JP2006321051A - 印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 - Google Patents

印刷装置、画像処理装置、印刷方法、および画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高画質な画像を迅速に印刷する。
【解決手段】 濃ドットと淡ドットとを形成可能な印刷装置において、画像の明るい部分では淡ドットを用いて印刷し、中間的な階調の部分では、画像が暗くなるに従って、淡ドットを減少させ濃ドットを増加させて画像を印刷する。更に、画像が暗くなると、濃ドットの形成密度をある程度の密度にしたまま、再び淡ドットを増加させる。こうすれば、濃ドットの大きさを、全画素に濃ドットを形成しても濃ドット間に隙間が生じる程度の小ささに設定しても、隙間を淡ドットで埋めて、いわゆるベタ画像を印刷することができる。濃ドットを小さめに設定することで画質を向上させることができ、また、ドットの大きさを小さくするにも拘わらず印刷解像度を高くせずにすむので迅速な印刷を実現することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクドットを形成して画像を印刷する技術に関し、詳しくは、濃インクによる濃ドットと淡インクによる淡ドットとを形成して、画像を印刷する技術に関する。
印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷するプリンタ(以下、ドットプリンタと称する場合がある)は、コンピュータで作成した画像やデジタルカメラで撮影した画像など、いわゆるデジタル画像の出力手段として広く使用されるようになってきた。
こうしたドットプリンタは、個々の画素について見ればドットを形成するか否かの何れかの状態(すなわち2階調)しか表現し得ないが、ドットの形成密度を制御することによって、より多階調の画像を表現することが可能となっている。たとえば、全ての画素に黒いドットを形成すれば、真黒の画像を印刷することができるし、半数程度の画素にドットを形成すれば灰色の画像を印刷することができる。また、ドットをまばらに形成すれば明るい灰色の画像を印刷することができる。このように、ドットを全く形成しない状態から全画素にドットを形成する状態まで、ドットの形成密度を連続的に変化させていけば、階調が連続的に変化する画像も表現することが可能である(たとえば特許文献1)。
もっともドットプリンタはドットの形成密度によって、いわば擬似的に階調を表現しているため、個々のドットが目立つと画質が悪化してしまう。このため、画質上の観点からはドットの大きさは小さい方が望ましい。小さなドットを形成すれば、ドットが目立ち難くなるので、画質を悪化させることなく画像を印刷することが可能となる。
特開平10−175318号公報
しかし、ドットの大きさを小さくすると印刷解像度を高くしなければならなくなり、その結果、印刷速度の低下を招いてしまうという問題がある。すなわち、同じ解像度のままドットを小さくしたのでは、ベタ画像を印刷しようとして全ての画素にドットを形成しても、ドット間に隙間が空いてしまいベタ画像を得ることができないので、ドット間に隙間が生じないように画素の大きさを小さくする(印刷解像度を高くする)必要が生じる。印刷解像度が高くなれば、画像を構成する画素数が増加することとなり、印刷に時間がかかってしまう。
この発明は、従来技術における上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、印刷速度を低下させることなく、ドットの目立たない高画質な画像を印刷可能な技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の印刷装置は次の構成を採用した。すなわち、
色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷装置であって、
画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する画像データ変換手段と、
前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断するドット形成有無判断手段と、
前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果に基づいて、前記濃ドットおよび前記淡ドットを形成するドット形成手段と
を備え、
前記画像データ変換手段は、
前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるように、該画像データを変換する手段であることを要旨とする。
また、上記の印刷装置に対応する本発明の印刷方法は、
色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する第1の工程と、
前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する第2の工程と、
前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果に基づいて、前記濃ドットおよび前記淡ドットを形成する第3の工程と
を備え、
前記第1の工程は、
前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する工程であることを要旨とする。
かかる本発明の印刷装置および印刷方法においては、画像データを受け取ると、濃インク量データおよび淡インク量データに変換した後、濃インク量データに基づいて濃ドットを形成し、淡インク量データに基づいて淡ドットを形成しながら画像を印刷する。ここで、画像データを、濃インク量データあるいは淡インク量データに変換するに際しては、次のような変換を行う。
先ず、画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、画像データの階調値が減少するに従って淡インク量データが増加するように画像データを変換する。一般に画像データの階調値が大きくなるほど画像は明るく(明度が高く)なるから、第1の階調領域ではたいへんに明るい画像が得られ、画像データの階調値が減少するほど暗い(明度の低い)画像となっていく。そこで、第1の階調領域では、画像データの階調値が減少するほど淡インク量データが増加するように、画像データを変換する。
次いで、画像データが、第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域にあるときは、画像データの階調値が減少するに従って、淡インク量データが減少し、濃インク量データが増加するように、画像データを変換する。濃インクは淡インクよりも濃度の高いインクであるから、画像データの階調値が減少するに従って(すなわち、画像の明度が低くなるに従って)、淡インク量データを減少させ、代わりに濃インク量データを増加させれば、印刷画像の明度を低くすることができる。
更に、画像データが、第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域にあるときは、画像データの階調値が減少するに従って淡インク量データが増加するように、画像データを変換する。上述したように第2の階調領域では、画像データの階調値が小さくなるに従って濃インク量データを増加させているから、第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、濃インク量データはある程度の値を有している。そこで、第3の階調領域では、濃インクに加えて淡インクも使用することとして、画像データの階調値が減少するに従って淡インク量データが増加するように、画像データを変換してやる。
このようにして画像データを濃インク量データおよび淡インク量データに変換した後、得られた濃インク量データおよび淡インク量データに基づいて、それぞれ濃ドットおよび淡ドットを形成してやる。こうすれば、たいへん暗い(明度が低い)画像は、濃ドットおよび淡ドットが形成されることになる。たいへん暗い画像を濃ドットだけを用いて印刷しようとすると、濃ドットの大きさを、少なくとも全画素にドットを形成したときにはドット間に隙間が発生しないような大きさに設定しておく必要があるが、このように、濃ドットおよび淡ドットを用いることとすれば、たとえ濃ドット間に隙間が生じても、隙間を淡ドットで埋めることができるので、濃ドットの大きさを小さめに設定することができる。その結果、濃ドットが目立ち難くなり高画質な画像を印刷することが可能となる。もちろん、より明るい画像を印刷する場合には、淡ドットを形成することで高画質な画像を印刷することが可能である。このとき、淡ドットの大きさも濃ドットの大きさに合わせて小さめに設定しておけば、淡ドットについても、より一層ドットが目立たなくすることができるので、それだけ高画質な画像を印刷することが可能となる。
また、このことは見方を変えれば、印刷速度が向上していることにもなる。すなわち、高画質な画像を印刷するために小さなドットを用いる場合、暗い(明度の低い)画像を印刷したときにドット間に隙間が生じることを避けるため、印刷解像度を高くすることが通常である。しかし、上述した本発明の印刷装置および印刷方法によれば、ドットを小さめに設定しているにも拘わらず、印刷解像度を高くする必要がない。印刷解像度を高くする必要がなければ、画像処理に要する時間や、画素毎にドットを形成するために要する時間が増加することを避けることができるので、迅速に画像を印刷することが可能となる。
こうした印刷装置においては、画像データと、濃インク量データおよび淡インク量データとを予め対応付けておき、かかる対応関係に基づいて画像データを変換することも可能であるが、濃インクと淡インクとは色相が略同一のインクであるから、次のようにして画像データを変換することとしても良い。すなわち、画像データを受け取ると、濃インクおよび淡インクを用いて表現すべき色の濃さに関する中間データに変換する。次いで、中間データを、濃インク量データと淡インク量データとに変換することとしてもよい。
こうすれば色の濃さに関する中間データと、濃インク量データおよび淡インク量データとを予め対応付けておくことで、画像データを適切な濃インク量データおよび淡インク量データに変換することができる。また、色相の異なるインクを使用する場合でも、中間データと濃インク量データおよび淡インク量データとの対応関係は、同じものを使用することができるので、たとえ多くの色相のインクを使用する場合でも、容易に対応することが可能となる。
また、前述した第3の階調領域で画像データを濃インク量データおよび淡インク量データに変換するに際しては、画像データの階調値が減少するに従って濃インク量データを減少させることとしても良い。
前述したように第3の階調領域では、画像データの階調値が減少するに従って、淡インク量データが増加するが、淡インク量データの増加量よりも少ない範囲であれば、濃インク量データを減少させても、濃ドットおよび淡ドットの合計ドット密度を増加させることができる。第3の階調領域では、濃ドットは既に高い密度形成されているから、濃ドットの形成密度が多少少なくなっても、濃ドットおよび淡ドットの合計したドット密度が増加していれば、ドット間の隙間を埋めることができ、それだけベタ画像に近い画像を印刷することが可能となる。
また、第3の階調領域で淡インク量データの増加に伴って濃インク量データを減少させる場合には、濃インク量データを次のような割合で減少させることとしても良い。すなわち、濃インクによって印刷された画像と色の濃さが同等の画像を印刷するためには、濃インクのN倍(ただし、N>1)のインク量の淡インクを要するとしたときに、淡インク量データの1/Nの割合で、濃インク量データを減少させることとしても良い。
こうすれば、淡インク量データの増加に伴って色が濃くなることが、濃インク量データの減少によってちょうど相殺されることになり、画像データの階調値が減少するに従ってベタ画像に近付くにも拘わらず、色の濃さは変わらないようにすることができる。一般に、画像を印刷する場合には、多色のインクが使用されることが多いが、インク間のバランスが崩れると表現される色彩が変わってしまう問題がある。この点で、色の濃さを変えることなくベタ画像に近づけることができれば、その間に、表現される色彩が変化することを避けることができるので好ましい。
もちろん、第3の階調領域においては、画像データの減少に伴って、淡インク量データを増加させるだけでなく、濃インク量データも増加させることとしても良い。
こうすれば、画像データが減少するほど(すなわち、画像の明度が低くなるほど)、濃ドットおよび淡ドットの形成密度を何れも増加させることができるので、印刷画像をより速やかにベタ画像に近づけることができる。加えて、濃ドットは淡ドットよりも濃いインクを用いて形成されるドットであるから、淡ドットの形成密度を増加させるだけでなく、濃ドットの密度も増加させることで、画像データの階調値に応じて印刷画像の明度を低くすることが可能となる。
また、上述した印刷装置においては、少なくとも濃ドットについては、ドットの大きさを、一つのドットでは一つの画素を包含し得ない大きさに設定することとしても良い。
前述したように、明度の低い画像については濃ドットに加えて淡ドットも形成されるから、少なくとも濃ドットについては、ドットの大きさを画素に対して小さめに設定しても、ベタ画像を印刷することができる。また、濃ドットを小さめの大きさに設定すれば、それだけ印刷画質を向上させることが可能となるので好ましい。
また、画像データを濃インク量データおよび淡インク量データに変換して、これらインク量データに基づいて濃ドットおよび淡ドットの形成有無を判断している点に着目すれば、本願発明は、次のような画像処理装置あるいは画像処理方法として把握することも可能である。すなわち、本発明の画像処理装置は、
色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷装置に、該ドットの形成を制御するための制御データを供給する画像処理装置であって、
画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する画像データ変換手段と、
前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断するドット形成有無判断手段と、
前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果を、前記制御データとして前記印刷装置に供給する制御データ供給手段と
を備え、
前記画像データ変換手段は、
前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する手段であることを要旨とする。
また、上記の画像処理装置に対応する本発明の画像処理方法は、
色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷装置に、該ドットの形成を制御するための制御データを供給する画像処理方法であって、
画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する工程(A)と、
前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する工程(B)と、
前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果を、前記制御データとして前記印刷装置に供給する工程(C)と
を備え、
前記工程(A)は、
前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する工程であることを要旨とする。
かかる本発明の画像処理装置および画像処理方法においては、画像データを受け取ると、濃インク量データおよび淡インク量データに変換した後、濃インク量データに基づいて濃ドットの形成有無を判断し、淡インク量データに基づいて淡ドットの形成有無を判断する。そして、得られた判断結果を、制御データとして印刷装置に出力する。また、画像データを、濃インク量データあるいは淡インク量データに変換するに際しては、第1の階調領域では、画像データの階調値が減少するに従って淡インク量データを増加させ、第2の階調領域では、画像データの階調値が減少するに従って、淡インク量データを減少させるとともに、濃インク量データを増加させ、更に、第3の階調領域では、画像データの階調値が減少するに従って淡インク量データを増加させるようにして、画像データを変換する。こうして得られた濃インク量データおよび淡インク量データに基づいて、それぞれ濃ドットおよび淡ドットの形成有無を判断して制御データを生成する。
このような制御データを印刷装置に供給して画像を印刷すれば、たいへん暗い(明度が低い)画像は、濃ドットおよび淡ドットを用いて印刷されることになる。従って、濃ドットの大きさを小さめに設定していても、濃ドット間に生じた隙間を淡ドットで埋めることができるので、ベタ画像を印刷することが可能となる。また、濃ドットの大きさを小さめに設定しておくことで、濃ドットの目立たない高画質な画像を得ることができる。もちろん、明るい(明度の高い)画像を印刷する場合には、淡ドットを形成することで高画質な画像を得ることができる。更に、ドットの大きさが小さい割には印刷解像度を低くすることができるので、より迅速に画像を印刷することも可能となる。
更に本発明は、上述した印刷方法、あるいは画像処理方法を実現するためのプログラムをコンピュータに読み込ませ、所定の機能を実行させることにより、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述した印刷方法に対応する本発明のプログラムは、
色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する第1の機能と、
前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する第2の機能と、
前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果に基づいて、前記濃ドットおよび前記淡ドットを形成する第3の機能と
をコンピュータを用いて実現させるとともに、
前記第1の機能は、
前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する機能であることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の第1の記録媒体は、
色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷するプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記録媒体であって、
画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する第1の機能と、
前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する第2の機能と、
前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果に基づいて、前記濃ドットおよび前記淡ドットを形成する第3の機能と
をコンピュータに実現させるプログラムを記録するとともに、
前記第1の機能は、
前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する機能であることを要旨とする。
更に、上述した画像処理方法に対応する本発明のプログラムは、
色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷装置に、該ドットの形成を制御するための制御データを供給する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する機能(A)と、
前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する機能(B)と、
前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果を、前記制御データとして前記印刷装置に供給する機能(C)と
をコンピュータを用いて実現させるとともに、
前記機能(A)は、
前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する機能であることを要旨とする。
また、上記のプログラムに対応する本発明の第2の記録媒体は、
色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷装置に、該ドットの形成を制御するための制御データを供給するプログラムを、コンピュータで読取可能に記録した記録媒体であって、
画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する機能(A)と、
前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する機能(B)と、
前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果を、前記制御データとして前記印刷装置に供給する機能(C)と
をコンピュータに実現させるプログラムを記録するとともに、
前記機能(A)は、
前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する機能であることを要旨とする。
これらのプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種機能を実現させれば、高画質な画像を迅速に印刷することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.実施例の概要:
B.装置構成:
B−1.全体構成:
B−2.内部構成:
B−2−1.スキャナ部の内部構成:
B−2−2.プリンタ部の内部構成:
C.画像印刷処理:
C−1.解像度変換処理 :
C−2.色変換処理 :
C−3.ハーフトーン処理 :
C−4.インターレース処理 :
C−5.ドット形成処理 :
D.変形例:
A.実施例の概要 :
実施例の詳細な説明に入る前に、図1を参照しながら、実施例の概要について説明しておく。図1は、本実施例の印刷装置10の概要を示した説明図である。図示した印刷装置10は、印刷媒体P上にインク滴を吐出してインクドットを形成することにより画像を印刷するいわゆるインクジェットプリンタである。図示した印刷装置10には、色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクと淡インクとが搭載されており、濃インクのインク滴を吐出することで印刷媒体P上に濃ドットを形成し、淡インクのインク滴を吐出することで淡ドットを形成することが可能となっている。
これら淡ドットおよび濃ドットの形成密度を適切に制御すれば高画質な画像を印刷することが可能であり、そうしたことを実現するために本実施例の印刷装置10は、その機能に着目すると、大きくは「画像データ変換モジュール」、「ハーフトーンモジュール」、「ドット形成モジュール」から構成されている。「画像データ変換モジュール」は、印刷しようとする画像データを受け取ると、濃インクのインク量を表すインク量データ(濃インク量データ)および淡インクのインク量を表すインク量データ(淡インク量データ)に変換する。画像データには、画素毎の階調値が設定された形式で記述されており、「画像データ変換モジュール」では、画像データの階調値を、画素毎に濃インク量データおよび淡インク量データに変換する処理を行う。
「ハーフトーンモジュール」では、画素毎に得られた濃インク量データおよび淡インク量データに基づいて、その画素に濃ドットを形成するか否か、あるいは淡ドットを形成するか否かを画素毎に判断する処理を行う。かかる処理には、いわゆる組織的ディザ法や、誤差拡散法など、周知の種々の方法を適用することができる。こうして「画像データ変換モジュール」および「ハーフトーンモジュール」において所定の画像処理が施される結果、画素毎に階調値が設定された画像データは、画素毎に濃ドットあるいは淡ドットを形成するか否かが記述されたデータ(ドットデータ)に変換される。
「ドット形成モジュール」は、ドットデータを受け取ると、インク滴を吐出する印字ヘッド12を駆動することによって印刷媒体P上に濃ドットおよび淡ドットを形成する処理を行う。すなわち、印字ヘッド12を印刷媒体P上で往復動させながら、ドットデータに従って濃インクあるいは淡インクのインク滴を吐出し、更に、印刷媒体Pを紙送りすることによって、印刷媒体P上に濃ドットおよび淡ドットを形成していく。尚、印字ヘッド12および印刷媒体Pの移動形態は、こうした形態に限定されるものではなく、印字ヘッド12と印刷媒体Pとを相対的に移動させることができれば、印字ヘッド12あるいは印刷媒体Pの何れを移動させることとしてもよい。
このようにドットを形成して画像を印刷する方式では、ドットが目立ってしまうと画質が悪化するために、小さなドットを用いることが望ましいが、小さなドットを用いると印刷解像度が高くなって印刷速度の低下を招いてしまう。もちろん、ドットサイズを可変とすれば、印刷解像度を高くすることなくドットサイズを小さくすることも可能であるが、これでは印刷装置10の構造が複雑になってしまう。
こうした点に鑑みて、本実施例の印刷装置10では、「画像データ変換モジュール」で画像データを濃インク量データおよび淡インク量データに変換するに際して、次のような変換を行うことで、印刷画質と印刷速度とを両立させることを可能としている。図1には、「画像データ変換モジュール」が画像データを濃インク量データおよび淡インク量データに変換する様子が概念的に示されている。また、図中には、淡インクあるいは濃インクによって表現すべき濃度値と画像データとの関係も、併せて示されている。図の意味するところを明確に理解するための準備として、先ず、画像データと濃度値との関係について説明する。
一般に、印刷媒体上にインクを用いて画像を印刷する場合、インクを全く使用しない状態、すなわち印刷媒体の地色の状態が最も明るい(明度が高い)画像であり、インクの使用量(濃度値)が多くなるほど、画像は暗く(明度が低く)なっていく。これに対して画像データは、階調値「0」の時には真黒な画像であり、階調値が大きくなるほど明るく(明度の高く)なって、最大階調値の時には真白な画像となる。従って、画像データと濃度値とはちょうど逆の関係にあり、画像データが大きくなるほど濃度値は小さくなり、画像データが小さくなるほど濃度値は大きくなっていく。こうしたことを踏まえて、本実施例の「画像データ変換モジュール」が行う画像データの変換について説明する。
先ず、画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、画像データの階調値が減少するに従って淡インク量データが増加するように画像データを変換する。画像データがこのような領域にある場合、印刷すべき画像は明るい画像であるから、インクを用いて表現すべき濃度値は小さな値しか取り得ない。そこで、第1の階調領域では、主に淡インクを用いて画像を印刷することとして、画像データの階調値が小さくなるほど(画像の明度が小さくなるほど)、淡インクのインク量データが増加するように変換する。尚、第1の階調領域においては、濃インクを全く使用できないわけではなく、極僅かで、実質的に画質を悪化させない程度であれば濃インクを使用することも可能である。
また、画像データの階調値が第1の階調領域よりも低階調となる側には、第2の階調領域を設けておく。尚、第2の階調領域は、第1の階調領域に対して画像データが低階調側に設けられていれば十分であり、第1の階調領域に対して連続して設けられている必要はない。そして、この第2の階調領域では、画像データの階調値が減少するに従って、淡インク量データが減少し、濃インク量データが増加するように画像データを変換する。上述したように、画像データの階調値が減少するほど、インクによって表現すべき濃度値は増加するから、第1の階調領域よりも画像データの階調値が低階調側に設けられた第2の階調領域では、表現すべき濃度値もある程度大きくなっており、淡インクのみで表現することは困難となる。そこで第2の階調領域では、淡インクおよび濃インクを用いて濃度値を表現することとして、画像データの階調値が減少するに従って、淡インクのインク量データが減少し、代わりに、濃インクのインク量データが増加するように画像データを変換する。尚、第2の階調領域においては必ずしも一定割合で淡インク量データを減少させる必要はなく、また、必ずしも一定割合で濃インク量データを増加させる必要もない。
更に、画像データの階調値が第2の階調領域よりも低階調となる側には、第3の階調領域を設けておく。尚、第3の階調領域についても、第2の階調領域に対して画像データが低階調側に設けられていれば十分であり、第2の階調領域と第3の階調領域との間に中間的な階調領域が設けられていても良い。そして、この第3の階調領域では、画像データの階調値が減少するに従って、淡インク量データが増加するように画像データを変換する。このとき濃インク量データについては、淡インク量データと濃インク量データとの合計値が増加しさえすれば、どのような値に変換しても良く、たとえば、淡インク量データの増加量よりも少ない量だけ濃インク量データを減少させてもよい。また、濃インク量データは一定値に保ったまま、淡インク量データだけを増加させたり、更には淡インク量データとともに濃インク量データを増加させても良い。
このようにして画像データを濃インク量データおよび淡インク量データに変換しておけば、画像データの階調値が大きな値を取る明るい画像は、淡ドットのみを用いて画像を印刷し、画像データの階調値が小さな値を取る暗い画像は、濃ドットに加えて淡ドットも形成して画像を印刷することができる。そして、このように暗い画像は濃ドットおよび淡ドットを形成することとしておけば、たとえドットの大きさを、濃ドットだけではベタ画像を印刷できない程度に小さめの大きさとした場合でも、濃ドットに加えて淡ドットも形成することでベタ画像を印刷することが可能となる。換言すれば、印刷解像度を高くすることなく、1サイズ小さなドットを用いることができる。このため、印刷速度を低下させることなく、小さなドットを用いて高画質な画像を印刷することが可能となる。以下では、こうした本実施例の印刷装置10について、詳しく説明する。
B.装置構成 :
B−1.全体構成 :
図2は、本実施例の印刷装置10の外観形状を示す斜視図である。図示されるように、本実施例の印刷装置10は、スキャナ部100と、プリンタ部200と、スキャナ部100およびプリンタ部200の動作を設定するための操作パネル300などから構成されている。スキャナ部100は、印刷画像を読み込んで画像データを生成するスキャナ機能を有しており、プリンタ部200は、画像データを受け取って印刷媒体上に画像を印刷するプリンタ機能を有している。また、スキャナ部100で読み取った画像をプリンタ部200から出力すれば、コピー機能を実現することも可能である。すなわち、本実施例の印刷装置10は、単独でスキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能を実現可能な、いわゆるスキャナ・プリンタ・コピー複合装置(以下、SPC複合装置という)となっている。
図3は、印刷画像を読み込むために、印刷装置10の上部に設けられた原稿台カバー102を開いた様子を示す説明図である。図示されているように、原稿台カバー102を上に開くと、透明な原稿台ガラス104が設けられており、その内部には、スキャナ機能を実現するための後述する各種機構が搭載されている。印刷画像を読み込む際には、図示されているように原稿台カバー102を開いて原稿台ガラス104の上に印刷画像を置き、原稿台カバー102を閉じてから操作パネル300上のボタンを操作する。こうすれば、印刷画像を直ちに画像データに変換することが可能となっている。
また、スキャナ部100は全体が一体のケース内に収納された構成となっており、スキャナ部100とプリンタ部200とは、印刷装置10の背面側でヒンジ機構204(図4参照)によって結合されている。このため、スキャナ部100の手前側を持ち上げることにより、ヒンジの部分でスキャナ部100のみを回転させることが可能となっている。
図4は、スキャナ部100の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。図示するように、本実施例の印刷装置10では、スキャナ部100の手前側を持ち上げることで、プリンタ部200の上面を露出させることが可能である。プリンタ部200の内部には、プリンタ機能を実現するための後述する各種機構や、スキャナ部100を含めて印刷装置10全体の動作を制御するための後述する制御回路260、更には、スキャナ部100やプリンタ部200などに電力を供給するための電源回路(図示は省略)なども設けられている。また、図4に示されているように、プリンタ部200の上面には、開口部202が設けられており、インクカートリッジなどの消耗品の交換や、紙詰まりの処理、軽微な修理などを簡便に行うことが可能となっている。
B−2.内部構成 :
図5は、本実施例の印刷装置10の内部構成を概念的に示した説明図である。前述したように、印刷装置10にはスキャナ部100とプリンタ部200とが設けられており、スキャナ部100の内部にはスキャナ機能を実現するための各種構成が搭載され、プリンタ部200の内部にはプリンタ機能を実現するための各種構成が搭載されている。以下では、初めにスキャナ部100の内部構成について説明し、次いでプリンタ部200の内部構成について説明する。
B−2−1.スキャナ部の内部構成 :
スキャナ部100は、印刷画像をセットする透明な原稿台ガラス104と、セットされた印刷画像を押さえておくための原稿台カバー102と、セットされた印刷画像を読み込む読取キャリッジ110と、読取キャリッジ110を読取方向(主走査方向)に移動させる駆動ベルト120と、駆動ベルト120に動力を供給する駆動モータ122と、読取キャリッジ110の動きをガイドするガイド軸106などから構成されている。また、駆動モータ122や読取キャリッジ110の動作は、後述する制御回路260によって制御されている。
制御回路260の制御の元で駆動モータ122を回転させると、駆動ベルト120を介してその動きが読取キャリッジ110に伝達され、その結果、読取キャリッジ110は、ガイド軸106に導かれながら駆動モータ122の回転角度に応じて読取方向(主走査方向)に移動するようになっている。また、駆動ベルト120は、アイドラプーリ124によって絶えず適度に張った状態に調整されており、このため、駆動モータ122を逆回転させれば回転角度に応じた距離だけ読取キャリッジ110を逆方向に移動させることも可能となっている。
読取キャリッジ110の内部には、光源112や、レンズ114、ミラー116、CCDセンサ118などが搭載されている。光源112からの光は原稿台ガラス104に照射され、原稿台ガラス104の上にセットされた印刷画像で反射する。この反射光は、ミラー116によってレンズ114に導かれ、レンズ114によって集光されてCCDセンサ118で検出される。CCDセンサ118は、光の強度を電気信号に変換するフォトダイオードが、読取キャリッジ110の移動方向(主走査方向)と直交する方向に列状に配置されたリニアセンサによって構成されている。このため、読取キャリッジ110を主走査方向に移動させながら、光源112の光を印刷画像に照射し、CCD118によって反射光強度を検出すれば、印刷画像を電気信号に変換することができる。
また、光源112は、RGBの3色の発光ダイオードによって構成されており、所定の周期でR色、G色、B色の光を順次、照射することが可能となっており、これに応じてCCD118では、R色、G色、B色の反射光が順次、検出されることになる。一般に、画像の赤色の部分はR色の光を反射するが、G色やB色の光はほとんど反射しないから、R色の反射光は画像のR成分を表したものとなっている。同様に、G色の反射光は画像のG成分を表しており、B色の反射光は画像のB成分を表している。従って、RGB3色の光を所定の周期で切り替えながら印刷画像に照射し、これに同期してCCD118で反射光強度を検出すれば、印刷画像のR成分、G成分、B成分を検出することができ、カラー画像を読み込むことが可能となっている。尚、光源112が照射する光の色を切り替えている間も読取キャリッジ110は移動しているから、RGBの各成分を検出する画像の位置は、厳密には、読取キャリッジ110の移動量に相当する分だけ異なっているが、このずれは、各成分を読み込んだ後に、画像処理によって補正することが可能である。
B−2−2.プリンタ部の内部構成 :
次に、プリンタ部200の内部構成について説明する。プリンタ部200には、印刷装置10の全体の動作を制御する制御回路260と、印刷媒体上に画像を印刷するための印刷キャリッジ240と、印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構と、印刷媒体の紙送りを行うための機構などが搭載されている。
印刷キャリッジ240は、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク,濃度の低いCインク(以下、LCインク),Mインク,濃度の低いMインク(以下、LMインク),Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243と、底面側に設けられた印字ヘッド241などから構成されており、印字ヘッド241には、インク滴を吐出するインク吐出ヘッドがインク毎に設けられている。印刷キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、各色毎のインク吐出ヘッド244ないし249に供給される。尚、図5に示したプリンタ部200では、Cインク,LCインク、Mインク,LMインク、Yインクについては一つのインクカートリッジ243に一体に収納されているものとして説明したが、これらインクをそれぞれ別体に形成された専用のインクカートリッジに収納することも可能である。
印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させる機構は、印刷キャリッジ240を駆動するためのキャリッジベルト231と、キャリッジベルト231に動力を供給するキャリッジモータ230と、キャリッジベルト231に絶えず適度な張力を付与しておくための張力プーリ232と、印刷キャリッジ240の動きをガイドするキャリッジガイド233と、印刷キャリッジ240の原点位置を検出する原点位置センサ234などから構成されている。後述する制御回路260の制御の元でキャリッジモータ230を回転させると、回転角度に応じた距離だけ印刷キャリッジ240を主走査方向に移動させることが可能である。まが、キャリッジモータ230を逆回転させれば、印刷キャリッジ240を逆方向に移動させることも可能となっている。
印刷媒体の紙送りを行うための機構は、印刷媒体を裏面側から支えるプラテン236と、プラテン236を回転させて紙送りを行う紙送りモータ235などから構成されている。後述する制御回路260の制御の元で紙送りモータ235を回転させれば、回転角度に応じた距離だけ印刷媒体を副走査方向に紙送りすることが可能となっている。
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、デジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器、更には、周辺機器との間でデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェースPIFなどから構成されている。制御回路260は、印刷装置10全体の動作を制御しており、スキャナ部100に搭載された光源112や、駆動モータ122、CCD118とデータをやり取りしながら、これらの動作を制御している。
また、キャリッジモータ230および紙送りモータ235を駆動して印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながら、各色のインク吐出ヘッド244ないし249に駆動信号を供給してインク滴を吐出させる制御も行っている。インク吐出ヘッド244ないし249に供給する駆動信号は、コンピュータ20やデジタルカメラ30などから画像データを読み込んで、後述する画像処理を行うことによって生成する。もちろん、スキャナ部100で読み込んだ画像データに画像処理を施すことにより、駆動信号を生成することも可能である。こうして制御回路260の制御の元で、印刷キャリッジ240を主走査および副走査させながら、インク吐出ヘッド244ないし249からインク滴を吐出して印刷媒体上に各色のインクドットを形成することによって、カラー画像を印刷することが可能となっている。もちろん、制御回路260内で画像処理を行うのではなく、画像処理が施されたデータをコンピュータ20から受け取って、このデータに従って印刷キャリッジ240の主走査および副走査を行いながらインク吐出ヘッド244ないし249を駆動することも可能である。
また、制御回路260は、操作パネル300ともデータをやり取り可能に接続されており、操作パネル300上に設けられた各種のボタンを操作することにより、スキャナ機能や、プリンタ機能の詳細な動作モードを設定することが可能となっている。更には、コンピュータ20から、周辺機器インターフェースPIFを介して詳細な動作モードを設定することも可能である。
図6は、各色のインク吐出ヘッド244ないし249に、インク滴を吐出する複数のノズルNzが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐出ヘッドの底面には、各色毎のインク滴を吐出する6組のノズル列が形成されており、1組のノズル列には、48個のノズルNzがノズルピッチpの間隔を空けて千鳥状に配列されている。制御回路260からは、これらノズルNzのそれぞれに駆動信号が供給され、各ノズルNzは駆動信号に従って、それぞれのインクによるインク滴を吐出する。
尚、インク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
C.画像印刷処理 :
上述したように、プリンタ部200で所望の画像を印刷するためには、画像データに適切な画像処理を施して各ノズルに対する駆動信号を生成し、駆動信号に基づいてドットを形成する必要がある。以下では、かかる処理(画像印刷処理)について説明する。尚、本実施例の印刷装置10では、プリンタ部200に組み込まれた制御回路260内で画像処理を行うが、外部に設けられたコンピュータ20で画像処理を行い、処理済みのデータを周辺機器インターフェースPIFから読み込んで、ドットを形成することも可能である。
図7は、画像データに所定の画像処理を加えて各ノズルに対する駆動信号を生成し、駆動信号に従ってドットを形成することによって画像を印刷する画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。
画像印刷処理を開始すると、制御回路260は先ず初めに、印刷しようとする画像の画像データの読み込みを行う(ステップS100)。画像データは、画像を構成する画素毎にRGB各色の階調値が設定されたいわゆるRGBカラー画像データである。
C−1.解像度変換処理 :
画像データを読み込むと、続いて、画像データの解像度をプリンタ部200が印刷するための解像度(印刷解像度)に変換する処理を行う(ステップS102)。読み込んだ画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、隣接する画素の間に補間演算を行って新たな画像データを設定することで、より高い解像度に変換する。逆に、読み込んだ画像データの解像度が印刷解像度よりも高い場合は、隣接する画素の間から一定の割合で画像データを間引くことによって、より低い解像度に変換する。解像度変換処理では、読み込んだ画像データに対して適切な割合で画像データを生成あるいは間引くことによって、読み込んだ解像度を印刷解像度に変換する処理を行う。
C−2.色変換処理 :
画像データの解像度を印刷解像度に変換したら、制御回路260は色変換処理を開始する(ステップS104)。色変換処理とは、R,G,Bの階調値の組合せによって表現されているRGBカラー画像データを、印刷にために使用される各色の濃度を表す値(濃度値)に変換する処理である。前述したように、プリンタ部200では、C,LC,M,LM,Y,Kの6色のインクを用いて画像を印刷しているから、本実施例の色変換処理では、RGB画像データを、CMYKの各色についての濃度値に変換する処理を行う。
図8は、色変換処理の流れを示すフローチャートである。色変換処理を開始すると、解像度を変換した画像データの中から1画素分の画像データを読み出す(ステップS200)。次いで、読み出した画像データを、色変換テーブルを参照することによってCMYKの濃度値に変換する(ステップS202)。色変換テーブルとは、RGB画像データと、CMYK各色の濃度値とを対応付けた三次元の数表のようなものである。
図9は、色変換処理のために参照される色変換テーブル(LUT)を概念的に示した説明図である。図示されているように、直交する3つの軸にR軸、G軸、B軸を取って色空間を考えると、全てのRGB画像データは、必ず色空間内の座標点に対応付けて表示することができる。このことから、R軸、G軸、B軸のそれぞれを細分して色空間内に多数の格子点を設定してやれば、それぞれの格子点はRGB画像データを表していると考えることができる。そこで格子点に対応するC,M,Y,Kの濃度値を求めておき、各格子点に濃度値の組を対応付けて記憶しておけば、RGBを各軸とする三次元の数表、すなわちLUT(色変換テーブル)を作成することができる。このようなLUTを参照すれば、RGB画像データを速やかにCMYK各色の濃度値に変換することができる。図8のステップS202では、こうしてLUTを参照することにより、RGB画像データに対応するCMYKの濃度値を取得する。
こうしてCMYKの濃度値を取得したら、今度は、インク量データに変換する処理を行う(ステップS204)。尚、前述したようにプリンタ部200には、C,LC,M,LM,Y,Kの6種類のインクが搭載されており、Y色およびK色については1種類ずつしかインクが搭載されていないが、C色およびM色については、濃淡の2種類のインクが搭載されている。そこで、Y色およびK色については、それぞれの濃度値をそのままインク量データに置き換えることが可能であるが、C色およびM色については、それぞれの濃度値が濃インクのインク量データと淡インクのインク量データに変換されることになる。以下では、かかる処理の詳細について説明するが、その準備として、先ずLUT(色変換テーブル)にCMYK各色の濃度値が設定されている状態について、簡単に説明する。
周知のようにRGB各色の光の強さを種々に変更しながら混合すれば、多彩な色彩を表現することが可能である。たとえばR色の光とG色の光とを同じ強さで混合すれば、Y(イエロ)の色彩を表現することができ、R色の光とB色の光とを同じ強さで混合すればM(マゼンタ)の色彩を表現することができ、G色の光とB色の光とを同じ強さで混合すればC(シアン)の色彩を表現することができる。また、光の強さを強くすれば次第に明るくなり、光の強さを弱めれば次第に暗くなっていく。特に、RGB各色の光を最大の強さで混合すれば白色となり、RGB各色の光の強さを「0」にすれば黒色となる。
図10は、RGB各色の光を混合することで種々の色彩が表現される様子を、概念的に示した説明図である。互いに直交する3軸に、R座標、G座標、B座標を取り、それぞれの座標値によってRGB各色の光の強さを表すものとする。また、RGBの各成分は、階調値0〜255の値を取り得るものとする。尚、説明が煩雑となることを避けるために、以下では、RGBの各成分を、(R成分、G成分、B成分)の座標値で表すものとする。原点(0,0,0)は、RGB各成分が何れも「0」であるから黒色(K)を表している。R軸上で(すなわち、G成分、B成分を何れも「0」に保ったまま)R成分を増加すれば、黒色から赤色へと次第に変化していき、座標値(255,0,0)では最も強い赤色(R)となる。同様に、G軸上でG成分を増加すれば黒色から緑色へと次第に変化していき、B軸上でB成分を増加すれば黒色から青色へと次第に変化していく。そして、座標値(0,255,0)では最も強い緑色(G)となり、座標値(0,0,255)では最も強い青色(B)となる。
また、R成分とG成分とを同じ割合で増加していけば、黒色から次第にY(イエロ色)となり、座標値(255,255,0)では最も強いYとなる。同様に、R成分とB成分とを同じ割合で増加していけば、黒色から次第にM(マゼンタ色)となって座標値(255,0,255)で最も強いMとなり、G成分とB成分とを同じ割合で増加していけば、黒色から次第にC(シアン色)となって座標値(0,255,255)で最も強いCとなる。
更に、R成分、G成分、B成分を何れも同じ割合で増加していけば、黒色から次第に明るい灰色になって、座標値(255,255,255)では白色(W)となる。
ここで、図10に示した色空間の見方を変えて、座標値(255,255,255)を原点にとり、この原点から三方に延びる稜線に沿って移動することを考える。たとえば、原点から下方に向かう稜線に沿って下方に移動するほど(すなわち、B成分が小さくなるほど)、W(白)から次第にY(イエロ)に変化していく。また、原点から紙面の手前側に延びる稜線に沿って手前に移動するほど(すなわち、G成分が小さくなるほど)、W(白)からM(マゼンタ)に変化していく。更に、原点から紙面の奥側に延びる稜線に沿って奥側に移動するほど(すなわち、R成分が小さくなるほど)、W(白)からC(シアン)に変化していく。LUT(色変換テーブル)の各格子点に設定されているCMYKの濃度値は、このような関係に基づいて設定されている。
先ず、RGB色空間内の座標値(255,255,255)を新たな原点に取り、原点から三方に延びる稜線に、それぞれCMYの各軸を取る。図11は、RGBの各軸とCMYの各軸との関係を示した説明図である。LUT(色変換テーブル)の格子点にCMYKの濃度値を設定するにあたっては、RGB色空間内の格子点を1つ選択する。図11中に示した黒丸は、選択された格子点を表している。次いで、その格子点のCMY座標値を取得して、得られたCMYの座標値をCMY各色の濃度値とする。更に、CMYの各濃度値の合計値が所定値以上となっている場合には、いわゆる下色除去と呼ばれる処理を行って、CMYの濃度値を減らしてKの濃度値を発生させる。すなわち、CMYのインクを等量ずつ混合すると黒色が得られるから、CMYの濃度値の合計値が所定値を越えた場合には、CMYの各濃度値を等量のKの濃度値に置き換える処理を行う。こうすれば、格子点に対応するCMYKの濃度値を得ることができる。
実際のLUT(色変換テーブル)では、このような単純な方法によって格子点の濃度値を設定しているわけではないが、各格子点に設定される濃度値の全体的な傾向は、このようにして設定されたものと同じ傾向を示すものとなっている。
以上の説明から明らかなように、LUT(色変換テーブル)に設定されているCMYKの濃度値は、RGB画像データの階調値が大きくなるほど、小さくなる傾向にある。より詳しくは、RGB画像データのR成分とCの濃度値とは逆の傾向を示しており、一方が増加すると他方は減少する関係にある。同様に、RGB画像データのG成分とMの濃度値とは逆の傾向を示し、RGB画像データのB成分とYの濃度値とは逆の傾向を示すものとなっている。また、こうした傾向はKの濃度値にも当て嵌まり、RGB画像データの各成分の合計値とKの濃度値とは逆の傾向を示すものとなっている。
図8に示した色変換処理のステップS202においては、LUT(色変換テーブル)を参照することにより、RGB画像データに対して、上述した関係にあるCMYK各色の濃度値を取得する。続いて行うS204の処理では、このようなCMYK各色の濃度値を、インク量データに変換する。
図12は、YおよびKについての濃度値とインク量データとの対応関係を示した説明図である。前述したように、本実施例の印刷装置10は、Y色およびK色については1種類ずつのインク(YインクおよびKインク)しか搭載されていないから、これらYインクおよびKインクについては、濃度値が大きくなるほどインク量データを増加させればよい。これに対して、C色およびM色については、濃インクと淡インクとが搭載されているから、濃度値が小さい領域では主に淡インクを使用し、濃度値が大きい領域では主に濃インクを使用する。
尚、図11を用いて前述したように、濃度値と画像データの階調値とは増減が逆になるから、画像データから見れば、YインクおよびKインクについては、画像データの階調値が小さくなるほどインク量データ増加していることになる。
図13は、CおよびMについての濃度値と淡インク、濃インクのインク量データとの対応関係を例示した説明図である。以下では説明が煩雑となることを避けるために、CインクおよびMインクをまとめて濃インクと称し、LCインクおよびLMインクをまとめて淡インクと称するものとする。
濃度値を濃淡インクのインク量データに変換する場合には、濃度値が小さな領域では主に淡インクのみを使用し、濃度値がある程度まで増加したら、少しずつ淡インクを濃インクに置き換えていくことになる。このことから濃淡インクを使用する場合には、少なくとも、濃度値の増加に従って淡インク量データを増加させる「領域1」と、濃度値の増加に従って淡インク量データを減少させつつ濃インク量データを増加させる「領域2」とが発生することになる。これに加えて本実施例では、「領域2」よりも濃度値の高い側で濃度値の増加にともなって淡インク量データを増加させる「領域3」が設けられている。詳細には後述するが、このような「領域3」を設けたことにより、本実施例の印刷装置10では、印刷画質と印刷速度とを高い次元で両立させることが可能となっている。以下、図13の例示を参照しながら、CあるいはMの濃度値を濃淡インクのインク量データに変換する様子について説明する。
濃度値が、取り得る下限値を含んだ「領域1」にあるときは、濃度値の増加に従って淡インクのインク量データが増加するように、濃度値をインク量データに変換する。このとき、濃インクのインク量データについては、階調値「0」若しくは極めて小さな値のインク量データに変換する。
前述したように、濃度値と画像データの階調値とは増減が逆になるから、画像データから見れば、「領域1」は画像データの上限値を含んだ領域となっている。また、画像データとインク量データとは、画像データの階調値が減少するに従って、淡インクのインク量データが増加し、濃インクのインク量データは階調値「0」若しくは極めて小さな値となるような関係になっている。
「領域1」では、濃度値が増加するに従って淡インクのインク量データを増加させる。もっとも、淡インクのインク量データも、どこまでも増加可能なわけではない。インク量データの取り得る上限値を超えて増加させることはできないし、また、画質上の要請から、淡インクのインク量データに許容限界が設けられている場合もある。そこで、淡インクのインク量データがある程度まで増加したら、今度は、濃度値が増加するに従って淡インク量データを減少させ、代わりに濃インク量データを増加させていく。すなわち、「領域1」よりも濃度値の高い「領域2」では、濃度値の増加とともに淡インク量データが減少し、濃インク量データが増加するようにして、濃度値を淡インク量データおよび濃インク量データに変換する。また、この「領域2」は、画像データから見れば、「領域1」よりも画像データの小さい側に設けられており、「領域2」では、画像データが小さくなるほど淡インク量データは減少し、濃インク量データは増加するような関係となっている。
尚、図13では、「領域1」と「領域2」とは連続した領域として表されているが、「領域2」は「領域1」よりも濃度値の高い側(画像データで言えば低い側)に設けられた領域であれば足り、たとえば、淡インク量データの値を保ったまま濃インク量データが変化する過渡的な領域が、「領域1」と「領域2」との間に設けられていても良い。
更には、図13では、淡インク量データも濃インク量データも「領域2」の中では同じ傾きで減少あるいは増加するものとして表されているが、「領域2」は濃度値の増加にともなって淡インク量データが減少し、濃インク量データが増加する領域であれば足り、これらインク量データが減少あるいは増加する傾きが領域内で変化するものであっても構わない。
濃度値の増加にともなって淡インク量データを減少させていくと、やがて淡インク量データの値が「0」あるいは極めて小さな値になるので、それ以降は、濃インク量データのみを増加させていく。そして、濃インク量データが上限値に達したら、今度は、淡インク量データを増加させていく。このような領域が「領域3」となる。前述したように、濃度値と画像データとは増減が逆の関係にあるから、画像データから見れば「領域3」は前述した「領域2」よりも画像データが小さい側に設けられていることになる。
尚、図13では、濃インク量データが上限値に達してから「領域3」が開始されるものとして表しているが、「領域3」は前述した「領域2」よりも濃度値が高い側にあって、濃度値の増加にともなって淡インク量データが増加するような領域であれば足り、必ずしも濃インク量データが上限値に達してから開始される必要はない。たとえば、濃インク量データがある程度まで増加したら、その時点で「領域3」を開始することとして、濃度値の増加にともなって淡インク量データを増加させることとしても良い。
また図13では、「領域3」においては濃度値が増加するに従って濃インク量データが少しずつ減少するものとしているが、濃インク量データについては必ずしも減少させる必要はなく、たとえば「領域3」が開始されたときの値を保っていても良いし、インク量データの取り得る上限値に達していない場合には、濃インク量データを少しずつ増加させることとしても良い。
以上に説明したように、図8に示した色変換処理のステップS204では、YおよびKの濃度値については、図12に示した対応関係を参照しながら、それぞれの濃度値をYインクあるいはKインクのインク量データに変換し、また、CおよびMの濃度値については、図13に示した対応関係を参照しながら、それぞれの濃度値をCインク、LCインクのインク量データ、あるいはMインク、LMインクのインク量データに変換する処理を行う。
ここで、図12と図13とを比較すれば明らかなように、YインクあるいはKインクについては、濃度値が上限値に達した時に、ちょうどインク量データも上限値に達しているが、CインクあるいはMインクについては、濃度値が上限値に達する前に、インク量データが上限値に達している。これは、本実施例の印刷装置10では、YインクあるいはKインクによって形成されるドットと、CインクあるいはMインクによって形成されるドットとで、ドットサイズが異ならせてあり、CインクあるいはMインクによるドットは小さなドットに設定されているためである。
図14は、Y,K,C,Mの各インクによって形成されるドットの大きさを比較して示した説明図である。図示されているように、Cドット、Mドットの大きさは、YドットあるいはKドットの約半分程度の大きさに設定されている。このように、CドットおよびMドットが小さなドットサイズに設定されているのは、C色およびM色については濃淡インクが搭載されていることに対応したものである。従って、Y色あるいはK色についても濃淡インクを搭載している場合は、YドットあるいはKドットについても、小さなドットサイズに設定することができる。
尚、本実施例の印刷装置10では、LCドットおよびLMドットについても、それぞれCドットおよびMドットと同様にドットサイズが小さく設定されている。もっとも、LCドットおよびLMドットについては、必ずしも小さなドットサイズとする必要はなく、たとえば、YドットあるいはKドットと同じドットサイズとしてもよく、更には、CドットあるいはMドットと、YドットあるいはKドットとの中間的なドットサイズに設定しても良い。
このように、CドットおよびMドットは、YドットあるいはKドットよりもドットサイズが小さく設定されているので、たとえ全画素にドットを形成しても、CインクあるいはMインクのインク使用量は、YインクあるいはKインクの使用量よりも少なくなってしまう。すなわち、インク量データとしては同じ値をとる場合でも、CインクあるいはMインクの実際のインク使用量は、YインクあるいはKインクの実際のインク使用量よりも少なくなっている。このため、CインクおよびMインクについては、濃度値が上限値に達する前に、インク量データが上限値に達してしまうのである。
参考として、CドットおよびMドットのドットサイズがYドットあるいはKドットと同等な大きさに設定されている場合の、濃度値と濃淡インクのインク量データとの対応関係について説明しておく。図15は、ドットサイズが通常の大きさに設定されている場合の、濃度値と濃淡インクのインク量データとの対応関係を例示した概念図である。この場合も、濃度値が小さい領域では、濃度値が増加するに従って淡インクのインク量データを増加させ、濃度値がある程度まで増加したら、淡インクのインク量データを減少させて、代わりに濃インクのインク量データを増加させていく。そして、濃度値が上限値に達した時点で濃インクのインク量データもちょうど上限値に達する。また、濃インク量データが上限値に達するまでの間に淡インク量データの値が「0」になった場合には、そのままの値を保持しておけばよい。
このように、ドットサイズが通常の大きさに設定されている場合は、濃度値が上限値に達すると、インク量データが上限値に達しており、従って、図13に示したような「領域3」、すなわち、濃インク量データが上限値付近に達した後に、濃度値の増加に従って淡インク量データが増加する領域は、通常は発生することはない。
図8に示した色変換処理のステップS204では、LUT(色変換テーブル)を参照して得られたCMYKの濃度値を、以上のようにして、濃淡インクのインク量データに変換する処理を行う。
次いで、こうした操作を全ての画素について行ったか否かを判断し(ステップS206)、未処理の画素が残っている場合には(ステップS206:no)、ステップS200に戻って新たな画素についての画像データを読み込んで、続く一連の処理を行う。こうした操作を繰り返して行い、全ての画素について処理したと判断されたら(ステップS206:yes)、図8に示した色変換処理を終了して、図7の画像印刷処理に復帰する。
C−3.ハーフトーン処理 :
図7に示されているように、画像印刷処理では、色変換処理に続いてハーフトーン処理が開始される(ステップS106)。ハーフトーン処理とは、次のような処理である。色変換処理によって各色毎に得られたインク量データは、画素毎に、階調値0から階調値255までの値を取り得るデータである。これに対してプリンタ部200では、ドットを形成することによって画像を表示しているから、それぞれの画素についてはドットを形成するか否かの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有するインク量データを、画素毎にドット形成の有無を表したデータ(ドットデータ)に変換しておく必要がある。ハーフトーン処理とは、このようにインク量データをドットデータに変換する処理である。
ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法を適用することができる。誤差拡散法は、ある画素についてドットの形成有無を判断したことでその画素に発生する階調表現の誤差を、周辺の画素に拡散するとともに、周囲から拡散されてきた誤差を解消するように、各画素についてのドット形成の有無を判断していく手法である。また、ディザ法は、ディザマトリックスにランダムに設定されている閾値とインク量データの階調値とを画素毎に比較して、インク量データの方が大きい画素にはドットを形成すると判断し、逆に閾値の方が大きい画素についてはドットを形成しないと判断することで、各画素についてのドットデータを得る手法である。
図16は、ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。図示したマトリックスには、縦横それぞれ64画素、合計4096個の画素に、階調値0〜255の範囲から万遍なく選択された閾値がランダムに記憶されている。ここで、閾値の階調値が0〜255の範囲から選択されているのは、本実施例ではインク量データが1バイトデータであり、階調値が0〜255の値を取り得ることに対応するものである。尚、ディザマトリックスの大きさは、図16に例示したように縦横64画素分に限られるものではなく、縦と横の画素数が異なるものも含めて、種々の大きさに設定することが可能である。
図17は、ディザマトリックスを参照しながら、画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。ドット形成有無の判断に際しては、先ず、判断の対象として着目している画素(着目画素)についてのインク量データの階調値と、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値とを比較する。図中に示した細い破線の矢印は、着目画素のインク量データを、ディザマトリックス中の対応する位置に記憶されている閾値と比較していることを模式的に表したものである。そして、ディザマトリックスの閾値よりも着目画素のインク量データの方が大きい場合には、その画素にはドットを形成するものと判断する。逆に、ディザマトリックスの閾値の方が大きい場合には、その画素にはドットを形成しないものと判断する。図17に示した例では、画像の左上隅にある画素のインク量データは階調値97であり、ディザマトリックス上でこの画素に対応する位置に記憶されている閾値は1である。従って、左上隅の画素については、インク量データの階調値97の方がディザマトリックスの閾値1よりも大きいから、この画素にはドットを形成すると判断する。図17中に実線で示した矢印は、この画素にはドットを形成すると判断して、判断結果をメモリに書き込んでいる様子を模式的に表したものである。一方、この画素の右隣の画素については、インク量データの階調値は97、ディザマトリックスの閾値は177であり、閾値の方が大きいので、この画素についてはドットを形成しないものと判断する。このように、インク量データの階調値とディザマトリックスに設定された閾値とを比較することにより、ドットの形成有無を画素毎に決定することができる。
ハーフトーン処理(図7のステップS106)では、C,LC,M,LM,Y,Kの各インク量データに対して上述したディザ法を適用することにより、画素毎にドット形成の有無を判断してドットデータを生成する処理を行う。
C−4.インターレース処理 :
以上のようにして印刷画像データをドットデータに変換したら、今度は、インターレース処理を開始する(ステップS108)。インターレース処理とは、印字ヘッド241がドットを形成する順序でドットデータを並び替えて、各色のインク吐出ヘッド244ないし249に供給する処理である。すなわち、図6に示したように、インク吐出ヘッド244ないし249に設けられたノズルNzは副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けて設けられているから、印刷キャリッジ240を主走査させながらインク滴を吐出すると、副走査方向にノズルピッチkの間隔を空けてドットが形成されてしまう。そこで全画素にドットを形成するためには、印刷キャリッジ240と印刷媒体との相対位置を副走査方向に移動させて、ノズルピッチkだけ隔たったドット間の画素に新たなドットを形成することが必要となる。このように、実際に画像を印刷する場合には、画像上で上方にある画素から順番にドットを形成しているわけではない。更に、主走査方向に同じ列にある画素についても、一回の主走査でドットを形成するのではなく、画質上の要請から、複数回の主走査に分けてドットを形成することとして、各回の主走査では飛び飛びの位置の画素にドットを形成することも広く行われている。
このように、実際に画像を印刷する場合には、画像上で画素の並びの順番に従ってドットを形成しているわけではない。そこで、実際にドットの形成を開始する前に、C,LC,M,LM,Y,Kの各色毎に得られたドットデータを、インク吐出ヘッド244ないし249がドットを形成する順番に並び替えておく。このような処理が、インターレースと呼ばれる処理である。
C−5.ドット形成処理 :
印刷装置10の制御回路260は、インターレース処理を終了すると、インターレース処理によって得られたデータに基づいて、印刷媒体上に実際にドットを形成する処理(ドット形成処理)を開始する(ステップS110)。すなわち、キャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を主走査させながら、順番を並び替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ないし249に供給する。前述したようにドットデータは、各画素にドットを形成するか否かを表したデータであるから、インク吐出ヘッド244ないし249は、ドットデータに従ってインク滴を吐出すれば、各画素に適切にインクドットを形成することができる。
そして、一回の主走査が終了したら、今度は、紙送りモータ235を駆動して印刷媒体を副走査方向に紙送りした後、再びキャリッジモータ230を駆動して印刷キャリッジ240を主走査させつつ、順番を並べ替えておいたドットデータをインク吐出ヘッド244ないし249に供給してドットを形成する。
このような操作を繰り返し行うことにより、印刷媒体上には、C,LC,M,LM,Y,Kの各色のドットが適切な分布で形成されて、印刷画像が得られることになる。
以上に説明したように、本実施例の印刷装置10では、Cインク、LCインク、Mインク、LMインク、Yインク、Kインクを用いて、印刷媒体上にそれぞれCドット、LCドット、Mドット、LMドット、Yドット、Kドットを形成して画像を印刷する。また、淡ドットを形成可能なCドットおよびMドットについては、淡ドットを形成不可能なYドットおよびKドットよりも、ドットサイズが小さく設定されている。更に、このことと対応して、図13を用いて前述したように、濃淡インクを備えるCおよびMについては「領域3」が設けられており、この領域では濃度値が増加するほど(すなわち、画像データが減少するほど)淡インクのインク量データが増加するようになっている。このため、本実施例の印刷装置10では、高画質な画像を印刷しながら、迅速に印刷することが可能となっている。以下では、こうしたことが可能となる理由について説明する。
先ず、淡ドットを形成不可能なY色について、ドットが形成される様子について説明する。尚、K色も淡ドットを形成不可能な点ではY色と同様であるが、図11を用いて前述したように、Kの濃度値はCMYの濃度値が許容値を超えた場合に下色除去と呼ばれる処理を行うことによって発生させている。このためKドットは、画像中の暗い部分(明度が低い部分)でしか発生せず、他のドットとはドットの発生状況が大きく異なっているので、CMYのドットと同列に比較することは適当ではない。そこで、ここでは、淡ドットを形成不可能な色として、Y色のみに着目することとする。
図18は、濃度値が増加するに従ってYドットが発生する様子を概念的に示した説明図である。図18(a)は濃度値Aにおけるドットの発生状況を概念的に表しており、図18(b)は濃度値Bにおけるドットの発生状況を、図18(c)は濃度値Cにおけるドットの発生状況を、図18(d)は濃度値Dにおけるドットの発生状況を概念的に表している。ここで、濃度値AないしDの各濃度値は、図12中に矢印で示した濃度値である。図12に示されているように、濃度値Aは極小さな値であるから、変換して得られるインク量データも小さな値となる。そして、図16および図17を用いて前述したように、小さなインク量データに対しては、ドットはごく低い密度で発生することになる。
また、濃度値が増加するほど、変換して得られるインク量データも増加していき、これに伴ってドットの発生密度も次第に高くなっていく。そして、濃度値の上限値では(濃度値D)、変換して得られるインク量データも上限値となり、全画素にドットが形成されることになる。図18(d)は、このように全画素にドットが形成された状態を概念的に表したものである。
次に、淡ドットを形成可能なC色およびM色について、淡ドットおよび濃ドットが形成される様子について説明する。尚、ここでは説明が複雑となることを避けるために、淡ドットは濃ドットと同じドットサイズに設定されているものとして説明するが、淡ドットと濃ドットとでドットサイズを異ならせておくことも可能である。
図19は、濃度値が増加するに従って、CあるいはMの淡ドット(すなわちLCドットあるいはLMドット)、および濃ドット(すなわち、CドットあるいはMドット)が発生する様子を概念的に示した説明図である。尚、以下では説明が煩雑化することを避けるために、LCドットおよびLMドットを単に淡ドットと称し、CドットおよびMドットを単に濃ドットと称するものとする。また、図19中に示された濃度値A,B,C,E,F,Dの各濃度値は、図13中に矢印で示した濃度値である。
図13に示されているように、濃度値Aは極小さな値であり、このような濃度値を変換しても、僅かな値の淡インク量データしか得られないから、極低い密度で淡ドットが発生する。図19(a)は、このように低い密度で淡ドットが発生している様子を概念的に表したものである。
また、図13に示されているように、濃度値Bは濃度値Aに比べれば大きいが、このような濃度値を変換しても濃インク量データはほとんど得られない。とは言え、淡インク量データについては、濃度値Aよりも増加しているから、このことと対応して、淡ドットの発生密度は増加する。図19(b)は、こうして、ある程度の密度で淡ドットが発生している様子を概念的に表したものである。
次いで、図13に示されているように、濃度値が値Cまで増加すると濃インク量データが発生し始める。一方、淡インク量データはほとんど上限値に近い値となっている。このことと対応して、濃度値Cに対しては、淡ドットが高い密度で発生し、濃ドットが僅かに発生する。図19(c)は、このように淡ドットが高い密度で発生し、濃ドットが僅かに発生している様子を概念的に表したものである。また、この状態から濃度値が更に増加すると、濃ドットの発生密度は増加し、淡ドットの発生密度は低くなっていく。
そして、濃度値が値Eに達すると、図19(d)に示されるように、全画素に濃ドットが形成されるようになる。このとき、淡ドットは全く形成されていないか、形成されていてもごく僅かな密度まで減少している。ここで、本実施例の印刷装置10では、前述したように淡ドットが形成可能なインクについては、濃ドットのドットサイズが小さめに設定されている。このため、図19(d)に示すように、全画素に濃ドットを形成しても、ドットとドットとの間に隙間が空いてしまい、いわゆるベタ画像を得ることはできない。
そこで、濃度値Eよりも大きな濃度値に対しては、濃ドットに加えて再び淡ドットを発生させてやる。すなわち、図13に示すように、濃度値Eより大きな濃度値に対しては、濃度値が増加するに従って、淡インク量データを徐々に増加させていく。このとき、濃インク量データについては、同じ値を維持することとしても良いし、淡インク量データの増加量より少ない範囲で濃インク量データを漸減させても良い。更には、濃インク量データが上限値まで達していない場合は、漸増させることとしてもよい。
図19(e)は、濃度値Eよりも大きな濃度値Fに対して濃ドットおよび淡ドットが発生している様子を概念的に表したものである。図19(d)と比較すれば明らかなように、濃ドットと濃ドットの間の隙間に淡ドットが形成されて、ベタ画像に近付いている。そして、濃度値が上限値(濃度値D)に達したら、濃ドット間に発生した全ての隙間を淡ドットが埋めて、完全なベタ画像を印刷することが可能となる。
このように、本実施例の印刷装置10では、濃ドット(すなわち、CドットおよびMドット)については、印刷解像度に対して小さなドットサイズに設定されている。ここで、印刷解像度に対して小さなドットサイズとは、全画素にドットを形成しても、ドット間に隙間が発生してベタ画像が得られないようなドットサイズである。このように濃ドットのドットサイズが小さめに設定されているので、図19(c)に示されるように、濃ドットがまばらに形成されるような画像でも、ドットの目立たない高画質な画像を印刷することができる。もちろん、濃ドットだけでなく淡ドットのドットサイズも小さめに設定しておけば、図19(a)に示されるように、淡ドットがまばらに形成されるような画像でも、ドットの目立たない良好な画像を得ることができる。とは言え、淡ドットは、元々が濃ドットに比べてドットが目立ち難いので、濃ドットのドットサイズを小さめに設定しておくことが、画質の向上に対して特に効果的である。
参考として、濃ドットのドットサイズが印刷解像度に対応した大きさに設定されている場合に、濃度値が増加するに従って淡ドットおよび濃ドットが発生する様子について説明しておく。図20は、ドットサイズが印刷解像度に対応する大きさに設定されている場合に、淡ドットおよび濃ドットが発生する様子を概念的に示した説明図である。また、図19中に示された濃度値A,B,G,H,Dの各濃度値は、図15中に矢印で示した濃度値である。図20に示されているように、淡ドットおよび濃ドットが印刷解像度に応じた大きさに設定されている場合も、濃度値が小さい間は淡ドットがまばらに形成され(図20(a)参照のこと)、濃度値が増加するに従って淡ドットの形成密度が増加し(図20(b)参照のこと)、やがて濃ドットが形成され始める(図20(c)参照のこと)。そして、濃度値が増加するに従って、図20(d)に示すように濃ドットの形成密度が高くなり、濃度値の上限値(濃度値D)に達すると、全画素に濃ドットが形成されるようになる。
印刷解像度に対してドットサイズが小さめに設定された場合の図19と、印刷解像度に応じたドットサイズに設定された場合の図20とを比較すれば明らかなように、ドットサイズを小さめに設定しておくことにより、ドットが目立ち難くなり、それだけ画質の向上が可能となっていることが了解される。
もちろん、濃ドットのドットサイズを印刷解像度に対して小さく設定してた場合には、図19(d)に示したように、全画素に濃ドットを形成してもベタ画像を印刷することはできない。しかし、図19(f)に示したように、濃ドットに加えて淡ドットを形成すれば、濃ドットの間に発生した隙間に淡ドットを形成してベタ画像を得ることができる。
また、図19に示すように小さなドットを用いた場合、ベタ画像を印刷するためには印刷解像度を高くする必要があり、印刷解像度が高くなると印刷速度が低下する傾向にある。しかし、濃ドットと同時に淡ドットを形成することとすれば、印刷解像度を高くせずともベタ画像を印刷することが可能となる。実際、ドットサイズが小さめに設定された図19と、通常のドットサイズに設定された図20とは、印刷解像度は同じである。従って、図19では、図20と比べて遙かに高画質な画像が得られるにも拘わらず、印刷速度は図20と同等の速度が得られるのである。
最後に、濃度値が大きな値を取り、濃度値が増加するに従って淡インク量データを増加させる「領域3」において(図13を参照のこと)、濃インク量データを漸減させる場合、あるいは、維持する場合、更には、漸増させる場合に得られる効果について説明しておく。
図19を用いた説明から明らかなように、「領域3」は、濃ドットが高い密度で形成された状態で、更に淡ドットを発生させ、濃ドット間に生じた隙間を淡ドットで埋める領域である。従って、濃度値が増加するに従って、濃ドットおよび淡ドットの合計ドット数が増加していればよく、このため、淡インク量データの増加量より少なければ、濃インク量データを漸減させても構わない。濃インク量データが漸減すれば、濃ドットの形成密度も低下していくが、それ以上に淡ドットの形成密度が増加すれば、濃度値が増加するに従ってベタ画像に近い画像を得ることができる。
もっとも、濃インク量データを減少させる場合は、淡インク量データの増加に見合うだけ、濃インク量データを減少させるようにすることが望ましい。すなわち、濃インクは淡インクよりも濃度が高いから、淡インクよりは少ないインク量で同じような濃度の色を表現することが可能である。そこで、淡インク量データの増加により表現された濃度の増加を相殺するように、濃インク量データを減少させるのである。
こうすれば、ベタ画像に近づけながらも、表現される濃度は保っておくことができる。実際の画像では、1色のみのインクが使用されることは稀であり、2色または3色のインクを用いて画像が印刷されることが通常である。このように多色のインクが用いられる場合、インク間のバランスが崩れると表現される色彩が変化してしまう。これに対して、表現される濃度を保ったままベタ画像に近づけることができれば、その間に、多色のインク間でバランスが崩れて表現される色彩が変わってしまうことを簡便に回避することができるという利点がある。
一方、濃インク量データを上限値まで増加させた後、「領域3」では濃インク量データを維持することとした場合は、淡インク量データを増加させた分だけ、表現される色の濃度を増加させることができる。従って、濃度値の増加に伴って、単にベタ画像に近づけるだけでなく、実際に表現される色の濃度も増加させることができるので、それだけ適切な階調表現を行うことが可能となる。
もっとも、淡インク量データを増加させるだけでは、表現される色の濃度を、濃度値の増加に見合って増加させることは必ずしも容易ではないが、濃度値の増加に伴って、淡インク量データだけでなく濃インク量データも増加させることとすれば、より適切な階調表現を行うことが可能となる。
D.変形例 :
上述した実施例では、LUT(色変換テーブル)を参照することにより、画像データをCMYKの濃度値に一旦変換し、得られた濃度値を、濃淡のインク量データに変換するものとして説明した。すなわち、濃度値を介した二段階の変換を行うことで、画像データをインク量データに変換していることになる。しかし、画像データからインク量データに変換することも可能である。以下では、こうした変形例について説明する。
図21は、変形例の色変換処理で参照されるLUT(色変換テーブル)を概念的に示した説明図である。図9を用いて前述したLUT(色変換テーブル)の格子点には、CMYK各色の濃度値が設定されていたが、変形例のLUTの交点には、C.LC.M.LM.Y.K各色のインク量データが設定されている。図12あるいは図13に示されるように濃度値が分かればインク量データは一意に決定することができるから、図9に示したLUTの格子点に設定された濃度値を、図12および図13の対応関係を参照してインク量データに変換して、格子点に設定しておけば、図21に示すようなLUTを得ることができる。そして、このようなLUTを参照しながら色変換処理を行えば、RGB画像データからC,LC,M,LM,Y,Kの各色のインク量データを直ちに求めることが可能となり、それだけ迅速に画像を印刷することが可能となる。
また、濃淡ドットを形成可能なインクについて設けられる「領域1」とは、濃度値の下限値を含んで、濃度値が増加するに従って淡インク量データが増加する領域であれば足り、また「領域2」とは、領域1よりも濃度値の高い側に設けられて、濃度値の増加に伴って淡インク量データが減少するとともに濃インク量データが増加する領域であれば足りる。更に、「領域3」とは、領域2よりも濃度値の高い側に設けられて、濃度値の増加に伴って淡インク量データが増加するような領域であれば足り、各領域は、必ずしも図13に例示したような形態である必要はない。
図22は、領域1,領域2,領域3の取り得る他の形態を例示した説明図である。前述した図13の例示では、「領域1」は淡インク量データが上限値に達するまで継続しているが、淡インク量データは「領域1」の範囲内で必ずしも上限値に達している必要はない。また、図13に示した例示では、「領域1」と「領域2」とは連続して設けられているが、図22に例示されているように、「領域1」と「領域2」との間に、何れにも属さない領域が設けられていても良い。更に、図13に示した例示では、「領域2」と「領域3」との間には、何れにも属さない領域が設けられているが、図22に例示するように「領域2」と「領域3」とを連続して設けることも可能である。
また、図13に示した例では、領域内では、淡インク量データおよび濃インク量データは、何れも一定の割合で増加あるいは減少するものとしているが、たとえば図22の「領域2」に例示されているように、淡インク量データあるいは濃インク量データが増加あるいは減少する割合を、領域内で変化させることも可能である。
更に、図13の例示では、「領域2」は淡インク量データが下限値に達するまで継続しているが、淡インク量データは、必ずしも「領域2」の範囲内で下限値まで減少する必要はない。また、図13の例示では、「領域3」は淡インク量データが上限値に達するまで継続しているが、淡インク量データは、必ずしも「領域3」の範囲内で上限値に達するする必要はない。
以上、各種の実施例について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
本実施例の概要を示した説明図である。 本実施例の印刷装置の外観形状を示す斜視図である。 印刷画像をセットするために印刷装置の上部に設けられた原稿台カバーを開いた様子を示す説明図である。 スキャナ部の手前側を持ち上げて回転させた様子を示した斜視図である。 本実施例の印刷装置の内部構成を概念的に示した説明図である。 各色のインク吐出ヘッドインク滴を吐出する複数のノズルが形成されている様子を示した説明図である。 印刷装置の制御回路によって実行される画像印刷処理の流れを示すフローチャートである。 色変換処理の流れを示すフローチャートである。 色変換処理のために参照される色変換テーブルを概念的に示した説明図である。 RGB各色の光を混合することで種々の色彩が表現される様子を概念的に示した説明図である。 RGBの各軸とCMYの各軸との関係を示した説明図である。 YおよびKについての濃度値とインク量データとの対応関係を示した説明図である。 CおよびMについての濃度値と濃淡のインク量データとの対応関係を例示した説明図である。 Y,K,C,Mの各インクによって形成されるドットの大きさを比較して示した説明図である。 ドットサイズが印刷解像度に応じた大きさに設定されている場合の濃度値と濃淡インクのインク量データとの対応関係を例示した概念図である。 ディザマトリックスの一部を拡大して例示した説明図である。 ディザマトリックスを参照しながら画素毎にドット形成の有無を判断している様子を概念的に示した説明図である。 濃度値の増加に伴ってYドットが発生する様子を概念的に示した説明図である。 濃度値の増加に伴って淡ドットおよび濃ドットが発生する様子を概念的に示した説明図である。 ドットサイズが印刷解像度に対応する大きさに設定されている場合に淡ドットおよび濃ドットが発生する様子を概念的に示した説明図である。 変形例の色変換処理で参照される色変換テーブルを概念的に示した説明図である。 濃淡ドットを形成可能なインクについて領域1,領域2,領域3が設けられている他の形態を例示した説明図である。
符号の説明
10…印刷装置、 20…コンピュータ、 30…デジタルカメラ、
100…スキャナ部、 200…プリンタ部、 110…読取キャリッジ、
240…印刷キャリッジ、 241…印字ヘッド、
244〜249…インク吐出用ヘッド、260…制御回路、 300…操作パネル

Claims (12)

  1. 色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷装置であって、
    画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する画像データ変換手段と、
    前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断するドット形成有無判断手段と、
    前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果に基づいて、前記濃ドットおよび前記淡ドットを形成するドット形成手段と
    を備え、
    前記画像データ変換手段は、
    前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
    前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
    前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるように、該画像データを変換する手段である印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記画像データ変換手段は、前記受け取った画像データを、前記濃インクおよび前記淡インクを用いて表現すべき色の濃さに関する中間データに変換した後、該中間データを前記濃インク量データと前記淡インク量データとに変換する手段である印刷装置。
  3. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記画像データ変換手段は、前記第3の階調領域では、前記画像データの階調値が減少するに従って前記濃インク量データを減少させながら、該濃インク量データの減少量を越えて前記淡インク量データを増加させる手段である印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記淡インクは、前記濃インクによって印刷された画像と色の濃さが同等の画像を印刷するためには、該濃インクのN倍(ただし、N>1)のインク量を要するインクであり、
    前記画像データ変換手段は、前記第3の階調領域では、前記濃インク量データの減少量のN倍だけ前記淡インク量データを増加させる手段である印刷装置。
  5. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記画像データ変換手段は、前記第3の階調領域では、前記画像データの階調値が減少するに従って、前記濃インク量データは減少させることなく、前記淡インク量データを増加させる手段である印刷装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れかに記載の印刷装置であって、
    前記ドット形成手段は、少なくとも前記濃ドットについては、一つのドットで一つの画素を包含し得ない大きさのドットを形成する手段である印刷装置。
  7. 色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷装置に、該ドットの形成を制御するための制御データを供給する画像処理装置であって、
    画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する画像データ変換手段と、
    前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断するドット形成有無判断手段と、
    前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果を、前記制御データとして前記印刷装置に供給する制御データ供給手段と
    を備え、
    前記画像データ変換手段は、
    前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
    前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
    前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する手段である画像処理装置。
  8. 色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷方法であって、
    画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する第1の工程と、
    前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する第2の工程と、
    前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果に基づいて、前記濃ドットおよび前記淡ドットを形成する第3の工程と
    を備え、
    前記第1の工程は、
    前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
    前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
    前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する工程である印刷方法。
  9. 請求項8に記載の印刷方法であって、
    前記第3の工程は、少なくとも前記濃ドットについては、一つのドットで一つの画素を包含し得ない大きさのドットを形成する工程である印刷方法。
  10. 色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷装置に、該ドットの形成を制御するための制御データを供給する画像処理方法であって、
    画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する工程(A)と、
    前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する工程(B)と、
    前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果を、前記制御データとして前記印刷装置に供給する工程(C)と
    を備え、
    前記工程(A)は、
    前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
    前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
    前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する工程である画像処理方法。
  11. 色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する第1の機能と、
    前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する第2の機能と、
    前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果に基づいて、前記濃ドットおよび前記淡ドットを形成する第3の機能と
    をコンピュータを用いて実現させるとともに、
    前記第1の機能は、
    前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
    前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
    前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する機能であるプログラム。
  12. 色相が略同一で互いに濃度の異なる濃インクおよび淡インクを備え、該濃インクによる濃ドットと、該淡インクによる淡ドットとを形成して画像を印刷する印刷装置に、該ドットの形成を制御するための制御データを供給する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    画素毎に階調値が設定された画像データを受け取って、該画像データを、前記濃インクのインク量を表す濃インク量データと前記淡インクのインク量を表す淡インク量データとに変換する機能(A)と、
    前記濃インク量データに基づいて前記濃ドットの形成有無を前記画素毎に判断し、前記淡インク量データに基づいて前記淡ドットの形成有無を該画素毎に判断する機能(B)と、
    前記画素毎に得られたドット形成有無の判断結果を、前記制御データとして前記印刷装置に供給する機能(C)と
    をコンピュータを用いて実現させるとともに、
    前記機能(A)は、
    前記画像データの取り得る上限値を含んだ第1の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させ、
    前記第1の階調領域よりも低階調側に設けられた第2の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って、前記淡インク量データを減少させるとともに前記濃インク量データを増加させ、
    前記第2の階調領域よりも低階調側に設けられた第3の階調領域では、該画像データの階調値が減少するに従って前記淡インク量データを増加させるようにして、該画像データを変換する機能であるプログラム。
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