JPH05193146A - オリフィス・プレート、オリフィス・プレートの製造方法及びオリフィス・プレートの処理方法 - Google Patents

オリフィス・プレート、オリフィス・プレートの製造方法及びオリフィス・プレートの処理方法

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JPH05193146A
JPH05193146A JP4199301A JP19930192A JPH05193146A JP H05193146 A JPH05193146 A JP H05193146A JP 4199301 A JP4199301 A JP 4199301A JP 19930192 A JP19930192 A JP 19930192A JP H05193146 A JPH05193146 A JP H05193146A
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ハワード・エイチ・タウプ
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インク・ジェット・ペンを高速・高品質にする
ためのオリフィス・プレートを提供する。 【構成】オリフィス・プレート(20)のオリフィス
(22)と外表面の一部(38)のインクぬれ性を高く
し、オリフィス(22)の周囲の外表面の一部(36)
のインクぬれ性を低くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はインク・ジェット・ペンに
用いられるオリフィス・プレートに関するものである。
【0002】
【従来技術と問題点】オリフィス・プレートはインク・
ジェット・ペンに搭載されており、また、オリフィス・
プレートには多くのインク滴噴出システムの中の任意の
一つによってインク滴が発射されるオリフィスが含まれ
ている。このようなシステムの一つにサーマル・タイプ
が知られており、隣接したオリフィスの近傍のインクの
一部を蒸気化するために間欠的に加熱される薄膜抵抗を
含んでいる。このインクの蒸気の急速な膨張により、イ
ンク滴がオリフィスを強制的に通るようにされる。イン
ク滴噴出システムが活動していないときには、部分的な
真空、即ち、”後背圧”がペン内に維持されて、インク
がオリフィスから漏出しないようにされる。幾つかのオ
リフィスを単一のオリフィス・プレート内に形成するこ
とが可能であり、各々のオリフィスに備えられる関連の
インク滴噴出システムは、インク・ジェット・ペンがプ
リント媒体を横切って走査するときに、要求に応じてイ
ンク滴を供給するためのものである。
【0003】オリフィスを通して噴出されるインクには
用紙などのプリント媒体まで届かず、オリフィス・プレ
ートの外部表面(即ち、プリント媒体に対面する表面)
上に集まるものがある。この残留インクのあるものは、
オリフィスのエッジに隣接して累積または滞留して、後
続して噴出されるインク滴の軌道を変更し、これによ
り、プリントされたイメージの品質が低下することがあ
る。
【0004】オリフィス・プレートの外部表面上の残留
インクも、紙の繊維等の漂遊粒子を捕捉する傾向があ
る。この繊維はオリフィス近傍のインクによって保持さ
れており、該オリフィスを部分的に妨害して、インク滴
の噴出に干渉する。更に、オリフィス・プレートの外部
表面上の残留インクは、該オリフィスの近傍に集まっ
て、オリフィスの丁度内側の供給チャンバ内に蓄えられ
たインクと流体的に連絡する薄いシート状体に至るよう
にされる。その結果として、該チャンバとオリフィス・
プレートの外部表面との間には、連続的なインクの経路
が形成される。この経路のために、該オリフィスを通る
インクの漏出が促進される。従って、インク・ジェット
・ペンにおけるオリフィス・プレートの外部表面は、オ
リフィスの近傍においてインクが滞留することがなく、
繊維を捕捉するような量がプレート上で累積することが
なく、そして、上述したような漏出が容易ではないよう
に設計されるべきである。
【0005】オリフィス・プレートの内部表面はインク
の供給部に対して露出されている。インクはそれぞれの
オリフィスの内部表面上を流れる。オリフィスを規定す
る部分を含んでいるオリフィス・プレートの内部表面
は、好適には、インク滴噴出システムが連続的かつ一様
なインクの流れを受け入れるように、該供給部からのイ
ンクがオリフィスを通して流れ易くなるようにすべきで
ある。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的はオリフィス・プレートの
表面のぬれ特性を制御することにより、前記従来技術の
問題点を解消することにある。
【0007】
【発明の概要】この発明は、インク・ジェット・ペンの
ための改良されたオリフィス・プレートに実現するため
のものである。オリフィス・プレートに備えられた外部
表面によれば、該プレートの外部表面上の残留インクの
累積を制御することによって、オリフィスの外部エッジ
から残留インクがなくなり、また、その外部表面からイ
ンクを容易に除去することができるので、ペンの性能が
向上する。プレートの内部表面においては、該プレート
の内部表面に沿って、インクがオリフィスに対して流れ
易くなる。
【0008】この発明は、特に、上述のペンの性能向上
を達成するために、オリフィス・プレートの表面のぬれ
特性を制御することに関するものである。その一つの実
施例においては、オリフィスを直接的に包囲するオリフ
ィス・プレートの外部表面の部位は、インクによってぬ
れない。その結果として、オリフィス・プレートのこの
外部表面の部位上の残留インクは、該オリフィスのエッ
ジから離れてジュズ状に浮き、後続して噴出されるイン
ク滴の軌道に干渉しないようにされる。この外部表面の
残りの部位はぬれ状態にされており、重力またはワイパ
ー機構の影響の下に、オリフィス・プレートの外部表面
上の残留インクがプレートから容易に流れ去るようにさ
れる。この発明の別の局面としては、該プレートの内部
表面はインクに関してぬれ状態の表面であるように処理
され、これにより、オリフィスに対するインクの流れ込
みおよび通過が容易にされる。
【0009】この発明の別の局面としては、オリフィス
を包囲する外部表面の各部位にある狭いぬれ状態の部分
が該オリフィスのエッジに隣接しており、また非ぬれ状
態の部分が該ぬれ状態の部分を包囲している。このぬれ
状態の部分によれば、残留インクが該ぬれ状態の部分上
に当ってオリフィス内の戻ることが許容される。そし
て、これにより、オリフィスのエッジと非ぬれ状態の部
分との間に相当な無インク領域が設けられ、該非ぬれ状
態の部分上でジュズ状をなすインクがオリフィスのエッ
ジから十分な距離をおいて離されて、後続して噴出され
るインク滴への干渉を回避するようにされる。また、こ
の発明によるオリフィス・プレートを製造するための方
法も用意されている。
【0010】
【好適な実施例の詳細な説明】図1および図2に示され
ているように、この発明に含まれているオリフィス・プ
レート20は通常のインク・ジェット・ペンのためのも
のである。このオリフィス・プレート20は金メッキさ
れたニッケルのシートであればよく、通常の電鋳技術に
よって形成されている。プレート20にはオリフィス2
2(図面では2個だけが示されている)のアレイが含ま
れており、これらを通るインク滴は、上述されたサーマ
ル・タイプの噴出システムによって設けられるような、
既知の噴出手段によって選択的に推進される。プレート
の内部表面24に含まれているほぼ漏斗形状部位26は
各オリフィス22を規定するものである。インク23は
プレート20の内部表面24に沿って毛管力により引か
れて各オリフィス22に向かう。噴出力が存在しないと
きには、インク・ジェット・ペン内の部分的な真空また
は後背圧のためにインクが保持されて、オリフィスを完
全には通過しないようにされる。インク滴がオリフィス
22を通して発射されないときには、このインクは、オ
リフィス22の外部エッジ30のすぐ内側で凹部28
(図1)をなして存在する。
【0011】インク滴噴出システム(図示されない)
は、各オリフィス22と関連付けられており、用紙等の
プリント媒体に対して、オリフィス22を介してインク
滴を選択的に噴出するようにする。該オリフィス22
は、断面がほぼ漏斗形状のものとして示されている。た
だし、これらのオリフィスは、様々な形状の中の任意の
一つにできることが理解される。インク滴がオリフィス
22を介して噴出されるときには、インクの垂れ下がり
部位または”尾部”がインク滴とともに移動する。小量
のインクの尾部が分離して、インクの小滴としてプレー
ト20の外部表面32上に付着する。図1および図2に
は、2個のこのような残留インクの小滴31,33が示
されている。
【0012】先に述べたように、オリフィス22のエッ
ジ30の近傍におけるオリフィス・プレートの外部表面
32上に集まる残留インクは、後続して噴出されるイン
ク滴と接触する可能性があり、これにより当該インク滴
の軌道が変わって、プリントされたイメージの品質が低
下することになる。更に、相当な量の残留インクがオリ
フィス・プレートの外部表面32上に累積する場合に
は、オリフィス22内のインク23と外部表面32上の
インクとの間に連続的な流体経路が形成され、これによ
ってオリフィスからのインクの漏出が容易になる。更に
いえば、オリフィス・プレート20の外部表面32上の
残留インクは、紙の繊維などの微小粒子を捕捉する傾向
がある。この微小粒子はオリフィス22を横切って伸長
して、これを部分的に閉塞することから、後続して噴出
されるインク滴の軌道を邪魔する。
【0013】表面のぬれ特性は”ぬれ性”または”非ぬ
れ性”である。非ぬれ性の意味することは、表面の表面
エネルギが該表面と接触する流体(インク)のそれより
も遥かに低いということである。インクと表面との間の
接触角が70゜よりも大きいときには、該表面は非ぬれ
であると考えられる。インクは非ぬれ状態の表面上でジ
ュズ状になる傾向がある。ぬれ性表面(即ち、インクに
関しての)における接触角は70゜よりも小さい。イン
クはぬれ状態の表面を横切って広がる傾向がある。この
発明においては、オリフィスのエッジ30を包囲する外
部表面の部位36はインクに関して非ぬれ性のものであ
り、前述された連続的な流体経路の展開に対する障壁と
して作用する。オリフィス・プレートの外部表面32の
残りの部位38(図1において点線で輪郭が描かれてい
る)はぬれ状態の表面であり、残留インクがオリフィス
・プレートの外部表面32から容易に流れる(または、
ぬぐい取られる)ことが許容されて、該外部表面32上
における相当量の残留インクの累積が回避される。
【0014】図1を参照しながら、前述されたように選
択されたぬれ特性(即ち、ぬれ状態の表面または非ぬれ
状態の表面のいずれか)を達成するための一つの技術
を、金メッキされた(ニッケル)、または、ニッケルの
オリフィス・プレート20に関して説明する。ニッケル
または金メッキされたニッケルであるオリフィス・プレ
ートの外部表面32は、インクに関してはほぼ非ぬれ性
のものである。従って、プレートの部位は処理されて、
選択された表面の部位が所望のぬれ特性を有するように
される。プレートの処理をする際には、オリフィス22
の各エッジ30を包囲する環状の表面部位36(図2)
は、既知の手段により付けられた対応の形状の露光され
たホトレジスト(図示されない)で被覆され、該ホトレ
ジストは被覆された表面部位36を後述されるプラズマ
・エッチングから保護するためのマスクとして作用す
る。これにより該表面部位36の非ぬれ特性を維持する
ようにされる。
【0015】オリフィス22を包囲する外部表面の部位
36を被覆している露光したホトレジスト材料付けたま
まで、内部表面24および外部表面32の残りの部位3
8がプラズマ・エッチングされて、それらの部位24,
38をぬれ状態に変えるようにされる。プラズマ・エッ
チングされた外部表面32の部位38を示す点線(図
1)は、例示的な目的だけのために、環状の部位36に
対して上昇した状態で表されている。実際の非ぬれ状態
の表面(環状の部位36)およびぬれ状態の表面(残り
の部位38)を規定する表面特性は顕微鏡的なものであ
る。
【0016】オリフィス・プレート20の露出した表面
24,38を変更して、それらの表面がぬれ状態になる
ようにするためには、どのような技術でも採用すること
ができる。ある1個の好適な実施例においては、外部表
面の部位36がホトレジスト材料で覆われているオリフ
ィス・プレートは、Technics of Dubl
in, California によって製造された8
00 SERIESMICRO−RIE という通常の
プラズマ・エッチングまたは反応イオン・エッチング装
置の真空チャンバ内に配置される。該プレートは酸素に
対して曝されるが、好適には50ミリトール(mill
itorrs)と500ミリトールとの間の圧力範囲に
おいて適用され、より好適には200ミリトールにおい
て適用される。該エッチング装置の電極に加えられる電
力は、好適には5ワットないし500ワットの範囲にお
けるものであり、最も好適には100ワットである。オ
リフィス・プレート20は約5分間にわたってプラズマ
に曝される。
【0017】ここで認められることは、露出した表面2
4,38をエッチングするために、プラズマ・エッチン
グの処理についてのパラメータ(圧力、電力および時
間)の任意の組み合せを使用できることである。従っ
て、ここで考えられることは、露出した表面の部位(即
ち、ホトレジスト材料によっては被覆されていない部
位)がぬれ状態の表面である限り、パラメータのどのよ
うな組み合せであっても満足されることになる。このプ
ラズマ・エッチング処理の結果としてのぬれ状態の表面
の接触角は好適には20゜と50゜との間である。プラ
ズマ・エッチング処理のステップの後で、ホトレジスト
材料が外部表面の部位36から除去される。従って、各
オリフィス22を包囲する表面の部位36は非ぬれの状
態にある。
【0018】前述されたように、(オリフィス22を規
定する内部表面の部位26を含む)ぬれ状態の内部表面
24を備えることの効果は、ペンの作動につれてオリフ
ィスから噴出されるインクの置換をするための、オリフ
ィス22に対するインク23の流れ込みが容易になるこ
とである。ぬれ状態の内部表面24が存在しないときに
はオリフィスに対する置換インクの流速が下がり、これ
によって、オリフィス22からインク滴が噴出される頻
度が下がる。オリフィス・プレート20の外部表面32
上のぬれ状態の部位38により、当該外部表面32から
の残留インクの除去が容易にされる。ペンが外部表面3
2についてほぼ垂直面で動作しているときに、この除去
は例えば重力によって可能にされる。外部表面の部位3
8上の残留インクを周期的にぬぐい去るためには、ワイ
パーのような別の機構を採用することができる。
【0019】図1において示されているように、非ぬれ
状態の表面の部位36の効果のために、残留インクの小
滴31,33がオリフィスのエッジ30から離れて当該
表面上でジュズ状をなして、該残留インク(の小滴)3
1,33がオリフィス22から後で噴出されるインク滴
に干渉しないようにされる。例えば、残留インクの小滴
が非ぬれ状態の表面の部位36の幅よりも概して大きい
ときには、それらの小滴は、オリフィス・プレート20
の内外部におけるぬれ状態の表面の部位26,38に隣
接して接触し、または、非ぬれ状態の部位36に隣接し
て接触することになる。このような小滴の接触が生じる
ときには、この小滴は当該表面の部位26または38に
(即ち、オリフィス内に戻るか、または、ぬれ状態の表
面の部位38上に)直ちに流れて、これにより、オリフ
ィス22のエッジ30から離れるようにされる。残留イ
ンクの小滴が接触して、非ぬれ状態の表面の部位36か
らオリフィスのぬれ状態の表面の部位26に移動すると
きには、当該小滴はぬれ状態の表面の部位26に沿って
内側に流れて、貯溜されているインク23と一緒にな
る。
【0020】ニッケルまたは金メッキされたニッケル以
外の材料で構成されたオリフィス・プレートは、上述さ
れた特性のぬれ特性を持たせるように処理することがで
きる。例えば、ポリイミド(この材料は本来的に70゜
よりも大きい接触角を有している)で構成されたオリフ
ィス・プレートは、上記されたように処理されて、選択
された非ぬれ状態の表面部位およびぬれ状態の表面部位
を生成するようにされる。
【0021】図3には、本発明の他の実施例であるオリ
フィス・プレート40を構成する主要なステップが示さ
れている。この実施例において、非ぬれ状態の表面は、
選択された表面の部位にわたって非ぬれ性の材料を噴霧
して加えることによって達成される。選択された表面の
部位のぬれ特性は、前述されたプラズマ・エッチングに
よって付与される。例えば、オリフィス・プレートの材
料の表面(即ち、処理を施す以前のもの)が不所望の小
さい接触角を有しているとき、または、使用の結果もし
くは環境的なファクタの結果として材料が非ぬれ状態か
らぬれ状態の表面に変化するときには、この代替的な技
術は有用なものである。
【0022】図3に示されているオリフィス・プレート
40は、マンドレル42上で既知の手段によって電気的
に形成される。オリフィス・プレート40は図1の実施
例に関して説明されたような形状にされていて、該プレ
ート40の内部表面46から外部表面48に伸長するオ
リフィス44のアレイが含まれている。プレート40
は、マンドレル42に接触する外部表面48をもって、
該マンドレル42上に電気的に形成される(図3A)。
そして、オリフィス44を規定する内部表面の部位50
を含んでいる露出した内部表面46が前述されたように
プラズマ・エッチングされて、当該表面がぬれ性になる
ようにされる。前述されたぬれ状態の特性を有するよう
に内部表面46が処理された後で、オリフィス44を規
定する内部表面の部位50を含んでいる内部表面46に
わたって、除去可能なマスク52が電気的に形成される
(図3B)。
【0023】一旦マスク52が形成されると、オリフィ
ス・プレート40が反転され、マンドレル42が除去さ
れて、該オリフィス・プレートの外部表面48を露出す
るようにされる。そして、このオリフィス・プレートの
外部表面48は上述されたようにプラズマ・エッチング
されて、該外部表面48にぬれ状態の特性を付与するよ
うにされる。その後で、ぬれ状態の表面として残ってい
る外部表面の部位58(即ち、図1における表面の部位
38に対応する該当の部位)はホトレジスト54により
マスクされ、オリフィスのエッジ60を直接的に包囲す
る外部表面の部位56が露出されて、噴霧して加えられ
る非ぬれ性の材料62を受け入れるようにされる(図3
C)。
【0024】この好適な実施例における非ぬれ性の材料
は交差結合されたシリコン樹脂であって、Dow Co
rning 社によって製造され、Q1−2645 と
命名されているメチルトリメトキシランのようなもので
ある。この非ぬれ性の材料62は、好適には、約O.2
μと2.0μとの間の層を生成するように加えられてい
る。
【0025】オリフィス・プレートの内部表面46に対
して非ぬれ性の材料が加えられることはマスク52によ
って防止される。一旦非ぬれ性の層62が養生されると
マスク52が除去され、また、オリフィス44を被覆し
ている非ぬれ性の層62の部位が、レーザ・トリミン
グ、水力的な衝撃またはプラズマ・エッチングのような
適当な手段によって除去される(図3D)。
【0026】この発明の別の局面として、オリフィス4
4を包囲する非ぬれ性の表面の部位は、該オリフィスの
エッジ60から僅かな距離をおくように形成されてお
り、該非ぬれ性の部位上に存在する残留インクのジュズ
状体がオリフィスのエッジ60から十分遠くに配置され
て、オリフィスから噴出されるインク滴に対してそれら
のジュズ状体が干渉しないようにされる。この目的のた
めに、そして図3Eおよび図3Fを特に参照することに
より、オリフィス44のエッジ60に直接的に隣接する
プレート40の外部表面48の一部64がぬれ性の状態
にされて、該ぬれ性の部分64上にある残留インクが該
オリフィス44に戻るようにされる。そして、これによ
り、オリフィスのエッジ60と外部表面48のぬれ性の
部分64を包囲する非ぬれ性の表面部分68との間に、
実質的に無インクの領域が残るようにされる。
【0027】図3Eに示されているように、オリフィス
44のエッジ60に直接的に隣接したぬれ性の表面部分
64を有するオリフィス・プレート40は、図3aおよ
び図3B関して説明されている技術によって、また更
に、ぬれ性の部分64を直接的に包囲する環状の部位6
8を除き、プラズマ・エッチングされた(即ち、ぬれ性
の)外部表面48に対してホトレジスト・マスク48が
付加されることによって構成される。ここでの環状の部
位は、図3Cに関して前述されたような態様をもって薄
層の非ぬれ性の材料によって噴霧処理される。この好適
な実施例において、オリフィスのエッジ60と環状の非
ぬれ性の表面68の最も近傍の部分との間の距離は、約
30μと80μとの間である。該非ぬれ性の材料が矯正
された後でホトレジスト54が除去され、これにより、
オリフィス44のエッジ60を包囲するぬれ性の部分6
4を含んだオリフィス・プレート40の外部表面48が
露出するようにされる。
【0028】ここで認められることは、オリフィスのエ
ッジに直接的に隣接しているぬれ性の表面部分(該部分
は非ぬれ性の環状表面部分で包囲されている)を備えた
オリフィス・プレートは、図1の実施例に関して説明さ
れた構成技術に従って形成することができる。これに関
して、表面の部位36(図1)を被覆するホトレジスト
層は、オリフィス22のエッジ30から(即ち、これか
ら放射状に外向きに)僅かに離れるようにされて、前述
されたプラズマ・エッチングに対する当該エッジ30に
隣接した外部表面32の部分を露出するようにされる。
【0029】ここで考えられることは、非ぬれ性が残る
オリフィス・プレートの外部表面の部位における接触角
が、通常のプラズマ重合化技術を介してフルオロカーボ
ンまたはシリコン・ポリマを加えることによって大きく
されるということである。小さい接触角を有するように
される外部表面の部位は、プラズマ重合化に先だってホ
トマスクで被覆することができる。プラズマ重合化のプ
ロセスが完了すると、プレートの内部表面上に形成でき
るいずれのポリマでも、反応イオン・エッチングによっ
て除去することができる。
【0030】図4は、この発明によってオリフィス・プ
レート70を形成するための代替的な方法を示す図であ
る。オリフィス・プレート70を構成するベース層72
には、ぬれ性になるように処理される内部表面74が備
えられている。このベース層は外部表面層76に対して
ボンディングされ、または、別のやり方で取り付けられ
ている。外部表面層76は好適には非ぬれ状態の特性を
有している。ベース層72は、例えば、ポリエチレン・
テレフタレート(PET)またはポリカーボネートで形
成されている。外部表面層76は、例えば、Dupon
t によってTeflon なる商標で製造されている
ようなフルオロカーボン・ポリマ、シリコン・ラバー
、または、十分に大きい接触角のシリコン樹脂で形成
されている。
【0031】オリフィス・プレート70内のオリフィス
78はダイ80によって形成されるものであり、このダ
イ80は、オリフィス・プレート70との間でプレス・
プレート82に対して押圧されている。より好適には、
低密度のポリエチレンまたはポリビニル・アルコールの
ようなクッション材からなる薄層84が、オリフィス・
プレート70とプレス・プレート82との間に配置され
ている。クッション層84は、オリフィス78を形成す
る際に形成ダイが層76を通して突き進む領域におい
て、外部表面層76の外部表面86が外向きに(図4で
は下向きに)突出することから保護する作用をしてい
る。オリフィス・プレート70が形成された後で、オリ
フィス78を包囲する外部表面86の部位はホトレジス
ト材をもってマスクすることが可能であり、これに対し
て外部表面86の残りの非ぬれ性の部位はプラズマ・エ
ッチングされて、前述された利点を達成させるために、
これに対してぬれ性の表面特性を付与するようにされ
る。
【0032】図4におけるオリフィス・プレート70
を、前述されたようなダイ80によるパンチ操作に代え
て、図4のダイと実質的に同形状のマンドレルの上で2
個の層として鋳造することができる。特に、図4のベー
ス層72に関して説明されたようなベース層はマンドレ
ルの上で鋳造され、その後で、非ぬれ状態の特性を有す
る(または、該特性を有するように後から処理される)
外部表面層によって被覆される。好適な実施例および代
替例に関してこの発明の原理の説明および例示をしてき
たが、この発明は、このような原理から逸脱することな
く、その配列および詳細について更に修正できることは
明かである。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように,本発明を実施して
オリフィス・プレートの表面のぬれ特性を制御すること
により、前記従来技術の問題点を解消することができ
る。オリフィスのインク噴出口のエッジに無インク領域
が形成されるので,残留インクが累積または滞留して、
後続して噴出されるインク滴に干渉し、その軌道を変更
し、これにより、プリントされたイメージの品質が低下
することが防止される。また、オリフィスのインク噴出
口からのインクの漏出も防止される。さらに、噴出口及
びそのエッジとオリフィス・プレートの外部表面の一部
分をぬれ性にすることにより、インクの供給性を向上
し、オリフィス・プレートの表面の清浄性を用意に高め
ることができる。従って、本発明により、より高速かつ
高品質印刷が可能なインク・ジェット型の印刷装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるオリフィス・プレート
の部分側断面図である。
【図2】図1のオリフィス・プレートの外部表面を示す
ためのオリフィス・プレートの部分平面図である。
【図3A】本発明の一実施例によるオリフィス・プレー
トの製造ステップを説明するためのオリフィス・プレー
トの部分側断面図である。
【図3B】本発明の一実施例によるオリフィス・プレー
トの製造ステップを説明するためのオリフィス・プレー
トの部分側断面図である。
【図3C】本発明の一実施例によるオリフィス・プレー
トの製造ステップを説明するためのオリフィス・プレー
トの部分側断面図である。
【図3D】本発明の一実施例によるオリフィス・プレー
トの製造ステップを説明するためのオリフィス・プレー
トの部分側断面図である。
【図3E】本発明の一実施例によるオリフィス・プレー
トの製造ステップを説明するためのオリフィス・プレー
トの部分側断面図である。
【図3F】本発明の一実施例によるオリフィス・プレー
トの製造ステップを説明するためのオリフィス・プレー
トの部分側断面図である。
【図4】本発明の他の実施例によるオリフィス・プレー
トの製造方法を説明刷るための図である。
【符号の説明】
20、40、70:オリフィス・プレート 22、44、78:オリフィス 24、46、74:内部表面 26:漏斗状部位 28:インクの凹型表面 30、60:外部エッジ 32、48、86:外部表面 31、33:インク小滴 36、68:非ぬれ性表面 38、64:ぬれ性表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハワード・エイチ・タウプ アメリカ合衆国カリフォルニア州サン・ホ セ,エヂングトン・プレイス 1556 (72)発明者 シ・チ・ラム アメリカ合衆国カリフォルニア州サン・ホ セ,ファラートン・コート 493 (72)発明者 ポール・ジェイ・マクレラン アメリカ合衆国オレゴン州コーバリス、ピ ー・オー・ボックス 1431 (72)発明者 ジェイム・エス・アデン アメリカ合衆国オレゴン州コーバリス、エ ヌ・ダブリュウ・フェアローン 2576

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一のぬれ性を有する外部表面と第二のぬ
    れ性を有する内部表面とを有するプレートにおいて、前
    記内部表面は前記プレートの一方の表面から前記外部表
    面へ該プレートを貫通するオリフィスを定義する表面を
    含み、前記第一、第二ぬれ性が互いに異なるオリフィス
    ・プレート。
  2. 【請求項2】第一のぬれ性を有する外部表面と第二のぬ
    れ性を有する内部表面とを有するプレートにおいて、前
    記内部表面は前記プレートの一方の表面から前記外部表
    面へ該プレートを貫通するオリフィスを定義する表面を
    含み、前記第一、第二ぬれ性が互いに異なるオリフィス
    ・プレートを製造するための、後記(イ)乃至(ハ)の
    ステップからなる、オリフィス・プレートの製造方法。 (イ)互いに異なるぬれ性を有する第一、第二の層状材
    を用意するステップ、 (ロ)前記第一、第二の層状材を接着して第三の層状材
    を構成するステップ、 (ハ)前記第三の層状材を貫通してオリフィスを形成す
    るステップ。
  3. 【請求項3】外部表面と内部表面とを有し、前記内部表
    面が前記外部表面へ貫通接続するオリフィスを定義する
    表面を含む、インク・ジェット・ペンに用いるオリフィ
    ス・プレートの処理方法であって、前記外部表面の前記
    オリフィスを囲む部分に第一のぬれ性を持たせ、前記外
    部表面の前記オリフィスを囲む部分を除く部分には前記
    第一のぬれ性とは異なる第二のぬれ性を持たせるオリフ
    ィス・プレートの処理方法。
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