JP2002096472A - インクジェットヘッド用ノズル基板の製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド用ノズル基板の製造方法

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JP2002096472A
JP2002096472A JP2000290789A JP2000290789A JP2002096472A JP 2002096472 A JP2002096472 A JP 2002096472A JP 2000290789 A JP2000290789 A JP 2000290789A JP 2000290789 A JP2000290789 A JP 2000290789A JP 2002096472 A JP2002096472 A JP 2002096472A
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etching
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Nobuaki Kondo
信昭 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコン単結晶基板に替わる樹脂基板を用
い、エキシマレーザ加工に替わるエッチング手段によ
り、円筒状孔と弧状孔とが連通してなる二段形状のノズ
ル孔を形成した、インクジェットヘッド用のノズル基板
を提供する。 【解決手段】 ポリイミドシートからなり、撥液性膜1
4および粘着材17が積層されたノズル基材11の一主
面に、耐エッチング性の金属被膜13を蒸着した後、フ
ォトリソによりノズルパターン13bを形成する。この
ノズルパターン13bをエッチングして碗状凹部15を
形成する。碗状凹部15に金属被膜を蒸着し、ノズルパ
タ−ン13cを形成した後、ノズル孔16を形成する。
ノズル孔16の形成に際してはノズル基材11に、前段
で等方性ハーフエッチングを、後段では異方性フルエッ
チングをそれぞれ施すことにより、円筒状の貫通孔を形
成する。最後に粘着シ−ル17を撥液性膜14から剥離
除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド用ノズル基板の製造方法に関し、より詳しくは、プ
ラスチック材料からなるノズル基材に、ドライエッチン
グでノズル孔を形成することによりノズル基板を製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタのインクジェッ
トヘッドは、一般にインク滴を外部に吐出する複数のイ
ンクノズルと、これらのインクノズルに連通したインク
供給路とが半導体基板上に作り込まれた構造となってい
る。近年、インクジェットヘッドに対しては高精細文字
を要求されており、また商品の低価格化に伴う製造コス
トの低減が盛んに図られている。
【0003】特開平11−28820号公報には、ノズ
ル基板の製造方法として、シリコン単結晶基板を用い、
段状のノズル孔をプラズマエッチングを用いて形成する
ものが開示されている。また、特開平10−14698
2号公報には、ノズル基板の製造方法として、樹脂基材
の一主面(吐出側)に撥水性膜を予め塗布し、後にエキ
シマレーザにて、撥水性膜を塗布した面と逆側の面から
アブレーションしてノズル孔を形成するものが記載され
ている。この技術では、前記撥水性膜に接着する形で粘
着部材を配置してノズル孔を形成している。しかしなが
ら、ノズル面に撥液性膜が塗布された基板をプラズマド
ライエッチングにて形成するノズル形成方法は見あたら
ない。
【0004】近年、インクジェットヘッド記録装置に
は、ますます高解像度で高速な印刷が要求されている。
そこで、ノズル板にノズル数を多数配置し、高密度化を
図ることで、高解像・高速印刷の要求に応えている。精
密で、より微細な加工を必要とするため、半導体基板で
あるシリコン基板を用い、湿式によるエッチングを施し
て微細なノズルを形成する方法が、従来技術として多く
採用されている。
【0005】インクジェットヘッドのインク吐出特性を
良くするためには、インクノズルとして、インクが吐出
する先端側に小径のノズル孔部分が形成され、その後側
に円錐状または角錐状に広がったノズル孔部分が形成さ
れた断面形状のものを使用することが望ましい。このよ
うに、先端側を一定断面の円筒状ノズル部分とし、後側
を内周面が弧状に広がった形状のノズルとすれば、全体
が円筒形状をしたインクノズルを使用した場合に比べ、
インクノズルに加わるインク圧力の方向をノズル軸方向
に揃えることができるため、安定したインク吐出特性を
得ることができる。
【0006】ところが、上記望ましい断面形状のインク
ノズルを湿式によるエッチングで形成した場合、一般的
にインクノズルの円筒部分を正確に形成することが困難
であり、開口形状が真円になりにくく、円筒ノズル部分
を精度良く形成することができない。このためインク吐
出の応答性が低下し、印刷速度を上げることができない
こととなる。また、湿式エッチングにおいては、シリコ
ン単結晶基板のエッチング速度が遅く、生産性が悪い。
さらに、シリコン単結晶基板の結晶方位を選択する必要
があり、使用が限定される。
【0007】一方、ドライエッチングを用いてインクノ
ズルを形成する場合、一般に円筒状ノズル部分と、後端
側ノズル部分との境界部に段差が生じ易くなる。このよ
うな形状のノズルにあっては、渦等の非定常インク流が
ノズル近傍に発生するため、安定したインク吐出特性を
確保することが困難となる。さらに、単結晶基板の場合
には、コスト高となる問題がある。
【0008】また、コスト低減の観点から近年、ノズル
基板の基材にプラスチック材料を用い、エキシマレーザ
にてインク吐出孔を形成する技術が展開されている。し
かし、エキシマレーザにおいては、インク吐出孔面に塗
布されている撥液性材料を完全にエッチングすることが
できない、これは、撥液性材料がレーザ光を吸収できず
透過してしまうため、エッチングできるエネルギーが得
られないことに起因する。
【0009】そこで、撥液性材料にレーザ光吸収剤を混
合したり、撥液性材料にレーザ光を吸収する材料を接触
させたりし、そのエネルギーで撥液性材料をエッチング
する方法が採用されている。さらに、インク吐出特性の
安定化を図る意味で、撥水性膜の残渣膜(撥水性膜の残
りかす)防止および、副生成物の付着防止の目的で、粘
着材を接着した構成においてエキシマレーザを照射し、
単ノズルまたは複数ノズルを形成する方法が提案されて
いる(特開平10−146982号公報)。
【0010】しかし、エキシマレーザによる複数ノズル
の同時加工は最大でも数十ミリで、それに対応できるよ
うに光学系を作製する必要があり、これではコスト高と
なる問題が伴う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、高価な
シリコン単結晶基板に替わる樹脂基板(プラスチック基
板)を用い、また、エキシマレーザ加工に替わるエッチ
ング手段により、円筒状孔と弧状孔とが連通してなる二
段形状のノズル孔を形成した、インクジェットヘッド用
のノズル基板の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のインク
ジェットヘッド用ノズル基板の製造方法は、インクを吐
出するノズル孔と該ノズル孔のインク吐出面に撥液性膜
とを有し、インクジェットヘッドを構成するノズル基板
の製造方法において、ノズル基材の一方の表面を第1の
マスク材で被覆し、該マスク材の前記ノズル孔に対応す
る部分を除去することにより第1のノズルパターンを形
成する第1の工程と、前記ノズル基材表面の前記第1の
ノズルパターン部分をエッチングすることにより、前記
ノズル基材のインク供給側に碗状凹部を形成する第2の
工程と、前記碗状凹部の表面を第2のマスク材で被覆
し、該マスク材のうち前記ノズル孔のインク吐出口に対
応する部分を除去することにより第2のノズルパターン
を形成する第3の工程と、前記ノズル基材の前記第2の
ノズルパターン部分にドライエッチングを施すことによ
り、前記ノズル基材の他方の表面に通じる円筒状の貫通
孔を形成して、該貫通孔と前記碗状凹部とを連通させる
第4の工程とを含むことを特徴とする。
【0013】請求項1に記載のノズル基板製造方法で
は、ドライエッチングにて先端側を円筒状に、後端側を
弧状に形成することにより、インク圧力の方向をノズル
軸方向に一定に揃えることができ、安定したインクの噴
射を実現でき、高品質の印刷処理を行うことができる。
【0014】請求項2に記載のインクジェットヘッド用
ノズル基板の製造方法は、請求項1において、前記ノズ
ル基材としてプラスチック材料からなるものを、前記第
1、第2のマスク材として金属材料からなるものをそれ
ぞれ用い、前記撥液性膜を前記第4の工程が開始される
までの間に前記ノズル基材の他方の表面に設け、前記第
4の工程においては、前記ノズル基材、前記撥液性膜の
それぞれの所定部分に前記円筒状の貫通孔を形成するこ
とを特徴とする。
【0015】請求項2に記載のノズル基板製造方法で
は、ノズル基板の基材がプラスチックで、撥液性膜を接
着させた構成でドライエッチングにてエッチングするた
め、基材のプラスチック、撥液性膜が溶融(メルト)す
る。そのため、副生成物が発生することがなくなるの
で、高品質の印刷処理が可能となる。
【0016】請求項3に記載のインクジェットヘッド用
ノズル基板の製造方法は、請求項1において、前記ノズ
ル基材としてプラスチック材料からなるものを、前記第
1、第2のマスク材として金属材料からなるものをそれ
ぞれ用い、前記第4の工程が開始されるまでの間に、前
記ノズル基材の他方の表面に前記撥液性膜と、該撥液性
膜に接触させて粘着材とを積層し、前記第4の工程にお
いては、前記ノズル基材、前記撥液性膜のそれぞれの所
定部分に前記円筒状の貫通孔を形成し、しかる後、前記
粘着材を前記撥液性膜から剥離除去することを特徴とす
る。
【0017】請求項3に記載のノズル基板製造方法で
は、ノズル基板の基材がプラスチックで、撥液性膜上に
粘着材を接着させた構成でノズル孔形成するため、ノズ
ル孔形成時に撥液性膜へのダメ−ジを与えることがな
く、結果として、安定したインク吐出特性が得られる。
【0018】請求項4に記載のインクジェットヘッド用
ノズル基板の製造方法は、請求項2または3において、
前記第4の工程では、金属材料からなる第2のマスク材
の表面を上側に向けた状態で、前記円筒状の貫通孔を形
成することを特徴とする。
【0019】請求項4に記載のノズル基板製造方法で
は、マスク材としての金属膜を上向きにすることにより
良好なエッチングが施されため、バラツキの少ないノズ
ル孔が形成され、高品質の記録特性が得られる。
【0020】請求項5に記載のインクジェットヘッド用
ノズル基板の製造方法は、請求項1,2,3または4に
おいて、前記第4の工程では、前段で等方性ハーフエッ
チングを施すことにより、インク吐出口側が縮径するテ
ーパ状の孔を形成し、後段では異方性フルエッチングを
施すことにより前記円筒状の貫通孔として、前記テーパ
状の孔に連通し、かつこれと同心状の孔を形成すること
を特徴とする。
【0021】請求項5に記載のノズル基板製造方法では
先端が細く、後端が広い断面形状のノズル孔を煩雑なプ
ロセスを必要とせず形成できるため、低コスト化が計れ
る。また、インクの渦等の非定常インク流が発生するこ
となく吐出するため、常に安定したインク液滴が得られ
る。
【0022】請求項6に記載のインクジェットヘッド用
ノズル基板の製造方法は、請求項5において、前記第4
の工程での等方性ハーフエッチングおよび異方性フルエ
ッチングを、ICP,HWP,RIEのいずれかにより
行うことを特徴とする。
【0023】請求項6に記載のノズル基板製造方法で
は、上記所定のドライエッチングにより貫通孔を形成す
る。上記ドライエッチング方式のいずれにおいても高密
度プラズマ(109 〜1012)が得られるため、従来の
ドライエッチング方式に比較してエッチング速度が速い
ため、生産性が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】および
【実施例】実施の形態1および、実施例1 図1は、本発明方法で作製されたノズル基板を用いたイ
ンクジェットヘッドの分解斜視図である。図2(a)〜
(f)は、上記ノズル基板の製造工程を示す断面図であ
る。
【0025】このインクジェットヘッドはキャビティプ
レート1と、ノズル基板(ノズルプレート)2を接合し
た構造となっている。キャビティプレート1にはインク
の供給部3と、静電気力による振動でインクを吐出する
圧力室4と、インクが通過するインク流路5とが形成さ
れている。ノズル基板2にはノズル孔6がインク流路5
に垂直に多数形成され、これらのノズル孔以外の基板表
面には撥液性膜(図略)が塗布されている。このインク
ジェットヘッドにおいて、インクは図略のインク供給管
を介してインク供給部3に供給され、最終的にインク滴
としてノズル孔6から吐出される。
【0026】図1に示すノズル基板の製造工程につい
て、実施の形態と実施例を併記しながら説明する。な
お、以下に説明するノズル基板製造方法は、図1に示す
インクジェットヘッドとは異なる形状・構造のインクジ
ェットヘッドにも適用できるし、静電気力によるもの以
外の駆動方式でインク滴の吐出を行うインクジェットヘ
ッドにも適用可能である。
【0027】〔工程1〕まず、図2(a)のように、ノ
ズル基板用の基材であるノズル基材11の一主面に、耐
エッチング性の金属被膜13を膜厚1μmに蒸着する。
金属被膜13の材料としては、例えばNi−Cr合金、
Ni−Co合金、Mo,Wなどが挙げられる。
【0028】実施例1では、ノズル基材11として、厚
さ30μmのポリイミドシートを用いた。ポリイミドシ
ートはインクに対する耐食性および耐熱性に富み、熱膨
張係数も小さいことから、ノズル基材として最適であ
る。
【0029】〔工程2〕図2(b)のように、ノズル孔
16(図2(f))に対応する部分の金属被膜13にフ
ォトリソを施すことにより、該部分の金属被膜を除去
し、ノズル基材11を露出させる(ノズルパターンを形
成する)。符号13aは金属皮膜13のうちエッチング
されない部分、すなわちマスク材を示す。符号13bは
ノズルパターンを構成するフォトリソ部である。
【0030】実施例1では、直径50μm(ノズル孔先
端部の径)のノズル孔に対応する部分の金属皮膜をエッ
チングし、150個のノズルパターン(フォトリソ部)
13bをノズル基材11の表面に形成した。エッチング
液にはポリイミドが耐性を有するセリュウムを用いた。
【0031】〔工程3〕図2(c)のように、ノズル基
材11のうち前記フォトリソ部13bの部位をエッチン
グすることにより、インク供給側(図2においてノズル
基材11の上部側)に碗状凹部(彫り込み)15を形成
する。
【0032】実施例1では、前記エッチング工程(図2
(b))でノズルパターン化され、金属皮膜13aが残
留するノズル基材11を、図略のエッチング装置内にセ
ットし、このノズル基材11について、HWP(ヘリコ
ン波プラズマ)によるエッチングを施し、深さ20μm
の碗状凹部15を形成した。HWPは、高密度プラズマ
による高速エッチング(プラズマ密度n>1012/cm
-3)が可能なため、比較的厚い基板材料についても短時
間でエッチングできる利点がある。また、基板バイアス
印加電圧により異方性エッチングが得られる。
【0033】本工程においては、碗状凹部15に弧状部
15aを形成するために、圧力を高圧に設定してエッチ
ングを行った。エッチング条件は、エッチングガス
2 :50sccm、Rf:1kW、圧力:5〜0.0
5torrでノズル基材11を等方性エッチングした。
図2(c)は、弧状部15aを有する碗状凹部15が形
成されたノズル基材11を示している。
【0034】〔工程4〕(図略) 実施例1では、ノズル基材11を上記エッチング装置か
ら取り出し、ノズル基材表面に形成されたマスク材13
aをセリュウムにて全面エッチングして除去した後、ノ
ズル基材11の凹部15が形成された面の全面に、膜厚
1μmのNi−Cr膜を蒸着した。
【0035】〔工程5〕実施例1では、図2(d)に示
すように、ノズル孔16(図2(f))となる領域に直
径25μmのノズルパタ−ン13cを形成した。この場
合、ノズル孔16部分のNi−Cr膜をセリュウムでエ
ッチングし、凹部15部分のノズル基材11の表面を露
出させた。ついで、ノズル孔16形成面(ノズル基材1
1の下側表面)に撥液性膜14(フッ素系樹脂または、
シリコーン系樹脂)を膜厚1500Åで塗布し、さらに
粘着材17を、撥液性膜14に密接させた状態で接着さ
せた。粘着材17としては、耐熱性および耐腐食性の良
いものが任意に用いられる。実施例1では粘着材17と
してフッ素系シールを用いた。
【0036】〔工程6〕実施例1では、撥液性膜14お
よび粘着材17が積層された上記ノズル基材11をエッ
チング装置にセットし、エッチングガスO2 :50sc
cm、Rf:1kW、バイアス:300W、圧力:0.
05〜0.005torrの条件で異方性エッチングを
所定時間施すことにより、ノズル基材11を深さ10μ
mで、撥液性膜14を深さ1500Åで、それぞれ穿孔
し、図2(e)に示すように先端が細いノズル孔16を
形成するとともに、このノズル孔16を上記凹部15と
連通させた。
【0037】〔工程7〕ノズル基材をエッチング装置か
ら取り出し、撥液性膜14に接着していた粘着シ−ル1
7を取り外した後、ノズル基材上面のNi−Cr膜全体
をセリュウムでエッチング除去する。これでノズル基板
2の作製が終了する。
【0038】以上の工程により碗状凹部15と、その底
部に連通する円筒部とからなり、断面がほぼ真円状のノ
ズル孔16が形成される。また、粘着材および金属マス
ク(上記金属皮膜)を形成し、プラズマエッチングを施
すことにより、ノズル孔16周辺の撥液性膜のダメ−
ジ、エッチング時の副生成物の堆積のいずれも生じてな
いノズル基板を作製することができる。
【0039】実施の形態2 図3(a)〜(f)は、ノズル基板の製造工程を示す断
面図である。この実施の形態2では、図2(d)〜
(f)との比較で明らかなように、ノズル孔16形成面
に撥液性膜14を塗布するが、この撥液性膜14に粘着
材17を接着することなく、実施の形態1と同様の加工
条件で加工を施すことにより、ノズル基板2を作製する
点で実施の形態1と相違している。
【0040】上記実施例1および、実施の形態2に従う
実施例2で作製したノズル孔径(先端部の径)および、
インク吐出量を、150個のノズル孔について評価した
結果、ノズル孔径は平均26.5μmで、従来のシリコ
ン単結晶基板を用いて作製したノズル基板の場合よりバ
ラツキが少なかった。また、インク吐出量は平均9pl
で、シリコン基板とほぼ同等であった。
【0041】以上の実施の形態1,2ではHWPによる
エッチングについて説明したが、その他の異方性ドライ
エッチング方式としてICP放電、RIEなどを用いる
こともできる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るノズ
ル基板の製造方法においては、高密度プラズマ放電によ
る異方性ドライエッチングを用いて樹脂基板をエッチン
グ加工するようにしている。このため本発明によれば、
従来のシリコン単結晶基板と比較して、樹脂基板におい
てもノズルに加わる圧力の方向をノズル軸方向に揃える
作用が大きいノズルを、精度良く形成することができ
る。
【0043】また、粘着材を撥液性膜に直接接着させた
状態でノズル孔を形成した後、これを剥離除去すること
により、ノズル孔周辺に副生成物等の異物が付着するこ
とがなくなるため、インク吐出が安定して得られ、画像
品質の良好なプリンタが得られる。さらにICP,HW
P方式等の異方性ドライエッチングを用いることによ
り、円筒状孔と弧状孔とが連通してなるノズル孔を、そ
れほど煩雑なプロセスを必要とせず効率良く、かつ高速
で形成できるため、量産に対応することができる。
【0044】さらに、樹脂基板をシリコン単結晶基板に
替わる材料として用いることが可能なため、製造コスト
を大幅に低減できる。さらにまた、大面積の基板シ−ト
でノズル基板を作製できるため量産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で作製されたノズル基板を用いたイ
ンクジェットヘッドの分解斜視図である。
【図2】図1のノズル基板の製造工程の一例を示す断面
図である。
【図3】ノズル基板の製造工程の別例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 キャビティプレート 2 ノズル基板(ノズルプレート) 3 インク供給部 4 圧力室 5 インク流路 6 ノズル孔 1 ノズル基材 13 金属被膜 13a 金属皮膜(マスク材) 13b フォトリソ部(ノズルパターン) 13c ノズルパターン 14 撥液性膜 15 碗状凹部(彫り込み) 15a 弧状部 16 ノズル孔 17 粘着材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するノズル孔と該ノズル孔
    のインク吐出面に撥液性膜とを有し、インクジェットヘ
    ッドを構成するノズル基板の製造方法において、ノズル
    基材の一方の表面を第1のマスク材で被覆し、該マスク
    材の前記ノズル孔に対応する部分を除去することにより
    第1のノズルパターンを形成する第1の工程と、前記ノ
    ズル基材表面の前記第1のノズルパターン部分をエッチ
    ングすることにより、前記ノズル基材のインク供給側に
    碗状凹部を形成する第2の工程と、前記碗状凹部の表面
    を第2のマスク材で被覆し、該マスク材のうち前記ノズ
    ル孔のインク吐出口に対応する部分を除去することによ
    り第2のノズルパターンを形成する第3の工程と、前記
    ノズル基材の前記第2のノズルパターン部分にドライエ
    ッチングを施すことにより、前記ノズル基材の他方の表
    面に通じる円筒状の貫通孔を形成して、該貫通孔と前記
    碗状凹部とを連通させる第4の工程とを含むことを特徴
    とするインクジェットヘッド用ノズル基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ノズル基材としてプラスチック材料
    からなるものを、前記第1、第2のマスク材として金属
    材料からなるものをそれぞれ用い、前記撥液性膜を前記
    第4の工程が開始されるまでの間に前記ノズル基材の他
    方の表面に設け、前記第4の工程においては、前記ノズ
    ル基材、前記撥液性膜のそれぞれの所定部分に前記円筒
    状の貫通孔を形成することを特徴とする請求項1に記載
    のインクジェットヘッド用ノズル基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ノズル基材としてプラスチック材料
    からなるものを、前記第1、第2のマスク材として金属
    材料からなるものをそれぞれ用い、前記第4の工程が開
    始されるまでの間に、前記ノズル基材の他方の表面に前
    記撥液性膜と、該撥液性膜に接触させて粘着材とを積層
    し、前記第4の工程においては、前記ノズル基材、前記
    撥液性膜のそれぞれの所定部分に前記円筒状の貫通孔を
    形成し、しかる後、前記粘着材を前記撥液性膜から剥離
    除去することを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ットヘッド用ノズル基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第4の工程では、金属材料からなる
    第2のマスク材の表面を上側に向けた状態で、前記円筒
    状の貫通孔を形成することを特徴とする請求項2または
    3に記載のインクジェットヘッド用ノズル基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第4の工程においては、前段で等方
    性ハーフエッチングを施すことにより、インク吐出口側
    が縮径するテーパ状の孔を形成し、後段では異方性フル
    エッチングを施すことにより前記円筒状の貫通孔とし
    て、前記テーパ状の孔に連通し、かつこれと同心状の孔
    を形成することを特徴とする請求項1,2,3または4
    に記載のインクジェットヘッド用ノズル基板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第4の工程における等方性ハーフエ
    ッチングおよび異方性フルエッチングを、ICP,HW
    P,RIEのいずれかにより行うことを特徴とする請求
    項5に記載のインクジェットヘッド用ノズル基板の製造
    方法。
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