本発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体装置およびその作製方法に関する。例えば、液晶表示パネルに代表される電気光学装置や有機発光素子を有する発光表示装置を部品として搭載した電子機器に関する。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタはICや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。
半導体回路を有する電子機器の製造においては、大量生産を効率良く行うため、ウェハー基板ではなくマザーガラス基板を用い、一枚のマザーガラス基板から複数のデバイスを切り出す多面取りがよく行われている。マザーガラス基板のサイズは、1990年初頭における第1世代の300×400mmから、2000年には第4世代となり680×880mm、若しくは730×920mmへと大型化して、一枚の基板から多数のデバイス、代表的には表示パネルが取れるように生産技術が進歩してきた。
今後、さらに基板が大型化すると、スピンコート法を用いる成膜方法では、大型の基板を回転させる機構が大規模となる点、材料液のロスおよび廃液量が多い点で大量生産上、不利と考えられる。また、矩形の基板をスピンコートさせると回転軸を中心とする円形のムラが塗布膜に生じやすい。
また、近年、ピエゾ方式やサーマルジェット方式に代表される液滴吐出技術、あるいは連続式の液滴吐出技術が注目を集めている。この液滴吐出技術は紙面への活字、画像の描画に使われてきた。プリンタ、複写機、ファクシミリなどの機能を有する印刷装置において、ドットの形成位置のずれを抑え、画像品位の低下を防止する技術が特許文献1に開示されている。また、用紙搬送方向に直交な直線に対して傾いたヘッドの取り付け角度θに応じて画像を記録する技術が特許文献2に開示されている。
近年、紙等への印刷とは全く分野が異なる、微細パターン形成などの半導体分野へ液滴吐出技術を応用する試みが始まっている。例えば、液滴吐出技術によりガラス基板上に微細パターン形成を行う方法が特許文献3に開示されている。
特開2002−29097号公報
特開2001−30478号公報
特開2005−12179号公報
半導体装置の作製において、まず、CADツールによる半導体装置のマスク設計が行われる。このマスク設計は、スパッタ法やプラズマCVD法などにより様々な材料の積層が行われ、各層を選択的にエッチングするためのマスクを作製するための設計である。
マスクを用いない方法を用いる液滴吐出装置、代表的にはインクジェット装置は、データが2値化されて吐出、非吐出のラスタデータを基に材料液滴の吐出位置の制御を行う。このラスタデータだけを見ても回路構成や配線配置を把握することが困難である。また、最初からラスタデータだけで回路設計することも困難である。
従って、インクジェット装置を用いて配線形成やレジストマスク形成を行う場合もまず、半導体装置の全体の設計をCADツールで行ってから、そのCADデータをラスタデータ(インクジェット装置を用いる工程に使用するラスタデータ)に変換することが望ましい。
インクジェット装置は、ヘッドの吐出容量や、ノズルから吐出される材料液滴や、基板表面状態などによって形成されるドット径dが決定される。材料液滴は、ノズル等から吐出可能な流動性(粘度)を備えていればよく、固体物質を混入させても液滴全体として流動体であればよい。インクジェット装置は、一つのヘッドに複数のノズルが配置されており、相対的にヘッドと被処理基板を移動させることによって走査を行い、ノズルからの材料液滴の吐出或いは非吐出を選択する。例えば、ヘッドを固定して被処理基板を移動させる、或いは、被処理基板を固定してヘッドを移動させて走査を行えばよい。
また、一つのインクジェット装置にヘッドを複数設けてもよい。ヘッドを複数設けることによって処理面積を増やし、全工程に要する時間の短縮化を図ることができる。
また、走査方向に複数の線を描画する際に、良好な線が形成できる間隔(走査方向に垂直な方向(又は平行な方向)におけるドットピッチdp)の範囲は、およそドット径dの0.5〜0.9倍程度である。
このドットピッチdpを1辺とする面積(走査方向に垂直な方向におけるドットピッチXdp×走査方向に平行な方向におけるドットピッチYdp)を1単位としてCADデータを切り出し、ラスタデータに変換する。
ヘッド302に設けられた複数のノズル303の間隔(ノズルピッチ)npと、主走査方向に垂直な方向(副走査方向305)におけるドットピッチdpとの関係が、np=Mdp(M=自然数)の関係を満たす場合(図3(A)に相当する場合)には、特に問題なく、基板301上に主走査方向304に複数の線を描画することができる。なお、np=Mdpの関係を満たす場合は、ヘッド長軸方向と副走査方向305はほぼ一致する。
しかし、np≠Mdpである場合(図3(B)に相当する場合)、Np(Np=np×cosθ)=Mdpとなるように主走査方向に垂直な方向(副走査方向305)に対してヘッドの長軸を角度θ(ヘッド取り付け角度とも呼ぶ)の分だけ傾け、ノズルピッチnpをノズルピッチNpに変更して調節する。角度θはヘッド長軸方向306と副走査方向305とがなす角である。ヘッドの長軸を角度θで傾けたため、ヘッドに設けられた複数のノズルからの吐出位置に誤差が生じる。第x番目のノズル(xは2以上の自然数)から吐出される材料液滴は、第1番目のノズルから吐出された吐出位置を基準として(x−1)×np×sinθだけずれた位置に吐出される。この吐出位置ずれを補正するため、ラスタデータを補正、具体的には、走査方向に平行な方向におけるラスタデータを補正する。
np≠Mdpである場合、ドットピッチdpを1辺とする平方面積を1単位としているため、上記手順でラスタデータを補正しても±dp/2の吐出位置ずれが生じる恐れがある。
例えば、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等における情報出力装置として、文字や画像等の情報を用紙やフィルムに記録を行うプリンタでは、インクジェット装置を用いても±dp/2の吐出位置ずれが人間の目で認識できない範囲内であれば、特に問題は生じない。しかしながら、電気回路の製造において、インクジェット装置を用いて微細な配線などを形成する場合、±dp/2の吐出位置ずれが断線や短絡の主原因となる恐れがある。即ち、紙面への印刷に比べ、電気回路の製造においては、吐出位置や吐出タイミングなどを含めて、非常に高い精度の吐出制御が要求される。
そこで、本発明では、CADツールを用いて電気回路の設計図面データを作成した後、その設計図面データを水平方向のドット間隔Xdpと垂直方向のドット間隔Ydpを1つの単位とする正方格子の第1ラスタデータに変換し、さらに水平方向のドット間隔Xdpとドット間隔Ydp/V(V>1)とを1つの単位とする長方形の格子の第2ラスタデータを作成することを特徴の一つとしている。細分化の指標となるVの数値は、設計者が適宜設定することが可能である。Vを増大させれば、さらに細かく細分化したラスタデータを作成でき、細分化したラスタデータに基づいて吐出を行えば、より高い精度の吐出制御が実現できる。
設計図面データを水平方向と垂直方向の両方で等分割に細分化してしまうと、結果的に走査回数が増加することになる。本発明では、ヘッドの主走査方向の設計データを細分化することで、走査回数を増やすことなく所望の配線等を形成する。
また、細分化したラスタデータとする場合に、単純に変換するのではなく、変換前後で同じ任意吐出回数とすることが重要である。なぜなら、細かいラスタデータに変換した際に、細かくした割合に応じて任意吐出回数も増やすと、所望の配線等を形成することが困難となるからである。
また、ヘッドの長軸を角度θ傾けることに起因する吐出位置ずれも、細分化したラスタデータを用いて補正を行うことでより高い精度の吐出制御が実現できる。
また、インクジェット装置を用いて配線などを形成するにあたり、CADツールを用いて電気回路の設計図面データを作成しているため、インクジェット装置以外の装置(レーザ照射装置や露光装置など)を用いる他の層の設計データを共通化することができ、設計者が全体の回路構成や配線配置を容易に把握することができる。即ち、CADツールを用いて作成した設計図面データと、その設計図面データを変換してインクジェット装置で吐出を行うために対応させた設計データとが両方用意される。
また、設計効率を向上させるため、インクジェット装置に電気的に接続するコンピュータを設け、そのコンピュータを用いて、CADツールを用いた電気回路の設計図面データから自動的に所望のラスタデータを作成するプログラムを作成し、実行してもよい。ヘッドの長軸が主走査方向に垂直な方向、即ち副走査方向となす角度θなどのパラメータは、予めメモリ等に記憶しておいても良いし、手動でその都度入力するようにしても良い。なお、CADツールを用いた電気回路の設計図面データはホストコンピュータで作成し、その設計図面データを送信できるようにインクジェット装置に設けたコンピュータと接続させておけばよい。
また、配線形成工程だけでなく、インクジェット装置を用いる他の工程にも適用することができる。例えば、被材料膜上に、レジストなどの樹脂材料を用いてインクジェット装置で選択的にマスクを形成し、被材料膜を選択的にエッチングしてもよい。
本明細書で開示する発明の構成は、絶縁表面を有する基板上に少なくとも材料積層の一部を液滴吐出装置で描画を行う半導体装置の方法であり、CADツールを用いて、絶縁表面を有する基板上に第1材料層を配置する第1の回路設計図面データを作成し、前記第1の回路設計図面データを水平方向のドット間隔Xdpと垂直方向のドット間隔Ydpを1つの単位とし、吐出位置を決定する第1ラスタデータに変換し、主走査方向、即ち垂直第1方向(基板移動方向)の第1ラスタデータを細分化してドット間隔Ydp/V(V>1)の第2ラスタデータを作成し、第2ラスタデータの任意吐出回数を間引いて第1ラスタデータと同じ任意吐出回数とした第3ラスタデータを作成し、複数のノズルを有するヘッドを備えた液滴吐出装置のヘッドの長軸方向と、副走査方向とがなすヘッド傾き角度θを決定し、前記ヘッド傾き角度θに基づいて各ノズルの吐出タイミングを補正した第4ラスタデータを作成し、前記ヘッド傾き角度θを維持したまま、ヘッドと基板を主走査方向または副走査方向に相対的に移動させて前記第4ラスタデータに基づく液滴吐出を行い、絶縁表面を有する基板上に第1材料層を形成し、CADツールを用いて、前記第1材料層上に第2材料層を配置する第2の回路設計図面データを作成し、第2材料層を形成することを特徴とする半導体装置の方法である。
上記構成において、前記ヘッド傾き角度θは、arccos(ドット間隔Xdp×ノズル数/ヘッドの長軸の長さ)に基づいて決定されることを特徴としている。
また、上記各構成において、前記第4ラスタデータを作成した後、ヘッドまたは基板の走査経路に基づいて第4ラスタデータを補正することを特徴としている。
また、上記各構成において、前記液滴吐出装置には、回路設計図面データを設計データベースより複写し、自動的に前記回路設計図面データから前記第4ラスタデータに変換するプログラムを実行する制御回路が接続していることを特徴としている。
また、本明細書中で主走査方向は、基板等の被処理体の搬送方向を指しており、主走査方向と直交する方向を副走査方向と呼ぶ。ノズルを1列に配置するヘッドでは、ヘッドの製造上、ノズルの配列密度に限界がある。従って、ヘッドの長軸を副走査方向に対して傾け、主走査方向に走査を行うことで各ノズルを効率よく使用でき、処理時間を短縮できる。
また、ノズルを2列以上に配置して、処理時間を短縮してもよい。また、1つのインクジェット装置にヘッドを複数設けて処理時間を短縮してもよい。
また、ヘッドと被処理体とを相対的に往復移動させてもよい。例えば、往復移動させる場合は、インクジェット装置のヘッドを被処理体に対して主走査方向に相対的に移動させて吐出を行った後、吐出を停止して副走査方向にノズルピッチの半分ずらし、再度、主走査方向と反対方向に折り返して移動させて吐出を行えば、一つのヘッドで処理時間を半分に短縮できる。
また、本明細書中でノズルとは、特に断らない限り、液滴の吐出口ないし、吐出口に連通する液路、及び液滴吐出に利用されるエネルギーを発生する素子(ピエゾ素子等)を総括して言う。
また、ヘッドの長軸の長さを被処理体の長手方向の長さ、例えば基板の一辺と同等、もしくはそれ以上の長さとすることも可能であるが、一つのヘッドに配置するノズルの数が多くなると、各ノズルから吐出されるドット径dを均一にすることが困難になる。また、ノズルの数が多くなると、ヘッドの長軸を副走査方向に対して角度θ傾けて主走査方向に走査する場合、全ノズル領域に渡る補正データ(例えば角度θに起因する補正データ等)の作成が大変なものとなる。従って、ヘッドの長軸は、被処理体の長手方向の長さよりも短いものとすることが好ましい。
また、インクジェット装置で滴下する前に、被処理体表面にぬれ性の異なる領域を形成してもよい。また、ぬれ性の異なる領域とは、パターン形成材料を含む組成物の接触角が異なることであり、パターン形成材料を含む組成物の接触角が大きい領域はよりぬれ性が低い領域(以下、低ぬれ性領域ともいう)となり、接触角が小さい領域はぬれ性の高い領域(以下、高ぬれ性領域ともいう)となる。接触角が大きいと、流動性を有する液状の組成物は、領域表面上で広がらず、組成物をはじくので、表面をぬらさないが、接触角が小さいと、表面上で流動性を有する組成物は広がり、よく表面をぬらすからである。よって、ぬれ性が異なる領域は、表面エネルギーも異なる。ぬれ性が低い領域における表面の、表面エネルギーは小さく、ぬれ性の高い領域表面における表面エネルギーは大きい。本発明においては、このぬれ性の異なる領域の接触角の差は30度以上、好ましくは40度以上であるとよい。
上述したこれらの手段は単なる設計事項ではなく、液滴吐出装置を用いて配線を形成し、その配線を用いた表示装置を作製し、画像表示させ、発明者らの深い検討の後、発明された事項である。
本発明により、細分化したラスタデータを用いて補正を行うことでより高い精度の吐出制御が実現できる。
本発明の実施形態について、以下に説明する。
(実施の形態1)
設計から液滴吐出を行うまでのフロー図を図4に説明する。所望の半導体装置を作製するに当たり、まず、CADツールを用いてコンピュータで各部位の設計を行う(S401)。一つの層毎に設計図(露光マスクやドーピングマスクなど)を作成する。
設計終了後、それらの設計図のうち、インクジェット装置を用いて形成する材料層の設計図を選択して取り出す(S402)。なお、可能であれば、全てインクジェット装置を用いて半導体装置を形成してもよい。
インクジェット装置は、A個(A≧2の整数)のノズルを一列に有するヘッドを設けており、被処理体、ここでは基板とヘッドとの相対位置を変化させて液滴を異なるノズルから吐出させる。インクジェット装置は、2値化処理または多値化処理を通して材料の液滴を吐出するため、CADツールで得られた設計図を第1のラスタデータに変換する(S403)。この時の変換は、1単位をある一定の距離を一辺とする立方格子により正方形要素に分割する。ここでは、1単位を主走査方向のドットピッチdp×副走査方向のドットピッチdpの正方形要素とする。
次いで、より高い精度の吐出制御を実現するため、1単位をdp/VとなるようにV個に細分化し、主走査方向のデータ数をV倍に増加させるデータ変換を行う(S404)。
次いで、V個に細分化する前後で同じ任意吐出回数となるように間引くデータ補正を行う(S405)。
次いで、吐出位置ずれに起因するパラメータ、ここでは、ヘッドの傾き角度θを考慮したデータ補正を行う(S406)。
また、必要であれば、吐出するノズルの順番に吐出データを並び替えてもよい。(S407)また、ヘッドを往復させて走査させるのであれば、走査経路に合わせて吐出データを並び替えてもよい。
以上の手順で得られたデータを用いて吐出を行う(S408)と、吐出位置ずれを大幅に抑えることができる。
また、インクジェット装置に上述した設計データの変換や補正を自動的に行う設計データ自動変換手段、代表的には設計データの変換や補正を自動的に行うプログラムを有するコンピュータを備えてもよい。インクジェット装置に設計データ自動変換手段を設けることによって、短時間でインクジェット装置に適したデータを用意することができる。また、回路設計は、何らかの設計上の問題が生じた場合、正常に動作している回路の部分の位置変更も余儀なくされるため、設計データの修正に時間がかかることがある。さらに修正後も再度回路解析などを行って、レイアウト変更と回路解析とを繰り返すことで、最終的な設計図が完成する。インクジェット装置に設計データ自動変換手段を設けることによって、大幅なレイアウトの変更があった場合にも短時間に対応させたデータ作成が可能である。
また、インクジェット装置を用いて配線を形成するにあたり、CADツールを用いて電気回路の設計図面データを作成しているため、インクジェット装置以外の装置(レーザ照射装置や露光装置など)を用いる他の層の設計データを共通化することができ、設計者が全体の回路構成や配線配置を容易に把握することができる。
(実施の形態2)
ここでは、絶縁表面を有する基板上にスパッタ法で金属膜を成膜した後、レジスト材料をインクジェット装置で吐出し、得られたレジスト材料層をマスクとして金属膜をエッチングし、配線を形成する例を以下に説明する。
まず、ガラス基板(5インチ角)上にスパッタ法でタングステン膜を形成する。そして、タングステン膜上にインクジェット装置(ノズルピッチ507.5μm、吐出位置精度の上限6μm)を用いてレジスト材料層を滴下した後、焼成する。なお、インクジェット装置で滴下を行う前にタングステン膜表面にRn−Si−X(4−n)(n=1、2、3)の化学式で表されるシランカップリング剤を塗布してもよい。シランカップリング剤の代表例として、Rにフルオロアルキル基を有するフッ素系シランカップリング剤(フルオロアルキルシラン(FAS))を用いることにより、よりぬれ性を低めることができる。FASのRは、(CF3)(CF2)x(CH2)y(x:0以上10以下の整数、y:0以上4以下の整数)で表される構造を持ち、複数個のR又はXがSiに結合している場合には、R又はXはそれぞれすべて同じでも良いし、異なっていてもよい。代表的なFASとしては、ヘプタデフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロテトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン(以下、FASともいう。)が挙げられる。
図1(A)は、CADツールで得られた設計データを32.25μm×32.25μmで分割したラスタデータを示す図を示している。図1(A)において黒塗りした部分は吐出位置を示している。なお、分割した一辺の長さ32.25μmは、使用するインクジェット装置のドットピッチに基づく数値である。1つのノズルが描画する領域11の幅は、16ドット滴下する領域、即ち、32.25μm×16=500μmとなる。
次いで、主走査方向のラスタデータを分割しなおして、主走査方向の一辺の長さを6μmとする。言い換えると、5.375倍に引き延ばされた伸張ラスタデータを形成する。この段階でのラスタデータを図1(B)に示す。
次いで、任意吐出回数が図1(A)と同じになるように間引く。この段階でのラスタデータを図2(A)に示す。
次いで、主走査方向に垂直な方向に対してヘッドの長軸を傾けた角度θの補正を行ったラスタデータを作成する。この段階でのラスタデータを図2(B)に示す。ノズルピッチが507.5μmであり、1つのノズルが描画する領域の幅が500μmであるので、角度θは、arccos(500/507.5)=9.8°とする。従って、1つのノズル当たりの主走査方向におけるずれは、86.9/6=14.4ドットずつタイミングを遅らせることになる。なお、小数点以下のずれはないので、四捨五入して、1つ目のノズルに対して2つ目のノズルは14ドット、3つ目のノズルは29ドット遅らせればよい。
また、図5に主走査方向に垂直な方向におけるノズルピッチと角度θとの関係を示すグラフを示す。1つのノズルが描画する領域の幅をある幅にしたい場合、ある幅に相当する横軸とグラフの実線とが交差する点と対応する角度が角度θとなるようにすればよい。
なお、実際に上記ラスタデータを用いて吐出を行った後、焼成を行ってマスクを形成した後、光学顕微鏡で観察した上面図を図6に示す。なお、使用したヘッド(Spectra社製)に設けられているノズル数は、128個であるが、使用したのは64本である。また、吐出周波数は19kHzである。主走査方向の走査回数を100回でマスクを形成した。
図6において幅の細い部分は、3ドット分の幅、即ち、約18μmであり、幅の太い部分は4ドット分の幅、即ち、約24μmである。また、主走査方向に垂直な方向にずらしながら、ヘッドの走査を複数繰り返して行っても、主走査方向に垂直な方向におけるマスク形状のずれは確認できない。このように、本発明により、ドットピッチ(ここでは32.25μm)以下の精細なマスク形状を正確に得ることができている。
また、処理時間を短縮したい場合には、使用するノズル数を128個用いれば処理時間を半分にすることができる。また、ここでは、一方向でヘッドの走査を行ったが、ヘッドを往復させて走査すれば、さらに処理時間を短縮することができる。
(実施の形態3)
本発明は、配線層若しくは電極を形成する導電層や、所定のパターンに形成するためのマスク層など半導体装置、表示装置などを作製するために必要な構成物のうち、少なくとも一つ若しくはそれ以上を、選択的に所望な形状に形成可能な方法により形成して、半導体装置、表示装置を作製することを特徴とするものである。本発明において、構成物(パターンともいう)とは、薄膜トランジスタや表示装置を構成する、配線層、ゲート電極層、ソース電極層、ドレイン電極層などの導電層、半導体層、マスク層、絶縁層などをいい、所定の形状を有して形成される全ての構成要素を含む。選択的に所望なパターンで形成物を形成可能な方法として、特定の目的に調合された組成物の液滴を選択的に吐出(噴出)して所定のパターンに導電層や絶縁層などを形成することが可能な、液滴吐出(噴出)法(その方式によっては、インクジェット法とも呼ばれる。)を用いる。
本実施の形態は、流動体である構成物形成材料を含む組成物を、液滴として吐出(噴出)し、所望のパターンに形成する方法を用いている。構成物の被形成領域に、構成物形成材料を含む液滴を吐出し、焼成、乾燥等を行って固定化し所望のパターンの構成物を形成する。
液滴吐出法に用いる液滴吐出装置の一態様を図7に示す。液滴吐出手段1403の個々のヘッド1405、ヘッド1412は制御手段1407に接続され、コンピュータ1410で制御する。コンピュータ1410に接続しているホストコンピュータ1408は、回路設計図などをCADソフトで設計し、その回路設計図を記憶している。
本実施の形態では、上記実施の形態1や実施の形態2に示したように、CADソフトを用いて設計した設計図をホストコンピュータで作成し、液滴吐出法で形成しようとする材料の設計図を選択し、コンピュータ1410でその設計図から細分化したラスタデータを作成し、補正を行ったデータに基づいて材料の吐出を行う。
また、CADツールでの設計に加え、ホストコンピュータ1408で自動的に所望のラスタデータを作成するプログラムを作成し、実行してもよく、その場合には、得られたラスタデータを液滴吐出装置と電気的に接続されているコンピュータ1410に転送し、データを保存する。そして、吐出の際にそのデータを用いて液滴吐出装置で吐出を行えばよい。ホストコンピュータ1408で自動的に所望のラスタデータを作成する場合、コンピュータ1410は高い性能を必要とさないため、コンピュータに限定されず、得られたラスタデータを保存できる記憶回路を有している制御回路を用いればよく、液滴吐出装置全体の小型化を図ることができる。
なお、コンピュータ1410とホストコンピュータ1408とを直接接続しなくとも、ホストコンピュータ1408で作成した回路設計図を記憶媒体に記憶させ、その記憶媒体をコンピュータ1410で読み込ませてもよい。
また、描画するタイミングは、例えば、基板1400上に形成されたマーカー1411を基準に行えば良い。或いは、基板1400の縁を基準にして基準点を確定させても良い。これを撮像手段1404で検出し、画像処理手段1409にてデジタル信号に変換したものをコンピュータ1410で認識して制御信号を発生させて制御手段1407に送る。撮像手段1404としては、電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化物半導体(CMOS)を利用したイメージセンサなどを用いることができる。勿論、基板1400上に形成されるべきパターン1402の情報(ラスタデータ)はコンピュータ1410で作成されたものであり、この情報を基にして制御手段1407に制御信号を送り、液滴吐出手段1403の個々のヘッド1405、ヘッド1412を個別に制御することができる。得られたラスタデータを用いて吐出を行うと、吐出位置ずれを大幅に抑えることができる。吐出する材料は、材料供給源1413、材料供給源1414より配管を通してヘッド1405、ヘッド1412にそれぞれ供給される。
ヘッド1405内部は、点線1406が示すように液状の材料を充填する空間と、吐出口であるノズルを有する構造となっている。図示しないが、ヘッド1412もヘッド1405と同様な内部構造を有する。ヘッド1405とヘッド1412のノズルを異なるサイズで設けると、異なる材料を異なる幅で同時に描画することができる。一つのヘッドで、導電性材料や有機、無機材料などをそれぞれ吐出し、描画することができ、層間膜のような広領域に描画する場合は、スループットを向上させるため複数のノズルより同材料を同時に吐出し、描画することができる。第6世代の1500×1800mm、第7世代の1870×2200mm、第8世代の2160×2400mmなどの大型基板を用いる場合、ヘッド1405、ヘッド1412は基板1400上を、矢印の方向に自在に走査し、描画する領域を自由に設定することができ、同じパターンを一枚の基板に複数描画することができる。
基板1400は、ステージ1401上に固定され、ステージ1401を図中の矢印の方向(主走査方向)1415や図中の矢印の方向(副走査方向)1416に移動させることでパターン1402を描画する。なお、ステージ1401は上下方向にも移動させることができ、その方向を図中の矢印1417に示している。
液滴吐出法を用いて導電層を形成する場合、粒子状に加工された導電性材料を含む組成物を吐出し、焼成によって融合や融着接合させ固化することで導電層を形成する。このように導電性材料を含む組成物を吐出し、焼成することによって形成された導電層(または絶縁層)においては、スパッタ法などで形成した導電層(または絶縁層)が、多くは柱状構造を示すのに対し、多くの粒界を有する多結晶状態を示すことが多い。
また、本実施の形態は実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせることができる。
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
本発明を適用した、逆スタガ型の薄膜トランジスタを有する表示装置の作製方法について以下に説明する。
基板100は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等からなるガラス基板、石英基板、金属基板、又は本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いる。また、基板100の表面が平坦化されるようにCMP法などによって、研磨しても良い。なお、基板100上に、絶縁層101を形成してもよい。絶縁層101は、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリング法、スピンコート法等の公知の方法により、珪素を含む酸化物材料、窒化物材料を用いて、単層又は積層して形成される。この絶縁層は、形成しなくても良いが、基板100に含まれる汚染物質などの拡散を防止する効果がある。
次いで、液滴吐出装置を用いて液状の導電性材料を含む組成物を、絶縁層101上に吐出する。本実施の形態1乃至3に示した方法を用いて得られたデータに基づいて吐出を行えば、吐出位置ずれを抑えることができ、配線の断線などを防ぐことができる。液状の導電性材料を含む組成物は液状であるために、組成物の形状が被形成領域の表面状態に大きく影響を受ける。従って、液滴吐出の前に表面のぬれ性を変化させるための表面処理を行うことが好ましい。
次いで、焼成、乾燥などによって固化することによって、ゲート電極層107、ゲート電極層108を形成する。
ゲート電極層107及びゲート電極層108は、Ag、Au、Ni、Pt、Pd、Ir、Rh、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、又は前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。また、前記元素の混合物を用いてもよい。単層構造のみならず、2層以上の積層構造としてもよい。
ゲート電極層107及びゲート電極層108の形状にパターニングが必要な場合、マスクを形成し、ドライエッチングまたはウェットエッチングによりパターニングすればよい。ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、電極層をテーパー形状にエッチングすることができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4もしくはCCl4などを代表とする塩素系ガス、CF4、SF6もしくはNF3などを代表とするフッ素系ガス又はO2を適宜用いることができる。
次に、ゲート電極層107、ゲート電極層108の上にゲート絶縁層106を形成する。ゲート絶縁層106としては、珪素の酸化物材料又は窒化物材料等の公知の材料で形成すればよく、積層でも単層でもよい。本実施例では、窒化珪素膜、酸化珪素膜の2層の積層を用いる。またそれらや、酸化窒化珪素膜の単層、3層以上からなる積層でも良い。好適には、緻密な膜質を有する窒化珪素膜を用いるとよい。また、液滴吐出法で形成される導電層に銀や銅などを用いる場合、その上にバリア膜として窒化珪素膜やNiB膜を形成すると、不純物の拡散を防ぎ、表面を平坦化する効果がある。なお、低い成膜温度でゲートリーク電流の少ない緻密な絶縁膜を形成するには、アルゴンなどの希ガス元素を反応ガスに含ませ、形成される絶縁膜中に混入させると良い。
次にゲート絶縁層106上に、半導体層109及び半導体層110を形成する。
半導体層を形成する材料は、シランやゲルマンに代表される半導体材料ガスを用いて気相成長法やスパッタリング法で作製されるアモルファス半導体(以下「AS」ともいう。)、該非晶質半導体を光エネルギーや熱エネルギーを利用して結晶化させた多結晶半導体、或いはセミアモルファス(微結晶若しくはマイクロクリスタルとも呼ばれる。以下「SAS」ともいう。)半導体などを用いることができる。半導体層は公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜することができる。
半導体層に、結晶性半導体層を用いる場合、その結晶性半導体層の作製方法は、公知の方法(レーザ結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの結晶化を助長する元素を用いた熱結晶化法等)を用いれば良い。また、SASである微結晶半導体をレーザ照射して結晶化し、結晶性を高めることもできる。結晶化を助長する元素を導入しない場合は、非晶質半導体膜にレーザ光を照射する前に、窒素雰囲気下500℃で1時間加熱することによって非晶質半導体膜の含有水素濃度を1×1020atoms/cm3以下にまで放出させる。これは水素を多く含んだ非晶質半導体膜にレーザ光を照射すると膜が破壊されてしまうからである。
非晶質半導体層への金属元素の導入の仕方としては、当該金属元素を非晶質半導体層の表面又はその内部に存在させ得る手法であれば特に限定はなく、例えばスパッタ法、CVD法、プラズマ処理法(プラズマCVD法も含む)、吸着法、金属塩の溶液を塗布する方法を使用することができる。このうち溶液を用いる方法は簡便であり、金属元素の濃度調整が容易であるという点で有用である。また、このとき非晶質半導体層の表面の濡れ性を改善し、非晶質半導体層の表面全体に水溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を成膜することが望ましい。
非晶質半導体層の結晶化は、熱処理とレーザ光照射による結晶化を組み合わせてもよく、熱処理やレーザ光照射を単独で、複数回行っても良い。
また、結晶性半導体層を、直接基板に線状プラズマ法により形成しても良い。また、線状プラズマ法を用いて、結晶性半導体層を選択的に基板に形成してもよい。
また、半導体層として、有機半導体材料を用い、印刷法、スプレー法、スピン塗布法、液滴吐出法などで形成することができる。この場合、上記エッチング工程が必要ないため、工程数を削減することが可能である。有機半導体としては、低分子材料、高分子材料などが用いられ、有機色素、導電性高分子材料などの材料も用いることができる。本発明に用いる有機半導体材料としては、その骨格が共役二重結合から構成されるπ電子共役系の高分子材料が望ましい。代表的には、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリチオフェン誘導体、ペンタセン等の可溶性の高分子材料を用いることができる。
その他にも本発明に用いることができる有機半導体材料としては、可溶性の前駆体を成膜した後で処理することにより半導体層を形成することができる材料がある。なお、このような前駆体を経由する有機半導体材料としては、ポリチエニレンビニレン、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)、ポリアセチレン、ポリアセチレン誘導体、ポリアリレンビニレンなどがある。
前駆体を有機半導体に変換する際には、加熱処理だけではなく塩化水素ガスなどの反応触媒を添加することがなされる。また、これらの可溶性有機半導体材料を溶解させる代表的な溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、クロロフォルム、ジクロロメタン、γブチルラクトン、ブチルセルソルブ、シクロヘキサン、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)または、THF(テトラヒドロフラン)などを適用することができる。
次いで、半導体層109及び半導体層110上に、n型またはp型を有する半導体層111、112を形成する。本実施例では、半導体層上に、n型を付与する不純物元素であるリン(P)を含むn型を有する半導体層を形成する。n型を有する半導体層は、ソース領域及びドレイン領域として機能する。なお、n型またはp型を有する半導体層は必要に応じて形成すればよい。またn型を有する半導体層を形成し、nチャネル型TFTのNMOS構造、p型を有する半導体層を形成したpチャネル型TFTのPMOS構造、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTとのCMOS構造を作製することができる。また、導電性を付与するために、導電性を付与する元素をドーピングによって半導体層に添加し、不純物領域を半導体層に形成することで、nチャネル型TFT、pチャネル型TFTを形成することもできる。
次いで、レジストやポリイミド等の絶縁体からなるマスクを液滴吐出法を用いて形成し、そのマスクを用いて、エッチング加工によりゲート絶縁層106の一部に貫通孔125を形成して、その下層側に配置されているゲート電極層108の一部を露出させる(図8(B)参照。)。なお、この段階での上面図が図8(A)に相当する。図8(A)は、表示装置の画素部の一部を示す上面図であり、図8(B)は、図8(A)における線A−Cによる断面図、図8(C)は図8(A)における線B−Dによる断面図である。ゲート絶縁層106のエッチング加工はプラズマエッチング(ドライエッチング)又はウエットエッチングのどちらを採用しても良いが、大面積基板を処理するにはプラズマエッチングが適している。エッチングガスとしては、CF4、NF3、Cl2、BCl3、などのフッ素系又は塩素系のガスを用い、HeやArなどの不活性ガスを適宜加えても良い。また、大気圧放電のエッチング加工を適用すれば、局所的な放電加工も可能であり、基板の全面にマスク層を形成する必要はない。
なお、上述した実施の形態2に示したように、パターニングのためのマスクは液滴吐出装置を用い、組成物を選択的に吐出して形成することもできる。マスクの材料は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いる。また、ベンゾシクロブテン、パリレン、フッ化アリーレンエーテル、透過性を有するポリイミドなどの有機材料、シロキサン系ポリマー等の重合によってできた化合物材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物材料等を用いて液滴吐出法で形成する。或いは、感光剤を含む市販のレジスト材料を用いてもよく、例えば、代表的なポジ型レジストである、ノボラック樹脂と感光剤であるナフトキノンジアジド化合物、ネガ型レジストであるベース樹脂、ジフェニルシランジオール及び酸発生剤などを用いてもよい。いずれの材料を用いるとしても、その表面張力と粘度は、溶媒の濃度を調整したり、界面活性剤等を加えたりして適宜調整する。液滴吐出装置を用いてマスクを形成すると、パターニングの工程が簡略化でき、加えて材料の節約ができる。
次いで、n型を有する半導体層111、n型を有する半導体層112上に、液滴吐出装置118a、液滴吐出装置118b、液滴吐出装置118c、液滴吐出装置118dより、液状の導電性材料を含む組成物を吐出する。乾燥、焼成工程により、固化し、ソース電極層又はドレイン電極層113、ソース電極層又はドレイン電極層114、ソース電極層又はドレイン電極層115、ソース電極層又はドレイン電極層116を形成する。
ソース電極層又はドレイン電極層113はソース配線層としても機能し、ソース電極層又はドレイン電極層115は電源線としても機能する。ソース電極層又はドレイン電極層113、ソース電極層又はドレイン電極層114、ソース電極層又はドレイン電極層115、ソース電極層又はドレイン電極層116を形成した後、半導体層109、半導体層110、n型を有する半導体層111、n型を有する半導体層112を選択的にエッチングする。なお、この段階での上面図が図9(A)に相当し、断面図が図9(B)、図9(C)である。
なお、ソース電極層又はドレイン電極層113、ソース電極層又はドレイン電極層114、ソース電極層又はドレイン電極層115、ソース電極層又はドレイン電極層116を形成する工程も、前述したゲート電極層107、ゲート電極層108を形成したときと同様に得られたラスタデータに基づく吐出タイミングで形成することができる。細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法により、吐出位置ずれを抑えることができるため、ソース電極とドレイン電極との間の距離を一定に保つことが正確に行える。
ソース電極層又はドレイン電極層113、ソース電極層又はドレイン電極層114、ソース電極層又はドレイン電極層115、ソース電極層又はドレイン電極層116を形成する導電性材料としては、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物を用いることができる。また、透光性を有するインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム錫酸化物と酸化珪素からなるITSO、有機インジウム、有機スズ、酸化亜鉛、窒化チタンなどを組み合わせても良い。
また、ゲート絶縁層106に形成した貫通孔125において、ソース電極層又はドレイン電極層114とゲート電極層108とを電気的に接続させる。ソース電極層又はドレイン電極層の一部は容量素子を形成する。
次いで、ゲート絶縁層106上に選択的に、導電性材料を含む組成物を吐出して、第1の電極層117を形成する(図10(C)参照。)。なお、この段階での上面図が図10(A)に相当し、断面図が図10(B)、図10(C)である。勿論、第1の電極層117を液状の導電性材料を含む組成物を吐出することによって形成する場合、この第1の電極層117を形成する際、ゲート絶縁層106表面に粗面を形成し、ぬれ性の制御を行ってもよい。第1の電極層117は、基板100側から光を放射する場合には、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)を含むインジウム亜鉛酸化物(IZO(indium zinc oxide))、酸化亜鉛(ZnO)、ZnOにガリウム(Ga)をドープしたもの、酸化スズ(SnO2)などを含む組成物により所定のパターンを形成し、焼成によって形成しても良い。
また、好ましくは、スパッタリング法によりインジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)などで形成する。より好ましくは、ITOに酸化珪素が2〜10重量%含まれたターゲットを用いてスパッタリング法で酸化珪素を含む酸化インジウムスズを用いる。この他、ZnOにガリウム(Ga)をドープした導電性材料、酸化珪素を含み酸化インジウムに2〜20重量%の酸化亜鉛(ZnO)を混合した酸化物導電性材料であるインジウム亜鉛酸化物(IZO(indium zinc oxide))を用いても良い。スパッタリング法で第1の電極層117を形成した後は、液滴吐出法を用いてマスク層を形成しエッチングにより、所望のパターンに形成すれば良い。本実施例では、第1の電極層117は、透光性を有する導電性材料により液滴吐出法を用いて形成し、具体的には、インジウム錫酸化物、ITOと酸化珪素から構成されるITSOを用いて形成する。
第1の電極層117は、ソース電極層又はドレイン電極層116の形成前に、ゲート絶縁層106上に選択的に形成することもできる。第1の電極層117をソース電極層又はドレイン電極層116より先に形成すると、平坦な形成領域に形成できるので、被覆性がよく、CMPなどの研磨処理も十分に行えるので平坦性よく形成できる。
また、ソース電極層又はドレイン電極層116上に層間絶縁層となる絶縁層を形成し、配線層によって、第1の電極層117と電気的に接続する構造を用いてもよい。この場合、開口部(コンタクトホール)を絶縁層を除去して形成するのではなく、絶縁層に対してぬれ性が低い物質をソース電極層又はドレイン電極層116上に形成することもできる。その後、絶縁層を含む組成物を塗布法などで塗布すると、ぬれ性が低い物質の形成されている領域を除いた領域に絶縁層は形成される。
加熱、乾燥等によって絶縁層を固化して形成した後、ぬれ性が低い物質を除去し、開口部を形成する。この開口部を埋めるように配線層を形成し、この配線層に接するように第1の電極層117を形成する。この方法を用いると、エッチングによる開口部の形成が必要ないので工程が簡略化する効果がある。
また、発光した光を基板100側とは反対側に放射させる構造とする場合、上面放射型のEL表示パネルを作製する場合には、Ag(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の金属の粒子を主成分とした組成物を用いることができる。他の方法としては、スパッタリング法により透明導電膜若しくは光反射性の導電膜を形成して、液滴吐出法によりマスクパターンを形成し、エッチング加工を組み合わせて第1の電極層117を形成しても良い。
第1の電極層117は、その表面が平坦化されるように、CMP法、ポリビニルアルコール系の多孔質体で拭浄し、研磨しても良い。またCMP法を用いた研磨後に、第1の電極層117の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理などを行ってもよい。
以上の工程により、基板100上にボトムゲート型のTFTと第1の電極層117が接続された表示パネル用のTFT基板が完成する。また本実施例のTFTは逆スタガ型である。
次に、絶縁物121(隔壁、土手とも呼ばれる)を選択的に形成する。絶縁物121は、第1の電極層117上に開口部を有するように形成する。本実施例では、絶縁物121を全面に形成し、レジスト等のマスクによって、エッチングしパターニングする。絶縁物121を、直接選択的に形成できる液滴吐出法や印刷法などを用いて形成する場合は、エッチングによるパターニングは必ずしも必要はない。
絶縁物121は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウムその他の無機絶縁性材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン系材料を出発材料として形成された珪素、酸素、水素からなる化合物のうちSi−O−Si結合を含む無機シロキサン、珪素に結合する水素がメチルやフェニルのような有機基によって置換された有機シロキサン系の絶縁材料で形成することができる。アクリル、ポリイミド等の感光性、非感光性の材料を用いて形成してもよい。絶縁物121は曲率半径が連続的に変化する形状が好ましく、上に形成される電界発光層122、第2の電極層123の被覆性が向上する。
次いで、電界発光層122を形成する。電界発光層122として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光を示す材料を、それぞれ蒸着マスクを用いた蒸着法等によって選択的に形成する。赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光を示す材料はカラーフィルタ同様、液滴吐出法により形成することもでき(低分子または高分子材料など)、この場合マスクを用いずとも、RGBの塗り分けを行うことができるため好ましい。
次いで、電界発光層122上に第2の電極層123を積層形成する。なお、この段階での断面図が図11(A)、図11(B)である。
また、電界発光層122を形成する前に、大気圧中で200℃の熱処理を行い第1の電極層117、絶縁物121中若しくはその表面に吸着している水分を除去する。また、減圧下で200〜400℃、好ましくは250〜350℃に熱処理を行い、そのまま大気に晒さずに電界発光層122を真空蒸着法や、液滴吐出法で形成することが好ましい。
また、図示しないが、第2の電極層123を覆うようにしてパッシベーション膜を設けることは有効である。表示装置を構成する際に設ける保護膜は、単層構造でも多層構造でもよい。パッシベーション膜としては、窒化珪素(SiN)、酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiON)、窒化酸化珪素(SiNO)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化窒化アルミニウム(AlON)、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウム(AlNO)または酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜(CNX)を含む絶縁膜からなり、該絶縁膜を単層もしくは組み合わせた積層を用いることができる。
次いで、図12(B)に示すように、シール材136を形成し、封止基板140を用いて封止する。その後、ゲート電極層107と電気的に接続して形成されるゲート配線層に、フレキシブル配線基板を接続し、外部との電気的な接続をしても良い。これは、ソース配線層でもあるソース電極層又はドレイン電極層113と電気的に接続して形成されるソース配線層も同様である。
基板100と封止基板140の間には充填剤135を封入して封止する。充填剤の封入には、液晶材料と同様に滴下法を用いることもできる。充填剤135の代わりに、窒素などの不活性ガスを充填してもよい。また、乾燥剤を表示装置内に設置することによって、発光素子の水分による劣化を防止することができる。乾燥剤の設置場所は、封止基板140側でも、素子を有する基板100側でもよく、シール材136が形成される領域に基板に凹部を形成して設置してもよい。また、封止基板140の駆動回路領域や配線領域など表示に寄与しない領域に対応する場所に設置すると、乾燥剤が不透明な物質であっても開口率を低下させることがない。充填剤135に吸湿性の材料を含むように形成し、乾燥剤の機能を持たせても良い。以上により、発光素子を用いた表示機能を有する表示装置が完成する。
また、表示装置内部と外部を電気的に接続するための端子電極層137に、異方性導電膜138によってFPC139が接着され、端子電極層137と電気的に接続する。
図12(A)に、表示装置の上面図を示す。図12(A)で示すように、画素領域150、走査線駆動領域151a、走査線駆動領域151b、接続領域153が、シール材136によって、基板100と封止基板140との間に封止され、基板100上にICドライバによって形成された信号線駆動回路152が設けられている。駆動回路領域には、薄膜トランジスタ133、薄膜トランジスタ134、画素領域には、薄膜トランジスタ131、薄膜トランジスタ130がそれぞれ設けられている。
なお、本実施例では、ガラス基板で発光素子を封止した場合を示すが、封止の処理とは、発光素子を水分から保護するための処理であり、カバー材で機械的に封入する方法、熱硬化性樹脂又は紫外光硬化性樹脂で封入する方法、金属酸化物や窒化物等のバリア能力が高い薄膜により封止する方法のいずれかを用いる。カバー材としては、ガラス、セラミックス、プラスチックもしくは金属を用いることができるが、カバー材側に光を放射させる場合は透光性でなければならない。また、カバー材と上記発光素子が形成された基板とは熱硬化性樹脂又は紫外光硬化性樹脂等のシール材を用いて貼り合わせられ、熱処理又は紫外光照射処理によって樹脂を硬化させて密閉空間を形成する。この密閉空間の中に酸化バリウムに代表される吸湿材を設けることも有効である。この吸湿材は、シール材の上に接して設けても良いし、発光素子からの発光を妨げないような、隔壁の上や周辺部に設けても良い。さらに、カバー材と発光素子の形成された基板との空間を熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹脂で充填することも可能である。この場合、熱硬化性樹脂若しくは紫外光硬化性樹脂の中に酸化バリウムに代表される吸湿材を添加しておくことは有効である。
以上示したように、本実施例では、液滴吐出法を用いて基板上に各種のパターンを形成することにより、1辺が1000mmを超える第5世代以降のガラス基板を用いても、容易に表示パネルを製造することができる。
また、細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法により、小型化、薄膜化により密集、複雑に配線等が配置される設計であっても、精密に配線等を形成することができる。
加えて、本発明の作製方法により、所望なパターンを密着性よく形成できる。また、材料のロスも少なく、コストダウンも達成できる。よって高性能、高信頼性の表示装置を歩留まりよく作製することができる。
また、本実施例は、実施の形態1乃至3のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
本実施例では、表示素子として液晶材料を用いた液晶表示装置の例を図13、図14、及び図15を用いて説明する。より詳しくは、トップゲート型プラナー構造の薄膜トランジスタを有する表示装置の作製方法について説明する。図14は表示装置の画素部の一部を拡大した上面図であり、図14中の線E−Fで切断した断面図が図13(C)に相当する。同一部分又は同様な機能を有する部分の繰り返しの説明は省略する。
まず、基板200を用意する。基板200としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等からなるガラス基板、石英基板、金属基板、又は本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いる。
次に、液滴吐出装置を用いて、液状の導電性材料を含む組成物を、基板上に吐出する。次いで、焼成、乾燥などによって固化することによって、ソース電極層又はドレイン電極層209a、ソース電極層又はドレイン電極層209bが形成される。
次いで、ソース電極層又はドレイン電極層209a上、ソース電極層又はドレイン電極層209b上にn型を有する半導体層を形成する。次いで、レジスト等からなるマスクを液滴吐出法を用いて形成し、選択的にn型を有する半導体層をエッチングする。次いで、n型を有する半導体層上に半導体層を形成し再び、マスク等を用いて選択的にエッチングする。こうして、n型を有する半導体層210a、n型を有する半導体層210b、半導体層211が形成される。
次いで、ソース電極層、ドレイン電極層及び半導体層上にゲート絶縁層212を形成する。ゲート絶縁層212としては、珪素の酸化物材料又は窒化物材料等の公知の材料で形成すればよく、積層でも単層でもよい。本実施例では、窒化珪素膜、酸化珪素膜、窒化珪素膜3層の積層を用いる。
次いで、ゲート絶縁層212上に、レジストなどからなるマスクを形成し、ゲート絶縁層212をエッチングし、貫通孔213を形成する(図13(A)参照。)。本実施例では、液滴吐出法によりマスクを選択的に形成する。
次いで、ゲート絶縁層212上に液滴吐出装置214によって導電性材料を含む組成物を吐出し、ゲート電極層215を形成する。細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法を用いると、ゲート電極層215のチャネル方向の幅を狭くできるため、TFTの電界効果移動度が向上する。
次いで、画素電極255を液滴吐出法で形成する(図13(B)参照。)。画素電極255とソース電極層またはドレイン電極層209bとを、先に形成した貫通孔213において電気的に接続する。画素電極255は、前述した第1の電極層117と同様な材料を用いることができ、透過型の液晶表示パネルを作製する場合には、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)などを含む組成物を用い、液滴吐出装置から吐出して所定の形状を形成し、焼成によって画素電極を形成しても良い。
図14は表示装置の画素領域の上面図である。画素領域は、順スタガ型薄膜トランジスタである薄膜トランジスタ250、ソース配線層も兼ねるソース電極層又はドレイン電極層209a、容量配線層252、ゲート配線層も兼ねるゲート電極層215、画素電極255が設けられている。薄膜トランジスタ250はマルチゲート構造であってもよい。薄膜トランジスタ250のソース電極層又はドレイン電極層と画素電極255とは電気的に接続されている。
次に、画素電極255及び薄膜トランジスタ250を覆うように、印刷法やスピンコート法により、配向膜と呼ばれる絶縁層261を形成する。なお、絶縁層261は、スクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いれば、選択的に形成することができる。その後、ラビングを行う。続いて、シール材282を液滴吐出法により画素を形成した周辺の領域に形成する。
その後、配向膜として機能する絶縁層263、カラーフィルタとして機能する着色層264、対向電極として機能する導電体層265、偏光板267が設けられた対向基板266とTFTを有する基板200とをスペーサ281を介して貼り合わせ、その空隙に液晶層262を設けることにより液晶表示装置を作製することができる。また基板200においてTFTを有していない側にも偏光板268を形成する。ここまでの工程を終えた液晶表示装置の断面構造を図13(C)に示す。シール材にはフィラーが混入されていても良く、さらに対向基板266には、遮蔽膜(ブラックマトリクス)などが形成されていても良い。なお、液晶層を形成する方法として、ディスペンサ式(滴下式)や、対向基板266を貼り合わせてから毛細管現象を用いて液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いることができる。
ディスペンサ方式を採用した液晶滴下注入法を図16を用いて説明する。図16において、40は制御装置、42は撮像手段、43はヘッド、33は液晶、35、45はマーカー、34はバリア層、32はシール材、30はTFT基板、20は対向基板である。シール材32で閉ループを形成し、その中にヘッド43より液晶33を1回若しくは複数回滴下する。ヘッド43は複数のノズルを備えており、一度に多量の液晶材料を滴下することができるためスループットが向上する。液晶材料の粘性が高い場合は、連続的に吐出され、繋がったまま被形成領域に付着する。一方、液晶材料の粘性が低い場合には、間欠的に吐出され液滴が滴下される。そのとき、シール材32と液晶33とが反応することを防ぐため、バリア層34を設ける。続いて、真空中で基板を貼り合わせ、その後紫外線硬化を行って、液晶が充填された状態とする。またTFT基板側にシール材を形成し、液晶を滴下してもよい。
スペーサは、スペーサは数μmの粒子を散布して設ける方法でも良いが、本実施例では基板全面に樹脂膜を形成した後これをパターニングして形成する方法を採用した。このようなスペーサの材料を、スピナーで塗布した後、露光と現像処理によって所定のパターンに形成する。さらにクリーンオーブンなどで150〜200℃で加熱して硬化させる。このようにして作製されるスペーサは露光と現像処理の条件によって形状を異ならせることができるが、好ましくは、スペーサの形状は柱状で頂部が平坦な形状となるようにすると、対向側の基板を合わせたときに液晶表示装置としての機械的な強度を確保することができる。形状は円錐状、角錐状などを用いることができ、特別な限定はない。
以上の工程で形成された表示装置内部と外部の配線基板を接続するために接続部を形成する。大気圧又は大気圧近傍下で、酸素ガスを用いたアッシング処理により、接続部の絶縁体層を除去する。この処理は、酸素ガスと、水素、CF4、NF3、H2O、CHF3から選択された一つ又は複数とを用いて行う。本工程では、静電気による損傷や破壊を防止するために、対向基板を用いて封止した後に、アッシング処理を行っているが、静電気による影響が少ない場合には、どのタイミングで行っても構わない。
続いて、画素部と電気的に接続されている端子電極層を、異方性導電体層を介して、接続用の配線基板であるFPCを設ける。FPCは、外部からの信号や電位を伝達する役目を担う。上記工程を経て、表示機能を有する液晶表示装置を作製することができる。
図15(A)は液晶表示モジュールの一例であり、TFT基板2600と対向基板2601がシール材2602により固着され、その間に画素部2603と液晶層2604が設けられ表示領域を形成している。着色層2605はカラー表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層が各画素に対応して設けられている。TFT基板2600と対向基板2601の外側には偏光板2606、2607、レンズフィルム2613が配設されている。光源は冷陰極管2610と反射板2611により構成され、回路基板2612は、フレキシブル配線基板2609によりTFT基板2600と接続され、コントロール回路や電源回路などの外部回路が組みこまれている。2608は駆動回路である。液晶表示モジュールには、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCBモードなどを用いることができる。
図15(B)は図15(A)の液晶表示モジュールにOCBモードを適用した一例であり、FS−LCD(Field sequential−LCD)となっている。FS−LCDは、1フレーム期間に赤色発光と緑色発光と青色発光をそれぞれ行うものであり、時間分割を用いて画像を合成しカラー表示を行うことが可能である。また、各発光を発光ダイオードまたは冷陰極管等で行うので、カラーフィルタが不要である。よって、3原色のカラーフィルターを並べる必要がないため同じ面積で9倍の画素を表示できる。一方、1フレーム期間に3色の発光を行うため、液晶の高速な応答が求められる。表示装置に、FS方式、及びOCBモードを適用すると、一層高性能で高画質な表示装置、また液晶テレビジョン装置を完成させることができる。
OCBモードの液晶層は、いわゆるπセル構造を有している。πセル構造とは、液晶分子のプレチルト角がアクティブマトリクス基板と対向基板との基板間の中心面に対して面対称の関係で配向された構造である。πセル構造の配向状態は、基板間に電圧が印加されていない時はスプレイ配向となり、電圧を印加するとベンド配向に移行する。さらに電圧を印加するとベンド配向の液晶分子が両基板と垂直に配向し、光が透過する状態となる。なお、OCBモードにすると、従来のTNモードより約10倍速い高速応答性を実現できる。
また、FS方式に対応するモードとして、高速動作が可能な強誘電性液晶(FLC:Ferroelectric Liquid Crystal)を用いたHV−FLC、SS−FLCなども用いることができる。OCBモードは粘度の比較的低いネマチック液晶が用いられ、HV−FLC、SS−FLCには、スメクチック液晶が用いられるが、液晶材料としては、FLC、ネマチック液晶、スメクチック液晶などの材料を用いることができる。
また、液晶表示モジュールの高速光学応答速度は、液晶表示モジュールのセルギャップを狭くすることで高速化する。また液晶材料の粘度を下げることでも高速化できる。上記高速化は、TNモードの液晶表示モジュールの画素領域の画素、またはドットピッチが30μm以下の場合に、より効果的である。
図15(B)の液晶表示モジュールは透過型の液晶表示モジュールを示しており、光源として赤色光源2910a、緑色光源2910b、青色光源2910cが設けられている。光源は赤色光源2910a、緑色光源2910b、青色光源2910cをそれぞれオンオフを制御するために、制御部2912が設置されている。制御部2912によって、各色の発光は制御され、液晶に光は入射し、時間分割を用いて画像を合成し、カラー表示が行われる。
以上のように細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法を用いると、低コストで高性能の液晶表示モジュールを作製することができる。
また、本実施例は、実施の形態1乃至3のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法によって形成される表示装置によって、テレビジョン装置を完成させることができる。図18はテレビジョン装置の主要な構成を示すブロック図を示している。
図18に示す表示パネルは、画素部601と走査線側駆動回路603と信号線側駆動回路602とを有し、図21(A)、図21(B)、図22(A)、図22(B)、または図22(C)のいずれか一の構成とすることができる。
図21(A)は表示パネルの構成の一例を示す上面図であり、絶縁表面を有する基板2700上に画素2702をマトリクス上に配列させた画素部2701、走査線側入力端子2703、信号線側入力端子2704が形成されている。画素数は種々の規格に従って設ければ良く、XGAであれば1024×768×3(RGB)、UXGAであれば1600×1200×3(RGB)、フルスペックハイビジョンに対応させるのであれば1920×1080×3(RGB)とすれば良い。
画素2702は、走査線側入力端子2703から延在する走査線と、信号線側入力端子2704から延在する信号線とが交差することで、マトリクス状に配設される。画素2702のそれぞれには、スイッチング素子とそれに接続する画素電極が備えられている。スイッチング素子の代表的な一例はTFTであり、TFTのゲート電極側が走査線と、ソース若しくはドレイン側が信号線と接続されることにより、個々の画素を外部から入力する信号によって独立して制御可能としている。
図21(A)は、走査線及び信号線へ入力する信号を、外付けの駆動回路により制御する表示パネルの構成を示している。
また、表示パネルは、図21(A)で示すような構成の他に、図22(B)のようなTAB(Tape Automated Bonding)方式により実装される場合と、図22(A)のようなCOG(Chip on Glass)方式により実装される場合とがある。図22(B)において、ドライバIC2751は、FPC2750と接続している。図22(A)において、ドライバIC2751は、基板2700上に実装している。
また、表示パネルは、図21(B)に示すような構成としてもよく、TFTを形成し、画素部と走査線側駆動回路を同一基板上に形成し、信号線側駆動回路を別途ドライバICとして実装してもよい。
また、表示パネルは、図21(C)に示すような構成としてもよく、画素部と信号線側駆動回路と走査線側駆動回路を同一基板上に形成しても良い。
その他の外部回路の構成として、映像信号の入力側では、チューナ604で受信した信号のうち、映像信号を増幅する映像信号増幅回路605と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路606と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路607などからなっている。コントロール回路607は、走査線側駆動回路と信号線側駆動回路にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側駆動回路に信号分割回路608を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ604で受信した信号のうち、音声信号は、音声信号増幅回路609に送られ、その出力は音声信号処理回路610を経てスピーカ613に供給される。制御回路611は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部612から受け、チューナ604や音声信号処理回路610に信号を送出する。
これらの液晶表示モジュール、EL表示モジュールを、図17(A)、図17(B)に示すように、筐体に組みこんで、テレビジョン装置を完成させることができる。図12のようなEL表示モジュールを用いると、ELテレビジョン装置を完成することができる。また、図15(A)、図15(B)のような液晶表示モジュールを用いると、液晶テレビジョン装置を完成することができる。表示モジュールにより主画面2003が形成され、その他付属設備としてスピーカ部2009、操作スイッチなどが備えられている。このように、細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法によりテレビジョン装置を完成させることができる。
筐体2001に表示用パネル2002が組みこまれ、受信機2005により一般のテレビ放送の受信をはじめ、モデム2004を介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、又は受信者間同士)の情報通信をすることもできる。テレビジョン装置の操作は、筐体に組みこまれたスイッチ又は別体のリモコン操作機2006により行うことが可能であり、このリモコン装置にも出力する情報を表示する表示部2007が設けられていても良い。
また、テレビジョン装置にも、主画面2003の他にサブ画面2008を第2の表示用パネルで形成し、チャネルや音量などを表示する構成が付加されていても良い。この構成において、主画面2003を視野角の優れたEL表示用パネルで形成し、サブ画面を低消費電力で表示可能な液晶表示用パネルで形成しても良い。また、低消費電力化を優先させるためには、主画面2003を液晶表示用パネルで形成し、サブ画面をEL表示用パネルで形成し、サブ画面は点滅可能とする構成としても良い。細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法を用いると、第6世代の1500×1800mm、第7世代の1870×2200mm、第8世代の2160×2400mmなどの大型基板を用いて、多くのTFTや電子部品を用いても、低コストで表示装置を完成することができる。
図17(B)は例えば20〜80インチの大型の表示部を有するテレビジョン装置であり、筐体2010、表示部2011、操作部であるリモコン装置2012、スピーカー部2013等を含む。細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法は、表示部2011の作製に適用される。図17(B)のテレビジョン装置は、壁かけ型となっており、設置するスペースを広く必要としない。
勿論、本発明はテレビジョン装置に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
また、本実施例は、実施の形態1乃至3、実施例1または実施例2のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法を適用して、様々な表示装置を作製することができる。即ち、それら表示装置を表示部に組み込んだ様々な電子機器に本発明を適用できる。
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの例を図19に示す。
図19(A)は、パーソナルコンピュータであり、本体2101、筐体2102、表示部2103、キーボード2104、外部接続ポート2105、ポインティングマウス2106等を含む。細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法は、表示部2103の作製に適用される。本発明を用いると、小型化し、配線等が緻密化しても、信頼性の高い高画質な画像を表示することができる。
図19(B)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2201、筐体2202、表示部A2203、表示部B2204、記録媒体(DVD等)読み込み部2205、操作キー2206、スピーカー部2207等を含む。表示部A2203は主として画像情報を表示し、表示部B2204は主として文字情報を表示する。細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法は、これら表示部A2203、表示部B2204の作製に適用される。本発明を用いると、配線等が緻密化しても、信頼性の高い高画質な画像を表示することができる。
図19(C)は携帯電話であり、本体2301、音声出力部2302、音声入力部2303、表示部2304、操作スイッチ2305、アンテナ2306等を含む。細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法により作製される表示装置を表示部2304に適用することで、配線等が緻密化している表示装置を備えた携帯電話であっても、信頼性の高い高画質な画像を表示できる。
図19(D)はビデオカメラであり、本体2401、表示部2402、筐体2403、外部接続ポート2404、リモコン受信部2405、受像部2406、バッテリー2407、音声入力部2408、操作キー2409等を含む。本発明は、表示部2402に適用することができる。細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法で作製される表示装置を表示部2402に適用することで、配線等が緻密化した表示部を有するビデオカメラであっても、信頼性の高い高画質な画像を表示できる。
また、本実施例は、実施の形態1乃至3、実施例1または実施例2のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
本発明の表示装置に具備される保護回路の一例について説明する。
外部回路と内部回路の間に図20で示すような保護回路を形成することができる。保護回路は、TFT、ダイオード、抵抗素子及び容量素子等から選択された1つ又は複数の素子によって構成されるものであり、以下にはいくつかの保護回路の構成とその動作について説明する。まず、外部回路と内部回路の間に配置される保護回路であって、1つの入力端子に対応した保護回路の等価回路図の構成について、図20を用いて説明する。図20(A)に示す保護回路は、pチャネル型薄膜トランジスタ7220、7230、容量素子7210、7240、抵抗素子7250を有する。抵抗素子7250は2端子の抵抗であり、一端には入力電圧Vin(以下、Vinと表記)が、他端には低電位電圧VSS(以下、VSSと表記)が与えられる。
図20(B)に示す保護回路は、pチャネル型薄膜トランジスタ7220、7230を、整流性を有するダイオード7260、7270で代用した等価回路図である。図20(C)に示す保護回路は、pチャネル型薄膜トランジスタ7220、7230を、TFT7350、7360、7370、7380で代用した等価回路図である。また、上記とは別の構成の保護回路として、図20(D)に示す保護回路は、抵抗7280、7290と、nチャネル型薄膜トランジスタ7300を有する。図20(E)に示す保護回路は、抵抗7280、7290、pチャネル型薄膜トランジスタ7310及びnチャネル型薄膜トランジスタ7320を有する。保護回路を設けることで電位の急激な変動を防いで、素子の破壊又は損傷を防ぐことができ、信頼性が向上する。なお、上記保護回路を構成する素子は、耐圧に優れた非晶質半導体により構成することが好ましい。
細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法によって、TFT、ダイオード、抵抗素子及び容量素子等から選択された1つ又は複数の素子を作製して上記保護回路を形成すればよい。
また、本実施例は、実施の形態1乃至3、実施例1乃至4のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法によりプロセッサチップ(無線チップ、無線プロセッサ、無線メモリ、無線タグともよぶ)として機能する半導体装置を形成することができる。本発明の半導体装置の用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指し、プロセッサチップ90を設けることができる(図23(A)参照)。証書類とは、運転免許証、住民票等を指し、プロセッサチップ91を設けることができる(図23(B)参照)。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指し、プロセッサチップ97を設けることができる(図23(C)参照)。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指し、プロセッサチップ93を設けることができる(図23(D)参照)。書籍類とは、書物、本等を指し、プロセッサチップ94を設けることができる(図23(E)参照)。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指、プロセッサチップ95を設けることができる(図23(F)参照)。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指し、プロセッサチップ96を設けることができる(図23(G)参照)。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話等を指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等にプロセッサチップを設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等にプロセッサチップを設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等にプロセッサチップを設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。プロセッサチップの設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。
また、細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法により形成することが可能なプロセッサチップを、物の管理や流通のシステムに応用することで、システムの高機能化を図ることができる。例えば、荷札に設けられるプロセッサチップに記録された情報を、ベルトコンベアの脇に設けられたリーダライタで読み取ることで、流通過程及び配達先等の情報が読み出され、商品の検品や荷物の分配を簡単に行うことができる。
細分化したラスタデータを用い、液滴吐出装置を用いた本発明の作製方法により形成することが可能なプロセッサチップの構造について図24を用いて説明する。プロセッサチップは、薄膜集積回路9303及びそれに接続されるアンテナ9304とで形成される。また、薄膜集積回路及びアンテナは、カバー材9301、9302により挟持される。薄膜集積回路9303は、接着剤を用いてカバー材に接着してもよい。図24においては、薄膜集積回路9303の一方の側が、接着剤9320を介してカバー材9301に接着されている。
薄膜集積回路9303は、上記実施の形態1乃至3のいずれかで示す液滴吐出法で配線などが形成され、公知の剥離工程により薄膜集積回路9303を剥離してカバー材に設ける。また、薄膜集積回路9303に用いられる半導体素子はこれに限定されない。例えば、TFTの他に、記憶素子、ダイオード、光電変換素子、抵抗素子、コイル、容量素子、インダクタなどを用いることができる。
図24で示すように、薄膜集積回路9303のTFT上には層間絶縁膜9311が形成され、層間絶縁膜9311を介してTFTに接続するアンテナ9304が形成される。また、層間絶縁膜9311及びアンテナ9304上には、窒化珪素膜等からなるバリア膜9312が形成されている。
アンテナ9304は、金、銀、銅等の導電体を有する液滴を液滴吐出法により吐出し、乾燥焼成して形成する。液滴吐出法によりアンテナを形成することで、工程数の削減が可能であり、それに伴うコスト削減が可能である。
カバー材9301、9302は、ラミネートフィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と、接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどを用いることが好ましい。ラミネートフィルムは、熱圧着により、被処理体と接着処理が行われるものであり、接着処理を行う際には、ラミネートフィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。
また、カバー材に紙、繊維、カーボングラファイト等の焼却無公害素材を用いることにより、使用済みプロセッサチップの焼却、又は裁断することが可能である。また、これらの材料を用いたプロセッサチップは、焼却しても有毒ガスを発生しないため、無公害である。
なお、図24では、接着剤9320を介してカバー材9301にプロセッサチップを設けているが、カバー材9301の代わりに、物品にプロセッサチップを貼付けて、使用しても良い。
また、本実施例は、実施の形態1乃至3のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
本発明により、使用する材料のコスト低減を実現することができる。また、本発明により、インクジェット装置以外の装置(レーザ照射装置や露光装置など)を用いる他の層の設計データを共通化することができ、設計者が全体の回路構成や配線配置を容易に把握することができる。
本発明で作成したラスタデータを示す図。
本発明で作成したラスタデータを示す図。
ヘッドとノズルとドットピッチとヘッドの長軸傾き角度との関係を示す上面図。
液滴吐出までを示すフロー図。
ヘッドの長軸の傾き角度θとノズル間隔を示すグラフ。
上面観察写真図。
液滴吐出装置の構成を説明する斜視図。
本発明の表示装置の作製方法を説明する上面図及び断面図。
本発明の表示装置の作製方法を説明する上面図及び断面図。
本発明の表示装置の作製方法を説明する上面図及び断面図。
本発明の表示装置の作製方法を説明する断面図。
本発明の表示装置を説明する上面図及び断面図。
本発明の表示装置の作製方法を説明する断面図。
本発明の表示装置の作製方法を説明する上面図。
液晶表示モジュールの構成例を説明する断面図。
液滴滴下装置の構成を説明する図。
本発明が適用される電子機器を示す図。
本発明が適用される電子機器の主要な構成を示すブロック図。
本発明が適用される電子機器を示す図。
本発明が適用される保護回路を示す図。
本発明の表示装置の上面図。
本発明の表示装置の上面図。
本発明が適用される半導体装置を示す図。
半導体装置の構成例を説明する断面図。
符号の説明
11 1つのノズルが描画する領域
20 対向基板
30 TFT基板
32 シール材
33 液晶
34 バリア層
35 マーカー
40 制御装置
42 撮像手段
43 ヘッド
45 マーカー
90 プロセッサチップ
91 プロセッサチップ
93 プロセッサチップ
94 プロセッサチップ
95 プロセッサチップ
96 プロセッサチップ
97 プロセッサチップ
100 基板
101 絶縁層
106 ゲート絶縁層
107 ゲート電極層
108 ゲート電極層
109 半導体層
110 半導体層
111 半導体層
112 半導体層
113 ソース電極層又はドレイン電極層
114 ソース電極層又はドレイン電極層
115 ソース電極層又はドレイン電極層
116 ソース電極層又はドレイン電極層
117 第1の電極層
118a 液滴吐出装置
118b 液滴吐出装置
118c 液滴吐出装置
118d 液滴吐出装置
121 絶縁物
122 電界発光層
123 第2の電極層
125 貫通孔
130 薄膜トランジスタ
131 薄膜トランジスタ
133 薄膜トランジスタ
134 薄膜トランジスタ
135 充填剤
136 シール材
137 端子電極層
138 異方性導電膜
139 FPC
140 封止基板
150 画素領域
151a 走査線駆動領域
151b 走査線駆動領域
152 信号線駆動回路
153 接続領域
200 基板
209a ソース電極層又はドレイン電極層
209b ソース電極層又はドレイン電極層
210a n型を有する半導体層
210b n型を有する半導体層
211 半導体層
212 ゲート絶縁層
213 貫通孔
214 液滴吐出装置
215 ゲート電極層
250 薄膜トランジスタ
252 容量配線層
255 画素電極
261 絶縁層
262 液晶層
263 絶縁層
264 着色層
265 導電体層
266 対向基板
267 偏光板
268 偏光板
282 シール材
301 基板
302 ヘッド
303 ノズル
304 主走査方向
305 副走査方向
306 ヘッド長軸方向
601 画素部
602 信号線側駆動回路
603 走査線側駆動回路
604 チューナ
605 映像信号増幅回路
606 映像信号処理回路
607 コントロール回路
608 信号分割回路
609 音声信号増幅回路
610 音声信号処理回路
611 制御回路
612 入力部
613 スピーカ
1400 基板
1401 ステージ
1402 パターン
1403 液滴吐出手段
1404 撮像手段
1405 ヘッド
1406 点線
1407 制御手段
1408 ホストコンピュータ
1409 画像処理手段
1410 コンピュータ
1411 マーカー
1412 ヘッド
1413 材料供給源
1414 材料供給源
1415 主走査方向
1416 副走査方向
1417 矢印
2001 筐体
2002 表示用パネル
2003 主画面
2004 モデム
2005 受信機
2006 リモコン操作機
2007 表示部
2008 サブ画面
2009 スピーカー部
2010 筐体
2011 表示部
2012 リモコン装置
2013 スピーカー部
2101 本体
2102 筐体
2103 表示部
2104 キーボード
2105 外部接続ポート
2106 ポインティングマウス
2201 本体
2202 筐体
2203 表示部A
2204 表示部B
2205 記録媒体読み込み部
2206 操作キー
2207 スピーカー部
2301 本体
2302 音声出力部
2303 音声入力部
2304 表示部
2305 操作スイッチ
2306 アンテナ
2401 本体
2402 表示部
2403 筐体
2404 外部接続ポート
2405 リモコン受信部
2406 受像部
2407 バッテリー
2408 音声入力部
2409 接眼部
2410 操作キー
2600 TFT基板
2601 対向基板
2602 シール材
2603 画素部
2604 液晶層
2605 着色層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 駆動回路
2609 フレキシブル配線基板
2610 冷陰極管
2611 反射板
2612 回路基板
2613 レンズフィルム
2700 基板
2701 画素部
2702 画素
2703 走査線側入力端子
2704 信号線側入力端子
2750 FPC
2751 ドライバIC
2910a 赤色光源
2910b 緑色光源
2910c 青色光源
2912 制御部