JPH0615832A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH0615832A
JPH0615832A JP19594492A JP19594492A JPH0615832A JP H0615832 A JPH0615832 A JP H0615832A JP 19594492 A JP19594492 A JP 19594492A JP 19594492 A JP19594492 A JP 19594492A JP H0615832 A JPH0615832 A JP H0615832A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクタンク51交換時の回復手段13との干
渉および脱着困難性を解消し、回復手段13周辺の飛散
インクによる手の汚染や、手が回復手段13に触れるこ
とによる機能障害発生を防止すし、吐出面81とキャッ
プ53との接触による記録不良の発生を防止する。 【構成】キャリッジ3に記録ヘッド2をキャッピングす
る記録待機位置Aとインクタンク51交換のためのタン
ク交換位置Bを設け、インクタンク交換用の蓋17の開
きやキー操作によりキャリッジ3をタンク交換位置Bへ
移動させ、インクタンク交換後の蓋17の閉めやキー操
作によりキャリッジ3を待機位置Aに移動させてキャッ
ピングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録手段から被記録材へ
インクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置は、画像情
報(文字情報等を含む)に基づいて用紙やプラスチック
薄板等の被記録材(記録媒体)に画像(文字等を含む)
を記録していくように構成されている。前記記録装置
は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット
式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることがで
きる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査するシリアルスキャン方式を採るシリ
アルタイプの記録装置においては、被記録材を所定の記
録位置にセットした後、被記録材に沿って移動するキャ
リッジ上に搭載した記録手段)によって画像を記録(主
走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り
(被記録材搬送)を行い、その後に再び停止した被記録
材に対して、次の行の画像を記録(主走査)するという
動作を繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行わ
れる。一方、被記録材の搬送方向の副走査のみで記録す
るラインタイプの記録装置においては、被記録材を所定
の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を行いな
がら連続的に紙送り(ピッチ送り)を行い、被記録材全
体の記録が行われる。
【0004】上記記録装置のうち、インクジェット式の
記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記
録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行う
ものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高
精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別
の処理を必要とせずに記録することができ、ランニング
コストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少
なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記
録するのが容易であるなどの利点を有している。中で
も、紙幅方向に多数の吐出口を配列したフルマルチタイ
プの記録手段を用いるライン型のものは、記録の一層の
高速化が可能である。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。一
方、被記録材の材質に対する要求も様々なものがあり、
近年では、通常の被記録材である紙や樹脂薄板(OHP
等)などの他に、薄紙や加工紙(ファイリング用のパン
チ孔付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙など)な
どを使用することが要求されるようになってきた。
【0006】上記インクジェット記録装置においては、
例えば、インクが充填されているインクタンクから記録
ヘッドへインクを供給し、記録ヘッドに設けられた吐出
口からインク液滴を吐出することが行なわれている。こ
のようなインクジェット記録装置においては、インクタ
ンクから記録ヘッドに至るインク供給系に塵埃や気泡が
混入することがある。記録ヘッドに設けられた吐出口や
これに連通する液路は一般に内径が数ミクロン程度と小
さいため、塵埃や気泡が記録ヘッドの液路に達すると、
液路内に付着してインク流れを阻害し、インク吐出効率
を低下させたり、甚だしい場合には目詰まりを起こして
インク吐出不良を引き起こしたりすることがある。ま
た、記録装置にインクを充填させたまま長時間にわたっ
てインク吐出を行わなかった場合には、インクを構成す
る成分が沈殿または蒸発するために、インクの吐出異常
が生じることもある。
【0007】これらの不都合を解消するため、記録ヘッ
ドのインク吐出状態を良好な状態に回復させることが望
ましく、そのための回復手段として、加圧回復方法ある
いは吸引回復方法などがある。このうちの吸引回復方法
は、吐出口の周辺をキャップで塞ぎ(キャッピング)、
吸引ポンプ等を用いて吐出口からインクを吸引し、液路
内に堆積する固着インク、気泡、塵埃等の障害物を液路
から除去するものである。また、このような吸引回復機
構は、電源ON時等のイニシャル時に、インクタンク
(インクカートリッジ)から記録ヘッドまでインクを充
填させるためにも使用される。
【0008】ところで、従来のインクジェット記録装置
では、例えば、記録装置の底部に配設されたインクタン
クからチューブ等を介してキャリッジ上の記録ヘッドま
でインクを供給する構成が一般的に採用されている。こ
れに対し、最近では、記録ヘッドとインクタンクを一体
に構成し、インクが無くなると記録ヘッドごと交換する
使い捨てヘッドカートリッジを用いるインクジェット記
録装置が登場している。さらに、記録ヘッドとインクタ
ンクをキャリッジに搭載し、インクが無くなるとインク
タンクのみを交換するタイプのインクジェット記録装置
も提案されている。そして、インクジェット記録装置に
おいては、一般に、記録ヘッドの吐出口の乾燥を防止す
るために、キャップにより吐出口を密閉(キャッピング
状態)し、キャリッジをロックした状態を待機位置(記
録待機位置=ホームポジション)とすることが行なわれ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のイン
クジェット記録装置では、記録終了後あるいはインク無
し検知等のエラー発生時にキャリッジが位置する待機位
置においては、キャリッジが回復手段と対向する位置に
あり、記録ヘッドの吐出面(吐出口が設けられた面)が
キャップによりキャッピングされ、キャリッジロック部
によりキャリッジが固定された状態になっている。その
ため、この待機位置で操作者がキャリッジ上のインクタ
ンクあるいは記録ヘッド一体型のヘッドカートリッジを
交換しようとする場合、回復手段の構成部品等と干渉し
やすく、脱着し難いという不都合がある。
【0010】また、回復手段の周辺はインクの飛び跳ね
等で汚れている場合が多いので、操作者の手を汚す可能
性がある。逆に、回復手段の機構部品に操作者の手が触
れることにより、回復手段の機能障害を誘発する可能性
もある。さらに、一体型のヘッドカートリッジを交換
し、新しいものを取り付ける時に、記録ヘッドの吐出面
をキャップに当てたり擦ったりすることにより、吐出口
に傷がついて記録不良を起こす可能性がある。
【0011】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、キャリッジ上のイ
ンクタンクまたは一体型ヘッドカートリッジを交換する
際の回復手段との干渉を無くすことができ、回復手段周
辺のインクの飛び跳ねによって操作者の手が汚れる可能
性、並びに操作者の手が回復手段に触れることによって
回復手段の機能障害を誘発する可能性を防止することが
でき、さらに、一体型のヘッドカートリッジを交換する
場合の記録手段とキャップとの接触を無くして記録不良
の発生を防ぐことができ、もって、操作性の向上を図る
ことが可能なインクジェット記録装置を提供することで
ある。
【0012】
【課題解決のための手段】本発明は、キャリッジに搭載
された記録手段から被記録材へインクを吐出して記録を
行なうインクジェット記録装置において、キャリッジに
搭載されたインクタンクと、記録手段の吐出口を覆うた
めのキャッピング機構と、記録手段の吐出不良を解消す
るための回復手段とを備え、キャリッジは、記録手段の
吐出口をキャッピングするための待機位置と、インクタ
ンクを交換するためのタンク交換位置とを有する構成と
することにより、上記目的を達成するものである。
【0013】別の本発明は、上記構成に加えて、記録装
置の蓋を開けることにより、キャリッジがタンク交換位
置へ移動する構成、インクタンクを交換し、記録装置の
蓋を閉めることにより、キャリッジが通常待機位置に移
動しキャッピングする構成、キャリッジがタンク交換位
置に放置されたまま規定時間が経過すると、キャリッジ
が待機位置に移動しキャッピングする構成、インクタン
クを交換した後、キャリッジが待機位置に移動しキャッ
ピングすると回復手段によりインク吸引動作を行ない、
さらに、記録手段のクリーニング動作を行なう構成、あ
るいは、キャリッジのタンク交換位置への移動は、記録
装置の蓋が開けられかつインクタンクが空であることを
検知した場合にのみ行なう構成とすることにより、一層
効率よく上記目的を達成するものである。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置
の一実施例を示す斜視図である。図1のインクジェット
記録装置は、供給用のインクタンクをキャリッジに搭載
するタイプのものである。図1において、用紙やプラス
チック薄板などの被記録材(記録シート)1は、手差し
あるいはカットシートフィーダー等の給紙装置によって
プリンタ部に送り込まれ、紙送りローラ(図示せず)の
回転量を制御することにより、記録部(頭出し位置)へ
搬送され記録開始状態にセットされる。記録手段(記録
ヘッド)2はインクジェット記録ヘッドであり、この記
録ヘッド2はキャリッジ3に取り付けられている。イン
クジェット記録装置の場合は、記録ヘッド2の前面(吐
出面)に複数の吐出口が縦に並べて設けられている。前
記キャリッジ3は、摺動軸4および5で往復移動可能に
支持され、駆動モーター6により、該駆動モーター6と
アイドルプーリ7の間に張ったタイミングベルト8を介
して往復駆動される。このキャリッジ3を、被記録材1
の桁方向(被記録材1を横切る方向)に主走査させて1
ライン分の画像を記録し、1ライン記録するごとに紙送
りによって副走査して次のラインを記録していく。
【0015】記録ヘッド2と対向する位置には、記録シ
ート1を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねるプ
ラテン9が配置されている。プラテン9は、板金にヒー
ター線(図示せず)を貼り付けて面ヒータとすることで
定着装置を兼ねる場合もある。被記録材1は、記録ヘッ
ド2が主走査する範囲である記録領域の下側(上流側)
の該記録領域にできるだけ近い部分で、紙押さえ板10
によりプラテン9に押し付けられており、これによっ
て、被記録材1の浮きが防止されている。記録部を通過
した被記録材1は、その搬送方向下流側に配置された排
出ローラ11とこれに圧接される拍車ローラ12によっ
て排出されていく。
【0016】一方、記録ヘッド2と対向する位置であっ
てプラテン9から外れた位置には、記録ヘッド2のイン
ク吐出不良の症状を良好な状態に回復するための回復手
段13が設けらている。また、紙送りローラ(搬送ロー
ラ)には被記録材1を手動で搬送するための紙送りノブ
14が設けられている。キャリッジ3には、記録ヘッド
2にインクを供給するためのインクタンク51が交換可
能に搭載されている。インクタンク51内のインクが無
くなった場合等には、このインクタンク51のみを交換
することができる。
【0017】前記記録ヘッド(記録手段)2は、熱エネ
ルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録
手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変
換体を備えたものである。また、前記記録ヘッド2は前
記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより
生じる膜沸騰により気泡の成長、収縮によって生じる圧
力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録
を行うものである。
【0018】図2は、前記記録ヘッド2のインク吐出部
の構造を模式的に示す部分斜視図である。図2におい
て、記録シート1と所定の隙間(例えば、約0.5 〜2.0
ミリ程度) をおいて対面する吐出面(吐出口形成面)8
1には、所定のピッチで複数の吐出口82が形成され、
共通液室83と各吐出口82とを連通する各液路84の
壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するため
の電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が配設されてい
る。本例においては、記録ヘッド2は、前記吐出口82
がキャリッジ3の走査方向と交叉する方向に並ぶような
位置関係で、該キャリッジ3に搭載されている。こうし
て、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱
変換体85を駆動(通電)して、液路84内のインクを
膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口82
からインクを吐出させる記録ヘッド2が構成されてい
る。
【0019】図3は前記回復系13を含むインクジェッ
ト装置のインク流路の概略を示す模式図である。図13
中では、点線で囲まれた部位が回復手段13であり、一
点鎖線で囲まれた部位がキャリッジ3である。図3にお
いて、インクはキャリッジ3に搭載されたインクタンク
51から供給チューブ52を経由して記録ヘッド2に供
給される。キャッピング状態においては、記録ヘッド2
の吐出口82と回復手段13の吸引口(キャップ)53
とはジョントされており、ポンプ54内のピストン部5
5が往復動作することにより負圧を発生させ、記録ヘッ
ド2よりインクを吸引する。
【0020】記録ヘッド2から吸い出されたインクは廃
インクチューブ56を経由して廃インクタンク57に廃
棄される。図示の例では、インクタンク51がキャリッ
ジ3上に設けられ、廃インクタンク57と独立して設け
られているが、両者を一体構造とし、供給用のインクが
無くなったら一緒に交換してしまうように構成してもよ
い。
【0021】記録ヘッド2をキャッピングする際、キャ
ップ53以降を完全な密閉状態にしたままキャッピング
を行なうと、キャッピング動作による加圧によって記録
ヘッド2の液路84内のインクがヘッド内部へ押し戻さ
れる状態(メニスカス落ち)が発生し、記録を再開する
時のインク吐出特性(発一特性)に悪影響を及ぼすこと
がある。このため、キャップ53の後方にキャップ内部
の気圧を調整するための大気連通口58が配設され、弁
59によって該大気連通口58を解放状態(実線位置)
と密閉状態(破線位置)に切り換え得るように構成され
ている。
【0022】通常、キャッピングを行なう時には、先ず
大気連通口58を解放状態にしてキャップ53を記録ヘ
ッド2にジョントさせ、その後に大気連通口58を閉じ
ることにより、キャップ内部の圧力を大気圧と同じ状態
にして密閉(キャッピング)する方法が採られる。弁5
9の切り換えは、制御部60により駆動部61を介して
行なわれる。なお、記録ヘッド2にはヘッド温度検知手
段(例えばサーミスタ)62が設けられており、記録制
御時等における温度管理を行なうことが可能である。
【0023】図4はインクジェット記録装置の回復手段
13の概略構造を示す模式的斜視図である。図4におい
て、回復手段13の内部には、ピストン55を往復動さ
せることによって吸引負圧を発生させるポンプ部54が
設けられており、該ポンプ部54はキャップチューブ7
2によってキャップ53と接続されている。また、ポン
プ部54の底部に設けられた廃インク口には、廃インク
チューブ56が接続されており、ポンプ部54によって
吸引されたインクは廃インクとして排出される。
【0024】キャップ53を支持するキャップホルダー
71は、記録ヘッド2の吐出口82を密閉するキャッピ
ング位置と記録ヘッド2から離れる(退避する)リリー
ス位置との間を移動することができる。このキャップホ
ルダー71には、記録ヘッド2の吐出面81を拭き取り
清掃するための拭き部材(クリーニング部材)69が設
けられている。この拭き部材69は、例えば、エーテル
系ポリウレタンの連続気孔体で形成されている。
【0025】前記拭き部材69が記録ヘッド2とオーバ
ーラップする位置まで前記キャップホルダー71を前進
させた状態で、記録ヘッド2が拭き部材69の前面を左
から右へ通過するようにキャリッジ3を移動させること
により、記録ヘッド2の吐出面81に付着したインクや
不純物などが除去され、記録ヘッド2の吐出安定性が確
保される。さらに、前記キャップホルダー71には、キ
ャリッジロック部70が設けられている。このキャリッ
ジロック部70は、キャリッジ3(場合によっては、記
録ヘッド2)の凹部と嵌合することにより、キャップ5
3に対するキャリッジ3の位置決めと固定を行うための
ものである。
【0026】図5は本発明を適用したインクジェット記
録装置の第1実施例の要部構成を示す模式的平面図であ
る。図5において、摺動軸4に支持されたキャリッジ3
の移動範囲内には、待機位置(記録待機位置)Aとタン
ク交換位置Bが設定されており、通常の待機状態では、
キャリッジ3は回復手段13と対向する待機位置Aに位
置し、この待機位置Aにおいては、通常、キャリッジ3
に搭載された記録ヘッド2はキャップ53によってキャ
ッピングされている。このキャッピング状態においてイ
ンクタンク交換命令(例えば交換用の蓋を開いたことを
検知した時)を受けると、キャリッジ3はタンク交換位
置Bへ移動する。このタンク交換位置Bは、インクタン
ク51を交換し易い任意の位置に設定することができ、
例えば紙送り系21と対向する位置に設定される。
【0027】図6は図5のインクジェット記録装置の外
装を含む模式的斜視図である。図6において、ペーパー
サポータ16を備えたインクジェット記録装置の外装1
5には、インクタンク交換用の蓋17が設けられてお
り、この蓋17を開けることによりインクタンク交換口
18が表れる。このインクタンク交換口18の近傍に
は、タンク交換用の蓋17の開閉状態を検知する蓋セン
サ19が配設されている。この蓋センサ19は、タンク
交換用の蓋17に設けられたセンサ検知部17aによっ
て該蓋17のON、OFF状態を検知できるものであ
り、例えばマイクロスイッチで構成される。
【0028】タンク交換用の蓋17を開けると、待機位
置Aにいたキャリッジ3はタンク交換位置Bであるとこ
ろのインクタンク交換口18に移動して待機するので、
操作者はキャリッジ3上のインクタンク51を交換する
ことが可能である。次に、操作者が蓋17を閉めると、
キャリッジ3は記録待機位置(待機位置)Aへ移動し、
記録ヘッド2はキャッピングされる。
【0029】図7は図5および図6の記録装置における
第1実施例の動作を説明するためのフローチャートであ
る。図7において、キャリッジ3はインクタンク交換用
の蓋17が開いたことを検知するまで記録待機位置Aに
てキャッピングされている(ステップS101〜S10
2)。操作者によって交換用の蓋17が開けられると、
キャリッジ3はタンク交換位置Bへ移動し待機する(ス
テップS103)。この時、キャリッジ3のタンク交換
位置Bでの待機時間Tが設定される(ステップS10
4)。この時間設定は、吐出面81を密閉しない状態で
長時間放置することによる吐出口82の目詰まりを防止
するためのものである。交換用の蓋17が開けられたま
ま設定時間Tが経過すると、キャリッジ3は自動的に記
録待機位置Aへ移動し記録ヘッド2のキャッピングが行
なわれる(ステップS106)。この設定時間Tは例え
ば約5分程度である。
【0030】操作者によりインクタンク51が交換さ
れ、交換用の蓋17が閉じられると(ステップS10
5)、キャリッジ3は記録待機位置Aに移動し(ステッ
プS107)、記録ヘッド2はキャッピングされる(ス
テップS108)。次に、インクタンク51から記録ヘ
ッド2の吐出口82までインクを引き上げるためのイン
ク吸引動作を行ない(ステップS109)、さらに、吐
出面81の汚れや余分なインクを除去して良好な記録を
得るためのクリーニング動作を行なった後、記録待機状
態となって一連の動作を終了する(ステップS110〜
S111)。
【0031】本発明は、図7で説明した第1実施例に限
定されることなく、以下のような種々な態様(実施例)
でも実施することができ、同様の効果あるいはそれ以上
の効果を達成し得るものである。
【0032】図7の第1実施例では、操作者によってイ
ンクタンク交換用の蓋17が開けられることによってキ
ャリッジ3がタンク交換位置Bへ移動し待機したが、第
2実施例として、交換用の蓋17が開けられた時にイン
クエンプティ(インク切れ)であることを検知している
場合にのみ、キャリッジ3がタンク交換位置Bへ移動す
るように制御してもよい。この第2実施例によれば、不
必要なキャップオープン(吐出口82の開放)状態を避
けることにより、吐出口82のインク乾燥の原因を減ら
すことができる。
【0033】図8はこの第2実施例における動作を説明
するためのフローチャートである。図8において、記録
装置は、インクタンク交換用の蓋17の開きを検知し、
さらにインクエンプティ(インクタンク51のインクが
空の状態)であることを検知するまで、記録待機状態を
継続している(ステップS201〜S203)。交換用
の蓋17が開けられた時にインクエンプティを検知して
いれば、キャリッジ3はタンク交換位置Bへ移動する。
それ以降の動作は、図7の第1実施例のステップS10
4〜S111の場合と同じである。
【0034】前述の第1実施例および第2実施例では、
設定時間Tが経過するか、または操作者により蓋17が
閉められた時に、タンク交換位置Bにあるキャリッジ3
が記録待機位置Aに移動しキャッピングを行なうように
構成したが、第3実施例として、キャリッジ3にインク
タンク51の有無を検知する手段を設け、タンク交換位
置Bでインクタンク51が外された後、再びインクタン
ク51が取り付けられたことを検知した時に、キャリッ
ジ3を記録待機位置Aへ移動させてキャッピングするよ
うに構成してもよい。このような第3実施例の構成によ
れば、操作者が交換用蓋17を閉め忘れた場合でも、記
録ヘッド2がキャッピングしない状態(吐出口82を開
放した状態)に放置されることを防止することが可能に
なる。インクタンク51の有無検知手段としては、例え
ば、インクタンク51をキャリッジ3に載せるとONに
なり、キャリッジ3から取り外すとOFFになるよう
な、マイクロスイッチを設けるなどの構成がある。
【0035】図9はこのような第3実施例における動作
を説明するためのフローチャートである。図9におい
て、インクタンク交換用の蓋17が開けられてキャリッ
ジ3がタンク交換位置Bに移動すると(ステップS30
1〜S303)、タンク交換位置Bでの待機時間Tを設
定する(ステップS304)とともに、インクタンク5
1の有り無しフラグの初期値F=1を設定する(ステッ
プS305)。次に、インクタンク51の有無を判別し
(ステップS306)、キャリッジ3上にインクタンク
51が無いことを検知した時にはフラグF=0を設定す
る(ステップS307)。交換用の蓋17が閉じられ
ず、かつ設定時間Tが経過していない場合(ステップS
308〜S309)には、再びステップS306に戻っ
てインクタンク51の有無を判別する。
【0036】ステップS306でキャリッジ3上にイン
クタンク51が有ることを検知したら、フラグFを判別
する(ステップS310)。ここで、フラグF=1な
ら、インクタンク51はキャリッジ3から一度も外され
ていないことになるので、ステップS308へ進む。一
方、F=0なら、インクタンク51がキャリッジ3から
一度脱着されたことになり、新しいインクタンク51が
載せ替えられたものと想定できるので、キャリッジ3を
記録待機位置Aへ移動させる(ステップS311)。そ
れ以降の動作は、図7の第1実施例のステップS108
〜S111の場合と同じである。
【0037】なお、前述の図9の第3実施例では、タン
ク交換位置Bへの移動条件が図7の第1実施例の場合と
同じに設定されているが、この移動条件は、図8の第2
実施例の場合と同じに設定し、第2実施例と組み合わせ
る構成としてもよい。また、図9の第3実施例は、図8
の第2実施例と組み合わせることにより、通常の空のイ
ンクタンク51の交換は、インクエンプティ状態で蓋1
7を開けることによりキャリッジ3を移動させて行な
い、一方、例えばインクエンプティではないが、インク
等に不具合があってインクタンク51を交換したい場
合、あるいはカラー記録用のインクタンクと交換したい
場合などの特殊な状況の時には、キー操作によりキャリ
ッジ3を移動させるなど、状況に応じて使い分けできる
構成を得ることが可能になる。
【0038】以上説明した各実施例では、インクタンク
交換用の蓋17の開閉によりキャリッジ3を移動させた
が、操作者が記録装置に設けられたキーやスイッチを操
作することによりキャリッジ3を移動させるように構成
してもよい。その場合、インクタンク交換用の専用スイ
ッチを設けてもよいし、記録装置の操作パネルの特定キ
ーの組み合わせ等によりキャリッジ3を移動させる構成
にしてもよい。
【0039】図10は、インクタンク交換用の蓋17の
開閉を検知する手段の他の構成例を示す部分斜視図であ
る。前述の第1実施例では、図6に示すように、蓋17
の開閉によりマイクロスイッチ19をON、OFFさせ
るように構成したが、これに代えて、図10に示すよう
に、蓋17に設けた突起17bによりフォトセンサから
成る蓋センサ19を遮断することで、該蓋17の開閉を
検知するように構成してもよい。さらに、交換用蓋17
と外装15のそれぞれに接点を設け、その導通の有無に
よって該蓋17の開閉を検知するように構成してもよ
い。
【0040】図11は本発明を適用したインクジェット
記録装置の他の実施例(第4実施例)の要部構成を示す
模式的平面図である。前述の実施例では、図5および図
6に示すように、タンク交換位置Bを、インクタンク5
1の交換を行ない易い紙送り系21の対向位置すなわち
記録装置の中央付近の位置に設定し、インクタンク交換
用の蓋17を上方へ開くタイプ蓋で構成したが、これに
代えて、図11の第4実施例で示すように、記録装置の
外装の右側壁にインクタンク交換口を設け、キャリッジ
3上のインクタンク51が右側壁の外側に飛び出す位置
をタンク交換位置Bに設定することも可能である。
【0041】図12は図11の第4実施例に係わるイン
クジェット記録装置の外装を含む模式的斜視図である。
図11および図12において、記録待機位置Aはキャリ
ッジ3が回復手段13と対向する位置に設定されてお
り、キャリッジ3がこの待機位置Aにある時に、記録ヘ
ッド2はキャップ53でキャッピングされている。イン
クタンク交換命令を受けると、キャリッジ3は記録装置
の右端に設定されたタンク交換位置Bへ移動する。この
時、記録装置の右側壁に設けられたインクタンク交換口
18よりインクタンク51を飛び出させることによっ
て、操作者はキャリッジ3上のインクタンク51を交換
することができる。
【0042】図11および図12の第4実施例において
は、通常ではインクタンク交換口18は交換用の蓋17
によって閉じられており、操作者により蓋17が開けら
れたことを検知して、キャリッジ3をタンク交換位置B
へ移動させる構成にしてもよく、あるいは、キー操作等
によりタンク交換位置Bへ移動させたキャリッジ3の押
圧によって蓋17を開くように構成してもよい。なお、
キャリッジ3の押圧により蓋17を開く場合には、キャ
リッジ3が記録待機位置Aなど他の位置へ移動した後
に、交換用の蓋17が不図示のバネ等により自動的に閉
じるように構成することが望ましい。また、図11およ
び図12の実施例においても、図7〜図9で説明した第
1実施例〜第3実施例のそれぞれを適宜組み合わせて実
施することができる。
【0043】以上の各実施例では、キャリッジ3に搭載
された交換可能なインクタンク51を用いる場合を例に
挙げて説明したが、本発明は、記録ヘッドとインクタン
クを一体化し、インクが無くなると記録ヘッドごと交換
する使い捨てのヘッドカートリッジを使用するインクジ
ェット記録装置に対しても同様に適用でき、同様の効果
が得られるものである。したがって、本願における「イ
ンクタンク」は、ヘッドカートリッジなど、部分的にイ
ンク貯留部(インクタンク)を有する種々の部品まで含
むものである。このようなヘッドカートリッジを用いる
インクジェット記録装置に本発明を適用する場合は、従
来の構成におけるキャッピング位置でのヘッドカートリ
ッジ交換の際に生じたキャップと記録ヘッドと接触によ
る不具合、例えばキャップと吐出面が擦れて吐出口が傷
つくことによる記録不良などの不具合を防止できる点で
有効である。
【0044】図13は記録ヘッド(吐出ユニット)とイ
ンクタンクを一体化したヘッドカートリッジ20を例示
する模式的外観斜視図である。図13において、20a
はインクを吐出して記録するための吐出ユニット部を示
し、20bはインクを貯留するためのインクタンク部を
示す。ヘッドカートリッジ20には、これを装着する際
にキャリッジ3に設けられたフック(不図示)によって
掛止される爪2001が設けられている。この爪200
1は記録ヘッド全延長の内側に配設されている。また、
ヘッドカートリッジ20の前部の吐出ユニット20aの
近傍には、位置決め用の突当て部(不図示)が設けられ
ている。2002は、キャリッジ3に立設されたフレキ
シブル基板(電気接続部)およびゴムパッドを支持する
ための支持板が挿入されるヘッド開口部である。
【0045】図14は図13に示したヘッドカートリッ
ジ20の分解斜視図であり、図15は図13のヘッドカ
ートリッジ20の吐出ユニット20a側から見た外観斜
視図である。このヘッドカートリッジ20は、記録ヘッ
ド(吐出ユニット)20aとインク供給源たるインク収
容部(インクタンク)20bを一体化したディスポーザ
ブルタイプのものである。
【0046】図14において、2003は、Si基板上
に電気熱変換素子(吐出ヒータ)とこれに電力を供給す
るAl等の配線とが製膜技術により形成されて成るヒー
タボードである。2004は、ヒータボード2003に
対する配線基板であり、対応する配線は例えばワイヤボ
ンディングにより接続される。2005は、インク流路
を限界するための隔壁や共通液室等を設けた天板であ
り、本例においては吐出面を一体に有する樹脂材料で作
られている。2006は例えば金属性の支持体であり、
2007は押さえバネであり、これらの間にヒータボー
ド2003および天板2005を挟み込んだ状態で両者
を係合させることにより、押さえバネ2007の付勢力
によりヒータボード2003と天板2005とを圧着固
定している。なお、配線基板2004は貼着などにより
支持体2006に取り付けられている。また、配線基板
2004には、記録ヘッドの走査を行なうキャリッジ3
への位置決め基準などを設けることができる。さらに、
支持体2006は、吐出ユニット20aの駆動に伴って
ヒータボード2003に発生する熱を放熱冷却する部材
としても機能する。
【0047】2008はサブタンクである。このサブタ
ンク2008は、インク供給源を成すインクタンク部2
0bからインクの供給を受け、ヒータボード2003と
天板2005との接合により形成される共通液室にイン
クを導びくサブタンクとして機能する。2009は共通
液室へのインク供給口付近のサブタンク2008内の部
位に配置されるフィルタ、2010はサブタンク200
8の蓋部材である。
【0048】2011はインクを含浸させるための吸収
体であり、インクタンク部20b内に配置される。20
12は上記各部2003〜2010から成る吐出ユニッ
ト(記録エレメント)20aに対してインクを供給する
ためのインク供給口である。吐出ユニット20aをイン
クタンク部20bの部位2013に配置する前の工程
で、前記インク供給口2012から該インクタンク部2
0b内部へインクを注入することにより吸収体2011
にインクを含浸させることができる。
【0049】2014はインクタンク部20bの蓋部
材、2015はインクタンク部20bの内部を大気に連
通するための大気連通口である。2015Aは大気連通
口2015の内方に配置される撥液部材であり、これに
より大気連通口2015からのインク漏洩が防止され
る。インク供給口2012を介してインクタンク部20
bへのインク充填が終了すると、各部2003〜201
0から成る吐出ユニット20aをインクタンク部20b
の部位2013に位置付けて配設する。この時の位置決
めおよび固定は、例えばインクタンク部20bに設けた
突起2016と、これに対して支持体2006に設けた
穴2017とを嵌合させることにより行なうことがで
き、これによって、図15に示すようなヘッドカートリ
ッジ20が完成する。
【0050】そして、インクは、インクタンク部(カー
トリッジ内部)20bから、インク供給口2012、支
持体2006に設けた孔2018、サブタンク2008
の図14中の裏面に設けた導入口を通してサブタンク2
008内に供給される。さらに、インクは、サブタンク
2008の内部を通った後、導出口から適宜の供給管お
よび天板2005のインク導入口2019を通って共通
液室内へ流入する。以上におけるインク連通用の接続部
には、例えばシリコンゴムやブチルゴム等のパッキンが
配設されており、これにより封止が行なわれてインク供
給路が確保される。本発明は、図13〜図15で説明し
たような記録ヘッド(吐出ユニット)とインクタンクと
を一体化したヘッドカートリッジをキャリッジ3に搭載
する型式のインクジェット記録装置においても、同様に
適用できるものである。
【0051】以上説明した実施例によれば、キャリッジ
3の移動範囲に、記録ヘッド2の吐出口82がキャッピ
ング機構によりキャッピングされる通常の待機位置(記
録待機位置)Aと、インクタンク51または一体型ヘッ
ドカートリッジ20を交換するためのタンク交換位置B
とを設け、記録装置のインクタンク交換用の蓋17を開
けることやキー操作などでキャリッジ3がタンク交換位
置Bへ移動し、インクタンク51または一体型ヘッドカ
ートリッジ20を交換した後、交換用の蓋17を閉める
ことやキー操作などでキャリッジ3が待機位置Aに移動
しキャッピングするように構成したので、キャリッジ3
に搭載されるインクタンク51や一体型ヘッドカートリ
ッジ20を交換する際の、回復手段13の部品等と干渉
しやすく脱着し難いという不都合を解消することがで
き、回復手段13周辺のインクの飛び跳ねによる操作者
の手を汚す可能性や、逆に回復手段13の機構部品に操
作者の手が触れることによる機能障害を誘発する可能性
を防止することができ、さらに、一体型ヘッドカートリ
ッジ20を交換して新しいものを取り付ける際の、記録
ヘッド2の吐出面81をキャップ53に当てたり擦った
りすることによる記録不良の発生を防止することがで
き、これらによって操作性を大幅に向上させ得るインク
ジェット記録装置が提供された。
【0052】なお、以上の実施例では、1個の記録ヘッ
ド2を用いるインクジェット記録装置を例に挙げて説明
したが、本発明は、カラー記録用あるいは階調記載用の
ように複数個の記録ヘッドを用いるインクジェット記録
装置の場合にも同様に適用でき、同様の効果を達成し得
るものである。また、記録ヘッド2を移動させる手段と
してのキャリッジ3は必ずしも必要ではなく、記録ヘッ
ドおよびインクタンクを脱着可能な状態でガイドレール
(摺動軸)4に沿って移動させる構成であってもよい。
【0053】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式のインクジェット記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
【0054】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液
体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0055】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0056】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0057】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる記録ヘッドに対しての回復手段の他に予備的な補
助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定で
きるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリー
ニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれ
とは別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加
熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行
なうことも安定した記録を行なうために有効である。
【0058】また、前述したごとく、搭載される記録ヘ
ッドの種類ないし個数についても、例えば、単色のイン
クに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や
濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けら
れるものであってもよい。すなわち、例えば、記録装置
の記録モードとしては、黒色等の主流色のみの記録モー
ドだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数
個の組み合わせによるか、いずれでもよいが、異なる色
の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも
一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0059】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0060】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0061】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
によれば、キャリッジに搭載された記録手段から被記録
材へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録
装置において、キャリッジに搭載されたインクタンク
と、記録手段の吐出口を覆うためのキャッピング機構
と、記録手段の吐出不良を解消するための回復手段とを
備え、キャリッジは、記録手段の吐出口をキャッピング
するための待機位置と、インクタンクを交換するための
タンク交換位置とを有する構成としたので、キャリッジ
上のインクタンクまたは一体型ヘッドカートリッジを交
換する際の回復手段との干渉を無くすことができ、回復
手段周辺のインクの飛び跳ねによって操作者の手が汚れ
る可能性、並びに操作者の手が回復手段に触れることに
よって回復手段の機能障害を誘発する可能性を防止する
ことができ、さらに、一体型のヘッドカートリッジを交
換する場合の記録手段とキャップとの接触を無くして記
録不良の発生を防ぐことができ、もって、操作性の向上
を図ることが可能なインクジェット記録装置が提供され
る。
【0063】別の本発明によれば、上記構成に加えて、
記録装置の蓋を開けることにより、キャリッジがタンク
交換位置へ移動する構成、インクタンクを交換し、記録
装置の蓋を閉めることにより、キャリッジが通常待機位
置に移動しキャッピングする構成、キャリッジがタンク
交換位置に放置されたまま規定時間が経過すると、キャ
リッジが待機位置に移動しキャッピングする構成、イン
クタンクを交換した後、キャリッジが待機位置に移動し
キャッピングすると回復手段によりインク吸引動作を行
ない、さらに、記録手段のクリーニング動作を行なう構
成、あるいは、キャリッジのタンク交換位置への移動
は、記録装置の蓋が開けられかつインクタンクが空であ
ることを検知した場合にのみ行なう構成としたので、キ
ャリッジ上のインクタンクまたは一体型ヘッドカートリ
ッジを交換する際の回復手段との干渉を無くすことがで
き、回復手段周辺のインクの飛び跳ねによって操作者の
手が汚れる可能性、並びに操作者の手が回復手段に触れ
ることによって回復手段の機能障害を誘発する可能性を
防止することができ、さらに、一体型のヘッドカートリ
ッジを交換する場合の記録手段とキャップとの接触を無
くして記録不良の発生を防ぐことができ、もって、操作
性の向上を図ることができるという効果を、一層効率よ
く達成し得るインクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例を示す模式的斜視図である。
【図2】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を模式
的に示す部分斜視図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置における回復手
段を含むインク流路の構成を示す模式図である。
【図4】図1中の回復手段の構成を模式的に示す一部破
断斜視図である。
【図5】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例の要部構成を示す模式的平面図である。
【図6】図5のインクジェット記録装置の外装を含む模
式的斜視図である。
【図7】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
1実施例の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
2実施例の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図9】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
3実施例の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図10】インクタンク交換用の蓋の開閉検知手段の他
の構成例を示す模式的部分斜視図である。
【図11】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第4実施例の要部構成を示す模式的平面図である。
【図12】図11のインクジェット記録装置の外装を含
む模式的斜視図である。
【図13】記録手段とインクタンクを一体化したヘッド
カートリッジを例示する模式的外観斜視図である。
【図14】記録手段とインクタンクを一体化したヘッド
カートリッジの内部構造を例示する分解斜視図である。
【図15】図14のヘッドカートリッジの吐出ユニット
側から見た外観斜視図である。
【符号の説明】
1 被記録材 2 記録手段(記録ヘッド) 3 キャリッジ 4 摺動軸(ガイドレール) 6 キャリッジ駆動用モーター 8 タイミングベルト 9 プラテン 11 排出ローラ 13 回復手段 15 外装 17 インクタンク交換用の蓋 17a 蓋のセンサ検知部 17b 突起(蓋のセンサ検知部) 18 インクタンク交換口 19 蓋センサ 20 ヘッドカートリッジ 20a 吐出ユニット(記録ヘッド部) 20b インクタンク部 21 紙送り系 51 インクタンク 52 インク供給チューブ 53 キャップ 54 吸引ポンプ 57 廃インクタンク 60 制御部 61 駆動部 62 ヘッド温度検知手段 69 クリーニング部材(拭き部材) 70 キャリッジロック部 71 キャップホルダー 81 吐出面 82 吐出口 83 共通液室 84 液路 85 電気熱変換体 A 記録待機位置 B タンク交換位置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリッジに搭載された記録手段から
    被記録材へインクを吐出して記録を行なうインクジェッ
    ト記録装置において、キャリッジに搭載されたインクタ
    ンクと、記録手段の吐出口を覆うためのキャッピング機
    構と、記録手段の吐出不良を解消するための回復手段と
    を備え、キャリッジは、記録手段の吐出口をキャッピン
    グするための待機位置と、インクタンクを交換するため
    のタンク交換位置とを有することを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  2. 【請求項2】 記録装置の蓋を開けることにより、キ
    ャリッジがタンク交換位置へ移動することを特徴とする
    請求項1のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 インクタンクを交換し、記録装置の蓋
    を閉めることにより、キャリッジが通常待機位置に移動
    しキャッピングすることを特徴とする請求項1のインク
    ジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 キャリッジがタンク交換位置に放置さ
    れたまま規定時間が経過すると、キャリッジが待機位置
    に移動しキャッピングすることを特徴とする請求項1の
    インクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 インクタンクを交換した後、キャリッ
    ジが待機位置に移動しキャッピングすると回復手段によ
    りインク吸引動作を行ない、さらに、記録手段のクリー
    ニング動作を行なうことを特徴とする請求項1のインク
    ジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 キャリッジのタンク交換位置への移動
    は、記録装置の蓋が開けられかつインクタンクが空であ
    ることを検知した場合にのみ行なうことを特徴とする請
    求項1のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 記録手段が、インクを吐出するために
    利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備え
    ているインクジェット記録手段であることを特徴とする
    請求項1のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 記録手段が、電気熱変換体が発生する
    熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用して、
    吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする請求項
    7のインクジェット記録装置。
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