JP4719944B2 - 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関するものであり、特に、粘度の高い液体を微少な液滴で、短周期で吐出することが可能な液体吐出ヘッド及び画像形成装置に関するものである。
従来からある画像形成装置として、多数の液体吐出ノズルを配置させたインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)を有し、このインクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから記録媒体に向けてインク(液体)を吐出することにより記録媒体上に画像を記録するインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が知られている。
このようなインクジェットプリンタのインクジェットヘッドは、たとえばインクタンクからインク供給路を介してインクが供給される圧力室と、画像データに応じた電気信号によって駆動される圧電素子と、圧電素子の駆動によって変形する圧力室の一部を構成する振動板と、振動板の変形によって圧力室の容積が減少することにより圧力室内のインクが液滴として吐出される圧力室に連通するノズルを含む圧力発生ユニットを有している。インクジェットプリンタにおいては、圧力発生ユニットのノズルから吐出されたインクによって形成されるドットを組み合わせることによって記録媒体上に1つの画像が形成される。
このようなインクジェットプリンタは、微細なノズルからインクを直接吐出して情報を記録する方式であるため、画像の高精細化のため小液滴を吐出する方法や、粘度の高い液体を用いる方法が提案されている。
特許文献1では、ノズルの径を2段階とし、ノズル内に親水部と疎水部を設け、安定してインクの吐出が可能なインクジェット記録装置が開示されている。
特許文献2では、ノズルからの液滴の分離を容易に行う技術として、ノズルの周囲にヒータを形成し、液滴を分離する際に、このヒータを加熱する方法が開示されている。
特許文献3では、ノズルの径を2段階とし、ノズルのインク吐出側(大気に面している側)と、インク流入側(液体に面している側)におけるテーパー角が異なった構成のノズルが開示されている。
特開昭57−131568号公報 特開2000−238267号公報 特開2001−187451号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、親水部と疎水部のノズル径が同一であり、リフィルを促進する効果はなく、ノズル径を狭めることにより吐出周波数は低下する可能性がある。
また、特許文献2に開示された発明は、各々のノズルにヒータを形成する必要があり、構造が複雑であり、製造コストも高くなるといった問題点がある。
更に、特許文献3に記載された発明は、吐出方向を改善する効果はあるものの、小液滴を吐出するためにノズル径を細くした場合、リフィルが遅くなり、吐出周波数が低下してしまう。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、構造上複雑ではなく、ノズル径を狭めても吐出周波数が低下しない液体吐出ヘッドの構造を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の発明は、ノズルプレートに形成された液滴を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する液室と、前記液室内の液体を圧縮、膨張させるための圧力発生手段と、を備えた液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルが、液体を吐出する側のノズル径φ1で形成された領域と、前記液室より液体が供給される側のノズル径φ2で形成された領域とにより構成されており、前記液体が供給される側のノズル径φ2は、前記液体を吐出する側のノズル径φ1の2.5倍以上、5倍以下であり、前記ノズルプレートの大気に接触している面及びノズル内の前記ノズル径φ1で形成された領域の面が撥液面で形成され、ノズル内の前記ノズル径φ1で形成された領域以外の領域の面は親液面で形成されており、前記ノズルより液滴の吐出を開始する際、前記圧力発生手段により前記液室内の液体に与えられる力が、前記液室内の体積を収縮する方向のみであることを特徴とする液体吐出ヘッドである。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の液体吐出ヘッドを有する画像形成装置である。
本発明によれば、構造を複雑にすることなく、ノズル径を狭めても吐出周波数が低下しない液体吐出ヘッドを提供することができ、微小な液滴を高い周波数で吐出することができる効果がある。また、粘度の高い液体においても吐出周波数を下げることなく、液滴を吐出することができる効果がある。
以下、添付図面を参照して、本発明について詳細に説明する。
〔原理・概念〕
本発明の原理及び概念について説明する。
最初に液体吐出ヘッドのノズルよりインクを吐出する際の吐出方法について説明する。
液体吐出ヘッドのノズルからインクを吐出する方法には、引き打ち法と押し打ち法がある。
引き打ち法は、ノズルにおけるインクのメニスカス面を一旦ノズルの液体方向に引き込んだ後、インクを押し出す方向に力を加え、インクを吐出する方法である。
図1に基づき、具体的に引き打ち法を説明する。
最初、引き打ち法では、図1(a)に示すように一旦インクのメニスカス面をインクの存在している方向に引き込む。この状態では、インクのメニスカス面は凹形状となる。この後、インクが吐出する方向に力を加えることにより、図1(b)に示すように、インクのメニスカス面は中央部が盛り上がった形状となる。この後、図1(c)に示すように、中央部の盛り上がりが、更に増大し、図1(d)に示すように、インクのメニスカス面全体が凸形状となる。
この過程がさらに進むことによりインクが吐出される。この状態を図2に示す。図1(d)に示されるように、インクメニスカス面の全体が凸形状となった後、先端部のインクは前進し、図2(a)に示すように液柱が形成される。この後、図2(b)、図2(c)、図2(d)に示すような過程をたどり、液柱は次第に成長し先端部が球状に近い状態となり、ついには、図2(e)に示すように、液柱の先端部が分離し、液滴となり、ノズルから吐出する。
引き打ち法は、小液滴の吐出が可能となるものの、粘度の高いインクを用いた場合、液滴が分離する際にサテライトが発生し、このサテライトにより紙等の記録媒体に形成される画像の品質が劣化するといった問題点があった。
次に、図3に基づき押し打ち法について説明する。
押し打ち法では、引き打ち法と異なり、インクのメニスカス面をインクの存在している方向に引き込むことなく、そのままインクを押し出す。
具体的には、図3(a)に示すように、インクが吐出する方向に力を加えることにより、図3(b)、図3(c)に示すように、インクは次第に吐出方向に押し出されていく。この後、図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すように変化し、液柱が形成される。この後、図4(e)に示すように、液柱は更に成長し、ついには、液柱の先端部のインクが分離し、液滴となりノズルから吐出する。
押し打ち法は、小さな液滴の吐出には不向きであるが、粘度の高い液体であってもサテライトが発生しないため、これにより紙等の記録媒体に形成される画質の品質を劣化させないという利点を有している。
このため、粘度の高いインクにより高精細な印刷を行うためには、押し打ち法で、小液滴を吐出することができればよい。小液滴を吐出する方法としては、ノズル径を細くする方法があるが、ノズル径を細くするに従い、インクを吐出した後のインクの供給(リフィル)が遅くなり、高速印刷に不向きになるという欠点を有している。
図5に、本発明に図る液体吐出ヘッドのノズル51の構成を示す。
図5に示されるように、ノズル51は、第1ノズルプレート59と第2ノズルプレート60の2枚のノズルプレートから構成されており、第1ノズルプレート59に形成されたノズル径φ1よりも、第2ノズルプレート60に形成されたノズル径φ2の方が大きく、第1ノズルプレート59の大気と接している面、即ち、矢印で示す液体吐出方向面の表面、及び、第1ノズルプレートのノズル51を形成している矢印に示す液体吐出方向と平行な領域は、撥液面である撥液領域61で構成されている。また、第1ノズルプレート59の液体と接している面、即ち、矢印で示す液体吐出方向の面の反対面、及び、第2ノズルプレート60のノズル51を形成している矢印で示す液体吐出方向と平行な領域は、親水面である親水領域62で構成されている。このような構成とすることにより、定常状態においては、インクのメニスカス面63は、撥液領域61と親水領域62の境界部分において、ノズル51と接している。
次に、第2ノズルプレート60のノズル径φ2とリフィル時間の関係についてシミュレーションした結果を示す。
図6に示すように、ノズル51は、厚さd1が10μm、ノズル径φ1が10μmの孔が形成された第1ノズルプレート59と、厚さd2が30μm、ノズル径φ2の孔が形成された第2ノズルプレート60により構成されており、第1ノズルプレート59のノズル領域と、第2ノズルプレート60のノズル領域は、液体吐出方向に対して各々平行である。尚、本図では、撥液領域61と親水領域62の図示は省略されている。第2ノズルプレート60のノズル径φ2を変化させた場合のリフィル特性を図7に示す。
図7は、ノズル51よりインクを吐出した直後、圧力室52内で不足したインクを供給するための時間を示す。インクは、一回で約2〔pl〕吐出するためインクを吐出した直後は、圧力室52では、この分不足するため−2〔pl〕となる。この後リフィルが開始し、0〔pl〕となったところでリフィルが完了し、次のインクの吐出を行うことができるようになる。
シミュレーションに用いたインクの物性値は、粘性係数μ:2.0×10−2〔Pa・s〕、密度ρ:1000〔kg/m〕、音速c:1500〔m/s〕、表面張力σ:3.5×10−2〔N/m〕である。
図7に示すように、第2ノズルプレート60におけるノズル径φ2が大きくなるに従い、リフィルの時間が短くなる傾向にある。現在、インクジェットヘッドの高周波駆動は40〜50〔kHz〕で行われており、この周波数に対応するためには、少なくともリフィルは20〔μs〕で完了していなければならない。この条件を満たすためには、第2ノズルプレート60のノズル径φ2は、25〔μm〕以上であることが必要であり、第1ノズルプレート59のノズル径φ1が、10〔μm〕であることから、第1ノズルプレート59のノズル径φ1の2.5倍以上であることが、高周波駆動するための条件となる。
また、図18に、第1ノズルプレートのノズル径φ1が10〔μm〕、第2ノズルプレートの厚さd2が30〔μm〕の場合における第2ノズルプレートのノズル径φ2に対する第2ノズルプレートの厚さd2であるd2/φ2と、リフィル時間との関係を示す。高周波吐出のためには、20〔μs〕以下のリフィル時間が要求されることから、図18から求められるリフィル時間20〔μs〕におけるφ2/φ1と、d2/φ2との関係を図19に示す。吐出方向の安定性の観点から第2ノズルプレートの厚さd2と、ノズル径φ2との関係は、d2/φ2の値が1以上であることが構造上必要となる。よって、図19より、φ2/φ1の値は2.5以上であることが高周波駆動を行うための条件となり、上記条件と同様となる。
一方、第2ノズルプレート60のノズル径φ2の上限は、気泡巻き込み特性から定まり、第1ノズルプレート59のノズル径φ1の5倍以下であることが条件となる。よって、高周波駆動する場合における第2ノズルプレート60のノズル径φ2の値の範囲は、第1ノズルプレート59のノズル径φ1の2.5倍以上5倍以下となる。
次に、第2ノズルプレート60のノズル領域がテーパーを有している場合におけるリフィル特性について説明する。この場合のノズル51を図8に基づき説明する。ノズル51は、厚さd1が10〔μm〕の第1ノズルプレート59にノズル領域としてノズル径φ1が10〔μm〕の孔が形成されている。第2ノズルプレート60は、厚さd2が30〔μm〕であり、第2ノズルプレート60のノズル領域は、第1ノズルプレート59と接触している側は、第1ノズルプレート59のノズル径φ1と同じ10〔μm〕であり、角度θの傾きのテーパーをもち広がっている。即ち、ノズル51の液体吐出方向に沿った断面において、第1ノズルプレート59のノズル領域と、第2ノズルプレート60のノズル領域のなす角度がθとなる。尚、第2ノズルプレート60がない場合は、90°であり、180°以上では、インクの供給が困難となるため、角度θのとりうる値としては、90°から180°となる。尚、本図では、撥液領域61と親水領域62の図示は省略されている。角度θとリフィルの関係を図9に示す。
図9に示すように、角度θは、大きくなるに従いリフィルにかかる時間が長くなる傾向にある。図に示すように40〔kHz〕の高周波駆動の場合では、θの値は、120°以下であることが必要である。よって、高周波駆動を行うためのθの値の範囲は、90°以上120°以下であることが条件となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図10は、本発明の実施形態に係る画像形成装置であるインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。図10に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」と称する場合あり)12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、ヘッド12K、12C、12M、12Yのノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16(記録媒体)の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26を備えている。
図10では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図10のように、裁断用のカッター28が設けられており、前記カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、前記固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくともヘッド12K、12C、12M、12Yのノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図10に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図10中不図示、図17に符号88で図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図10の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。従って、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
図11は、インクジェット記録装置10の印字部12周辺を示す要部平面図である。
図11に示すように、印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドを有している。印字部12を構成する各ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向に沿って上流側(図10の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられてなる印字部12によれば、紙送り方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち、1回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、ヘッドが紙送り方向と直交する主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するヘッドを追加する構成も可能である。
図10に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、前記イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が2次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色のヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいため、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことができ、画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(不図示)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
〔液体吐出ヘッドの構成〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図12(a) はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図12(b) はその一部の拡大図である。また、図12(c) はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図である。
記録紙16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図12(a)〜(c) に示したように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室(液室)52、供給口54等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)を狭め、高密度化を達成している。
紙送り方向と略直交する主走査方向に記録紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図12(a) の構成に代えて、図12(c) に示すように、複数のノズル51が2次元状に配列された短尺のヘッドブロック50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
なお、本例では圧力室52の平面形状が略正方形である態様を示したが、圧力室52の平面形状は略正方形に限定されず、略円形状、略だ円形状、略平行四辺形(ひし形)など様々な形状を適用することができる。また、ノズル51や供給口54の配置も図12(a)〜(c)に示す配置に限定されず、圧力室52の略中央部にノズル51を配置してもよいし、圧力室52の側壁側に供給口54を配置してもよい。
図12(b) に示すように、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造や、2列の千鳥配置されたノズル列を有する構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、記録媒体の幅方向(主走査方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図12(a)〜(c)に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙16とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
なお、本実施形態ではフルラインヘッドを例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、記録紙16の幅よりも短い長さのノズル列を有する短尺のヘッドを記録紙16の幅方向に走査させながら、記録紙16の幅方向の印字を行うシリアル型ヘッドにも適用可能である。
尚、図12(a)〜(c)に示すように、各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部に形成されたノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は図12(a)、(b)に示す供給口を介して不図示の共通流路(共通液室)と連通されている。前記共通流路は不図示のインク供給タンクと連通しており、前記インク供給タンクから供給されるインクは前記共通流路を介して各圧力室52に分配供給される。
〔液体吐出ヘッドの構造〕
次に、液体吐出ヘッドの構造の詳細について図13に基づき説明する。
図13は、一つのノズルに対応するインク室ユニット53の立体的構成を示す断面図(図12(a)、(b)中の13A−13B線に沿う断面図)である。
図13に示すように、圧力室ユニット53は、インクを吐出するノズル51と連通する圧力室52によって形成され、供給口54を介してインクを供給する共通液室55と連通している。圧力室52の一面(図では天面)は振動板56で構成され、その上部には、振動板56を変形させる圧電素子58(圧力発生手段に相当)が接合されており、圧電素子58の上面には個別電極57が形成される。尚、振動板56は共通電極を兼ねている。ノズル51は、第1ノズルプレート59と第2ノズルプレート60により形成されており、第1ノズルプレート59によるノズル領域のノズル径と、第2ノズルプレート60のノズル領域におけるノズル径とは、異なるノズル径により構成されている。即ち、ノズル51は、径の異なる2段のノズルプレートにより構成されている。第1ノズルプレート59の厚さは、10〔μm〕、ノズル径は、10〔μm〕であり、第2ノズルプレート60の厚さは、30〔μm〕、ノズル径は、30〔μm〕である。
圧電素子58は、共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれており、共通電極(振動板56)と個別電極57との間に駆動電圧を印加することによって変形する。圧電素子58の変形によって振動板56が変形し、圧力室52の容積が縮小されて、圧力室52内のインクに圧力がかかり、ノズル51からインクが吐出されるような構造となっている。共通電極(振動板56)と個別電極57との間に印加されていた電圧が解除されると圧電素子58がもとに戻り、圧力室52の容積が元の大きさに回復し、共通液室55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給されるようになっている。
図14は、液体吐出ヘッドのノズル51より液体を吐出する際に、共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれた圧電素子58に印加される電圧の変化を示す。この波形は、先に説明した押し打ち法の波形である。最初に、Aの状態では、徐々に電圧を上昇させ、圧力室52を収縮する方向に力が働くように共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれた圧電素子58に電圧を印加する。これにより、圧力室52内の液体の圧力は高められ、ノズル51から液体のメニスカス面が押し出される。次に、Bの状態では、共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれた圧電素子58に印加される電圧が一定に保たれ、圧力室52の収縮が維持された状態となる。最後に、Cの状態では、圧力室52を膨張させる方向に力が働くように、共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれた圧電素子58に印加される電圧を次第に低下させ、ノズル51における液体のメニスカス面を圧力室52側に引き込む。このような一連の動作によりノズル51から液滴が吐出され、紙等の記録媒体に着弾することにより画像形成がされる。
尚、図15に示すように、Cの状態の圧力室52の膨張を2段に分けることにより、膨張後のメニスカスを静定することができる。具体的には、A状態の収縮、B状態の維持、C状態の第1段階の膨張、D状態の第1段階の膨張状態維持、E状態の第2段階の膨張となるように、電圧を共通電極(振動板56)と個別電極57によって挟まれた圧電素子58に印加するものである。
〔吐出回復装置〕
図16は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク90は印字ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図10で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク90の形態には、インク残量が少なくなった場合に、補充口(図示省略)からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を替える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。なお、図16のインクタンク90は、先に記載した図10のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図16に示したように、インクタンク90と印字ヘッド50を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ92が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは印字ヘッド50のノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図16には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズルの乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ94と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード96とが設けられている。
これらキャップ94及びクリーニングブレード96を含むメンテナンスユニットは、図示を省略した移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動されるようになっている。
キャップ94は、図示しない昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。昇降機構は、電源OFF時や印刷待機時にキャップ94を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aのノズル領域をキャップ94で覆うようになっている。
クリーニングブレード96は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示を省略したブレード移動機構により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル面50A)に摺動可能である。ノズル面50Aにインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード96をノズル面50Aに摺動させることでノズル面50Aを拭き取り、ノズル面50Aを清浄化するようになっている。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、そのノズル51近傍のインク粘度が上昇した場合、粘度が上昇して劣化したインクを排出すべく、キャップ94に向かって予備吐出が行われる。
すなわち、印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ(圧電素子58)が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(圧電素子58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かって圧電素子58を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード96等のワイパーによってノズル面50Aの汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内のインク)に気泡が混入した場合、印字ヘッド50にキャップ94を当て、吸引ポンプ97で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク98へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われ、粘度が上昇して固化した劣化インクが吸い出され除去される。
具体的には、ノズル51や圧力室52内に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、圧電素子58を動作させる予備吐出ではノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面50Aに、キャップ94を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘インクをポンプ97で吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図16で説明したキャップ94は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
また、好ましくは、キャップ94の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とする。
〔制御系の説明〕
図17はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal serial bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42(図10に図示)等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介してヘッド12のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御(打滴制御)が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図17において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色のヘッド12K,12C,12M,12Yの圧電素子58を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図10で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいてヘッド50に対する各種補正を行う。
なお、システムコントローラ72及びプリント制御部80は、1つのプロセッサから構成されていてもよいし、システムコントローラ72とモータドライバ76及びヒータドライバ78とを一体に構成したデバイスや、プリント制御部80とヘッドドライバとを一体に構成したデバイスを用いてもよい。
以上、本発明に係る液体吐出ヘッド及び画像形成装置について詳細に説明した。本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行うことは可能である。
インク吐出法である引き打ち法の初期段階における説明図 インク吐出法である引き打ち法の後段階における説明図 インク吐出法である押し打ち法の初期段階における説明図 インク吐出法である押し打ち法の後段階における説明図 本発明に係る液体吐出ヘッドのノズル部分の構造断面図 本発明の原理説明のためのノズル部分の構造断面図 第2ノズルプレートのノズル径φ2とリフィル時間の関係図 本発明の別の原理説明のためのノズル部分の構造断面図 第2ノズルプレートのノズル領域のテーパー角とリフィル時間の関係図 本発明に係る画像形成装置の全体構成図 本発明に係る画像形成装置の印字部周辺の要部平面図 液体吐出ヘッドの構造例を示す平面透視図 本発明に係る液体吐出ヘッドの断面図 本発明に係る液体吐出ヘッドの駆動波形図 本発明に係る液体吐出ヘッドの別の駆動波形図 液体吐出ヘッドのインク供給系の概略を示す構成図 本発明に係る画像形成装置のシステム構成例を示す要部ブロック図 d2/φ2とリフィル時間の関係図 φ2/φ1とd2/φ2の関係図
符号の説明
51…ノズル、59…第1ノズルプレート、60…第2ノズルプレート、61…撥液領域、62…親水領域、63…メニスカス面

Claims (2)

  1. ノズルプレートに形成された液滴を吐出するノズルと、
    前記ノズルに連通する液室と、
    前記液室内の液体を圧縮、膨張させるための圧力発生手段と、
    を備えた液体吐出ヘッドにおいて、
    前記ノズルが、液体を吐出する側のノズル径φ1で形成された領域と、前記液室より液体が供給される側のノズル径φ2で形成された領域とにより構成されており、
    前記液体が供給される側のノズル径φ2は、前記液体を吐出する側のノズル径φ1の2.5倍以上、5倍以下であり、
    前記ノズルプレートの大気に接触している面及びノズル内の前記ノズル径φ1で形成された領域の面が撥液面で形成され、ノズル内の前記ノズル径φ1で形成された領域以外の領域の面は親液面で形成されており、
    前記ノズルより液滴の吐出を開始する際、前記圧力発生手段により前記液室内の液体に与えられる力が、前記液室内の体積を収縮する方向のみであることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドを有する画像形成装置
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