JP2005262876A - 画像形成装置及び液管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録ヘッド内のインクの溶存気体量を把握して、これに応じて脱気等のインクのメンテナンスを実行する画像形成装置及び液管理方法を提供する。
【解決手段】記録ヘッド50内のインクの溶存気体量が推測され、この推測値が所定の規定値を超える場合には印字ヘッド50内の未使用インクは、循環路100を経由してサブタンク61へ戻される。サブタンク61から印字ヘッド50へ供給されるインクは印字ヘッド50のインク流れ方向上流側に設けられた脱気装置62を用いて脱気処理されるので、印字ヘッド50には溶存気体量が該規定値以下のインクが供給される。よって、印字ヘッド50内のインクの気泡発生が抑制され、インク内発生した気泡による吐出異常を防止できる。印字ヘッド50のインク流下流側に溶存酸素計を備え、印字ヘッド50内のインクの溶存気体量を計測するように構成するとよい。
【選択図】 図8

Description

本発明は画像形成装置及び液管理方法に係り、特に被記録媒体上に画像を形成するための液滴の溶存気体量を管理して、液滴の好ましい状態を維持する液滴管理技術に関する。
近年、画像やドキュメント等のデータ出力装置としてインクジェットプリンターが普及している。インクジェットプリンターは記録ヘッドの記録素子(ノズル)をデータに応じて駆動し、該ノズルからインクを吐出させて記録紙にデータが形成される。インクを吐出させる吐出手段としてノズルに連通される圧力室に圧力波を与えるPZT アクチュエータ等を用いるものや、インク室(圧力室)内のインクを加熱してバブルを発生させる熱源を用いるものなどがある。これらの吐出手段を動作させることによって加圧されたインクがノズルから吐出され、被記録媒体上へ画像などのデータが形成される。
インクジェットプリンターでは、記録ヘッド内のインクに気泡が混入すると、アクチュエータからインクに与えられる圧力の損失が大きくなり、インクの吐出量異常、吐出方向異常、不吐出などの吐出異常を発生させることになる。かかる吐出異常は記録画像に影響を及ぼし、結果として画像品質を著しく低下させてしまう。したがって、吐出異常を遅滞なく検出して該吐出異常の原因を取り除くことによって記録画像の品質を維持することができる。
上述した吐出異常の原因となる印字ヘッド(圧力室)内に気泡を発生させない方法として、インク内に溶存する気体を少なくした、いわゆる、脱気されたインクを用いることが知られている。
特許文献1に記載されたインクジェット内の液体中の溶存気体量の管理方法、インクジェット記録装置、及びカラーフィルタ製造装置では、インクジェットヘッド内を循環して戻ってきた未使用インクの溶存気体量を測定し、測定値が所定の値を超えた場合にはインクを循環させてインク中の溶存気体を除去し、インク中の溶存気体量が所定の値以下になるようにインクを管理する。
また、特許文献2に記載されたインクジェットプリンター用空気除去方法及びインクジェットプリンターでは、インクの流れる通路に設けられた管を減圧して、管内のインクに含まれる空気を除去するように構成されている。
特許文献3に記載されたインクジェット式記録装置では、インク容器から記録ヘッドの間に中空繊維束からなる脱気手段を備え、該脱気手段を介して記録ヘッドへインクが供給されるように構成されている。
特開2000−190529号公報 特開平11−20194号公報 特開平11−48491号公報
しかしながら、インク流路の上流側から、脱気装置、インクの溶存気体量を測定する溶存酸素計、印字ヘッドの順に配置されている場合には、溶存酸素計の下流側では溶存気体の測定手段がないために、印字ヘッド内のインクの溶存気体量が成り行きになってしまうという問題点がある。これは、溶存酸素計などのインク内の溶存気体の測定手段を持たな
いシステムにおいても同様である。
特許文献1に開示されたインクジェット内の液体中の溶存気体量の管理方法、インクジェット記録装置、及びカラーフィルタ製造装置では、インク中の溶存気体量を測定する溶存酸素計と脱気装置との距離が長いために、あまりインクを消費しないローデューティの印字の場合や長時間インクジェットヘッド内にインクが放置された場合などには、インクジェットヘッド部分では溶存気体量の規定値を超えていないにも関わらず、溶存酸素計にインクが達したときにインクの溶存気体量が規定値を超えていた場合などには脱気モードになり印字が停止するので、時間のロスとなる。
また、ここで用いられる脱気装置の能力は流量に対して十分高いと考えられるが、インクを長時間放置したときに脱気度が規定値を超えてしまうといった問題点がある。更に、印字ヘッドを複数並べたマルチヘッドについて開示されていない。例えば、インク供給が1つのところ(即ち、分岐手前)に脱気装置を配置した場合、印字ヘッドによって使用デューティが異なるとうまく判断できないと考えられる。一方、マルチヘッドにおいて分岐後に脱気装置を配置し、印字ヘッドの循環下流側に溶存酸素計を配置することは脱気装置が多くなり、コストアップになると考えられる。
また、特許文献2に記載されたインクジェットプリンター用空気除去方法及びインクジェットプリンター及び特許文献3に記載されたインクジェット式記録装置では、インク内の溶存気体量を測定する溶存酸素計などの測定手段を備えていないので、装置内におけるインク内の溶存気体量を把握することができない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、記録ヘッド内のインクの溶存気体量を把握して、これに応じて脱気等のインクのメンテナンスを実行する画像形成装置及び液管理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、被記録媒体上に液滴を吐出させる記録ヘッドと、前記記録ヘッド内の液の溶存気体量を推測する溶存気体量推測手段と、前記溶存気体量推測手段によって推測された液内の溶存気体量が所定の規定値を超える場合には、前記記録ヘッド内の液の回復処理を実行する液回復手段と、を備えたことを特徴とする。
即ち、記録ヘッド内の液に含まれる溶存気体量を推測する溶存気体量推定手段を備え、溶存気体量推測手段による推測結果に基づいて該記録ヘッド内の液の回復処理が実行されるので、記録ヘッド内のインクに発生する気泡による吐出異常を防止でき、好ましい吐出を行うことが可能である。
また、溶存気体量を計測する計測手段(溶存酸素計等)を備えなくてもよく、装置の小型化が可能になる。
被記録媒体は、記録ヘッドから液滴を吐出される媒体であり、連続用紙やカット紙、シール用紙などの紙類、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
また、液には、水、薬液、処理液、インクなどが吐出孔から吐出可能な様々な液体が含まれる。
溶存気体量推測手段によって液内の溶存気体量を推測する態様は、液流路の気体溶解速度及び液流路内の液の流速から求める態様がある。
液回復手段による回復処理には、脱気装置などの脱気手段を用いて記録ヘッド内の液から溶存気体を取り除く脱気を行う態様や、記録ヘッドが有する吐出孔から液を吐出(排出)させるパージや、記録ヘッド内の液をポンプ等の吸引手段を用いて吸い出す吸引などを行い、供給系から記録ヘッド内へ新たに液を充填させる態様がある。
印字中に溶存気体量の推測値が所定の規定値を超える場合には、該印字を中止した後に、回復処理を施す態様が好ましい。
請求項2に示すように、請求項1記載の発明において、前記記録ヘッドの液流方向上流側に、前記記録ヘッドに供給される液の溶存気体量を計測する溶存気体量計測手段を備え、前記溶存気体量計測手段によって計測された溶存気体量が前記規定値を超える場合には、前記液回復手段は前記記録ヘッド内の液の回復動作を行うことを特徴とする。
即ち、記録ヘッドの液流方向上流側に該液の溶存気体量を計測(実測)する溶存気体量計測手段を備え、該溶存気体量計測手段によって計測される溶存気体量が所定の規定値を超える場合には、記録ヘッド内のインクの回復処理が施される。
溶存気体量計測手段によって該記録ヘッド近傍の液の溶存気体量を計測できるので、液回復手段の異常判別ができると共に、確実に液の溶存気体量を把握することができる。また、溶存気体量計測手段には、液内の酸素量を計測する溶存酸素計が含まれている。
言い換えると、溶存気体量を実測する溶存気体量計測手段を記録ヘッド上流側に備える態様では、該溶存気体量による推測値が所定の規定値を超える場合には液の回復処理が行われる。
また、請求項3に示すように、請求項1記載の発明において、前記記録ヘッドの液流方向下流側に、前記記録ヘッドから送出される液の溶存気体量を計測する溶存気体量計測手段を備え、前記溶存気体量推測手段によって推測された液の溶存気体量が前記規定値を超えていない場合には、前記溶存気体量計測手段によって計測された溶存気体量が前記規定値を超えていても、前記液回復手段は前記記録ヘッド内の液の回復動作を行わないことを特徴とする。
即ち、記録ヘッドの下流側に溶存気体量を計測する溶存気体量計測手段を備える態様では、該溶存酸素計測手段の計測結果が所定の規定値を超える場合にも、溶存気体量推測手段によって推測される溶存気体量が該規定値を超えない場合には、記録ヘッド内の液の回復処理を行わないように構成されるので、無駄に液を消費せずに済む。
また、請求項4に示すように、請求項1、2又は3記載の発明において、前記液回復手段には、前記記録ヘッド内の液に含まれる溶存気体の少なくとも一部を除去する脱気手段を含むことを特徴とする。
即ち、液に含まれる溶存気体を取り除く脱気手段を備えたので、記録ヘッドに供給される液は所定の脱気処理が施される。
記録ヘッドに供給される液の脱気処理を行うには、脱気手段は記録ヘッドの液流路上流側に備えるとよい。更に、脱気手段と記録ヘッドとの距離を短くすることが好ましい。
また、請求項5に示すように、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の発明において、前記液回復手段には、前記記録ヘッドが有する吐出孔から該記録ヘッド内の液を外部へ排出させる液排出手段を含むことを特徴とする。
即ち、溶存気体量が所定の規定値を超えた液は記録ヘッド外部に排出されるので、該記録ヘッドには新たに液を充填させることができる。
なお、該排出手段による液の排出と請求項4に記載した脱気処理と併用してもよい。
記録ヘッドの外部に液を排出させる態様は、記録ヘッドからキャップなどのメンテナンス部材へ液を吐出させるパージ(予備吐出、空吐出、ダミー吐出等)を行う態様や、ポンプなどの吸引手段を用いて記録ヘッド内の液を吸引する態様がある。
また、請求項6に示すように、請求項4記載の発明において、前記記録ヘッドに供給される液を蓄える前記液供給手段と、前記記録ヘッドの液流下流側に設けられた前記溶存気体量計測手段を有し、前記記録ヘッドから前記液供給手段へ液を循環させる循環路と、前記液供給手段の液流方向下流側に設けられた前記脱気手段と、を備え、前記溶存気体量推測手段によって推測された液の溶存気体量が、前記規定値を超える場合には、前記液回復手段は前記記録ヘッド内の液を前記循環路によって前記液供給手段へ循環させると共に、前記溶存気体量計測手段の計測値が前記規定値以下になるように前記脱気手段を用いて、前記記録ヘッドに供給される液の脱気処理を行うことを特徴とする。
即ち、記録ヘッド内の液の溶存気体量が所定の規定値を超えた場合には、該記録ヘッド内の液を循環手段によって循環させて、記録ヘッドに供給される液に脱気処理を施すので、無駄な液が発生しない。
また、溶存気体量計測手段は記録ヘッドの液流方向下流側に配置され、記録ヘッドから送出される液の溶存気体量を計測することができるので、この計測値が所定の規定値以下になるように脱気処理を行うように構成すれば、記録ヘッド内の液の溶存気体量が該規定値を超えることがない。
また、請求項7に示すように、請求項4記載の発明において、前記記録ヘッドに供給される液を蓄える前記液供給手段と、前記液供給手段の液流方向下流側に設けられた前記脱気手段と、前記脱気手段の液流方向下流側に設けられた前記溶存気体量計測手段と、前記溶存気体量計測手段の液流方向下流側に設けられた前記記録ヘッドと、を備え、前記溶存気体量推測手段によって推測された液の溶存気体量が、前記規定値を超える場合には、前記液回復手段は前記液排出手段を用いて前記記録ヘッド内の液を前記記録ヘッド外部に排出する一方、前記液供給手段から前記記録ヘッドに供給される液の溶存気体量を前記溶存気体量計測手段によって計測し、該液の溶存気体量が前記規定値以下になるように前記脱気手段を用いて脱気処理を行うことを特徴とする。
記録ヘッド下流側に溶存気体量を計測する溶存気体量計測手段を備える態様では、溶存気体推測手段により推測された溶存気体推測量に基づいて印字ヘッド内の液の回復処理が実行される。
また、請求項8に示すように、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の発明において、前記記録ヘッドの保存温度を調整する記録ヘッド温調手段と、前記溶存気体量推測手段によって推測された溶存気体量が前記規定値に近づいた場合には、前記記録ヘッド温調手段を用いて該記録ヘッドの保存温度を下げるように制御する記録ヘッド温調制御手段と、を備えたことを特徴とする。
即ち、記録ヘッド内の液の溶存気体量が所定の規定値になる前に記録ヘッドの保存温度を下げるように制御されるので、該記録ヘッド内の液の気泡の発生を抑制することができる。
また、請求項9に示すように、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の発明において、前記溶存気体量推測手段は、液流路を移動する液の移動時間から該液に含まれる溶存気体量を推測することを特徴とする。
液の移動時間は、液流路の構成(流路長や流路の継ぎ手数等)、記録ヘッドから吐出される液の吐出量や吐出周期、液の消費量、記録ヘッドの使用頻度等から算出することができる。
また、前記目的を達成するために請求項10に係る発明は、被記録媒体上に液滴を吐出させる記録ヘッドを備えた画像形成装置の液管理方法であって、前記記録ヘッド内の液の溶存気体量を推測し、推測された溶存気体量が所定の規定値を超える場合には、前記記録ヘッド内の液に回復動作を施すことを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッド内の液に含まれる溶存気体量を推測する溶存気体量推測手段を備え、推測された溶存気体量が所定の規定値を超える場合には、該記録ヘッド内の液には、脱気処理やパージなどの液の回復処理が施される。したがって、記録ヘッド内の液の溶存気体量は該規定値以下になるように管理され、記録ヘッド内の液の気泡発生を抑制でき、気泡発生による吐出異常を防ぐことができる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図7中符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。なお、ベルト33の詳細は後述する。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向 (記録紙搬送方向)と直交方向に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、記録紙搬送方向という。)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、記録紙搬送方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(即ち1回の記録紙搬送方向への走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが記録紙搬送方向と略直交する方向に往復動作するシリアル(シャトルスキャン)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターン(或いは実画像)を読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。また、印字検出部24には、打滴されたドットに光を照射させる光源(不図示)を備えている。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソーターが設けられる。なお、符号26Bはテスト印字排出部である。
次に、印字ヘッド50の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) は印字ヘッド50の他の構造例(印字ヘッド50’)を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a) 中の4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3(a) 〜(c) 及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態における印字ヘッド50は、図3(a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が印字媒体送り方向と略直交する方向に印字媒体の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図3(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、印字媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して図示しない共通流路と連通されている。
圧力室52の天面を構成している振動板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、前記共通流路から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット53は、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
即ち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
また、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されている。本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ヒータなどの発熱体によってインクを加圧して気泡を発生させ、その圧力でインクを飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
図5は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インクボトル60はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクボトル60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図5に示したように、インクボトル60はインク供給管を介してサブタンク61と連通され、更に、サブタンク61と印字ヘッド50の間にはインク内に溶存している気体(気泡)を除去するために脱気装置62が設けられている。また、サブタンク61と印字脱気装置62との間には、インク内の異物等を取り除くフィルタ(不図示)が設けられている。該フィルタのフィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
サブタンク61は、ヘッドの内圧変動を防止するダンパ効果及びリフィルを改善する機能を有する。サブタンク61により内圧を制御する態様には、大気開放されたサブタンクと印字ヘッド50内のインク室ユニット53とのインク水位の差によりインク室ユニット53内の内圧を制御する態様や、密閉されたサブタンクに接続されたポンプによりサブタンク及びインク室の内圧を制御する態様などがあり、何れの態様を適用してもよい。
更に、印字ヘッド50内の未使用インクに含まれる溶存気体量を測定する溶存酸素計63を備えられており、印字ヘッド50内の未使用インクは溶存酸素計63によって溶存気体量が測定された後に、サブタンク61へ送られる。このように、インク供給系には印字ヘッド50から溶存酸素計63を介してサブタンク61へ至るインク循環路(図5には不図示、図8に符号100として図示)が形成されている。
インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル51近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面(インク吐出面)をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、印字ヘッド50(圧力室52)内のインクに気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
図6は、図5に示した脱気装置62の構成を示す概略構成図である。
脱気装置62は、脱気領域62Aに気体透過性を有する中空繊維束、例えば、フッ素系のチューブやシリコン系のチューブから成るインク流路62Bを備え、サブタンク61から送られてきたインクはインク流路62Bを通過する際に減圧脱気処理を施された後に印字ヘッド50へ供給される。
前記減圧脱気処理では、脱気領域62Aを真空ポンプ62Cによって減圧させると、インク流路62Bの外周から作用している負圧の作用を受けてインク内に溶存している気体が分離され、この分離された気体は真空ポンプ62Cを介して大気中に排出される。また、脱気装置62は脱気領域内の圧力(真空度)を管理するために真空計62Dを備えている。
なお、脱気装置62におけるインクの脱気方式は、上述した真空(減圧脱気)方式など公知の技術を適用可能であり、更に、超音波振動方式や遠心分離方式などの様々な方法を適用可能である。
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。なお、図7にはモータドライバ76及びモータ88のみ示したが、システムコントローラ72は複数のモータドライバ及びモータを制御している。
また、ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等に備えられたヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図7において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
本インクジェット記録装置10は、インクに含まれる溶存気体量が所定の値以下になるように管理するインク管理機能を備えている。本機能の詳細は後述するが、システムコントローラ72を用いて印字ヘッド50内のインクの溶存気体量が推測され、この溶存気体量推測値が所定の規定値を超えていると印字ヘッド50内のインクを脱気装置62へ循環させて、該脱気装置62で脱気処理が施された後に脱気されたインクが印字ヘッド50へ供給されるようにシステムコントローラ72によって制御が行われる。上述した所定の規定値とは、インクの溶存気体許容範囲から求められる。
印字ヘッド50からサブタンク61へ循環されるインクの溶存気体量は溶存酸素計63によって計測される。この計測結果はシステムコントローラ72へ送られて、該インクに含まれる溶存気体量が所定の規定値と比較され、溶存気体量が該規定値を超える場合には、脱気装置62を稼動させて再脱気が行われる。
ここで、溶存酸素計で計測される気体には酸素だけでなくインクに溶解し得る様々な気体が含まれている。
〔第1実施形態〕
次に、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置10のインク管理方法及び脱気処理制御について説明する。
一般に、インクジェット記録装置では、図3及び図4に示したインク室ユニット53内に気泡が混入するとインクに加えられる圧力の損失が大きくなり、吐出異常が起こることがある。
かかる吐出異常によって、印字結果画像にはすじや色むらなど画像劣化が生じ、印字品質を著しく低下させる。したがって、このような画像劣化を防止するために、溶存気体量が予め決められた規定値以下になるように(溶存気体量許容範囲内の)脱気されたインクが用いられることがある。
本インクジェット記録装置10は、印字ヘッド50内のインクの溶存気体量を推測し、この推測値に基づいて脱気処理が行われるように構成されている。但し、印字ヘッド50内のうち、ノズル51及び圧力室52内(即ち、共通流路より吐出下流側)のインクは循環させることができないので、脱気処理の際に印字ヘッド50の外部へ排出(吐出)させる態様が好ましい。
図8は、図5に示したインクジェット記録装置10におけるインク供給系のうち、脱気処理に関わる部分を抜粋したブロック図である。図8中、矢印に示した方向はインクの流れる方向を示している。
図5に示したように、インクボトル60に貯留されているインクは、サブタンク61及び脱気装置62を介して印字ヘッド50へ供給される。また、印字ヘッド50内の未使用インクは溶存酸素計63を含んだ循環路100を経由してサブタンク61に戻される。即ち、インク流路の上流側からインクボトル60、サブタンク61、脱気装置62、印字ヘッド50、溶存酸素計63、サブタンク61の順に配置されている。なお、サブタンク61が省略される場合には、溶存酸素計63を含んだ循環路100は印字ヘッド50からインクボトル60への間に形成される。印字ヘッド50内の内圧コントロールやリフィル性確保のためにサブタンク61を設ける態様が好ましい。
また、図3(c) に示した分割型ヘッドでは、分割されたヘッドごとに脱気装置62及び溶存酸素計63、循環路100を備える態様が好ましい。各ヘッドに脱気装置62及び溶存酸素計63、循環路100を備えると各ヘッドのデューティが異なる場合に、ヘッドごとにヘッド内の溶存気体量を最適化できる。
脱気装置62から印字ヘッド50までのインクの移動時間によって印字ヘッド50内のインクの溶存気体量が推測される。この溶存気体量の推測ではマージンを十分に確保するために、安全率を1以上とする。また、溶存酸素計63の計測値とこの溶存気体量推測値とから印字ヘッド50内の未使用インクの再脱気を実行するか否かが判断される。
該インクの移動時間は、印字時の打滴サイズと打滴量との積及び、メンテナンス時の打滴サイズと打滴量との積から計算可能である。
脱気装置62から印字ヘッド50までのインク流路は主としてインクの供給ホース及び供給ホースを連結させる継ぎ手から構成される。したがって、その供給ホース及び継ぎ手の外部からインクに溶解する気体の溶解速度が既知とすれば、印字ヘッド50内のインクに含まれる溶存気体量を推測することが可能である。
即ち、インクの移動速度tとインクの溶存気体量Vとの関係は、図9に示すグラフ120のようになり、グラフ120の傾き(dv/dt) が上述した気体の溶解速度に相当する。なお、グラフ120において、V0 は気体の溶存気体の初期値であり、インクごとに異なる値を有している。また、Vsat は飽和溶存気体量を示し、この飽和溶存気体量を超えるとインク内に気泡が発生し得る。
インクの溶解速度は次式〔数1〕で表される。
〔数1〕(dv/dt) =(dv/dt) 1 +(dv/dt) 2 +(dv/dt) 3 +…
このインクの溶解速度 (dv/dt)は、インク流路を形成する部材(継ぎ手、ホース等)ごとに異なり、また、温度、湿度等の環境条件によって変化する。したがって、数式〔数1〕に示すように気体の溶解速度 (dv/dt)はインク流路の構成部材や環境パラメータごと求められる気体の溶解速度 (dv/dt)1 、(dv/dt) 2 、(dv/dt) 3 、…の和として表される。
図10に示すような、継ぎ手200(継ぎ手A)、継ぎ手202(継ぎ手B)、供給ホース210(供給ホースC)、供給ホース212(供給ホースD)から成るインク供給系では、〔数1〕に示した気体の溶解速度は次式〔数2〕で示される。
〔数2〕(dv/dt) 1 =(dvA/dt)+(dvB/dt)+…
即ち、(dv/dt) 1 は継ぎ手部分における気体の溶解速度であり、継ぎ手の数及びそれぞれの継ぎ手の構造から決められる。継ぎ手200及び継ぎ手202における気体の溶解速度をそれぞれdvA/dt、dvB/dtとすると、〔数2〕に示すように、(dv/dt) 1 はdvA/dtとdvB/dtとの和で表される。
なお、継ぎ手を3つ以上有する場合には、継ぎ手部分の気体の溶解速度(dv/dt) 1 は、全ての継ぎ手における気体の溶解速度の総和で表される。
また、(dv/dt) 2 は供給ホース部分の気体の溶解速度であり、次式〔数3〕に示すようにホース部分の溶解速度の総和で表される。
〔数3〕(dv/dt) 2 =(dvc/dt)+(dvD/dt)+…
供給ホース210及び供給ホース212における気体の溶解速度をそれぞれdvc/dt、dvD/dtとすると、〔数3〕に示すように、(dv/dt) 2 はdvc/dtとdvD/dtとの和で表される。継ぎ手の場合と同様に、供給ホースを3つ以上有する場合には、供給ホース部分の気体の溶解速度(dV/dt)2 は、全ての継ぎ手における気体の溶解速度の総和で表される。供給ホースにおける気体の溶解速度は、供給ホースの数及び各供給ホースの材質、表面積、長さ等から決められる。
更に、(dv/dt) 3 は気温(環境温度)による気体の溶解速度である。
上述した気体の溶解速度がデータ化されたデータテーブルを用意して、図7に示したメモリ74などのメモリ手段に記憶しておき、該データテーブルを参照しながらインクの溶存気体量を推測してもよいし、図9及び図10に示したグラフ、数式をプログラム化し、該プログラムを用いて記憶してインクの溶存気体量を推測してもよい。
なお、該データテーブルや該プログラムを記録するメモリ手段には、該データテーブルや該プログラムを更新できるように、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリを用いることが好ましい。
該データテーブルや該プログラムをメモリカード、CD−ROM等のリムーバブルな媒体に記憶させ、装置の電源オン時に該データテーブルや該プログラムを装置内に読み込むように構成すると、常に最新のデータテーブルを参照することができる。
次に、図11を用いて、インクジェット記録装置10の脱気制御について説明する。図11は、インクジェット記録装置10に備えられた脱気制御の流れを示すフローチャートである。
印字データを取得して印字が開始されると(ステップS10)、溶存酸素計63によって計測されたインクの溶存気体量が規定値を超えているか否かが判断される(ステップS12)。
溶存酸素計63の計測値が規定値を超えていない場合には(NO判定)、ステップS14に進み、溶存気体量の推測値が該規定値を超えているか否かが判断される。
ステップS14において、溶存気体量の推測値が該規定値を超えていないと判断される場合には(NO判定)、ステップ16に進み、印字が継続される。
印字実行中には印字終了の監視が行われ(ステップS18)、ステップS18において印字が終了されない場合には(NO判定)、ステップS12に戻り、溶存酸素計63の計測値の監視が行われる。
一方、ステップS18において、最後の印字データを印字し終わるか、印字終了操作が行われると(YES判定)、本インクジェット記録装置10の印字制御が終了される(ステップS20)。
また、ステップS14において、溶存気体量の推測値が該規定値を超えていると判断される場合には(YES判定)、印字が中断され、ステップS24に進む。ステップS24では、印字ヘッド50内の未使用インクが、図8に示した循環路100を介して脱気装置62に送られて、該インクの脱気処理が実行される。
その後、ステップS26に進み、溶存気体量の推測値がリセットされ、ステップS12に進む。
また、ステップS12において、溶存酸素計63の計測値が該規定値を超えると判断された場合には(YES判定)、ステップS22に進み、溶存気体の推測値が該規定値を超えるか否かが判断される。溶存気体量の推測値が該規定値を超えない場合には(NO判定)、ステップS16に進み印字が継続される。
ステップS22において、溶存気体量の推測値が該規定値を超える場合には(YES判定)、ステップS24に進み、印字ヘッド50内の未使用インクが脱気装置62に送られ、脱気装置62を用いてインクの脱気処理が行われる。
言い換えると、溶存酸素計63の計測値が該規定値を超えている場合にも、溶存気体量の推測値が該規定値を超えていない場合には(即ち、図11のステップS14のNO判定)、印字を継続させ、溶存酸素計63の計測値よりも溶存気体の推測値が優先された制御が行われる。
一方、溶存酸素計63の計測値が該規定値を超えると共に、溶存気体量の推測値が該規定値を超える場合(即ち、ステップS22のYES判定)には、印字を中断した後に、印字ヘッド50内の未使用インクを脱気装置62に戻して脱気処理を行い、脱気度(インクの溶存気体量)が該規定値を下回るまで印字を再開しないように制御される。
ここで、印字ヘッド50内の未使用インクを脱気するために循環させると、印字ヘッド50内の内圧が変動するために、インクを吐出できないことがある。したがって、印字ヘッド50内のインクを循環させるときには、印字は中断される。
また、溶存酸素計63の計測値が該規定値を超えない場合に、溶存気体量の推測値が該規定値を超えることは、溶存気体量の推測のときに安全率を1以上としているので、通常ではありえないと考えられる。この場合には、印字ヘッド50及びインク供給系の温度変化があった可能性が考えられるので、印字ヘッド50内及びインク供給系のインクを再脱気し、溶存気体量の推測値がリセットされるように制御が行われる。
この処理の後に、同じ現象が起きた場合(即ち、再度ステップS22においてYES判定となる場合)には、溶存酸素計63の故障が考えられるので、異常アラームを発生させるように制御が行われる。
本例に示したインク供給系には印字ヘッド50からサブタンク61への循環路100に溶存酸素計63を備えたが、脱気装置62の脱気能力が十分高く、インクに含まれる溶存気体量が一定以下になる場合には、溶存酸素計63を備えなくてもよい。
溶存酸素計63を省略した態様では、脱気装置62から印字ヘッド50までインクの移動時間から、印字ヘッド50内の溶存気体量を推測して、該推測値が所定の規定値を超えた場合には、印字ヘッド50内の未使用インクは脱気装置62へ戻されて、再脱気が実行される。再脱気が行われた後に、インクの溶存気体量が規定値を下回るようになると、印字が再開される。
なお、溶存酸素計63が省略された態様では、図11に示したフローチャートのうち、ステップS12が省略される。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、システムコントローラ72などを用いた溶存気体量推測手段を用いて、印字ヘッド50内の溶存気体量を推測し、該溶存気体量の推測値が所定の規定値を超える場合には、印字ヘッド50内の未使用インクを含んだインクは循環路100を介して脱気装置62に送られ、脱気処理を行った後に印字ヘッド50へ供給されるように構成したので、印字ヘッド50内には溶存気体量が許容値を下回るインクが供給され、インクに発生する気泡に起因する吐出異常を防止することができる。また、パージや吸引などのメンテナンスを減らすことができるので、メンテナンス時に消費される無駄なインクを発生させない。
また、印字ヘッド50からサブタンク61への循環路100に(即ち、印字ヘッド50の下流側に)溶存酸素計63を備えると、印字ヘッド50内のインクの溶存気体量を計測して溶存気体量を判断することができる。脱気装置の脱気能力がインクの最大流量よりも十分に大きい場合、脱気装置62を通過したインクの溶存気体量は、ある一定量の飽和状態になっていると考えられる。したがって、溶存酸素計63は必ずしも必要ではなく、溶存気体量の推測値に基づいて制御を行ってもよい。但し、溶存酸素計63を備えない態様では、脱気装置の異常(真空ポンプの能力が不足して所望の脱気度に達しないなど)が判断できないといった問題点がある。
循環路100を含んだ循環系を備える態様でも、図4に示したノズル51内及び圧力室52内のインクは循環させることができないので、再脱気のためにインクを循環させる際に、パージや吸引を併用するとよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置10のインク管理方法及び脱気処理制御について説明する。
図12に、第2実施形態に係るインクジェット記録装置10が有するインク供給系の概略構成を示す。図12中、図8と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図12に示すように、該インク供給系は、インク流路の上流側からインクボトル60、サブタンク61、脱気装置62、溶存酸素計63、印字ヘッド50の順に配置されている。言い換えると、図8に示したインク供給系と比べると、溶存酸素計63が印字ヘッド50の上流側に配置され、循環路100が省略された構成になっている。
図13には、図12に示したインク供給系を有するインクジェット記録装置10の脱気制御の流れを示したフローチャートである。
印字データを取得して印字が開始されると(ステップS100)、溶存酸素計63によって計測されてインクの溶存気体量が所定の規定値を超えているか否かが判断される(ステップS102)。
溶存酸素計63の計測値が所定の規定値を超えていない場合には(NO判定)、溶存気体量の推測値が該規定値を超えているか否かが判断される(ステップS104)。
ステップS104において、溶存気体量の推測値が該規定値を超えていない場合には(NO判定)、ステップ106に進み、印字が継続され、印字終了の監視が行われる(ステップS108)。ステップS108において印字が終了されない場合には(NO判定)、ステップS102に戻り、溶存酸素計63の計測値の監視が行われる。
一方、ステップS108において、最後の印字データを印字し終わるか、印字終了操作が行われると(YES判定)、本インクジェット記録装置10の印字制御が終了される(ステップS110)。
また、ステップS104において、溶存気体量の推測値が該規定値を超えている場合には(YES判定)、印字が中断され、ステップS112に進み、印字ヘッド50内にはパージ及び吸引等の回復処理が施される。
その後、溶存気体量の推測値がリセットされ(ステップS114)、ステップ102に進む。
一方、ステップS102において、溶存気体量の推測値が該規定値を超える場合には(YES判定)、ステップS112に進み、印字ヘッド50内にはパージ及び吸引等の回復処理が施される。
即ち、溶存酸素計63の計測値が該規定値を超えている場合には(即ち、図13のステップS102のYES判定)、印字を中断させ、印字ヘッド50には、パージ、吸引等の回復処理が施されるように制御が行われる。
また、溶存酸素計63の計測値が該規定値を超えず、且つ、溶存気体量の推測値が該規定量を超える場合には(即ち、図13のステップS104のYES判定)、印字を中断させ、印字ヘッド50にはパージ及び吸引等の回復処理が施されるように制御が行われる。なお、回復処理は、溶存気体量が該規定値以下になるまで継続して行われる。
一方、溶存酸素計63の計測値が該規定値を超えず、溶存気体量の推測値が該規定値を超えない場合には(即ち、ステップS104のNO判定)、通常の印字を継続させる。
本例においても溶存酸素計63を省略した態様が可能である。この場合には溶存気体量の推測値が所定の規定値を超えた場合には、印字が中断され、パージ及び吸引等の回復処理が実行され、一方、溶存気体量の推測値が所定の規定値を超えない場合には、通常の印字が継続されるように制御が行われる。本態様は、溶存酸素計63を備える態様において、溶存酸素計63が故障した場合に適用するとよい。
本例では、脱気装置が省略された態様を適用することができる。即ち、図12に示したインク供給系に印字ヘッド50からサブタンク61への循環路を持たないので、印字ヘッド50内の未使用のインクを循環させ、再脱気することができない。言い換えると、溶存気体量の計測値が所定の規定値を超える場合には、印字ヘッド50内のインクは印字ヘッドの外部へ排出させるしかないので、十分に脱気されたインクを用いることにより、脱気装置62を省略できる。但し、脱気装置62を用いない場合でも、インク流路内に溶存酸素計を配置して、印字ヘッド50内部での溶存気体量を推測するように構成してもよい。
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、溶存気体量の推測値が所定の規定値に近くなった場合、印字ヘッド50の保温温度を下げて気泡の発生を防止するとよい。一般に、液体の温度が低くなると、該液体内に溶存可能な気体量は増加する。
また、不吐出検出を行う間隔を短くして、吐出異常による印字不良が起こる可能性を低くすることが好ましい。
図11及び図13には、印字実行時における脱気制御を例示したが、本制御は印字インターバル時や印字待機中にも適用可能である。
本実施形態では被記録媒体の全幅に対応したラインヘッド型の印字ヘッドを例示したが本発明は短尺の印字ヘッドを被記録媒体の幅方向に走査させながら印字を行うシリアル型印字ヘッドにも適用可能である。
また、インクの吐出方式に圧電素子を駆動させてインクに吐出力を与える方式を例示したが、インクの吐出方式には、ヒータなどの熱源を用いてインクを加熱して発生するバブルによってインクに吐出力を与えるバブルジェット方式を適用してもよい。
本発明はインクジェット記録装置の他に水、処理液、薬液などの液体を吐出ヘッドに備えられたノズルから被吐出媒体上に吐出させる液滴吐出装置にも適用することができる。
本実施形態に示したインク管理方法及び脱気制御方法をプログラム化し、内部メモリやメモリカード等の記録手段に記録することができる。また、該プログラムを記録した記録媒体を頒布してもよい。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の基本構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 図1に印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3中4−4線に沿う断面図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のインク供給系の構成を示す要部ブロック図 本実施形態に係るインクジェット記録装置の脱気装置の構成を示す概略構成図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 第1実施形態に係るインク供給系の概略構成を示すブロック図 溶存気体量とインクの移動時間との関係を示すグラフ 図8に示したインク供給系の構成部材の一例を示す構成図 第1実施形態に係る脱気制御の流れを示すフローチャート 第2実施形態に係るインク供給系の概略構成を示すブロック図 第2実施形態に係る脱気制御の流れを示すフローチャート
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、60…インクボトル、61…サブタンク、62…脱気装置、63…溶存酸素計、72…システムコントローラ、100…循環路

Claims (10)

  1. 被記録媒体上に液滴を吐出させる記録ヘッドと、
    前記記録ヘッド内の液の溶存気体量を推測する溶存気体量推測手段と、
    前記溶存気体量推測手段によって推測された液内の溶存気体量が所定の規定値を超える場合には、前記記録ヘッド内の液の回復処理を実行する液回復手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記記録ヘッドの液流方向上流側に、前記記録ヘッドに供給される液の溶存気体量を計測する溶存気体量計測手段を備え、
    前記溶存気体量計測手段によって計測された溶存気体量が前記規定値を超える場合には、前記液回復手段は前記記録ヘッド内の液の回復動作を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記記録ヘッドの液流方向下流側に、前記記録ヘッドから送出される液の溶存気体量を計測する溶存気体量計測手段を備え、
    前記溶存気体量推測手段によって推測された液の溶存気体量が前記規定値を超えていない場合には、前記溶存気体量計測手段によって計測された溶存気体量が前記規定値を超えていても、前記液回復手段は前記記録ヘッド内の液の回復動作を行わないことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記液回復手段には、前記記録ヘッド内の液に含まれる溶存気体の少なくとも一部を除去する脱気手段を含むことを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
  5. 前記液回復手段には、前記記録ヘッドが有する吐出孔から該記録ヘッド内の液を外部へ排出させる液排出手段を含むことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記記録ヘッドに供給される液を蓄える前記液供給手段と、
    前記記録ヘッドの液流下流側に設けられた前記溶存気体量計測手段を有し、前記記録ヘッドから前記液供給手段へ液を循環させる循環路と、
    前記液供給手段の液流方向下流側に設けられた前記脱気手段と、
    を備え、
    前記溶存気体量推測手段によって推測された液の溶存気体量が、前記規定値を超える場合には、前記液回復手段は前記記録ヘッド内の液を前記循環路によって前記液供給手段へ循環させると共に、前記溶存気体量計測手段の計測値が前記規定値以下になるように前記脱気手段を用いて、前記記録ヘッドに供給される液の脱気処理を行うことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  7. 前記記録ヘッドに供給される液を蓄える前記液供給手段と、
    前記液供給手段の液流方向下流側に設けられた前記脱気手段と、
    前記脱気手段の液流方向下流側に設けられた前記溶存気体量計測手段と、
    前記溶存気体量計測手段の液流方向下流側に設けられた前記記録ヘッドと、
    を備え、
    前記溶存気体量推測手段によって推測された液の溶存気体量が、前記規定値を超える場合には、前記液回復手段は前記液排出手段を用いて前記記録ヘッド内の液を前記記録ヘッド外部に排出する一方、前記液供給手段から前記記録ヘッドに供給される液の溶存気体量を前記溶存気体量計測手段によって計測し、該液の溶存気体量が前記規定値以下になるように前記脱気手段を用いて脱気処理を行うことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  8. 前記記録ヘッドの保存温度を調整する記録ヘッド温調手段と、
    前記溶存気体量推測手段によって推測された溶存気体量が前記規定値に近づいた場合には、前記記録ヘッド温調手段を用いて該記録ヘッドの保存温度を下げるように制御する記録ヘッド温調制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記溶存気体量推測手段は、液流路を移動する液の移動時間から該液に含まれる溶存気体量を推測することを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の画像形成装置。
  10. 被記録媒体上に液滴を吐出させる記録ヘッドを備えた画像形成装置の液管理方法であって、
    前記記録ヘッド内の液の溶存気体量を推測し、推測された溶存気体量が所定の規定値を超える場合には、前記記録ヘッド内の液に回復動作を施すことを特徴とする液管理方法。
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