(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。以下では、液体吐出装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例にして説明する。尚、以下の説明では、図1に示すように、プリンタ1及びプリンタ1に据え付けられたインクタンク15が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1の姿勢であって、以下「使用姿勢」と称することがある)を基準として、上方、下方を定義する。また、開口11が設けられている面を前面として前方、後方を定義し、プリンタ1を前方から視た状態で、左方、右方を定義する。尚、前後方向及び左右方向は水平面と平行な方向であり、上下方向は水平面に対して垂直な鉛直方向である。
図1に示すように、プリンタ1は、全体として概ね直方体の外形をなした筐体2を有している。筐体2には、図2に示すように、プリンタ部4、給紙部5、パージ装置6(図3参照)、4つのセンサ7(図6参照)、制御装置100等が収容されている。また、図1に示すように、筐体2の前壁2aにおける、左右方向の中央部には、開口11が形成されている。この開口11の下部には、給紙部5の給紙カセット23が装着される。
筐体2の前壁2aにおいて、開口11の上方には、操作パネル13が設けられている。操作パネル13は、各種の操作ボタン13a、及びディスプレイ13bを備える。操作ボタン13aは、ユーザから入力を受け付けて、当該入力に応じた信号を制御装置100に出力する。ディスプレイ13bは、制御装置100からの信号に基づいて、ユーザに対して各種の情報を表示する。
筐体2の右側の前部には、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクを貯留する4つのインクタンク15が設けられている。インクタンク15は、筐体2の内部に収容されており、ユーザが筐体2から容易に取りだすことができないように筐体2に固定されている。
筐体2の前壁2aにおいて、開口11の右側には開閉蓋14が取り付けられている。この開閉蓋14の奥側に、上記4つのインクタンク15が配置されている。開閉蓋14は、インクタンク15の前部を筐体2の外部に露出させる開位置(不図示)と、インクタンク15の前部を覆う閉位置(図1参照)と、の間で回動可能に、筐体2に支持されている。
開閉蓋14の中央部分には、光を透過可能な窓14aが設けられている。これにより、開閉蓋14が閉位置にあるときにおいても、ユーザが、この窓14aを介して、筐体2内のインクタンク15を視認することができ、後述するように、インクタンク15内のインク残量を確認することができる。
筐体2には、開閉センサ95(図6参照)が設けられている。開閉センサ95は、開閉蓋14に接触するか否かで開閉蓋14の開閉を検出するメカスイッチであり、その検出結果を制御装置100に出力する。制御装置100は、この検出結果を受けることで、開閉蓋14が開状態であるか閉状態であるかを把握することができる。
インクタンク15は、図4(a)及び(b)に示すように、インクが貯留されるインク貯留空間であるインク室17と、インク室17を外部から仕切る略直方体状のケース18と、から主に構成されている。ケース18は、透光性を有する樹脂で形成されており、インク室17に貯留されているインクの液面を外部から視認可能に構成されている。ケース18の前壁と上壁との各部には、傾斜壁が形成されている。この傾斜壁には、インク室17内にインクを補充するための補充口18aが形成されている。補充口18aは、開閉蓋14を開位置にすることで、外部に露出される。ユーザは、インクが貯留されるボトル(図示省略)の供給口を補充口18aに挿入し、ボトルを押圧して、ボトルから補充口18aを経由してインク室17内にインクを補充することができる。この補充口18aには、キャップ19が着脱可能に取り付けられている。
ケース18の前壁には、図1に示すように、インク補充線15a、及び、インク満量線15bが描かれている。インク補充線15aは、ユーザにインクを補充するタイミングを知らせるための線である。従って、ユーザは、インク室17内のインクの液面がインク補充線15aまで下降したことを確認したときに、補充口18aからインク室17内にインクを補充することが可能である。また、インク満量線15bは、インクタンク15内でのインクの満量位置を知らせるための線であり、インク室17の上端位置に相当する。ユーザは、補充口18aからインク室17内にインクを補充するときには、インク室17内のインクの液面を確認しながら、このインク満量線15bに到達するまでインクを補充する。
ケース18の後壁の上部には、図4(a)及び(b)に示すように、後壁を前後に貫通する大気連通口18bが形成されている。大気連通口18bは、インク室17内のインクの液面よりも上側の気体層と外部(大気)と連通するものである。
ケース18の後壁の下部には、後壁を前後に貫通する排出口18cが形成されている。この排出口18cは、インク室17に貯留されているインクを外部へ供給するための開口である。また、ケース18の後壁における当該排出口18cの形成部分には、後方に突出する円筒形状のチューブジョイント80が設けられている。チューブジョイント80の内部空間は、排出口18cを介してインク室17と連通する。また、チューブジョイント80には、可撓性を有するチューブ16が接続される。チューブ16は、一端がチューブジョイント80に接続され、他端がヘッドユニット31に接続されている。
また、ケース18の後壁における排出口18c(チューブジョイント80)の近傍には、その後壁から後方へ突出した突出部181が形成されている。図5(a)~(c)に示すように、突出部181には、その内部に、インク室17の一部を構成する検出室181aが形成されている。また、突出部181は、光透過性を有する樹脂部材で構成されている。この検出室181aには、後述する混合検知用モジュール70の光路70a、及び後述する残量検知用モジュール75の光路75aが通過する。
図2に示すように、給紙部5は、筐体2の開口11に装着される給紙カセット23と、この給紙カセット23から用紙Pを取り出すピックアップローラ24を有する。給紙カセット23は、被記録媒体である用紙Pが載置されるメイントレイ23aと、このメイントレイ23aの上方に設けられて、プリンタ部4によって画像が印刷された後の用紙Pが排出される排紙トレイ23bを有する。
ピックアップローラ24は、給紙モータ20(図6参照)によって駆動され、給紙カセット23のメイントレイ23aから用紙Pを1枚ずつ取り出す。ピックアップローラ24によって取り出された用紙Pは、ガイド25に沿って上方へ送り出され、プリンタ部4に供給される。
プリンタ部4は、給紙部5の上方に配置されている。図2及び図3に示すように、このプリンタ部4は、左右方向(以下、走査方向ともいう)に往復移動可能なキャリッジ30と、キャリッジ30に搭載されたヘッドユニット31と、用紙Pを水平面に沿って前方(以下、搬送方向ともいう)に搬送する搬送機構41を備えている。
筐体2内には、用紙Pを支持するプラテン32が水平な姿勢で設置されている。図3に示すように、このプラテン32の上方には走査方向に平行に延びる2つのガイドレール33,34が設けられている。キャリッジ30は、キャリッジ駆動モータ35(図6参照)によって駆動されて、プラテン32上の用紙Pと対向する領域において2本のガイドレール33,34に沿って走査方向に移動する。
ヘッドユニット31は、プラテン32との間に隙間を有する状態でキャリッジ30に搭載されている。ヘッドユニット31は、インクジェットヘッド50と、インクジェットヘッド50の上面に設けられ、インクジェットヘッド50に供給するインクを一時的に貯留するための4つのバッファタンク60とを有する。各バッファタンク60には、チューブ16が接続されている。各バッファタンク60には、チューブ16を介して、対応するインクタンク15内のインクが供給される。
インクジェットヘッド50の下面は、複数のノズル51が開口した吐出面50a(図4(a)参照)である。インクジェットヘッド50内には、図4(a)に示すように、複数のノズル51に連通する内部流路52と、内部流路52内のインクに圧力を付与してノズル51からインクを吐出させる駆動素子を備えたアクチュエータ53(図6参照)とを備えている。アクチュエータは、特定の構成のものには限られないが、例えば、駆動素子として、圧電層の逆圧電効果による変形を利用してインクを加圧する圧電素子を有する、圧電アクチュエータを好適に採用できる。また、インクを加熱して膜沸騰を生じさせる発熱体を駆動素子として有するアクチュエータであってもよい。
インクジェットヘッド50は、制御装置100による制御の下、アクチュエータ53が駆動することで、ノズル51からインクを吐出する吐出動作が行う。インクジェットヘッド50が吐出動作を行うと、この吐出動作によりノズル51から吐出されたインクの量だけ、インクタンク15内のインクがインクジェットヘッド50に供給されることになる。従って、インクジェットヘッド50の吐出動作に伴い、インクタンク15内のインクの残量が減少することになる。尚、以下では、チューブ16及びバッファタンク60からなる、インクタンク15とインクジェットヘッド50とを繋ぐ流路をインク流路10(図4(a)参照)と総称する。
搬送機構41は、図3に示すように、プラテン32及びキャリッジ30を挟むように前後に配置された2つの搬送ローラ42,43を有する。2つの搬送ローラ42,43は、搬送モータ44(図6参照)により同期して回転駆動され、ヘッドユニット31とプラテン32の間において用紙Pを前方(搬送方向)へ搬送する。
以上の構成において、プリンタ1は、搬送機構41によって用紙Pを搬送方向に搬送しつつ、キャリッジ30とともにヘッドユニット31を走査方向に移動させながらインクを吐出させることにより、用紙Pに所望の画像等を印刷する。即ち、本実施形態のプリンタ1は、シリアル式のインクジェットプリンタである。
パージ装置6は、ヘッドユニット31の吐出性能の維持、回復のためのメンテナンスを行うためのものであり、走査方向に関するキャリッジ30の移動範囲のうちの、用紙Pと対向する領域よりも外側(図3における右側)の位置に配置されている。パージ装置6は、キャップ部材61、吸引ポンプ62、廃液タンク63等を有する。また、キャップ部材61は、キャップ駆動モータ65(図6参照)によって上下に駆動される。これにより、キャリッジ30がキャップ部材61と対向しているときに、キャップ駆動モータ65によって、キャップ部材61は、ヘッドユニット31の吐出面50aに密着してノズル51を覆うキャップ位置と、吐出面50aから離れたアンキャップ位置との間で移動可能である。
吸引ポンプ62は、キャップ部材61に接続されている。キャップ部材61がキャップ位置にあるときに、吸引ポンプ62によりキャップ部材61内を減圧することで、複数のノズル51からキャップ部材61内へインクが強制的に排出される。一般に、このインク排出動作は、吸引パージと呼ばれる。この吸引パージによって、インクに混入しているエアや塵、あるいは、増粘したインク等を排出することが可能である。また、吸引パージによりヘッドユニット31から排出されたインクは、廃液タンク63に送られる。
4つのセンサ7は、光学式のセンサであり、4つのインクタンク15に対応している。各センサ7は、対応するインクタンク15の後壁に取り付けられている。4つのセンサ7は、略同様の構成であるため、以下では、1つのセンサ7について説明する。
センサ7は、図5(a)及び(b)に示すように、混合検知用モジュール70及び残量検知用モジュール75を有する。詳細は後述するが、混合検知用モジュール70は、インクタンク15に、一種類のインクが存在するか、複数種類のインクが混合して存在するかを検知する際に用いられる光学モジュールである。一方で、残量検知用モジュール75は、インクタンク15に貯留されているインクの残量を検知する際に用いられる光学モジュールである。
混合検知用モジュール70は、光を発光する発光素子71と、発光素子71からの光を受光する受光素子72とを備えている。発光素子71及び受光素子72は、左右方向において突出部181を挟んで配置されている。具体的には、発光素子71は、突出部181の右方に位置している。受光素子72は、突出部181の左方に位置している。尚、発光素子71と受光素子72との配置位置は、左右逆であってもよい。
発光素子71及び受光素子72は、制御装置100に電気的に接続されている。受光素子72は、発光素子71から発光された光の受光量が、閾値受光量以上である場合にはON信号、上記閾値受光量未満である場合にはOFF信号を制御装置100に出力する。
発光素子71から受光素子72までの光路70aは、突出部181内の検出室181aを通過する。この光路70aは、インク補充線15aよりも低い位置である。発光素子71から発光された光は、突出部181の右側壁を透過して検出室181aへ進入する。このとき、インク室17内のインクの液面が光路70aよりも下方である場合(図5(c)参照)には、光は検出室181aにおいて空気中を進むことになる。その後、突出部181の左側壁を透過して受光素子72に到達する。このため、受光素子72は、制御装置100に対してON信号を出力することになる。
一方で、インク室17内のインクの液面が光路70aよりも上方である場合(図5(a)及び(b)参照)には、発光素子71から発光された光は、検出室181a内のインク中を進むことになるため、インクにより吸光される。このとき、検出室181aの光路70a上の領域である検出領域DMにおける吸光度が所定の閾値以上の場合には、受光素子72で受光する受光量が閾値受光量未満となり、受光素子72からOFF信号が出力される。また、吸光度が上記閾値未満の場合には、受光素子72で受光する受光量が閾値受光量以上となり、受光素子72からON信号が出力される。詳細は後述するが、インクによる吸光度は、インクの種類や、発光素子71から発光される光の波長等により異なる。混合検知用モジュール70では、検出領域DMにおいて、一種類のインクが存在する場合と、複数種類のインクが存在する場合とで、受光素子72から出力される出力信号が変わるように、発光素子71から発光される光の波長が設定されている。
残量検知用モジュール75は、混合検知用モジュール70と同様の構成であり、発光素子76と、発光素子76からの光を受光する受光素子77とを備えている。発光素子76及び受光素子77は、左右方向において突出部181を挟んで配置されている。発光素子76から受光素子77までの光路75aは、突出部181内の検出室181aを通過する。この光路75aは、排出口18cの上端よりも若干上方である。尚、混合検知用モジュール70の光路70aは、残量検知用モジュール75の光路75aに対して、最小距離だけ上方に位置する。ここで、「最小距離」とは、発光素子71から発光される光が受光素子77の出力結果に影響を及ぼさず、且つ、発光素子76から発光される光が受光素子72の出力結果に影響を及ぼさない最小の距離である。尚、光路70aは光路75aに対して、前述の最小距離よりも少し離れて位置していてもよい。
以上のように、光路75aは、光路70aよりも排出口18cに近くに位置する。また、光路75aの光路長は、光路70aの光路長と等しい。検出室181aの光路75a上にある検出領域DRの領域幅は、検出領域DMの領域幅と等しい。
発光素子76が発光する光の波長は、混合検知用モジュール70の発光素子71が発光する光の波長とは異なる。詳細は後述するが、残量検知用モジュール75では、検出領域DRにおいて、インクが存在する場合と、インクが存在しない場合とで、受光素子72から出力される出力信号が変わるように、発光素子76から発光される光の波長が設定されている。
図6に示すように、制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、不揮発性メモリ104、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)105等を備える。ASIC105には、操作パネル13、インクジェットヘッド50、キャリッジ駆動モータ35、搬送モータ44、吸引ポンプ62、キャップ駆動モータ65等が電気的に接続されている。
ROM102には、CPU101が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAM103には、プログラム実行時に必要なデータ(画像データ等)が一時的に記憶される。不揮発性メモリ104には、後述する混合フラグ104aや消費量カウント情報104b等が記憶される。
また、ASIC105には、通信インターフェース111が電気的に接続されている。CPU101は、この通信インターフェース111を介して、PC等の外部装置200から送信された印刷指令に基づいて、ヘッドユニット31やキャリッジ駆動モータ35等を制御して、用紙Pに画像を印刷する印刷処理を実行する。また、CPU101は、パージ装置6に吸引パージを行なわせる排出処理を実行する。
尚、本実施形態では、制御装置100は、単一のCPUにより各処理を実行するように構成されているが、複数のCPU、単一のASIC、複数のASIC、あるいは、CPUと特定のASICの組み合わせにより各処理を実行するように構成されていてもよい。
ところで、各インクタンク15内に貯留させるインクの種類は、それぞれ予め決められており、初期には、その決められたインク(以下、既定インクとも称す)が貯留されている。そして、CPU101による各種の制御は、各インクタンク15内には、既定インクが貯留されていることを前提として行われる。例えば、ノズル51から所望量のインクを吐出させる際に、アクチュエータ53が内部流路52内のインクに付与する圧力の大きさは、内部流路52内のインクの種類によって変わる。具体的には、内部流路52内のインクが顔料インクである場合には、染料インクである場合と比べて、アクチュエータ53が内部流路52内のインクに付与する圧力を大きくする必要がある。このため、アクチュエータ53が内部流路52内のインクに付与する圧力の設定値は、既定インクが、顔料インクであるか染料インクであるかに応じて決められている。
しかしながら、上述したように、インクタンク15へのインクの補充は、ユーザによって行われる。このため、インクの補充の際に、既定インク以外の種類のインクが、ユーザによって誤って補充される可能性がある。つまり、インクタンク15内において、既定インクを含む複数種類のインクが混合して存在する可能性がある。このようにインクタンク内において複数種類のインクが混合すると、種々の問題が生じ得る。
例えば、インクタンク15内において、同じ色の染料インク及び顔料インクが混合し、且つ、アクチュエータ53が既定インクに応じた圧力を内部流路52内のインクに付与すると、既定インクとして顔料インクが設定されている場合には、ノズル51から所望量よりも多いインクが吐出される。一方で、既定インクとして染料インクが設定されている場合には、ノズル51から所望量のインクが吐出されない。このように、ノズル51から所望量のインクが吐出されない問題が生じる。また、インクタンク15内において、異なる色のインクが混合すると、ノズル51から吐出されるインクの色味が変わる問題も生じる。
そこで、本実施形態では、CPU101は、混合検知用モジュール70からの出力信号に基づいて、インクタンク15内に、一種類のインクが存在するか(既定インクのみが存在するか)、複数種類のインクが混合して存在するかを判断する混合判断処理を実行する。以下、混合判断処理を説明するに先立って、前提となる事項について説明する。
まず、インクの種類それぞれについての、光の波長と、インクの吸光度との関係について、図7(a)及び(b)を参照しつつ説明する。図7(a)は、ブラックの色についての、或る組成の顔料インク、及び或る組成の染料インクの、光の波長と、吸光度との関係を示すグラフである。図7(a)のグラフから分かるように、顔料インク及び染料インクそれぞれの吸光度は、光の波長が異なると、その値も変わる。
例えば、光の波長が580nm付近の光では、顔料インクの吸光度と染料インクの吸光度は、ともに0.6以上であり、且つ、顔料インクの吸光度と染料インクの吸光度との差は殆どない。一方で、光の波長が750nm付近では、顔料インクの吸光度と染料インクの吸光度との差が大きい。また、光の波長が750nm付近では、顔料インクの吸光度は0.6以上ある一方で、染料インクの吸光度は0.0に近く光を殆ど吸光しない。
また、580nm付近の波長の光を除いて、各波長の光に対する顔料インクの吸光度は、染料インクの吸光度よりも大きい。また、各波長の光に対する、顔料インクと染料インクとの混合インクの吸光度は、その混合比率に応じて異なる値を採る。つまり、混合インクの吸光度は、顔料インクの吸光度と染料インクの吸光度との間の値であって、混合比率に応じた値を採る。
図7(b)は、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色の顔料インクについての、光の波長と、吸光度との関係を示すグラフである。図7(b)のグラフから分かるように、各色のインクの吸光度は、光の波長が異なると、その値も変わる。また、イエロー、シアン、マゼンタのカラー色のインクについては、他のカラー色のインクと吸光度が同じとなる光の波長が存在する。例えば、マゼンタのインクについては、光の波長が500nm付近でイエローのインクと吸光度が同じとなり、光の波長が580nm付近でシアンのインクと吸光度が同じとなる。
尚、以上説明した、図7(a)及び(b)それぞれのデータは、一例に過ぎず、同じ色でも組成が異なれば吸光度は異なることになる。つまり、同じブラックの顔料インクでも、製造元等が異なれば、組成が異なるため、吸光度も異なることになる。例えば、染料インク及び顔料インクそれぞれの組成が変われば、インクの吸光度と光の波長との関係性は、図7(a)に示すデータと大よそ変わらないが、各波長における吸光度は異なることになる。従って、顔料インク及び染料インクそれぞれの組成によっては、光の波長が580nm付近のみ、顔料インクの吸光度よりも染料インクの吸光度の方が大きくなることもあり得る。
ところで、一般的に、ユーザによってインクが補充される際において、既定インクの色とは異なる色のインクが誤って補充される場合よりも、既定インクの色と同じ色であるが、既定インクとは成分が異なるインクが補充される場合の方が多い。例えば、既定インクが顔料インクとして設定されている場合において、同じ色の染料インクが誤って補充される場合が多い。特に、本実施形態では、インクタンク15のケース18は、透光性を有する樹脂で形成されており、外部から貯留されているインクの色を視認することができる。このため、既定インクの色とは異なる色のインクが誤って補充されることは、あまり想定されない。
そこで、本実施形態では、既定インクとは同じ色だが、成分が異なるインクがユーザによって誤ってインクタンク15に補充される場合を想定して、混合検知用モジュール70及び残量検知用モジュール75それぞれが発光する光の波長が設定されている。以下、説明の便宜上、既定インクとして顔料インクが設定されている場合について説明する。従って、CPU101は、混合検知用モジュール70からの出力信号に基づいて、顔料インクが存在するか、顔料インク及び染料インクが混合した混合インクが存在するかを判断する。
混合検知用モジュール70が発光する光の波長は、検出領域DMにおいて、顔料インクのみが存在する場合と、顔料インク及び染料インクが混合した混合インクが存在する場合とで、受光素子72から出力される出力信号が変わるように設定されている。具体的には、混合検知用モジュール70が発光する光の波長は、750nmに設定されている。この波長が750nmの光は、先に触れたように、検出領域DMに顔料インクが存在し、染料インクが存在しない場合に吸光度が0.6以上となり、検出領域DMに染料インクが存在し、顔料インクが存在しない場合に吸光度が0.6未満となる光である。
従って、インクタンク15に染料インクが混入されておらず、検出領域DMに顔料インクのみ存在する場合には、検出領域DMにおける吸光度が0.6以上となる。一方で、インクタンク15に染料インクが混入されると、検出領域DMには混合インクが存在することになる。この場合には、検出領域DMにおける吸光度は、顔料インクのみ存在するときの吸光度よりも減少する。そして、検出領域DMにおける吸光度は、混合インクにおける染料インクの混合比率が増加するに従い減少し、混合比率が所定比率以上になったときに、0.6未満となる。
また、本実施形態では、混合検知用モジュール70の受光素子72の出力信号がON信号とOFF信号との間で切り替わる上記「閾値受光量」は、検出領域DMにおける吸光度が0.6のときに発光素子71からの光を受光素子72が受光する受光量である。換言すれば、混合検知用モジュール70の発光素子71が発光する光の波長は、受光素子72が受光する受光量が、検出領域DMに顔料インクのみ存在する場合には閾値受光量未満となり、染料インクの混合比率が所定比率以上の混合インクが存在する場合には閾値受光量以上となるように設定されている。
以上により、CPU101は、検出領域DMにインクが存在するときにおいて、受光素子72から出力された出力信号がOFF信号である場合(図5(a)参照)には、受光素子72の受光量が閾値受光量未満であり、インクタンク15に顔料インクが存在すると判断できる。一方で、受光素子72から出力された出力信号がON信号である場合(図5(b)参照)には、受光素子72の受光量が閾値受光量以上であり、インクタンク15に混合インクが存在すると判断できる。
ここで、図5(c)に示すように、インクタンク15内に顔料インクのみが存在する際においても、インクの液面が光路70aよりも下方となり、検出領域DMにインクが存在しない場合には、受光素子72からON信号が出力される。従って、CPU101は、受光素子72からON信号が出力された場合、それが、検出領域DMにインクが存在しないことに起因するのか、検出領域DMに混合インクが存在することに起因するのか判断することができない。
そこで、本実施形態では、CPU101は、開閉センサ95からの検出結果に基づいて、開閉蓋14が開状態であると判断したときは、印刷処理や排出処理を禁止する。つまり、インクジェットヘッド50による吐出動作やパージ装置6による吸引パージを禁止する。これにより、開閉蓋14が開状態のときには、インクタンク15内のインクの液面は下降しない。その結果として、CPU101は、開閉蓋14が開状態であるときに、受光素子72の出力信号がOFF信号からON信号に切り替わった場合、染料インクが誤って補充されて検出領域DMに混合インクが存在すると判断することができる。一方で、CPU101は、開閉蓋14が閉状態であり、印刷処理や排出処理が実行されているときに、受光素子72の出力信号がOFF信号からON信号に切り替わった場合に、インクの液面が光路70aよりも下方に下降したと判断することができる。
尚、上述したように、混合検知用モジュール70の光路70aは、インクタンク15のケース18に描かれたインク補充線15aよりも下方である。また、インクタンク15内のインクの液面がインク補充線15aまで下降すると、通常、ユーザによりインクが補充される。このため、インクタンク15内のインクの液面は、おおかた、光路70aよりも上方である。つまり、検出領域DMには、おおかた、インクが存在する。このため、受光素子72の出力信号がOFF信号からON信号へ切り替わり主な原因は、検出領域DMに混合インクが存在することが原因である。
また、本実施形態では、CPU101は、インクタンク15に混合インクが存在すると判断した場合には、報知処理及び混合インク排出処理などの各種処理を実行する。報知処理は、ユーザに染料インクが補充された旨を報知する補充エラー画面をディスプレイ13bに表示させる処理である。混合インク排出処理は、インクタンク15内の混合インクをノズル51から排出する吸引パージをパージ装置6に行わせる処理である。
ここで、染料インクがインクタンク15内に混入された混入時点では、排出口18cからインクジェットヘッド50に至るインク流路10内には、染料インクが混入されておらず、顔料インクのみが存在する。従って、CPU101が、インクタンク15に混合インクが存在すると判断した混合判断時点で、上記混合インク排出処理を実行すると、インク流路10内の顔料インクが不要に排出されることになる。そこで、上記混合判断時点では混合インク排出処理を実行せず、混合インクがインク流路10を通ってインクジェットヘッド50に到達したと判断した時点で混合インク排出処理を実行する。
具体的には、不揮発性メモリ104には、混合フラグ104aと消費量カウント情報104bが記憶されている。混合フラグ104aは、CPU101がインクタンク15内に混合インクが存在すると判断した場合にON状態に、混合インクが存在しないと判断した場合にOFF状態となるフラグである。消費量カウント情報104bは、上記混合判断時点(混合フラグ104aがOFF状態からON状態に遷移した時点)からの、混合インク排出処理以外の排出処理や印刷処理等によりノズル51から吐出又は排出して消費されたインクの合計消費量を示す情報である。CPU101は、印刷処理や排出処理を実行する毎に、当該印刷処理や排出処理におけるインクの消費量を算出して、消費量カウント情報104bの合計消費量に加算する。尚、印刷処理の際に、アクチュエータ53が駆動されることでノズル51から吐出されるインクの吐出量については、その印刷処理の際の印刷対象であった画像データ等から算出することは可能である。また、排出処理の際のインクの排出量については、吸引ポンプ62の回転速度や駆動時間から算出することができる。そして、CPU101は、消費量カウント情報104bが示す合計消費量が、インク流路10の流路容量に到達した時点で混合インク排出処理を実行する。これにより、混合判断時点においてインク流路10内に存在する顔料インクを有効活用することができる。
次に、CPU101が実行するインクタンク15内のインク残量を判断する残量判断処理について説明する。この残量判断処理は、残量検知用モジュール75からの出力信号に基づいて行われる。
残量検知用モジュール75が発光する光の波長は、検出領域DRにおいて、インクが存在する場合と、インクが存在しない場合とで、受光素子77から出力される出力信号が変わるように設定されている。具体的には、残量検知用モジュール75が発光する光の波長は、580nmに設定されている。ここで、図7(a)に示すように、光の波長が580nm付近では、顔料インクの吸光度及び染料インクの吸光度はともに0.6以上ある。従って、インクタンク15に染料インクが混入されて、検出領域DRに、顔料インクと染料インクとの混合インクが存在する場合でも、検出領域DRにおける吸光度は0.6以上に保たれる。つまり、混合インクにおける染料インクの混合比率が増加したとしても、吸光度は0.6以上に保たれる。従って、検出領域DRにおいて、インクタンク15に顔料インクのみが存在する場合、混合インクが存在する場合のいずれの場合においても、受光素子77で受光する受光量が閾値受光量未満となり、受光素子77から出力される出力信号はOFF信号となる。換言すれば、残量検知用モジュール75の発光素子76が発光する光の波長は、受光素子77が受光する受光量が、検出領域DRにインクが存在する場合には閾値受光量未満となり、インクが存在しない場合には閾値受光量以上となるように設定されている。以上より、CPU101は、受光素子77の出力信号がOFF信号からON信号に切り替わった場合に、インクタンク15内のインク残量が、インクの液面が光路75aよりも下方となる量(エンプティ)であると判断できる。
ところで、インクタンク15内のインクの液面が、排出口18cの上端よりも下方に降下すると、インクジェットヘッド50が吐出動作をしたり、パージ装置6が吸引パージをしたりしたときに、排出口18cからインク室17内の空気がチューブ16内に侵入する。このチューブ16内に侵入した空気がノズル51に到達すると、ノズル51の吐出特性に影響を与える。
そこで、本実施形態では、上述したように、光路75aを、排出口18cの上端よりも若干上方に位置させている。そして、CPU101は、残量検知用モジュール75の出力信号がOFF信号となり、インクタンク15がエンプティと判断した場合に、印刷処理や排出処理を中断(禁止)するように構成されている。これにより、チューブ16内に空気が侵入することを防ぐことができる。
尚、先に触れたように、インクタンク15内に顔料インクのみが存在する場合には、混合検知用モジュール70の受光素子72からの出力信号に基づいて、インクの液面位置を判断することもできる。そこで、混合フラグ104aがON状態のときには、CPU101は、残量検知用モジュール75からの出力信号に加えて混合検知用モジュール70からの出力信号に基づいて、インクタンク15内のインクの残量を判断する。具体的には、CPU101は、混合検知用モジュール70からの出力信号に基づいて、インクタンク15内のインク残量が、インクの液面が光路70aよりも下方となるニアエンプティであるか否かを判断する。
また、本実施形態では、CPU101は、印刷処理や排出処理を実行するとき、及びインクが補充される可能性がある開閉蓋14が開状態のときのみ、混合検知用モジュール70の発光素子71及び残量検知用モジュール75の発光素子76それぞれから光を発光させるように構成されている。従って、インクタンク15にインクが補充されているときに、CPU101は、混合検知用モジュール70の発光素子71に光を発光させて、インクタンク15に混合インクが存在するか否かを判断する。これにより、ユーザにより誤って染料インクが補充された場合に、ディスプレイ13b等にその旨を直ぐに報知することができる。その結果として、インク補充線15aまでインクが補充される前に、ユーザによる染料インクの補充を止めさせることができる。また、インクタンク15からインクジェットヘッド50にインクが供給されているときに、CPU101は、残量検知用モジュール75の発光素子76に光を発光させて、インクタンク15内のインク残量を判断する。これにより、インクタンク15内のインク残量がエンプティとなったか否か等を直ぐに判断することができる。
(インクジェットプリンタの処理動作)
次に、プリンタ1が実行する、処理動作の一例について、図8を参照しつつ説明する。
まず、CPU101は、外部装置200から印刷指令を受信したか否かを判断する(S1)。印刷指令を受信したと判断した場合(S1:YES)には、CPU101は、印刷指令に係る印刷処理を開始する(S2)。この後、CPU101は、混合検知用モジュール70の出力信号がON信号であり、且つ、混合フラグ104aがOFF状態であるか否かを判断する(S3)。混合検知用モジュール70の出力信号がON信号であり、且つ、混合フラグ104aがOFF状態であると判断した場合(S3:YES)には、CPU101は、インクタンク15内のインク残量がニアエンプティであると判断し、補充要請画面をディスプレイ13bに表示する(S4)。補充要請画面は、ユーザにインクタンク15へのインクの補充を要請する画面である。
S3の処理で、受光素子72の出力信号がON信号ではない、又は、混合フラグ104aがOFF状態ではないと判断した場合(S3:NO)、若しくはS4の処理の後、CPU101は、残量検知用モジュール75の出力信号がON信号であるか否かを判断する(S5)。即ち、残量検知用モジュール75の受光素子77の受光量が閾値受光量以上か否かを判断する。残量検知用モジュール75の出力信号がON信号である(受光素子77の受光量が閾値受光量以上である)と判断した場合(S5:YES)には、CPU101は、インクタンク15内のインク残量がエンプティと判断して、実行中の印刷処理を中断(禁止)する(S6)。この後、CPU101は、ユーザにインクタンク15へのインクの補充を指示する補充指示画面をディスプレイ13bに表示する(S7)。
次に、CPU101は、開閉センサ95の検出結果に基づいて開閉蓋14が開状態であると判断した後において、残量検知用モジュール75の出力信号がON信号からOFF信号に切り替わったと判断した場合(S8:YES)には、その判断時点における、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号か否かを判断する(S9)。即ち、混合検知用モジュール70の受光素子72の受光量が閾値受光量未満か否かを判断する。
ここで、本実施形態においては、混合検知用モジュール70の光路70aと、残量検知用モジュール75の光路75aとは、上下方向において非常に近い位置にある。また、光路70a及び光路75aは、インク補充線15aよりも下方である。従って、インクタンク15内のインク残量がエンプティである状態において、ユーザによりインクの補充がされると、インクの液面が光路70a及び光路75aよりも上方となる可能性が非常に高い。このため、補充されたインクが顔料インクである場合には、残量検知用モジュール75及び混合検知用モジュール70の双方からOFF信号が出力されることになる。一方で、補充されたインクが染料インクである場合には、残量検知用モジュール75からのみOFF信号が出力され、混合検知用モジュール70からはON信号が出力されることになる。
そこで、CPU101は、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号である(受光素子72の受光量が閾値受光量未満である)と判断した場合(S9:YES)には、インクタンク15内には混合インクが存在しないと判断する(S10)。そして、CPU101は、開閉センサ95の検出結果に基づいて開閉蓋14が閉状態であると判断した後、印刷処理を再開する(S11)。この後、CPU101は、受信した印刷指示に係る印刷処理が終了したか否かを判断する(S12)。印刷処理が終了してないと判断した場合(S12:NO)には、S3の処理に戻る。一方で、印刷処理が終了したと判断した場合(S12:YES)には、S1の処理に戻る。
S9の処理で、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号ではない(受光素子72の受光量が閾値受光量以上である)と判断した場合(S9:NO)には、CPU101は、インクタンク15内に混合インクが存在すると判断して、補充エラー画面をディスプレイ13bに表示する(S13)。補充エラー画面は、ユーザに既定インクとは異なる染料インクが補充されていることを示す画面である。この後、CPU101は、不揮発性メモリ104の混合フラグ104aをオン状態にする(S14)。これにより、これ以降、印刷処理や排気処理でノズル51からインクが吐出又は排出されて消費される毎に、その消費量分だけ、消費量カウント情報104bが示す合計消費量に累積加算されることになる。このS14の処理が終了すると、S11の処理に移る。
S5の処理で、残量検知用モジュール75の出力信号がON信号ではない(受光素子77の受光量が閾値受光量未満である)と判断した場合(S5:NO)には、CPU101は、インクタンク15内のインク残量がエンプティではないと判断して、混合フラグ104aがON状態であるか否かを判断する(S15)。混合フラグ104aがON状態であると判断した場合(S5:YES)には、CPU101は、消費量カウント情報104bが示す合計消費量が、インク流路10の流路容量に到達したか否かを判断する(S16)。S16の処理で消費量カウント情報104bが示す合計消費量がインク流路10の流路容量に到達していないと判断した場合(S16:NO)、又は、S15の処理で混合フラグ104aがON状態ではないと判断した場合(S15:NO)には、S12の処理に移る。
S16の処理で、消費量カウント情報104bが示す合計消費量がインク流路10の流路容量に到達したと判断した場合(S16:YES)には、CPU101は、混合インクがインクジェットヘッド50に到達したと判断して、実行中の印刷処理を中断する(S17)。そして、CPU101は、残量検知用モジュール75の出力信号がON信号になるまで、パージ装置6に吸引パージを行なわせる(S18)。この吸引パージにより、インクタンク15内のインク残量はエンプティとなり、インク流路10内のみに混合インクが存在することになる。
次に、CPU101は、補充指示画面をディスプレイ13bに表示する(S19)。そして、CPU101は、開閉センサ95の検出結果に基づいて開閉蓋14が開状態であると判断した後において、残量検知用モジュール75の出力信号がON信号からOFF信号に切り替わったと判断した場合(S20:YES)には、その判断時点における、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号か否かを判断する(S21)。混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号と判断した場合(S21:YES)には、CPU101は、顔料インクが補充されていると判断し、インク流路10の流路容量分のインクをノズル51から排出させる吸引パージをパージ装置6に行わせる(S22)。これにより、インク流路10内に存在した混合インクがノズル51から排出されることになる。この後、CPU101は、混合フラグ104aをOFF状態にし、且つ消費量カウント情報104bを初期化して(S23)、S11の処理に移る。
S21の処理で、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号とはない判断した場合(S21:NO)には、後で図9(b)を参照して説明する全インク排出処理を実行する(S24)。この全インク排出処理により、インクタンク15内及びインク流路10内には顔料インクのみ存在することになる。S24の処理が終了すると、S23の処理に移る。
S1の処理で、印刷指令を受信していないと判断した場合(S1:NO)には、図9(a)に示すように、CPU101は、開閉センサ95の検出結果に基づいて、開閉蓋14が開状態であるか否かを判断する(S25)。開状態ではないと判断した場合(S25:NO)にはS1の処理に戻る。一方で、開状態であると判断した場合(S25:YES)には、CPU101は、混合フラグ104aがON状態か否かを判断する(S26)。ON状態であると判断した場合(S26:YES)には、CPU101は、インクタンク15の補充を禁止する補充禁止画面をディスプレイ13bに表示する(S27)。これにより、インクタンク15内の混合インクの残量が増加することを防止することができる。このS27の処理が終了すると、S1の処理に戻る。
S26の処理で、混合フラグ104aがON状態ではないと判断した場合(S26:NO)には、CPU101は、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号からON信号に切り替わったか否かを判断する(S28)。ON信号に切り替わっていないと判断した場合(S28:NO)には、S31の処理に移る。一方で、ON信号に切り替わったと判断した場合(S28:YES)には、CPU101は、インクタンク15内に混合インクが存在すると判断して、補充エラー画面をディスプレイ13bに表示し(S29)、混合フラグ104aをON状態にして(S30)、S1の処理に戻る。
S31の処理では、CPU101は、開閉センサ95の検出結果に基づいて、開閉蓋14が閉状態であるか否かを判断する(S31)。閉状態ではないと判断した場合(S31:NO)にはS28の処理に戻る。一方で、閉状態であると判断した場合(S31:YES)には、CPU101は、混合検知用モジュール70の出力信号が、S25の処理で開閉蓋14が開状態であると判断した直前の時点、及びS31の処理で開閉蓋14が閉状態であると判断した直後の時点の何れの時点においても、ON信号であったか否かを判断する(S32)。
ここで、インクタンク15のインクの液面が、残量検知用モジュール75の光路75aよりも上方となり、且つ、混合検知用モジュール70の光路70aよりも下方となる状態(図5(c)が示す状態)について考える。この状態では、混合検知用モジュール70の出力信号はON信号となる。この状態において、ユーザによりインクが補充されずに開閉蓋14の開閉のみ行われた場合、混合検知用モジュール70の出力信号はON信号に維持される。一方で、ユーザにより染料インクが補充されて、インクの液面が光路70aよりも上方になった場合においても、混合検知用モジュール70の出力信号はON信号に維持される。従って、CPU101は、開閉蓋14の開閉の前後における混合検知用モジュール70の出力信号がともにON信号である場合、ユーザによりインクが補充されずに開閉蓋14の開閉のみ行われたのか、ユーザにより染料インクが誤って補充されたのか判断することができない。そこで、この場合には、CPU101は、インクの補充を行ったか否かをユーザに問合せるように構成されている。尚、光路70aと光路75aが、インク補充線15aよりも下方であり、且つ、光路70aと光路75aが上下方向において互いに非常に近い位置にある点を鑑みると、この図5(c)が示す状態になることは殆どない。
S25の処理で開閉蓋14が開状態であると判断した直前の時点、及びS31の処理で開閉蓋14が閉状態であると判断した直後の時点の何れの時点においてもON信号であると判断した場合(S32:YES)には、CPU101は、ユーザにインクの補充を行ったか否かを問い合せる問合画面を表示する(S33)。そして、操作ボタン13aを介してユーザによりインクの補充が行われたことを示す補充信号を受け付けた場合(S34:YES)には、CPU101は、インクタンク15内に混合インクが存在すると判断して、補充エラー画面をディスプレイ13bに表示し(S35)、混合フラグ104aをON状態にして(S36)、S1の処理に戻る。一方で、操作ボタン13aを介して補充信号を受け付けなかった場合(S34:NO)には、S1の処理に戻る。
次に、全インク排出処理について、図9(b)を参照しつつ説明する。
まず、CPU101は、既定インクとは異なる染料インクが補充されていると判断して、補充エラー画面をディスプレイ13bに表示する(A1)。この後、CPU101は、インクタンク15内及びインク流路10内のインクを全てノズル51から排出させる吸引パージをパージ装置6に行わせる(A2)。これにより、インクタンク15内及びインク流路10内にはインクが存在しない状態となる。
次に、CPU101は、補充指示画面をディスプレイ13bに表示する(A3)。そして、CPU101は、開閉センサ95の検出結果に基づいて開閉蓋14が開状態であると判断した後において、残量検知用モジュール75の出力信号がON信号からOFF信号に切り替わったと判断した場合(A4:YES)には、その判断時点における、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号か否かを判断する(A5)。混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号ではないと判断した場合(A5:YES)には、A1の処理に戻る。
一方で、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号であると判断した場合(A5:YES)には、CPU101は、既定インクである顔料インクが補充されていると判断し、インクタンク15内のインクをインク流路10内に導入させる吸引パージをパージ装置6に行わせて(A6)、本処理を終了する。
以上、本実施形態によると、混合検知用モジュール70の発光素子71が発光する光の波長(750nm)は、検出領域DMに顔料インクのみが存在する場合と、混合インクが存在する場合とで、検出領域DMにおける吸光度が異なる波長である。従って、混合検知用モジュール70の受光素子72の受光量は、インクタンク15に顔料インクのみが存在する場合と、混合インクが存在する場合とで異なることなる。従って、この受光素子77の受光結果を用いることで、インクタンク15に混合インクが存在するか否かを判断することができる。
また、残量検知用モジュール75の発光素子71が発光する光の波長(580nm)は、検出領域DRにおけるインクの存否により異なる波長である。従って、残量検知用モジュール75の受光素子77の受光結果を用いることで、インクタンク15内のインク残量を精度良く判断することができる。
また、混合検知用モジュール70が発光する750nmの光は、検出領域DMに顔料インクが存在し、染料インクが存在しない場合の吸光度と、検出領域DMに染料インクが存在し、顔料インクが存在しない場合の吸光度との差が比較的大きい。このため、インクタンク15に顔料インクのみが存在する場合と、混合インクが存在する場合との間での、受光素子72での受光結果は大きく異なることになる。このため、インクタンク15に混合インクが存在するか否かを精度良く判断することができる。これに対して、残量検知用モジュール75が発光する580nmの光は、検出領域DMに顔料インクが存在し、染料インクが存在しない場合の吸光度と、検出領域DMに染料インクが存在し、顔料インクが存在しない場合の吸光度との差が比較的小さい。従って、インクタンク15に貯留されているインクの残量を精度良く判断することができる。
また、残量検知用モジュール75の出力信号だけでなく、混合検知用モジュール70の出力信号にも基づいて、インクタンク15内のインク残量を判断しているため、インクタンク15内のインク残量をより詳細に判断することができる。尚、上述したように、混合検知用モジュール70は、インクタンク15内に存在するインクが混合インクとなった場合に、インクタンク15内のインク残量を判断することができない。しかしながら、残量検知用モジュール75の光路75aは、混合検知用モジュール70の光路70aよりも下方であり、且つ排出口18cに近い位置に配置されている。従って、残量検知用モジュール75の出力信号に基づいて、インクタンク15内のインク残量を判断することで、インクタンク15内にインクが貯留されているにも関わらず、インクが貯留されていないと誤って判断する可能性を低減することができる。
以上説明した実施形態において、インクタンク15が「タンク」に相当し、インクジェットヘッド50が「ヘッド」に相当する。発光素子71及び発光素子76が「発光部」に相当し、受光素子72及び受光素子77が「受光部」に相当する。混合検知用モジュール70の発光素子71が「第1発光素子」に相当し、受光素子72が「第1受光素子」に相当する。また、発光素子71が発光する光が「第1光」に相当し、その波長(750nm)が「第1波長」に相当する。また、光路70aが「第1光路」に相当する。残量検知用モジュール75の発光素子76が「第2発光素子」に相当し、受光素子77が「第2受光素子」に相当する。発光素子76が発光する光が「第2光」に相当し、その波長(580nm)が「第2波長」に相当する。また、光路75aが「第2光路」に相当する。CPU101が「制御部」に相当する。ディスプレイ13bが「報知部」に相当する。パージ装置6が「液体排出部」に相当する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、図10(a)に示すように、インクタンク15の代わりにインクタンク215が筐体2(図3参照)に設けられている。インクタンク215は、その前壁から前方へ突出した突出部182が設けられている点で、第1実施形態のインクタンク15と異なる。突出部182は突出部181と同様に、その内部に、インク室17の一部を構成する検出室(不図示)が形成されている。また、突出部182は、光透過性を有する樹脂部材で構成されている。
残量検知用モジュール75は、第1実施形態と同様にインクタンク215の後壁に取り付けられているが、混合検知用モジュール70は、インクタンク215の前壁に取り付けられている。そして混合検知用モジュール70の光路70aは、突出部182の検出室を通過する。
また、プリンタ1の姿勢が使用姿勢にあるときにおいて、混合検知用モジュール70及び残量検知用モジュール75は、それぞれの光路70a及び光路75aが同じ高さ位置になるようにインクタンク215に取り付けられている。従って、プリンタ1の姿勢が使用姿勢(図1の姿勢)にあるときにおいて、インクタンク215に顔料インクのみが存在する場合には、インクタンク215内のインクの液面が下降して、残量検知用モジュール75の出力信号がOFF信号からON信号に切り替わったときに、同時に、混合検知用モジュール70の出力信号もOFF信号からON信号に切り替わることになる。換言すれば、残量検知用モジュール75の出力信号と混合検知用モジュール70の出力信号が同時にON信号に切り替わらなかった場合、プリンタ1が前後方向に傾斜した傾斜姿勢であると判断することができる。そこで、本実施形態では、残量検知用モジュール75及び混合検知用モジュール70の出力信号に基づいて、プリンタ1の姿勢が使用姿勢か傾斜姿勢かを判断する。
また、第2実施形態では、インクタンク215に混合インクが存在すると判断した場合には、インクタンク215内に存在する全ての混合インクが吸引パージにより排出されるまで、印刷処理を禁止する。
(インクジェットプリンタの処理動作)
以下、第2実施形態に係るプリンタ1が実行する、処理動作の一例について、図11を参照しつつ説明する。
まず、CPU101は、上述のS1及びS2の処理と同様なB1及びB2の処理を実行する。この後、CPU101は、残量検知用モジュール75の出力信号がOFF信号からON信号に切り替わったか否かを判断する(B3)。ON信号に切り替わっていないと判断した場合(B3:NO)には、B12の処理に移る。一方で、ON信号に切り替わったと判断した場合(B3:YES)には、残量検知用モジュール75の出力信号がOFF信号からON信号に切り替わった時点において、同時に、混合検知用モジュール70の出力信号もOFF信号からON信号に切り替わったか否かを判断する(B4)。混合検知用モジュール70の出力信号も同時にON信号に切り替わったと判断した場合(B4:YES)には、CPU101は、プリンタ1の姿勢は使用姿勢であると判断してB6の処理に移る。一方で、混合検知用モジュール70の出力信号は同時にON信号に切り替わってはいないと判断した場合(B4:NO)には、CPU101は、プリンタ1の姿勢は傾斜姿勢であると判断して、プリンタ1が傾斜している旨をユーザに報知する傾斜画面をディスプレイ13bに表示して(B5)、B6の処理に移る。
B6の処理では、CPU101は、実行中の印刷処理を中断する。この後、CPU101は、上述のS7~S12の処理と同様なB7~B12の処理を実行する。また、B9の処理で、残量検知用モジュール75の出力信号がON信号からOFF信号に切り替わったと判断した時点において、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号ではないと判断した場合(B9:NO)には、CPU101は、インクタンク15内に混合インクが存在すると判断して、印刷処理の中断を継続し(B13)、図9(B)を参照して説明した全インク排出処理を実行する(B14)。このB14の処理が終了すると、B11の処理に移る。
B1の処理で、印刷指令を受信していないと判断した場合(B1:NO)には、CPU101は、開閉センサ95の検出結果に基づいて、開閉蓋14が開状態であるか否かを判断する(B15)。開状態ではないと判断した場合(S15:NO)にはB1の処理に戻る。一方で、開状態であると判断した場合(B15:YES)には、CPU101は、混合検知用モジュール70の出力信号がOFF信号からON信号に切り替わったか否かを判断する(B16)。ON信号に切り替わっていないと判断した場合(B16:NO)には、CPU101は、開閉センサ95の検出結果に基づいて、開閉蓋14が閉状態であるか否かを判断する(B17)。閉状態ではないと判断した場合(B17:NO)には、B16の処理に戻る。一方で、閉状態であると判断した場合(B17:YES)には、上述のS32~S34の処理と同様なB18~B20の処理を実行する。そして、B20の処理で補充信号を受け付けた場合(S20:YES)、若しくは、S16の処理で混合検知用モジュール70の出力信号がON信号に切り替わったと判断した場合(B16:YES)には、CPU101は、印刷処理の実行を禁止する(B21)。即ち、外部装置200から印刷指令を受信したとしても、印刷処理を実行しない。この後、CPU101は、B14の処理と同様な全インク排出処理を実行する(B22)。そして、このB22の処理が終了すると、CPU101は、印刷処理の禁止を解除して(B23)、B1の処理に戻る。
以上、本実施形態によると、インクタンク15に混合インクが存在する場合には、当該混合インクが全て排出されるまで印刷処理が禁止される。これにより、ノズル51の吐出特性が悪化している状態で、印刷処理を実行されることを確実に防ぐことができる。加えて、残量検知用モジュール75及び混合検知用モジュール70の出力信号に基づいて、プリンタ1の姿勢が使用姿勢か傾斜姿勢かを判断することができる。また、残量検知用モジュール75の光路75aが、混合検知用モジュール70の光路70aよりも排出口18cの近くに位置するように構成することで、インクタンク15内からインクジェットヘッド50にインクを排出可能な状態か否かを判断することができる。即ち、プリンタ1の姿勢が傾斜姿勢でも、インクタンク15内からインクジェットヘッド50にインクを排出可能な量のインクがインクタンク15内に貯留されているか否かを判断することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態では、顔料インクのみが存在するか、混合インクが存在するかを判断する判断対象となるタンクは、インクタンクであったがこれに限定されるものではない。例えば、判断対象とするタンクは、ヘッドが備えるバッファタンクであってもよい。
また、図10(b)に示すように、プリン301が、インクカートリッジ320とヘッドユニット31との間に介在されたサブタンク250を備えていてもよい。以下、本変形例について詳細に説明する。
本変形例では、筐体2にホルダ356が設けられている。ホルダ356は、4色のインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ320を着脱可能に受容する。インクカートリッジ320は、インクが貯留される内部空間321を区画する略直方体状のケース322から主に構成されている。ケース322の後壁の下部には、後壁を前後に貫通する排出口323が形成されている。この排出口323は、内部空間321に貯留されているインクを外部へ供給するための開口である。また、後壁における当該排出口323の形成部分には、後方に突出する円筒形状のインク供給部324が設けられている。インク供給部324の内部空間は、排出口323を介して内部空間321と連通する。インク供給部324の内部空間の先端は、後述するニードル363が挿入される挿入孔324aである。この挿入孔324aは、インクカートリッジ320がホルダ356に受容されていない状態では、図示しないバルブにより閉じられている。インクカートリッジ320がホルダ356に受容されると、ニードル363がバルブを押し動かすことにより、挿入孔324aが開放される。
サブタンク250は、インクが貯留される内部空間351を区画するケース352から主に構成されている。サブタンク250の前壁には、ニードル363が接続されている。ホルダ356にインクカートリッジ320が受容された際に、このニードル363がインクカートリッジ320の挿入孔324aに挿入されることで、ニードル254を介して、インクカートリッジ320内のインクが、サブタンク250の内部空間351へと供給される。
サブタンク250の後壁の下部には、後壁を前後に貫通する排出口353が形成されている。この排出口353にはチューブ16が接続されており、インクカートリッジ320やサブタンク250に貯留されているインクを、チューブ16を介してヘッドユニット31に供給することが可能に構成されている。
また、ケース352の後壁における排出口353の近傍には、その後壁から後方へ突出した突出部381が形成されている。突出部381は、第1実施形態における突出部181と同様な構成であり、その内部に内部空間351の一部を構成する検出室(不図示)が形成されている。この検出室には、混合検知用モジュール70の光路70a、及び残量検知用モジュール75の光路75aが通過する。光路75aは、排出口353の上端よりも若干上方である。また、光路70aは光路75aに対して、上述の最小距離だけ上方に位置する。さらに、光路70aは光路75aに対して、上述の最小距離よりも少し離れて位置していてもよい。
以上の変形例においても、既定インクとは異なるインクが貯留されているインクカートリッジ320がホルダ356に受容された場合、サブタンク250には混合インクが存在することになる。このような場合でも、混合検知用モジュール70の出力結果に基づいて、サブタンク250に混合インクが存在するか否かを判断することができる。加えて、残量検知用モジュール75の出力結果に基づいて、サブタンク250内のインク残量がエンプティか否かを判断することができる。
次に、その他の変形例ついて説明する。
上記第1及び第2実施形態では、既定インクは、顔料インクであったが染料インクであってもよい。即ち、混合検知用モジュール70の出力信号に基づいて、検出領域DMに染料インクのみが存在するのか、顔料インクと染料インクの混合インクが存在するのかを判断してもよい。具体的には、検出領域DMに染料インクのみが存在する場合には、検出領域DMの吸光度は略0.0となる。このため、受光素子72が受光する受光量は所定の閾値受光量以上となり、受光素子72からON信号が出力される。一方で、検出領域DMに混合インクが存在する場合には、その混合インクにおける顔料インクの混合比率が増加するほど、検出領域DMの吸光度が増加する。そして、その混合比率が所定比率以上となったときに、受光素子72が受光する受光量は上記の所定の閾値受光量未満となり、受光素子72からOFF信号が出力される。従って、CPU101は、受光素子72からON信号が出力されている場合には、受光素子72が受光する受光量は閾値受光量以上であり、インクタンク15に染料インクのみが存在すると判断できる。また、受光素子72からOFF信号が出力されている場合には、受光素子72が受光する受光量は閾値受光量未満であり、インクタンク15に混合インクが存在すると判断できる。ただし、この場合には、インクタンク15内に染料インクのみが存在する際には、インクタンク15内のインクの液面位置に関わらず、受光素子72からはON信号が常に出力されることになる。従って、混合検知用モジュール70に出力信号を利用して、インクタンク15の染料インクの残量を判断することはできない。
また、上述の実施形態では、既定インクと同じ色で、且つ、異なる成分のインクが補充されることを想定して、混合検知用モジュール70及び残量検知用モジュール75それぞれが発光する光の波長が設定されていたが、これに限定されるものではない。既定インクとは異なる色のインクが補充されることを想定して、混合検知用モジュール70及び残量検知用モジュール75それぞれが発光する光の波長が設定されていてもよい。
また、混合検知用モジュール70の光路70aが、残量検知用モジュール75の光路75aよりも下方となるようにセンサ7がインクタンク15に取り付けられていてもよい。この場合、残量検知用モジュール75の出力信号がOFF信号のときには、検出室181aの光路70a上の検出領域DMにはインクが存在することになる。従って、残量検知用モジュール75の出力信号を参照することで、インクタンク15に混合インクが存在するか否かをより精度良く判断することが可能となる。
上述の実施形態では、センサ7は、混合検知用モジュール70を1つ有していたが、これに限定されるものではなく、複数有していてもよい。同様に、センサ7は残量検知用モジュール75を複数有していてもよい。この場合、混合判断処理や残量判断処理の処理精度を向上させることができる。また、混合検知用モジュール70の光路70aや残量検知用モジュール75の光路70aは、水平面に沿って延びている必要はなく、鉛直面に沿って延びていてもよい。
また、混合検知用モジュール70の受光素子72が、発光素子71からの光を受光した受光量を制御装置100に出力するように構成されていてもよい。この場合、CPU101は、受光素子72の受光量に応じて、検出領域DMにインクが存在するか否か、及び検出領域DMにインクが存在する場合には、そのインクが顔料インクであるのか混合インクであるのかを判断するように構成されていてもよい。例えば、混合検知用モジュール70が発光する光の波長を630nmに設定する。図7(a)に示すように、波長が630nmの光は、検出領域DMにインクが存在しない場合には吸光度は0.2未満となる。加えて、検出領域DMに顔料インクのみが存在する場合には吸光度は0.7以上あるのに対して、染料インクの混合比率が所定比率以上の混合インクの場合には0.2以上且つ0.7未満となる。従って、受光素子72の受光量に関して、吸光度が0.2に対応する閾値受光量と、吸光度が0.7に対応する閾値受光量の2つの閾値受光量を設けて、受光素子72の受光量と2つの閾値受光量に基づいて、検出領域DMにインクが存在するか否か、及び検出領域DMにインクが存在する場合には、そのインクが顔料インクであるのか混合インクであるのかを判断してもよい。
加えて、インクタンク15に混合インクが存在すると判断したときに行う処理は、上述の実施形態に記載した処理に限定されるものではない。例えば、インクタンク15に混合インクが存在すると判断した場合でも、混合インクを吸引パージにより排出せずに、印刷処理で使用するように構成されていてもよい。この場合、印刷処理の際のアクチュエータ53の駆動態様を、インクタンク15に既定インクのみが存在する場合と、混合インクが存在する場合とで変更することで、ノズル51から所望量のインクを吐出させることも可能である。例えば、受光素子72の受光量に基づいて、インクタンク15内に存在する混合インクの染料インクと顔料インクとの混合比率を判断可能な場合には、印刷処理の際にノズル51から混合インクを吐出する際に、その混合比率に応じてアクチュエータ53が内部流路52内のインクに付与する圧力を変更してもよい。
また、上述の実施形態では、センサ7は、1つの発光素子から、複数種類の波長の光を選択的に発光することが可能であるならば、発光素子及び受光素子を1つずつのみ備えていてもよい。例えば、混合判断処理を実行する際には、発光素子から750nmの光を発光させ、残量判断処理を実行する際には、発光素子から580nmの光を発光させればよい。
また、センサ7が備える発光素子及び受光素子の数は同じである必要はない。例えば、発光素子の数が受光素子の数よりも多くてもよい。この場合、1つの受光素子が、複数の発光素子から発光された光を受光可能に構成されていればよい。また、発光素子の数が受光素子よりも少なくてもよい。この場合、発光素子と受光素子との間に拡散レンズ等を設けることで、1つの発光素子から発光された光を複数の受光素子で受光することも可能である。
また、上述の実施形態では、インクタンク15内に混合インクが存在することをユーザに報知する報知部は、ディスプレイ13bであったがこれに限定されるものではない。例えば、プリンタ1がブザーを備えている場合には、このブザーを報知部としてもよい。この場合、ブザーに異常音(ビープ音など)を発生させることで、インクタンク15内に混合インクが存在することをユーザに報知してもよい。
また、パージ装置6により実行されるインク排出動作は、ノズル51に吸引力を作用させる吸引パージであったが、例えば、チューブ16の途中部位に加圧ポンプを設け、この加圧ポンプを駆動して、ヘッドユニット31にインクを供給することで、ノズル51からインクを排出させる加圧パージであってもよい。また、パージ装置が、これら吸引パージ及び加圧パージの両方を実行可能にされていてもよい。また、混合インクの排出を、アクチュエータ53を駆動してノズル51からインクを排出する、フラッシングで行ってもよい。この場合、アクチュエータ53が「液体排出部」に相当する。
本発明は、インクジェットヘッドを固定した状態で、搬送機構により搬送される用紙に画像を印刷する、所謂ライン式のインクジェットプリンタにも適用され得る。また、本発明は、液体吐出装置の一例としてインクジェットプリンタを挙げて説明したが、本発明は広く液体吐出装置全般を対象としたものである。インク以外の液体、例えば、液体状にした樹脂や金属を吐出する液体吐出装置にも勿論適用され得る。