JP2005111690A - インクジェット記録ヘッド用キャップ及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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謙治 重野
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Abstract

【目的】部品点数の増加や追加部品による占有スペースの増大化を招くことなく、小型かつ低コストで、記録ヘッドの吐出口面に付着するインクを極力低減できるインクジェット記録ヘッド用キャップを提供する。
【構成】キャップ35内に装填されたインク吸収材39、44の記録ヘッド3と対向する部位に、記録ヘッドの吐出口列と平行に形成された稜線39d、44dを頂上とした傾斜面39b、44b、39c、44cで形成された突出部39a、44aを設け、吐出されるインクがインク吸収材に着弾する際に生じるインクミストの跳ね返り方向を突出部の形状によって制御し、それによって吐出口近傍へのインクミスト付着を低減する。
【選択図】 図10

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするためのインクジェット記録ヘッド用キャップ及びインクジェット記録ヘッドから被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの機能を有する複合機器の出力装置である記録装置の一形態として、記録手段としてのインクジェット記録ヘッドから記録紙等の被記録材(記録媒体)へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置が使用されている。このインクジェット記録装置は、構成が比較的簡単であり、ノンインパクト方式のために低騒音で記録することができ、小型化が容易であり、高密度かつ高速な記録を容易に行うことができる記録装置である。
インクジェット記録装置は、上記のような優れた記録方式であるが、一方解決すべき課題も存在する。すなわち、インクジェット記録装置においては、長期間使用されない場合や、使用されても多数の吐出口のうちの特定の吐出口から稀にしか吐出を行わない場合には、記録ヘッドの吐出口やインク流路やインク室内でのインク成分の蒸発により、インクが増粘又は固着して吐出不良となることがある。また、記録紙への印刷に伴って、吐出口が形成された記録ヘッドの吐出口面にインク滴や塵埃等が付着し、吐出されるインク液滴がこれらの付着物に引っ張られて吐出方向が不安定化することもある。
これらの不具合を解消するために、インクジェット記録装置では、記録ヘッドのインク吐出性能を維持、回復するための処理が行われており、そのための回復手段を有する回復装置(吐出回復装置)を具備する構成が採られている。回復装置による回復処理(吐出不良防止処理)としては、記録の前にインク受け部に向けてインクを吐出して吐出口内の増粘インク等を除去排出する予備吐出や、吐出口からのインク中溶剤の蒸発を防止するために吐出口をキャップで密閉するキャッピング、キャッピング状態で吐出口や共通液室からインクを吸引することにより吐出口内の増粘インクや気泡等の異物を除去排出するインク吸引(吸引回復処理)や、インクタンク交換時に混入する気泡等を排除するためのインク吸引、吐出口面に付着したインクやほこり等の異物を拭き取り清掃するワイピングなどが行われている。
このような回復処理(回復手段)を実行する際に発生する問題として、記録紙等の被記録材(記録媒体)に対向する記録ヘッドの吐出口面における吐出口回りのインク汚れが挙げられる。すなわち、吐出口近傍に不要なインク滴が付着すると、インク吐出方向が正規の方向からずれる所謂「ヨレ」や、吐出できなくなる「不吐出」などの不都合が生じ、記録画質の劣化を招く原因となるため、その解決策が求められている。吐出口近傍のインク汚れ発生の原因としていくつかの要因が考えられるが、その一つに、キャップを吐出口面に当接させて吐出口からインクを吸引した後に当該キャップを離すときに発生するものがある。つまり、吸引回復処理に伴って吐出口面にインク滴が残留することである。
これは、吸引動作を行うことでキャップ内にインクが充填された状態となり、その状態でキャップを吐出口面から離すと吐出口面に接触していたインクが吐出口面に残ってしまうからである。これを防ぐためには吐出口面に撥液処理を施せばよいが、それでもインク残留を完全に無くすことは難しい。また、吸引動作後にキャップを吐出口面から離す際に吐出口面側に付着残留するインクを減少させるために、多孔質の樹脂や不織布でできた薄板状のインク吸収材をキャップ内に装着することが行われている。これは、インク吸収材がないと、キャップ内インクを排除するためにキャップを開けた状態で吸引動作を行った場合、キャップ内の排出口の直近のインクのみが吸引され、吐出口(吐出口列)回りのインクが十分に吸引されずに残るからである。すなわち、キャップ内にインク吸収材を設けておけば、負圧が緩やかにキャップ内全域に作用し、キャップ内のインクが均等に吸い出されていくからである。
回復処理に伴って吐出口面にインクが付着残留する他の原因に、予備吐出に起因するインクミストの発生がある。つまり、吸引動作後に吐出口内に引き込まれたインク(特に複数色のインクが吐出口内に侵入して混在する混色インク)を排出するために吐出口列からインクを吐出する予備吐出が行われるが、この予備吐出によって発生したインクミストが吐出口面に付着する場合である。吸引動作の後、特に複数色を一括で吸引した後には、吐出口に異なる種類あるいは混在インクが侵入するため、その混在インク(混色インク)を排出するための手段として、所定のインク受け部(予備吐出受け部)に向けてインクを吐出する予備吐出動作が行われる。その場合、最近のインクジェット記録装置では、記録画像の高画質化(高解像度化)に伴って、吐出口も極小サイズのインク滴を吐出可能なように小径になりつつあるため、吐出口から吐出されるインクミストの液滴もますます微小ミストになり、あらゆるところに舞い上がったり浮遊したりして各部分に付着しやすくなっている。特に吐出口面は、予備吐出を行う際に一番近い面であるため、予備吐出後に浮遊しているミストや、予備吐出によりインク吸収材で跳ね返ったミストなどが付着しやすく、汚れやすい箇所でもある。
かかる課題の解決手段として、ゴム等の弾性部材で形成された払拭部材(ワイピング部材)としてのブレード(もしくはワイパーともいう)によって、吐出口面を拭き取り清掃(ワイピング)する方法が採用されている。ワイピングの手法としては、静止させたブレードに対して記録ヘッドを走査(移動)させることにより吐出口面をワイピングする方法や、静止させた記録ヘッドに対してブレードを並進運動もしくは回転運動させて吐出口面をワイピングする方法などがある。ここで、必要以上にブレードと記録ヘッドとが接触することを防ぐ目的で、前者の場合には例えばブレードを記録ヘッドに向けて突出可能に支持し、記録ヘッドの一方向の走査時にのみ突出位置に設定し、他方向の走査時には後退位置に設定するような構成が採用されている。
また、後者の場合には、主走査方向と直交する方向に延在するブレードを並進往復動もしくは回動往復動するとともに、記録ヘッドをブレードの移動経路に対して出し入れ可能とし、例えば往復動の往動作時にのみワイピングを行う場合にはその間だけ当該位置に記録ヘッドを設定し、復動作の際には記録ヘッドを当該位置から退避させるような構成が採用されている。しかしながら、吐出口面のインク残留量が多い場合には、吐出口面を拭うブレードにインクが多量に付着することになったり、ワイピングの必要回数が増えることで該ブレード自体の劣化が早まったり、記録ヘッドの吐出口面の撥水処理の劣化を引き起こしたりする。そのため、記録ヘッドの吐出口面にインクミスト等によるインク滴を極力付着させないことが要請される。
従来、上記のような技術的課題に対しては、特願平9−314054号公報に開示されているように、回復動作時に、キャップ内のキャップインク吸収材を記録ヘッドの吐出口面に極力近接させることにより、回復動作後の吐出口面の吐出口近傍に残留するインク滴を低減させ、吐出口周りのインク汚れを軽減する対策案が提案されている。また、インクミストの発生や吐出口面の汚れを防止する対策として、特願平11−246497号公報や特願2001−121515に開示されているように、予備吐出受け部におけるインク吸収材を特定な形状とすることによりインクミストの対流(跳ね返り方向など)を制御することで、浮遊ミストを的確にインク吸収材に吸収させる提案がなされている。
特願平9−314054号公報 特願平11−246497号公報 特願2001−121515
しかしながら、インクジェット記録装置においては、最近小型化及び低コスト化に対する要請がますます強くなっているため、記録ヘッドの走査方向における記録装置のサイズを大きくするような予備吐出専用の予備吐出受部を設ける構成は不採用の方向にあり、専用の予備吐出受け部の代わりに回復装置のキャップを利用する構成などを採用することで装置のコンパクト化及び低コスト化を実現する方向にある。そのため、キャップ内のインク吸収材をコストをかけずに機能アップすることが求められている。つまり、インク吸収材を含むキャップの構成を改良することにより、キャップ内に予備吐出されるインクに起因する浮遊ミストや跳ね返りミストが吐出口面に付着したり転移したりすることを極力阻止(軽減)できる構成を実現させることが要請されている。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、部品点数の増加や追加部品による占有スペースの増大化を招くことなく、小型かつ低コストで、記録ヘッドの吐出口面に付着するインクを極力低減できるインクジェット記録ヘッド用キャップ、及びインクジェット記録装置を提供することである。
第1の本発明は、上記目的を達成するため、インクジェット記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするためのインクジェット記録ヘッド用キャップにおいて、キャップ内部に装填されたインク吸収材を有し、該インク吸収材のキャッピング時に前記吐出口面の吐出口と対向する部位に突出部が形成され、前記吐出口から吐出されるインクが前記インク吸収材に着弾する際に生じるインクミストの跳ね返り方向を前記突出部の形状によって制御することを特徴とする。この場合、前記インク吸収材の突出部は、複数の吐出口から成る吐出口列に対向する位置に該吐出口列と平行な稜線を有し、該稜線を頂上とした傾斜平面又は傾斜曲面で形成される構成とすることが好ましい。
第2の本発明は、上記目的を達成するため、インクジェット記録ヘッドから被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、上記第1の発明に係るインクジェット記録ヘッド用キャップと、該キャップにより前記インクジェット記録ヘッドをキャッピングした状態で前記吐出口からインクを排出させる回復手段と、を具備することを特徴とする。この場合、前記回復手段は、前記キャップを介して吸引力を作用させることにより前記吐出口からインクを排出させる吸引手段を有する構成とするのが好ましい。
上記第1の本発明に係るインクジェット記録ヘッド用キャップによれば、キャップ内部に装填されたインク吸収材を有し、該インク吸収材のキャッピング時に前記吐出口面の吐出口と対向する部位に突出部が形成され、前記吐出口から吐出されるインクが前記インク吸収材に着弾する際に生じるインクミストの跳ね返り方向を前記突出部の形状によって制御する構成としたので、部品点数の増加や追加部品による占有スペースの増大化を招くことなく、小型かつ低コストで、記録ヘッドの吐出口面に付着するインクを極力低減できるインクジェット記録ヘッド用キャップが提供される。この場合、前記インク吸収材の突出部は、複数の吐出口から成る吐出口列に対向する位置に該吐出口列と平行な稜線を有し、該稜線を頂上とした傾斜平面又は傾斜曲面で形成される構成とすれば、一層効率よく上記効果を奏することができる。
また、上記第2の本発明に係るインクジェット記録装置によれば、上記第1の発明に係るインクジェット記録ヘッド用キャップと、該キャップにより前記インクジェット記録ヘッドをキャッピングした状態で前記吐出口からインクを排出させる回復手段と、を具備する構成とするので、部品点数の増加や追加部品による占有スペースの増大化を招くことなく、小型で低コストで、記録ヘッドの吐出口面に付着するインクを極力低減できるインクジェット記録装置が提供される。この場合、前記回復手段は、前記キャップを介して吸引力を作用させることにより前記吐出口からインクを排出させる吸引手段を有する構成とすれば、一層効率よく上記効果を奏することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置の内部構成を示す模式的斜視図である。図1において、インクジェット記録装置1は、駆動源である不図示のキャリッジモータと、記録手段としてのインクジェット記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2と、前記キャリッジモータによりキャリッジ2を両矢印A方向に往復移動させる伝動機構4と、記録紙等の被記録材Pを装置本体内部(エンジン部)へ供給するための給紙機構5と、搬送(紙送り)ローラ14等から成る搬送機構(紙送り機構)と、記録ヘッド3の吐出回復処理を行うため回復手段を有する回復装置10と、を備えている。
インクジェット記録装置1においては、記録紙Pは給紙機構5によって送り込まれ、搬送ローラ14の駆動により記録部を通して搬送される間に記録ヘッド3によって所定の記録が行われる。キャリッジ2に装着されたインク貯留部としてのインクカートリッジ6は、記録ヘッド3が搭載されたキャリッジ2に着脱自在に装着されている。記録ヘッド3に対しては、インクカートリッジ6内に収容されたインクが供給される。この場合、キャリッジ2と記録ヘッド3は、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続が維持されている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加されることにより、複数の吐出口から選択的にインクを吐出して記録するインクジェット記録ヘッドである。
上記記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、記録ヘッド3は、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用することで、吐出口よりインクを吐出させて記録を行うものである。前記電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号(画像情報)に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することにより対応する吐出口からインクが吐出される。
図1において、キャリッジ2は、キャリッジモータにより駆動される伝動機構4のタイミングベルト7の一部に連結されるとともに、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に移動自在に案内支持されており、前記キャリッジモータの正逆転によって主走査方向に往復駆動される。8はキャリッジ2の矢印A方向における絶対位置を示すスケールである。このスケール8は、透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものであり、その一方はシャーシ9に固着され、他方は不図示の板ばねで支持されている。インクジェット記録装置1においては、記録ヘッド3の吐出口面に対向してプラテン21が配設されており、記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が前記キャリッジモータによって往復駆動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン21上を紙送りされる被記録材(記録シート)としての記録紙Pに対する記録が行われる。
14は記録シートPを搬送するために不図示の搬送モータによって駆動される搬送ローラであり、15は不図示のバネにより搬送ローラ14に押圧されることで記録シートPに摩擦搬送力を与えるピンチローラであり、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダである。17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアであり、搬送ローラ14は搬送ローラギア17に伝達された搬送モータの駆動力によって回転駆動される。記録ヘッド3によって画像が形成された記録シートPを記録装置外へ排出するための排出ローラ19は不図示の排出ローラギアを介して伝達された前記搬送モータの駆動力によって回転駆動される。排出ローラ19に対して、拍車ホルダ22に回転自在に軸支された拍車ローラ(不図示)をバネ(不図示)によって押圧することで、記録シートPの排出力(搬送力)が付与されている。
また、インクジェット記録装置1においては、キャリッジ2の移動範囲内であって、該キャリッジ2の記録のための移動範囲(記録領域)を外れた領域の所望位置(例えばホームポジション)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置10が配設されている。回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするためのキャッピング手段11と記録ヘッド3の吐出口面をワイピング(拭き取り除去)するためのワイピング手段12とを備えている。また、回復装置10においては、前記キャッピング手段11のキャップ35(図4)に吸引ポンプ等から成る吸引手段48(図3)が接続されており、記録ヘッド3をキャッピングした状態で該吸引手段48を作動させて該キャップ35内を負圧にすることにより吐出口からインクを強制的に排出させる吸引回復処理を実行できるように構成されている。この吸引回復処理によって、記録ヘッド3のインク流路内の増粘インクや気泡等を除去することができる。
非記録時には、キャッピング手段11によって記録ヘッド3の吐出口(吐出口列)をキャッピングすることによって、該記録ヘッドのインク吐出部を保護するとともに吐出口近傍のインク乾燥を防止することができる。記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク等を拭き取るための前記ワイピング手段12は、前記キャッピング手段11の近傍に配設されている。このように、上記回復装置10には、キャッピング手段11及びワイピング手段12に加えて、該キャッピング手段11と前記吸引手段48との協働による吸引回復手段が設けられている。さらに、この回復装置10は、後述するような予備吐出処理を行うための構成も備えている。なお、本実施の形態の回復装置10には、上記ワイピング手段12のワイピング性能を維持回復すべく、そのブレード部材(ワイパー部材)の先端部に付着したインクやほこり等の異物を清掃除去するためのブレードクリーニング手段18が設けられている。
図2は図1中の回復装置10を斜め上方から見た模式的斜視図であり、図3は図2の回復装置を分解して内部構造を示す模式的分解斜視図であり、図4は図2及び図3の回復装置10のキャッピング手段11の構成を示す分解斜視図である。次に、本発明によるインクジェット記録ヘッド用キャップを含む回復装置10の構成について詳しく説明する。図2〜図4において、回復装置10は、前述したように、記録ヘッド3のインク吐出性能を維持回復するための回復手段として、吸引手段48、キャッピング手段11、ワイピング手段12を備えている。吸引手段としての吸引ポンプ48は、チューブガイド53に案内支持された2本の吸引チューブ32を回復ベース20の円弧部内面から成るガイド面に沿うように配置し、自転及び公転可能な加圧コロ33によって吸引チューブ32をしごいていくことにより該吸引チューブ32内に負圧を発生させるように構成されている。
また、図示の吸引ポンプでは、1本の吸引チューブ32に対して2個の加圧コロ33が使用されている。各加圧コロ33は、加圧コロホルダ31に形成された長孔に沿って半径方向に移動可能に軸支され、吸引動作中には加圧ばねによって吸引チューブ32を押圧する(しごく)方向へ付勢され、吸引動作以外のときには吸引チューブ32から退避させ得るように装着されている。図示の構成では吸引チューブ32をガイドする回復ベース20の円弧面が半円形状であるため、各加圧コロ33は略180度対向する位置に配置され、1個の加圧コロが吸引チューブ32を押圧している状態から離間する瞬間にもう一方の加圧コロ33で吸引チューブ32を押圧することができ、従って、2個の加圧コロ33を連続的に回転させることで吸引チューブ32内の負圧を保ちつつ連続的に吸引できるように構成されている。
また、吸引チューブ32をガイドする回復ベース20のガイド形状がほぼ円形形状になっている場合は、1本の吸引チューブ32に対して1個の加圧コロ33によっても上記と同様に連続的に吸引できる吸引ポンプを構成することができる。さらに、ガイド形状が半円形状の場合には、1本の吸引チューブ32に対して2個以上の加圧コロ33を使用して上記と同様の連続吸引動作を実現させても良い。加圧コロホルダ31は、加圧コロホルダガイド30に回復ベース20の円弧ガイド面半径方向に回動可能に軸支され、加圧コロ33を吸引チューブ32に対し押圧、退避させる機能を備えている。加圧コロホルダガイド30は、その両端部に設けられた軸によってチューブガイド53の軸受部に軸支されており、PGモータ(回復モータ)M3によって回転駆動することができる。
PGモータ(回復モータ)M3からの駆動力はPGギア24及びポンプギア27を介して吸引手段48に伝達され、該駆動力によって加圧コロホルダガイド30を回転させることで吸引回復動作が実行される。また、吸引手段48はPGモータM3と直結されており、PGモータM3の一方向回転(正転)によって吸引回復動作が行われ、該PGモータM3の逆方向回転(逆転)によって加圧コロ33は吸引チューブ32への押圧状態から解除されて退避方向へ移動する。なお、本実施の形態では、回復装置10に設けられた駆動源によって吸引手段48を動作させているが、これは、回復装置10の駆動源とは別の駆動源を利用して吸引手段48を駆動するように構成しても良い。
図4において、キャッピング手段11は、キャップ35と、インク吸収材(キャップ吸収体)44と、キャップホルダ36と、キャップベース34と、大気連通チューブ45と、バルブレバー46a、46bと、を備えている。記録ヘッド3の吐出口面に当接して吐出口をキャッピングするキャップ35の内部に、記録ヘッド3の吐出口から排出されるインクを効率よく吸引するための前記インク吸収材44が装填されている。また、キャップ35は、キャップホルダ36に支持されており、圧縮ばね43a〜43dによりキャップホルダ36を記録ヘッド3に向けて付勢することにより、該記録ヘッドの吐出口面に圧接される。前記圧縮ばね43a〜43dは、キャップベース34とキャップホルダ36との間に装着されている。キャップベース34は、回復ベース20に支軸34aを中心に回動自在に軸支されるとともに、前記圧縮ばね43a〜43dを介してキャップホルダ36を上下方向に摺動自在に支持している。
各大気連通チューブ45の一端は、キャップ35に設けられた不図示の連通孔(2箇所)のそれぞれに接続されている。各大気連通チューブ45の他端は、バルブレバー46a、46bに形成された大気連通孔に接続されている。これらのバルブレバー46a、46bは支軸を中心に回動可能に支持されている。そして、前記バルブレバー46a、46bの回転動作により、該バルブレバーの大気連通孔の開口端をバルブホルダ37に装着された弾性シール部材(バルブシール)47に当接/離間させることで、各大気連通チューブ45の内部と大気との連通を遮断/開放することにより、キャップ35内部を密閉状態(大気と遮断状態)にしたり、開放状態(大気連通状態)にするように構成されている。なお、バルブレバー46a、46bは、バルブレバーばね59によって大気連通チューブ45の大気連通を遮断する方向に付勢されている。
キャッピング手段11においては、吸引手段48を構成している吸引チューブ32がキャップホルダ36のジョイント部に連結され、キャッピング手段11のキャップ35が記録ヘッド3の吐出口面に当接している間に吸引手段48を作動させることにより、キャップ35内を負圧状態にし、それによって記録ヘッド3の吐出口からインクを吸引(吸い出し)できるように構成されている。
図5は図4中のキャップ35のキャップ内空間と記録ヘッドの吐出口列との位置関係をインク吸収材を省いた状態で示す模式的斜視図であり、図6は図4中のキャップ35が当接する記録ヘッドの吐出口面を示す模式的正面図である。図5及び図6において、記録ヘッド3の吐出口面には、ブラック吐出口列54が形成されたブラック吐出口列形成領域61aと、カラー(シアン、マゼンタ、イエロー)吐出口列55が形成されたカラー吐出口列形成領域61bとが設けられている。また、記録ヘッド3の吐出口面には、ブラック吐出口列形成領域61a及びカラー吐出口列形成領域61bと所定の段差で仕切られたキャップ当接領域62が設けられている。つまり、記録ヘッド3の吐出口面は、これらの吐出口列形成領域61a、61bとキャップ当接領域62によって構成されている。
ブラック吐出口(列)54とカラー吐出口(列)55は、それぞれ別の吸引チューブ32を通して吸引回復処理が行われるため、キャップ(キャップ本体)35にもブラック吐出口列54に専用のキャップ空間57とカラー吐出口列55に専用のキャップ空間58との2つの独立したキャップ空間が形成されている。これらのキャップ空間57、58は一体成形品のキャップ本体35を構成しており、各キャップ空間57、58の先端当接部には、キャッピング時の密着(封止)を確実にするためのキャップリブ41が形成されている。また、各キャップ空間57、58の内周部には、それぞれ複数のインク吸収材押さえリブ56が形成されている。図示の例では、ブラック専用のキャップ空間57の内周部には合計6個のインク吸収材押さえリブ56が配置され、カラー専用のキャップ空間58の内周部には合計4個のインク吸収材押さえリブ56が配置されている。
そして、ブラックキャップ空間57の内部にはブラックインク吸収材39が装填(収容)され、カラー(シアン、マゼンタ、イエロー)キャップ空間58の内部にはカラーインク吸収材44が装填(収容)されており、これらのインク吸収材39、44は、各キャップ空間57、58のリブ56によって抜け止め保持されている。両キャップ空間57、58は、それぞれのキャップホルダ嵌合孔42a及び42bを経由してキャップホルダ36のジョイント部に嵌合することで、それぞれの吸引チューブ32及び大気連通チューブ45と連通しており、それぞれ独立の吸引回復動作に対応できる構成となっている。キャッピング手段11においては、キャップ35を記録ヘッド3に当接離反させるための昇降動作、並びに大気連通チューブ45のバルブ46a、46bの開閉動作は、PGモータM3の駆動力をPGギア25、26等を経由してカム38に伝達し、該カム38によりキャップベース34の昇降動作及びバルブレバー46a、46bの開閉動作を制御することにより実行される。
なお、PGギア25、26とカム38との間にワンウエイクラッチ28が配設されており、PGモータM3の一方向回転時にはカム38に駆動力が伝達されるが、他方向回転時にはカム38に駆動力が伝達されないように構成されている。カム38は、前述のキャッピング手段11の動作の他に、ワイピング手段12のワイピング動作やキャリッジロックレバー29の昇降動作も制御するように構成されている。このキャリッジロックレバー29は、記録ヘッド3の回復動作中に記録ヘッド3をキャッピング手段11に対して所定位置に位置決め保持するためのものである。前述したような各手段の動作は、カム38に設けられたカム位置検知センサ用フラグとカム位置検知センサ40とにより該カム38の回転位置を規制することにより制御される。
図17は本発明を適用したインクジェット記録装置においてワイピング動作命令があったときの動作シーケンスを示すフローチャートであり、図18は本発明を適用したインクジェット記録装置において吸引動作命令があったときの動作シーケンスを示すフローチャートである。図17及び図18のそれぞれの動作シーケンスには、キャップ35を記録ヘッド3の吐出口面から所定の間隔を置いて対向させた状態で、記録ヘッド3の吐出口からキャップ35内へ向けてインクを吐出させる予備吐出動作が含まれている。
図17において、ワイピング動作命令(ステップS101)が出されると、キャリッジ2を回復ポジションへ移動させる(ステップS102)ことにより記録ヘッド3の吐出口面をワイピング手段12でワイピング可能な状態にする。記録ヘッド3を回復ポジションへ移動させた後、回復装置10の回復モータM3によりワイピング手段12を駆動させることにより実ワイピング動作を実行する(ステップS103)。この実ワイピング動作は、ワイパーブレードによって吐出口面(特に吐出口形成領域61a、61b)を拭き取り清掃する動作として実行される。この実ワイピング動作の後、キャリッジ2を退避ポジションへ移動させる(ステップS104)ことにより記録ヘッド3を退避させる。
キャリッジ2が退避ポジションへ移動した後、回復モータM3によりワイピング手段12のワイパーブレードをワイピング動作前の退避位置へ戻す(ステップS105)。このステップS105の動作は、ステップS103の実ワイピング動作に対して、疑似ワイピング動作と呼ぶこともある。上記実ワイピング動作により記録ヘッド3の吐出口内へ若干のインクが押し込まれることがある。この場合の異なるインクが吐出口内へ押し込まれることによる吐出口内のインク混色を解消又は防止するため、吐出口からインクを吐出する予備吐出動作が実行される。従来のインクジェット記録装置では、前記予備吐出を行う際、回復装置内のキャッピング手段とは別の専用の予備吐出受け部を記録領域外に別途配設し、その位置までキャリッジを動作させて予備吐出を行うものが多かった。このような専用の予備吐出受け部を設ける構成では、余分なスペースが必要となるために装置本体の横幅方向寸法が増大したり、予備吐出を受容する専用のインク吸収材など余計な部品が必要であった。
そこで、本発明を適用したインクジェット記録装置においては、部品点数削減及びコンパクト化を実現するため、予備吐出動作におけるインク吐出をキャッピング手段11のキャップ35内に向けて行わせる構成が採られている。つすなわち、図17に示すように、先ず、ステップS106において、予備吐出の準備として、回復モータM3によりキャッピング手段11のキャップ35を記録ヘッド3の吐出口面と所定の間隙をもって対向可能な予備吐出ポジションへ移動させる。次いで、キャリッジ2を上記退避ポジションから回復ポジションへ再度移動させ(ステップS107)、記録ヘッド3とキャップ35とを対向させたところで、記録ヘッド3の吐出口よりインクを吐出させて予備吐出が行われる(ステップS108)。以上のような一連の動作によりワイピング動作命令は終了する(ステップS109)。
図18において、吸引動作命令(ステップS201)が出されると、キャリッジロックレバー29によるキャリッジ2の位置決めロックの準備動作(ステップS202)を行う。次いでキャリッジ2を回復ポジションへ移動させ(ステップS203)、キャリッジロックレバー29によりキャリッジ2を回復ポジションに位置決めするためのキャリッジロック動作(ステップS204)を行う。そこで、キャッピング手段11を駆動してキャップ35を記録ヘッド3の吐出口面(キャップ当接領域62)に当接させることによりキャップクローズ動作(ステップS205)を行う。キャップクローズ動作により吐出口を密閉した状態で吸引手段(吸引ポンプ)48を作動させて吸引動作(ステップS206)を行い、記録ヘッド3の各吐出口(各吐出口列)からインクを排出させる(ステップS207)。
次いで、キャップ35を吐出口面から退避させて離間させた後、ワイピング手段12を作動させることにより、ワイパーブレードによる吐出口面(特に吐出口列形成領域)の拭き取り清掃(ステップS208のワイピング動作)を行う。しかる後にステップS209で予備吐出排出動作を行う。以上のような一連の動作により吸引動作命令を終了する(ステップS210)。なお、図18中のステップS208のワイピング動作は、図17のワイピング動作命令の動作シーケンスと同様に行われる。また、図18中のステップS209の予備吐出排出動作も、図17中のステップS108における予備吐出と同様にして実行される。
図7は本発明を適用したインクジェット記録ヘッド用キャップ(キャップ35)を示す模式的斜視図であり、図8は図7のキャップを被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図である。図9は従来のキャップの図8に対応する模式的縦断面図である。図10は本発明を適用したキャップに向けて予備吐出を行っている状態を被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図であり、図11は本発明を適用したキャップに向けて予備吐出を行った後の吐出口面上のインクミストの付着状態を示す模式的正面図である。図12は本発明を適用したキャップに向けて予備吐出を行っている時のブラックキャップ空間内のインク吸収材の状態をキャリッジ移動方向から見た模式的縦断面図である。図13は従来のキャップに向けて予備吐出を行っている状態を被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図であり、図14は従来のキャップに向けて予備吐出を行った後の吐出口面上のインクミストの付着状態を示す模式的正面図である。
図7及び図8において、本発明を適用したインクジェット記録ヘッド用キャップ35は、記録ヘッド3の吐出口列54、55に対応して、キャップ本体を構成するブラックキャップ空間57及びカラーキャップ空間58を有し、ブラックキャップ空間57にはブラックインク吸収材39が装填され、カラーキャップ空間58にはカラーインク吸収材44が装填されている。図9に示す従来のブラックインク吸収材71及びカラーインク吸収材72の表面(吐出口面と対向する面)が一様な平坦面であるのに対し、本発明によるブラックインク吸収材39及びカラーインク吸収材44の表面のそれぞれには、キャッピング時に吐出口面の吐出口(吐出口列)と対向する部位に突出部39a及び突出部44aが形成されている。つまり、ブラックインク吸収材39の突出部39aはブラックの吐出口列54に対向する位置に形成され、カラーインク吸収材44の突出部44aはカラー吐出口列55に対向する位置に形成されている。
また、各インク吸収材39、44の突出部39a、44aは、複数の吐出口から成る吐出口列54、55に対向する位置に該吐出口列と平行な稜線39d、44dを有し、該稜線を頂上とした傾斜平面39b、39c、44b、44cで形成されている。図8中の寸法t1、t2は、インク吸収材39、44のそれぞれの突出部39a、44aの高さ(平面部から頂上稜線までの高さ)を示す。前記傾斜面39b、39c、44b、44cの傾斜度及び前記突出部39a、44aの高さは、後述する予備吐出63によるインクミスト64の跳ね返り方向等を考慮して適切な値に選定されるものである。
図10において、記録ヘッド3からキャップ35へインクを吐出して行う予備吐出動作には、記録ヘッド3の吐出口面の吐出口列形成領域61a、61bとキャップ35内のインク吸収材39、44の平面部との間の距離は所定量H1に選定される。この所定量H1は、吐出されたインク滴がある程度飛散せず確実にインク吸収材39、44上に着弾するように選定されるものであり、例えば約3.5mm〜約4.0mm程度に選定することが好適である。そして、本発明の実施においては、上記突出部39、44の形状及び上記距離H1を適当な範囲内に選定することにより、予備吐出動作によってインク吸収材39、44上に衝突するインクによるインクミストの跳ね返り方向を制御することができ、それによって、記録ヘッド3の吐出口面に付着するインクミストを極力低減することができる。つまり、図10に示すような構成により、部品点数の増加や追加部品による占有スペースの増大化を招くことなく、キャップ内のインク吸収材の形状構造を最適化することにより、小型で低コストで、記録ヘッドの吐出口面に付着するインクを極力低減できるインクジェット記録ヘッド用キャップ、及びインクジェット記録装置が提供される。
ここで、本発明を適用したキャップと対比することを目的として、図9、図13及び図14を参照して従来のキャップ内に予備吐出を行う場合の不都合について説明する。図9に示すようなキャップ35を用いてインク吸収材71、72へ予備吐出を行うと、図13及び図14に示すように、予備吐出インク63Aがインク吸収材71、72に着弾した際にインクミストが跳ね返り、ブラック吐出口列54及びブラック吐出口形成領域61aを含む一帯、並びにカラー吐出口列55及びカラー吐出口形成領域61bを含む一帯に跳ね返ったインクミスト64が付着し、インクによって覆われた状態になりやすい。このような状態のまま記録ヘッド3を放置すると、吐出口近傍に付着した各色のインクミスト64が吐出口内部に引き込まれてインクの混色が発生し、記録画像の画質低下を招くことになる。
これに対し、図7、図8、図10〜図12に示すような本発明を適用したキャップ35に予備吐出を行う場合は、上記の従来のキャップによる不都合を解消することができる。すなわち、図10に示すように、記録ヘッド3の各色吐出口列54、55から吐出される予備吐出インク63が各インク吸収材39、44に着弾する際の該予備吐出インク63のインクミスト64の跳ね返り方向を、各インク吸収材の突出部39a、44aの傾斜面39b、39c、44b、44cによって、ブラック吐出口列形成領域61a及びカラー吐出口列形成領域61bへは向かわない所定方向に制御(規制)することができる。それによって、図11に示すように、各色吐出口列形成領域61a、61bにおける付着インク(跳ね返りインクミストの付着)を効果的に減少又は無くすことができる。
このように、本発明を適用したキャップ35を用いることにより、予備吐出63により傾斜面39b、39c、44b、44cで跳ね返されたインクミスト64を各色吐出口列形成領域61a、61bにほとんど付着させないようにすることができる。つまり、予備吐出によりインク吸収材39、44で跳ね返されたインクミストはキャップ当接領域62等を含む吐出口列形成領域以外の領域に付着させられることになり、従って、各色の跳ね返りインクミストが吐出口内に侵入することを防止でき、それによって、予備吐出動作の後に記録ヘッド3が放置状態となっても予備吐出による吐出口面のインクミスト汚れに起因するインク混色を低減又は防止することができる。
図15は本発明を適用したキャップが記録ヘッドに当接しているときの状態を被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図であり、図16は従来のキャップが記録ヘッドに当接しているときの状態を被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図である。図16に示すように、従来のキャップにおいては、インク吸収材71、72が平面状であるので、キャップを記録ヘッド3の吐出口面に当接させた状態でも、インク吸収材71、72と吐出口面(吐出口列形成領域)との間に所定の隙間T3、T4が確保されている。これに対し、本発明を適用した突出部を有するキャップ35においても、図15に示すように、各色用のインク吸収材39、44に設けられた突出部39a、44aは、キャップ35が記録ヘッド3の吐出口面(そのキャップ当接領域62)に当接している間、各色吐出口列形成領域61a、61bと接触しておらず、所定距離だけ離間している。
すなわち、本発明を適用したキャップ35においては、各インク吸収材39、44の突出部39a、44aの高さt1、t2(図8)は、各インク吸収材39、44の平面部から記録ヘッド3の各吐出口列形成領域61a、61bまでの距離T1、T2より小さくなるように(t1<T1、t2<T2となるように)選定されており、それによって、インク吸収材39、44内に残存する各色混在インクが吐出口列54、55に接触して吐出口内に押し込まれることを防止している。そのため、本発明を適用したキャップ35によれば、インク吸収材39、44に突出部39a、44aを形成しても、吸引回復などの回復処理に際して、インク吸収材と吐出口面との接触に起因する吐出口内のインク混色等の弊害を発生させることはなく、インク混色に起因する記録画像の画質低下を防止することができる。
また、本発明を適用したインクジェット記録装置においても、図18に示すように、吸引命令があった場合の動作シーケンス(ステップS201〜S210)の中にも図17のワイピング動作命令の場合と同様の動作が含まれている。そして、図18の吸引命令の場合も、図17の場合と同様に、ワイピング動作の後に予備吐出動作が行われている。この予備吐出動作は、ワイピング時に発生する吐出口へのインク押し込みに起因するインク混色を防止するための処理動作である。図18の吸引命令によるステップS209の予備吐出排出動作では、当該動作の期間に記録ヘッド3が待機状態になるため、吐出口面がミスト64等で汚れていると混色しやすくなる恐れがある。そこで、本発明を適用したキャップ35の構成を採用することにより、各色吐出口列形成領域61a、61bに付着するインクミスト64を極力少なくすることが重要になってくる。
以上説明したような本発明を適用したキャップ35によれば、インクミストの対流方向(跳ね返り方向)を制御することにより、予備吐出時に発生する吐出口面へのインクミストの付着を極力低減させることができ、吐出口におけるインク混色等の不具合を低減させることができる。つまり、本発明を適用したキャップ35によれば、安定的な予備吐出受け部としての機能を備えた回復装置が提供される。さらには、部品点数の増加や追加部品による占有スペースの増大化を招くことなく、小型かつ低コストで、記録ヘッドの吐出口面に付着するインクを極力低減することができるインクジェット記録ヘッド用キャップ及びインクジェット記録装置が提供される。
以上説明した実施例1では、インク吸収材39、44の突出部39a、44aの形状として、稜線39d、44dを頂上とする傾斜面を平面状にしたが、この傾斜面は曲面から成る傾斜曲面にしても良い。かかる傾斜曲面によっても、実施例1と同様に予備吐出の跳ね返りインクミストの方向を所望の方向に制御することができる。また、突出部の頂上を形成する稜線に平行な1つ以上の稜線を設け、複数の稜線の間に形成される傾斜面を有するような形状構造にしても良く、このような突出部の構成によっても同様の作用効果を達成することができる。
なお、以上の実施の形態では、複数のキャップ空間を持つキャップの場合を例に挙げて説明したが、本発明は、1つのキャップ空間を有するキャップ、あるいは3つ以上のキャップ空間を有するキャップの場合にも同様に適用することができ、同様の作用効果が得られるものである。また、記録手段としての記録ヘッドを被記録材(記録紙等)に対して相対移動させながら記録するシリアル記録方式のインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の全幅又は一部をカバーする長さのラインタイプの記録ヘッドを用いて副走査のみで記録するライン記録方式のインクジェット記録装置に対しても同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
さらに、本発明は、1個の記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置、異なる色のインクで記録する複数の記録ヘッドを用いるカラー記録用のインクジェット記録装置、あるいは、同一色彩で異なる濃度で記録する複数の記録ヘッドを用いる階調記録用のインクジェット記録装置、さらには、これらを組み合わせた形態のインクジェット記録装置の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタンクを一体化した交換可能なインクカートリッジを用いる構成、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。なお、本発明は、インクジェット記録装置が、例えばピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる記録手段を使用するものである場合にも適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。
本発明を適用したインクジェット記録装置の内部構成を示す模式的斜視図である。 図1中の回復装置を斜め上方から見た模式的斜視図である。 図2の回復装置を分解して内部構造を示す模式的分解斜視図である。 図2及び図3の回復装置のキャッピング手段の構成を示す分解斜視図である。 図4中のキャップのキャップ内空間と記録ヘッドの吐出口列との位置関係をインク吸収材を省いた状態で示す模式的斜視図である。 図4中のキャップが当接する記録ヘッドの吐出口面を示す模式的正面図である。 本発明を適用したインクジェット記録ヘッド用キャップを示す模式的斜視図である。 図7のキャップを被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図である。 従来のキャップの図8に対応する模式的縦断面図である。 本発明を適用したキャップに向けて予備吐出を行っている状態を被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図である。 本発明を適用したキャップに向けて予備吐出を行った後の吐出口面上のインクミストの付着状態を示す模式的正面図である。 本発明を適用したキャップに向けて予備吐出を行っている際のブラックキャップ空間内きインク吸収材の状態をキャリッジ移動方向から見た模式的縦断面図である。 従来のキャップに向けて予備吐出を行っている状態を被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図である。 従来のキャップに向けて予備吐出を行った後の吐出口面上のインクミストの付着状態を示す模式的正面図である。 本発明を適用したキャップが記録ヘッドに当接しているときの状態を被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図である。 従来のキャップが記録ヘッドに当接しているときの状態を被記録材搬送方向から見た模式的縦断面図である。 本発明を適用したインクジェット記録装置においてワイピング動作命令があったときの動作シーケンスを示すフローチャートである。 本発明を適用したインクジェット記録装置において吸引動作命令があったときの動作シーケンスを示すフローチャートである。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 キャリッジ
3 記録ヘッド(記録手段)
4 伝動機構
5 給紙機構
6 インクカートリッジ
7 タイミングベルト
9 シャーシ
10 回復装置(回復手段)
11 キャッピング手段
12 ワイピング手段
13 ガイドシャフト
14 搬送ローラ
15 ピンチローラ
19 排出ローラ
20 回復ベース
21 プラテン
31 加圧コロホルダ
32 吸引チューブ
33 加圧コロ
34 キャップベース
35 キャップ
36 キャップホルダ
38 カム(回動カム)
39 インク吸収材
39a 突出部
39b、39c 傾斜面
39d 稜線
44 インク吸収材
44a 突出部
44b、44c 傾斜面
44d 稜線
45 大気連通チューブ
48 吸引手段(吸引ポンプ)
54 ブラック吐出口列
55 カラー吐出口列
56 吸収材押えリブ
57 ブラックキャップ空間
58 カラーキャップ空間
61a ブラック吐出口列形成領域
61b カラー吐出口列形成領域
62 キャップ当接領域
63 予備吐出(吐出インク)
64 インクミスト(跳ね返りインク)
A キャリッジ移動方向
P 被記録材(記録紙)
H1 予備吐出時におけるインク吸収材の平面部と吐出口との距離
t1、t2 突出部の高さ
T1、T2 キャッピング時におけるインク吸収材の平面部と吐出口との距離

Claims (9)

  1. インクジェット記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするためのインクジェット記録ヘッド用キャップにおいて、
    キャップ内部に装填されたインク吸収材を有し、該インク吸収材のキャッピング時に前記吐出口面の吐出口と対向する部位に突出部が形成され、前記吐出口から吐出されるインクが前記インク吸収材に着弾する際に生じるインクミストの跳ね返り方向を前記突出部の形状によって制御することを特徴とするインクジェット記録ヘッド用キャップ。
  2. 前記インク吸収材の突出部は、複数の吐出口から成る吐出口列に対向する位置に該吐出口列と平行な稜線を有し、該稜線を頂上とした傾斜平面又は傾斜曲面で形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用キャップ。
  3. 前記キャップは、予備吐出による排出インクを受容するための予備吐出受け部を兼ねることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録ヘッド用キャップ。
  4. キャップ本体部は前記吐出口面に当接してキャップ内部を密閉すべく弾性部材で形成され、前記インク吸収材の突出部の高さは吐出口面をキャッピングするときに前記吐出口面と接触しないように選定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド用キャップ。
  5. 前記インク吸収材は多孔質材で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド用キャップ。
  6. インクジェット記録ヘッドから被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、上記請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド用キャップと、該キャップにより前記インクジェット記録ヘッドをキャッピングした状態で前記吐出口からインクを排出させる回復手段と、を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記回復手段は、前記キャップを介して吸引力を作用させることにより前記吐出口からインクを排出させる吸引手段を有することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記インクジェット記録ヘッドの吐出口面は、吐出口が配列された吐出口列形成領域と前記キャップが当接するキャップ当接領域とを有することを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記インクジェット記録ヘッドは、電気熱変換体により印加される熱エネルギーによってインクに生じる膜沸騰を利用して、前記吐出口から被記録材に向けてインクを吐出することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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