JP3838439B2 - インクジェット記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置及び記録方法に係り、特に複数の記録素子が一方向に配列されたラインヘッドを用いたインクジェット記録装置の制御技術に関する。
近年、デジタルスチルカメラにより撮影された画像などを印刷記録する記録装置としてインクジェット記録装置(インクジェットプリンター)が普及している。インクジェット記録装置は比較的安価であり、取り扱いが簡単なだけでなく、良好な画質の画像が得られるという利点がある。インクジェット記録装置はヘッドに複数の記録素子を備え、この記録素子からインクの液滴を記録媒体に吐出しながら記録ヘッドを走査し、記録紙上に画像を1ライン分記録すると記録媒体を1ライン分搬送し、この工程を繰り返すことにより記録紙上に画像を形成するものである。
インクジェットプリンターには、単尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行うものや、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いるものがある。ラインヘッドを用いたものでは、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行うことができる。ラインヘッドを用いたプリンターでは短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となり、また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になる。また、記録媒体だけが移動するのでシリアルヘッドを用いたプリンターに比べて記録速度の高速化が実現できる。
特許文献1に開示された記録装置及び制御方法では、同一ラインを描画するためのノズル列を複数組備え、これらを選択しながらインクを記録紙に打滴するものである。
また、特許文献2に開示されたインクジェットプリンターは、ラインヘッドに備えられたノズル列を振動させる手段を備え、ノズル列をノズル配列方向に微振動させてスジむらの視認を緩和させている。またヘッドをノズル列配列方向に移動させながらインクの吐出させる態様や、記録紙をノズル配列方向に移動させながらインクを吐出される態様を開示している。
特許文献3に開示されたインクジェット印刷装置の印刷方法では、吐出されるドットサイズを一定周期で大きくしてよりスジムラの視認を緩和している。
特開平10−157135号公報 特開平10−235854号公報 特開2000−326497号公報
しかしながら、描画全幅を包含するノズル列を固定で有し、記録媒体をノズル列に対して直交する方向に搬送し画像記録を行うインクジェット記録装置では、搬送方向に平行なライン描画は単一ノズルで行われることになるため、各ノズルの吐出方向等のばらつきによりドット位置がばらつくと、搬送方向のスジムラとして視認されやすくなる。
特許文献1に開示された記録装置及び制御方法では、ノズル列を複数備えるために、ノズル数が倍数的に増加し、コストやメンテナンス負荷が極度に増大する。
また、特許文献2に開示されたインクジェットプリンターは、ノズル列を微振動させる精密な機構が必要となり高コストになるとともに微振動による画像劣化が懸念される。
特許文献3に開示されたインクジェット印刷装置の印刷方法では、画像処理に複雑な制御を持ち込む必要があるとともに出力画像の粒状性が悪化するという悪影響もある。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、フルライン型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置においてスジムラなどの画像劣化の視認性を緩和できるインクジェット記録装置及び記録方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために本発明に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出する複数のノズルが主走査方向に沿う印字可能幅の全域にわたって配列されたフルライン型の記録ヘッドと、前記記録ヘッドに備えられた前記ノズル列に対して略直交する副走査方向に記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる搬送手段と、前記記録媒体上に形成されるドットの密度に応じて、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を正方格子、千鳥格子或いは六方格子の何れかに決定するとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴によって前記記録媒体に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定された基本配列なるように、各ノズルの打滴タイミングを制御する打滴制御手段と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、フルライン型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置において、記録媒体上に形成されるドット密度に応じて打滴点の基本配列を正方格子、千鳥格子或いは六方格子の何れかに決めるように構成したので、入力されたデータに応じて打滴点の基本配列を切り換えることができ、ノズルからインクを吐出する際に吐出方向がばらつくことによりドット位置がばらついたときに起こるスジムラの視認性を緩和することができる。ドット密度該インクジェット記録装置の印字モードに応じて決められてもよいし、入力されたデータに応じて決められてもよい。
基本配列とは、理論的に求められる本来の打滴点(画像データ上のドット位置)が構成する配列を示している。実際のドット位置は記録される画像に応じて決められドットが形成されない打滴点もあり得、また、実際のドット位置は本来の打滴点に誤差を考慮した領域に存在し得る。
記録媒体にはノズルからインク滴を吐出され、その表面上にインク滴により文字、画像などを形成し得る被印字媒体であり、連続用紙、カット紙等の紙、樹脂シート、金属シート(金属板)、布などがある。また、前述した材質の他にも様々な媒体を含む。
ノズルの配列方向は、記録媒体の搬送方向と直交する方向(主走査方向)でもよいし、主走査方向とある角度をなす方向でもよい。
前記目的を達成するために請求項2記載の発明に係るインクジェット記録装置は、インクを吐出する複数のノズルが主走査方向に沿う印字可能幅の全域にわたって配列されたフルライン型の記録ヘッドと、前記記録ヘッドに備えられた前記ノズル列に対して略直交する副走査方向に記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる搬送手段と、前記記録媒体上に形成されるドットの密度に応じて、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定するとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴によって前記記録媒体に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定された基本配列なるように、各ノズルの打滴タイミングを制御する打滴制御手段と、を備え、前記打滴制御手段は、前記副走査方向と直交する主走査方向に並ぶように投影された投影ノズル間隔をN、同一ノズルの打滴点を前記副走査方向に並ぶように投影された投影打滴間隔をL、ドットの直径をDとし、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を千鳥格子配列で打滴すると仮定し、次式D2>N2+(L/2)2 を満たす場合は、そのまま基本配列を千鳥格子配列で打滴し、次式N≧{D2−(L/2)21/2 を満たす場合は、基本配列を正方格子配列で打滴するように、各ノズルの打滴タイミングを制御することを特徴としている。
請求項2に係る発明によれば、ドット密度が高い高画質印字ではドットの基本配列に千鳥格子配列を適用して、スジムラの視認性を緩和することができる。更に、ドット密度が低い低画質印字ではスジムラの視認緩和ができないので、ドットの基本配列に正方格子を適用して、打滴制御の制御負担を少なくする。主走査方向に並ぶように投影された隣接ドットを打滴する隣接するノズルの吐出タイミングをずらす打滴制御を行って千鳥配列を実現することができる。吐出タイミングをずらす打滴制御には様々な態様があり、例えば、ノズルの吐出タイミングを半位相ずらすように制御する態様がある。もちろん、他の態様を適用してもよい。請求項3記載の発明は請求項2記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前記打滴制御手段は、次式D 2 >(2×N) 2 /(3 1/2 )を満たす場合は、基本配列が六方格子配列となるように、各ノズルの打滴タイミングを制御することを特徴としている。請求項3に係る発明によれば、打滴点を六方格子配列とすると、千鳥格子配列よりさらにスジムラの視認性緩和効果を高めることができる。六方格子配列には、主走査方向に並ぶように投影された投影ノズル間隔をN、副走査方向に並ぶように投影されたドット列(打滴点)のトッド間隔をLとしたときにL=(2×N)/3 1/2 を満足するような配列が少なくとも含まれている。
また、前記主走査方向に並ぶように投影された投影ノズル間隔をN、同一ノズルの打滴点を前記副走査方向に並ぶように投影した投影打滴間隔をL、ドットの直径をDとするとき、次式D2>N2+(L/2)2を満たすように前記ドットの直径D及び前記ノズルの打滴タイミング、前記搬送手段の搬送速度のうち少なくとも何れか1つを制御する態様も好ましい
かかる態様によれば、吐出方向のバラツキによる印字品質劣化のうち、特に副走査方向のスジムラに対して視認性を緩和する効果を発揮する。
同一ノズルによって打滴される打滴点の副走査方向の打滴間隔をLとし、主走査方向に並ぶように投影された投影ノズル列の隣接するノズル間において、当該ノズル間の吐出タイミングを略半位相ずらす制御を行うと、副走査方向に並ぶように投影された打滴点の投影打滴間隔は略L/2となる。
投影打滴間隔Lを可変させるには、各ノズルの打滴タイミングを制御してもよいし、搬送手段の搬送速度を制御してもよい。また、打滴タイミングと搬送速度とを両方制御してもよい。
請求項記載の発明は、請求項1、又は3記載のインクジェット記録装置の一態様に係り、前前記ノズルから打滴されるインクの種類を検出するインク種類検出手段と、前記記録媒体の種類を検出する記録媒体種類検出手段と、を備え、前記打滴制御手段は、前記インク種類検出手段から得られるインク種類情報及び前記記録媒体種類検出手段から得られる記録媒体種類情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて当該ノズルから打滴されるインク滴の打滴量を判定し、ドットの直径を制御することを特徴としている。
かかる態様によれば、インクの種類及び記録媒体の種類に基づいて打滴量が制御されるので、インクの種類及び記録媒体に応じた打滴量のインクが吐出され、好ましいドットが形成される。
六方格子配列には、主走査方向に並ぶように投影された投影ノズル間隔をN、副走査方向に並ぶように投影されたドット列(打滴点)のドット間隔をLとしたときに、L=(2×N)/31/2 を満足するような配列が少なくとも含まれている。
また、本発明は前記目的を達成する方法発明を提供する。即ち、請求項5記載の発明に係る記録方法は、インクを吐出する複数のノズルが主走査方向に沿う印字可能幅の全域にわたって配列されたフルライン型の記録ヘッドと、前記記録ヘッドに備えられた前記ノズル列に対して略直交する副走査方向に記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる搬送手段と、を備えたインクジェット記録装置の記録方法であって、前記ノズル列のうち隣接するノズルから異なる打滴タイミングでインク滴を吐出させるとともに、前記ノズルから吐出させるインク滴によって前記記録媒体上に形成されるドットの密度に応じて、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を正方格子、千鳥格子或いは六方格子の何れかに決定するとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴によって前記記録媒体に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定された基本配列になるように、各ノズルの打滴タイミングを制御し、前記搬送手段により前記記録媒体と前記記録ヘッドとを副走査方向に相対的に移動させながら前記記録媒体上に前記ノズルからインク滴を吐出させ、前記記録媒体上に画像を記録することを特徴としている。
ドットの打滴点の基本配列に六方格子配列を適用する態様も考えられる。また、ドット密度に応じてドットの基本配列を切り換える構成としてもよい。
本発明によれば、フルライン型の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置において、ノズルから吐出されるインク滴により記録媒体上に形成されるドットの密度に応じて正方格子、千鳥格子或いは六方格子の何れかに決定するに構成したので、入力されたデータに応じて打滴点の基本配列を切り換えることができ、ノズルからインクを吐出する際に吐出方向がばらつくことによりドット位置がばらついたときに起こるスジムラの視認性を緩和することができる。記録媒体上に形成されるドットを千鳥格子に配置させるとともに、最隣接のドットが重なるように打滴タイミングを制御する態様も好ましい。かかる態様によれば、インク滴の吐出方向がばらつき、ドット形成位置がずれた場合にもスジムラの視認性を緩和することができる。ドット配列を、千鳥格子状配列に代わり六方格子状配列とすることで、さらにスジムラの視認性緩和効果を高めることができる。また、請求項6記載の発明に係る記録方法は、インクを吐出する複数のノズルが主走査方向に沿う印字可能幅の全域にわたって配列されたフルライン型の記録ヘッドと、前記記録ヘッドに備えられた前記ノズル列に対して略直交する副走査方向に記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる搬送手段と、を備えたインクジェット記録装置の記録方法であって、前記ノズル列のうち隣接するノズルから異なる打滴タイミングでインク滴を吐出させるとともに、前記副走査方向と直交する主走査方向に並ぶように投影された投影ノズル間隔をN、同一ノズルの打滴点を前記副走査方向に並ぶように投影された投影打滴間隔をL、ドットの直径をDとし、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を千鳥格子配列で打滴すると仮定し、次式D 2 >N 2 +(L/2) 2 を満たす場合は、そのまま基本配列を千鳥格子配列で打滴し、次式N≧{D 2 −(L/2) 2 1/2 を満たす場合は、基本配列を正方格子配列で打滴するように、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定するとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴によって前記記録媒体に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定された基本配列なるように、各ノズルの打滴タイミングを制御することを特徴としている。
また、ドットの基本配列に、ドット密度が密である高画質記録では千鳥格子配列或いは六方格子配列を適用し、ドット密度が疎である低画質記録では正方格子配列を適用するように構成すると、高画質記録時にはスジムラの視認性が緩和でき、スジムラの視認性緩和効果があまり期待できない低画質記録では、制御負担を軽減することができる。
以下、添付図面に従って本発明に係るインクジェット記録装置及び記録方法の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置10の構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置10は、記録紙14に液滴を吐出して画像等のデータを記録するプリンターであって、記録紙14を供給する供紙部12、記録紙14のカールを除去するデカール部16、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッドからインク滴を吐出させ記録紙14上に画像等のデータを記録する印字部50、印字部50のノズル面(インク吐出面)に対向して設けられ、記録紙14の平面性を保持しながら記録紙14を搬送する吸着ベルト搬送部20、印字部50による印字結果を読み取る印字検出部22、印字された記録紙14に後処理を施す後乾燥部24及び印字された記録紙14を外部に排出する排出部26を備えている。
図1には供紙部12の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、複数の用紙を利用可能な構成にした場合には、紙幅や紙質の異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットを備えてもよい。
複数の記録紙を利用可能な構成では、記録紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録紙14の種類を自動的に判別し、記録紙14の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
ロール紙を使用する装置構成では、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)34が設けられており、カッター34によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター34は、少なくとも記録紙14の搬送路幅以上の長さを有する固定刃34Bと固定刃34Bに沿って移動する丸刃34Aとから構成されており、印刷裏面側に固定刃34Bが設けられ、搬送路を挟んで印刷面側に丸刃34Aが設けられている。カット紙を使用する場合にはカッター34は不要である。
供紙部12から送り出された記録紙14は、マガジンに巻き付けられていることにより巻きくせが残りカールする。このカールを除去するために、デカール処理部16においてマガジンの巻きくせ方向と逆方向に加熱ドラム30で熱を与える。このとき、多少印刷面外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙14は吸着ベルト搬送部20に送られる。吸着ベルト搬送部20は、ローラー36、38間に無端状のベルト40が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部50及び印字検出部22に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト40は記録紙14の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。ローラー36、38に掛けられた搬送ベルト40の内側の印字部50のノズル面及び印字検出部22のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー42が設けられており、この吸着チャンバー42をファン44で吸引して負圧にすることによって搬送ベルト40上の記録紙14が吸着保持される。
ベルト40が巻かれているローラー36、38の少なくとも一方にモータ(不図示、図6中符号214として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト40は図1の時計回り方向に駆動され、ベルト40上に保持された記録紙14は図1の左から右へと搬送される。
縁なしプリント等を印字するとベルト40にもインクが付着するので、ベルト40の所定の位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部46が設けられている。ベルト清掃部46の構成について詳細には図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、給水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式ではベルト線速度とローラー線速度とを変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部20に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印刷領域をローラー・ニップ搬送すると、印刷直後に記録紙14の印刷面にローラーが接触し、画像がにじみ易いという問題があり、記録紙14の印刷領域では印刷面をローラーに接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部20により形成される搬送路上において印字部50の手前側(上流側)には加熱ファン49が設けられている。加熱ファン49は、印字前の記録紙14に加熱空気を吹き付け、記録紙14を加熱する。印字直前に記録紙14を加熱しておくことにより、インクが記録紙14に着弾後乾き易くなる。
印字部50は、最大紙幅に対応する長さを有する印字ヘッド(ラインヘッド)50K,50C,50M,50Yを記録紙14の搬送方向(副走査方向)と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルラインヘッドとなっている。
詳細な構造は後述するが、各印字ヘッド50K、50C、50M、50Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙14の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出孔(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。記録紙14の搬送方向(紙送り方向)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド50K、50C、50M、50Yが配置されている。記録紙14を搬送しつつ各印字ヘッドからそれぞれの色インクを吐出することにより記録紙14上にカラー画像を形成し得る。
なお、本例では、KCMYの標準色の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンダなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部52は、各印字ヘッド50K,50C,50M,50Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド50K,50C,50M,50Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部52は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部22は、ノズルの目詰まりなどの吐出不良をチェックするための手段であり、打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含んでいる。本実施形態の印字検出部54は少なくとも各印字ヘッドによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサが用いられている。
印字検出部22の後段には後乾燥部24が設けられている。後乾燥部24は、印字された印字面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字のインクが乾くまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
加熱・加圧部60は画像表面の光沢度を制御するために、印字面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー62、64で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター34と同様であり、固定刃48Bと丸刃48Aとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソーターが設けられる。なお、符号26Bはテスト印字排出部である。
次に、印字ヘッドの構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド50K,50C,50M,50Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図2(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図2(b) はその一部の拡大図である。また、図2(c) は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図3はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図2(a) 中の3−3線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図2(a) 〜(c) 及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル100と、各ノズル100に対応する圧力室102等からなる複数のインク室ユニット104を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態における印字ヘッド50は、図2(a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル100が印字媒体送り方向(紙送り方向)と略直交する方向に印字媒体(記録紙14)の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図2(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、印字媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
各ノズル100に対応して設けられている圧力室102は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル100と供給口110が設けられている。図4に示したように、各圧力室102は供給口110を介して共通流路112と連通されている。
圧力室102の天面を構成している加圧板114には個別電極116を備えたアクチュエータ118が接合されており、個別電極116に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ118が変形してインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路112から供給口110を通って新しいインクが圧力室102に供給される。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット104を図4に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット104を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
即ち、主走査方向については、各ノズル100が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル100が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
なお、用紙(記録紙14)の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるラインまたは複数のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図4に示すようなマトリクス状に配置されたノズルを駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル100-11 、100-12 、100-13 、100-14 、100-15 、100-16 を1つのブロックとし(他にはノズル100-21 、…、100-26 を1つのブロック、ノズル100-31 、…、100-36 を1つのブロック、…として)記録紙14の搬送速度に応じてノズル100-11 、100-12 、…、100-16 を順次駆動することで記録紙14の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるラインまたは複数のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ118の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒーターなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
図5はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク150はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部52に設置される。インク供給タンク150の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインク供給タンク150は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部52と等価のものである。
図5に示したように、インク供給タンク150と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルター152が設けられている。フィルター・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図5には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル100の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ156と、ノズル100面の清掃
段としてのクリーニングブレード162とが設けられている。
これらキャップ156及びクリーニングブレード162を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ156は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ156を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面(インク吐出面)をキャップ156で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル100の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ118が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ118の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ118を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ156(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室102内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ118が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ156を当て、吸引ポンプ164で圧力室102内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク166へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室102内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード162は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード162をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル100内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
次に、インクジェット記録装置10の制御について説明する。
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10のシステム制御部200は、ホストコンピュータ202から送られてくるデータを取得する通信インターフェイス204、該画像データに基づいて各部を統括制御するシステムコントローラ206、印字ヘッドの制御を行うプリント制御部208及び画像メモリ210、画像バッファメモリ212などから構成されている。
ホストコンピュータ202から送出された画像データは通信インターフェイス204を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ210に記憶される。取り込まれた画像データは展開され、吸着ベルト搬送部20のモータ214やヒーター216を制御する搬送系制御信号が生成される。搬送系制御信号はシステムコントローラ206からモータドライバ218及びヒータードライバ220へ加えられる。
プリント制御部208では、画像メモリ210から送られた画像データを印字ヘッド50へ出力するための各種加工、補正などの処理が行われる。プリント制御部208で必要な処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ222を介して印字ヘッド50のインク滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。また、必要に応じて印字検出部22から得られる情報に基づいて、印字ヘッド50に対する各種補正を行うこともある。プリント制御部208には画像データ処理時に画像データやパラメータなどを一時的に格納する画像バッファメモリ212が備えられている。
通信インターフェイス204にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェイスやセントロニクスなどのパラレルインターフェイスを適用することができる。
システムコントローラ206はCPU(演算部)と画像処理用IC(DSP)、メモリコントローラから構成してもよいし、これらの機能をワンチップ化したIC(プロセッサ)で構成してもよい。
画像メモリ210にはRAMが適用されるが、半導体素子だけでなくハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
画像バッファメモリ212はプリント制御部208に付随して設けられている態様を例示したが、画像メモリ210と兼用することも可能である。また、プリント制御部208に用いられるプロセッサに内蔵されているメモリを用いてもよい。
ヘッドドライバ222はプリント制御部208から画像データに基づいて各色ヘッドのアクチュエータ(図3の符号118)を駆動する。ヘッドドライバ222にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部22はプリントされた画像を読み取り、所定の信号処理を行った後、各ノズルの吐出の有無や打滴ばらつきなどの印刷状況を検出してプリント制御部208に送出する。
上述した最大紙幅に対応する長さを有する印字ヘッド50を備えたインクジェット記録装置10では、副走査方向に平行なライン描画は同一のノズルで行われることになり、インク滴の吐出方向のばらつきによりドット位置がばらつくと副走査方向のスジムラとして視認され易くなる。インク滴の吐出方向のばらつきはノズル面の汚れなどが原因となって発生する。
また、本インクジェット記録装置10は、使用されるインクの情報を検出するインク情報検出部240(インク種類検出手段)と、記録紙14の種類 (メディア種)を検出するメディア種検出部242(記録媒体種類検出手段)と、を備えている。
インク情報検出部240は、インクカートリッジに取り付けられたバーコード或いは無線タグなどの情報記録体に記録されているインク情報(ID情報)を読み取り、該インク情報をシステムコントローラ206に送出する。
また、メディア種検出部242は、マガジンに取り付けられた記録紙14の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体から、メディア種情報(ID情報)を読み取り、システムコントローラ206に送出する。
システムコントローラ206では、インク情報検出部240及びメディア種検出部242から送られるインク情報、メディア種情報に基づいてプリント制御部208を制御し、インク及び記録紙14の種類に応じて適切なインク吐出を実現するように、インクの打滴タイミング(記録紙14の搬送速度)、インクの打滴量などを制御するインク吐出制御が行われる。
なお、インク情報検出部240には、インク情報をオペレータが不図示の入力手段によって入力する(メニュー画面から使用するインクを指定する)態様を適用してもよいし、記録紙14に打滴されたインクをCCDなどのセンサによって読み取り、この読取結果からインクの種類を自動的に判断する態様を適用してもよい。
メディア種検出部242には、メディア情報をオペレータが不図示の入力手段によって入力する(メニュー画面から使用する記録紙14を指定する)態様を適用してもよいし、記録紙14の表面状態や厚さなどから記録紙14を自動的に判別する態様を適用してもよい。
次に、副走査方向のスジムラの視認性を緩和するインク滴の打滴制御について説明する。
ドットの基本配列を千鳥格子配列や六方格子配列とし、隣り合うドットが重なるように打滴タイミングを制御することで、特に副走査方向に起こり得るスジムラの視認性を緩和することができる。
ドットの基本配列とは理論上のドットの中心点、即ち打滴点の配列を示している。実際には、インク吐出方向のバラツキなどによって、各ドットは理論上形成される位置と誤差分のずれ持って形成される。また、印字されるデータ(画像)によってはドットが形成されない打滴点もあり得る。
本実施形態では、千鳥格子配列とは、あるノズルとノズルと主走査方向に隣接するノズルとによる副走査方向に並ぶように投影された打滴点の間隔(距離)が、あるノズルによる副走査方向の打滴間隔Lの1/2となるような点を打滴点とする配列を表している。ただし、あるノズルによる副走査方向の打滴間隔Lと、あるノズルと隣接するノズルとによる副走査方向に並ぶように投影された打滴間隔との関係はこれに限定されず、打滴制御の都合に合わせて任意に設定可能である。
また、六方格子配列とは、千鳥格子配列のうち、ノズルピッチN、あるノズルによる副走査方向の打滴間隔Lの関係が次式〔数1〕で表される場合を示す。
[数1]
L=(2×N)/31/2
これは、最隣接する3つのドットの打滴点が同じ距離になる関係を示している。
図7は、記録紙14上の打滴点300と印字ヘッド50との関係を示しており、図1に示したインクジェット記録装置10を記録紙14の印刷面側(上側)から見た図になっている。
打滴点とは、理論上インク滴が打滴される点を示し、実際にインク滴によるドットが存在する位置は打滴点から誤差分ずれた位置になる。
図2を用いて説明したように、印字ヘッド50の記録紙14と対向する面にはインクを吐出するノズル100が主走査方向に1列に並べられ、このノズル列が副走査方向に複数設けられている。図7では説明の便宜上、印字ヘッド50はノズル列を1列だけ有するヘッドとして説明する。また、図7には印字ヘッド50が有するノズルのうち、その一部を示している。なお、図7では、ノズルピッチNは隣接する2つのノズルの間隔になる。
図7の記録紙14には各ノズルからインク滴が打滴される打滴点300が示されている。打滴点300は記録紙14上にマトリクス状に存在し、その配列は、列方向には主走査方向と平行であり、行方向には副走査方向と平行である。
符号300Aで示した打滴点はノズル100Aによる打滴点であり、300Bはそれぞれノズル100Bによる打滴点である。
図7には、各打滴点の主走査方向の配列間隔はノズルピッチNと同じであり、副走査方向の配列間隔(副走査方向ピッチ)は同一ノズルによる副走査方向の打滴間隔Lが示されている。
打滴点300の副走査方向ピッチLは、記録紙14の搬送制御とノズル100の吐出タイミングとにより決められ、解像度1600dpi×800dpi相当では、Nは15.9μm程度、Lは31.8μm程度である。
図7にはノズル100及び打滴点300のうち一部を示しており、実際にはさらに多数のノズル及び打滴点が存在している。
図8は、打滴点を千鳥格子状とする打滴制御を説明する図である。なお、図8中図7と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
打滴点を千鳥格子状に配列するには、奇数ノズルと偶数ノズルを交互に打滴し、副走査方向には等間隔に打滴するように制御すればよい。言い換えると、隣接するノズルからは異なるタイミングで、位相が概ね半位相ずれるように打滴される。
即ち、第1列目の打滴が実行されると、符号320に示した打滴点300にインク滴によりドットが形成される。第1列目の打滴では、図8の上から奇数番目のノズル(例えば100A)からインク滴が吐出され、偶数番目のノズル(例えば100B)からはインク滴の吐出は行われない。
記録紙14が搬送方向に移動され、隣接するノズルにより打滴された第1列目の打滴点と第2列目の打滴点との間隔を副走査方向に並ぶように投影された距離がL/2になる、第2列目の打滴位置に記録紙14が到達すると、第2列目の打滴が実行され、図8の符号322に示した打滴点にインク滴によりドットが形成される。第2列目の打滴では、上から奇数番目ノズルからはインクの吐出が行われず、偶数番目のノズルからインクの吐出が行われる。
さらに、記録紙14が搬送され、第3列目の打滴位置に記録紙14が到達すると、第3列目の打滴が実行され、符号324に示した打滴点300にインク滴によりドットが形成される。第3列目の打滴は第1列目の打滴と同じく、上から奇数列目のノズルからインク滴が吐出され、上から偶数番目のノズルからはインク滴の吐出は行われない。このようにして打滴工程を繰り返すと、打滴点300の基本配列を千鳥格子状にすることができる。
図15(a) には、図7に示す正方格子状に配列された打滴点に打滴を行う場合(ドットを正方格子状に配列する場合)のノズル100Aの打滴タイミングとノズル100Bの打滴タイミングとの関係を示し、図15(b) には、図8に示す千鳥格子状に配置された打滴点に打滴を行う場合(ドットを千鳥格子状に配列する場合)のノズル100Aの打滴タイミングとノズル100Bの打滴タイミングとの関係を示している。
図15(a) 中、符号600、602は、それぞれドットを正方格子状に配列させる場合にノズル100A及びノズル100Bを駆動する駆動信号を示し、図15(b) 中、符号610、612は、それぞれドットを千鳥格子状に配列させる場合にノズル100A及びノズル100Bを駆動する駆動信号を示している。
また、駆動信号600、602、610、612の立ち上がりエッジ(リーディングエッジ)でノズル100A、100Bが駆動され、ノズル100A、100Bからインクが吐出される。
図15(a) に示すように、正方格子状にドットを配列する場合には、駆動信号600及び駆動信号602は同期しており、ノズル100A及びノズル100Bは同一タイミングで駆動され、ノズル100A、100Bからインクの打滴が行われる。
一方、図15(b) に示すように、ドットを千鳥格子状或いは六方格子状に配列する場合には、駆動信号610と駆動信号612とは、打滴周期tの1/2だけ位相がずれており、ノズル100Aとノズル100Bとはt/2だけずれたタイミングで駆動され、ノズル100A、100Bからt/2だけずれたタイミングでインクが吐出される。
なお、図15(a) 、(b) には、打滴タイミングの理解を容易にするために、パルス状(矩形波)の駆動信号を示したが、ノズルを駆動する駆動信号はこれに限定されず、台形形状や三角形形状を有していてもよいし、複数の波形を組み合わせてもよい。
図9乃至図11に、千鳥格子配列、六方格子配列、正方格子配列されたドット350を示す。なお、図9乃至図11ではドットの直径(ドット径)をDで表している。
図9は、ドット350の基本配置を千鳥格子配列にした場合、図10は、ドット350の基本配置を六方格子配列とした場合、図11は、ドット350の基本配列を正方格子配列とした場合を示している。
副走査方向のスジムラが視認されないようにするためには、少なくとも主走査方向に隣り合うドットが重なるようにドット350が形成される必要がある。ドット350が千鳥格子配列、六方格子配列である場合に、主走査方向に最隣接するドットが重なるためには、ノズルピッチN、ドット径D及び副走査方向の打滴間隔Lとの関係は次式〔数2〕に示すとおりになる。
[数2]
2 >N2 +(L/2)2
なお、ノズルピッチN、ドット径D及び副走査方向の打滴間隔Lとの関係が前記〔数2〕を満たさない場合には、N≧{D2 −(L/2)2 1/2 を満たすことになる。
〔数2〕が成立すると必然的にノズルピッチNとドット径Dとの関係が、次式〔数3〕に示した条件を満足する。一方、〔数3〕は正方格子状にドット350が配列されている場合に、主走査方向に隣接するドットが重なる条件に相当する。
[数3]
N<D
なお、正方格子状にドット350が配列されている場合に、主走査方向のスジムラが視認されないためには、少なくとも副走査方向に隣接するドットが重なるようにドット350が形成されればよく、これは次式〔数4〕に示した条件を満足すればよい。
[数4]
L<D
正方格子状に配列されたドットでは、主走査方向に打滴位置がずれた場合には、ドット径を大きくすることで隣接するドットを重ねることができるが、ノズル面の汚れ等によりインク滴の吐出方向が変っている場合には、ノズル面の汚れの状態が変化すると、これに合わせてインク滴の吐出方向がさらに変化し、ノズル面の汚れによって打滴位置がばら
いてしまう。
これに対応するにはさらにドット径Dを大きくすればよいが、この方式ではインクを無駄に消費してしまうことになり、ドット径Dを大きくすることは解像度や階調の向上に反することになる。
ドット350の基本配列を千鳥格子配列や六方格子配列にすることで、主走査方向に打滴位置がずれた際にも、副走査方向ピッチLとドット径Dとを〔数2〕に示した関係となるように制御することで副走査方向のスジムラの視認性を緩和することができる。
また、隣接するドット間隔の変動によりドット周囲の白地面積が不均一になることで、スジムラは視認性が高くなる。言い換えると、各ドット列の周囲の白地面積が均一であれば、スジムラなどとして視認されにくくなる。
図12は、ドット径Dが30μm、副走査方向ドットピッチLが15μmの場合における、主走査方向のドット間隔N’の違いによる、1つの列での白地面積Sを示したグラフ400である。
グラフ400では、横軸は主走査方向のドット間隔N’(μm)、縦軸は白地面積S(μm2 )であり、符号402はドット350を正方格子配列した場合を示し、符号404はドット350を千鳥格子配列した場合を示している。
符号404に示した千鳥格子配列の場合には、〔数5〕に示した条件となる点P(N’=26μm)において曲線が変曲し、〔数6〕に示した条件を満たす領域(図12において点Pより左側、N’<26μm)では主走査方向のドットピッチN’の変化に対する白地面積Sの変化率は小さい。一方、〔数7〕に示す条件を満たす領域(図12において点Pより右側、N’≧26μm)では主走査方向のドット間隔N’の変化に対する白地面積Sの変化率が大きいことが分かる。
主走査方向のドット間隔N’の変化に対して白地面積Sの変化が小さいほど、主走査方向の位置誤差から生じるスジムラの認識を緩和できる。言い換えると、図12の点P左側である〔数6〕に示す条件を満たす領域では主走査方向のドット間隔N’が変化しても副走査方向のスジムラとして視認されにくくなる。
[数5]
2 =N’2 +(L/2)2
[数6]
2 >N’2 +(L/2)2
[数7]
2 ≦N’2 +(L/2)2
次に、図13及び図14を用いて、ドット配列の違いによるスジムラの視認性の違いを説明する。図13及び図14において、D=30μm、N=15.9μm、L=31.8μm(1600×800dpi相当)とする。図13の打滴条件は、〔数6〕に示した、ドットを千鳥格子配列した場合にスジムラの視認を緩和できる条件を満たしている。
図13はドット350を千鳥格子配列した場合であり、図14はドット350を正方格子状配列した場合である。
図13及び図14には、隣接する2つのノズルによる打滴点が互いに離れるようにずれている場合、隣接する2つのノズルによる打滴点が互いに近づくようにずれている場合及び、任意の1ノズルによる打滴点がずれている場合のスジムラが示されている。
まず、隣接する2つのノズルによる打滴点が互いに離れるようにずれている場合は、ノズル100Cによる打滴位置が図13、図14の上方向に4μmずれ、ノズル100Dによる打滴位置が図13、図14の下方向に4μmずれており、千鳥格子状配列では、図13に示したスジムラ500となり、正方格子状配列では、図14に示したスジムラ520となる。図13に示したスジムラ500と図14に示したスジムラ520とを比較するとスジムラ520の方が視認され易いことが分かる。
また、隣接する2つのノズルによる打滴点が互いに近づくようにずれている場合には、ノズル100Eによる打滴位置が図13、図14の下方向に4μmずれ、ノズル100Fによる打滴位置が図13、図14の上方向に4μmずれており、千鳥格子配列では、図13に示したスジムラ502、504となり、正方格子配列では、図14に示したスジムラ522、524となる。図13に示したスジムラ502、504と図14に示したスジムラ522、524とを比較すると、スジムラ502、504はわずかに視認される程度であるが、図14に示したスジムラ522、524はスジムラとして視認され得るものである。
さらに、任意の1ノズルによる打滴点がずれている場合はノズル100Gによる打滴位置が図13、図14に上方向に4μmずれていると、千鳥格子配列では、図13に示したスジムラ506となり、正方格子配列では、図14に示したスジムラ526になる。図12に示したスジムラ506はスジムラ502、504と同様にわずかに視認される程度であるが、図14に示したスジムラ526はスジムラ522、524と同様にスジムラとして視認され得るものである。
図13と図14とを比較すると、〔数6〕に示した条件を満たす場合にはドット配列に千鳥格子配列(六方格子配列)を適用することで、主走査方向のドット位置の位置ずれに対して、副走査方向のスジムラの視認性を緩和することができる。
次に、上述した打滴制御のアルゴリズムについて詳説する。
図16は、上述した打滴制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。
本インクジェット記録装置10では、図6に示すメディア種検出部242から得られるメディア情報によって記録紙14の種類(メディア種)の判定が行われる(ステップS10)。
ステップS10に示すメディア種判定において、自動検出、マガジン検出、メニュー指定などの方法によって使用されるメディアの種類が判定されると、判定結果(指定メディア)に対応した判定値(=M)を確定する(ステップS12)。
この判定値(=M)は、図6に示す画像メモリ等の記録部に記録されているメディア種テーブル(メディア種と判定値とを対応させるデータテーブル)から読み出される。
また、図6に示すインク情報検出部240から得られるインク情報によってインク種の判定が行われ(ステップS20)、インク種に対応する判定値(=I)を確定する(ステップS22)。
更に、図6に示すプリント制御部208では、ホストコンピュータ202より取得した画像データからドットデータ(ドット配置及びドット径を含むデータ)が生成される。該ドットデータから打滴量が判定され(ステップS30)、打滴量に対応した判定値(=V)を確定する(ステップS32)。
このようにして確定した各判定値M、I、Vから各ドットのドット径Dが判定される。即ち、ドット径Dは、次式〔数8〕によって算出される(ステップS40)。
〔数8〕
D=α×M×I×V(但し、αは所定の定数)
また、図6に示したプリント制御部208において、画像データからドットデータが生成されると、プリント制御部情報から打滴タイミング判定(ステップS50)が行われ、打滴タイミングに対応した判定値(=t)を確定する(ステップS52)。
また、モータ・ドライバ情報から搬送速度判定が行われ(ステップS60)、搬送速度に対応した判定値(=v)を確定する。
このようにして求められた打滴タイミングに対応した判定値t、搬送速度に対応した判定値vから、図7〜図11に示す打滴間隔Lが判定される(ステップS70)。打滴間隔Lは、次式〔数9〕によって算出される。
〔数9〕
L=v×t
このようにして求められたドット径D及び打滴間隔Lが、前記〔数8〕及び〔数9〕を満たすか否かが判断され(ステップS80)、ドット径D及び打滴間隔Lが前記〔数8〕及び〔数9〕を満たさない場合には(NO判定)、打滴量VがV1 に変更され(ステップS82)、ステップS40に進む。
一方、ドット径D及び打滴間隔Lが前記〔数8〕及び〔数9〕を満たす場合には(YES判定)、図8、9に示す千鳥格子状にドットが配置されるように打滴が行われる(ステップS84)。
また、図17及び図18には、図16に示した制御アルゴリズムの変形例を示す。
図17に示す態様では、図16のステップS82に代わり、ステップS80においてドット径D及び打滴間隔Lが前記〔数8〕及び〔数9〕を満たさない場合(NO判定)に、打滴タイミングtをt1 に変更するか、或いは、搬送速度vをv1 に変更するか、少なくとも何れか一方の変更が行われる(ステップS100)。
図18に示す態様では、図16のステップS82に代わり、ステップS80においてドット径D及び打滴間隔Lが前記〔数8〕及び〔数9〕を満たさない場合(NO判定)には、正方格子状にドットを配列させるように打滴タイミングが変更され、打滴が行われる(ステップS120)。
本実施形態では、主走査方向に配列されたノズル列を1列有するヘッドとして説明したが、複数のノズル列が副走査方向に配列されている場合には、各ノズル列において上述した打滴制御を行えばよい。また、選択的にいくつかのノズル列が上述した打滴制御を行うように構成してもよい。
また、本実施形態では印字ヘッドを1つ備えた態様を例示したが、本発明は印字ヘッドを複数備えた態様にも適用する場合には、各印字ヘッドがそれぞれ上述した打滴制御を行うよう構成すればよい。淡色系インクを備えた6色ヘッドでは、淡色径インク以外のヘッドに上述した打滴制御を適用する態様なども可能である。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10は、ドット径、ノズル隣接密度、ドット打滴周波数の組み合わせにおいて、隣接ノズルの打滴タイミングを概ね半波長ずらすことにより、打滴点の基本配列を千鳥格子配列或いは六方格子配列にすると、低コスト、低システム負荷でスジムラの視認を緩和することができる。
スジムラは、隣接するドット間隔の変動により、隣接する白地面積が不均一になることで視認性が高くなる。白地面積が各個所とも均一であれば、ムラとして視認されない。
ここで、本実施形態の応用例を説明する。
インクジェット記録装置10において、高画質出力時(例えば、打滴点の基本配列を千鳥格子配列又は六方格子配列で打滴すると仮定して、〔数6〕を満足する領域)には打滴点の基本配列を千鳥格子配列又は六方格子状配列とし、低画質出力時(例えば、打滴点の基本配列を千鳥格子配列又は六方格子配列で打滴すると仮定して、〔数7〕を満足する領域)には打滴点の基本配列を正方格子配列となるように、各ノズルの打滴タイミングを制御するように構成する。
図12で示すように、変曲点Pより右側であり両グラフ曲線が合流する点Qの左側までの領域では、主走査方向のドット間隔N’の変化に対する白地面積の変化量は、千鳥格子配列の方が正方格子配列より大きくなるので、千鳥格子配列の方が副走査方向にスジムラが視認され易く不利になってしまう。したがって、変曲点Pより右側であり点Qの左側の領域では、正方格子の方が好ましい。
このように構成されたインクジェット記録装置10では、高画質出力時には千鳥格子配列又は六方格子配列、低画質出力時には正方格子配列と、基本配列を使い分けることが可能になる。
高画質出力時は打滴密度が密であり、正方格子配列に比べて千鳥格子配列(六方格子配列)は副走査方向のスジムラの視認性を緩和できるが、低画質出力時は打滴密度が疎であり、もともと副走査方向のスジムラの視認性が低く、千鳥格子配列(六方格子状配列)を適用しても副走査方向のスジムラの視認性緩和効果が期待できないので、打滴制御を簡略化するために正方格子配列を適用する。
上記実施の形態では画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。LEDプリンターにも、ドットサイズをアパーチャー又は投影レンズ倍率を変更することで適用可能である。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置のブロック図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図2(a) の要部拡大図 印字ヘッドの他の構造例を示す平面透視図 図2(a) 中の3−3線に沿う断面図 図2(a) に示した印字ヘッドのノズル配列を示す拡大図 図1に示したインクジェット記録装置のインク供給部のブロック図 図1に示したインクジェット記録装置のシステム構成図 図2に示した印字ヘッドのノズルと記録紙上の打滴点との関係を示す図 図1に示したインクジェット記録装置の打滴制御を説明する図 千鳥格子配列を説明する図 六方格子配列を説明する図 正方格子配列を説明する図 主走査方向のドット間隔と白地面積との関係を示すグラフ 千鳥格子配列における副走査方向のスジムラの視認性を説明する図 正方格子配列における副走査方向のスジムラの視認性を説明する図 隣り合うノズルの打滴タイミングを示す図 本発明の実施形態に係る打滴制御の流れを示すフローチャート 図16に示す打滴制御の一態様を示すフローチャート 図16に示す打滴制御の他の態様を示すフローチャート
符号の説明
10…インクジェット記録装置、14…記録紙、20…吸着ベルト搬送部、50,50’…印字ヘッド、100…ノズル、118…アクチュエータ、206…システムコントローラ、208…プリント制御部、300…打滴点、350…ドット、600,602,610,612…駆動信号

Claims (6)

  1. インクを吐出する複数のノズルが主走査方向に沿う印字可能幅の全域にわたって配列されたフルライン型の記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに備えられた前記ノズル列に対して略直交する副走査方向に記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる搬送手段と、
    前記記録媒体上に形成されるドットの密度に応じて、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を正方格子、千鳥格子或いは六方格子の何れかに決定するとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴によって前記記録媒体に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定された基本配列なるように、各ノズルの打滴タイミングを制御する打滴制御手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置 。
  2. インクを吐出する複数のノズルが主走査方向に沿う印字可能幅の全域にわたって配列されたフルライン型の記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに備えられた前記ノズル列に対して略直交する副走査方向に記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる搬送手段と、
    前記記録媒体上に形成されるドットの密度に応じて、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定するとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴によって前記記録媒体に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定された基本配列なるように、各ノズルの打滴タイミングを制御する打滴制御手段と、
    を備え、
    前記打滴制御手段は、前記副走査方向と直交する主走査方向に並ぶように投影された投影ノズル間隔をN、同一ノズルの打滴点を前記副走査方向に並ぶように投影された投影打滴間隔をL、ドットの直径をDとし、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を千鳥格子配列で打滴すると仮定し、次式
    2>N2+(L/2)2
    を満たす場合は、そのまま基本配列を千鳥格子配列で打滴し、次式
    N≧{D2−(L/2)21/2
    を満たす場合は、基本配列を正方格子配列で打滴するように、各ノズルの打滴タイミングを制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記打滴制御手段は、次式
    2 >(2×N) 2 /(3 1/2
    を満たす場合は、基本配列が六方格子配列となるように、各ノズルの打滴タイミングを制御することを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ノズルから打滴されるインクの種類を検出するインク種類検出手段と、
    前記記録媒体の種類を検出する記録媒体種類検出手段と、
    を備え、
    前記打滴制御手段は、前記インク種類検出手段から得られるインク種類情報及び前記記録媒体種類検出手段から得られる記録媒体種類情報のうち少なくとも何れか一方に基づいて当該ノズルから打滴されるインク滴の打滴量を判定し、ドットの直径を制御することを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。
  5. インクを吐出する複数のノズルが主走査方向に沿う印字可能幅の全域にわたって配列されたフルライン型の記録ヘッドと、前記記録ヘッドに備えられた前記ノズル列に対して略直交する副走査方向に記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる搬送手段と、を備えたインクジェット記録装置の記録方法であって、
    前記ノズル列のうち隣接するノズルから異なる打滴タイミングでインク滴を吐出させるとともに、前記ノズルから吐出させるインク滴によって前記記録媒体上に形成されるドットの密度に応じて、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を正方格子、千鳥格子或いは六方格子の何れかに決定するとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴によって前記記録媒体に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定された基本配列になるように、各ノズルの打滴タイミングを制御し、前記搬送手段により前記記録媒体と前記記録ヘッドとを副走査方向に相対的に移動させながら前記記録媒体上に前記ノズルからインク滴を吐出させ、前記記録媒体上に画像を記録することを特徴とする記録方法。
  6. インクを吐出する複数のノズルが主走査方向に沿う印字可能幅の全域にわたって配列されたフルライン型の記録ヘッドと、前記記録ヘッドに備えられた前記ノズル列に対して略直交する副走査方向に記録媒体と前記記録ヘッドとを相対的に移動させる搬送手段と、を備えたインクジェット記録装置の記録方法であって、
    前記ノズル列のうち隣接するノズルから異なる打滴タイミングでインク滴を吐出させるとともに、前記副走査方向と直交する主走査方向に並ぶように投影された投影ノズル間隔をN、同一ノズルの打滴点を前記副走査方向に並ぶように投影された投影打滴間隔をL、ドットの直径をDとし、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を千鳥格子配列で打滴すると仮定し、次式
    2 >N 2 +(L/2) 2
    を満たす場合は、そのまま基本配列を千鳥格子配列で打滴し、次式
    N≧{D 2 −(L/2) 2 1/2
    を満たす場合は、基本配列を正方格子配列で打滴するように、前記記録媒体上に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定するとともに、前記ノズルから吐出されるインク滴によって前記記録媒体に形成されるドットの打滴点の基本配列を決定された基本配列なるように、各ノズルの打滴タイミングを制御することを特徴とする記録方法。
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