JP5092734B2 - 液体吐出方法、液体吐出装置及びプログラム - Google Patents

液体吐出方法、液体吐出装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出方法、液体吐出装置及びプログラムに関する。
液体を吐出する液体吐出装置として、インクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタでは、紙や布などの媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、複数のノズルが形成されたヘッドを移動方向に移動させつつ各ノズルからインクを吐出するドット形成動作とを交互に繰り返し、移動方向に並ぶドットの列(ドット列)を搬送方向に並べて形成し、媒体上に画像を形成する。
このようなインクジェットプリンタにおいて印刷速度を高めるためには、ノズルの数を増やすことが望ましい。但し、多数のノズルを所定のピッチで精度良く形成するのは困難であり、また、製造コストもかかる。
そこで、ノズル列を複数用意することによって、ノズルの数を増やすことが試みられている(特許文献1参照)。
特開平10−323978号公報
各ノズル列にはそれぞれ特性がある。例えば、あるノズル列は吐出するインク量が多く、別のノズル列は吐出するインク量が少ないことがある。このため、媒体上の場所によってノズル列の使用率が異なると、ノズル列の特性差が目立つようになる。例えば、媒体上のある領域では2つのヘッドのノズル列を均等に用いて印刷されているにも関わらず、別の領域では一方のヘッドのノズル列しか用いられていなければ、これらの領域間では画質が異なることになる。そして、異なる画質の2つの領域が隣接すると、画質の差が目立ってしまう。
本発明は、複数のノズル列を用いて液体を吐出する際に、ノズル列の特性差が目立つことを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、複数の第1ノズルが前記搬送方向に並んだ第1ノズル列、及び、複数の第2ノズルが前記搬送方向に並んだ第2ノズル列を、移動方向に移動させつつ前記第1ノズル及び前記第2ノズルから液体を吐出して前記媒体にドットを形成するドット形成動作と、を交互に繰り返すことにより、前記移動方向に並ぶドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数形成する液体吐出方法であって、前記ドット列の前記搬送方向の位置と、前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率とを対応付けた使用率テーブルを予め用意しておき、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列によりドット列を形成する際に、そのドット列の前記搬送方向の位置に対応する前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率を前記使用率テーブルに従って決定し、そのドット列における前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率に応じて、そのドット列を構成するドットを変更することを特徴とする液体吐出方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、複数の第1ノズルが前記搬送方向に並んだ第1ノズル列、及び、複数の第2ノズルが前記搬送方向に並んだ第2ノズル列を、移動方向に移動させつつ前記第1ノズル及び前記第2ノズルから液体を吐出して前記媒体にドットを形成するドット形成動作と、を交互に繰り返すことにより、前記移動方向に並ぶドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数形成する液体吐出方法であって、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列によりドット列を形成する際に、そのドット列における前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率に応じて、そのドット列を構成するドットを変更することを特徴とする液体吐出方法が明らかになる。このような液体吐出方法によれば、ノズル列の特性差が目立つことを抑制できる。
なお、後述する実施形態において、第1ノズル列42Aのノズルが「第1ノズル」に相当し、第2ノズル列42Bのノズルが「第2ノズル」に相当する。また、後述する第1実施形態のドットを削除又は追加すること、及び、後述する第2実施形態のドットの大きさを変更することが、「ドット列を構成するドットを変更すること」に相当する。
前記そのドット列を構成するドットを変更する際に、前記そのドット列を構成するドットの位置と隣接する位置にドットを追加することが望ましい。これにより、画質を損なわずに、望ましい位置に、ドットを追加することができる。
前記そのドット列を構成するドットを変更する際に、複数のドットを追加する場合、前記そのドット列を構成する複数のドットの位置の中からランダムに選択された位置を基準にして、追加すべき複数の位置が決定されることが望ましい。これにより、ドットが密集している場所ほど多くのドットが追加されるようになり、補正前の画像の濃淡を損なわずに済む。
前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列は、それぞれ複数の大きさのドットを形成可能であり、前記そのドット列を構成するドットを変更する際に、形成すべきドットの大きさを変更することが望ましい。これにより、画素の濃度変化量が軽減され、補正前の画像の濃淡を損なわずに済む。
前記第1ノズルから吐出される液体量を示す第1補正値と、前記第2ノズルから吐出される液体量を示す第2補正値とが予め設定され、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列によりドット列を形成する際に、そのドット列における前記第1ノズル列の使用率と、前記第2ノズル列の使用率と、前記第1補正値と、前記第2補正値とに基づいて、前記そのドット列を構成するドットを形成するときに吐出される液体量の期待値が算出され、前記期待値に基づいて、前記そのドット列を構成する前記ドットの数が変更されることが望ましい。これにより、ノズル列の特性差によって、そのドット列を形成するときに吐出される液体量が増減することを抑制できる。
前記液体吐出方法は、第1搬送量にて前記媒体を搬送する前記搬送動作と、前記ドット形成動作と、を交互に繰り返す第1処理と、前記第1搬送量よりも短い第2搬送量にて前記媒体を搬送する前記搬送動作と、前記ドット形成動作と、を交互に繰り返す第2処理と、前記第1処理と前記第2処理との間に行われ、前記第1搬送量よりは短く前記第2搬送量よりは長い第3搬送量にて前記媒体を前記第1方向に搬送する前記搬送動作と、前記ドット形成動作と、を交互に繰り返す第3処理と、を有し、前記媒体上の第1領域の前記ドット列では、前記第2ノズルにより形成されたドットに対し、前記第1ノズルにより形成された前記ドットが所定の割合になっており、前記媒体上の第2領域の前記ドット列では、前記第2ノズルにより形成されたドットは無く、前記第1ノズルにより形成された前記ドットから構成されており、前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域には、前記第2ノズルにより形成されたドットに対し前記第1ノズルにより形成された前記ドットが前記所定の割合よりも高い割合になっているドット列が、含まれることが望ましい。これにより、第3領域を大きくすることができ、第1領域と第2領域の画質の差が目立ちにくくなる。
なお、後述する実施形態において、通常処理が「第1処理」に相当し、上端処理又は下端処理が「第2処理」に相当し、移行処理が「第3処理」に相当する。また、通常領域が「第1領域」に相当し、上端領域又は下端領域が「第2領域」に相当し、移行領域が「第3領域」に相当する。
媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、複数の第1ノズルが前記搬送方向に並んだ第1ノズル列と、複数の第2ノズルが前記搬送方向に並んだ第2ノズル列と、前記搬送部により前記媒体を前記搬送方向に搬送する搬送動作と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列を移動方向に移動させつつ前記第1ノズル及び前記第2ノズルから液体を吐出して前記媒体にドットを形成するドット形成動作と、を交互に繰り返させることにより、前記移動方向に並ぶドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数形成させるコントローラと、を備える液体吐出装置であって、前記コントローラは、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列によりドット列を形成する際に、そのドット列における前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率に応じて、そのドット列を構成するドットを変更することを特徴とする液体吐出装置も明らかになる。
媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、複数の第1ノズルが前記搬送方向に並んだ第1ノズル列と、複数の第2ノズルが前記搬送方向に並んだ第2ノズル列と、を備える液体吐出装置に、前記搬送部により前記媒体を前記搬送方向に搬送する搬送動作と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列を移動方向に移動させつつ前記第1ノズル及び前記第2ノズルから液体を吐出して前記媒体にドットを形成するドット形成動作と、を交互に繰り返させることにより、前記移動方向に並ぶドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数形成させる機能と、前記第1ノズル列と前記第2ノズル列によりドット列を形成する際に、そのドット列における前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率に応じて、そのドット列を構成するドットを変更する機能とを実現させることを特徴とするプログラムも明らかになる。
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図1は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。以下、プリンタの基本的な構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、紙Sをプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
なお、ヘッド41には、第1ノズル群41A及び第2ノズル群41Bが設けられている。これら2個のノズル群の構成については、後述する。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
更に、コントローラ60には駆動信号生成回路65が設けられている。駆動信号生成回路65は、第1駆動信号生成部65Aと第2駆動信号生成部65Bとを備えている。第1駆動信号生成部65Aは、第1ノズル群41Aのピエゾ素子を駆動するための第1駆動信号を生成する。第2駆動信号生成部65Bは、第2ノズル群41Bのピエゾ素子を駆動するための第2駆動信号を生成する。各駆動信号生成部は、奇数画素(後述)にドットを形成する場合には奇数画素用の駆動信号を生成し、偶数画素(後述)にドットを形成する場合には偶数画素用の駆動信号を生成する。各駆動信号生成部は互いに独立しており、例えば第1駆動信号生成部65Aが奇数画素用の駆動信号を生成しているときに、第2駆動信号生成部65Bは、奇数画素用の駆動信号を生成することもできるし、偶数画素用の駆動信号を生成することもできる。
印刷を行うとき、コントローラ60は、移動方向に移動中のヘッド41からインクを吐出させるドット形成動作と、搬送方向に紙を搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、無数のドットから構成される画像を紙に印刷する。なお、ドット形成動作のことを「パス」と呼び、n回目のパスのことを「パスn」と呼ぶことがある。
===ヘッド41の構成===
<構成について>
図3は、ノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には2個のノズル群(第1ノズル群41A及び第2ノズル群41B)が設けられている。各ノズル群には、8個のノズル列が設けられている。8個のノズル列は、それぞれ濃シアン(C)、濃マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、淡ブラック(LK)、極淡ブラック(LLK)のインクを吐出する。
各ノズル列には、搬送方向に並ぶ180個のノズルが180dpiのノズルピッチで設けられている。また、各ノズル列のノズルには、搬送方向下流側のノズルほど若い番号が付されている。各ノズルには、各ノズルからインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
第1ノズル群41Aは、第2ノズル群41Bよりも搬送方向下流側に設けられている。また、4個のノズルの搬送方向の位置が重複するように、第1ノズル群41Aと第2ノズル群41Bが設けられている。例えば、第1ノズル群41Aのノズル♯177Aの搬送方向の位置は、第2ノズル群41Bのノズル♯1Bの搬送方向の位置と同じになっている。これにより、あるドット形成動作において、ある画素に対して第1ノズル群41Aのノズル♯177Aがドットを形成可能なとき、その画素に対して第2ノズル群41Bのノズル♯1Bでもドットを形成可能である。
===ドットの形成方法===
<ノズル列の表記方法について>
まず、ドットの形成方法を説明する前に、ノズル列及びノズルの表記方法について説明する。
図4は、仮想ノズル列42Xの説明図である。
図中の左側には、第1ノズル群41Aの濃ブラックのノズル列と、第2ノズル群41Bの濃ブラックのノズル列が記載されている。以下の説明では、第1ノズル群41Aの濃ブラックのノズル列を「第1ノズル列42A」と呼び、第2ノズル群41Bの濃ブラックのノズル列を「第2ノズル列42B」と呼ぶ。なお、説明の簡略化のため、各ノズル列のノズル数は15個とする。
第1ノズル列42Aの搬送方向上流側の4個のノズル(ノズル♯12A〜ノズル♯15A)と、第2ノズル列42Bの搬送方向下流側の4個のノズル(ノズル♯1B〜ノズル♯4B)は、搬送方向の位置が重複している。以下の説明では、各ノズル列のこれらの4個のノズルのことを、「重複ノズル」と呼ぶ。
第1ノズル列42Aの各ノズルは丸印で示されており、第2ノズル列42Bの各ノズルは三角印で示されている。また、インクを吐出しないノズル(つまりドットを形成しないノズル)にはバツ印が示されている。
ここでは、第1ノズル列42Aの重複ノズルのうち、ノズル♯12A及びノズル♯13Aからはインクを吐出し、ノズル♯14A及びノズル♯15Aからはインクを吐出しない。また、ここでは、第2ノズル列42Bの重複ノズルのうち、ノズル♯1B及びノズル♯2Bはインクを吐出せず、ノズル♯3B及びノズル♯4Bはインクを吐出する。
このような場合、図中の中央部に記載されたように、2個のノズル列を1個の仮想ノズル列42Xとして説明することができる。以下の説明では、2個のノズル列を別々に描く代わりに、1個の仮想ノズル列42Xを用いてドット形成の様子を説明する。
なお、図中の右側に示すように、この仮想ノズル列42Xは、丸印のノズルが奇数画素にドットを形成するときであっても、三角印のノズルは偶数画素にドットを形成することが可能である。もちろん、丸印のノズルが奇数画素にドットを形成するときに、三角印のノズルも奇数画素にドットを形成することも可能である。
<参考:通常処理>
図5は、通常処理の説明図である。通常処理は、紙の中央部を印刷するときに行われる処理(ドット形成動作及び搬送動作)である。コントローラ60は、各ユニットを制御することによって、以下に説明する通常処理を実現する。
図中には、各ドット形成動作時の紙に対する仮想ノズル列42Xの相対的な位置関係が示されている。図中では仮想ノズル列42Xが紙に対して移動しているように描かれているが、実際には紙の方が搬送方向に移動する。図に示すように、通常処理では、パスとパスとの間に行われる搬送動作において、9個のドット分の搬送量9Dにて紙が搬送される。
図中の領域A(紙上の領域)には、パス1〜パス6によりドットが形成される。図中の領域Bには、パス2〜パス7によりドットが形成される。
奇数番目のパスでは、各ノズルは、偶数番目(又は奇数番目)のラスタラインの位置になる。奇数番目のパスの後、9個のドット分の搬送量9Dにて紙が搬送された後に偶数番目のパスが行われるため、偶数番目のパスでは、各ノズルは、偶数番目(又は奇数番目)のラスタラインの位置になる。このように、各ノズルの位置は、パスごとに交互に、奇数番目又は偶数番目のラスタラインの位置になる。
図6Aは、図5の領域A及び領域Bにおけるドット形成の説明図である。
図中の左側には、各パスにおけるノズルの相対位置が示されている。黒く塗り潰されたノズルは、そのパスにおいて、2画素に1画素の割合でドットを形成する。例えば、パス2のノズル♯8Bは、2画素に1画素の割合でドットを形成する。斜線によるハッチングがなされたノズルは、4画素に1画素の割合でドットを形成する。例えば、パス4のノズル♯10Aは、4画素に1画素の割合でドットを形成する。
斜線によるハッチングがなされたノズルは、黒く塗り潰されたノズルと比べて半分のドットしか形成しない。この斜線によるハッチングがなされたノズルのことを、「POLノズル」と呼ぶことにする。
あるパスの第1ノズル列42Aの搬送方向上流側の4個のノズル(ノズル♯10A〜13A)と、そのパスから2回の搬送動作が行われた後の第1ノズル列42Aの搬送方向下流側の4個のノズル(ノズル♯1A〜4A)は、搬送方向の位置が重複する。このようなノズルが、POLノズルになる。例えば、パス4のノズル♯10A〜ノズル♯13Aと、パス6のノズル♯1A〜ノズル♯4Aは、搬送方向の位置が重複するため、POLノズルになる。
同様に、あるパスの第2ノズル列42Bの搬送方向上流側の4個のノズル(ノズル♯12B〜ノズル♯15B)と、そのパスから2回の搬送動作が行われた後の第2ノズル列42Bの搬送方向下流側の4個のノズル(ノズル♯3B〜ノズル♯6B)は、搬送方向の位置が重複する。このようなノズルが、POLノズルになる。例えば、パス2のノズル♯12B〜ノズル♯15Bと、パス4のノズル♯3B〜ノズル♯6Bは、搬送方向の位置が重複するため、POLノズルになる。
図中の右側には、各画素にドットを形成するノズルが示されている。例えば、1番目のラスタライン(ラスタ番号が1のラスタライン)は、ノズル♯8Bによって奇数画素に形成されたドットと、ノズル♯10A及びノズル♯1Aによって偶数画素に形成されたドットとにより構成される。なお、ここでは説明の簡略化のため、各ラスタラインは8個のドットだけで構成されている。
図中の左上には、各ノズル列によって形成されるドットの位置が示されている。例えば、パス1では、第1ノズル列42Aのノズル(ノズル♯1A〜ノズル♯13A)は奇数画素にドットを形成し、第2ノズル列42Bのノズル(ノズル♯3B〜ノズル♯15B)は偶数画素にドットを形成する。
各ラスタラインは、2個又は3個のノズルによって形成されたドットから構成される。言い換えると、各ラスタラインに対し、2個又は3個のノズルが対応付けられている。例えば、1番目のラスタラインには、パス2のノズル♯8B、パス4のノズル♯10A、パス6のノズル♯1Aが対応付けられている。また、各ラスタラインは、第1ノズル列42Aの少なくとも1個のノズルによって形成されたドットと、第2ノズル列42Bの少なくとも1個のノズルによって形成されたドットから構成される。言い換えると、各ラスタラインに対し、第1ノズル列42Aの少なくとも1個のノズルと、第2ノズル列42Bの少なくとも1個のノズルが対応付けられている。
あるラスタラインの奇数画素又は偶数画素に対してノズルが1個だけ対応付けられている場合、そのノズルは、2画素に1画素の割合でドットを形成する。例えば、1番目のラスタラインの奇数画素に対しては、ノズル♯8Bが1個だけ対応付けられている(他のノズルは対応付けられていない)。このため、ノズル♯8Bは、2画素に1画素の割合でドットを形成する。
一方、あるラスタラインの奇数画素又は偶数画素に対してノズルが2個対応付けられている場合、その2個のノズルは、それぞれ、4画素に1画素の割合でドットを形成する(POLノズルになる)。例えば、1番目のラスタラインの偶数画素に対しては、ノズル♯10A及びノズル♯1Aが対応付けられている。このため、ノズル♯10A及びノズル♯1Aは、それぞれ、4画素に1画素の割合でドットを形成する(POLノズルになる)。
通常処理では、あるパスにおいて、第1ノズル列42Aがドットを形成する位置(移動方向の位置)と、第2ノズル列42Bがドットを形成する位置が異なっている。具体的には、第1ノズル列42Aが奇数画素にドットを形成するときには、第2ノズル列42Bは偶数画素にドットを形成する。逆に、第1ノズル列42Aが偶数画素にドットを形成するときには、第2ノズル列42Bは奇数画素にドットを形成する。前述の第1駆動信号生成部65Aと第2駆動信号生成部65Bが互いに独立して駆動信号を生成できるので、このようなドット形成が可能になる。
また、通常処理では、あるパスと次のパスとを比較すると、各ノズル列がドットを形成する位置が異なっている。例えば、あるパスにおいて第1ノズル列42Aが奇数画素にドットを形成し第2ノズル列42Bが偶数画素にドットを形成する場合、次のパスにおいて、第1ノズル列42Aは偶数画素にドットを形成し、第2ノズル列42Bは奇数画素にドットを形成する。
このようにドットを形成することによって、一方のノズル列によって千鳥格子状にドットが形成され、その千鳥格子状のドットの間を埋めるように、他方のノズル列によって千鳥格子状にドットが形成される。図6Aの右側に注目すると、第1ノズル列42Aによって形成される丸印のドットは千鳥格子状になっており、第2ノズル列42Bによって形成される三角印のドットも千鳥格子状になっている。なお、ドットの形成順序からすると、第2ノズル列42Bによって千鳥格子状にドットが形成された後、その間を埋めるように、第1ノズル列42Aによってドットが形成されることになる。
通常処理でラスタラインが形成された場合、そのラスタラインでは、第1ノズル列42Aによって半分のドットが形成され、第2ノズル列42Bによって残りの半分のドットが形成される。言い換えると、これらのラスタラインを形成するときの各ノズル列の使用率は、第1ノズル列42Aが50%であり、第2ノズル列42Bも50%である。
領域Aにはパス1〜パス6によりドットが形成され、領域Bにはパス2〜パス7によりドットが形成されているので、領域Aと領域Bとの間でパスが1回分ずれている。パスが1回分ずれているため、各ラスタラインに対応付けられるノズルは各領域で共通しているものの、各ノズルが形成するドットの位置(移動方向の位置)が奇数画素か偶数画素かで異なっている。例えば、1番目のラスタラインに対し、パス2のノズル♯8Bは奇数画素にドットを形成するが、10番目のラスタラインに対し、パス3のノズル♯8Bは偶数画素にドットを形成する。
なお、ここでは図示しないが、領域Bよりも搬送方向上流側に位置する19〜27番目のラスタラインは、パス3〜パス8により、領域Aとほぼ同様にドットが形成される。例えば、19番目のラスタラインは、ノズル♯8B、ノズル♯10A、ノズル♯1Aが対応付けられており、ノズル♯8Bは19番目のラスタラインの奇数画素にドットを形成する。また、19〜27番目のラスタラインよりも搬送方向上流側に位置する28〜36番目のラスタラインは、パス4〜パス9により、領域Bとほぼ同様にドットが形成される。このように、通常処理が続けて行われると、領域Aと領域Bと同様なドット形成が繰り返し行われることになる。
図6Bは、図6Aを別の表記方法で表現したものである。
図中の左上の表記において、奇数を「1」で示し、偶数を「2」で示している。例えば、パス1では、第1ノズル列42Aのノズル(ノズル♯1A〜ノズル♯13A)は奇数画素にドットを形成し、第2ノズル列42Bのノズル(ノズル♯3B〜ノズル♯15B)は偶数画素にドットを形成することが示されている。
図中の右側の表記においても、奇数画素を「1」で示し、偶数画素を「2」で示している。そして、奇数画素に対応付けられたノズルが1個の場合には、奇数画素を示す「1」の下に、そのノズルを表す記号が示されている。例えば、1番目のラスタラインの奇数画素には、ノズル♯8Bが対応付けられていることが示されている。また、偶数画素に対応付けられたノズルが1個の場合には、偶数画素を示す「2」の下に、そのノズルを示す記号が示されている。例えば、8番目のラスタラインの偶数画素には、ノズル♯7Bが対応付けられていることが示されている。なお、言い換えると、奇数画素を示す「1」の下にノズルを表す記号が示されていれば、そのノズルは、2画素に1画素の割合でドットを形成することになる。同様に、偶数画素を示す「2」の下にノズルを表す記号が示されていれば、そのノズルは、2画素に1画素の割合でドットを形成することになる。
また、奇数画素又は偶数画素に対応付けられたノズルが2個の場合には、そのノズルはPOLノズルになるので、図中の「POL」との文字の下に、その2個のノズルの記号が示されている。例えば、1番目のラスタラインの偶数画素にはノズル♯10A及びノズル♯1Aが対応付けられており、これらのノズルはPOLノズルになるので、図中の右側の「POL」との文字の下に、ノズル♯10A及びノズル♯1Aを示す記号が記載されている。なお、言い換えると、「POL」との文字の下に2個のノズルを表す記号が示されていれば、その各ノズルは、4画素に1画素の割合でドットを形成することになる。
「POL」との文字の下に2個のノズルを表す記号が示されている場合、奇数画素を示す「1」の下、若しくは、偶数画素を示す「2」の下に、ノズルを表す記号が示されていない。仮に、奇数画素を示す「1」の下にノズルを表す記号が無い場合、POLノズルは、奇数画素にドットを形成することになる。例えば、9番目のラスタラインでは、POLノズルであるノズル♯12B及びノズル♯3Bは、奇数画素にドットを形成することになる。また、偶数画素を示す「2」の下にノズルを表す記号が無い場合、POLノズルは、偶数画素にドットを形成することになる。例えば、1番目のラスタラインでは、POLノズルであるノズル♯10A及びノズル♯1Aは、偶数画素にドットを形成することになる。
これまでの説明によって、図6Bの右側の記載を見れば、図6Aの右側に示すようにドットが形成されることは理解できるであろう。そこで、以下の説明では、図6Bの表記方法を用いて、ドットの形成の様子を説明することにする。また、図面のスペースの都合上、図6Bの右側の丸印や三角印の中の数字も省略することにする。
<第1ドット形成方法>
次に、紙の上端を印刷するための上端処理を行った後に通常処理を行うときのドット形成の様子を説明する。
図7は、第1ドット形成方法の説明図である。第1ドット形成方法では、パス1〜パス4において上端処理が行われ、パス5以降に通常処理が行われる。上端処理では、パスとパスとの間に行われる搬送動作において、1個のドット分の搬送量D(通常処理での搬送量よりも短い搬送量)にて紙が搬送される。
上端処理では、奇数番目のパスでは、各ノズルは、奇数番目のラスタラインの位置になる。奇数番目のパスの後、1個のドット分の搬送量にて紙が搬送されるため、偶数番目のパスでは、各ノズルは、偶数番目のラスタラインの位置になる。このように、上端処理においても、各ノズルの位置は、パスごとに交互に、奇数番目又は偶数番目のラスタラインの位置になる。
ところで、前述の通常処理では、各ノズル列によってそれぞれ千鳥格子状にドットを形成するために、あるパスにおける第1ノズル列42Aのドット形成位置と、第2ノズル列42Bのドット形成位置とを異ならせていた。例えば、第1ノズル列42Aが奇数画素にドットを形成するときには、第2ノズル列42Bは偶数画素にドットを形成していた。
これに対し、上端処理では、あるパスにおける第1ノズル列42Aのドット形成位置と、第2ノズル列42Bのドット形成位置とが同じである。例えば、パス1において、第1ノズル列42A及び第2ノズル列42Bは、両方とも奇数画素にドットを形成する。
もし仮に、上端処理において、通常処理と同じようにあるパスにおける第1ノズル列42Aのドット形成位置と、第2ノズル列42Bのドット形成位置とを異ならせた場合、奇数画素又は偶数画素の一方にドットを形成できなくなるおそれがある。これは、同じノズル列に属する複数のノズルのドット形成位置はどれも同じであり、同じノズル列に属する複数のノズルのドット形成位置を異ならせることができないためである。この結果、例えば、27番目のラスタラインを形成するパス3のノズル♯3Bとパス5のノズル♯9Aの両方とも奇数画素にドットを形成することになってしまい、27番目のラスタラインの偶数画素にドットを形成できるノズルがなくなる。
また、前述の通常処理では、各ノズル列によってそれぞれ千鳥格子状にドットを形成するために、あるパスと次のパスとの間で各ノズル列のドット形成位置を異ならせていた。例えば、あるパスにおいて第1ノズル列42Aが奇数画素にドットを形成し第2ノズル列42Bが偶数画素にドットを形成する場合、次のパスにおいて、第1ノズル列42Aは偶数画素にドットを形成し、第2ノズル列42Bは奇数画素にドットを形成していた。
これに対し、上端処理では、各ノズル列のドット形成位置は、奇数画素(パス1)→偶数画素(パス2)→偶数画素(パス3)→奇数画素(パス4)の順に変更される。つまり、上端処理では、必ずしも、あるパスと次のパスとの間で各ノズル列のドット形成位置が異ならないことがある。例えば、パス2及びパス3では、ドット形成位置は同じ偶数画素である。
もし仮に、上端処理において、通常処理と同じように各ノズル列のドット形成位置が奇数画素(パス1)→偶数画素(パス2)→奇数画素(パス3)→偶数画素(パス4)の順に交互に変更された場合、奇数画素又は偶数画素の一方にドットを形成できなくなるおそれがある。例えば、1番目のラスタラインを形成するパス1のノズル♯2Aとパス3のノズル♯1Aの両方とも奇数画素にドットを形成することになってしまい、1番目のラスタラインの偶数画素にドットを形成できるノズルがなくなる。
通常処理と上端処理に上記の相違がある理由は、通常処理では、各ノズル列によってそれぞれ千鳥格子状にドットを形成していたのに対し、上端処理では、4回のパスのうちの前半2回のパスで千鳥格子状にドットが形成され、その千鳥格子状のドットの間を埋めるように、後半2回のパスで千鳥格子状にドットが形成されるためである。
なお、上端処理において、前半2回のパスでは、第2ノズル列42Bはほとんど使用されていない。パス2で使用される第2ノズル列42Bの2個のノズルは、いずれも移行領域(後述)で用いられているだけである。そして、上端処理のパス3以降から、第2ノズル列42Bは、通常処理と同様に、ドット形成位置をパスごとに交互に変更することを開始している。(パス3以降から、第2ノズル列42Bのドット形成位置は、偶数画素→奇数画素→偶数画素→奇数画素→・・・の順に変更される。)このため、パス3以降から(通常処理の前から)、第2ノズル列42Bは千鳥格子状のドットの形成を開始することになる。
このように、第2ノズル列42Bのドット形成位置は、パス3以降から通常処理と同様な順になる。一方、上端処理では、通常処理での搬送量よりも短い搬送量でしか、紙が搬送されていない。この結果、仮にパス3において第2ノズル列42Bの全てのノズルからインクを吐出してしまうと、重複した位置にドットが形成されてしまう。
そこで、パス3では搬送方向上流側の4個のノズル(ノズル♯12B〜♯15B)からはインクが吐出されないようにしている。これにより、インクを吐出するノズルのうちの最も搬送方向上流側のノズルの搬送方向の位置が、パス3以降から、搬送方向の位置が9個のドット分(通常処理での搬送量に相当)だけパスごとに変化するようになる。この結果、第2ノズル列42Bは、パス3以降から、通常処理と同様に、千鳥格子状のドットの形成を開始することができる。
上記のドット形成方法により、1〜25番目までのラスタライン(紙の上端側のラスタライン)は、第1ノズル列42Aだけで形成されることになる。言い換えると、1〜25番目までのラスタラインを形成するときのノズル列の使用率は、第1ノズル列42Aが100%であり、第2ノズル列42Bは0%である。以下の説明では、1〜25番目のラスタラインの領域を「上端領域」と呼ぶ。
30番目のラスタラインよりも搬送方向上流側のラスタラインを形成するときの各ノズル列の使用率は、第1ノズル列42Aが50%であり、第2ノズル列42Bも50%である。以下の説明では、30番目のラスタラインよりも搬送方向上流側の領域を「通常領域」と呼ぶ。
上端領域と通常領域の間には、移行領域が存在する。この移行領域には、例えば26番目のラスタラインのように、第1ノズル列42Aの使用率が75%であり、第2ノズル列42Bの使用率が25%であるような、上端領域と通常領域の中間的な性質をもつラスタラインが存在する。この第1ドット形成方法では、移行領域は4個のラスタライン(26〜29番目のラスタライン)から構成される。
<第2ドット形成方法>
次に、第2ドット形成方法について説明する。第2ドット形成方法は、前述の第1ドット形成方法と比べて、上端処理における重複ノズル(ノズル♯12A〜ノズル♯15A、ノズル♯1B〜ノズル♯4B)の用い方が異なる。
図8は、第2ドット形成方法の説明に用いる仮想ノズル列の説明図である。ここでは、搬送方向の位置が重複する2個のノズル(例えばノズル♯12Aとノズル♯1B)を1個の四角印のノズルとして示している。2個のノズル列をこのような1個の仮想ノズル列にして、説明を行うことにする。
なお、四角印のノズルがドットを形成するとき、半分の割合で第1ノズル列42Aのノズルが用いられ、残り半分の割合で第2ノズル列42Bのノズルが用いられる。例えば、図中の右側に表されるように、ある四角印のノズルが4個のドットを形成するとき、2個のドットは第1ノズル列42Aのノズルで形成され、残りの2個のドットは第2ノズル列42Bのノズルで形成される。
図9は、第2ドット形成方法の説明図である。仮想ノズル列の重複ノズルは、太線で示されている。第2ドット形成方法も、第1ドット形成方法と同様に、パス1〜パス4において上端処理が行われ、パス5以降に通常処理が行われる。
通常処理は、前述の第1ドット形成方法と同じである。通常処理の場合、既に説明した通り、搬送方向の位置が重複する2個のノズル(第1ノズル列42Aのノズルと第2ノズル列42Bのノズル)のいずれか一方しか用いられず、他方は用いられない。例えば、ノズル♯12Aとノズル♯1Bのうち、ノズル♯12Aしか用いられず、ノズル♯1Bは用いられない(図4参照)。
一方、上端処理では、前述の第1ドット形成方法と比べて、重複ノズルの用い方が異なる。図中のパス1〜パス4の仮想ノズル列において重複ノズルが四角印で示されており、四角印の重複ノズルに対応付けられる画素にドットを形成するとき、半分の割合で第1ノズル列42Aのノズルが用いられ、残り半分の割合で第2ノズル列42Bのノズルが用いられる。
例えば23番目のラスタラインでは、偶数画素に対して四角印のノズル(パス3)が対応付けられている。このため、偶数画素の半分の画素に対して第1ノズル列42Aのノズル♯12Aがドットを形成し、偶数画素の残りの半分の画素に対して第2ノズル列42Bのノズル♯1Bがドットを形成する。この結果、23番目のラスタラインでは、4画素に3画素の割合で第1ノズル列42Aのノズルがドットを形成し、4画素に1画素の割合で第2ノズル列42Bのノズルがドットを形成する。つまり、ノズル使用率は、第1ノズル列42Aが75%であり、第2ノズル列42Bが25%である。
また、例えば22番目のラスタラインでは、偶数画素に対して四角印のノズル(パス2)と丸印のノズル(パス6)がPOLノズルとして対応付けられている。このため、偶数画素の半分の画素に対して、四角印のノズルが対応付けられていることになる。つまり、4画素に1画素の割合で、四角印のノズルが対応付けられている。この結果、22番目のラスタラインでは、8画素に7画素の割合で第1ノズル列42Aのノズルがドットを形成し、8画素に1画素の割合で第2ノズル列42Bのノズルがドットを形成する。つまり、ノズル使用率は、第1ノズル列42Aが87.5%であり、第2ノズル列42Bが12.5%である。
上端処理の重複ノズルの用い方を通常処理の重複ノズルの用い方と異ならせることによって、第2ドット形成方法の移行領域は、第1ドット形成方法の移行領域よりも、ラスタラインの数が増える。この第2ドット形成方法では、移行領域は9個のラスタライン(22〜30番目のラスタライン)から構成される。
<第3ドット形成方法>
次に、第3ドット形成方法について説明する。第3ドット形成方法では、上端処理と通常処理との間に移行処理がある点で、前述の第1ドット形成方法とは異なる(第2ドット形成方法とも異なる)。但し、第3ドット形成方法の重複ノズルの用い方は、前述の第1ドット形成方法と同様である。
図10は、第3ドット形成方法の説明図である。第3ドット形成方法では、パス1〜パス4において上端処理が行われ、パス5〜パス8において移行処理が行われ、パス9移行に通常処理が行われる。インクを吐出しないノズルが一部異なっているが、第3ドット形成方法の上端処理と通常処理は、前述の第1ドット形成方法と同じである。
移行処理の搬送動作では、3個のドット分の搬送量3Dにて紙が搬送される。この搬送量3Dは、上端処理の搬送量Dよりも長く、通常処理の搬送量9Dよりも短い。つまり、第3ドット形成方法では、上端処理から通常処理になるまでの間、徐々に搬送量が増えていくことになる。
移行処理では、上端処理と同様に、あるパスにおける第1ノズル列42Aのドット形成位置と、第2ノズル列42Bのドット形成位置とが同じである。例えば、パス5において、第1ノズル列42A及び第2ノズル列42Bは、両方とも奇数画素にドットを形成する。
また、移行処理では、上端処理と同様に、各ノズル列のドット形成位置が、奇数画素(パス5)→偶数画素(パス6)→偶数画素(パス7)→奇数画素(パス8)の順に変更される。つまり、移行処理では、必ずしも、あるパスと次のパスとの間で各ノズル列のドット形成位置が異ならないことがある。例えば、パス6及びパス7では、ドット形成位置は同じ偶数画素である。さらに、上端処理の最後のパスのドット形成位置と、移行処理の最初のパスのドット形成位置も、同じ奇数画素である。
また、移行処理のパス7以降から、第2ノズル列42Bは、通常処理と同様に、ドット形成位置をパスごとに交互に変更することを開始している(パス7以降から、第2ノズル列42Bのドット形成位置は、偶数画素→奇数画素→偶数画素→奇数画素→・・・の順に変更される。)このため、パス7以降から(通常処理の前から)、第2ノズル列42Bは千鳥格子状のドットの形成を開始することになる。
このように、第2ノズル列42Bのドット形成位置は、パス7以降から通常処理と同様な順になる。一方、移行処理では、通常処理での搬送量よりも短い搬送量でしか、紙が搬送されていない。この結果、仮にパス7において第2ノズル列42Bの全てのノズルからインクを吐出してしまうと、重複した位置にドットが形成されてしまう。
そこで、パス7では搬送方向上流側の4個のノズル(ノズル♯12B〜♯15B)からはインクが吐出されないようにしている。これにより、インクを吐出するノズルのうちの最も搬送方向上流側のノズルの搬送方向の位置が、パス7以降から、搬送方向の位置が9個のドット分(通常処理での搬送量に相当)だけパスごとに変化するようになる。この結果、第2ノズル列42Bは、パス3以降から、通常処理と同様に、千鳥格子状のドットの形成を開始することができる。
上記のような移行処理を行うことによって、第3ドット形成方法の移行領域は、第1ドット形成方法の移行領域よりも、ラスタラインの数が増える。この第3ドット形成方法では、移行領域は19個のラスタライン(28〜46番目のラスタライン)から構成される。
<第4ドット形成方法>
次に、第4ドット形成方法について説明する。第4ドット形成方法では、前述の第3ドット形成方法と同様に、移行処理を行っている。但し、第4ドット形成方法は、前述の第3ドット形成方法と比べて、上端処理及び移行処理における重複ノズル(ノズル♯12A〜ノズル♯15A、ノズル♯1B〜ノズル♯4B)の用い方が異なる。なお、第4ドット形成方法の重複ノズルの用い方は、前述の第2ドット形成方法と共通している。
図11は、第4ドット形成方法の説明図である。仮想ノズル列の重複ノズルは、太線で示されている。
上端処理では、前述の第3ドット形成方法と比べて、重複ノズルの用い方が異なる。図中のパス1〜パス4の仮想ノズル列において重複ノズルが四角印で示されており、四角印のノズルに対応付けられる画素にドットを形成するとき、半分の割合で第1ノズル列42Aのノズルが用いられ、残り半分の割合で第2ノズル列42Bのノズルが用いられる。
例えば30番目のラスタラインでは、偶数画素に対して四角印のノズル(パス6)が対応付けられている。このため、偶数画素の半分の画素に対して第1ノズル列42Aのノズル♯12Aがドットを形成し、偶数画素の残りの半分の画素に対して第2ノズル列42Bのノズル♯1Bがドットを形成する。この結果、30番目のラスタラインでは、4画素に3画素の割合で第1ノズル列42Aのノズルがドットを形成し、4画素に1画素の割合で第2ノズル列42Bのノズルがドットを形成する。つまり、ノズル使用率は、第1ノズル列42Aが75%であり、第2ノズル列42Bが25%である。
また、例えば24番目のラスタラインでは、奇数画素に対して四角印のノズル(パス4)と丸印のノズル(パス8)がPOLノズルとして対応付けられている。このため、奇数画素の半分の画素に対して、四角印のノズルが対応付けられていることになる。つまり、4画素に1画素の割合で、四角印のノズルが対応付けられている。この結果、24番目のラスタラインでは、8画素に7画素の割合で第1ノズル列42Aのノズルがドットを形成し、8画素に1画素の割合で第2ノズル列42Bのノズルがドットを形成する。つまり、ノズル使用率は、第1ノズル列42Aが87.5%であり、第2ノズル列42Bが12.5%である。
上端処理及び移行処理の重複ノズルの用い方を通常処理の重複ノズルの用い方と異ならせることによって、第4ドット形成方法の移行領域は、第3ドット形成方法の移行領域よりも、ラスタラインの数が増える。この第4ドット形成方法では、移行領域は23個のラスタライン(24〜46番目のラスタライン)から構成される。
<比較(1)>
まず、移行領域のラスタラインの数を比較する。
図12A〜図12Dは、ノズル使用率のグラフである。図12A(左上)は、第1ドット形成方法のノズル使用率のグラフである。図12B(左下)は、第2ドット形成方法のノズル使用率のグラフである。図12C(右上)は、第3ドット形成方法のノズル使用率のグラフである。図12D(左下)は、第4ドット形成方法のノズル使用率のグラフである。
グラフの横軸は、ラスタ番号である。グラフの縦軸は、第1ノズル列42Aの使用率である。いずれのドット形成方法においても、上端領域では第1ノズル列42Aの使用率は100%であり、通常領域では第1ノズル列42Aの使用率は50%になる。なお、グラフ中の点は、2個のラスタラインにおける使用率の平均値である。
第1ドット形成方法(図12A)と第2ドット形成方法(図12B)とを比較すると、第2ドット形成方法の方が、移行領域のラスタラインの数が多い。また、第3ドット形成方法(図12C)と第4ドット形成方法(図12D)とを比較すると、第4ドット形成方法の方が、移行領域のラスタラインの数が多い。このように、上端処理や移行処理における重複ノズルの用い方を、通常処理における重複ノズルの用い方と異ならせることによって、移行領域のラスタラインの数を増やすことができる。言い換えると、通常処理では用いられないノズル(ノズル♯14A、ノズル♯15A、ノズル♯1B、ノズル♯2B)を上端処理や移行処理のときに用いることによって、移行領域のラスタラインの数を増やすことができる。
第1ドット形成方法(図12A)と第3ドット形成方法(図12C)とを比較すると、第3ドット形成方法の方が、移行領域のラスタラインの数が多い。また、第2ドット形成方法(図12B)と第4ドット形成方法(図12D)とを比較すると、第4ドット形成方法の方が、移行領域のラスタラインの数が多い。このように、上端処理と通常処理との間に移行処理を行うことによって、移行領域のラスタラインの数を増やすことができる。
移行領域のラスタラインの数が増えると、画質が向上すると考えられる。以下、この理由を説明する。
上端領域では、第1ノズル列42Aのみによってラスタラインが形成される。このため、上端領域では、第1ノズル列42Aの特性を強く反映した画質になる。例えば、製造誤差によって第1ノズル列42Aから吐出されるインク量が多い場合、上端領域は濃い画像になる。一方、通常領域では、第1ノズル列42Aと第2ノズル列42Bの両方の特性を反映した画質になる。例えば、製造誤差によって第1ノズル列42Aから吐出されるインク量が多くても、第2ノズル列42Bから吐出されるインク量が少なければ、通常領域の画像は上端領域の画像よりも濃くならないで済む。このように、上端領域の画質と通常領域の画質は、異なる画質になる。
移行領域のラスタラインの数が少ない場合、2つの領域が近接するため、上端領域の画質と通常領域の画質との差が目立ちやすくなる。一方、移行領域には上端領域と通常領域の中間的な性質をもつラスタライン(例えば第1ノズル列42Aの使用率が75%のラスタライン)が存在するので、移行領域のラスタラインの数が多い場合、上端領域の画質と通常領域の画質との差が目立ちにくくなる。
以上説明した通り、移行領域のラスタラインの数が増えると、画質が向上すると考えられる。このため、第2ドット形成方法は、第1ドット形成方法よりも画質が良い。また、第4ドット形成方法は、第3ドット形成方法よりも画質が良い。また、第3ドット形成方法は、第1ドット形成方法よりも画質が良い。また、第4ドット形成方法は、第2ドット形成方法よりも画質が良い。
<比較(2)>
次に、移行領域での使用率の状態を比較する。
第3ドット形成方法(図12C)と第4ドット形成方法(図12D)の移行領域での使用率の変化を比較すると、第4ドット形成方法の方が徐々に変化している。言い換えると、第4ドット形成方法では、移行領域のラスタラインのうち、上端領域に近いラスタラインにおける第1ノズル列42Aの使用率ほど100%に近い値になり、通常領域に近いラスタラインにおける第1ノズル列42Aの使用率ほど50%に近い値になる。これに対し、第3ドット形成方法では、このような傾向はほとんどない。なお、移行領域が狭いために把握しにくいが、第1ドット形成方法(図12A)と第2ドット形成方法(図12B)の移行領域での使用率の変化を比較すると、第2ドット形成方法の方が徐々に変化する。このように、上端処理や移行処理における重複ノズルの用い方を、通常処理における重複ノズルの用い方と異ならせることによって、移行領域での使用率を徐々に変化させることができる。
第2ドット形成方法(図12B)と第4ドット形成方法(図12D)の移行領域での使用率の変化を比較すると、第4ドット形成方法の方が徐々に変化している。なお、移行領域が狭いために把握しにくいが、第1ドット形成方法と第3ドット形成方法の移行領域での使用率の変化を比較すると、第3ドット形成方法の方が徐々に変化する。このように、上端処理と通常処理との間に移行処理を行うことによって、移行領域での使用率を徐々に変化させることができる。
移行領域において第1ノズル列42Aの使用率が徐々に変化する場合、移行領域の画質が、上端領域に近い画質から通常領域に近い画質へと徐々に変化することになる。この結果、上端領域の画質と通常領域の画質との差が目立ちにくくなり、印刷画像全体の画質が良くなる。このため、第4ドット形成方法は、第3ドット形成方法よりも画質が良い。また、第2ドット形成方法は、第1ドット形成方法よりも画質が良い。また、第4ドット形成方法は、第2ドット形成方法よりも画質が良い。また、第3ドット形成方法は、第1ドット形成方法よりも画質が良い。
<実際の使用率>
上記の図12A〜図12Dは、各ノズル列のノズル数が15個の場合の使用率のグラフであるが、実際のノズル列のノズル数は180個である。
図13は、ノズル数が180個のノズル列を用いて第4ドット形成方法を行ったときの第1ノズル列42Aの使用率のグラフである。このように、ノズル数が増えると、移行領域での使用率が徐々に変化する様子が明確になる。
なお、プリンタドライバは、図に示された使用率のデータを使用率テーブルとして予め備えている。また、ドット形成方法が異なればラスタ番号が同じであっても使用率が異なるので、プリンタドライバは、ドット形成方法ごとにそれぞれ使用率テーブルを備えている。
この使用率テーブルは、色むら補正の際に用いられることになる。
===第1実施形態の色むら補正===
ノズル列の製造誤差などの影響のため、各ノズル列から吐出されるインク量は均一ではない。このため、基準量よりも多い量のインクを吐出するノズル列は濃く印刷してしまい、基準量よりも少ない量のインクを吐出するノズル列は淡く印刷してしまい、印刷された画像に色むらが生じるおそれがある。
そこで、以下の色むら補正処理によって、各ラスタラインを構成するドットを増減させて、印刷される画像の色むらを抑制している。以下、色むら補正処理の手順について説明する。
<色むら補正値取得処理>
図14は、プリンタの製造工場内において行われる色むら補正値の取得処理の説明図である。プリンタの製造工場には、補正値取得用のコンピュータと測色器が用意されている。測色器は、予めコンピュータに接続されている。工場でプリンタが製造されると、そのプリンタは補正値取得用のコンピュータに接続される。図中のコンピュータ内に描かれた各モジュールは、ソフトウェア及びハードウェアによって実現される。
まず、コンピュータの印刷モジュールが、テストパターン印刷用データに基づいて、印刷データを生成し、プリンタに送信する。この印刷モジュールは、いわゆるプリンタドライバと同等のものである。テストパターン印刷用のデータは、コンピュータのメモリに予め格納されている。
次に、印刷データを受信したプリンタはテストパターンを印刷し、測定者は、印刷されたテストパターンを測色器によって測色する。テストパターンには多数のパッチパターンが形成されており、制御モジュールは、測色器から各パッチパターンの測色結果を取得する。
次に、補正値計算モジュールが、測色結果と予め記憶された基準色データとを比較して、色むら補正値を計算する。
最後に、書込モジュールが、プリンタのメモリに色むら補正値を書き込む。プリンタは、色むら補正値をメモリに格納した状態で、工場から出荷される。
図15は、色むら補正値の説明図である。第1ノズル列群及び第2ノズル列群のそれぞれに、色むら補正値がそれぞれ用意されている。また、各ノズル列群のノズル列ごとに(インク色ごとに)、3種類(小ドット、中ドット、大ドット)の色むら補正値が用意されている。
補正値が「100」の場合、基準量と同じインク量がノズルから吐出されることを意味する。例えば、第2ノズル列群のシアンのノズル列は、小ドットを吐出するとき、基準量と同じインク量を吐出する。
補正値が100以上の場合、基準量よりも多いインク量がノズルから吐出されることを意味する。例えば、第1ノズル列群のシアンのノズル列は、小ドットを吐出するとき、基準量よりも多いインク量を吐出する。このため、このノズル列がドットを形成すると、濃い画像になる。
補正値が100以下の場合、基準量よりも少ないインク量がノズルから吐出されることを意味する。例えば、第1ノズル列群のシアンのノズル列は、大ドットを吐出するとき、基準量よりも少ないインク量を吐出する。このため、このノズル列がドットを形成すると、淡い画像になる。
なお、上記の説明ではテストパターンを測色することによって色むら補正値を取得しているが、これに限られるものではない。例えば、吐出されたインク滴のインク量を直接計測することによって、図15と同様の色むら補正値を取得しても良い。
<印刷時の処理>
図16は、ユーザの下での印刷処理時のブロック図である。図17は、プリンタドライバ及びプリンタ側のコントローラ60が行う処理のフロー図である。プログラムであるプリンタドライバは、コンピュータ110のハードウェア(CPUやメモリ等)と協働して、図16の各モジュールや図17の各処理を実現する。また、プリンタ側のコントローラ60は、メモリ63に記憶されたプログラムと協働して、図16の各モジュールや図17の各処理を実現する。
まず、プリンタドライバは、解像度変換処理を行う(S101)。解像度変換処理は、アプリケーションから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する解像度(印刷解像度)の画像データに変換する処理である。例えば、印刷解像度が1440×720dpiに指定されている場合、アプリケーションから受け取ったベクター形式の画像データを1440×720dpiの解像度の画像データに変換する。解像度変換処理後の画像データの各画素データは、RGB色空間の256階調の階調値を示すデータである。
なお、解像度変換後の画像データの示す画像は、マトリクス状に配置された画素から構成されている。各画素はRGB色空間の256階調の階調値を有している。解像度変換後の画素データは、対応する画素の階調値を示すものである。マトリクス状に配置された画素のうちの横方向に並ぶ一列分の画素に対応する画素データのことを、以下の説明では「ラスタデータ」と呼ぶことがある。なお、ラスタデータの対応する画素の並ぶ方向は、画像を印刷するときのノズル列の移動方向と対応している。
次に、プリンタドライバは、色変換処理を行う(S102)。色変換処理は、RGB色空間のデータを、プリンタのインクの色に対応した色空間のデータに変換する処理である。色変換処理後の画素データは、C・M・Y・K・LC・LM・LK・LLKの8次元の色空間により表される256階調の階調値を示すデータである。
次に、プリンタドライバは、ハーフトーン処理を行う(S103)。ハーフトーン処理は、256階調の画素データを、プリンタが形成可能な階調数である4階調の画素データに変換する処理である。ハーフトーン処理後の4階調の画素データは、対応する画素に形成するドットの大きさを示すデータとなる。具体的には、大ドット・中ドット・小ドット・ドット無しのいずれかを示すデータになる。このため、ハーフトーン処理後の画像データは、ドットによって構成される印刷画像を示している。
なお、プリンタドライバは、ハーフトーン処理の際にドット生成率テーブルを用いる。このドット生成率テーブルは、256階調のそれぞれの階調値に対し、ドットの生成される確率(ドット生成率)を示すデータテーブルである。例えば、ドット生成率テーブルにおいて、階調値20に対して小ドットの生成率40%、中ドット・大ドットの生成率0%が対応付けられている場合、ある画素データの256階調の階調値が20であれば、ハーフトーン処理の結果、その画素データは、40%の確率で小ドットを示す画素データ(4階調)に変換され、60%の確率でドット無しを示す画素データ(4階調)に変換される。
次に、プリンタドライバは、ハーフトーン処理された画素データにコマンドデータを付加して印刷データを生成し(S104)、印刷データをプリンタに送信する(S105)。
次に、プリンタ側のコントローラ60は、プリンタドライバから印刷データを受信する(S106)。コントローラ60は、以下の処理を行うことによって、印刷データ中のコマンドデータに従って各ユニットを制御し、印刷データ中の画素データに従って各ノズルからインクを吐出することによって、紙上の画素にドットを形成させ画像を印刷させる。
次に、コントローラ60は、ラスタデータを抽出する(S107)。詳しく言うと、ある色(例えばシアン)の画像データの中から、横方向に並ぶ一列分の画素に対応する画素データを抽出する。既にハーフトーン処理が行われているので、抽出されたラスタデータは、ラスタラインを構成するドットを示している。
次に、コントローラ60は、抽出したラスタデータに対し、色むら補正処理を行う(S108)。後述するとおり、色むら補正処理によって、ドットを形成することを示す画素データの数が増減する。
次に、コントローラ60は、全てのラスタデータに対して色むら補正処理が終了したか否かを判断する(S109)。例えば、シアンの別のラスタデータがある場合にはNOと判断され、別の色のラスタデータがある場合にもNOと判断される。
本実施形態では、既にハーフトーン処理(S103)された画像データに対してS107〜S109の処理を繰り返し行うことになる。言い換えると、本実施形態では、既にハーフトーン処理(S103)された画像データに対して色むら補正処理を施すことになる。ハーフトーン処理としてディザ法や誤差拡散法などの様々な手法があるが、本実施形態では、ハーフトーン処理の手法に依存せずに、単にハーフトーン処理後のドットの並び方だけに着目して、色むら補正処理(後述)を行うことが可能になる。なお、プリンタドライバの開発はプリンタの開発とは別々に行われることがあるため、ハーフトーン処理の手法に依存しないで色むら補正処理を行うことができれば、プリンタドライバの開発の際に有利である。
次に、コントローラ60は、ラスタライズ処理を行う(S110)。ラスタライズ処理は、画像データの中から、各パスのドット形成対象となる画素の画素データを抽出し、パスごとに画素データを並べ替える処理である。例えば、図11の第4ドット形成方法の場合であれば、パス1のドット形成対象となる画素の画素データとして、1、3、5、7番目のラスタラインの奇数画素の画素データが抽出されることになる。
最後に、コントローラ60は、印刷処理を行う(S111)。より詳しく言うと、コントローラ60は、印刷データ中のコマンドデータに従って各ユニットを制御し、パスごとに並び替えられた画素データに従って各ノズルからインクを吐出することによって、前述の第1〜第4ドット形成方法のいずれかを実現させ、紙上の画素にドットを形成させ画像を印刷させる(S111)。
<色むら補正処理>
図18は、第1実施形態の色むら補正処理のフロー図である。
まずコントローラ60は、該当する色の色むら補正値を取得する(S201)。例えば、シアンの画像データのラスタデータに対して色むら補正処理を行うときには、シアンの色むら補正値を取得する。このとき、コントローラ60は、第1ノズル列42Aに対する色むら補正値、及び、第2ノズル列42Bに対する色むら補正値の両方とも取得する。ここでは、図19に示す色むら補正値をコントローラ60が取得したものとして説明する。
次に、コントローラ60は、使用率テーブル(図13参照)に基づいて、S107で抽出されたラスタデータに対応するラスタ番号の使用率のデータを取得する(S202)。仮に、ラスタデータに対応するラスタラインが上端領域に属していれば、第1ノズル列42Aの使用率は1になり(100%になり)、第2ノズル列42Bの使用率は0になる(0%になる)。また、ラスタデータに対応するラスタラインが通常領域に属していれば、第1ノズル列42Aの使用率は0.5になり(50%になり)、第2ノズル列42Bの使用率も0.5になる(50%になる)。ラスタ番号と使用率との関係は、ドット形成方法が決まれば一義的に決まるものである。
なお、本実施形態によれば、上端領域と通常領域との間に移行領域があり、この移行領域には、第1ノズル列42Aの使用率が0.5から1の間になるラスタラインが存在する。例えば第1ノズル列42Aの使用率が0.75(75%)となるようなラスタラインが移行領域に存在する。
上記の通り、ラスタ番号が決まれば各ノズル列の使用率は一義的に決定されるが、後述する図20及び図21には、第1ノズル列42Aの使用率が0.5〜1までの間を0.1刻みで記載している。
次に、コントローラ60は、ラスタデータを解析し、大ドット・中ドット・小ドットを示す画素データの数をそれぞれカウントする(S203)。ここでは説明を簡潔にするために、いずれの大きさのドットも10000個であるものとする。
次に、コントローラ60は、色むら補正値及び使用率データに基づいて、吐出されるインク量の期待値である期待インク量を算出する(S204)。
図20は、期待インク量の説明図である。コントローラ60は、まず、ラスタラインの特性の期待値である期待特性を算出する。期待特性は、色むら補正値をノズル列使用率で重み付けをした値として算出される。コントローラ60は、大ドット・中ドット・小ドットのそれぞれの期待特性を算出する。例えば、あるラスタラインの第1ノズル列42Aの使用率が0.7の場合、小ドットの期待特性は、97.4%(=95%×0.7+103%×0.3)と算出される。次に、コントローラ60は、期待特性に基づいて、期待インク量を算出する。期待インク量は、基準量と期待特性との積により算出される。コントローラ60は、大ドット・中ドット・小ドットのそれぞれの期待インク量を算出する。例えば、あるラスタラインの小ドットの期待特性が97.4%の場合、基準量が5ngなので、期待インク量は、4.87ng(=5ng×0.974)と算出される。
次に、コントローラ60は、カウントされたドット数と期待インク量とに基づいて、削除又は追加すべきドット数を算出する(S205)。
図21は、削除又は追加すべきドット数の説明図である。ここでは、小ドット(基準量5ng)の期待インク量が4.87ngの場合(第1ノズル列42Aの使用率が0.7の場合)について説明する。
このラスタラインには本来であれば10000個の小ドットが形成されるはずであるが、期待インク量が基準量よりも少ない4.87ngであるため、10000個の小ドットしか形成しないとすると、そのラスタラインに吐出されるインク量は少なくなる。一方、期待インク量が4.87ngであっても、10267個の小ドットを形成すれば、そのラスタラインに吐出されるインク量は、本来吐出すべきインク量(50000ng)とほぼ同じになる。そこで、コントローラ60は、このラスタラインに形成する小ドットを267個追加すると決定する。すなわち、コントローラ60は、「基準量×カウント数÷期待インク量」に応じたドット数を、そのラスタラインに形成する。言い換えると、コントローラ60は、「基準量×カウント数÷期待インク量」から「カウント数」を引いた値に相応するドット数を増減させる。コントローラ60は、小ドットだけではなく、中ドットや大ドットに対しても、同様の計算を行って、削除又は追加すべきドット数を算出する。
次に、コントローラ60は、ドット数増減処理を行う(S206)。ドット数増減処理は、ドットを形成することを示す画素データの数を増減させる処理である。
図22は、ドット数増減処理のフロー図である。コントローラ60は、まず小ドットに対して図中のドット数増減処理を行い、小ドットに対するドット数増減処理の後、中ドット、大ドットの順にドット数増減処理を行う。
まず、コントローラ60は、位置Xを初期値に設定する(S301)。なお、位置Xは、ラスタラインにおける画素の位置(注目画素の位置)を示す値である。ここでは、位置Xの値が大きいほど、右側に位置するものとする。そして、S302において、位置Xはラスタラインの左端の位置を示す値になる。S303の判断は、最初はNOになる。
次に、コントローラ60は、位置Xにドットがあるか否かを判断する(S304)。言い換えると、コントローラ60は、注目画素に対応する画素データの階調値(4階調)がドット形成を示す値か否かを判断する。なお、例えば小ドットを増減させる場合には、位置Xに小ドットがあるか否かを判断する。位置Xにドットが無い場合(S304でNO)、S302に処理が戻り、位置Xが1つインクリメントされる(注目画素が1つ右側の画素になる)。位置Xにドットがある場合(S304でYES)、コントローラ60は、0〜1の範囲で乱数を発生する。
乱数を発生させた後、コントローラ60は、乱数値が閾値以下か否かを判断する(S306)。なお、閾値は、変更ドット数(削除又は追加すべきドット数)をラスタラインの全ドット数(カウント値)で割った値である。つまり、このドット数増減処理をあるラスタデータに対して行うとき、S306でYESと判断される回数は、変更ドット数とほぼ同数になる。
次に、コントローラ60は、ドットを追加するのか削除するのかを判断する(S307)。コントローラ60は、図21に示されたドット数がマイナスであればNOと判断し、プラスであればYESと判断する。
コントローラ60は、ドットを削除すると判断した場合(S307でNO)、位置Xのドットを削除する(S308)。言い換えると、コントローラ60は、注目画素に対応する画素データの階調値を、ドット無しを示す階調値に変更する。
図23Aは、ドットを削除した結果の説明図である。ここでは説明の簡略化のため、ラスタラインを構成するドットは、全て同じ大きさのドットであるものとする。図中の矢印は注目画素の位置を示している。この図のようにドットを削除することによって、ラスタライン形成時に吐出されるインクの量が少なくなるように補正される。この結果、補正しなければ濃く形成されるはずのラスタラインを淡く補正し、ラスタラインの濃度を目標とする濃度に近づけることができる。
なお、本実施形態によれば、削除するドットの位置を乱数値で決定しているため、ドットが削除される位置がランダムになるので、削除されるドットの位置は偏らない。このため、本実施形態によれば、削除されるドットの位置が偏ってしまう場合と比べて、補正後の画質が向上する。
コントローラ60は、ドットを追加すると判断した場合(S307でYES)、位置Xの右側にドットを追加する(S309)。言い換えると、コントローラ60は、注目画素の右側の画素に対応する画素データの階調値を、小ドットを追加するのであれば小ドットを示す階調値に変更する。なお、位置Xの右側に既にドットがある場合には、コントローラ60は、さらに右側にドットを追加する。
図23Bは、ドットを追加した結果の説明図である。図中の矢印は注目画素の位置を示し、図中の太線のドットは追加ドットを示している。この図のようにドットを追加することによって、ラスタライン形成時に吐出されるインクの量が多くなるように補正される。この結果、補正しなければ淡く形成されるはずのラスタラインを濃く補正し、ラスタラインの濃度を目標とする濃度に近づけることができる。
なお、本実施形態によれば、追加するドットの位置を乱数値で決定しているため、ドットが追加される位置がランダムになるので、追加されるドットの位置は偏らない。これにより、本実施形態によれば、追加されるドットの位置が偏ってしまう場合と比べて、補正後の画質が向上する。
また、本実施形態によれば、補正前から既にドットのある位置を基準にして、その右側に隣接してドットが追加される。つまり、追加ドットは、既にドットのある位置付近に形成され、ドットが存在しない位置には形成されない。これにより、ドット形成が望ましくない位置(例えば、画像の白色の部分)にドットが追加されることを避けることができる。
更に、本実施形態によれば、補正前から既にドットのある位置を基準にして、その中からランダムにドットの追加される位置が決定される。この結果、本実施形態によれば、複数のドットが追加されるとき、ドットが密集している場所ほど、多くのドットが追加されるようになる。これにより、補正前の画像の濃淡を損なわずに、ドットを追加することができる。もし仮に、ドットのある位置を基準にするのではなく、ラスタラインの全画素の中からランダムにドットの追加される位置が決定されてしまうと、ドットの密集具合に関わらず均等にドットが追加されるため、補正前の画像の濃淡を損なうおそれがある。また、もし仮に、ドットの無い位置の中からランダムにドットの追加される位置が決定されてしまうと、画像の淡い部分に多くのドットが追加されてしまい、画質が劣化してしまう。
コントローラ60は、S308の処理又はS309の処理の後、S302に処理を戻す。そして、コントローラ60は、注目画素の位置が最終位置(右端の位置)になるまで、上記の処理(S302〜S309)を繰り返す。そして、注目画素の位置が最終位置になれば(S303でYES)、コントローラ60は、そのラスタラインに対するドット数増減処理を終了し(S206)、色むら補正処理を終了する。
<色むら補正処理の効果>
ここでは、第1ノズル列42Aからは基準量よりも多いインク量が吐出され、第2ノズル列42Bからは基準量よりも少ないインク量が吐出されるものとして、色むら補正処理の効果の例を説明する。
上端領域では、既に説明した通り、第1ノズル列42Aだけでラスタラインが形成される。このため、仮に色むら補正処理を行わなければ、上端領域は、第1ノズル列42Aの特性をそのまま反映した画質になるため、濃い画像になる。一方、色むら補正処理が行われると(S108)、上端領域に属するラスタラインを構成するドットが削除される。この結果、補正後の画素データ(4階調)に従ってドットが形成されれば、ラスタラインに吐出されるインクの量が少なく補正され、元の画素データ(256階調)の示す階調値の濃度で画像を上端領域に印刷することができる。
通常領域や移行領域では、ノズル列の使用率を考慮して階調値(4階調)が補正される。すなわち、コントローラ60は、各ラスタラインにおけるノズル列の使用率を考慮して期待インク量を算出し、期待インク量に基づいて、各ラスタラインを構成するドットを削除又は追加する。これにより、ラスタラインに吐出されるインク量が補正され、元の画素データ(256階調)の示す階調値の濃度で画像を印刷することができる。
ところで、上記の色むら補正処理を行った場合、色むらは改善されるものの、色むらを完全に補正できるわけではない(理論的には色むらを補正できても、実際の装置を用いた実験では色むらを完全に補正することはできない)。つまり、補正前の画素データ(256階調)の示す階調値の濃度と、実際に印刷された画像の濃度が、完全に一致していない。
図24Aは、色むらを完全に補正できない場合の比較例の説明図である。図24Bは、色むらを完全に補正できない場合の本実施形態の説明図である。図中の横軸はラスタ番号であり、図中の横軸は濃度である。比較例では、本実施形態とは異なるドット形成方法が行われており、移行領域がない。
図24A及び図24Bのいずれにおいても、色むら補正処理が行われた結果、上端領域の濃度と、通常領域の濃度との差が小さくなっている。このため、色むら補正処理によって、上端領域の画質と通常領域の画質との差が目立ちにくくなる。
但し、比較例では移行領域がないため、濃度の差は改善されてはいるが、上端領域と通常領域とのつなぎ目において急減に濃度が変化してしまう。このように急激に濃度が変化してしまうと、上端領域の画質と通常領域の画質との差が視認されやすくなってしまう。
一方、本実施形態では、移行領域が形成されており、移行領域には上端領域と通常領域の中間的な性質をもつラスタライン(例えば第1ノズル列42Aの使用率が75%のラスタライン)が存在する。更に、上端処理や移行処理における重複ノズルの用い方を、通常処理における重複ノズルの用い方と異ならせることによって、移行領域での使用率を徐々に変化させることができる。この結果、移行領域のラスタラインのうち、上端領域に近いラスタラインにおける第1ノズル列42Aの使用率ほど100%に近い値になり、通常領域に近いラスタラインにおける第1ノズル列42Aの使用率ほど50%に近い値になる。このような移行領域を形成する印刷時に前述の色むら補正処理が行われると、図24Bのような濃度分布になる。
図24Bに示すように、移行領域での濃度では、上端領域の濃度と通常領域の濃度の中間的な濃度となる。また、移行領域では、上端領域に近いほど上端領域の濃度に近い濃度になり、通常領域に近いほど通常領域の濃度に近い濃度になり、徐々に濃度が変化する。
このように、本実施形態によれば、たとえ色むら補正処理によって色むらを完全に補正できないときにも、急激に濃度が変化する箇所がなくなるので、濃度の変化が視認し難くなる。この結果、印刷された画像の画質が向上する。
===第2実施形態の色むら補正===
第1実施形態の色むら補正では、ドットを削除したり、ドットの無い場所にドットを追加したりしている。一方、第2実施形態では、ドットの削除や追加ではなく、ドットの大きさを変更することによって、吐出されるインク量を補正し、色むらを補正している。第2実施形態では、第1実施形態の印刷時の処理のうちの図17の色むら補正処理(S108)の内容が異なっている。他の処理(例えば、解像度変換処理等)は第1実施形態とほぼ同じなので、ここでは説明を省略する。
図25は、第2実施形態の色むら補正処理のフロー図である。この図のS401〜S404の処理は、第1実施形態の図18のS201〜S204と同じ処理なので、説明を省略する。
期待インク量を算出した後、コントローラ60は、期待インク量に基づいてドットサイズの変更方向を決定する(S405)。
図26は、ドットサイズの変更方向の対照表である。例えば大ドットの期待インク量が基準量(20ng)よりも大きければ、コントローラ60は、大ドットを中ドットに変更することを決定する。また、例えば中ドットの期待インク量が基準量(10ng)よりも小さければ、コントローラ60は、中ドットを大ドットに変更することを決定する。なお、大ドットの期待インク量が基準量(20ng)よりも小さい場合、大ドットよりも大きなドットは無いので、コントローラ60は、大ドットのサイズを変更するのではなく、大ドットを追加することを決定する。同様に、小ドットの期待インク量が基準量(5ng)よりも大きい場合、小ドットよりも小さなドットは無いので、コントローラ60は、小ドットのサイズを変更するのではなく、小ドットを削除することを決定する。
次に、コントローラ60は、1ドットのサイズを変更したときのインク量の変化量(変更インク量)を算出する(S406)。言い換えると、コントローラ60は、ドットサイズ間のインク量の差をそれぞれ算出する。
図27は、変更インク量の説明図である。大ドットから中ドットに変更する場合、又は、中ドットから大ドットに変更する場合、変更インク量は、大ドットの期待インク量と中ドットの期待インク量との差として算出される。また、中ドットから小ドットに変更する場合、又は、小ドットから中ドットに変更する場合、変更インク量は、中ドットの期待インク量と小ドットの期待インク量との差として算出される。なお、大ドットを追加する場合には、変更インク量は、大ドットの期待インク量となる。また、小ドットを削除する場合には、変更インク量は、小ドットの期待インク量となる。
次に、コントローラ60は、ドットの大きさを変更すべきドット数(変更ドット数)を算出する(S407)。ここでは、各ノズル列の特性が図19の通りであり、第1ノズル列の使用率が0.7の場合(小ドットの期待インク量が4.87ng、中ドットの期待インク量が10.12ng、大ドットの期待インク量が19.88ng)を例にして、説明を行う。
図28は、変更ドット数の計算例である。ここでは説明を簡潔にするため、S403でのカウント値が、いずれの大きさのドットも10000個であるものとする。
このラスタラインには本来であれば10000個の小ドットが形成されるはずであるが、期待インク量が基準量よりも少ない4.87ngであるため、10000個の小ドットしか形成しないとすると、そのラスタラインに吐出されるインク量は少なくなる。一方、期待インク量が4.87ngであっても、10000個のうちの248個の小ドットを中ドットに変更すれば、そのラスタラインに吐出されるインク量は、本来吐出すべきインク量(50000ng)とほぼ同じになる。そこで、コントローラ60は、このラスタラインに形成する10000個の小ドットのうちの248個を中ドットに変更すると決定する。すなわち、コントローラ60は、「(基準量−期待インク量)×カウント値」を「変更インク量」で割った値に相当するドット数の小ドットを中ドットに変更する。コントローラ60は、小ドットだけではなく、中ドットや大ドットに対しても、同様の計算を行って、中ドットを小ドットに変更するドット数、及び、追加する大ドットのドット数を算出する。
次に、コントローラ60は、ドットサイズ変更処理を行う(S408)。ドットサイズ変更処理は、所定のサイズのドットを形成することを示す画素データの階調値を、別のサイズのドットを形成することを示す画素データの階調値に変更させる処理である。
図29は、ドットサイズ変更処理のフロー図である。コントローラ60は、まず小ドットに対して図中のドットサイズ変更処理を行い、小ドットに対するドットサイズ変更処理の後、中ドット、大ドットの順にドットサイズ変更処理を行う。
まず、コントローラ60は、位置Xを初期値に設定する(S501)。なお、位置Xは、ラスタラインにおける画素の位置(注目画素の位置)を示す値である。ここでは、位置Xの値が大きいほど、右側に位置するものとする。そして、S502において、位置Xはラスタラインの左端の位置を示す値になる。S303の判断は、最初はNOになる。
次に、コントローラ60は、位置Xにドットがあるか否かを判断する(S504)。言い換えると、コントローラ60は、注目画素に対応する画素データの階調値(4階調)がドット形成を示す値か否かを判断する。なお、小ドットに対するドットサイズ変更処理を行っている場合には、位置Xに小ドットがあるか否かを判断する。位置Xにドットが無い場合(S504でNO)、S502に処理が戻り、位置Xが1つインクリメントされる(注目画素が1つ右側の画素になる)。位置Xにドットがある場合(S504でYES)、コントローラ60は、0〜1の範囲で乱数を発生する。
乱数を発生させた後、コントローラ60は、乱数値が閾値以下か否かを判断する(S506)。なお、閾値は、変更ドット数をラスタラインの全ドット数(カウント値)で割った値である。つまり、このドットサイズ変更処理をあるラスタデータに対して行うとき、S506でYESと判断される回数は、変更ドット数とほぼ同数になる。
次に、コントローラ60は、ドットの変更方向を判断する(S507)。このとき、コントローラ60は、図25のS405で決定した変更方向に基づいて、判断を行う。
コントローラ60は、ドットを削除すると判断した場合、位置Xのドットを削除する(S308)。言い換えると、コントローラ60は、注目画素に対応する画素データの階調値を、ドット無しを示す階調値に変更する。この結果、ラスタライン形成時に吐出されるインクの量が少なくなるように補正され、補正しなければ濃く形成されるはずのラスタラインを淡く補正することができ、ラスタラインの濃度を目標とする濃度に近づけることができる。
また、コントローラ60は、ドットを追加すると判断した場合、位置Xの右側にドットを追加する(S509)。言い換えると、コントローラ60は、注目画素の右側の画素に対応する画素データの階調値を、大ドットを示す階調値に変更する。なお、位置Xの右側に既にドットがある場合には、コントローラ60は、さらに右側に大ドットを追加する。この結果、ラスタライン形成時に吐出されるインクの量が多くなるように補正され、補正しなければ淡く形成されるはずのラスタラインを濃く補正することができ、ラスタラインの濃度を目標とする濃度に近づけることができる。
また、コントローラ60は、ドットのサイズを変更すると判断した場合、位置Xのドットのサイズを変更する(S510)。言い換えると、コントローラ60は、注目画素に対応する画素データの階調値を、別の大きさのドットを示す階調値に変更する。例えば図28に示す場合において小ドットに対してドットサイズ変更処理が行われると、一部の小ドットが中ドットに変更される。この結果、ラスタライン形成時に吐出されるインクの量が多くなるように補正され、補正しなければ淡く形成されるはずのラスタラインを濃く補正することができ、ラスタラインの濃度を目標とする濃度に近づけることができる。また、図28に示す場合において中ドットに対してドットサイズ変更処理が行われると、一部の中ドットが小ドットに変更される。この結果、ラスタライン形成時に吐出されるインクの量が少なくなるように補正され、補正しなければ濃く形成されるはずのラスタラインを淡く補正することができ、ラスタラインの濃度を目標とする濃度に近づけることができる。
この第2実施形態によれば、第1実施形態と比べて、画像の粒状性が向上する。第1実施形態では1個の画素に注目したときの補正前後の濃度(インク量)の変化が大きい。例えば、もし仮に大ドットの期待インク量が多い場合、第1実施形態に従えば、ある画素に吐出されるインク量が約20ngも削減され、その画素の濃度が急激に減少してしまう。一方、第2実施形態に従えば、大ドットの代わりに中ドットが形成されることになり、その画素に吐出されるインク量は約10ng削減されるだけなので、その画素の濃度の変化量が軽減され、補正前の画像の濃淡を第1実施形態よりも損なわずに済む。
コントローラ60は、S508〜S510のいずれかの処理の後、S502に処理を戻す。そして、コントローラ60は、注目画素の位置が最終位置(右端の位置)になるまで、上記の処理(S502〜S510)を繰り返す。そして、注目画素の位置が最終位置になれば(S503でYES)、コントローラ60は、そのラスタラインに対するドットサイズ変更処理を終了し(S406)、色むら補正処理を終了する。
===別の実施形態===
図30は、別のドット形成方法の説明図である。ここでは、通常処理を行った後に、紙の下端を印刷するための下端処理を行うときのドット形成の様子が示されている。この図を見れば下端側で行われるドット形成方法は理解できるので、詳しい説明は省略する。
このように、前述の上端側で行ったドット形成方法とほぼ同様のドット形成方法を、下端側でも行っても良い。これにより、上端側で得られる効果と同様の効果を下端側でも得ることができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、従来と比較して省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出すれば、省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<ノズル列の数について>
上記の実施形態では、ノズル群(ノズル列)の数は2個であるが、3個以上であっても良い。仮にノズル群の数が3個以上であっても、上端処理や通常処理を行えば、1個のノズル群だけでドットが形成される上端領域や、複数個のノズル群でドットが形成される通常領域が存在する。そして、ノズル群の数が3個以上の場合においても、上記の実施形態と同様の処理を行えば、上端領域と通常領域の画質の差が目立ちにくくなる。
<コントローラの処理について>
前述の実施形態では、色補正処理をプリンタ側で行っていた。しかし、これに限られるものではなく、プリンタドライバ側で行っても良い。但し、ドットの並び方に着目して色補正処理が行われるため、色補正処理はハーフトーン処理に後に行うことが望ましい。これにより、ハーフトーン処理の手法に依存せずに、色補正処理を行うことが可能になる。
プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。 ノズルの配列を示す説明図である。 仮想ノズル列42Xの説明図である。 通常処理の説明図である。 図6Aは、図5の領域A及び領域Bにおけるドット形成の説明図である。図6Bは、図6Aを別の表記方法で表現したものである。 第1ドット形成方法の説明図である。 第2ドット形成方法の説明に用いる仮想ノズル列の説明図である。 第2ドット形成方法の説明図である。 第3ドット形成方法の説明図である。 第4ドット形成方法の説明図である。 図12A〜図12Dは、ノズル使用率のグラフである。図12A(左上)は、第1ドット形成方法のノズル使用率のグラフである。図12B(左下)は、第2ドット形成方法のノズル使用率のグラフである。図12C(右上)は、第3ドット形成方法のノズル使用率のグラフである。図12D(左下)は、第4ドット形成方法のノズル使用率のグラフである。 ノズル数が180個のノズル列を用いて第4ドット形成方法を行ったときの第1ノズル列の使用率のグラフである。 色むら補正値の取得処理の説明図である。 色むら補正値の説明図である。 ユーザの下での印刷処理時のブロック図である。 プリンタドライバ及びプリンタ側のコントローラ60が行う処理のフロー図である。 第1実施形態の色むら補正処理のフロー図である。 プリンタドライバが取得した色むら補正値の説明図である。 期待インク量の説明図である。 削除又は追加すべきドット数の説明図である。 ドット数増減処理のフロー図である。 図23Aは、ドットを削除した結果の説明図である。図23Bは、ドットを追加した結果の説明図である。 図24Aは、色むらを完全に補正できない場合の比較例の説明図である。図24Bは、色むらを完全に補正できない場合の本実施形態の説明図である。 第2実施形態の色むら補正処理のフロー図である。 ドットサイズの変更方向の対照表である。 変更インク量の説明図である。 変更ドット数の計算例である。 ドットサイズ変更処理のフロー図である。 別のドット形成方法の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、20 搬送ユニット、
21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、40 ヘッドユニット、
41 ヘッド、41A 第1ノズル群、41B 第2ノズル群、
42A 第1ノズル列、42B 第2ノズル列、42X 仮想ノズル列、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路、65 駆動信号生成回路、
65A 第1駆動信号生成部、65B 第2駆動信号生成部

Claims (8)

  1. 媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、複数の第1ノズルが前記搬送方向に並んだ第1ノズル列、及び、複数の第2ノズルが前記搬送方向に並んだ第2ノズル列を、移動方向に移動させつつ前記第1ノズル及び前記第2ノズルから液体を吐出して前記媒体にドットを形成するドット形成動作と、を交互に繰り返すことにより、前記移動方向に並ぶドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数形成する液体吐出方法であって、
    前記ドット列の前記搬送方向の位置と、前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率とを対応付けた使用率テーブルを予め用意しておき、
    前記第1ノズル列と前記第2ノズル列によりドット列を形成する際に、そのドット列の前記搬送方向の位置に対応する前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率を前記使用率テーブルに従って決定し、そのドット列における前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率に応じて、そのドット列を構成するドットを変更する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  2. 請求項1に記載の液体吐出方法であって、
    前記そのドット列を構成するドットを変更する際に、
    前記そのドット列を構成するドットの位置と隣接する位置にドットを追加する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液体吐出方法であって、
    前記そのドット列を構成するドットを変更する際に、複数のドットを追加する場合、
    前記そのドット列を構成する複数のドットの位置の中からランダムに選択された位置を基準にして、追加すべき複数の位置が決定される
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の液体吐出方法であって、
    前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列は、それぞれ複数の大きさのドットを形成可能であり、
    前記そのドット列を構成するドットを変更する際に、形成すべきドットの大きさを変更する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出方法であって、
    前記第1ノズルから吐出される液体量を示す第1補正値と、前記第2ノズルから吐出される液体量を示す第2補正値とが予め設定され、
    前記第1ノズル列と前記第2ノズル列によりドット列を形成する際に、
    そのドット列における前記第1ノズル列の使用率と、前記第2ノズル列の使用率と、前記第1補正値と、前記第2補正値とに基づいて、前記そのドット列を構成するドットを形成するときに吐出される液体量の期待値が算出され、
    前記期待値に基づいて、前記そのドット列を構成する前記ドットの数が変更される
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出方法であって、
    前記液体吐出方法は、
    第1搬送量にて前記媒体を搬送する前記搬送動作と、前記ドット形成動作と、を交互に繰り返す第1処理と、
    前記第1搬送量よりも短い第2搬送量にて前記媒体を搬送する前記搬送動作と、前記ドット形成動作と、を交互に繰り返す第2処理と、
    前記第1処理と前記第2処理との間に行われ、前記第1搬送量よりは短く前記第2搬送量よりは長い第3搬送量にて前記媒体を前記搬送方向に搬送する前記搬送動作と、前記ドット形成動作と、を交互に繰り返す第3処理と、
    を有し、
    前記媒体上の第1領域の前記ドット列では、前記第2ノズルにより形成されたドットに対し、前記第1ノズルにより形成された前記ドットが所定の割合になっており、
    前記媒体上の第2領域の前記ドット列では、前記第2ノズルにより形成されたドットは無く、前記第1ノズルにより形成された前記ドットから構成されており、
    前記第1領域と前記第2領域との間の第3領域には、前記第2ノズルにより形成されたドットに対し前記第1ノズルにより形成された前記ドットが前記所定の割合よりも高い割合になっているドット列が、含まれる
    ことを特徴とする液体吐出方法。
  7. 媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
    複数の第1ノズルが前記搬送方向に並んだ第1ノズル列と、
    複数の第2ノズルが前記搬送方向に並んだ第2ノズル列と、
    前記搬送部により前記媒体を前記搬送方向に搬送する搬送動作と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列を移動方向に移動させつつ前記第1ノズル及び前記第2ノズルから液体を吐出して前記媒体にドットを形成するドット形成動作と、を交互に繰り返させることにより、前記移動方向に並ぶドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数形成させるコントローラと、
    を備える液体吐出装置であって、
    前記コントローラは、
    前記ドット列の前記搬送方向の位置と、前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率とを対応付けた使用率テーブルを予め備えており、
    前記第1ノズル列と前記第2ノズル列によりドット列を形成する際に、そのドット列の前記搬送方向の位置に対応する前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率を前記使用率テーブルに従って決定し、そのドット列における前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率に応じて、そのドット列を構成するドットを変更する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  8. 媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
    複数の第1ノズルが前記搬送方向に並んだ第1ノズル列と、
    複数の第2ノズルが前記搬送方向に並んだ第2ノズル列と、
    を備える液体吐出装置に、
    前記搬送部により前記媒体を前記搬送方向に搬送する搬送動作と、前記第1ノズル列及び前記第2ノズル列を移動方向に移動させつつ前記第1ノズル及び前記第2ノズルから液体を吐出して前記媒体にドットを形成するドット形成動作と、を交互に繰り返させることにより、前記移動方向に並ぶドットから構成されるドット列を前記搬送方向に複数形成させる機能と、
    前記第1ノズル列と前記第2ノズル列によりドット列を形成する際に、前記ドット列の前記搬送方向の位置と、前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率とを対応付けた使用率テーブルに従って、そのドット列の前記搬送方向の位置に対応する前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率を決定し、そのドット列における前記第1ノズル列の使用率及び前記第2ノズル列の使用率に応じて、そのドット列を構成するドットを変更する機能と
    を実現させることを特徴とするプログラム。
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