JP2004314411A - 印刷装置、制御装置、印刷方法、制御方法およびプログラム - Google Patents
印刷装置、制御装置、印刷方法、制御方法およびプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004314411A JP2004314411A JP2003110843A JP2003110843A JP2004314411A JP 2004314411 A JP2004314411 A JP 2004314411A JP 2003110843 A JP2003110843 A JP 2003110843A JP 2003110843 A JP2003110843 A JP 2003110843A JP 2004314411 A JP2004314411 A JP 2004314411A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dot
- pixel
- adjacent
- resolution
- image
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/21—Ink jet for multi-colour printing
- B41J2/2132—Print quality control characterised by dot disposition, e.g. for reducing white stripes or banding
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Quality & Reliability (AREA)
- Ink Jet (AREA)
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
- Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
- Record Information Processing For Printing (AREA)
- Editing Of Facsimile Originals (AREA)
Abstract
【課題】低解像度での印刷画像の品質を向上させる。
【解決手段】大ドット及び小ドットを紙に形成可能なヘッドを有し、
走査方向・搬送方向の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に対応する紙上の位置に、大ドット又は小ドットを形成することによって、360×720dpiの画像を紙に印刷する印刷装置であって、
対象画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する紙上の位置には小ドットを形成する。
条件1:画素▲2▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲2▼に隣接する2つの画素(画素▲1▼、画素▲3▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
条件2:画素▲5▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲5▼に隣接する2つの画素(画素▲4▼、画素▲6▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
【選択図】 図17
【解決手段】大ドット及び小ドットを紙に形成可能なヘッドを有し、
走査方向・搬送方向の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に対応する紙上の位置に、大ドット又は小ドットを形成することによって、360×720dpiの画像を紙に印刷する印刷装置であって、
対象画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する紙上の位置には小ドットを形成する。
条件1:画素▲2▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲2▼に隣接する2つの画素(画素▲1▼、画素▲3▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
条件2:画素▲5▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲5▼に隣接する2つの画素(画素▲4▼、画素▲6▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
【選択図】 図17
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置、制御装置、印刷方法、制御方法およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
媒体(紙、布、フィルム等)にドットを形成して画像を印刷する印刷装置では、画像を印刷するための媒体の種類、印刷を実行するためのアプリケーションプログラムの出力命令等に応じて、予め用意されている解像度(低解像度〜高解像度)の何れかを適宜選択して、媒体に画像を印刷している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−198237号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
画像を印刷する際の解像度が高解像度から低解像度へ移行するにつれて、印刷画像の輪郭部分が滑らかではなくなり、印刷画像の品質が低下してしまう。
本発明は、低解像度での画像の品質を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための主たる第1の発明は、第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有し、第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷装置であって、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
【0006】
また、上記目的を達成するための主たる第2の発明は、第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させ、前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する制御装置であって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
【0007】
本発明の上記以外の目的、及び、その特徴とするところは、本明細書及び添付図面の記載により明らかとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
===開示の概要===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有し、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷装置であって、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
このような印刷装置によれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このような印刷装置によれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このような印刷装置によれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0009】
かかる印刷装置であって、前記第1ドットは、前記第1方向よりも前記第2方向に長いドットであることが望ましい。また、かかる印刷装置であって、前記第1ドットは、楕円形状であることが好ましい。このような印刷装置によれば、ドット間の隙間が小さくなり、画質が粗くならない。
【0010】
かかる印刷装置であって、前記ヘッドは所定の方向に移動可能であって、前記第2方向は、前記所定の方向と平行な方向であることが望ましい。このような印刷装置によれば、ドット間の隙間が小さくなり、画質が粗くならない。また、前記印刷装置は、前記媒体に印刷するとき、前記媒体を搬送方向に搬送するものであり、前記第2方向は、前記搬送方向と平行な方向であっても良い。このような印刷装置によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0011】
かかる印刷装置であって、前記第1方向及び前記第2方向に所定の解像度の画像の解像度を変換し、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得することが望ましい。このような印刷装置によれば、変換処理によって画像の解像度に方向性を持たせることができる。そして、画像の解像度の方向性を利用して、本発明の処理(エッジ処理)を行えば、低解像度であっても画像の品質を向上させることができる。
【0012】
かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像は、前記第1方向と前記第2方向の解像度が等しい画像であることが望ましい。このような印刷装置によれば、変換処理によって画像の解像度に方向性を持たせることができる。そして、画像の解像度の方向性を利用して、本発明の処理(エッジ処理)を行えば、低解像度であっても画像の品質を向上させることができる。
【0013】
かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像を構成する画素の隣り合う画素を一つの単位として新しい画素とし、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得することが望ましい。また、かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像を構成する画素の隣り合う2つの画素を一つの単位として新しい画素とすることが好ましい。また、かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像を構成する画素の前記第2方向に隣り合う画素を一つの単位として新しい画素とすることが好ましい。このような印刷装置によれば、簡易な変換処理により、解像度に方向性を持つ画像を取得することができる。
【0014】
かかる印刷装置であって、前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量よりも、大きいことが望ましい。また、かかる印刷装置であって、前記前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、少なくとも2ビットの情報量を有することが好ましい。また、かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量は、1ビットの情報量であることが好ましい。このような印刷装置によれば、変換処理によって画像の解像度に方向性を持たせることができる。そして、画像の解像度の方向性を利用して、本発明の処理(エッジ処理)を行えば、低解像度であっても画像の品質を向上させることができる。
【0015】
かかる印刷装置であって、前記媒体に印刷される画像は、前記第1ドット又は前記第2ドットによって所定の領域を塗りつぶすような画像であることが望ましい。また、かかる印刷装置であって、前記ある画素に対応する前記媒体上の位置は、前記所定の領域の輪郭部分に位置することが好ましい。このような印刷装置によれば、ドットによって塗りつぶす領域の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。特に、このような印刷装置によれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このような印刷装置によれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0016】
かかる印刷装置であって、前記媒体に印刷する画像は、テキストであることが望ましい。テキストを印刷する場合、印刷されたテキストを読みやすいものにするためには、テキストの輪郭部分を明確にする必要がある。そして、テキストを印刷する場合、斜めの輪郭部分や丸みを帯びた輪郭部分が多く、このような輪郭部分を明確にする必要がある。そして、このような印刷装置によれば、読みやすいテキストを媒体に印刷することができる。
【0017】
第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有し、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷装置であって、
前記第1ドットは、前記第1方向よりも前記第2方向に長い楕円形状のドットであり、
前記ヘッドは所定の方向に移動可能であって、前記第2方向は前記所定の方向と平行な方向であり、
前記印刷装置は、前記媒体に印刷するとき、前記媒体を搬送方向に搬送するものであり、前記第2方向は前記搬送方向と平行な方向であり、
前記第1方向及び前記第2方向に所定の解像度の画像の解像度を変換し、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得し、
前記所定の解像度の画像は、前記第1方向と前記第2方向の解像度が等しい画像であり、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の前記第2方向に隣り合う2つの画素を一つの単位として新しい画素とし、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得し、
前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量よりも、大きく、
前記前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、少なくとも2ビットの情報量を有し、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量は、1ビットの情報量であり、
前記媒体に印刷される画像は、前記第1ドット又は前記第2ドットによって所定の領域を塗りつぶすような画像であり、
前記媒体に印刷する画像は、テキストであり、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
このような印刷装置によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0018】
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させ、
前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する制御装置であって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
このような制御装置によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0019】
第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成し、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷方法であって、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
このような印刷方法によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0020】
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させ、
前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する制御方法であって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
このような制御方法によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0021】
第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有する印刷装置に、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する機能を実現させるプログラムであって、
前記プログラムは、ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを前記印刷装置に形成させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
このようなプログラムによれば、画像の品質を向上させることができる。
【0022】
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させる機能と、
前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する機能と、
を制御装置に実現させるプログラムであって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる機能を制御装置に実現させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
このようなプログラムによれば、画像の品質を向上させることができる。
【0023】
===印刷システムの構成===
<全体構成について>
次に、印刷システム(コンピュータシステム)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
【0024】
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム1000は、プリンタ1と、コンピュータ1100と、表示装置1200と、入力装置1300と、記録再生装置1400とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ1100は、プリンタ1と電気的に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。表示装置1200は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のユーザインタフェースを表示する。入力装置1300は、例えばキーボード1300Aやマウス1300Bであり、表示装置1200に表示されたユーザインタフェースに沿って、アプリケーションプログラムの操作やプリンタドライバの設定等に用いられる。記録再生装置1400は、例えばフレキシブルディスクドライブ装置1400AやCD−ROMドライブ装置1400Bが用いられる。
【0025】
コンピュータ1100にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置1200にユーザインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ1100にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
【0026】
なお、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ1を意味するが、広義にはプリンタ1とコンピュータ1100とのシステムを意味する。
【0027】
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
【0028】
コンピュータ1100では、コンピュータに搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ1102やアプリケーションプログラム1104やプリンタドライバ1110などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ1102は、アプリケーションプログラム1104やプリンタドライバ1110からの表示命令に従って、例えばユーザインターフェース等を表示装置1200に表示する機能を有する。アプリケーションプログラム1104は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザは、アプリケーションプログラム1104のユーザインターフェースを介して、アプリケーションプログラム1104により編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム1104は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ1110に画像データを出力する。
【0029】
プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラム1104から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換する。ここで、印刷データとは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドと画素に関するデータ(画素データ)とを有するデータである。
【0030】
プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・ラスタライズ処理などを行う。以下に、プリンタドライバ1110が行う各種の処理について説明する。
【0031】
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラム1104から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。以下、画像データを解像度変換処理したRGBデータをRGB画像データと呼ぶ。
【0032】
色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。なお、CMYKデータは、プリンタが有するインクの色に対応したデータである。この色変換処理は、RGB画像データの階調値とCMYK画像データの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバ1110が参照することによって行われる。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。なお、色変換処理後のデータは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。以下、RGB画像データを色変換処理したCMYKデータをCMYK画像データと呼ぶ。
【0033】
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンタが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などを利用して、プリンタがドットを分散して形成できるように画素データを作成する。プリンタドライバ1110は、ハーフトーン処理を行うとき、ディザ法を行う場合にはディザテーブル20を参照し、γ補正を行う場合にはガンマテーブル24を参照し、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリ22を参照する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のRGBデータと同等の解像度(例えば720×720dpi)を有している。ハーフトーン処理されたデータは、例えば、各画素につき1ビット又は2ビットのデータから構成される。以下、ハーフトーン処理されたデータのうち、1ビットデータのものを2値データと呼び、2ビットデータのものを多値データと呼ぶ。
【0034】
ラスタライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンタに転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタに出力される。
【0035】
図3は、プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。このプリンタドライバのユーザインターフェースは、ビデオドライバ1102を介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置1300を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。
【0036】
ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷モードとして、高速印刷モード又はファイン印刷モードを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された印刷モードに応じた形式になるように、画像データを印刷データに変換する。
【0037】
また、ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度(印刷するときのドットの間隔)を選択することができる。例えば、ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度として720dpiや360dpiを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された解像度に応じて解像度変換処理を行い、画像データを印刷データに変換する。
【0038】
また、ユーザーは、この画面上から、印刷に用いられる印刷用紙を選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷用紙として、普通紙や光沢紙を選択することができる。紙の種類(紙種)が異なれば、インクの滲み方や乾き方も異なるため、印刷に適したインク量も異なる。そのため、プリンタドライバは、選択された紙種に応じて、画像データを印刷データに変換する。
【0039】
このように、プリンタドライバは、ユーザインターフェースを介して設定された条件に従って、画像データを印刷データに変換する。なお、ユーザーは、この画面上から、プリンタドライバの各種の設定を行うことができるほか、カートリッジ内のインクの残量を知ること等もできる。
【0040】
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図4、図5および図6を参照しつつ、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。なお、図4は、本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。また、図5は、本実施形態のプリンタの全体構成の概略図である。また、図6は、本実施形態のプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。
【0041】
本実施形態のインクジェットプリンタは、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、センサ50、およびコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ1100から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ1100から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を形成する。プリンタ1内の状況はセンサ50によって監視されており、センサ50は、検出結果をコントローラ60に出力する。センサから検出結果を受けたコントローラは、その検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
【0042】
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(以下、搬送方向という)に所定の搬送量で紙を搬送させるためのものである。すなわち、搬送ユニット20は、紙を搬送する搬送機構(搬送手段)として機能する。搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。ただし、搬送ユニット20が搬送機構として機能するためには、必ずしもこれらの構成要素を全て必要とするわけではない。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に自動的に給紙するためのローラである。給紙ローラ21は、D形の断面形状をしており、円周部分の長さは搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて紙を搬送ローラ23まで搬送できる。搬送モータ22は、紙を搬送方向に搬送するためのモータであり、DCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。すなわち、搬送モータ22が所定の駆動量にて回転すると、搬送ローラ23が所定の回転量にて回転し、紙Sは搬送ローラ23の回転量に応じた搬送量にて搬送される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
【0043】
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、走査方向という)に移動(走査移動)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、走査方向に往復移動可能である。(これにより、ヘッドが走査方向に沿って移動する。)また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を走査方向に移動させるためのモータであり、DCモータにより構成される。
【0044】
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が走査方向に移動すると、ヘッド41も走査方向に移動する。そして、ヘッド41が走査方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、走査方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
【0045】
センサ50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および紙幅センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の走査方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が搬送ローラ23に向かって紙を給紙する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。紙幅センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。紙幅センサ54は、光学センサであり、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出する。また、紙幅センサ54は、状況に応じて、紙の先端も検出できる。紙幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53よりも位置検出の精度が高い。
【0046】
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御手段)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ1100とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
【0047】
本実施形態のプリンタは、搬送ユニット20により紙を搬送方向に搬送する搬送工程と、キャリッジユニット30により走査方向にヘッド41を移動させながらヘッドユニット40によりインクを吐出するインク吐出工程と、を交互に繰り返し、媒体上にドットを形成して画像を印刷する。
【0048】
<ノズルについて>
図7は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態ではn個)備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720)である場合、k=4である。
【0049】
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯n)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯nよりも搬送方向に下流側に位置している。また、紙幅センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番下流側にあるn番ノズル♯nとほぼ同じ位置にある。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
【0050】
<ヘッドの駆動について>
図8は、ヘッドユニット40の駆動回路の説明図である。この駆動回路は、前述のユニット制御回路64内に設けられており、同図に示すように、原駆動信号発生部644Aと、駆動信号整形部644Bとを備えている。本実施形態では、このようなノズル♯1〜♯180の駆動回路が、各ノズル群ごと、即ち、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)の各色のノズル群ごとに各々設けられ、ノズル群ごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。図中に各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
【0051】
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインク量が、インク滴となって各色の各ノズル♯1〜♯180から吐出される。
【0052】
原駆動信号発生部644Aは、各ノズル♯1〜♯180に共通して用いられる原信号ODRVを生成する。この原信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)に複数のパルスを含む信号である。
駆動信号整形部644Bには、原信号発生部644Aから原信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。駆動信号整形部644Bは、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原信号ODRVを整形し、駆動信号DRV(i)として各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子に向けて出力する。各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子は、駆動信号整形部644Bからの駆動信号DRVに基づき駆動される。
【0053】
<ヘッドの駆動信号について>
図9は、各信号の説明のためのタイミングチャートである。すなわち、同図には、原信号ODRVと、印刷信号PRT(i)と、駆動信号DRV(i)の各信号のタイミングチャートが示されている。
【0054】
原信号ODRVは、原信号発生部644Aからノズル♯1〜♯nに共通に供給される信号である。本実施形態では、原信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジが一画素の間隔を横切る時間内)において、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む。なお、この原信号ODRVは、原信号発生部644Aから駆動信号整形部644Bに出力される。
【0055】
印刷信号PRTは、一画素に対して割り当てられている画素データに対応した信号である。つまり、印刷信号PRTは、印刷データに含まれる画素データに応じた信号である。本実施形態では、印刷信号PRT(i)は、一画素に対して2ビットの情報を有する信号になる。なお、この印刷信号PRTの信号レベルに応じて、駆動信号整形部644Bは、原信号ODRVを整形し、駆動信号DRVを出力する。
【0056】
駆動信号DRVは、印刷信号PRTのレベルに応じて原信号ODRVを遮断することによって得られる信号である。すなわち、印刷信号PRTが1レベルのとき、駆動信号整形部644Bは、原信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとする。一方、印刷信号PRTが0レベルのとき、駆動信号整形部644Bは、原信号ODRVのパルスを遮断する。なお、駆動信号整形部644Bは、ノズル毎に設けられているピエゾ素子に駆動信号DRVを出力する。そして、ピエゾ素子は、この駆動信号DRVに応じて駆動される。
【0057】
印刷信号PRT(i)が2ビットデータ『01』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから小さいインク滴が吐出され、紙には小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ『10』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから中サイズのインク滴が吐出され、紙には中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ『11』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルから大きいインク滴が吐出され、紙には大きいドット(大ドット)が形成される。
【0058】
以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形されている。
【0059】
ただし、以下の説明では、説明の簡略化のため、2ビットデータが「01」であっても「10」であっても小ドットが形成されるものとする。つまり、ヘッドは、大ドット又は小ドットの2種類のドットを媒体上に形成する。
【0060】
===本実施形態の印刷方法===
図10は、本実施形態の印刷方法を説明するためのフロー図である。以下に説明される各種の動作は、プリンタドライバにより行われる。すなわち、プログラムであるプリンタドライバは、以下に説明される各種の機能を実行するためのコードを有する。本実施形態の印刷方法は、エッジ処理(S106)の方法に特徴がある。
【0061】
まず、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから印刷命令を受ける(S101)。この印刷命令は、ユーザがアプリケーション上で印刷を指令することにより発せられる。この印刷命令には、例えばアプリケーション上で編集された画像データが含まれている。プリンタドライバは、印刷命令の中に含まれている画像データを以下のように印刷データに変換し、プリンタに印刷データを出力する。
【0062】
次に、プリンタドライバは、画像データを720×720dpiの解像度のRGB画像データに変換する(S102:解像度変換処理)。後述するとおり本実施形態ではプリンタは360×720dpiの解像度にて印刷を行うが、ここでの解像度変換処理では、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから受け取った画像データの解像度を、紙に印刷する際の解像度よりも高い解像度のRGB画像データに変換している。なお、本実施形態における解像度変換処理後のRGB画像データは、256階調のRGBデータである。
【0063】
次に、プリンタドライバは、RGB画像データをCMYK画像データに変換する(S103:色変換処理)。本実施形態では、RGB画像データが720×720dpiの解像度なので、色変換処理後のCMYK画像データも720×720dpiの解像度になる。なお、本実施形態における色変換処理後のCMYK画像データは、256階調のCMYKデータである。
【0064】
次に、プリンタドライバは、256階調のCMYK画像データを720×720dpiの解像度の2値データに変換する(S104:ハーフトーン処理)。本実施形態では、ハーフトーン処理されたデータは、各画素につき1ビットのデータが割り当てられた2値データである。
【0065】
図11は、ハーフトーン処理された720×720dpiの2値データの説明図である。図中の桝目は、仮想的に定められた桝目であって、画像を構成する際の最小構成単位である画素を示すものである。同図では、説明の簡略化のため、14画素×14画素からなる画像を用いて説明を行う。なお、図中の2値データは、左上に丸みを帯びた輪郭を有する画像である。
【0066】
各画素には、「0」又は「1」の2値のデータが割り当てられており、「0」が割り当てられた画素にはドットが形成されず、「1」が割り当てられた画素にはドットが形成される。そのため、画素に対応するデータ(画素データ)は、その画素の色を示す情報になる。(なお、2値データに基づいてプリンタがドットを形成する場合、1つの画素において2階調(「ドットがある」、「ドットがない」)しか表現できないので、大小のドットを打ち分けることはできない。)
ここで、(x,y)に位置する画素の画素データをf(x,y)と表すこととする。例えば、同図において左上の画素の位置を(x,y)=(0,0)とすると、この画素の画素データは、f(0,0)=0である。なお、このルールに従えば、f(13,13)=1である。
【0067】
次に、プリンタドライバは、720×720dpiの2値データを、360×720dpiの多値データに変換する(S105)。すなわち、プリンタドライバは、走査方向に隣り合う2つの画素を1単位とし、その1単位を新たな画素として解像度を変換している。また、プリンタドライバは、もとの2つの画素に対応する2つの1ビットデータを新たな画素に対応させることによって、新たな画素に2ビットデータを対応づけている。つまり、プリンタドライバは、隣り合う2つの画素の画素データがいずれも「0」であれば、新たな画素の画素データを「00」とする。また、プリンタドライバは、隣り合う2つの画素の画素データの一方が「0」であって他方が「1」であれば、新たな画素の画素データを「01」とする。また、プリンタドライバは、隣り合う2つの画素の画素データがいずれも「1」であれば、新たな画素の画素データを「11」とする。プリンタドライバは、このような処理を行うことによって、720×720dpiの1ビットデータ(2値データ)を、360×720dpiの2ビットデータ(多値データ)に変換している。以下、この処理を「解像度多値変換処理」と呼ぶ。
【0068】
この解像度多値変換処理により、プリンタドライバは、解像度に方向性のなかった720×720dpiの画像から、解像度に方向性のある360×720dpiの画像を取得することができる。また、この解像度多値変換処理により、プリンタドライバは、ドットの大きさを打ち分けることができない2値データから、ドットの大きさを打ち分けることができる多値データを取得することができる。
【0069】
図12は、解像度多値変換処理後の360×720dpiの多値データの説明図である。走査方向に隣り合う2つの画素を1単位(新たな画素)としているため、図中の桝目によって示された画素は、長方形になっている。そのため、同図において、画像は、7画素×14画素から構成されている。なお、変換後のデータの走査方向の解像度は360dpiであり、搬送方向の解像度は720dpiである。つまり、図中の左右方向(X方向)は走査方向に平行であり、上下方向(Y方向)は搬送方向に平行である。
【0070】
ここで、(X,Y)に位置する画素の画素データをF(X,Y)と表すこととする。例えば、同図において左上の画素の位置を(X,Y)=(0,0)とすると、この画素データはF(0,0)=00である。なお、このルールに従えば、F(6,13)=11であり、F(4,4)=01である。
【0071】
<エッジ処理を行わない場合について>
図13は、エッジ処理を行わない場合のドット形成の様子の説明図である。プリンタドライバがエッジ処理を行わずにラスタライズ処理(S107)を行ない、印刷データをプリンタに出力し(S108)、プリンタが印刷データに基づいて印刷を行えば、このように印刷される。(ただし、図中の桝目は、仮想的に定められた桝目であるため、印刷されるものではない。)
大ドットを形成するとき、2つのパルス信号(W1、W2)によってピエゾ素子を駆動し、走査方向に沿って移動するノズルからインクを吐出するため、大ドットは走査方向に長軸をもつ楕円形となる。なお、プリンタは、画素データが「00」である画素に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。また、プリンタは、画素データが「01」(又は「10」)である画素に対応する紙上の位置には小ドットを形成する。また、プリンタは、画素データが「11」である画素に対応する紙上の位置には大ドットを形成する。
【0072】
ここで、(X,Y)の位置の画素に対応する紙上の位置を(X’,Y’)と表すこととする。例えば、同図において左上の紙上の位置は、図12における左上の画素に対応する。また、紙上の(X’,Y’)=(6,13)の位置には大ドットが形成され、紙上の(X’,Y’)=(4,4)の位置には小ドットが形成されている。
【0073】
エッジ処理を行わない場合、印刷される画像に丸みを帯びた輪郭(例えば曲線など)があると、その輪郭部分が滑らかに印刷されない。例えば、図中の矢印Aの付近((X’,Y’)=(5,3)の付近)において、輪郭部分が滑らかに印刷されていない。すなわち、エッジ処理を行わない場合、図中の矢印Aの付近が、周囲の輪郭部分と比較して上側(−Y’方向)に突出したように印刷されて、滑らかな輪郭になっていない。
【0074】
<参考例のエッジ処理について>
図14は、参考例のエッジ処理の説明図である。
参考例のエッジ処理では、対象画素の画素データが「11」であって、画素▲1▼の画素データ、画素▲2▼の画素データ、画素▲3▼の画素データおよび画素▲4▼の画素データのいずれかの画素データが「00」であれば、対象画素の画素データを「01」に置き換えることにしている。言い換えると、参考例のエッジ処理では、F(m,n)=11であって、F(m−1,n)、F(m,n−1)、F(m+1,n)及びF(m−1,n)の少なくとも一つが00である場合、F(m,n)=01としている。
この参考例のエッジ処理では、2次元の画像に関して微分を利用して、対象画素のX方向及びY方向の変化量に基づいて、エッジ処理を行うべき画素か否かを判断している。
【0075】
図15は、参考例のエッジ処理後の多値データの説明図である。図中において、太線で囲まれた画素の画素データは、参考例のエッジ処理の結果、「11」から「01」に置き換えられている。すなわち、(X,Y)=(5,3)、(6,3)、(4,5)、(3,7)、(2,9)の位置の画素の画素データが、「11」から「01」に置き換えられている。
【0076】
図16は、参考例のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。プリンタドライバが、参考例のエッジ処理(S106)を行い、ラスタライズ処理(S107)を行ない、印刷データをプリンタに出力し(S108)、プリンタが印刷データに基づいて印刷を行えば、紙にはこのようなドットが形成される。(ただし、図中の桝目は、仮想的に定められた桝目であるため、印刷されるものではない。)
参考例のエッジ処理を行った場合、前述のエッジ処理を行わない場合と比較すると、図中の矢印Aの付近では、輪郭部分が滑らかになり、改善されている。しかし、参考例のエッジ処理を行った場合、斜めの輪郭があると、その輪郭部分が滑らかに印刷されない。例えば、図中の矢印Bの付近((X’,Y’)=(4,5)、(3,7)、(2,9)の付近)において、斜めの輪郭部分がギザギザ(ジグザグ)になってしまう。すなわち、参考例のエッジ処理を行った場合、図中の矢印Bの付近が、搬送方向(図中のY’方向)に小ドットが2つ並んで形成されるようになり、滑らかな輪郭になっていない。
【0077】
<本実施形態のエッジ処理について>
図17は、本実施形態のエッジ処理の説明図である。図18は、本実施形態のエッジ処理のフロー図である。以下に説明される各種の動作は、プリンタドライバにより行われる。すなわち、プログラムであるプリンタドライバは、以下に説明される各種の機能を実行するためのコードを有する。
本実施形態のエッジ処理では、対象画素の画素データが「11」であって(S201でYES)、この対象画素が本実施形態で言うエッジ画素であれば(S202でYES又はS203でYES)、対象画素の画素データを「11」から「01」に置き換えている(S204)。
ここで、エッジ画素としての条件は、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす対象画素である。
条件1:画素▲1▼、画素▲2▼及び画素▲3▼のいずれの画素データも「00」であること。
【0078】
条件2:画素▲4▼、画素▲5▼及び画素▲6▼のいずれの画素データも「00」であること。
【0079】
この条件1と条件2は、以下のように表現することもできる。
条件1:画素▲1▼、画素▲2▼及び画素▲3▼に対応する紙上の位置には、小ドット及び大ドットのいずれのドットも形成しない。
条件2:画素▲4▼、画素▲5▼及び画素▲6▼に対応する紙上の位置には、小ドット及び大ドットのいずれのドットも形成しない。
【0080】
ここで、対象画素の位置を(X,Y)=(m,n)とすると、画素▲1▼〜画素▲6▼(参照画素)の位置は、それぞれ以下の通りである。
画素▲1▼:(X,Y)=(m−1,n−1)
画素▲2▼:(X,Y)=(m,n−1)
画素▲3▼:(X,Y)=(m+1,n−1)
画素▲4▼:(X,Y)=(m−1,n+1)
画素▲5▼:(X,Y)=(m,n+1)
画素▲6▼:(X,Y)=(m+1,n+1)
【0081】
画素▲1▼〜画素▲6▼の位置は、言い換えると、以下のように表現される。
画素▲1▼:
対象画素の−Y方向に隣接する画素(画素▲2▼)と−X方向に隣接する画素
画素▲2▼:
対象画素の−Y方向に隣接する画素
画素▲3▼:
対象画素の−Y方向に隣接する画素(画素▲2▼)と+X方向に隣接する画素
画素▲4▼:
対象画素の+Y方向に隣接する画素(画素▲5▼)と−X方向に隣接する画素
画素▲5▼:
対象画素の+Y方向に隣接する画素
画素▲6▼:
対象画素の+Y方向に隣接する画素(画素▲5▼)と+X方向に隣接する画素
なお、360×720dpiの画像からみると、X方向は解像度の低い方向であり、Y方向は解像度の高い方向である。
【0082】
ところで、図18のフロー図は、以下のように表現することもできる。
S201:F(m,n)=11?
S202:F(m,n−1)=00 AND F(m,n−1)=00 AND
F(m+1,n−1)=00?
S203:F(m,n+1)=00 AND F(m,n+1)=00 AND
F(m+1,n+1)=00?
S204:F(m,n)=01
【0083】
図19は、本実施形態のエッジ処理後の多値データの説明図である。図中において、太線で囲まれた画素の画素データは、本実施形態のエッジ処理の結果、「11」から「01」に置き換えられている。すなわち、(X,Y)=(5,3)、(6,3)の位置の画素のデータが、「11」から「01」に置き換えられている。本実施形態のエッジ処理によれば、前述の参考例のエッジ処理とは異なり、(X,Y)=(4,5)、(3,7)、(2,9)の位置の画素の画素データは、置き換えられていない。
【0084】
図20は、本実施形態のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。プリンタドライバが、本実施形態のエッジ処理(S106)を行い、ラスタライズ処理(S107)を行ない、印刷データをプリンタに出力し(S108)、プリンタが印刷データに基づいて印刷を行えば、紙にはこのようなドットが形成される(ただし、図中の桝目は、仮想的に定められた桝目であるため、印刷されるものではない。)。
【0085】
本実施形態のエッジ処理を行った場合、前述のエッジ処理を行わない場合と比較すると、図中の矢印Aの付近では、輪郭部分が滑らかになり、改善されている。さらに、前述の参考例と比較すると、図中の矢印Bの付近でも、斜めの輪郭部分がギザギザ(ジグザグ)にならず、輪郭部分が滑らかになり、改善されている。
【0086】
つまり、本実施形態によれば、印刷される画像に丸みを帯びた輪郭(例えば曲線)があっても、その輪郭部分を滑らかに印刷することができる。また、本実施形態によれば、斜めの輪郭があっても、その輪郭部分を滑らかに印刷することができる。通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分とが連続した状態になっていることが多い。そのため、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる本実施形態のエッジ処理は、高画質な印刷を行ううえで特に有利である。
【0087】
<参照画素の方向性について>
本実施形態のエッジ処理は、X方向(走査方向)の解像度が低く、Y方向(搬送方向)の解像度が高い画像を対象としている。そして、X方向に並ぶ3つの参照画素(画素▲1▼、画素▲2▼、画素▲3▼の3つの画素又は画素▲4▼、画素▲5▼、画素▲6▼の3つの画素)の画素データがいずれも「00」である場合に、プリンタドライバは、対象画素がエッジ画素であると判断し、対象画素の画素データを「11」から「01」に置き換えている。
【0088】
そして、以下の説明からも明らかな通り、解像度の方向性と、3つの画素の並び方向とは、密接に関連している。
図21Aは、ハーフトーン処理後、解像度多値変換処理前の2値データの説明図である。このデータは、720×720dpiの解像度のデータである。同図では、説明の簡略化のため、16画素×16画素からなる画像を用いて説明を行う。
図21Bは、図21Aに示された2値データに基づいて、プリンタが720×720dpiの解像度で印刷を行った場合のドット形成の様子の説明図である。なお、2値データに基づいてプリンタがドットを形成するため、1つの画素において2階調(「ドットがある」、「ドットがない」)しか表現できないので、大小のドットを打ち分けることはできない。
解像度多値変換処理後の360×720dpiの多値データに基づいてプリンタがドットを形成する場合であっても、720×720dpiの解像度によって印刷された画像に近い印刷画像が得られるほうが望ましいことは言うまでもない。以下、比較例の印刷画像と本実施形態の印刷画像のどちらが、720×720dpiの解像度によって印刷された画像に近いかを比較する。
【0089】
図22は、比較例のエッジ処理の説明図である。比較例のエッジ処理では、3つの参照画素(画素▲1▼、画素▲2▼、画素▲3▼の3つの画素又は画素▲4▼、画素▲5▼、画素▲6▼の3つの画素)は、X方向(走査方向)ではなく、Y方向(搬送方向)に並んでいる。
【0090】
図23Aは、比較例のエッジ処理後の多値データの説明図である。図中において、太線で囲まれた画素の画素データは、比較例のエッジ処理の結果、「11」から「01」に置き換えられている。図23Bは、比較例のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。
ここで、720×720dpiの解像度により紙に形成される画像(図21B)と比較例により紙に形成される画像(図23B)とを比較する。図21Bの画像は、X方向及びY方向に均等な大きさの画像である。しかし、比較例の画像は、X’方向に細くなり、全体的にY’方向に伸びた画像になっている。また、図中の矢印C付近において、丸みを帯びた輪郭は、Y’方向に突出したように印刷されて、滑らかな輪郭になっていない。また、320×720dpiの解像度ではX方向に解像度が低くなっているため、X方向のドット間隔が大きくなる。そして、図中の矢印D付近のように小ドットと大ドットがX方向に隣接すると、ドット間の隙間が大きくなるので、画像が粗くなってしまう。
【0091】
図24Aは、本実施形態のエッジ処理後の多値データの説明図である。図中において、太線で囲まれた画素の画素データは、本実施形態のエッジ処理の結果、「11」から「01」に置き換えられている。図24Bは、本実施形態のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。
ここで、本実施形態により得られる画像は、X’方向及びY’方向にほぼ均等な大きさの画像になる。また、図中の矢印C付近において、丸みを帯びた輪郭は、滑らかに印刷されている。また、図中の矢印D付近は、大ドット同士がX方向に隣接している。大ドットはX方向(走査方向)に長軸をもつ楕円形であるため、大ドット同士がX方向に隣接すれば、ドット間の隙間は小さいので画質は粗くならない。
【0092】
上記の説明では、所定の領域を塗りつぶす図形を印刷していた。しかし、本実施形態のエッジ処理は、このような図形のみに有効なだけではない。
例えば、印刷する画像がテキストであっても、本実施形態のエッジ処理は有効である。テキストを印刷する場合、印刷されたテキストを読みやすいものにするためには、テキストの輪郭部分を明確にする必要がある。そして、テキストを印刷する場合、斜めの輪郭部分や丸みを帯びた輪郭部分が多く、このような輪郭部分を明確にする必要がある。そのため、テキスト画像に対して本実施形態のエッジ処理を行えば、読みやすいテキストを紙に印刷することができる。
【0093】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
【0094】
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0095】
<方向性について>
前述の実施形態によれば、搬送方向の解像度が走査方向の解像度よりも高い画像に対して、エッジ処理を行っていた。そして、前述の実施形態によれば、走査方向に並ぶ3つの画素(画素▲1▼、画素▲2▼、画素▲3▼の3つの画素又は画素▲4▼、画素▲5▼、画素▲6▼の3つの画素)を参照画素としていた。しかし、解像度の方向性や、参照画素の方向性は、これに限られるものではない。
【0096】
図25は、他の実施形態のエッジ処理の説明図である。この実施形態によれば、走査方向の解像度が搬送方向の解像度よりも高い画像を対象としている。
この実施形態のエッジ処理では、対象画素の画素データが「11」であって、この対象画素が本実施形態で言うエッジ画素であれば、画素データを「11」から「01」に置き換えている。ここで、本実施形態のエッジ画素としての条件は、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす対象画素である。 条件1:画素▲1▼、画素▲2▼及び画素▲3▼のいずれの画素データも「00」であること。
【0097】
条件2:画素▲4▼、画素▲5▼及び画素▲6▼のいずれの画素データも「00」であること。
【0098】
つまり、この実施形態によれば、搬送方向に並ぶ3つの画素(同図における画素▲1▼、画素▲2▼、画素▲3▼の3つの画素又は画素▲4▼、画素▲5▼、画素▲6▼の3つの画素)を参照画素としている。
本実施形態であっても、前述の実施形態とほぼ同様な効果を奏することができる。要するに、解像度の方向性と参照画素の方向性とが対応していればよいのであって、解像度の方向性や参照画素の方向性が前述の実施形態に限られるものではない。但し、本実施形態と前述の実施形態とを比較すると、楕円形状の大ドットの方向性までをも考慮すると、前述の実施形態の方が望ましい。
【0099】
<プリンタドライバについて>
前述の実施形態によれば、コンピュータ側のプリンタドライバがエッジ処理を行っていた。しかし、エッジ処理を行うのはプリンタドライバに限られるものではない。例えば、本実施形態のエッジ処理を行うのに必要な機能を実現するためのプログラムがプリンタのメモリに格納されているのであれば、プリンタが前述のエッジ処理を行うことが可能である。この場合、プリンタは、コンピュータから720×720dpiの解像度の印刷データを受信し、受信した印刷データに含まれる画素データに基づいて、エッジ処理を行うことになる。
このようにしても、前述の実施形態とほぼ同様な効果を奏することができる。
【0100】
<解像度多値変換処理について>
前述の実施形態によれば、プリンタドライバは、720×720dpiの2値データに基づいて、まず360×720dpiの多値データを作成し、その後にエッジ処理を行っていた。しかし、エッジ処理はこの処理順序に限られるものではない。
例えば、プリンタドライバは、720×720dpiの2値データに基づいて、直接的にエッジ処理後の360×720dpiの多値データを演算しても良い。
【0101】
<ドットについて>
前述の実施形態によれば、ヘッドが紙に形成するドットは、大ドット又は小ドットの2種類であった。しかし、紙に形成されるドットの種類は、これに限られるものではない。例えば、ヘッドが、大ドット及び小ドットだけでなく、中ドットを媒体に形成しても良い。
【0102】
<エッジ処理について>
前述の実施形態のエッジ処理によれば、エッジ画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合、プリンタドライバは、大ドットを小ドットに置き換えていた。しかし、エッジ処理は、大ドットを小ドットに置き換える処理に限られるものではない。
例えば、エッジ画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合、プリンタドライバは、この大ドットを中ドットに置き換えても良い。また、エッジ画素に対応する紙上の位置に中ドットに形成する場合、プリンタドライバは、この中ドットを小ドットに置き換えても良い。
【0103】
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、従来と比較して省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
【0104】
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出すれば、省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
【0105】
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【0106】
===まとめ===
<印刷装置について>
上記の説明は、大ドット及び小ドットを紙に形成可能なヘッドを有し、走査方向(第2方向)・搬送方向(第1方向)の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に対応する紙上の位置に、大ドット又は小ドットを形成することによって、360×720dpiの画像を紙に印刷する印刷装置(コンピュータとプリンタとのシステム又はプリンタ単体)に関する。そして、対象画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する紙上の位置には小ドットを形成する。
条件1:画素▲2▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲2▼に隣接する2つの画素(画素▲1▼、画素▲3▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
条件2:画素▲5▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲5▼に隣接する2つの画素(画素▲4▼、画素▲6▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
このような印刷装置によれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このような印刷装置によれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このような印刷装置によれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0107】
<制御装置について>
上記の説明は、走査方向(第2方向)・搬送方向(第1方向)の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に、大ドットの画素データ「11」又は小ドットの画素データ「01」を対応させ、大ドットの画素データ「11」及び小ドットの画素データ「01」を印刷データに含ませてプリンタに出力するコンピュータに関する。そして、対象画素の画素データが「11」の場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する画素データは、「11」から「01」に置き換える。
条件1:画素▲2▼の画素データが「00」であって、かつ、画素▲2▼に隣接する2つの画素(画素▲1▼、画素▲3▼)の画素データが「00」である。
条件2:画素▲5▼の画素データが「00」であって、かつ、画素▲5▼に隣接する2つの画素(画素▲4▼、画素▲6▼)の画素データが「00」である。
このような制御装置によれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このような制御装置によれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このような制御装置によれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0108】
<プログラムについて1>
上記の説明は、大ドット及び小ドットを紙に形成可能なヘッドを有する印刷装置(コンピュータとプリンタとのシステム又はプリンタ単体)に、走査方向(第2方向)・搬送方向(第1方向)の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に対応する紙上の位置に、大ドット又は小ドットを形成することによって、360×720dpiの画像を紙に印刷する機能を実現させるプログラム(プリンタドライバ、又はプリンタ側のプログラム、又はプリンタドライバとプリンタ側のプログラムのシステムとしてのプログラム)に関する。そして、このプログラムは、参照画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する紙上の位置には小ドットを印刷装置に形成させる。
条件1:画素▲2▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲2▼に隣接する2つの画素(画素▲1▼、画素▲3▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
条件2:画素▲5▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲5▼に隣接する2つの画素(画素▲4▼、画素▲6▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
このようなプログラムによれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このようなプログラムによれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このようなプログラムによれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0109】
<プログラムについて2>
上記の説明は、走査方向(第2方向)・搬送方向(第1方向)の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に、大ドットの画素データ「11」又は小ドットの画素データ「01」を対応させる機能と、大ドットの画素データ「11」及び小ドットの画素データ「01」を印刷データに含ませてプリンタに出力する機能と、をコンピュータに実現させるプリンタドライバに関する。そして、対象画素の画素データが「11」の場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する画素データは、「11」から「01」に置き換える機能をコンピュータに実現させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
このようなプリンタドライバによれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このようなプリンタドライバによれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このようなプリンタドライバによれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0110】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷画像の品質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷システムの全体構成の説明図である。
【図2】プリンタドライバが行う処理の説明図である。
【図3】プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。
【図4】本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。
【図5】本実施形態のプリンタの全体構成の概略図である。
【図6】本実施形態のプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。
【図7】ノズルの配列を示す説明図である。
【図8】ヘッドユニットの駆動回路の説明図である。
【図9】各信号の説明のためのタイミングチャートである。
【図10】本実施形態の印刷方法のフロー図である。
【図11】ハーフトーン処理された2値データの説明図である。
【図12】解像度多値変換処理後の多値データの説明図である。
【図13】エッジ処理を行わない場合のドット形成の様子の説明図である。
【図14】参考例のエッジ処理の説明図である。
【図15】参考例のエッジ処理後の多値データの説明図である。
【図16】参考例のエッジ処理後のドット形成の様子の説明図である。
【図17】本実施形態のエッジ処理の説明図である。
【図18】本実施形態のエッジ処理のフロー図である。
【図19】本実施形態のエッジ処理後の多値データの説明図である。
【図20】本実施形態のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。
【図21】図21Aは、ハーフトーン処理後、解像度多値変換処理前の2値データの説明図である。図21Bは、図21Aに示された2値データに基づいて印刷を行った場合のドット形成の様子の説明図である。
【図22】比較例のエッジ処理の説明図である。
【図23】図23Aは、比較例のエッジ処理後の多値データの説明図である。図23Bは、比較例のドット形成の様子の説明図である。
【図24】図24Aは、本実施形態のエッジ処理後の多値データの説明図である。図24Bは、本実施形態のドット形成の様子の説明図である。
【図25】他の実施形態のエッジ処理の説明図である。
【符号の説明】
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 センサ、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 紙幅センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路、
644A 原駆動信号発生部、644B 駆動信号整形部、
1100 コンピュータ、
1102 ビデオドライバ、 1104 アプリケーションプログラム、
1110 プリンタドライバ
1200 表示装置、
1300 入力装置、1300A キーボード、1300B マウス、
1400 記録再生装置、1400A フレキシブルディスクドライブ装置、1400B CD−ROMドライブ装置、
1000 印刷システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置、制御装置、印刷方法、制御方法およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
媒体(紙、布、フィルム等)にドットを形成して画像を印刷する印刷装置では、画像を印刷するための媒体の種類、印刷を実行するためのアプリケーションプログラムの出力命令等に応じて、予め用意されている解像度(低解像度〜高解像度)の何れかを適宜選択して、媒体に画像を印刷している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−198237号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
画像を印刷する際の解像度が高解像度から低解像度へ移行するにつれて、印刷画像の輪郭部分が滑らかではなくなり、印刷画像の品質が低下してしまう。
本発明は、低解像度での画像の品質を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための主たる第1の発明は、第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有し、第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷装置であって、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
【0006】
また、上記目的を達成するための主たる第2の発明は、第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させ、前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する制御装置であって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
【0007】
本発明の上記以外の目的、及び、その特徴とするところは、本明細書及び添付図面の記載により明らかとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
===開示の概要===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有し、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷装置であって、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
このような印刷装置によれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このような印刷装置によれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このような印刷装置によれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0009】
かかる印刷装置であって、前記第1ドットは、前記第1方向よりも前記第2方向に長いドットであることが望ましい。また、かかる印刷装置であって、前記第1ドットは、楕円形状であることが好ましい。このような印刷装置によれば、ドット間の隙間が小さくなり、画質が粗くならない。
【0010】
かかる印刷装置であって、前記ヘッドは所定の方向に移動可能であって、前記第2方向は、前記所定の方向と平行な方向であることが望ましい。このような印刷装置によれば、ドット間の隙間が小さくなり、画質が粗くならない。また、前記印刷装置は、前記媒体に印刷するとき、前記媒体を搬送方向に搬送するものであり、前記第2方向は、前記搬送方向と平行な方向であっても良い。このような印刷装置によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0011】
かかる印刷装置であって、前記第1方向及び前記第2方向に所定の解像度の画像の解像度を変換し、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得することが望ましい。このような印刷装置によれば、変換処理によって画像の解像度に方向性を持たせることができる。そして、画像の解像度の方向性を利用して、本発明の処理(エッジ処理)を行えば、低解像度であっても画像の品質を向上させることができる。
【0012】
かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像は、前記第1方向と前記第2方向の解像度が等しい画像であることが望ましい。このような印刷装置によれば、変換処理によって画像の解像度に方向性を持たせることができる。そして、画像の解像度の方向性を利用して、本発明の処理(エッジ処理)を行えば、低解像度であっても画像の品質を向上させることができる。
【0013】
かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像を構成する画素の隣り合う画素を一つの単位として新しい画素とし、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得することが望ましい。また、かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像を構成する画素の隣り合う2つの画素を一つの単位として新しい画素とすることが好ましい。また、かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像を構成する画素の前記第2方向に隣り合う画素を一つの単位として新しい画素とすることが好ましい。このような印刷装置によれば、簡易な変換処理により、解像度に方向性を持つ画像を取得することができる。
【0014】
かかる印刷装置であって、前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量よりも、大きいことが望ましい。また、かかる印刷装置であって、前記前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、少なくとも2ビットの情報量を有することが好ましい。また、かかる印刷装置であって、前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量は、1ビットの情報量であることが好ましい。このような印刷装置によれば、変換処理によって画像の解像度に方向性を持たせることができる。そして、画像の解像度の方向性を利用して、本発明の処理(エッジ処理)を行えば、低解像度であっても画像の品質を向上させることができる。
【0015】
かかる印刷装置であって、前記媒体に印刷される画像は、前記第1ドット又は前記第2ドットによって所定の領域を塗りつぶすような画像であることが望ましい。また、かかる印刷装置であって、前記ある画素に対応する前記媒体上の位置は、前記所定の領域の輪郭部分に位置することが好ましい。このような印刷装置によれば、ドットによって塗りつぶす領域の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。特に、このような印刷装置によれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このような印刷装置によれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0016】
かかる印刷装置であって、前記媒体に印刷する画像は、テキストであることが望ましい。テキストを印刷する場合、印刷されたテキストを読みやすいものにするためには、テキストの輪郭部分を明確にする必要がある。そして、テキストを印刷する場合、斜めの輪郭部分や丸みを帯びた輪郭部分が多く、このような輪郭部分を明確にする必要がある。そして、このような印刷装置によれば、読みやすいテキストを媒体に印刷することができる。
【0017】
第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有し、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷装置であって、
前記第1ドットは、前記第1方向よりも前記第2方向に長い楕円形状のドットであり、
前記ヘッドは所定の方向に移動可能であって、前記第2方向は前記所定の方向と平行な方向であり、
前記印刷装置は、前記媒体に印刷するとき、前記媒体を搬送方向に搬送するものであり、前記第2方向は前記搬送方向と平行な方向であり、
前記第1方向及び前記第2方向に所定の解像度の画像の解像度を変換し、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得し、
前記所定の解像度の画像は、前記第1方向と前記第2方向の解像度が等しい画像であり、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の前記第2方向に隣り合う2つの画素を一つの単位として新しい画素とし、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得し、
前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量よりも、大きく、
前記前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、少なくとも2ビットの情報量を有し、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量は、1ビットの情報量であり、
前記媒体に印刷される画像は、前記第1ドット又は前記第2ドットによって所定の領域を塗りつぶすような画像であり、
前記媒体に印刷する画像は、テキストであり、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
このような印刷装置によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0018】
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させ、
前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する制御装置であって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
このような制御装置によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0019】
第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成し、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷方法であって、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
このような印刷方法によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0020】
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させ、
前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する制御方法であって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
このような制御方法によれば、画像の品質を向上させることができる。
【0021】
第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有する印刷装置に、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する機能を実現させるプログラムであって、
前記プログラムは、ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを前記印刷装置に形成させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
このようなプログラムによれば、画像の品質を向上させることができる。
【0022】
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させる機能と、
前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する機能と、
を制御装置に実現させるプログラムであって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる機能を制御装置に実現させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
このようなプログラムによれば、画像の品質を向上させることができる。
【0023】
===印刷システムの構成===
<全体構成について>
次に、印刷システム(コンピュータシステム)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
【0024】
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム1000は、プリンタ1と、コンピュータ1100と、表示装置1200と、入力装置1300と、記録再生装置1400とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ1100は、プリンタ1と電気的に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。表示装置1200は、ディスプレイを有し、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のユーザインタフェースを表示する。入力装置1300は、例えばキーボード1300Aやマウス1300Bであり、表示装置1200に表示されたユーザインタフェースに沿って、アプリケーションプログラムの操作やプリンタドライバの設定等に用いられる。記録再生装置1400は、例えばフレキシブルディスクドライブ装置1400AやCD−ROMドライブ装置1400Bが用いられる。
【0025】
コンピュータ1100にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置1200にユーザインタフェースを表示させる機能を実現させるほか、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換する機能を実現させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ1100にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
【0026】
なお、「印刷装置」とは、狭義にはプリンタ1を意味するが、広義にはプリンタ1とコンピュータ1100とのシステムを意味する。
【0027】
<プリンタドライバについて>
図2は、プリンタドライバが行う基本的な処理の概略的な説明図である。既に説明された構成要素については、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
【0028】
コンピュータ1100では、コンピュータに搭載されたオペレーティングシステムの下、ビデオドライバ1102やアプリケーションプログラム1104やプリンタドライバ1110などのコンピュータプログラムが動作している。ビデオドライバ1102は、アプリケーションプログラム1104やプリンタドライバ1110からの表示命令に従って、例えばユーザインターフェース等を表示装置1200に表示する機能を有する。アプリケーションプログラム1104は、例えば、画像編集などを行う機能を有し、画像に関するデータ(画像データ)を作成する。ユーザは、アプリケーションプログラム1104のユーザインターフェースを介して、アプリケーションプログラム1104により編集した画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム1104は、印刷の指示を受けると、プリンタドライバ1110に画像データを出力する。
【0029】
プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラム1104から画像データを受け取り、この画像データを印刷データに変換する。ここで、印刷データとは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドと画素に関するデータ(画素データ)とを有するデータである。
【0030】
プリンタドライバ1110は、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・ラスタライズ処理などを行う。以下に、プリンタドライバ1110が行う各種の処理について説明する。
【0031】
解像度変換処理は、アプリケーションプログラム1104から出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラム1104から受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。以下、画像データを解像度変換処理したRGBデータをRGB画像データと呼ぶ。
【0032】
色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。なお、CMYKデータは、プリンタが有するインクの色に対応したデータである。この色変換処理は、RGB画像データの階調値とCMYK画像データの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバ1110が参照することによって行われる。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。なお、色変換処理後のデータは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。以下、RGB画像データを色変換処理したCMYKデータをCMYK画像データと呼ぶ。
【0033】
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンタが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などを利用して、プリンタがドットを分散して形成できるように画素データを作成する。プリンタドライバ1110は、ハーフトーン処理を行うとき、ディザ法を行う場合にはディザテーブル20を参照し、γ補正を行う場合にはガンマテーブル24を参照し、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリ22を参照する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のRGBデータと同等の解像度(例えば720×720dpi)を有している。ハーフトーン処理されたデータは、例えば、各画素につき1ビット又は2ビットのデータから構成される。以下、ハーフトーン処理されたデータのうち、1ビットデータのものを2値データと呼び、2ビットデータのものを多値データと呼ぶ。
【0034】
ラスタライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンタに転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタに出力される。
【0035】
図3は、プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。このプリンタドライバのユーザインターフェースは、ビデオドライバ1102を介して、表示装置に表示される。ユーザーは、入力装置1300を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。
【0036】
ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷モードとして、高速印刷モード又はファイン印刷モードを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された印刷モードに応じた形式になるように、画像データを印刷データに変換する。
【0037】
また、ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度(印刷するときのドットの間隔)を選択することができる。例えば、ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度として720dpiや360dpiを選択することができる。そして、プリンタドライバは、選択された解像度に応じて解像度変換処理を行い、画像データを印刷データに変換する。
【0038】
また、ユーザーは、この画面上から、印刷に用いられる印刷用紙を選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷用紙として、普通紙や光沢紙を選択することができる。紙の種類(紙種)が異なれば、インクの滲み方や乾き方も異なるため、印刷に適したインク量も異なる。そのため、プリンタドライバは、選択された紙種に応じて、画像データを印刷データに変換する。
【0039】
このように、プリンタドライバは、ユーザインターフェースを介して設定された条件に従って、画像データを印刷データに変換する。なお、ユーザーは、この画面上から、プリンタドライバの各種の設定を行うことができるほか、カートリッジ内のインクの残量を知ること等もできる。
【0040】
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図4、図5および図6を参照しつつ、本実施形態のプリンタの基本的な構成について説明する。なお、図4は、本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。また、図5は、本実施形態のプリンタの全体構成の概略図である。また、図6は、本実施形態のプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。
【0041】
本実施形態のインクジェットプリンタは、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、センサ50、およびコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ1100から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ1100から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を形成する。プリンタ1内の状況はセンサ50によって監視されており、センサ50は、検出結果をコントローラ60に出力する。センサから検出結果を受けたコントローラは、その検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
【0042】
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(以下、搬送方向という)に所定の搬送量で紙を搬送させるためのものである。すなわち、搬送ユニット20は、紙を搬送する搬送機構(搬送手段)として機能する。搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。ただし、搬送ユニット20が搬送機構として機能するためには、必ずしもこれらの構成要素を全て必要とするわけではない。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に自動的に給紙するためのローラである。給紙ローラ21は、D形の断面形状をしており、円周部分の長さは搬送ローラ23までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて紙を搬送ローラ23まで搬送できる。搬送モータ22は、紙を搬送方向に搬送するためのモータであり、DCモータにより構成される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。すなわち、搬送モータ22が所定の駆動量にて回転すると、搬送ローラ23が所定の回転量にて回転し、紙Sは搬送ローラ23の回転量に応じた搬送量にて搬送される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
【0043】
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、走査方向という)に移動(走査移動)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、走査方向に往復移動可能である。(これにより、ヘッドが走査方向に沿って移動する。)また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を走査方向に移動させるためのモータであり、DCモータにより構成される。
【0044】
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が走査方向に移動すると、ヘッド41も走査方向に移動する。そして、ヘッド41が走査方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、走査方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。
【0045】
センサ50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および紙幅センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の走査方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ21が搬送ローラ23に向かって紙を給紙する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。紙幅センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。紙幅センサ54は、光学センサであり、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出する。また、紙幅センサ54は、状況に応じて、紙の先端も検出できる。紙幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53よりも位置検出の精度が高い。
【0046】
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御手段)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ1100とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
【0047】
本実施形態のプリンタは、搬送ユニット20により紙を搬送方向に搬送する搬送工程と、キャリッジユニット30により走査方向にヘッド41を移動させながらヘッドユニット40によりインクを吐出するインク吐出工程と、を交互に繰り返し、媒体上にドットを形成して画像を印刷する。
【0048】
<ノズルについて>
図7は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態ではn個)備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720)である場合、k=4である。
【0049】
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯n)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯nよりも搬送方向に下流側に位置している。また、紙幅センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番下流側にあるn番ノズル♯nとほぼ同じ位置にある。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
【0050】
<ヘッドの駆動について>
図8は、ヘッドユニット40の駆動回路の説明図である。この駆動回路は、前述のユニット制御回路64内に設けられており、同図に示すように、原駆動信号発生部644Aと、駆動信号整形部644Bとを備えている。本実施形態では、このようなノズル♯1〜♯180の駆動回路が、各ノズル群ごと、即ち、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)の各色のノズル群ごとに各々設けられ、ノズル群ごとに個別にピエゾ素子の駆動が行われるようになっている。図中に各信号名の最後に付されたかっこ内の数字は、その信号が供給されるノズルの番号を示している。
【0051】
ピエゾ素子は、その両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インクの流路の側壁を変形させる。これによって、インクの流路の体積がピエゾ素子の伸縮に応じて収縮し、この収縮分に相当するインク量が、インク滴となって各色の各ノズル♯1〜♯180から吐出される。
【0052】
原駆動信号発生部644Aは、各ノズル♯1〜♯180に共通して用いられる原信号ODRVを生成する。この原信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジ41が一画素の間隔を横切る時間内)に複数のパルスを含む信号である。
駆動信号整形部644Bには、原信号発生部644Aから原信号ODRVが入力されるとともに、印刷信号PRT(i)が入力される。駆動信号整形部644Bは、印刷信号PRT(i)のレベルに応じて、原信号ODRVを整形し、駆動信号DRV(i)として各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子に向けて出力する。各ノズル♯1〜♯180のピエゾ素子は、駆動信号整形部644Bからの駆動信号DRVに基づき駆動される。
【0053】
<ヘッドの駆動信号について>
図9は、各信号の説明のためのタイミングチャートである。すなわち、同図には、原信号ODRVと、印刷信号PRT(i)と、駆動信号DRV(i)の各信号のタイミングチャートが示されている。
【0054】
原信号ODRVは、原信号発生部644Aからノズル♯1〜♯nに共通に供給される信号である。本実施形態では、原信号ODRVは、一画素分の主走査期間内(キャリッジが一画素の間隔を横切る時間内)において、第1パルスW1と第2パルスW2の2つのパルスを含む。なお、この原信号ODRVは、原信号発生部644Aから駆動信号整形部644Bに出力される。
【0055】
印刷信号PRTは、一画素に対して割り当てられている画素データに対応した信号である。つまり、印刷信号PRTは、印刷データに含まれる画素データに応じた信号である。本実施形態では、印刷信号PRT(i)は、一画素に対して2ビットの情報を有する信号になる。なお、この印刷信号PRTの信号レベルに応じて、駆動信号整形部644Bは、原信号ODRVを整形し、駆動信号DRVを出力する。
【0056】
駆動信号DRVは、印刷信号PRTのレベルに応じて原信号ODRVを遮断することによって得られる信号である。すなわち、印刷信号PRTが1レベルのとき、駆動信号整形部644Bは、原信号ODRVの対応するパルスをそのまま通過させて駆動信号DRVとする。一方、印刷信号PRTが0レベルのとき、駆動信号整形部644Bは、原信号ODRVのパルスを遮断する。なお、駆動信号整形部644Bは、ノズル毎に設けられているピエゾ素子に駆動信号DRVを出力する。そして、ピエゾ素子は、この駆動信号DRVに応じて駆動される。
【0057】
印刷信号PRT(i)が2ビットデータ『01』に対応しているとき、第1パルスW1のみが一画素区間の前半で出力される。これにより、ノズルから小さいインク滴が吐出され、紙には小さいドット(小ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ『10』に対応しているとき、第2パルスW2のみが一画素区間の後半で出力される。これにより、ノズルから中サイズのインク滴が吐出され、紙には中サイズのドット(中ドット)が形成される。また、印刷信号PRT(i)が2ビットデータ『11』に対応しているとき、第1パルスW1と第2パルスW2とが一画素区間で出力される。これにより、ノズルから大きいインク滴が吐出され、紙には大きいドット(大ドット)が形成される。
【0058】
以上説明したとおり、一画素区間における駆動信号DRV(i)は、印刷信号PRT(i)の3つの異なる値に応じて互いに異なる3種類の波形を有するように整形されている。
【0059】
ただし、以下の説明では、説明の簡略化のため、2ビットデータが「01」であっても「10」であっても小ドットが形成されるものとする。つまり、ヘッドは、大ドット又は小ドットの2種類のドットを媒体上に形成する。
【0060】
===本実施形態の印刷方法===
図10は、本実施形態の印刷方法を説明するためのフロー図である。以下に説明される各種の動作は、プリンタドライバにより行われる。すなわち、プログラムであるプリンタドライバは、以下に説明される各種の機能を実行するためのコードを有する。本実施形態の印刷方法は、エッジ処理(S106)の方法に特徴がある。
【0061】
まず、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから印刷命令を受ける(S101)。この印刷命令は、ユーザがアプリケーション上で印刷を指令することにより発せられる。この印刷命令には、例えばアプリケーション上で編集された画像データが含まれている。プリンタドライバは、印刷命令の中に含まれている画像データを以下のように印刷データに変換し、プリンタに印刷データを出力する。
【0062】
次に、プリンタドライバは、画像データを720×720dpiの解像度のRGB画像データに変換する(S102:解像度変換処理)。後述するとおり本実施形態ではプリンタは360×720dpiの解像度にて印刷を行うが、ここでの解像度変換処理では、プリンタドライバは、アプリケーションプログラムから受け取った画像データの解像度を、紙に印刷する際の解像度よりも高い解像度のRGB画像データに変換している。なお、本実施形態における解像度変換処理後のRGB画像データは、256階調のRGBデータである。
【0063】
次に、プリンタドライバは、RGB画像データをCMYK画像データに変換する(S103:色変換処理)。本実施形態では、RGB画像データが720×720dpiの解像度なので、色変換処理後のCMYK画像データも720×720dpiの解像度になる。なお、本実施形態における色変換処理後のCMYK画像データは、256階調のCMYKデータである。
【0064】
次に、プリンタドライバは、256階調のCMYK画像データを720×720dpiの解像度の2値データに変換する(S104:ハーフトーン処理)。本実施形態では、ハーフトーン処理されたデータは、各画素につき1ビットのデータが割り当てられた2値データである。
【0065】
図11は、ハーフトーン処理された720×720dpiの2値データの説明図である。図中の桝目は、仮想的に定められた桝目であって、画像を構成する際の最小構成単位である画素を示すものである。同図では、説明の簡略化のため、14画素×14画素からなる画像を用いて説明を行う。なお、図中の2値データは、左上に丸みを帯びた輪郭を有する画像である。
【0066】
各画素には、「0」又は「1」の2値のデータが割り当てられており、「0」が割り当てられた画素にはドットが形成されず、「1」が割り当てられた画素にはドットが形成される。そのため、画素に対応するデータ(画素データ)は、その画素の色を示す情報になる。(なお、2値データに基づいてプリンタがドットを形成する場合、1つの画素において2階調(「ドットがある」、「ドットがない」)しか表現できないので、大小のドットを打ち分けることはできない。)
ここで、(x,y)に位置する画素の画素データをf(x,y)と表すこととする。例えば、同図において左上の画素の位置を(x,y)=(0,0)とすると、この画素の画素データは、f(0,0)=0である。なお、このルールに従えば、f(13,13)=1である。
【0067】
次に、プリンタドライバは、720×720dpiの2値データを、360×720dpiの多値データに変換する(S105)。すなわち、プリンタドライバは、走査方向に隣り合う2つの画素を1単位とし、その1単位を新たな画素として解像度を変換している。また、プリンタドライバは、もとの2つの画素に対応する2つの1ビットデータを新たな画素に対応させることによって、新たな画素に2ビットデータを対応づけている。つまり、プリンタドライバは、隣り合う2つの画素の画素データがいずれも「0」であれば、新たな画素の画素データを「00」とする。また、プリンタドライバは、隣り合う2つの画素の画素データの一方が「0」であって他方が「1」であれば、新たな画素の画素データを「01」とする。また、プリンタドライバは、隣り合う2つの画素の画素データがいずれも「1」であれば、新たな画素の画素データを「11」とする。プリンタドライバは、このような処理を行うことによって、720×720dpiの1ビットデータ(2値データ)を、360×720dpiの2ビットデータ(多値データ)に変換している。以下、この処理を「解像度多値変換処理」と呼ぶ。
【0068】
この解像度多値変換処理により、プリンタドライバは、解像度に方向性のなかった720×720dpiの画像から、解像度に方向性のある360×720dpiの画像を取得することができる。また、この解像度多値変換処理により、プリンタドライバは、ドットの大きさを打ち分けることができない2値データから、ドットの大きさを打ち分けることができる多値データを取得することができる。
【0069】
図12は、解像度多値変換処理後の360×720dpiの多値データの説明図である。走査方向に隣り合う2つの画素を1単位(新たな画素)としているため、図中の桝目によって示された画素は、長方形になっている。そのため、同図において、画像は、7画素×14画素から構成されている。なお、変換後のデータの走査方向の解像度は360dpiであり、搬送方向の解像度は720dpiである。つまり、図中の左右方向(X方向)は走査方向に平行であり、上下方向(Y方向)は搬送方向に平行である。
【0070】
ここで、(X,Y)に位置する画素の画素データをF(X,Y)と表すこととする。例えば、同図において左上の画素の位置を(X,Y)=(0,0)とすると、この画素データはF(0,0)=00である。なお、このルールに従えば、F(6,13)=11であり、F(4,4)=01である。
【0071】
<エッジ処理を行わない場合について>
図13は、エッジ処理を行わない場合のドット形成の様子の説明図である。プリンタドライバがエッジ処理を行わずにラスタライズ処理(S107)を行ない、印刷データをプリンタに出力し(S108)、プリンタが印刷データに基づいて印刷を行えば、このように印刷される。(ただし、図中の桝目は、仮想的に定められた桝目であるため、印刷されるものではない。)
大ドットを形成するとき、2つのパルス信号(W1、W2)によってピエゾ素子を駆動し、走査方向に沿って移動するノズルからインクを吐出するため、大ドットは走査方向に長軸をもつ楕円形となる。なお、プリンタは、画素データが「00」である画素に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。また、プリンタは、画素データが「01」(又は「10」)である画素に対応する紙上の位置には小ドットを形成する。また、プリンタは、画素データが「11」である画素に対応する紙上の位置には大ドットを形成する。
【0072】
ここで、(X,Y)の位置の画素に対応する紙上の位置を(X’,Y’)と表すこととする。例えば、同図において左上の紙上の位置は、図12における左上の画素に対応する。また、紙上の(X’,Y’)=(6,13)の位置には大ドットが形成され、紙上の(X’,Y’)=(4,4)の位置には小ドットが形成されている。
【0073】
エッジ処理を行わない場合、印刷される画像に丸みを帯びた輪郭(例えば曲線など)があると、その輪郭部分が滑らかに印刷されない。例えば、図中の矢印Aの付近((X’,Y’)=(5,3)の付近)において、輪郭部分が滑らかに印刷されていない。すなわち、エッジ処理を行わない場合、図中の矢印Aの付近が、周囲の輪郭部分と比較して上側(−Y’方向)に突出したように印刷されて、滑らかな輪郭になっていない。
【0074】
<参考例のエッジ処理について>
図14は、参考例のエッジ処理の説明図である。
参考例のエッジ処理では、対象画素の画素データが「11」であって、画素▲1▼の画素データ、画素▲2▼の画素データ、画素▲3▼の画素データおよび画素▲4▼の画素データのいずれかの画素データが「00」であれば、対象画素の画素データを「01」に置き換えることにしている。言い換えると、参考例のエッジ処理では、F(m,n)=11であって、F(m−1,n)、F(m,n−1)、F(m+1,n)及びF(m−1,n)の少なくとも一つが00である場合、F(m,n)=01としている。
この参考例のエッジ処理では、2次元の画像に関して微分を利用して、対象画素のX方向及びY方向の変化量に基づいて、エッジ処理を行うべき画素か否かを判断している。
【0075】
図15は、参考例のエッジ処理後の多値データの説明図である。図中において、太線で囲まれた画素の画素データは、参考例のエッジ処理の結果、「11」から「01」に置き換えられている。すなわち、(X,Y)=(5,3)、(6,3)、(4,5)、(3,7)、(2,9)の位置の画素の画素データが、「11」から「01」に置き換えられている。
【0076】
図16は、参考例のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。プリンタドライバが、参考例のエッジ処理(S106)を行い、ラスタライズ処理(S107)を行ない、印刷データをプリンタに出力し(S108)、プリンタが印刷データに基づいて印刷を行えば、紙にはこのようなドットが形成される。(ただし、図中の桝目は、仮想的に定められた桝目であるため、印刷されるものではない。)
参考例のエッジ処理を行った場合、前述のエッジ処理を行わない場合と比較すると、図中の矢印Aの付近では、輪郭部分が滑らかになり、改善されている。しかし、参考例のエッジ処理を行った場合、斜めの輪郭があると、その輪郭部分が滑らかに印刷されない。例えば、図中の矢印Bの付近((X’,Y’)=(4,5)、(3,7)、(2,9)の付近)において、斜めの輪郭部分がギザギザ(ジグザグ)になってしまう。すなわち、参考例のエッジ処理を行った場合、図中の矢印Bの付近が、搬送方向(図中のY’方向)に小ドットが2つ並んで形成されるようになり、滑らかな輪郭になっていない。
【0077】
<本実施形態のエッジ処理について>
図17は、本実施形態のエッジ処理の説明図である。図18は、本実施形態のエッジ処理のフロー図である。以下に説明される各種の動作は、プリンタドライバにより行われる。すなわち、プログラムであるプリンタドライバは、以下に説明される各種の機能を実行するためのコードを有する。
本実施形態のエッジ処理では、対象画素の画素データが「11」であって(S201でYES)、この対象画素が本実施形態で言うエッジ画素であれば(S202でYES又はS203でYES)、対象画素の画素データを「11」から「01」に置き換えている(S204)。
ここで、エッジ画素としての条件は、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす対象画素である。
条件1:画素▲1▼、画素▲2▼及び画素▲3▼のいずれの画素データも「00」であること。
【0078】
条件2:画素▲4▼、画素▲5▼及び画素▲6▼のいずれの画素データも「00」であること。
【0079】
この条件1と条件2は、以下のように表現することもできる。
条件1:画素▲1▼、画素▲2▼及び画素▲3▼に対応する紙上の位置には、小ドット及び大ドットのいずれのドットも形成しない。
条件2:画素▲4▼、画素▲5▼及び画素▲6▼に対応する紙上の位置には、小ドット及び大ドットのいずれのドットも形成しない。
【0080】
ここで、対象画素の位置を(X,Y)=(m,n)とすると、画素▲1▼〜画素▲6▼(参照画素)の位置は、それぞれ以下の通りである。
画素▲1▼:(X,Y)=(m−1,n−1)
画素▲2▼:(X,Y)=(m,n−1)
画素▲3▼:(X,Y)=(m+1,n−1)
画素▲4▼:(X,Y)=(m−1,n+1)
画素▲5▼:(X,Y)=(m,n+1)
画素▲6▼:(X,Y)=(m+1,n+1)
【0081】
画素▲1▼〜画素▲6▼の位置は、言い換えると、以下のように表現される。
画素▲1▼:
対象画素の−Y方向に隣接する画素(画素▲2▼)と−X方向に隣接する画素
画素▲2▼:
対象画素の−Y方向に隣接する画素
画素▲3▼:
対象画素の−Y方向に隣接する画素(画素▲2▼)と+X方向に隣接する画素
画素▲4▼:
対象画素の+Y方向に隣接する画素(画素▲5▼)と−X方向に隣接する画素
画素▲5▼:
対象画素の+Y方向に隣接する画素
画素▲6▼:
対象画素の+Y方向に隣接する画素(画素▲5▼)と+X方向に隣接する画素
なお、360×720dpiの画像からみると、X方向は解像度の低い方向であり、Y方向は解像度の高い方向である。
【0082】
ところで、図18のフロー図は、以下のように表現することもできる。
S201:F(m,n)=11?
S202:F(m,n−1)=00 AND F(m,n−1)=00 AND
F(m+1,n−1)=00?
S203:F(m,n+1)=00 AND F(m,n+1)=00 AND
F(m+1,n+1)=00?
S204:F(m,n)=01
【0083】
図19は、本実施形態のエッジ処理後の多値データの説明図である。図中において、太線で囲まれた画素の画素データは、本実施形態のエッジ処理の結果、「11」から「01」に置き換えられている。すなわち、(X,Y)=(5,3)、(6,3)の位置の画素のデータが、「11」から「01」に置き換えられている。本実施形態のエッジ処理によれば、前述の参考例のエッジ処理とは異なり、(X,Y)=(4,5)、(3,7)、(2,9)の位置の画素の画素データは、置き換えられていない。
【0084】
図20は、本実施形態のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。プリンタドライバが、本実施形態のエッジ処理(S106)を行い、ラスタライズ処理(S107)を行ない、印刷データをプリンタに出力し(S108)、プリンタが印刷データに基づいて印刷を行えば、紙にはこのようなドットが形成される(ただし、図中の桝目は、仮想的に定められた桝目であるため、印刷されるものではない。)。
【0085】
本実施形態のエッジ処理を行った場合、前述のエッジ処理を行わない場合と比較すると、図中の矢印Aの付近では、輪郭部分が滑らかになり、改善されている。さらに、前述の参考例と比較すると、図中の矢印Bの付近でも、斜めの輪郭部分がギザギザ(ジグザグ)にならず、輪郭部分が滑らかになり、改善されている。
【0086】
つまり、本実施形態によれば、印刷される画像に丸みを帯びた輪郭(例えば曲線)があっても、その輪郭部分を滑らかに印刷することができる。また、本実施形態によれば、斜めの輪郭があっても、その輪郭部分を滑らかに印刷することができる。通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分とが連続した状態になっていることが多い。そのため、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる本実施形態のエッジ処理は、高画質な印刷を行ううえで特に有利である。
【0087】
<参照画素の方向性について>
本実施形態のエッジ処理は、X方向(走査方向)の解像度が低く、Y方向(搬送方向)の解像度が高い画像を対象としている。そして、X方向に並ぶ3つの参照画素(画素▲1▼、画素▲2▼、画素▲3▼の3つの画素又は画素▲4▼、画素▲5▼、画素▲6▼の3つの画素)の画素データがいずれも「00」である場合に、プリンタドライバは、対象画素がエッジ画素であると判断し、対象画素の画素データを「11」から「01」に置き換えている。
【0088】
そして、以下の説明からも明らかな通り、解像度の方向性と、3つの画素の並び方向とは、密接に関連している。
図21Aは、ハーフトーン処理後、解像度多値変換処理前の2値データの説明図である。このデータは、720×720dpiの解像度のデータである。同図では、説明の簡略化のため、16画素×16画素からなる画像を用いて説明を行う。
図21Bは、図21Aに示された2値データに基づいて、プリンタが720×720dpiの解像度で印刷を行った場合のドット形成の様子の説明図である。なお、2値データに基づいてプリンタがドットを形成するため、1つの画素において2階調(「ドットがある」、「ドットがない」)しか表現できないので、大小のドットを打ち分けることはできない。
解像度多値変換処理後の360×720dpiの多値データに基づいてプリンタがドットを形成する場合であっても、720×720dpiの解像度によって印刷された画像に近い印刷画像が得られるほうが望ましいことは言うまでもない。以下、比較例の印刷画像と本実施形態の印刷画像のどちらが、720×720dpiの解像度によって印刷された画像に近いかを比較する。
【0089】
図22は、比較例のエッジ処理の説明図である。比較例のエッジ処理では、3つの参照画素(画素▲1▼、画素▲2▼、画素▲3▼の3つの画素又は画素▲4▼、画素▲5▼、画素▲6▼の3つの画素)は、X方向(走査方向)ではなく、Y方向(搬送方向)に並んでいる。
【0090】
図23Aは、比較例のエッジ処理後の多値データの説明図である。図中において、太線で囲まれた画素の画素データは、比較例のエッジ処理の結果、「11」から「01」に置き換えられている。図23Bは、比較例のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。
ここで、720×720dpiの解像度により紙に形成される画像(図21B)と比較例により紙に形成される画像(図23B)とを比較する。図21Bの画像は、X方向及びY方向に均等な大きさの画像である。しかし、比較例の画像は、X’方向に細くなり、全体的にY’方向に伸びた画像になっている。また、図中の矢印C付近において、丸みを帯びた輪郭は、Y’方向に突出したように印刷されて、滑らかな輪郭になっていない。また、320×720dpiの解像度ではX方向に解像度が低くなっているため、X方向のドット間隔が大きくなる。そして、図中の矢印D付近のように小ドットと大ドットがX方向に隣接すると、ドット間の隙間が大きくなるので、画像が粗くなってしまう。
【0091】
図24Aは、本実施形態のエッジ処理後の多値データの説明図である。図中において、太線で囲まれた画素の画素データは、本実施形態のエッジ処理の結果、「11」から「01」に置き換えられている。図24Bは、本実施形態のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。
ここで、本実施形態により得られる画像は、X’方向及びY’方向にほぼ均等な大きさの画像になる。また、図中の矢印C付近において、丸みを帯びた輪郭は、滑らかに印刷されている。また、図中の矢印D付近は、大ドット同士がX方向に隣接している。大ドットはX方向(走査方向)に長軸をもつ楕円形であるため、大ドット同士がX方向に隣接すれば、ドット間の隙間は小さいので画質は粗くならない。
【0092】
上記の説明では、所定の領域を塗りつぶす図形を印刷していた。しかし、本実施形態のエッジ処理は、このような図形のみに有効なだけではない。
例えば、印刷する画像がテキストであっても、本実施形態のエッジ処理は有効である。テキストを印刷する場合、印刷されたテキストを読みやすいものにするためには、テキストの輪郭部分を明確にする必要がある。そして、テキストを印刷する場合、斜めの輪郭部分や丸みを帯びた輪郭部分が多く、このような輪郭部分を明確にする必要がある。そのため、テキスト画像に対して本実施形態のエッジ処理を行えば、読みやすいテキストを紙に印刷することができる。
【0093】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
【0094】
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0095】
<方向性について>
前述の実施形態によれば、搬送方向の解像度が走査方向の解像度よりも高い画像に対して、エッジ処理を行っていた。そして、前述の実施形態によれば、走査方向に並ぶ3つの画素(画素▲1▼、画素▲2▼、画素▲3▼の3つの画素又は画素▲4▼、画素▲5▼、画素▲6▼の3つの画素)を参照画素としていた。しかし、解像度の方向性や、参照画素の方向性は、これに限られるものではない。
【0096】
図25は、他の実施形態のエッジ処理の説明図である。この実施形態によれば、走査方向の解像度が搬送方向の解像度よりも高い画像を対象としている。
この実施形態のエッジ処理では、対象画素の画素データが「11」であって、この対象画素が本実施形態で言うエッジ画素であれば、画素データを「11」から「01」に置き換えている。ここで、本実施形態のエッジ画素としての条件は、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす対象画素である。 条件1:画素▲1▼、画素▲2▼及び画素▲3▼のいずれの画素データも「00」であること。
【0097】
条件2:画素▲4▼、画素▲5▼及び画素▲6▼のいずれの画素データも「00」であること。
【0098】
つまり、この実施形態によれば、搬送方向に並ぶ3つの画素(同図における画素▲1▼、画素▲2▼、画素▲3▼の3つの画素又は画素▲4▼、画素▲5▼、画素▲6▼の3つの画素)を参照画素としている。
本実施形態であっても、前述の実施形態とほぼ同様な効果を奏することができる。要するに、解像度の方向性と参照画素の方向性とが対応していればよいのであって、解像度の方向性や参照画素の方向性が前述の実施形態に限られるものではない。但し、本実施形態と前述の実施形態とを比較すると、楕円形状の大ドットの方向性までをも考慮すると、前述の実施形態の方が望ましい。
【0099】
<プリンタドライバについて>
前述の実施形態によれば、コンピュータ側のプリンタドライバがエッジ処理を行っていた。しかし、エッジ処理を行うのはプリンタドライバに限られるものではない。例えば、本実施形態のエッジ処理を行うのに必要な機能を実現するためのプログラムがプリンタのメモリに格納されているのであれば、プリンタが前述のエッジ処理を行うことが可能である。この場合、プリンタは、コンピュータから720×720dpiの解像度の印刷データを受信し、受信した印刷データに含まれる画素データに基づいて、エッジ処理を行うことになる。
このようにしても、前述の実施形態とほぼ同様な効果を奏することができる。
【0100】
<解像度多値変換処理について>
前述の実施形態によれば、プリンタドライバは、720×720dpiの2値データに基づいて、まず360×720dpiの多値データを作成し、その後にエッジ処理を行っていた。しかし、エッジ処理はこの処理順序に限られるものではない。
例えば、プリンタドライバは、720×720dpiの2値データに基づいて、直接的にエッジ処理後の360×720dpiの多値データを演算しても良い。
【0101】
<ドットについて>
前述の実施形態によれば、ヘッドが紙に形成するドットは、大ドット又は小ドットの2種類であった。しかし、紙に形成されるドットの種類は、これに限られるものではない。例えば、ヘッドが、大ドット及び小ドットだけでなく、中ドットを媒体に形成しても良い。
【0102】
<エッジ処理について>
前述の実施形態のエッジ処理によれば、エッジ画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合、プリンタドライバは、大ドットを小ドットに置き換えていた。しかし、エッジ処理は、大ドットを小ドットに置き換える処理に限られるものではない。
例えば、エッジ画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合、プリンタドライバは、この大ドットを中ドットに置き換えても良い。また、エッジ画素に対応する紙上の位置に中ドットに形成する場合、プリンタドライバは、この中ドットを小ドットに置き換えても良い。
【0103】
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、従来と比較して省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
【0104】
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出すれば、省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
【0105】
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【0106】
===まとめ===
<印刷装置について>
上記の説明は、大ドット及び小ドットを紙に形成可能なヘッドを有し、走査方向(第2方向)・搬送方向(第1方向)の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に対応する紙上の位置に、大ドット又は小ドットを形成することによって、360×720dpiの画像を紙に印刷する印刷装置(コンピュータとプリンタとのシステム又はプリンタ単体)に関する。そして、対象画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する紙上の位置には小ドットを形成する。
条件1:画素▲2▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲2▼に隣接する2つの画素(画素▲1▼、画素▲3▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
条件2:画素▲5▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲5▼に隣接する2つの画素(画素▲4▼、画素▲6▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
このような印刷装置によれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このような印刷装置によれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このような印刷装置によれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0107】
<制御装置について>
上記の説明は、走査方向(第2方向)・搬送方向(第1方向)の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に、大ドットの画素データ「11」又は小ドットの画素データ「01」を対応させ、大ドットの画素データ「11」及び小ドットの画素データ「01」を印刷データに含ませてプリンタに出力するコンピュータに関する。そして、対象画素の画素データが「11」の場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する画素データは、「11」から「01」に置き換える。
条件1:画素▲2▼の画素データが「00」であって、かつ、画素▲2▼に隣接する2つの画素(画素▲1▼、画素▲3▼)の画素データが「00」である。
条件2:画素▲5▼の画素データが「00」であって、かつ、画素▲5▼に隣接する2つの画素(画素▲4▼、画素▲6▼)の画素データが「00」である。
このような制御装置によれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このような制御装置によれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このような制御装置によれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0108】
<プログラムについて1>
上記の説明は、大ドット及び小ドットを紙に形成可能なヘッドを有する印刷装置(コンピュータとプリンタとのシステム又はプリンタ単体)に、走査方向(第2方向)・搬送方向(第1方向)の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に対応する紙上の位置に、大ドット又は小ドットを形成することによって、360×720dpiの画像を紙に印刷する機能を実現させるプログラム(プリンタドライバ、又はプリンタ側のプログラム、又はプリンタドライバとプリンタ側のプログラムのシステムとしてのプログラム)に関する。そして、このプログラムは、参照画素に対応する紙上の位置に大ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する紙上の位置には小ドットを印刷装置に形成させる。
条件1:画素▲2▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲2▼に隣接する2つの画素(画素▲1▼、画素▲3▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
条件2:画素▲5▼に対応する紙上の位置にはドットを形成せず、かつ、画素▲5▼に隣接する2つの画素(画素▲4▼、画素▲6▼)に対応する紙上の位置にはドットを形成しない。
このようなプログラムによれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このようなプログラムによれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このようなプログラムによれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0109】
<プログラムについて2>
上記の説明は、走査方向(第2方向)・搬送方向(第1方向)の解像度が360×720dpiの画像を構成する画素に、大ドットの画素データ「11」又は小ドットの画素データ「01」を対応させる機能と、大ドットの画素データ「11」及び小ドットの画素データ「01」を印刷データに含ませてプリンタに出力する機能と、をコンピュータに実現させるプリンタドライバに関する。そして、対象画素の画素データが「11」の場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その対象画素に対応する画素データは、「11」から「01」に置き換える機能をコンピュータに実現させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
このようなプリンタドライバによれば、画像の品質を向上させることができる。特に、このようなプリンタドライバによれば、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分の両方の輪郭部分を滑らかに印刷することができる。そして、通常の画像では、斜めの輪郭部分と丸みを帯びた輪郭部分は連続した状態になっていることが多いので、このようなプリンタドライバによれば、高画質な印刷を行う上で特に有利である。
【0110】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷画像の品質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷システムの全体構成の説明図である。
【図2】プリンタドライバが行う処理の説明図である。
【図3】プリンタドライバのユーザインターフェースの説明図である。
【図4】本実施形態のプリンタの全体構成のブロック図である。
【図5】本実施形態のプリンタの全体構成の概略図である。
【図6】本実施形態のプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。
【図7】ノズルの配列を示す説明図である。
【図8】ヘッドユニットの駆動回路の説明図である。
【図9】各信号の説明のためのタイミングチャートである。
【図10】本実施形態の印刷方法のフロー図である。
【図11】ハーフトーン処理された2値データの説明図である。
【図12】解像度多値変換処理後の多値データの説明図である。
【図13】エッジ処理を行わない場合のドット形成の様子の説明図である。
【図14】参考例のエッジ処理の説明図である。
【図15】参考例のエッジ処理後の多値データの説明図である。
【図16】参考例のエッジ処理後のドット形成の様子の説明図である。
【図17】本実施形態のエッジ処理の説明図である。
【図18】本実施形態のエッジ処理のフロー図である。
【図19】本実施形態のエッジ処理後の多値データの説明図である。
【図20】本実施形態のエッジ処理を行った場合のドット形成の様子の説明図である。
【図21】図21Aは、ハーフトーン処理後、解像度多値変換処理前の2値データの説明図である。図21Bは、図21Aに示された2値データに基づいて印刷を行った場合のドット形成の様子の説明図である。
【図22】比較例のエッジ処理の説明図である。
【図23】図23Aは、比較例のエッジ処理後の多値データの説明図である。図23Bは、比較例のドット形成の様子の説明図である。
【図24】図24Aは、本実施形態のエッジ処理後の多値データの説明図である。図24Bは、本実施形態のドット形成の様子の説明図である。
【図25】他の実施形態のエッジ処理の説明図である。
【符号の説明】
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 センサ、51 リニア式エンコーダ、52 ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 紙幅センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路、
644A 原駆動信号発生部、644B 駆動信号整形部、
1100 コンピュータ、
1102 ビデオドライバ、 1104 アプリケーションプログラム、
1110 プリンタドライバ
1200 表示装置、
1300 入力装置、1300A キーボード、1300B マウス、
1400 記録再生装置、1400A フレキシブルディスクドライブ装置、1400B CD−ROMドライブ装置、
1000 印刷システム
Claims (22)
- 第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有し、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷装置であって、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記第1ドットは、前記第1方向よりも前記第2方向に長いドットである。 - 請求項2に記載の印刷装置であって、
前記第1ドットは、楕円形状である。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記ヘッドは、所定の方向に移動可能であって、
前記第2方向は、前記所定の方向と平行な方向である。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記印刷装置は、前記媒体に印刷するとき、前記媒体を搬送方向に搬送するものであり、
前記第2方向は、前記搬送方向と平行な方向である。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1方向及び前記第2方向に所定の解像度の画像の解像度を変換し、
前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得する。 - 請求項6に記載の印刷装置であって、
前記所定の解像度の画像は、前記第1方向と前記第2方向の解像度が等しい画像である。 - 請求項6又は7に記載の印刷装置であって、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の隣り合う画素を一つの単位として新しい画素とし、
前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得する。 - 請求項8に記載の印刷装置であって、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の隣り合う2つの画素を一つの単位として新しい画素とする。 - 請求項8又は9に記載の印刷装置であって、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の前記第2方向に隣り合う画素を一つの単位として新しい画素とする。 - 請求項6〜10のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量よりも、大きい。 - 請求項11に記載の印刷装置であって、
前記前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、少なくとも2ビットの情報量を有する。 - 請求項11又は12に記載の印刷装置であって、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量は、1ビットの情報量である。 - 請求項1〜13のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記媒体に印刷される画像は、前記第1ドット又は前記第2ドットによって所定の領域を塗りつぶすような画像である。 - 請求項14に記載の印刷装置であって、
前記ある画素に対応する前記媒体上の位置は、前記所定の領域の輪郭部分に位置する。 - 請求項1〜15のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記媒体に印刷する画像は、テキストである。 - 第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有し、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷装置であって、
前記第1ドットは、前記第1方向よりも前記第2方向に長い楕円形状のドットであり、
前記ヘッドは所定の方向に移動可能であって、前記第2方向は前記所定の方向と平行な方向であり、
前記印刷装置は、前記媒体に印刷するとき、前記媒体を搬送方向に搬送するものであり、前記第2方向は前記搬送方向と平行な方向であり、
前記第1方向及び前記第2方向に所定の解像度の画像の解像度を変換し、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得し、
前記所定の解像度の画像は、前記第1方向と前記第2方向の解像度が等しい画像であり、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の前記第2方向に隣り合う2つの画素を一つの単位として新しい画素とし、前記第1方向の解像度が前記第2方向の解像度よりも高い画像を取得し、
前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量よりも、大きく、
前記前記第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素の画素データの情報量は、少なくとも2ビットの情報量を有し、
前記所定の解像度の画像を構成する画素の画素データの情報量は、1ビットの情報量であり、
前記媒体に印刷される画像は、前記第1ドット又は前記第2ドットによって所定の領域を塗りつぶすような画像であり、
前記媒体に印刷する画像は、テキストであり、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。 - 第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させ、
前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する制御装置であって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。 - 第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成し、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する印刷方法であって、
ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを形成する。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。 - 第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させ、
前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する制御方法であって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。 - 第1ドット及び前記第1ドットよりも小さい第2ドットを媒体に形成可能なヘッドを有する印刷装置に、
第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に対応する前記媒体上の位置に、前記第1ドット又は前記第2ドットを形成することによって、前記画像を前記媒体に印刷する機能を実現させるプログラムであって、
前記プログラムは、ある画素に対応する前記媒体上の位置に前記第1ドットを形成する場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素に対応する前記媒体上の位置には前記第2ドットを前記印刷装置に形成させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素に対応する前記媒体上の位置には前記第1ドット及び第2ドットのいずれも形成しない。 - 第1方向の解像度が第2方向の解像度よりも高い画像を構成する画素に、第1ドットに関する第1ドット情報又は前記第1ドットよりも小さい第2ドットに関する第2ドット情報を対応させる機能と、
前記第1ドット情報及び前記第2ドット情報を出力する機能と、
を制御装置に実現させるプログラムであって、
ある画素に前記第1ドット情報が対応している場合であって、以下の条件1及び条件2の少なくとも一方の条件を満たす場合、その画素には前記第2ドット情報を対応させる機能を制御装置に実現させる。
条件1:前記ある画素の前記第1方向に隣接する2つの隣接画素のうちの一方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記一方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
条件2:前記2つの隣接画素のうちの他方の隣接画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応せず、かつ、前記他方の隣接画素の前記第2方向に隣接する2つの画素には前記第1ドット情報及び第2ドット情報のいずれも対応しない。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110843A JP2004314411A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 印刷装置、制御装置、印刷方法、制御方法およびプログラム |
US10/823,794 US7481514B2 (en) | 2003-04-15 | 2004-04-14 | Printing method, control method, printing apparatus, control apparatus, and computer-readable storage medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110843A JP2004314411A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 印刷装置、制御装置、印刷方法、制御方法およびプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004314411A true JP2004314411A (ja) | 2004-11-11 |
Family
ID=33471584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003110843A Withdrawn JP2004314411A (ja) | 2003-04-15 | 2003-04-15 | 印刷装置、制御装置、印刷方法、制御方法およびプログラム |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7481514B2 (ja) |
JP (1) | JP2004314411A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006239964A (ja) * | 2005-03-01 | 2006-09-14 | Seiko Epson Corp | 印刷装置、印刷システム、印刷制御装置、印刷方法、およびプログラム |
JP2015186892A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 |
JP2015186891A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 |
JP2015186889A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 |
JP2015186890A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20090021545A1 (en) * | 2007-07-19 | 2009-01-22 | Samsung Electronics Co. Ltd. | Image forming apparatus and method of generating output signal thereof |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6267467B1 (en) * | 1998-12-24 | 2001-07-31 | Seiko Epson Corporation | Color printing using a vertical nozzle array head |
JP4296621B2 (ja) | 1999-01-06 | 2009-07-15 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置、印刷方法、および記録媒体 |
JP4469522B2 (ja) * | 2001-08-14 | 2010-05-26 | セイコーエプソン株式会社 | 輪郭の滲みを抑制する印刷 |
-
2003
- 2003-04-15 JP JP2003110843A patent/JP2004314411A/ja not_active Withdrawn
-
2004
- 2004-04-14 US US10/823,794 patent/US7481514B2/en active Active
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006239964A (ja) * | 2005-03-01 | 2006-09-14 | Seiko Epson Corp | 印刷装置、印刷システム、印刷制御装置、印刷方法、およびプログラム |
JP4661271B2 (ja) * | 2005-03-01 | 2011-03-30 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置、印刷システム、印刷制御装置、印刷方法、およびプログラム |
JP2015186892A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 |
JP2015186891A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 |
JP2015186889A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 |
JP2015186890A (ja) * | 2014-03-27 | 2015-10-29 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US7481514B2 (en) | 2009-01-27 |
US20050007415A1 (en) | 2005-01-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5092734B2 (ja) | 液体吐出方法、液体吐出装置及びプログラム | |
US8033627B2 (en) | Printing apparatus and printing method | |
JP5151445B2 (ja) | 液体吐出方法及び液体吐出装置 | |
JP2011189512A (ja) | 液体噴射装置、及び、液体噴射方法 | |
JP2020026061A (ja) | 記録装置、記録方法、および記録制御装置 | |
US7249820B2 (en) | Printing method, printing system, printing apparatus, print-control method, and storage medium | |
US7367645B2 (en) | Printing method and printing apparatus | |
JP2004314411A (ja) | 印刷装置、制御装置、印刷方法、制御方法およびプログラム | |
JP5169189B2 (ja) | 液体吐出方法、液体吐出装置及びプログラム | |
JP2004306392A (ja) | 印刷装置、制御装置、印刷方法、制御方法およびプログラム | |
JP4661043B2 (ja) | 印刷装置、印刷制御装置、印刷方法およびプログラム | |
JP2009137251A (ja) | 液体吐出方法、及び液体吐出装置 | |
JP2005040994A (ja) | 印刷装置、印刷方法及びプログラム | |
JP4433803B2 (ja) | 印刷装置、印刷制御装置、印刷方法、調査方法およびプログラム | |
JP2006192673A (ja) | 記録方法 | |
JP2009137252A (ja) | 液体吐出方法、及び液体吐出装置 | |
US10059097B2 (en) | Image processing method, image processing apparatus, and printing system | |
JP2009137248A (ja) | 液体吐出方法、液体吐出装置及びプログラム | |
JP2005001189A (ja) | 印刷装置、および印刷方法 | |
JP4661271B2 (ja) | 印刷装置、印刷システム、印刷制御装置、印刷方法、およびプログラム | |
JP2005178145A (ja) | 印刷装置、印刷方法、及び、プログラム | |
JP2005205849A (ja) | 印刷システム、印刷方法、および、プログラム | |
JP4474997B2 (ja) | 印刷制御装置、印刷方法及びプログラム | |
JP2005199608A (ja) | 印刷装置、印刷方法、調査方法、調査用パターンおよびプログラム | |
JP2005246937A (ja) | 印刷方法、印刷装置及びプログラム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060406 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090915 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20091117 |