JP2007130806A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ヘッドの吐出面に付着しているインクを払拭するための払拭部材のインク払拭性能を長期にわたって維持し、記録画像の画質劣化を防ぐ。
【解決手段】 記録ヘッド1の吐出口が配列された吐出面2に付着したインクを払拭するための払拭部材50、51と、払拭部材を吐出面に当接させながら移動させるための移動手段と、を備え、払拭部材を吐出面と略平行な平面内で移動手段による移動方向と異なる方向に往復移動させるための往復移動手段70、77、79、81、85を設ける。
【選択図】 図7

Description

本発明は、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ、スキャナ、あるいはこれらの複合機器やシステムなどでは、画像情報に基づいて記録紙等の記録媒体に画像を形成する記録装置が使用されている。かかる記録装置の一形態にインクジェット記録装置がある。このインクジェット記録装置は、画像情報に基づいて記録ヘッドを駆動し、吐出面に設けられた吐出口からインク滴を飛翔させて記録するように構成されている。なお、本願における「画像」は文字や記号等も含むものとする。
インクを吐出するためのエネルギー発生手段としては、ピエゾ素子等のような電気機械変換体を用いるもの、レーザー等の電磁波を照射してインクに電磁波を吸収させて発熱させるもの、あるいは発熱抵抗素子等の電気熱変換体を用いるものなどがある。その中でも、熱エネルギーによって液体を吐出させる記録ヘッドは、吐出口を高密度に配列することができるため、高解像力の記録をするのに好適である。また、記録方式には、シリアルタイプとラインタイプがある。シリアルタイプは、記録ヘッドを記録媒体に対して移動させる1ライン分の記録と、記録媒体の1ライン分のピッチ送りとを交互に繰り返しながら記録するものである。ラインタイプは、記録媒体の幅方向に延びる記録ヘッドを用いて1ライン分の記録を一括して行うとともに記録媒体を搬送しながら記録するものである。
インクジェット記録装置においては、吐出口が配列された吐出面にインク滴や水滴等が付着すると、それらがインク吐出の障害となり、吐出方向が偏向したり不安定化して画像品位に悪影響を及ぼすことがある。このため、吐出面を所定の部材で払拭するなどしてインク滴や水滴等を除去する必要がある。このようなクリーニング処理の代表的例として、板状の弾性部材からなるワイパーのエッジ面又はエッジ近傍面を吐出面に摺擦させていくワイピング動作がある。
また、記録動作を行わないときに、記録ヘッドの吐出口内のインクが乾燥して凝固したり、吐出口近傍に付着したゴミやホコリ等により吐出口の目詰まりが生じたりすることがある。このような吐出口の目詰まりはインクの吐出不良の原因となる。そこで、記録ヘッドの吐出口内のインクを吸引や加圧によって強制的に排出する回復動作が行われている。この場合においても、強制的に排出されたインクの一部が吐出面に残留するので、これを除去するために上記ワイパーによるクリーニング動作が必要となる。
特開2005−22193号公報
上記のような吐出面に付着したインクを除去することは、シリアルタイプ及びラインタイプの記録ヘッドのいずれにおいても必要である。しかしながら、従来の払拭部材によるクリーニング方法では、吐出面の付着インクを十分に除去することが困難であり、また、払拭部材のインク払拭性能を長期間にわたって維持するのが困難であった。
特に、ラインタイプの記録ヘッドのように払拭動作が必要な吐出面の面積が大きく、吐出口の数が多い場合には、従来の直線的なワイピング動作のみでは吐出面を十分にクリーニングすることが困難であった。すなわち、吐出面をブレード状の払拭部材でインク滴などをワイピングしている途中に、払拭部材とともに吐出面上を移動しているインク等の量が払拭能力を越えて飽和状態となり、払拭方向の後方又は側方に抜け出てしまい、払拭しきれないことがあった。
そこで、払拭部材によるワイピング動作の直前に吸収部材を用いて吐出面上のインクを吸収して減量するクリーニング方法が提案されている。この場合の吸収部材の材質としては、例えば発泡ウレタン樹脂等からなる吸収体ローラが用いられる。この吸収体ローラは、吐出面に対して一定の圧力で接触させながら移動させるように使用される。しかしながら、このような吸収部材を併用するワイピング動作によっても、ワイパーの耐久性劣化や摩耗の問題を十分に解決するまでには至っていない。
すなわち、ワイピング動作では、弾性材からなるブレード状の払拭部材を吐出面に対して一定の押圧力で摺擦させるため、払拭部材の耐久性劣化や摩耗の問題が発生することがある。特に、インクを直接払拭する部分と、そうでない部分において、耐久性劣化や摩耗の度合いが異なるため、インク払拭性能に差が生ずることがある。つまり、従来のワイピング動作では、インク払拭動作に伴って吐出口と直接接触する払拭部材のエッジ部分にインクによる膨潤や変形が生じ、これによって、払拭性能が低下し、払拭部材の交換時期を早めることとなっていた。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、記録ヘッドの吐出面に付着しているインクを払拭するための払拭部材のインク払拭性能を長期にわたって維持することができるインクジェット記録装置を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するため、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの吐出口が配列された吐出面に付着したインクを払拭するための払拭部材と、前記払拭部材を吐出面に当接させながら移動させるための移動手段と、前記払拭部材を前記吐出面と略平行な平面内で前記移動手段による移動方向と異なる方向に往復移動させるための往復移動手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記目的を達成するため、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの吐出口が配列された吐出面に付着したインクを吸収するための吸収部材と、前記吐出面に付着したインクを払拭するための払拭部材と、前記吸収部材及び前記払拭部材を吐出面に当接させながら移動させるための移動手段と、前記払拭部材を前記吐出面と略平行な平面内で前記移動手段による移動方向と異なる方向に往復移動させるための往復移動手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッドの吐出面に付着しているインクを払拭部材で払拭するに際し、払拭部材の吐出面との接触位置を変えることができる。そのため、払拭部材の部分接触による耐久性劣化を軽減することでインク払拭性能を長期にわたって維持することができるインクジェット記録装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明によるインクジェット記録装置の第1の実施形態の縦断面図である。図1において、7は給紙カセット、8はピックアップローラ、9及び10は給送ローラ、11及び12はレジストローラ、13は供給側の搬送ガイドである。また、14は両面記録用の搬送ガイド、15は排紙側の搬送ガイド、16は排紙トレイ、17は排紙フラッグ、18は排紙ローラ、19は記録ヘッド昇降検知用のセンサ、20は記録ヘッド昇降用のラックギアである。
給紙カセット7は給紙部101を構成している。給紙部101の給紙カセット7に収納された記録紙等の記録媒体は、ピックアップローラ8によって必要時に1枚ずつ分離されてベルト搬送式の搬送部102へ給送される。記録媒体が搬送部102を搬送される間に画像形成部103により画像が形成され、記録された記録媒体は排紙部105を経てトレイ16へ送り出される。図1の記録装置は、カラー記録用であり、画像形成部103はヘッドホルダ4に保持された4本の記録ヘッド1を具備している。各記録ヘッドはラインタイプであり、その吐出面2には記録媒体の幅をカバーする範囲にわたって多数の吐出口が配列されている。
104は記録ヘッド1のインク吐出性能を維持回復するための回復ユニットを構成するキャップ部である。このキャップ部は、各記録ヘッドの吐出面2のそれぞれの吐出口を覆うための4個のキャップ3を備えている。このキャップは、吐出口からのインク蒸発を低減するとともに吐出口を保護する機能も有する。なお、図1は記録可能な状態を示し、キャップ部104は画像形成部103から退避(離間)されている。
図2は図1中の各記録ヘッド1に対するインク供給系を示すブロック図である。図2において、フルライン記録ヘッド1の吐出面2には所定ピッチで複数の吐出口153が配列されており、各吐出口は記録ヘッド内の共通液室152に連通している。複数の吐出口は、対象とされる記録媒体の記録可能幅いっぱいに配列されており、個々の吐出口に通じる液路に設けられた発熱素子を画像情報に基づいて選択的に駆動することによりインクを吐出し、記録ヘッドの主走査なしで記録することが可能である。
155は記録ヘッド1にインクを供給するためのサブタンクであり、156はサブタンクにインクを補充するためのメインタンクである。記録動作の際には、供給路157に介装された電磁弁162を開弁し、サブタンクから供給路を通して共通液室152にインクが供給される。サブタンクへのインク補充は、ポンプ159により、メインタンク155から一方向弁158を介して行われる。160は記録ヘッドの吐出機能回復のための回復動作時に使用される一方向弁であり、161は一方向弁160が介装されている循環路である。サブタンク155には空気抜弁163が設けられている。
図2のインク供給系においては、記録動作時には、電磁弁162は開状態に保たれており、サブタンク155からインクが自重により共通液室152に補給され、このインクが共通液室から液路を通して各吐出口153へ導かれる。また、記録ヘッド1やインク供給系の内部に残留する気泡を除去するとともに、記録ヘッドを冷却することを目的とする回復動作が行われる。この回復動作は、ポンプ159を駆動してインクを循環路161を通して共通液室152へ送り込み、インクを共通液室から供給路157を通してサブタンク155に戻すようなインクの加圧循環により行われる。この回復動作は、循環インクの一部を吐出口から排出させることで目詰まりを解消するものである。
さらに、記録ヘッド1に対してインクを初期充填する際は、電磁弁162を閉じた状態でポンプ159により循環路161を経て共通液室152へインクを圧送し、インクを気泡と共に吐出口153から吐出させる。
記録ヘッドは、非記録時に吐出口の内部にインクを残したまま放置されることが多い。そこで、非記録時には、吐出口からのインクの蒸発を軽減するために、吐出面2にキャップを圧接して吐出口を密封するキャッピングが行われる。このキャッピングで吐出口を周囲の雰囲気から密封することにより、キャップ内の空気層をインク蒸気で満たし、そのときのインクの飽和蒸気圧によって吐出口内のインクの蒸発や粘度増加を防止することができる。
しかしながら、低湿度環境下に放置する場合や長期間記録を休止する場合には、キャップを吐出面2に密着させてキャッピングしても、インクの粘度の増加が発生する場合がある。このため、記録休止期間後にキャップを離間して記録を開始するときに、インクの不吐出や不安定吐出のために正常な記録を行うことができない場合がある。本願では、記録休止後に最初にインクが吐出するかしないかの問題を以下「発一問題」と呼ぶ。この発一問題に対しては、図2中のポンプ159を駆動してインクを加圧循環させ、記録ヘッド1の全吐出口からインクを排出させる加圧循環動作を併用することがある。また、不吐出が軽微な場合は、記録ヘッドの全吐出口のエネルギー発生手段を駆動し、記録を目的としないインク吐出を行うこともある。本願では、このような記録を目的としないインク吐出を「空吐出」と呼ぶ。
以上述べたように、非記録状態で長時間放置した場合など、吐出口及び/又は液路内のインクが乾燥して粘度増加や固着が生じた場合には、インクの加圧循環により全吐出口からインクを排出させる回復処理が行われる。また、非記録状態が比較的短時間でインクの粘度増加が軽微である場合には、全吐出口からインクを吐出させる空吐出による回復処理が行われる。
図3は本実施形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッドの吐出面のクリーニング動作を示す説明図である。図4は本実施形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッドのキャッピング状態を示す斜視図である。図5は図4の状態から記録ヘッドを上昇させ、キャップを記録ヘッドから離間させた状態を示す斜視図である。図6は記録ヘッドの吐出面をクリーニングするためのクリーニング装置の斜視図である。
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図4及び図5に示すように、共通のヘッドホルダ4に装着された異なるインク色の4本の記録ヘッド1C、1M、1Y及び1Bkを備えている。1C、1M、1Y及び1Bkは、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色のインクを用いる記録ヘッドである。各記録ヘッドはヘッドホルダ4に対して精度良く装着され、各記録ヘッドの平行度及び間隔等は所望の高精度に維持されている。なお、記録ヘッドやキャップなど、異なる複数色のインクに対応して複数個用いられる部品については、特定のインク色のものを指す場合は参照番号にC、M、Y及びBkを付して示すが、全体もしくは任意の色のものを指す場合は、単に参照番号のみで示す。
記録媒体に画像を記録した後、あるいは吐出口から強制的にインクを排出させる回復動作の後などに、図4に示すようなキャッピング状態において制御部からクリーニング動作の指令が発せられると、図5の状態に移行される。つまり、クリーニング動作の指令があると、キャップ3C、3M、3Y、3Bkで記録ヘッド1C、1M、1Y、1の吐出面をキャッピングした状態から、キャップ3を記録ヘッド1から離間させた状態にする。図4の状態から図5の状態への移行は、モータ24によりヘッドホルダ4を上下ガイド25に沿って上昇させ、次いでキャップを図5中の左側へ水平移動させて記録ヘッドから離間させて行う。図5の状態は、吐出面のクリーニング動作が可能な状態である。
図6を用いて、記録ヘッドの吐出面をクリーニングするためのクリーニング装置について説明する。図6において、54は吐出面2に付着したインク等を吸収するための吸収部材である。この吸収部材は円筒状の吸収体ローラで構成されている。吸収部材54の材質としては、例えば親水性多孔質体ポリウレタン樹脂又は親水性多孔質ポリエチレン樹脂等の吸水性に優れた材料が用いられる。50及び51は吐出面2に付着したインク等をワイピングするための払拭部材(ワイパー)である。払拭部材50、51の材質としては例えばウレタン樹脂等の弾性材料が使用され、一般に、この払拭部材は板状のブレードで形成されている。
払拭部材50、51は2本一組になっている。これはワイピング効果を向上させるためであり、先行の払拭部材51で吐出面全体を払拭し、後続の払拭部材50で吐出口部分を払拭するように構成される。吸収部材54及び払拭部材50、51はクリーナベース52に搭載されている。クリーナベースは不図示の駆動源(回復ユニットのモータなど)によりレール53に沿って移動可能である。レール53は、記録ヘッド1の吐出口配列方向(吐出口列の方向)と平行に設置されている。また、クリーナベースがレール上をクリーニング移動するとき、吸収体ローラ54及びワイパー50、51を吐出面に対して一定の圧接力で接触させることができる。
図7は本実施形態に係るインクジェット記録装置のクリーニング装置の斜視図である。図8は図7のクリーニング装置を反対側から見た斜視図である。クリーニング装置110は、吐出面に沿ってクリーニング移動するときに、払拭部材50、51を吐出面と略平行な平面内でクリーニング移動方向と異なる方向(例えば直交する方向)に往復移動させるように構成されている。本実施形態では、図7及び図8に示すクリーニング装置110が各インク色の記録ヘッドごとに合計4個設けられている。そして、これらは実質的に同じ構成を有し、実質的に同じように動作する。従って、以下の各実施形態では任意の1つのクリーニング装置について説明し、この説明は他のクリーニング装置に準用することができる。
図7及び図8において、クリーニング動作の際には、不図示の駆動手段によりクリーナベース52を矢印X方向へ移動させ、クリーナベースに搭載された吸収部材54及び払拭部材51、50によって吐出面をクリーニングしていく。払拭部材であるワイパー50、51は、クリーナベース52に対してクリーニング移動方向と異なる方向(例えば略直角方向)に平行移動可能なワイパーホルダ90に保持されている。吸収部材である吸収体ローラ54はクリーナベース52上に回転可能に軸支されている。
図7及び図8において、70はクリーナベース52に回転可能に搭載された往復移動カム、71は往復移動カム70のカムシャフト、72は吸収部材54に設けられたギア、73はギア72によって回転駆動されるギアである。74はギア73と一体に設けられたウォームギア、75はカムシャフト71に固定されるとともにウォームギア74と噛み合うウォームホイールである。以上の各部材はクリーナベース52上に搭載されている。そこで、クリーナベース52とワイパーホルダ90との間に戻しばね76が張架されている。本実施形態の吸収体ローラ54は、クリーニング移動の際に、吐出面2との接触により従動回転する。
吸収体ローラ54及びワイパー50、51を吐出面2に接触させた状態でクリーナベース52が矢印X方向に移動すると、吸収体ローラは吐出面に沿って従動回転する。この回転は、ギア72、ギア73、ウォームギア74、ウォームホイール75及びカムシャフト71を介して往復移動カム70に伝達される。本実施形態では、往復移動カム70は、従動回転する吸収体ローラ54により回動される。カム70のカム面70aは、戻しばね76によって、ワイパーホルダ90のカムフォロワー面90aに圧接されている。
従って、ワイパーホルダ90は、カム面70aとカムフォロワー面90aとの摺動によって吐出口配列方向と略直角な方向に平行移動し、カム70の1回転によって1往復する。つまり、不図示の駆動源によりクリーニング装置110を移動させて吐出面をクリーニングするとき、吸収体ローラ54の回転により往復移動カム70が減速回転駆動され、ワイパー50、51を保持したワイパーホルダがクリーニング移動方向と異なる方向で往復移動する。この往復移動は、往復移動カム70の1回転により1往復する。
吸収体ローラ54から往復移動カム70への駆動伝達にウォームギアを用いた理由は、ワイパー50、51の往復移動速度を極く低速にしても長期間にわたってインク払拭性能を維持することができ、かつ、大減速比を簡単な構成で実現できるからでもある。これは、減速駆動機構であれば、例えば平歯車減速駆動方式、アーム減速機構、あるいはリンク減速機構などでも良い。なお、本実施形態では、吸収部材である吸収体ローラ54と払拭部材であるワイパー50、51とを共通のクリーナベース52に搭載する構成を例に挙げたが、これは別々に構成しても良い。また、別々の構成にして、単独あるいは複合してクリーニング動作及び往復移動を行っても良い。
図9は本実施形態のクリーニング動作の際の払拭部材及び吸収部材と記録ヘッドの吐出面との位置関係を示す側面図である。払拭部材と吸収部材の相対位置関係は、図9に示すように、クリーニング移動方向(X方向)において、吸収部材54の方が払拭部材50、51よりも先行するように配置されている。払拭部材50、51は、吐出面2に対して一定量の侵入量DWをもって接触しており、それらの先端エッジ部分50a及び51aが正確に接触移動できるように配置されている。吸収部材54は、その表面が吐出面2に対して一定の侵入量DRをもって接触しており、その表面と吐出面との接触面(ニップ)が形成された状態で正確に接触移動できるように配置されている。
本実施形態においては、吸収体ローラ54は駆動手段を持たず、自由に回転可能に取り付けられている。つまり、吸収体ローラ54は、吐出面2を摺擦することなく、従動回転(転動)しながら移動していく。ワイパー50、51はクリーニング移動方向と略直角をなす方向に往復移動しながら移動していく。このような構成により、クリーナベース52が記録ヘッド1の吐出口配列方向の一端から他端まで移動する際に、吸収体ローラ54により吐出面2上のインクを吸収除去するとともに、払拭部材50、51により吐出面2の残留インクを払拭除去していく。
このように、クリーニング中にワイパーを往復移動させることにより、ワイパーの吐出面に対する接触位置を常に吐出口列と交差する方向に変動させることができる。これによって、ワイパーの特定部分のみが吐出面の特定部分(例えば吐出口列)と接触することに起因するワイパーの耐久性劣化を防ぐことができる。その結果、ワイパーのインク払拭性能(ワイピング性能)を長期にわたって良好に維持することが可能となる。
図3の(A)〜(F)は本実施形態に係るインクジェット記録装置の一連の回復動作を例示する説明図である。次に、図3を参照しながら、クリーニング装置110を用いる回復動作の一例を説明する。(A)は回復動作のスタンバイ状態を示し、これは図1及び図5の状態に対応する。すなわち、モータ24によりヘッドホルダ4を上方へ移動させることで、記録ヘッド1は上昇している。キャップ3は、不図示の駆動手段により図示左側へ移動させられ、記録ヘッドから離間している。このスタンバイ状態から、回復動作が開始される。
(B)は吸収体ローラ54を絞ることによりインクを排出させるインク排出工程(絞り工程)の動作を示す。これはしみ込んだインクを排出することで吸収体ローラ54のインク吸収性能を維持回復させるための動作である。この工程は、吸収体ローラを押圧変形させることでしみ込んだインクを絞り出して落下させる動作で行われる。このインク排出ポジションは、図示右側のクリーナベース52のホームポジションに選定されている。
図3〜図5に示すように、インク排出ポジションには、各インク色の吸収体ローラ54(54C、54M、54Y、54Bk)と対向する位置に絞りローラ55(55C、55M、55Y、55Bk)が設けられている。各絞りローラ55は、不図示の駆動手段で駆動される共通の絞りカム56により、各吸収体ローラ54に押圧されながら図3中に示す矢印方向に回転駆動される。これにより、各吸収体ローラ54に吸収されたインクは、機械的に絞り出され、落下排出させられる。なお、上記吸収体ローラに吸収されていたインクは、例えば、記録ヘッドの吐出口から排出されて吐出面に付着したインクを吸収体ローラで吸収したものである。
絞り工程における絞りローラ55の駆動は、予め設定された一定時間経過後に絞りカム56を再び駆動して解除位置にすることで、回転駆動と共に停止される。この絞り工程の設定時間は、例えば、装置の仕様状態、インクの量、クリーニング動作の間隔などにより決定される。本実施形態では、各色インクの絞りローラ55を共通の絞りカム56により同時駆動しているが、これは個別もしくは選択的に駆動する構成にしても良い。
図3の(C)は記録ヘッドのクリーニング動作において払拭部材50、51を清掃するためのワイパークリーナ57を清掃するワイパークリーナ清掃工程を示す。ワイパークリーナ57は、吸収体ローラ54と同様に、例えば、親水性多孔質体ポリウレタン樹脂又は親水性多孔質ポリエチレン樹脂等の吸水性が良好な材質のローラで形成されている。このワイパークリーナ57は絞りローラ55の反対側に配設されている。従って、ワイパークリーナ清掃工程は、インク絞り出し工程を終了した後に、不図示の駆動手段によりクリーニング装置110を反対側へ移動させて実行される。
ワイパークリーナ57の清掃は、吸収体ローラ54をワイパークリーナに対向接触させるとともにワイパークリーナに回転駆動することにより、ワイパークリーナ57中にしみ込んだインクを吸収体ローラ54側へ転移させる動作で行われる。同時に、ワイパークリーナに堆積されたゴミ、ケバ、紙粉等の異物も吸収体ローラ54側へ転移させることができる。ワイパークリーナ57中にしみ込んだインクとは、例えば、ワイパー清掃時にワイパー50、51から転移されたインクである。ワイパークリーナ57から吸収体ローラ54へ転移されたインクは、(B)のインク排出工程のときに機械的に絞り出され、落下排出される。本実施形態では、各色のワイパークリーナ57の回転駆動は全色同時に行われるが、これは、各色毎に駆動手段を設け、個別にあるいは選択的に駆動する構成にしても良い。
図3の(D)及び(E)は、払拭部材51及び50の清掃動作(清掃工程)を示す。払拭部材の清掃は、ワイパークリーナ57に払拭部材の先端エッジ部の近傍を一定圧力又は一定進入量をもって接触させて行う。その際、ワイパークリーナを矢印方向に回転駆動することによって、ワイパーエッジ部51a、50aの近傍に残存するインクをゴミ等と共にワイパークリーナ側へ転移させる。この払拭部材の清掃動作は、ワイパークリーナ清掃工程(C)を図示左側端部の位置で行った後、クリーナベース52の移動方向を反転させて行われる。クリーナベースの右向き移動に従って、先ずワイパー51の清掃を行い、次いでワイパー50の清掃を行う。
払拭部材51、50の清掃工程におけるワイパークリーナ57の回転駆動は、予め設定された一定時間経過後に停止される。この設定駆動時間は、装置の仕様状態、インクの量、クリーニング間隔等により決定される。本実施形態では、ワイパー51、50を清掃するためのワイパークリーナは2本の同一材質からなる吸収体ローラ57、58で構成されている。一方の吸収体ローラ57は払拭部材に直接接触するクリーナである。もう一方の吸収体58は吸収体ローラ57に接触して従動駆動されるクリーナである。本実施形態のように、ワイパークリーナを2本の吸収体ローラで構成する理由は、ワイパー50、51のワイピング性能を向上させるためである。
上記ワイパークリーナの数は、インク吸収能力により1本で構成しても良い。また、各色毎に3本以上の複数本を用いても良い。また、払拭部材51、50の清掃動作によってワイパークリーナ57に転移されたインク等は、上述したワイパークリーナ清掃のときに吸収体ローラ54に吸収され、その後、上述したインク排出動作のときに機械的に絞り出されて落下排出される。
本実施形態では、図3の(C)、(D)及び(E)におけるワイパークリーナ57の清掃及び払拭部材51、50の清掃は、クリーナベース52をそれぞれの位置に停止させて行った。しかし、これらの清掃動作は、ワイパー51、50の速度、ワイパークリーナ57の外形、ワイパーの外形等の状況によっては、クリーナベースを停止させずに移動させながら行っても良い。また、ワイパークリーナ57、58の回転駆動方向及び回転速度に関しては、装置固有に設定することが好ましく、場合によっては、停止させた状態でワイパーを清掃することも可能である。この場合は、ワイパー51、50とワイパークリーナ57を摺擦させて払拭清掃することになる。さらに、ワイパークリーナ57及び58は、各色一体の構造でも良いし、各色の混色を防止するために各色記録ヘッド毎に分割した構造でも良い。
図3の(F)は記録ヘッド1のクリーニング動作における吐出面2の清掃動作を示す。図3の(D)及び(E)のワイパー51、50の清掃動作が終了すると、(E)中に示すように、記録ヘッド1の全吐出口からインク排出が行われる。このインク排出の後に、(F)の吐出面のクリーニング動作が行われる。(E)の全吐出口からのインク排出は、ポンプ159(図2)を駆動して共通液室152内のインクを加圧することにより、全吐出口から排出する加圧循環動作で行われる。インク排出は、この加圧循環動作に代えて、全吐出口からインクを吐出する吐出動作で行うこともできる。この吐出動作によるインク排出は、記録を目的としないインク吐出であり、空吐出とも呼ばれる。いずれの動作を採用するかは、吐出面2の汚れインクの固着程度などによって選択され、一般に、吐出不良の程度が軽微である場合には空吐出が用いられる。
このような吐出口からのインク排出により、吐出面2はインクが付着した状態となる。図3の(F)のクリーニング動作は、このような吐出面の付着インクを除去するための動作であり、インク排出動作の後にクリーニング装置110をレール53に沿って図示右方向へ移動させることで実行される。なお、このクリーニング動作を行う前に、記録ヘッド1は、図3の(E)中の下向き矢印で示すように、吐出面2をクリーニング装置110でクリーニングできる位置まで下降される。この記録ヘッドの下降は、モータ24によりヘッドホルダ4を下降させる動作で行われる。
図3の(F)において、クリーナベース52に搭載された吸収部材54及び払拭部材51、50を吐出面2に一定の押圧力と侵入量をもって接触させながら、クリーニング装置110をレール53に沿って図示の右方向へ移動させる。これにより、吸収部材54及び払拭部材51、50により吐出面2を吐出口配列方向に清掃していく。この場合、吸収部材である吸収体ローラ54を先行させて吐出面上のインクを吸収するとともに後続の払拭部材(ワイパー)51、50で吐出面上のインクをワイピングすることで、付着インクを除去していく。
このようなクリーニング動作に同期して払拭部材であるワイパー50、51の往復移動が行われる。すなわち、クリーニング移動に伴って吸収体ローラ54が回転すると、図7及び図8で説明した機構により、往復移動カム70が回転駆動される。この往復移動カムの回転により、ワイパーホルダ90及びワイパー50、51が吐出面2のクリーニング移動方向(吐出口配列方向)と異なる方向(略直角の方向)に往復移動する。このため、ワイパーの吐出面に対する接触位置が常に吐出口列と交差する方向に変動することになる。従って、ワイパー50、51の吐出面2との接触位置を常に変えることにより、ワイパーの特定部分のみが吐出面の特定部分(例えば吐出口列)と接触することに起因する耐久性劣化を防ぐことができる。これによって、ワイパーのインク払拭性能を長期にわたって良好に維持することが可能となる。
吐出面2のクリーニングを終えてクリーニング装置110が図3の(F)に示す位置を経て図示右側端部近傍までくると、不図示のセンサがこれを検知して停止させる。吐出面のクリーニングが終了すると、モータ24によりヘッドホルダ4を上昇させて図3の(A)のスタンバイ状態に戻す。しかる後、キャップ3を図1及び図5に示す位置から吐出面と対面する位置へ移動させ、ヘッドホルダ4を下降させることにより図4に示すキャッピング状態へ戻す。これにより、一連のクリーニング動作を完了するか、あるいは、次のクリーニング動作に備えて上記スタンバイ状態で待機する。
本実施形態では、吸収体ローラ54、ワイパー50、51及びクリーナベース52は各色の記録ヘッドごとに分割したが、これは、各色の複数の記録ヘッドに共通の一体構造にしても良い。また、本実施形態では払拭手段を2枚のワイパーで構成したが、これは1枚でも良く、あるいは3枚以上にしても良い。また、本実施形態では、吸収体ローラ54とワイパー51、50を同一のクリーナベース52上に搭載したが、これは別々のベース部材に搭載して、個別に駆動させる構成にしても良い。
本実施形態のクリーニング動作では、図3の(A)〜図3の(F)の工程順に行ったが、これらの工程の順番や頻度は、装置本体の状況、記録動作との連動、装置使用状況などにより種々の態様で実施しても良い。例えば、(C)のワイパークリーナ清掃工程や、(D)及び(E)のワイパー清掃工程は、装置の記録状況により単独で動作させても良い。また、記録動作前のように短時間での動作が要求される場合等には、(F)の吐出面のクリーニング工程を先行して行い、記録動作後にその他の工程動作を行っても良い。
本実施形態では、ワイパー清掃動作の後に全吐出口からのインク排出を行ったが、このインク排出もこれとは異なる状態又は順序で行うことができる。例えば、インク加圧量や装置の稼動状況に応じて、(A)のスタンバイ状態あるいは図4のキャッピング状態で行っても良い。また、長期の非記録状態が続いた場合などでは、各工程動作の順番を入れ替え、(B)の絞り動作を一連のクリーニング動作の前に行っても良い。図3で説明した(A)スタンバイ、(B)絞り動作、(C)ワイパークリーナ清掃動作、(D)及び(E)のワイパー清掃動作、(F)の吸収体ローラ54による吐出面の清掃動作、(F)のワイパーによる吐出面の清掃動作を適宜組み合わせることにより、記録ヘッド1のクリーニングを効果的に行うことができる。
以上説明した実施形態では、記録ヘッド1の吐出口153が配列された吐出面2に付着したインクを吸収するための吸収部材54と、吐出面に付着したインクを払拭するための払拭部材50、51と、を有するクリーニング装置110が使用されている。このクリーニング装置は、吸収部材及び払拭部材を吐出面に当接させながら吐出口の配列方向に移動させるための移動手段を備えている。また、払拭部材50、51を吐出面2と略平行な平面内で移動手段による移動方向と異なる方向に往復移動させるための往復移動手段を備えている。
そして、払拭部材50、51の往復移動の方向は、吐出面2と略平行な平面内で移動手段による移動方向と略直角をなす方向に選定されている。このような構成によれば、記録ヘッドの吐出面2に付着しているインクを払拭部材50、51で払拭するに際し、払拭部材の吐出面との接触位置を常に変えることができ、払拭部材のインク払拭性能を長期にわたって維持することが可能になる。
図10は本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッドのクリーニング装置110を示す斜視図である。本実施形態においては、吸収部材である吸収体ローラ54を回転駆動するためのモータ77が設けられている。ワイパー50、51は、この吸収体ローラ54の回転駆動に同期して往復移動する。本実施形態は、吸収体ローラ54をモータにより回転駆動する点で第1の実施形態と相違しており、その他の点では実質的に同じ構成を有しており、それぞれ対応する部分を同じ符号で示し、それらの詳細説明は省略する。
図10において、77は吸収体ローラ54を回転駆動するためのモータであり、78はモータ77のモータギアである。クリーナベース52に回転可能に支持された吸収体ローラ54は、クリーナベース52に搭載されたモータ77により、ギア78、72を介して正転・逆転方向に回転駆動可能である。吸収体ローラ54は、第1の実施形態では吐出面2との接触により従動回転していたが、本実施形態ではモータ77により駆動回転される。ワイパー50、51は、この吸収体ローラ54の駆動回転に同期して、第1の実施形態の場合と同様の減速機構により、往復移動させられる。
不図示の駆動源によりクリーニング装置110を矢印X方向に移動させて吐出面をクリーニングするとき、クリーナベース52に搭載されたモータ77により吸収体ローラ54を駆動回転させる。この回転は、ギア72、ギア73、ウォームギア74、ウォームホイール75及びカムシャフト71を介して、クリーナベース52に搭載された往復移動カム70に伝達される。往復移動カム70のカム面70aは、戻しばね76によって、ワイパーホルダ90のカムフォロワー面90aに圧接されている。従って、往復移動カム70が回転すると、カム面70aとカムフォロワー面90aとの摺動によって、ワイパーホルダ90はクリーニング移動方向と異なる方向に往復移動し、カム70の1回転によって1往復する。つまり、モータ77は、吸収体ローラ54の回転とワイパー50、51の往復移動の双方の駆動源を兼ねている。
このような構成によれば、第1の実施形態の場合と同様の作用効果が得られる他に以下のような作用効果が得られる。すなわち、第1の実施形態と比べ、記録ヘッド1の吐出面2と吸収体ローラ54の周面との間に相対速度差を持たせることが可能となる。従って、吐出面との間で摺動させることができ、吸収体ローラ54の清掃効果を高めることができる。また、吐出面2に対する吸収体ローラ54の清掃速度を、クリーニング装置110の移動速度(クリーニング移動速度)との組み合わせによって自由に設定することが可能となる。
つまり、クリーニング移動に際し、吸収体ローラ54は、クリーニング移動速度とは別に独立した設定された速度(回転速度)及び方向(正逆回転方向)で回転駆動することができる。その結果、ワイパーホルダ90に搭載されたワイパー50、51のクリーニング移動方向と交差する方向の往復移動の速度及びタイミングもクリーニング移動と独立して自由に設定することができる。また、吸収体ローラの回転及び停止、並びにワイパーの往復移動及び停止も随時行うことができる。さらに、ワイパー50、51と吐出面2との往復移動方向における当接位置も必要に応じて随時変えることができる。
本実施形態においても、吸収体ローラ54及びワイパー50、51を共通のクリーナベース52に搭載する構成を例示したが、これは別々の部材に搭載する構成にしても良い。さらに、別々の構成にして、単独あるいは複合してクリーニング動作及び往復移動を行っても良い。本実施形態によっても、ワイパー50、51の吐出面2との接触位置を常に変えることにより、ワイパーのインク払拭性能(ワイピング性能)を長期にわたって良好に維持することが可能となる。
図11は本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッドのクリーニング装置110を示す斜視図である。本実施形態は、吸収体ローラ54を回転駆動するモータと払拭部材50、51を往復移動させるモータをそれぞれ個別に設けたものである。本実施形態は、その他の点では前述の実施形態と実質的に同じ構成を有しており、それぞれ対応する部分を同じ符号で示し、それらの詳細説明は省略する。
図11において、クリーニング装置110は、不図示の駆動源により、吸収体ローラ54及びワイパー50、51を吐出面2に接触させた状態で吐出口配列方向(矢印X方向)に移動可能である。77は吸収体ローラ54を回転駆動するためのモータであり、78はモータ77のモータギアである。モータ77はクリーナベース52上に搭載されており、吸収体ローラ54はクリーナベース52上に回転可能に支持されている。吸収体ローラ54は、モータ77により、ギア78、ギア72を介して正転・逆転方向に回転駆動可能である。
クリーナベース52上には、払拭部材50、51を保持したワイパーホルダ90がクリーニング移動方向と交差する方向(矢印W方向)に平行移動可能に搭載されている。79はワイパーホルダ90を往復移動させるためにクリーナベース52に搭載された往復移動モータである。80はモータ79のモータギアである。払拭部材50、51は、往復駆動モータ79の駆動により、クリーニング移動方向(吐出口配列方向)と交差する方向に往復移動される。すなわち、往復移動モータ79の回転駆動は、ギア80、ギア73、ウォームギア74、ウォームホイール75及びカムシャフト71を介して、往復移動カム70に伝達される。ワイパーホルダ90にはカムフォロワー面90aが形成されている。
往復移動カム70のカム面70aは、戻しばね76によってカムフォロワー面90aに圧接されている。従って、ワイパーホルダ90は、カム面70aとカムフォロワー面90aの摺動によってクリーニング移動方向と交差する方向に平行移動し、カム70の1回転によって1往復する。これによって、クリーニング動作のときに、往復移動モータ79を作動させることにより、ワイパー50、51をクリーニング移動方向と異なる方向(略直角方向)に往復移動させることができる。本実施形態では、払拭部材50、51は、クリーニング装置110のクリーニング移動、並びに吸収体ローラ54の回転とは別に、独立して吐出口配列方向と異なる方向へ往復移動させることができる。
本実施形態では、吸収体ローラ54の回転とワイパー50、51の往復移動は、それぞれ独立したモータ77及び79によって駆動されるので、いずれも独立して随時動作させることができる。従って、クリーニング移動方向と交差する方向におけるワイパーと吐出面との接触位置を、必要なときにモータ79を駆動することにより、自由にかつ随時変えることができる。本実施形態でも、往復移動カム70への駆動伝達には、大減速比を簡単な構成で実現できるウォームギア74が使用されている。この駆動伝達には、他の方式の減速駆動機構、例えば平歯車減速機構、アーム減速機構、リンク減速機構などを使用しても良い。さらに、吸収体ローラ54及びワイパー50、51は別々のベース部材に搭載するなど、それぞれを別体に構成しても良い。
図12は本発明の第4の実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッドのクリーニング装置110を示す斜視図である。本実施形態では、ワイパー50、51の往復移動は往復移動モータ81の駆動により行われる。また、吸収体ローラ54は、クリーニング装置110のクリーニング移動に従動して回転する。往復移動モータ81はクリーナベース52に搭載されている。
図12において、吸収体ローラ54はクリーナベース52上に回転可能に支持されている。ワイパー50、51はワイパーホルダ90上に保持されている。このワイパーホルダ90は、クリーナベース52に対して、クリーニング移動方向と交差する方向に往復移動可能に取り付けられている。クリーニング動作のときには、吸収体ローラ54及びワイパー50、51を吐出面2に接触させた状態(図9)で、不図示の駆動源(回復モータ等)によってクリーニング装置110をレール53に沿って吐出口配列方向へ移動させる。
このクリーニング動作の際に、往復移動モータ81の駆動力は、ウォームギア82、ウォームホイール83及びカムシャフト84を介して、クリーナベースに回転可能に支持された往復移動カム85に伝達される。カム85のカム面85aは、戻しばね76によって、ワイパーホルダ90のカムフォロワー面90aに圧接されている。従って、往復移動モータ81の駆動で往復移動カム85が回転駆動されると、ワイパーホルダ90は、カム面85aとカムフォロワー面90aとの摺動によってクリーニング移動方向と交差する方向へ往復する。ワイパー50、51は、クリーニング移動方向(吐出口配列方向)に対して略直角方向に平行移動し、往復移動カム85の1回転によって1往復する。
本実施形態では、ワイパー50、51の往復移動は、往復移動モータ81により個別に駆動され、クリーニング動作とは独立して自由にかつ随時動作させることができる。従って、吐出面2をクリーニングするときの他に、例えば記録中や記録待機中など必要なときに、ワイパー50、51の吐出面との接触位置をクリーニング移動方向(吐出口配列方向)と交差する方向に随時変えることができる。
以上説明した各実施形態によれば、吸収体ローラ54及びワイパー50、51により記録ヘッド1の吐出面2を吐出口配列方向にクリーニングしていくように構成されている。このクリーニングを行うときに、ワイパー50、51をクリーニング移動方向と交差する方向に往復移動させることができる。このため、クリーニング移動方向と異なる方向において、ワイパー50、51の吐出面2との接触位置を常に変えることができる。これによって、ワイパーの特定部位が常に吐出面の特定部位に接触することに起因するワイパーの耐久性劣化を防ぐことができ、ワイパーのインク払拭性能を長期にわたって維持することが可能となる。
なお、以上の実施形態では、本発明を記録媒体の幅方向に延びるラインタイプの記録ヘッドを用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明は、記録媒体の幅方向に往復移動可能なシリアルタイプの記録ヘッドを用いる場合にも同様に適用することができる。すなわち、シリアル記録ヘッドを用いる場合も、各実施形態で使用したクリーニング装置110を使用して吐出面を吐出口配列方向にクリーニングすることができる。その際に、ワイパーをクリーニング方向と異なる方向(例えば略直角方向に交差する方向)に常に(もしくは随時)往復移動させることができる。
これによって、シリアルタイプのインクジェット記録ヘッドにおいても、ワイパーでクリーニングするときに、ワイパーの吐出面との接触位置を常に変えることができる。従って、ワイパーの特定部分のみで吐出面の特定部分(例えば吐出口列)を払拭することに起因する耐久性劣化を防ぐことができ、ワイパーのインク払拭性能を長期にわたって維持することが可能となる。
なお、本発明は、インクジェット記録装置であれば、記録ヘッドの数、記録ヘッドの吐出面における吐出口の配列状態、使用するインクの種類数や性状などに関わらず、同様に適用可能であり、同様の作用効果を奏するものである。
本発明によるインクジェット記録装置の第1の実施形態の縦断面図である。 図1中の各記録ヘッドに対するインク供給系を示すブロック図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッドの回復動作を例示する説明図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置の記録ヘッドのキャッピング状態を示す斜視図である。 図4の状態から記録ヘッドを上昇させ、キャップを記録ヘッドから離間させた状態を示す斜視図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッドの吐出面をクリーニングするためのクリーニング装置の斜視図である。 本実施形態に係るインクジェット記録装置のクリーニング装置の斜視図である。 図7のクリーニング装置を反対側から見た斜視図である。 本実施形態のクリーニング動作の際の払拭部材及び吸収部材と記録ヘッドの吐出面との位置関係を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッドのクリーニング装置の斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッドのクリーニング装置の斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るインクジェット記録装置における記録ヘッドのクリーニング装置の斜視図である。
符号の説明
1 記録ヘッド
2 吐出面
3 キャップ
4 ヘッドホルダ
24 モータ
25 上下ガイド
50、51 払拭部材(ワイパー)
50a、51a 払拭部材の先端部分
52 クリーナベース
53 レール
54 吸収部材(吸収体ローラ)
55 絞りローラ
57、58 ワイパークリーナ
70、85 往復移動カム
70a、85a カム面
71、84 カムシャフト
74、82 ウォームギア
75、83 ウォームホイール
76 戻しばね
77、79、81 モータ
90 ワイパーホルダ
90a カムフォロワー面
102 搬送部
103 画像形成部
104 キャップ部
110 クリーニング装置
152 共通液室
153 吐出口
155 サブタンク
157 供給路
159 ポンプ
161 循環路
162 電磁弁(開閉弁)

Claims (13)

  1. 記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの吐出口が配列された吐出面に付着したインクを払拭するための払拭部材と、前記払拭部材を吐出面に当接させながら移動させるための移動手段と、前記払拭部材を前記吐出面と略平行な平面内で前記移動手段による移動方向と異なる方向に往復移動させるための往復移動手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記移動手段による前記払拭部材の移動は、前記吐出口の配列方向に前記吐出面の一端から他端まで行われることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記往復移動手段による前記払拭部材の移動方向は、前記移動手段による移動方向に対して略直角方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記払拭部材は弾性材料からなる板状部材であること特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記記録ヘッドの吐出口が配列された吐出面に付着したインクを吸収するための吸収部材と、前記吐出面に付着したインクを払拭するための払拭部材と、前記吸収部材及び前記払拭部材を吐出面に当接させながら移動させるための移動手段と、前記払拭部材を前記吐出面と略平行な平面内で前記移動手段による移動方向と異なる方向に往復移動させるための往復移動手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前記移動手段による前記払拭部材の移動は、前記吐出口の配列方向に前記吐出面の一端から他端まで行われることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記往復移動手段による前記払拭部材の移動方向は、前記移動手段による移動方向に対して略直角方向であることを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記払拭部材は弾性材料からなる板状部材であること特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記吐出面をクリーニングする際に、前記吸収部材を前記払拭部材よりも先行移動させることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記吸収部材は多孔質吸収体であること特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記吸収部材は吸収体のローラであることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記記録ヘッドは、前記記録媒体の幅方向の画像形成を略同時に行うフルラインタイプであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記記録ヘッドは、前記記録媒体の幅方向に往復移動しながら画像形成を行うシリアルタイプであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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