JP2860685B2 - インクジェット記録装置の回復方法 - Google Patents

インクジェット記録装置の回復方法

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JP2860685B2
JP2860685B2 JP2048605A JP4860590A JP2860685B2 JP 2860685 B2 JP2860685 B2 JP 2860685B2 JP 2048605 A JP2048605 A JP 2048605A JP 4860590 A JP4860590 A JP 4860590A JP 2860685 B2 JP2860685 B2 JP 2860685B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数の記録ヘッドで記録するように構成さ
れ、かつ、各記録ヘッドの吐出口面に接触可能なワイパ
ー部材を有するインクジェット記録装置の回復方法に関
する。
〔従来の技術〕
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、転
送されてくる画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄
板等の被記録材上にドットパターンから成る画像を記録
していくように構成されている。
前記記録装置は、記録方式により、インクジェット
式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等
に分けることができ、そのうちのインクジェット式(イ
ンクジェット記録装置)は、記録ヘッドの吐出口から記
録液(インク)の小滴を吐出飛翔させ、これを被記録材
に付着させて記録するように構成されている。
このインクジェット記録装置は、ノンインパクト方式
であるから、カラー記録や高速記録に適している。
色相の異なる複数色のインクを使用するフルカラータ
イプあるいは濃度の異なる複数のインクを使用するイン
クジェット記録装置においては、異なるインクごとの複
数の記録ヘッドを使用して記録が行なわれる。
第4図は、複数の記録ヘッドを備えたインクジェット
記録装置の従来例を示す模式的斜視図である。
第4図において、1はそれぞれ異なる記録液(イン
ク)を吐出して記録を行なう複数の記録ヘッド(インク
ジェットヘッド)、2はそれぞれ異なる色相または異な
る濃度の記録液(インク)を収納した複数のインクタン
ク、3は記録ヘッド1を搭載して主走査方向に往復移動
するキャリッジ、4は記録ヘッド1のインク吐出性能を
正常な状態に回復維持するための回復装置、5は回復装
置4の側部に設けられた可撓性弾性材のワイパー部材、
6は回復装置4の一部として設けられたキャッピング手
段、7は用紙やプラスチック薄板等の被記録材を副走査
方向に搬送する搬送ローラー、8は搬送ローラー7に追
従して被記録材を搬送する補助ローラー、9は被記録材
をプラテン等のガイド部材に密着させて適正に案内する
ための押さえ部材(ばね)、10はキャリッジ3を移動可
能に案内支持するガイドシャフト、11は記録用の用紙や
プラスチック薄板等から成る被記録材、をそれぞれ示
す。
前記ワイパー部材5は、例えば板状のシリコンゴム等
の弾性材で形成され、前進移動して記録ヘッド1の吐出
口面(吐出部が形成されたフェイス面)に接触可能に配
設されている。
前記キャッピング手段6は、記録ヘッド1の吐出口面
に密着可能に配設されており、該吐出口面に密着してキ
ャッピングする他、密着時に、前記回復装置4内部に生
じた圧力差を利用して、記録ヘッド1の吐出口内部(液
路)にインク流を生じさせ得るように構成されている。
インクジェット記録装置の電源オンの状態で、ホスト
コンピュータ等から記録信号が送られてくると、被記録
材11が搬送ローラー7により所定の位置へ搬送された
後、キャリッジ3を駆動して記録ヘッド1で走査しなが
ら該記録ヘッド1から被記録材11へインクを吐出するこ
とにより、記録が行なわれる。
その場合、インク中の気泡や吐出口面に付着した塵埃
等により、記録信号が印加されているにもかかわらず、
記録ヘッド1からインクが吐出されなかったり、あるい
は、インクの吐出方向がズレてしまうなどの、吐出不良
(したがって、記録不良)が発生することがある。
このような吐出不良が発生した場合、ユーザーの判断
あるいはセンサ等による自動で、回復動作指令が発せら
れる。回復動作指令があると、先ず記録ヘッド1がキャ
リッジ3により回復装置4へ運ばれる。
この時、記録ヘッド1がキャッピング手段6に到達す
る前に、該記録ヘッド1の吐出口面に接触可能な位置に
移動されたワイパー部材5により、該吐出口面に付着し
た塵埃等が拭き取られる。
その後、記録ヘッド1はキャッピング手段6と対面す
る位置へ移動し、該キャッピング手段6によりその吐出
口面が密封される。そこで、不図示のポンプ等により回
復装置4内部で発生した圧力差がキャッピング手段6に
伝達され、記録ヘッド1の吐出口内の液路にインク流を
生じさせ、該インク流によって液路内に気泡や塵埃等が
除去(クリーニング)される。
その後、再び記録領域に戻って記録動作が行なわれる
が、この時には、ワイパー部材5は記録ヘッド1と接触
しない位置へ後退しており、該ワイパー部材5が吐出口
面に接触することはない。
〔発明が解決しようとする技術的課題〕
しかし、上記従来のインクジェット記録装置の回復方
法においては、インク中の気泡や吐出口面のゴミ付着等
による記録不良が生じた時に回復装置4による回復動作
を行なうが、キャッピング手段6による吐出口からのイ
ンク排出(吸引等)動作をもって回復動作の終了として
いたため、キャッピング手段まで吸引されなかったイン
クが吐出口面上に残ることがしばしばあり、この残され
たインクが吐出されるインク滴に作用して(表面張力
等)吐出方向を曲げるなどの記録不良の原因になるとい
う技術的課題があった。
これを改善するため、吐出口面に残ったインクのみを
除去する機構を回復装置4に付加するなどの検討が行な
われたが、これでは、記録装置が複雑で故障し易くな
り、また、コスト上昇を招くという技術的課題があっ
た。
また、キャッピング手段6による吐出口からのインク
吸引の後に、ワイパー部材5で吐出口面を拭き取る動作
を付加する方法も検討されたが、この動作の追加のみで
は、複数の記録ヘッド1を備えた記録装置の場合、ワイ
パー部材5に付着したインクが別の記録ヘッドの吐出口
から液路内へ侵入し、混色が発生するという問題があっ
た。
この問題を解決するために個々の記録ヘッドに対して
個々のワイパー部材を使用することも検討されたが、こ
れでは、記録装置の構造が複雑で大型になり、コストア
ップにもなるという問題があった。
本発明は上記技術的課題に鑑みてなされたものであ
り、本発明の目的は、複数の記録ヘッドの移動を利用し
て共通のワイパー部材により各記録ヘッドの吐出口面を
クリーニングする場合に、インク吐出部でインクの混色
を生じることなく、各記録ヘッドの吐出口面のクリーニ
ング動作を記録ヘッドの一方向の移動のみで速やかに確
実に行うことができ、回復から記録へ速やかに移行する
ことができるインクジェット記録装置の回復方法を提供
することである。
〔課題解決のための手段〕
請求項1の発明は、上記目的を達成するため、異なる
色または異なる濃度のインクを吐出口から吐出して記録
領域で記録を行う複数の記録ヘッドと、前記記録領域の
外に配され前記複数の記録ヘッドの吐出口面に順次接触
してクリーニングを行うためのワイパー部材と、前記記
録領域と前記ワイパー部材との間に配され前記吐出口か
ら吐出されたインクを受けるインク溜めと、を有するイ
ンクジェット記録装置の回復方法であって、前記複数の
記録ヘッドを前記記録領域の外から前記記録領域へ向け
て移動させることにより、前記ワイパー部材によって前
記複数の吐出口面のクリーニングを順次行う工程と、前
記複数の記録ヘッドごとに当該記録ヘッドを駆動するこ
とにより、各記録ヘッドの吐出口から前記インク溜めへ
インクを吐出する工程と、前記複数の記録ヘッドを前記
記録領域へ戻して記録を再開する工程と、を順に行うこ
とを特徴とする。
請求項2の発明は、上記請求項1の構成に加えて、前
記ワイパー部材による前記吐出口面のクリーニングを、
インクの明度の高い記録ヘッドから順次行う構成とする
ことにより、インクの混色および該混色による画像品位
の低下を、一層確実に防止し得るインクジェット記録装
置の回復方法を提供するものである。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。
第1図は、本発明による回復方法を実行するのに好適
なインクジェット記録装置の模式的斜視図である。
第1図において、1はそれぞれ異なる記録液(イン
ク)を吐出して記録を行なう複数の記録ヘッド(インク
ジェットヘッド)、2はそれぞれ異なる色相または異な
る濃度の記録液(インク)を収納し、それぞれに対応す
る記録ヘッド1へインクを供給する複数のインクタン
ク、3は記録ヘッド1を搭載して主走査方向に往復移動
するキャリッジ、4は記録ヘッド1のインク吐出性能を
正常な状態に回復維持するための回復装置、5は回復装
置4の側部に設けられた可撓性弾性材のワイパー部材、
6は回復装置4の一部として設けられたキャッピング手
段、7は用紙やプラスチック薄板等の被記録材を副走査
方向に搬送する搬送ローラー、8は搬送ローラー7に追
従して被記録材を搬送する補助ローラー、9は被記録材
をプラテン等のガイド部材に密着させて適正に案内する
ための押さえ部材(ばね)、10はキャリッジ3を移動可
能に案内支持するガイドシャフト、11は記録用の用紙や
プラスチック薄板等から成る被記録材、12はワイパー部
材5の隣に配置され記録ヘッド1の吐出口面に対面し得
る開口部を有するインク溜め、をそれぞれ示す。
前記各記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用してイン
クを吐出するインクジェット記録ヘッドであって、熱エ
ネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたもので
ある。
また、前記インクジェット記録ヘッド1は、前記電気
熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる
膜沸騰による気泡の成長によって、吐出口よりインクを
吐出させ、記録を行なうものである。
前記ワイパー部材5は、例えば、板状のシリコンゴム
等の弾性材で形成され、前進移動して記録ヘッド1の吐
出口面(吐出部が形成されたフェイス面)に接触可能に
配設されている。
前記キャッピング手段6は、記録ヘッド1の吐出口面
に密着可能に配設されており、該吐出口面に密着してキ
ャッピングする他、密着時に、前記回復装置4内部に生
じた圧力差を利用して、記録ヘッド1の吐出口内部(液
路)にインク流を生じさせ得るように構成されている。
インクジェット記録装置が電源オンの状態の時、ホス
トコンピュータ等から記録信号が送られて来ると、被記
録材11が搬送ローラー7により所定の位置へ搬送された
後、キャリッジ3を駆動して記録ヘッド1で走査しなが
ら該記録ヘッド1から被記録材11へインクを吐出するこ
とにより、記録が行なわれる。
その場合、インク中の気泡や吐出口面に付着した塵埃
等が存在するため、記録信号が印加されているにもかか
わらず記録ヘッド1からインクが吐出されなかったり、
あるいは、インクの吐出方向がズレてしまうなどの、吐
出不良(したがって、記録不良)が発生することがある
が、このような吐出不良が発生した場合、あるいは発生
しそうな場合には、ユーザーの判断あるいはセンサ等に
よる自動で、回復動作指令が発せられる。
回復動作指令が発せられると、以下のような一連の回
復動作が行なわれる。第2図はこの回復動作のシーケン
スを示すフローチャートである。
第2図において、回復動作指令が発せられると、記録
ヘッド1はキャリッジ3により回復装置4へ向けて移動
させられる。
この移動の途中、ステップS1において、各記録ヘッド
1がキャッピング手段6に到達する前に、該記録ヘッド
1の取出口面に接触可能な位置に移動されたワイパー部
材5により、各記録ヘッド1の吐出口面に付着した塵埃
等が拭き取られる。
この場合、前記ワイパー部材5は、常に吐出口面に接
触する位置に設置された固定式のものでもよく、また、
通常では吐出口面に接触しない後退位置にあるが、必要
な時に前進駆動されて吐出口面に接触する位置へ移動し
てくる可動式のものでもよい。
記録ヘッド1がさらに移動してキャッピング手段6と
対面する位置へ到達すると、ステップS2において、該キ
ャッピング手段6によりその吐出口面が密封される。
次いで、ステップS3において、不図示のポンプ等によ
り回復装置4内部で発生した圧力差がキャッピング手段
6の内部に伝達され、記録ヘッド1の吐出口内の液路に
インク流を生じさせ、該インク流によって液路内の気泡
や塵埃等が除去(クリーニング)される。
この吐出口のクリーニング動作は、負圧吸引力でイン
クを吐出口から吸い出す吸引方式、あるいは、インク供
給系内のインクを加圧して吐出口からインクを押し出す
加圧式のいずれによっても行なうことができる。
上記吐出口の回復動作(クリーニング)が終了した
後、ステップS4でキャッピング手段6を記録ヘッド1か
ら離し、該記録ヘッド1を記録領域へ向けて移動させ
る。
記録領域へ移動する際、記録ヘッド1はワイパー部材
5およびインク溜め12の前を通過することになる。そこ
で、ステップS5では、各記録ヘッド1がワイパー部材5
の前を通過する時の相対運動を利用して、それぞれの吐
出口面をワイピング(拭き取り)し、付着したインクが
除去される。
次いで、ステップS6において、各記録ヘッド1からイ
ンク溜め12内へ向けて予め設定された回数のインク吐出
を行なう。
以上のシーケンスを終えた後、記録ヘッド1は記録領
域へ戻り、記録が再開される。
以上の回復動作において、ステップS5のワイピングで
は、1つのワイパー部材5で複数(例えば、4個)の記
録ヘッド1の吐出口面を順次拭き取るので、ある記録ヘ
ッド1の吐出口では若干のインク混色が発生するが、そ
の直後のステップS7において、各記録ヘッド1からイン
ク溜め12に対して所定回数のインク吐出を行なうので、
混色したインクも同時に排出されることになる。
したがって、ワイピング時に吐出口で混色が生じて
も、被記録材11に対しては、混色したインクで記録され
ることはない。
なお、以上のシーケンスは、各記録ヘッド1の吐出口
面をキャッピング手段6で密閉した状態で吐出口からイ
ンクを吸引する動作を含むものであったが、本発明はこ
のようなキャッピングおよび吸引の動作を含まないシー
ケンスでも実施することができる。
すなわち、記録動作中には、被記録材11としての用紙
等から発生する紙粉が記録ヘッド1の吐出口面に付着す
ることがあり、その場合には、上記キャッピング動作を
省略することもできる。
第3図はキャッピング動作を省略したシーケンスを示
すフローチャートである。
第3図において、記録ヘッド1の吐出口面のワイピン
グ動作指令が発生すると、記録ヘッド1を回復装置4へ
向けて移動させ、ステップS11において、その途中のワ
イパー部材5の前を通過する時の相対運動を利用して各
記録ヘッド1の吐出口面を拭き取り、紙粉等の付着物を
除去する。
次いで、記録ヘッド1が回復装置4のキャッピング手
段6と対面する位置に達すると、そこで停止させ、ステ
ップS12において、記録ヘッド1を駆動して各記録ヘッ
ド1の吐出口からキャッピング手段6の内部へ向けてイ
ンクを所定回数吐出させる。
インク吐出を終えた後、記録ヘッド1を記録領域の方
へ向けて移動させ、ステップS13において、この戻り時
の動きを利用して、ワイパー部材5により各記録ヘッド
1の吐出口面をワイピングする。
続いて、ステップS4において、各記録ヘッド1の吐出
口から前記インク溜め12へ向けて所定回数のインク吐出
を行ない、一連の動作を終了する。
以上第3図について説明したシーケンスは、記録動作
中に定期的に行なうことができる。
以上の一連の回復動作における、一個のワイパー部材
5による各記録ヘッド1の吐出口面の拭き取り、並びに
一個のインク溜め12に対する各記録ヘッド1からのイン
ク吐出の各動作は、異なる色相または異なる濃度のイン
クを持つ複数の記録ヘッドごとに行なう場合、その使用
するインクの明度が高いものから順に行なうことが、吐
出部におけるインク混色を防止するのにより効果的であ
る。
以上図1〜図3を参照して説明した本発明の実施例に
よれば、異なる色または異なる濃度のインクを吐出口か
ら吐出して記録領域で記録を行う複数の記録ヘッド1
と、前記記録領域の外に配され前記複数の記録ヘッド1
の吐出口面に順次接触してクリーニングを行うためのワ
イパー部材5と、前記記録領域の外で前記ワイパー部材
5より前記記録領域側に配され前記吐出口から吐出され
たインクを受けるインク溜め12と、を有するインクジェ
ット記録装置の回復方法であって、前記複数の記録ヘッ
ド1を前記記録領域の外から前記記録領域へ向けて移動
させることにより、前記ワイパー部材5によって前記複
数の吐出口面のクリーニングを順次行う工程と、前記複
数の記録ヘッド1の前記吐出口から前記インク溜め12へ
インクを吐出する工程と、前記複数の記録ヘッド1を前
記記録領域へ戻して記録を再開する工程と、を順に行う
ように構成したので、複数の記録ヘッド1の移動を利用
して共通のワイパー部材5により各記録ヘッド1のイン
ク吐出部をクリーニングする場合でも、インク吐出部で
インクの混色を生じることなく、各記録ヘッド1の回復
動作およびそれらのインク吐出部のクリーニング動作を
速やかにかつ確実に行うことができ、安定かつ高品位の
記録画像を形成することができるインクジェット記録装
置の回復方法が得られた。
さらに、前記ワイパー部材5による前記吐出口面のク
リーニングを、インクの明度の高い記録ヘッド1から順
次行うようにすれば、インクの混色および該混色による
画像品位の低下を、一層確実に防止することができる。
また、上記の優れた機能を、安価で、しかも信頼性の
高い態様で実現することができた。
なお、以上の各実施例では、本発明を、記録ヘッド1
がキャリッジ3に搭載されて被記録材11上を移動するシ
リアル方式のインクジェット記録装置において実施する
場合を例に挙げて説明したが、本発明は、フルマルチタ
イプの記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置にお
いても同様に実施することができ、同様の効果を得るこ
とができるものである。
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でもバブ
ルジェット方式の記録装置において、優れた効果をもた
らすものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうのが好ましい。
この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス
型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド
型の場合には、液体(インク)が保持されているシート
や液路に対して配置されている電気熱変換体に、記録情
報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与え
る少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッド
の熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一
対一対応し液体(インク)内の気泡を形成出来るので有
効である。
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体
(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成す
る。
この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡
の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体
(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパル
ス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書、同第4345262号明細書に記載されているようなもの
が適している。
尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特
許第4313124号明細書に記載されている条件を採用する
と、更に優れた記録を行なうことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わ
せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリ
ットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開
昭59年第123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収す
る開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59年
第138461号公報に基づいた構成としても本発明は有効で
ある。
更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応
した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとして
は、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘ
ッドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一
体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいず
れでも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発
揮することができる。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録
ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
又、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録
ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加
することは本発明の効果を一層安定できるので好ましい
ものである。
これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手
段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或いはこれ
らの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出
を行なう予備吐出モードを行なうことも安定した記録を
行なうために有効である。
更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色
のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に
構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異
なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少な
くとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
以上説明した本発明実施例においては、インクを液体
として説明しているが、室温やそれ以下で固化するイン
クであって、室温で軟化もしくは液体、あるいは上述の
インクジェットではインク自体を30℃以上70℃以下の範
囲で温度調整を行なってインクの粘性を安定吐出範囲に
あるように温度制御するものが一般的であるから、使用
記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよ
い。
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの
固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして使
用することで防止するか、または、インクの蒸発防止を
目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、
いずれにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与
によってインクが液化してインク液状として吐出するも
のや、被記録材に到達する時点で既に固化し始めるもの
等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質
のインク使用も本発明には適用可能である。
このような場合、インクは、特開昭54−56847号公報
のように、多孔質シートの凹部または貫通孔に液状また
は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対し
て対向するような形態としてもよい。
本発明においては、上述したインクに対して最も有効
なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなごとく、請求項1の発明によ
れば、異なる色または異なる濃度のインクを吐出口から
吐出して記録領域で記録を行う複数の記録ヘッドと、前
記記録領域の外に配され前記複数の記録ヘッドの吐出口
面に順次接触してクリーニングを行うためのワイパー部
材と、前記記録領域と前記ワイパー部材との間に配され
前記吐出口から吐出されたインクを受けるインク溜め
と、を有するインクジェット記録装置の回復方法であっ
て、前記複数の記録ヘッドを前記記録領域の外から前記
記録領域へ向けて移動させることにより、前記ワイパー
部材によって前記複数の吐出口面のクリーニングを順次
行う工程と、前記複数の記録ヘッドごとに当該記録ヘッ
ドを駆動することにより、各記録ヘッドの吐出口から前
記インク溜めへインクを吐出する工程と、前記複数の記
録ヘッドを前記記録領域へ戻して記録を再開する工程
と、を順に行う構成としたので、複数の記録ヘッドの移
動を利用して共通のワイパー部材により各記録ヘッドの
吐出口面をクリーニングする場合に、記録領域の外から
記録領域へ向けて移動する間に各吐出口面を順次クリー
ニングした後でインク溜めへインク吐出を行うことか
ら、インク吐出部でインクの混色を生じることなく、各
記録ヘッドの吐出口面のクリーニング動作を記録ヘッド
の一方向の移動のみで速やかに確実に行うことができ、
回復から記録へ速やかに移行することができるインクジ
ェット記録装置の回復方法が提供される。
請求項2の発明によれば、上記請求項1の構成に加え
て、前記ワイパー部材による前記吐出口面のクリーニン
グを、インクの明度の高い記録ヘッドから順次行う構成
としたので、上記効果に加えて、インクの混色および該
混色による画像品位の低下を、一層確実に防止し得るイ
ンクジェット記録装置の回復方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による回復方法を実施するのに好適なイ
ンクジェット記録装置を示す模式的斜視図、第2図は本
発明によるインクジェット記録装置の回復方法の動作シ
ーケンスの一例を示すフローチャート、第3図は本発明
によるインクジェット記録装置の回復方法の動作シーケ
ンスの別の例を示すフローチャート、第4図は従来の回
復方法が実施されるインクジェット記録装置を示す模式
的斜視図である。 以下に、図面中の主要な構成部分を表す符号を列挙す
る。 1……記録ヘッド、2……インクタンク、3……キャリ
ッジ、4……回復装置、5……ワイパー部材、6……キ
ャップ(キャッピング手段)、7……搬送ローラ、10…
…ガイドシャフト、11……被記録材、12……インク溜
め。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる色または異なる濃度のインクを吐出
    口から吐出して記録領域で記録を行う複数の記録ヘッド
    と、前記記録領域の外に配され前記複数の記録ヘッドの
    吐出口面に順次接触してクリーニングを行うためのワイ
    パー部材と、前記記録領域と前記ワイパー部材との間に
    配され前記吐出口から吐出されたインクを受けるインク
    溜めと、を有するインクジェット記録装置の回復方法で
    あって、 前記複数の記録ヘッドを前記記録領域の外から前記記録
    領域へ向けて移動させることにより、前記ワイパー部材
    によって前記複数の吐出口面のクリーニングを順次行う
    工程と、 前記複数の記録ヘッドごとに当該記録ヘッドを駆動する
    ことにより、各記録ヘッドの吐出口から前記インク溜め
    へインクを吐出する工程と、 前記複数の記録ヘッドを前記記録領域へ戻して記録を再
    開する工程と、を順に行うことを特徴とするインクジェ
    ット記録装置の回復方法。
  2. 【請求項2】前記ワイパー部材による前記吐出口面のク
    リーニングを、インクの明度の高い記録ヘッドから順次
    行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録装置の回復方法。
  3. 【請求項3】前記記録ヘッドが、熱エネルギーを利用し
    てインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであっ
    て、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
    ていることを特徴とする請求項1または2に記載のイン
    クジェット記録装置の回復方法。
  4. 【請求項4】前記記録ヘッドが、前記電気熱変換体によ
    って印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による
    気泡の成長によって、吐出口よりインクを吐出させるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装
    置の回復方法。
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