JPH11277749A - インクジェットヘッド用ノズル板及びその製造方法 - Google Patents
インクジェットヘッド用ノズル板及びその製造方法Info
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- JPH11277749A JPH11277749A JP8604198A JP8604198A JPH11277749A JP H11277749 A JPH11277749 A JP H11277749A JP 8604198 A JP8604198 A JP 8604198A JP 8604198 A JP8604198 A JP 8604198A JP H11277749 A JPH11277749 A JP H11277749A
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- nozzle plate
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ノズル板表面及びノズル穴内部が所定の深さ
で撥インク処理された、安定な吐出性能が得られるイン
クジェットヘッド用ノズル板及びその簡便な製造方法を
提供する。 【解決手段】 基板樹脂上に厚さ1〜10μmの撥イン
ク層を有し、該基板樹脂及び撥インク層を貫通するノズ
ルが形成されてなるインクジェットヘッド用ノズル板、
及び基板樹脂上に厚さ1〜10μmの撥インク層を予め
設け、穿孔してノズルを形成するインクジェットヘッド
用ノズル板の製造方法。
で撥インク処理された、安定な吐出性能が得られるイン
クジェットヘッド用ノズル板及びその簡便な製造方法を
提供する。 【解決手段】 基板樹脂上に厚さ1〜10μmの撥イン
ク層を有し、該基板樹脂及び撥インク層を貫通するノズ
ルが形成されてなるインクジェットヘッド用ノズル板、
及び基板樹脂上に厚さ1〜10μmの撥インク層を予め
設け、穿孔してノズルを形成するインクジェットヘッド
用ノズル板の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
におけるインクメニスカスを安定に保ち、インクで汚れ
にくく、優れた吐出性能が得られるインクジェットヘッ
ド用ノズル板及びその製造方法に関する。
におけるインクメニスカスを安定に保ち、インクで汚れ
にくく、優れた吐出性能が得られるインクジェットヘッ
ド用ノズル板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターは、ノズル内
にインクを満たして正の圧力を掛け、インクをインク室
から押し出し、続いてインクに負の圧力を掛けてノズル
内に引き戻すことにより、押し出したインク柱を引きち
ぎって、ノズルからインク滴を吐出するものである。こ
のときインクメニスカスはノズル内に深く引き込まれ
る。又この負圧によりインクタンクからノズル内にイン
クが満たされ、次の吐出に備える。負圧が反転して正圧
になると、メニスカスが再び押し出され、ノズルの出口
方向に移動する。
にインクを満たして正の圧力を掛け、インクをインク室
から押し出し、続いてインクに負の圧力を掛けてノズル
内に引き戻すことにより、押し出したインク柱を引きち
ぎって、ノズルからインク滴を吐出するものである。こ
のときインクメニスカスはノズル内に深く引き込まれ
る。又この負圧によりインクタンクからノズル内にイン
クが満たされ、次の吐出に備える。負圧が反転して正圧
になると、メニスカスが再び押し出され、ノズルの出口
方向に移動する。
【0003】この際、インクを吐出するために掛けた圧
力が、インクを吐出した後も残留して振動するため、ノ
ズル内のインク圧力が変動し、インクメニスカスが振動
する。この振動は数回繰り返されると、次第に減衰して
次の吐出が可能となる。又、インクジェットヘッドの吐
出方式によっては、一つのインク室からインクを吐出す
ると、隣接するインク室に吐出圧力が伝わって非吐出ノ
ズルでもインクメニスカスが振動する。
力が、インクを吐出した後も残留して振動するため、ノ
ズル内のインク圧力が変動し、インクメニスカスが振動
する。この振動は数回繰り返されると、次第に減衰して
次の吐出が可能となる。又、インクジェットヘッドの吐
出方式によっては、一つのインク室からインクを吐出す
ると、隣接するインク室に吐出圧力が伝わって非吐出ノ
ズルでもインクメニスカスが振動する。
【0004】この圧力変動によりノズル内のインクに正
圧が掛かるとき、インクが吐出口から外に溢れ出ること
がある。ノズル板の表面に溢れ出たインクは、次の負圧
でノズル内に引き込まれるが、ノズル板の表面は、溢れ
出たインクで汚れ易く、これが安定吐出を妨げ、画像を
劣化させる原因となる。
圧が掛かるとき、インクが吐出口から外に溢れ出ること
がある。ノズル板の表面に溢れ出たインクは、次の負圧
でノズル内に引き込まれるが、ノズル板の表面は、溢れ
出たインクで汚れ易く、これが安定吐出を妨げ、画像を
劣化させる原因となる。
【0005】即ち、溢れ出たインクや付着したインクミ
ストは、ノズル板上に次第に蓄積してインク溜まりを形
成し、このインク溜まりが吐出口に触れると、吐出する
インク滴を引っ張り、吐出方向を曲げてしまったり、更
に、インク溜まりが大きくなって吐出口を覆うと、この
溜まりを突き破ってインク滴が吐出するときインクが飛
び散り、画像を汚してしまったりする。更にインク溜ま
りが吐出口を厚く覆うとインクが吐出しなくなる。又、
ノズル板上のインク溜まりには、被印刷物である紙や布
等から発生する繊維や塵が付着し易く、それがノズル穴
を塞ぐこともある。
ストは、ノズル板上に次第に蓄積してインク溜まりを形
成し、このインク溜まりが吐出口に触れると、吐出する
インク滴を引っ張り、吐出方向を曲げてしまったり、更
に、インク溜まりが大きくなって吐出口を覆うと、この
溜まりを突き破ってインク滴が吐出するときインクが飛
び散り、画像を汚してしまったりする。更にインク溜ま
りが吐出口を厚く覆うとインクが吐出しなくなる。又、
ノズル板上のインク溜まりには、被印刷物である紙や布
等から発生する繊維や塵が付着し易く、それがノズル穴
を塞ぐこともある。
【0006】インクによる汚れを防ぐために、ノズル板
に撥インク処理を施すことが行われている。ノズル板表
面を撥インク処理すると、インクのメニスカスが吐出口
から外に出ても、インクがノズル板上に溢れ出たり、濡
れ拡がったりするのを防ぐことができる。
に撥インク処理を施すことが行われている。ノズル板表
面を撥インク処理すると、インクのメニスカスが吐出口
から外に出ても、インクがノズル板上に溢れ出たり、濡
れ拡がったりするのを防ぐことができる。
【0007】ノズル板表面を撥インク処理するだけでな
く、ノズル穴の出口部分も一定長さ撥インク処理する
と、ノズル板が更に汚れにくくなり吐出が安定する。イ
ンクメニスカスが、撥インク処理部と未処理部との境界
にあるので、この境界がノズル内に入り込んでいると、
メニスカスが振動してもインクがノズル板表面に溢れ出
にくくなるからである。しかしながら、撥インク処理部
の入り込みの長さが深すぎるとインクの吐出抵抗が大き
くなる。また空気泡を吸い込み易くなるのでかえって吐
出が不安定になる。従って、撥インク処理部の深さの制
御が極めて重要である。
く、ノズル穴の出口部分も一定長さ撥インク処理する
と、ノズル板が更に汚れにくくなり吐出が安定する。イ
ンクメニスカスが、撥インク処理部と未処理部との境界
にあるので、この境界がノズル内に入り込んでいると、
メニスカスが振動してもインクがノズル板表面に溢れ出
にくくなるからである。しかしながら、撥インク処理部
の入り込みの長さが深すぎるとインクの吐出抵抗が大き
くなる。また空気泡を吸い込み易くなるのでかえって吐
出が不安定になる。従って、撥インク処理部の深さの制
御が極めて重要である。
【0008】特開昭48−37030号、同57−10
7848号等には、ノズル板にノズル穴を開けた後、撥
インク素材をスパッタリングによりノズル板表面とノズ
ル穴内部のある程度の深さまでコーティングすることが
記載されている。しかしながら、スパッタリングでノズ
ル穴内部の出口部分を一定の長さ撥インク処理するのを
正確に制御することは大変困難である。
7848号等には、ノズル板にノズル穴を開けた後、撥
インク素材をスパッタリングによりノズル板表面とノズ
ル穴内部のある程度の深さまでコーティングすることが
記載されている。しかしながら、スパッタリングでノズ
ル穴内部の出口部分を一定の長さ撥インク処理するのを
正確に制御することは大変困難である。
【0009】特開昭64−87359号には、90℃で
溶解した天然ワックスをノズル穴中に充填し、端面に付
着したワックスをふき取って、ノズル板表面とノズル内
の吐出口付近にテトラフルオロエチレンをプラズマ重合
法にてコーティングし、その後ワックスを溶解除去する
ことが記載されている。しかしながら、表にはみ出した
ワックスをふき取るだけなので、ノズル穴内部を十分な
深さまで撥インク処理することができない。
溶解した天然ワックスをノズル穴中に充填し、端面に付
着したワックスをふき取って、ノズル板表面とノズル内
の吐出口付近にテトラフルオロエチレンをプラズマ重合
法にてコーティングし、その後ワックスを溶解除去する
ことが記載されている。しかしながら、表にはみ出した
ワックスをふき取るだけなので、ノズル穴内部を十分な
深さまで撥インク処理することができない。
【0010】特開平7−125220号には、ノズル穴
を開けたノズル板の裏面に感光性樹脂を重ねて張り付
け、該樹脂を加圧・加熱してノズル穴内部に一定距離押
し込み、紫外線照射により樹脂を硬化させた後、ポリテ
トラフルオロエチレン微粒子を含むメッキ液で共折メッ
キして、ノズル板表面とノズル穴内部の樹脂でマスクさ
れていない部分を撥インク処理することが記載されてい
る。しかしながら、感光性樹脂を圧着して微細なノズル
穴内部に押し込むのは、押し込み量の制御が難しく、ノ
ズル板にある数10〜数100個のノズル穴全ての押し
込み量を一定にすることは大変困難である。
を開けたノズル板の裏面に感光性樹脂を重ねて張り付
け、該樹脂を加圧・加熱してノズル穴内部に一定距離押
し込み、紫外線照射により樹脂を硬化させた後、ポリテ
トラフルオロエチレン微粒子を含むメッキ液で共折メッ
キして、ノズル板表面とノズル穴内部の樹脂でマスクさ
れていない部分を撥インク処理することが記載されてい
る。しかしながら、感光性樹脂を圧着して微細なノズル
穴内部に押し込むのは、押し込み量の制御が難しく、ノ
ズル板にある数10〜数100個のノズル穴全ての押し
込み量を一定にすることは大変困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、ノズル板表面及びノズル穴
内部が所定の深さで撥インク処理された、安定な吐出性
能が得られるインクジェットヘッド用ノズル板及びその
簡便な製造方法を提供することにある。
鑑みてなされたものであり、ノズル板表面及びノズル穴
内部が所定の深さで撥インク処理された、安定な吐出性
能が得られるインクジェットヘッド用ノズル板及びその
簡便な製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 基板樹脂上に厚さ1〜10μmの撥インク層を有
し、該基板樹脂及び撥インク層を貫通するノズルが形成
されてなるインクジェットヘッド用ノズル板、 基板樹脂上に厚さ1〜10μmの撥インク層を予め
設け、穿孔してノズルを形成するインクジェットヘッド
用ノズル板の製造方法、エキシマレーザーを用いて穿孔
すること、撥インク層に紫外線吸収剤を添加して穿孔す
ること、及び穿孔後加熱処理を行うこと、によって達成
される。
し、該基板樹脂及び撥インク層を貫通するノズルが形成
されてなるインクジェットヘッド用ノズル板、 基板樹脂上に厚さ1〜10μmの撥インク層を予め
設け、穿孔してノズルを形成するインクジェットヘッド
用ノズル板の製造方法、エキシマレーザーを用いて穿孔
すること、撥インク層に紫外線吸収剤を添加して穿孔す
ること、及び穿孔後加熱処理を行うこと、によって達成
される。
【0013】即ち、本発明者は、予めノズル穴を穿孔し
たノズル板の、裏面とノズル穴内部をマスクしてその表
面に撥インク材料をコーティングすると、ノズル穴の形
状を乱し吐出曲がりを引き起こすことから撥インク層の
膜厚は1μm以上に厚くはできないこと、及び、予め撥
インク材料を1〜10μmの厚さにコーティングして穿
孔するにあたり、真円度の高い穿孔を可能にする手法を
採用すれば、ノズル板にある数10〜数100個のノズ
ル穴全ての内部の出口部分を正確に一定長さ撥インク処
理することができて、撥インク層の膜厚のみの制御で簡
単に収率よく所期の目的を達成できるノズル板を得られ
ることを見出し、本発明に至った。
たノズル板の、裏面とノズル穴内部をマスクしてその表
面に撥インク材料をコーティングすると、ノズル穴の形
状を乱し吐出曲がりを引き起こすことから撥インク層の
膜厚は1μm以上に厚くはできないこと、及び、予め撥
インク材料を1〜10μmの厚さにコーティングして穿
孔するにあたり、真円度の高い穿孔を可能にする手法を
採用すれば、ノズル板にある数10〜数100個のノズ
ル穴全ての内部の出口部分を正確に一定長さ撥インク処
理することができて、撥インク層の膜厚のみの制御で簡
単に収率よく所期の目的を達成できるノズル板を得られ
ることを見出し、本発明に至った。
【0014】以下、本発明について説明する。
【0015】ノズル板を構成する基板樹脂としては、ポ
リイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等
が好ましく採用できる。特に好ましくはポリイミド樹脂
で、Dupont社製;カプトンや宇部興産(株)製;
ユーピレックス等が寸法安定性、耐インク性、耐熱性等
に優れているので好ましく用いられる。
リイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等
が好ましく採用できる。特に好ましくはポリイミド樹脂
で、Dupont社製;カプトンや宇部興産(株)製;
ユーピレックス等が寸法安定性、耐インク性、耐熱性等
に優れているので好ましく用いられる。
【0016】撥インク層は、溶剤可溶性のフッ素ポリマ
ーやシリコン樹脂等の素材を適当な溶剤に溶解して、ノ
ズル板上にディップコート、スピンコート等で1〜10
μmの厚さにコーティングして形成する。撥インク素材
としては、パーフルオロポリマーの結晶性を低下させて
溶剤可溶性とし、更に架橋性基を導入した、フルオロオ
レフィンとビニルエーテルの交互共重合体(FEVE、
旭硝子(株)製;ルミフロン、大日本インキ(株)製;
フルオネート、セントラル硝子(株)製;セフラルコー
ト、ダイキン(株)製;C−1等)、非晶質で溶剤可溶
性のパーフルオロシクロポリマー(旭硝子(株)製;サ
イトップ、D、upont社製;テフロンAF等)、パ
ーフルオロ基を側鎖に有するポリマー(旭硝子(株)
製;旭ガードAGシリーズ等)、室温硬化型シリコン樹
脂、室温硬化型有機変性シリコン樹脂、シリコンハード
コート材料、シランカップリング剤、フルオロアルキル
シラン等(東レダウコーニングシリコーン社製;SR2
410、2411、2107、2115、東芝シリコン
社製フルオロアルキルシラン;TSL−8233、82
57等)を挙げることができる。
ーやシリコン樹脂等の素材を適当な溶剤に溶解して、ノ
ズル板上にディップコート、スピンコート等で1〜10
μmの厚さにコーティングして形成する。撥インク素材
としては、パーフルオロポリマーの結晶性を低下させて
溶剤可溶性とし、更に架橋性基を導入した、フルオロオ
レフィンとビニルエーテルの交互共重合体(FEVE、
旭硝子(株)製;ルミフロン、大日本インキ(株)製;
フルオネート、セントラル硝子(株)製;セフラルコー
ト、ダイキン(株)製;C−1等)、非晶質で溶剤可溶
性のパーフルオロシクロポリマー(旭硝子(株)製;サ
イトップ、D、upont社製;テフロンAF等)、パ
ーフルオロ基を側鎖に有するポリマー(旭硝子(株)
製;旭ガードAGシリーズ等)、室温硬化型シリコン樹
脂、室温硬化型有機変性シリコン樹脂、シリコンハード
コート材料、シランカップリング剤、フルオロアルキル
シラン等(東レダウコーニングシリコーン社製;SR2
410、2411、2107、2115、東芝シリコン
社製フルオロアルキルシラン;TSL−8233、82
57等)を挙げることができる。
【0017】塗膜は乾燥後、150〜300℃で1時間
程度熱処理を行い、架橋と撥水性基の表面配向を補完す
る。
程度熱処理を行い、架橋と撥水性基の表面配向を補完す
る。
【0018】更に撥インク層は、ワイパーや紙、布地等
により擦られるので、耐久性が必要になる。撥インク剤
同士を強く結合し、且つ、ノズル板に強く接着させるた
め、水酸基やカルボキシル基を有する撥インク剤を採用
してイソシアネートやエポキシ硬化剤で架橋させたり、
空気中の水分と反応して架橋するシラノール基を有する
シリコン化合物を採用するのも好ましい。
により擦られるので、耐久性が必要になる。撥インク剤
同士を強く結合し、且つ、ノズル板に強く接着させるた
め、水酸基やカルボキシル基を有する撥インク剤を採用
してイソシアネートやエポキシ硬化剤で架橋させたり、
空気中の水分と反応して架橋するシラノール基を有する
シリコン化合物を採用するのも好ましい。
【0019】撥インク層には、紫外線吸収剤を含有させ
るのが好ましい。ポリイミド、ポリサルホン、ポリエー
テルサルホン等の樹脂は、紫外部に吸収を有するので、
エキシマレーザーにて真円に近いノズル穴が開けられる
が、前述の撥インク素材は紫外部に吸収が無いので、エ
キシマレーザーによる加工では真円度が低くなり、イン
ク滴の飛翔方向にばらつきを生じる。よって、サリチル
酸系、サリチル酸フェニル系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を添加して改良する。
るのが好ましい。ポリイミド、ポリサルホン、ポリエー
テルサルホン等の樹脂は、紫外部に吸収を有するので、
エキシマレーザーにて真円に近いノズル穴が開けられる
が、前述の撥インク素材は紫外部に吸収が無いので、エ
キシマレーザーによる加工では真円度が低くなり、イン
ク滴の飛翔方向にばらつきを生じる。よって、サリチル
酸系、サリチル酸フェニル系、ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を添加して改良する。
【0020】撥インク素材による撥インク効果は、表面
に配向したF、CH3によるものであるが、レーザーで
穿孔するとこれらが減少してしまうため、穿孔後撥イン
ク素材のガラス転移温度以上、好ましくは150〜30
0℃で加熱処理して撥水効果を向上させるのが好まし
い。
に配向したF、CH3によるものであるが、レーザーで
穿孔するとこれらが減少してしまうため、穿孔後撥イン
ク素材のガラス転移温度以上、好ましくは150〜30
0℃で加熱処理して撥水効果を向上させるのが好まし
い。
【0021】撥インク層におけるインクの接触角は65
°以上、撥インク処理しない基板樹脂におけるインクの
接触角は10°以下とするのが安定吐出にとって有効で
ある。
°以上、撥インク処理しない基板樹脂におけるインクの
接触角は10°以下とするのが安定吐出にとって有効で
ある。
【0022】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0023】 実施例1 非晶質パーフルオロポリマー 98重量部 〔DUPONT社製;AF1601 6%溶液〕 紫外線吸収剤:サリチル酸p−オクチルフェニル 2重量部 から成る組成物を、厚さ50μmのポリイミドシート
に、乾燥膜厚5μmとなる様にワイヤーバーで塗布し
た。30分間室温で乾燥後、200℃で30分間の加熱
処理をした後、塗布層とは反対側のポリイミドシート側
から、エキシマレーザー光を照射して、出口直径30μ
m、ノズル穴の出口部が深さ5μmで撥インク処理され
たノズルを、180DPIの密度で64個穿孔してノズ
ル板を作製した。
に、乾燥膜厚5μmとなる様にワイヤーバーで塗布し
た。30分間室温で乾燥後、200℃で30分間の加熱
処理をした後、塗布層とは反対側のポリイミドシート側
から、エキシマレーザー光を照射して、出口直径30μ
m、ノズル穴の出口部が深さ5μmで撥インク処理され
たノズルを、180DPIの密度で64個穿孔してノズ
ル板を作製した。
【0024】ピエゾ素子とインク室を持つヘッド部材
に、このノズル板を接着剤で張り付けて、剪断モード方
式のインクジェットヘッドを作製した。
に、このノズル板を接着剤で張り付けて、剪断モード方
式のインクジェットヘッドを作製した。
【0025】このヘッドを用いたインクジェットプリン
ターにて、下記組成の分散染料インクを、作動周波数7
khzで吐出させて、吐出量、吐出量の均一性、吐出曲
がりの起きたノズル、ノズル板の表面の汚れ状況、長時
間吐出安定性等を評価した。
ターにて、下記組成の分散染料インクを、作動周波数7
khzで吐出させて、吐出量、吐出量の均一性、吐出曲
がりの起きたノズル、ノズル板の表面の汚れ状況、長時
間吐出安定性等を評価した。
【0026】 《インク組成》 分散染料 5重量部 〔C.I.Disperse Yellow〕 分散剤:花王(株)製;デモールC 0.5重量部 グリセリン 20重量部 尿素 3.0重量部 水 71.4重量部 結果は、各ノズルの平均吐出量50ng/drop、ノ
ズル間の吐出量のバラツキは±2ngと少なかった。ノ
ズル板の汚れは殆ど無く、10時間連続吐出を行ったと
ころ、吐出量の低下は無かった。
ズル間の吐出量のバラツキは±2ngと少なかった。ノ
ズル板の汚れは殆ど無く、10時間連続吐出を行ったと
ころ、吐出量の低下は無かった。
【0027】実施例2撥インク層形成組成物を下記の処
方のものとした以外は、実施例1と同様にしてインクジ
ェットヘッドを作製した。
方のものとした以外は、実施例1と同様にしてインクジ
ェットヘッドを作製した。
【0028】 C8F17CH2CH2Si(OCH3)3 1重量部 Si(OC2H5)4 10重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 1重量部 メタノール 38重量部 酢酸 20重量部 水 30重量部 紫外線吸収剤:サリチル酸p−オクチルフェニル 2重量部 下記の組成の分散染料インクを用いて実施例1と同様に
評価したところ、各ノズルの平均吐出量53ng/dr
op、ノズル間の吐出量のバラツキは±1ngと少なか
った。ノズル板の汚れは殆ど無く、10時間連続吐出で
吐出量の低下は無かった。
評価したところ、各ノズルの平均吐出量53ng/dr
op、ノズル間の吐出量のバラツキは±1ngと少なか
った。ノズル板の汚れは殆ど無く、10時間連続吐出で
吐出量の低下は無かった。
【0029】 《インク組成》 分散染料 5重量部 〔C.I.Disperse Red 302〕 分散剤:花王(株)製;デモールN 0.5重量部 グリセリン 20重量部 尿素 3.0重量部 水 71.4重量部 比較例1 厚さ50μmのノズル板用ポリイミドシートにエキシマ
レーザー光を照射して、出口直径30μmのノズルを、
180DPIの密度で64個穿孔した。次いで、ノズル
出口とは反対側に東京応化工業(株)製感光性樹脂フィ
ルム;オーディルα550を重ねて、50℃で4kgf
/cm2の圧力を20秒掛けてノズル内に45μm入り
込ませ、ノズル板の両側から紫外線を照射して硬化させ
た。
レーザー光を照射して、出口直径30μmのノズルを、
180DPIの密度で64個穿孔した。次いで、ノズル
出口とは反対側に東京応化工業(株)製感光性樹脂フィ
ルム;オーディルα550を重ねて、50℃で4kgf
/cm2の圧力を20秒掛けてノズル内に45μm入り
込ませ、ノズル板の両側から紫外線を照射して硬化させ
た。
【0030】このノズル板のノズル出口側に下記組成物
をコーティングして、ノズル板表面とノズル穴の出口部
を5μmの深さで撥インク処理した。
をコーティングして、ノズル板表面とノズル穴の出口部
を5μmの深さで撥インク処理した。
【0031】 C8F17CH2CH2Si(OCH3)3 1重量部 Si(OC2H5)4 10重量部 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 1重量部 メタノール 38重量部 酢酸 20重量部 実施例1と同様にしてインクジェットヘッドを作製し、
下記の組成の分散染料インクを用いて実施例1と同様に
評価したところ、各ノズルの平均吐出量45ng/dr
op、ノズル間の吐出量のバラツキは±10ngと多か
った。両端にあるノズルの表面が酷く汚れ、10時間連
続吐出を行うと、吐出量のばらつきが多い上に、両端の
数ノズルからインクが吐出しなくなった。
下記の組成の分散染料インクを用いて実施例1と同様に
評価したところ、各ノズルの平均吐出量45ng/dr
op、ノズル間の吐出量のバラツキは±10ngと多か
った。両端にあるノズルの表面が酷く汚れ、10時間連
続吐出を行うと、吐出量のばらつきが多い上に、両端の
数ノズルからインクが吐出しなくなった。
【0032】比較例2 撥インク層の塗布膜厚を0.5μmとした以外は、実施
例1と同様にしてインクジェットヘッドを作製し、実施
例1と同様に評価したところ、各ノズルの平均吐出量6
0ng/dropと大きく、ノズル間の吐出量のバラツ
キは±5ngであった。ノズル表面が汚れて、屡々吐出
が中断したので、その度にノズル表面をワイピングする
必要があった。
例1と同様にしてインクジェットヘッドを作製し、実施
例1と同様に評価したところ、各ノズルの平均吐出量6
0ng/dropと大きく、ノズル間の吐出量のバラツ
キは±5ngであった。ノズル表面が汚れて、屡々吐出
が中断したので、その度にノズル表面をワイピングする
必要があった。
【0033】比較例3 撥インク層の塗布膜厚を13μmとした以外は、実施例
1と同様にしてインクジェットヘッドを作製し、実施例
1と同様に評価したところ、各ノズルの平均吐出量40
ng/dropと小さく、ノズル間の吐出量のバラツキ
は±3ngであった。各ノズルで吐出曲がりが大きく、
吐出方向が一定しなかった。
1と同様にしてインクジェットヘッドを作製し、実施例
1と同様に評価したところ、各ノズルの平均吐出量40
ng/dropと小さく、ノズル間の吐出量のバラツキ
は±3ngであった。各ノズルで吐出曲がりが大きく、
吐出方向が一定しなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、極めて簡単な操作で、
ノズル板表面とノズル穴内部の出口部を、極めて精密に
撥インク処理することができて、従来の方法で撥インク
処理したものに比べて、ノズル間での撥インク処理のば
らつきが少なく、吐出が安定する。
ノズル板表面とノズル穴内部の出口部を、極めて精密に
撥インク処理することができて、従来の方法で撥インク
処理したものに比べて、ノズル間での撥インク処理のば
らつきが少なく、吐出が安定する。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板樹脂上に厚さ1〜10μmの撥イン
ク層を有し、該基板樹脂及び撥インク層を貫通するノズ
ルが形成されてなるインクジェットヘッド用ノズル板。 - 【請求項2】 基板樹脂上に厚さ1〜10μmの撥イン
ク層を予め設け、穿孔してノズルを形成することを特徴
とするインクジェットヘッド用ノズル板の製造方法。 - 【請求項3】 エキシマレーザーを用いて穿孔すること
を特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド用
ノズル板の製造方法。 - 【請求項4】 撥インク層に紫外線吸収剤を添加して、
穿孔することを特徴とする請求項3に記載のインクジェ
ットヘッド用ノズル板の製造方法。 - 【請求項5】 穿孔後加熱処理を行うことを特徴とする
請求項2、3又は4に記載のインクジェットヘッド用ノ
ズル板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8604198A JPH11277749A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | インクジェットヘッド用ノズル板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8604198A JPH11277749A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | インクジェットヘッド用ノズル板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11277749A true JPH11277749A (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=13875604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8604198A Pending JPH11277749A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | インクジェットヘッド用ノズル板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11277749A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002081588A1 (fr) * | 2001-04-02 | 2002-10-17 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Film hydrophobe et son procede de preparation, et tete a jet d'encre et dispositif d'enregistrement du type a jet d'encre utilisant celle-ci |
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JP2007307888A (ja) * | 2006-04-18 | 2007-11-29 | Ricoh Co Ltd | 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び画像形成装置 |
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JP2009061591A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-03-26 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェット記録ヘッド |
JPWO2012165535A1 (ja) * | 2011-05-31 | 2015-02-23 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録装置、及び、そのメンテナンス方法 |
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-
1998
- 1998-03-31 JP JP8604198A patent/JPH11277749A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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A977 | Report on retrieval |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20041207 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050621 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |