JP2003320661A - 印刷装置、印刷方法、プログラム及びコンピュータシステム - Google Patents

印刷装置、印刷方法、プログラム及びコンピュータシステム

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JP2003320661A
JP2003320661A JP2002133509A JP2002133509A JP2003320661A JP 2003320661 A JP2003320661 A JP 2003320661A JP 2002133509 A JP2002133509 A JP 2002133509A JP 2002133509 A JP2002133509 A JP 2002133509A JP 2003320661 A JP2003320661 A JP 2003320661A
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JP2002133509A
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English (en)
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Hiroichi Nunokawa
博一 布川
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被印刷体の搬送が画質の良否に影響を与える
ことになるので、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質
の向上を図る。 【解決手段】 紙Sを紙搬送方向に搬送し、紙搬送方向
に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移動させ
てインクを吐出し、紙Sに印刷を行う。そして、紙Sが
許容値より小さい誤差で搬送されたとき紙搬送方向に対
し補完ノズル♯0からはインクを吐出せずに紙Sに印刷
を行い(通常印刷)、紙Sが許容値より大きい誤差δで
搬送されたとき紙Sを紙搬送方向に更に搬送し補完ノズ
ル♯0からインクを吐出して(補完印刷)、紙Sに印刷
を行うことができる。これにより、インクを吐出するノ
ズルとドットが形成される紙Sとの相対的な位置関係を
調整できるので、画質の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙などの被印刷体
に印刷を行う印刷装置に関する。また、本発明は、この
ような印刷装置を制御するプログラム及びコンピュータ
システムに関する。
【0002】
【背景技術】紙、布、フィルム等の各種の被印刷体に画
像を印刷する印刷装置として、インクを断続的に吐出し
て印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。
このようなインクジェットプリンタでは、被印刷体を紙
搬送方向に移動させて位置決めする工程と、走査方向に
ノズルを移動させながらインクを吐出する工程とを交互
に繰り返し、印刷を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】被印刷体を間欠的に搬
送し、その間欠的な搬送の間に印刷を行うプリンタで
は、被印刷体の搬送が、画質の良否に影響を与えること
になる。本発明は、被印刷体の搬送の精度を高めて、画
質の向上を図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の主たる発明は、被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬
送方向に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移
動させてインクを吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印
刷装置であって、前記被印刷体が所定値より小さい誤差
で搬送されたとき、前記搬送方向に対し下流側のノズル
からは前記インクを吐出せずに、前記被印刷体に印刷を
行い、前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送され
たとき、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前
記下流側のノズルから前記インクを吐出して、前記被印
刷体に印刷を行うことを特徴とする。本発明の他の特徴
については、本明細書及び添付図面の記載により明らか
にする。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を以下の
順序で説明する。 『開示の概要』 『印刷装置(インクジェットプリンタ)の概要』 『本実施形態のノズルの構成』 『本実施形態の印刷方法』 『コンピュータシステム等の構成』 『その他の実施の形態』 『まとめ』
【0006】===開示の概要=== 本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下
の事項が明らかとなる。
【0007】被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬送方
向に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移動さ
せてインクを吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印刷装
置であって、前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬
送されたとき、前記搬送方向に対し下流側のノズルから
は前記インクを吐出せずに、前記被印刷体に印刷を行
い、前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送された
とき、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記
下流側のノズルから前記インクを吐出して、前記被印刷
体に印刷を行うことを特徴とする印刷装置。このような
印刷装置によれば、インクを吐出するノズルとドットが
形成される被印刷体との相対的な位置関係を調整できる
ので、画質の向上を図ることができる。
【0008】また、かかる印刷装置であって、前記被印
刷体の搬送動作を検出する検出器を備え、前記誤差は、
前記検出器の検出結果に基づいて、求められることが望
ましい。このような印刷装置によれば、被印刷体の搬送
動作から、被印刷体の搬送誤差を求めることができる。
また、かかる印刷装置であって、前記検出器は、被印刷
体を搬送するローラの回転動作を検出するロータリー式
エンコーダであることが好ましい。このような印刷装置
によれば、ローラの回転量から被印刷体の搬送誤差を求
めることができる。
【0009】また、かかる印刷装置であって、前記誤差
は、前記被印刷体が所定の搬送量で搬送されたときに、
前記所定値よりも大きいと判断されることが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記誤差を検出するため
の検出器を備えていなくても、誤差が所定値より大きい
か否かを判断することができる。
【0010】また、かかる印刷装置であって、前記被印
刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき、(1)
前記誤差が前記被印刷体を搬送し足りない側の誤差であ
る場合、その誤差を解消するように前記被印刷体を搬送
し、(2)前記誤差が前記被印刷体を搬送し過ぎた側の
誤差である場合、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬
送し、前記下流側のノズルから前記インクを吐出して、
前記被印刷体に印刷を行うことが望ましい。このような
印刷装置によれば、できる限り下流側のノズルを用いず
に、被印刷体に印刷を行うことができる。
【0011】また、かかる印刷装置であって、前記被印
刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたときに、前記
被印刷体を前記搬送方向に更に搬送する場合の搬送量
は、前記ノズルの間隔の整数倍であることが望ましい。
このような印刷装置によれば、再度の搬送を行ったとき
に、上流のノズルが通常ならば形成すべきドットを、下
流側のノズルが形成することができる。
【0012】また、かかる印刷装置であって、前記被印
刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたときに、前記
被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下流側のノ
ズルから前記インクを吐出した後、前記被印刷体を搬送
方向に搬送する場合の搬送量は、通常の搬送量から前記
ノズルの間隔の整数倍を引いた分であることが望まし
い。このような印刷装置によれば、再度、下流側のノズ
ルを用いない通常の印刷動作に戻ることができる。
【0013】また、かかる印刷装置であって、前記所定
値は、可変であることが望ましい。このような印刷装置
であれば、搬送誤差に対する許容値を適宜に変更するこ
とができる。また、かかる印刷装置であって、前記所定
値は、印刷モードに基づいて、設定されることが好まし
い。このような印刷装置によれば、印刷モードに応じて
搬送誤差に対する許容値が設定されるので、印刷モード
に適した許容値を設定することができる。また、かかる
印刷装置であって、前記所定値は、前記被印刷体に形成
されるドットの間隔が小さくなるように設定すると、小
さくなることが良い。このような印刷装置によれば、高
画質を必要とするときは高画質な印刷を行うことがで
き、画質が要求されないときは速い印刷速度で印刷を行
うことができる。
【0014】また、かかる印刷装置であって、前記被印
刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたときに、前記
被印刷体を前記搬送方向に更に搬送する場合、前記ノズ
ル毎に設定されている印刷データがシフトされることが
望ましい。また、前記下流側のノズルには、前記下流側
のノズルよりも上流側にあるノズルに設定されていた印
刷データがシフトされることが好ましい。このような印
刷装置によれば、上流のノズルが通常ならば形成すべき
ドットを、下流側のノズルが形成することができる。
【0015】また、かかる印刷装置であって、前記被印
刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたときに、前記
被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下流側のノ
ズルから前記インクを吐出する場合、前記複数のノズル
のうちの上流側のノズルからは前記インクを吐出しない
ことが望ましい。このような印刷装置であれば、走査方
向に沿って形成されるドットの列が、通常の印刷時と同
じ数にすることができる。すなわち、このように印刷す
ることによって、紙には、通常の印刷と同様のドットが
形成される。
【0016】また、かかる印刷装置であって、前記下流
側のノズルは、複数個あることが望ましい。また、かか
る印刷装置であって、前記被印刷体が所定値より大きい
誤差で搬送されたときに前記被印刷体を前記搬送方向に
更に搬送し、更に前記被印刷体が所定値より大きい誤差
で搬送された場合、前記被印刷体を前記搬送方向に更に
搬送することが好ましい。このような印刷装置によれ
ば、下流側のノズルを利用するための搬送に許容値以上
の誤差が含まれたときであっても、さらに下流側のノズ
ルを利用して、ノズルと被印刷体との相対的な位置関係
を調整できるので、画質の向上を図ることができる。
【0017】また、かかる印刷装置であって、前記印刷
の方式は、(1)前記複数のノズルの間隔が、前記被印
刷体に形成されるドットの間隔よりも広く、(2)前記
ノズルが走査方向に1回移動して記録されるドットの列
の間に、記録されないドットの列がある方式であること
が望ましい。このような印刷装置によれば、いわゆるイ
ンターレース方式の印刷時に、ノズルと被印刷体との相
対的な位置関係を調整できるので、画質の向上を図るこ
とができる。
【0018】また、かかる印刷装置であって、前記印刷
の方式は、前記ノズルが走査方向に1回移動して、連続
した複数の走査方向のドットの列を記録する方式である
ことが望ましい。このような印刷装置によれば、いわゆ
るバンド印刷方式の印刷の際に、ノズルと被印刷体との
相対的な位置関係を調整できるので、画質の向上を図る
ことができる。
【0019】また、かかる印刷装置であって、前記印刷
方式は、前記ドットの間隔の紙の搬送と前記ノズルの走
査方向の移動とを繰り返し、連続した複数の走査方向の
ドットの列を記録する方式である。このような印刷装置
によれば、いわゆる擬似バンド方式の印刷の際に、ノズ
ルと被印刷体との相対的な位置関係を調整できるので、
画質の向上を図ることができる。
【0020】被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬送方
向に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移動さ
せてインクを吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印刷装
置であって、前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬
送されたとき、前記搬送方向に対し下流側のノズルから
は前記インクを吐出せずに、前記被印刷体に印刷を行
い、前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送された
とき、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記
下流側のノズルから前記インクを吐出して、前記被印刷
体に印刷を行い、前記被印刷体を搬送するローラの回転
量を検出するロータリー式エンコーダを備え、前記誤差
は、前記ロータリー式エンコーダの検出結果に基づい
て、求められ、前記被印刷体が所定値より大きい誤差で
搬送されたときに、前記被印刷体を前記搬送方向に更に
搬送する場合の搬送量は、前記ノズルの間隔の整数倍で
あって、前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送さ
れたときに、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送
し、前記下流側のノズルから前記インクを吐出した後、
前記被印刷体を搬送方向に搬送する場合の搬送量は、通
常の搬送量から前記ノズルの間隔の整数倍を引いた分で
あって、前記所定値は、前記被印刷体に形成されるドッ
トの間隔が小さくなるように設定すると、小さくなり、
前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
に、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送する場合、
前記下流側のノズルには、前記下流側のノズルよりも上
流側にあるノズルに設定されていた印刷データがシフト
され、前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送され
たときに、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、
前記下流側のノズルから前記インクを吐出する場合、前
記複数のノズルのうちの上流側のノズルからは前記イン
クを吐出せず、前記下流側のノズルは複数個あり、前記
被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたときに前
記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し更に前記被印刷
体が所定値より大きい誤差で搬送された場合、前記被印
刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記印刷の方式は、
前記複数のノズルの間隔が前記被印刷体に形成されるド
ットの間隔よりも広く、前記ノズルが走査方向に1回移
動して記録されるドットの列の間に記録されないドット
の列がある方式であることを特徴とする印刷装置。この
ような印刷装置によれば、インクを吐出するノズルとド
ットが形成される被印刷体との相対的な位置関係を調整
できるので、画質の向上を図ることができる。
【0021】被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬送方
向に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移動さ
せてインクを吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印刷方
法であって、前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬
送されたとき前記搬送方向に対し下流側のノズルからは
前記インクを吐出せずに前記被印刷体に印刷を行い、前
記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき前
記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し前記下流側のノ
ズルから前記インクを吐出して前記被印刷体に印刷を行
うことを特徴とする印刷方法。このような印刷方法によ
れば、インクを吐出するノズルとドットが形成される被
印刷体との相対的な位置関係を調整できるので、画質の
向上を図ることができる。
【0022】被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬送方
向に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移動さ
せてインクを吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印刷装
置に、前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬送され
たとき前記搬送方向に対し下流側のノズルからは前記イ
ンクを吐出せずに前記被印刷体に印刷を行う機能と、前
記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき前
記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し前記下流側のノ
ズルから前記インクを吐出して前記被印刷体に印刷を行
う機能とを実現させることを特徴とするプログラム。こ
のようなプログラムによれば、インクを吐出するノズル
とドットが形成される被印刷体との相対的な位置関係を
調整できるように印刷装置を制御するので、画質の向上
を図ることができる。
【0023】コンピュータ本体と、被印刷体を搬送方向
に搬送し前記搬送方向に沿って配列された複数のノズル
を走査方向に移動させてインクを吐出し前記被印刷体に
印刷を行う印刷装置と、を備えたコンピュータシステム
であって、前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬送
されたとき前記搬送方向に対し下流側のノズルからは前
記インクを吐出せずに前記被印刷体に印刷を行い、前記
被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき前記
被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し前記下流側のノズ
ルから前記インクを吐出して前記被印刷体に印刷を行う
ことを特徴とするコンピュータシステム。このようなコ
ンピュータシステムによれば、インクを吐出するノズル
とドットが形成される被印刷体との相対的な位置関係を
調整できるように印刷装置を制御するので、画質の向上
を図ることができる。
【0024】===印刷装置(インクジェットプリン
タ)の概要=== <インクジェットプリンタの構成について>図1、図
2、図3および図4を参照しつつ、印刷装置としてイン
クジェットプリンタを例にとって、その概要について説
明する。なお、図1は、本実施形態のインクジェットプ
リンタの全体構成の説明図である。また、図2は、本実
施形態のインクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概
略図である。また、図3は、本実施形態のインクジェッ
トプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。また、
図4は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユ
ニット周辺の斜視図である。
【0025】本実施形態のインクジェットプリンタは、
紙搬送ユニット10、インク吐出ユニット20、クリー
ニングユニット30、キャリッジユニット40、計測器
群50、および制御ユニット60を有する。
【0026】紙搬送ユニット10は、被印刷体である例
えば紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方
向(図1において紙面に垂直な方向(以下、紙搬送方向
という))に所定の移動量で紙を移動させるためのもの
である。すなわち、紙搬送ユニット10は、紙を搬送す
る搬送機構として機能する。紙搬送ユニット10は、紙
挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ
(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙
送りモータ(以下、PFモータという)15と、紙送り
モータドライバ(以下、PFモータドライバという)1
6と、紙送りローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリ
ーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。ただ
し、紙搬送ユニット10が搬送機構として機能するため
には、必ずしも、これらの構成要素を全て要するという
わけではない。
【0027】紙挿入口11Aは、被印刷体である紙を挿
入するところである。給紙モータ(不図示)は、紙挿入
口11Aに挿入された紙をプリンタ内に搬送するモータ
であり、パルスモータで構成される。給紙ローラ13
は、紙挿入口11に挿入された紙をプリンタ内に自動的
に搬送するローラであり、給紙モータ12によって駆動
される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有し
ている。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PF
モータ15までの搬送距離よりも長く設定されているの
で、この円周部分を用いて被印刷体をPFモータ15ま
で搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分
離パッド(不図示)の摩擦抵抗とによって、複数の被印
刷体が一度に給紙されることを防いでいる。被印刷体の
搬送のシーケンスについては、後で詳述する。
【0028】プラテン14は、印刷中の紙Sを支持す
る。PFモータ15は、被印刷体である例えば紙を紙搬
送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成され
る。PFモータドライバ16は、PFモータ15の駆動
を行うためのものである。紙送りローラ17Aは、給紙
ローラ13によってプリンタ内に搬送された紙Sを印刷
可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15
によって駆動される。フリーローラ18Aは、紙送りロ
ーラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを紙送りロ
ーラ17Aとの間に挟むことによって紙Sを紙送りロー
ラ17Aに向かって押さえる。
【0029】排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙S
をプリンタの外部に排出するローラである。排紙ローラ
17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によっ
て駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17
Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17B
との間に挟むことによって紙Sを排紙ローラ17Bに向
かって押さえる。
【0030】インク吐出ユニット20は、被印刷体であ
る例えば紙にインクを吐出するためのものである。イン
ク吐出ユニット20は、ヘッド21と、ヘッドドライバ
22とを有する。ヘッド21は、インク吐出部であるノ
ズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出す
る。ヘッドドライバ22は、ヘッド21を駆動して、ヘ
ッドから断続的にインクを吐出させるためのものであ
る。
【0031】クリーニングユニット30は、ヘッド21
のノズルの目詰まりを防止するためのものである。クリ
ーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピ
ング装置35とを有する。ポンプ装置は、ヘッド21の
ノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを
吸い出すものであり、ポンプモータ32とポンプモータ
ドライバ33とを有する。ポンプモータ32は、ヘッド
21のノズルからインクを吸引する。ポンプモータドラ
イバ33は、ポンプモータ32を駆動する。キャッピン
グ装置35は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止す
るため、印刷を行わないとき(待機時)に、ヘッド21
のノズルを封止する。
【0032】キャリッジユニット40は、ヘッド21を
所定の方向(図1において紙面の左右方向(以下、走査
方向という))に走査移動させるためのものである。キ
ャリッジユニット40は、キャリッジ41と、キャリッ
ジモータ(以下、CRモータという)42と、キャリッ
ジモータドライバ(以下、CRモータドライバという)
43と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイ
ドレール46とを有する。キャリッジ41は、走査方向
に移動可能であって、ヘッド21を固定している(した
がって、ヘッド21のノズルは、走査方向に沿って移動
しながら、断続的にインクを吐出する)。また、キャリ
ッジ41は、インクを収容するインクカートリッジ48
を着脱可能に保持している。CRモータ42は、キャリ
ッジを走査方向に移動させるモータであり、DCモータ
で構成される。CRモータドライバ43は、CRモータ
42を駆動するためのものである。プーリ44は、CR
モータ42の回転軸に取付けられている。タイミングベ
ルト45は、プーリ44によって駆動される。ガイドレ
ール46は、キャリッジ41を走査方向に案内する。
【0033】計測器群50には、リニア式エンコーダ5
1と、ロータリー式エンコーダ52と、紙検出センサ5
3と、紙幅センサ54とがある。リニア式エンコーダ5
1は、キャリッジ41の位置を検出するためのものであ
る。ロータリー式エンコーダ52は、紙送りローラ17
Aの回転量を検出するためのものである。なお、エンコ
ーダの構成等については、後述する。紙検出センサ53
は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのもので
ある。この紙検出センサ53は、給紙ローラ13が紙送
りローラ17Aに向かって紙を搬送する途中で、紙の先
端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙
検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検
出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出
センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、こ
のレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されて
いる。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが
回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバー
の動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出
する。紙幅センサ54は、キャリッジ41に取付けられ
ている。紙幅センサ54は、発光部541と受光部54
3を有する光学センサであり、紙によって反射された光
を検出することにより、紙幅センサ54の位置における
紙の有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャ
リッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出
し、紙の幅を検出する。また、紙幅センサ54は、キャ
リッジ41の位置によって、紙の先端を検出できる。紙
幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53
よりも位置検出の精度が高い。
【0034】制御ユニット60は、プリンタの制御を行
うためのものである。制御ユニット60は、CPU61
と、タイマ62と、インターフェース部63と、ASI
C64と、メモリ65と、DCコントローラ66とを有
する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うための
ものであり、DCコントローラ66、PFモータドライ
バ16、CRモータドライバ43、ポンプモータドライ
バ32およびヘッドドライバ22に制御指令を与える。
タイマ62は、CPU61に対して周期的に割り込み信
号を発生する。インターフェース部63は、プリンタの
外部に設けられたホストコンピュータ67との間でデー
タの送受信を行う。ASIC64は、ホストコンピュー
タ67からインターフェース部63を介して送られてく
る印刷情報に基づいて、印刷の解像度やヘッドの駆動波
形等を制御する。メモリ65は、ASIC64及びCP
U61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保
するためのものであり、PROM、RAM、EEPRO
M等の記憶手段を有する。DCコントローラ66は、C
PU61から送られてくる制御指令と計測器群50から
の出力に基づいて、PFモータドライバ16及びCRモ
ータドライバ43を制御する。
【0035】<エンコーダの構成について>図5は、リ
ニア式エンコーダ51の説明図である。リニア式エンコ
ーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのも
のであり、リニアスケール511と検出部512とを有
する。リニアスケール511は、所定の間隔(例えば、
1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にス
リットが設けられており、プリンタ本体側に固定されて
いる。
【0036】検出部512は、リニアスケール511と
対向して設けられており、キャリッジ41側に設けられ
ている。検出部512は、発光ダイオード512Aと、
コリメータレンズ512Bと、検出処理部512Cとを
有しており、検出処理部512Cは、複数(例えば、4
個)のフォトダイオード512Dと、信号処理回路51
2Eと、2個のコンパレータ512Fa、512Fbと
を備えている。
【0037】発光ダイオード512Aは、両端の抵抗を
介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコ
リメータレンズに入射される。コリメータレンズ512
Bは、発光ダイオード512Aから発せられた光を平行
光とし、リニアスケール511に平行光を照射する。リ
ニアスケールに設けられたスリットを通過した平行光
は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイ
オード512Dに入射する。フォトダイオード512D
は、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオ
ードから出力される電気信号は、コンパレータ512F
a、512Fbにおいて比較され、比較結果がパルスと
して出力される。そして、コンパレータ512Fa、5
12Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスE
NC−Bが、リニア式エンコーダ51の出力となる。
【0038】図6は、リニア式エンコーダ51の2種類
の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図
6Aは、CRモータ42が正転しているときにおける出
力信号の波形のタイミングチャートである。図6Bは、
CRモータ42が反転しているときにおける出力信号の
波形のタイミングチャートである。
【0039】図6A及び図6Bに示す通り、CRモータ
42の正転時および反転時のいずれの場合であっても、
パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90
度ずれている。CRモータ42が正転しているとき、す
なわち、キャリッジ41が主走査方向に移動していると
きは、図6Aに示す通り、パルスENC−Aは、パルス
ENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、
CRモータ42が反転しているときは、図6Bに示す通
り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90
度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、キャ
リッジ41がリニアスケール511のスリットの間隔
(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54c
m))を移動する時間に等しい。
【0040】キャリッジ41の位置の検出は、以下のよ
うに行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bにつ
いて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、
検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント
数に基づいて、キャリッジ41の位置を演算する。カウ
ント数は、CRモータ42が正転しているときに一つの
エッジが検出されると『+1』を加算し、CRモータ4
2が反転しているときに一つのエッジが検出されると
『−1』を加算する。パルスENCの周期はリニアスケ
ール511のスリット間隔に等しいので、カウント数に
スリット間隔を乗算すれば、カウント数が『0』のとき
のキャリッジ41の位置からの移動量を求めることがで
きる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ5
1の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔と
なる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両
方を用いて、キャリッジ41の位置を検出しても良い。
パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はリ
ニアスケール511のスリット間隔に等しく、かつ、パ
ルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ず
れているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下
がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウン
トすれば、カウント数『1』は、リニアスケール511
のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント
数にスリット間隔の1/4を乗算すれば、カウント数が
『0』のときのキャリッジ41の位置から移動量を求め
ることができる。つまり、この場合におけるリニア式エ
ンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリ
ット間隔の1/4となる。
【0041】キャリッジ41の速度Vcの検出は、以下
のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−B
について、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出
する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウ
ンタによってカウントする。このカウント値から周期T
(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リ
ニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャ
リッジの速度は、λ/Tとして順次求めることができ
る。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方
を用いて、キャリッジ41の速度を検出しても良い。各
パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出す
ることにより、リニアスケール511のスリット間隔の
1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタ
によってカウントする。このカウント値から周期T(T
=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニア
スケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッ
ジの速度Vcは、Vc=λ/(4T)として順次求める
ことができる。
【0042】なお、ロータリー式エンコーダ52では、
プリンタ本体側に設けられた上記リニアスケール511
の代わりに紙送りローラ17Aの回転に応じて回転する
回転円板521を用いる点と、キャリッジ41に設けら
れた検出部512の代わりにプリンタ本体側に設けられ
た検出部522を用いる点が異なるだけで、他の構成は
リニア式エンコーダ51とほぼ同様である(図4参
照)。
【0043】なお、ロータリー式エンコーダ52は、直
接的には、紙送りローラ17Aの回転量を検出するので
あって、紙の搬送量を検出していない。しかし、紙送り
ローラ17Aが回転して紙を搬送するとき、紙送りロー
ラ17Aと紙との間の滑りによって、搬送誤差が生じて
いる。したがって、ロータリー式エンコーダ52は、直
接的には、紙の搬送量の搬送誤差を検出できない。そこ
で、ロータリー式エンコーダ52が検出した回転量と搬
送誤差との関係を表すテーブルを作成し、そのテーブル
を制御ユニット60のメモリ65に格納している。そし
て、ロータリー式エンコーダの検出結果に基づいてテー
ブルを参照し、搬送誤差を検出することにしている。こ
のテーブルは、回転量と搬送誤差との関係を表すものに
限られず、搬送回数等と搬送誤差との関係を表すもので
あっても良い。また、紙質に応じて滑りが異なるので、
紙質に応じた複数のテーブルを作成し、メモリ65に格
納しても良い。
【0044】===本実施形態のノズルの構成について
=== 図7は、ヘッド21の下面におけるノズルの配列を示す
説明図である。ヘッド21の下面には、濃ブラックイン
クノズル群KDと、淡ブラックインクノズル群KLと、濃
シアンインクノズル群CDと、淡シアンインクノズル群
CLと、濃マゼンタインクノズル群MDと、淡マゼンタノ
ズル群MLと、イエローインクノズル群YDが形成されて
いる。なお、各ノズル群を示す符号の最初のアルファベ
ットはインク色を意味しており、また、添え字の「 D
」は濃度が比較的高いインクであることを意味してお
り、また、添え字の「 L 」は濃度が比較的低いインク
であることをそれぞれ意味している。各ノズル群は、各
色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数
個(本実施形態ではn+1個)を備えている。
【0045】各ノズル群の複数のノズルは、紙搬送方向
に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれ
ぞれ整列している。ここで、Dは、紙搬送方向における
最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドット
の最高解像度での間隔)であり、例えば、解像度が72
0dpiであれば1/720インチ(約35.3μm)
である。また、kは、1以上の整数である。
【0046】また、各ノズル群のノズルは、下流側のノ
ズルほど若い番号が付されている(♯0、♯1、♯2、
♯3・・・♯n)。また、各ノズル群のノズルは、紙搬
送方向の位置に関して、隣のノズル群のノズルの間に位
置するように設けられている。例えば、淡ブラックイン
クノズル群KLの一番ノズル♯1は、紙搬送方向の位置
に関して、濃ブラックインクノズル群KDの一番ノズル
♯1と二番ノズル♯2との間に設けられている。また、
紙幅センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番下
流側にあるn番ノズル♯nとほぼ同じ位置に設けられて
いる。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐
出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が
設けられている。
【0047】なお、印刷時には、紙Sが紙搬送ユニット
10によって間欠的に所定の搬送量Fで紙搬送方向に搬
送され、その間欠的な搬送の間にキャリッジ41が走査
方向に移動して各ノズルからインク滴が吐出される。
【0048】本実施形態では、下記に説明する通り、ノ
ズル♯0は、補完ノズルとして使用される。
【0049】===本実施形態の印刷方法=== 図8は、本実施形態の印刷方法を示すフロー図である。
図9は、通常印刷時のインク吐出の様子を示す説明図で
ある。図10は、補完印刷時のインク吐出の様子を示す
説明図である。なお、図9及び図10は、走査方向から
見たノズル付近の側面図であり、図中の右から左に紙S
が搬送されている。図中の既に説明した構成要素は、同
じ符号を付しているので、説明を省略する。
【0050】本実施形態の印刷方法は、下流側のノズル
♯0を用いて補完印刷(後述)を行う点が特徴である。
すなわち、本実施形態の印刷方法は、通常印刷時には下
流側のノズル♯0(補完ノズル)からはインクを吐出せ
ずに印刷を行い、搬送誤差が大きいときは、紙を紙搬送
方向に更に搬送し、補完ノズル♯0からインクを吐出し
て補完印刷を行うことにしている。以下、本実施形態の
印刷方法について詳述するが、説明中のプリンタの動作
は、制御ユニット60が搬送ユニット10やインク吐出
ユニット20やキャリッジユニット40を制御すること
によって、行われるものである。
【0051】まず、目標搬送量に基づいて、紙Sを搬送
する(S101)。詳しく言うと、(1)制御ユニット
60が、搬送ユニット10に対して、目標搬送量に対応
する目標指令を与え、(2)搬送ユニット10が、目標
指令に応じた所定量だけ、PFモータを回転させて、紙
Sを搬送する。
【0052】次に、紙が正しく搬送されたか判断する
(S102)。詳しく言うと、(1)ロータリー式エン
コーダ52が、紙送りローラ17Aの回転量を計測し、
(2)制御ユニット60が、ロータリー式エンコーダ5
2の計測結果と、目標搬送量に対応する回転量とを比較
して搬送誤差δを求め、(3)搬送誤差δが許容値より
小さければ(搬送誤差が所定の値の範囲内であれば)、
紙が正しく搬送されたものと判断する。なお、許容値
は、後述するように、印刷モード等に基づいて設定され
る。また、この許容値は、後述するように、紙に形成さ
れるドットの間隔が小さいときは、小さい値になるよう
に設定される。
【0053】紙が正しく搬送されていれば、通常印刷を
行う(S103)。すなわち、紙が正しく搬送されてい
れば、キャリッジを走査方向に移動して、ノズル♯1〜
♯nからインクを吐出して、走査方向に沿って紙に多数
のドットをライン状に形成する(図9)。つまり、この
ときの印刷では、補完ノズル♯0からはインクを吐出せ
ずに印刷を行う。
【0054】紙が正しく搬送されていなければ、ノズル
ピッチ分だけ更に紙を搬送し(S111)、補完印刷を
行う(S112)。すなわち、紙が正しく搬送されてい
なければ、その状態で印刷を開始するとドットが正しい
位置に形成されないので、ノズルピッチ分(詳しくは、
ノズルピッチから搬送誤差を引いた分)だけ更に紙を搬
送し、♯0〜♯n−1からインクを吐出して、走査方向
に沿って紙に多数のドットをライン状に形成する(図1
0)。つまり、このときの印刷では、補完ノズル♯0か
らインクを吐出し、最も上流側のノズル♯nからはイン
クを吐出せずに、印刷を行う。また、ノズル毎に設定さ
れている印刷データは、下流側のノズルにシフトされ
る。したがって、補完印刷時には、ノズル♯mは、通常
印刷時には上流側のノズル♯m+1が形成すべきドット
を形成することになる。なお、ノズルピッチ分の搬送量
は通常の目標搬送量に対応する搬送量よりも小さいの
で、ノズルピッチ分の搬送は、高い位置決め精度で行う
ことができる。
【0055】そして、印刷が終了しないならば、工程S
101に戻る(S104)。これを繰り返すことによっ
て、紙は間欠的に搬送され、紙の間欠的な搬送の間に、
紙にドットが形成されて印刷が行われる。なお、工程S
104における印刷終了の判断は、紙の目標搬送量の累
積から判断することができる。
【0056】なお、上記の搬送誤差は、紙が搬送方向の
上流側にずれている場合(紙を搬送し足りない場合)
と、紙が搬送方向の下流側にずれている場合(紙を搬送
し過ぎた場合)の両方を含んでいる。しかし、これに限
られるものではない。例えば、(1)搬送誤差が紙を搬
送し足りない側の誤差である場合、その誤差を解消する
ように紙を搬送して通常印刷を行い、(2)搬送誤差が
紙を搬送し過ぎた側の誤差である場合、紙を搬送方向に
更に搬送し、補完ノズルを用いて補完印刷しても良い。
このようにすれば、できる限り補完ノズルを用いずに、
紙を印刷することができる。
【0057】そして、本実施形態によれば、搬送誤差が
大きいときに印刷を行わず、紙を再度搬送して高い精度
で位置決めした後に印刷を行うので、高画質な印刷を行
うことができる。特に、搬送誤差が紙を搬送し過ぎた側
の誤差である場合、紙を搬送方向に更に搬送して補完ノ
ズルを用いて印刷しているので、逆方向に紙を搬送して
紙を位置決める必要が無いので、高精度・高速度な印刷
を行うことができる。
【0058】<インターレース方式の印刷の一例>図1
1は、インターレース方式の印刷の場合の通常印刷時の
ドット形成の様子を示す説明図である。図12は、イン
ターレース印刷の場合の補完印刷時のドット形成の様子
を示す説明図である。なお、図11及び図12では、説
明の便宜上、紙Sが走査方向にも移動しているように描
かれているが、実際には、紙Sは紙搬送方向に移動する
だけで走査方向には移動しない。
【0059】ここで、『インターレース方式』とは、k
が2以上であって、1回のパスで記録されるラスタライ
ンの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印
刷方式を意味する。また、『パス』とは、ノズルが走査
方向に1回走査移動することをいう。『ラスタライン』
とは、走査方向に並ぶ画素の列であり、走査ラインとも
いう。また、『画素』とは、インク滴を着弾させドット
を記録する位置を規定するために、被印刷体上に仮想的
に定められた方眼状の桝目である。例えば、間に3ライ
ン分の間隔をあけて配されているノズルのピッチkは4
である。本実施形態のインターレース印刷では、紙Sが
走査方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズル
が、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上
のラスタラインを記録する。また、一定の搬送量F(=
L・D)で紙Sの搬送を行う場合、整数Lが、整数Lを
整数kで割ったときの余りが(k−1)になるような値
を採用することが好ましい。
【0060】同図において、このノズル群のノズルピッ
チk・Dは、ドットピッチDの4倍である(つまり、k
=4)。なお、ヘッド21の中において、丸の中に示さ
れている数字0〜7は、ノズル番号♯を意味している。
前述の通り、ノズル番号が若いノズルほど、紙搬送方向
の下流に設けられている。また、紙Sの中において、丸
印は、紙Sに形成されるドットを表している。また、こ
の丸の中に示されている数字のうち、十の位の数はパス
数を表し、一の位の数は、ノズル番号を表している。同
図では、1回のパス毎に2つのドットを形成している
が、実際には、ノズルが走査方向に移動しながら間欠的
にインクを吐出するので、走査方向に沿って多数のドッ
トがライン状に形成される。
【0061】図11(通常印刷時)では、紙Sは、1パ
ス毎に、搬送ユニット10によって、紙走査方向に搬送
量F=L・D(Lは整数、Dはドットピッチ)だけステ
ップ移動する。同図では、搬送ユニット10による搬送
量Fは7・D(つまり、L=7)であり、目標搬送量も
7・Dである。
【0062】図12(補完印刷時)では、パス6におい
て上述の補完印刷が行われている。すなわち、同図で
は、パス5後の紙の搬送が目標搬送量7・Dに対して誤
差δを含んでおり、この誤差δが許容値を超えていたの
で紙が正しく搬送されていないと判断されている(S1
02、パス6')。仮にこのような状態で印刷を開始す
ると、ドットピッチが理想的なドットピッチDに対して
極端に近接/離間するので、バンディング(印刷縞)が
発生する。そこで、パス6'ではノズルからインクを吐
出せず(キャリッジを走査方向に移動せず)、パス6'
の紙の位置からノズルピッチ分(詳しくは、ノズルピッ
チから誤差δを引いた分)だけ紙を搬送する(S11
1、パス6'〜パス6)。ここで、パス6'からパス6ま
での搬送量(約4・D)は通常の目標搬送量(7・D)
よりも小さいので、パス6までの紙の搬送は、高い位置
決め精度で行うことができる。そして、キャリッジを走
査方向に移動して、ノズル♯0〜♯n−1からインクを
吐出する(S112、パス6)。
【0063】ここで、ノズル♯0は、本来ならばノズル
♯1によって形成されるはずのドットを形成している。
また、他のノズル♯m(mは、1〜6までの整数)は、
本来ならば♯m+1によって形成されるはずのドットを
形成している。したがって、制御ユニット60(又はヘ
ッドドライバ22)は、ノズル毎に設定されている印刷
データを下流側にシフトさせる。
【0064】なお、補完印刷を行った後の次の目標搬送
量(パス6からパス7までの目標搬送量)は、補完印刷
のためにノズルピッチ分の搬送が行われているので、通
常の目標搬送量(7・D)からノズルピッチ(4・D)
を引いた分(3・D)である。
【0065】本実施形態によれば、搬送誤差が大きいと
きには印刷を行わず、紙を再度搬送して高い精度で位置
決めした後に印刷を行うので、高画質な印刷を行うこと
ができる。
【0066】===コンピュータシステム等の構成==
= 次に、コンピュータシステム、コンピュータプログラ
ム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体
の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0067】図13は、コンピュータシステムの外観構
成を示した説明図である。コンピュータシステム100
0は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104
と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装
置1110とを備えている。コンピュータ本体1102
は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されてい
るが、これに限られるものではない。表示装置1104
は、CRT(CathodeRay Tube:陰極線管)やプラズマ
ディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的
であるが、これに限られるものではない。プリンタ11
06は、上記に説明されたプリンタが用いられている。
入力装置1108は、本実施形態ではキーボード110
8Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限
られるものではない。読取装置1110は、本実施形態
ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとC
D−ROMドライブ装置1110Bが用いられている
が、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet
Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Ve
rsatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0068】図14は、図13に示したコンピュータシ
ステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本
体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ
1202と、ハードディスクドライブユニット1204
等の外部メモリがさらに設けられている。上述したプリ
ンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、記録
媒体であるフレキシブルディスクFDやCD−ROM等
に記録され、読取装置1110により読みこまれる。ま
た、コンピュータプログラムは、インターネット等の通
信回線を介して、コンピュータシステム1000にダウ
ンロードされるようにしても良い。
【0069】図15は、コンピュータシステムに接続さ
れた表示装置1104の画面に表示されたプリンタドラ
イバのユーザーインターフェースを示す説明図である。
ユーザーは、入力装置1108を用いて、プリンタドラ
イバの各種の設定を行うことができる。
【0070】ユーザーは、この画面上から、印刷モード
を選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷モ
ードとして、高速印刷モード又はファイン印刷モードを
選択することができる。そして、選択した印刷モードに
基づいて、前述の許容値を決定又は算出することができ
る。これにより、印刷モードに適した許容値を設定する
ことができる。なお、高画質が要求されるファイン印刷
モードでは、許容値は小さくなるように設定されるの
で、補完印刷が多用される。また、高速な印刷が要求さ
れる高速印刷モードでは、許容値が大きくなるように設
定されるので、補完印刷があまり行わないようになる。
【0071】また、ユーザーは、この画面上から、印刷
するときのドットの間隔(解像度)を選択することがで
きる。例えば、ユーザーは、この画面上から、印刷の解
像度として720dpi又は360dpiを選択するこ
とができる。そして、ドットの間隔に応じて、前述の許
容値を決定又は算出することができる。なお、印刷する
ときのドットの間隔が小さいほど、許容値は、小さくな
るように設定される。これにより、高画質を必要とする
ときは補完印刷を多用して高画質な印刷を行うことがで
き、画質が要求されないときは補完印刷をあまり行わな
いようにして速い印刷速度で印刷を行うことができる。
【0072】図16は、コンピュータ本体1102から
プリンタ1106に供給される印刷データのフォーマッ
トの説明図である。この印刷データは、プリンタドライ
バの設定に基づいて画像情報から作成されるものであ
る。印刷データは、印刷条件コマンド群と各パス用コマ
ンド群とを有する。印刷条件コマンド群は、印刷解像度
を示すコマンドや、印刷方向(単方向/双方向)を示す
コマンドなどを含んでいる。また、各パス用の印刷コマ
ンド群は、目標搬送量コマンドCLや、画素データコマ
ンドCPとを含んでいる。画素データコマンドCPは、
各パスで記録されるドットの画素毎の記録状態を示す画
素データPDを含んでいる。なお、同図に示す各種のコ
マンドは、それぞれヘッダ部とデータ部とを有している
が、簡略して描かれている。また、これらのコマンド群
は、各コマンド毎にコンピュータ本体側からプリンタ側
に間欠的に供給される。但し、印刷データは、このフォ
ーマットに限られるものではない。
【0073】なお、以上の説明においては、プリンタ1
106が、コンピュータ本体1102、表示装置110
4、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続
されてコンピュータシステムを構成した例について説明
したが、これに限られるものではない。例えば、コンピ
ュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリン
タ1106から構成されても良く、コンピュータシステ
ムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置
1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例
えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体110
2、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取
装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持って
いても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処
理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、
デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録し
た記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等
を有する構成としても良い。
【0074】また、上述した実施形態において、プリン
タを制御するコンピュータプログラムが、制御ユニット
60のメモリ65に取り込まれていても良い。そして、
制御ユニット60が、このコンピュータプログラムを実
行することにより、上述した実施形態におけるプリンタ
の動作を達成しても良い。
【0075】このようにして実現されたコンピュータシ
ステムは、システム全体として従来システムよりも優れ
たシステムとなる。
【0076】===その他の実施の形態=== 以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等を
説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易に
するためのものであり、本発明を限定して解釈するため
のものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することな
く、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物
が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる
実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれる
ものである。
【0077】<印刷方式について1>前述の実施形態で
は、インターレース方式の印刷の場合について、補完ノ
ズル♯0を用いた印刷方法を説明した。しかし、印刷方
式は、これに限られるものではなく、紙を間欠的に搬送
する間に走査移動するノズルからインクを吐出させて印
刷を行う印刷方式に広く適用できる。
【0078】図17は、他の印刷方式の一例として、バ
ンド印刷方式の場合のドット形成の様子を示す説明図で
ある。なお、図面の描き方は、前述の実施形態で用いた
図面の描き方と同様なので、説明を省略する。
【0079】ここで、『バンド印刷方式』とは、kが1
であって、連続した複数のラスタラインを1回のパスで
印刷する印刷方式を意味する。なお、1回のパスで印刷
される複数のラスタラインを『バンド』と呼び、複数の
ラスタラインの幅を『バンド幅』と呼ぶ。このバンド印
刷方式では、通常印刷時では、バンド幅と等しい搬送量
で紙Sの間欠的な搬送が行われる(図中のパス1〜パス
2)。
【0080】本実施形態では、パス2後の紙の搬送が目
標搬送量8・Dに対して誤差δを含んでおり、この誤差
δが許容範囲を越えていたので、紙が正しく搬送されて
いないと判断されている。仮にこのような状態で印刷を
開始すると、バンドの境界のドットピッチが理想的なド
ットピッチDに対して極端に近接/離間するので、バン
ディング(印刷縞)が発生する。そこで、パス3'では
ノズルからインクを吐出せず(キャリッジを走査方向に
移動せず)、パス3'の紙の位置からノズルピッチ分
(詳しくは、ノズルピッチから誤差δを引いた分)だけ
紙を搬送する(図中のパス3'〜パス3)。ここで、パ
ス3'からパス3までの搬送量(約D)は通常の目標搬
送量(8・D)よりも小さいので、パス3までの紙の搬
送は、高い位置決め精度で行うことができる。そして、
キャリッジを走査方向に移動して、ノズル♯0〜♯7か
らインクを吐出する(図中のパス3)。
【0081】なお、パス4までの目標搬送量(図中のパ
ス3からパス4までの目標搬送量)は、補完印刷のため
にノズルピッチ分の搬送が行われているので、通常の目
標搬送量(8・D)からノズルピッチ(D)を引いた分
(7・D)である。
【0082】本実施形態によっても、搬送誤差が大きい
ときには印刷を行わず、紙を再度搬送して高い精度で位
置決めした後に印刷を行うので、高画質な印刷を行うこ
とができる。
【0083】<印刷方式について2>前述の実施形態で
は、補完印刷後の目標搬送量は、通常の目標搬送量から
ノズルピッチを引いた分であった。しかし、補完印刷後
の目標搬送量は、これに限られるものではない。
【0084】図18及び図19は、他の印刷方式の一例
として、擬似バンド印刷方式の場合のドット形成の様子
を示す説明図である。但し、図18は通常印刷時であ
り、図19は補完印刷時である。なお、図面の描き方
は、前述の実施形態で用いた図面の描き方と同様なの
で、説明を省略する。
【0085】ここで、『擬似バンド印刷方式』とは、k
が2以上であって、擬似的なバンドで印刷する印刷方式
を意味する。なお、擬似的なバンドとは、複数のパスに
よって印刷される連続した複数のラスタラインをいう。
つまり、擬似バンド印刷方式では、擬似バンドを印刷す
るときの目標搬送量はドットピッチDとなり、擬似バン
ドが完成した後の目標搬送量は擬似バンド幅(詳しく
は、擬似バンド幅から(k−1)・Dを引いた分)とな
る。なお、本実施形態では、k=2(ノズルピッチが2
・Dとなる)であって、n=8の場合の擬似バンド印刷
について説明している。この場合の擬似バンド幅は、1
6・Dである。この場合、パス2及びパス4で擬似バン
ドが完成し、パス2〜パス3の間及びパス4〜パス5の
間で擬似バンド幅の紙の搬送が行われる。擬似バンド印
刷方式では、擬似バンドが完成した後の目標搬送量が大
きくなるので、このときの紙の搬送に誤差が含まれやす
いことになる。
【0086】本実施形態では、パス2後の紙の搬送が目
標搬送量15・Dに対して誤差δを含んでおり、この誤
差δが許容範囲を越えていたので、紙が正しく搬送され
ていないと判断されている。仮にこのような状態で印刷
を開始すると、擬似バンドの境界のドットピッチが理想
的なドットピッチDに対して極端に近接/離間するの
で、バンディング(印刷縞)が発生する。そこで、パス
3'ではノズルからインクを吐出せず(キャリッジを走
査方向に移動せず)、パス3'の紙の位置からノズルピ
ッチ分(詳しくは、ノズルピッチから誤差δを引いた
分)だけ紙を搬送する(図中、パス3'〜パス3)。こ
こで、パス3'からパス3までの搬送量(約2・D)は
通常の目標搬送量(15・D)よりも小さいので、パス
3までの紙の搬送は、高い位置決め精度で行うことがで
きる。そして、キャリッジを走査方向に移動して、ノズ
ル♯0〜♯7からインクを吐出する(図中、パス3)。
【0087】本実施形態では、パス4までの目標搬送量
(図中、パス3からパス4までの目標搬送量)は、通常
の擬似バンドを印刷するときの目標搬送量と同様に、2
・Dである。そして、パス4でのラスタラインの印刷
は、補完印刷と同様に、ノズル♯0〜♯7からインクを
吐出する(パス4)。なお、パス5までの目標搬送量
(パス4からパス5までの目標搬送量)は、補完印刷の
ためにノズルピッチ分の搬送が行われているので(パス
3'〜パス3)、通常の目標搬送量(15・D)からノ
ズルピッチ(2・D)を引いた分(14・D)である。
【0088】本実施形態では、擬似バンドの印刷を行う
際の搬送誤差が大きいときは、補完印刷を行い、同じ擬
似バンドの他のラスタラインの印刷には補完ノズルを用
いて印刷している。本実施形態によっても、搬送誤差が
大きいときには印刷を行わず、紙を再度搬送して高い精
度で位置決めした後に印刷を行うので、高画質な印刷を
行うことができる。
【0089】<印刷方法について3>前述の実施形態で
は、一つのラスタラインは、一つのノズルから吐出され
たインク滴によるドットから形成されていた。しかし、
これに限られるものではない。例えば、一つのラスタラ
インが、二つ以上のノズルから吐出されたインク滴によ
るドットから形成されていても良い(いわゆるオーバー
ラップ印刷方式)。なお、他の印刷方法であっても、上
述した実施形態による補完ノズル♯0を用いた印刷方法
を適用することが可能であることは言うまでもない。
【0090】<搬送量について>前述の実施形態では、
紙を間欠的に搬送する際の搬送量は、一定の搬送量Fで
あった。しかし、紙の搬送量は、これに限られるもので
はない。例えば、印刷モードによって、搬送量が異なっ
ても良い。また、紙の上端や下端において、搬送量が異
なっても良い。
【0091】<検出器について1>前述の実施形態で
は、紙の搬送動作を検出する検出器としてエンコーダを
用いていた。しかし、紙の搬送動作の検出は、エンコー
ダを用いるものに限られるものではなく、他の検出器を
用いても良い。さらに、前述の実施形態では、誤差の大
きさは、エンコーダを用いて検出されていた。しかし、
誤差の大きさは、エンコーダを用いて検出されるものに
限られない。例えば、紙を搬送したときに発生する搬送
誤差(紙の搬送量に対する搬送誤差の割合などを含む)
を予め調べておけば、誤差は、紙の搬送量に基づいて、
求めることができる。つまり、紙が所定の搬送量で搬送
されたときに、誤差が所定の大きさに達していると判断
することが可能である。このようにすれば、誤差を検出
するための検出器(例えば、エンコーダなど)を備えて
いなくても、誤差が所定値より大きいか否かを判断する
ことができる。
【0092】<補完ノズルについて>前述の実施形態で
は、各ノズル群につき、一つの補完ノズルを備えていた
が、補完ノズルの数は、これに限られるものではない。
例えば、各ノズル群について、複数の補完ノズルを備え
ていても良い。図20は、補完ノズルが複数ある場合の
補完印刷時のドット形成の様子を示す説明図である。な
お、図面の描き方は、前述の実施形態で用いた図面の描
き方と同様なので、説明を省略する。本実施形態では、
前述の実施形態と比較して、補完ノズルが複数個(補完
ノズル♯0と♯0')ある点で異なっている。同図に示
すように、複数個の補完ノズルを有していれば、補完印
刷を行った後の搬送(パス3〜パス4')が更に搬送誤
差を含んでいたとしても、更に第2の補完印刷を行うこ
とが可能である。
【0093】また、図21は、補完ノズルが複数ある場
合の他の補完印刷時のドット形成の様子を示す説明図で
ある。本実施形態も、前述の実施形態と比較して、補完
ノズルが複数個(補完ノズル♯0、♯0'及び♯0")あ
る点で異なっている。また、補完印刷の際の搬送量が、
前述の実施形態ではノズルピッチ分(詳しくは、ノズル
ピッチから誤差δを引いた分)であったのが、ノズルピ
ッチの整数倍(詳しくは、ノズルピッチの整数倍から誤
差δを引いた分)である点で異なっている。本実施形態
のように補完ノズルが複数個ある場合であっても、前述
の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、補
完ノズルの数が上述の実施形態の数に限られないこと
は、言うまでもない。
【0094】<インクの吐出方法について>前述の実施
形態では、ピエゾ素子を用いてインク滴を吐出させてい
た。しかし、インクの吐出方法は、これに限られるもの
ではない。例えば、ヒーターを用いて泡を発生させるこ
とによって、インク滴をノズルから吐出させても良い
し、他の方法でインク滴を吐出しても良い。
【0095】<ノズルについて>前述の実施形態によれ
ば、ノズルはヘッド21に設けられ、ヘッド21はキャ
リッジ41に設けられていたので、ノズルはキャリッジ
41と一体的に設けられていた。しかし、ノズルやヘッ
ド21の構成は、これに限られるものではない。例え
ば、ノズルやヘッドが、カートリッジ48(図2参照)
と一体的に設けられ、キャリッジ41に対して着脱可能
であっても良い。
【0096】===まとめ=== 上述の実施形態のプリンタは、紙Sを紙搬送方向に搬送
し、紙搬送方向に沿って配列された複数のノズル(図
7)を走査方向に移動させてインクを吐出し、紙Sに印
刷を行うプリンタである。そして、上述の実施形態のプ
リンタによれば、紙Sが許容値より小さい誤差で搬送さ
れたとき紙搬送方向に対し補完ノズル♯0からはインク
を吐出せずに紙Sに印刷を行い(図9、図11などの通
常印刷)、紙Sが許容値より大きい誤差δで搬送された
とき紙Sを紙搬送方向に更に搬送し補完ノズル♯0から
インクを吐出して(図10、図12のパス6などの補完
印刷)、紙Sに印刷を行うことができる(特に図8参
照)。これにより、インクを吐出するノズルとドットが
形成される紙Sとの相対的な位置関係を調整できるの
で、画質の向上を図ることができる。
【0097】また、上述の実施形態のプリンタは、紙S
の搬送動作を検出する検出器として、紙Sを搬送する紙
搬送ローラ17Aの回転動作を検出するロータリー式エ
ンコーダ52(図4)を備えている。そして、誤差は、
ロータリー式エンコーダ52の検出結果に基づいて、求
められる。これにより、紙搬送ローラ17Aの回転量か
ら紙Sの搬送誤差δを求めることができる。
【0098】また、上述の実施形態のプリンタは、搬送
誤差は、紙Sが所定の搬送量で搬送されたときに、所定
値よりも大きいと判断されても良い。これにより、搬送
誤差を検出するためのエンコーダ等の検出器を備えてい
なくても、搬送誤差が所定値より大きいか否かを判断す
ることができる。
【0099】また、上述の実施形態のプリンタは、紙S
が所定値より大きい誤差で搬送されたとき、(1)紙が
搬送方向の上流側にずれている場合、その搬送誤差を解
消するように紙を搬送し、(2)紙が搬送方向の下流側
にずれている場合、紙Sを搬送方向に更に搬送し、補完
ノズル♯0を用いて印刷を行っても良い。このようにす
れば、できる限り補完ノズルを用いずに、紙Sを印刷す
ることができる。
【0100】また、上述の実施形態のプリンタでは、紙
Sが許容値より大きい誤差δで搬送されたときに、紙S
を紙搬送方向に更に搬送する場合の搬送量(例えば、図
12のパス6'からパス6までの搬送量)は、ノズルの
間隔(k・D)の整数倍(図12では1倍、図21では
3倍)である。これにより、再度の搬送を行ったとき
に、上流のノズル♯1が通常ならば形成すべきドット
を、補完ノズル♯0が形成することができる。
【0101】また、上述の実施形態のプリンタでは、補
完印刷後、紙Sを紙搬送方向に搬送する場合の搬送量
(例えば、図12のパス6からパス7までの搬送量)
は、通常の搬送量(図12では7・D)からノズルの間
隔(図12では2・D)の整数倍(図12では1倍)を
引いた分(図12では3・D)である。これにより、再
度、通常印刷動作に戻ることができる。
【0102】また、上述の実施形態のプリンタでは、許
容値は、印刷モードに基づいて、設定される(図1
5)。これにより、印刷モードに応じて搬送誤差に対す
る許容値が設定されるので、印刷モードに適した許容値
を設定することができる。また、上述の実施形態のプリ
ンタでは、許容値は、紙Sに形成されるドットの間隔が
小さくなるように設定すると(図15)、小さくなる。
これにより、高画質を必要とするときは高画質な印刷を
行うことができ、画質が要求されないときは速い印刷速
度で印刷を行うことができる。
【0103】また、上述の実施形態のプリンタでは、補
完印刷を行う場合、ノズル毎に設定されている印刷デー
タがシフトされる。特に、補完ノズル♯0には、補完ノ
ズル♯0よりも上流側にあるノズル♯1の印刷データが
シフトされる。これにより、上流のノズル♯1が形成す
べきドットを、補完ノズル♯0が形成することができ
る。また、補完印刷時に、ノズル♯m+1が形成すべき
ドットを、ノズル♯mが形成することができる。
【0104】また、上述の実施形態のプリンタでは、補
完印刷を行う場合、最も上流側のノズル♯0からはイン
クを吐出しない(図10)。これにより、走査方向に沿
って形成されるドットの列(ラスタライン)を、通常印
刷時と同じ数にすることができる(例えば、図12のパ
ス6)。すなわち、結局、紙には、通常印刷時と同様の
ドットが形成される。
【0105】また、上述の実施形態のプリンタでは、補
完ノズル♯0は、複数個あってもよい(例えば図20で
は2個、図21では3個)。また、補完印刷後更に紙S
が許容値より大きい誤差δ'で搬送された場合、紙Sを
紙搬送方向に更に搬送すると良い。このようなプリンタ
によっても補完ノズル♯0を利用して、ノズルと紙Sと
の相対的な位置関係を調整できるので、画質の向上を図
ることができる。
【0106】また、上述の実施形態では、いわゆるイン
ターレース方式(図12)、いわゆるバンド印刷方式
(図17)及びいわゆる擬似バンド方式(図19)等の
様々な印刷方式に適用できる。
【0107】また、上述の実施形態の印刷方法(図
8)、プログラム(例えば図1のメモリ65に格納さ
れ、図8のフローを実現する)、及び、コンピュータシ
ステム(図13など)によって、画質の向上を図ること
ができる。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、被印刷体の搬送の精度
を高めて、画質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェットプリンタの全体構
成の説明図である。
【図2】本実施形態のインクジェットプリンタのキャリ
ッジ周辺の概略図である。
【図3】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユ
ニット周辺の説明図である。
【図4】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユ
ニット周辺の斜視図である。
【図5】リニア式エンコーダの構成の説明図である。
【図6】リニア式エンコーダの出力信号の波形を示すタ
イミングチャートである。
【図7】ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明
図である。
【図8】本実施形態の印刷方法を示すフロー図である。
【図9】通常印刷時のインク吐出の様子を示す説明図で
ある。
【図10】補完印刷時のインク吐出の様子を示す説明図
である。
【図11】インターレース方式の印刷の場合の通常印刷
時のドット形成の様子を示す説明図である。
【図12】インターレース方式の印刷の場合の補完印刷
時のドット形成の様子を示す説明図である。
【図13】コンピュータシステムの外観構成を示した説
明図である。
【図14】図13に示したコンピュータシステムの構成
を示すブロック図である。
【図15】プリンタドライバのユーザーインターフェー
スを示す説明図である。
【図16】コンピュータ本体からプリンタに供給される
印刷データのフォーマットの説明図である。
【図17】バンド印刷方式の場合のドット形成の様子を
示す説明図である。
【図18】擬似バンド印刷方式の場合の通常印刷時のド
ット形成の様子を示す説明図である。
【図19】擬似バンド印刷方式の場合の補完印刷時のド
ット形成の様子を示す説明図である。
【図20】補完ノズルが複数ある場合の補完印刷時のド
ット形成の様子を示す説明図である。
【図21】補完ノズルが複数ある場合の他の補完印刷時
のドット形成の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10 紙搬送ユニット 11A 紙挿入口 11B ロール紙挿入口 13 給紙ローラ 14 プラテン 15 紙送りモータ(PFモータ) 16 紙送りモータドライバ(PFモータドライバ) 17A 紙送りローラ 17B 排紙ローラ 18A、18B フリーローラ 20 インク吐出ユニット 21 ヘッド 22 ヘッドドライバ 30 クリーニングユニット 31 ポンプ装置 32 ポンプモータ 33 ポンプモータドライバ 35 キャッピング装置 40 キャリッジユニット 41 キャリッジ 42 キャリッジモータ(CRモータ) 43 キャリッジモータドライバ(CRモータドライ
バ) 44 プーリ 45 タイミングベルト 46 ガイドレール 50 計測器群 51 リニア式エンコーダ 511 リニアスケール 512 検出部 512A 発光ダイオード 512B コリメータレンズ 512C 検出処理部 512D フォトダイオード 512E 信号処理回路 512F コンパレータ 52 ロータリー式エンコーダ 53 紙検出センサ 54 紙幅センサ 60 制御ユニット 61 CPU 62 タイマ 63 インターフェース部 64 ASIC 65 メモリ 66 DCコントローラ 67 ホストコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA08 EB12 EB37 EC07 EC12 EC34 EC69 EC78 EC79 EC80 FA10 2C058 AB15 AC07 AC11 AC17 AE02 GA02 GB07 GB20 GB43 GB48 GE04

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬送
    方向に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移動
    させてインクを吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印刷
    装置であって、 前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬送されたと
    き、前記搬送方向に対し下流側のノズルからは前記イン
    クを吐出せずに、前記被印刷体に印刷を行い、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたと
    き、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下
    流側のノズルから前記インクを吐出して、前記被印刷体
    に印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の印刷装置であって、 前記被印刷体の搬送動作を検出する検出器を備え、 前記誤差は、前記検出器の検出結果に基づいて、求めら
    れる。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の印刷装置であって、 前記検出器は、被印刷体を搬送するローラの回転量を検
    出するロータリー式エンコーダである。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記誤差は、前記被印刷体が所定の搬送量で搬送された
    ときに、前記所定値よりも大きいと判断される。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたと
    き、 (1)前記誤差が前記被印刷体を搬送し足りない側の誤
    差である場合、その誤差を解消するように前記被印刷体
    を搬送し、前記下流側のノズルからは前記インクを吐出
    せずに、前記被印刷体に印刷を行い、 (2)前記誤差が前記被印刷体を搬送し過ぎた側の誤差
    である場合、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送
    し、前記下流側のノズルから前記インクを吐出して、前
    記被印刷体に印刷を行うことを特徴とする印刷装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
    に、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送する場合の
    搬送量は、前記ノズルの間隔の整数倍である。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
    に、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下
    流側のノズルから前記インクを吐出した後、前記被印刷
    体を搬送方向に搬送する場合の搬送量は、通常の搬送量
    から前記ノズルの間隔の整数倍を引いた分である。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記所定値は、可変である。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の印刷装置であって、 前記所定値は、印刷モードに基づいて、設定される。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の印刷装置であって、 前記所定値は、前記被印刷体に形成されるドットの間隔
    が小さくなるように設定すると、小さくなる。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
    に、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送する場合、
    前記ノズル毎に設定されている印刷データがシフトされ
    る。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の印刷装置であっ
    て、 前記下流側のノズルには、前記下流側のノズルよりも上
    流側にあるノズルに設定されていた印刷データがシフト
    される。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
    に、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下
    流側のノズルから前記インクを吐出する場合、前記複数
    のノズルのうちの上流側のノズルからは前記インクを吐
    出しない。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記下流側のノズルは、複数個ある。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
    に前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、更に前記
    被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送された場合、前
    記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送する。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記印刷の方式は、 前記複数のノズルの間隔が、前記被印刷体に形成される
    ドットの間隔よりも広く、 前記ノズルが走査方向に1回移動して記録されるドット
    の列の間に、記録されないドットの列がある方式であ
    る。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記印刷の方式は、前記ノズルが走査方向に1回移動し
    て、連続した複数の走査方向のドットの列を記録する方
    式である。
  18. 【請求項18】 請求項1〜15のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記印刷方式は、前記ドットの間隔の紙の搬送と前記ノ
    ズルの走査方向の移動とを繰り返し、連続した複数の走
    査方向のドットの列を記録する方式である。
  19. 【請求項19】 被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬
    送方向に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移
    動させてインクを吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印
    刷装置であって、 前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬送されたと
    き、前記搬送方向に対し下流側のノズルからは前記イン
    クを吐出せずに、前記被印刷体に印刷を行い、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたと
    き、(1)前記誤差が前記被印刷体を搬送し足りない側
    の誤差である場合、その誤差を解消するように前記被印
    刷体を搬送し、前記下流側のノズルからは前記インクを
    吐出せずに、前記被印刷体に印刷を行い、(2)前記誤
    差が前記被印刷体を搬送し過ぎた側の誤差である場合、
    前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下流側
    のノズルから前記インクを吐出して、前記被印刷体に印
    刷を行い、 前記被印刷体を搬送するローラの回転量を検出するロー
    タリー式エンコーダを備え、前記誤差は、前記ロータリ
    ー式エンコーダの検出結果に基づいて、求められ、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
    に、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送する場合の
    搬送量は、前記ノズルの間隔の整数倍であって、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
    に、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下
    流側のノズルから前記インクを吐出した後、前記被印刷
    体を搬送方向に搬送する場合の搬送量は、通常の搬送量
    から前記ノズルの間隔の整数倍を引いた分であって、 前記所定値は、前記被印刷体に形成されるドットの間隔
    が小さくなるように設定すると、小さくなり、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
    に、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送する場合、
    前記下流側のノズルには、前記下流側のノズルよりも上
    流側にあるノズルに設定されていた印刷データがシフト
    され、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたとき
    に、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下
    流側のノズルから前記インクを吐出する場合、前記複数
    のノズルのうちの上流側のノズルからは前記インクを吐
    出せず、 前記下流側のノズルは複数個あり、前記被印刷体が所定
    値より大きい誤差で搬送されたときに前記被印刷体を前
    記搬送方向に更に搬送し更に前記被印刷体が所定値より
    大きい誤差で搬送された場合、前記被印刷体を前記搬送
    方向に更に搬送し、 前記印刷の方式は、前記複数のノズルの間隔が前記被印
    刷体に形成されるドットの間隔よりも広く、前記ノズル
    が走査方向に1回移動して記録されるドットの列の間に
    記録されないドットの列がある方式であることを特徴と
    する印刷装置。
  20. 【請求項20】 被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬
    送方向に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移
    動させてインクを吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印
    刷方法であって、 前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬送されたと
    き、前記搬送方向に対し下流側のノズルからは前記イン
    クを吐出せずに、前記被印刷体に印刷を行い、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたと
    き、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下
    流側のノズルから前記インクを吐出して、前記被印刷体
    に印刷を行うことを特徴とする印刷方法。
  21. 【請求項21】 被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬
    送方向に沿って配列された複数のノズルを走査方向に移
    動させてインクを吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印
    刷装置に、 前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬送されたと
    き、前記搬送方向に対し下流側のノズルからは前記イン
    クを吐出せずに、前記被印刷体に印刷を行う機能と、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたと
    き、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下
    流側のノズルから前記インクを吐出して、前記被印刷体
    に印刷を行う機能とを実現させることを特徴とするプロ
    グラム。
  22. 【請求項22】 コンピュータ本体と、 被印刷体を搬送方向に搬送し、前記搬送方向に沿って配
    列された複数のノズルを走査方向に移動させてインクを
    吐出し、前記被印刷体に印刷を行う印刷装置と、を備え
    たコンピュータシステムであって、 前記被印刷体が所定値より小さい誤差で搬送されたと
    き、前記搬送方向に対し下流側のノズルからは前記イン
    クを吐出せずに、前記被印刷体に印刷を行い、 前記被印刷体が所定値より大きい誤差で搬送されたと
    き、前記被印刷体を前記搬送方向に更に搬送し、前記下
    流側のノズルから前記インクを吐出して、前記被印刷体
    に印刷を行うことを特徴とするコンピュータシステム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013010319A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Brother Industries Ltd 印刷装置、印刷装置に関する設定方法、コンピュータプログラム
US9415595B2 (en) 2014-03-17 2016-08-16 Seiko Epson Corporation Recording method and ink jet printer

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