JP2006264170A - 液体搬送管および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液体を条件に応じて効率良く搬送する技術を提供する。
【解決手段】 本発明に係るインクジェット式記録装置などの画像形成装置は、インクなどの液体を貯蔵する液体貯蔵タンクと、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体貯蔵タンクと液体吐出ヘッドとを連通する液体流路を有し、当該液体流路の断面積を略全長に亘って可変な液体搬送管と、液体流路の断面積を制御する断面積制御手段と、を備える。
【選択図】 図7
【解決手段】 本発明に係るインクジェット式記録装置などの画像形成装置は、インクなどの液体を貯蔵する液体貯蔵タンクと、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体貯蔵タンクと液体吐出ヘッドとを連通する液体流路を有し、当該液体流路の断面積を略全長に亘って可変な液体搬送管と、液体流路の断面積を制御する断面積制御手段と、を備える。
【選択図】 図7
Description
本発明は、液体搬送管および液体搬送管を備える画像形成装置に関し、特に、流路断面積が可変である液体流路を有する液体搬送管に関連する。
近年、画像を印刷する記録装置としてインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が広く普及している。このインクジェット記録装置は、記録紙などの記録媒体とインクジェット式記録ヘッドとを相対的に移動させながら、インクジェット式記録ヘッドから記録媒体に向かってインク滴を吐出させることで、所望の画像をプリントする。このときインクジェット式記録ヘッドから吐出されるインクは、インクタンクからインクジェット式記録ヘッドに適宜供給される。インクジェット式記録ヘッドにおける安定したインク吐出性能を確保する観点から、インクが安定した状態でインクジェット式記録ヘッドに供給されることが好ましい。
一般に、インクは所定の搬送管を介してインクタンクからインクジェット式記録ヘッドに送られる。搬送管を介してインクを搬送する場合、インクと搬送管との管摩擦をコントロールしてエネルギーロスを抑え、適切な液圧のインクを搬送管内に安定した状態で流すことが大切である。このような事情から、インクタンクからインクジェット式記録ヘッドにインクを適切に供給するための様々な技術が提案されている。
例えば特許文献1では、断面積が異なる複数の流路が形成されたバルブを備えるインクジェット記録装置が開示されている。このインクジェット記録装置では、インクジェット記録ヘッドの作動条件に応じてバルブの流路を切り換えることにより、インクの流れが調整される。また特許文献2では、ヒータを備えるインクジェットプリンタが開示されている。このインクジェットプリンタでは、インク供給系内のインクの温度がヒータによって調整されることで、インク粘度の偏りが防がれ、インクの圧力損失の変動が抑制される。また特許文献3では、変圧ポンプを備えるインクジェットプリンタが開示されている。このインクジェットプリンタでは、変圧ポンプによって、インク流路を流れるインクの圧力が調整される。
特開2000−343720号公報
特開2003−220714号公報
特開2003−127418号公報
しかしながら、特許文献1に記載のインクジェット記録装置では、予め準備されている複数の流路の中から1つの流路が選択されるので、流路の断面積を予め設定されている大きさにしか変更できない。また、このインクジェット記録装置は、インク流路の一部分のみの流路断面積が調整される構成となっているので、バルブ内の局所的な流速制御しかできず、インクタンクとインクジェット記録ヘッドとを連通する搬送管が長くなる場合には不向きである。
また、特許文献2に記載のインクジェットプリンタでは、ヒータを使用するため、消費電力が比較的大きくなってコストアップにつながる。また、インクを所望の温度に調整するためには一定の時間が必要とされるので、インク粘度を瞬時に制御してインクの流れを素早く制御する必要がある場合には不向きである。
また、特許文献3に記載のインクジェットプリンタは、変圧ポンプによってインクの圧力を強制的に調整する構成となっているので、変圧ポンプの性能によっては、インク圧力を細かく調整することが難しい場合がある。そのため、変圧ポンプによって大きな圧力をインクに加える場合には、ノズル開口部のインクのメニスカスの形状が崩れてしまい、印字不良を誘発する可能性がある。
本発明は上述の事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、液体を条件に応じて効率良く安定的に搬送する技術を提供することにある。
前記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、液体を貯蔵する液体貯蔵タンクと、液体吐出データに基づいて前記液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体貯蔵タンクと前記液体吐出ヘッドとを連通する液体流路を有し、当該液体流路の断面積を略全長に亘って可変な液体搬送管と、前記液体流路の断面積を制御する断面積制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置に関する。
本発明のこの態様によれば、液体流路の断面積が略全長に亘って可変に設けられているので、液体搬送管の長さによらず、環境や液体の状態に応じて液体を効率良く安定的に搬送することができる。
また、請求項2に記載のように、前記液体搬送管は、前記液体流路と、封入される封入材の量に応じて断面積が可変な封入材室と、を有し、前記断面積制御手段は、前記封入材室に封入する封入材の量を調整することで、前記液体流路の断面積を制御するようにしてもよい。
この場合、制御性を向上させることができ、封入材室に封入する封入材の量に応じて、非常に簡単に液体流路の断面積を制御することができる。なお、封入材は、実施態様に応じて任意の物質を利用することができ、気体、液体、および固体のいずれであってもよい。ただし、封入材は、液体流路を流れる液体への影響が少ない方が好ましい。そのため、例えば流体流路内の液体温度への影響を小さくする観点からは、断熱性に優れた部材であることが好ましい。
また、請求項3に記載のように、前記封入材室内には、所定の剛性率を有する支持部材が設けられていてもよい。この場合、支持部材によって液体搬送管の剛性が維持されるため、液体搬送管の脈動を効果的に防ぐとともに、液体搬送管の取り扱いが容易になる。なお、支持部材は、封入材の浸透が可能な多孔質部材であることが好ましい。また、支持部材の形状は、特に限定されず、封入材室内に充填するように設けたり、管状に形成したりすることが可能である。
また、請求項4に記載のように、前記断面積制御手段は、前記液体流路の壁面と前記液体との管摩擦に基づいて、前記液体流路の断面積を制御するものであってもよい。この場合、例えば管摩擦をコントロールしてエネルギーロスを抑えるように、液体流路の断面積を制御することができる。
また、請求項5に記載のように、前記断面積制御手段は、前記液体流路の壁面と前記液体との管摩擦によるエネルギー損失量が所定値になるように、前記液体吐出データに基づいて前記液体流路の断面積を制御するものであってもよい。
この場合、液体流路の断面積が液体吐出データに応じて制御されるので、液体吐出ヘッドに効率良く液体を搬送することができる。また液体吐出ヘッドのメニスカスの背圧を制御して、ノズル漏れを防止し、液体吐出ヘッドからの液体吐出のバラツキを抑えて安定した液体吐出を実現することができる。なお、ここでいう「管摩擦によるエネルギー損失量」には、例えば管摩擦による液体の圧力損失量などが含まれる。
また、請求項6に記載のように、前記液体流路内の前記液体の粘度を導出する液体粘度導出手段を更に備え、前記断面積制御手段は、前記液体流路の壁面と前記液体との管摩擦によるエネルギー損失量が所定値となるように、前記液体粘度導出手段の導出結果に基づいて前記液体流路の断面積を制御するものであってもよい。
この場合、液体流路の断面積が液体流路内の液体粘度に応じて制御されるので、液体搬送を精度良く制御して、液体吐出ヘッドに効率良く安定的に液体を搬送することができる。
また、請求項7に記載のように、前記液体流路内の前記液体の圧力を計測する液体圧力計測手段を更に備え、前記断面積制御手段は、前記液体流路内の前記液体の圧力が所定範囲に含まれるように、前記液体圧力計測手段の計測結果に基づいて前記液体流路の断面積を制御するものであってもよい。
この場合、液体流路の断面積が液体流路内の液体圧力に応じて制御されるので、流体流路内の液体の搬送状態が急激に変化する場合にも良好な応答性によって、液体吐出ヘッドに効率良く安定的に液体を搬送することができる。
また、請求項8に記載のように、前記断面積制御手段は、液体吸引モード、初期充填モード、および通常印字モードを少なくとも含む運転モードのうち選択されているモードに応じて前記液体流路の断面積を制御するものであってもよい。
この場合、運転モードに対して適切な状態となるように液体流路の断面積が制御されるので、運転モードに応じて効率良く液体吐出ヘッドにインクを搬送することができる。また、液体吐出ヘッドの吐出回復時や液体の初期充填時に、気泡や異物を排除したり、液体搬送管内の気泡付着を防止したり、液体吐出ヘッド内への液体の充填時間を短縮することができる。なお、ここでいう「運転モード」とは、画像形成装置の動作を規定するモード全般を含みうる概念である。液体吐出ヘッド内の液体を吸引する液体吸引モード、初期稼働時の初期充填モード、および通常印字モードの他に、例えば、記録時の液体吐出モード、劣化液体の吐出モード、メニスカス調整のための液体吐出モード、異物排除のための液体吐出モード、液体カートリッジの交換モード、液体タンクに対する液体充填モード、液体吸引モード、休止モード、等の運転モードが「画像形成装置の運転モード」に含まれうる。
前記目的を達成するために請求項9に記載の発明は、所定の液体を搬送するための液体流路と、封入される封入材に応じて断面積が可変な封入材室と、を備え、前記封入材室に封入される封入材の量が調整されることで、前記液体流路の断面積が略全長に亘って可変であることを特徴とする液体搬送管に関する。
本発明のこの態様によれば、封入材室における封入材の封入量を調整することにより液体流路の断面積が略全長に亘って可変に設けられているので、液体搬送管の長さによらず、環境や液体の状態に応じて液体を効率良く安定的に搬送することができる。
なお、上述の各構成要素を適宜組み合わせものや、各発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものも、本発明の態様として有効である。
本発明の画像形成装置によれば、条件に応じて液体流路の断面積を略全長に亘って変えることができ、液体吐出ヘッドから安定的に液体を吐出させることが可能となる。
また、本発明の液体搬送管によれば、条件に応じて液体流路の断面積を略全長に亘って変えることができ、液体を効率良く安定した状態で搬送することができる。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態では、インクジェット式記録ヘッドに本発明を応用した例について説明する。
(第1の実施形態)
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態に関するインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備える。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は、本発明の一実施形態に関するインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備える。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1に示すように裁断用のカッター28が設けられ、ロール紙はカッター28によって所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、当該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へ送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有し、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示すように、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において、印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられている。この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによって、ベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へ搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、給水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラーが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを、記録紙16の搬送方向(副走査方向)に対して直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、図2に示すように、インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン又は1個の帯状の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン又は1個の帯状ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査
方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンダなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
インク貯蔵/装填部14は、図1に示すように、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を通知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を有するとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサー(ラインセンサー等)を含み、当該イメージセンサーによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサーで構成される。このラインセンサーは、赤(R)の色フィルターが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサー列と、緑(G)の色フィルターが設けられたGセンサー列と、青(B)の色フィルターが設けられたBセンサー列と、からなる色分解ラインCCDセンサーで構成されている。なお、ラインセンサーに代えて、受光素子が二次元に配列されて成るエリアセンサーを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分
を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソータが設けられている。
を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソータが設けられている。
(印字ヘッドの構造)
次に、印字ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)の構造について説明する。なお、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通する。以下、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを代表して表す場合には、符号50を付す。
次に、印字ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)の構造について説明する。なお、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通する。以下、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを代表して表す場合には、符号50を付す。
図2は、印字ヘッドを示す図であり、図2(a)は印字ヘッドの構造例を示す平面透視図であり、図2(b)は図2(a)の一部を拡大した図である。本実施形態の印字ヘッド50では、図2(a)に示すように、圧力室ユニット54が千鳥状であって2次元マトリクス状に高密度に配列されている。この圧力室ユニット54は、インクを液滴として吐出するノズル51と、インクを吐出する際に内部のインクに圧力が付与される圧力室52と、共通流路(図4の符号55参照)から圧力室52にインクを供給するためのインク供給口53とを含んで構成されている。
また、図2(b)に示すように、各圧力室52を上方から見た場合に、その平面形状は略正方形状をしており、圧力室52には、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端にインク供給口53が設けられている。なお、圧力室52の平面形状はこのような正方形に限定されるものではない。
図3は、印字ヘッドの他の構造例を示す平面透視図である。図に示すように、複数の短尺ヘッド50’を2次元の千鳥状に配列して繋ぎ合わせ、これらの複数の短尺ヘッド50’全体で印字媒体の全幅に対応する長さとなるようにして1つの長尺のフルラインヘッドを構成するようにしてもよい。
図4は、図2(a)および図2(b)中の4−4線に沿った断面図であり、一つの圧力室ユニット54の側断面を示す。
図4に示すように、圧力室52は、ノズル51と連通するとともに、インク供給口53を介して共通流路55と連通している。共通流路55は、インク供給源たるインク貯蔵/装填部14のインクタンクと連通している。インクタンクから供給されるインクは、共通流路55を介して各圧力室52に分配供給されるようになっている。
圧力室52の天面は薄板の振動板56で構成され、振動板56には個別電極57が取り付けられた圧電素子(圧電アクチュエータ)58が接合されている。振動板56は共通電極を兼ねており、個別電極57と共通電極(振動板)56に駆動電圧を印加することによって圧電素子58が変形して圧力室52の容積が変化する。この圧力室52の容積の変化に伴う圧力室52内のインクの圧力変化によってノズル51からインクが吐出される。インク吐出後、次の吐出に備えて、共通流路55からインク供給口53を通って新しいインクが圧力室52に充填される。
〔インク供給系の構成〕
図5は、印字ヘッド50に対するインク供給系60を示す図であり、特に記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22との関係を示す図である。
図5は、印字ヘッド50に対するインク供給系60を示す図であり、特に記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22との関係を示す図である。
印字ヘッド50にはインク搬送管100を介してサブインクタンク103が接続され、サブインクタンク103にはインク供給路117を介してメインインクタンク101が接続されている。インク搬送管100にはフィルタ62が設けられ、インク供給路117にはインク用ポンプ107が設けられている。インク搬送管100のうちサブインクタンク103との接続部近傍には、封入材供給路119を介して封入材タンク105が接続されている。封入材供給路119のうち、サブインクタンク103と封入材タンク105の間には封入材用ポンプ109が設けられ、インク搬送管100と封入材用ポンプ109の間には封入材調整弁112が設けられ、インク搬送管100と封入材調整弁112の間には封入材用センサ113が設けられている。そして、封入材用ポンプ109、封入材調整弁112、および封入材用センサ113には、システム制御ユニット115が接続されている。
メインインクタンク101は、サブインクタンク103にインクを供給するための基タンクであり、印字ヘッド50から吐出されるインクの種類に応じた数だけ設けられている。なお、メインインクタンク101のインク補充方式には、主に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインクの種類を代える場合、カートリッジ方式のほうが適しており、予め用意されているバーコード等からインクの種類情報を識別し、インク種類に応じた吐出制御を行うことが可能である。
サブインクタンク103は、メインインクタンク101に対応するようにして設けられ、インク用ポンプ107によってメインインクタンク101から送られてくるインクを一時的に貯留する。このサブインクタンク103は、ヘッドに所定の背圧を付与する機能と、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー機能と、リフィルを改善する機能とを有する。なお、サブインクタンク103は、印字ヘッド50の近傍に設けられることで、印字ヘッド50へのインク供給をより効果的に安定化させることができる。サブインクタンク103での背圧発生方式としては、サブインクタンク103内を大気開放系にしてヘッドのノズル面に対するサブインクタンク103内のインクの液面高さを所定値に設定する方式、およびサブインクタンク103を密閉系にして強制的に背圧を付与する方式、のいずれであってもよい。サブインクタンク103内のインクが使用されて減少した際には、インク用ポンプ107を駆動してメインインクタンク101からインクを補給する。インク用弁110は常時閉であり、インク補給時だけ開く。
フィルタ62は、インク搬送管100を流れるインクに含まれる気泡や異物を除去するための浄化フィルタであり、メッシュ状を有する。フィルタ62のフィルタ・メッシュサイズは、印字ヘッド50のノズル径と同等若しくはノズル径以下とすることが好ましく、例えば20μm程度にフィルタ・メッシュサイズを設定することもできる。
インク用ポンプ107は、メインインクタンク101と印字ヘッド50の間のインク搬送の駆動源であり、システム制御ユニット115に制御されてインク搬送量を調整する。なお、インク用ポンプ107は、メインインクタンク101からサブインクタンク103へインクを搬送するだけではなく、サブインクタンク103からメインインクタンク101へインクを搬送することも可能である。
インク搬送管100は、詳細については後述するが(図7乃至9参照)、サブインクタンク103のインクがヘッドに供給されるとともに、封入材供給路119を介して封入材が供給されるようになっている。サブインクタンク103からインク搬送管100に供給されるインクは、印字ヘッド50に供給され、最終的には印字ヘッド50から記録紙16に吐出される。一方、封入材供給路119からインク搬送管100に供給される封入材は、インク搬送管100内に封入され、印字ヘッド50には供給されない。
封入材タンク105は、インク搬送管100に供給される所定の封入材を貯留するタンクである。封入材は、気体、液体、ゲル物質などの流動性を有する流動体が用いられ、断熱性に優れた部材であることが望ましく、例えば熱伝導率が0.05(W/m・K)以下であることが好ましい。そのため、アルゴンなどの不活性ガス、空気、水などを封入材として利用することができる。
封入材用ポンプ109は、封入材タンク105とインク搬送管100の間の封入材搬送の駆動源であり、システム制御ユニット115に制御されて封入材搬送量、封入材搬送圧などを調整する。なお、封入材用ポンプ109は、封入材タンク105からインク搬送管100へ封入材を搬送するだけではなく、インク搬送管100から封入材タンク105へ封入材を搬送することも可能である。
封入材調整弁112は、封入材供給路119を流れる封入材の流量を調整する弁であり、システム制御ユニット115に制御されて弁開度が調整される。本実施形態の封入材調整弁112は、封入材用ポンプ109と協働して、インク搬送管100に封入される封入材の量を調整する。
封入材用センサ113は、封入材供給路119を流れる封入材の状態量を計測するセンサ類全般を含み、例えば封入材の圧力を計測する圧力センサや封入材の温度を計測する温度センサを含む。
上述のように、印字ヘッド50にインクを供給するインク供給系60は、メインインクタンク101、サブインクタンク103、封入材タンク105、インク用ポンプ107、封入材用ポンプ109、封入材調整弁112、封入材用センサ113、システム制御ユニット115、インク供給路117、封入材供給路119、等を含んで構成されており、インク貯蔵/装填部14(図1参照)に装填される。
図6は、印字ヘッド50に対するインク供給系60を示す図であり、特に印字ヘッド50のノズル面50Aの乾燥を防止するためのキャップ64との関係を示す図である。
インクジェット記録装置10は、印字ヘッド50のノズル面50Aをカバー可能な大きさを有するキャップ64と、キャップ64に回収インク搬送路69を介して接続された回収タンク68と、を有する。キャップ64の近傍には、ゴムなどの弾性部材で形成されたクリーニングブレード66が設けられており、回収インク搬送路69には吸引ポンプ67が設けられている。
キャップ64は、図示しない昇降機構によって所定の上昇位置まで上昇可能に設けられ、電源OFF時や印刷待機時には印字ヘッド50に対し相対的に昇降変位させられる。所定の上昇位置に配置されたキャップ64は、印字ヘッド50に密着した状態でノズル面50Aのノズル領域を覆い、ノズル面50Aの乾燥を防いでノズル近傍のインクの粘度上昇を防止する。一方、クリーニングブレード66は、図示しないブレード移動機構によって移動させられ、印字ヘッド50のインク吐出面であるノズル面50Aを摺動可能に設けられている。不要なインク滴や異物がノズル面50Aに付着した場合、ノズル面50A上を摺動するクリーニングブレード66によっていわゆるワイピングが行われ、ノズル面50Aに付着するインク滴や異物が拭き取られて、ノズル面50Aが清浄される。なお、キャップ64の内側には、インク受けとして機能するスポンジなどの多孔質部材が配置されており、キャップ64に向かって吸引、吐出されるインクは、その多孔質部材により形成されるインク受けを介して回収インク搬送路69に流入するようになっている。
このように、キャップ64およびクリーニングブレード66は、ノズル面50Aを清掃するメンテナンスユニットを構成し、図示しない移動機構によって印字ヘッド50に対し相対移動可能に設けられ、所定の退避位置から印字ヘッド50の下方のメンテナンス位置へ必要に応じて移動させられる。例えば、印字ヘッド50内(例えば圧力室52内)のインクに気泡が混入した場合、キャップ64によって印字ヘッド50をキャッピングし、吸引ポンプ67によって印字ヘッド50内のインクを吸引して回収タンク68に送る。なお、インクタンク交換時などのように印字ヘッド50に新たなインクを装填した時や、長時間使用していない状態のインクジェット記録装置10の使用開始時などのように、印字ヘッド50内のインクの劣化が進んでいると予想される場合には、上述した「キャッピング時のインク吸引」を実施することで、印字ヘッド50から劣化インクを取り除くことができる。
また、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、そのノズル51の近傍のインクの粘度が上昇した場合には、その劣化インクをノズル51から排出するために、キャップ64に向かって予備吐出が行われる。印字ヘッド50では、インクを吐出しない状態がある時間以上続くと、ノズル51の近傍のインク溶媒が蒸発してインクの粘度が上昇してしまうので、吐出駆動用のアクチュエータを動作させてもノズル51からインクを吐出させることが難しくなる場合がある。そこで、インクの吐出が困難になる前にアクチュエータ111を動作させて、粘度が上昇したノズル51の近傍のインクをキャップ64内のインク受けに向かって吐出させる「予備吐出」が行われる。また、クリーニングブレード66によってノズル面50Aのワイピングが行われた後に「予備吐出」を行うことで、ワイピングによってノズル51内に混入した異物などがノズル51内に残留してしまうことを防ぐことができる。なお、「予備吐出」という用語は、一般には、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」、「フラッシング」とも呼ばれることがある。
吸引ポンプ67によるインク吸引は、印字ヘッド50の圧力室52内全体のインクに対して行われるので、インクの消費量が大きい。そのため、印字ヘッド50内のインクの粘度上昇が少ない場合には、予備吐出で対応することが好ましい。また、キャップ64の内側に仕切壁を配置して、その仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアにノズル面50Aを分割し、仕切壁によって仕切られるノズル面50Aの各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とすることが好ましい
次に、インク搬送管100の構成について説明する。図7は、第1の実施形態のインク搬送管100および封入材タンク105の構成関係を示す図であり、インク搬送管100、封入材供給路119、および封入材タンク105については断面構成が示されている。
次に、インク搬送管100の構成について説明する。図7は、第1の実施形態のインク搬送管100および封入材タンク105の構成関係を示す図であり、インク搬送管100、封入材供給路119、および封入材タンク105については断面構成が示されている。
インク搬送管100は、多重管構造を有し、中央に配置されているインク流路135と、インク流路135の周囲を取り囲むように配置されている封入材室137と、を有する。インク搬送管100の最外壁を構成する外層流路壁139は、剛性に優れた樹脂や金属などの部材よって形成されており、例えばテフロンやポリエチレンなどが用いられる。また、インク流路135と封入材室137の間に配置され両者を仕切るインク流路壁141は、弾性に優れた樹脂やポリマーなどの部材によって形成され、例えば合成ゴムなどが用いられる。
インク流路135は、サブインクタンク103と印字ヘッド50とを連通し、サブインクタンク103と印字ヘッド50との間でインクを搬送する役割を持つ。一方、封入材室137は、封入材供給路119を介して封入材タンク105と連通されており、封入材タンク105および封入材供給路119を介して送られてくる封入材97が封入されるようになっている。なお、封入材調整弁112が開いている間は、封入材供給路119と封入材タンク105との連通状態が維持されるが、封入材調整弁112が閉じられると、封入材供給路119と封入材タンク105との間の連通が切断されて、封入材97が封入材室137内に封止される。
上述のような構成を有するインク搬送管100において、インク流路壁141が伸縮性に優れた弾性部材によって形成されているので、インク流路壁141の伸縮の程度に応じて、インク流路135の断面積と封入材室137の断面積との割合が変化する。そのため、封入材室137内における封入材97の封入量に応じてインク流路壁141が伸縮し、インク流路135の断面積および封入材室137の断面積が変化する。
図8は、第1の実施形態のインク搬送管100の断面構成を示す図であり、インク流路壁141が比較的縮んだ状態を示す。図9は、第1の実施形態のインク搬送管100の断面構成を示す図であり、インク流路壁141が比較的伸びた状態を示す。図8に示すように、封入材室137内に封止される封入材97が多量となってインク流路壁141が縮んだ状態になると、インク流路135は断面積が小さくなって狭くなる。一方、図9に示すように、封入材室137内に封止される封入材97が少量となってインク流路壁141が伸びた状態になると、インク流路135は断面積が大きくなって広くなる。このように、インク流路135の断面積の大きさは、封入材室137内の封入材97の封入量に応じて調整可能となっている。
〔制御系の説明〕
図10は、システム制御ユニット115およびその周辺のハード構成の一例を示すブロック図である。システム制御ユニット115は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、インク用ポンプドライバ75、封入材用ポンプドライバ76、調整弁ドライバ77、モータドライバ78、ヒータドライバ79、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84、データ記憶部92、等を含む。
図10は、システム制御ユニット115およびその周辺のハード構成の一例を示すブロック図である。システム制御ユニット115は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、インク用ポンプドライバ75、封入材用ポンプドライバ76、調整弁ドライバ77、モータドライバ78、ヒータドライバ79、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84、データ記憶部92、等を含む。
通信インターフェース70は、外部の機器類との間のインターフェース部を構成し、例えばホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信する。通信インターフェース70には、例えばUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェース、セントロニクスなどのパラレルインターフェース、等を適用することができる。また、通信インターフェース70に、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示せず)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86等の外部機器から送出される画像データなどのデータ類は、通信インターフェース70を介してシステム制御ユニット115に取り込まれ、画像メモリ74に一旦記憶される。
画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像データなどのデータ類を一旦格納する記憶部であり、システムコントローラ72を介してデータの読み書きが行われる。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、インク用ポンプドライバ75、インク用弁ドライバ73、封入材用ポンプドライバ76、調整弁ドライバ77、モータドライバ78、ヒータドライバ79、等を制御する。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86とシステム制御ユニット115の間の通信制御、画像メモリ74に対する読み書き制御、搬送系のモータ88やヒータ89の制御、等のための制御信号を生成する。
インク用ポンプドライバ75は、システムコントローラ72からの指示信号に従ってインク用ポンプ107を駆動するドライバ(駆動回路)である。インク用弁ドライバ73は、システムコントローラ72からの指示信号に従ってインク用弁110を駆動するドライバである。封入材用ポンプドライバ76は、システムコントローラ72からの指示信号に従って封入材用ポンプ109を駆動するドライバである。調整弁ドライバ77は、システムコントローラ72からの指示信号に従って封入材調整弁112を駆動するドライバである。モータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示信号に従ってモータ88を駆動するドライバである。ヒータドライバ79は、システムコントローラ72からの指示信号に従ってヒータ89を駆動するドライバである。
印字検出部24は、上述のようにラインセンサーを含むブロックであり(図1参照)、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、システムコントローラ72によって制御され、画像メモリ74に記憶されている画像データに基づいて印字制御用の信号(印字制御信号)を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に送る。なお、プリント制御部80において生成される印字制御信号は、印字ヘッド50から吐出されるインク滴の吐出量や吐出タイミングに関連する情報が含まれる。このプリント制御部80は、印字検出部24から送られてくる「記録紙16に対するインクの吐出の有無やインク滴のバラツキなどの印字情報」に基づいて印字状態の監視を行い、必要に応じて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が接続されており、プリント制御部80における画像データの処理時に用いられる画像データやパラメータなどのデータが、画像バッファメモリ82に一時的に格納される。
ヘッドドライバ84は、プリント制御部80により与えられる印字制御信号(印字データ)に基づいて、各色に対応する印字ヘッド50のアクチュエータ111を駆動する。これにより、印字制御信号に基づく所望のドットサイズやドット配置が実現される。なお、ヘッドドライバ84は、印字ヘッド50の駆動条件を安定させるためのフィードバック制御を実施する系を含んでいてもよい。
データ記憶部92は、各種データを記憶する記憶デバイスであり、データ記憶部92に対するデータの読み込み及び書き込みは、システムコントローラ72およびプリント制御部80を介して適宜行われる。なお、画像メモリ74、画像バッファメモリ82、およびデータ記憶部92は、図10では相互に分離した態様で設けられる例について図示したが、ユニット構造のように単一構造とすることも可能である。同様に、プリント制御部80とシステムコントローラ72とは、相互に分離した状態で構成することもできるが、統合した単一のプロセッサで構成することも可能である。また、画像メモリ74、画像バッファメモリ82、およびデータ記憶部92の各々は、データを記憶することができる任意の記録媒体が用いられ、例えば半導体素子からなるメモリやハードディスクなどの磁気媒体が利用されうる。
次に、インク搬送管100のインク流路135および封入材室137の断面積の調整に関するシステム制御ユニット115の機能構成について説明する。図11は、システム制御ユニット115の機能構成を示すブロック図であり、特にインク搬送管100の断面積の調整に関連する機能について示す。なお、図11に示す機能ブロックの各々は、図10に示すシステム制御ユニット115のシステムコントローラ72などのハード構成が単独で若しくは複数の協働によって実現される。
システム制御ユニット115は、流路決定部121と、流路決定部121に接続された封入材用ポンプ制御部129、および封入材調整弁制御部131と、を含む。流路決定部121は、運転モード判定部123と、流量算出部125とを含んで構成されている。
流路決定部121は、印字指令に関するプリント指示信号や運転モードに関するモード信号を通信インターフェース70を介して受信するとともに、封入材用センサ113から送られてくる封入材97の圧力や温度などの状態量に関するセンサ計測信号を受信する。運転モード判定部123は、流路決定部121が受信するモード信号に基づいて、インクジェット記録装置10の運転モードを判定する。流量算出部125は、運転モード判定部123で判定された運転モードおよび流路決定部121が受信する各種信号に基づいて、インク搬送管100のインク流路135に流すべきインク流量や封入材室137に封入すべき封入材量を算出する。
封入材用ポンプ制御部129は、流量算出部125で算出された「封入材室137に封入すべき封入材量」に対応する流路決定部121から送られてくる制御信号に従って、封入材用ポンプ109を駆動する。封入材調整弁制御部131は、流量算出部125で算出された「封入材室137に封入すべき封入材量」に対応する流路決定部121から送られてくる制御信号に従って、封入材調整弁112の弁開度を調整する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
インク流路135および封入材室137を含む本実施形態のインク搬送管100では、封入材室137における封入材97の封入量がシステム制御ユニット115によって調整されることで封入材室137の断面積が制御され、インク流路135の断面積が略全長に亘って変えられる。より具体的には、システム制御ユニット115により制御される封入材用ポンプ109および封入材調整弁112によって、インク流路135の断面積が調整される。このとき、システム制御ユニット115は、インク流路135の壁面とインクとの管摩擦による圧力損失(以下、「管摩擦圧力損失」とも表記する)が所望量になるよう考慮して、インク流路135の断面積を調整する。
図12は、インク搬送管100のインク流路135および封入材室137の断面積の調整過程の概略を示すフローチャートである。まず、インクジェット記録装置10の運転モードが、ホストコンピュータ86および通信インターフェース70を介して送られてくるモード信号に基づき、システム制御ユニット115の運転モード判定部123において判定される(図12のステップS1)。本実施形態の運転モードは、主として、印字ヘッド50からインク滴を吐出させて所望の画像を記録紙16に印刷する印刷モードと、この印刷モード以外の非印刷モードと、に分けられる。
そして、インク流路135内に流すべきインク流量が、流量算出部125において導出される(ステップS2)。例えば、インクジェット記録装置10の運転モードが印字モードであると判定された場合には、流量算出部125において、ホストコンピュータ86および通信インターフェース70を介して送られてくる印字指令信号(印字データ)に基づき印字種類や印字サイズなどの印刷情報が特定され、インク流路135内に流すべきインク流量がその印刷情報から導き出される。一方、インクジェット記録装置10の運転モードが非印刷モードであると判定された場合には、流量算出部125において、インク流路135内に流すべきインク流量がその非印刷モードの種類に応じて導き出される。
そして、インク流量に応じた適切なインク流路135の断面積が、流量算出部125において導出される(ステップS3)。そして、そのようなインク流路135の断面積を実現するために必要とされる「封入材室137内における封入材の封入量」が、流量算出部125において導出される(ステップS4)。
そして、流量算出部125において求められた「インク流路135内に流すべきインク流量」「封入材室137内における封入材の封入量」に基づき、封入材用ポンプ109および封入材調整弁112の制御量が流路決定部121において算出され、その算出結果に応じた制御信号が流路決定部121から、封入材用ポンプ制御部129および封入材調整弁制御部131の各々に送られる。そして、封入材用ポンプ制御部129および封入材調整弁制御部131は、制御信号に応じて封入材用ポンプ109および封入材調整弁112を制御し、封入材室137に封入材97を封止する(ステップS5)。このように、封入材室137に封入する封入材97の量を調整することによってインク流路135の断面積が制御され、インクは適切な断面積を有するインク流路135を効率良く流される。
以上説明したように本実施形態では、インク流路135に流すべきインクの特性に応じてインク流路135が任意の断面積に精度良く調整されるので、インクを印字ヘッド50に安定的に搬送することができ、印字ヘッド50におけるインクの吐出性能を向上させることができる。特に、インク流路135の断面積を制御することでインクの搬送状態を制御するので、圧力ポンプによってインクの送圧をコントロールする場合に比べて、インクの搬送状態を緻密に制御することが可能である。また、インク流路135および封入材室137を含むインク搬送管100の略全体に亘ってインク流路135の断面積を調整することができる。そのため、インク流路135の長さによらずにインク流路135の断面積を適切な大きさに調整することができ、特にインク流路135が長い場合には管摩擦圧力損失を効果的に抑制することができる。また、ヒータなどのインクの温度調整機構を備えるインクジェット記録装置10に比べて、省エネルギー化を図ることができ、インク状態に対するインク流路135の追従性を向上させることができ、ヒータの始動に要するウォームアップが不要なので処理時間を短縮化させることができる。
次に、運転モードが印刷モードである場合のインク流路135の断面積の調整方法の一例について詳しく説明する。図13は、印刷モードにおけるインク流路135の断面積の調整方法の一例を示すフローチャートである。
運転モードが印刷モードである場合、本例の流量算出部125では、ホストコンピュータ86および通信インターフェース70を介して入力される「印字ヘッド50から吐出させるインクに関する印字指令信号(印字データ)」に基づき、インク流路135に流すべきインクの最大流量Qが求められる(図13のステップS11)。そして、インク流路135の壁面とインクとの管摩擦による圧力損失量(以下、「管摩擦圧力損失量」とも表記する)が所定値hとなるように、インク流路135の断面積Sがインク流路135内のインクの最大流量Qに基づき流量算出部125において算出される(ステップS12)。このとき、流量算出部125は、例えば以下の式(1)に従って、インク流路135の断面積Sを算出することができる。
S=(8πμLQ/(ρgh))1/2 (1)
なお、上記式(1)において、「μ」はインクの粘度を示し、「L」はインク流路135の流路長を示し、「ρ」はインクの密度を示し、「g」は重力加速度を示す。これらの「μ」「L」「ρ」などの数値は、メインインクタンク101がインクジェット記録装置10に装填される際に、対応する値が流量算出部125に送られる。流量算出部125は、送られてくる「μ」「L」「ρ」などの数値を記憶しておき、上記式(1)に従ってインク流路135の断面積Sを求める際には記憶しておいたそれらの数値を用いる。また、管摩擦圧力損失量の所定値「h」は、印字ヘッド50のノズル開口部におけるインクが所定の形状のメニスカスを十分に保持することができるような液圧をインク搬送管100内のインクが持つように、所定のマージンが加味されて設定される。例えば、ノズル開口部のインクのメニスカスの背圧が−20〜−100(mmH2O)の範囲に含まれるように、管摩擦圧力損失量の所定値「h」が設定されることが好ましい。
なお、上記式(1)において、「μ」はインクの粘度を示し、「L」はインク流路135の流路長を示し、「ρ」はインクの密度を示し、「g」は重力加速度を示す。これらの「μ」「L」「ρ」などの数値は、メインインクタンク101がインクジェット記録装置10に装填される際に、対応する値が流量算出部125に送られる。流量算出部125は、送られてくる「μ」「L」「ρ」などの数値を記憶しておき、上記式(1)に従ってインク流路135の断面積Sを求める際には記憶しておいたそれらの数値を用いる。また、管摩擦圧力損失量の所定値「h」は、印字ヘッド50のノズル開口部におけるインクが所定の形状のメニスカスを十分に保持することができるような液圧をインク搬送管100内のインクが持つように、所定のマージンが加味されて設定される。例えば、ノズル開口部のインクのメニスカスの背圧が−20〜−100(mmH2O)の範囲に含まれるように、管摩擦圧力損失量の所定値「h」が設定されることが好ましい。
そして、流量算出部125において、インク流路135の断面積Sに基づいて封入材室137に封入すべき封入材97の量が算出されるとともに、封入材用ポンプ109のポンプの駆動量および封入材調整弁112の駆動量が算出される。そして、流量算出部125から封入材用ポンプ制御部129および封入材調整弁制御部131に制御信号が送られ、封入材用ポンプ109が作動するとともに(ステップS13)、封入材調整弁112の開度が調節される(ステップS14)。
そして、封入材室137内に所定量の封入材97が封入されたか否かが、流路決定部121において判断される(ステップS15)。本実施形態では、封入材用センサ113から流路決定部121に送られてくる封入材供給路119内の封入材97の圧力の計測値に基づいて、封入材室137内に所定量の封入材97が封入されたか否かが判断される。封入材室137内に所定量の封入材97が封入されていないと判断される場合(ステップS15のN)、封入材用ポンプ109の運転調整や封入材調整弁112の開度調節が継続される。
一方、封入材室137内に所定量の封入材97が封入されたと判断される場合(ステップS15のY)、流路決定部121から封入材用ポンプ制御部129および封入材調整弁制御部131に所定の制御信号が送られ、封入材調整弁112が閉じられるとともに(ステップS16)、封入材用ポンプ109が停止させられる(ステップS17)。そして、インク搬送管100のインク流路135を介してサブインクタンク103から印字ヘッド50にインクが自然補給により送られ、印刷が開始される(ステップS18)。
以上説明したように、印刷モードにおけるインク流路135の断面積を図13に示すように調整することで、インク流路135内を最大流量Qのインクが流れる場合であっても、管摩擦圧力損失量を所定値以下にコントロールすることができる。これにより、ノズル開口部のインクのメニスカスを適正な状態に維持することができる。また、印字ヘッド50のインク吐出性能が良好な状態に保たれ、インク吐出のバラツキを低減させることができる。
次に、運転モードが印刷モードである場合のインク流路135の断面積の調整方法の他の例について詳しく説明する。
図14は、印刷モードにおけるインク流路135の断面積の調整方法の他の例を示すフローチャートである。本例では、複数頁に亘って印刷を行う場合に、印刷頁毎に、インク搬送管100のインク流路135の断面積を調整する。具体的には、以下のようにしてインク流路135の断面積の調整が行われる。なお、図14において、上述の図13と同様の処理に関しては、詳細な説明を省略する。
まず、流量算出部125において、ホストコンピュータ86および通信インターフェース70を介して送られてくる印字指令信号(印字データ)に基づいて、次の1頁を印刷する際にインク流路135に流すべきインクの最大流量Qが求められる(図14のステップS21)。そして、管摩擦圧力損失量が所定値hになるようなインク流路135の断面積Sが、流量算出部125において算出される(ステップS22)。そして、流量算出部125では、封入材室137に封入すべき封入材97の量、封入材用ポンプ109のポンプの駆動量、および封入材調整弁112の駆動量が算出され、封入材用ポンプ109の作動状態が調整されるとともに(ステップS23)、封入材調整弁112の開度が調節される(ステップS24)。
そして、封入材室137内に所定量の封入材97が封入されたか否かが流路決定部121において判断され(ステップS25)、封入材室137内に所定量の封入材97が封入されていないと判断される場合には(ステップS25のN)、封入材用ポンプ109の運転調整や封入材調整弁112の開度調節が継続される。一方、封入材室137内に所定量の封入材97が封入されたと判断される場合には(ステップS25のY)、封入材調整弁112が閉じられるとともに(ステップS26)、封入材用ポンプ109が停止させられる(ステップS27)。そして、インク搬送管100のインク流路135を介してサブインクタンク103から印字ヘッド50にインクが自然補給により送られ、次の1頁分の印刷が行われる(ステップS28)。
そして、更なる次の1頁分の印刷が必要か否かが、印字指令信号(印字データ)に基づき流路決定部121において判断される(ステップS29)。更なる次の1頁分の印刷が必要であると判断される場合には(ステップS29のY)、上述のステップS21〜ステップS28の処理が繰り返されて、更なる次の1頁分の印刷が行われる。一方、更なる次の1頁分の印刷が必要ではないと判断される場合には(ステップS29のN)、システム制御ユニット115は印刷を終了する。
以上説明したように、印刷モードにおけるインク流路135の断面積を図14に示すように調整する場合にも、管摩擦圧力損失量の所定値以下に調整することができ、ノズル開口部のインクのメニスカスが適正な状態に保持されて、印字ヘッド50のインク吐出性能が良好に保たれる。特に本例では、インク流路135の断面積の調整が頁印刷の「終了」と「開始」の間に行われるので、頁毎の印刷状態が大幅に異なる場合であっても、印刷頁に関するインク流量に応じた適切な断面積にインク流路135を調整することができ、複数頁に亘って良好な印刷を実施することができる。
次に、運転モードが非印刷モードである場合のインク流路135の断面積の調整方法の一例について詳しく説明する。
図15は、インク吸引モードにおけるインク流路135の断面積の調整方法の一例を示すフローチャートである。システム制御ユニット115の運転モード判定部123において「運転モードがインク吸引モードである」と判定された場合(図12のステップS1参照)、印字ヘッド50のノズル面50Aがキャップ64によって覆われ、ノズル面50Aとキャップ64の間に密閉空間が形成される(キャッピング)(図15のステップS31)。
そして、インク吸引モードの際に封入材室137に封入すべき封入材97の第1の封入量が流量算出部125において求められ、封入材用ポンプ制御部129および封入材調整弁制御部131に流路決定部121から制御信号が送られて、インク流路135の断面積が第1の断面積に縮小される(ステップS32)。
そして、封入材室137内に封入材97が第1の封入量だけ封入されたか否かが、封入材用センサ113から流路決定部121に送られてくる封入材供給路119内の封入材97の圧力の計測値に基づき、流路決定部121において判断される(ステップS33)。封入材室137内に封入材97が第1の封入量だけ封入されていないと判断される場合(ステップS33のN)、封入材用ポンプ109の運転調整や封入材調整弁112の開度調節が継続される。一方、封入材室137内に封入材97が第1の封入量だけ封入されたと判断される場合(ステップS33のY)、封入材調整弁112が閉じられるとともに封入材用ポンプ109が停止させられ、吸引ポンプ67を作動させて印字ヘッド50内のインクの吸引(第1のインク吸引)が行われる(ステップS34)。吸引されたインクは、回収インク搬送路69を介して回収タンク68に送られ、印字ヘッド50内の気泡や異物は、吸引インクとともに印字ヘッド50から取り除かれる。
そして、第1のインク吸引が行われた後に、封入材室137に封入すべき封入材97の第2の量が流量算出部125において求められ、封入材用ポンプ制御部129および封入材調整弁制御部131に流路決定部121から所定の制御信号が送られて、インク流路135の断面積が第2の断面積に拡大される(ステップS35)。
そして、封入材室137内に封入材97が第2の封入量だけ封入されたか否かが、封入材用センサ113から流路決定部121に送られてくる封入材供給路119内の封入材97の圧力の計測値に基づき、流路決定部121において判断される(ステップS36)。封入材室137内に封入材97が第2の封入量だけ封入されていないと判断される場合(ステップS36のN)、封入材用ポンプ109の運転調整や封入材調整弁112の開度調節が継続される。一方、封入材室137内に封入材97が第2の封入量だけ封入されたと判断される場合(ステップS36のY)、封入材調整弁112が閉じられるとともに封入材用ポンプ109が停止させられ、吸引ポンプ67を作動させて印字ヘッド50内のインクの吸引(第2のインク吸引)が行われ、印字ヘッド50内の気泡や異物は印字ヘッド50から取り除かれる(ステップS37)。
なお、封入材97の「第1の封入量」および「第2の封入量」の各々は、データ記憶部92に予め記憶されており、流量算出部125によってデータ記憶部92から適宜読み出されることで得られる。また、インク流路135の「第1の断面積」および「第2の断面積」の各々は、インク搬送管100の材質や長さなどに応じて適宜決定される。例えば、印刷モードの際のインク流路135の断面積のうち最小の断面積以下の大きさに「第1の断面積」を設定しうるとともに、印刷モードの際のインク流路135の断面積のうち平均断面積に「第2の断面積」を設定しうる。
以上説明したように、インク吸引モード(非印刷モード)におけるインク流路135の断面積を図15に示すように調整することで、インクに含まれる気泡や異物を印字ヘッド50から取り除くことができる。特に、インク流路135の断面積を縮小した状態でインクの吸引(第1のインク吸引)を行うことによって、インク流路135内における一定以上のインクの流速を確保することができ、インク流路135内の気泡や異物を印字ヘッド50外へ効果的に排出することができる。また、インク流路135の断面積を縮小させることで、インク吸引によって無駄になるインク量を低減させることができる。また、インク流路135の断面積の大きさを段階的に変え、2段階(複数段階)に分けてインク吸引を行うことにより、インク流路135の圧力損失を低減させることで印字ヘッド50内から気泡や異物を効果的に取り除くことができるとともに、ノズルからの気泡の侵入を防止することができる。
なお、インク吸引モードだけではなく、他の非印刷モードの場合にも、インク流路135の断面積を縮小させて不要なインクをインク流路135から取り除くことができる。例えば新たなインクを印字ヘッド50に充填したインク充填初期時のように、インクに気泡や異物が混入しやすい場合には、上述と同様にして、インク流路135の断面積を縮小させた状態で不要なインクをインク流路135から排出することが好ましい。
(第2の実施形態)
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
(第2の実施形態)
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図16は、第2の実施形態における印字ヘッド50へのインク供給系60を示す図であり、特に記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22との関係を示す図である。本実施形態では、インク搬送管100にインク用センサ114が取り付けられている。インク用センサ114は、インク搬送管100のインク流路135を流れるインクの温度を検出するセンサを含む。インク用センサ114によって検出されたインクの温度は、システム制御ユニット115に送られる。
システム制御ユニット115は、インク用センサ114から送られてくるインクの温度を更に加味して、封入材用ポンプ109および封入材調整弁112を制御する。
他の構成は、上述の第1の実施形態と略同一である。なお、本実施形態では、インク用センサ114およびシステム制御ユニット115によって、インク流路135内のインクの粘度を求めるインク粘度導出手段が構成されている。
図17は、第2の実施形態の印刷モードにおけるインク流路135の断面積の調整方法の一例を示すフローチャートである。運転モードが印刷モードである場合、まず流量算出部125において、印字指令信号(印字データ)に基づきインク流路135に流すべきインクの最大流量Qが求められる(図17のステップS41)。そして、インク搬送管100のインク流路135を流れるインクの温度がインク用センサ114によって測定される(ステップS42)。測定されたインクの温度はシステム制御ユニット115に送られ、システム制御ユニット115の流量算出部125において、測定されたインク温度からインク粘度μが導出される(ステップS43)。このとき、流量算出部125は、インク温度とインク粘度との一般的な関係に基づいてインク粘度μを導き出すことができ、適切な関係式や対応表などを用いることができる。そして、管摩擦圧力損失量が所定値hになるように、インクの最大流量Q、導出されたインク粘度μ、上記式(1)などに基づき、流量算出部125においてインク流路135の断面積Sが算出される(ステップS44)。
そして、流量算出部125から封入材用ポンプ制御部129および封入材調整弁制御部131に制御信号が送られ、封入材用ポンプ109が作動させられるとともに(ステップS45)、封入材調整弁112の開度が調節される(ステップS46)。そして、封入材室137内に所定量の封入材97が封入されたか否かが、封入材用センサ113による封入材97の圧力の計測値に基づき、流路決定部121において判断される(ステップS47)。封入材室137内に所定量の封入材97が封入されていないと判断される場合(ステップS47のN)、封入材用ポンプ109の運転調整や封入材調整弁112の開度調節が継続される。封入材室137内に所定量の封入材97が封入されたと判断される場合(ステップS47のY)、システム制御ユニット115によって封入材調整弁112が閉じられるとともに(ステップS48)、封入材用ポンプ109が停止させられる(ステップS49)。そして、インク搬送管100のインク流路135を介してサブインクタンク103から印字ヘッド50へインクが自然補給により送られ、印刷が開始される(ステップS50)。
なお、インク吸引モード(非印刷モード)においても、インク用センサ114によって検出されたインク温度から導き出されるインク粘度を加味することができる。例えば、インク流路135の断面積を調整する際に(図15のステップS32およびステップS35参照)、インク粘度を加味して、封入材室137への封入材97の封入量を決定することも可能である。
以上説明したように本実施形態では、温度によって変化する実際のインク粘度に応じてインク流路135の断面積の調整が行われるので、インク流路135をより適切な断面積に調整することができる。これにより、管摩擦圧力損失量を更に効果的に抑えることができるとともに、ノズル開口部のインクのメニスカスに対する影響を更に効果的に低減させることができる。
なお、上述の第2の実施形態ではインク搬送管100のインク流路135内のインクの温度を検出する例について説明したが、インク流路135を流れるインクの粘度を他の手法で求めてもよい。例えば、インク搬送管100の前段に設けられるメインインクタンク101、インク供給路117、あるいはサブインクタンク103のインクの温度を検出するようにインク用センサ114を設けることも可能である。また、インクの温度を左右するインクジェット記録装置10の雰囲気温度を検出するセンサを設けることも可能である。このように、インク流路135内のインクの温度を間接的に求める場合には、システム制御ユニット115においてインク流路135内のインクの粘度を導出する際に、導出値に適切な補正が加えられることが好ましい。また、インク粘度に影響を与える温度以外の状態量を検出するセンサ類をインク用センサ114に搭載し、そのような状態量に基づいて、インク流路135を流れるインクの粘度が求められるようにしてもよい。また、インク粘度を直接する検出するセンサ類をインク用センサ114に搭載し、検出されたインク粘度をインク用センサ114からシステム制御ユニット115に送るようにしてもよい。
(第3の実施形態)
本実施形態は、上述の第2の実施形態と略同一であり、第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態は、上述の第2の実施形態と略同一であり、第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態のインク用センサ114(図16参照)は、インクの圧力を検出する圧力センサを更に含む。インク用センサ114によって検出されたインク流路135内のインクの圧力は、システム制御ユニット115に送られる。システム制御ユニット115は、インク用センサ114から送られてくるインクの圧力を更に加味して、封入材用ポンプ109および封入材調整弁112を制御する。
他の構成は、上述の第2の実施形態と略同一である。
図18は、第3の実施形態の印刷モードにおけるインク流路135の断面積の調整方法の一例を示すフローチャートである。本例における印刷モードでは、まず、流路決定部121から封入材用ポンプ制御部129および封入材調整弁制御部131に制御信号が送られ、封入材用ポンプ109および封入材調整弁112によって封入材97が所定の初期封入量だけ封入材室137に封入される(図18のステップS61)。そして、封入材室137内に初期封入量だけ封入材97が封入された状態で実際の印刷が開始され、インク搬送管100を介して印字ヘッド50にインクが供給され、印字ヘッド50から記録紙16に向かってそのインクが吐出される(ステップS62)。
印刷が開始されると、インク流路135内のインクの圧力がインク用センサ114により計測されてシステム制御ユニット115に送られる(ステップS63)。そして、インク流路135内のインクの圧力が所定の範囲内に含まれるか否かが、インク用センサ114の検出結果に基づき、システム制御ユニット115の流路決定部121において判断される(ステップS64)。なお、ここでいう「所定の範囲内」の圧力は、例えばメニスカスの背圧に応じて決定され、通常はインクジェット記録装置10の環境下の大気圧に対してマイナス側の値に設定される。インク流路135内のインクの圧力が所定の範囲内に含まれないと判断される場合には(ステップS64のN)、封入材用ポンプ109および封入材調整弁112により封入材室137内における封入材97の封入量が調整されて、インク流路135の断面積が調整される(ステップS65)。
一方、インク流路135内のインクの圧力が所定の範囲内に含まれると判断される場合には(ステップS64のY)、封入材97の封入量が所定の範囲内に含まれるか否かが、封入材用センサ113の検出結果に基づき、流路決定部121において判断される(ステップS66)。なお、ここでいう「所定の範囲」の封入材97の封入量は、効率的なインクの搬送を実現するために必要とされる封入量であることが好ましく、例えば上述の「初期封入量」を基準にして規定されうる。封入材97の封入量が所定範囲内に含まれないと判断される場合には(ステップS66のN)、封入材用ポンプ109および封入材調整弁112により封入材室137内における封入材97の封入量が調整されて、インク流路135の断面積が調整される(ステップS67)。
一方、封入材97の封入量が所定範囲内に含まれると判断される場合には(ステップS66のY)、印刷を終了するか否かが流路決定部121において判断される(ステップS68)。印刷を継続すると判断される場合には(ステップS68のN)、上述のステップS63〜ステップS67の処理が繰り返される。一方、印刷を終了すると判断される場合には(ステップS68のY)、システム制御ユニット115は印刷を終了する。
以上説明したように本実施形態では、インクの圧力に応じてインク流路135の断面積の大きさが制御されるので、インク流路135を流れるインクの圧力変化によるインク搬送の効率の悪化を防ぐことができる。特に、インク流路135内のインクの圧力波形がオーバーシュートを生じる場合のように、インク流路135内のインクの圧力が急激に変化する場合であっても、インク流路135の断面積を素早く制御して、インクを効率良く搬送することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図19は、第4の実施形態におけるインク搬送管100および封入材タンク105の構成関係を示す図であり、インク搬送管100、封入材供給路119、および封入材タンク105については断面構成が示されている。本実施形態のインク搬送管100では、封入材室137が中央に配置され、その封入材室137の周囲を取り囲むようにしてインク流路135が配置されている。
図20は、第4の実施形態のインク搬送管100の断面構成を示す図であり、インク流路壁141が比較的伸びた状態を示す。図21は、第4の実施形態のインク搬送管100の断面構成を示す図であり、インク流路壁141が比較的縮んだ状態を示す。本実施形態では、封入材室137内に多量の封入材97が封入されると、図20に示すようにインク流路壁141が伸び、インク流路135は断面積が小さくなって狭くなる。一方、封入材室137内に少量の封入材97が封入されると、図21に示すようにインク流路壁141が縮み、インク流路135は断面積が大きくなって広くなる。
他の構成は、上述の第1の実施形態と略同一である。
本実施形態のように、図7乃至図9に示す第1の実施形態における場合と比べて、インク流路135の位置および封入材室137の位置が入れ替わっている場合であっても、封入材室137内の封入材97の封入量に応じてインク流路135の断面積を調整することができる。
(第5の実施形態)
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図22は、第5の実施形態におけるインク搬送管100および封入材タンク105の構成関係を示す図であり、インク搬送管100、封入材供給路119、および封入材タンク105については断面構成が示されている。本実施形態のインク搬送管100は、膜状のインク流路壁141によって内部が二つの部分に分割されており、分割部分の一方がインク流路135に対応し、他方が封入材室137に対応する。
図23は、第5の実施形態のインク搬送管100の断面構成を示す図であり、封入材室137に封入される封入材97の封入量が比較的多い状態を示す。図24は、第5の実施形態のインク搬送管100の断面構成を示す図であり、封入材室137に封入される封入材97の封入量が比較的少ない状態を示す。本実施形態では、封入材室137内に多量の封入材97が封入されると、図23に示すようにインク流路壁141がインク流路135側に撓み、インク流路135は断面積が小さくなって狭くなる。一方、封入材室137内に少量の封入材97が封入されると、図24に示すようにインク流路壁141が封入材室137側に撓み、インク流路135は断面積が大きくなって広くなる。
他の構成は、上述の第1の実施形態と略同一である。
本実施形態のように、インク流路135および封入材室137が環状構造を持たない場合であっても、封入材室137内の封入材97の封入量に応じてインク流路135の断面積を調整することができる。なお、膜状のインク流路壁141は、インク流路135側および封入材室137側への十分な撓み量が得られる程度の弾性を有する部材であることが好ましい。その一方で、インク流路壁141は、インク搬送管100の支持方向(図22では矢印方向)へ所定の剛性を有し、インク搬送管100が潰れてしまうことを防ぐようにすることが好ましい。
(第6の実施形態)
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図25は、第6の実施形態におけるインク搬送管100および封入材タンク105の構成関係を示す図であり、インク搬送管100、封入材供給路119、および封入材タンク105については断面構成が示されている。本実施形態のインク搬送管100では、封入材室137の内部に所定の剛性率を有する補強材99が充填されている。
補強材99は、伸縮性を有する軟質の多孔質部材によって形成されている。補強材99に用いられる多孔質部材は、封入材97の浸透が可能な程度の大きさの孔を有することが望ましい。また、補強材99は、封入材室137の形状変化に応じて伸縮することが望ましく、インク搬送管100を内側からサポートする役割を持つ。さらに、補強材99は、インク流路135内のインクの温度変化を防ぐために、断熱性に優れた材質によって形成されることが望ましく、一例として熱伝導率が0.05(W/m・K)であることが好ましい。そのため、例えばウレタンフォームやポリエチレンフォームによって補強材99を形成することが可能である。
他の構成は、上述の第1の実施形態と略同一である。
本実施形態のインク搬送管100は、封入材室137内の補強材99によってサポートされるので剛性が向上し、例えばインクや封入材97がインク搬送管100を流れる際にインク搬送管100が脈動してしまうことを効果的に防ぐことができる。また、補強材99の断熱作用により、インク流路135を流れる温度の変動を抑え、比較的安定した状態で管摩擦圧力損失量の調整を行うことができ、印字ヘッド50のインクの吐出性能を向上させることができる。
(第7の実施形態)
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態は、上述の第1の実施形態と略同一であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図26は、第7の実施形態におけるインク搬送管100および封入材タンク105の構成関係を示す図であり、インク搬送管100、封入材供給路119、および封入材タンク105については断面構成が示されている。本実施形態のインク搬送管100では、インク流路135の内部に所定の剛性率を有する管状のサポート管143が設けられている。
サポート管143は、比較的堅い材質によって形成されており、内部にはインクを搬送するための流路が設けられている。そのため、インク流路壁141とサポート管143の間、およびサポート管143の内部の各々に、インク流路135が形成されることになる。
他の構成は、上述の第1の実施形態と略同一である。
本実施形態のインク搬送管100は、サポート管143によりサポートされて剛性が向上し、インク搬送管100の折れ曲がりや脈動を効果的に防ぐ。
(第8の実施形態)
本実施形態は、上述の第6の実施形態と略同一であり、第6の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態は、上述の第6の実施形態と略同一であり、第6の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図27は、第8の実施形態におけるインク搬送管100および封入材タンク105の構成関係を示す図であり、インク搬送管100、封入材供給路119、および封入材タンク105については断面構成が示されている。本実施形態のインク搬送管100では、多孔質部材である補強材99が、封入材室137内に充填される代わりにインク流路135内に充填されている。補強材99が有する孔は、インク流路135を流されるインクの浸透および流通が可能な程度の大きさを有する。
他の構成は、上述の第6の実施形態と略同一である。
本実施形態のインク搬送管100は、インク流路135内の補強材99によってサポートされるので剛性が向上し、インク搬送管100の折れ曲がりや脈動を効果的に防ぐ。特に、補強材99の孔はインクの流通が可能な程度の大きさを有するので、インク流路135によるインクの搬送が確保されている。
本発明は、上述の実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形が加えられることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
例えば、電場に応じて粘度が変化するER流体(Electro-Rheological Fluid)や磁場に応じて粘度が変化するMR流体(Magneto-Rheological Fluid)を封入材として使用することもできる。この場合、封入材に作用する電場や磁場を制御することによって、封入材の特性を変化させることができる。例えば、封入材室137内の封入材97の封入量を変える場合には、封入材97の粘度を下げて十分な流動性を確保することができる。一方、封入材室137内の封入材97の封入量を固定する場合には、粘度を上げて剛性を向上させることによりインク搬送管100の振動などを低減させて、インク搬送管100が堅固に保持されるようにすることもできる。
また、上述の第1の実施形態などでは、インク流路135内のインクの最大流量Qに基づいてインク流路135の断面積Sが算出される例が示されているが、これに限定されるものではない。例えば、インク流路135内のインクの最大流量Qの代わりに、インク流路135内のインクの平均流量Q’に基づいて、インク流路135の断面積Sを算出するようにしてもよい。
また、インク吐出時に使用されるアクチュエータは、圧電素子のように変形によってインクを吐出させるタイプに限定されない。例えばヒータなどの発熱体によりインクを加熱して吐出させるサーマルジェット方式など、他の方式によってインク滴を吐出させる場合であっても本発明を適用することができる。
また、本発明の液体吐出ヘッドはインクジェット式記録ヘッドに限定されるものではなく、インク以外の液体を吐出させるヘッド類に対しても本発明を適用することができる。
10…インクジェット記録装置、14…インク貯蔵/装填部、16…記録紙、24…印字検出部、50…印字ヘッド、50A…ノズル面、51…ノズル、52…圧力室、53…インク供給口、54…圧力室ユニット、60…インク供給系、62…フィルタ、64…キャップ、66…クリーニングブレード、67…吸引ポンプ、68…回収タンク、97…封入材、99…補強材、100…インク搬送管、101…メインインクタンク、103…サブインクタンク、105…封入材タンク、107…インク用ポンプ、109…封入材用ポンプ、112…封入材調整弁、113…封入材用センサ、114…インク用センサ、115…システム制御ユニット、135…インク流路、137…封入材室、139…外層流路壁、141…インク流路壁、143…サポート管
Claims (9)
- 液体を貯蔵する液体貯蔵タンクと、
液体吐出データに基づいて前記液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体貯蔵タンクと前記液体吐出ヘッドとを連通する液体流路を有し、当該液体流路の断面積を略全長に亘って可変な液体搬送管と、
前記液体流路の断面積を制御する断面積制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記液体搬送管は、前記液体流路と、封入される封入材の量に応じて断面積が可変な封入材室と、を有し、
前記断面積制御手段は、前記封入材室に封入する封入材の量を調整することで、前記液体流路の断面積を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記封入材室内には、所定の剛性率を有する支持部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記断面積制御手段は、前記液体流路の壁面と前記液体との管摩擦に基づいて、前記液体流路の断面積を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記断面積制御手段は、前記液体流路の壁面と前記液体との管摩擦によるエネルギー損失量が所定値になるように、前記液体吐出データに基づいて前記液体流路の断面積を制御することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記液体流路内の前記液体の粘度を導出する液体粘度導出手段を更に備え、
前記断面積制御手段は、前記液体流路の壁面と前記液体との管摩擦によるエネルギー損失量が所定値となるように、前記液体粘度導出手段の導出結果に基づいて前記液体流路の断面積を制御することを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。 - 前記液体流路内の前記液体の圧力を計測する液体圧力計測手段を更に備え、
前記断面積制御手段は、前記液体流路内の前記液体の圧力が所定範囲に含まれるように、前記液体圧力計測手段の計測結果に基づいて前記液体流路の断面積を制御する請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記断面積制御手段は、液体吸引モード、初期充填モード、および通常印字モードを少なくとも含む運転モードのうち選択されているモードに応じて前記液体流路の断面積を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 所定の液体を搬送するための液体流路と、
封入される封入材に応じて断面積が可変な封入材室と、を備え、
前記封入材室に封入される封入材の量が調整されることで、前記液体流路の断面積が略全長に亘って可変であることを特徴とする液体搬送管。
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