JPH07276620A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JPH07276620A
JPH07276620A JP8775294A JP8775294A JPH07276620A JP H07276620 A JPH07276620 A JP H07276620A JP 8775294 A JP8775294 A JP 8775294A JP 8775294 A JP8775294 A JP 8775294A JP H07276620 A JPH07276620 A JP H07276620A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
ink
ejection port
ejection
recording head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8775294A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidehiko Kanda
英彦 神田
Miyuki Matsubara
美由紀 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP8775294A priority Critical patent/JPH07276620A/ja
Publication of JPH07276620A publication Critical patent/JPH07276620A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】インク濃度の異なる複数の吐出口列を有する濃
淡記録ヘッドの吐出口面をワイパーブレードでワイピン
グする場合に、簡単な構成で濃淡インクの混色を防止
し、常に安定した高品位の画像を記録することを可能に
する。 【構成】同一記録ヘッド11に濃度が異なるインクを吐
出する複数の吐出口列23、24を設け、該記録ヘッド
のインク吐出部21、22をワイパーブレード18で拭
き取り清掃するインクジェット記録装置において、同一
記録ヘッド11内の複数の吐出口列23、24に対応す
る吐出口面21、22の間に段差25またはエッジ2
7、28を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録手段から被記録材へ
インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】プリンター、複写機、ファクシミリ等の
機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワー
ドプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出
力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づい
て用紙やプラスチック薄板(OHP用シートなど)等の
被記録材(記録媒体)に画像(文字や記号なども含む)
を記録していくように構成されている。前記記録装置
は、使用する記録手段の記録方式により、インクジェッ
ト式、ワイヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービ
ーム式等に分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセッ
トした後、被記録材に沿って移動(主走査)するキャリ
ッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像
(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了
した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に
次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返
すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録され
る。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録
するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所
定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を連続
的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を行な
い、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】そのうち、インクジェット式(インクジェ
ット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録
材にインクを吐出して記録を行なうものであり、記録手
段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で
記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせず
に記録することができ、ランニングコストが安く、ノン
インパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色
のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であ
るなどの利点を有している。中でも、紙幅方向に多数の
吐出口を配列したラインタイプの記録手段を使用するラ
イン型の記録装置は、記録の一層の高速化が可能であ
る。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。ま
た、IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用すること
により、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易
であり、記録手段のフルマルチ化および高密度実装化も
容易である。一方、被記録材の材質に対する要求も様々
なものがあり、近年では、通常の被記録材である紙や樹
脂薄板などの他に、薄紙や加工紙(ファイリング用のパ
ンチ孔付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙など)
などを使用することが要求されるようになってきた。
【0006】上記の熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット記録装置においては、インクを吐
出させるため、吐出口近傍に発熱素子(電気熱変換体)
を設け、この発熱素子に電気信号を印加することにより
インクを局部的に加熱して圧力変化を起こさせ、この圧
力変化を利用して吐出口からインクを吐出させる方法が
用いられる。また、圧電素子などの電気機械変換体を用
いてインクを吐出させる方式のインクジェット記録装置
も使用されている。
【0007】この種の記録装置における中間調の記録制
御を行う方法には、一定サイズの記録ドットにより単位
面積当たりの記録ドット数を制御することによって中間
調を表現するドット密度制御法、あるいは記録ドットの
サイズを制御することによって中間調を表現するドット
径制御法などがある。ただし、後者のドット径制御法に
は、記録ドットのサイズを微妙に変更するために複雑な
制御を必要とするなどの制約があるため、一般的には、
前者のドット密度制御法が用いられている。
【0008】また、インク吐出手段として電気熱変換体
を用いる場合、すなわち、製造が容易でかつ高密度化が
可能であることから高解像度化が可能である前記電気熱
変換体を用いる場合には、圧力変化量を制御することが
困難であり、記録ドットの径を変調することが困難であ
ることから、ドット密度制御法が採用されている。
【0009】このドット密度制御法に用いられる中間調
表現の2値化手法の代表的なものの一つとして、組織的
ディザ法がある。しかし、この組織的ディザ法には、階
調数がマトリックスサイズにより制限されるという問題
がある。すなわち、階調数を多くするためにはマトリッ
クスサイズを大きくする必要があるが、マトリックスサ
イズを大きくすると、一つのマトリックスで構成される
記録画像の1画素が大きくなって解像力を損なうなどの
問題がある。
【0010】また、2値化手法のもう一つの代表的なも
のとして、誤差拡散法などの条件付決定型ディザ法があ
る。この方法は、前述した組織的ディザ法が入力画素に
無関係な閾値を用いて2値化する独立決定型ディザ法で
あるのに対し、入力画素の周辺画素を考慮して閾値を変
化させる方法である。この誤差拡散法に代表される条件
付決定型ディザ法は、階調性と解像力の両立性が良く、
しかも原画像が印刷画像である場合に記録画像にモアレ
パターンが発生することが極めて少ないなどの長所があ
る反面、画像明部で粒状性が目立ちやすく、画質の評価
が低くなるという問題がある。そして、この問題は特に
記録密度の低い記録装置において顕著である。
【0011】そこで、上記の粒状性を目立たなくするた
めに、従来のインクジェット記録装置では、色の薄いイ
ンクと色の濃いインクを吐出する2個の記録ヘッドを設
け、画像の明部から中間調部分は色の薄いインクで記録
ドットを形成し、中間調部分から暗部までは色の濃いイ
ンクで記録ドットを形成するような記録方法が提案され
ている。
【0012】一方、インクジェット記録装置において
は、吐出口面(吐出口が形成された記録ヘッド前面)に
不要インク滴や紙粉等の異物が付着すると、インクの吐
出方向が偏奇して画像品位が低下する場合がある。すな
わち、インクジェット記録装置においては、記録ヘッド
から被記録材(紙やOHPフィルムなど)にインク滴を
吐出させて記録を行うことから、吐出した主インク滴以
外に発生した微細なインク滴、あるいは被記録材に着弾
したインク滴の跳ね返りなどによって(インクミストの
発生によって)、記録ヘッドの吐出口面にインク滴が付
着し、該吐出口面が濡れ状態になることがある。そし
て、吐出口面がインクで濡らされ、そのインクが吐出口
の周り多量に集まると、インク吐出が阻害されて思わぬ
方向に吐出したり(ヨレ)、インク滴が吐出されない
(不吐出)といった弊害を引き起こすことがある。
【0013】インクジェット記録装置においては、液体
であるインクを用いることに起因する前述のような不具
合を解消するために、他の記録装置では見られない固有
の構成として、吐出口面と接触するワイピング部材を設
け、両者を相対移動させることにより吐出口面上のイン
ク滴などの異物を拭き取り除去(ワイピング)する構成
が用いられ、それによって、吐出口面をリフレッシュ
(回復)させ、吐出方向の偏奇や不吐出を予防したり回
復したりすることが行なわれている。
【0014】吐出口面に付着する不要インク滴は、記録
に伴うインク吐出時に発生するインクミストや紙からの
インクの跳ね返りなどによって形成され、また、紙粉な
どの異物も記録時に記録ヘッドと紙とが近接相対移動す
る際に吐出口面に付着することになる。そのため、記録
中あるいは記録終了後にワイピング手段によって吐出口
面上の付着物を除去することが一般的に行なわれてい
る。
【0015】前記ワイピング手段として、ゴムなどの弾
性材で形成したブレード(ワイパー)で吐出口面をワイ
ピングすることにより、前述の不要インク滴を拭き取り
除去する構成を採用することが多い。しかし、このよう
なワイピング手段には、長期の使用あるいは除去すべき
インク量の一時的増大などによって、ワイピング機能が
低下して吐出性能の回復維持が難しくなったり、さらに
は、ワイピング手段としてのブレードなどに堆積した増
粘インクや異物などを吐出口面に逆に転移させ、それに
よって吐出方向の偏奇や吐出口への異物押し込みなどに
よる吐出不良が生じるというワイピングの弊害を引き起
こす場合もある。
【0016】また、別の問題として、記録ヘッドの吐出
口面をワイピングすると、拭き取ってきたインク滴の一
部がブレードの弾性力によって撒き散らされ、記録装置
内部を汚してしまう場合もある。撒き散らされずにブレ
ードに残ったインク滴の大部分や紙粉等の異物は、該ブ
レードに付着したままとなる。そして、ブレードに付着
したままのインクの水分が蒸発することによってインク
自身が増粘するとともに、紙粉などの異物をも強固に付
着堆積させてしまい、これらを吐出口面に逆に転移させ
て吐出不良(不吐出やヨレなど)を引き起こす場合もあ
る。
【0017】さらには、2個以上の記録ヘッドの並設に
より異なる色のインクを使用してカラー画像記録を行う
ようにした記録装置では、最初のワイピングでブレード
に転移したインクが次の異なる色の記録ヘッドのワイピ
ング時に該記録ヘッドのインクと混色してしまい、記録
画像の品位が低下するという問題がある。
【0018】また、カラーインクジェット記録装置の場
合、一つのブレードで複数の記録ヘッドをワイピングす
ると、ブレードに付着して汚すインクの量も多くなるた
め、ブレードの汚れによる悪影響も多くなる。そのた
め、各記録ヘッドごとに専用のブレードを設ける構成な
どもあるが、それでは、非常なコストがかかり、しかも
ワイピング手段を設けるために更に大きなスペースが必
要になるという問題が生じる。
【0019】前述したようなワイピング機能の低下を防
止するために、ワイピング手段のクリーニング手段を設
ける場合もある。このクリーニング手段の最適で一般的
に用いられる構成として、インク吸収性に優れた多孔質
のインク吸収体を使用するものがある。インク吸収体
は、ワイピング手段としてのブレード等と接触して相対
移動(摺擦)して、該ブレードに付着した異物を拭き取
り除去するとともにインクを吸い取ることにより、該ブ
レードを清浄化することができる。しかしながら、クリ
ーニング性能に優れたインク吸収体であっても、インク
を吸収するに従って吸収性能(吸収特性)が低下してく
る場合があり、長期の信頼性に欠ける面もある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
記録装置では、インク濃度が同じ記録ヘッドやインク濃
度が同じ吐出口を使用しているために、ワイピング動作
を行った時に同一記録ヘッド内での濃淡インクの混色は
なかった。一方、装置の小型化および低価格化のため、
一つの吐出口面に濃淡が異なるインクを吐出する複数の
吐出口列(吐出口群)を設けた記録ヘッドを使用するイ
ンクジェット記録装置が本出願人により提案されてい
る。しかし、このような同系色でインク濃度の異なるイ
ンクを吐出する複数の吐出口列(吐出口群)が同一吐出
口面に設けられた記録ヘッドにあっては、ワイピング動
作を行った時に、濃インクの吐出口群と淡インクの吐出
口群との間で、濃インクが淡インクの吐出口に流れ込ん
だり、逆に淡インクが濃インクの吐出口に流れ込んだり
して、インクの混色を引き起こすことがある。
【0021】本発明はこのような技術課題に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の目的は、同一記録手段内にお
ける濃淡インクの混色を防止することができ、常に安定
した記録を行うことができるインクジェット記録装置を
提供することである。
【0022】
【課題解決のための手段】請求項1の発明は、記録手段
から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェ
ット記録装置において、濃度が異なる複数のインクを用
いて記録する複数吐出口列を有する記録手段と、該記録
手段のインク吐出部をクリーニングするためのワイピン
グ部材とを備え、同一記録手段の異なる濃度のインクを
吐出する吐出口列を有する複数の吐出口面の間に段差を
設ける構成とすることにより、上記目的を達成するもの
である。
【0023】請求項2の発明は、記録手段から被記録材
へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
において、濃度が異なる複数のインクを用いて記録する
複数吐出口列を有する記録手段と、該記録手段のインク
吐出部をクリーニングするためのワイピング部材とを備
え、同一記録手段の異なる濃度のインクを吐出する吐出
口列を有する複数の吐出口面の間にエッジを設ける構成
とすることにより、上記目的を達成するものである。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、各図面における同一符号はそれぞれ同一ま
たは対応部分を指している。図1は本発明を適用したイ
ンクジェット記録装置の一実施例の概略構成を示す模式
的斜視図である。図1において、装置本体に設置された
ガイドシャフト12に沿って往復移動可能にキャリッジ
13が案内支持されており、該キャリッジ13上には複
数(図示の例では4個)の記録手段11A、11B、1
1C、11Dがキャリッジ移動方向に並べた状態で交換
可能に位置決め固定されている。なお、これらの記録手
段(記録ヘッド)11〜11Dの全体または任意の一つ
を指す場合には、単に記録手段11または記録ヘッド1
1と称する。
【0025】本実施例では、記録ヘッド11Aはブラッ
クの濃インクと淡インクを吐出する2つの吐出口列(ま
たは2つの吐出口群)を有しており、記録ヘッド11B
はシアンの濃インクと淡インクを吐出する2つの吐出口
列(または2つの吐出口群)を有しており、記録ヘッド
11Cはマゼンタの濃インクと淡インクを吐出する2つ
の吐出口列(または2つの吐出口群)を有しており、記
録ヘッド11Dはイエローの濃インクと淡インクを吐出
する2つの吐出口列(または2つの吐出口群)を有して
いる。
【0026】用紙やプラスチック薄板等から成る被記録
材Pは、搬送ローラ(不図示)を経て排紙ローラ17と
これに押圧される拍車(不図示)とによって挟持され、
不図示の搬送モータの駆動により矢印A方向に送られ
る。キャリッジ13は、キャリッジモータ15の駆動に
より、タイミングベルト14を介して、前記ガイドシャ
フト12に沿って両矢印B方向に往復移動させられる。
【0027】前記記録ヘッド11のインク吐出口の内部
(液路)にはインク吐出用の熱エネルギーを発生する発
熱素子(電気熱エネルギー変換体)が設けられている。
そして、前記ガイドシャフト12と平行に設置されたエ
ンコーダ(不図示)の読み取りタイミングに従い、各吐
出口の発熱素子を記録信号に基づいて駆動し、濃インク
色、淡インク色の順に被記録材P上にインク滴を飛翔、
付着させることにより、画像を記録していくように構成
されている。
【0028】すなわち、記録ヘッド(記録手段)11
は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジ
ェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するため
の電気熱変換体を備えたものである。また、前記記録ヘ
ッド11は、前記電気熱変換体によって印加される熱エ
ネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮に
よって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを
吐出させ、記録を行なうものである。
【0029】図2は、記録ヘッド11の一つの吐出口群
(吐出口列)から成るインク吐出部の構造を模式的に示
す部分斜視図である。図2において、被記録材(記録用
紙等)Pと所定の隙間(例えば、約0.5〜2.0ミリ
程度)をおいて対面する吐出口面81には、所定のピッ
チで複数の吐出口82が形成され、共通液室83と各吐
出口82とを連通する各液路84の壁面に沿ってインク
吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体(発
熱抵抗体など)85が配設されている。前記複数の吐出
口82は記録ヘッド11の移動方向(主走査方向)と交
叉する方向に並ぶような位置関係で配列されている。こ
うして、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電
気熱変換体85を駆動(通電)して、液路84内のイン
クを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口
82からインクを吐出させる記録手段11が構成されて
いる。
【0030】なお、記録ヘッド11には、該記録ヘッド
の温度を検知するための温度センサが設けられており、
本実施例では、この温度センサは、図2に示すように、
吐出口列の両端に設けられた2個のダイオードセンサ2
0で構成されている。この温度センサは、このダイオー
ドセンサ20に限定されるものではなく、例えば、サー
ミスタ等の他のセンサを用いても良く、さらに、記録ド
ットのデューティから記録ヘッド温度を演算する方法で
も良い。
【0031】図1において、記録領域外に選定されたキ
ャリッジ13のホームポジションHPには、キャッピン
グ手段16を持つ回復ユニット10が配設されている。
前記キャッピング手段16は、4個の記録ヘッド11の
それぞれに2つづつ設けられた吐出口群(吐出口列)す
なわち記録手段に設けられた合計8個の吐出口群に対応
する8個のキャップ19で構成されている。記録を行わ
ない時には、キャリッジ13をホームポジションHPへ
移動させ、キャップ部16の各キャップ19を対応する
吐出口面81に密着させて対応する吐出口群(吐出口
列)を密封することにより、インク溶剤蒸発に起因する
インクの固着あるいは埃や紙粉等の異物の付着などによ
る吐出口82の目詰まりを防止するように構成されてい
る。
【0032】前記キャップ部16はキャッピング位置お
よび開放位置を取るように両矢印C方向に移動可能にな
っている。また、このキャップ部16は、上記キャッピ
ングに利用される他に、記録頻度の低い吐出口のインク
増粘やインク固着等による吐出不良や目詰まりを解消す
るために、吐出口から離隔した状態のキャップ部16の
各キャップ19へインクを吐出する予備吐出モードに利
用されたり、キャッピング状態で不図示のポンプを作動
させて吐出口82からインクを吸い出すことにより、吐
出口82の吐出不良を回復したり予防したりする吸引回
復処理に利用されたりする。
【0033】前記回復ユニット10は、前記キャップ部
16の記録領域側(内側)に隣接して配設されたワイピ
ング部材18を備えている。このワイピング部材18は
ゴム等の弾性材から成る板状のブレード(ワイパー)で
形成されている。このワイピング部材18は、記録ヘッ
ド11の吐出口面81に接触(摺擦)可能な突出位置と
接触しない退避位置との間で移動可能に(両矢印D方向
に移動可能に)保持されている。そして、このワイピン
グ部材18を突出させた状態で、キャリッジ13を移動
させて記録ヘッド11を通過させることにより、吐出口
面81を拭き取り清掃(ワイピング)するように構成さ
れている。
【0034】ワイピング動作は、必要な時のみ、ホーム
ポジションHP側(図示左下側)から被記録材搬送系側
(図示右上側)へ移動する方向で行われる。ワイピング
動作に際しては、先ず、ゴム製のワイパー18を突出さ
せ、記録ヘッド11をワイピングするのに最適な進入量
となる突出位置(ワイピング位置)に設定する。次に、
記録ヘッド11を搭載したキャリッジ13がホームポジ
ションHP側(図示左下側)から記録領域側(図示右上
側)へ水平に移動し、キャリッジ13から張り出した吐
出口面81をワイピングし、該吐出口面に付着していた
インク滴や紙粉等の異物を清掃除去する。最後に、ワイ
パー18が退避位置へ移動し、待機状態に戻る。
【0035】そこで、本発明によるインクジェット記録
装置では、濃度が異なる複数のインクを用いて記録する
複数吐出口列を有する記録手段と、該記録手段のインク
吐出部をクリーニングするためのワイピング部材とを備
え、同一記録手段の異なる濃度のインクを吐出する吐出
口列を有する複数の吐出口面の間に段差またはエッジを
設ける構成が採られている。
【0036】図3は本発明を適用した記録ヘッド11の
第1実施例の複数の吐出口列(吐出口群)を被記録材P
側から見た模式的斜視図である。図3において、一つの
記録ヘッド11の前面(吐出口面81)には、濃インク
を吐出する吐出口列23と淡インクを吐出する吐出口列
24が形成されており、これらの吐出口列23、24を
有する二つの吐出口面21、22の間に段差25が設け
られている。本実施例では、濃インクの吐出口23を有
する濃インクの吐出口プレートの厚さをaとし、淡イン
クの吐出口24を有する淡インクの吐出口プレートの厚
さをbとし、a>bとすることにより前記段差25が形
成されている。なお、図3の記録ヘッド11は、図1中
の複数(4個)の記録ヘッド11A〜11Dの任意の一
つに対応しており、インク色はブラック、シアン、マゼ
ンタ、イエロー等の内のいずれであってもよい。
【0037】図4は本発明を適用したインクジェット記
録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。図
4において、制御系の構成部分はソフト系処理手段とハ
ード系処理手段とに大別することができ、ソフト系処理
手段はメインバスライン51に対し夫々がアクセス可能
に接続された画像入力部52とそれに対応する画像信号
処理部53と中央制御部(CPU)54などで構成され
ており、ハード系処理手段は操作部55と回復系制御回
路56と記録ヘッド温度制御回路57と記録ヘッド駆動
制御回路58などで構成されている。
【0038】図4において、CPU54は、通常ROM
59とランダムメモリ(RAM)60を有し、入力情報
に対して適正な記録条件を与えて記録ヘッド11を駆動
し、記録を行う。また、RAM60内には、予め回復タ
イミングチャートを実行するプログラムが保存されてお
り、必要に応じて予備吐出条件等の回復条件を回復系制
御回路56、記録ヘッド11および保温ヒータ61等に
与える。回復系モータ62は、記録ヘッド11と対向離
間するワイピング部材(ワイパーブレード)18やキャ
ップ部16や吸引ポンプ63などを駆動する。記録ヘッ
ド駆動制御回路58は、記録ヘッド11の電気熱変換体
85の駆動条件を実行するものであり、通常、予備吐出
や記録用インク吐出を記録ヘッド11に行わせる。
【0039】前記保温ヒータ61は、記録ヘッド11内
の電気熱変換体85を有する基板に設けられており、該
記録ヘッド11内のインク温度を所望設定温度に加熱調
整することができる。また、前記電気熱変換体85を有
する基板にはサーミスタ64が設けられている。このサ
ーミスタ64は実質的な記録ヘッド内部のインク温度を
測定するものである。また、このサーミスタ64も、前
記基板ではなく、記録ヘッド11の周囲近傍などの基板
以外の位置に設けてもよい。
【0040】図5は図3の濃淡吐出口列23、24を有
する吐出口面21、22をワイピング(拭き取り清掃)
する状態を示す斜視図であり、図6は本発明を実施する
際に用いられるワイピング部材(ワイパーブレード)1
8の各種の構造例を示す模式的斜視図である。記録ヘッ
ド11の吐出口面のワイピング動作は図5中の(a)→
(b)の順序で行われる。(a)では、ワイピングが可
能なようにワイパーホルダー26が矢印Dの上向き方向
に上昇し、濃淡の記録ヘッド11が矢印B方向に移動し
てワイピング部材18に接近する。(b)は濃淡記録ヘ
ッド11がワイピング部材18の位置を移動する状態を
示し、この時、ゴム製のワイピング部材18によって段
差25を有する濃淡吐出口23、24の各吐出口面2
1、22をワイピングする。
【0041】図5に示すワイピング動作によれば、濃イ
ンクの吐出口面21と淡インクの吐出口面22の間に段
差25があるため、濃インクが淡インクの吐出口24に
流れ込んだり、逆に淡インクが濃インクの吐出口23に
流れ込んだりすることが阻止され、濃淡インクの混色を
防止することができる。ここで、前記段差25は約30
ミクロン以内に設定されるので、図5中および図6の
(a)に示すような段差無しの1枚のゴム製ワイパーブ
レード18を用いても充分に濃淡インクの混色を防止す
ることが可能である。しかし、段差25を約30ミクロ
ンより大きくした場合には、図6の(b)に示すゴム製
ワイパー18a、18bのように濃淡の吐出口面21、
22の高さに合わせてワイピング部材18自身に段差を
設けたり、この段差部分に切れ目を入れたりすることに
より、前記混色防止の効果を一層高めることができる。
【0042】図1に示すようなカラーインクジェット記
録装置の場合には、以上のワイピング動作は、ブラッ
ク、シアン、マゼンタおよびイエローのそれぞれの濃淡
の記録ヘッド11について行われる。なお、前述の第1
実施例では、濃インクの吐出口プレートの厚さをaと
し、淡インクの吐出口プレートの厚さをbとした場合、
図3に示すようにa>bにして段差25を形成したが、
これは逆にa<bのようにして段差を形成してもよい。
【0043】図7は本発明による記録ヘッド11の第2
実施例を示す模式的斜視図であり、図8は本発明による
記録ヘッド11の第3実施例を示す模式的斜視図であ
る。前述の第1実施例の記録ヘッド11では、図3に示
すように吐出口列の間に段差25を設けたが、この段差
25の代わりに、図7に示すような凹部によるエッジ2
7あるいは図8に示すような凸部によるエッジ28を設
けてもよい。
【0044】図7の実施例では、濃インクの吐出口列2
3を有する濃インクの吐出口面21と淡インクの吐出口
24を有する淡インクの吐出口面22との間に、角溝状
の凹部31が形成され、該凹部の端縁により前記エッジ
27が形成されている。また、図8の実施例では、濃イ
ンクの吐出口列23を有する濃インクの吐出口面21と
淡インクの吐出口24を有する淡インクの吐出口面22
との間に、角形断面の凸部32が形成され、該凸部の稜
縁により前記エッジ28が形成されている。
【0045】なお、図8の第3実施例においては、凸部
32と各吐出口面21、22との段差が約30ミクロン
以内であれは、図6の(a)に示すような段差無しの1
枚のゴム製ワイパーブレード18を用いても充分に濃淡
インクの混色を防止することが可能である。一方、凸部
32と各吐出口面21、22との段差が約30ミクロン
以上であれは、凸部32の部分に切欠きまたは切れ目を
有するワイパーブレードを用いることにより、濃淡イン
クの混色防止の効果を更に高めることができる。
【0046】図9は図6の(c)のワイピング部材18
a、18bを用いて図3の濃淡記録ヘッド11のワイピ
ングを行う実施例(第4実施例)を示す斜視図である。
図6の(c)のワイピング部材18では、濃インクの吐
出口面21をワイピングするワイパー18aと淡インク
の吐出口面22をワイピングするワイパー18bは、図
示のように記録ヘッド11の移動方向(図9中の矢印B
方向)に位置をずらして配置されている。図9の第4実
施例では、図3の段差付きの濃淡記録ヘッド11に対
し、(a)→(b)→(c)の順序でワイピング動作を
行う。(a)では、ワイパーホルダー26を上向き矢印
D方向に上昇させてワイピング部材18a、18bをワ
イピング可能な位置まで突出させ、濃淡の記録ヘッド1
1を前記ワイピング部材へ向けて矢印B方向に移動させ
る。
【0047】記録ヘッド11がワイピング部材18の領
域に到達すると、先ず、図9の(b)に示すように、一
方のゴム製のワイパー18bによって淡インクの吐出口
面22をワイピングする。次いで、記録ヘッド11が更
に移動すると、図9の(c)に示すように、他方のゴム
製のワイパー18aによって濃インクの吐出口面21を
ワイピングする。
【0048】図9のワイピング動作によれば、濃インク
の吐出口面21と淡インクの吐出口面22の間に段差2
5によるエッジがあるため、濃インクが淡インクの吐出
口24に流れ込んだり、逆に淡インクが濃インクの吐出
口23に流れ込んだりすることが阻止され、濃淡インク
の混色が防止される。このワイピング動作によれば、更
に、濃淡の吐出口面21、22ごとに、ゴム製のワイピ
ング部材を18aの部分と18bの部分に分割するとと
もに、これらを記録ヘッド11の移動方向に位置をずら
して配置したので、上記の濃淡インクの混色を一層効果
的に防止することが可能になる。
【0049】なお、図9の実施例では淡インクの吐出口
面22の方を先にワイピングしているが、これは濃イン
クの吐出口面21の方を先にワイピングしてもよい。ま
た、図1に示すようなカラーインクジェット記録装置の
場合には、以上のワイピング動作は、前述の第1実施例
の場合と同様、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエ
ローのそれぞれの濃淡の記録ヘッド11について行われ
る。さらに、図9の第4実施例でも、濃インクの吐出口
プレートの厚さをaとし、淡インクの吐出口プレートの
厚さをbとした場合に、a>bにして段差25を形成し
たが、これは逆にa<bのようにして段差を形成しても
よい。
【0050】さらに図9のワイピング動作は、図示の段
差25を有する記録ヘッド11の他に、図7に示すよう
に濃淡の吐出口面21、22の間に凹部31によるエッ
ジ27を設けた記録ヘッド、あるいは図8に示すように
濃淡の吐出口面21、22の間に凸部32によるエッジ
28を設けた記録ヘッドに対しても同様に実行すること
ができ、同様に混色防止の効果を奏することができる。
【0051】なお、以上の各実施例では、複数の記録ヘ
ッド11のそれぞれに濃淡2組の吐出口列23、24を
設ける場合を説明したが、本発明は、各記録ヘッドに3
組以上のインク濃度の異なる吐出口列を設ける場合、あ
るいは複数の濃度の異なる吐出口列を有する1個の記録
ヘッドを用いる場合にも、同様に適用することができ、
同様の作用効果が得られるものである。そして、以上説
明した各実施例によれば、同一記録ヘッドの吐出口面に
濃淡の異なるインクで記録する複数の吐出口列(吐出口
群)を設ける場合に、濃淡インクの混色を防止すること
ができ、濃淡インクを用いた記録装置の画像形成の効果
を減少させることなく良好な画像を記録することができ
るインクジェット記録装置が得られる。
【0052】なお、前述の実施例では、記録手段(記録
ヘッド)を主走査方向に移動させるシリアル記録方式の
場合を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の全
幅または一部をカバーする長さのライン記録手段を用い
て副走査のみで記録するライン記録方式の場合にも、同
様に適用することができ、同様の効果を達成し得るもの
である。また、本発明は、異なる色で記録する複数の記
録手段を用いるカラー記録装置の他、1個の記録手段を
用いる階調記録装置の場合にも、同様に適用することが
でき、同様の効果を達成し得るものである。
【0053】さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタ
ンクを一体化した交換可能なヘッドカートリッジを用い
る場合、あるいは記録ヘッドとインクタンクを別体に
し、その間をインク供給用のチューブ等で接続する場合
など、記録ヘッドとインクタンクの配置構成がどのよう
な場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得
られるものである。
【0054】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置
において優れた効果をもたらすものである。かかる方式
によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるから
である。
【0055】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液
体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0056】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0057】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0058】さらに、前述のように、記録装置が記録で
きる被記録材(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有
するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明
は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、
複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす
構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでもよい。加えて、上例のようなシリアル
タイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッ
ド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0059】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる記録ヘッドに対しての回復手段または予備的な補
助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定で
きるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての、前述のようなキャッピング
手段、クリーニング手段、吸引回復手段の他に、加圧式
の回復手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別
の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定した
記録を行なうために有効である。
【0060】また、前述したように、搭載される記録ヘ
ッドの種類ないし個数についても、例えば、単色のイン
クに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や
濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けら
れるものであってもよい。すなわち、例えば、記録装置
の記録モードとしては、黒色等の主流色のみの記録モー
ドだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数
個の組み合わせによるか、いずれでもよいが、異なる色
の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも
一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0061】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止する6、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0062】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0063】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、記録手段から被記録材へインクを吐
出して記録を行うインクジェット記録装置において、濃
度が異なる複数のインクを用いて記録する複数吐出口列
を有する記録手段と、該記録手段のインク吐出部をクリ
ーニングするためのワイピング部材とを備え、同一記録
手段の異なる濃度のインクを吐出する吐出口列を有する
複数の吐出口面の間に段差を設ける構成としたので、同
一記録手段内における濃淡インクの混色を防止すること
ができ、常に安定した記録を行うことができるインクジ
ェット記録装置が提供される。
【0065】請求項2の発明によれば、記録手段から被
記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記
録装置において、濃度が異なる複数のインクを用いて記
録する複数吐出口列を有する記録手段と、該記録手段の
インク吐出部をクリーニングするためのワイピング部材
とを備え、同一記録手段の異なる濃度のインクを吐出す
る吐出口列を有する複数の吐出口面の間にエッジを設け
る構成としたので、同一記録手段内における濃淡インク
の混色を防止することができ、常に安定した記録を行う
ことができるインクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例の概略構成を示す模式的斜視図である。
【図2】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を模式
的に示す部分斜視図である。
【図3】本発明による濃淡記録手段の第1実施例を示す
模式的斜視図である。
【図4】本発明を適用したインクジェット記録装置の制
御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】図3の濃淡記録手段のワイピング動作を示す模
式的斜視図である。
【図6】本発明の実施に使用されるワイピング部材の構
造例を示す模式的斜視図である。
【図7】本発明による濃淡記録手段の第2実施例を示す
模式的斜視図である。
【図8】本発明による濃淡記録手段の第3実施例を示す
模式的斜視図である。
【図9】図3の濃淡記録手段を時間差ワイピングする第
4実施例のワイピング動作を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
10 回復ユニット 11 記録手段(記録ヘッド) 12 ガイドシャフト 13 キャリッジ 15 キャリッジモータ 16 キャッピング手段 17 排紙ローラ 18 ワイピング部材 19 キャップ 20 温度センサ 21 濃インクの吐出口面 22 淡インクの吐出口面 23 濃インクの吐出口列 24 淡インクの吐出口列 25 段差 26 ワイパーホルダー 27 エッジ 28 エッジ 31 凹部 32 凸部 54 中央制御部(CPU) 63 ポンプ 64 サーミスタ 81 吐出口面 82 吐出口 84 液路 85 電気熱変換体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行うインクジェット記録装置において、濃度
    が異なる複数のインクを用いて記録する複数吐出口列を
    有する記録手段と、該記録手段のインク吐出部をクリー
    ニングするためのワイピング部材とを備え、同一記録手
    段の異なる濃度のインクを吐出する吐出口列を有する複
    数の吐出口面の間に段差を設けることを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行うインクジェット記録装置において、濃度
    が異なる複数のインクを用いて記録する複数吐出口列を
    有する記録手段と、該記録手段のインク吐出部をクリー
    ニングするためのワイピング部材とを備え、同一記録手
    段の異なる濃度のインクを吐出する吐出口列を有する複
    数の吐出口面の間にエッジを設けることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項1または請求項2のインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項3のインクジェット記録装置。
JP8775294A 1994-04-01 1994-04-01 インクジェット記録装置 Pending JPH07276620A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8775294A JPH07276620A (ja) 1994-04-01 1994-04-01 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8775294A JPH07276620A (ja) 1994-04-01 1994-04-01 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07276620A true JPH07276620A (ja) 1995-10-24

Family

ID=13923678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8775294A Pending JPH07276620A (ja) 1994-04-01 1994-04-01 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07276620A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6530642B1 (en) 1998-12-15 2003-03-11 Canon Kabushiki Kaisha Cleaning device, method and printer with virtually equal wiping condition for different print unit to recording surface distances
JP2005238643A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録装置
JP2007152597A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Kyocera Corp インクジェット記録装置
JP2007301951A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Canon Finetech Inc インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置
US7404618B2 (en) 2003-12-04 2008-07-29 Samsung Electronics Co., Ltd. Inkjet printer
US10730303B2 (en) 2017-10-26 2020-08-04 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6530642B1 (en) 1998-12-15 2003-03-11 Canon Kabushiki Kaisha Cleaning device, method and printer with virtually equal wiping condition for different print unit to recording surface distances
US7404618B2 (en) 2003-12-04 2008-07-29 Samsung Electronics Co., Ltd. Inkjet printer
JP2005238643A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録装置
JP4561123B2 (ja) * 2004-02-26 2010-10-13 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録装置
JP2007152597A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Kyocera Corp インクジェット記録装置
JP4686344B2 (ja) * 2005-11-30 2011-05-25 京セラ株式会社 インクジェット記録装置
JP2007301951A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Canon Finetech Inc インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置
US10730303B2 (en) 2017-10-26 2020-08-04 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0768766A (ja) インクジェット記録装置
JPH05345415A (ja) インクジェット記録装置
JPH079712A (ja) インクジェット記録装置
JPH07137270A (ja) インクジェット記録装置
JPH0747679A (ja) インクジェット記録装置
JP2001105584A (ja) インクジェット記録装置
JP2007144787A (ja) インクジェット記録装置
JPH11342621A (ja) インクジェット記録装置
JPH0679877A (ja) インクジェット記録装置
JP3234087B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH07276620A (ja) インクジェット記録装置
JP2004009575A (ja) インクジェット記録装置及び該記録装置のクリーニング部
JPH07223321A (ja) インクジェット記録装置
JP2000177113A (ja) インクジェット記録装置
JP3110151B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH07125228A (ja) インクジェット記録装置およびクリーニング方法
JP2000198211A (ja) インクジェット記録ヘッド用クリ―ニング装置、インクジェット記録ヘッド用クリ―ニング方法、インクジェット記録装置、およびワイパ―
JPH06191060A (ja) インクジェット記録装置
JPH07205438A (ja) インクジェット記録装置
JPH07290716A (ja) インクジェット記録装置
JPH0781076A (ja) インクジェット記録装置
JPH0768791A (ja) インクジェット記録装置
JPH07205417A (ja) インクジェット記録方法、記録装置および情報処理システム
JP3048022B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH07205453A (ja) インクジェット記録装置および吐出回復方法