JP2005184144A - 色画像データ修正方法、色画像データ修正装置および色修正テーブル作成プログラム。 - Google Patents

色画像データ修正方法、色画像データ修正装置および色修正テーブル作成プログラム。 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない手間と時間で一定以上の精度を有するキャリブレーションをすることの可能な色画像データ修正方法、色画像データ修正装置および色修正テーブル作成プログラムを提供する。
【解決手段】印刷装置で使用する各インク色毎に階調値を変化させてパッチを印刷するためのパッチ画像データに基づいて、一定精度以上の色修正を行うために必要な最低測色点数に対応する所定のパッチが測色順の早い位置に配置されたカラーパッチを印刷し、上記カラーパッチのうち、少なくとも最低測色点数に対応する所定のパッチを測色することによって色修正テーブルの作成に必要な色彩値を取得し、同取得した色彩値と標準印刷結果の色彩値である標準値とを対比するとともに同対比結果に基づいて、任意の階調値のカラー画像データに対応する標準印刷結果と同等の印刷結果を上記印刷装置によって得られるように同カラー画像データを修正する色修正テーブルを作成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、色画像データ修正方法、色画像データ修正装置および色修正テーブル作成プログラムに関する。
従来技術においては、対象印刷装置と標準印刷装置とで同じ階調値のカラー画像データに基づいて印刷をしたときに同じ色で印刷結果が出力されるようにキャリブレーションを行う場合、対象印刷装置において、所定のパッチ画像データに基づき複数のパッチを印刷したパッチシートを出力する。かかるパッチシートとしては、例えば、標準キャリブレーション用パッチシートとして、各インク色C(シアン)M(マゼンダ)Y(イエロ)K(ブラック)lc(ライトシアン)lm(ライトマゼンダ)毎に全階調域に渡って階調値を一定幅で変化させて80パッチずつ印刷したものや、高精度キャリブレーション用パッチシートとして各インク色毎に全階調値(256階調値)のパッチを印刷したものが用いられていた。そして、これらパッチシート上のパッチ全てを測色機などによって測色し、得られた各パッチの色彩値に基づいて所定のキャリブレーション処理を実現していた。
また、背景技術として、供給されたカラー画像データを色変換データを用いて色変換精度補正対象である画像出力装置のデバイスデータに変換し、前記デバイスデータに基づいて所望のカラー画像を形成する際、目標色からなる基準リファレンスチャートと視覚的に等色となるバランスチャートにおけるパッチを選択し、同選択されたパッチにかかるデバイスデータと、前記基準リファレンスチャートに等色となるべきデバイスデータとの差に基づいて補正データを求める色変換精度補正方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記色変換精度補正方法においては、ユーザは基準リファレンスチャート及びバランスチャートを観察し、基準リファレンスチャートの各パッチに視覚的に等色となるパッチをバランスチャートから選択する。
また、他の背景技術として、プリンタ条件補正データを用いて色補正するカラープリンタのキャリブレーション調整方法であって、一定の濃度差で並べた複数の濃度領域と、該複数の濃度領域の近傍に配置されかつ該複数の濃度領域の中間濃度と同一濃度の長尺の濃度領域と、を有する形式のテスト画像をカラープリンタから出力する出力工程と、前記出力工程で出力されたテスト画像と同一形式でかつ各濃度領域が基準濃度に出力された基準画像の長尺の濃度領域の濃度が、前記テスト画像の複数の濃度領域の濃度のいずれに一致または略一致しているかを求め、求めた濃度領域と中間濃度の濃度領域との濃度段階差を求める検出工程などからなるカラープリンタのキャリブレーション調整方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
上記キャリブレーション調整方法においては、基準画像の長尺の濃度領域の濃度が、テスト画像の複数の濃度領域の濃度のいずれに一致または略一致しているかを求め、求めた濃度領域と中間濃度の濃度領域との濃度段階差を求め、この濃度段階差に基づいてプリンタ条件補正データを演算する。
特開平9‐321999号公報 特開平10‐6562号公報
上述した従来技術においては、パッチシート上に印刷された全てのパッチを測色機等によって測色して色彩値を得ていたため、キャリブレーションに非常に多くの手間と時間を必要としていた。また、標準キャリブレーション用や高精度キャリブレーション用等、複数のパッチシートパターンを印刷するために必要なパッチ画像データを夫々生成していたため、印刷装置の製造工程が煩雑であった。さらに、簡易にある程度の精度でキャリブレーションを行いたいユーザにとっては、印刷するパッチシートパターンを選択する手間がかかり、キャリブレーションの作業を煩雑にしていた。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、少ない手間と時間で一定以上の精度を有するキャリブレーションをすることの可能な色画像データ修正方法、色画像データ修正装置および色修正テーブル作成プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願発明にかかる色画像データ修正方法は、多階調のカラー画像データを修正する色修正テーブルを作成し、同色修正テーブルによって同カラー画像データを修正することにより、印刷装置による印刷結果の色ずれを修正するいわゆるキャリブレーションを行う。印刷装置を使用し続けると、印刷を実行するための機構に誤差が生じるなどの経年変化が生じる。当該経年変化などによって、任意の階調値のカラー画像データに対応した標準印刷結果の出色と同階調値のカラー画像データに基づく上記印刷装置による印刷結果の出色とが相違することがある。かかる印刷結果の出色の変化を矯正するために、印刷装置で使用する各インク色毎に階調表現したカラー画像データを修正する必要がある。
そこで、カラーパッチ印刷工程においては、上記印刷装置で使用する各インク色毎に階調値を変化させてパッチを印刷するためのパッチ画像データに基づいて、所定のパッチが配置されたカラーパッチを印刷する。
上記印刷されるカラーパッチは、一定精度以上の色修正を行うために必要な最低測色点数に対応する所定のパッチが測色順の早い位置に配置されている。従って、色彩値取得工程においては、最低測色点数に対応する所定のパッチから先に測色することができ、上記カラーパッチのうち、少なくとも最低測色点数に対応する所定のパッチを測色する。その結果、一定精度以上の色修正を実現する色修正テーブルの作成に必要な色彩値が短時間で確実に得られる。なお、最低測色点数に対応するパッチを測色した後は、パッチの測色を継続してもよいし、終了してもよい。
また、カラーパッチ印刷工程において、上記印刷装置で使用する各インク色毎に階調値を変化させた複数のパッチを印刷するためのパッチ画像データを使用し、測色する順序に対応させて複数段階のキャリブレーション精度を得られるように各パッチを配置したカラーパッチを印刷するようにしてもよい。色彩値取得工程において上記カラーパッチを所定の測色順に測色した場合、取得する色彩値のデータ量が多いほど、結果的に、高精度の色修正テーブルを作成することができ、キャリブレーション精度も向上する。従って、測色する順序に対応させて複数段階のキャリブレーション精度を得られるように各パッチを配置すれば、測色したカラーパッチ数に応じた精度のキャリブレーションを行うことができる。
色修正テーブル作成工程は、上記のように取得した色彩値と標準印刷結果の色彩値である標準値とを対比する。そして、同対比結果に基づいて、任意の階調値のカラー画像データに対応する標準印刷結果と同等の印刷結果を上記印刷装置によって得られるように同カラー画像データを修正する色修正テーブルを作成する。
所定のカラー画像データを当該色修正テーブルを用いて修正し、同修正後のカラー画像データに基づき上記印刷装置にて印刷処理を行えば、修正前のカラー画像データに対応する標準印刷結果と一定精度で近似された同等の印刷結果を得ることができる。
上述の通り、上記最低測色点数に対応する所定のパッチが測色順の早い位置に配置されたカラーパッチの測色結果に基づいて一定精度以上のキャリブレーションを行うことが可能である。従って、標準キャリブレーション用や、高精度キャリブレーション用等の複数のカラーパッチのパターンを印刷するためのパッチ画像データを備える必要はなく、最低測色点数に対応する所定のパッチが測色順の早い位置に配置されたカラーパッチを印刷するためのパッチ画像データのみを有していれば、簡易に一定精度以上のキャリブレーションを行おうとするユーザの期待に応えることが可能となる。
取得する色彩値が少なくても、かかる取得した色彩値を基に高精度の色修正を可能とする色修正テーブルを作成するには、色修正テーブルの精度により大きな影響を及ぼす色彩値を優先的に取得する方がよい。そこで、本願発明の他の構成として、上記カラーパッチ印刷工程は、近隣の階調値のパッチと比較して色彩値の変化度合いが略一定でないパッチを同変化度合いが略一定のパッチよりも測色順の早い位置に多数配置して印刷するとしてもよい。このようにすれば、最低測色点数に対応するパッチの中に、近隣の階調値のパッチと比較して色彩値の変化度合いが略一定でないパッチが含まれる割合が高くなる。
色彩値の変化度合いが略一定でなく色彩値が大きく変化する階調域からより密に色彩値を取得した方が、色修正テーブルの作成に際して、上記印刷装置の印刷結果から得られる色彩値の変化をより正確に反映させることができる。従って、測色点数が最低測色点数程度であって少ない場合でも、高精度の色修正を可能とする色修正テーブルを作成することができる。
少ない測色点数の中において、より測色の必要性の高いパッチを優先的に測色できるようにするという視点に立てば、上記カラーパッチ印刷工程は、通常印刷時において使用頻度の高いインク色にかかるパッチを測色順の早い位置に配置して印刷するとしてもよい。使用頻度の高いインク色としては、lc,lm等の明度の高いインク色が考えられる。各インク色のうち明度の高いインク色にかかるパッチを測色順の早い位置に配置すれば、ある時間内に測色したパッチのうちに使用頻度の高いインク色にかかるパッチが含まれる割合が高くなる。使用頻度の高いインク色ほど、色ずれを高精度に修正する必要性が高いとも言える。従って、使用頻度の高いインク色にかかるパッチからより密に色彩値を取得する構成とすることで、パッチの測色点数が少ない場合であっても、使用頻度の高いインク色についてより高精度の色修正を可能とする色修正テーブルを作成することができる。
一定精度以上の色修正を行うためには、最低側色点数に達する数のパッチを測色する必要があるが、より高精度の色修正を行うために最低測色点数を越えて多くのパッチを測色して色彩値を取得してもよい。そこで本願発明の他の構成として、上記色彩値取得工程は、取得した色彩値にかかるパッチ数が最低側色点数に達した際に、所定の画像表示手段に対して最低測色点数に対応するパッチの測色が完了した旨を示す所定の信号を送信し、同信号に基づいて最低測色点数に対応するパッチの測色が完了した旨の表示を行わせる。
その結果、ユーザは、短時間で色修正テーブルを作成してキャリブレーション処理を行いたい場合は、上記表示を見てパッチの測色を終了させることができる。一方、時間を要してもより高精度の色修正テーブルを作成してキャリブレーション処理を行いたい場合は、上記表示後も測色を続けることができる。加えて、上記表示がなされることにより、上記表示前、すなわち測色したパッチ数が最低側色点数に達する前に測色をやめてしまうことが防止され、確実に最低測色点数に対応するパッチの測色を行うことができる。
本願発明の他の構成として、上記色修正テーブル作成工程は、全階調値に対応する色彩値を補間して取得するとしてもよい。すなわち、実際にパッチを測色して取得する色彩値は全階調値のうち一部の階調値に対応する値のみであるが、かかる取得した色彩値を参照し所定の関数を用いて全階調値に対応する色彩値を補間する。そして、補間して得られた色彩値と標準印刷結果の色彩値とを全階調値に渡って対比し、同対比結果に基づいて上記色修正テーブルを作成する。
全階調値に対応する色彩値を補間して取得するに際しては、種々の補間演算を用いることが可能であるが、各色彩値間の変化度合いの特徴が異なる領域によって用いる補間演算を切替えてもよい。ここで、色彩値の変化度合いが略一定である階調域においては、線形補間によっても精度よく他の階調値に対応する色彩値を補間することができる。かつ線形補間演算は演算速度も速い。よって、色彩値取得工程において取得した各色彩値間の変化度合いが略一定の領域においては線形補間演算を採用する。
一方、各色彩値間の変化度合いが略一定でない階調域においては、非線形の関係であっても精度よく補間演算可能なスプライン補間などの非線形補間を採用する。その結果、各色彩値間の変化度合いの特徴が異なる階調域毎に適した補間演算によって、全階調値に対応する色彩値を決定可能なグラフが所定の色空間に生成される。
ここで、所定の色空間としては種々の色空間を採用可能であるが、空間内の距離で色差を評価することの可能な色空間を採用するのが好ましい。例えば、L***色空間やL***色空間、XYZ色空間等を採用可能である。これらの色空間を採用すれば、色差によって色彩値の差を評価することが可能になる。
上記印刷装置においては、印刷処理を行うために入力するカラー画像データの階調値を変化させたときに得られる印刷結果の色彩値は、原則的に上記グラフ上のどこかに現れる。そこで、本願発明の他の構成として、上記色修正テーブル作成工程は、上記標準値のうち任意の階調値に対応する標準値からの色差が最小である上記グラフ上の色彩値に対応する階調値を取得する。そして、上記任意の階調値と同取得した階調値との対応関係を全階調値について求めた上で、同対応関係を示した色修正テーブルを作成する。同色修正テーブルを参照してカラー画像データの階調値の修正を行えば、修正前のカラー画像データの階調値によって本来印刷結果として出色すべき標準値と同等の色彩値の印刷結果を与える階調値が得られる。
これまでは、印刷されたカラーパッチから少なくとも最低測色点数に対応するパッチを測色し、同測色によって得られた色彩値に基づいて色修正テーブルを作成するという手法を方法の発明として説明したが、かかる技術的思想はこれを実現する装置の発明としても成立する。従って、請求項8にかかる発明においても、基本的には上記と同様の作用となる。また、本発明を実施しようとする際に、コンピュータにて所定のプログラムを実行さて色修正テーブルを作成する場合もある。本発明は、そのプログラムとしても適用可能であり、請求項9にかかる発明においても、基本的には上記と同様の作用となる。
むろん、請求項2〜請求項7に記載された構成を上記装置やプログラムに対応させることも可能であることは言うまでもない。また、いかなる記憶媒体もプログラムを提供するために使用可能である。例えば、磁気記録媒体や光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現される場合においても本発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む形態のものも含まれる。さらに、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地なく同等である。
下記の順序に従って本願発明の実施形態について説明する。
(1)本願発明の構成
(2)キャリブレーション処理
(3)まとめ
(1)本願発明の構成
図1は本願発明の一実施形態にかかるコンピュータ等の概略構成を示すブロック図である。コンピュータ10は演算処理の中枢をなす図示しないCPUや記憶媒体としてのROMやRAM等を備えており、HDD15等の周辺機器を利用しながら所定のプログラムを実行することができる。コンピュータ10にはシリアル通信用I/O19aを介してキーボード31やマウス32等の操作用入力機器が接続されており、図示しないビデオボードを介して表示用のディスプレイ18も接続されている。さらに、プリンタ40とはUSB用I/O19bを介して接続されている。
また、当該USB用I/O19bを介して測色機50が接続されている。本実施形態におけるプリンタ40は複数色のインクを充填するインクカートリッジを色毎に着脱可能な機構を備えており、この機構にCMYKlclmの各インクのカートリッジを搭載する。プリンタ40においては、これらのインク色を組み合わせて多数の色を形成可能であり、これにより印刷媒体上にカラー画像を形成する。本実施形態におけるプリンタ40はインクジェット方式のプリンタであるが、インクジェット方式の他にもレーザー方式等、種々のプリンタに対して本発明を適用可能である。
さらに、CMYKlclmの6色の有色インクを使用する構成が必須ではなく、CMYKの4色やCMYKlclmDY(ダークイエロー)の7色を使用する構成であってもよい。むろん、他の色、例えばR(レッド)やV(バイオレット)をlclmインクの代わりに使用してもよいし、Kインクについて濃淡インクを使用してもよい。測色機50においては、分光反射率が既知の光源で印刷物を照射し、反射光を検出することにより印刷物の分光反射率を検出し、その色彩値、例えばL***値やXYZ値を出力可能である。本実施形態においては、プリンタ40で印刷したカラーパッチのL***を測色する。
コンピュータ10の構成は簡略化して説明しているが、パーソナルコンピュータとして一般的な構成を有するものを採用することができる。むろん、本発明が適用されるコンピュータはパーソナルコンピュータに限定されるものではない。この実施形態はいわゆるデスクトップ型コンピュータであるが、ノート型であるとか、モバイル対応のものであっても良い。また、コンピュータ10とプリンタ40の接続インタフェースも上述のものに限る必要はなくパラレルインタフェースやSCSI接続,無線接続など種々の接続態様を採用可能であるし、今後開発されるいかなる接続態様であっても同様である。
さらに、本実施形態においてはコンピュータ10によってキャリブレーションを含む印刷制御処理を行う構成としているが、プリンタ40に搭載するプログラム実行環境によって同印刷制御処理を実施可能に構成し、プリンタ40に対して直接的に接続されるデジタルカメラから画像データを取得して同印刷制御処理を行ってもよい。むろん、同様の構成においてデジタルカメラにて同印刷制御処理を実施してもよいし、他にも分散処理によって同印刷制御処理を実施するなど種々の構成を採用可能である。画像を取り込むスキャナと画像を印刷するプリンタとが一体となったいわゆる複合機において同印刷制御処理を行ってもよい。
本実施形態にかかるコンピュータ10では、プリンタドライバ(PRTDRV)21と入力機器ドライバ(DRV)22とディスプレイドライバ(DRV)23とがOS20に組み込まれている。ディスプレイDRV23はディスプレイ18における印刷対象画像やプリンタのプロパティ画面等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV22はシリアル通信用I/O19aを介して入力される上記キーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
PRTDRV21では図示しないアプリケーションプログラムから印刷指示が行われた画像や後述するカラーパッチの画像について所定の処理を行って印刷を実行可能である。PRTDRV21は、印刷を実行するために画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えている。上述の印刷指示がなされると上記PRTDRV21が駆動され、PRTDRV21はディスプレイDRV23にデータを送出して、印刷媒体や画質,印刷速度などの印刷条件を示す情報やキャリブレーションを実行するための指示を入力させる図示しないUIを表示する。
上記キーボード31やマウス32等を操作してユーザが当該UIにて印刷に必要な情報を入力し、また、キャリブレーションの実行指示を行うと、上記PRTDRV21の各モジュールが起動され、各モジュールによって上記画像データの各画素データに対する処理が実施され、印刷データが作成される。作成された印刷データはUSB用I/O19bを介してプリンタ40に出力され、プリンタ40は当該印刷データに基づいて印刷を実行する。
より具体的には、上記画像データ取得モジュール21aは上記アプリケーションプログラムで印刷指示がなされた画像や後述するカラーパッチの画像を示すパッチ画像データ15aをHDD15から取得する。このとき、画像データの画素数に過不足があれば印刷に必要な画素を確保するため適宜解像度変換処理を行う。この画像データはRGB(レッド,グリーン,ブルー)の各色成分を階調表現して各画素の色を規定したドットマトリクス状のデータであり、本実施形態では各色256階調であり、sRGB規格に従った表色系を採用した画像データである。
本実施形態においてはこの画像データを例にして説明するが、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データやCMYK表色系を採用した画像データ等、種々のデータを採用可能である。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等について本発明を適用することもできる。
色変換モジュール21bは各画素の色を示す表色系を変換するモジュールであり、HDD15に記録された色変換テーブル15bを適宜参照して画像データのsRGB表色系をプリンタ40が搭載するインク(CMYKlclm)を成分とするCMYKlclm表色系に変換する。色変換テーブル15bはsRGB表色系とCMYKlclm表色系とのそれぞれによって色を表現するとともに両者を対応づけ、複数の色についてこの対応関係を記述したテーブルである。従って、sRGB表色系で表現した任意の色に関し、その周りの色であって色変換テーブル15bに規定されたsRGBの色を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCMYKlclm表色系の色を算出することができ、色変換を実施することができる。
また、当該CMYKlclm表色系のデータはCMYKlclmの各色について256階調で階調表現した画像データであり、各階調値が各画素、各色のインク量に対応している。例えば、単位面積当たりのインク記録率0〜100%が階調値0〜255に対して線形に対応するように階調値を規定するなど、予め階調値が意味するインク量を決めておき、ハーフトーン処理モジュール21cにて各階調値に対応したインク量になるように階調数の変換を行う。
尚、上述のようにCMYKlclmの各階調値が意味するインク量が決められているとしても、プリンタ40の機体毎の製造誤差等により、常に階調値に対応したインク量を正確に出力できるとは限らない。そこで、本実施形態にかかるプリンタ40はこの類の誤差を補償する仕組みを備えている。すなわち、HDD15には各色毎の階調値を修正する色修正テーブル15c1が記録されており、色変換モジュール21bは当該色修正テーブル15c1を参照して上記色変換テーブル15bによる変換後のCMYKlclm階調値を修正する。
HDD15には、プリンタ40の出荷前にプリンタ40の製造者によって作成された、所定の標準プリンタの出力色に合わせるための上記色修正テーブル15c1が記録されている。しかし、プリンタ40の出荷後の各機構の経年変化により、プリンタ40の出力色と標準プリンタの出力色とに色ずれが生じる場合がある。そこで、プリンタ40のユーザは、上記修正テーブル15c1に換えて、自ら色修正テーブル15c2を作成するためのキャリブレーションを実施することが可能である。キャリブレーション処理はPRTDRV21が備えるキャリブレーションモジュール21eにおいて実行されるが、詳細は後述する。
色変換モジュール21bによって色変換がなされてCMYKlclmデータが得られると、ハーフトーン処理モジュール21cは、CMYKlclm表色系で表現された各画素の階調値を各画素におけるインクの吐出/非吐出を特定したハーフトーン画像データに変換する。すなわち、プリンタ40における各画素についてインク滴の吐出/非吐出を決定する。むろん、インク滴の吐出/非吐出のみならず、吐出インクの量を段階的に制御可能に構成し、吐出インク滴の大きさを決定しても良い。
印刷データ生成モジュール21dはかかるハーフトーン画像データを受け取って、プリンタ40で使用される順番に並べ替え、一回の主走査にて使用されるデータを単位にして逐次プリンタ40に出力する。すなわち、プリンタ40においてはインク吐出デバイスとして吐出ノズル列が搭載されており、当該ノズル列では副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。
そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替える。そして、印刷データ生成モジュール21dは並べ替え処理後のデータに画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを作成し、上記USB用I/O19bを介してプリンタ40に出力する。プリンタ40にて画像を形成するために必要なすべてのデータが転送されると、プリンタ40にて印刷媒体上に画像が形成される。
(2)キャリブレーション処理
図2は、キャリブレーションの処理内容を示したフローチャートである。
上述したように、PRTDRV21は色修正テーブル15c2を作成するキャリブレーションモジュール21eを備えており、ユーザが上記UIからキャリブレーションの実行指示を行うことによって当該キャリブレーションモジュール21eが起動し(ステップS100)、以下のキャリブレーション処理が行われる。
先ず、キャリブレーションモジュール21eは、上記キャリブレーションの実行指示を受け、パッチ画像データ15aに基づくパッチシート60の印刷を実行させる(ステップS200)。パッチ画像データ15aはキャリブレーション処理を実施する際に測色機50で測色するためのカラーパッチを示す画像データである。各インク色CMYKlclm毎に全階調域に渡って値を一定幅で変化させて取得した階調値で構成される画像データであり、階調値が大きいと使用されるインク量も多くなる。
図3は、パッチ画像データ15aに基づいてプリンタ40が印刷するパッチシート60を示している。
本実施形態においては、パッチシート60はCMYKlclm各色毎に、単に階調値の変化に合わせてグラテーションとなるように並べて印刷されるのではなく、色修正テーブル15c2の作成に際して優先的に測色して色彩値を得るべきパッチを測色順の早い位置に配置して印刷される。すなわち、ユーザの都合によって短時間でカラーパッチの測色を終える場合であっても、少ない測色点数で高精度のキャリブレーションを行うべく、色修正テーブル15c2の精度に大きな影響を与える階調値に対応するパッチを測色順の早い位置に配置する。
同図においては、パッチシート60の一行目には、各インク色毎に2パッチずつ印刷されており、各2つのパッチは、単位面積当たりのインク記録率が100%に対応する階調値及び同記録率が80%に対応する階調値で所定の面積を印刷されている。また、パッチシート60の二行目においては、各インク色毎の2パッチは、同インク記録率が60%に対応する階調値及び40%に対応する階調値で所定の面積を印刷されるパッチの組み合わせとなっている。3行目以下においても、各インク色毎に2パッチずつ、夫々異なる階調値の組み合わせでカラーパッチが印刷されている。なお、一つのパッチは一色のインクだけを使用して印刷している。
すなわち、上記パッチシート60の一行目の左端から順に各カラーパッチを測色機50で測色していく場合に、早い段階で比較的階調値の高いパッチが多く測色されるように各カラーパッチが印刷されている。プリンタ40で使用するインクの特性によっては、少量のインク量で表現される低階調値のパッチ間の色彩値の変化度合いの特徴と、使用するインク量がある程度量を越える高階調値のパッチ間の色彩値の変化度合いの特徴とが異なる場合がある。特に、低階調値のパッチ間の色彩値の変化度合いが略一定であるのに対し、高階調値のパッチ間の色彩値は略一定でなく非線形的に変化していくことがある。
後述する補間演算において測色した色彩値を参照して他の色彩値を補間する際に、全階調域から平均的な抽出度合いでパッチを測色して色彩値を得るよりも、色彩値が非線形的に変化していく階調域においてより多くパッチを測色して色彩値を取得したほうが、より精度良く他の色彩値を補間することができる。そのため、パッチシート60においては早い段階で比較的階調値の高いパッチが多く測色されるように各カラーパッチを配置している。色彩値の変化度合は、例えば、色彩値L***のa**平面上におけるa*の変化量とb*の変化量との比によって表すことができる。
本願発明においては、カラーパッチを印刷するためのパッチ画像データ15aは一種類のみ上記HDD15に格納され、同パッチ画像データ15aに基づいて上記配列のパッチシート60が印刷される。しかし、上記カラーパッチの配置は一例に過ぎず、色修正テーブル15c2の作成に際して優先的に測色して色彩値を得るべきパッチを測色順の早い位置に配置したパッチシートを印刷可能なパッチ画像データであれば、HDD15に格納するパッチ画像データとして様々なものを考えることができる。
例えば、パッチシート60の各行において各インク色毎に2パッチずつ配置しつつ、プリンタ40の使用時において使用頻度の高い色であるlcやlm等の明度の高いインク色にかかるカラーパッチを他のCMYKよりも測色順の早い位置に配置して印刷可能なパッチ画像データを上記HDD15に格納してもよい。使用頻度が高いインク色ほど、色ずれを高精度に修正する必要性も高いと考えられるからである。このようなカラーパッチの配置とすれば、ユーザが測色作業を途中で中断したとしても、使用頻度が高いインク色にかかるパッチが多く測色されているため、使用頻度が高いインク色ほど、高精度のキャリブレーションが可能となる。
次に、ステップS300において、キャリブレーションモジュール21eは、USB用I/O19bを介してカラーパッチの色彩値を取得していく。つまり、ユーザが上記パッチシート60を所定の測色順序に従って上記測色機50で測色し、その測色結果としての色彩値をキャリブレーションモジュール21eが取得する。この際、キャリブレーションモジュール21eは、一つのパッチから色彩値を得るたびに一つカウントを行い、測色機50において測色したパッチ数をカウントする。
パッチシート60に印刷された全てのカラーパッチの色彩値を取得する必要はなく、一定精度以上のキャリブレーションを実現するために必要な最低測色点数に対応するパッチ数から色彩値を取得したら、その後はカラーパッチの測色を何時止めてもよい。ここで、一定精度以上のキャリブレーションを実現するために最低限必要な色彩値として、例えば、CMYKlclm各色4パッチずつ、計24パッチを測色して得られる色彩値数とすることが考えられる。むろん、最低測色点数の数は、上記数字に限定されないことは言うまでもない。
キャリブレーションモジュール21eは、カラーパッチの測色を中断する旨の指示があるか否かを判断する(ステップS400)。最低測色点数以上のパッチ数を測色して色彩値を得た後は、ユーザの都合によってカラーパッチの測色を何時止めてもよいため、キャリブレーションモジュール21eは、上記UI等を介してカラーパッチの測色を中断する旨の指示の入力があるか否か判断する。
同指示の入力がある場合には、それまでに測色したパッチ数が最低測色点数に達しているか否か判断する(ステップS500)。最低測色点数に達するパッチ数が測色されていると判断した場合は、一定精度以上のキャリブレーションを実現するために必要な色彩値を取得できたとして、色修正テーブルを作成する次のステップS600へと進む。上記の例では、CMYKlclm各色4パッチずつの計24パッチ、すなわちパッチシート60の上から2行目までを測色していれば、最低測色点数に対応するパッチの測色を終えたと判断する。むろん、最低測色点数を越えるパッチ数を測色し色彩値を取得した場合は、同取得した十分なデータ量の色彩値に基づいて、より高精度のキャリブレーションを行うことが可能となる。
ステップS500において、測色したパッチ数が最低測色点数に達していないと判断した場合には、キャリブレーションモジュール21eはカラーパッチの色彩値を取得する作業を継続する。
ここで、キャリブレーションモジュール21eは、カラーパッチの色彩値を取得する作業の過程において、上記カラーパッチのカウント数が最低測色点数に到達した場合に、その旨を示す所定の表示を行うための制御信号をディスプレイDRV23に送信するとしてもよい。ディスプレイDRV23は、同制御信号に基づいてディスプレイ18にカラーパッチのカウント数が最低測色点数に到達した旨を示す所定の表示を行わせる。かかる表示を行えば、ユーザは容易にカラーパッチのカウント数が最低測色点数に到達したか否かを認識できるので、カラーパッチの測色を中断する旨の指示を行う時期の判断に役立つ。
上記のように複数のカラーパッチを測色して色彩値を取得したら、同取得した色彩値と予め作成してHDD15に記録した標準印刷結果の色彩値である標準値15dとを対比して色修正テーブル15c2を作成する(ステップS600)。ここで、標準印刷結果とは、所定の標準プリンタでCMYKlclm各色につき全階調値(256階調)にわたって印刷したカラーパッチを言い、標準値15dとはかかる標準印刷結果を測色機で測定して取得した色彩値を言う。
そして、上記作成された色修正テーブル15c2をもって色修正テーブル15c1を書換える(ステップS700)。
図4は、色修正テーブル15c2作成のための処理内容を詳述したフローチャートである。
キャリブレーションモジュール21eは、複数のカラーパッチの色彩値を取得した後、同取得した色彩値を参照して所定の補間演算を行うことにより、全階調値に対応する色彩値を決定することが可能なグラフをL***色空間に生成する(ステップS610)。このとき、キャリブレーションモジュール21eは、参照する色彩値間の変化度合いが略一定である領域においては線形補間演算を採用し、色彩値間の変化度合いが略一定ではなく非線形的に変化する領域においてはスプライン補間などの非線形補間演算を採用する。
図5は、色彩値をa**平面に投影した投影図である。
横軸はL***色空間におけるa*値であり、縦軸はb*値である。すなわち、3次元空間であるL***色空間における色彩値L***値をa**平面に投影している。
同図では、上記取得した色彩値のうち、一例としてCインクの色彩値を黒丸でプロットした状態を示すとともに、同色彩値を参照して上記補間演算により作成されたグラフを示している。
上記各黒丸は、原点0からグラフに沿って、原点0から離れていくに連れて順に高階調値に対応した色彩値となるようにプロットされている。各黒丸に付された100%〜40%の数字は、各色彩値を測色したカラーパッチの単位面積当たりのインク記録率を示しており、同数字が高いほど高階調値のパッチ画像データで印刷されたパッチであることを示している。また、各黒丸に付された括弧内の数字は、各パッチを測色して色彩値を取得した際の順序を示している。すなわち、図3に示したパッチシート60を測色すると、1番初めに単位面積当たりのインク記録率100%のパッチから色彩値が取得され、次に、同記録率が80%のパッチ、同記録率が60%のパッチ,,,というように、パッチシート60上において測色順の早い位置に印刷されたカラーパッチから順に色彩値が取得される。
**平面上には、カラーパッチを測色して得られた色彩値が計6点プロットされている。これは、上記パッチシート60の3行目まで測色がなされたところで測色作業が止められたことを示しているが、上述したCMYKlclm各色4パッチずつという最低測色点数に対応するパッチの測色はなされている。その為、かかる6点を参照点として補間演算を行えば、他の階調値に対応する色彩値を精度良く補間することができ、一定精度以上の色修正を実現可能な色修正テーブル15c2を作成することができる。
同a**平面上においては、上記インク記録率60%のパッチから取得された色彩値がプロットされた点付近から、測色したパッチに対応する階調値が上がるに連れて、プロットされた色彩値間の変化度合いが略一定ではなくなっており、色彩値の変化率が徐々に大きくなっている。また、色彩値間の変化度合いが略一定でない領域において、比較的多数の色彩値が参照点としてプロットされている。そこで、上述したように、参照する色彩値間の変化度合いが略一定である領域においては、参照点間に補間される他の色彩値も各参照点を結んだ直線上に存在すると予測できるとし、かつ演算速度の観点から、線形補間によってグラフを作成する。一方、色彩値間の変化度合いが略一定ではなく非線形的に変化する領域においては、多く取得した参照点に基づきスプライン補間によってスプライン曲線を作成し、当該曲線上に他の色彩値が存在すると予測する。
このように、色彩値間の変化度合いの特徴が異なる領域毎に適した補間演算に切替えることで、演算速度の低下を抑制しつつ全階調値に対応する色彩値を高精度に補間可能なグラフを生成することができる。
図6は、色彩値をa**平面に投影した投影図であって、図5とは異なる例を示している。
同図には、図3に示したパッチシート60とは異なる配置で各インク色のカラーパッチが印刷されたパッチシートをある時間をかけて測色して取得した色彩値がプロットされている。つまり、パッチの配置の異なるパッチシートを測色すれば測色されるパッチの順序も図5に示した順序とは異なる。階調値の異なる複数のカラーパッチの測色順序は、その色彩値が色修正テーブル15c2の精度に大きな影響を与えるパッチをより優先的に測色するという考えの基に決定すべきである。同図においても、測色の有無が修正テーブル15c2の精度に大きな影響を与える高階調値のパッチが、比較的早い順序で多く測色されたことが各黒丸に付された数字から読み取れる。従って、かかる順序でカラーパッチが測色されるパッチシートを印刷するためのパッチ画像データ等を上記パッチ画像データ15aの変わりに、HDD15に格納しておいてもよい。
図4のフローチャートに戻って説明を行う。キャリブレーションモジュール21eはHDD15に記録した標準値15dを取得する(ステップS620)。そして、一の階調値Cxに対応する標準値からの色差ΔEが最小である上記グラフ上の色彩値を取得するとともに、同色彩値に対応する階調値Cx´を取得する(ステップS630)。
図7は、上記グラフと上記標準値とを同一a**平面上に表している。
標準プリンタとプリンタ40との印刷結果に色ずれが生じていない場合には、同一の階調値Cxで印刷を行ったとき、得られる印刷結果(この場合、シアンの単色)を測色すると同一の色彩値が得られるはずである。しかし、標準プリンタとプリンタ40との印刷結果に色ずれが生じている場合には、同図に示すように、上記グラフと標準値(白丸)を結んだ線とがa**平面上でずれることになる。なお、同図においては全ての標準値を白丸で示すことは省略し、一部の標準値のみ白丸で示している。また、プリンタ40の印刷結果を測色した場合に得られる色彩値は、原則的に上記グラフ上の座標に現れる。
同図における拡大図Aは、標準プリンタとプリンタ40とで同一の階調値Cxで印刷を行ったときの印刷結果の色彩値を白丸と黒丸とで示している。ここで、白丸で示した当該階調値Cxに対応する標準値(a1*,b1*)から色差ΔEが最小である上記グラフ上の座標を求めるべく、標準値(a1*,b1*)から上記グラフに対して垂線を引く。そして、同垂線が引かれた上記グラフ上の色彩値(a2*,b2*)に対応する階調値Cx´を算出する。かかる処理は、標準プリンタにおいて階調値Cxで出力される出力色と近似値として同等の出力色をプリンタ40で出力するための階調値Cx´を算出していることになる。算出された階調値Cx´を修正後の階調値、上記階調値Cxを修正前の階調値とする対応関係を定めれば上記色ずれを解消するための色修正テーブル15c2を作成することができる。
ステップS640にて、全ての階調値にかかる標準値について、色差ΔEが最小である上記グラフ上の色彩値に対応する階調値を取得したか否かを判断する。全ての階調値についての処理が終わっていないと判断した場合は、全ての階調値にかかる標準値について、同対応する階調値を取得するまでステップS630の処理を繰り返す。ステップS640にて、全ての階調値にかかる標準値についてステップS630の処理を行ったと判断した場合は、ステップS650にて、プリンタ40で使用する全インク色についてステップS630以降の処理が終了したか否かを判断する。
ステップS650にて、全インク色についてステップS630以降の処理が終了していないと判断されたときは、処理対象となるインク色を変更してステップS630以降の処理を繰り返す。ステップS650にて、全インク色についてステップS630以降の処理が終了したと判断されたときは、キャリブレーションモジュール21eは、各インク色について、修正前の階調値と上記算出した修正後の階調値との対応関係を全階調値にわたって決定した色修正テーブル15c2を作成する(ステップS660)。
作成した色修正テーブル15c2をもって、プリンタ40の出荷前にプリンタ40の製造者によって作成された色修正テーブル15c1を更新することにより、キャリブレーションを実施することができる。すなわち、色変換モジュール21bによる変換後の階調値を入力値とし、色修正テーブル15c2を参照して階調値を修正し、同修正後の画像データをハーフトーン処理モジュール21cに入力することにより、標準プリンタと近似した同等の出力色が得られるようになる。
(3)まとめ
このように、本願発明によれば、パッチシート60上のパッチを全て測色することなく途中で測色を止めたとしても、それまでに測色した最低測色点数以上のカラーパッチから取得した色彩値に基づいて、測色したパッチ数に応じた一定精度以上のキャリブレーションを行うことができる。
本願発明の概略構成を示すブロック図である。 キャリブレーションの処理内容を示したフローチャートである。 パッチシートの説明図である。 色修正テーブル作成の処理内容を示したフローチャートである。 色彩値をa**平面に投影した投影図である。 色彩値をa**平面に投影した投影図である。 色彩値と標準値をa**平面に投影した投影図である。
符号の説明
10…コンピュータ、15…HDD、15a…パッチ画像データ、15b…色変換テーブル、15c1,15c2…色修正テーブル、15d…標準値、18…ディスプレイ、21…PRTDRV、21a…画像データ取得モジュール、21b…色変換モジュール、21c…ハーフトーン処理モジュール、21d…印刷データ生成モジュール、21e…キャリブレーションモジュール、40…プリンタ、50…測色機、60…パッチシート

Claims (9)

  1. 印刷装置による印刷結果の色ずれを修正するために多階調のカラー画像データを修正する色修正テーブルを作成し、同色修正テーブルによって同カラー画像データを修正する色画像データ修正方法であって、
    上記印刷装置で使用する各インク色毎に階調値を変化させてパッチを印刷するためのパッチ画像データに基づいて、一定精度以上の色修正を行うために必要な最低測色点数に対応する所定のパッチが測色順の早い位置に配置されたカラーパッチを印刷するカラーパッチ印刷工程と、
    上記カラーパッチのうち、少なくとも最低測色点数に対応する所定のパッチを測色することによって色修正テーブルの作成に必要な色彩値を取得する色彩値取得工程と、
    上記取得した色彩値と標準印刷結果の色彩値である標準値とを対比するとともに同対比結果に基づいて、任意の階調値のカラー画像データに対応する標準印刷結果と同等の印刷結果を上記印刷装置によって得られるように同カラー画像データを修正する色修正テーブルを作成する色修正テーブル作成工程とを備えることを特徴とする色画像データ修正方法。
  2. 上記カラーパッチ印刷工程は、近隣の階調値のパッチと比較して色彩値の変化度合いが略一定でないパッチを同変化度合いが略一定のパッチよりも測色順の早い位置に多数配置して印刷することを特徴とする請求項1に記載の色画像データ修正方法。
  3. 上記カラーパッチ印刷工程は、上記各インク色のうち明度の高いインク色にかかるパッチを測色順の早い位置に配置して印刷することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の色画像データ修正方法。
  4. 上記色彩値取得工程は、取得した色彩値にかかるパッチ数が最低側色点数に達した際に、所定の画像表示手段に対して最低測色点数に対応するパッチの測色が完了した旨を示す所定の信号を送信し、同信号に基づいて最低測色点数に対応するパッチの測色が完了した旨の表示を行わせることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の色画像データ修正方法。
  5. 上記色修正テーブル作成工程は、色彩値取得工程において取得した色彩値を参照し所定の関数を用いて全階調値に対応する色彩値を補間し取得することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の色画像データ修正方法。
  6. 上記色修正テーブル作成工程は、色彩値取得工程において取得した各色彩値間の変化度合いが略一定の領域においては線形補間演算を採用し各色彩値間の変化度合いが略一定でない領域においては非線形補間演算を採用することにより、全階調値に対応する色彩値を決定可能なグラフを所定の色空間に生成することを特徴とする請求項5に記載の色画像データ修正方法。
  7. 上記色修正テーブル作成工程は、上記標準値のうち任意の階調値に対応する標準値からの色差が最小である上記グラフ上の色彩値に対応する階調値を、同任意の階調値と対応付けることにより上記色修正テーブルを作成することを特徴とする請求項6に記載の色画像データ修正方法。
  8. 印刷装置による印刷結果の色ずれを修正するために多階調のカラー画像データを修正する色修正テーブルを作成し、同色修正テーブルによって同カラー画像データを修正する色画像データ修正装置であって、
    上記印刷装置で使用する各インク色毎に階調値を変化させてパッチを印刷するためのパッチ画像データに基づいて、一定精度以上の色修正を行うために必要な最低測色点数に対応する所定のパッチが測色順の早い位置に配置されたカラーパッチを印刷するカラーパッチ印刷手段と、
    上記カラーパッチのうち、少なくとも最低測色点数に対応する所定のパッチを測色することによって色修正テーブルの作成に必要な色彩値を取得する色彩値取得手段と、
    上記取得した色彩値と標準印刷結果の色彩値である標準値とを対比するとともに同対比結果に基づいて、任意の階調値のカラー画像データに対応する標準印刷結果と同等の印刷結果を上記印刷装置によって得られるように同カラー画像データを修正する色修正テーブルを作成する色修正テーブル作成手段とを備えることを特徴とする色画像データ修正装置。
  9. 印刷装置による印刷結果の色ずれを修正するために多階調のカラー画像データを修正する色修正テーブルをコンピュータにて作成する色修正テーブル作成プログラムであって、
    上記印刷装置で使用する各インク色毎に階調値を変化させてパッチを印刷するためのパッチ画像データに基づいて、一定精度以上の色修正を行うために必要な最低測色点数に対応する所定のパッチが測色順の早い位置に配置されたカラーパッチを印刷するカラーパッチ印刷機能と、
    上記カラーパッチのうち、少なくとも最低測色点数に対応する所定のパッチを測色することによって色修正テーブルの作成に必要な色彩値を取得する色彩値取得機能と、
    上記取得した色彩値と標準印刷結果の色彩値である標準値とを対比するとともに同対比結果に基づいて、任意の階調値のカラー画像データに対応する標準印刷結果と同等の印刷結果を上記印刷装置によって得られるように同カラー画像データを修正する色修正テーブルを作成する色修正テーブル作成機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする色修正テーブル作成プログラム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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