの閾値とを比較した結果、中間データの方が閾値より大きいと判断された場合には、その画素には中ドットを形成すると判断し、逆に閾値の方が大きいと判断された場合には、その画素には中ドットは形成しないと判断する。そして、中ドットを形成すると判断された画素については(ステップS212:yes)、中ドットを形成することを表すドットデータ「10」を書き込む処理を行う(ステップS214)。中ドットを形成しないと判断された画素については(ステップS212:no)、小ドットを形成するか否かを判断する処理を開始する。
小ドットの形成有無の判断は、小ドット用の中間データを用いて行う。小ドット用の中間データは、中ドット用の中間データに小ドットのインク量データを加算することによって算出する(ステップS216)。次いで、算出した小ドット用の中間データと、ディザマトリックスの閾値とを比較することにより、小ドットの形成有無を判断する(ステップS218)。この時に参照するディザマトリックスも、上述した大ドットおよび中ドットの形成有無を判断する際に参照したマトリックスと同じマトリックスとすることができる。そして、小ドット用の中間データの方が閾値より大きい画素には小ドットを形成すると判断し、小ドットを形成する画素については(ステップS220:yes)、小ドットを形成することを表すドットデータ「01」を記憶する(ステップS222)。逆に、小ドット用の中間データよりも閾値の方が大きい画素には、小ドットも形成しないと判断し(ステップS220:no)、この画素には、いずれのドットも形成しないことを表すドットデータ「00」を記憶する(ステップS224)。
図8に示した第1実施例の画像印刷処理のステップS108では、色変換処理(ステップS104)によって変換され、その後、インク量データ修正処理(ステップS106)によって修正されたCMYK各色のインク量データに対して上述した処理を施すことにより、画素毎に大中小の各ドットについての形成有無を表したドットデータを生成する処理を行う。
以上のようにして、CMYK各色のインク量データをドットデータに変換したら、今度は、インターレース処理を開始する(ステップS110)。インターレース処理とは、印字ヘッド241がドットを形成する順序でドットデータを並び替えて、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に供給する処理である。すなわち、図6に示したように、インク吐出ヘッド244ないし247に設けられたノズルNzは副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けて設けられているから、印刷キャリッジ240を主走査させながらインク滴を吐出すると、副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けてドットが形成されてしまう。そこで全画素にドットを形成するためには、印刷キャリッジ240と印刷媒体との相対位置を副走査方向に移動させて、ノズルピッチkだけ隔たったドット間の画素に新たなドットを形成することが必要となる。このように、実際に画像を印刷する場合には、画像上で上方にある画素から順番にドットを形成しているわけではない。更に、主走査方向に同じ列にある画素についても、一回の主走査でドットを形成するのではなく、画質上の要請から、複数回の主走査に分けてドットを形成することとして、各回の主走査では飛び飛びの位置の画素にドットを形成することも広く行われている。
このため、実際にドットの形成を開始する前に、C,M,Y,Kの各色毎に得られたドットデータを、インク吐出ヘッド244ないし247がドットを形成する順番に並び替えておく処理が必要となる。このような処理が、インターレースと呼ばれる処理である。
第1実施例の画像印刷処理では、インターレース処理を終了すると、インターレース処理によって得られたデータに基づいて、印刷媒体上に実際にドットを形成する処理(ドット形成処理)を開始する(ステップS112)。すなわち、キャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を主走査させながら、順番を並び替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ないし247に供給する。前述したようにドットデータは、各画素にドットを形成するか否かを表したデータであるから、インク吐出ヘッド244ないし247は、ドットデータに従ってインク滴を吐出すれば、各画素に適切にインクドットを形成することができる。
そして、一回の主走査が終了したら、今度は、紙送りモータ235を駆動して印刷媒体を副走査方向に紙送りした後、再びキャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を主走査させつつ、順番を並べ替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ないし247に供給してドットを形成する。このような操作を繰り返し行うことにより、印刷媒体上には、C,M,Y,Kの各色のドットが画像データの階調値に応じて適切な分布で形成され、その結果として画像が印刷される。
また、上述した第1実施例の画像印刷処理の中では、色変換処理によって得られたCMYK各色のインク量データに対して、インク量データ修正処理を施しているために、得られた印刷画像に擬似輪郭が発生することがなく、高画質な画像を印刷することが可能となる。以下では、こうしたことを可能とする第1実施例のインク量データ修正処理の内容について説明する。
C−2.第1実施例のインク量データ修正処理 :
図14は、第1実施例のインク量データ修正処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図8に示した第1実施例の画像印刷処理中でCMYK各色のインク量データを生成した後に、印刷装置10の制御回路260によって実行される処理である。尚、インク量データ修正処理は、色変換処理によって得られたCMYK各色のインク量データに対して行われるが、各色についての処理内容は全く同様であるため、以下では、色を特定することなく説明する。
第1実施例のインク量データ修正処理を開始すると、先ず初めに、画素列の左端にある連続した2画素分のインク量データを読み込む処理を行う(ステップS250)。コンピュータ内では、周知のように、画像は格子状に細分されて、画素と呼ばれる小さな要素の集まりとして表現されている。インク量データ修正処理では、これらの画素を主走査方向に並んだ画素列(ラスタ)の単位で処理するものとして、先ず左端にある2画素分のインク量データを読み込む処理を行うのである。尚、ここで、読み込むインク量データを2画素分としているのは、第1実施例のインク量データ修正処理が、連続する3画素分のインク量データの平均を取ることによって、インク量データを修正することとしているためである。従って、仮に連続するN画素分のインク量データの平均を取る場合は、ステップS250では、N−1画素分のインク量データを読み込んでやればよい。
次いで、インク量データを修正する処理の対象とする画素(着目画素)のインク量データを読み込む処理を行う(ステップS252)。ここでは、画素列の左端から処理することとしているから、既にインク量データを読み出した連続する画素の右隣にある画素が、着目画素となる。
続いて、着目画素を含めてインク量データを読み出した連続する3つの画素について、隣接する画素間でのインク量データの階調差(絶対値)を算出し(ステップS254)、算出したインク量データの階調差(絶対値)が、所定値よりも小さいか否かを判断する(ステップS256)。ここで、インク量データの階調差が十分に小さければ擬似輪郭が発生するおそれはなく、インク量データを修正する処理は不要であることから、単純に考えると、インク量データが大きい場合に修正処理が必要になる筈である。しかし、インク量データの階調差があまりに大きい場合は、ちょうど物体の輪郭に対応する箇所である可能性が高く、このような箇所でインク量データを修正したのでは、輪郭のぼやけた画像になってしまうおそれがある。そこで、ステップS256では、隣接する画素間で算出したインク量データの階調差の中に、所定値を越える階調差が存在するか否かを判断するのである。
その結果、インク量データの階調差が所定値以下であると判断された場合は(ステップS256:yes)、物体の輪郭に対応する箇所ではないと考えられるので、擬似輪郭の発生を回避するべく、着目画素についてのインク量データを修正する処理を行う。インク量データの修正に際しては、先ず初めに、連続する3つの画素から読み出したインク量データの平均値を算出する(ステップS258)。次いで、着目画素のインク量データを、算出した平均値によって更新する(ステップS260)。こうすれば、着目画素のインク量データは、左隣に隣接する画素との間で、インク量データの差が小さくなるように修正されることになる。
一方、ステップS256において、算出したインク量データの階調差の中に、所定値を越えるものがあると判断された場合は(ステップS256:no)、物体の輪郭に対応する箇所の可能性があるため、着目画素についてのインク量データを修正する処理はスキップすればよい。
以上のようにして、着目画素についてのインク量データを修正したら、全画素について、上述した処理を行ったか否かを判断する(ステップS262)。そして、未処理の画素が残っている場合は(ステップS262:no)、ステップS252に戻って、着目画素の右隣にある画素のインク量データを選択し、この画素を新たな着目画素として、続く一連の処理を行う。こうして処理を繰り返し行い、全画素についての処理を終了したと判断されたら(ステップS262:yes)、図14に示した第1実施例のインク量データ修正処理を終了して、図8の画像印刷処理に復帰する。
図15は、上述した第1実施例のインク量データ修正処理によって、インク量データが修正される様子を示した説明図である。図15(a)は、主走査方向に延びる画素列の一部を拡大して表したものであり、「a」,「b」,「c」,「d」,「e」が表示された小さな矩形のそれぞれは画素を表している。また、図14に示した第1実施例のインク量データ修正処理では、連続する3画素についてのインク量データを読み込んで、これらの画素間での階調差が所定値以下であれば、インク量データを修正するものとして説明した。図15(a)中に示した破線の矩形は、インク量データが読み込まれている連続する3つの画素を表したものである。破線で囲った3つの画素「a」,「b」,「c」の中で右端にある画素「c」が着目画素となる。そして、画素「c」についての処理が終わったら、破線の矩形を1画素分だけ右に移動させ、着目画素「d」を含めた3つ画素「b」,「c」,「d」について同様な処理を行う。こうして、破線の矩形で囲われた3つの画素の位置を移動させながら、矩形内で右端にある着目画素についてのインク量データを修正していく。以下、具体的に説明する。
図15(b)は、色変換処理によって各画素について得られたインク量データ、すなわち修正前のインク量データを概念的に示したものである。図中に示した小さな矩形は画素を表しており、矩形の中に表示された数値は、それぞれの画素のインク量データを概念的に表したものである。図14を用いて前述したように、インク量データを修正するに際しては、先ず初めに左端の2つの画素に設定されているインク量データ「10」および「12」を読み出し(図14のステップS250に対応)、次いで、その右隣にある着目画素のインク量データ「8」を読み出す(ステップS252に対応)。そして、これら3つのインク量データの階調差(絶対値)を算出し、階調差が所定値以下か否かを判断する(ステップS254、S256に対応)。そして所定値(ここでは、「50」とする)以下であれば、これら3つのインク量データの平均値によって、着目画素のインク量データを置き換える(ステップS258、S260に対応)。ここでは、3つの画素のインク量データは、それぞれ「10」、「12」、「8」であるから、最も大きなインク量データの階調差は「4」であり、所定値「50」に満たないので、これらインク量データの平均値「10」で、着目画素のインク量データ「8」を置き換えてやる。
こうして着目画素のインク量データを修正したら、右隣にある画素を新たな着目画素として、インク量データ「16」を読み込んで、同様な操作を行う。この結果、新たな着目画素のインク量データは「12」に置き換えられる。
続いて、その右隣の画素を新たな着目画素として、インク量データ「65」を読み込む。このインク量データ「65」は、先ほど書き換えられた隣接する画素のインク量データ「12」との階調差が「51」もあるので、この着目画素についてはインク量データを修正する処理はスキップして、その右隣にある画素の処理を開始する。
図15(c)は、このようにして、図15(b)のインク量データを修正した結果を示したものである。また、図15(d)は、図15(b)に示した修正前のインク量データと、図15(c)に示した修正後のインク量データとを比較して示した説明図である。図示されているように、破線で示した修正後のインク量データは、インク量データがステップ上に変化するエッジの部分では、エッジを全く鈍らせることなく、それでいて、エッジでない部分では、インク量データがより滑らかに変化するように修正されていることが確認できる。
以上に説明したように、第1実施例の画像印刷処理では、色変換処理を行って画像データをインク量データに変換した後、得られたインク量データに対して、図14に示したインク量データ修正処理を行うことにより、隣接する画素間でのインク量データの階調差(絶対値)が小さくなるように、インク量データを修正する。そして、修正後のインク量データに対してハーフトーン処理およびインターレース処理を行って、画像を印刷する。こうすれば、たとえ色変換処理に際して参照する変換テーブルの精度が必ずしも十分でなかった場合でも、隣接する画素間でインク量データがより滑らかに変化するようになる。その結果、色の繋がりが不自然で擬似輪郭として認識される部分が生じることを回避して、高画質な画像を印刷することが可能となる。
また、図14に示した第1実施例のインク量データ修正処理では、隣接する画素間でのインク量データが所定値よりも大きく変化している場合には、インク量データを修正する処理をスキップすることとしている。このため、物体の輪郭の部分を鈍らせることなく、クッキリとした印象の画像を印刷することができる。もちろん、こうした判断を行うことなく、画像全体に平均化する処理を行ったとしても、平均を取る画素数を極端に大きな個数としない限り、画質が悪化するほどに物体の輪郭がぼやけてしまうことはない。
D.第2実施例 :
上述した第1実施例の画像印刷処理では、インク量データ修正処理中で、物体の輪郭に対応する部分を、画素間のインク量データの階調差に基づいて検出し、その部分を避けてインク量データを修正することにより、輪郭を鈍らせることなく画像を印刷するものとして説明した。しかし、RGB画像データ(あるいは色変換後のCMYK各色のインク量データ)に基づいて、所定色彩の領域を抽出し、抽出した領域についてのみインク量データを修正することとしても良い。以下では、こうした第2実施例について説明する。
D−1.第2実施例の画像印刷処理 :
図16は、第2実施例の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。かかる第2実施例の画像印刷処理は、図8を用いて前述した第1実施例の画像印刷処理に対して、インク量データを修正する領域(修正対象領域)を予め抽出しておき、抽出した修正対象領域についてだけ、インク量データを修正する点が大きく異なっている。以下では、かかる相違点を中心として、第2実施例の画像印刷処理について説明する。
第2実施例の画像印刷処理においても、前述した第1実施例と同様に、処理を開始すると先ず初めに、印刷しようとする画像のRGB画像データを読み込んで(ステップS300)、プリンタ部200が印刷するための解像度(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS302)。
こうして印刷解像度に変換されたRGB画像データに対して、修正対象領域を抽出する処理を行う(ステップS304)。ここで、修正対象領域とは、隣接する画素間でインク量データの階調差が小さくなるように、インク量データを修正する処理の対象となる画像領域である。ステップS304では、印刷解像度に変換された各画素について、その画素のインク量データを修正するか否かを予め決定しておくのである。
図17は、修正対象領域抽出処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。
修正対象領域抽出処理を開始すると、印刷解像度に変換されたRGB画像データの中から1画素分のデータを読み込んでやる(ステップS350)。そして、読み込んだ画素のRGB画像データが、予め設定しておいた記憶色領域に該当するか否かを判断する(ステップS352)。かかる判断は、次のようにして行う。
図18は、RGB画像データ中に記憶色領域が設定されている様子を概念的に示した説明図である。ここで記憶色とは、皮膚の肌色、空の青色、山の緑色、夕日の赤色などのように、特定の物と関連付けて記憶されている色をいう。画像中で、これら記憶色の部分は人間の注意を引き易く、従って、色の繋がりが少し不自然になっただけで擬似輪郭として認識される傾向にある。そこで、擬似輪郭が現れ易く、インク量データを修正すべき領域として、記憶色の色彩領域が設定されているのである。図18では、記憶色領域A、記憶色領域B、記憶色領域Cの3つの領域が、インク量データを修正すべき領域として設定されている。尚、ここでは、インク量データを修正すべき領域として、記憶色の領域のみが設定されているものとして説明しているが、記憶色ではない色彩の領域を設定しても構わない。
図17のステップS352では、ステップS350で読み込んだ画素のRGB画像データが、図18に示されているように、インク量データを修正すべき領域として予め設定された領域(ここでは記憶色領域)に該当するか否かを判断する。そして、読み込んだRGB画像データが記憶色領域に該当すると判断した場合は(ステップS352:yes)、その画素に、インク量データを修正することを示すフラグを設定する(ステップS354)。一方、読み込んだRGB画像データが記憶色領域に該当しないと判断された場合は(ステップS352:no)、フラグの設定は行わない。
次いで、全画素について、上述した処理を終了したか否かを判断し(ステップS356)、未処理の画素が残っていれば(ステップS356:no)、ステップS350に戻って新たな画素のRGB画像データを読み込んだ後、続く一連の処理を行う。こうした処理を繰り返すうちに、全画素についての処理を終了したと判断されたら(ステップS356:yes)、図17に示した修正対象領域抽出処理を終了して、図16に示した第2実施例の画像印刷処理に復帰する。
第2実施例の画像印刷処理に復帰すると、続いて、色変換処理を開始する(ステップS306)。色変換処理では、図9に示した色変換テーブルを参照することにより、RGB画像データを、CMYK各色についてのインク量データに変換する処理を行う。かかる処理の内容は、前述した第1実施例における処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
第2実施例の画像印刷処理においても、第1実施例と同様に、色変換処理に続いて、得られたCMYK各色のインク量データを修正する処理を行う(ステップS308)。かかる第2実施例のインク量データ修正処理の詳細な内容については別図を参照しながら後述するが、図14を用いて前述した第1実施例のインク量データ修正処理では、隣接する画素間でのインク量データの階調差に基づいて、インク量データを修正するか否かを判断していたのに対して、第2実施例のインク量データでは、修正対象領域抽出処理を行うことによって設定されたフラグに基づいて判断している点が大きく異なったものとなっている。
インク量データ修正処理に続いて行われる処理は、第2実施例の画像印刷処理においても、前述した第1実施例の処理と同様である。以下、簡単に説明すると、先ず、修正されたインク量データに対してハーフトーン処理を行うことにより、ドットデータを生成する(ステップS310)。ここでドットデータとは、前述したように、大ドット、中ドット、小ドットの何れのドットを形成するか、あるいは何れのドットも形成しないかを、画素毎に表したデータである。
続いて、ハーフトーン処理によって得られたドットデータに対して、インターレース処理を行って、印字ヘッド241がドットを形成する順序でドットデータを並び替えた後、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に供給する(ステップS312)。そして、供給されたドットデータに従って、インク滴を吐出してドットを形成することにより、印刷媒体上に画像を印刷することができる(ステップS314)。
以上に説明した第2実施例の画像印刷処理においても、インク量データ修正処理においてインク量データを修正しているため、擬似輪郭の生じない高画質な画像を印刷することが可能となっている。加えて、画像中でインク量データを修正する領域を予め抽出しておき、抽出した領域についてインク量データを修正するため、記憶色などの擬似輪郭が生じ易い画像領域のみ、修正することも可能となる。以下では、こうした第2実施例のインク量データ修正処理について説明する。
D−2.第2実施例のインク量データ修正処理 :
図19は、第2実施例のインク量データ修正処理の流れを示すフローチャートである。図14を用いて前述した第1実施例のインク量データ修正処理では、隣接する画素間でのインク量データの階調差に基づいて、インク量データを修正するか否かを判断していたのに対して、第2実施例のインク量データでは、修正対象領域抽出処理を行うことによって設定されたフラグに基づいて判断している点が大きく異なったものとなっている。以下では、かかる相違点を中心として、第2実施例のインク量データ修正処理について説明する。尚、第2実施例のインク量データ修正処理も、色変換処理によって得られたCMYK各色のインク量データに対して行われるが、各色についての処理内容は全く同様であるため、以下では、色を特定することなく説明する。
第2実施例のインク量データ修正処理を開始すると、先ず初めに、画素列の左端にある連続した2画素分のインク量データを読み込む処理を行う(ステップS400)。次いで、インク量データを修正する処理の対象とする画素(着目画素)のインク量データを読み込む処理を行う(ステップS402)。
こうして3画素分のインク量データを読み込んだら、第2実施例のインク量データ修正処理では、これら3画素の全てにフラグが設定されているか否かを判断する(ステップS404)。フラグとは、図17に示した修正対象領域抽出処理において、インク量データを修正すべき領域(ここでは、記憶色領域)に含まれる画素に設定されたフラグである。そして、全画素にフラグが設定されていることが確認できれば(ステップS404:yes)、これら3画素分のインク量データの平均値を算出し(ステップS406)、次いで、算出した平均値によって、着目画素のインク量データを更新する(ステップS408)。こうすれば、着目画素のインク量データは、左隣に隣接する画素との間で、インク量データの差が小さくなるように修正されることになる。
一方、ステップS404で、3つの画素の中にフラグの設定されていない画素が含まれていると判断された場合には(ステップS404:no)、着目画素についてのインク量データを修正する処理はスキップすればよい。
以上のようにして、着目画素についてのインク量データを修正したら、全画素について、上述した処理を行ったか否かを判断する(ステップS410)。そして、未処理の画素が残っている場合は(ステップS410:no)、ステップS402に戻って、着目画素の右隣にある画素のインク量データを選択し、この画素を新たな着目画素として、続く一連の処理を行う。こうして処理を繰り返し行い、全画素についての処理を終了したと判断されたら(ステップS410:yes)、図19に示した第2実施例のインク量データ修正処理を終了して、図16に示した第2実施例の画像印刷処理に復帰する。
以上に説明した第2実施例の画像印刷処理においては、擬似輪郭の発生し易い色彩領域を予め設定しておき、RGB画像データ(あるいはCMYK各色のインク量データ)に基づいて、画像中で該当する色彩領域を抽出し、抽出した領域についてインク量データを修正する。このため、必要な部分だけインク量データを修正することができるので、画像中で物体の輪郭が鈍ったり、あるいは色彩が若干変わってしまうといったおそれがなく、高画質な画像を印刷することが可能となる。
E.変形例 :
上述した各種実施例には、幾つかの変形例が存在する。以下では、これら変形例について簡単に説明する。
E−1.第1の変形例 :
上述した各種実施例では、色変換後のインク量データ(すなわち、図13に示す色毎のインク量データ)に対して、インク量データを修正する処理を行うものとして説明した。しかし、色毎のインク量データをドットサイズ毎のインク量データに変換した後に、それぞれのドットサイズ毎のインク量データに対して、インク量データを修正する処理を行っても良い。
ドットサイズ毎のインク量データに対してインク量データを修正しておけば、たとえ、色毎のインク量データをドットサイズ毎のインク量データに変換する際に、不連続な部分が生じたとしても、擬似輪郭を発生させることなく、高画質な画像を印刷することが可能となる。
E−2.第2の変形例 :
上述した第2実施例の画像印刷処理では、3つの記憶色領域が設定されているが、これら何れの記憶色領域に含まれる場合でも、同じようにインク量データを修正するものとして説明した。しかし、何れの領域に属するかを識別可能な状態でフラグを設定しておき、領域毎に、インク量データを修正することとしても良い。こうすれば、異なる色彩の領域が隣接している場合でも、境界を鈍らせることなく、擬似輪郭の発生を回避することが可能となる。
以上、本実施例の印刷装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
本実施例の印刷装置の概要を示した説明図である。 本実施例の印刷装置の外観形状を示す斜視図である。 印刷画像を読み込むために印刷装置の上部に設けられた原稿台カバーを開いた様子を示す説明図である。 スキャナ部の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。 本実施例の印刷装置の内部構成を概念的に示した説明図である。 インク吐出ヘッドにインク滴を吐出する複数のノズルが形成されている様子を示した説明図である。 吐出するインク滴の大きさを制御することによりインクドットの大きさを制御する原理を示す説明図である。 第1実施例の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。 色変換処理のために参照される色変換テーブルを概念的に示した説明図である。 ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。 ディザマトリックスを参照しながら画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。 ディザ法を適用して大中小の各種ドットについてのドット形成有無を判断する処理の流れを示したフローチャートである。 ハーフトーン処理で参照する変換テーブルを概念的に示した説明図である。 第1実施例のインク量データ修正処理の流れを示すフローチャートである。 インク量データ修正処理によってインク量データが修正される様子を示した説明図である。 第2実施例の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。 修正対象領域抽出処理の流れを示すフローチャートである。 RGB画像データ中に記憶色領域が設定されている様子を概念的に示した説明図である。 第2実施例のインク量データ修正処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10…印刷装置、 12…インク吐出ヘッド、
100…スキャナ部、 200…プリンタ部、 240…印刷キャリッジ、
241…印字ヘッド、 242…インクカートリッジ、
243…インクカートリッジ、 260…制御回路、 300…操作パネル

Claims (10)

  1. 色材を画像データに応じた分量で印刷媒体上に付着させることにより画像を印刷する印刷装置であって、
    前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する色材付着量データ生成手段と、
    前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する色材付着量データ修正手段と、
    前記修正された色材付着量データに基づいて、前記印刷媒体上に色材を付着させて前記画像を形成する画像形成手段と
    を備える印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記画像データの表現可能な色彩範囲の中で、所定の色彩範囲を予め記憶しておく色彩範囲記憶手段と、
    前記画像の中の前記記憶されている色彩範囲に該当する領域を、前記画像データに基づいて抽出する画像領域抽出手段と
    を備え、
    前記色彩付着量データ修正手段は、前記抽出された画像領域について、前記色材付着量データを修正する手段である印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記色彩範囲記憶手段は、前記所定の色彩範囲として、特定の対象物と結びつけられた色彩たる記憶色の色彩範囲を記憶しておく手段である印刷装置。
  4. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記色材付着量データ修正手段は、前記隣接する画素間での前記色材付着量の差が所定値以下の場合にだけ、前記色材付着量データを修正する手段である印刷装置。
  5. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記画像形成手段は、互いに大きさの異なる複数種類のドットを前記印刷媒体上に形成して前記色材を付着させることにより、前記画像を形成する手段であり、
    前記色材付着量データ生成手段は、前記色材付着量データとして、前記ドットの種類毎の形成密度に関するデータを生成する手段であり、
    前記色材付着量データ修正手段は、前記ドットの種類毎の形成密度に関するデータを、隣接する画素間での密度差が小さくなるように修正する手段である印刷装置。
  6. 印刷媒体上に色材を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該色材の付着量を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する画像処理装置であって、
    前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する色材付着量データ生成手段と、
    前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する色材付着量データ修正手段と、
    前記修正された色材付着量データに基づいて、前記制御データを生成する制御データ生成手段と
    を備える画像処理装置。
  7. 色材を画像データに応じた分量で印刷媒体上に付着させることにより画像を印刷する印刷方法であって、
    前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する第1の工程と、
    前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する第2の工程と、
    前記修正された色材付着量データに基づいて、前記印刷媒体上に色材を付着させて前記画像を形成する第3の工程と
    を備える印刷方法。
  8. 印刷媒体上に色材を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該色材の付着量を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する画像処理方法であって、
    前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する工程(A)と、
    前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する工程(B)と、
    前記修正された色材付着量データに基づいて、前記制御データを生成する工程(C)と
    を備える画像処理方法。
  9. 色材を画像データに応じた分量で印刷媒体上に付着させることにより画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する第1の機能と、
    前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する第2の機能と、
    前記修正された色材付着量データに基づいて、前記印刷媒体上に色材を付着させて前記画像を形成する第3の機能と
    を実現させるプログラム。
  10. 印刷媒体上に色材を付着させることによって画像を印刷する印刷装置が、該色材の付着量を制御するために用いる制御データを、該画像を表す画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    前記画像を構成する各画素について、前記色材の付着量を表す色材付着量データを、前記画像データに基づいて生成する機能(A)と、
    前記画像の隣接する画素間で前記色材の付着量の差が小さくなるように、前記色材付着量データを修正する機能(B)と、
    前記修正された色材付着量データに基づいて、前記制御データを生成する機能(C)と
    を実現させるプログラム。
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JP2012218266A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Seiko Epson Corp 画像処理装置、印刷装置、画像処理方法および画像処理プログラム

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