JP2008044295A - 印刷装置、画像処理装置、画像複写方法、および画像処理方法 - Google Patents

印刷装置、画像処理装置、画像複写方法、および画像処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008044295A
JP2008044295A JP2006223929A JP2006223929A JP2008044295A JP 2008044295 A JP2008044295 A JP 2008044295A JP 2006223929 A JP2006223929 A JP 2006223929A JP 2006223929 A JP2006223929 A JP 2006223929A JP 2008044295 A JP2008044295 A JP 2008044295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
dots
dot
types
image data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006223929A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazumi Yamada
和美 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2006223929A priority Critical patent/JP2008044295A/ja
Publication of JP2008044295A publication Critical patent/JP2008044295A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】最大ドットを形成する領域での画質低下を回避して高画質な画像を印刷する。
【解決手段】複数種類のドットの中の何れのドットを形成するか、あるいは何れのドット
も形成しないかを、画像データの階調値に基づいて画素毎に判断した後、判断結果に従っ
て印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する。このとき、所定条件(例えば、ドット
の滲み易い印刷媒体を使用する場合や、印刷媒体とインクとの組合せがドットの滲み易い
組合せであった場合、あるいは印刷装置の操作者がその旨を設定した場合など)が検出さ
れた場合には、最大ドットに代えて準最大ドットを形成する。こうすれば、最大ドットで
あればドットが滲んで画質が悪化してしまうところを、最大ドットに代えて準最大ドット
を形成することで、画質を悪化させることなく画像を印刷することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、媒体上に画像を印刷する技術に関し、詳しくは、印刷媒体上に、大きさの異
なる複数種類のドットを形成することで、高画質な画像を印刷する技術に関する。
印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷するいわゆるドットプリンタは、コンピュー
タで作成した画像や、デジタルカメラで撮影した画像の出力装置として広く使用されてい
る。これらドットプリンタは、個々の画素について見れば単にドットを形成するかしない
かの何れかの状態しか表現し得ないが、ある程度の面積を持った領域で見れば、ドットの
形成密度を制御することで、より多階調の画像を表現することが可能となっている。
また、ドットが目立ってしまうと画質を悪化させるので、互いに大きさの異なる複数種
類のドットを形成可能とし、ドットの目立ち易い領域では小さなドットを形成することに
より、印刷画質の向上を図ったドットプリンタも開発され、現在では広く使用されるよう
になっている(例えば、特許文献1)。
このように複数種類のドットを形成可能なドットプリンタでは、画質上の要請から、ド
ットの大きさは次のようにして決定されている。先ず、大ドットの大きさは、全ての画素
にドットを形成したときに(このような画像はベタ画像と呼ばれる)、ドット間に隙間が
生じないような大きさに設定されている。すなわち、ベタ画像を印刷したときに、ドット
とドットとの間に印刷用紙の地色の部分が残っていると、全体的にざらついた印象の画像
になってしまい、更にこのような画像は、ドットの形成位置が僅かにずれただけで画質が
悪化してしまう。そこで、こうしたことを回避するために、大ドットの大きさはベタ画像
を印刷したときに、ドット間に隙間が生じないような大きさに設定されている。
また、大ドットよりも小さなドット(例えば中ドット)は、大ドットではドットが目立
ってしまう領域に形成されるので、この意味からはできるだけ目立ち難い小さなドットと
することが望ましいが、大ドットとあまりに懸け離れて小さくしたのでは、大ドットへの
繋ぎの部分(ドットの大きさを切り換える部分)が目立って画質を悪化させてしまう。こ
のため、大ドットよりも小さなドット(例えば中ドット)の大きさは、ドットの切り換え
が滑らかに繋がるような大きさに設定されている。更に、中ドットに加えて、更に小さな
小ドットを形成可能な場合、小ドットの大きさは中ドットへの繋ぎの部分が目立って画質
を悪化させることの無いように、ドットの切り換えが滑らかに繋がるような大きさに設定
されている。
特開2000−52570号公報
しかし、このようにして画質上の観点からドットの大きさを決定して、これらドットを
切り換えながら印刷しているにも拘わらず、ドットプリンタで印刷された画像は、大きな
ドットを形成する領域で画質が低下することがあるという問題があった。
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、
大きなドットを形成する領域での画質の低下が見られない、高画質な画像を印刷可能な技
術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の印刷装置は次の構成を採用
した。すなわち、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置であって、
印刷しようとする画像の画像データを受け取って、前記複数種類のドットについての形
成有無を、該画像データの階調値に基づいて画素毎に判断するドット形成有無判断手段と

前記ドット形成有無の判断結果に従って、印刷媒体上に前記複数種類のドットを形成す
るドット形成手段と
を備え、
前記ドット形成手段は、
前記複数種類のドットに加えて、該複数種類のドットの中の最大ドットよりも小さく
、その他の何れのドットよりも大きなドットたる準最大ドットを形成可能であり、
所定の条件が検出された場合には、前記最大ドットに代えて前記準最大ドットを形成
する手段であることを要旨とする。
また、上記の印刷装置に対応する本発明の印刷方法は、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
印刷しようとする画像の画像データを受け取って、前記複数種類のドットについての形
成有無を、該画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する第1の工程と、
前記ドット形成有無の判断結果に従って、印刷媒体上に前記複数種類のドットを形成す
る第2の工程と
を備え、
前記第2の工程は、
前記複数種類のドットに加えて、該複数種類のドットの中の最大ドットよりも小さく
、その他の何れのドットよりも大きなドットたる準最大ドットを形成可能であり、
所定の条件が検出された場合には、前記最大ドットに代えて前記準最大ドットを形成
する工程であることを要旨とする。
かかる本発明の印刷装置および印刷方法においては、印刷しようとする画像の画像デー
タを受け取ると、複数種類のドットの中の何れのドットを形成するか、あるいは何れのド
ットも形成しないかを、画像データの階調値に基づいて画素毎に判断した後、判断結果に
従って、ドットを形成することにより画像を印刷する。このとき、所定条件が検出された
場合には、最大ドットに代えて準最大ドットを形成しながら画像を印刷する。ここで、所
定条件としては、例えば、ドットの滲み易い印刷媒体を使用する場合や、印刷媒体とイン
クとの組合せがドットの滲み易い組合せであった場合、あるいは印刷装置の操作者がその
旨を設定した場合など、種々の場合を想定することができる。
このようにして画像を印刷すれば、最大ドットであればドットが滲んで画質が悪化して
しまうところを、最大ドットよりも少し小さな準最大ドットを形成することで、画質を悪
化させることなく画像を印刷することが可能となる。
このような本発明の印刷装置においては、画像の印刷に使用する印刷媒体の種類に関す
る情報を取得して、印刷媒体の種類が所定の媒体種類に該当する場合には、最大ドットに
代えて準最大ドットを形成することとしてもよい。ここで、印刷媒体の種類に関する情報
を取得するに際しては、印刷者が印刷媒体の種類の予め設定しておき、この設定内容を取
得することもできるし、また、印刷媒体の表面の特性(例えば色彩や、光沢など)を光学
的に検出して、その結果から、印刷媒体の種類に関する情報を取得しても良い。更には、
印刷媒体の種類に関する情報を予め印刷媒体に埋め込んでおき、この情報を検出するよう
にしても良い。印刷媒体の種類に関する情報を埋め込む方法としては、例えば、印刷媒体
の一部に識別記号や、バーコードなどを、インクや、蛍光インク、磁性インクなどによっ
て印刷しておくと言った方法を考えることができる。そして、これを光学的な手法や磁気
的な手法で読み取ることによって、印刷媒体の種類に関する情報を取得することができる
このようにして取得した印刷媒体の種類に関する情報に基づいて、使用する印刷媒体が
ドットの滲み易い媒体として予め定められていた媒体であると判断された場合に、最大ド
ットに代えて準最大ドットを形成することすれば、最大ドットの滲みによる画質の悪化を
回避して高画質な画像を印刷することが可能となる。
また、上述した本発明の印刷装置においては、印刷しようとする画像が、文字または線
画によって構成される画像か否かを画像データに基づいて判断してもよい。そして、印刷
媒体の種類が所定の媒体種類に該当し、且つ、印刷しようとする画像が文字または線画に
よる画像であると判断された場合には、最大ドットに代えて準最大ドットを形成して画像
を印刷することとしてもよい。
滲み易い印刷媒体に画像を印刷した場合、最大ドットの滲みによる画質の悪化は、特に
、文字や線画の部分で顕著に表れる傾向がある。そこで、滲み易い印刷媒体に、文字や線
画による画像を印刷する場合には、準最大ドットを形成することで、画質の悪化を回避し
て高画質な画像を印刷することが可能となるので好適である。
あるいは、印刷しようとする画像の中から、文字または線画の部分を抽出し、所定の種
類の印刷媒体に印刷する場合には、文字または線画の部分については、最大ドットに代え
て準最大ドットを形成して画像を印刷することとしてもよい。
こうすれば、最大ドットを形成することで画質の悪化が顕著に表れる部分についてだけ
、準最大ドットを用いて画像を印刷し、その他の部分については最大ドットを用いて画像
を印刷することができる。このため、最大ドットに代えて準最大ドットを形成することに
よる影響を最小限に抑えながら、画質の悪化を回避して高画質な画像を印刷することが可
能となる。
また、上述した本発明の印刷装置においては、印刷しようとする画像が文字または線画
によって構成される画像か否かを、画像の印刷に先立って設定しておき、そして、所定の
種類の印刷媒体を用いて、文字または線画の画像を印刷する場合には、最大ドットに代え
て準最大ドットを形成しながら画像を印刷することとしてもよい。
文字または線画による画像か否かの判断は必ずしも客観的なものではなく、印刷者によ
って判断が異なる場合も生じ得る。そこで、画像の印刷に先立って、文字または線画の画
像か否かを印刷者が予め設定しておけば、最大ドットあるいは準最大ドットの何れを使用
して画像を印刷するかを、印刷者の設定に従って判断することができるので、印刷者の要
求に応じたより適切な画像を印刷することが可能となる。
また、上述した本発明の印刷装置あるいは印刷方法では、画像の印刷に先立って、画像
データに所定の画像処理を施している点に着目すれば、本願発明は、次のような画像処理
装置あるいは画像処理方法として把握することも可能である。すなわち、本発明の画像処
理装置は、
画像データに所定の画像処理を加えることにより、該画像データを、大きさの異なる複
数種類のドットについての形成有無によって表現されたデータに変換する画像処理装置で
あって、
前記複数種類のドットの中で2番目に大きな準最大ドットを除いた複数種類のドットに
ついての形成有無を、前記画像データの階調値に基づいて画素毎に判断するドット形成有
無判断手段と、
所定条件が検出されなかった場合には、前記ドット形成有無の判断結果をそのまま前記
画像処理結果として出力し、該所定条件が検出された場合には、前記複数種類のドットの
中の最大ドットの代わりに前記準最大ドットが形成されるように該判断結果を変更した状
態で、該画像処理結果として出力する画像処理結果出力手段と
を備えることを要旨とする。
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、
画像データに所定の画像処理を加えることにより、該画像データを、大きさの異なる複
数種類のドットについての形成有無によって表現されたデータに変換する画像処理方法で
あって、
前記複数種類のドットの中で2番目に大きな準最大ドットを除いた複数種類のドットに
ついての形成有無を、前記画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する工程(A)と

所定条件が検出されなかった場合には、前記ドット形成有無の判断結果をそのまま前記
画像処理結果として出力し、該所定条件が検出された場合には、前記複数種類のドットの
中の最大ドットの代わりに前記準最大ドットが形成されるように該判断結果を変更した状
態で、該画像処理結果として出力する工程(B)と
を備えることを要旨とする。
かかる本発明の画像処理装置および画像処理方法においては、画像データを受け取ると
、その画像データに画像処理を施すことにより、複数種類のドットについての形成有無に
よって表現されたデータに変換する。ここでは、複数種類のドットの中から準最大ドット
は用いることなく、準最大ドットを除いた各種ドットの形成有無によって表現されたデー
タに変換する。そして、所定条件が検出されなかった場合には、得られた結果をそのまま
、画像処理結果として出力するが、所定条件が検出された場合には、最大ドットを形成す
るところを準最大ドットが形成されるように判断結果を変更した状態で、画像処理結果と
して出力する。
このようにして得られた画像処理結果に従って、印刷媒体上に各種ドットを形成して画
像を印刷すれば、最大ドットの滲みによる画質の悪化を回避して高画質な画像を印刷する
ことが可能となる。
更に本発明は、上述した印刷方法あるいは画像処理方法を実現するためのプログラムを
コンピュータに読み込ませ、所定の機能を実行させることにより、コンピュータを用いて
実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プログ
ラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述した印刷方法に対応
する本発明のプログラムは、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する方法を、コンピュータを用
いて実現するためのプログラムであって、
印刷しようとする画像の画像データを受け取って、前記複数種類のドットについての形
成有無を、該画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する第1の機能と、
前記ドット形成有無の判断結果に従って、印刷媒体上に前記複数種類のドットを形成す
る第2の機能と
をコンピュータにより実現するとともに、
前記第2の機能は、
前記複数種類のドットに加えて、該複数種類のドットの中の最大ドットよりも小さく
、その他の何れのドットよりも大きなドットたる準最大ドットを形成可能であり、
所定の条件が検出された場合には、前記最大ドットに代えて前記準最大ドットを形成
する機能であることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷するプログラムを、コンピュー
タで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
印刷しようとする画像の画像データを受け取って、前記複数種類のドットについての形
成有無を、該画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する第1の機能と、
前記ドット形成有無の判断結果に従って、印刷媒体上に前記複数種類のドットを形成す
る第2の機能と
をコンピュータにより実現するプログラムを記録しているとともに、
前記第2の機能は、
前記複数種類のドットに加えて、該複数種類のドットの中の最大ドットよりも小さく
、その他の何れのドットよりも大きなドットたる準最大ドットを形成可能であり、
所定の条件が検出された場合には、前記最大ドットに代えて前記準最大ドットを形成
する機能であることを要旨とする。
更に、上述した画像処理方法に対応する本発明のプログラムは、
画像データに所定の画像処理を加えることにより、該画像データを、大きさの異なる複
数種類のドットについての形成有無によって表現されたデータに変換する方法を、コンピ
ュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記複数種類のドットの中で2番目に大きな準最大ドットを除いた複数種類のドットに
ついての形成有無を、前記画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する機能(A)と

所定条件が検出されなかった場合には、前記ドット形成有無の判断結果をそのまま前記
画像処理結果として出力し、該所定条件が検出された場合には、前記複数種類のドットの
中の最大ドットの代わりに前記準最大ドットが形成されるように該判断結果を変更した状
態で、該画像処理結果として出力する機能(B)と
をコンピュータにより実現することを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
画像データに所定の画像処理を加えることにより、該画像データを、大きさの異なる複
数種類のドットについての形成有無によって表現されたデータに変換するプログラムを、
コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
前記複数種類のドットの中で2番目に大きな準最大ドットを除いた複数種類のドットに
ついての形成有無を、前記画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する機能(A)と

所定条件が検出されなかった場合には、前記ドット形成有無の判断結果をそのまま前記
画像処理結果として出力し、該所定条件が検出された場合には、前記複数種類のドットの
中の最大ドットの代わりに前記準最大ドットが形成されるように該判断結果を変更した状
態で、該画像処理結果として出力する機能(B)と
をコンピュータにより実現することを要旨とする。
これらのプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種機能を実現させれば、最
大ドットが滲んで画像を悪化させることを回避することにより、高画質な画像を印刷する
ことが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.実施例の概要 :
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
B−2.内部構成 :
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
C.画像印刷処理の概要 :
D.本実施例のドット形成処理 :
E.変形例 :
E−1.第1の変形例 :
E−2.第2の変形例 :
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明して
おく。図1は、本実施例の印刷装置10の概要を示した説明図である。印刷装置10は、
印刷媒体P上にインク滴を吐出することによりインクドットを形成して画像を印刷するい
わゆるインクジェットプリンタである。印刷装置10の内部にはCPUを中心とした各種
の電子回路が搭載されており、デジタルカメラ20などから受け取った画像データに所定
の画像処理を施して、印刷媒体P上にインクドットを形成することにより、画像を印刷す
ることが可能となっている。また、印刷しようとする画像データはデジタルカメラ20に
限らず、例えば、コンピュータ30や、記録媒体50などから受け取って印刷することも
可能である。更に、印刷装置10にスキャナ40を接続し、スキャナ40で読み取った画
像データを印刷装置10に供給して画像を印刷すれば、印刷装置10をあたかも印刷装置
10として使用することも可能となっている。
ここで、画像を印刷するために印刷装置10が内部で行っている各種の機能に着目する
と、本実施例の印刷装置10は、「ドット形成有無判断モジュール」、「ドット形成モジ
ュール」などの各モジュールから構成されていると考えることができる。尚、「モジュー
ル」とは、印刷装置10が画像を印刷するために内部で行っている一連の処理を、機能に
着目して分類したものであり、従って「モジュール」は、プログラムの一部として実現す
ることもできるし、あるいは、特定の機能を有する論理回路を用いて実現したり、更には
、これらを組合せることによって実現することが可能である。
「ドット形成有無判断モジュール」は、画像データに所定の画像処理を施すことにより
、互いに大きさの異なる3種類のドット(大ドット、中ドット、小ドット)について、ド
ットを形成するか否かを画素毎に判断する。こうして得られた判断結果は、「ドット形成
モジュール」に供給される。
「ドット形成モジュール」は、「ドット形成有無判断モジュール」から受け取ったドッ
ト形成有無の判断結果に従って、インク吐出ヘッドを駆動してインク滴を吐出することに
より、大きさの異なる複数種類のドットを印刷媒体P上に形成する。その結果、印刷媒体
P上には、画像データに対応した画像が印刷される。ここで本実施例の「ドット形成モジ
ュール」は、最大のドット(ここでは大ドット)よりも小さく、その他のドット(ここで
は中ドットおよび小ドット)よりも大きなドットである準最大ドット(ここでは準大ドッ
ト)を形成可能であり、所定の条件が成立すると、大ドットを形成する代わりに準大ドッ
トを形成する。尚、所定の条件とは、いわゆる「普通紙」などのようなインクの滲み易い
印刷媒体に画像を印刷する場合であり、例えば、媒体表面の特性を光学的に検出して、検
出した特性が所定の特性を満足していた場合や、あるいは、印刷媒体の種類を表す識別マ
ークを予め印刷媒体に設けておき、この識別マークを、光学的あるいは磁気的な手法によ
って検出し、印刷媒体の種類に応じて、所定条件が満足されたか否かを判断しても良い。
更には、簡便には、画像の印刷に先立って、印刷者が印刷媒体の種類を設定して、設定し
た印刷媒体の種類によって、所定条件が満足されたか否かを判断することもできる。ある
いは、大ドットに代えて準大ドットを形成するか否かを印刷者が指定するようにして、指
定があった場合には所定条件が満足されたものと判断することも可能である。
普通紙などの滲み易い印刷媒体に画像を印刷する場合、大きなドットを形成すると、滲
みによってドットが大きくなり、画質を悪化させる場合がある。特に、細い線によって描
かれた線画や、文字、あるいは白抜きの文字などを印刷する場合、大ドットを用いて印刷
することから、ドットが滲んで細い線や文字の視認性が悪くなり、画質を大きく悪化させ
ることがある。こうした傾向は、染料インクを用いた場合に顕著に表れる。本実施例の印
刷装置10では、このように大ドットが滲んで画質を悪化させる場合には、大ドットの代
わりに、少しサイズの小さな準大ドットを用いて画像を印刷することにより、ドットの滲
みによる画質の悪化を回避することが可能となっている。以下では、このような印刷装置
10について、実施例に基づいて詳しく説明する。
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
図2は、本実施例の印刷装置10の外観形状を示す斜視図である。図示されるように、
本実施例の印刷装置10は、スキャナ部100と、プリンタ部200と、スキャナ部10
0およびプリンタ部200の動作を設定するための操作パネル300などから構成されて
いる。スキャナ部100は、印刷された画像を読み込んで画像データを生成するスキャナ
機能を有しており、プリンタ部200は、画像データを受け取って印刷媒体上に画像を印
刷するプリンタ機能を有している。また、スキャナ部100で読み取った画像(原稿画像
)をプリンタ部200から出力すれば、コピー機能を実現することも可能である。すなわ
ち、本実施例の印刷装置10は、単独でスキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を実現
可能な、いわゆるスキャナ・プリンタ・コピー複合装置(以下、SPC複合装置という)
となっている。
図3は、印刷された原稿画像を読み込むために、印刷装置10の上部に設けられた原稿
台カバー102を開いた様子を示す説明図である。図示されているように、原稿台カバー
102を上に開くと、透明な原稿台ガラス104が設けられており、その内部には、スキ
ャナ機能を実現するための後述する各種機構が搭載されている。印刷された原稿画像を読
み込む際には、図示されているように原稿台カバー102を開いて原稿台ガラス104の
上に印刷画像を置き、原稿台カバー102を閉じてから操作パネル300上のボタンを操
作する。こうすることで、原稿画像を直ちに画像データに変換することができる。
また、スキャナ部100は全体が一体のケース内に収納された構成となっており、スキ
ャナ部100とプリンタ部200とは、印刷装置10の背面側でヒンジ機構204(図4
参照)によって結合されている。このため、スキャナ部100の手前側を持ち上げること
により、ヒンジの部分でスキャナ部100のみを回転させることが可能となっている。
図4は、スキャナ部100の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である
。図示するように、本実施例の印刷装置10では、スキャナ部100の手前側を持ち上げ
ることで、プリンタ部200の上面を露出させることが可能である。プリンタ部200の
内部には、プリンタ機能を実現するための後述する各種機構や、スキャナ部100を含め
て印刷装置10全体の動作を制御するための後述する制御回路260、更には、スキャナ
部100やプリンタ部200などに電力を供給するための電源回路(図示は省略)なども
設けられている。また、図4に示されているように、プリンタ部200の上面には、開口
部202が設けられており、インクカートリッジなどの消耗品の交換や、紙詰まりの処理
、軽微な修理などを簡便に行うことが可能となっている。
B−2.内部構成 :
図5は、本実施例の印刷装置10の内部構成を概念的に示した説明図である。前述した
ように、印刷装置10にはスキャナ部100とプリンタ部200とが設けられており、ス
キャナ部100の内部にはスキャナ機能を実現するための各種構成が搭載され、プリンタ
部200の内部にはプリンタ機能を実現するための各種構成が搭載されている。以下では
、初めにスキャナ部100の内部構成について説明し、次いでプリンタ部200の内部構
成について説明する。
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
スキャナ部100は、印刷された原稿画像をセットする透明な原稿台ガラス104と、
セットされた原稿画像を押さえておくための原稿台カバー102と、セットされた原稿画
像を読み込む読取キャリッジ110と、読取キャリッジ110を読取方向(主走査方向)
に移動させる駆動ベルト120と、駆動ベルト120に動力を供給する駆動モータ122
と、読取キャリッジ110の動きをガイドするガイド軸106などから構成されている。
また、駆動モータ122や読取キャリッジ110の動作は、後述する制御回路260によ
って制御されている。
制御回路260の制御の下で駆動モータ122を回転させると、駆動ベルト120を介
してその動きが読取キャリッジ110に伝達され、その結果、読取キャリッジ110は、
ガイド軸106に導かれながら駆動モータ122の回転角度に応じて読取方向(主走査方
向)に移動するようになっている。また、駆動ベルト120は、アイドラプーリ124に
よって絶えず適度に張った状態に調整されており、このため、駆動モータ122を逆回転
させれば回転角度に応じた距離だけ読取キャリッジ110を逆方向に移動させることも可
能となっている。
読取キャリッジ110の内部には、光源112や、レンズ114、ミラー116、CC
Dセンサ118などが搭載されている。光源112からの光は原稿台ガラス104に照射
され、原稿台ガラス104の上にセットされた原稿画像で反射する。この反射光は、ミラ
ー116によってレンズ114に導かれ、レンズ114によって集光されてCCDセンサ
118で検出される。CCDセンサ118は、光の強度を電気信号に変換するフォトダイ
オードが、読取キャリッジ110の移動方向(主走査方向)と直交する方向に列状に配置
されたリニアセンサによって構成されている。このため、読取キャリッジ110を主走査
方向に移動させながら、光源112の光を原稿画像に照射し、CCD118によって反射
光強度を検出すれば、原稿画像に対応する電気信号を得ることができる。
また、光源112は、RGBの3色の発光ダイオードによって構成されており、所定の
周期でR色、G色、B色の光を順次、照射することが可能となっており、これに応じてC
CD118では、R色、G色、B色の反射光が順次、検出されることになる。一般に、画
像の赤色の部分はR色の光を反射するが、G色やB色の光はほとんど反射しないから、R
色の反射光は画像のR成分を表したものとなっている。同様に、G色の反射光は画像のG
成分を表しており、B色の反射光は画像のB成分を表している。従って、RGB3色の光
を所定の周期で切り替えながら原稿画像に照射し、これに同期してCCD118で反射光
強度を検出すれば、原稿画像のR成分、G成分、B成分を検出することができ、カラー画
像を読み込むことが可能となっている。尚、光源112が照射する光の色を切り替えてい
る間も読取キャリッジ110は移動しているから、RGBの各成分を検出する画像の位置
は、厳密には、読取キャリッジ110の移動量に相当する分だけ異なっているが、このず
れは、各成分を読み込んだ後に、画像処理によって補正することが可能である。
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
次に、プリンタ部200の内部構成について説明する。プリンタ部200には、印刷装
置10の全体の動作を制御する制御回路260と、印刷媒体上に画像を印刷するための印
刷キャリッジ240と、印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構と、印刷媒
体の紙送りを行うための機構などが搭載されている。
印刷キャリッジ240は、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク
,Mインク,Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243と、底面側に設
けられた印字ヘッド241などから構成されており、印字ヘッド241には、インク滴を
吐出するインク吐出ヘッドがインク毎に設けられている。印刷キャリッジ240にインク
カートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入
管を通じて、各色毎のインク吐出ヘッド244ないし247に供給される。尚、図5に示
したプリンタ部200では、Cインク,Mインク,Yインクについては一つのインクカー
トリッジ243に一体に収納されているものとして説明したが、これらインクをそれぞれ
別体に形成された専用のインクカートリッジに収納することも可能である。また、これら
インクに加えて、濃度の低いCインク(LCインク)や、濃度の低いMインク(LMイン
ク)、更には濃度の低いKインク(LKインク)などを搭載することも可能である。
印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構は、印刷キャリッジ240を駆動
するためのキャリッジベルト231と、キャリッジベルト231に動力を供給するキャリ
ッジモータ230と、キャリッジベルト231に絶えず適度な張力を付与しておくための
張力プーリ232と、印刷キャリッジ240の動きをガイドするキャリッジガイド233
と、印刷キャリッジ240の原点位置を検出する原点位置センサ234などから構成され
ている。後述する制御回路260の制御の下でキャリッジモータ230を回転させると、
回転角度に応じた距離だけ印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させることが可能で
ある。また、キャリッジモータ230を逆回転させれば、印刷キャリッジ240を逆方向
に移動させることも可能となっている。
印刷媒体の紙送りを行うための機構は、印刷媒体を裏面側から支えるプラテン236と
、プラテン236を回転させて紙送りを行う紙送りモータ235などから構成されている
。後述する制御回路260の制御の下で紙送りモータ235を回転させれば、回転角度に
応じた距離だけ印刷媒体を副走査方向に紙送りすることが可能となっている。
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、デジタルデータをアナロ
グ信号に変換するD/A変換器、更には、周辺機器との間でデータのやり取りを行うため
の周辺機器インターフェースPIFなどから構成されている。制御回路260は、印刷装
置10全体の動作を制御しており、スキャナ部100に搭載された光源112や、駆動モ
ータ122、CCD118とデータをやり取りしながら、これらの動作を制御している。
また、制御回路260は、キャリッジモータ230および紙送りモータ235を駆動し
て印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながら、各色のインク吐出ヘッド2
44ないし249に駆動信号を供給してインク滴を吐出させる制御も行っている。インク
吐出ヘッド244ないし249に供給する駆動信号は、デジタルカメラ20やコンピュー
タ30などから画像データを読み込んで、後述する画像処理を行うことによって生成する
。もちろん、スキャナ部100で読み込んだ画像データに画像処理を施すことにより、駆
動信号を生成することも可能である。こうして制御回路260の制御の下で、印刷キャリ
ッジ240を主走査および副走査させながら、インク吐出ヘッド244ないし247から
インク滴を吐出して印刷媒体上に各色のインクドットを形成することによって、カラー画
像を印刷することが可能となっている。もちろん、制御回路260内で画像処理を行うの
ではなく、画像処理が施されたデータをコンピュータ30から受け取って、このデータに
従って印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながらインク吐出ヘッド244
ないし247を駆動することも可能である。
また、制御回路260は、操作パネル300ともデータをやり取り可能に接続されてお
り、操作パネル300上に設けられた各種のボタンを操作することにより、スキャナ機能
や、プリンタ機能の詳細な動作モードを設定することが可能となっている。更には、コン
ピュータ30から、周辺機器インターフェースPIFを介して詳細な動作モードを設定す
ることも可能である。
図6は、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に、インク滴を吐出する複数のノ
ズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐
出ヘッドの底面には、インク色毎のインク滴を吐出する4組のノズル列が形成されており
、1組のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチkの間隔を空けて千鳥状に配
列されている。制御回路260からは、これらノズルNzのそれぞれに駆動信号が供給さ
れ、各ノズルNzは駆動信号に従って、それぞれのインクによるインク滴を吐出する。ま
た、本実施例の印刷装置10は、吐出するインク滴の大きさを制御することにより、印刷
媒体上に大きさの異なるドットを形成することも可能となっている。以下、大きさの異な
るドットを形成する原理について説明する。
図7は、吐出するインク滴の大きさを制御することにより、大きさの異なるインクドッ
トを形成する原理について示した説明図である。また、図7(a)は、インク滴を吐出す
るノズルの内部構造およびインク滴を吐出する方法を示した説明図である。各色のインク
吐出用ヘッド244ないし247には、このようなノズルが複数設けられている。図示す
るように、各ノズルにはインク通路255とインク室256とが設けられており、また、
インク室の上面にはピエゾ素子PEが設けられている。キャリッジ240にインクカート
リッジ242,243を装着すると、カートリッジ内のインクがインクギャラリ257を
経由してインク室256に供給される。
ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧を印加すると結晶構造が歪んで極めて高速に電
気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設け
られた電極間に所定波形の電圧を印加することで、インク室256の側壁を変形させる。
その結果、インク室256の容積が減少し、容積の減少分に相当するインクがインク滴I
pとなってノズルNzから吐出される。このインク滴Ipがプラテン236に装着された
印刷用紙Pに染み込むことで、印刷用紙上にインクドットが形成される。
図7(b)は、ピエゾ素子PEに印加する電圧波形を制御することで、吐出するインク
滴の大きさを変更する原理を示した説明図である。ノズルからインク滴Ipを吐出するた
めには、ピエゾ素子PEに府の電圧を印加してインクギャラリ257からインク室256
内に一旦インクを吸入し、その後、ピエゾ素子PEに正電圧を印加してインク室容積を減
少させて、インク滴Ipを吐出させる。ここで、インクの吸引速度が適切であればインク
室容積の変化量に相当するインクが吸入されるが、吸引速度が速すぎると、インクギャラ
リ257とインク室256との間には通路抵抗があるためにインクギャラリ257からの
インクの流入が間に合わなくなる。その結果、インク通路255のインクがインク室内に
逆流して、ノズル付近のインク界面が大きく後退した状態となる。図7(b)に実線で示
した電圧波形aは、適正な速度でインクを吸引する波形を示し、破線で示した電圧波形b
は適切速度より大きな速度で吸引する波形の一例を示している。
十分なインクがインク室256内に供給された状態で、ピエゾ素子PEに正電圧を印加
すると、インク室256の容積減少に相当する体積のインク滴IpがノズルNzから吐出
される。これに対して、インクの供給量が不足してインク界面が大きく後退した状態で正
電圧を印加すると、吐出されるインク滴は小さなインク滴となる。このように、本実施例
の印刷装置10に搭載されたプリンタ部200では、インク滴の吐出前に印加する負の電
圧波形を制御してインクの吸引速度を変更することで、吐出するインク滴の大きさを制御
する。これにより、大ドット、中ドット、小ドットの3種類のインクドットに、準大ドッ
トを加えた4種類のドットを形成することが可能となっている。尚、準大ドットとは、大
ドットよりは小さく、中ドットよりは大きなドットである。
また、インク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用すること
ができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置し
たヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用い
ることができる。更には、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷
用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上
に付着させる方式を採用することも可能である。
C.画像印刷処理の概要 :
上述したように、プリンタ部200は、印刷媒体上にドットを形成することによって画
像を印刷している。このため、本実施例の印刷装置10で画像を印刷するためには、デジ
タルカメラ20やスキャナ40などから受け取った画像データに適切な画像処理を施すこ
とにより、各ノズルの駆動信号を適切に生成する必要がある。以下では、かかる処理(画
像印刷処理)の概要について説明する。尚、本実施例の印刷装置10では、プリンタ部2
00に組み込まれた制御回路260内で画像処理を行うが、外部に設けられたコンピュー
タ30で画像処理を行い、処理済みのデータを周辺機器インターフェースPIFから読み
込んで、ドットを形成することも可能である。
図8は、画像データを読み込んで画像を印刷する処理(画像印刷処理)の流れを示すフ
ローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。画像印刷処理を開始する
と、先ず初めに、画像を印刷するための条件(印刷条件)の設定を取得する処理を行う(
ステップS100)。印刷条件は、画像の印刷に先立って、操作パネル300の画面上に
表示される専用画面から、制御回路260に対して予め設定しておくようになっている。
図9は、印刷装置10の制御回路260に対して、画像の印刷条件を設定する画面を例
示した説明図である。図示した例では、印刷条件として、画像を印刷する際に使用する印
刷媒体の種類と、印刷しようとする画像の種類とを設定することが可能となっている。こ
こで、印刷媒体の種類は、予め設定されている中から該当する用紙種類を選択することに
よって設定する。図示した例では、「用紙種類」と表示された欄の矢印をクリックすると
、予め設定されている複数の用紙種類が展開して表示されるので、その中から該当するも
のを選択することによって設定することが可能となっている。用紙種類としては、インク
ジェットプリンタ専用に開発されたいわゆる「専用紙」や、デジタルカメラで撮影した画
像を印刷するための「光沢紙」、一般的なコピー用紙である「普通紙」など、種々の用紙
種類が設定されている。
また、画像の種類については、「通常画像」、「文字・線画」、「自動判別」の中から
選択する。例えばデジタルカメラ20で撮影した画像を印刷したり、あるいはスキャナ4
0で写真や絵画を読み取った画像データを印刷する場合などには、印刷しようとする画像
の種類として「通常画像」を選択する。一方、コンピュータ30で作成した文書や表、グ
ラフなどの画像データを印刷したり、あるいは、これら文書、表、グラフなどの画像をス
キャナ40で読み取った画像データを印刷する場合には、「文字・線画」を選択すればよ
い。また、「自動判別」を選択した場合には、画像が写真などの自然画像か、あるいは文
字・線画であるかを自動的に判別することが可能となる。
尚、図9に示した例では、印刷条件として「用紙種類」および「画像種類」のみ設定す
るものとしたが、設定する印刷条件はこれに限られるものではなく、例えばインクの種類
などを設定するようにしても良い。
本実施例の印刷装置10では、画像の印刷に先立って、操作パネル300の画面上から
制御回路260に対して印刷条件を設定するようになっており、図8に示した画像印刷処
理のステップS100では、このようにして制御回路260に予め設定されている印刷条
件を取得する処理を行う。
次いで、印刷しようとする画像データを読み込む処理を行う(ステップS102)。例
えば、スキャナ40からの画像データを読み込む場合は、読取キャリッジ110を移動さ
せながら、原稿画像に向けて光を照射し、反射した光をレンズ114やミラー116でC
CDセンサ118に導くことによって、原稿画像を、RGB各色の階調値によって表現さ
れたカラー画像データに変換し、このカラー画像データを読み込む処理を行う。
次いで、読み込んだ画像データの解像度を、プリンタ部200が印刷するための解像度
(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS104)。読み込んだ画像データの解
像度が印刷解像度よりも低い場合は、隣接する画素の間に補間演算を行って新たな画像デ
ータを設定することで、より高い解像度に変換する。逆に、読み込んだ画像データの解像
度が印刷解像度よりも高い場合は、隣接する画素の間から一定の割合で画像データを間引
くことによって、より低い解像度に変換する。このように解像度変換処理では、読み込ん
だ画像データに対して適切な割合で画像データを生成あるいは間引くことによって、読み
込んだ解像度を印刷解像度に変換する処理を行う。
画像データの解像度を印刷解像度に変換したら、制御回路260は色変換処理を開始す
る(ステップS106)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組合せによって表現さ
れているRGBカラー画像データを、プリンタに搭載された各色インクの使用量に対応す
るデータに変換する処理である。前述したように、プリンタ部200では、C,M,Y,
Kの4色のインクを用いて画像を印刷しているから、本実施例の色変換処理では、RGB
カラー画像データを、C,M,Y,Kの各色インクの使用量に対応する階調値のデータに
変換する処理を行う。もちろん、C,M,Y,Kの4色に加えて、濃度の薄いCインク(
LCインク)や、濃度の薄いMインク(LMインク)、あるいは濃度の薄いKインク(L
Kインク)などが搭載されている場合には、RGBカラー画像データを、これら淡インク
を加えた各色のインク使用量に対応する階調値のデータに変換することとしても良い。
色変換処理は、色変換テーブル(LUT)と呼ばれる3次元の数表を参照することによ
って行われる。図10は、色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概
念的に示した説明図である。今、図10に示すように直交する3軸にR,G,B各色の階
調値を取った色空間を考えて、RGB各色の階調値が0〜255の値を取り得るものとす
る。すると、全てのRGB画像データは、原点を頂点として一辺の長さが255の立方体
(色立体)の内部の点に対応付けることができる。このことから、見方を変えて、色立体
をRGB各軸に直角に格子状に細分して色空間内に複数の格子点を生成すると、各格子点
は、それぞれがRGB画像データに対応していると考えることができる。そこで、各格子
点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの使用量に対応する階調値の組合せを予め記憶し
ておく。こうすれば、格子点に記憶されている階調値を読み出すことによって、RGBカ
ラー画像データを、各色インクの使用量に対応するデータに迅速に変換することが可能と
なる。
例えば、画像データのR成分がRA、G成分がGA、B成分がBAであったとすると、
この画像データは、色空間内のA点に対応づけられる(図10参照)。そこで、色立体を
細分する微細な立方体の中から、A点を内包する立方体dVを検出し、この立方体dVの
各格子点に記憶されている各色インクの階調値を読み出してやる。そして、これら各格子
点の階調値から補間演算してやれば、A点での階調値を求めることができる。このように
、色変換テーブルLUTとは、RGB各色の階調値の組合せで示される各格子点に、C,
M,Y,Kなどの各色インクの使用量に対応する階調値の組合せを記憶した3次元の数表
と考えることができ、色変換テーブルを参照すれば、RGBカラー画像データを各色イン
クの使用量に対応する階調データに、迅速に色変換することが可能となる。
図8に示されているように画像印刷処理では、色変換処理を終了するとハーフトーン処
理を行う(ステップS108)。ハーフトーン処理とは、次のような処理である。色変換
処理によって得られたCMYK各色のインク使用量に対応する階調データは、画素毎に、
階調値0から階調値255までの値を取り得るデータである。これに対してプリンタ部2
00では、ドットを形成することによって画像を表示しているから、それぞれの画素につ
いてはドットを形成するか否かの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有するCM
YK階調データを、画素毎にドット形成の有無を表したデータ(ドットデータ)に変換し
ておく必要がある。ハーフトーン処理とは、このようにCMYK階調データをドットデー
タに変換する処理である。
ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用
することができる。誤差拡散法は、ある画素についてドットの形成有無を判断したことで
その画素に発生する階調表現の誤差を、周辺の画素に拡散するとともに、周囲から拡散さ
れてきた誤差を解消するように、各画素についてのドット形成の有無を判断していく手法
である。また、ディザ法は、ディザマトリックスにランダムに設定されている閾値とCM
YK階調データとを画素毎に比較して、CMYK階調データの方が大きい画素にはドット
を形成すると判断し、逆に閾値の方が大きい画素についてはドットを形成しないと判断す
ることで、各画素についてのドットデータを得る手法である。本実施例の印刷装置10で
は、何れの手法を用いてハーフトーン処理を行うことも可能であるが、ここでは、ディザ
法を用いてハーフトーン処理を行うものとする。
また、前述したように本実施例の印刷装置10では、大ドット、中ドット、小ドットの
3種類のドットを形成して画像を印刷しており、このことに対応してハーフトーン処理で
は、大ドット、中ドット、小ドットのそれぞれのドットについて、ドットの形成有無を判
断している。以下では、ディザ法を用いて、大ドット、中ドット、小ドットについてドッ
トの形成有無を判断する方法について説明するが、その準備として、1種類のドットにつ
いて判断する場合を例に取り、ディザ法を用いてドット形成の有無を判断する様子につい
て簡単に説明しておく。
図11は、ディザ法と呼ばれる手法を用いてドット形成の有無を判断する際に参照され
るディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。図示したディザマトリッ
クスには、縦横それぞれ64画素、合計4096個の画素に、階調値0〜255の範囲か
ら万遍なく選択された閾値がランダムに記憶されている。ここで、閾値の階調値が0〜2
55の範囲から選択されているのは、本実施例では、色変換処理によって得られたCMY
K階調データが1バイトデータであり、階調値が0〜255の値を取り得ることに対応す
るものである。尚、ディザマトリックスの大きさは、図11に例示したように縦横64画
素分に限られるものではなく、縦と横の画素数が異なるものも含めて、種々の大きさに設
定することが可能である。
図12は、ディザマトリックスを参照しながら、画素毎にドット形成の有無を判断して
いる様子を概念的に示した説明図である。尚、このような判断は、CMYKの各色につい
て行われるが、以下では説明が煩雑となることを避けるために、CMYK階調データの各
色を区別することなく、単に階調データと称するものとする。
ドット形成有無の判断に際しては、先ず、判断の対象として着目している画素(着目画
素)についての階調データと、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾
値とを比較する。図中に示した細い破線の矢印は、着目画素の階調データを、ディザマト
リックス中の対応する位置に記憶されている閾値と比較していることを模式的に表したも
のである。そして、ディザマトリックスの閾値よりも着目画素の階調データの方が大きい
場合には、その画素にはドットを形成するものと判断する。逆に、ディザマトリックスの
閾値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成しないものと判断する。図12に
示した例では、画像の左上隅にある画素の階調データは「97」であり、ディザマトリッ
クス上でこの画素に対応する位置に記憶されている閾値は「1」である。従って、左上隅
の画素については、階調データの方がディザマトリックスの閾値よりも大きいから、この
画素にはドットを形成すると判断する。図12中に実線で示した矢印は、この画素にはド
ットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模式的に表したも
のである。一方、この画素の右隣の画素については、階調データは「97」、ディザマト
リックスの閾値は「177」であり、閾値の方が大きいので、この画素についてはドット
を形成しないものと判断する。ディザ法では、このように階調データとディザマトリック
スに設定された閾値とを比較することによって、画素毎にドットの形成有無を判断してい
る。
ここで、前述したように本実施例の印刷装置10では、大ドット、中ドット、小ドット
の3種類のドットを形成して画像を印刷していることから、図8の画像印刷処理中で行わ
れるハーフトーン処理(ステップS108)では、これら3種類のドットについて、ドッ
トの形成有無を判断する必要がある。以下では、本実施例の画像印刷処理中で行われるハ
ーフトーン処理について詳しく説明する。
図13は、本実施例のハーフトーン処理の流れを示すフローチャートである。かかる処
理は、印刷装置10の制御回路260に搭載されたCPUによって実行される処理である
。尚、上述したように、ハーフトーン処理は、色変換処理によって得られたC,M,Y,
Kの各色の画像データに対して同様に実施されるが、説明が煩雑となることを避けるため
、以下の説明においても、特に色を区別することなく説明する。
本実施例のハーフトーン処理を開始すると、先ず初めに、色変換処理によって得られた
CMYK各色の画像データを、ドットの形成密度データに変換する(ステップS200)
。ここで、ドットの形成密度データとは、プリンタ部200が形成する大ドット、中ドッ
ト、小ドットの形成密度を示すデータである。例えば、大ドットの形成密度が100%で
あれば、全ての画素に大ドットを形成すること示し(その結果、ベタ画像が印刷される)
、大ドットの形成密度50%であれば、半分の画素に大ドットを形成することを、そして
、形成密度0%であれば、全くドットを形成しないことを示している。画像データからド
ットの形成密度データへの変換は、変換テーブルを参照することによって簡単に行うこと
が可能である。
図14は、画像データを形成密度データに変換する際に参照される変換テーブルを概念
的に表した説明図である。図示されているように、変換テーブルには、色変換処理によっ
て得られた画像データに対して、小ドット、中ドット、大ドットの各ドットについての形
成密度が予め設定されている。前述したように、色変換処理によって得られた画像データ
は、CMYK各色のインク使用量に対応するデータとなっているから、このような変換テ
ーブルを参照して画像データを形成密度データに変換してやれば、画像データに応じて適
切な密度でドットを形成することができる。すなわち、色変換後の画像データの階調値が
小さな領域では、階調値が増加するに従って(インク使用量が増加するに従って)小ドッ
トの形成密度を増加させていく。インク使用量が小さく、明度の高い(明るい)画像領域
はドットが目立ち易いので、こうして小ドットを形成することで、ドットの目立たない高
画質な画像を印刷することができる。
もっとも、小ドットは小さなインク滴で形成されるから、小ドットだけを形成していた
のではインクの使用量にも限界がある。そこで、小ドットの形成密度がある程度の値に達
したら、今度は中ドットの形成を開始することとして、色変換後の画像データの階調値が
増加するに従って、中ドットの形成密度を増加させる。このとき、中ドットは小ドットが
形成されていない画素に形成するが、やがては全ての画素に小ドットあるいは中ドットが
形成されてしまうので、その後は小ドットの代わりに中ドットを形成するようにする。す
なわち、画像データの階調値が増加するにつれて、小ドットの形成密度を減少させ、中ド
ットの形成密度を増加させる。そして、中ドットの形成密度がある程度の値に達したら、
今度は大ドットの形成を開始する。大ドットを形成する場合にも、中ドットを形成した場
合と同様に、何れのドットも形成されていない画素に形成することとして、そのような画
素が残っていない場合は、小ドットがあれば小ドットに代えて、小ドットがなければ中ド
ットに代えて大ドットを形成する。このようにして色変換後の画像データの階調値が増加
するに従って(すなわち、インク使用量が増加するに従って)、小ドット、中ドット、大
ドットと、ドットの種類を切り換えながら形成し、最終的には全ての画素に大ドットを形
成する。こうすれば、色変換処理によって得られた画像データに応じて、適切な密度で小
ドット、中ドット、大ドットを形成することが可能となる。
図13に示した本実施例のハーフトーン処理のステップS200では、図14に示した
変換テーブルを参照することにより、色変換処理によって得られた画像データを、大ドッ
ト、中ドット、小ドットについての形成密度データに変換する処理を行う。
こうして各ドットについての形成密度が得られたら、今度は、その形成密度が得られる
ように、画素毎にドット形成に有無を判断する処理を開始する。ドット形成の有無を判断
するに際しては、先ず初めに大ドットについての判断を行う(ステップS202)。初め
に大ドットについての判断を行うのは、次のような理由によるものである。複数種類のド
ットを形成する場合、通常は、1つの画素に重ねてドットを形成することはない。従って
、ある種類のドットの形成有無を判断した後、他の種類のドットの形成有無を判断する場
合には、先に判断されたドットが形成されている画素を避けて、ドットを形成しなければ
ならない。すなわち、後から形成有無を判断する種類のドットは、先に判断したドットの
形成有無の制約を受けることになるので、必ずしも最適なドットの分布が得られるわけで
はない。そこで、最も目立ち易いドットである大ドットは、できるだけ良好なドット分布
が得られるように、他のドットより先に、ドットの形成有無を判断するのである。
図15は、大ドットの形成有無を判断するために行われる処理の流れを示したフローチ
ャートである。大ドットの形成有無を判断するに際しては、大ドットの形成密度データを
取得する(ステップS250)。次いで、ディザマトリックス中で、ドット形成の有無を
判断しようとしている画素(着目画素)に対応する画素位置に設定されている閾値を取得
する(ステップS252)。そして、大ドットの形成密度データとディザマトリックスの
閾値とを比較することにより、大ドットの形成有無を判断する(ステップS254)。す
なわち、図12を用いて前述したように、大ドットの形成密度データの方が、閾値よりも
大きい場合は、着目画素に大ドットを形成するものと判断する。逆に、大ドットの形成密
度データの方が閾値よりも小さい場合は、着目画素には大ドットは形成しないものと判断
する。以上のようにして、着目画素について大ドットの形成有無を判断したら、図15に
示した大ドット形成有無判断処理を終了して、図13のハーフトーン処理に復帰する。
図13のハーフトーン処理では、大ドット形成有無判断処理から復帰すると、大ドット
が「ON」か否か、すなわち着目画素に大ドットを形成すると判断されているか否かを判
断する(ステップS204)。そして、大ドットが「ON」であれば(ステップS204
:yes)、大ドットを形成することを意味するドットデータ「11」を書き込む処理を
行う(ステップS206)。一方、大ドットが「ON」でない画素については(ステップ
S204:no)、中ドットを形成するか否かを判断する処理を開始する(ステップS2
08)。
図16は、中ドットの形成有無を判断するために行われる処理の流れを示したフローチ
ャートである。中ドットの形成有無を判断するに際しては、先ず初めに、中ドットの形成
密度データを取得し(ステップS260)、次いで、大ドットの形成密度データに中ドッ
トの形成密度データを加算することにより、中ドットについての形成有無を判断するため
の中間データ(中ドット用の中間データ)を算出する(ステップS262)。そして、得
られた中ドット用の中間データと、ディザマトリックスの閾値とを比較することにより、
中ドットの形成有無を判断する(ステップS264)。すなわち、中ドット用の中間デー
タの方が閾値よりも大きい場合は、着目画素に中ドットを形成するものと判断し、逆に、
中ドット用の中間データ小さい場合は、着目画素には中ドットは形成しないものと判断す
る。こうして中ドットの形成有無を判断したら、図16の中ドット形成有無判断処理を終
了して、図13のハーフトーン処理に復帰する。
中ドット形成有無判断処理から復帰すると、図13のハーフトーン処理では、中ドット
が「ON」か否かを判断する(ステップS210)。そして、中ドットが「ON」であれ
ば(ステップS210:yes)、中ドットを形成することを意味するドットデータ「1
0」を書き込む処理を行う(ステップS212)。一方、中ドットが「ON」でない場合
は(ステップS210:no)、その画素について小ドットを形成するか否かを判断する
処理を開始する(ステップS214)。
図17は、小ドットの形成有無を判断するために行われる処理の流れを示したフローチ
ャートである。小ドットの形成有無を判断する処理を開始すると、先ず初めに、小ドット
の形成密度データを取得する(ステップS270)。次いで、中ドット用の中間データに
小ドットの形成密度データを加算することによって小ドット用の中間データを算出する(
ステップS272)。そして、得られた小ドット用の中間データとディザマトリックスの
閾値とを比較することによって小ドットの形成有無を判断した後(ステップS274)、
図17に示した小ドット形成有無判断処理を終了して、図13のハーフトーン処理に復帰
する。
図13に示したハーフトーン処理では、小ドット形成有無判断処理から復帰すると、小
ドットが「ON」か否かを判断する(ステップS216)。そして、小ドットが「ON」
であれば(ステップS216:yes)、小ドットを形成することを意味するドットデー
タ「01」を書き込む処理を行う(ステップS220)。一方、小ドットが「ON」でな
い場合は(ステップS216:no)、その画素については何れのドットも形成しないこ
とを意味するドットデータ「00」を書き込む処理を行う(ステップS218)。
以上のような処理を、画像データを構成する全画素について行うことにより、大ドット
を形成することを意味するドットデータ「11」、中ドットを形成することを意味するド
ットデータ「10」、小ドットを形成することを意味するドットデータ「01」、ドット
を形成しないことを意味するドットデータ「00」の何れかをメモリに記憶したら、図1
3に示したハーフトーン処理を終了する。
図8に示した本実施例の画像印刷処理では、以上に説明したハーフトーン処理を行うこ
とにより、色変換処理によって得られたCMYK各色の階調データを、画素毎に大ドット
、中ドット、小ドットについての形成有無を表すデータ(ドットデータ)に変換する処理
を行う(ステップS108)。
次いで、本実施例の画像印刷処理では、インターレース処理を開始する(ステップS1
10)。インターレース処理とは、印字ヘッド241がドットを形成する順序でドットデ
ータを並び替えて、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に供給する処理である。
すなわち、図6に示したように、インク吐出ヘッド244ないし247に設けられたノズ
ルNzは副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けて設けられているから、印刷キャリッ
ジ240を主走査させながらインク滴を吐出すると、副走査方向にノズルピッチkの間隔
を空けてドットが形成されてしまう。そこで全画素にドットを形成するためには、印刷キ
ャリッジ240と印刷媒体との相対位置を副走査方向に移動させて、ノズルピッチkだけ
隔たったドット間の画素に新たなドットを形成することが必要となる。このように、実際
に画像を印刷する場合には、画像上で上方にある画素から順番にドットを形成しているわ
けではない。更に、主走査方向に同じ列にある画素についても、一回の主走査でドットを
形成するのではなく、画質上の要請から、複数回の主走査に分けてドットを形成すること
として、各回の主走査では飛び飛びの位置の画素にドットを形成することも広く行われて
いる。
このように、実際に画像を印刷する場合には、画像上で画素の並びの順番に従ってドッ
トを形成しているわけではないので、実際にドットの形成を開始する前に、C,M,Y,
Kの各色毎に得られたドットデータを、インク吐出ヘッド244ないし247がドットを
形成する順番に並び替えておく必要が生じる。このような処理が、インターレースと呼ば
れる処理である。
インターレース処理を終了すると、インターレース処理によって得られたデータに基づ
いて、印刷媒体上に実際にドットを形成する処理(ドット形成処理)を開始する(ステッ
プS112)。すなわち、キャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を主
走査させながら、順番を並び替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ないし
247に供給する。前述したようにドットデータは、各画素にドットを形成するか否かを
表したデータであるから、ドットデータに従って、インク吐出ヘッド244ないし247
からインク滴を吐出すれば、ハーフトーン処理でドット形成有無を判断した通りに、各画
素にドットを形成することができる。
そして、一回の主走査が終了したら、今度は、紙送りモータ235を駆動して印刷媒体
を副走査方向に紙送りした後、再びキャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ2
40を主走査させつつ、順番を並べ替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244
ないし247に供給してドットを形成する。このような操作を繰り返し行うことにより、
印刷媒体上には、C,M,Y,Kの各色のドットが画像データの階調値に応じて適切な分
布で形成されて、画像が印刷されることになる。
もっとも、本実施例の印刷装置10は、印刷媒体上にインク滴を吐出することによって
画像を印刷している関係上、印刷媒体の種類が、いわゆる「普通紙」のようにインクが滲
み易いものであると、インクドットが大きくなって画質を悪化させることがある。特に、
細い線によって描かれた線画や、文字、あるいは白抜きの文字などを印刷する場合は、線
の部分は大ドットを用いて印刷されることから、ドットが滲んで細い線や文字の視認性が
悪くなり、画質を大きく悪化させることがある。このようなドットの滲みによる画質の悪
化を避けるために、本実施例のドット形成処理では、大ドットの代わりに準大ドットを形
成することで、どのような印刷媒体に印刷する場合でも、良好な画像が得られるようにな
っている。以下、本実施例の画像印刷処理で行われるドット形成処理について詳しく説明
する。
D.本実施例のドット形成処理 :
図18は、本実施例の画像印刷処理中で行われるドット形成処理の流れを示すフローチ
ャートである。図示するように、本実施例のドット形成処理では、処理を開始すると、先
ず初めに、印刷媒体の種類が普通紙か否かを判断する(ステップS300)。図9を用い
て前述したように、本実施例の印刷装置10では、画像の印刷に先立って、印刷媒体の種
類および画像の種類を予め設定していることから、かかる設定の内容を参照することによ
って、印刷媒体の種類が普通紙か否かを容易に判断することができる。尚、ここでは、単
に普通紙か否かを判断するものとして説明するが、滲み易い印刷媒体であれば、普通紙に
限らず、他の印刷媒体であるか否かを判断することとしても良い。
そして、印刷媒体が普通紙であると判断された場合は(ステップS300:yes)、
今度は、印刷しようとする画像が、文字または線画によって構成される画像であるか否か
を判断する(ステップS302)。かかる判断も、画像の印刷に先立って操作パネル30
0の画面上から設定された印刷条件を参照することによって行うことができる。その結果
、印刷しようとする画像の種類が、文字または線画の画像であると判断された場合は(ス
テップS302:yes)、ハーフトーン処理(図8のステップS108)によって得ら
れたドット形成有無の判断結果のうち、大ドットを形成すると判断された判断結果を、準
大ドットを形成するものという判断結果に変更する処理を行う(ステップS304)。そ
して、変更されたドット形成有無の判断結果に従って、印刷媒体上にドットを形成してい
く(ステップS306)。この結果、印刷媒体上には、小ドット、中ドット、および準大
ドットを用いて画像が印刷されることになる。
一方、印刷媒体の種類が普通紙ではない(若しくは、滲み易い印刷媒体ではない)と判
断された場合(ステップS300:no)、あるいは、印刷しようとする画像が、文字ま
たは線画で構成された画像ではないと判断された場合は(ステップS302:no)、先
に行ったハーフトーン処理における判断結果の通りに、小ドット、中ドット、大ドットを
形成する(ステップS306)。
本実施例の画像印刷処理では、以上に説明したドット形成処理を行っているため、印刷
媒体の種類が普通紙(若しくは、ドットが滲み易い印刷媒体)に、文字または線画によっ
て構成される画像を印刷する場合には、大ドットよりも少しだけ小さな準大ドットを形成
して画像が印刷される。このため、たとえドットの滲み易い印刷媒体に画像を印刷した場
合でも、大ドットが滲んで、文字や細線の部分が太くぼやけてしまい、画質を悪化させる
ことを回避することが可能となる。
もちろん、大ドットは文字や細線の部分以外(例えば、写真の画像)を印刷する場合に
も形成されるが、写真のような画像では、多少、ドットが滲んで大きくなったとしても、
文字や細線の場合のようには大きく画質を悪化させることはない。また、滲み易い印刷媒
体にドットを形成した場合、大ドットに限らず、小ドットや中ドットも滲んで、大きめの
ドットになってしまう。しかし、小ドットや中ドットは、大ドットを形成する場合に比べ
て、吐出されるインク量が少ないので、大ドットを形成する場合のように大きく滲むこと
はない。従って、小ドットや中ドットが多少滲む程度では、それ程には画質を悪化させる
ことはない。もちろん、印刷媒体が、専用紙などのように滲みの少ない画像である場合、
あるいは、滲み易い印刷媒体であっても、文字や線画によって構成される画像でない場合
は、ハーフトーン処理における判断結果に従ってどっとが形成されるので、小ドット、中
ドット、大ドットを用いて高画質な画像を印刷することが可能となる。
E.変形例 :
上述した本実施例の画像印刷処理には、種々の変形例が存在している。以下では、これ
らの変形例について簡単に説明する。
E−1.第1の変形例 :
以上に説明した本実施例の画像印刷処理では、画像の印刷に先立って、印刷媒体の種類
や、画像が文字あるいは線画によって構成される画像か否かを設定しておき、この設定内
容に従って、滲み易い印刷媒体に文字または線画の画像を印刷すると判断された場合には
、大ドットに代えて準大ドットを形成していた。しかし、設定内容に従って、画像が文字
または線画か否かを判断するのではなく、画像データを解析することによって判断しても
良い。以下では、このような第1の変形例について説明する。
図19は、第1の変形例におけるドット形成処理の流れを示すフローチャートである。
かかる第1の変形例のドット形成処理は、図18を用いて前述したドット形成処理に対し
て、原稿画像が文字・線画画像であるか否かを、原稿画像の画像データに基づいて自動的
に判断している点が大きく異なっている。以下では、かかる相違点を中心に、第1の変形
例のドット形成処理について説明する。
図19に示すように、第1の変形例のドット形成処理においても、図18を用いて前述
したドット形成処理と同様に、先ず初めに、印刷媒体の種類が普通紙か否かを判断する(
ステップS350)。尚、第1の変形例においても、単に普通紙か否かを判断するものと
して説明するが、滲み易い印刷媒体であれば、普通紙に限らず、他の印刷媒体であるか否
かを判断することとしても良い。
印刷媒体が普通紙であると判断された場合は(ステップS350:yes)、第1の変
形例のドット形成処理では、画像データの読み込みを行う(ステップS352)。このと
き読み込む画像データは、CMYK各色の画像データの中でドットの形成有無を判断しよ
うとしている色の画像データのみを読み込んでも良いし、あるいは各色の画像データを全
て読み込んでも良い。更には、CMYK画像データではなく、色変換処理が施される前の
RGB画像データとすることも可能である。
次いで、読み込んだ画像データに基づいて、原稿画像が文字・線画画像であるか否かを
判断する(ステップS354)。すなわち、図18を用いて前述したドット形成処理では
、画像が文字または線画による画像であるか否かの判断は、印刷媒体の種類と同様に、印
刷装置10に対して印刷条件として設定された内容を読み込むことによって判断したが、
第1の変形例のドット形成処理では、画像データを解析することによって判断するのであ
る。
図20は、第1の変形例のドット形成処理において、印刷しようとしている画像が文字
または線画の画像であるか否かを、画像データに基づいて判断する原理を示した説明図で
ある。例えば、ワードプロセッサで作成した文書の画像を考えると、通常は、白地に黒い
文字が印刷されているから、画像全体で明度の頻度分布を取れば、白地に相当する明度の
高い部分と、文字に相当する明度の低い部分とから構成された2コブの分布となる。図2
0中に実線で示した頻度分布は、このような画像の頻度分布を概念的に表したものである
。これに対して写真などの画像について明度の頻度分布を取ると、中間的な明度の頻度が
高くなり、極端に高い明度や極端に低い明度の頻度は低くなる。図20中に破線で示した
頻度分布は、写真のような画像の頻度分布を概念的に表したものである。このような明度
の頻度分布は、RGB画像データに基づいて算出することができる。また簡便には、CM
YK各色の画像データの中で、ドット形成の有無を判断しようとしている色の画像データ
の階調値について、同様な頻度分布を取っても良い。更には、RGB画像データまたはC
MYK画像データから彩度を算出し、彩度の頻度分布を取っても良い。画像全体に対して
、このような頻度分布を求め、中間的な明度あるいは彩度の頻度割合が低ければ、印刷し
ようとしている画像は文字または線画の画像であると判断し(ステップS354:yes
)、逆に、中間的な明度あるいは彩度の頻度割合が高ければ、文字または線画の画像では
ない(ステップS354:no)と判断することができる。
尚、ここでは、印刷しようとする画像全体の画像データを解析し、画像全体が文字また
は線画の画像か否かを判断するものとして説明しているが、画像を構成する個々の画素に
着目し、着目画素の周辺の所定領域から画像データを読み込んで上述した判断を行うこと
により、その画素が文字または線画を構成する画素か否かを、画素毎に判断することとし
ても良い。
そして、画像が文字または線画の画像と判断された場合は(ステップS354:yes
)、ハーフトーン処理(図8のステップS108)によって得られたドット形成有無の判
断結果のうち、大ドットを形成するという判断結果を、準大ドットを形成するという判断
結果に変更する処理を行った後(ステップS356)、印刷媒体上にドットを形成する(
ステップS358)。これに対して、印刷媒体が普通紙ではない(若しくは、滲み易い印
刷媒体ではない)と判断された場合(ステップS350:no)、あるいは、印刷しよう
とする画像が、文字または線画で構成された画像ではないと判断された場合は(ステップ
S354:no)、大ドットを準大ドットに変更する処理は行わずに、そのまま印刷媒体
上のドットを形成する(ステップS358)。
このようにして画像を印刷すれば、ドットの滲み易い印刷媒体に、文字または線画の画
像を印刷する場合には、大ドットに代えて、少し小さな準大ドットを形成しながら画像を
印刷することができるので、大ドットが滲んで、文字や細線の部分が太くぼやけてしまい
、画質を悪化させることを回避することが可能となる。
E−2.第2の変形例 :
以上に説明した各種実施例では、ドットの滲み易い印刷媒体に印刷する場合には、大ド
ットに代えて、少し小さな準大ドットを形成することによって、文字や細線の部分が太く
ぼやけて画質が悪化することを回避することとした。しかし、これには限らず、大ドット
の形成密度を抑制することによって、画質の悪化を回避することも可能である。
図21は、このような第2の変形例において、画像データを形成密度データに変換する
ために参照される変換テーブルを例示した説明図である。第2の変形例の変換テーブルは
、図14を用いて前述した変換テーブルに比べて、大ドットの形成密度が低めに設定され
ている。参考のために、図21中には、図14の変換テーブルに設定されている大ドット
の形成密度が細い実線で示されているが、太い実線で示した大ドットの形成密度と比較す
れば、第2の変形例における変換テーブルでは、色変換後の画像データの階調値が高い領
域で、大ドットの形成密度が抑制されていることが分かる。
通常、大ドットの形成密度が高くなって隣接するドットまでの距離が短くなると、それ
ぞれのドットから滲んだインクが引き合って、ドットの滲みが大きくなる傾向にある。従
って、大ドットの滲み方は、ドットがまばらに形成されている領域では小さく、ドットの
形成密度がある程度の密度に達すると滲みが大きくなる。このことから、大ドットの形成
密度がある程度に達してドットの滲みが大きくなる領域で、大ドットの形成密度を抑制し
てやれば、大ドットが滲むことによって文字や細線の部分の画質が悪化することを回避す
ることが可能となる。
図21に示した変換テーブルでは、形成されるドットが、中ドットから大ドットに切り
換わる領域で、大ドットの形成密度が少しずつ抑制されている。このため、印刷された画
像を見ても、大ドットの形成密度が抑制されていることに気付くことはなく、良好な画像
を印刷することが可能である。
あるいは、大ドットの形成密度だけでなく、小ドットや中ドットの形成密度も抑制する
こととすれば、画質への悪影響を与えることなく、大ドットの形成密度を大きく抑制する
ことが可能となるので、滲み易い印刷媒体に印刷する場合でも、より高画質な画像を印刷
することが可能となる。以下では、このように各ドットが形成されるような変換テーブル
を設定する考え方について説明する。
図22は、第2の変形例において大ドット以外のドットについても抑制した変換テーブ
ルを設定するための考え方を示した説明図である。図22(a)は、図14に示した前述
の変換テーブルを示している。この変換テーブルに従ってドットを形成して画像を印刷し
た場合、印刷媒体上に表現される濃度は、図22(b)に実線で示し濃度となる。すなわ
ち、色変換後の画像データが増加するに従って、だんだんと表現濃度が高くなる。そして
、最終的に得られる最高濃度は、全画素に大ドットを形成したときの濃度となる。
次に、大ドットに代えて準大ドットを形成するものとする。準大ドットは大ドットより
小さなドットであるから、全画素に準大ドットを形成して表現可能な最高濃度は、大ドッ
トで表現可能な最高濃度よりは低くなる。そして、準大ドットを用いて画像を印刷する場
合は、色変換後の画像データの階調値が増加するに従って、この低めの最高濃度に向かっ
て自然に表現濃度が増加するように、図22(b)の一点鎖線で示した表現濃度とすれば
よい。この一点鎖線の表現濃度は、太線で示した表現濃度よりも全体的に濃度が低いから
、小ドットの増加のさせ方も緩やかで良いし、中ドットや大ドットの発生開始のタイミン
グも遅くするとともに、中ドットおよび大ドットの増加のさせ方も緩やかで良い。
図22(c)には、このようにして準大ドットを形成することとして、それに合わせて
小ドットおよび中ドットを形成した場合の変換テーブルが示されている。尚、図22(c
)には、参考として、図22(a)に示した大ドットの形成密度も細い実線で示されてい
る。細い実線で示した大ドットの形成密度と、太い実線で示した準大ドットの形成密度と
を比較すれば、準大ドットを形成するものとした場合、準大ドットの形成密度は大ドット
の明成密度に比べて大きく抑制されていることが分かる。従って、この準大ドットの形成
密度を大ドットの形成密度と読み替えて、大ドットを形成してやれば、図22(a)に示
した正規の形成密度に比べて、大ドットの形成密度を大きく抑制することができる。
図22(b)の破線は、このようにして準大ドットの形成密度を大ドットの形成密度と
読み替えて印刷した場合に得られる表現濃度を示している。すなわち、小ドットあるいは
中ドットのみが形成される領域(色変換後の画像データの階調値が小さい領域)では、小
ドット・中ドット・準大ドットを用いて画像を印刷する場合と同じく、一点鎖線で示した
表現濃度となる。しかし、準大ドットに代えて大ドットを形成することとしているから、
準大ドットが形成され始める領域(図中のA点より高階調側の領域)では、一点鎖線より
も表現濃度が高くなり、最終的には、実線で示した表現濃度に一致する。
このようにして印刷した画像は、色変換後の画像データの階調値が低い領域では、小ド
ットや中ドットの発生が抑制される分だけ、若干明るめの画像となるが、そのことで画質
は悪化することはない。そして、ある程度の表現濃度に達すると大ドットが形成されるが
、図22(c)に示されているように、大ドットの形成密度は本来の形成密度に比べて大
幅に抑制されているので、大ドットの滲みによって画質が大きく悪化することはない。ま
た、小ドットおよび中ドットの形成密度も抑制されているので、このように大ドットの形
成密度が大きく抑制されていても、自然の表現濃度が増加して、不自然な印象を与えるこ
とはない。加えて、ベタ画像は大ドットを用いて形成するので、ドットとドットの間に隙
間が生じて画質を悪化させるおそれも回避することができる。もちろん、このようにして
印刷された画像では、ほぼベタ画像に近い領域では、大ドットの形成密度はほとんど抑制
されていないので、大ドットの形成密度抑制による画質の改善効果は望めない。しかし、
実際の画像では、ベタ領域以外で、この領域を使って画像を印刷することはないので、ベ
タ領域の近くで画質の改善効果が得られなくても、実際には大きな問題が生じることはな
い。
最後に、これら第2の変形例において、画像データから形成密度データに変換する処理
について簡単に説明しておく。図23は、第2の変形例のハーフトーン処理中で、色変換
後の画像データを大中小の各ドットの形成密度データに変換する処理の流れを示したフロ
ーチャートである。かかる処理は、図13に示したハーフトーン処理中でステップS20
0の処理の代わりに実行される処理である。
第2の変形例の形成密度データ生成処理においても、上述した各種の形成密度データ生
成処理と同様に、処理を開始すると先ず初めに、画像を印刷しようとしている印刷媒体の
種類が、「普通紙」か否かを判断する(ステップS400)。そして、印刷媒体の種類が
「普通紙」ではないと判断された場合は(ステップS400:no)、図14を用いて説
明した通常画像用の変換テーブルを選択する(ステップS404)。ここで、通常画像用
の変換テーブルとは、小ドット、中ドット、大ドットを用いて画像を印刷するものとして
設定された変換テーブルである。
一方、印刷媒体の種類が「普通紙」であると判断された場合は(ステップS400:y
es)、今度は、印刷しようとしている画像が、文字または線画によって構成される画像
か否かを判断する(ステップS402)。かかる判断は、印刷に先立って印刷者が設定し
た印刷条件に基づいて判断しても良いし、あるいは、図20を用いて前述したように、画
像データを解析することによって判断しても良い。そして、印刷しようとする画像が、文
字または線画によって構成された画像であると判断した場合は(ステップS402:ye
s)、文字または線画用の変換テーブルを選択する(ステップS406)。ここで、文字
または線画用の変換テーブルとは、図21あるいは図22(c)に示したように、少なく
とも大ドットの形成密度が抑制された状態の変換テーブルである。
こうして、何れかの変換テーブルを選択したら、選択した変換テーブルを参照しながら
、画像データを小ドット、中ドット、大ドットの形成密度データに変換した後(ステップ
S408)、図13に示したハーフトーン処理に復帰して、各ドットの形成有無を画素毎
に判断するようにしても良い。
滲み易い印刷媒体に文字や線画の画像を印刷する場合には、このようにして少なくとも
大ドットの形成密度を抑制した状態で画像を印刷することによっても、文字や細線の部分
で大ドットが滲んで画質を悪化させることを回避して、高画質な画像を印刷することが可
能となる。
以上、本実施例の印刷装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られ
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる
本実施例の印刷装置の概要を示した説明図である。 本実施例の印刷装置の外観形状を示す斜視図である。 印刷装置の上部に設けられた原稿台カバーを開いた様子を示す説明図である。 スキャナ部の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。 本実施例の印刷装置の内部構成を概念的に示した説明図である。 インク吐出ヘッドに、インク滴を吐出する複数のノズルNzが形成されている様子を示した説明図である。 吐出するインク滴の大きさを制御することにより大きさの異なるインクドットを形成する原理について示した説明図である。 画像データを読み込んで画像を印刷する処理の流れを示すフローチャートである。 印刷装置の制御回路に対して画像の印刷条件を設定する画面を例示した説明図である。 色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概念的に示した説明図である。 ディザ法と呼ばれる手法を用いてドット形成の有無を判断する際に参照されるディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。 ディザマトリックスを参照しながら画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。 本実施例のハーフトーン処理の流れを示すフローチャートである。 画像データを形成密度データに変換する際に参照される変換テーブルを概念的に表した説明図である。 大ドットの形成有無を判断するために行われる処理の流れを示したフローチャートである。 中ドットの形成有無を判断するために行われる処理の流れを示したフローチャートである。 小ドットの形成有無を判断するために行われる処理の流れを示したフローチャートである。 本実施例の画像印刷処理中で行われるドット形成処理の流れを示すフローチャートである。 第1の変形例におけるドット形成処理の流れを示すフローチャートである。 第1の変形例のドット形成処理において、文字または線画の画像であるか否かを画像データに基づいて判断する原理を示した説明図である。 第2の変形例において画像データを形成密度データに変換するために参照される変換テーブルを例示した説明図である。 第2の変形例において大ドット以外のドットについても抑制した変換テーブルを設定するための考え方を示した説明図である。 第2の変形例のハーフトーン処理中で色変換後の画像データを大中小の各ドットの形成密度データに変換する処理の流れを示したフローチャートである。
符号の説明
10…印刷装置、 12…インク吐出ヘッド、 100…スキャナ部、
200…プリンタ部、 240…印刷キャリッジ、 241…印字ヘッド、
242…インクカートリッジ、 243…インクカートリッジ、
260…制御回路、 300…操作パネル

Claims (10)

  1. 大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置であって、
    印刷しようとする画像の画像データを受け取って、前記複数種類のドットについての形
    成有無を、該画像データの階調値に基づいて画素毎に判断するドット形成有無判断手段と

    前記ドット形成有無の判断結果に従って、印刷媒体上に前記複数種類のドットを形成す
    るドット形成手段と
    を備え、
    前記ドット形成手段は、
    前記複数種類のドットに加えて、該複数種類のドットの中の最大ドットよりも小さく
    、その他の何れのドットよりも大きなドットたる準最大ドットを形成可能であり、
    所定の条件が検出された場合には、前記最大ドットに代えて前記準最大ドットを形成
    する手段である印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記印刷媒体の種類に関する情報を取得する媒体種類取得手段を備え、
    前記ドット形成手段は、前記印刷媒体の種類が所定の媒体種類に該当する場合には、前
    記最大ドットに代えて前記準最大ドットを形成する手段である印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記印刷しようとする画像が、文字または線画によって構成される画像か否かを前記画
    像データに基づいて判断する画像種類判断手段を備え、
    前記ドット形成手段は、前記印刷媒体の種類が所定の媒体種類に該当し、且つ、前記印
    刷しようとする画像が文字または線画による画像であった場合には、前記最大ドットに代
    えて前記準最大ドットを形成する手段である印刷装置。
  4. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記印刷しようとする画像の中から、文字または線画の画像の部分を前記画像データに
    基づいて抽出する画像部分抽出手段を備え、
    前記ドット形成手段は、前記印刷媒体の種類が所定の媒体種類に該当する場合には、前
    記抽出した画像の部分については、前記最大ドットに代えて前記準最大ドットを形成する
    手段である印刷装置。
  5. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記印刷しようとする画像が文字または線画によって構成される画像か否かに関してが
    、該画像の印刷に先立って設定される画像種類設定手段を備え、
    前記ドット形成手段は、前記印刷媒体の種類が所定の媒体種類に該当し、且つ、印刷し
    ようとする画像が文字または線画による画像である旨が設定されている場合には、前記最
    大ドットに代えて前記準最大ドットを形成する手段である印刷装置。
  6. 画像データに所定の画像処理を加えることにより、該画像データを、大きさの異なる複
    数種類のドットについての形成有無によって表現されたデータに変換する画像処理装置で
    あって、
    前記複数種類のドットの中で2番目に大きな準最大ドットを除いた複数種類のドットに
    ついての形成有無を、前記画像データの階調値に基づいて画素毎に判断するドット形成有
    無判断手段と、
    所定条件が検出されなかった場合には、前記ドット形成有無の判断結果をそのまま前記
    画像処理結果として出力し、該所定条件が検出された場合には、前記複数種類のドットの
    中の最大ドットの代わりに前記準最大ドットが形成されるように該判断結果を変更した状
    態で、該画像処理結果として出力する画像処理結果出力手段と
    を備える画像処理装置。
  7. 大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
    印刷しようとする画像の画像データを受け取って、前記複数種類のドットについての形
    成有無を、該画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する第1の工程と、
    前記ドット形成有無の判断結果に従って、印刷媒体上に前記複数種類のドットを形成す
    る第2の工程と
    を備え、
    前記第2の工程は、
    前記複数種類のドットに加えて、該複数種類のドットの中の最大ドットよりも小さく
    、その他の何れのドットよりも大きなドットたる準最大ドットを形成可能であり、
    所定の条件が検出された場合には、前記最大ドットに代えて前記準最大ドットを形成
    する工程である印刷方法。
  8. 画像データに所定の画像処理を加えることにより、該画像データを、大きさの異なる複
    数種類のドットについての形成有無によって表現されたデータに変換する画像処理方法で
    あって、
    前記複数種類のドットの中で2番目に大きな準最大ドットを除いた複数種類のドットに
    ついての形成有無を、前記画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する工程(A)と

    所定条件が検出されなかった場合には、前記ドット形成有無の判断結果をそのまま前記
    画像処理結果として出力し、該所定条件が検出された場合には、前記複数種類のドットの
    中の最大ドットの代わりに前記準最大ドットが形成されるように該判断結果を変更した状
    態で、該画像処理結果として出力する工程(B)と
    を備える画像処理方法。
  9. 大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する方法を、コンピュータを用
    いて実現するためのプログラムであって、
    印刷しようとする画像の画像データを受け取って、前記複数種類のドットについての形
    成有無を、該画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する第1の機能と、
    前記ドット形成有無の判断結果に従って、印刷媒体上に前記複数種類のドットを形成す
    る第2の機能と
    をコンピュータにより実現するとともに、
    前記第2の機能は、
    前記複数種類のドットに加えて、該複数種類のドットの中の最大ドットよりも小さく
    、その他の何れのドットよりも大きなドットたる準最大ドットを形成可能であり、
    所定の条件が検出された場合には、前記最大ドットに代えて前記準最大ドットを形成
    する機能であるプログラム。
  10. 画像データに所定の画像処理を加えることにより、該画像データを、大きさの異なる複
    数種類のドットについての形成有無によって表現されたデータに変換する方法を、コンピ
    ュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    前記複数種類のドットの中で2番目に大きな準最大ドットを除いた複数種類のドットに
    ついての形成有無を、前記画像データの階調値に基づいて画素毎に判断する機能(A)と

    所定条件が検出されなかった場合には、前記ドット形成有無の判断結果をそのまま前記
    画像処理結果として出力し、該所定条件が検出された場合には、前記複数種類のドットの
    中の最大ドットの代わりに前記準最大ドットが形成されるように該判断結果を変更した状
    態で、該画像処理結果として出力する機能(B)と
    をコンピュータにより実現するプログラム。
JP2006223929A 2006-08-21 2006-08-21 印刷装置、画像処理装置、画像複写方法、および画像処理方法 Withdrawn JP2008044295A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006223929A JP2008044295A (ja) 2006-08-21 2006-08-21 印刷装置、画像処理装置、画像複写方法、および画像処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006223929A JP2008044295A (ja) 2006-08-21 2006-08-21 印刷装置、画像処理装置、画像複写方法、および画像処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008044295A true JP2008044295A (ja) 2008-02-28

Family

ID=39178478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006223929A Withdrawn JP2008044295A (ja) 2006-08-21 2006-08-21 印刷装置、画像処理装置、画像複写方法、および画像処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008044295A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011037180A (ja) * 2009-08-14 2011-02-24 Fujifilm Corp 画像処理方法及び装置
EP2677731A3 (en) * 2012-06-19 2015-12-23 SCREEN Holdings Co., Ltd. Image data generation method, image recording method, image data generation apparatus, and image recording apparatus
JP2016034718A (ja) * 2014-08-01 2016-03-17 株式会社リコー 媒体判別装置、画像形成装置、媒体判別方法、およびプログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011037180A (ja) * 2009-08-14 2011-02-24 Fujifilm Corp 画像処理方法及び装置
EP2677731A3 (en) * 2012-06-19 2015-12-23 SCREEN Holdings Co., Ltd. Image data generation method, image recording method, image data generation apparatus, and image recording apparatus
JP2016034718A (ja) * 2014-08-01 2016-03-17 株式会社リコー 媒体判別装置、画像形成装置、媒体判別方法、およびプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008172662A (ja) 画像データ変換装置および画像データ変換方法
JP2002185789A (ja) 画像処理装置、印刷制御装置、画像処理方法、および記録媒体
JP2007053521A (ja) 画像データ変換装置、印刷装置、画像データ変換方法、印刷方法、および変換テーブル作成方法
JP2008005469A (ja) 画像処理装置、印刷装置、画像処理方法、色彩修正テーブル設定方法、および印刷方法
JP2007190741A (ja) 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法
JP2012223931A (ja) 画像処理装置、印刷装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2008148007A (ja) 画像処理装置、印刷装置、画像処理方法、および印刷方法
JP6390405B2 (ja) 印刷装置、印刷方法、プログラム、および画像処理装置
JP2007083547A (ja) 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法
JP2008044295A (ja) 印刷装置、画像処理装置、画像複写方法、および画像処理方法
JP2007062308A (ja) 画像複写装置、画像処理装置、画像複写方法、および画像処理方法
JP2007215074A (ja) 画像データ解析装置、画像データ生成装置、画像データ解析方法、および画像データ生成方法
JP4691880B2 (ja) 同時にドットが形成される複数本の画素列のデータを解像度変換しながら画像を出力する画像出力装置
JP4752431B2 (ja) カラー画像複写装置、カラー画像複写方法、およびコンピュータプログラム
JP2007098745A (ja) 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法
JP2007038603A (ja) 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法
JP2007110468A (ja) 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法
JP2007190885A (ja) 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法
JP2007281914A (ja) 画像複写装置、画像データ変換装置、画像複写方法、および画像データ変換方法
JP4605061B2 (ja) 色変換テーブル設定方法、画像データ変換装置、印刷装置、画像データ変換方法、および印刷方法
JP2006321051A (ja) 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法
JP2007221430A (ja) 画像出力装置、画像処理装置、画像出力方法、および画像処理方法
JP2007125842A (ja) 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法
JP2008109431A (ja) 画像出力装置、画像出力方法、およびプログラム
JP2007006311A (ja) 画像複写装置、印刷装置、画像複写方法、および印刷方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20091110