JP2005324539A - インク吐出装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定的に精度よく均一の大きさでインク吐出孔を形成し、更に、インク吐出方向を安定化させるため、孔周囲の撥水膜に対し、膜抜け残りや基材からの浮き上がり等が発生しないインク吐出装置とその製造方法を提供しようとするものである。
【解決手段】撥水膜の膜厚を20nm以下とし、更にノズルプレート基材と撥水膜の間に厚さ30nm以下の密着層を介することで、ノズルプレートに予め撥水膜が被膜化された状態でもエキシマレーザなどを用いたレーザ加工方法によるインク吐出孔の加工時に撥水膜が基材に対して密着良く、かつ精度良く均一な大きさでのインク吐出孔加工が可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ノズルプレートに形成したインク吐出孔よりインクを噴射して高速高密度な記録動作を行えるインク吐出装置に関するものである。
近年、プリンタにおいては、インパクト印字装置に代わって、カラー化、多階調化に対応し易いインクジェット方式などのノンインパクト印字装置が急速に普及している。前記プリンタに用いるインク吐出装置としては、特に、印字に必要なインク滴のみを吐出するというドロップ・オン・デマンド型がインク吐出効率の良さ、低コスト化の容易さなどから注目されている。
前述のドロップ・オン・デマンド型としては圧電駆動方式やサーマルジェット方式が主流となっている。前記の方式において、全てのインク吐出孔からのインクの飛翔方向を常に安定的とするためにはインク吐出孔の非常に高い加工精度が要求される。
特に、インク飛翔方向の安定化に不可欠な吐出孔出口部周囲に形成されている撥水性被膜を含めた加工精度は重要であり、孔周囲の一部において撥水性被膜に傷や撥水膜の抜け残り、更には基材からの浮き上がり等が発生すると、インク吐出方向や吐出状態の不安定化の原因となる。
インク吐出孔を加工する際に孔出口部周囲の撥水膜に対し少しのダメージを与えず形成するためには撥水膜自体の加工性と基材に対する密着性が重要である。
上記課題に対して、ノズルプレート基材に対して全て均一の大きさで、かつ非常に良好な形状の吐出孔を形成するエキシマレーザー加工機を用いた加工方法(特許文献1)が提案されている。前記方法において孔大きさを均一にし、孔形状を安定的に良好にするためには基材がエキシマレーザの波長域に対して吸収特性があることが必要であり、材料としてはポリイミドなどの高分子材料が該当する。しかし、前記高分子材料の上に撥水性被膜を形成することは密着性の点で比較的困難である。前記課題に対しては、プラズマ処理等を行い、基材表面を親水性に改質して被膜化する方法が提案されているが、エキシマレーザなどの強いエネルギーが加わると、熱衝撃などにより被膜の一部が浮き上がる現象が発生し易くなる。更に、撥水膜の膜厚が0. 5μm以上となると、レーザ波長に対し、撥水性の高いフッ素やシリコーン系の撥水膜ではその材料自体にもレーザ波長に透過性があり、加工一部の孔においては加工ばらつきにより膜抜け残り等が発生し、全インク吐出孔が良好な形状とならない場合が多い。プリンタにおいて、一つのインク吐出孔でも問題があると、そのノズルプレート全体が問題あることと同様であり、インク吐出孔形成は非常に安定的に実現することが重要である。
更に、20nm以上の厚さのフッ素系撥水膜に対してエキシマレーザによりインク吐出孔加工を行った場合(特許文献2)においても、レーザ加工装置のレーザ出力値の制御等において非常に高いものを必要とし、基材や撥水膜の種類によっては非常に多くのインク吐出孔を加工すると、孔周囲の撥水膜に対して微細部分であるが膜の浮き上がり等の損傷が発生する場合がある。
一方、撥水膜へのダメージを軽減するためノズルプレート基材にインク吐出孔を形成後、基材上に撥水膜を被膜化する方法が提案されている。前記方法の場合、孔内部にも一部撥水膜が形成されることとなる。又、吐出孔内部にまで撥水膜が形成された場合、ヘッド中のインクに負圧を与えた場合、インクと同時に気泡がヘッド内部に侵入する場合があり、インク吐出が不安定となる。更に全ての吐出孔において吐出方向を一定とするためにはインク吐出孔内部の撥水膜の侵入状態も均一である必要があり、インク吐出孔やインク流路内部を液体や固体で充填した後に撥水膜を被膜化する方法(特許文献3)や、インク吐出孔よりエアを噴出させながら撥水膜を被膜化する方法(特許文献4)が提案されている。
しかし、前者は充填方法が容易でないことや充填剤の除去も困難といった技術的課題であり、後者についてもエアの流れの影響を受け易く完全な孔周囲の被膜化が困難であるなど多くの課題が存在する。
特開平3−207657 特許第3196796 特開昭63−122560 特開昭62−59047
以上のように、エキシマレーザで単に加工するだけでは、良好な吐出孔形成を実現することは困難を要す。
又、インク吐出孔形成後、ノズルプレート上に撥水膜を被膜化する方法には、孔内部にも一部撥水膜が形成される等の問題がある。
本発明は、インク吐出孔を均一な形状で高精度で形成でき、撥水膜に抜け残りやノズルプレートからの浮き上がりといった損傷がないインク吐出装置及びその製造法を提供することを目的とする。
( 1) この発明は、少なくとも1以上のインク流路を設けたインクヘッド部に当接し、表面に撥水膜を備えたノズルプレートを有するインク吐出装置であって、前記ノズルプレートと撥水膜の間に密着層を形成したことを特徴とする。
この発明では、前記事項により、撥水膜とノズルプレートが密着され、レーザ加工による撥水膜の膜剥がれや浮き上がりを防ぐ。
( 2) この発明は、前記ノズルプレートに前記撥水膜が20nm以下に形成されることを特徴とする。
(3)この発明は、前記撥水膜膜厚が2から4nm範囲に形成されることを特徴とする。
この発明では、撥水膜をノズルプレート表面全体に斑なく形成でき、高撥水性および高撥油性を得ることができる。
( 4) この発明は、フッ素系溶媒によって希釈した溶液を用いて蒸着処理にて、室温20℃から80℃以下の温度範囲で、前記ノズルプレートに前記撥水膜が被膜化されることを特徴とする。
複数の異種材料が積層されるノズルプレート内部に熱応力を内在しないためインク吐出孔加工時に膜剥がれ現象の発生を抑制できる。
( 5) この発明は、前記密着層が、紫外線波長を透過する材料からなり、その厚さを30nm以下とすることを特徴とする。
前記事項により、レーザによる熱によって密着層が加熱され、前記熱の影響で撥水膜にダメージが与えられることを回避でき、膜厚も薄いため密着層を介しても精度良いインク吐出孔を成形できる。
(6)この発明は、前記密着層の膜厚が5から15nmの範囲とすることを特徴とする。
この発明では、密着層をノズルプレート表面全体に斑なく形成できるため、ノズルプレート表面に対して均質に撥水膜を形成できる。さらに、インク吐出孔を形成するためのレーザ加工時において、様々な条件でのレーザ加工をより安定的に精度良く行うことができる。
( 7) この発明は、前記密着層が、スパッタリング成膜によるシリコン酸化物とすることを特徴とする。
前記事項により、ノズルプレートとの間で密着層を密着良く強固に形成できる。
( 8) この発明は、前記ノズルプレートが、紫外線エネルギーを吸収する高分子材料から構成されること特徴とする。
エキシマレーザなどのレーザ加工装置を用い、安定的に精度良いインク吐出孔を形成できる。
( 9) この発明は、ノズルプレート上に密着層を形成させ、密着層の上に撥水膜を形成させた後、レーザ加工装置により、インク吐出孔を形成することを特徴とする。
前記事項により、インク吐出孔周囲にのみ撥水膜が形成し、その結果吐出方向が安定する。
( 10) この発明は、同一真空中の成膜処理により、前記密着層及び撥水膜が形成されることを特徴とする。
前記事項により、撥水膜と密着層をより一層強固に密着できる。
本発明によれば、ノズルプレートと撥水膜との間に密着層を形成させることで、インク吐出孔を加工した際にインク吐出孔部周囲の撥水膜の膜剥がれやノズルプレートからの浮き上がり等を防ぎ、精度良いインク吐出孔形状を実現し、吐出方向が安定するという効果がある。
又、撥水膜厚は20nm以下と非常に薄いため、エキシマレーザ装置などを用いたレーザ光によるインク吐出孔加工において撥水膜に損傷なく加工ができ、結果インク吐出方向が安定するという効果がある。
又、ノズルプレート基材と撥水膜の間にレーザ波長域に対して透過性を有すシリコン酸化物を密着層として用いることで、より強固に撥水膜を基材上に被膜化でき、レーザ加工時のインク吐出孔周囲における撥水膜の剥がれ又は浮き上がりを防ぎ、インク吐出方向が安定するという効果がある。
ノズルプレートに撥水膜を被膜化後にレーザ加工装置によりインク吐出孔を形成しても、非常に安定に精度良いインク吐出孔を形成できるため、孔加工後に撥水性被膜化する方法より被膜化方法自体が容易であり、インク吐出方向に影響する孔内部への撥水性を防ぐことができ、結果インク吐出方向が安定するという効果がある。
又、撥水膜をノズルプレート表面全体に斑なく形成でき、高撥水性および高撥油性を得ることができるという効果がある。
又、密着層をノズルプレート表面全体に斑なく形成できるため、ノズルプレート表面に対して均質に撥水膜を形成できる。
又、インク吐出孔を形成するためのレーザ加工時において、様々な条件でのレーザ加工をより安定的に精度良く行うことができるという効果がある。
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、インクジェットヘッドの斜視図、図2はノズルプレートのインク吐出孔の加工前(a )と加工後(b )の断面を示す断面図であり、図3は、インクジェットヘッドの製造フローを示すフローチャートである。図4は、顔料系インクに接液した場合における撥水膜上に存する付着物数と密着層膜厚との関係を示すグラフである。図5は、顔料系インクに接液した場合における撥水膜上に存する付着物数と撥水膜の膜厚との関係を示すグラフである。
図1において、インクジェットヘッドは、ヘッド部2とノズルプレート1から構成されている。前記ヘッド部2は、インクを供給するインク流路3が一定間隔で5個所設けられている。前記ノズルプレート1は、前記インク流路3に当接し、端部(正面方向)に撥水膜6が被膜化され、前記インク流路3に各々対応してインク吐出孔4が開設されている。
次に、図2を用いて、前記ノズルプレート1について説明する。(a )、(b)はそれぞれ加工前、加工後の前記ノズルプレート1の断面図を示している。
図2においては、前記ノズルプレート1表面には前記撥水膜6が形成され、前記撥水膜6と前記ノズルプレート1の間に密着層の役割を果たす密着層5が介在している。前記密着層5はSiO2のスパッタ成膜により形成される。
図2(b)における、前記インク吐出孔4は、エキシマレーザを用いて加工される。すなわち、前記撥水膜6が被膜化されていない側よりエキシマレーザ光を照射し、その際、加工形状が入射側が広く、出射側が狭いテーパ状となるように制御される。
次に、図3を用い、インクジェットヘッドの製造工程について説明する。
撥水膜としては、例えばダイキン工業株式会社製の撥水剤オプツールDSXを使用する。前記撥水剤は、撥水油性が高く、水系インクの場合で静的接触角が70°程度、更に動的接触角も20°程度の撥水面の傾きにより液滴が移動する。このように、撥水膜としての性能は高い。
本実施形態では撥水膜をオプツールDSXとしたが、これに限定するものではない。20nm以下の厚さで基材に対し密着良く形成できるものであれば、より望ましい。
(ステップ0)
ステップ0において、前記ノズルプレート1を形成する出発材料の両面を中性洗剤などを用いて擦り洗い洗浄し、表面に付着した油脂等の汚れを除去する。
なお、前記ノズルプレート1の形成部材にはエキシマレーザなどのレーザ加工装置の波長領域に対し吸収特性を有するポリイミドなどの高分子材料を用いる。ノズルプレート基材としては宇部興産株式会社製ポリイミド材料であるユーピレックスを用い、その厚さを50μmとする。
なお、前記ノズルプレート1の出発材料については、前記材料に限定するものではなく、前記吸収特性を示すその他高分子材料であっても良い。
(ステップ1)
ステップ1において、スパッタリング装置を用い、前記ノズルプレート1 の出発材料と前記撥水膜6の間にSiO2をスパッタ成膜する。前記SiO2は前記ノズルプレート1 と撥水膜6の間の密着層5の役割をなす。前記SiO2の厚さは約3nmと非常に薄い膜厚である。これにより、レーザ加工時にレーザ波長の透過しやすいSiO2膜の影響を排除できる。なお、SiO2の膜厚として実験結果よりその厚さが30nmまではレーザの影響を受け難いことが実証された。
しかしながら、密着層5の厚さを5nm未満、例えば3nmとした場合は、スパッタリング処理によって密着層5を薄膜形成する際、基材とターゲットの位置関係などによって膜厚にばらつきが生じやすい。つまり、部分的に膜が疎なエリアが発生しやすくなる。このエリアにおいては、密着層5が疎なため、基材に撥水膜6を形成する際、基材と撥水膜6との間で結合力を十分に取れず、撥水膜6を基材上に形成できない状況が起きやすい。
図4で示すように、顔料系インクに接液した場合、密着層5の厚さを5nm未満とした場合、顔料系インクに含まれる樹脂(付着物)が撥水膜6上により多く残る傾向を実験により確認できた。また、密着層5の厚さを5nm以上とした場合、付着物数が10個以下とほぼ安定した状態であることを実験により確認できた。
以上より、密着層の膜厚としては5nm以上がより望ましいと言える。
なお、付着物数は、撥水膜6の100μm当りに存する付着物の個数である。この付着物は、実際に撥水膜6上に強固に固着しているものではなく、ワイピングにより容易に除去できるものである。付着物数が少ない場合、この付着物によって撥水膜上が濡れることはなく、インク吐出の着弾精度には影響がでないことを確認した。
一方、密着層5の厚さを15nmから30nmの範囲とした場合では、レーザ加工する際の孔径や孔形状によっては抜け残りなく安定な形状でインク吐出孔4が形成できない場合がある。特にレーザのショット数を少なくした場合や、レーザの出力エネルギーを落として加工する場合など、小径インク吐出孔4やインク吐出孔4の入り口側と出口側の孔径の比率をより大きくする場合が該当する。
従って、密着層5を基材上に斑なく形成し、且つレーザ加工する際に安定して良好なインク吐出孔4を形成するためには、密着層5の厚さを5nmから15nmの範囲とすることがより望ましい。
なお、密着層5を基材上に斑なく形成することで、基材上に対して均質に撥水膜6を形成できる。
前記密着層5にレーザ波長を吸収するタンタル等の金属膜を拌用すると、レーザ加工時に金属膜が熱を持つため、撥水膜にダメージを与えることが実験結果により判明した。したがって、密着層はレーザ加工時に熱を吸収しない無機の酸化物であるシリコン酸化物であるSiO2が適している。
なお、前記密着層5をより強固に前記ノズルプレート1基材と接合するためには、前記スパッタ成膜に先立ち、逆スパッタ処理を行って、基材表面を荒らし、更に基材表面にOH基等を生成し、共有結合により強固に基材と密着層を結合する方が良い。
(ステップ2)
ステップ2において、オプツールDSXをフッ素系溶媒によって希釈した溶液を用いて蒸着処理にて前記密着層5の上に撥水膜6を成膜する。膜厚は投入された液量によって管理され、20nmより薄い約1. 8nmと、単分子または数分分子の膜厚で制御する。基材との密着性については無機酸化物からなる密着層との間で共有結合し、強い密着性が確保できる。 なお、実験では、オプツールDSXの投入液適量を前記の10倍とし、膜厚も10倍とした場合においても、後述のステップ3によりインク吐出孔4を形成したときの、インク吐出孔4の形状や孔周囲の撥水膜6の加工状態は、前記膜厚1. 8nmの場合と同様で良好であった。
しかしながら、撥水膜6の厚さを2nm未満、例えば1.8nmとした場合は、蒸着処理によって被膜化される際のチャンバー内での膜厚ばらつきによって、一部撥水膜6が基材上の密着層5と結合していない部分が発生しやすい。
逆に、4nmを越える膜厚の場合は、密着層5と結合するためなどの親水基が余り、親水基の余剰分が撥水膜6上に出てきて撥水性を低下させる場合がある。
図5で示すように、図4と同様に顔料系インクに接液した際、2nm未満および4nm以上の撥水膜厚については撥水膜6上に残る付着物数が増加することを実験により確認できた。
なお、付着物数は、撥水膜6の100μm当りに存する付着物の個数である。
従って、撥水膜6をノズルプレート表面全体に斑なく形成し、且つ高撥水性および高撥油性を得るためには膜厚を2nmから4nmの範囲とすることがより望ましいと言える。
前記密着層5との間でより強い密着性を得るため、基材の上にスパッタ成膜処理されたシリコン酸化物などを前記密着層5の上に、同一真空を確保した状態で、撥水膜6であるオプツールDSXを蒸着により積層することもできる。この方法では、密着層5表面の化学変化や密着層5と撥水膜6の間に不純物が介在しないため、より強固な密着を実現できる。更に、成膜温度は80℃から室温(約20℃)の間でも十分であり、基材に対し熱を付加することは少ない。このため、インク吐出孔4を形成するためのレーザ加工時において、ノズルプレート1や密着層5との間で撥水膜6の膜剥がれや浮き上がりを引き起こすような熱応力は内在しない。
(ステップ3)
ステップ3において、密着層5と撥水膜6が基材上に形成されたポリイミドフィルムからなるノズルプレート1の出発材料に対し、エキシマレーザを用い、撥水膜6が被膜されていない側よりレーザ光を波長248nm、約0. 6J/cm2のパワーで照射し、入射側が広く、出射側の狭いテーパ状のインク吐出孔4を形成する。これにより、レーザ入射側で約40μm、出射側で約20μmの円形の孔を加工し、ノズルプレート1を形成する。
加工後のインク吐出孔4を顕微鏡などを用いて詳細に観察すると、全インク吐出孔4付近の撥水膜6に抜け残りや基材からの浮き上がりといった損傷がなく、形状が極めて良好で均一の大きさのインク吐出孔4が形成されていた。
(ステップ4)
本工程によって形成したノズルプレート1をヘッド部2のノズルプレート接合面において、インク流路3の位置とインク吐出孔4の位置合わせを行った後に接着剤を用いて接合し、図1に示すようなインクジェットヘッドを作製する。
インク吐出孔を有すインク吐出装置を示す斜視図 加工前後のノズルプレートへのインク吐出孔示す断面図 インクジェットヘッドの製造フローを示す図 顔料系インクに接液した場合における撥水膜上に存する付着物数と密着層膜厚との関係を示すグラフ 顔料系インクに接液した場合における撥水膜上に存する付着物数と撥水膜の膜厚との関係を示すグラフ
符号の説明
1−ノズルプレート
2−ヘッド部
3−インク流路
4−インク吐出部
5−密着層
6−撥水膜

Claims (10)

  1. 少なくとも1以上のインク流路を設けたインクヘッド部に当接し、表面に撥水膜を備えたノズルプレートを有するインク吐出装置であって、前記ノズルプレートと撥水膜の間に密着層を形成したことを特徴とするインク吐出装置。
  2. 前記ノズルプレートは、前記撥水膜を20nm以下に形成していることを特徴とする請求項1記載のインク吐出装置。
  3. 前記撥水膜膜厚を2から4nmの範囲とすることを特徴とする請求項2に記載のインク吐出装置。
  4. 前記撥水膜は、フッ素系溶媒によって希釈した溶液を用いて蒸着処理にて、室温20℃から80℃以下の温度範囲で、前記ノズルプレートに被膜化されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のインク吐出装置。
  5. 前記密着層は、紫外線波長を透過する材料からなり、その厚さを30nm以下とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のインク吐出装置。
  6. 前記密着層の膜厚を5から15nmの範囲とすることを特徴とする請求項5に記載のインク吐出装置。
  7. 前記密着層は、スパッタリング成膜によるシリコン酸化物とすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のインク吐出装置。
  8. 前記ノズルプレートは、紫外線エネルギーを吸収する高分子材料から構成されること特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のインク吐出装置。
  9. ノズルプレート上に密着層を形成させ、密着層の上に撥水膜を形成させた後、レーザ加工装置により、インク吐出孔を形成することを特徴とするインク吐出装置の製造方法。
  10. 前記密着層及び撥水膜は、ともに同一真空中の成膜処理により、形成されることを特徴とする請求項9記載のインク吐出装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007331127A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Ricoh Co Ltd 液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法

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