JP2007038603A - 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 - Google Patents

印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大きさの異なるドットを用いて画像を印刷する際に、疑似輪郭が発生することを回避する。
【解決手段】大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置において、画像データを、画像の明度が低くなるほど階調値が増加するような中間データに変換した後、各種ドットの形成密度データに変換する。この時、中間データが増加すると、何れのドットの形成密度データも増加(少なくとも維持)するように変換する。次いで、得られた形成密度データに従ってドットを形成して画像を印刷する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する技術に関し、詳しくは、大きさの異なる複数種類のドットを形成することで、高画質な画像を印刷する技術に関する。
印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷するいわゆるドットプリンタは、コンピュータで作成した画像や、デジタルカメラで撮影した画像の出力装置として広く使用されている。これらドットプリンタは、個々の画素について見れば単にドットを形成するかしないかの何れかの状態しか表現し得ないが、ある程度の面積を持った領域で見れば、ドットの形成密度を制御することで、より多階調の画像を表現することが可能となっている。また、ドットの目立ち難い画像を印刷するために、大きさの異なる複数種類のドットを形成可能とした、いわゆるマルチドットプリンタも開発されて、広く使用されるようになっている。
こうしたマルチドットプリンタでは、次のように、印刷しようとする画像の明るさ(明度)に応じて、形成するドットの大きさを切り換えながら画像を印刷している。先ず、明度が高く明るい画像領域はドットが目立ち易いので、ドットが目立って画質を悪化させることの無いように、小さなドットを形成して画像を印刷する。もっとも、小さなドットだけではドット数を最大限まで増やしても、ある程度までしか画像を暗く(明度を低く)することができないので、それ以上に暗い画像領域ではワンサイズ大きなドットを形成して画像を印刷する。一般的には、ドットサイズを大きくするとドットが目立ち易くなるが、画像の明度が低い分だけドットが目立ち難くなっているため、実際には、ワンサイズ大きなドットを形成してもそれほどドットが目立つことはない。このワンサイズ大きなドットを最大ドット数まで増やしても、画像を十分に暗くすることができない場合は、更にワンサイズ大きなドットを形成して画像を印刷する。この更にワンサイズ大きなドットは目立ち易いドットであるが、画像の明度が更に低くなっているので、実際にはドットが目立つことはない。このようにマルチドットプリンタは、印刷しようとする画像の明るさに応じて、形成するドットの大きさを切り換えながら画像を印刷することで、ドットの目立たない高画質な画像を印刷することが可能となっている(例えば、特許文献1)。
特開平11−208029号公報
しかし、大きさの異なる複数種類のドットを用いて画像を印刷する印刷装置では、ドットの大きさを切り換える階調値付近でドットを切り換えていることが分かってしまい、これが疑似輪郭として認識されて、画質を悪化させることがあるという問題があった。
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、大きさの異なる複数種類のドットを用いて画像を印刷した場合でも、疑似輪郭の発生による画質の悪化を回避可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の印刷装置は次の構成を採用した。すなわち、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置であって、
印刷しようとする画像の画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する画像データ変換手段と、
前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する中間データ変換手段と、
前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断するドット形成判断手段と、
前記ドット形成有無の判断結果に従って前記複数種類のドットを印刷媒体上に形成するドット形成手段と
を備え、
前記中間データ変換手段は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する手段であることを要旨とする。
また、上記の印刷装置に対応する本発明の印刷方法は、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
印刷しようとする画像の画像データを受け取る第1の工程と、
前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する第2の工程と、
前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する第3の工程と、
前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する第4の工程と、
前記ドット形成有無の判断結果に従って前記複数種類のドットを印刷媒体上に形成する第5の工程と
を備え、
前記第3の工程は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する工程であることを要旨とする。
かかる本発明の印刷装置および印刷方法においては、画像データを受け取ると中間データに一旦変換し、得られた中間データをドットの種類毎の形成密度データに変換する。中間データは、画像の明度が低くなるほど階調値が増加するようなデータであるため、このような中間データに変換しておけば、画像データに応じて、複数種類のドットが適切な密度で形成されるような形成密度データに変換することができる。次いで、得られた形成密度データに基づいて、各種ドットについての形成の有無を判断し、判断結果に従ってドットを形成して画像を印刷する。ここで、中間データを各種ドットの形成密度データに変換するに際しては、何れのドットについても、中間データの階調値が増加するに従って形成密度データの階調値が増加あるいは少なくとも維持されるように変換しておく。
中間データをこのような形成密度データに変換して画像を印刷すれば、画像の明度が低くなるに従って、何れのドットも少しずつ形成密度が増加するような画像を得ることができる。すなわち、ドットの種類に応じてドットが増加する割合や、あるいはドットが形成され始める時期は異なっていたとしても、形成されるドットが切り換わることはない。従って、ドットの形成状況が切り換わっている箇所が目立って擬似輪郭を発生させることなく、画像を印刷することができる。もちろん、形成するドットを切り換えることなく画像を印刷しようとすると、目立ち易いドットを、画像の明度が比較的高い段階で形成する傾向が生じ、従って、ドットが目立った画像となり易い。しかし、多少であればドットが目立ったとしても、却って特殊な処理を施した画像のような印象を与えることができるので、画質を悪化させることなく画像を印刷することが可能である。
尚、印刷媒体上にインクによるドットを形成することで画像を印刷する印刷装置においては、画像データを受け取ると、インクの使用量に対応する中間データに一旦変換してから画像を印刷することとしても良い。
このように、画像データをインクの使用量に対応する中間データに変換しておけば、インク使用量に達するまで各種ドットの形成密度を増加させることで、適切な形成密度データに変換することができ、延いては適切な画像を簡便に印刷することが可能となる。
また、上記の印刷装置においては、中間データを形成密度データに変換する際に、次のようなデータに変換しても良い。すなわち、少なくとも最も大きなドットについては、中間データに対する形成密度データの傾きが、中間データの取り得る上限値を含んだ領域(第1の領域)では第1の所定値となり、中間データの取り得る下限値を含んだ領域(第2の領域)では、第1の所定値よりも小さな第2の所定値となるように、中間データを変換することとしてもよい。
こうすれば、少なくとも最もドットが目立ち易い最大のドットについては、ドットが目立ち易い領域で形成されることを抑制することができるので、ドットが極端に目立って画質を悪化させることを回避することが可能となる。
また、このような印刷装置においては、第1の領域が開始される中間データの階調値(境界階調値)を設定可能としても良い。
第1の領域では第2の領域よりも、最大ドットが形成され易いので、第1の領域が広くなるほどドットが目立ち易くなる。従って、第1の領域が開始される境界階調値を設定することができれば、ドットの目立ち易さを調整して、適度にドットが目立った良好な画像を印刷することが可能となる。
また、こうした印刷装置においては、少なくとも最も大きなドットについては、中間データの階調値が増加するに従って、第2の領域から第1の領域へと形成密度データが連続的に変化するように、中間データを変換することとしてもよい。
こうすれば、少なくとも最もドットが目立ち易い最大のドットについては、形成密度が不連続となることがない。従って、形成密度の不連続な部分が擬似輪郭として認識されることを回避することが可能となる。
また、このような印刷装置においては、第1の領域が開始される中間データの階調値である第1の閾値、または第2の領域が終了する中間データの階調値である第2の閾値の少なくとも一方を、設定可能としても良い。
第1の閾値を変更すれば、明度の高い画像領域で大ドットが形成される密度を変更することができる。また、第2の閾値を変更すれば、明度の高い領域から中間の領域にかけて大ドットが形成される密度を変更することができる。従って、第1の閾値あるいは第2の閾値の少なくとも一方を設定可能とすれば、ドットの目立ち易さを調整して、良好な画像を印刷することが可能となる。
あるいは、上記の印刷装置においては、第2の領域における複数種類のドットの形成割合を、設定可能としても良い。
こうすれば、ドットが目立ち易い明度の高い画像領域で、各種ドットが形成される互いに割合を適切に設定することで、適度にドットが目立った良好な画像を印刷することが可能となる。
また、上述した本発明の印刷装置および印刷方法が、画像を印刷するに先立って、印刷しようとする画像の画像データに所定の画像処理を施すことにより、大きさの異なる複数種類のドットについて、画素毎にドット形成の有無を判断している点に着目すれば、本願発明は、次のように画像処理装置および画像処理方法として把握することも可能である。すなわち、本発明の画像処理装置は、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、印刷しようとする画像の画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する画像処理装置であって、
前記画像データを受け取る画像データ受取手段と、
前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する画像データ変換手段と、
前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する中間データ変換手段と、
前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断するドット形成判断手段と、
前記ドット形成有無の判断結果を前記制御データとして前記印刷装置に出力する制御データ出力手段と
を備え、
前記中間データ変換手段は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する手段であることを要旨とする。
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、印刷しようとする画像の画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する画像処理方法であって、
前記画像データを受け取る工程(A)と、
前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する工程(B)と、
前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する工程(C)と、
前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する工程(D)と、
前記ドット形成有無の判断結果を前記制御データとして前記印刷装置に出力する工程(E)と
を備え、
前記工程(C)は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する工程であることを要旨とする。
このようにして生成された制御データに基づいて画像を印刷すれば、画像の明度が低くなるに従って、何れのドットも少しずつ形成密度が増加するように印刷され、少なくとも、形成されるドットが切り換わることなく印刷された画像を得ることができる。その結果、ドットの形成状況が切り換わっている箇所が目立って擬似輪郭を発生させることを、確実に回避しながら画像を印刷することが可能となる。また、形成するドットを切り換えることなく画像を印刷することで、多少ドットが目立ったとしても、適度に目立つ程度であれば、却って特殊な処理を施したような、良好な画像を得ることが可能となる。
更に本発明は、上述した印刷方法あるいは画像処理方法を実現するためのプログラムをコンピュータに読み込ませ、所定の機能を実行させることにより、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述した印刷方法に対応する本発明のプログラムは、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
印刷しようとする画像の画像データを受け取る第1の機能と、
前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する第2の機能と、
前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する第3の機能と、
前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する第4の機能と、
前記ドット形成有無の判断結果に従って前記複数種類のドットを印刷媒体上に形成する第5の機能と
をコンピュータを用いて実現させるとともに、
前記第3の機能は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する機能であることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷するプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
印刷しようとする画像の画像データを受け取る第1の機能と、
前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する第2の機能と、
前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する第3の機能と、
前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する第4の機能と、
前記ドット形成有無の判断結果に従って前記複数種類のドットを印刷媒体上に形成する第5の機能と
をコンピュータを用いて実現するプログラムを記憶しているとともに、
前記第3の機能は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する機能であることを要旨とする。
更に、上述した画像処理方法に対応する本発明のプログラムは、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、印刷しようとする画像の画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像データを受け取る機能(A)と、
前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する機能(B)と、
前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する機能(C)と、
前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する機能(D)と、
前記ドット形成有無の判断結果を前記制御データとして前記印刷装置に出力する機能(E)と
をコンピュータを用いて実現させるとともに、
前記機能(C)は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する機能であることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の記録媒体は、
大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、印刷しようとする画像の画像データに所定の画像処理を施すことによって生成するプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
前記画像データを受け取る機能(A)と、
前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する機能(B)と、
前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する機能(C)と、
前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する機能(D)と、
前記ドット形成有無の判断結果を前記制御データとして前記印刷装置に出力する機能(E)と
をコンピュータを用いて実現するプログラムを記憶しているとともに、
前記機能(C)は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する機能であることを要旨とする。
これらのプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種機能を実現させれば、大きさの異なる各種ドットを用いながら、疑似輪郭を発生させることなく画像を印刷することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.実施例の概要 :
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
B−2.内部構成 :
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
C.第1実施例の画像印刷処理 :
D.第2実施例の画像印刷処理 :
E.変形例 :
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明しておく。図1は、本実施例の印刷装置10の概要を示した説明図である。図示した印刷装置10は、印刷媒体P上にインク滴を吐出してインクドットを形成することにより画像を印刷するいわゆるインクジェットプリンタである。
図示した印刷装置10には、「画像データ受取モジュール」や、「画像データ変換モジュール」、「中間データ変換モジュール」、「ドット形成有無判断モジュール」、「ドット形成モジュール」などが搭載されており、画像を印刷しようとする画像データに次のような処理を行うことによって画像を印刷している。先ず「画像データ受取モジュール」は、デジタルカメラやコンピュータから、印刷しようとする画像の画像データを受け取って、「画像データ変換モジュール」に供給する。「画像データ変換モジュール」は、印刷しようとする画像の明度が低くなるほど階調値が増加するような中間データに、画像データを変換する。次いで、「中間データ変換モジュール」は、中間データをドットの形成密度を表すデータ(形成密度データ)に変換する。ここで、印刷装置10は、大きさの異なる複数種類のドットを形成可能となっており、中間データ変換モジュールは、中間データを、これら各種のドット毎の形成密度データに変換する。
図1中には、中間データが、小ドット、中ドット、大ドットの形成密度データに変換される様子が概念的に示されている。図示されているように、本実施例の中間データ変換モジュールでは、何れのドットについても、中間データが増加するに従って形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるような、形成密度データに変換されるようになっている。尚、図1に示した例では、中間データを、小ドット、中ドット、大ドットの3種類のドットについての形成密度データに変換する場合について示しているが、もちろん、より多種類のドットについての形成密度データに変換することも可能である。
こうしてドットの種類毎に得られた形成密度のデータは、「ドット形成有無判断モジュール」に供給され、「ドット形成有無判断モジュール」では、ドットの種類毎に得られた形成密度データに基づいて、ドットを形成するか否かをドットの種類毎に判断し、判断結果を「ドット形成モジュール」に供給する。「ドット形成モジュール」は、「ドット形成有無判断モジュール」から供給されたドット形成有無の判断結果に従って、インク吐出ヘッド12を駆動してインク滴を吐出することにより、印刷媒体P上に大きさの異なる各種のドットを形成する。その結果、印刷媒体P上には、印刷しようとする画像データの階調値に応じて適切な密度で、各種のドットが形成されて画像が印刷される。
従来の印刷装置では、画像の明度が低くなるに従って、形成するドットを次第に大きなドットに切り換えながら画像を印刷しているのに対して、図1に示した印刷装置では、上述したように、画像の明度によって形成するドットの大きさを切り換えることなく画像を印刷している。このため、ドットを切り換える部分が目立って擬似輪郭を発生させてしまい、画質を悪化させてしまうことを回避することが可能となる。このような本実施例の印刷装置10には種々の態様が存在しており、以下では、これら各種の態様について、実施例に基づいて詳しく説明する。
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
図2は、本実施例の印刷装置10の外観形状を示す斜視図である。図示されるように、本実施例の印刷装置10は、スキャナ部100と、プリンタ部200と、スキャナ部100およびプリンタ部200の動作を設定するための操作パネル300などから構成されている。スキャナ部100は、印刷画像を読み込んで画像データを生成するスキャナ機能を有しており、プリンタ部200は、画像データを受け取って印刷媒体上に画像を印刷するプリンタ機能を有している。また、スキャナ部100で読み取った画像をプリンタ部200から出力すれば、コピー機能を実現することも可能である。すなわち、本実施例の印刷装置10は、単独でスキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を実現可能な、いわゆるスキャナ・プリンタ・コピー複合装置(以下、SPC複合装置という)となっている。
図3は、印刷画像を読み込むために、印刷装置10の上部に設けられた原稿台カバー102を開いた様子を示す説明図である。図示されているように、原稿台カバー102を上に開くと、透明な原稿台ガラス104が設けられており、その内部には、スキャナ機能を実現するための後述する各種機構が搭載されている。印刷画像を読み込む際には、図示されているように原稿台カバー102を開いて原稿台ガラス104の上に印刷画像を置き、原稿台カバー102を閉じてから操作パネル300上のボタンを操作する。こうすれば、印刷画像を直ちに画像データに変換することが可能となっている。
また、スキャナ部100は全体が一体のケース内に収納された構成となっており、スキャナ部100とプリンタ部200とは、印刷装置10の背面側でヒンジ機構204(図4参照)によって結合されている。このため、スキャナ部100の手前側を持ち上げることにより、ヒンジの部分でスキャナ部100のみを回転させることが可能となっている。
図4は、スキャナ部100の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。図示するように、本実施例の印刷装置10では、スキャナ部100の手前側を持ち上げることで、プリンタ部200の上面を露出させることが可能である。プリンタ部200の内部には、プリンタ機能を実現するための後述する各種機構や、スキャナ部100を含めて印刷装置10全体の動作を制御するための後述する制御回路260、更には、スキャナ部100やプリンタ部200などに電力を供給するための電源回路(図示は省略)なども設けられている。また、図4に示されているように、プリンタ部200の上面には、開口部202が設けられており、インクカートリッジなどの消耗品の交換や、紙詰まりの処理、軽微な修理などを簡便に行うことが可能となっている。
B−2.内部構成 :
図5は、本実施例の印刷装置10の内部構成を概念的に示した説明図である。前述したように、印刷装置10にはスキャナ部100とプリンタ部200とが設けられており、スキャナ部100の内部にはスキャナ機能を実現するための各種構成が搭載され、プリンタ部200の内部にはプリンタ機能を実現するための各種構成が搭載されている。以下では、初めにスキャナ部100の内部構成について説明し、次いでプリンタ部200の内部構成について説明する。
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
スキャナ部100は、印刷画像をセットする透明な原稿台ガラス104と、セットされた印刷画像を押さえておくための原稿台カバー102と、セットされた印刷画像を読み込む読取キャリッジ110と、読取キャリッジ110を読取方向(主走査方向)に移動させる駆動ベルト120と、駆動ベルト120に動力を供給する駆動モータ122と、読取キャリッジ110の動きをガイドするガイド軸106などから構成されている。また、駆動モータ122や読取キャリッジ110の動作は、後述する制御回路260によって制御されている。
制御回路260の制御の元で駆動モータ122を回転させると、駆動ベルト120を介してその動きが読取キャリッジ110に伝達され、その結果、読取キャリッジ110は、ガイド軸106に導かれながら駆動モータ122の回転角度に応じて読取方向(主走査方向)に移動するようになっている。また、駆動ベルト120は、アイドラプーリ124によって絶えず適度に張った状態に調整されており、このため、駆動モータ122を逆回転させれば回転角度に応じた距離だけ読取キャリッジ110を逆方向に移動させることも可能となっている。
読取キャリッジ110の内部には、光源112や、レンズ114、ミラー116、CCDセンサ118などが搭載されている。光源112からの光は原稿台ガラス104に照射され、原稿台ガラス104の上にセットされた印刷画像で反射する。この反射光は、ミラー116によってレンズ114に導かれ、レンズ114によって集光されてCCDセンサ118で検出される。CCDセンサ118は、光の強度を電気信号に変換するフォトダイオードが、読取キャリッジ110の移動方向(主走査方向)と直交する方向に列状に配置されたリニアセンサによって構成されている。このため、読取キャリッジ110を主走査方向に移動させながら、光源112の光を印刷画像に照射し、CCD118によって反射光強度を検出すれば、印刷画像を電気信号に変換することができる。
また、光源112は、RGBの3色の発光ダイオードによって構成されており、所定の周期でR色、G色、B色の光を順次、照射することが可能となっており、これに応じてCCD118では、R色、G色、B色の反射光が順次、検出されることになる。一般に、画像の赤色の部分はR色の光を反射するが、G色やB色の光はほとんど反射しないから、R色の反射光は画像のR成分を表したものとなっている。同様に、G色の反射光は画像のG成分を表しており、B色の反射光は画像のB成分を表している。従って、RGB3色の光を所定の周期で切り替えながら印刷画像に照射し、これに同期してCCD118で反射光強度を検出すれば、印刷画像のR成分、G成分、B成分を検出することができ、カラー画像を読み込むことが可能となっている。尚、光源112が照射する光の色を切り替えている間も読取キャリッジ110は移動しているから、RGBの各成分を検出する画像の位置は、厳密には、読取キャリッジ110の移動量に相当する分だけ異なっているが、このずれは、各成分を読み込んだ後に、画像処理によって補正することが可能である。
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
次に、プリンタ部200の内部構成について説明する。プリンタ部200には、印刷装置10の全体の動作を制御する制御回路260と、印刷媒体上に画像を印刷するための印刷キャリッジ240と、印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構と、印刷媒体の紙送りを行うための機構などが搭載されている。
印刷キャリッジ240は、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク,Mインク,Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243と、底面側に設けられた印字ヘッド241などから構成されており、印字ヘッド241には、インク滴を吐出するインク吐出ヘッドがインク毎に設けられている。印刷キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、各色毎のインク吐出ヘッド244ないし247に供給される。尚、図5に示したプリンタ部200では、Cインク,Mインク,Yインクについては一つのインクカートリッジ243に一体に収納されているものとして説明したが、これらインクをそれぞれ別体に形成された専用のインクカートリッジに収納することも可能である。また、これらインクに加えて、濃度の低いCインク(LCインク)や、濃度の低いMインク(LMインク)、更には濃度の低いKインク(LKインク)などを搭載することも可能である。
印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構は、印刷キャリッジ240を駆動するためのキャリッジベルト231と、キャリッジベルト231に動力を供給するキャリッジモータ230と、キャリッジベルト231に絶えず適度な張力を付与しておくための張力プーリ232と、印刷キャリッジ240の動きをガイドするキャリッジガイド233と、印刷キャリッジ240の原点位置を検出する原点位置センサ234などから構成されている。後述する制御回路260の制御の元でキャリッジモータ230を回転させると、回転角度に応じた距離だけ印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させることが可能である。まが、キャリッジモータ230を逆回転させれば、印刷キャリッジ240を逆方向に移動させることも可能となっている。
印刷媒体の紙送りを行うための機構は、印刷媒体を裏面側から支えるプラテン236と、プラテン236を回転させて紙送りを行う紙送りモータ235などから構成されている。後述する制御回路260の制御の元で紙送りモータ235を回転させれば、回転角度に応じた距離だけ印刷媒体を副走査方向に紙送りすることが可能となっている。
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、デジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器、更には、周辺機器との間でデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェースPIFなどから構成されている。制御回路260は、印刷装置10全体の動作を制御しており、スキャナ部100に搭載された光源112や、駆動モータ122、CCD118とデータをやり取りしながら、これらの動作を制御している。
また、キャリッジモータ230および紙送りモータ235を駆動して印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながら、各色のインク吐出ヘッド244ないし249に駆動信号を供給してインク滴を吐出させる制御も行っている。インク吐出ヘッド244ないし249に供給する駆動信号は、コンピュータ20やデジタルカメラ30などから画像データを読み込んで、後述する画像処理を行うことによって生成する。もちろん、スキャナ部100で読み込んだ画像データに画像処理を施すことにより、駆動信号を生成することも可能である。こうして制御回路260の制御の元で、印刷キャリッジ240を主走査および副走査させながら、インク吐出ヘッド244ないし247からインク滴を吐出して印刷媒体上に各色のインクドットを形成することによって、カラー画像を印刷することが可能となっている。もちろん、制御回路260内で画像処理を行うのではなく、画像処理が施されたデータをコンピュータ20から受け取って、このデータに従って印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながらインク吐出ヘッド244ないし247を駆動することも可能である。
また、制御回路260は、操作パネル300ともデータをやり取り可能に接続されており、操作パネル300上に設けられた各種のボタンを操作することにより、スキャナ機能や、プリンタ機能の詳細な動作モードを設定することが可能となっている。更には、コンピュータ20から、周辺機器インターフェースPIFを介して詳細な動作モードを設定することも可能である。
図6は、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に、インク滴を吐出する複数のノズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐出ヘッドの底面には、各色毎のインク滴を吐出する4組のノズル列が形成されており、1組のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチkの間隔を空けて千鳥状に配列されている。制御回路260からは、これらノズルNzのそれぞれに駆動信号が供給され、各ノズルNzは駆動信号に従って、それぞれのインクによるインク滴を吐出する。また、本実施例の印刷装置10は、吐出するインク滴の大きさを制御することにより、印刷媒体上に大きさの異なるドットを形成することも可能となっている。以下、大きさの異なるドットを形成する原理について説明する。
図7は、吐出するインク滴の大きさを制御することにより、インクドットの大きさを制御する原理を示す説明図である。また、図7(a)は、インク滴を吐出するノズルの内部構造およびインク滴を吐出する方法を示した説明図である。各色のインク吐出用ヘッド244ないし247には、このようなノズルが複数設けられている。図示するように、各ノズルにはインク通路255とインク室256とが設けられており、また、インク室の上面にはピエゾ素子PEが設けられている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内のインクがインクギャラリ257を経由してインク室256に供給される。
ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧を印加すると結晶構造が歪んで極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定波形の電圧を印加することで、インク室256の側壁を変形させる。その結果、インク室256の容積が減少し、容積の減少分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzから吐出される。このインク滴Ipがプラテン236に装着された印刷用紙Pに染み込むことで、印刷用紙上にインクドットが形成される。
図7(b)は、ピエゾ素子PEに印加する電圧波形を制御することで、吐出するインク滴の大きさを変更する原理を示した説明図である。ノズルからインク滴Ipを吐出するためには、ピエゾ素子PEに府の電圧を印加してインクギャラリ257からインク室256内に一旦インクを吸入し、その後、ピエゾ素子PEに正電圧を印加してインク室容積を減少させて、インク滴Ipを吐出させる。ここで、インクの吸引速度が適切であればインク室容積の変化量に相当するインクが吸入されるが、吸引速度が速すぎると、インクギャラリ257とインク室256との間には通路抵抗があるためにインクギャラリ257からのインクの流入が間に合わなくなる。その結果、インク通路255のインクがインク室内に逆流して、ノズル付近のインク界面が大きく後退した状態となる。図7(b)に実線で示した電圧波形aは、適正な速度でインクを吸引する波形を示し、破線で示した電圧波形bは適切速度より大きな速度で吸引する波形の一例を示している。
十分なインクがインク室256内に供給された状態で、ピエゾ素子PEに正電圧を印加すると、インク室256の容積減少に相当する体積のインク滴IpがノズルNzから吐出される。これに対して、インクの供給量が不足してインク界面が大きく後退した状態で正電圧を印加すると、吐出されるインク滴は小さなインク滴となる。このように、本実施例の印刷装置10では、インク滴の吐出前に印加する負の電圧波形を制御してインクの吸引速度を変更することで、吐出するインク滴の大きさを制御する。これにより、大ドット、中ドット、小ドットの3種類のインクドットを形成することが可能となっている。
もちろん、3種類に限らず、より多種類のドットを形成することも可能である。更には、微細なインク滴を一度に複数吐出して、吐出するインク滴の数を制御するといった方法を用いて、印刷用紙上に形成されるインクドットの大きさを制御してもよい。
尚、インク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
C.第1実施例の画像印刷処理 :
上述したように、プリンタ部200で所望の画像を印刷するためには、適切な位置にドットが形成されるように、キャリッジ240の動きにあわせて適切なタイミングで各ノズルに駆動信号を供給する必要がある。各ノズルに供給する駆動信号は、印刷しようとする画像の画像データに対して所定の画像処理を施すことによって生成することができる。また、本実施例の画像印刷処理では、後述するように、画像の明度が高い(明るい)領域から、小ドットだけでなく中ドットや大ドットも発生させているために、擬似輪郭を発生させることなく画像を印刷することが可能となっている。以下では、このような第1実施例の画像印刷処理について説明する。尚、本実施例の印刷装置10では、プリンタ部200に組み込まれた制御回路260内で画像処理を行うが、外部に設けられたコンピュータ20で画像処理を行い、処理済みのデータを周辺機器インターフェースPIFから読み込んで、ドットを形成することにより画像を印刷することも可能である。
図8は、第1実施例の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。第1実施例の画像印刷処理を開始すると、制御回路260は先ず初めに、印刷しようとする画像データの読み込みを行う(ステップS100)。ここでは、画像データはR,G,B各色の階調値によって表現されたRGB画像データであるものとする。
次いで、読み込んだ画像データの解像度を、プリンタ部200が印刷するための解像度(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS102)。読み込んだ画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、隣接する画素の間に補間演算を行って新たな画像データを設定することで、より高い解像度に変換する。逆に、読み込んだ画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合は、隣接する画素の間から一定の割合で画像データを間引くことによって、より低い解像度に変換する。解像度変換処理では、読み込んだ画像データに対して適切な割合で画像データを生成あるいは間引くことによって、読み込んだ解像度を印刷解像度に変換する処理を行う。
こうして画像データの解像度を印刷解像度に変換したら、制御回路260は色変換処理を開始する(ステップS104)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組合せによって表現されているRGBカラー画像データを、プリンタに搭載された各色インクの使用量に対応するデータに変換する処理である。前述したように、プリンタ部200では、C,M,Y,Kの4色のインクを用いて画像を印刷しているから、本実施例の色変換処理では、RGB画像データを、C,M,Y,Kの各色インクの使用量に対応する階調値のデータに変換する処理を行う。もちろん、C,M,Y,Kの4色に加えて、濃度の薄いCインク(LCインク)や、濃度の薄いMインク(LMインク)、あるいは濃度の薄いKインク(LKインク)などが搭載されている場合には、RGB画像データを、これら淡インクを加えた各色のインク使用量に対応する階調値のデータに変換することとしても良い。
尚、インクを用いて画像を印刷する場合、インクの使用量が多くなるほど得られる画像の明度は低くなっていく。たとえば、白い印刷用紙に画像を印刷する場合を考えると、インクを全く使用していない部分、すなわち、用紙の地色の部分が最も明度が高く、インクの使用量が増えるほど明度が低くなっていく。従って、色変換処理によって得られるC,M,Y,K各色のインクの使用量に対応する階調データは、画像の明度が低くなるほど、階調値が増加するデータとなっている。
色変換処理は、色変換テーブル(LUT)と呼ばれる3次元の数表を参照することによって行われる。図9は、色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概念的に示した説明図である。今、RGB各色の階調値が0〜255の値を取り得るものとして、図9に示すように直交する3軸にR,G,B各色の階調値を取った色空間を考える。すると、全てのRGB画像データは、原点を頂点として一辺の長さが255の立方体(色立体)の内部の点に対応付けることができる。このことから、見方を変えて、色立体をRGB各軸に直角に格子状に細分して色空間内に複数の格子点を生成すると、各格子点は、それぞれがRGB画像データに対応していると考えることができる。そこで、各格子点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの使用量に対応する階調値の組合せを予め記憶しておく。こうすれば、格子点に記憶されている階調値を読み出すことによって、RGB画像データを、各色インクの使用量に対応するデータに迅速に変換することが可能となる。
例えば、画像データのR成分がRA、G成分がGA、B成分がBAであったとすると、この画像データは、色空間内のA点に対応づけられる(図9参照)。そこで、色立体を細分する微細な立方体の中から、A点を内包する立方体dVを検出し、この立方体dVの各格子点に記憶されている各色インクの階調値を読み出してやる。そして、これら各格子点の階調値から補間演算すればA点での階調値を求めることができる。以上に説明したように、色変換テーブルLUTとは、RGB各色の階調値の組合せで示される各格子点に、C,M,Y,Kなどの各色インクの使用量に対応する階調値の組合せを記憶した3次元の数表と考えることができ、色変換テーブルを参照すれば、RGB画像データを各色インクの使用量に対応する階調データに、迅速に色変換することが可能となる。
図8に示されているように画像印刷処理では、色変換処理に続いて、ハーフトーン処理を行う(ステップS106)。ハーフトーン処理とは、次のような処理である。色変換処理によって得られたCMYK各色のインク使用量に対応する階調データは、画素毎に、階調値0から階調値255までの値を取り得るデータである。これに対してプリンタ部200では、ドットを形成することによって画像を表示しているから、それぞれの画素についてはドットを形成するか否かの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有するCMYK階調データを、画素毎にドット形成の有無を表したデータ(ドットデータ)に変換しておく必要がある。ハーフトーン処理とは、このようにCMYK階調データをドットデータに変換する処理である。
ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用することができる。誤差拡散法は、ある画素についてドットの形成有無を判断したことでその画素に発生する階調表現の誤差を、周辺の画素に拡散するとともに、周囲から拡散されてきた誤差を解消するように、各画素についてのドット形成の有無を判断していく手法である。これに対してディザ法は、ディザマトリックスにランダムに設定されている閾値とCMYK階調データとを画素毎に比較して、CMYK階調データの方が大きい画素にはドットを形成すると判断し、逆に閾値の方が大きい画素についてはドットを形成しないと判断することで、各画素についてのドットデータを得る手法である。以下では、ディザ法を用いてハーフトーン処理を行うものとして説明する。
図10は、ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。図示したマトリックスには、縦横それぞれ64画素、合計4096個の画素に、階調値0〜255の範囲から万遍なく選択された閾値がランダムに記憶されている。ここで、閾値の階調値が0〜255の範囲から選択されているのは、本実施例ではCMYK階調データが1バイトデータであり、階調値が0〜255の値を取り得ることに対応するものである。尚、ディザマトリックスの大きさは、図11に例示したように縦横64画素分に限られるものではなく、縦と横の画素数が異なるものも含めて、種々の大きさに設定することが可能である。
図11は、ディザマトリックスを参照しながら、画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。尚、かかる判断は、CMYKの各色について行われるが、以下では説明が煩雑となることを避けるために、CMYK階調データの各色を区別することなく、単に階調データと称するものとする。
ドット形成有無の判断に際しては、先ず、判断の対象として着目している画素(着目画素)についての階調データの階調値と、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値とを比較する。図中に示した細い破線の矢印は、着目画素の階調データを、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値と比較していることを模式的に表したものである。そして、ディザマトリックスの閾値よりも着目画素の階調データの方が大きい場合には、その画素にはドットを形成するものと判断する。逆に、ディザマトリックスの閾値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成しないものと判断する。図11に示した例では、画像の左上隅にある画素の階調データは「97」であり、ディザマトリックス上でこの画素に対応する位置に記憶されている閾値は「1」である。従って、左上隅の画素については、階調データの方がディザマトリックスの閾値よりも大きいから、この画素にはドットを形成すると判断する。図11中に実線で示した矢印は、この画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模式的に表したものである。一方、この画素の右隣の画素については、階調データは「97」、ディザマトリックスの閾値は「177」であり、閾値の方が大きいので、この画素についてはドットを形成しないものと判断する。このように、階調データとディザマトリックスに設定された閾値とを比較することにより、ドットの形成有無を画素毎に決定することができる。
ここで、前述したようにプリンタ部200は、大中小の各種ドットを形成可能である。このことに対応して、ドットデータは大中小の各種ドットについてドット形成の有無を表すデータとなる。このようなドットデータは次のようにして生成することができる。
図12は、各色のインク使用量に対応する階調データに対してディザ法を適用することにより大中小の各種ドットについてのドット形成有無を判断する処理の流れを示したフローチャートである。本実施例のハーフトーン処理(図8のステップS106)では、C,M,Y,Kの各インクの使用量に対応する階調データに対して、図12に示すようにしてディザ法を適用することにより、画素毎にドット形成の有無を判断してドットデータを生成する処理を行う。以下、フローチャートに従って説明する。
印刷装置10の制御回路260は、ハーフトーン処理を開始すると先ず初めに、インク各色についての階調データを、大中小の各ドットについての形成密度(形成密度データ)に変換する(ステップS150)。ドットの形成密度データは、値が大きくなるほど、高い密度でドットが形成されることを表しており、例えば形成密度データの値「255」は、全ての画素にドットが形成されることを表している。こうした形成密度データへの変換は、後述する変換テーブルを参照することによって行うことができる。
図13は、本実施例のハーフトーン処理中で参照される変換テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように変換テーブルには、インクの使用量に対応する色変換後の階調データに対応付けて、大中小の各ドットについての形成密度データが予め設定されている。このような変換テーブルを参照すれば、色変換処理によって得られた階調データを、各ドットの形成密度データに直ちに変換することが可能である。また、図13に示されているように、本実施例の変換テーブルには、色変換後の階調データが小さい値を取る領域においても中ドットあるいは大ドットが形成されるように、形成密度データが設定されている。ここで、本実施例の変換テーブルの特徴をより明確に説明するために、一般的な変換テーブルについて簡単に説明しておく。
図14は、インク量に対応する階調データを大中小の各ドットの形成密度データに変換する際に参照される一般的な変換テーブルを概念的に示した説明図である。図示されるように、一般的な変換テーブルでは、インクの使用量に対応する階調データの階調値が増加するに従って、形成されるドットが小さなドットから大きなドットへと切り換わるように設定されている。以下、図14を参照しながら具体的に説明すると、一般的な変換テーブルには、インク使用量の階調データが小さな値を取る範囲では、階調データが階調値「0」から増加するに従って、小ドットの形成密度が直線的に増加するように設定されている。そして、小ドットの形成密度データが上限値(図14では、階調値255)に達すると、中ドットの形成が開始されるとともに、中ドットが形成された分だけ小ドットの形成密度データが減少していくように設定されている。更に中ドットの形成密度データが上限値に達すると、今度は大ドットの形成が開始されるとともに、代ドットが形成された分だけ中ドットの形成密度データが減少していくように設定されている。
小ドット、中ドット、大ドットの形成密度データがこのように設定されているのは、次のように、できるだけドットの目立たない高画質な画像を印刷可能とするためである。すなわち、一般に画像中でインク使用量が小さい領域は、明度が高い(明るい)領域であり、従ってドットが目立ち易い領域である。そこで、このような領域では、小さなドットを形成することにより、ドットが目立って画質を悪化させることを回避する。インク使用量が多くなると、画像の明度も低く(暗く)なってドットが目立ち難くなるので、中ドットを形成してもドットが目立つことはない。そこで、インク使用量がある程度まで増加した後は、中ドットを形成して画像を印刷する。更に、インク使用量が増加すると、画像の明度も更に低く(暗く)なるので大ドットを形成してもドットが目立つことはない。従って、このような領域では、大ドットを形成して画像を印刷する。
このように、一般的な変換テーブルでは、ドットが目立って画質を悪化させることの無いように、インク使用量が少ない領域では小ドットを形成し、インク使用量が多くなるに従って、中ドット、大ドットへと形成するドットが切り換わるように設定されている。その結果、一般的な変換テーブルを用いた場合のドットの発生状況は、図14に示されているように、もっぱら小ドットのみが形成される場合と、小ドットおよび中ドットが形成される場合と、中ドットおよび大ドットが形成される場合と、もっぱら大ドットのみが形成される場合の、4つの発生状況に分類されることになる。換言すれば、図14に示すような変換テーブルを用いて印刷された画像は、インク使用量の階調データに応じて、これら4つの状態を切り換えながら印刷された画像となる。このように、印刷しようとする画像の明度に応じて形成するドットの大きさを切り換えることで、ドットの目立たない画像を印刷することが可能とはなるものの、その結果として、同じ画像中でドットの発生状況が切り換わることとなり、切り換わる部分で擬似輪郭が発生することが起こり得る。
これに対して、本実施例のハーフトーン処理中で参照する変換テーブルは、図13に示すように、ドットの発生状況が切り換わることはない。すなわち、インク量に対応する色変換後の階調データが小さな値を取る領域から中ドット、大ドットが形成されており、このため全ての階調範囲で小ドット、中ドット、大ドットが形成されるような変換テーブルとなっている。
図13に例示した変換テーブルを参照して、CMYK各色のインク使用量に対応する階調データを、大中小各ドットについての形成密度に変換したら(図12のステップS150)、大ドットについての形成有無を判断する(ステップS152)。かかる判断は、大ドットの形成密度データと、ディザマトリックスに設定されている閾値とを比較することによって行う。すなわち、形成密度データの方が大きい場合は大ドットを形成すると判断し、逆に閾値の方が大きければ大ドットは形成しないと判断する。
そして、大ドットを形成すると判断された画素には(ステップS152:yes)、データ「11」を書き込む処理を行う(ステップS156)。ここでデータ「11」は、その画素に大ドットを形成することを表しているデータである。一方、大ドットを形成しないと判断された画素については(ステップS152:no)、中ドットを形成するか否かを判断する処理を開始する。
中ドットについての形成有無の判断は、次のようにして行う。先ず初めに、大ドットの形成密度データに中ドットの形成密度データを加算して、中ドットの形成有無を判断するための判断データを算出する(ステップS158)。こうして算出した判断データと、ディザマトリックスの閾値とを比較することにより、中ドットの形成有無を判断する(ステップS160)。すなわち、判断データの方が閾値より大きい画素には中ドットを形成すると判断し、閾値の方が大きい画素には中ドットは形成しないと判断する。そして、中ドットを形成する画素については(ステップS162:yes)、中ドットを形成することを表すデータ「10」を書き込む処理を行う(ステップS164)。中ドットを形成しないと判断された画素については(ステップS162:no)、小ドットを形成するか否かを判断する処理を開始する。
小ドットの形成有無の判断は、小ドット用の判断データを用いて行う。小ドット用の判断データは、中ドット用の判断データに小ドットの形成密度データを加算することによって算出する(ステップS166)。次いで、算出した小ドット用の判断データと、ディザマトリックスの閾値とを比較することにより、小ドットの形成有無を判断する(ステップS168)。そして、小ドット用の判断データの方が閾値より大きい画素には小ドットを形成すると判断し、小ドットを形成する画素については(ステップS170:yes)、小ドットを形成することを表すデータ「01」を記憶する(ステップS172)。逆に、小ドット用の判断データよりも閾値の方が大きい画素には、小ドットも形成しないと判断し(ステップS170:no)、この画素には、いずれのドットも形成しないことを表すデータ「00」を記憶する(ステップS174)。
図8に示した画像印刷処理のステップS106では、色変換によって得られたCMYK各色の階調データに対して上述した処理を施して、画素毎に大中小の各ドットについての形成有無を判断することにより、ドットデータを生成する処理を行う。
以上のようにして、CMYK各色の階調データをドットデータに変換したら、今度は、インターレース処理を開始する(ステップS108)。インターレース処理とは、印字ヘッド241がドットを形成する順序でドットデータを並び替えて、各色のインク吐出ヘッド244ないし247に供給する処理である。すなわち、図6に示したように、インク吐出ヘッド244ないし247に設けられたノズルNzは副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けて設けられているから、印刷キャリッジ240を主走査させながらインク滴を吐出すると、副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けてドットが形成されてしまう。そこで全画素にドットを形成するためには、印刷キャリッジ240と印刷媒体との相対位置を副走査方向に移動させて、ノズルピッチkだけ隔たったドット間の画素に新たなドットを形成することが必要となる。このように、実際に画像を印刷する場合には、画像上で上方にある画素から順番にドットを形成しているわけではない。更に、主走査方向に同じ列にある画素についても、一回の主走査でドットを形成するのではなく、画質上の要請から、複数回の主走査に分けてドットを形成することとして、各回の主走査では飛び飛びの位置の画素にドットを形成することも広く行われている。
このように、実際に画像を印刷する場合には、画像上で画素の並びの順番に従ってドットを形成しているわけではないので、実際にドットの形成を開始する前に、C,M,Y,Kの各色毎に得られたドットデータを、インク吐出ヘッド244ないし247がドットを形成する順番に並び替える処理を行う。このような処理が、インターレースと呼ばれる処理である。
画像印刷処理では、インターレース処理を終了すると、インターレース処理によって得られたデータに基づいて、印刷媒体上に実際にドットを形成する処理(ドット形成処理)を開始する(ステップS110)。すなわち、キャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を主走査させながら、順番を並び替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ないし247に供給する。前述したようにドットデータは、各画素にドットを形成するか否かを表したデータであるから、インク吐出ヘッド244ないし247がドットデータに従ってインク滴を吐出すれば、各画素に適切にインクドットを形成することができる。
そして、一回の主走査が終了したら、今度は、紙送りモータ235を駆動して印刷媒体を副走査方向に紙送りした後、再びキャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を主走査させつつ、順番を並べ替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ないし247に供給してドットを形成する。このような操作を繰り返し行うことにより、印刷媒体上には、C,M,Y,Kの各色のドットが画像データの階調値に応じて適切な分布で形成されて、画像が得られることになる。
また、図13を用いて前述したように、本実施例の印刷装置10では、画像中の明るい(明度の高い)領域から小ドット、中ドット、大ドットを用いて画像を印刷しているので、印刷画像は、全ての領域が小ドット、中ドット、大ドットを用いて印刷された画像となっている。このため、図14に例示の一般的な変換テーブルを参照して印刷した画像のようにドットの発生状況が切り換わることがなく、ドットの発生状況が切り換わることに起因した擬似輪郭が発生することもない。
もちろん、中ドットあるいは大ドットは、小ドットに比べて目立ち易いドットであるから、本実施例の印刷装置10のように画像中の明るい部分から中ドットおよび大ドットを形成すれば、ドットが目立ち易くなる。しかし、ドットが目立つことが、必ず画質を悪化させるわけではなく、画像によっては、適度にドットが目立った方が好ましい場合も存在する。例えば、印象的な画像とするために、敢えて画像にノイズを付加してから印刷することがあるが、意図的にドットを目立たせることで、同様な効果を得ることが可能である。また、いわゆる網点印刷によって得られるような効果を付加した画像とすることも可能である。このように、多少はドットが目立っても、そのことが直ちに画質の悪化に結びつかないような画像では、本実施例のように、明るい画像領域から中ドットや大ドットを形成することで、ドットの発生状況が切り換わることに起因する擬似輪郭の発生を回避して、高画質な画像を印刷することが可能となる。
尚、上述した第1実施例では、図13に示したように、色変換処理によって得られた階調データの全ての階調領域で、小ドット、中ドット、大ドットの全てのドットを形成するものとして説明した。しかし、必ずしも全ての階調領域で、これらドットを形成する必要はなく、例えば、画像の明るい(明度が高い)領域では、小ドットのみを形成したり、あるいは小ドットおよび中ドットのみを形成することとしても良い。
図15は、このような第1実施例の変形例の変換テーブルを例示した説明図である。図15(a)には、色変換後の階調データが小さな値を取る領域(明るい画像領域)では、小ドットおよび中ドットのみを形成する場合の変換テーブルが例示されている。このような変換テーブルを参照してドットデータを生成した後、画像を印刷すれば、最もドットが目立ち易い領域に、最も目立ち易い大ドットが形成されることを回避することができるので、適度のノイズが付加された画像とすることができる。
もっとも、図15(a)に示すような変換テーブルを用いて印刷された画像には、小ドットおよび中ドットが形成された領域と、小ドット,中ドット,大ドットの全ドットが形成された領域の、ドットの形成状況が異なる2つの領域が発生する。しかし、これら領域の境界では、小ドットおよび中ドットがある程度の高い密度で形成された中に、僅かな密度で大ドットが追加されるのに過ぎず、図14を用いて前述したようにドットの形成状況が切り換わるわけではない。従って、図15(a)に示した変換テーブルを参照して画像を印刷すれば、ドットの形成状況が切り換わることに起因した擬似輪郭を発生させることなく、画像を印刷することが可能である。
図15(b)は、色変換後の階調データが小さな値を取る領域(明るい画像領域)では、小ドットのみを形成する場合の変換テーブルを例示した説明図である。このような変換テーブルを参照した場合には、最もドットが目立ち易い領域では、目立ち易い中ドットおよび大ドットが形成されることを回避することができ、また、少しドットが目立ち易い領域では、最も目立ち易い大ドットが形成されることを回避することができるので、画像により適度なノイズを付加することが可能となる。また、このようにして印刷された画像にも、小ドットのみが形成された領域と、小ドットおよび中ドットが形成された領域、更には、小ドット,中ドット,大ドットの全ドットが形成された領域というように、ドットの形成状況が異なる3つの領域が発生する。しかし、図15(a)の場合と同様に、これら領域の境界では、僅かな密度で中ドットあるいは大ドットが追加されるのに過ぎず、図14を用いて前述したようにドットの形成状況が切り換わるわけではない。従って、ドットの形成状況が切り換わることに起因した擬似輪郭を発生させることなく、画像を印刷することが可能となる。
D.第2実施例の画像印刷処理 :
以上に説明した第1実施例の画像印刷処理では、画像の明るい(明度が高い)領域から中ドット、大ドットを形成し、ドットの形成状況を切り換えることなく画像を印刷していた。このように、明るい領域から中ドットや大ドットを形成することで、画像に適度なノイズを付加しつつ、ドットの形成状況が切り換わることに起因した擬似輪郭を発生させることなく、画像を印刷することが可能となった。もっとも、適度なノイズの付加量は、印刷しようとする画像によって異なる場合もある。従って、付加するノイズ量を制御することができれば、どのような画像でも、適切なノイズが付加された画像を印刷することが可能となる。以下では、このような第2実施例の画像印刷処理について説明する。
図16は、第2実施例の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。第2実施例の画像印刷処理では、図8を用いて前述した第1実施例の画像印刷処理に対して、付加するノイズ量を設定可能な点が大きく異なっているが、他の部分はほぼ同様である。以下では、かかる相違点を中心に、第2実施例の画像印刷処理について説明する。
第2実施例の画像印刷処理では、処理を開始すると先ず初めに、印刷装置10の制御回路260に対してノイズ量を設定する処理を行う(ステップS200)。第2実施例の印刷装置10では、画像の印刷に先立って印刷条件を設定することが可能となっており、印刷条件を設定する中で、付加するノイズ量も設定することが可能となっている。
図17は、画像の印刷に先立って、印刷条件を設定する様子を概念的に示した説明図である。本実施例の印刷装置10では、操作パネル300に設けられた液晶画面の表示をみながら、印刷条件を設定することが可能となっている。あるいは、印刷装置10とは別体に設けられたコンピュータ上でプリンタドライバを起動させて同様な設定を行った後、コンピュータから、印刷装置10の周辺機器インターフェースPIFを介してデータを供給することによって設定することも可能である。
図17に示した例では、印刷条件として、印刷用紙の種類や、用紙サイズに加えて、画像に付加するノイズ量を設定することができる。また、本実施例の操作パネル300は、タッチパネル式の液晶画面となっており、画面の該当する箇所に触れて選択することで印刷条件を設定する。例えば、印刷用紙の種類については、画面に表示された下向きの三角形に触れると、予め設定されている印刷用紙の種類が表示され、その中から選択することで印刷用紙を設定することができる。用紙サイズについても同様にして、予め設定されている用紙サイズの中から該当するサイズを選択することができる。また、付加するノイズ量については、画面上に表示されたツマミ150を移動させることで設定する。尚、本実施例では、ノイズ量としては、予め設定されている4段階の中から、任意のノイズ量を選択することによって設定する。もちろん、連続的にノイズ量を変更可能としても良い。
こうして印刷条件とともにノイズ量を設定したら(図16のステップS200)、前述した第1実施例と同様に、印刷しようとする画像データを読み込んで(ステップS202)、読み込んだ画像データの解像度を印刷解像度に変換した後(ステップS204)、色変換テーブルを参照しながら、画像データを、CMYK各色のインク使用量に対応する階調データに変換する(ステップS206)。
次いで、設定しておいたノイズ量に応じて変換テーブルを選択する処理を行う(ステップS208)。すなわち、図17に示したように、本実施例の印刷装置10では、付加するノイズ量を4段階に切り換え可能であり、それぞれのノイズ量に応じた変換テーブルが予め設定されている。ここで、変換テーブルとは、図13を用いて前述したように、色変換後の階調データに対して小ドット,中ドット,大ドットの各ドットについての形成密度データが設定されたテーブルである。
図18は、第2実施例の印刷装置10に予め設定されている変換テーブルを概念的に示した説明図である。図18(a)に示した変換テーブルは、色変換後の階調データが小さな値を取る領域(明るい画像の領域)では、ドットが目立ち難い小ドットのみが形成され、階調データが大きくなるに従って(画像が暗くなるに従って)、中ドットおよび大ドットが順次追加して形成されるようなテーブルである。図18(b)に示した変換テーブルは、色変換後の階調データの値が「0」の領域(ごく明るい画像の領域)から中ドットが形成されるが、大ドットについては、階調データがある程度大きくなってから形成されるようなテーブルとなっている。かかるテーブルは、図18(a)のテーブルと比較すると、より明るい画像から中ドットが形成されるので、ドットが目立ち易い、言い換えればノイズの付加量が大きな変換テーブルとなっている。
図18(c)に示した変換テーブルも、図18(b)のテーブルと同様に、小ドットおよび中ドットについては、ごく明るい画像の領域(階調データの値が「0」の領域)から形成されるが、大ドットについては、階調データがある程度大きくなってから形成されるようなテーブルとなっている。もっとも、図18(c)に示したテーブルは図18(b)のテーブルと比べれば、画像がより明るい段階から大ドットが形成されるので、それだけドットが目立ち易く、従って、付加されるノイズ量の多い変換テーブルとなっている。
更に、図18(d)に示した変換テーブルは、ごく明るい画像の領域(階調データの値が「0」の領域)から、小ドットに加えて、中ドットおよび大ドットが形成されるようなテーブルとなっている。このように、最もドットが目立ち易い領域から、最も目立ち易いドットである大ドットが形成されることから、図18(d)に示した変換テーブルは、図18(c)に示したテーブルよりも、更にノイズ量の多いテーブルとなっている。
図16に示した第2実施例の画像印刷処理におけるステップS208では、図17に示した印刷条件設定画面上でノイズ量が最も小さいレベル「1」が選択されていた場合は、図18(a)に示した変換テーブルを選択する。また、印刷条件設定画面でノイズのレベル「2」が選択されていた場合は、図18(b)に示したテーブルを選択し、レベル「3」が選択されていた場合は図18(c)のテーブルを、そしてレベル「4」が選択されていた場合は図18(d)のテーブルを選択する処理を行う。
尚、印刷装置10に予め設定しておく変換テーブルは、付加されるノイズ量が異なっていれば、図18に例示したテーブルに限られるものではない。例えば、図18(b)あるいは図18(c)中に階調値Aで示すような、大ドットが形成され始める階調データの階調値が異なる4つの変換テーブルを用いることも可能である。
こうして、ノイズ量の設定に対応した変換テーブルを選択したら、ハーフトーン処理を開始する(ステップS210)。ハーフトーン処理の内容は、図12を用いて前述した第1実施例のハーフトーン処理と同様である。但し、前述した第1実施例のハーフトーン処理では、インク量に対応する階調データを、大中小各ドットの形成密度データに変換するに際して、図13に示した変換テーブルを参照したが、第2実施例のハーフトーン処理では、上述したステップS208でノイズ量に応じた選択した変換テーブルを参照する点のみが異なっている。
以下では、第2実施例のハーフトーン処理について、図12を流用しながら簡単に説明する。第2実施例のハーフトーン処理を開始すると、先ず初めに、ノイズ量に応じて選択しておいた変換テーブルを参照することにより、CMYK各色のインク量に対応する階調データを、大中小の各ドットについての形成密度データに変換する(図12のステップS150相当)。次いで、大ドットの形成密度データに対してディザ法を適用することにより、大ドットの形成有無を判断し(ステップS152相当)、大ドットを形成する場合は(ステップS154:yes相当)、その画素に大ドットを形成することを意味するデータ「11」を書き込む処理を行う(ステップS156相当)。
大ドットを形成しない場合は(ステップS154:no相当)、大ドットの形成密度データと中ドットの形成密度データとを合計した中ドット用の判断データにディザ法を適用して、中ドットの形成有無を判断する(ステップS158相当、ステップS160相当)。そして、中ドットを形成する場合は(ステップS162:yes相当)、その画素に中ドットを形成することを意味するデータ「10」を書き込む処理を行う(ステップS164相当)。これに対し、中ドットを形成しない場合は(ステップS162:no相当)、中ドット用の判断データと小ドットの形成密度データとを合計して小ドット用の判断データを算出し(ステップS166相当)、この小ドット用の判断データにディザ法を適用して、小ドットの形成有無を判断する(ステップS168相当)。そして、小ドットを形成する場合は(ステップS170:yes相当)、その画素に小ドットを形成することを意味するデータ「10」を書き込む処理を行い(ステップS172相当)、小ドットを形成しない場合は(ステップS170:no相当)、何れのドットも形成しないことを意味するデータ「00」を書き込む処理を行った後(ステップS174相当)、第2実施例のハーフトーン処理を終了する。
以上のようにしてハーフトーン処理を行ってCMYK各色の階調データをドットデータに変換したら(図16のステップS210)、インターレース処理を行うことにより、印字ヘッド241がドットを形成する順序にドットデータを並び替える(ステップS212)。次いで、得られたデータに基づいて、印刷媒体上に実際にドットを形成して(ステップS214)、第2実施例の画像印刷処理を終了する。
以上に説明した第2実施例の画像印刷処理においては、ドットの発生状況を切り換えることなく画像を印刷することができるので、前述した第1実施例の画像印刷処理と同様に、ドットが切り換わることに起因した擬似輪郭を発生させることなく画像を印刷することができる。もちろん、第2実施例の画像印刷処理においても、画像中の比較的明るい領域から中ドットあるいは大ドットが形成されるのでドットが目立つ傾向にあるが、適度にドットが目立つ程度であれば、ノイズを付加したときと同様な効果や、網点印刷によって得られた画像と同じような印象を付加する効果など、却って望ましい効果を得ることができる。加えて、第2実施例の画像印刷処理では、画像の印刷に際して付加するノイズ量を設定することができるので、これら効果を確実に発揮させながら、擬似輪郭の生じるおそれのない高画質な画像を印刷することが可能となる。
E.変形例 :
以上に説明した各実施例では、大ドットの形成密度データは、色変換後の階調データが増加するに従って一定の割合で増加するものとして説明した。しかし、大ドットの形成密度データが増加する時の傾きは、全ての階調範囲に亘って一定である必要はなく、例えば、色変換後の階調データが小さな値を取る領域(画像が明るい領域)に、大ドットの形成密度データが少しずつ増加する領域を設けたり、更には、大ドットの形成密度データが少しずつ増加する領域と、通常の傾きで増加する領域との間に、これら領域の中間的な遷移領域を設けることとしても良い。
図19は、こうした変形例の変換テーブルを例示した説明図である。図示したテーブルでは、色変換後の階調データの全領域に亘って、大中小の全てのドットが形成されるように設定されている。もっとも、同じように全領域で大中小のドットが形成される図13の変換テーブルと比較すれば明らかなように、変形例の変換テーブルでは、色変換後の階調データが階調値「0」から階調値Bの値を取る領域では、大ドットの形成密度データが小さな傾きで増加するように設定されている。このような領域では、大ドットの形成密度が少ない分を小ドットあるいは中ドットの少なくとも何れかで補うために、小ドットあるいは中ドットの少なくとも一方の傾きを、図13に示した変換テーブルよりも大きな傾きに設定する。図19に例示した変換テーブルでは、小ドットおよび中ドットの何れのドットについても、形成密度データの傾きが図13に示した変換テーブルよりも大きな傾きに設定されている。尚、図19では、図13に設定された大ドット・中ドット・小ドットの形成密度データを、それぞれ細い実線・細い一点鎖線・細い破線で示している。
また、色変換後の階調データが階調値Cより大きな値を取る領域では、図13の変換テーブルに設定された傾きと同様な傾きで大ドットの形成密度データが増加していくが、これら2つ領域の間には(すなわち、色変換後の階調データが階調値Bから階調値Cの値を取る範囲には)、大ドットの形成密度データが不連続とならないようにするための遷移領域が設けられている。
このように設定された変換テーブルを用いて画像を印刷すれば、色変換後の階調データが小さな値を取る領域(画像の明度が高い領域)では、大ドットの形成を抑制して適度にノイズが付加された画像を得ることができる。
また、画像の印刷に先立って、階調値Bあるいは階調値Cの値を調整することにより、付加するノイズ量を設定することとしても良い。図20は、変形例の画像印刷処理中で付加するノイズ量を設定する様子を例示した説明図である。図示されるように、設定画面上で2つのツマミ150,151を移動させることで、それぞれ階調値B(低階調側閾値)および階調値C(高階調側閾値)の値を変更することとしても良い。尚、階調値Bについては、低階調領域での傾きを保ったまま階調値Bの値を変更することとしても良いし、あるいは、階調値Bに対応する大ドットの形成密度の値を一定に保ったまま、階調値Bの値を変更することとしても良い。一方、階調値Cについては、高階調領域で画像の明度を十分に低くするために、高階調領域での傾きを保ったまま階調値Cの値を変更する。このようにして大ドットの形成密度が設定されたら、階調データに対応するインク使用量となるように、小ドットおよび中ドットの形成密度を決定すればよい。この時、小ドットおよび中ドットの形成割合を予め決めておけば、大ドットの形成密度から、自動的に小ドットおよび中ドットの形成密度を決定することが可能である。
尚、図20では、付加するノイズ量を設定するために、それぞれ階調値B(低階調側閾値)および階調値C(高階調側閾値)の値を設定する場合について示したが、階調値Bおよび階調値Cの代わりに、対応する形成密度の値を設定することとしても良い。図21は、形成密度を設定することで、付加するノイズ量を設定する様子を例示した説明図である。図示するように、低階調側の領域が終わる形成密度D、および高階調側の領域が開始される形成密度Eをそれぞれ設定すれば、明度が高い画像領域での大ドットの形成密度を制御して、適切なノイズ量の画像を印刷することが可能となる。
あるいは、低階調領域の終端での形成密度D、および高階調領域が開始される時の形成密度Eを決定する代わりに、低階調領域の終端および高階調領域の始端のそれぞれにおいて、大ドット、中ドット、小ドットを形成する割合を設定することとしても良い。図22には、印刷装置10の操作パネル300の画面上で、低階調領域の終端および高階調領域の始端のそれぞれにおいて、大ドット、中ドット、小ドットを形成する割合を設定する様子が例示されている。
以上、本実施例の印刷装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
例えば、図21に例示した変換テーブルでは、低階調側の領域と高階調側の領域との間に設けられた遷移領域では、大ドットの形成密度が直線的に増加している。しかし、遷移領域では、低階調側と高階調側の形成密度を連続的につなぐことができれば、直線的に増加する必要はなく、曲線的に増加するものであっても構わない。
本実施例の印刷装置の概要を示した説明図である。 本実施例の印刷装置の外観形状を示す斜視図である。 印刷画像を読み込むために印刷装置の上部に設けられた原稿台カバーを開いた様子を示す説明図である。 スキャナ部の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。 本実施例の印刷装置の内部構成を概念的に示した説明図である。 インク吐出ヘッドにインク滴を吐出する複数のノズルが形成されている様子を示した説明図である。 吐出するインク滴の大きさを制御することによりインクドットの大きさを制御する原理を示す説明図である。 第1実施例の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。 色変換処理のために参照される色変換テーブルを概念的に示した説明図である。 ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。 ディザマトリックスを参照しながら画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。 ディザ法を適用して大中小の各種ドットについてのドット形成有無を判断する処理の流れを示したフローチャートである。 本実施例のハーフトーン処理で参照する変換テーブルを概念的に示した説明図である。 ハーフトーン処理で参照される一般的な変換テーブルを概念的に示した説明図である。 変形例の変換テーブルを概念的に示した説明図である。 第2実施例の画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。 画像の印刷に先立って印刷条件を設定する様子を概念的に示した説明図である。 第2実施例の画像印刷処理で参照される変換テーブルを概念的に示した説明図である。 変形例の画像印刷処理で参照される変換テーブルを例示した説明図である。 変形例の画像印刷処理において付加するノイズ量を設定する様子を例示した説明図である。 付加するノイズ量を設定するために形成密度の値を設定する様子を例示した説明図である。 付加するノイズ量を設定するために、大ドット、中ドット、小ドットの形成割合を設定している様子を例示した説明図である。
符号の説明
10…印刷装置、 12…インク吐出ヘッド、 100…スキャナ部、
200…プリンタ部、 240…印刷キャリッジ、 241…印字ヘッド、
242…インクカートリッジ、 243…インクカートリッジ、
260…制御回路、 300…操作パネル

Claims (12)

  1. 大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置であって、
    印刷しようとする画像の画像データを受け取る画像データ受取手段と、
    前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する画像データ変換手段と、
    前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する中間データ変換手段と、
    前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断するドット形成判断手段と、
    前記ドット形成有無の判断結果に従って前記複数種類のドットを印刷媒体上に形成するドット形成手段と
    を備え、
    前記中間データ変換手段は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する手段である印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記ドット形成手段は、インクを用いて前記印刷媒体上に前記ドットを形成する手段であり、
    前記中間データ変換手段は、前記画像データを、前記インクの使用量に対応する前記中間データに変換する手段である印刷装置。
  3. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記中間データ変換手段は、少なくとも最も大きなドットについては、前記中間データに対する前記形成密度データの傾きが、該中間データの取り得る上限値を含んだ第1の領域では第1の所定値となり、該中間データの取り得る下限値を含んだ第2の領域では、該第1の所定値よりも小さな第2の所定値となるように、該中間データを変換する手段である印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記第1の領域が開始される中間データの階調値たる境界階調値を、前記中間データ変換手段に対して設定する境界階調値設定手段を備える印刷装置。
  5. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記中間データ変換手段は、少なくとも最も大きなドットについては、前記中間データの階調値が増加するに従って、前記第2の領域から前記第1の領域へと前記形成密度データが連続的に変化するように、該中間データを変換する手段である印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置であって、
    前記第1の領域が開始される中間データの階調値たる第1の閾値、または前記第2の領域が終了する中間データの階調値たる第2の閾値の少なくとも一方を、前記中間データ変換手段に対して設定する閾値設定手段を備えた印刷装置。
  7. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記第2の領域における前記複数種類のドットの形成割合を、前記中間データ変換手段に対して設定する形成割合設定手段を備える印刷装置。
  8. 大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、印刷しようとする画像の画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する画像処理装置であって、
    前記画像データを受け取る画像データ受取手段と、
    前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する画像データ変換手段と、
    前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する中間データ変換手段と、
    前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断するドット形成判断手段と、
    前記ドット形成有無の判断結果を前記制御データとして前記印刷装置に出力する制御データ出力手段と
    を備え、
    前記中間データ変換手段は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する手段である画像処理装置。
  9. 大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
    印刷しようとする画像の画像データを受け取る第1の工程と、
    前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する第2の工程と、
    前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する第3の工程と、
    前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する第4の工程と、
    前記ドット形成有無の判断結果に従って前記複数種類のドットを印刷媒体上に形成する第5の工程と
    を備え、
    前記第3の工程は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する工程である印刷方法。
  10. 大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、印刷しようとする画像の画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する画像処理方法であって、
    前記画像データを受け取る工程(A)と、
    前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する工程(B)と、
    前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する工程(C)と、
    前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する工程(D)と、
    前記ドット形成有無の判断結果を前記制御データとして前記印刷装置に出力する工程(E)と
    を備え、
    前記工程(C)は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する工程である画像処理方法。
  11. 大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    印刷しようとする画像の画像データを受け取る第1の機能と、
    前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する第2の機能と、
    前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する第3の機能と、
    前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する第4の機能と、
    前記ドット形成有無の判断結果に従って前記複数種類のドットを印刷媒体上に形成する第5の機能と
    をコンピュータを用いて実現させるとともに、
    前記第3の機能は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する機能であるプログラム。
  12. 大きさの異なる複数種類のドットを形成して画像を印刷する印刷装置が該ドットの形成を制御するために用いる制御データを、印刷しようとする画像の画像データに所定の画像処理を施すことによって生成する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    前記画像データを受け取る機能(A)と、
    前記受け取った画像データを、前記画像の明度が低くなるほど階調値が増加する中間データに変換する機能(B)と、
    前記得られた中間データを、前記ドットの種類毎の形成密度を表す形成密度データに変換する機能(C)と、
    前記形成密度データに基づいて、前記複数種類のドットについての形成有無を判断する機能(D)と、
    前記ドット形成有無の判断結果を前記制御データとして前記印刷装置に出力する機能(E)と
    をコンピュータを用いて実現させるとともに、
    前記機能(C)は、前記複数種類のドットの何れについても、前記中間データの階調値が増加するに従って前記形成密度データの階調値が増加あるいは維持されるように、該中間データを変換する機能であるプログラム。
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