JPH05229139A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JPH05229139A
JPH05229139A JP7009392A JP7009392A JPH05229139A JP H05229139 A JPH05229139 A JP H05229139A JP 7009392 A JP7009392 A JP 7009392A JP 7009392 A JP7009392 A JP 7009392A JP H05229139 A JPH05229139 A JP H05229139A
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JP
Japan
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ink
recording
opening
ink tank
tank
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JP7009392A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Uchikata
佳郎 打方
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】記録ヘッドの吐出口やインクタンクの大気連通
孔からのインク漏れを無くし、インクタンクの容積効率
を向上させ、高速記録を可能にする。 【構成】インクタンクから記録ヘッドへ通じるインク供
給路またはインクタンクの内部を大気に連通する大気連
通路に開閉弁を設け、記録ヘッドからインクを吐出また
は吸引する時に開閉弁を開き、インクタンクの内部にイ
ンク吸収体を充填する場合には該インク吸収体を中空構
造にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録手段から被記録材へ
インクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に
基づいて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(記録媒
体)に画像を記録していくように構成されている。前記
記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイ
ヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分ける
ことができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査するシリアルスキャン方式を採るシリ
アルタイプの記録装置においては、被記録材を所定の記
録位置にセットした後、被記録材に沿って移動する記録
手段(一般に、キャリッジに搭載される)によって画像
を記録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定
量の紙送り(被記録材搬送)を行ない、その後に再び停
止した被記録材に対して、次の行の画像を記録(主走
査)するという動作を繰り返すことにより、被記録材全
体の記録が行なわれる。一方、被記録材の搬送方向の副
走査のみで記録するラインタイプの記録装置において
は、被記録材を所定の記録位置にセットし、一括して1
行分の記録を行なった後、所定量の紙送り(被記録材搬
送)を行ない、さらに、次の行の記録を一括して行なう
という動作を繰り返すことにより、被記録材全体の記録
が行なわれる。
【0004】上記記録装置のうち、インクジェット式の
記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記
録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行な
うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、
高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特
別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニン
グコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が
少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を
記録するのが容易であるなどの利点を有している。中で
も、紙幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの
記録手段を使用するライン型の装置は、記録の一層の高
速化が可能である。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。一
方、被記録材の材質に対する要求も様々なものがあり、
近年では、通常の被記録材である紙や樹脂薄板(OHP
等)などの他に、薄紙や加工紙(ファイリング用のパン
チ孔付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙など)な
どを使用ことが要求されるようになってきた。
【0006】上記インクジェット記録装置においては、
一般に液体のインクを用いるため、インク漏れ等に対す
る設計上の対策が必要である。特に、ワードプロセッサ
やパーソナルコンピューター等の小型化に伴って装置全
体を携帯運搬することが多くなり、装置の姿勢変化や動
揺によるインク漏れを防止することが強く要請されるよ
うになっている。また、上記インクジェット記録装置に
おいては、機構の簡単さの利点から、記録手段としてイ
ンク吐出部とインクタンクとを一体化した交換可能なカ
ートリッジ式のものを使用する方式が注目されており、
このカートリッジ式の記録手段においても、消耗品とし
て流通させることから、姿勢変化や動揺によるインク漏
れを防止する機構を設けることが必要である。
【0007】そこで、記録手段のインク吐出部からのイ
ンク漏れを防ぐ方法として、インクタンク内にインク吸
収体を配設し、このインク吸収体にインクを含浸させ構
成が採られている。すなわち、スポンジ等の多孔質材に
よって形成されたインク吸収体にインクを含浸させるこ
とにより、インク供給時のインク流れに抵抗を与える方
法が採られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
タンクに装填された多孔質の吸収体によってインクを保
持する方法では、該吸収体から記録手段へのインク供給
に抵抗が生じ、記録手段へのインク流速に制限が生じて
記録の高速化の妨げになるという課題があった。また、
記録手段の吐出口等からのインク漏れを防止するために
は、多孔質の吸収体のセルを微細にする必要があり、こ
のことによって、吸収体に含浸するインク容量が低下
し、インクタンクの容積効率が低下するという課題もあ
った。
【0009】さらに、インクタンクのインク取り出し部
(記録手段への供給部)から離れた部分では、インクが
吸収体に取り残されやすくなり、インクの消費効率の低
下を生じるという課題もあった。例えば、セル密度が1
〜2セル/mm程度の吸収体を用いる場合には、インク
タンク容積に対するインク含浸量は約50〜70%程度
であり、そのうち記録に使用できるインク量はインクタ
ンク容積の約30〜60%程度になってしまう。
【0010】本発明は上記技術的課題に鑑みてなされた
ものであり、本発明の目的は、インクタンク内部にイン
ク吸収体を装填しない場合でも、吐出口や大気連通孔か
らのインク漏れを防止することができ、また、インク吸
収体を用いないことから、インクタンクに100%のイ
ンクを充填することができ、インクタンクの容積効率を
向上させことができ、さらに、記録時のインク吸収体等
による流路抵抗が無いことから、記録手段による記録速
度(インク吐出速度)を容易に向上させることができる
インクジェット記録装置を提供することである。
【0011】別の本発明の目的は、インクタンクのイン
ク供給口または大気連通孔からのインク漏れを防止する
ことができ、しかも、インクタンクへのインク充填量を
増大させることによりインクタンクの容積効率を向上さ
せることができるインクジェット記録装置を提供するこ
とである。
【0012】
【課題解決のための手段】本発明は、記録手段から被記
録材へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記
録装置において、インクタンクから記録手段へインクを
供給する供給経路に開閉弁を設け、記録手段からインク
吐出またはインク吸引を行なう時に開閉弁を開く構成と
することにより、インクタンク内部にインク吸収体を装
填しない場合でも、吐出口や大気連通孔からのインク漏
れを防止することができ、また、インク吸収体を用いな
いことから、インクタンクに100%のインクを充填す
ることができ、インクタンクの容積効率を向上させるこ
とができ、さらに、記録時のインク吸収体等による流路
抵抗が無いことから、記録手段による記録速度(インク
吐出速度)を容易に向上させることができるインクジェ
ット記録装置を提供するものである。
【0013】また、本発明は、同様のインクジェット記
録装置において、記録手段にインクを供給するインクタ
ンクの内部を大気に連通する大気連通路を設けるととも
に該大気連通路に開閉弁を設け、記録手段からインク吐
出またはインク吸引を行なう時に開閉弁を開く構成、あ
るいは、インクタンクから記録手段へインクを供給する
供給経路およびインクタンクの内部を大気に連通する大
気連通路に開閉弁を設け、記録手段からインク吐出また
はインク吸引を行なう時に開閉弁を開いて供給経路およ
び大気連通路を開放する構成を採ることにより、インク
タンク内部にインク吸収体を装填しない場合でも、吐出
口や大気連通孔からのインク漏れを防止することがで
き、また、インク吸収体を用いないことから、インクタ
ンクに100%のインクを充填することができ、インク
タンクの容積効率を向上させることができ、さらに、記
録時のインク吸収体等による流路抵抗が無いことから、
記録手段による記録速度(インク吐出速度)を容易に向
上させることができるインクジェット記録装置を提供す
るものである。
【0014】別の本発明は、記録手段から被記録材へイ
ンクを吐出して記録を行なうインクジェット記録装置に
おいて、記録手段にインクを供給するインクタンクの内
部に中空のインク吸収体を配設する構成とすることによ
り、インクタンクのインク供給口または大気連通孔から
のインク漏れを防止することができ、しかも、インクタ
ンクへのインク充填量を増大させることによりインクタ
ンクの容積効率を向上させることができるインクジェッ
ト記録装置を提供するものである。また、別の本発明
は、インク吐出部およびインクタンクを有するカートリ
ッジ式の記録手段から被記録材へインクを吐出して記録
を行なうインクジェット記録装置において、インクタン
クの内部に中空のインク吸収体を配設する構成とするこ
とにより、インクタンクのインク供給口または大気連通
孔からのインク漏れを防止することができ、しかも、イ
ンクタンクへのインク充填量を増大させることによりイ
ンクタンクの容積効率を向上させることができるインク
ジェット記録装置を提供するものである。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置
を使用するのに適した一装置例としての文書作成装置
(ワードプロセッサ)の外観斜視図である。図1におい
て、1は入力装置であるところのキーボード部、2は入
力した文書等を表示する表示器部分である。この表示器
部分2は、回動可能に保持され、非使用時はキーボード
部1に重なるように折たたむことができる。3は記録手
段(記録ヘッド)の動作状態を確認するための視認用開
口に開閉可能に設けられた透明または半透明の保護カバ
ーである。4は拍車を保持するための拍車カバーであ
る。5は給排紙される記録用紙やプラスチック薄板(O
HPフイルム等)などの被記録材を支えるためのペーパ
ーサポータ、6は手動にて被記録材の給排紙を行なうた
めのノブである。
【0016】図2は本発明を適用したインクジェット記
録装置の一実施例の要部構成を示す一部破断斜視図であ
る。図2において、8はインクを吐出して記録を行なう
ための記録手段(記録ヘッド)、9は記録ヘッド8にイ
ンクを供給するためのインクタンク、11は記録ヘッド
8およびインクタンク9を搭載して図2中の矢印S方向
に主走査するためのキャリッジである。21は記録ヘッ
ド部8の電気接続部と装置本体側の制御部とを接続する
ためのフレキシブルケーブルである。なお、記録ヘッド
8およびインクタンク9は、レバー(不図示)等によっ
て操作されるフック(不図示)により、キャリッジ11
に着脱可能に取り付けられている。また、記録ヘッド8
に対する電気接続部は、キャリッジ11に設けられた支
持板(不図示)等により支持されている。
【0017】前記記録ヘッド8は、インクを吐出するた
めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
備えているものであり、具体的には、前記電気熱変換体
が発生する熱エネルギーによってインクに生じる膜沸騰
による気泡の生成を含むインクの状態変化に基づいて吐
出口からインクを吐出するものである。図3は記録ヘッ
ド8のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図で
ある。
【0018】図3において、被記録材と所定の隙間(例
えば、約0.5〜1.5ミリ程度)をおいて対面する吐
出口形成面81には、所定のピッチで複数の吐出口82
が形成され、共通液室83と各吐出口82とを連通する
各液路84の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを
発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が
配設されている。図2のインクジェット記録装置では、
記録ヘッド8は、前記複数の吐出口82がキャリッジ1
1の主走査方向(移動方向)と交叉する方向に並ぶよう
な位置関係で、該キャリッジ11に装着されている。こ
うして、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電
気熱変換体85を駆動(通電)して、液路84内のイン
クを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口
82からインクを吐出する記録ヘッド8が構成されてい
る。
【0019】図2において、23はキャリッジ11を矢
印S方向に案内するためのガイド軸であり、25はガイ
ド軸23が挿通されるキャリッジ11の軸受である。2
7はキャリッジ11を矢印S方向に往復移動させるため
の動力を伝達すべく該キャリッジ11に結合されたタイ
ミングベルト、29Aおよび29Bはタイミングベルト
27を張架するために記録装置の両側部に配置されたプ
ーリ、31は一方のプーリ29Bにギヤ等の伝導機構を
介して連結されたキャリッジモータである。このキャリ
ッジモータ31は前記キャリッジ11の往復動を駆動す
るための駆動源である。
【0020】33は被記録材(以下記録紙ともいう)の
被記録面を規制するとともに記録等に際してこれを搬送
するための搬送ローラであり、搬送モータ35によって
駆動される。37は被記録材をペーパーサポータ5側よ
り記録位置に導くためのペーパーパン、39は被記録材
の送給経路途中に配設されて被記録材を搬送ローラ33
に向けて押圧し搬送力を付与するためのフィードローラ
である。41は記録位置より搬送方向下流側に配置され
被記録材を不図示の排紙口から排出するための排紙ロー
ラである。42は排紙ローラ41に対応して設けられる
拍車であり、被記録材を排紙ローラ41に押圧し該排紙
ローラ41による被記録材の搬送力を生じさせるための
ものである。43は被記録材のセット等に際してフィー
ドローラ39、押さえ板45および拍車42の押圧力を
解除するための解除レバーである。前記押さえ板45
は、記録位置近傍において被記録材の浮き上がり等を抑
制してプラテンローラ33に対する密着状態を確保する
ためのものである。
【0021】図2において、51は、キャリッジ11の
ホームポジションにおいて、記録ヘッド8の吐出口82
を密封(キャッピング)するためのキャップである。こ
のキャップ51は、ゴム状弾性材で形成されており、記
録ヘッド8の吐出口形成面81に対し当接/離脱可能に
支持されている。53はキャッピング状態でキャップ5
1内に負圧を発生させることにより吐出口82からイン
クを吸引するためのポンプである。
【0022】前記キャップ51は、非記録時等における
吐出口82でのインク乾燥や塵埃付着等を防止したり、
吐出口82の目詰まりを解消するための回復処理に際し
て用いられるものである。ここで、回復処理とは、キャ
ップ51を吐出口形成面81に密着させ、ポンプ53を
作動させて吐出口82からインクを吸い出すことによ
り、該インクとともに吐出口内の気泡、塵埃、増粘イン
ク等の付着物などを除去し、吐出不良要因を除去する処
理である。前記ポンプ53はこのような回復処理に使用
されるものである。また、回復処理は、吐出口82をキ
ャップ51と対向させてインクを吐出させる動作(予備
吐出)で行なう場合もある。
【0023】図2において、55は前記ポンプ53によ
って吸い出された(吸引された)廃インクを貯留するた
めのドレインタンク、57はポンプ53とドレインタン
ク55とを接続するドレインパイプである。59は記録
ヘッド8の吐出口周辺に付着したインクや塵埃等を拭き
取り除去するためのワイパーである。前記キャップ51
の吐出口形成面81に対する圧接および離隔、前記ポン
プ53の吸引動作、前記ワイパー59の吐出口形成面8
1と重なる作動位置および該吐出口形成面81から離隔
する退避位置への移動などは、カム61の動作によって
制御される。このカム61の動作はカムモータ63によ
って駆動制御される。
【0024】なお、図2のインクジェット記録装置で
は、別々に形成した記録ヘッド8とインクタンク9をキ
ャリッジ11に搭載しているが、これらの記録ヘッド8
およびインクタンク9を一体化した記録手段(ヘッドカ
ートリッジ)を使用してもよい。また、インクタンク9
としては、変形しない剛体の容器で構成する他、薄膜シ
ート等で形成しインクの量に応じて変形する袋状のタン
クで構成してもよい。
【0025】図4は本発明を適用したインクジェット記
録装置のインク供給系の第1実施例を示す模式図であ
る。このインク供給系は、インクタンクから記録手段
(記録ヘッド)へインクを供給する供給経路に開閉弁を
設け、該記録手段からインク吐出またはインク吸引を行
なう時に前記開閉弁を開くように構成されている。
【0026】図4において、インクタンク9内にはイン
ク65が充填されている。このインクタンク9は、プラ
スチックまたは金属等の薄膜シートなどにより形成さ
れ、インクの量に応じて変形して内部のインクに作用す
る圧力が常に大気圧にほぼ等しくなるように構成されて
いる。インクタンク9内のインク65は、インクタンク
側の供給路66を通り開閉弁67に導びかれる。開閉弁
67は、供給路開閉部68と、該供給路開閉部68を閉
じ側に付勢するバネ69と、通電によりバネ69の付勢
力に抗して前記供給路開閉部68を開き側へ切り換える
ソレノイド70とで構成されている。前記供給路開閉部
68の記録ヘッド8側には、該記録ヘッド8の共通液室
83へ通じる供給路71が接続されている。共通液室8
3は複数の吐出口82に通じている。
【0027】通常では、ソレノイド70に通電されてお
らず、供給路開閉部68はバネ69により閉塞されてい
る。この状態では、例えば、記録装置の姿勢が変化して
インクタンク9側が記録ヘッド8より高くなったり、記
録装置が激しく動揺する時でも、開閉弁67によりイン
ク供給路66、71が遮断(閉塞)されているので、記
録ヘッド8の吐出口82からインクが漏れることはな
い。
【0028】記録を行なう場合、記録領域外でインクを
吐出させる予備吐出を行なう場合、並びに、キャッピン
グ状態でポンプ53を作動させて吐出口82からインク
を吸引する吸引回復処理を行なう場合には、ソレノイド
70に通電して供給路開閉部68をバネ69の付勢力に
抗して開き状態へ切り換えることにより、インクタンク
9内のインク65が記録ヘッド8に供給される。このイ
ンク供給時の流路抵抗は、供給路66、71の壁面にお
ける粘性抵抗が主となるが、その抵抗値はインクタンク
9内に吸収体を設ける従来構造の場合より遙かに小さい
値となる。そのため、高速記録時に記録ヘッド8の吐出
周波数が高くなりインク流量が増える場合でも、流路抵
抗が小さいため充分な流量を確保することができる。な
お、図4の実施例では、インクタンク9をフレキシブル
なシートで形成する例を示したが、このインクタンク9
は変形しない構造としてもよい。
【0029】図5は本発明を適用したインクジェット記
録装置のインク供給系の第2実施例を示す模式図であ
る。このインク供給系は、記録手段(記録ヘッド)にイ
ンクを供給するインクタンクの内部を大気に連通する大
気連通路を設けるとともに該大気連通路に開閉弁を設
け、記録手段からインク吐出またはインク吸引を行なう
時に前記開閉弁を開くように構成されている。
【0030】図5において、インクタンク9はプラスチ
ック等の変形しない材料で形成されている。インクタン
ク9内にはインク65が充填されている。このインクタ
ンク9内のインク65は、インク供給路72を通して記
録ヘッド8の共通液室83へ導かれる。一方、インクタ
ンク9にはその内部を大気に連通させるための大気連通
路73が設けられており、該大気連通路73の他端は開
閉弁74に接続されている。この開閉弁74は、図4中
の開閉弁67と同様の構成を有し、連通路開閉部76
と、該連通路開閉部76を閉じ側に付勢するバネ69
と、通電によりバネ69の付勢力に抗して連通路開閉部
76を開き側へ切り換えるソレノイド70とで構成され
ている。開閉弁74の前記連通路開閉部76の一方は大
気連通口75に通じている。
【0031】ソレノイド70に通電されない状態では、
バネ69の付勢力により連通路開閉部76は大気連通路
73を閉塞する側に保持されている。ソレノイド70に
通電すると、バネ69の付勢力に抗して、連通路開閉部
76は開放側へ切り換えられる。したがって、ソレノイ
ド70に通電することにより、インクタンク9内は大気
圧となる。
【0032】通常では、ソレノイド70に通電されてお
らず、連通路開閉部76はバネ69により閉塞されてい
る。この状態では、例えば、記録装置の姿勢が変化して
インクタンク9側が記録ヘッド8より高くなったり、記
録装置が激しく動揺する時でも、開閉弁74により大気
連通路73が遮断(閉塞)されているので、記録ヘッド
8の吐出口82からインクが漏れることはない。
【0033】記録を行なう場合、記録領域外でインクを
吐出させる予備吐出を行なう場合、並びに、キャッピン
グ状態でポンプ53を作動させて吐出口82からインク
を吸引する吸引回復処理を行なう場合には、ソレノイド
70に通電して連通路開閉部76をバネ69の付勢力に
抗して開き状態へ切り換えることにより、インクタンク
9内のインク65が記録ヘッド8に供給される。このイ
ンク供給時の流路抵抗は、インク供給路72の壁面にお
ける粘性抵抗が主となるが、その抵抗値はインクタンク
9内に吸収体を設ける従来構造の場合より遙かに小さい
値となる。そのため、高速記録時に記録ヘッド8の吐出
周波数が高くなりインク流量が増える場合でも、流路抵
抗が小さいため充分な流量を確保することができる。
【0034】図6は本発明を適用したインクジェット記
録装置のインク供給系の第3実施例を示す模式図であ
る。このインク供給系は、インクタンクから記録手段へ
インクを供給する供給経路およびインクタンクの内部を
大気に連通する大気連通路に開閉弁を設け、記録手段か
らインク吐出またはインク吸引を行なう時に開閉弁を開
いて供給経路および大気連通路を開放するように構成さ
れている。
【0035】図6において、インクタンク9はプラスチ
ック等の変形しない材料で形成されている。インクタン
ク9内にはインク65が充填されている。このインクタ
ンク9内のインク65は、インク供給路66を通して開
放弁77へ導かれる。一方、インクタンク9には、その
内部を大気に連通させるための大気連通路73が設けら
れており、該大気連通路73も前記開閉弁77に接続さ
れている。すなわち、開閉弁77は、2つの通路(イン
ク供給路66と大気連通路73)の両方を同時に開閉す
るように構成されている。
【0036】前記開閉弁77は、前記2つの通路66、
73が接続される通路開閉部78と、該通路開閉部78
を閉じ側に付勢するバネ69と、通電によりバネ69の
付勢力に抗して前記通路開閉部78を開き側へ切り換え
るソレノイド70とで構成されている。前記通路開閉部
78の他側には、記録ヘッド8の共通液室83へ通じる
インク供給路71と大気連通口75に通じる連通路79
との2つの通路が接続されている。なお、前記共通液室
83は複数の吐出口82に通じている。
【0037】ソレノイド70に通電されない状態では、
バネ69の付勢力により通路開閉部78は閉じ側に保持
されており、インク供給路66および大気連通路73の
両方の通路が遮断(閉塞)されている。ソレノイド70
に通電すると、バネ69の付勢力に抗して、通路開閉部
78が開放位置へ切り換えられ、前記インク供給路66
および大気連通路73の両方の通路が開放される。した
がって、ソレノイド70に通電することにより、インク
タンク9内のインク65が記録ヘッド8へ供給すること
が可能となると同時に、インクタンク9内は大気圧とな
る。
【0038】通常では、ソレノイド70に通電されてお
らず、通路開閉部78はバネ69により閉塞位置に保持
され、インク供給路66および大気連通路73とも閉塞
されている。この状態では、例えば、記録装置の姿勢が
変化してインクタンク9側が記録ヘッド8より高くなっ
たり、記録装置が激しく動揺する時でも、開閉弁77に
よりインク供給路66および大気連通路73とも遮断
(閉塞)されているので、記録ヘッド8の吐出口82か
らインクが漏れることはない。
【0039】記録を行なう場合、記録領域外でインクを
吐出させる予備吐出を行なう場合、並びに、キャッピン
グ状態でポンプ53を作動させて吐出口82からインク
を吸引する吸引回復処理を行なう場合には、ソレノイド
70に通電して通路開閉部78をバネ69の付勢力に抗
して上記開放位置へ切り換えることにより、インクタン
ク9内のインク65を記録ヘッド8に供給し得る状態と
なる。このインク供給時の流路抵抗は、インク供給路6
6、71の壁面における粘性抵抗が主となるが、その抵
抗値はインクタンク9内に吸収体を設ける従来構造の場
合より遙かに小さい値となる。そのため、高速記録時に
記録ヘッド8の吐出周波数が高くなりインク流量が増え
る場合でも、流路抵抗が小さいため充分な流量を確保す
ることができる。
【0040】なお、図5の第2実施例と比べ、図6の第
3実施例には、記録装置の姿勢が変化した場合にインク
タンク9内の空気の一部が記録ヘッド8の近傍まで侵入
することを一層確実に防止できるという長所がある。ま
た、前述の各実施例では、開閉弁67、74、77の開
閉動作をソレノイド70によって行ったが、これはカム
とその駆動装置の組み合わせで行ってもよく、弁の開放
および閉塞を切り換える機構であれば種々の機構を使用
することができる。
【0041】記録時に開閉弁67、74、77の開閉を
制御するタイミングとしては、例えば、記録装置の制御
部に記録データや制御データが送られてきた時点あるい
はその時点の所定時間後に開閉弁67、74、77を開
放し、前記制御部に記録終了を示すデータ(例えばフォ
ームフィードコード)が送られた時点またはその所定時
間後に開閉弁67、74、77を閉じるように制御して
もよいし、キャリッジ11が移動しインク吐出動作(記
録動作)が行なわれる直前あるいはその所定時間前の時
点で開閉弁67、74、77を開放し、キャリッジ11
の移動が終了しインク吐出動作(記録動作)が終了した
直後あるいはその所定時間経過後の時点で開閉弁67、
74、77を閉塞するように制御してもよい。さらに
は、これらの制御タイミングの間の適当な時点で開閉弁
67、74、77を開閉制御してもよい。
【0042】また、記録以外の時点で、記録ヘッドの吐
出性能を回復または維持するために、吐出口82からイ
ンクを吐出させたり吸引する場合に、前記開閉弁67、
74、77の開閉を制御するタイミングとしては、吐出
または吸引の処理を行なう直前あるいはこれより所定時
間前に開閉弁を開き、当該処理が終了した直後あるいは
それから所定時間経過後に前記開放弁を閉塞するように
制御すればよい。さらに簡便な開閉動作としては、記録
装置の電源オンの時に開閉弁67、74、77を開放
し、電源オフの時に該開放弁を閉塞するように制御して
もよい。ただし、電源のオン・オフで開放弁を開閉する
場合は、インク漏れを確実に防止するためには、例えば
記録装置の姿勢を検出するセンサ等を設け、このセンサ
の状態に応じて前記開閉弁を開閉制御することが好まし
い。
【0043】以上図4〜図6で説明した実施例によれ
ば、インクタンク9から記録ヘッド8へのインク供給経
路66の途中またはインクタンク9の大気連通路73の
途中、あるいはこれら両方の位置に開閉弁67、74、
77を設け、記録ヘッド8からのインク吐出あるいはイ
ンク吸引の際に該開閉弁を開放し、それ以外の時には該
開閉弁を閉じるように制御するので、記録装置の姿勢が
変化したり動揺が激しい場合でも、記録ヘッド8の吐出
口82またはインクタンク9の大気連通路73からのイ
ンク漏れを防止することができ、記録装置を携帯搬送す
る時の取り扱い性を向上させることができる。
【0044】また、インクタンク9内にインク吸収体を
設ける必要が無いので、インクタンク9に対するインク
の充填効率を高めることができ、記録装置の小型化およ
びランニングコストの低減を図ることが可能となる。さ
らに、インクタンク9内にインク吸収体を設けないの
で、インクタンク9から記録ヘッド8までのインク経路
における流路抵抗が小さくなり、記録ヘッド8の高速吐
出が可能となり、高速記録に容易に対応することが可能
となる。なお、以上説明したインク供給系の構成は、記
録ヘッドとインクタンクを一体化したヘッドカートリッ
ジを使用する場合、記録ヘッドとインクタンクを別々に
設ける場合、さらには別体のインクタンクを装置本体側
に設置したりキャリッジに搭載したりする場合にも同様
に実施でき、同様の作用効果が得られるものである。
【0045】図7は本発明を適用したインクジェット記
録装置の他の実施例の要部構成を示す一部破断斜視図で
ある。図7のインクジェット記録装置では、記録手段
(記録ヘッド)8とインクタンク9とを一体化したヘッ
ドカートリッジ10がキャリッジ11に着脱可能に搭載
されている。キャリッジ11には、ヘッドカートリッジ
10を取付けるためのフック13、該フック13を操作
するためのレバー15、ヘッドカートリッジ10に対す
る電気接続部を支持する支持板19などが設けられてい
る。図7のインクジェット記録装置は、以上の点で図2
のインクジェット記録装置と相違しており、その他の部
分では実質上同じ構成している。したがって、対応する
部分をそれぞれ同一符号で示し、それらの詳細説明は省
略する。
【0046】図8は図7中のヘッドカートリッジ10の
外観斜視図である。図8のヘッドカートリッジ10は記
録手段(記録ヘッド)8とインクタンク9を一体化した
構造を有する。図8において、ヘッドカートリッジ10
には、キャリッジ11に装着する際に前記フック13に
よって掛止される爪91が設けられている。この爪91
は、図示のように、記録ヘッド8の延長線の内側に配置
されている。また、ヘッドカートリッジ10の前部の記
録ヘッド(インク吐出ユニット)8の近傍には、不図示
の位置決め用の突き当て部が設けられている。さらに、
ヘッドカートリッジ10には、キャリッジ11に立設さ
れたフレキシブル基板(電気接続部)およびゴムパッド
を支持するための支持板19が挿入されるヘッド開口部
92が形成されている。
【0047】図9は上記ヘッドカートリッジ10の分解
斜視図であり、図10はヘッドカートリッジ10を記録
ヘッド8側から見た斜視図である。このヘッドカートリ
ッジ10は、前述のようにインク供給源たるインク収容
部(インクタンク)9を一体化したディスポーザブルタ
イプのものである。図9において、93はヒータボード
であり、このヒータボード93は、Si基板上に、電気
熱変換素子(吐出ヒータ)とこれに電力を供給するアル
ミ等の配線とを成膜技術により形成した構造をしてい
る。94はヒータボード93に対する配線基板であり、
対応する配線は例えばワイヤボンディングにより接続さ
れる。95はインク流路を限定するための隔壁や共通液
室83等を設けた天板であり、本実施例では、吐出口プ
レート部を一体に有する樹脂材料で形成されている。
【0048】図11は前記天板95の斜視図である。図
11に示すように、天板95の一部には吐出口形成面8
1が形成され、該吐出口形成面81には必要な記録密度
に対応して複数の吐出口82が形成されている。また、
天板95には、供給されるインクを共通液室に導びくた
めのインク導入口96が設けられている。
【0049】図9において、97は例えば金属製の支持
体であり、98は押さえバネであり、両者の間にヒータ
ーボード93および天板95を挟み込んだ状態で両者を
係合させることにより、押さえバネ98の付勢力によっ
てヒーターボード93と天板95とを圧着固定するよう
に構成されている。なお、前記支持体97には、前記配
線基板94が貼着等により一体的に接合される。また、
支持体97は、記録動作等に伴って生じるヒーターボー
ド93の熱を放熱冷却する部材としても機能する。
【0050】図9において、99は供給タンクであり、
この供給タンク99は、インク供給源をなすインク貯留
部(インクタンク)9からのインク供給を受け、ヒータ
ーボード93と天板95との接合により形成される共通
液室83(図3)にインクを導びくサブタンクとして機
能する。共通液室83へのインク供給口付近のサブタン
ク99内の部位にはフィルタ100が配置されている。
101は供給タンク99の蓋部材である。インクタンク
(インク貯留部)9の内部には、インクを含浸させるた
めのインク吸収体102が配置されている。
【0051】103は上記各構成部品からなる記録ヘッ
ド(吐出ユニット)8に対してインクを供給するための
供給口であり、該記録ヘッド8をインクタンク9の部分
104に配置する前の工程で、該供給口103からイン
クを注入することによりインク吸収体102にインクを
含浸させることができる。105はヘッドカートリッジ
10の蓋部材であり、106はインクタンク9の内部を
大気に連通するための大気連通口である。
【0052】図9において、供給口103を介してのイ
ンクタンク9内へのインク充填が終了すると、上記各構
成部品よりなる記録ヘッド(吐出ユニット)8を該イン
クタンクの前記部分104に取り付ける。この時の記録
ヘッド8の位置決め固定は、例えばインクタンク9に設
けた突起107と、これに対応して支持体97に設けた
孔108とを嵌合させて行なうことができ、これによっ
て図10に示すようなヘッドカートリッジ10が完成す
る。
【0053】インクタンク9内インクは、インク供給管
109を通して供給タンク(サブタンク)99内に供給
され、その内部を通った後、導出口より適宜の供給管お
よび天板95のインク導入口96を通して、記録ヘッド
8の共通液室93(図3)へ流入する。以上におけるイ
ンク連通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチル
ゴム等パッキンが配置され、これによって封止が行なわ
れてインク供給路が確保される。
【0054】図12は上記ヘッドカートリッジ10のイ
ンクタンク9の断面図である。図12において、インク
タンク9の内部には、多孔質材から成るインク吸収性に
優れたインク吸収体102が配設されている。このイン
ク吸収体102は、図示のように、上面開放の容器状の
凹体部分111と平坦部分112とから成り、凹体部分
111の開放端面に平坦部分112を接着等で接合一体
化することにより内部に密閉空間113を有する中空構
造となっている。114は凹体部分111と平坦部分1
12との接合部を示す。インクタンク9内のインクは、
インク吸収体102および内部空間(中空部)113に
保持されている。
【0055】インクタンク9の記録ヘッド8側に形成さ
れた供給口103には、フィルタ100を介してインク
供給管109が接続されている。インクタンク9内のイ
ンクは、インク吸収体102、フィルタ100およびイ
ンク供給管109を通して、記録ヘッド8へ供給され
る。前記インク吸収体102はインク供給管109の端
部に対して所定の圧力で押圧されるように配設されてお
り、インク吸収体102以外の部分からインク供給管1
09へのインク流入を抑制するように構成されている。
また、インクタンク9の所定位置には、インクタンク9
の内部を大気に連通するための大気連通口106が設け
られている。
【0056】インク吸収体102自体のインク保持量
(インク含浸量)は、多孔質材のセル密度が1.2セル
/mmの場合、体積比で約65%程度を取ることができ
た。そして、このようなインク吸収体102を図示のよ
うにインクタンク9の内面に沿って配設するとともに、
中空部(空間)113のインクタンク容積に対する比率
を50%にすると、インクタンク9内に保持されるイン
クのインクタンク容積に対する比率を80%以上にする
ことができた。
【0057】図12について説明したインクタンク9に
よれば、インク吸収体102および中空部113に保持
されたインクは、該インク吸収体102の流路抵抗によ
り、供給口103からの流出を抑制されている。すなわ
ち、インク吸収体102の流路抵抗によって記録ヘッド
8への急激なインク流出が防止されているので、該記録
ヘッド8の吐出口82(図3、図11)からのインク漏
れを防止することができる。また、インクタンク9内の
インク吸収体102を中空構造にしたので、インクタン
ク9のインク容量(容積効率)を大きくすることが可能
になり、インクタンクの小型化を図ることができるとと
もに、ヘッドカートリッジ1個当たりのインク容量の増
大によるランニングコストの低減を図ることが可能にな
った。なお、図示の実施例では、記録ヘッド8とインク
タンク9を一体化したヘッドカートリッジ10の場合を
例示したが、上記インク吸収体102の構成は、記録ヘ
ッドとインクタンクを別々に設ける場合にも同様に実施
することができ、その場合にも同様の作用効果を達成す
ることができるものである。また、インクタンクをキャ
リッジに搭載する場合、あるいは装置本体側に設置する
場合にも同様に実施でき、同様の効果が得られるもので
ある。
【0058】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式のインクジェット記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
【0059】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一対応し液体
(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0060】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0061】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0062】さらに、記録装置が記録できる被記録材
(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有するフルライ
ンタイプの記録ヘッドに対しても、本発明は有効に適用
できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッ
ドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体
的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれ
でもよい。加えて、上例のようなシリアルタイプのもの
でも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置
本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装
置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチッ
プタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体
的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記
録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0063】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは
別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
ことも安定した記録を行なうために有効である。
【0064】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば、単色のインクに対応して1個
のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個数設けられるものであって
もよい。すなわち、例えば、記録装置の記録モードとし
ては、黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、
記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせに
よるか、いずれでもよいが、異なる色の複色カラー又
は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装
置にも本発明は極めて有効である。
【0065】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0066】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0067】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
によれば、記録手段から被記録材へインクを吐出して記
録を行なうインクジェット記録装置において、インクタ
ンクから記録手段へインクを供給する供給経路に開閉弁
を設け、記録手段からインク吐出またはインク吸引を行
なう時に開閉弁を開く構成としたので、インクタンク内
部にインク吸収体を装填しない場合でも、吐出口や大気
連通孔からのインク漏れを防止することができ、また、
インク吸収体を用いないことから、インクタンクに10
0%のインクを充填することができ、インクタンクの容
積効率を向上させることができ、さらに、記録時のイン
ク吸収体等による流路抵抗が無いことから、記録手段に
よる記録速度(インク吐出速度)を容易に向上させるこ
とができるインクジェット記録装置が提供される。
【0069】また、本発明によれば、記録手段から被記
録材へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記
録装置において、記録手段にインクを供給するインクタ
ンクの内部を大気に連通する大気連通路を設けるととも
に該大気連通路に開閉弁を設け、記録手段からインク吐
出またはインク吸引を行なう時に開閉弁を開く構成、あ
るいは、インクタンクから記録手段へインクを供給する
供給経路およびインクタンクの内部を大気に連通する大
気連通路に開閉弁を設け、記録手段からインク吐出また
はインク吸引を行なう時に開閉弁を開いて供給経路およ
び大気連通路を開放する構成としたので、インクタンク
内部にインク吸収体を装填しない場合でも、吐出口や大
気連通孔からのインク漏れを防止することができ、ま
た、インク吸収体を用いないことから、インクタンクに
100%のインクを充填することができ、インクタンク
の容積効率を向上させることができ、さらに、記録時の
インク吸収体等による流路抵抗が無いことから、記録手
段による記録速度(インク吐出速度)を容易に向上させ
ることができるインクジェット記録装置が提供される。
【0070】別の本発明によれば、記録手段から被記録
材へインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録
装置において、記録手段にインクを供給するインクタン
クの内部に中空のインク吸収体を配設する構成としたの
で、インクタンクのインク供給口または大気連通孔から
のインク漏れを防止することができ、しかも、インクタ
ンクへのインク充填量を増大させることによりインクタ
ンクの容積効率を向上させることができるインクジェッ
ト記録装置が提供される。さらに別の本発明によれば、
インク吐出部およびインクタンクを有するカートリッジ
式の記録手段から被記録材へインクを吐出して記録を行
なうインクジェット記録装置において、インクタンクの
内部に中空のインク吸収体を配設する構成としたので、
インクタンクのインク供給口または大気連通孔からのイ
ンク漏れを防止することができ、しかも、インクタンク
へのインク充填量を増大させることによりインクタンク
の容積効率を向上させることができるインクジェット記
録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置を使
用するのに好適な一装置例としての文書作成装置の外観
斜視図である。
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例の要部構成を示す一部破断斜視図である。
【図3】図1中の記録手段のインク吐出部の構造を模式
的に示す部分斜視図である。
【図4】本発明を適用したインクジェット記録装置のイ
ンク供給系の第1実施例の構成を示す模式図である。
【図5】本発明を適用したインクジェット記録装置のイ
ンク供給系の第2実施例の構成を示す模式図である。
【図6】本発明を適用したインクジェット記録装置のイ
ンク供給系の第3実施例の構成を示す模式図である。
【図7】本発明を適用したインクジェット記録装置の他
の実施例の要部構成を示す一部破断斜視図である。
【図8】図7中のヘッドカートリッジの外観斜視図であ
る。
【図9】図7中のヘッドカートリッジの分解斜視図であ
る。
【図10】図9のヘッドカートリッジを吐出口側から見
た外観斜視図である。
【図11】図9中の記録手段の天板の斜視図である。
【図12】本発明を適用したインクジェット記録装置の
インクタンクの一実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 キーボード部 2 表示器部分 8 記録ヘッド(記録手段) 9 インクタンク 10 ヘッドカートリッジ 11 キャリッジ 13 フック 15 レバー 19 支持板 23 ガイド軸 27 タイミングベルト 31 キャリッジモータ 33 搬送ローラ 35 搬送モータ 39 フィードローラ 41 排紙ローラ 51 キャップ 53 ポンプ 59 ワイパー 61 カム 63 カムモータ 65 インク 66 インク供給路 67 開閉弁 68 供給路開閉部 69 バネ 70 ソレノイド 71 インク供給路 72 インク供給路 73 大気連通路 74 開閉弁 75 大気連通口 76 連通路開閉部 77 開閉弁 78 通路開閉部 81 吐出口形成面 82 吐出口 83 共通液室 85 電気熱変換体 93 ヒーターボード 95 天板 96 インク導入口 100 フィルタ 102 インク吸収体 103 供給口(インクタンク) 106 大気連通口 109 インク供給管 111 凹体部分(インク吸収体) 112 平坦部分(インク吸収体) 113 空間(中空部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/05 9012−2C B41J 3/04 103 B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行なうインクジェット記録装置において、イ
    ンクタンクから記録手段へインクを供給する供給経路に
    開閉弁を設け、記録手段からインク吐出またはインク吸
    引を行なう時に開閉弁を開くことを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  2. 【請求項2】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行なうインクジェット記録装置において、記
    録手段にインクを供給するインクタンクの内部を大気に
    連通する大気連通路を設けるとともに該大気連通路に開
    閉弁を設け、記録手段からインク吐出またはインク吸引
    を行なう時に開閉弁を開くことを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  3. 【請求項3】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行なうインクジェット記録装置において、イ
    ンクタンクから記録手段へインクを供給する供給経路お
    よびインクタンクの内部を大気に連通する大気連通路に
    開閉弁を設け、記録手段からインク吐出またはインク吸
    引を行なう時に開閉弁を開いて供給経路および大気連通
    路を開放することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記
    録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項4のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行なうインクジェット記録装置において、記
    録手段にインクを供給するインクタンクの内部に中空の
    インク吸収体を配設することを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  7. 【請求項7】 インク吐出部およびインクタンクを有
    するカートリッジ式の記録手段から被記録材へインクを
    吐出して記録を行なうインクジェット記録装置におい
    て、インクタンクの内部に中空のインク吸収体を配設す
    ることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項6または7のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項8のインクジェット記録装置。
JP7009392A 1992-02-21 1992-02-21 インクジェット記録装置 Pending JPH05229139A (ja)

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JPH05229139A true JPH05229139A (ja) 1993-09-07

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JP7009392A Pending JPH05229139A (ja) 1992-02-21 1992-02-21 インクジェット記録装置

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JP (1) JPH05229139A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10138506A (ja) * 1996-11-14 1998-05-26 Seiko Epson Corp インクジェット記録装置およびバルブ機構
JPH10157154A (ja) * 1996-11-28 1998-06-16 Tec Corp インクジェットプリンタのインク供給装置
JP2007144806A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Brother Ind Ltd インクカートリッジ
JP2016221846A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 キヤノン株式会社 記録装置及び制御方法

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