JP2017132244A - ノズル板、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、ノズル板の製造方法 - Google Patents

ノズル板、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、ノズル板の製造方法 Download PDF

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智広 玉井
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Abstract

【課題】撥液膜のワイピング耐性を向上する。【解決手段】ノズル板1は、液体を吐出するノズル11となるノズル孔21を有するノズル基材20と、ノズル基材20の表面に形成された中間層30と、液体吐出面側表面に形成された撥液膜40とを有し、撥液膜40は、エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂を含有する膜であり、撥液膜40には、ノズル11の外周部分において、ノズル11のエッジ11a側に向かって膜厚が薄くなる方向に傾斜している斜面41aが形成された斜面領域41がある。【選択図】図2

Description

本発明はノズル板、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、ノズル板の製造方法に関する。
液体を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)は、液体を吐出する液体吐出面側表面に撥液膜が設けられる。
従来、撥液膜として例えばテフロン(登録商標)AFを使用すること、撥液膜の成膜方法として、浸漬法、転写法、スプレー塗布法、スピンコート法、ワイヤーバー塗布法、熱蒸着法、メニスカス・コーティング法などによること、成膜後にガラス転移点以上の温度で加熱することが知られている。
特開平4−211959号公報 特開2008−188911号公報 特開2010−5994号公報 特開2010−260281号公報 特開平7−68765号公報
ところで、ノズル板は、液体吐出性能を維持回復するために、払拭部材(ワイパ部材)によって払拭(ワイピング)されるため、撥液膜がワイピングによって剥離、損傷し難くする(耐ワイピング性を有する)必要がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、撥液膜のワイピング耐性を向上することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係るノズル板は、
液体を吐出するノズルを有し、少なくとも液体吐出面側表面に撥液膜を有するノズル板であって、
前記撥液膜は、エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂を含有する膜であり、
前記撥液膜には、前記ノズルの外周部分において、前記ノズルのエッジ側に向かって膜厚が薄くなる方向に傾斜している斜面領域がある
構成とした。
本発明によれば、撥液膜のワイピング耐性が向上する。
本発明の第1実施形態に係るノズル板の平面説明図である。 同じく1つのノズル部分の拡大断面説明図である。 撥液膜の膜厚の説明に供するノズル孔部分の平面説明図である。 本発明の第2実施形態に係るノズル板の1つのノズル部分の拡大断面説明図である。 エーテル結合を有するヘテロ環状骨格に対するエーテル結合を有するヘテロ環構造の割合の変化とガラス転移点Tgの変化の一例を説明する説明図である。 ノズル板の製造方法の一例の説明に供する説明図である。 同じく真空蒸着の説明に供する説明図である。 同じくベーク前の状態に説明に供する撥液膜のSEM写真である。 同じくベーク後の状態に説明に供する撥液膜のSEM写真である。 フッ素樹脂のガラス転移点Tgの説明に供するノズル板の他の部材との接合工程を説明する説明図である。 同じく撥液膜の転移が生じない場合と生じる場合の説明に供する説明図である。 同じく温度と撥液膜のマルテンス硬さの変化の説明に供する説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一例のノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)の断面説明図である。 同ヘッドのノズル配列方向(液室短手方向)の断面説明図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例の要部平面説明図である。 同装置の要部側面説明図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの他の例の要部平面説明図である。 本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例の正面説明図である。 本発明の第3実施形態における払拭部材の説明に供する液体吐出ヘッドと払拭部材の斜視説明図である。 同じく同払拭部材の先端部の拡大斜視説明図である。 同じく液体吐出ヘッドと払拭部材の払拭状態での側面説明図である。 図21のノズル板と払拭部材の先端部の払拭状態での拡大説明図である。 同じく作用効果の説明に供するノズル周りの電子顕微鏡写真である。 同実施形態における払拭部材を備える維持回復機構を含む液体吐出ユニットの一例の平面説明図である。 同実施形態の具体例における払拭部材の変形可能部分及び配置位置の説明に供する説明図である。 同じく払拭部材の接触面の説明に供する説明図である。 同じく払拭部材による払拭及びノズル間隔と接触面の幅の関係の説明に供する拡大説明図である。 ワイピング耐性の評価装置の説明に供する説明図である。 エッジの磨耗状態のランク付けの説明図である。 ノズルからのインクに引出し状態のランク付けの説明図である。 評価結果の説明図である。 払拭部材の接触面の幅Laがノズル間隔Pnよりも長い場合の説明に供する側面説明図である。 同じく払拭面の平面説明図である。 払拭部材の接触面の幅Laがノズル間隔Pnよりも短い場合の説明に供する側面説明図である。 同じく払拭面の平面説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は同実施形態に係るノズル板の平面説明図、図2は同じく1つのノズル部分の拡大断面説明図である。
ノズル板1は、液体を吐出するノズル11となる孔(以下、「ノズル孔」という。)21が形成されたノズル基材20と、ノズル基材20の表面に形成された中間層30と、液体吐出面側表面に形成された撥液膜40とを有している。
ノズル基材20は、例えば金属製平板状部材である。ノズル基材20としてのステンレス鋼の金属製平板状部材を使用しているが、これに限るものではない。
中間層30は、下地層となる例えばSiO層、シランカップリング剤の層などの1又は複数の層で構成している。
撥液膜40は、エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格にもつフッ素樹脂を含む膜である。
撥液膜40には、ノズル11の外周部分において、ノズル11のエッジ11a側に向かって膜厚が薄くなる方向に傾斜している斜面41aが形成された斜面領域41がある。なお、斜面領域41の斜面41aは、断面形状で直線状に斜めになっていてもよく、あるいは、曲線状に斜めなっていてもよい。
なお、撥液膜40の斜面領域41を除く斜面領域以外の領域42は膜厚がほぼ一定で平坦である。
このように、撥液膜40に、ノズル11の外周部分において、ノズル11のエッジ側に向かって膜厚が薄くなる方向に傾斜している斜面領域41があることで、撥液膜40のノズル11側のエッジが、周囲の撥液膜40よりも低い位置にくるので、ワイパ部材が撥液膜40のエッジに干渉しにくくなることで、ワイパ部材が撥液膜40のエッジに引っ掛かることを低減・防止できる。
これにより、撥液膜40の耐久性を向上することができる。
ここで、撥液膜40の膜厚について図3も参照して説明する。図3は同説明に供するノズル孔部分の平面説明図である。
図3に示すように、ノズル11のエッジ11aからエッジ11aの法線上にノズル中心11oとは反対方向に5μm離れた円周CC上における20点で膜厚を測定し、次の(2)式で求める膜厚の母集団の相加平均を平均膜厚mとする。
Figure 2017132244
そして、次の(3)式で得られる量を分散と定義し、この分散の正の平方根σを、母集団(膜厚)の標準偏差とする。
Figure 2017132244
ここで、変動係数である「膜厚標準偏差σ/平均膜厚m」が小さいほど、膜厚に対する膜厚ばらつきが小さく平坦であることを意味する。
円周CC上における平均膜厚aは、円周CCを等間隔にφ10μmのスポット径でエリプソメータにより測定した。
このσ/mを変えたときのワイピング後の表面の液体拭き残しの有無を評価したところ、σ/m=0.03:無し、σ/m=0.06:無し、σ/m=0.09:無しであったが、σ/m=0.12:有り、σ/m=0.15:有りとなった。液体の拭き残しがない場合には、吐出される液体の噴射曲がりが発生しない。
したがって、σ/m<0.1、とすることで、噴射曲りを低減できる。
また、下地との界面におけるエーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格にもつフッ素樹脂の数平均分子量cと、膜最表面における同フッ素樹脂の数平均分子量dとの間に、c<d、の関係があることが好ましい。
すなわち、分子量が相対的に低いと、高温環境において、分子運動性が活発になるため下地との結合状態が良好となる。一方、分子量が高いと、払拭部材と直接接触する膜最表面において物理的磨耗に対する耐久性が向上する。
この撥液膜の深さ方向における分子量の大小は、温度を徐々に上げることで、低分子量のものから優先的に蒸発するため、樹脂蒸着時の温度をコントロールすることで達成可能である。
なお、撥液膜40における樹脂の平均分子量は、GPCにより測定した。測定結果は、c=24万、d=29万であった。
また、中間層30は、撥液膜40の下地となる層がアミノ基を有するシランカップリング剤層であることが好ましい。
これにより、アミノ基と撥液材料が相互作用することで高い密着性が得られる。
また、撥液膜40の膜厚は1μm以上3μm以下の範囲内にあることが好ましい。
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。図4は同実施形態に係るノズル板の1つのノズル部分の拡大断面説明図である。
本実施形態では、ノズル板1は、ノズル基材20のノズル孔21の内壁面にも中間層30を形成し、ノズル11の内壁面に撥液膜40を形成している。
ここで、ノズル11の内壁面(ノズル基材20のノズル孔21の壁面に相当する。)の撥液膜40bの膜厚t2は、撥液膜40aの領域42の膜厚t1の1/10以下(t2/t1<0.1)とすることが好ましい。
ノズル11の内壁面における撥液膜40aの膜厚t2は、膜厚が厚くなるとノズル径のバラつきが多くなるので、安定した吐出を実現させるためには薄いほうが好ましい。一方、液体吐出面側における撥液膜40aの膜厚t1は一般的に厚いほど耐久性が向上する。
これら相反する膜厚を有する撥液膜40は、例えば、気相法を用いて成膜することで得られる。
なお、膜厚の測定はイオンポリッシュによりノズル断面を出し、SEM観察することで測定可能である。
このノズル11の内壁面の撥液膜40bの膜厚t2と撥液膜40aの領域42の膜厚t1との関係について評価した。なお、t2/t1の比率が0.1を超えるものは、撥液膜をディップ工法で成膜し、その後、ノズル内に送風することでノズル内に流入したディップ液を飛ばし開口させた状態で乾燥させることでサンプルを得た。
この結果、噴射曲がりの有無は、t2/t1<0.05:無し、t2/t1<0.10:無し、t2/t1≧0.3:有り、となった。このことから、t2/t1<0.10であれば噴射曲りを低減ないし防止できる。
次に、上記各実施形態における撥液膜について説明する。
撥液膜40は、エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂(以下、単に「フッ素樹脂」ともいう)を含有する膜である。フッ素樹脂は、常温以上のガラス転移点Tgを有することが好ましい。
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)骨格は、下記構造式(1)で表されるTFE(テトラフルオロエチレン)の構造単位を繰り返す主鎖である。
Figure 2017132244
エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造とは、化学構造式でヘテロ原子として酸素を1〜2個含む5〜8員環の有機化合物の構造である。
フッ素樹脂は、撥液(接触角)の面から、フッ素の含有率が50質量%以上のものを用いることが好ましい。また、主鎖における環構造の割合は、目的とする被膜の強さや溶媒への溶解性、あるいは、ノズル基材との密着性等の面から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であることが好ましい。
フッ素樹脂のうち、特に非晶質フッ素樹脂を用いることが好ましい。非晶質フッ素樹脂は、膜強度、基材への密着性、膜の均一性等が優れているために本発明の効果をより一層発揮することができる。
エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造を有する構造単位としては、例えば以下の構造式(2)〜(6)で示されるものがある。
Figure 2017132244
Figure 2017132244
Figure 2017132244
Figure 2017132244
Figure 2017132244
PTFE骨格に上記構造式(5)で表される構造単位のエーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造を持つフッ素樹脂は、テフロン(登録商標)AFという商品名でデュポン社より出されている。テフロン(登録商標)AFは、テトラフルオロエチレン構造と、パーフルオロアルキル基を有するジオキソール構造を有するコポリマー[TFE/PDD:テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー]であり、種々の液体に対する撥液性の面で優れ好ましい。
上記テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマーは、非晶性フッ素樹脂であり、透明な樹脂である。テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマーとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
上記テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)成分に対して、パーフルオロイジオキソールコポリマー(PDD)成分の比率が高くなるにつれて、図5に示すようにガラス転移点が上昇する。市販されているのは、ガラス転移点が160℃のテフロン(登録商標)AF1600、240℃のテフロン(登録商標)AF2400のものである。
なお、図5は、テトラフルオロエチレンパーフルオロジオキソール(TFE/PDD)中のTFEとPDDとの比率とガラス転移温度との関係を示す図である。
また、PTFE骨格に上記構造式(2)で表される構造単位のエーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造を持つフッ素樹脂は、ハイフロンという商品名でソルベイ社より出されている。
また、PTFE骨格に上記構造式(6)で表される構造単位のエーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造を持つフッ素樹脂は、サイトップCTX−105又はサイトップCTX−805という商品名で旭硝子株式会社より出されている。
撥液膜40(フッ素樹脂層)の平均厚みは、前述したように、好ましくは1μm〜3μmである。
ノズル基材20に設けた凹凸が撥液膜40を構成するフッ素樹脂層表面に影響することなく平滑な表面を得るためには、1μm以上の膜厚が必要であり、また、ノズル11の形状やノズル径を維持する観点からは薄い方が好ましい。撥液膜40の平均厚みを1μm〜3μmの範囲とすると、ワイピング耐久性の観点からも、ノズル11の形状の観点からも好ましい。平均厚みは、例えば断面SEMにより測定することができる。
撥液膜4(フッ素樹脂層)の算術平均粗さRaは、1.0nm以下であることが好ましい。平均粗さRaが1.0nm以下であると、ノズル面は極めて平滑になり、ワイピングによる拭き残しが少なくなり、耐摩耗性も優れる。
算術平均粗さRaは、次のように定義される。長さlの区間において粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、抜き取られた部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取る。粗さ曲線をy=f(x)で表したときに、次の式(1)によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
Figure 2017132244
なお、算術平均粗さRaの測定は、原子間力顕微鏡(ブルカー・エイエックス社製 Dimension Icon)のフォース・タッピングモード(空気中)によって行った。カンチレバーは低バネ定数シリコンカンチレバー(オリンパス社製 OMCL−AC240TS−C3)を使用し、測定長さは10μmとした。
次に、本発明に係るノズル板の製造方法の一例について図6を参照して説明する。図6は同説明に供する説明図である。
図6(a)の基材準備工程では、ノズル基材20となる金属製平板状部材に対して鏡面研磨工程、洗浄工程の前工程を行う。
なお、ノズル基材20は、例えば、長さ30mm、幅15mm、厚み0.05mmの金属製平板状部材にプレス加工でノズル孔21を開口したものである。
金属製平板状部材としては、鉄基合金の代表例としてのステンレス鋼を使用できる。「ステンレス鋼」とはJIS G0203:2000の番号4201に記載されるように、Cr含有量が10.5%以上の鋼であり、種々の鋼種を使用できる。
鋼種として、オーステナイト系であれば、Cr:10.5〜35質量%、好ましくは、11〜30質量%、Ni:5〜30質量%程度、フェライト系であれば、Cr:10.5〜35質量%程度、好ましくは15〜30質量%程度の鋼種を採用することができる。例えば、JIS G4305:2005や、JIS G4312−1991に規定される鋼種を例示することができる。あるいは、これらの規格鋼種などをベースとして他の合金元素を添加し、各種特性の改善を図ったステンレス鋼も使用できる。
ニッケル基合金としては、Cr:12〜27質量%、Fe:5〜18質量%を含有する
高耐食性Ni−Cr−Fe合金を使用できる。この種の合金は「インコネル合金」として知られている。
そして、金属製平板状部材に、吐出面と反対側からパンチによる孔開け加工を行い、孔開け加工により生じるバリは、研磨または化学的なエッチングにより除去する。
次いで、図6(b)の中間層形成工程では、中間層30として、ノズル基材20の表面にスパッタ法などでSIO膜31を成膜し、液体吐出面側と反対側の面にテープ60を貼り付けた後、SIO膜31の表面にシランカップリング剤層32を成膜して形成する。
ここで、シランカップリング剤としては、アミノ基を有するカップリング剤が好ましく、特に、3−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。具体的には、KBE−903(信越化学)、A1100(モメンティブパフォーマンスマテリアル)などが挙げられる。シランカップリング剤層32の形成は、ディッピング法、スピンコート法、又はスプレー法などいずれの方法を用いても良い。
アミノ基を有するカップリング剤は、フッ素樹脂の分子中におけるヘテロ環のエーテル部とアミノ基の親和性が良いことから、アミノ基をもつシランカップリング剤をシリカ層の上に一層設けることでフッ素樹脂の定着性が大きく向上する。
その後、図6(c)に示す撥液膜40の成膜工程を行い、蒸着工法によって、ノズル基材20上に、撥液材料を蒸着して成膜する。このとき、撥液膜40はノズル基材20上であるシランカップリング剤層32の表面(中間層30の表面)に成膜される
エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂は、1.5〜8.0×10−3Paの高真空下で、350〜420℃に加熱し、蒸着膜の厚さが蒸着源に対向したノズル基材20上の厚みが1〜3μm程度になるまで真空蒸着する。真空蒸着は、例えば、図7に示すように、真空槽500内に、蒸着源501とノズル基材20とを対向配置して行う。
その後、図6(d)に示すように、アニーリング(加熱処理)による平坦化工程を行う。
ノズル基材20を特に加熱せず、成り行きの温度で蒸着することで得られた膜を、フッ素樹脂のガラス転移点Tg以上の温度でベークする(アニーリング)加熱処理を行う。
ベークは、対流式乾燥炉、循環送風式乾燥炉、フラッシュアニール装置、ハロゲンランプヒータ、真空乾燥機など、いずれの方法でもよいが、窒素雰囲気下で実施するのが好ましい。ベーク温度は、ガラス転移点Tgより20〜30度高い温度が好ましく、例えばガラス転移点Tgが160度(テフロン(登録商標)AF1600)の場合は、およそ180℃での加熱が好ましい。
フッ素樹脂のガラス転移点Tg以上の温度でベーク(アニール)することにより、緻密で、表面が平滑で、ノズル11へ近づくに従って膜厚が薄くなる斜面領域41を有する撥液膜40としてのフッ素樹脂膜となる。
例えば、ベーク前は、図8に示すように、膜内部には細孔600が存在し、膜表面は純水に対する接触角が114°、Ra=8nmであるのに対して、ベーク後は、図9に示すように、膜内部には空洞がなくなり、膜表面は純水に対する接触角が129°、Raは1nm以下となる。
また、フッ素樹脂膜の表面は、ノズル11のエッジ11aから40nmの範囲内でテーパ形状(斜面形状)となり、40nmの周囲より外側では平坦な面となった。
なお、蒸着工程(図6(c))の後に加熱処理を行うのではなく、蒸着工程中に加熱処理(アニール)を行ってもよい。ノズル基材20を加熱しながらフッ素樹脂を蒸着することで、フッ素樹脂のガラス転移点Tgに達しない温度での加熱処理でも、フッ素樹脂の表面を平滑にすることができる。
次に、撥液膜の成膜方法について説明する。
エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂を使用し、蒸着によりノズル基材に成膜した撥液膜は、液相法(例えばディッピング)で得られる撥液膜と異なり、最表面が微小な凹凸状態になることが判明した。また、上述したように、膜内部には細孔が存在する。
そのため、界面活性剤が添加されている液体、有機溶剤からなる液体のように表面張力が低い液体の場合には、ノズル面に設けたフッ素樹脂本来の撥液性を確保できない。
そこで、上記実施形態では、蒸着後、若しくは、蒸着中に撥液膜を加熱することにより、撥液膜を流動させることで、膜の表面を平滑化し、膜内部の細孔が無くなるようにしている。
そのため、蒸着後に撥液膜を加熱する場合には、上記フッ素樹脂のガラス転移点Tg以上の温度で加熱処理している。他方、ガラス転移点Tgより大幅に高い温度での加熱は、気相法で得られた高い寸法精度の膜形状を溶融し壊してしまうことから、ガラス転移点Tgより20〜30度高い温度で、成膜後の撥液膜を加熱処理することが好ましい。
また、蒸着工程中に加熱処理を行う場合は、ノズル基材20を加熱しながらフッ素樹脂を蒸着する。これにより、ノズル基材20に成膜された直後の撥液膜を加熱することになるので、ガラス転移点Tgに達しない温度での加熱処理とすることができる。この場合、ノズル基材や中間層に用いる材料を、耐熱性が比較的低い材料も選択することができる。
次に、撥液膜を形成するフッ素樹脂(撥液材料)のガラス転移点Tgについて説明する。
エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂からなる撥液膜40を設けたノズル板1は、例えば、後述する液体吐出ヘッドのノズル板として使用するとき、ノズル11が通じる個別液室などを形成する流路部材と接着剤で接合される。
この接合工程においては、例えば図10(a)に示すように、流路部材50に例えばエポキシ系熱硬化型接着剤300を塗布してノズル板1と重ね合わせた状態で、上治具701と下治具702との間に配置する。
上治具701には、シリコンシート711、テフロン(登録商標)シート712を介してダミーリストリクタ713が設けられ、ダミーリストリクタ713がノズル板1の撥液膜40に接する。下治具702には、ダミーリストリクタ721が設けられる。
そして、図10(b)に示すように、上治具701のダミーリストリクタ713と下治具702のダミーリストリクタ721との間でノズル板1及び流路部材50の接合部材を挟んで加圧しながら、加熱することで、接着剤300を硬化させる。
このときの接合条件としては、10kg/cm以上の圧力と150℃以上の温度とを15時間以上に与えて接合を行うことで、所要の接合強度が得られる。
ここで、ガラス転移点Tgが200℃以上の撥液膜40であるときには、図11(a)に示すように、撥液膜40がダミーリストリクタ713に転移することなく、接合することができる。
これに対し、ガラス転移点Tgが200℃未満の撥液膜40では、図11(b)に示すように、撥液膜40が破壊されて、ダミーリストリクタ713に転移することがある。
これは、例えば、フッ素樹脂がテフロン(登録商標)AFのような熱可塑性樹脂である場合、図12に示すように、加熱により、顕著に低硬度化する現象を示す。これは、樹脂の分子量分布により、低分子量の部分はより早く低硬度化、即ち流動が起き始めていると考えられる。この状態で、対向部材(リストリクタ713)と当接させて圧を掛けると、対向部材側に転写される部分が生じることによる。
つまり、図12に示すように、ガラス転移点Tgが160℃であるフッ素樹脂の場合、接合温度である150℃におけるマルテンス硬さは25N/mm以下となっており、これは樹脂膜としての構造が完全に崩れる直前の状態と考えられ、対向部材への転写が簡単に生じる。
一方、ガラス転移点Tgが240℃であるフッ素樹脂の場合、接合温度である150℃におけるマルテンス硬さは40N/mm以上あり、やや低下しているものの、膜の構造の大部分を維持していると考えられる。そのため、上記の接合条件でも対向部材への転写が起こらなかったと考えられる。
そこで、撥液膜40は、ガラス転移点が200℃以上の、エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂とすることで、ノズル板と他の部材とを高い品質で安定して接合することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの一例について図13及び図14を参照して説明する。図13は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)の断面説明図、図14は同ヘッドのノズル配列方向(液室短手方向)の断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、本発明に係るノズル板101と、流路板102と、壁面部材としての薄膜部材からなる振動板部材103とを積層接合している。そして、振動板部材103を変位させる圧電アクチュエータ111と、共通液室部材としてのフレーム部材120とを備えている。
ノズル板101、流路板102及び振動板部材103によって、液体を吐出する複数のノズル104が通じる個別液室106と、個別液室106に液体を供給する流体抵抗部107と、流体抵抗部107に通じる液導入部108とを構成している。
そして、フレーム部材120の共通流路としての共通液室110から振動板部材103に形成した供給口109を通じて、液導入部108、流体抵抗部107を経て個別液室106に液体が供給される。なお、導入口部108にはフィルタが設けられても良い。
振動板部材103は、流路板102の個別液室106の壁面を形成する壁面部材である。この振動板部材103は3層構造とし、流路板102側の1層で個別液室106に対応する部分に変形可能な振動領域(振動板)130を形成している。
そして、この振動板部材103の個別液室106とは反対側に、振動板部材103の振動領域130を変形させるアクチュエータ手段、圧力発生手段としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ111を配置している。
この圧電アクチュエータ111は、ベース部材113上に接着剤接合した複数の積層型圧電部材112を有し、圧電部材112にはハーフカットダイシングによって溝加工して1つの圧電部材112に対して所要数の柱状の圧電素子(圧電柱)112A、112Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。
圧電部材112の圧電素子112A、112Bは、同じものであるが、駆動波形を与えて駆動させる圧電素子112Aと、駆動波形を与えないで単なる支柱として使用する圧電素子112Bとしている。
そして、圧電素子112Aを振動板部材103の振動領域130に形成した島状の厚肉部である凸部130aに接合している。また、圧電素子112Bを振動板部材103の厚肉部である凸部130bに接合している。
この圧電部材112は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極が設けられ、圧電素子112Aの外部電極に駆動信号を与えるためのフレキシブル配線部材としてのFPC115が接続されている。
フレーム部材120は、例えばエポキシ系樹脂或いは熱可塑性樹脂であるポリフェニレンサルファイト等で射出成形により形成し、ヘッドタンクや液体カートリッジから液体が供給される共通液室110が形成されている。
この液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子112Aに印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子112Aが収縮し、振動板部材103の振動領域130が引かれて個別液室106の容積が膨張することで、個別液室106内に液体が流入する。
その後、圧電素子112Aに印加する電圧を上げて圧電素子112Aを積層方向に伸長させ、振動板部材103の振動領域130をノズル104方向に変形させて個別液室106の容積を収縮させる。これにより、個別液室106内の液体が加圧され、ノズル104から液体が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子112Aに印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材103の振動領域130が初期位置に復元し、個別液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室110から個別液室106内に液体が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図15及び図16を参照して説明する。図15は同装置の要部平面説明図、図16は同装置の要部側面説明図である。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、この装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの他の例について図17を参照して説明する。図17は同ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの他の例について図18を参照して説明する。図18は同ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニットは、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
次に、本発明の第3実施形態における払拭部材について図19ないし図22を参照して説明する。図19は液体吐出ヘッドと払拭部材の斜視説明図、図20は同払拭部材の先端部の拡大斜視説明図、図21は液体吐出ヘッドと払拭部材の払拭状態での側面説明図、図22は図21のノズル板と払拭部材の先端部の払拭状態での拡大説明図である。
まず、エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂を撥液膜に使用した場合のワイピング耐性(ワイピング耐久性、耐ワイピング性)について説明する。
前記実施形態で使用したエーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂は、硬くて脆い性質のために、払拭部材による払拭(ワイピング)よって膜剥離などが生じやすく、ワイピング耐性が低いという問題がある。特に、ノズル(ノズル孔)のエッジ部のワイピング方向(払拭方向)下流域においてその傾向が顕著である。
そこで、前記実施形態では、ノズルの外周部分においてノズルのエッジ側に向かって膜厚が薄くなる方向に傾斜している斜面領域を設けることで、ノズルのエッジ部に払拭部材から離れる方向の傾斜形状を持たせている。これにより、払拭時に、払拭部材がノズルの斜面領域よりも外側の面によって支えられ、払拭部材がノズル内には入り込むことを抑制し、ノズルのエッジ部との干渉を低減し、撥液膜の剥離などを防止して耐ワイピング性を向上している。
ところが、吐出する液体の種類や払拭部材のノズル面への押し付け方によっては、前記実施形態のようにノズルの外周部分においてノズルのエッジ側に向かって膜厚が薄くなる方向に傾斜している斜面領域を設けるだけでは、ワイピング耐性が不十分でノズルのエッジ部に摩耗が発生する場合があることを見出した。
そこで、本実施形態では、払拭部材がノズル面に面接触する状態で払拭を行うようにすることで、払拭部材のノズル面との接触部がノズル内に過度に接触して斜面領域の撥液膜を削ることを防止できるようにした。
つまり、図20及び図22に示すように、払拭部材(ワイパ部材)800は、払拭方向に沿う方向の断面形状において、液体吐出ヘッド100のノズル面100a(撥液膜40の最表面)に接触する接触部(先端部)に、ノズル面100aに接触して払拭するときに、ノズル面100aに面接触する所定の幅Laを有する接触面800aが設けられた形状としている。
ここで、ノズル面100aに接触して払拭するときの、払拭部材800の接触面800aの幅Laは、払拭方向におけるノズル11の開口幅(ここでは、ノズル直径)Lb以上としている。
この払拭部材800は、払拭を行うときに、接触面800aがノズル面100aに面接触した状態で払拭方向に相対移動される。
払拭部材800のノズル面100aに接触する先端部の形状を上記のように構成することで、ノズル11のエッジ部の周囲に斜面領域41を設けることと併せて、面接触する払拭部材800の先端部がノズル11内に入り込み難くなる。これは、払拭部材800のノズル面100aに接触する先端部に接触面800aを形成することで、払拭部材800の弾性変形量そのものが抑えられ、ノズル11内への入り込みを抑制できることによる。
これにより、ノズルのエッジ部の磨耗を抑制することができる。
すなわち、払拭部材800の接触部をエッジ形状としたときには、払拭部材800のノズル面100aへの押し付け方や払拭する液体種類によっては、図23(b)に示すように、ワイピング耐性が不十分でノズル11のエッジ部外側に払拭方向に沿って磨耗による削れ651が発生する場合がある。
これに対し、払拭部材800の接触部の形状を所定の幅を有して面接触する形状とすることにより、図23(a)に示すように、接触部をエッジ形状としたときに摩耗が発生する条件(押し付け方や払拭する液体種類)であっても、ノズル11のエッジ部の磨耗を抑制することができる。
この第3実施形態における払拭部材を維持回復機構に備え、液体吐出ヘッドと一体化して前述した液体吐出ユニットを構成することができる。また、第3実施形態における払拭部材を、液体を吐出する装置の維持回復機構に備えることもできる。なお、前記図15の液体を吐出する装置では、ワイパ部材422はノズル配列方向と直交する方向を払拭方向とするが、上記第3実施形態の払拭部材800はノズル配列方向を払拭方向としている。
ここで、上記第3実施形態における払拭部材を備える維持回復機構を有する液体吐出ユニットの一例について図24を参照して説明する。図24は同液体吐出ユニットの平面説明図である。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404と、例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420を取り付けて構成している。
次に、上記第3実施形態の具体例について図25ないし図27も参照して説明する。図25は払拭部材の変形可能部分及び配置位置の説明に供する説明図、図26は払拭部材の接触面の説明に供する説明図、図27は払拭部材による払拭及びノズル間隔と接触面の幅の関係の説明に供する拡大説明図である。
図26に示すように、所定の厚さのブレード状の払拭部材(ワイパブレード)800のエッジ端部に切欠き(C面)を設けて接触面800aとしている。なお、払拭部材800は例えば厚さ1mmのEPDMゴムで形成した。
図25に示すように、この払拭部材800をワイパホルダ801に保持し、先端部から所定の長さHaの部分を撓み変形可能として、ノズル板1に対して所定の長さHb分重複させた位置で払拭動作を行う構成とした。なお、例えば、長さHaは7mm、長さHbは2mmとする。
そして、図27に示すように、払拭動作を行うときに払拭部材800が撓むことによりC面である接触面800aがノズル面100aに所定の圧力で面接触しながら払拭する。
なお、ここでは、図27に示すように、ノズル11の払拭方向におけるノズル間隔(ピッチ)Pnは、例えば100μmとしている。
<ワイピング耐性の評価>
図28に示す評価装置を使用してワイピング耐性(耐久性)を評価した。具体的には、インク610を収容した容器601内に、ノズル板1を固定治具602で固定し、払拭部材800を固定治具612に固定して、ノズル板1の撥液膜40表面に対するワイピング(払拭)動作を行った。
インク610としては、株式会社リコー製のRICOH GX−3000用のインクジェット用インクである、GXカートリッジブラック GC21Kを使用した。
<払拭部材とノズル面との接触部分の形状確認評価>
3D測定レーザー顕微鏡OLS4100(オリンパス製)を使用し、3000倍の倍率で平坦な領域の幅を測定した。
<ワイピング耐性評価後のエッジの磨耗状態観察方法及びランク>
図29に示すように、ワイピング耐性評価後の撥液膜のエッジ部からの削れ651の長さは、金属顕微鏡で1000倍に拡大して観察することができる。その削れ651の有無及び長さから、図29に示すようにレベル1ないし5までのランク分けを行った。
<ワイピング耐性評価後のノズルの払拭方向下流域付着したインク観察方法及びランク>
図30に示すように、ワイピング耐性評価後のノズル11の払拭方向下流域付着したインクのすじ652は、金属顕微鏡で1000倍に拡大し観察することができる。その付着状況(すじ652の有無及び長さ)から、図30に示すようにレベル1ないし5までのランク分けを行った。
<噴射曲り評価>
ノズル板1を備える液体吐出ヘッドを構成して、株式会社リコー製IPSiO G515に搭載して、噴射曲りの評価を行った。評価は、ワイピング耐性試験を実施する前の状態(耐性試験前)で、1万回のワイピング耐性試験を実施した後の状態(耐性試験後)で、それぞれ、ノズルチェックパターンを印刷し、印刷されたノズルチェックパターンを目視観察することにより噴射曲がりの有無により評価した。
ここでは、図31に示すように、払拭部材800のノズル板1に対する接触面800aの接触幅Laを、5、10、20、30、40、50、100μmとした7つの例(評価例1〜7という。)について評価した。この評価結果を図31に示している。
なお、図31の評価結果における耐久後(ワイピング耐性試験後)の印字品質の欄の「△」は実使用上問題のない程度に収まっていることを、「×」は実使用に耐えない程度の曲りが生じていることを意味する。「○」は「△」よりも噴射曲りが少なく、更に、「◎」は「○」よりも噴射曲りが少ないことを意味している。
この評価結果より、払拭部材800の接触面800aの幅(接触幅)Laがノズル11の開口幅(直径)Lb以上(20μm以上)である評価例3ないし7では、ノズル11のエッジ部付近での撥液膜40の削れを抑制できることが分かる。これに対し、払拭部材800の接触面800aの幅Laがノズル11の開口幅(直径)Lb未満(20μm未満)である評価例1、2ではエッジ部の撥液膜40の削れが生じる。
また、接触幅Laが隣接するノズル間隔Pn(100μm)より小さければ、ノズル11からインク引き出しを抑制することができる。接触幅laが隣接するノズル間隔Pnと同じ(100μm)場合には、ノズル11の払拭方向下流側の領域にノズル11から引き出されたインクのすじ652が確認された。
特に、ノズル直径(開口幅Lb)=20μm,ノズル間隔Pn=100μmのとき、接触幅Laを20〜40μmとしたときは、ノズル11のエッジ部付近の撥液膜40の削れ651もなく、インクの引き出しによるすじ652もなく良好な結果となる。つまり、接触幅/ノズル間隔が0.2以上0.4以下のときに特に良好な結果が得られる。
ここで、払拭部材の接触面の幅Laとノズル間隔Pnの関係について図32ないし図35を参照して説明する。図32は接触面の幅Laがノズル間隔Pnよりも長い場合の説明に供する側面説明図、図33は同じく払拭面の平面説明図である。図34は接触面の幅Laがノズル間隔Pnよりも短い場合の説明に供する側面説明図、図35は同じく払拭面の平面説明図である。
まず、払拭部材800の接触面800aの幅Laがノズル間隔Pnよりも長い場合には、図32及び図33に示すように、払拭部材800は隣り合う2つのノズル11に跨って対向する状態になりながら払拭を行うことになる。そのため、次のノズル11を払拭するときに、1つ前に払拭したノズル11からインクを引きずり出したまま次のノズル11の払拭を行うことになり、引きだされたインクが切れることがなくなる。
これに対し、払拭部材800の接触面800aの幅Laがノズル間隔Pnよりも短い場合には、図34及び図35に示すように、払拭部材800は隣り合う2つのノズル11に跨って対向する状態にならないで払拭を行うことになる。そのため、次のノズル11を払拭するときに、1つ前に払拭したノズル11から引きずり出したインクは次のノズル11の払拭を行うときには千切れるので、ノズル間に跨ってインクが引きずられることがなくなる。
したがって、払拭部材800の接触面800aの幅Laがノズル間隔Pnよりも短くすることが好ましい。
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を 気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
1 ノズル板
11 ノズル
20 ノズル基材
21 ノズル孔
30 中間層
40 撥液膜
101 ノズル板
102 流路板
103 振動板部材
104 ノズル
106 個別液室
110 共通液室
112 圧電部材
120 フレーム部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
440 液体吐出ユニット

Claims (18)

  1. 液体を吐出するノズルを有し、少なくとも液体吐出面側表面に撥液膜を有するノズル板であって、
    前記撥液膜は、エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂を含有する膜であり、
    前記撥液膜には、前記ノズルの外周部分において、前記ノズルのエッジ側に向かって膜厚が薄くなる方向に傾斜している斜面領域がある
    ことを特徴とするノズル板。
  2. 前記撥液膜の表面は前記斜面領域以外の領域では平坦である
    ことを特徴とする請求項1に記載のノズル板。
  3. 前記ノズルのエッジからエッジの法線上にノズル中心とは反対方向に5μm離れた円周上における前記撥液膜の膜厚の平均膜厚mと、当該膜厚の標準偏差σとの関係が、σ/m<0.1、である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のノズル板。
  4. 前記ノズルの内壁面にも前記撥液膜を有し、
    前記ノズルの内壁面の前記撥液膜の膜厚t2は、前記斜面領域以外の領域の膜厚t1の1/10以下である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のノズル板。
  5. 前記撥液膜内の下地との界面における前記フッ素樹脂の数平均分子量cと、膜最表面における前記フッ素樹脂の数平均分子量dとの間に、c<dの関係がある
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のノズル板。
  6. 前記ノズル基材と前記撥液膜は、シランカップリング剤層を介して密着している
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のノズル板。
  7. 前記シランカップリング剤層は、アミノ基を有するシランカップリング剤層である
    ことを特徴とする請求項6に記載のノズル板。
  8. 前記撥液膜の前記液体吐出面側表面の膜厚は、1μm以上3μm以下の範囲内にある
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のノズル板。
  9. 前記撥液膜は、ガラス転移点が200℃以上の、エーテル結合を有する含フッ素ヘテロ環状構造をPTFE骨格に有するフッ素樹脂である
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のノズル板。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のノズル板を備えていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  11. 請求項10に記載の液体吐出ヘッドを含むことを特徴とする液体吐出ユニット。
  12. 前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか一つと前記液体吐出ヘッドとを一体化した
    ことを特徴とする請求項11に記載の液体吐出ユニット。
  13. 請求項10に記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項11若しくは12に記載の液体吐出ユニットを備えていることを特徴とする液体を吐出する装置。
  14. 請求項10に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドのノズル面を払拭する払拭部材と、を備え、
    前記払拭部材で前記ノズル面を払拭するとき、払拭方向における前記払拭部材と前記ノズル面との接触幅が前記ノズルの開口幅以上であり、前記払拭部材が前記ノズル面に面接触した状態にある
    ことを特徴とする液体吐出ユニット。
  15. 払拭方向における前記払拭部材と前記ノズル面との接触幅は、払拭方向において隣り合う前記ノズルの間隔よりも狭い
    ことを特徴とする請求項14に記載の液体吐出ユニット。
  16. 請求項10に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドのノズル面を払拭する払拭部材と、を備え、
    前記払拭部材で前記ノズル面を払拭するとき、払拭方向における前記払拭部材と前記ノズル面との接触幅が前記ノズルの開口幅以上であり、前記払拭部材が前記ノズル面に面接触した状態にある
    ことを特徴とする液体を吐出する装置。
  17. 払拭方向における前記払拭部材と前記ノズル面との接触幅は、払拭方向において隣り合う前記ノズルの間隔よりも狭い
    ことを特徴とする請求項16に記載の液体を吐出する装置。
  18. 前記請求項1ないし9のいずれかに記載のノズル板の製造方法であって、
    前記ノズル孔が設けられた金属製のノズル基材上に、前記フッ素樹脂を蒸着工法で成膜する工程と、
    ガラス転移点Tg以上の温度で前記フッ素樹脂の膜を加熱処理する工程と、を行う
    ことを特徴とするノズル板の製造方法。
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