JP2806638B2 - 吸引回復装置、該装置を備えたインクジェット記録装置および電子タイプライタ - Google Patents

吸引回復装置、該装置を備えたインクジェット記録装置および電子タイプライタ

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JP2806638B2
JP2806638B2 JP40933190A JP40933190A JP2806638B2 JP 2806638 B2 JP2806638 B2 JP 2806638B2 JP 40933190 A JP40933190 A JP 40933190A JP 40933190 A JP40933190 A JP 40933190A JP 2806638 B2 JP2806638 B2 JP 2806638B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば事務器一般に用
いられるプリンター,複写機,ファクシミリ,タイプラ
イタ,ワードプロセッサ、あるいはこれらの複合機器等
におけるインクジェット記録装置、およびこれに適用可
能な吸引回復装置に関するものである。
【0002】また、本発明は、特にワードプロセッサ機
能を持つ電子タイプライタに適用して好適なものであ
る。
【0003】
【背景技術】従来、キャップ内に吸収体を設ける構成を
開示した代表的な特許としては米国特許4,600,9
31がある。これは、記録ヘッドによりキャッピングさ
れたキャップ内にはインクを含浸したインク吸収体があ
るので、キャップ内部の保湿効果により、記録ヘッドの
乾燥を防ぐことができる。また、キャップ内に吸収体を
設ける構成としては米国特許4,543,589も知ら
れている。
【0004】さらに、イギリス公開番号2,184,0
66号公報には、キャップ内の下方にインク吸入口を設
け、該インク吸入口を完全に塞ぐようにインク吸収体を
該キャップ内に部分的に設けたインクジェット記録装置
のキャッピング装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年になり、
例えばワードプロセッサにおいて、飾り文字,図形等の
記録が多用されるようになったこと等、記録時間に長時
間を費やす場合が多くなる傾向にある。このような長期
記録中では、キャッピングの行われていないことが多
い。本発明者は、このような最近の記録状況を検討した
ところ、以下のような新たな問題を見出した。
【0006】キャップ内のインク吸収体は長時間にわた
って大気開放状態となるために、インク吸収体に吸収さ
れるインクが乾燥してしまう状態が見られることがあっ
た。この乾燥はインク内に含まれている水分やアルコー
ル分の蒸発によって本来含まれる染料や顔料等の添加剤
が吸収体に固着してしまう現象を引き起こしている。こ
れにより、インク吸収体の通気性が劣化し吸引手段の吸
引能力を低下してしまうという新たな問題が生じてき
た。
【0007】また、逆に予備吐出(なお、ここで言う予
備吐出しては英国特許2169855に詳細に記載され
ている)で回復を達成するという手法を主流にすること
も本発明者は検討した。この場合、空吐出(なお、ここ
で言う空吐出としては米国特許4,558,332に詳
細に記載されている)でこのインクを吸引除去すること
は装置の機構を煩雑にし、また、装置の消費電力を大き
くするという問題を生じる。あるいは、吸収体の量を増
やすとポンプ能力を大きくしなければならないという問
題を生じる。そこで、本発明者はできるだけ吸収体のイ
ンク保持能力を高めるため各種の実験を行ったころ本発
明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、キャップ内構成に新
規な構成を加えるだけで前述した課題を解消する吸引回
復装置および該装置を具えたインクジェット記録装置を
提供すること主たる目的とする。
【0009】本発明の別の目的は、空吐出の回数を減ら
し、大量のインク排出ができる吸引力を維持して効率的
な回復処理のできる吸引回復装置および該装置を具えた
インクジェット記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明吸引
回復装置の一形態では、記録媒体に対してインクを吐出
することにより記録を行う記録ヘッドの前記インクを吐
出する吐出口を形成した面を覆うことができるように設
けたキャップであって、内面側にインク吸入口と、該イ
ンク吸入口に連通し該インク吸入口とは他端側に位置す
るインク排出口とが設けられたインク路を有し、該イン
ク路は前記インク吸入口の面積より前記インク排出口の
面積の方が小さくなるようにした当該キャップと、前記
キャップの内部に設けられ、前記インク吸入口の一部を
覆い、残りを開放するインク吸収体と、前記インク排出
口と連通し、前記キャップの内部に吸引力を作用するた
めの吸引手段とを具えたことを特徴とする。
【0011】また、本発明吸引回復装置の他の形態で
は、記録媒体に対してインクを吐出することにより記録
を行う記録ヘッドの前記インクを吐出する吐出口を形成
した面を覆うことができるように設けたキャップであっ
て、内面側にインク吸入口を有し、該インク吸入口が前
記キャップ内中心から下方に変位した位置にあるように
した当該キャップと、前記キャップの内部に設けられ、
前記吸入口の上方側を覆って下方側を開放するインク吸
収体とを具えたことを特徴とする。
【0012】さらに、本発明インクジェット記録装置の
一形態では、記録媒体に対してインクを吐出することに
より記録を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドの前記イ
ンクを吐出する吐出口を形成した面を覆うことができる
ように設けたキャップであって、内面側にインク吸入口
と、該インク吸入口に連通し該インク吸入口とは他端側
に位置するインク排出口とが設けられたインク路を有
し、該インク路は前記インク吸入口の面積より前記イン
ク吐出口の面積の方が小さくなるようにした当該キャッ
プと、前記キャップの内部に設けられ、前記インク吸入
口の一部を覆い、残りを開放するインク吸収体と、前記
インク排出口と連通し、前記キャップの内部に吸引力を
作用するための吸引手段とを具えたことを特徴とする。
【0013】加えて、本発明インクジェット記録装置の
他の形態では、記録媒体に対してインクを吐出すること
により記録を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドの前記
インクを吐出する吐出口を形成した面を覆うことができ
るように設けたキャップであって、内面側にインク吸入
口を有し、該インク吸入口が前記キャップ内中心から下
方に変位した位置にあるようにした当該キャップと、前
記キャップの内部に設けられ、前記吸入口の上方側を覆
って下方側を開放するインク吸収体とを具えたことを特
徴とする。
【0014】
【作用】本発明によれば、キャップ内部の下方部のイン
ク回収率を飛躍的に向上でき、インク吸収体の保持能力
を高め、キャップ内の状態を良好にできる。また、本発
明によれば、記録ヘッド自体を良好に保つことができ、
記録ヘッドとキャップが接触する部位でのインクの固着
が防止できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0016】図1(a)および(b)は本発明を適用可
能な装置として電子タイプライタの外観構成例を示す。
【0017】ここで、1はキーボード部であり、文字,
数字等キャラクタ入力用のキー、タイプライタモードと
ワードプロセッサモードとの切換えキー、その他のコン
トロールキー等のキー群2が配列され、非使用時にはヒ
ンジ3を中心に回動させることにより図1(b)に示す
ように折りたためるようになっている。4は装置内部の
プリンタ部にシート状記録媒体を送給するための給紙ト
レーであり、同じく非使用時には図1(b)に示すよう
にプリンタ部を覆って収納される。5は手動にて記録媒
体のセットや排出を行うための送りノブ、6は入力した
文章等を表示するための表示器、7は本例に係る装置を
運搬する際に用いられる把手である。
【0018】また、8は本例電子タイプライタのカバー
をなし表示器6に隣接してタイプライタ上部に設けられ
る窓であり、後述されるように格納されるインクジェッ
トプリンタおよび記録紙を視ることができる。
【0019】図2は本例に係るプリンタ部の構成例を示
す。
【0020】ここで9は図3および図4につき詳述する
インクジェット記録ヘッドを有したヘッドカートリッ
ジ、11はこれを搭載して図中S方向に走査するための
キャリッジである。13はヘッドカートリッジ9をキャ
リッジ11に取付けるためのフック、15はフック13
を操作するためのレバーである。このレバー15には、
後述するカバーに設けられた目盛を指示してヘッドカー
トリッジの記録ヘッドによる印字位置や設定位置等を読
取り可能とするためのマーカ17が設けられている。1
9はヘッドカートリッジ9に対する電気接続部を支持す
る支持板である。21はその電気接続部と本体制御部と
を接続するためのフレキシブルケーブルである。
【0021】23は、キャリッジ11をS方向に案内す
るためのガイド軸であり、キャリッジ11の軸受25に
挿通されている。27はキャリッジ11が固着され、こ
れをS方向に移動させるための動力を伝達するタイミン
グベルトであり、装置両側部に配置されたプーリ29
A,29Bに張架されている。一方のプーリ29Bに
は、ギヤ等の伝導機構を介してキャリッジモータ31よ
り駆動力が伝達される。
【0022】33は紙等の記録媒体(以下記録紙ともい
う)の被記録面を規制するとともに記録等に際してこれ
を搬送するための搬送ローラであり、搬送モータ35に
よって駆動される。37は記録媒体を給紙トレー4側よ
り記録位置に導くためのペーパーパン、39は記録媒体
の送給経路途中に配設されて記録媒体を搬送ローラ33
に向けて押圧し、これを搬送するためのフィードローラ
である。34はヘッドカートリッジ9の吐出口に対向し
記録媒体の記録面を規制するためのプラテンである。4
1は記録媒体搬送方向上、記録位置より下流側に配置さ
れ、記録媒体を不図示の排紙口へ向けて排紙するための
排紙ローラである。42は排紙ローラ41に対応して設
けられる拍車であり、記録媒体を介してローラ41を押
圧し、排紙ローラ41による記録媒体の搬送力を生じさ
せる。43は記録媒体のセット等に際してフィードロー
ラ39,押え板45,拍車42それぞれの付勢を解除す
るための解除レバーである。
【0023】45は記録位置近傍において記録媒体の浮
上り等を抑制し、搬送ローラ33に対する密着状態を確
保するための押え板である。本側においては、記録ヘッ
ドとしてインク吐出を行うことにより記録を行うインク
ジェット記録ヘッドを採用している。従って記録ヘッド
のインク吐出口形成面と記録媒体の被記録面との距離は
比較的微少であり、かつ記録媒体と吐出口形成面との接
触を避けるべくその間隔が厳しく管理されなければなら
ないので、押え板45の配設が有効である。47は押え
板45に設けた目盛、49はこの目盛に対応してキャリ
ッジ11に設けられたマーカであり、これらによっても
記録ヘッドの印字位置や設定位置が読取り可能である。
【0024】51はホームポジションにおいて記録ヘッ
ドのインク吐出口形成面と対向するゴム等の弾性材料で
形成したキャップであり、記録ヘッドに対し当接/離脱
が可能に支持されている。このキャップ51は、非記録
時等の記録ヘッドの保護や、記録ヘッドの吸引回復処理
に際して用いられる。吸引回復処理とは、キャップ51
を吐出口形成面に対向させ、インク吐出口内方に設けら
れてインク吐出のために利用されるエネルギ発生素子を
駆動することにより全吐出口からインクを吐出させ、こ
れによって気泡や塵埃,増粘して記録に適さなくなった
インク等の吐出不良要因を除去する処理予備吐出)や、
これとは別に吐出口形成面とキャップ51で覆った状態
で吐出口よりインクを強制的に排出させるとにより吐出
不良要因を除去する処理である。
【0025】53はインクの強制排出のために吸引力を
作用するとともに、かかる強制排出による吸引回復処理
や予備吐出による吸引回復処理に際してキャップ51に
受容されたインクを吸引するために用いられるポンプで
ある。55はこのポンプ53によって吸引された廃イン
クを貯留するための廃インクタンク、57はポンプ53
と廃インクタンク55とを連通するチューブである。
【0026】59は記録ヘッドの吐出口形成面のワイピ
ングを行うためのブレードであり、記録ヘッド側に突出
してヘッド移動の過程でワイピングを行うための位置
と、吐出口形成面に係合しない後退位置とに移動可能に
支持されている。61はモータ、63はモータ61から
動力の伝達を受けてポンプ53の駆動およびキャップ5
1やブレード59の移動をそれぞれ行わせるためのカム
装置である。
【0027】次に、上述したヘッドカートリッジ9の詳
細について説明する。
【0028】図3は、インクジェット記録ヘッド本体を
なす吐出ユニット9aとインクタンク9bとを一体とし
たヘッドカートリッジ9の外観斜視図を示し、図におい
て、906eは、ヘッドカートリッジ9を装着する際に
キャリッジ11に設けられたフック13によって掛止さ
れるつめである。図から明らかなようにつめ906eは
記録ヘッド全延長の内側に配設される。また、ヘッドカ
ートリッジ9の前方吐出ユニット9aの近傍には、この
図には示されないが位置決め用突き当て部が設けられて
いる。906fは、キャリッジ11に立設されフレキシ
ブル基板(電気接続部)およびゴムパッドを支持するた
めの支持板が挿入されるヘッド開口部である。
【0029】図4(a)および(b)は、図3に示した
ヘッドカートリッジの分解斜視図を示し、上述のように
インク供給源たるインク収容部を一体としたディスポー
ザブルタイプのものとしてある。
【0030】図4(a)において、911はSi基板上
に電気熱変換素子(吐出ヒータ)と、これに電力を供給
するAl等の配線とが成膜技術により形成されて成るヒ
ータボードである。921はヒータボード911に対す
る配線基板であり、対応する配線は例えばワイヤボンデ
ィングにより接続される。
【0031】940はインク流路を限界するための隔壁
や共通液室等を設けた天板であり、本例においてはオリ
フィスプレート部を一体に有した樹脂材料で成る。
【0032】930は例えば金属製の支持体、950は
押えばねであり、両者間にヒータボード911および天
板640を挟み込んだ状態で両者を係合させることによ
り、押えばね950の付勢力によってヒータボード91
0と天板940とを圧着固定する。なお、支持体930
は、配線基板921も貼着等により設けられるととも
に、ヘッドの走査を行うキャリッジ11への位置決め基
準を有するものとすることができる。また、支持体93
0は駆動に伴って生じるヒータボード911の熱を放熱
冷却する部材としても機能する。
【0033】960は供給タンクであり、インク供給源
をなすインク貯留部9bからインク供給を受け、ヒータ
ボード911と天板940との接合により形成される共
通液室にインクを導くサブタンクとして機能する。97
0は共通液室へのインク供給口付近の供給タンク960
内の部位に配置されるフィルタ、980は供給タンク9
60の蓋部材である。
【0034】900はインクを含浸させるための吸収体
であり、インクタンク本体9b内に配置される。120
0は上記各部911〜980からなる記録エレメント9
aに対してインクを供給するための供給口であり、当該
ユニットをインクタンク本体9bの部分1010に配置
する前の工程で供給口1200よりインクを注入するこ
とにより吸収体900のインク含浸を行わせることがで
きる。
【0035】1100はカートリッジ本体の蓋部材、1
300はカートリッジ内部を大気に連通するために蓋部
材に設けた大気連通口である。1300Aは大気連通口
1300の内方に配置される溌液部材であり、これによ
り大気連通口1300からのインク漏洩が防止される。
【0036】供給口1200を介してのインクタンク9
bへのインク充填が終了すると、各部911〜980よ
りなる吐出ユニット9aを部分1010に位置付けて配
設する。このときの位置決めないし固定は、例えばイン
クタンク本体9bに設けた突起1012と、これに対応
して支持体930に設けた穴931とを嵌合させること
により行うことができ、これによって図4(b)に示す
ヘッドカートリッジ9が完成する。
【0037】そして、インクはカートリッジ内部より供
給口1200,支持体930に設けた穴932および供
給タンク960の図4(a)中裏面側に設けた導入口を
介して供給タンク960内に供給され、その内部を通っ
た後、導出口より適宜の供給管および天板940のイン
ク導入口942を介して共通液室内へと流入する。以上
におけるインク連通用の接続部には、例えばシリコンゴ
ムやブチルゴム等のパッキンが配設され、これによって
封止が行われてインク供給路が確保される。
【0038】図5および図6は、それぞれ、キャリッジ
11の詳細を示す上面図および左側面図および右側面図
である。
【0039】これら図において、606はキャリッジ1
1の底部に立設される支持板であり、可撓性のフレキシ
ブル基板604、および基板604に形成される端子パ
ッドに対応して設けられる突起部605Aを有するゴム
パッド605を支持する。
【0040】607は、キャリッジ11の前方において
同様に底部に立設される突き当て部材である。突き当て
部材607は、ヘッドカートリッジ9およびキャリッジ
11の限定された配設スペースの範囲内で可能な限りイ
ンクタンクのスペースを大きくとるために、その肉厚を
薄く形成される。このため、部材607には、強度を確
保するための3本のリブ608が形成される。このリブ
608が延在する方向は、ヘッドカートリッジ着脱時に
おける旋回方向の動きに対応した強度を有するようキャ
リッジ11の移動方向とする。また、リブ608は、ヘ
ッドカートリッジ9が装着されたときにその吐出面より
0.1mm程度前方へでるよう形成される。これによ
り、記録紙が何らかの作用によって記録ヘッドの移動経
路に突出した場合でも、記録紙が吐出面を擦り損傷等を
与えることを防止できる。
【0041】ヘッドカートリッジの着脱操作を行うため
の操作レバー15は、キャリッジ11本体に設けられた
軸601dにより回動自在に軸支される。フック13
は、操作レバー15の一部と係合した動きにより、その
一部を係合させたヘッドカートリッジ9の着脱動作を行
なうために用いられる。フック13は、これに形成され
る長穴603cがキャリッジ11本体に設けられるガイ
ド溝601cに案内されることにより上記着脱にかかる
動作を行う。
【0042】操作レバー15およびフック13等からな
る着脱操作機構は、キャリッジ11の側方、すなわち、
キャリッジ11の移動方向側に設けられるため、キャリ
ッジの移動によって着脱操作機構が大きなデッドスペー
スを形成することは無い。
【0043】次に、ヘッドカートリッジ装置の際の位置
決めのための突き当て部について説明する。
【0044】601aは左右方向の位置決めのための突
き当て部であり、突き当て部材607の側部に2ケ所設
けられる。なお、左右方向の位置決めは、突き当て部6
01aの外に、支持板606に設けられる突き当て部6
01fが利用される。
【0045】601bは前後方向位置決めのための突き
当て部であり、突き当て部材607の側方下部に形成さ
れる。
【0046】601cは上下方向位置決めのための突き
当て部であり、突き当て部材607の側方下部および支
持板側方下部の2ケ所に形成される。
【0047】図7および図8は、それぞれキャリッジ1
1にヘッドカートリッジ9が装着されたときの応対を示
す上面図および左側面図である。
【0048】これらの図において、906aは記録ヘッ
ド装着時にキャリッジ11の突き当て部に当接可能なよ
うにヘッドカートリッジ9に設けられる当接部であり、
906bおよび906cは、それぞれ同様に突き当て部
601bおよび601cに対応した当接部である。
【0049】ここで、図7を参照して記録ヘッドが装着
された際の各部の係合関係を概説する。
【0050】ヘッドカートリッジ9の当接部906a
は、キャリア6の突き当て部601aと当接しており、
同時にヘッドカートリッジ9のつめ906とは、これに
掛止されたフック13を介したコイルばね610の付勢
力によって、図中左方へ力を受ける。これにより、ヘッ
ドカートリッジ9は上記当接部を中心とするモーメント
力を受ける。このとき、ヘッドに設けられた基板906
dは突き当て部601fに当接し、その結果、ヘッドカ
ートリッジ9の左右方向の位置決めがなされ、その位置
が保持される。
【0051】このとき、ゴムパッド605の突起部60
5Aは、基板606dとの当接によって、圧縮変形され
る。この変形により、フレキシブル基板604の端子パ
ッドと基板906dの端子とを圧接する力が生じる。こ
の場合、突き当て部601fに基板906dが当接して
いるため、突起部605Aの変形量は一定となり安定し
た上記圧接力を得られる。
【0052】なお、上図においては、突起部605Aの
圧縮変形した状態は示されていない。
【0053】また、ヘッドカートリッジ9の前後および
上下方向の位置決めは、装着の過程においてなされるも
のである。
【0054】図9は上記キャリッジ11の分解斜視図で
ある。
【0055】ここで、613は後述のコロばね、615
は操作レバー15をキャリッジ11上の取付け部617
に取付けるためのレバー留めである。619はフレキシ
ブルケーブル21の一端部をなし、かつ本例ではこれと
一体に形成したフレキシブル基板604およびゴムパッ
ド605の上端縁部分を支持板606に固定するための
取付け部材、621は同じく下端縁部分を固定するため
の取付け部材である。
【0056】以上述べた構成に加え、本例においては、
ヘッドカートリッジ9の未装着時にキャリッジ側フレキ
シブル基板604を覆い、操作者の手等による接触ない
しは当該接触等による破壊や静電気力の作用から、フレ
キシブル基板604やこれに結合した本体側回路を保護
するための基板カバー623を設けてある。この基板カ
バー623は、下縁側基板取付け部材621のピン62
1Aに対して回動可能に設けられている。625はフレ
キシブル基板604を覆う方向に基板カバー623に回
動習性を与えるばね、627はヘッドカートリッジ9の
装着時に基板カバー623を収納する凹部である。
【0057】図10(a)および(b)を用いて基板カ
バー623の動作を説明する。ヘッドカートリッジ9の
未装着時には、同図(a)に示すように、基板カバー6
23はばね623の付勢力によりフレキシブル基板60
4を覆った状態にある。この状態からヘッドカートリッ
ジ9を上方から取付けると、その下面とカバー操作部6
23Aとの係合、もしくは操作者の手と操作部623A
との係合に伴って、基板カバー623はばね625の付
勢力に抗してピン621Aを中心に図中時計方向に回動
する。そして、ヘッドカートリッジ9が完全に装着さ
れ、基板604とヘッド側基板906dの当接状態で
は、図10(b)に示すように、カバー623はヘッド
カートリッジ9の下面により押えられて凹部627に収
納された状態となる。なお、ヘッドカートリッジ9を取
外せば、カバー623は直ちに図10(a)の状態に復
帰するので、基板604の保護がなされることになる。
【0058】図11は、図2等で示した装置の主に記録
媒体搬送系を示す模式的側面図である。
【0059】図11は、通常の記録媒体搬送時における
各要素の配置を示している。不図示の給紙トレイから給
紙される記録媒体は、搬送ローラ33とペーパーパン3
7との間に形成される搬送路に導入される。この搬送経
路では、搬送ローラ33が図中時計廻りに回転するのに
伴なってフィードローラ39の押圧力に基づく搬送ロー
ラ33と記録媒体との間の摩擦力により記録媒体が搬送
される。その後、記録媒体は搬送ローラ33と紙押え板
45との間に導入され、同様に紙押え板45による押圧
力に基づいた搬送ローラ33と記録媒体との摩擦力によ
って搬送される。さらに、記録媒体は紙押え板45によ
ってその方向を規制されかつプラテン34に沿って排紙
ローラ41と拍車42との間へ搬送され、この間に記録
ヘッドカートリッジ9からのインク滴吐出によって記録
媒体上に記録がなされる。
【0060】図12は、ペーパーパン37とこれを搬送
ローラ33方向へ付勢するためのレリーズ板とを装置上
方から見た図であり、説明のための分離した形態で示し
ている。
【0061】図11および図12を参照して、記録媒体
搬送にかかる機構について説明する。これら図におい
て、40はレリーズ板であり、ペーパーパン37を介し
てフィードローラ39を搬送ローラ33へ押圧し、ま
た、の押圧を解除するための部材である。すなわち、レ
リーズ板40は、これの両端に設けられた軸部40C
が、装置の底板100に立設されたレリーズ板軸支部材
101に設けられる軸支孔101Aと係合することによ
り、回動可能に軸支される。この結果、レリーズ板40
の一端の2個所で、係合するばね401により、この部
分が図11において斜め右下方向に付勢されると、レリ
ーズ板40は軸部40Cを支点として図11において時
計廻りに回動する。371は、ペーパーパン37の下側
の2個所に設けられたリブである。リブ371は、レリ
ーズ板40の上記回動においてその押圧部40Aと当接
し、図11において上方に押圧される。これにより、リ
ブ371に軸支されるフィードローラ39は搬送ローラ
33を押圧する。
【0062】レリーズ板40による押圧の解除は、図1
4において後述されるようにレリーズ板40の一端にお
いて延在する肩部40Bが、ばね401による回動力に
逆らって図11中下方に押し下げられることによってな
される。この押圧の解除がなされると、ペーパーパン3
7およびフィードローラ39はこれらの自重によって下
方へ移動し、フィードローラ39と搬送ローラ33との
間に所定量の間隙が形成される。
【0063】372は、ペーパーパン37の一部が下方
に延在することによって形成される矩形の突設部であ
る。突設部372には矩形の孔372Aが設けられてあ
り、この孔372Aと、底板100に立設される突起1
02とが所定量のガタを有して係合する。この係合によ
り、ペーパーパン37、従がってフィードローラ39の
搬送ローラ33に対する位置決めがなされる。
【0064】上記係合におけるガタを有した構成によ
り、搬送される記録媒体の後端がフィードローラ39を
抜ける際に生じる、いわゆるけとばしによる悪影響を排
することができる。すなわち、図14(a)に示すよう
に、記録媒体後端がフィードローラ39により搬送ロー
ラ33に押圧される状態から、記録媒体がこの状態を抜
け出し図14(b)に示すようにフィードローラ39と
搬送ローラ33とが当接する状態に至る間に、記録媒体
はフィードローラ39と搬送ローラ33との間から押し
出される。従来構成においては、特に記録媒体が封筒や
厚紙の場合この押し出しの際に各部に作用する力によっ
て、上記けとばし現象が生ずる。
【0065】例えば、図15に示すような従来のペーパ
ーパンを支持する構成、すなわち、ペーパーパン37の
ボス371Aが、付勢部材400の係合部400Aによ
って前後方向(図中、左右方向)に逃げられないように
支持される構成では、フィードローラ39が記録媒体の
押し出し方向と逆方向に逃げられないため、押し出しに
伴なって搬送ローラ33が回転して所定量以上の搬送が
なされる。この結果、記録媒体における記録位置がずれ
る等の問題を生じていた。
【0066】これに対して、図11,図14(a)およ
び(b)に示す本例の構成では、記録媒体後端の押し出
しに伴なってペーパーパン37が、上記係合におけるガ
タdの分だけ図中右方向に逃げることができるため、記
録媒体および搬送ローラ33には押し出しによる力が作
用しないため上述のような問題は生じない。
【0067】再び、図11を参照すると、451は紙押
え板45をプラテン33方向へ付勢するためのばねであ
る。
【0068】ばね451はコイル形状部分から延在する
一端が紙押え板45の一部と係合し、他端が装置底板1
00の一部と係合する。また、そのコイル形状部分が底
板100の一部に軸支される。紙押え板45は、また、
後述されるようにキャリッジ11の前端部に設けられた
コロ91を介してキャリッジ11により押圧されてい
る。これらばね451とコロ91を介した押圧によりヘ
ッドカートリッジ9の吐出口と記録媒体における記録面
との距離が適正に保たれる。
【0069】紙押え板45は、また、上述の押圧力によ
り記録媒体を介して搬送ローラ33に押圧力を作用し、
この押圧力に基づく記録媒体と搬送ローラ33との摩擦
力により記録媒体の搬送を行う。
【0070】ここで、種々の記録媒体に応じて良好の搬
送を行うには、紙押え板と記録媒体および搬送ローラと
記録媒体のそれぞれにおいて生ずる摩擦力を適切なもの
としなければならない。すなわち、紙押え板と記録媒体
との間の摩擦力はできるだけ小さく、また搬送ローラと
記録媒体との間の摩擦力はできるだけ大きいことが望ま
しい。
【0071】また、紙押え板と搬送ローラとの間の摩擦
力はできるだけ小さいことが望ましい。すなわち、この
摩擦力が大きいと、いわゆる空送りをした場合等にモー
タ等の負荷が大きくなるからである。また、これを避け
るため紙押え板と搬送ローラとの間に所定のギャップを
設けると、記録媒体のプラテンへの付勢等に関してその
精度管理が困難なものとなる。
【0072】このため、本例では、紙押え板45の材質
としてPOM(ポリアセタール)を用い、搬送ローラ3
3としてはCR(クロロプレンゴム、硬度60°/Aス
ケール)にナイロン樹脂の単繊維を5〜10%(重量
比)混合したものを用いた。なお、紙押え板45として
はフッソ樹脂を用いてもよい。
【0073】なお、上記クロロプレンゴムの硬度を60
°としたが、50°〜70°の範囲にあれば、記録紙搬
送等には支障ない。また、上記搬送ローラ33および紙
押え板45が全て上記材質によって構成されている必要
はなく、当接部位のみが上記材質によって構成されてい
てもよく、さらに上記材質の部材をシート状にして本体
部にこれを貼付することにより紙押え板や搬送ローラを
形成するようにしてもよい。
【0074】以上のような材質で紙押え板および搬送ロ
ーラを構成することにより、紙押え板45と記録媒体と
の間の摩擦係数を小さくできるため上述したように紙押
え板45が搬送ローラ33に対して押圧する構成とする
ことができる。この結果、例えば従来、種々の記録媒体
の紙厚に応じることができるよう押圧する構成を採れな
かった場合よりも、記録媒体とヘッドカートリッジとの
距離を容易に管理できるようになった。また、記録媒体
と搬送ローラとの間の摩擦係数は大であるため、その搬
送においてすべり等が生ぜず、良好な記録媒体搬送を行
うことができる。
【0075】図11において、46は紙押え板45と平
行に延在しその両端が装置フレームによって軸支される
軸部材であり、その断面はD文字形状をなす。記録媒体
搬送時には、同図に示すようにD文字の直線部分が縦方
向(同図中、上下方向)となるようその回転位置が定め
られる。一方、紙押え板45による搬送ローラ33への
押圧を解除する場合には、図16〜図19に示されるよ
うにその直線部分を横方向(図11中、左右方向)とす
ることによりばね451の一部と当接してこれを変位さ
せ、ばね451と紙押え板45との係合を解除する。こ
れにより紙押え板45は、その位置を変位させずに押圧
力のみが解除される。
【0076】この結果、記録媒体挿入等のためにこの押
圧力を解除した状態でキャリッジ11が動作してもヘッ
ドカートリッジおよびキャリッジと紙押えとが干渉しヘ
ッドカートリッジやキャリッジ等を破損するようなこと
がない。換言すれば、紙押え板の押圧力を解除した状態
でも、キャリッジを移動させ種々の動作を行うことも可
能である。なお、コロ91を介して紙押え板45への押
圧力は、この際、解除されないが、この押圧力が作用す
るのは、紙押え45のキャリッジ11に対向する部分の
一点であり、記録媒体の挿入等には支障がない。
【0077】図11において、41は排紙ローラであ
り、排紙ローラ41には拍車42が係合する。拍車42
は図16〜図19等に示される付勢手段によって排紙ロ
ーラ41に向けて付勢されており、ここでも同様にこの
押圧力に基づく記録媒体と排紙ローラ41との間の摩擦
力によって記録媒体搬送が行われる。拍車42は、その
保持部材42Aを介して上述のように排紙ローラ41に
向けて付勢されると共に、これを介して排紙ローラ41
からの離脱動作を行い、その係合を解除することもでき
る。
【0078】以上図11および図12に示したペーパー
パン37(フィードローラ39),紙押え45および拍
車42は、上述したようにそれぞれの態様で付勢力の解
除が行われる。これらの解除は、図2に示した解除レバ
ー43の操作によって一斉に行われるものであり、その
結果、図13に示す状態となる。図16〜図19は、上
記付勢力解除のための機構を示す図であり、図16およ
び図17は記録装置におけるこれら機構を右側から見た
図であり、図18および図19は左側から見た図であ
る。
【0079】図16および図18は、記録媒体搬送時等
の付勢力が解除されていない状態を示す。このとき、搬
送ローラ33の軸によって回動自在に軸支された解除レ
バー43は、後述されるばねの付勢力によりねた状態に
あり、これに伴ないレバー43に固定されるカム部材4
31,ギア432およびレバー43が配設される端部の
他方の端部に配され、搬送ローラ33と同心の軸に固定
されたギア432′は、レリーズ板40の肩部40Bや
軸部材46を回転させるギア列と所定の位置関係を有し
て係合している。また、拍車保持部材42から延在し両
端部に配される拍車アーム421および421′は、そ
れぞれレバー43および連結部材433とのそれぞれ係
合部421Bおよび421B′での係合を介しばね42
2および422′の引張力によって装置後方に付勢され
ている。この付勢状態において、それぞれの拍車アーム
に設けられた係合部421Aおよび421A′は排紙ロ
ーラ41の軸と係合することにより、拍車42と排紙ロ
ーラ41との位置,押圧力等が適切な係合がなされる。
【0080】上記拍車アーム421と解除レバー43と
の係合は、所定量のガタを有してなされるため、拍車ア
ーム421の形状等の精度をそれ程必要とせずに拍車4
2と排紙ローラ41との適切な係合を行うことが可能と
なる。
【0081】また、解除レバー43の回動は、ギア43
2および中間ギア列を介して軸部材46に伝えられ、さ
らに軸部材46を介し他端部側の中間ギア列およびギア
432′,連結部材433に伝えられ、最終的に拍車ア
ーム421′を移動させる。この際、介在するギア間で
のバックラッシにおけるガタが、上記解除レバー43と
拍車アーム421とのガタを有した係合によって吸収さ
れる。
【0082】なお、上記のような構成によって付勢を解
除される部材としては拍車に限られず、記録媒体搬送に
かかるローラであればどのような形態であってもよい。
【0083】図17および図19は、拍車42,紙押え
板45およびペーパーパン37のそれぞれによる付勢を
解除した状態を示す、これら解除は、解除レバー43を
ばね422の引張力に逆らって装置前方へ回動させるこ
とによりなされる。
【0084】すなわち、解除レバー43を回動させる
と、これに伴なってギア432が回動する。このとき、
上述したように、ギア432と係合する中間ギア列を介
して軸部材46が回動しそのD文字形状の直線部分を横
方向とする。これにより、図11にて上述したように軸
部材46はばね451を狭める方向に押し、ばね451
と紙押え板45との係合が解除される。この結果、紙押
え45の付勢力が解除される。
【0085】また、解除レバー43の回動に伴なって、
カム431が回動する。カム部材431のカム部には、
図11にて上述したレリーズ板40の肩部40Bが係合
しており、レリーズ板40はカム部材431の回動に伴
なってその位置を下げ、ペーパーパン37のリブ371
との係合が解除され、リブ371を押圧しなくなる。こ
の結果ペーパーパン37(フィードローラ39)を搬送
ローラ33に付勢する力が解除され、ペーパーパン37
は自重により下方に下がる。解除レバー43の回動によ
り、最終的に肩部40Bと、カム部材431の段落状の
カム部が係合することにより、これらの係合位置が固定
されると共に、これによって解除レバー43の回動位置
が固定される。
【0086】さらに、解除レバー43の回動に伴なっ
て、拍車アーム421が装置前方へ移動すると共に、上
述したように軸部材46を介した回動の伝達により他端
部側の拍車アーム421′も装置前方へ移動する。これ
により、これら拍車アーム421,421′に接続する
拍車42は排紙ローラ41との係合が解除される。
【0087】このように、解除レバーを1回回動させる
ことにより、ペーパーパン,紙押えおよび拍車による付
勢を解除することができ、しかも、これを簡易な構成で
行うことができる。
【0088】図20は、搬送ローラ33の軸に固定され
るノブと、上記解除レバーの組立て状態を示す模式的正
面図であり、図21は、その模式的な分解図である。
【0089】図20において、搬送ローラ33を回転駆
動するための被駆動ギア321は、搬送ローラ33の軸
333に固定され、また、ノブ5は、軸333に打ち込
まれたスプリングピン332によって、軸333に固定
される。解除レバー43は、これらの間にあって回動自
在に軸支されるが、上述したようにばね等によってその
回動が規制されている。
【0090】図21は、上記構成の組立順序を説明する
ための図である。同図に示されるように、軸333には
予めスプリングピン332が打ち込まれ、また、ギア3
31が固定されている。この状態の軸333に、解除レ
バー43をその開口部43Aを介して挿入する。開口部
43Aは、図に示されるように軸333およびスプリン
グピン332が通過できる形状を有しており、これによ
り、解除レバー43はスプリングピン332が打ち込ま
れた位置を越えて、ギア331側へ移動できる。その
後、ノブ5を軸333に挿入しながら、スプリングピン
332を留め穴5Aに嵌合させることにより、ノブ44
を軸333に固定する。
【0091】以上のような構成とすることにより、解除
レバー43の軸方向の動きをギア331とノブ5とによ
って規制し、ノブ44の固定をスプリングピン332に
よって行うことができる。また、あらかじめスプリング
ピン332を軸333に打ち込むため、レバーを挿入し
た後、スプリングピンを打ち込むのに比較して組立が容
易となる。
【0092】図22および図23は、図2等に示したヘ
ッドカートリッジ周辺の機構を示すそれぞれ側面図およ
び上面図である。
【0093】これら図において、91は、前述したよう
にキャリッジ11の前端部において、回動自在に軸支さ
れるコロである。コロ91は、その一部がヘッドカート
リッジの吐出口面より前方に突出するように設けられる
ものであり、紙押え板45と当接しこの上を回動する。
また、613はキャリッジ11の後端部に設けられたコ
ロばねである。コロばね613は、コロ613A,コロ
613Aを軸支する連結部材613B、および連結部材
613Bを所定の回転方向に付勢するばね613Cから
なる。コロ613Aは、装置の底板100の前端部にお
いて前述のガイド軸と平行に延在するよう立設された前
端板105と当接し、この上を回動する。連結部材61
3Bはキャリッジ11の所定の軸113により回動自在
に軸支され、また、ばね613Cは、キャリッジ11の
所定の軸に支持され連結部材613Bを軸113の廻り
に反時計方向に回転させるような付勢を行う。以上のよ
うなコロばね613の構成により、キャリッジ11は、
常に紙押え板45の方向へ付勢される。
【0094】25は、ガイド軸23と係合する軸受けで
あり、キャリッジ11の両側端部に装着される。軸受2
5は後に詳述されるように、その装着にかかるケースに
対して軸受部が偏心したものであり、2つの軸受25
は、その偏心方向が反対になるよう装着される。また図
22に示される側の軸受25は、キャリッジ11に設け
られたボス112を軸として揺動可能に設けられてい
る。すなわち、キャリッジ11においてこの軸受25が
装着される部分は長穴となっており、また、軸受25の
2つの突起25Aがボス112により前後方向(図22
中、左右方向)の動きを規制される。この結果後述され
るようなキャリッジ11の動きに応じて、この軸受25
はキャリッジ11に相対的に揺動する。なお、このと
き、この軸受25のガイド軸23方向の動きは、軸受2
5に設けられた突起25Bがキャリッジ11の一部(例
えば、図9参照)に規制される。
【0095】以上説明したコロ91,コロばね613お
よび軸受25の構成に基づく記録媒体とヘッドカートリ
ッジの吐出口面との間隔(以下、ギャップともいう)の
自動調整について、図24および図25を参照して説明
する。
【0096】ギャップの自動調整は、紙押え板45とプ
ラテンローラ33との間に挿入される記録媒体の厚さに
応じてなされるものである。図24(a)に示するよう
な比較的薄い通常用いられる記録媒体に記録を行う場
合、同図中左側の軸受25は長穴における相対的位置が
ほぼ中央に位置する。すなわち、コロばね613が前端
板105を押圧することによる前端板105からの反力
によってキャリッジ11は紙押え板45の方向に付勢さ
れ、これによりコロ91が紙押え板45を押圧する。こ
のコロ91が紙押え板45を押圧する力および上述のコ
ロばね613が前端板105を押圧する力のそれぞれの
反力は、同図中右側の軸受を支点とするモーメントを構
成し、この2つのモーメントが均合うとによって、上述
した軸受25の長穴における位置が定まる。換言すれ
ば、装置本体に固定されるガイド軸23、従って軸受2
5に相対的なキャリッジ11の位置が定まり、これに搭
載されるヘッドカートリッジ9の吐出口と記録媒体との
ギャップdが定まる。
【0097】図24(b)は封筒等の比較的厚い記録媒
体93に記録を行う場合のキャリッジ11の位置を示し
ている。この場合、コロ91、従ってキャリッジ11
は、図24(a)の場合と比較したとき記録媒体の厚み
に応じて同図中下方へ後退する。これにより、コロばね
613によって生じる前端板105からの反力が変化
し、これに応じて上記モーメントのつりあう位置が変化
する。この結果、図中左側の軸受25とキャリッジ11
との相対的位置が変化し、キャリッジ11は、その前端
部が図24(b)中で左側が開いた位置となり、吐出口
と記録媒体とのギャップは、図24(a)の場合とほぼ
等しいギャップdとなる。この際、左側の軸受25は、
相対的に図25中矢印で示されるような揺動を行い長穴
内での位置を変化させる。
【0098】なお、コロ91を設ける位置によっては、
例えば通常の厚紙よりさらに厚い記録媒体に対応でき
る。すなわち、コロ91を設ける位置によっては、この
ような厚紙に対応して紙押え板45を大きく逃がすこと
ができると共にギャップを一定に保つことができる。
【0099】上記構成において、コロばね613は、図
25に詳細に示されるようにコロ613Aが前端板10
5の折れ曲がった斜めの部分と当接するため、コロ61
3Aが同図中、下方に押圧され、これにより、キャリッ
ジ11全体が下方に押えられる。この結果、キャリッジ
11の浮き等が防止され、搭載されるヘッドカートリッ
ジ9によるインク滴吐出の方向が安定する。
【0100】再び図23を参照すると、111はキャリ
ッジ11の左側方下部に設けた切欠き部であり、ホーム
ポジション近傍に設けられたプーリ軸290Aと係合す
る。この係合はキャリッジ11が吐出口面のキャップ位
置へ移動するのに伴なってなされるものであり、この係
合位置においてキャップ51(図2参照)による吐出口
面のキャッピングが行われる。
【0101】この係合により、例えば記録装置に振動等
が加えられた場合にも、キャリッジ11はその前後方向
に移動することができないためキャップ51とヘッドカ
ートリッジ9の吐出口面とは離反せず、キャッピングを
確実に行うことができる。
【0102】また、キャリッジ11の切欠き部111と
係合する部材としてプーリ軸290Aを兼用するため、
この係合のための特別な部材を必要とせず、簡潔かつ低
コストな構成とすることができる。
【0103】さらに、切欠き部111はプーリ軸290
との係合が容易になるよう、その導入部を面取りした形
状としてある。これにより、紙厚に応じてキャリッジ1
1が変位している場合にも、容易にその係合を行うこと
ができる。
【0104】図26は、ヘッドカートリッジ9およびキ
ャリッジ11を記録媒体側から見た模式的立面図であ
る。
【0105】同図から明らかなように、ガイド軸23に
対して、従がってキャリッジ11の移動方向に対して、
キャリッジ11およびこれに搭載されるヘッドカートリ
ッジ9が傾いた構成となっている。これにより、吐出口
配列の方向も同様に傾く。
【0106】この傾きは、上述したように軸受部が偏心
した2つの軸受25を用いることによって構成される。
すなわち、左側の軸受25(図26では右側)は、図2
2,図25等で参照されるようにその偏心位置が下方に
位置するように装着され、右側の軸受25(図26では
左側)は、同種の軸受を用いその偏心位置が上方に位置
するように装着される。
【0107】以上示したような吐出口配列が傾いた構成
は、複数の吐出口について時分割駆動する場合に採る構
成である。すなわち、一般的にインクジェット記録ヘッ
ドの駆動においては、記録速度や駆動電力を大きくでき
ない等の観点に立って、時分割駆動を行うものである
が、例えば、縦方向に配列する64個の吐出口を8ブロ
ックに分けて時分割駆動した場合、吐出口配列を傾けな
い構成ではキャリッジ移動を考慮すれば記録紙94に対
して図27(a)に示すような記録95がなされ、これ
を巨視的に視た場合、斜めの線になる。これに対して、
本例のように、吐出口配列を傾けて記録した場合、記録
紙95には図27(b)に示すような記録97がなさ
れ、これは巨視的に視た場合、縦線となる。なお、この
傾きの構成が有効なのは、上例で示したブロック毎の時
分割駆動に限られず、吐出口毎の時分割駆動にも有効で
あることは勿論である。
【0108】本例による傾きは、キャリッジ11の両側
端に装着した軸受25によって構成するため、これら軸
受間の距離が比較的長いことから傾きの精度を出し易
い。また、一種類の軸受を上下逆方向に装着するだけで
よいため傾きの構成が簡潔なものとなる。さらに、キャ
リッジ速度等により時分割駆動のタイミングが異なる場
合には、キャリッジや記録ヘッド等の変更無しで軸受の
み変更することにより、上記タイミングに応じた傾きを
構成することができる。この結果、キャリッジ等を共通
化することも可能である。
【0109】図28(a)および(b)は、キャリッジ
を移動させるためのタイミングベルトを駆動する2つの
プーリのうち装置右端に配設されるプーリ29Bの周辺
の詳細を示すそれぞれ上面図および立面図である。
【0110】プーリ29Bには、これと同軸に被駆動ギ
ア291が固定され、ギア291はキャリッジモータ3
1の回転軸に固定された駆動ギア294と噛合する。プ
ーリ29Bおよびギア291を固定する軸は、ブラケッ
ト292により回動自在に軸支されている。
【0111】ブラケット292には、ばね293の一端
が接続し、ばね293の他端は底板100に立設される
突起106と接続する。これにより、ブラケット293
は、タイミングベルト27が延在する方向と所定の角度
を有した方向に付勢される。このとき、ブラケット29
2(およびこれに軸支されるギア291,プーリ29
B)は、底板100に立設されるL型部材295Aおよ
び295Bにより上下方向および底板100に沿った所
定方向の動きが規制される以外はフリーである。従がっ
て、ばね293による上記付勢力により、その分力に応
じてタイミングベルト27におけるテンションおよびギ
ア291とギア274との噛合力を得ることができる。
【0112】図29および図30は、本例のインクジェ
ット記録装置における記録位置指示モードの制御手順を
示すそれぞれタイミングチャートおよびフローチャート
である。
【0113】本例にかかる記録位置指示モードは、本例
記録装置が用いられる電子タイプライタのように、フォ
ーマット紙や既に一部記録のなされた記録紙に記録を行
う場合等に起動される制御手順である。すなわち、キャ
リッジ(記録ヘッド)を移動させながら、記録位置の確
認,設定や記録範囲の設定を行うが、この間インク滴は
吐出されない。このため、インク増粘や不吐出を防止す
るために予備吐出やキャッピングを行うが、これら処理
をキャリッジによる記録位置設定等の処理を中断して所
定時間毎に予備吐出等のための位置へキャリッジを移動
させるものである。
【0114】以下、図30のフローチャートに基づき、
図29のタイミングチャートを参照しながら記録位置指
示モードの制御手順について説明する。
【0115】所定のキー入力によって記録位置指示命令
があると、本制御手順が起動され、ステップS201で
キャップ51をオープンし(図29,時点(1)。以
下、時点のみ記す)、ステップS202で、例えばスペ
ースキーの入力に応じ指示位置へ向けてキャリッジ11
を移動させる(時点(2))。この間、ステップS20
3では。キャリッジ11が指示位置に至った結果所定の
キー入力によってこの位置の設定が有ったか否かを判断
し、否定判断であればステップS204でキャリッジオ
ープンから所定時間T秒経過したか否かを判断する。
【0116】T秒経過した場合には、ステップS205
でキャリッジ11の現在の位置を記憶し、ステップS2
06でキャリッジ11を予備吐出位置へ移動させる(時
点(3))。さらに、ステップS207で所定量(A回
吐出)の予備吐出を行う(時点(4))。その後、ステ
ップS208で前回記憶した位置までキャリッジ11を
移動させ、ステップS209で上記と同様にして指示位
置への移動を行う。この間、ステップS210では、上
記と同様に指示位置設定の入力が有ったか否かを判断
し、否定判断であればステップS211で位置指示命令
から、すなわち本制御手順が起動されてから所定時間α
秒経過したか否かの判断を行う。このα秒は、通常には
指示位置の設定が終了して然るべき時間であり、また、
この時間を経過して記録ヘッドをキャップオープンのま
まにしておくことはインク滴吐出に重大な支障を招くも
のとして設定されたものである。
【0117】ステップS211で否定判断の場合は、ス
テップS212で、前回の予備吐出から所定時間t秒経
過したか否かを判断し、t秒経過した場合には、上記と
同様のステップS213,S214の処理を経て、ステ
ップS215でB回吐出の予備吐出を行い、ステップS
208の処理へ戻る。
【0118】ステップS203またはS210で指示位
置設定入力があった場合は、それぞれステップS216
またはS217でその位置を記憶し、また、ステップ2
11でα秒経過したと判断した場合は、処理はステップ
S218へ進む。
【0119】ステップS218では、キャリッジ11を
キャップ位置へ移動させ(時点(5))、ステップS2
19でキャッピングし(時点(6))、ステップS22
0で指示モードをリセットして本処理手順を終了する。
【0120】なお、上記経過時間T秒,t秒,α秒はそ
れぞれ例えば雰囲気の温度や湿度に応じて設定すること
もできるし、また、温度等のセンサを設け、これらセン
サによる検出に応じて経過時間を自動的に設定するよう
にしてもよい。
【0121】上記制御手順における指示位置へ移動は、
操作者がスペースキーを押下しながら行うものである
が、この際、図2および図23に示されるキャリッジ1
1上のマーカ49と紙押え板45上の目盛47とを併用
することにより、記録媒体におけるキャリッジ11の位
置、すなち吐出口の位置を知ることができる。なお、マ
ーカ49の位置と吐出口の位置とはずれているが、この
オフセット量は予め記憶されており、記録動作等におい
ては自動的に修正されるものである。目盛47は、紙押
え板45といったインクジェット方式の記録装置に特有
の部材上に記されるため、極めて近接して目盛を記録媒
体に合わせることができる。
【0122】また、同様に指示位置への移動等にかかる
操作においては、同様に図2および図23に示されるレ
バー上のマーカ17と、図1に示される装置カバーの窓
8に記された目盛(不図示)とにより、特にキャリッジ
11の移動量を知ることができる。
【0123】このように、マーカ49,17およびこれ
らと併用される構成は、本例記録装置がインクジェット
方式であって、予備吐出等のためにキャリッジ移動によ
る位置確認操作が中断される場合には、再び中断時の位
置にキャリッジを戻す場合等に特に有効である。
【0124】図31は、図29および図30に示した制
御等を実行するための制御構成を示すブロック図であ
る。
【0125】キャリッジ11のキャップ位置や移動位置
は、回復系ホームセンサ65やキャリッジホームセンサ
67の検出3付に基づいて知ることができる。また、指
示位置への移動や指示位置設定入力等は、キーボード1
に設けられたスペースキーや所定のキーを用いて行う。
さらに、同図において1000は上記制御手順を実行す
るMPU、1001は上記制御手順等を格納するRO
M、1002はキャリッジ11の現在位置を記憶した
り、上記制御実行におけるワークエリアとして用いられ
るRAMである。また、1003は、T秒,t秒,α秒
等の時間を計測するタイマである。
【0126】図32は図2におけるキャップ51,ポン
プ53,ブレード59,モータ61およびカム装置63
等から成る回復装置の主要部の分解斜視図である。
【0127】ここで、501はキャップ51内部に配置
されるインク吸収体、503はキャップ51を保持する
保持部材、505はピン507を中心に回動可能に取付
けられ、ピン507に加えられる力によってキャップ5
1を吐出ユニット9aの吐出口形成面に当接/離脱させ
るためのキャップレバーである。511はキャップレバ
ー505の端部509に係合してキャップレバー505
の回動範囲を規制するためのピンである。
【0128】513はキャップレバー505のピン50
7が嵌入される穴部を有する治具であり、キャップレバ
ー505をポンプ53に設けた支持部515に取付ける
のに用いられる。516はその取付け状態を確保するた
めの留め部材である。517は吐出口形成面に当接させ
るための力をキャップ51に作用する作用部であり、キ
ャップ51の後側部のほぼ中央に係合する。この作用部
は吸引されたインクの排出口517Aを有し、キャップ
レバー505内部,ピン507内部,治具513内部お
よび支持部515内部にはそれぞれインク流路が形成さ
れている。そして、ポンプ53が吸引力を作用すると、
インクはこれら流路を経て図中矢印で示すようにポンプ
53内に導入される。
【0129】519はポンプ53の端面中央に突設し、
内部にインク流路を形成した軸であり、側壁部520に
回動可能に取付けられる。これによるポンプ53自体の
回動力は支持部515を介してキャップレバー505に
加えられ、これに伴ってキャップ51が進退する。52
1はポンプ軸519に結合する流路形成部材、523は
チューブ57の取付け部材である。すなわちこれら軸5
19,流路形成部材5521および取付け部材523の
内部にインク流路が形成され、ポンプ53に吸引された
インクが、図中矢印で示すようにこれら流路を経てチュ
ーブ57を介し廃インクタンク55に導入される。
【0130】525はポンプ53のピストン、527は
その軸であるピストン軸、529はパッキン、531は
ポンプ53のキャップである。533はピストン軸52
7に取付けられ、ピストン525を作動させるための力
の伝達を受けるピンである。
【0131】535はブレード59が取付けられるブレ
ードレバーであり、ポンプ53の端面に突設した軸のま
わりに回動可能に支持され、当該回動に伴ってブレード
59を記録ヘッド側に突出または後退させる。537は
ブレードレバー535に対しブレード59を突出させる
方向への回動力を付与するばねである。また、539は
ポンプ53自体に対しキャップ51が記録ヘッド側に向
う方向への回動習性を与えるばねである。
【0132】541はモータ61の回転をカム装置63
に伝達するギア列である。カム装置63は、ポンプ53
に設けた係合部545に係合して係合部545を回動さ
せるためのカム547と、ポンプ53のピストン軸52
7に設けたピン533に係合してポンプを作動させるた
めのカム549と、ブレードレバー535に設けた係合
部551に係合してこれを回動させるためのカム553
と、カム装置63のホームポジションを検出するための
スイッチ555に係合するカム557とを有している。
これらカムの動作については後述する。ここで図33
(a)および(b)を用いてキャップ51の構成例につ
いて説明する。キャップ内側の記録ヘッド吐出口と対向
する部位には2つのリブ568によってインク吸収体5
01を設けているが、このインク吸収体はキャップ面鉛
直下方に設けたインク吸入口561を完全には覆わない
構成となっていて、インク吸入口561の開口面積のお
よそ半分以上を覆っている。インク吸収体501はその
上端側面をキャップ51内側側面の上端面566に接す
るとともに、キャップ面565にも接するようにして設
けるため、インク吸収体501の位置決めは容易であ
る。キャップ51内面側面の下端面567はインク吸入
口561に向かってわずかながら上り斜面となってい
て、インク滴の吸引除去が容易にできる。インク流路5
63はインク吸入口561とインク排出口517Aとを
連通してインク吸入口561からインク排出口517A
へ向かって斜め上方へ設けられている。インク流路56
3はインク排出口517A開口部断面積よりもインク吸
入口561開口部断面積の方が大きい。
【0133】ここでインク吸収体501がキャップ51
内面側面の下端面567に接する構成とすると、インク
吸収体に含浸したインクが下端面567を伝って滴を形
成して吐出口面に付着することがあった。しかし、本実
施例のようにインク吸入口561の下方を開放するよう
にインク吸収体501を設ける構成とすると、インク吸
収体501の鉛直下方部にインクが含浸保持されること
になる。ここでキャップ51内側鉛直下方部とインク吸
収体501の鉛直下方部に開口しているインク吸入口5
61からインク吸引手段による吸引力でキャップ内から
除去される。
【0134】本実施例のようにインクジェット記録装置
がタイプライタモードとワードプロセッサモードとを有
する電子タイプライタである場合において、特にワード
プロセッサモードで飾り文字や図形を印字させるために
データ処理に時間がかかるときはその間キャップ内のイ
ンク吸収体501は大気開放状態となる。その場合、イ
ンク吸収体501は水分やアルコール分の蒸発により乾
燥固化する恐れがあるが、インク吸入口561の下部が
インク吸収体で覆われることなく開放状態となっている
ため、次の予備吐出動作においてキャップ内インクの吸
引力は維持される。また、そのときの予備吐出されたイ
ンクによりインク吸収体501は湿潤し、再びインク吸
収能力は回復される。
【0135】さらに長時間の記録が行われると、その間
の予備吐出によりインク吸収体501の吸収能力を越え
る量のインクが吐出されることがある。このような場合
でも本実施例のようにインク吸入口561の開口面積の
およそ半分以上をインク吸収体501が覆う構成にする
と、重力によってインク吸収体501下部に含浸保持さ
れたインクが吸引手段によって吸引されるとともにキャ
ップ内側下方に開放したインク吸入口561からの滴下
したインクも吸引されて、効果的なインクの吸引除去が
できた。
【0136】好ましい実施態様としてはインク吸入口5
61の大きさは縦H=2.25mm、横W=1mmの縦
長の長円形であり、そのうちインク吸入口561の上方
部分H1=1.25mmまでがインク吸収体501で覆
われている。
【0137】図34にはキャップ51の別の構成例を示
す。
【0138】このように、インク吸入口569が少なく
ともキャップ内側側面下端面567の幅(インク吸収体
501の幅)とほぼ同じ幅の開口部を有することにより
キャップ内インクのより効果的な吸引除去ができた。
【0139】図35には本発明に係るキャップ51のさ
らに他の実施例の断面側面図を示す。インク吸収体50
1の上端側面がキャップ51内側側面の上端面566に
は接していない他は前述した図33(b)あるいは図3
4の実施態様例と同様である。インク吸収体501はイ
ンク吐出口と対向する位置に設けられているので、前述
の例の場合と同様の効果が得られた。
【0140】図36には本発明に係るキャップ51のさ
らに別の実施例の側面断面の模式図を示す。インク吸収
体501は、キャップ51のインク吐出口と対向する面
568とは離して設けられている。他は前述の図33
(b)あるいは図34の実施例と同様である。インク吸
収体501はキャップ51内側側面の上端面566に取
り付けても良いし、上端面566の当該部分に凹部もし
くは貫通孔を設けて、そこにインク吸収体501を取り
付けても前述の実施例と同様の効果が得られる。
【0141】図37ないし図39は本発明に係るさらな
る実施例の側面断面の模式図を示す。図37は図33
(b)、図38は図35、図39は図36をそれぞれ時
計方向に90°回転したものである。インク吸収体50
1に吸収されたインクは、インク吸収体501のインク
吸入口561を覆った部分からインク流路563を経て
インク排出口517Aより吸引排出される。さらに図3
7ないし図39のインク吸入口561を図34に示すイ
ンク吸入口569に換えても良く、キャップ51内のイ
ンクのより効果的な吸引排出ができるとともにインク吸
収体501の吸収力を維持できる。
【0142】なお、本例ではインク流路をキャップレバ
ー505に設けているためキャップ51内の流路563
を図に示す構成としたが、インク吸引路を別に設けるの
であれば、キャップ内のインク流路を図示のように構成
する必要はない。すなわち、インク吸入口561がキャ
ップ51の鉛直方向の下方に設けられるのであれば、イ
ンク流路の構成はいかようにも定めることができる。
【0143】図40,図41および図42は、それぞ
れ、カム装置63の各カムの輪郭曲線および各カム位置
に対応した各部動作位置を示す説明図である。なお、図
40中の数値はカムの回転角度である。
【0144】これら図において、(A)は記録動作を行
うときのカム位置および各部の状態を示し、キャップ5
1およびブレード59は記録ヘッドの吐出口形成面から
離隔し、ポンプ53は上死点である。(B)はホームポ
ジションスイッチ55がオフとなった位置であり、この
位置をカム装置63のホームポジションとする。これは
記録の待機時等に設定される位置であり、このときキャ
ップ51は吐出口形成面を覆い、かつブレード59が後
退しているとともにポンプ53も上死点である。
【0145】位置(B)からカムを回転させて行くと、
キャップ51は吐出口形成面に接合(キャップオン)し
たままピストン525が下死点に向けて移動し、キャッ
プに至る吸引系の負圧が大となって行く。やがてピスト
ン525がポンプのインク排出口に至りこれを閉塞して
いる期間(弁が閉となる期間)を経て、弁が開き始め
(109.5°の点)、完全に開き(130.5°の
点)、その後ピストン525は下死点付近の位置(C)
に至る。インク吸引系の流体抵抗を考慮してこの位置で
所定時間カムの回転を停止することにより十分な吸引を
行ってから、再びカムを回転させて行くと、ピストン5
25は下死点に至り、キャップ51は吐出口形成面から
離脱し始める。この位置(D)を所定時間保持する。
【0146】その後カムをさらに回転させると、ピスト
ン525は再び上死点に向い始める。この過程で弁は閉
じ始め(209.5°の点)、その後完全に閉塞される
点(230.5°の点)に至り、一方キャップ51は位
置(E)では完全に吐出口形成面から離隔した状態とな
っている。この近傍でピストン525を数回駆動するこ
とにより、インク吸引系に残留したインクがポンプ側に
吸引(空吸引)されることになる。なお、ポンプ内のピ
ストン525の左右の空間は、不図示の流路で連通さ
れ、当該流路はピストンが上死点から下死点に向う場合
に閉塞され、下死点から上死点に向う場合に開とされ
る。また、ピストン右側の空間はポンプ軸519に設け
た流路に連通している。従って、空吸引の過程でピスト
ン525が下死点から上死点に向う場合にピストン左側
の口関に導入されたインクが右側の空間に移送され、上
死点から下死点に向う場合にインク吸引系から左側空間
へのインク導入および右側空間から廃インクタンクへの
インク排出がなされる。
【0147】その後、カムをさらに正方向に回転させる
と、ブレード59が突出してワイピング可能な状態とな
る(位置(F))。この状態でキャリッジ11を記録領
域側に移動させると、ヘッドの吐出口形成面にブレード
59が係合してその表面がワイピングされ、吐出口形成
面に付着したインク等が拭われる。そして、カムをさら
に回転させてブレード55を後退させ位置(A)にカム
を設定する。この状態でキャリッジ11をキャップ側に
移動させ、ヘッドの吐出口形成面をキャップ51に対向
させた後、カムを位置(B)に移動させてキャップオン
とし、停止させる。
【0148】なお、記録に移行する場合には位置(B)
から正方向もしくは負方向にカムを回転させてブレード
59を突出させ、ワイピングを行ってから記録を行うよ
うにすればよい。
【0149】図43は本例に係る廃インクタンク55の
構成例を、装置使用時に取る姿勢で示す。
【0150】ここに、181は廃インクを保持するイン
ク吸収体、55Aは装置使用時(図1(a)の状態)に
底面となる部分、55Bは装置を図1(b)のように収
納して把手6を持って運搬する際等に底面となる部分で
ある。55Cはいずれの場合にも鉛直方向下向きとなら
ない斜面であり、本冷ではここに通気布183を設けて
ある。この通気布183はインク溶剤蒸気は通すが液体
であるインクは透過させないのであり、具体的には例え
ばベイパーロード((株)テイジン)を用いることがで
きる。
【0151】のような通気布183の配設によって廃イ
ンクタンク55からのインク漏洩は殆ど生じないが、本
例ではさらにこれを設ける部分を上記斜面55Cとする
ことによって、その漏洩が完全に防止されるようにして
いる。
【0152】すなわち、図44(a)および(b)に示
すように、装置使用時には部分55Aが底面となって斜
面55Cは上方を向いており、収納時(運搬時)には部
分55Bが底面となって斜面55Cはやはり上方を向い
ているからであり、廃インクが通気布183を通して浸
出し、漏洩が生じることがないからである。
【0153】(その他) なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中で
も、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギと
して熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体や
レーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状
態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置におい
て優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれ
ば記録の高密度化,高精細化が達成できるからである。
【0154】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0155】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0156】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0157】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0158】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれと
は別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱
手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行な
うことも安定した記録を行なうために有効である。
【0159】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個設けられるものであってもよ
い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかい
ずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発
明は極めて有効である。
【0160】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
長時間の記録の場合、大気開放状態にあるインク吸収体
が水分やアルコール分の蒸発により乾燥固化した場合に
もキャップ内インクの吸引力を維持することができる。
【0162】また、本発明によれば、長時間の記録の場
合度重なる予備吐出により多量のインクがキャップ内に
吐出されても効果的にインクの吸引除去ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)および(b)は、本発明の一実施例
にかかる装置としての電子タイプライタの使用時および
収納時の外観斜視図である。
【図2】本発明に適用可能なプリンタの一構成例を示す
斜視図である。
【図3】図2に示したヘッドカートリッジの外観斜視図
である。
【図4】図4(a)および(b)は、図3に示したヘッ
ドカートリッジの分解斜視図および外観斜視図である。
【図5】図2に示したキャリッジの上面図である。
【図6】図2に示したキャリッジの側面図である。
【図7】上記ヘッドカートリッジを上記キャリッジに搭
載した状態を示す上面図である。
【図8】同じくその側面図である。
【図9】上記キャリッジの分解斜視図である。
【図10】図10(a)および(b)は、それぞれ、キ
ャリッジの側面図およびキャリッジにヘッドカートリッ
ジを搭載した状態を示す側面図である。
【図11】図2に示したプリンタにおける記録媒体搬送
系の側断面図である。
【図12】同じくその分解上面図である。
【図13】上記搬送系において各付勢力を解除した状態
を示す側断面図である。
【図14】図14(a)および(b)は、上記搬送系に
おけるフィードローラの逃げの構成を示す模式的側面図
である。
【図15】フィードローラの付勢機構の一従来例を示す
模式的側面図である。
【図16】上記搬送系におけるフィードローラ、紙押え
板および拍車の付勢を解除する機構のうち装置右側に配
設される部分における解除前の側面図である。
【図17】同じく解除後の側面図である。
【図18】同機構の装置左側に配設される部分における
解除前の側面図である。
【図19】同じく解除後の側面図である。
【図20】上記付勢解除のためのレバーとノブの係合状
態を示す模式的正面図である。
【図21】図20に示した機構の分解斜視図である。
【図22】図2等に示したキャリッジの他の要素との係
合関係を説明するための側面図である。
【図23】同じくその上面図である。
【図24】図24(a)および(b)は、上記キャリッ
ジが記録媒体の厚さに応じてその位置を変化させる様子
を示す模式的上面図である。
【図25】上記変化に伴なうガイド軸受の変化を説明す
るための模式的側面図である。
【図26】図2等に示したキャリッジにおいて、このキ
ャリッジの移動方向に対して吐出口配列を傾ける機構を
示す模式的正面図である。
【図27】図27(a)および(b)は上記傾ける構成
の無い場合および有る場合の記録例を示す模式的平面図
である。
【図28】図28(a)および(b)は、図2に示した
キャリッジ駆動のためのベルトのテンション機構および
その駆動機構を示す上面図および正面図である。
【図29】図2等で示した記録装置における記録位置指
示モードのタイミングチャートである。
【図30】同じくのフローチャートである。
【図31】上記モードを実行するための制御系構成例を
示すブロック図である。
【図32】図2に示した吸引回復機構の分解斜視図であ
る。
【図33】図33(a)および(b)は、それぞれ、上
記機構におけるキャップ部の側断面図およびそのM−M
線側断面図である。
【図34】上記機構におけるキャップ部の他の実施例の
正面図である。
【図35】上記機構におけるキャップの別の実施例の正
面図である。
【図36】上記機構におけるキャップの別の実施例の側
断面の模式図である。
【図37】上記機構におけるキャップの別の実施例の側
断面の模式図である。
【図38】上記機構におけるキャップの別の実施例の側
断面の模式図である。
【図39】上記機構におけるキャップの別の実施例の側
断面の模式図である。
【図40】上記機構における一連の回復動作を示すタイ
ミングチャートである。
【図41】上記機構の吐出回復動作における各部の動作
を時間を追って示す図である。
【図42】同じく各部動作を時間を追って示す図であ
る。
【図43】上記回復動作によって排出されるインクを貯
留する廃インクタンクの模式的斜視図である。
【図44】図44(a)および(b)はプリンタのそれ
ぞれ使用時および収納時における上記廃インクタンクの
配置を示す図である。
【符号の説明】
1 キーボード 2 キー 3 ヒンジ 4 給紙トレイ 5 ノブ 6 表示器 7 把手 8 窓 9 ヘッドカートリッジ 11 キャリッジ 15 操作レバー 17 マーカ 19 支持板 23 ガイド軸 25 軸受 27 タイミングベルト 29A,29B プーリ 31 キャリッジモータ 33 搬送ローラ 35 搬送モータ 37 ペーパーパン 39 フィードローラ 40 レリーズ板 41 排紙ローラ 42 拍車 43 解除レバー 45 紙押え板 46 軸部材 47 目盛 49 マーカ 51 キャップ 53 ポンプ 55 廃インクタンク 59 ブレード 61 モータ 63 カム装置 91 コロ 183 通気布 501 吸収体 561 吸引口 613 コロばね 623 基板カバー

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対してインクを吐出すること
    により記録を行う記録ヘッドの前記インクを吐出する吐
    出口を形成した面を覆うことができるように設けたキャ
    ップであって、内面側にインク吸入口と、該インク吸入
    口に連通し該インク吸入口とは他端側に位置するインク
    排出口とが設けられたインク路を有し、該インク路は前
    記インク吸入口の面積より前記インク排出口の面積の方
    が小さくなるようにした当該キャップと、 前記キャップの内部に設けられ、前記インク吸入口の一
    部を覆い、残りを開放するインク吸収体と、 前記インク排出口と連通し、前記キャップの内部に吸引
    力の作用するための吸引手段と を具えたことを特徴とする吸引回復装置。
  2. 【請求項2】 前記インク吸収体は、前記インク吸入口
    の中央部を含む領域を覆い残りの領域を開放して、前記
    インク吸入口の面積の約半分以上を覆うことを特徴とす
    る請求項1に記載の吸引回復装置。
  3. 【請求項3】 前記インク吸入口の開口幅は、前記キャ
    ップ内の前記インク吸収体の幅と同等であることを特徴
    とする請求項1に記載の吸引回復装置。
  4. 【請求項4】 前記インク吸入口の一部は、前記キャッ
    プ内の側面にあること特徴とする請求項1に記載の吸引
    回復装置。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドは、前記インクを吐出す
    るために利用されるエネルギを発生するための発熱素子
    を有していることを特徴とする請求項1に記載の吸引回
    復装置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、前記発熱素子の発生
    する熱エネルギを利用して、前記インクに膜沸騰による
    状態変化を生じせしめ、その急激な状態変化によりイン
    クを吐出することを特徴とする請求項5に記載の吸引回
    復装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の吸引回復装置を具備し、
    ワードプロセッサの機能を有することを特徴とする電子
    タイプライタ。
  8. 【請求項8】 記録媒体に対してインクを吐出すること
    により記録を行う記録ヘッドの前記インクを吐出する吐
    出口を形成した面を覆うとができるように設けたキャッ
    プであって、内面側にインク吸入口を有し、該インク吸
    入口が前記キャップ内中心から下方に変位した位置にあ
    るようにした当該キャップと、 前記キャップの内部に設けられ、前記吸入口の上方側を
    覆って下方側を開放するインク吸収体と を具えたことを特徴とする吸引回復装置。
  9. 【請求項9】 前記インク吸収体は、前記インク吸入口
    の中央部を含む領域を覆い残りの領域を開放して、前記
    インク吸入口の面積の約半分以上を覆うことを特徴とす
    る請求項8に記載の吸引回復装置。
  10. 【請求項10】 前記キャップは、インク路を有し、該
    インク路は前記インク吸入口の面積より前記インク排出
    口の面積の方が小さいことを特徴とする請求項8に記載
    の吸引回復装置。
  11. 【請求項11】 前記インク吸入口の開口幅は、前記キ
    ャップ内の前記インク吸収体の幅と同等であることを特
    徴とする請求項8に記載の吸引回復装置。
  12. 【請求項12】 前記インク吸入口の一部は、前記キャ
    ップ内の側面にあることを特徴とする請求項8に記載の
    吸引回復装置。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドは、前記インクを吐出
    するために利用されるエネルギを発生するための発熱素
    子を有していることを特徴とする請求項8に記載の吸引
    回復装置。
  14. 【請求項14】 前記記録ヘッドは、前記発熱素子の発
    生する熱エネルギを利用して、前記インクに膜沸騰によ
    る状態変化を生じせしめ、その急激な状態変化によりイ
    ンクを吐出することを特徴とする請求項8に記載の吸引
    回復装置。
  15. 【請求項15】 請求項8記載の吸引回復装置を具備
    し、ワードプロセッサの機能を有することを特徴とする
    電子タイプライタ。
  16. 【請求項16】 記録媒体に対してインクを吐出するこ
    とにより記録を行う記録ヘッドと、 前記記録ヘッドの前記インクを吐出する吐出口を形成し
    た面を覆うことができるように設けたキャップであっ
    て、内面側にインク吸入口と、該インク吸入口に連通し
    該インク吸入口とは他端側に位置するインク排出口とが
    設けられたインク路を有し、該インク路は前記インク吸
    入口の面積より前記インク排出口の面積の方が小さくな
    るようにした当該キャップと、 前記キャップの内部に設けられ、前記インク吸入口の一
    部を覆い、残りを開放するインク吸収体と、 前記インク排出口と連通し、前記キャップの内部に吸引
    力を作用するための吸引手段と を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  17. 【請求項17】 前記インク吸収体は、前記インク吸入
    口の中央部を含む領域を覆い残りの領域を開放して、前
    記インク吸入口の面積の約半分以上を覆うことを特徴と
    する請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  18. 【請求項18】 前記インク吸入口の開口幅は、前記キ
    ャップ内の前記インク吸収体の幅と同等であることを特
    徴とする請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  19. 【請求項19】 前記インク吸入口の一部は、前記キャ
    ップ内の側面にあることを特徴とする請求項16に記載
    のインクジェット記録装置。
  20. 【請求項20】 前記記録ヘッドは、前記インクを吐出
    するために利用されるエネルギを発生するための発熱素
    子を有していることを特徴とする請求項16に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  21. 【請求項21】 前記記録ヘッドは、前記発熱素子の発
    生する熱エネルギを利用して、前記インクに膜沸騰によ
    る状態変化を生じせしめ、その急激な状態変化によりイ
    ンクを吐出することを特徴とする請求項20に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  22. 【請求項22】 請求項16記載のインクジェット記録
    装置を具備し、ワードプロセッサの機能を有することを
    特徴とする電子タイプライタ。
  23. 【請求項23】 記録媒体に対してインクを吐出するこ
    とにより記録を行う記録ヘッドと、 前記記録ヘッドの前記インクを吐出する吐出口を形成し
    た面を覆うことができるように設けたキャップであっ
    て、内面側にインク吸入口を有し、該インク吸入口が前
    記キャップ内中心から下方に変位した位置にあるように
    した当該キャップと、 前記キャップの内部に設けられ、前記吸入口の上方側を
    覆って下方側を開放するインク吸収体と を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  24. 【請求項24】 前記インク吸収体は、前記インク吸入
    口の中央部を含む領域を覆い残りの領域を開放して、前
    記インク吸入口の面積の約半分以上を覆うことを特徴と
    する請求項23に記載のインクジェット記録装置。
  25. 【請求項25】 前記インク吸入口の開口幅は、前記キ
    ャップ内の前記インク吸収体の幅と同等であることを特
    徴とする請求項23に記載のインクジェット記録装置。
  26. 【請求項26】 前記インク吸入口の一部は、前記キャ
    ップ内の側面にあることを特徴とする請求項23に記載
    のインクジェット記録装置。
  27. 【請求項27】 前記記録ヘッドは、前記インクを吐出
    するために利用されるエネルギを発生するための発熱素
    子を有していることを特徴とする請求項23に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  28. 【請求項28】 前記記録ヘッドは、前記発熱素子の発
    生する熱エネルギを利用して、前記インクに膜沸騰によ
    る状態変化を生じせしめ、その急激な状態変化によりイ
    ンクを吐出することを特徴とする請求項27に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  29. 【請求項29】 請求項23記載のインクジェット記録
    装置を具備し、ワードプロセッサの機能を有することを
    特徴とする電子タイプライタ。
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