JP2008094012A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高速、高デューティ画像印刷時のヘッド液室内負圧変動による吐出量変動を防止することができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、記録ヘッドに駆動パルスを印加することによって、ノズルからインクを吐出するインクジェット記録装置である。また、本発明は、上記記録ヘッドのインク液室内の圧力を取得する圧力取得手段と、上記圧力取得手段が取得した圧力情報に基づいて、液滴量を制御する駆動パルスを選択する手段とを有する。さらに、本発明は、上記記録ヘッドに印加する駆動パルスを、上記選択した駆動パルスに切り替える駆動パルス切り替え手段を有するインクジェット記録装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置およびこの装置の制御方法に関し、特に、吐出するインク滴の液滴量を制御するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
複数の記録素子を備えた各記録素子基板を複数並列固定し、記録媒体を走査し、記録するインクジェット記録装置が市販されている。この種のインクジェット記録装置は、記録ヘッドを走査して記録するいわゆるシリアルスキャン方式よりも、記録速度が速い。
このような高速化を達成する上で、総じて問題になるのは、吐出量変動に起因する画質劣化である。そこで、良好な画像を得るために、記録される画像等における濃度変動や濃度むらの発生を極力抑える目的で、記録ヘッドから吐出される吐出量に関して、その安定化のための制御が種々行なわれている。特に、ヘッドの温度変化によって生じる吐出量変動に対しては、様々な制御が提案されている。
インクジェット記録方式は、熱エネルギー変換体(以下、「発熱素子」、「吐出ヒータ」、または単に「ヒータ」ともいう)に電気パルスを印加し、インクを急速に加熱し、インクの液相を気相に状態変化させることによって、発泡力を生起させる方式である。このインクジェット記録方式では、上記液相が気相に状態変化するまでのエネルギーの伝達の仕方によって、吐出量はほぼ決定される。したがって、気相に状態変化した後で、どのようなエネルギー投入を行っても、吐出量がほとんど変化しない。
インクジェット記録装置において、従来から知られる昇温に起因する吐出量変動の対策の1つとして、気相に状態変化するまでのエネルギーの伝達方法を制御することが知られている。
図11は、記録ヘッドに印加するヒートパルスのタイムチャートである。
図11に示すヒートパルスは分割パルスと言われ、プレヒートパルス(予備パルス、第1パルス)の幅P1や、プレヒートパルスP1とメインパルス(第2パルス)P3との間のインターバルタイム(休止時間)P2を制御することによって吐出量変調を行う。
さて、記録ヘッドを駆動するためのヒートパルス幅と駆動電圧Vopは、ヒータボードの面積、抵抗値、膜構造や記録ヘッドのノズル構造によって決まる。
記録ヘッドの設けられている温度センサ(ダイオードセンサ等)の温度情報に基づいて、P1、P2、P3のうちの少なくとも1つ以上のパルス波形は変調される。また、時刻T0、T2は、印加パルスの立ち上がり時刻であり、時刻T1、T3は、立ちさがり時刻であり、それぞれ、P1、P2、P3を決めるための時刻を示している。
プレヒートパルスP1は、主にノズル内のインク温度を制御するためのパルス幅であり、記録ヘッドの温度センサを利用して検知された温度に従って、そのパルス幅が制御される。この場合、ヒータボード上に熱エネルギーを加え過ぎることによってプレヒートで発泡現象が発生しないようにしている。
インターバルタイムP2は、プレヒートパルスP1とメインヒートパルスP3とが相互干渉しないように一定時間の間隔を設けるために設けられている。また、インターバルタイムP2は、プレヒートパルスP1で与えた熱エネルギーを、ヒータ上部のインク中へ拡散させ、ノズル内インクの温度分布を均一化する働きがある。
メインヒートパルスP3は、ヒータボード上に発泡現象を発生させ、吐出口からインク滴を吐出させるエネルギーを与える。
図12は、従来のインクジェット記録装置PR11の概略構成を示す断面図である。
記録ヘッドhは、記録ヘッドh1、h2、h3、h4を有し、それぞれ、ブラック(K)、シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)各色のインクを吐出する。これらの記録ヘッドは、後述する制御部によって駆動され、対応するインクのインク滴を吐出し、カラー記録を行う。
シート状の記録媒体(以下、単に「シート」という)STは、図示しない給送部から給送され、搬送ベルト91に静電吸着されて移動しつつ、記録ヘッドhの下を通過する際に、記録される。搬送装置である搬送ベルト91は、円環状の帯部材であり、駆動ローラ92、支持ローラ93、94によって張架され、回転駆動することによって、シートSTを搬送する。
ベルトのクリーニング部95は、ベルト上に付着したインクを除去する。
インクの吐出量とヘッドの温度とには相関がある。具体的には、一般に15℃〜60℃の範囲で、ヘッド温度に対してインク吐出量はほぼ一定の割合で増加する。したがって、ヘッド温度に応じて、ヒータに印加するヒートパルスの形状を変化させると、吐出量を一定に保つことができる。ドット密度の高い画像が全面に形成されている場合、同一のヒートパルス幅で吐出を繰り返すと、ヘッド温度が徐々に上昇し、各吐出量が増え、結果的に画像の濃度が高くなる。
そこで、ヘッド温度の上昇を検出し、あるところで、ヒートパルス幅を切り替えれば、吐出量の増加を補正することができる。
図13は、インクジェット記録装置PR11の制御構成を示すブロック図である。
図13において、図12に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付してある。すなわち、ブラック用記録ヘッドh1と、シアン用記録ヘッドh2と、イエロー用記録ヘッドh3と、マゼンタ用記録ヘッドh4と、搬送ベルト駆動ローラ92とが設けられている。記録ヘッドh1〜h4には、ヘッドの温度を検出する温度センサse1〜se4が設けられ、温度センサse1〜se4は、吐出ノズルの近傍に配置されている。
制御部96は、CPU961と、プログラムを格納するROM962と、制御に必要なワーク用データを保存するRAM963と、ゲートアレイ964とを有する。このゲートアレイ964は、搬送ベルト駆動ローラ92の駆動制御信号、記録ヘッドhへの画像信号および制御信号、クリーニング部95の駆動制御信号、後述するパルス幅テーブル値等を出力する。イメージメモリ965が設けられ、ゲートアレイ964は、外部から受信した記録データを一時記憶する。
図14は、吐出量(Vd)を一定に保つために、ヘッド温度に対するパルス幅を示すテーブルの図である。
図12において、駆動パルスNo1〜9の9種類のパルス幅を設定することによって、ヘッド温度に応じて、吐出量制御幅ΔVdの許容値内で、吐出量をコントロールすることができる。
図15は、従来例のインクジェット記録装置PR11において、実際の駆動パルスNoに対応するパルス波形を示す図である。
この例では、プレヒートパルスP1の幅を変え、これに合わせて、メインヒートパルスP3の幅も制御することによって、吐出量をコントロールする。これら幅の値を、ROM962内のパルス幅テーブルに格納し、ゲートアレイ964に展開して使用する。
上記のように、記録ヘッドの温度に応じて適切な駆動パルス幅を選択すれば、ヘッド温度が変化しても、吐出量制御幅ΔVdの許容値内に、吐出量を制御することができる。
しかし、インクジェット記録装置PR11における吐出量変動の要因は、上記ヘッド温度上昇だけではなく、ヘッドのインク液室内の負圧変動も、吐出量変動の要因である。つまり、高速で印刷すればするほど、印刷時の負圧は、印刷直前に比べて徐々に大きくなり、この結果、ノズルにおけるメニスカスが徐々に後退し、吐出量が少しずつ減少する。
そこで、画像形成中のインク背圧を所望の負圧範囲内(ゼロを含む)に維持するように制御するインクジェットプリンタが提案されている(たとえば、特許文献1、2、3参照)。つまり、ノズルのインク背圧を上げ下げすることができるインク背圧可変装置を設け、このインク背圧可変装置を操作することによって、画像形成中のインク背圧を所望の負圧範囲内(ゼロを含む)に維持するように制御する。
特開平5−31905号公報 特開平9−183222号公報 特開2003−341028号公報
上記提案では、ノズルのインク背圧の変動を防止するために、インク背圧可変装置として、インクタンクを上下させる機構を設けている。
しかし、たとえば60ppm以上の高速印刷を行う場合、上記提案による方法では、1秒に1回以上のサイクルでインクタンクを上下させなければならない。検知したノズルのインク背圧に応じて、この速度でインクタンクを上下させるためには、インクジェット記録装置が複雑で高価になるという問題がある。
また、このような速度でインクタンクを上下させると、インクタンクの中のインクが激しく揺れるので、泡立ち、その結果、ヘッドに気泡が混入したインクが供給され、吐出不良や不吐出が発生し易いという問題がある。
本発明は、高速、高デューティ画像印刷時のヘッド液室内負圧変動による吐出量変動を防止することができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、記録ヘッドに駆動パルスを印加することによって、ノズルからインクを吐出するインクジェット記録装置である。また、本発明は、上記記録ヘッドのインク液室内の圧力を取得する圧力取得手段と、上記圧力取得手段が取得した圧力情報に基づいて、液滴量を制御する駆動パルスを選択する手段とを有する。さらに、本発明は、上記記録ヘッドに印加する駆動パルスを、上記選択した駆動パルスに切り替える駆動パルス切り替え手段を有するインクジェット記録装置である。
本発明によれば、インクジェット記録装置において、高速、高デューティ画像印刷時のヘッド液室内負圧変動による吐出量変動を防止することができるという効果を奏する。
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
本明細書において、「記録」(以下、「プリント」ともいう)は、文字、図形等、有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が感覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。つまり、「記録(プリント)」は、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する動作、または媒体の加工を行う動作である。
また、「記録媒体」は、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスティック、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものである。
さらに、「インク」(以下、「液体」ともいう)は、上記「記録(プリント)」の定義と同様に、広く解釈されるべきである。つまり、「インク(プリント)」は、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、またはインクの処理(たとえば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体である。
図1は、本発明の実施例1であるインクジェット記録装置PR1におけるインク供給システムを示す模式図である。
インクジェット記録装置PR1は、インクタンク10と、チューブ20、60と、ポンプ30と、記録ヘッドHと、ノズル面50と、圧力検出手段70とを有する。
インクタンク10は、大気連通孔11を有し、インク12を収容し、インクタンク10内には、2本のチューブ20、60が配設されている。チューブ20は、ポンプ30を介して、記録ヘッドHの他端部に接続され、記録ヘッドHの共通液室へ通じている。チューブ60は、記録ヘッドHの一端部に接続され、記録ヘッドHの共通液室内に通じている。
記録ヘッドHは、複数個のインク吐出口列を有し、記録時には、記録ヘッド駆動回路(図示せず)によって、インク液滴を吐出する。
インク流路内に気泡が存在しても、ポンプ30を駆動させ、インクを循環させることによって、インクタンク10から、気泡を排出することができる。
記録時等記録ヘッドHからインクを吐出する場合、インクタンク10からチューブ20、60を介して、毛管力によって、記録ヘッドHにインクが供給される。記録ヘッドHの上部には、記録ヘッド内のインク液室の圧力を検出する圧力検出手段70が設けられている。
インクタンク10の上部には、大気連通孔11が設けられている。したがって、インクタンク10内のインク水面と、記録ヘッドHの記録素子基板H100のノズル面50との高さ方向の距離Sの水頭差分の負圧がノズル部のインクに働く。よって、この距離Sを適当に設定することによって、ノズルからのインク漏れを防止することができる。
しかし、距離Sが一定であっても、記録ヘッドH内の負圧が一定であるとは限らない。上記のように、記録時には、インクタンク10からチューブ20または60を介して、記録ヘッドHにインクが流れる。この流れるインクの流量に比例して、記録ヘッド内負圧が増加する。この記録ヘッド内負圧の増加は、インクタンク10から記録ヘッドのノズル部までのインク流路中の流路抵抗が存在するために発生する。
図2は、バブルジェット(登録商標)方式のサイドシュータ型である記録ヘッドHを示す図である。
記録ヘッドHは、電気信号に応じて、インクに膜沸騰を発生させる熱エネルギーを生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行うバブルジェット(登録商標)方式のサイドシュータ型である記録ヘッドである。
図3は、記録ヘッドHを示す分解図である。
記録ヘッドHは、図3に示すように、記録素子ユニットH001と、インク供給ユニットH002のインク供給部材H500とによって構成されている。
図4は、記録素子ユニットH001の分解図である。
記録素子ユニットH001は、記録素子基板H100と、支持板H200と、電気配線基板H300と、プレートH400と、フィルタ部材H600とによって構成されている。
支持板H200は、たとえば、厚さ0.5〜10mmのアルミナ(Al)材料で形成されている。支持板H200には、記録素子基板H100にインクを供給するためのインク供給口H201が形成されている。記録素子基板H100のインク供給口が、支持板H200のインク供給口H201に対応し、また、記録素子基板H100は、支持板H200に対して位置精度良く、接着剤で接着固定されている。
この接着剤は、たとえば、粘度が低く、接触面に形成される接着層が薄く、また、硬化後に、比較的高い硬度を有し、また、耐インク性のあるものが望ましい。たとえば、エポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤、または紫外線硬化併用型の熱硬化接着剤であり、接着層の厚みは、50μm以下であることが望ましい。
記録素子基板H100は、図2に示すように、支持板H200上に、千鳥状に配置され、同一色による幅広の記録を可能としている。たとえば、ノズル群の長さが1インチ+αの4つの記録素子基板H100a、H100b、H100c、H100dが、千鳥状に配置され、4インチ幅の記録を可能にしている。
また、図2に示すように、各記録素子基板の吐出口群の端部は、千鳥状に隣接する記録素子基板のノズル群の端部と、記録方向に対して、重複する領域(L)とを設け、各記録素子基板による印刷に隙間が生じることを防止している。たとえば、ノズル群H106a、H106bに、重複領域H109a、H109bが設けられている。
電気配線基板H300は、インクを吐出するための電気信号を、記録素子基板H100に印加し、記録素子基板H100を組み込むための開口部を有し、裏面には、プレートH400が接着固定されている。
電気配線基板H300と記録素子基板H100とは、電気的に接続されている。記録素子基板H100の電極と電気配線基板H300の電極端子H302とを、金ワイヤ(不図示)を用いたワイヤボンディング技術によって電気的に接続されている。電気配線基板H300の素材として、たとえば、配線が二層構造のフレキシブル配線基板が使用され、表層は、ポリイミドフィルムで覆われている。
プレートH400は、たとえば、厚さ0.5〜1mmのSUS板で形成されている。
また、支持板H200の裏面側インク供給口H201には、インク中に混入された異物を取り除くために、フィルタ部材H600が接着固定されている。
インク供給部材H500は、たとえば、樹脂成形によって形成され、共通液室H501と、Z方向基準面H502とを具備している。Z基準面H502は、記録素子ユニットを位置決め固定するとともに、記録ヘッドHのZ基準である。
インク供給部材H500の開口部と記録素子ユニットH001とを、第3の封止剤H503によって封止し、共通液室H501を密閉する。インク供給部材のZ基準H502に、記録素子ユニットH001のZ基準H502を位置決め固定する。たとえば、ビスH900等によって位置決め固定する。第3の封止剤H503は、耐インク性があり、また、常温で硬化し、異種材料間の線膨張差に耐えられる柔軟性のある封止剤が望ましい。
記録素子ユニットH001の外部信号入力端子H301部分は、たとえば、インク供給部材H500の裏面に、位置決め固定されている。
全体的に濃度の低い低デューティの画像であれば、記録ヘッドHへ流れるインク量が少ないので、負圧増加も少ない。しかし、全体的に濃度の高い高デューティ画像を高速で印刷する場合、特に、上記のように、各記録素子基板を複数並列固定し、記録媒体を走査し、記録する場合、記録時に流れるインク量が多量になるので負圧の増加が大きい。
記録ヘッド内の負圧が増加すると、ノズル部のインクのメニスカスが後退する。この状態で、記録素子に駆動パルスを与え、インク滴を吐出させると、通常よりも吐出量が少なくなる。
図5は、記録ヘッド内圧力と吐出量との関係を示す図である。
横軸は、ノズル内部の圧力であり、左端が、大気圧で−5kPaよりも右側にいけばいくほど、低圧力であり、すなわち負圧が大きくなる。縦軸は、吐出量を示す。図5より明らかなように、−5kPa以下では、負圧が大きくなると、吐出量が少なくなる。
図6は、用紙全面に均一な高デューティ画像を連続で印刷した場合に、チューブ20と60とを流れる合計のインク流量と、記録ヘッド内圧力と、吐出量とを示す図である。
図6において、横軸は、経過時刻であり、時刻Aは、1枚目の印刷開始時刻であり、時刻Bは、1枚目の印刷終了時刻であり、時刻Cは、2枚目の印刷開始時刻であり、時刻Dは、2枚目の印刷終了時刻である。
時刻Aで、印刷が開始されると、ノズルから吐出されるインクは、ほぼ瞬時に最大流量に達するが、インク流路中の流路抵抗によって、チューブを流れるインクの量は、図6(a)に示すように、徐々に増加し、時刻Bを境に減少に転じる。
ノズルから吐出されるインク量と、チューブを流れるインク量との差によって、記録ヘッド内圧力は、図6(b)に示すように、時刻Aから低下し、時刻Bを境に元に戻ろうとする。したがって、吐出量は、図6(c)に示すように、時刻Aで最大になり、時刻Bにかけて、徐々に減少する。この吐出量の減少を、補正するために、上記分割パルスを用いる。
図7は、圧力検出手段70が検出した記録ヘッド内圧力と、駆動パルスNoとを対応付けている図である。
図8は、記録ヘッド内圧力の変化と吐出量とを示す図である。
図8(a)は、図6(b)に示す記録ヘッド内圧力グラフの1ページ分を拡大したグラフである。
印刷前の圧力検出手段70によって検出された記録ヘッド内圧力を、−0.6kPaとする。印刷開始後から、記録ヘッド内圧力が、−0.9kPaに達するまでは、図15に示す駆動パルスNo8が用いられる。ノズル部圧力が、−0.9kPaに達してからは、吐出量の減少を補うために、駆動パルスNo8よりも相対的に吐出量が増える駆動パルスNo9に切り替える。
その後は、記録ヘッド内圧力が−1.2kPa、−1.5kPa、−1.8kPaに達すると、それぞれ、駆動パルス駆動パルスNo10、No11、No12に切り替えて、図8(b)に示すように吐出量が一定範囲内に入るように制御する。
すなわち、実施例1は、圧力検出手段70が、記録ヘッドのインク液室内の圧力を取得する圧力取得手段の例である。また、上記圧力取得手段が取得した圧力情報に基づいて、目標液滴量に応じた液滴量を吐出させるための駆動パルスが選択され、記録ヘッドに印加する駆動パルスを、上記選択した駆動パルスに切り替えるように制御している。
図9は、本発明の実施例2であるインクジェット記録装置PR2を示す図である。
図9において、図1に示す実施例1に使用されている要素と同一の要素には、同じ番号を付し、その説明を省略する。
図9(a)は、実施例1において、圧力検出手段70の代わりに、2本のチューブ20、60の途中に、流量検出手段81、82を設けている。流量検出手段81、82は、印刷時に2本のチューブ20、60を流れるインクの流量Q1、Q2を検出する。
チューブ20、60を介して、インクタンク10から、記録ヘッドHのノズルまでの流路抵抗Rは、一定である。インクが流量Qで流れたときにおける圧力損失ΔPは、ΔP=K(比例定数)×R×(Q1+Q2)で表されるので、圧力損失ΔPは、インク流量Q1、Q2からも計算することができる。
印刷前の記録ヘッド内圧力から、上記圧力損失ΔPを引けば、印刷中の記録ヘッド内圧力を計算することができる。この圧力値(印刷中の記録ヘッド内圧力)に対応する駆動パルスを、図7に示す表から選択し、駆動パルスを切り替えることによって、図8(b)のグラフと同様に、吐出量が一定範囲内に入るように制御することができる。
図9(b)は、チューブ20にだけ、流量検出手段81が設けられている実施例を示す。チューブ60の途中は、弁83が設けられ、印刷中は、弁83を閉じることによって、チューブ20だけを通って、インクタンク10から、インクが記録ヘッドHに流れる。
したがって、流量検出手段81が検出した流量だけから、印刷中の記録ヘッド内圧力を計算することができる。この圧力値に対応する駆動パルスを、図7に示す表から選択し、駆動パルスを切り替えることによって、図8(b)に示すグラフと同様に、吐出量が一定範囲内に入るように制御することができる。
実施例2は、記録ヘッドへ供給されるインクの流量を測定し、この測定された流量に基づいて、記録ヘッド内圧力を計算する実施例である。
実施例3は、印刷する画像データのドット数をカウントした値に基づいて、記録ヘッド内圧力を計算する実施例である。
つまり、印刷する画像データのドット数を、順次カウントすれば、記録ヘッドから吐出されるインク量(記録ヘッドへインクタンクから供給されるインクの流量)を計算することができる。そして、この計算値に基づいて、記録ヘッド内圧力を計算する。
この場合、圧力検出手段、流量検出手段ともに、不要になるので、極めて簡単な構成であり、これによって、吐出量が一定範囲内に入るように制御することができる。
実施例1〜3は、記録ヘッド内の圧力変化による吐出量変動を補正するように、駆動パルスを選択する方法である。
しかし、実際には、ノズル近傍の温度変化によっても、吐出量が変化する。上記のように、印刷時に吐出されるインク量が多い方が、記録ヘッド内の圧力は低下する。吐出されるインク量が多いと、記録素子に与えるエネルギー量が多くなるので、ノズル近傍の温度は上昇し、吐出量は増加する。
すなわち、印刷時には、圧力変動によって吐出量は、減少するが、温度変化によって吐出量は、逆に増加する傾向がある。
したがって、上記実施例で説明したような方法で求めた記録ヘッド内の圧力と、図13に示す各記録ヘッドに設けられている温度センサによって測定した温度とに基づいて、最適な駆動パルスを選ぶことができ、吐出量が一定範囲内に入るように制御できる。
図10は、印刷前の記録ヘッドの温度と記録ヘッド内の圧力とに対応する駆動パルスを示す図である。
このときに、図10に示すテーブル従って、駆動パルスを選択する。このテーブル内に記入した数字は、図15に示す駆動パルスNoである。
たとえば、印刷前の記録ヘッドの温度が26℃で、記録ヘッド内の圧力が−0.7kPaであれば、駆動パルスNo8の駆動パルスによって、印刷を開始する。印刷中に、記録ヘッド内の圧力が−0.9kPa以下になり、また温度が30℃未満であれば、駆動パルスNo9の駆動パルスに切り替える。温度が30℃以上になり、圧力が−0.9〜−1.2kPaの範囲内であれば、駆動パルスNo8の駆動パルスに戻す。
上記のように、記録ヘッド内の圧力と記録ヘッドの温度とに応じて、図10に示すテーブルから駆動パルスを選択することによって、記録ヘッド内の圧力と記録ヘッドの温度とが変化しても、吐出量が一定範囲内に入るように制御することができる。
上記実施例は、記録ヘッドに駆動パルスを印加することによって、ノズルからインクを吐出するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法において、上記記録ヘッドのノズル近傍の温度を取得する手段を有する。上記実施例は、上記記録ヘッドのインク液室内の圧力を取得する手段と、上記取得した温度情報と、上記取得した圧力情報とから目標液滴量に応じた液滴量を吐出させるための駆動パルスを選択する手段とを有する。さらに、上記実施例は、上記記録ヘッドに印加する駆動パルスを上記選択した駆動パルスに切り替える駆動パルス切り替え手段を有するので、高デューティ画像の高速印刷時のヘッド液室内負圧変動とヘッド昇温とによる吐出量変動を防止することができる。
上記実施例は、上記記録ヘッドへインクを供給するインク供給路を備え、上記圧力を取得する手段は、上記インク供給路のインク流量を検出する手段と、上記インク流量検出手段によって検出したインク流量からインク液室内の圧力を計算する手段を有する。したがって、上記実施例は、簡単な手段によって高デューティ画像の高速印刷時の吐出量変動を防止することができる。
さらに、上記圧力を取得する手段は、上記記録ヘッドによって印刷する画像によって記録ヘッドから吐出するインク量を計算するインク量計算手段と、このインク量計算手段が計算したインク量かに基づいてインク液室内の圧力を計算する手段を有する。したがって、上記実施例は、極めて安価な手段によって高デューティ画像の高速印刷時の吐出量変動を防止することができる。
上記実施例は、インクジェット記録方式を用いた記録装置は、プリンタである。しかし、プリンタ以外の記録装置に、上記実施例を適用することができる。
本発明の実施例1であるインクジェット記録装置PR1におけるインク供給システムを示す模式図である。 バブルジェット(登録商標)方式のサイドシュータ型である記録ヘッドHを示す図である。 記録ヘッドHを示す分解図である。 記録素子ユニットH001の分解図である。 記録ヘッド内圧力と吐出量との関係を示す図である。 用紙全面に均一な高デューティ画像を連続で印刷した場合に、チューブ60とチューブ20とを流れる合計のインク流量と、記録ヘッド内圧力と、吐出量とを示す図である。 圧力検出手段70が検出した記録ヘッド内圧力と、駆動パルスNoとが対応付けられている図である。 記録ヘッド内圧力の変化を示す図である。 本発明の実施例2であるインクジェット記録装置PR2を示す図である。 印刷前の記録ヘッドの温度と記録ヘッド内の圧力とに対応する駆動パルスを示す図である。 記録ヘッドに印加するヒートパルスのタイムチャートである。 従来のインクジェット記録装置PR11の概略構成の断面図である。 インクジェット記録装置PR11の制御構成を示すブロック図である。 吐出量(Vd)を一定に保つために、ヘッド温度に対するパルス幅を示すテーブルの図である。 従来例のインクジェット記録装置PR11において、実際の駆動パルスNoに対応するパルス波形を示す図である。
符号の説明
PR1…インクジェット記録装置、
10…インクタンク、
11…大気連通孔、
20…チューブ、
30…ポンプ、
H…記録ヘッド、
50…ノズル面、
60…チューブ、
70…圧力検出手段、
PR2…インクジェット記録装置、
81、82…流量検出手段、
83…弁。

Claims (6)

  1. 記録ヘッドに駆動パルスを印加することによって、ノズルからインクを吐出するインクジェット記録装置において、
    上記記録ヘッドのインク液室内の圧力を取得する圧力取得手段と;
    上記圧力取得手段が取得した圧力情報に基づいて、目標液滴量に応じた液滴量を吐出させるための駆動パルスを選択する手段と;
    上記記録ヘッドに印加する駆動パルスを、上記選択した駆動パルスに切り替える駆動パルス切り替え手段と;
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録ヘッドに駆動パルスを印加することによって、ノズルからインクを吐出するインクジェット記録装置において、
    上記記録ヘッドのノズル近傍の温度を取得する温度取得手段と;
    上記記録ヘッドのインク液室内の圧力を取得する圧力取得手段と;
    上記温度取得手段が取得した温度情報と、上記圧力取得手段が取得した圧力情報とに基づいて、目標液滴量に応じた液滴量を吐出させるための駆動パルスを選択する手段と;
    上記記録ヘッドに印加する駆動パルスを、上記選択した駆動パルスに切り替える駆動パルス切り替え手段と;
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    上記記録ヘッドへインクを供給するインク供給路を有し、
    上記圧力取得手段は、
    上記インク供給路のインク流量を検出する手段と;
    上記インク流量検出手段が検出したインク流量に基づいて、インク液室内の圧力を計算する手段と;
    を有する手段であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 請求項1または請求項2において、
    上記圧力取得手段は、
    上記記録ヘッドで印刷する画像に基づいて、記録ヘッドが吐出するインク量を計算するインク量計算手段と;
    上記インク量計算手段が計算したインク量に基づいて、インク液室内の圧力を計算する手段と;
    を有する手段であることを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 記録ヘッドに駆動パルスを印加することによって、ノズルからインクを吐出するインクジェット記録装置の制御方法において、
    上記記録ヘッドのインク液室内の圧力を取得する圧力取得工程と;
    上記圧力取得工程が取得した圧力情報に基づいて、目標液滴量に応じた液滴量を吐出させるための駆動パルスを選択する工程と;
    上記記録ヘッドに印加する駆動パルスを、上記選択した駆動パルスに切り替える駆動パルス切り替え工程と;
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  6. 記録ヘッドに駆動パルスを印加することによって、ノズルからインクを吐出するインクジェット記録装置の制御方法において、
    上記記録ヘッドのノズル近傍の温度を取得する温度取得工程と;
    上記記録ヘッドのインク液室内の圧力を取得する圧力取得工程と;
    上記温度取得工程で取得された温度情報と、上記圧力取得工程で取得された圧力情報とに基づいて、目標液滴量に応じた液滴量を吐出させるための駆動パルスを選択する工程と;
    上記記録ヘッドに印加する駆動パルスを、上記選択した駆動パルスに切り替える駆動パルス切り替え工程と;
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
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