JP7230410B2 - 液体排出装置 - Google Patents

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本発明は、液体を排出する液体排出装置に関する。
従来より、着脱可能なメインタンクと、装着されたメインタンクから供給されたインクを貯留するサブタンクと、サブタンクに貯留されたインクを吐出して画像を記録する画像記録ユニットとを備えるインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1)。また、上記インクジェットプリンタは、メインタンク及びサブタンクの内部空間が大気に開放されている。そのため、メインタンクをインクジェトプリンタに装着すると、メインタンクの内部空間の水頭及びサブタンクの内部空間の水頭の差(以下、「水頭差」と標記する。)によって、メインタンク及びサブタンクの液面が同一高さに揃うように、水頭圧によってインクが移動する。
特開2008-213162号公報
上記インクジェットプリンタの初期動作として、インクの初期処理が設定されている。初期処理は、インクジェットプリンタにメインタンクが装着された後、サブタンクから記録ヘッドへインクを流入させて、記録ヘッドがインクを吐出可能な状態にするための動作である。初期処理において、サブタンクから記録ヘッドに至るインクの流路に空気が進入しない程度に、サブタンクにインクが貯留されていることが望ましい。したがって、インクジェットプリンタにメインタンクが装着された後、水頭圧によってメインタンクからサブタンクへインクが流入して、メインタンク及びサブタンクの液面が同一高さに揃った後に、初期処理が開始されることが考えられる。
しかしながら、インクジェットプリンタにメインタンクが装着されてから初期処理が実行されるまでの時間が長ければ、インクジェットプリンタが使用可能となるまでに、ユーザを長時間待たせるという不都合が生じるおそれがある。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装着ケースにカートリッジが装着されてから、第2液室からヘッドへ液体を流入させるための初期処理が実行されるまでの時間を短くすることができる手段を提供することにある。
(1) 本発明に係る液体排出装置は、タンクと、カートリッジが装着される装着ケースと、上記タンクと連通されたヘッドと、液面センサと、コントローラと、を備える。上記カートリッジは、液体を貯留する第1液室を有している。上記タンクは、上記液体を貯留する第2液室と、上記第2液室と連通する液体流路及び気体流路と、上記第2液室を外部と連通する大気連通路と、を有している。上記液体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第1開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第2開口と、を有している。上記気体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第3開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第4開口と、を有している。上記カートリッジが上記装着ケースに装着されて、上記カートリッジの上記第1液室と、上記タンクの上記液体流路の上記第2開口及び上記気体流路の上記第4開口と、が連通する状態で接続される装着状態において、上記第1液室は、上記第2開口よりも上方に位置する部分を有しており、上記第2液室は、上記第3開口よりも下方に位置する部分を有している。上記コントローラは、上記第2液室内の液面の位置が所定位置以上であることに応じて上記液面センサが出力する第1信号を、上記液面センサから受信し、上記第2液室内の液面の位置が上記所定位置未満であることに応じて上記液面センサが出力する第2信号を、上記液面センサから受信し、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたか判定し、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定したこと、且つ、上記第2信号を受信した後に上記第1信号を上記液面センサから受信したことに応じて、上記第1液室に貯留された液体を上記第2液室から上記ヘッドへ向けて導入する初期処理を実行する。
上記構成によれば、装着ケースにカートリッジが装着された後、第2液室からヘッドへ向かって空気が進入することなく初期処理が実行されるまでの時間を短くすることができる。
(2) 好ましくは、上記コントローラは、上記初期処理を実行している間に、上記第2信号を上記液面センサから受信したことに応じて、上記初期処理を中断し、上記初期処理を中断した後に、上記第1信号を上記液面センサから受信したことに応じて、中断している上記初期処理を実行する。
上記構成によれば、第1液室から第2液室への液体の流れが悪いなどを原因として、初期処理を実行している間に、第2液室の液面が所定位置未満となったときには、初期処理を中断して、第2液室からヘッドへ向かって空気が進入することが抑制される。
(3) 好ましくは、上記コントローラは、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した時点から、上記第1信号を上記液面センサから受信するまでの第1経過時間が、第1時間に到達していることに応じて、上記初期処理を実行せず、上記第1信号を上記液面センサから受信してからの第2経過時間が第2時間に到達したことに応じて、上記初期処理を実行する。
上記構成によれば、第1液室から第2液室への液体の流量が少ないときには、装着ケースにカートリッジが装着された後、初期処理を開始するタイミングを遅くすることができる。これにより、第2液室からヘッドへ向かって空気が進入することが抑制される。
(4) 好ましくは、上記液体排出装置は、報知機を更に備えており、上記コントローラは、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した時点からの第3経過時間が、上記第1時間より長い第3時間に到達したこと、且つ、上記第1信号を受信せずに上記第2信号を上記液面センサから受信したことに応じて、上記報知機を作動する。
上記構成によれば、第1液室から第2液室への液体の流量が更に少ないときには、第1液室から第2液室への液体の流入に異常があることがユーザに知らされる。
(5) 本発明にかかる液体排出装置は、タンクと、カートリッジが装着される装着ケースと、上記タンクと連通されたヘッドと、コントローラと、を備える。上記カートリッジは、液体を貯留する第1液室を有している。上記タンクは、上記液体を貯留する第2液室と、上記第2液室と連通する液体流路及び気体流路と、上記第2液室を外部と連通する大気連通路と、を有している。上記液体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第1開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第2開口と、を有している。上記気体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第3開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第4開口と、を有している。上記カートリッジが上記装着ケースに装着されて、上記カートリッジの上記第1液室と、上記タンクの上記液体流路の上記第2開口及び上記気体流路の上記第4開口と、が連通する状態で接続される装着状態において、上記第1液室は、上記第2開口よりも上方に位置する部分を有しており、上記第2液室は、上記第3開口よりも下方に位置する部分を有している。上記コントローラは、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたか判定し、上記装着センサに上記カートリッジが装着されたと判定した時点からの経過時間が第4時間に到達したことに応じて、上記第1液室に貯留された液体を上記第2液室から上記ヘッドへ向けて導入する初期処理を実行する。
上記構成によれば、装着ケースにカートリッジが装着された後、第2液室からヘッドへ向かって空気が進入することなく初期処理が実行されるまでの時間を短くすることができる。
(6) 好ましくは、上記液体排出装置は、温度センサを更に備えており、上記コントローラは、上記温度センサから受信した信号による温度が所定温度より低いことに応じて、上記第4時間に代えて、上記第4時間より長い第5時間を設定し、上記経過時間が上記第5時間に到達したことに応じて、上記初期処理を実行する。
上記構成によれば、温度が低く液体の粘度が高いことにより、第1液室から第2液室への流量が少なくなれば、装着ケースにカートリッジが装着された後、初期処理を実行するタイミングが遅くなるので、第2液室からヘッドへ向かって空気が進入することが抑制される。
(7) 好ましくは、上記液体排出装置は、インターフェースを更に備えており、上記コントローラは、上記インターフェースを通じて、上記カートリッジが有するカートリッジメモリから上記第1液室に初期容量の液体が貯留されていることを示す識別情報を読み出したことを条件として、上記初期処理を実行する。
上記構成によれば、初期容量の液体を貯留しないカートリッジが装着ケースに装着されたときには、初期処理が実行されないので、第2液室からヘッドへ向かって空気が進入することが抑制される。
(8) 本発明に係る液体排出装置は、タンクと、カートリッジが装着される装着ケースと、上記タンクと連通されたヘッドと、インターフェースと、コントローラと、を備える。上記カートリッジは、液体を貯留する第1液室を有している。上記タンクは、上記液体を貯留する第2液室と、上記第2液室と連通する液体流路及び気体流路と、上記第2液室を外部と連通する大気連通路と、を有している。上記液体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第1開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第2開口と、を有している。上記気体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第3開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第4開口と、を有している。上記カートリッジが上記装着ケースに装着されて、上記カートリッジの上記第1液室と、上記タンクの上記液体流路の上記第2開口及び上記気体流路の上記第4開口と、が連通する状態で接続される装着状態において、上記第1液室は、上記第2開口よりも上方に位置する部分を有しており、上記第2液室は、上記第3開口よりも下方に位置する部分を有している。上記コントローラは、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたか判定し、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した後に、上記カートリッジが有するカートリッジメモリから、上記インターフェースを通じて、上記第1液室に貯留された液体の液量Vcを読み出し、上記第1液室から上記第2液室へ液体が流入する流量Qcを、読み出した上記液量Vcに基づいて決定し、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した時点からの経過時間と上記流量Qcとに基づいて、上記第2液室に貯留されている液量Vsを算出し、上記流量Qcが第1閾値以上であり、且つ上記液量Vsが第2閾値以上であることに応じて、上記第1液室に貯留された液体を上記第2液室から上記ヘッドへ向けて導入する初期処理を実行する。
上記構成によれば、装着ケースにカートリッジが装着された後、第2液室からヘッドへ向かって空気が進入することなく初期処理が実行されるまでの時間を短くすることができる。
(9) 好ましくは、上記コントローラは、上記流量Qcが上記第1閾値未満であることを条件として、上記第1閾値と上記流量Qcとの差に、上記初期処理が実行される時間を乗じた液量Vthを、上記第2閾値に加えた第2閾値に加えた第3閾値を算出し、上記液量Vsが上記第3閾値以上であることに応じて、上記ヘッド、又は上記第2液室から上記ヘッドへの流路を通じて液体を排出させる初期処理を実行する。
上記構成によれば、流量Qcに応じて、装着ケースにカートリッジが装着されてから初期処理が実行されるまでの時間を短くすることができる。
(10) 好ましくは、上記コントローラは、上記カートリッジメモリから、上記インターフェースを通じて、上記第1液室が貯留する液体の液量Vcを読み出し、読み出した上記液量Vcに基づいて、上記初期処理を実行した後の上記第1液室が貯留する液体の液量Vc及び上記第2液室が貯留する液体の液量Vsを決定し、決定した上記液量Vcを上記インターフェースを通じて上記カートリッジメモリに書き込む。
(11) 好ましくは、上記液体排出装置は、メモリを更に備えており、上記コントローラは、上記メモリから、上記初期処理が実行されていないことに対応する第1値を読み出したことを条件として上記初期処理を実行し、上記初期処理を終了したことに応じて、上記第1値を、上記初期処理が実行されたことに対応する第2値に更新する。
本発明によれば、装着ケースにカートリッジが装着されてから、第2液室からヘッドへ向けて空気が進入することなく、第2液室からヘッドへ液体を流入させるための初期処理が実行されるまでの時間を短くすることができる。
図1は、第1実施形態に係る複合機10の外観斜視図であって、(A)はカバー48が閉塞位置にある状態、(B)はカバー48が開放位置にある状態を示す。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、キャリッジ23及びインク供給装置15の配置を示す平面図である。 図4は、インク供給装置15を左前方から視た斜視図である。 図5は、図4のV-V矢視断面図である。 図6は、インクカートリッジ50が取り外された状態における図4のV-V矢視断面図である。 図7は、サブタンク100の周辺部を示す図4のV-V矢視断面図である。 図8は、図4のVIII-VIII矢視断面図である。 図9は、図4のIX-IX矢視断面図である。 図10は、サブタンク100の周辺部を示す図4のIX-IX矢視断面図である。 図11は、サブタンク100及びバッファタンク90の左前方から視た斜視図である。 図12(A)は、図10のXIIA-XIIA矢視断面図であり、図12(B)は、図11のXIIB-XIIB矢視断面図である。 図13は、複合機10のブロック図である。 図14は、第1実施形態の初期処理のフローチャートである。 図15(A)は、装着ケース71に初めてインクカートリッジ50が装着された直後の状態の模式図であって、図8(B)は、装着ケース71に初めてインクカートリッジ50が装着されて、第2貯留室105のインクの液面が所定位置Bに到達した状態を示す。 図16は、第2実施形態の初期処理のフローチャートである。 図17は、第3実施形態の初期処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、複合機10及び複合機10に取り付けられたインクカートリッジ50が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1の姿勢であって、「使用姿勢」と表記することがある。)を基準として上下方向7が定義され、複合機10の開口13が設けられている面を前面として前後方向8が定義され、複合機10を前面から見て左右方向9が定義される。本実施形態では、使用姿勢において、上下方向7が鉛直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。
[第1実施形態]
以下、第1実施形態に係る複合機10及びインク供給装置15が説明される。
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10(液体排出装置の一例)は、概ね直方体形状である。複合機10は、プリンタ部11、スキャナ部12、及び操作パネル22を有している。プリンタ部11は、複合機10の下部に位置し、インクジェット記録方式で用紙28(図2参照)に画像を記録する。スキャナ部12は、スキャン機能を有する装置であり、プリンタ部11の上方に位置する。プリンタ部11は、前方に開口する開口13を有する筐体14と、筐体14の内部において開口13の右方に位置するインク供給装置15と、を備えている。
操作パネル22は、スキャナ部12の前方に位置している。操作パネル22は、プリンタ部11による画像記録やスキャナ部12による画像読取りを複合機10に実行させるために、ユーザが操作するものである。操作パネル22は、ディスプレイ17を有する。ディスプレイ17は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する表示面を備える。ディスプレイ17は、報知機の一例である。但し、報知機の具体例はディスプレイ17に限定されず、スピーカ、LEDランプ、或いはこれらの組み合わせでもよい。操作パネル22は、ユーザによる操作に応じた操作信号をコントローラ230に出力する。操作パネル22は、例えば、押ボタンを有していてもよいし、ディスプレイに重畳されたタッチセンサを有していてもよい。
図2に示されるように、筐体14の内部には、給送部16と、給送トレイ20と、排出トレイ21と、搬送ローラ対45と、記録部24と、排出ローラ対46と、プラテン42と、が配置されている。
[給送トレイ20、排出トレイ21]
図1に示されるように、給送トレイ20は、開口13を通じて前後方向8に沿って筐体14に対して挿抜可能である。開口13は、複合機10の前面で且つ左右方向9の中央部に位置する。図2に示されるように、給送トレイ20は、積層された複数の用紙28を支持可能である。排出トレイ21は、給送トレイ20の上方に配置されており、給送トレイ20と共に前後方向8に沿って挿抜される。排出トレイ21は、排出ローラ対46によって排出された用紙28を支持する。
[給送部16]
給送部16は、給送トレイ20に支持された用紙28を搬送経路38へ給送する。図2に示されるように、給送部16は、給送ローラ25と、給送アーム26と、軸27とを備える。給送ローラ25は、給送アーム26の先端に回転可能に支持されている。給送ローラ25は、不図示の給送用モータから駆動が伝達される。給送アーム26は、プリンタ部11のフレームに支持された軸27に回動可能に支持されている。給送アーム26は、自重或いはバネ等による弾性力によって給送トレイ20に向かって回動付勢されている。
以下、用紙28の搬送に関わる給送ローラ25、搬送ローラ34、及び排出ローラ36が、用紙28を搬送向き38Aに搬送する向きに回転することを、「正回転」と表記する。
[搬送経路38]
図2に示されるように、搬送経路38は、その一部がプリンタ部11の内部において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19などによって形成される空間を指す。搬送経路38は、給送トレイ20の後端部から後方に延びる経路である。搬送経路38は、プリンタ部11の後部において上方に延びつつ前方にUターンし、記録部24とプラテン42との間の空間を経て排出トレイ21に至る経路である。図2及び図3に示されるように、搬送ローラ対45及び排出ローラ対46の間における搬送経路38は、左右方向9における複合機10の概ね中央に設けられており、且つ前後方向8に延びている。搬送経路38における用紙28の搬送向き38Aは、図2において矢印で示されている。
[搬送ローラ対45]
図2に示されるように、搬送ローラ対45は、記録部24より搬送向き38Aの上流に位置する。搬送ローラ対45は、互いに対向する搬送ローラ34及びピンチローラ35を有する。搬送ローラ34は、不図示の搬送用モータから駆動伝達されて正回転又は逆回転する。ピンチローラ35は、搬送ローラ34の回転に伴って連れ回る。用紙28は、正回転する搬送ローラ34及びピンチローラ35に挟持されて搬送向き38Aに搬送される。
[排出ローラ対46]
図2に示されるように、排出ローラ対46は、記録部24より搬送向き38Aの下流に配置されている。排出ローラ対46は、互いに対向する排出ローラ36及び拍車37を有する。排出ローラ36は、不図示の搬送用モータから駆動伝達されて正回転又は逆回転する。拍車37は、排出ローラ36の回転に伴って連れ回る。用紙28は、正回転する排出ローラ36及び拍車37に挟持されて搬送向き38Aに搬送される。
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、搬送向き38Aにおける搬送ローラ対45及び排出ローラ対46の間に位置する。記録部24は、搬送経路38を挟んでプラテン42と上下方向7に対向している。記録部24は、キャリッジ23と、キャリッジ23に搭載された記録ヘッド39とを備えている。
図3に示されるように、キャリッジ23は、前後方向8に離間しており、各々が左右方向9に延びるガイドレール43、44に支持されている。ガイドレール43、44は、不図示のフレームに支持されている。キャリッジ23は、ガイドレール44に設けられた公知のベルト機構に連結されている。ベルト機構は、不図示のキャリッジ駆動用モータから駆動伝達されて回動する。キャリッジ23は、ベルト機構の回動に伴って、ガイドレール43,44により案内されて左右方向9に往復移動する。キャリッジ23の移動範囲は、図3の一点鎖線で示されるように、搬送経路38の幅38Bよりも右方及び左方にまで及ぶ。
記録ヘッド39と、インク供給装置15に設けられた4つのサブタンク100とは、4本のインクチューブ32によって接続されている。記録ヘッド39は、フレキシブルフラットケーブル33によって、不図示の制御基板と接続されている。
4つのサブタンク100は、マゼンタサブタンク100M、シアンサブタンク100C、イエローサブタンク100Y、及びブラックサブタンク100Bである。マゼンタサブタンク100M、シアンサブタンク100C、イエローサブタンク100Y、及びブラックサブタンク100Bは、本明細書において特に区別する必要がない場合、サブタンク100と総称される。
4本のインクチューブ32は、イエローインクチューブ32Y、シアンインクチューブ32C、マゼンタインクチューブ32M、及びブラックインクチューブ32Bからなっている。イエローインクチューブ32Y、シアンインクチューブ32C、マゼンタインクチューブ32M、及びブラックインクチューブ32Bは、本明細書において特に区別する必要がない場合、インクチューブ32と総称される。4本のインクチューブ32は、一体に束ねられている。
フレキシブルフラットケーブル33は、制御部が実装された制御基板及び記録ヘッド39を電気的に接続するものである。フレキシブルフラットケーブル33は、制御部から出力される制御信号を記録ヘッド39に伝達する。
図2に示されるように、記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が配置されている。複数のノズル40の先端は、記録ヘッド39の下面から露出している。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ23が移動する過程において、プラテン42に支持されている用紙28に向けて記録ヘッド39がインク滴を吐出する。これにより、用紙28に画像が記録される。また、これにより、4つのサブタンク100に貯留されたインクが消費される。
[プラテン42]
図2及び図3に示されるように、プラテン42は、搬送経路38における搬送ローラ対45及び排出ローラ対46の間に配置されている。プラテン42は、搬送経路38を挟んで記録部24と上下方向7に対向配置されている。プラテン42は、搬送ローラ対45によって搬送される用紙28を下方から支持する。
[カバー48]
図1(B)に示されるように、筐体14の右前部には、開口47が形成されている。筐体14にはインク供給装置15が収納されており、インク供給装置15の前面が開口47から露出している。筐体14には、開口47を開閉可能なカバー48が取り付けられている。カバー48の下端部は、開口47の下方において、左右方向9の軸周りに回転可能に筐体14に支持されている。カバー48は、開口47を閉鎖する閉鎖位置(図1(A)に示される位置)と、開口47を開放する開放位置(図1(B)に示される位置)との間を、回転可能である。
図1(A)に示されるように、カバー48は、透光部49を有している。透光部49は、カバー48の外側から内部の構成を視認可能な透光性を有する。カバー48が閉鎖位置にあるときに、透光部49から、インク供給装置15に取り付けられたインクカートリッジ50の前面が視認可能である。
[カバーセンサ88]
複合機10は、カバーセンサ88(図13参照)を有する。カバーセンサ88は、例えば、カバー48が接離するスイッチ等の機械式センサであってもよいし、カバー48の位置によって光が遮断或いは透過される光学式センサであってもよい。カバーセンサ88は、カバー48の位置に応じた信号をコントローラ230に出力する。より詳細には、カバーセンサ88は、カバー48が閉鎖位置に位置していることに応じて、ローレベル信号をコントローラ230へ出力する。一方、カバーセンサ88は、カバー48が閉鎖位置と異なる位置に位置していることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ230へ出力する。換言すれば、カバーセンサ88は、カバー48が開放位置に位置していることに応じて、ハイレベル信号をコントローラ230へ出力する。
[インク供給装置15]
図4に示されるように、インク供給装置15は、4つのインクカートリッジ50と、装着ケース71と、4つのサブタンク100と、大気連通部70(図5、図11参照)と、を備えている。
[インクカートリッジ50]
図1、図3に示されるように、4つのインクカートリッジ50(カートリッジの一例)は、マゼンタインクカートリッジ50M、シアンインクカートリッジ50C、イエローインクカートリッジ50Y、及びブラックインクカートリッジ50Bからなっている。マゼンタインクカートリッジ50M、シアンインクカートリッジ50C、イエローインクカートリッジ50Y、及びブラックインクカートリッジ50Bは、本明細書において特に区別される必要がない場合、インクカートリッジ50と総称される。
図4は、4つのインクカートリッジ50のうち、左右方向9の最も左側に位置するマゼンタインクカートリッジ50Mのみが装着ケース71に収納された状態を示している。
図5、図6に示されるように、インクカートリッジ50は、カートリッジ本体51と、ジョイント受部52と、を備えている。カートリッジ本体51は、インク(液体の一例)を貯留する第1貯留室53(第1液室の一例)を有する。
カートリッジ本体51は、概ね直方体状の箱形状を有している。カートリッジ本体51は、上下方向7及び前後方向8から視て概ね長方形状である。カートリッジ本体51は、カートリッジ本体51の前端部に下方に突出する凸部65を有している。カートリッジ本体51は、上壁54、サブ下壁55、右壁56(図4参照)、左壁57(図4参照)、後壁58、前壁59、下壁60を有している。下壁60は、カートリッジ本体51の前部かつ下端部に位置しており、サブ下壁55よりも下方に位置している。サブ下壁55は、下壁60よりも後方に位置している。カートリッジ本体51は、凸部65において、後方(水平方向の一例)に開口する連通口61を有している。連通口61は、サブ下壁55、下壁60、右壁56、及び左壁57によって画定された開口である。
上壁54には、前後方向8の中央部に上方に突出する当接部64が設けられている。当接部64は、装着ケース71のロックレバー79(後述)と当接する部分である。
当接部64の上面にはICチップ66(カートリッジメモリの一例)が位置している。ICチップ66には、ICチップ66が形成されている。また、ICチップ66は、不図示のメモリを備える。ICチップ66は、ICチップ66の上記メモリと電気的に接続されている。ICチップ66は、ICチップ66の上面において、接点152と導通可能に露出されている。すなわち、インクカートリッジ50が装着ケース71に装着された状態において、ICチップ66は、接点152と電気的に導通する。コントローラ230は、接点152及びICチップ66を通じてICチップ66のメモリから情報を読み出し、接点152及びICチップ66を通じてICチップ66のメモリに情報を書き込むことができる。
ICチップ66のメモリは、インク量Vcと、インクカートリッジ50の個体を識別するための識別情報などを記憶する。なお、インクカートリッジ50が新品であるICチップ66のメモリには、インク量Vcとして初期インク量Vc0が記憶されている。この初期インク量Vc0は、インクカートリッジ50に貯留可能なインクの最大量を示す最大液体量の一例である。換言すれば、初期インク量Vc0は、新品のインクカートリッジ50に貯留されているインクの量を示す。以下、ICチップ66のメモリに記憶されている情報を総称して、「CTG情報」と表記することがある。また、「新品」とは、いわゆる未使用品であり、製造されて販売されているインクカートリッジ50から、インクカートリッジ50内のインクが一度も外部へ流出していない状態を示す。初期カートリッジとは、第1貯留室53からインクが外部へ流出していない状態のものである。初期カートリッジにおいては、初期インク量Vc0がICチップ66に記憶されている。
ICチップ66のメモリの記憶領域は、例えば、コントローラ230によって情報が上書きされない領域と、コントローラ230によって情報が上書き可能な領域とを有する。例えば、識別情報は上書きされない領域に記憶され、インク量Vcは上書き可能な領域に記憶される。
第1貯留室53の底面を画定するサブ下壁55の上面は、前後方向8に沿って凸部65に向かって下方に傾斜している。
ジョイント受部52は、カートリッジ本体51において連通口61を囲む部分から後方に延びる円筒形状を有している。ジョイント受部52は、サブタンク100のジョイント102(後述)が挿入される部分である。
図5は、インクカートリッジ50がサブタンク100に装着された装着状態を示している。図6は、インクカートリッジ50がサブタンク100から分離された分離状態を示している。装着状態については以下で詳しく説明される。
ジョイント受部52には、連通口61を閉鎖可能な栓部材62と、栓部材62を後方に付勢するバネ63と、が設けられている。図6に示されるように、インクカートリッジ50に外力が加わらない状態では、栓部材62は、連通口61を閉鎖する位置にある。バネ63は、栓部材62と前壁59との間において前後方向8に沿って延びており、前後方向8に圧縮可能である。図5に示されるように、ジョイント102によって、バネ63の弾性力よりも大きな前向きの外力が栓部材62に加えられると、栓部材62が前方に移動して連通口61から離れる。
[装着ケース71]
装着ケース71は、前方が開放された直方体状の箱形状である。装着ケース71は、上壁72、下壁73、右壁74、左壁75、後壁76、及び3つの仕切壁77を有している。上壁72、下壁73、右壁74、左壁75、及び後壁76により、前方が開放された内部空間78が画定されている。3つの仕切壁77は、右壁74及び左壁75と平行な壁であり、内部空間78を、4つの空間に区画している。区画された4つの空間のそれぞれに、4つのインクカートリッジ50のそれぞれが収納される。装着ケース71は、図5、図6、図7に示されるように、ロックレバー79と、接点152と、装着センサ154と、液面センサ155と、を備えている。
[ロックレバー79]
図4、図5、図6に示されるように、装着ケース71には、インクカートリッジ50を内部空間78内に保持するロックレバー79が設けられている。ロックレバー79は、前後方向に延びた板状部材である。ロックレバー79の中央部は、上壁72に、左右方向9の軸周りに回転可能に設けられている。ロックレバー79は、後方に傾いたロック位置と、前方に傾いたアンロック位置との間で回転する。ロックレバー79は、外力が加わらない状態では、自重により後方に傾いてロック位置となる。ロック位置において、ロックレバー79の後端部は、内部空間78にあるインクカートリッジ50の当接部64の前面と当接し、インクカートリッジ50が前後方向8の前方へ移動することを規制する。ロック位置のロックレバー79の前端部がユーザの指等によって下方に押圧されると、ロックレバー79はロック位置からアンロック位置に回転する。アンロック位置において、ロックレバー79の後端部は、当接部64の前面より上方に位置する。アンロック位置のロックレバー79は、前後方向8の前方へ移動するインクカートリッジ50の当接部64と当接しないので、装着ケース71からインクカートリッジ50が取り外し可能となる。
[接点152]
接点152(インターフェースの一例)は、装着ケース71の上壁72に位置している。接点152は、上壁72から装着ケース71の内部空間78へ向けて下方に突出している。接点152は、装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された状態において、インクカートリッジ50の後述するICチップ66に接する位置に位置している。接点152は、導電性を有しており、さらに上下方向7に沿って弾性的に変形可能である。接点152は、コントローラ230に電気的に接続されている。
[装着センサ154]
装着センサ154は、装着ケース71の上壁72に位置している。装着センサ154は、インクカートリッジ50が装着ケース71に装着されているか否かを検出するためのセンサである。装着センサ154は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された状態において、インクカートリッジ50の図示しない被検知部が、装着センサ154の発光部及び受光部の間に位置する。換言すれば、装着センサ154の発光部及び受光部は、装着ケース71に装着されたインクカートリッジ50の被検知部を挟んで、互いに対向した状態で位置している。
装着センサ154は、発光部から左右方向9に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて、異なる信号(図中では、「装着信号」と表記する。)を出力する。装着センサ154は、例えば、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度未満であることに応じて、ローレベル信号をコントローラ230へ出力する。一方、装着センサ154は、受光部で受光された光の受光強度が閾値強度以上であることに応じて、ローレベル信号より信号強度の高いハイレベル信号をコントローラ230へ出力する。ハイレベル信号は第3信号の一例であり、ローレベル信号は第4信号の一例である。
[サブタンク100]
図4から図11には、サブタンク100(タンクの一例)が示されている。サブタンク100は、装着ケース71の下壁73の下方に位置している。
図7に示されるように、サブタンク100は、タンク本体101と、ジョイント102と、を備えている。タンク本体101の内部に、インクを貯留する第2貯留室105(第2液室の一例)が形成されている。サブタンク100は、第2貯留室105と連通する液体流路103及び気体流路104を備えている。液体流路103及び気体流路104は、タンク本体101の内部及びジョイント102の内部に形成されている。また、サブタンク100は、第2貯留室105を外部に連通する大気連通口106(図9、図10、図12(A)参照)を備えている。
[液体流路103及び気体流路104]
図7に示されるように、液体流路103及び気体流路104は並列に位置している。
液体流路103は、第1開口131と、第2開口132と、鉛直部分133と、水平部分134と、を有している。第1開口131は、液体流路103の一端側(後端側)に形成され且つ第2貯留室105に連通する開口である。第1開口131は、上下方向7に沿って開口している。第2開口132は、液体流路103の一端側とは反対の他端側(前端側)に形成され且つ外部に開口する開口である。第2開口132は、前後方向8に沿って開口している。第2開口132は、インクカートリッジ50の装着状態において、インクカートリッジ50の第1貯留室53内に位置する。鉛直部分133は、液体流路103において第1開口131から上方に延びる部分である。水平部分134は、液体流路103において第2開口132から後方に延びる部分である。鉛直部分133の上端部は水平部分134の後端部に接続されている。
気体流路104は、第3開口141と、第4開口142と、鉛直部分143と、水平部分144と、を有している。第3開口141は、気体流路104の一端側(後端側)に形成され且つ第2貯留室105に連通する開口である。第3開口141は、上下方向7に沿って開口している。第4開口142は、気体流路104の一端側とは反対の他端側(前端側)に形成され且つ外部に開口する開口である。第4開口142は、前後方向8に沿って開口している。第4開口142は、インクカートリッジ50の装着状態において、インクカートリッジ50の第1貯留室53に連通する。鉛直部分143は、気体流路104において第3開口141から上方に延びる部分である。水平部分144は、気体流路104において第4開口142から後方に延びる部分である。鉛直部分143の上端部は水平部分144の後端部に接続されている。
[タンク本体101]
タンク本体101は、概ね直方体状の外壁を有している。タンク本体101は、上下方向7から視て概ねT字形状(図9、図10参照)であり、前後方向8から視て概ね長方形状(図8参照)であり、左右方向9から視てL字形状(図4から図7参照)である。
図4から図11に示されるように、タンク本体101の外壁は、後側上壁107、屈曲上壁130、前側上壁108、下壁109、2つの後側側壁110、2つの前側屈曲側壁111、後壁112、及び前壁113を有している。後側上壁107は、後端から水平面に対して上方に傾斜しながら前方に延びる壁である。屈曲上壁130は、後側上壁107の前端から延びる壁であって、前方から上方に向けて屈曲している。前側上壁108は、屈曲上壁130の上端から、水平面と平行に前方に延びている。下壁109は、水平面と平行に前後方向8に延びている。下壁109は、上下方向7から視てT字形状を有している。後側側壁110は、後側上壁107と下壁109とを上下方向7に接続している。後側側壁110は、左右方向9から視て概ね長方形である。図9に示されるように、後側側壁110は、隣り合う異なるインクのタンク本体101において共用されている。前側屈曲側壁111は、屈曲上壁130及び前側上壁108と、下壁109とを上下方向7に接続している。前側屈曲側壁111は、左右方向9から視て概ね長方形であり、上下方向7から視て隅部が弧を描くL字形状である。後壁112は、下壁109の後端部から上方に延びており、左右に位置する2つの後側側壁110と、後側上壁107とに接続されている。前壁113は、下壁109の前端部から上方に延びており、左右に位置する2つの前側屈曲側壁111に接続されている。
図7、図11に示されるように、下壁109には、第2貯留室105に連通する連通口129が形成されている。連通口129には、インクチューブ32の一端部が接続されており、インクチューブ32を介して、第2貯留室105と記録ヘッド39とが連通接続されている。
タンク本体101の前端部かつ上部には、前後方向8に延びる円筒形状の内筒部114が設けられている。内筒部114の内部は、前壁113、左右に位置する2つの前側屈曲側壁111、及び前側上壁108によって形成された開口に連通している。内筒部114には、ジョイント102の後端部が取り付け可能である。内筒部114にジョイント102が取り付けられた装着状態では、内筒部114の内部とジョイント102の内部が連通する。
[幅広部150及び幅狭部151]
図10に示されるように、タンク本体101は、前後方向8に沿って並ぶ幅広部150及び幅狭部151を有している。幅広部150は、タンク本体101において前後方向8の後部に位置し、2つの後側側壁110及び後壁112を含む部分である。幅狭部151は、タンク本体101において前後方向8の前端部(第1方向の一端部の一例)に位置し、2つの前側屈曲側壁111及び前壁113を含む部分である。幅狭部151の左右方向9(第1方向に直交する第2方向の一例)における幅は、幅広部150の左右方向9における幅よりも小さい。第2貯留室105は、幅広部150及び幅狭部151に亘って形成されている。
図8に示されるように、幅広部150の左右方向9における幅は、インクカートリッジ50の左右方向9における幅に、概ね等しい。したがって、幅狭部151の左右方向9における幅は、インクカートリッジ50の左右方向9における幅よりも小さい。
[鉛直壁115及び水平壁116]
図7、図11に示されるように、タンク本体101は、タンク本体101の前部且つ上部に、鉛直壁115及び水平壁116を備えている。
鉛直壁115は、上下方向7に延びる壁であり、前後方向8において前壁113と屈曲上壁130との間に位置している。鉛直壁115は、左右に位置する2つの前側屈曲側壁111を接続しており、前壁113、前側上壁108、2つの前側屈曲側壁111に画定される空間を前後に区画している。鉛直壁115の下端位置が、液体流路103の第1開口131の上下方向7における位置であり、且つ、気体流路104の第3開口141の上下方向7における位置である。鉛直壁115の下端位置は、後側上壁107の前端の下端位置に等しい。つまり、第2貯留室105の上面は、鉛直壁115の下端位置を通り水平面と平行な仮想平面と、後側上壁107の下面とによって画定されている。
水平壁116は、鉛直壁115の上端から前方に延びる壁である。水平壁116は、内筒部114の内部まで延びている。水平壁116は、左右に位置する2つの前側屈曲側壁111を接続し、且つ、内筒部114の内面を左右方向9において接続している。水平壁116は、前側上壁108、2つの前側屈曲側壁111によって画定される空間と、内筒部114によって画定される空間とを、上下に区画している。
図10に示されるように、液体流路103の鉛直部分133は、鉛直壁115、前壁113、及び2つの前側屈曲側壁111によって形成されている。液体流路103の鉛直部分133において上下方向7と直交する断面の形状は、矩形である。液体流路103の鉛直部分133は、第2貯留室105を区画する2つの前側屈曲側壁111と面一に連続している。したがって、液体流路103の鉛直部分133の左右方向9における幅は、幅狭部151によって画定される第2貯留室105の左右方向9における幅と、同じである。
図10に示されるように、気体流路104の鉛直部分143は、屈曲上壁130、鉛直壁115、及び2つの前側屈曲側壁111によって形成されている。気体流路104の鉛直部分133において上下方向7と直交する断面の形状は、矩形である。気体流路104の鉛直部分133は、第2貯留室105を区画する2つの前側屈曲側壁111と面一に連続している。したがって、気体流路104の鉛直部分143の左右方向9における幅は、幅狭部151によって画定される第2貯留室105の左右方向9における幅と、同じである。
図10に示されるように、気体流路104の第3開口141の前後方向8(水平方向の一例)に沿った長さ149は、液体流路103の第1開口131の前後方向8(水平方向の一例)に沿った長さ148よりも、長い。気体流路104の第3開口141の左右方向9に沿った長さは、液体流路103の第1開口131の左右方向9に沿った長さに、等しい。そのため、気体流路104の第3開口141の開口面積は、液体流路103の第1開口131の開口面積よりも大きい。
図7に示されるように、気体流路104の鉛直部分143において、気体流路104の開口面積は、気体流路104の第3開口141に近づくにつれて拡大している。液体流路103の鉛直部分133では、液体流路103の開口面積は、上下方向7において一定である。
図7に示されるように、タンク本体101内における液体流路103の水平部分134は、前側上壁108、水平壁116、2つの前側屈曲側壁111、及び内筒部114によって形成されている。タンク本体101内における気体流路104の水平部分144は、水平壁116、2つの前側屈曲側壁111、及び内筒部114によって形成されている。
[第1リブ117]
図7、図11に示されるように、タンク本体101は、鉛直壁115と連続する第1リブ117を備えている。第1リブ117は、前側屈曲側壁111から突出しており、鉛直壁115から下方に延びている。第1リブ117と下壁109との間は離間している。左右に位置する2つの前側屈曲側壁111のそれぞれに第1リブ117が設けられており、1つの第2貯留室105内には、2つの第1リブ117が左右方向9に離れて位置している。
[液面センサ155]
図7に示されるように、液面センサ155は、タンク本体101の第2貯留室105の液面が境界位置B以上であるか否かを検出するためのセンサである。境界位置Bは、気体流路104の第3開口141を通過して水平方向に延びる仮想線Lより下方の位置である。液面センサ155は、タンク本体101の後壁121の境界位置Bにインクが接触しているか否かによって異なる反射率を有するプリズムを利用して、第2貯留室105の境界位置Bにおけるインクの液面を光学的に検出するためのセンサである。
液面センサ155は、左右方向9に離間した発光部及び受光部を備える。液面センサ155は、発光部から出力された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる信号(図中では、「液面信号」と表記する。)を出力する。本実施形態では、タンク本体101の第2貯留室105の液面が境界位置B以上であれば、液面センサ155は、ローレベル信号を出力する。タンク本体101の第2貯留室105の液面が境界位置B未満であれば、液面センサ155は、ハイレベル信号を出力する。ローレベル信号が第1信号の一例である。ハイレベル信号が第2信号の一例である。
[ジョイント102]
図4から図9、図11に示されるように、ジョイント102は、ジョイント本体118、内壁119、栓部材120(図6、図7参照)、及びバネ121(図6、図7参照)を備えている。
[ジョイント本体118]
図7に示されるように、ジョイント本体118は、ジョイント本体118は、後端部に位置する外筒部122と、前端部に位置する先端部123と、外筒部122及び先端部123を接続する本体部124と、を備えている。外筒部122は、円筒形状を有しており、前後方向8に延びている。外筒部122は、タンク本体101の内筒部114に嵌め込まれている。これにより、ジョイント本体118がタンク本体101に固定されている。先端部123は、前後方向8の軸を軸芯とする円板形状を有している。本体部124は、円筒形状を有しており、前後方向8に延びている。本体部124の前端部には、上方及び下方にそれぞれ開口する上開口部125及び下開口部126が形成されている。
[仕切壁127及び第2リブ128]
図7、図8に示されるように、内壁119は、ジョイント本体118の内部に位置している。内壁119は、先端部123から後方に外筒部122を超えて延びている。内壁119は、仕切壁127と、第2リブ128とを備えている。図8に示されるように、内壁119は、前後方向8から視てT字形状を有している。仕切壁127の後端面は、タンク本体101内の水平壁116の前端面に接触している。仕切壁127及び水平壁116により、ジョイント本体118とタンク本体101との接続部分の内部空間が、液体流路103及び気体流路104に区画されている。
仕切壁127は、ジョイント本体118の内部において左右方向9に拡がる壁である。仕切壁127は、先端部123から後方に延びている。ジョイント本体118の内部空間は、仕切壁127によって上部と下部とに区画されている。
第2リブ128は、仕切壁127の左右方向9の中央部から下方に突出している。第2リブ128は、先端部123から後方に延びている。第2リブ128とジョイント本体118の内面との間には隙間がある。
ジョイント102内における液体流路103の水平部分134は、ジョイント本体118の内面及び内壁119の下面によって形成されている。ジョイント102内における液体流路103の水平部分134の断面は、略半円形状である。より正確には、水平部分134の断面は、半円形状の上側部分が第2リブ128によって左右に分割されており、半円形状の下側部分が左右に分割されずに繋がっている。ジョイント102内における気体流路104の水平部分144は、ジョイント本体118の内面及び内壁119の上面によって形成されている。ジョイント102内における気体流路104の水平部分144の断面は、半円形状である。
[栓部材120及びバネ121]
栓部材120は、円筒状の部材であり、ジョイント本体118の本体部124の外側に位置している。栓部材120は、本体部124に沿って前後方向8に移動可能である。バネ121は、前端部が栓部材120の後端部に固定されており、後端部が大気連通部70のバッファタンク90及びジョイント本体118の外筒部122に当接している。バネ121は、栓部材120を前方に付勢する。外力が加えられない状態では、栓部材120は、ジョイント本体118の前端部に位置しており、上開口部125及び下開口部126を閉鎖している。バネ121の弾性力よりも大きな後向きの外力が栓部材120に加えられると、栓部材120は後方に移動して、上開口部125及び下開口部126が開放される。インクカートリッジ50の装着時には、栓部材120にインクカートリッジ50のジョイント受部52が当接する。インクカートリッジ50の装着時に加えられる外力により、ジョイント受部52に当接する栓部材120が後方に移動する。
[インクカートリッジ50の装着状態]
図5、図7に示されるように、インクカートリッジ50がサブタンク100に装着された装着状態では、サブタンク100のジョイント本体118が、前後方向8に沿ってインクカートリッジ50のジョイント受部52内に挿入され、さらに連通口61内に挿入されている。この装着状態では、インクカートリッジ50の第1貯留室53に、サブタンク100の液体流路103の第2開口132及び気体流路104の第4開口142が進入している。図4、図5に示されるように、インクカートリッジ50は、前後方向8に沿ってサブタンク100に分離及び装着可能である。
[インクカートリッジ50及びサブタンク100のレイアウト]
インクカートリッジ50及びサブタンク100のレイアウトが説明される。レイアウトは、インクカートリッジ50が装着ケース71に装着され、インクカートリッジ50及びサブタンク100が図5に示される使用姿勢であるとして説明がなされる。
図5に示されるように、インクカートリッジ50の凸部65は、上下方向7において、ジョイント102と略同じ位置にあるが、インクカートリッジ50の凸部65より上方の部分は、ジョイント102よりも上方にある。そのため、インクカートリッジ50の第1貯留室53の大部分は、第2開口132よりも上方に位置している。また、サブタンク100の上部、すなわち屈曲上壁130付近から上方の部分は、ジョイント102と略同じ位置にあるが、サブタンク100の屈曲上壁130付近より下方の部分は、ジョイント102よりも下方にある。そのため、サブタンク100の第2貯留室105の大部分は、第3開口141ジョイント102よりも下方にある。
第1貯留室53の凸部65より上方の部分は、液体流路103の水平部分134及び気体流路104の水平部分144よりも上方に位置している。第2貯留室105は、液体流路103の水平部分134及び気体流路104の水平部分144よりも下方に位置している。第1貯留室53の下側部分と、第2貯留室105の上側部分とは、前後方向8の同軸上に並んでいる。第1貯留室53の容積は、第2貯留室105の容積よりも大きい。
気体流路104の水平部分144は、液体流路103の水平部分134よりも上方に位置している。
図7に示されるように、第1貯留室53の連通口61から後方に向けて、液体流路103の第1開口131、気体流路104の第3開口141、及び大気連通口106が順に位置している。第1貯留室53の連通口61の上下方向7の位置が、第1貯留室53と液体流路103とが連通する上下方向7の位置に相当し、その上下方向7の位置において連通口61から後方に向かう方向が、第1貯留室53から遠ざかる方向である。
[大気連通部70]
図5、図11、図12に示されるように、大気連通部70は、バッファタンク90と、連通流路145と、大気連通路147と、を備えている。
[バッファタンク90]
図5、図11に示されるように、バッファタンク90は、装着ケース71の下方且つサブタンク100の上方に位置している。
図5、図11に示されるように、バッファタンク90は、上壁91、下壁92、2つの側壁93、3つの仕切壁94、後壁95、及び突出壁96を備えている。上壁91は、水平面に対して傾斜した面に沿って拡がる壁である。下壁92は、後方から水平面と平行に延びながら、前方に向かうにつれて上方に屈曲する壁である。下壁92の前端部は上壁91の前端部に接続している。2つの側壁93は、上壁91及び下壁92の左右方向9の両端部をそれぞれ上下方向7に接続する壁である。3つの仕切壁94は、2つの側壁93と左右方向9に並列に配置された壁である。後壁95は、上壁91及び下壁92の後端部を接続する壁である。突出壁96は、上壁91の後端部から上方に延びる壁である。後壁95と突出壁96との間には、前後方向8に隙間が形成されている。
バッファタンク90の上壁91の上方には、装着ケース71の下壁73が位置している。バッファタンク90の上壁91は、装着ケース71の下壁73を支持している。したがって、バッファタンク90の上壁91は、装着ケース71に収納されたインクカートリッジ50を、装着ケース71の下壁73を介して支持可能である。
[バッファ室97]
上壁91、下壁92、2つの側壁93、後壁95によって画定される内部空間は、3つの仕切壁94により4つのバッファ室97として区画されている。4つのバッファ室97は、それぞれ4つのサブタンク100に連通接続されている。4つのバッファ室97は、気液置換により第1貯留室53内のインクが第2貯留室105に供給されるに伴って第1貯留室53に送られる空気を、貯留可能な空間である。4つのバッファ室97は、記録部24よりも上方に位置している。
図5に示されるように、第1貯留室53の下方にバッファ室97が位置し、バッファ室97の下方に第2貯留室105が位置している。凸部65内に形成された第1貯留室53の一部及びバッファ室97の一部は、前後方向8(水平方向の一例)の同軸上に並んでいる。さらに、凸部65の一部、ジョイント102の一部、及びバッファタンク90の一部が、前後方向8(水平方向の一例)の同軸上に並んでいる。また、第1貯留室53の一部及びバッファ室97の一部は、上下方向7の同軸上に並んでいる。
[連通流路145]
図12(A)に示されるように、バッファタンク90の下壁92は、バッファ室97に連通する開口部98を有している。インク供給装置15は、タンク本体101の大気連通口106とバッファタンク90の開口部98とを接続する接続管99を備えている。接続管99は、円筒形状である。接続管99の内面によって、第2貯留室105とバッファ室97とを接続する連通流路145が形成されている。連通流路145は、上下方向7に延びている。
[大気連通路147]
図12(B)に示されるように、上壁91の後端部には、バッファ室97毎に開口部146が形成されている。上壁91は、突出壁96の後方に4つの開口部146を有している。上壁91の下面は、前後方向8(水平方向の一例)に沿って開口部98と反対(後方)に向かって上方に傾斜している。開口部146は、上壁91の下面が上下方向7の最も高い位置において、上壁91に開口している。ここで、後壁95の前面と突出壁96の後面とによって、上下方向7に延びる大気連通路147が形成されている。大気連通路147は、開口部146を介してバッファ室97から上方に延びており、複合機10の筐体14の外部に連通している。
[本実施形態の動作]
まず、空のサブタンク100にインクカートリッジ50が初めて装着された初期導入時におけるインク及び空気の流れが説明される。
図6に示される初期導入前の状態(前状態)では、インクカートリッジ50はサブタンク100から分離されている。前状態では、インクカートリッジ50の連通口61は栓部材62によって閉鎖されており、第1貯留室53がインクカートリッジ50によって密閉されている。そのため、第1貯留室53に満たされたインクは、外部に漏れることはない。一方、前状態では、サブタンク100の上開口部125及び下開口部126(図7参照)は、栓部材120によって閉鎖されている。そのため、第2貯留室105に連通する液体流路103の第2開口132及び気体流路104の第2開口が、外部に対して閉じられている。第2貯留室105は、液体流路103及び気体流路104の他に外部に連通する部位として、大気連通口106(図7参照)及び連通口129(図7参照)を有している。大気連通口106は、バッファ室97を介して複合機10の外気と連通している。連通口129は、インクチューブ32を介して記録ヘッド39に連通しているが、記録ヘッド39の休止状態ではインクは連通口129から流出することはない。ここで、第2貯留室105には、インクが満たされておらず、第2貯留室105は空の状態である。
図5、図7に示されるように、インクカートリッジ50がサブタンク100に装着されると、連通口61を閉鎖する栓部材62がバネ63の付勢力に逆らって前方に退避し、且つ、上開口部125及び下開口部126を閉鎖する栓部材120がバネ121の付勢力に逆らって後方に退避する。この結果、第1貯留室53が液体流路103及び気体流路104を介して第2貯留室105に連通する。そうすると、インクカートリッジ50の第1貯留室53内のインクが、液体流路103を介して自然落下して、サブタンク100の第2貯留室105内に導入される。第2貯留室105内に導入されたインクの量と同じ体積の空気が、気体流路104を介して第1貯留室53に導入される。このように、第1貯留室53内のインクが空気に置換されること(気液置換)により、第1貯留室53内のインクが第2貯留室105に供給される。
気液置換の進行により、第2貯留室105のインクの液面は上昇する。インクの液面が上昇して鉛直壁115の下端位置に到達すると、気体流路104の第3開口141が閉じられる。そうすると、気液置換ができなくなるので、第1貯留室53から第2貯留室105へのインクの供給が停止される。このようにして、初期導入時におけるインクの供給が行われる。
次に、インクカートリッジ50の装着状態においてプリンタ部11による記録動作が実行された場合のインク及び空気の流れが説明される。
記録動作の実行時に記録ヘッド39からインクが吐出されると、第2貯留室105内のインクが連通口129から記録ヘッド39へと吸引される。インクの減少に伴って第2貯留室105内のインクの液面が下降するので、閉じられていた気体流路104の第3開口141が開放される。気体流路104の第3開口141が開放されると、上述したように、気液置換が実行されて、第1貯留室53から第2貯留室105にインクが供給される。記録ヘッド39でのインクの消費を補うように、第1貯留室53から第2貯留室105にインクが供給され、第2貯留室105内のインクの液面の高さは、気体流路104の第3開口141の位置に保たれる。
第1貯留室53内のインクが空になった場合、空になったインクカートリッジ50を、インクに満たされた別のインクカートリッジ50に交換することにより、複合機10は継続的に記録動作を実行できる。
[コントローラ230]
コントローラ230は、図6に示されるように、CPU231、ROM232、RAM233、EEPROM234、及びASIC235を備えている。ROM232には、CPU231が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM233は、CPU231が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM234には、電源オフ後も保持すべき設定情報が格納される。ROM232、RAM233、及びEEPROM234は、メモリの一例である。
ASIC235は、給送ローラ25、搬送ローラ34、排出ローラ36、及び記録ヘッド39を動作させるためのものである。コントローラ230は、ASIC235を通じて不図示のモータを駆動させることによって、給送ローラ25、搬送ローラ34、及び排出ローラ36を回転させる。また、コントローラ230は、ASIC235を通じて記録ヘッド39の駆動素子に駆動信号を出力することによって、記録ヘッド39にノズル40を通じてインクを吐出させる。ASIC235は、ノズル40を通じて吐出すべきインクの量に応じて、複数種類の駆動信号を出力可能である。
また、ASIC235には、ディスプレイ17と、操作パネル22とが接続されている。
さらに、ASIC235には、接点152と、カバーセンサ88と、装着センサ154と、液面センサ155とが電気的に接続されている。コントローラ230は、装着ケース71に装着されたインクカートリッジ50のICチップ66のメモリに、接点152を通じてアクセスする。コントローラ230は、カバー48の位置をカバーセンサ88を通じて検出する。また、コントローラ230は、装着センサ154の検出信号に基づいて、装着ケース71に装着されたインクカートリッジ50を検出する。さらに、コントローラ230は、第2貯留室105内のインクの液面が境界位置B以上か否かを液面センサ155を通じて検出する。
EEPROM234は、装着ケース71に装着される4つのインクカートリッジ50それぞれに対応付けて、換言すれば、インクカートリッジ50と連通されるサブタンク100それぞれに対応付けて、各種情報を記憶している。各種情報とは、例えば、液体量の一例であるインク量Vc、Vsと、容積Vthと、初期処理フラグと、閾値となる各値T1,T2,T3や待機時間Tw1,Tw2,Tw3など、を含む。時間T1は、第1時間の一例である。待機時間Tw1は、第2時間の一例である。時間T2は、第3時間の一例である。
なお、インク量Vc及び識別情報は、インクカートリッジ50が装着ケース71に装着された状態で、接点152を通じてICチップ66のメモリからコントローラ230によって読み出される情報である。容積Vthは、EEPROM234に代えて、ROM232に記憶されていてもよい。
インク量Vcは、インクカートリッジ50の第1貯留室53に貯留されているインクの量を示す。インク量Vsは、サブタンク100の第2貯留室105に貯留されているインクの量を示す。インク量Vc、Vsは、例えば、容積Vthによって算出される。インクカートリッジ50の第1貯留室53内にサブタンク100へ流出可能なインクがあるとき、サブタンク100の第2貯留室105内のインクの液面は、気体流路104の第3開口141を含む仮想線Lの位置となる。この状態が平衡状態と称される。つまり、平衡状態では、第1貯留室53と第2貯留室105との間でのインクの移動が停止する。平衡状態におけるインク量Vsは、第2貯留室105の仮想線L未満の容積Vthである。したがって、インクの総量Vtが算出されると、インク量Vs及びインク量Vcが求められる。つまり、総量Vtが容積Vth以上であれば、インク量Vsは容積Vthであり、インク量Vcは総量Vtから容積Vthを差し引いた量である。総量Vtが容積Vth未満であれば、インク量Vsは総量Vtと同等であり、インク量Vcはゼロである。また、容積Vthが用いられずに、総量Vt毎に対応づけられたテーブルによってインク量Vc、Vsが求められてもよい。
初期処理フラグは、複合機10において初期処理が行われたか否かを示す情報である。初期処理フラグには、初期処理が行われたことに対応する値“ON”、或いは初期処理が行われていないことに対応する値“OFF”が設定される。初期処理フラグは、製品出荷時において、”OFF”が設定されている。
[複合機10の動作]
図14を参照して、本実施形態に係る複合機10の動作を説明する。図14に示される初期処理は、コントローラ230のCPU231によって実行される。なお、以下の各処理は、ROM232に記憶されているプログラムをCPU231が読み出して実行してもよいし、コントローラ230に搭載されたハードウェア回路によって実現されてもよい。また、以下の各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
コントローラ230は、複合機10の装着ケース71に初めてインクカートリッジ50が装着されたときに、初期処理を実行する。図15(A)に示されるように、未使用の複合機10においては、サブタンク100の第2貯留室105にインクが貯留されていない。また、第2貯留室105の連通口129からインクチューブ32及び記録ヘッド39までの空間には、インクが存在せずに、空気が存在する状態か、或いはインクとは異なる保存液が満たされている状態である。したがって、複合機10が初めて使用されるときには、装着ケース71に装着されたインクカートリッジ50の第1貯留室53から、第2貯留室105を通じて、インクチューブ32及び記録ヘッド39へインクを導入する初期処理を実行する必要がある。例えば、記録ヘッド39のノズル40からポンプ等によって吸引又は排出を行うことにより、第1貯留室53に貯留されているインクが、第2貯留室105を通じて、インクチューブ32及び記録ヘッド39へ導入される。
図14に示されるように、コントローラ230は、装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したかを判定する(S10)。そして、コントローラ230は、インクカートリッジ50が装着ケース71に初めて装着された時刻、すなわち、装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したことに応じて(S10:Yes)、その時刻をEEPROM234に記憶する。
つづいて、コントローラ230は、装着ケース71に装着されたインクカートリッジ50のICチップ66から、識別情報やインク量Vc0などのCTG情報を読み出す(S11)。読み出されたCTG情報は、EEPROM234に記憶される。
そして、コントローラ230は、EEPROM234の初期処理フラグを読み出す(S12)。コントローラ230は、初期処理フラグが”ON”であれば(S12:No)、初期処理を終了する。初期処理フラグが”ON”であれば、既に初期処理が実行されているからである。
コントローラ230は、初期処理フラグが”OFF”であれば(S12:Yes)、液面センサ155から受信した信号がローレベル信号であるかを判定する(S13)。図15(B)に示されるように、例えば、新品のインクカートリッジ50が装着ケース71に装着されると、第1貯留室53から第2貯留室105へインクが流入して、その後に時間が経過すれば、第2貯留室105においてインクの液面が所定位置Bに到達して、液面センサ155がローレベル信号を出力することとなる。
コントローラ230は、液面センサ155からローレベル信号を受信していないと判定したことに応じて(S13:No)、装着センサ154からローレベル信号を受信した時刻から現在の時刻までの時間ΔT1が、時間T2に到達したかを判定する(S14)。コントローラ230は、時間ΔT1が時間T2に到達していないと判定したことに応じて(S14:No)、S13を実行する。コントローラ230は、時間ΔT1が時間T2に到達したと判定したことに応じて(S14:Yes)、ディスプレイ17に、初期処理がエラーである旨を示す画面を表示させ(S15)、初期処理を終了する。時間T2は、例えば、後述される時間T1より長い時間として予め設定されている。
コントローラ230は、液面センサ155からローレベル信号を受信したことに応じて(S13:Yes)、装着センサ154からローレベル信号を受信した時刻から現在、すなわち液面センサ155からローレベル信号を受信した時刻までの時間ΔT1が、時間T1以上であるかを判定する(S16)。コントローラ230は、時間ΔT1が時間T1未満であると判定したことに応じて(S16:No)、初期処理動作を開始する(S17)。すなわち、記録ヘッド39のノズル40を通じた吸引動作を開始する。時間ΔT1が第1経過時間及び第2経過時間の一例である。
コントローラ230は、時間ΔT1が時間T1以上であると判定したことに応じて(S16:Yes)、時間Tw1を待機した後(S18)、初期処理動作を開始する(S17)。時間Tw1を待機することは、第2経過時間が第2時間に到達したことの一例である。時間T1は、例えば、初期インク量Vc0のインクが第1貯留室53に貯留されているインクカートリッジ50が装着ケース71に装着されてから、第1貯留室53から空の第2貯留室105にインクが流出して、第2貯留室105の液面の位置が所定位置Bとなるに要する時間より長い時間として予め設定されている。時間ΔT1が時間T1以上であるときは、インクカートリッジ50の第1貯留室53からサブタンク100の第2貯留室105へインクが流出する速度(流量Qc)が、流出不良などの原因により遅くなり、通常より長い時間を要していると推定される。したがって、初期処理動作が開始された後の第2貯留室105へのインクの流量Qcも通常より少なくなる。そのような状態では、第2貯留室105の液面が所定位置Bに到達した後、さらに時間Tw1を待機することによって、第2貯留室105に十分な量のインクを貯留させ、その後に初期処理動作を所定の流量Qipで実行しても、第2貯留室105の液面が連通口129の直上付近に到達しないようにすることができる。なお、設計段階では、基準となる環境(温度や湿度など)において、初期インク量Vc0のインクが第1貯留室53に貯留されているインクカートリッジ50が装着された場合に、液面センサ155がローレベル信号を出力した後において、インクカートリッジ50の液室からサブタンク100の第2貯留室105へインクが流出する速度(流量Qc)が、液面センサ155がローレベル信号を出力した後において、初期処理動作によってサブタンク100に第2貯留室105からインクが流出する速度よりも速くなるように、初期処理動作が設定されている。
コントローラ230は、初期処理動作を開始した後、液面センサ155からハイレベル信号を受信したかを判定する(S19)。コントローラ230は、液面センサ155からハイレベル信号を受信することなく(S19:No)、初期処理動作が終了したと判定すると(S20:Yes)、EEPROM234に記憶されている初期処理フラグに”ON”を代入して(S21)、初期処理を終了する。
コントローラ230は、初期処理動作を開始した後、液面センサ155からハイレベル信号を受信したと判定したことに応じて(S19:Yes)、初期処理動作を停止する(S22)。また、コントローラ230は、液面センサ155からハイレベル信号を受信した時刻をRAM133に記憶する。そして、コントローラ230は、液面センサ155からローレベル信号を受信したかを判定する(S23)。
初期処理動作によって第2貯留室105からインクチューブ32及び記録ヘッド39へインクが流出する。他方、インクカートリッジ50の第1貯留室53から第2貯留室105へインクが流入する。第2貯留室105へ流入するインク量より、第2貯留室105から流出するインク量が多くなれば、第2貯留室105の液面が下降して所定位置B未満となることがある。第2貯留室105の液面が所定位置B未満となると、液面センサ155がハイレベル信号を出力する。第2貯留室105へ流入するインク量より、第2貯留室105から流出するインク量が多い状況が継続すると、第2貯留室105の液面が、やがて連通口129の直上付近に到達するおそれがあるので、初期処理動作を一時的に停止して、第2貯留室105の液面が上昇することを待つ。
コントローラ230は、液面センサ155からローレベル信号を受信したことに応じて(S23:Yes)、時間Tw2を待機した後(S24)、停止していた初期処理動作を再開する(S25)。初期処理動作によって第2貯留室105の液面が下降する状態なので、第2貯留室105の液面が所定位置Bに到達した後、さらに時間Tw2を待機することによって、第2貯留室105に十分な量のインクを貯留させることができる。そして、コントローラ230は、S19を実行する。
コントローラ230は、液面センサ155からローレベル信号を受信していないと判定したことに応じて(S23:No)、装着センサ154からハイレベル信号を受信した時刻(S19:Yesの時刻)から現在の時刻までの時間ΔT2が、時間T3に到達したかを判定する(S26)。コントローラ230は、時間ΔT2が時間T3に到達していないと判定したことに応じて(S26:No)、S19を実行する。コントローラ230は、時間ΔT2が時間T3に到達したと判定したことに応じて(S26:Yes)、ディスプレイ17に、初期処理がエラーである旨を示す画面を表示させ(S27)、初期処理を終了する。時間T3は、例えば、後述される時間T1より長い時間として予め設定されている。
[第1実施形態の作用効果]
上記第1実施形態によれば、装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された後、液面センサ155からローレベル信号を受信したことに応じて初期処理動作が開始されるので、第2貯留室105からインクチューブ32へ空気が進入することなく、初期処理動作が開始されるまでの時間を短くすることができる。
また、第1貯留室53から第2貯留室105へのインクの流れが悪いなどを原因として、初期処理動作を実行している間に、第2貯留室105の液面が所定位置B未満となって液面センサ155からハイレベル信号受信したときには、初期処理動作が停止されて、第2貯留室105からインクチューブ32へ空気が進入することが抑制される。
また、第1貯留室53から第2貯留室105へのインクの流量Qcが少ないときには、装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された後、時間Tw1を待機することによって、初期処理動作を開始するタイミングを遅くすることができる。これにより、第2貯留室105からインクチューブ32へ空気が進入することが抑制される。
また、第1貯留室53から第2貯留室105へのインクの流量Qcが更に少ないときには、ディスプレイ17を通じて初期処理に異常があること、すなわち、第1貯留室53から第2貯留室105へのインクの流出に異常があることがユーザに知らされる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態が説明される。第2実施形態に係るプリンタは、第1実施形態に係る複合機10において液面センサ155を初期処理に用いない又は備えていない。また、温度センサを備える構成である。温度センサは、プリンタが設定されている環境温度に応じた電気信号をコントローラ230へ出力する。また、EEPROM234には、所定温度についての閾値C0、及び待機時間Tkとして設定される時間T4,T5が記憶されている。時間T4が第4時間の一例である。時間T5が、第5時間の一例である。第2実施形態においては、第1実施形態とは異なる初期処理が実行される。それ以外のプリンタの構成については、第1実施形態に係る複合機10と同様なので、詳細な説明が省略される。
第1実施形態と同様に、コントローラ230は、複合機10の装着ケース71に初めてインクカートリッジ50が装着されたときに、初期処理を実行する。図16に示されるように、コントローラ230は、装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したかを判定する(S30)。
つづいて、コントローラ230は、装着ケース71に装着されたインクカートリッジ50のICチップ66から、識別情報やインク量Vc0などのCTG情報を読み出す(S31)。読み出されたCTG情報は、EEPROM234に記憶される。
そして、コントローラ230は、EEPROM234の初期処理フラグを読み出す(S22)。コントローラ230は、初期処理フラグが”ON”であれば(S22:No)、初期処理を終了する。初期処理フラグが”ON”であれば、既に初期処理が実行されているからである。
コントローラ230は、初期処理フラグが”OFF”であれば(S22:Yes)、CTG情報から初期インク量Vc0を読み出したかを判定する(S33)。新品であるインクカートリッジ50のICチップ66のメモリには初期インク量Vc0が記憶されている。そして、インクカートリッジ50が使用されると、例えば、装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された後、画像記録やパージなどの記録ヘッド39を通じたインクの排出が実行されると、コントローラ230は、ICチップ66のメモリに記憶されている初期インク量Vc0を消去する。したがって、コントローラ230が、初期インク量Vc0を読み出したインクカートリッジ50は、新品のカートリッジである。なお、初期インク量Vc0に代えて、CTG情報に新品のカートリッジであることを示すフラグなどの値や情報が記憶されており、コントローラ230は、その値や情報を読み出すことによって、新品のカートリッジである否かを判定することとしてもよい。
コントローラ230は、ICチップ66のメモリから初期インク量Vc0を読み出せないと判定したことに応じて(S33:No)、初期処理を終了する。新品のインクカートリッジ50が装着ケース71に装着されると、第1貯留室53から第2貯留室105へインクが流入する。そのときの流量Qcは、インクカートリッジ50の第1貯留室53の液面が最も高くなるため、同種のカートリッジにおいて最も速い。しかしながら、既に使用されて第1貯留室53に貯留されているインク量が初期インク量Vc0より少ないインクカートリッジ50が装着ケース71に装着されると、インクカートリッジ50の第1貯留室53の液面が初期カートリッジの液面より低くなる分、流量Qcが小さくなる。その結果、初期処理動作において第2貯留室105から流出するインクの流量Qipより流量Qcが小さくなるおそれがある。流量Qcが流量Qipより小さければ、初期処理動作中に第2貯留室105の液面が下降して、連通口129の直上付近に至るおそれがある。したがって、新品でないインクカートリッジ50が装着ケース71に装着されたときには、初期処理動作が実行されない。
コントローラ230は、ICチップ66のメモリから初期インク量Vc0を読み出したことに応じて(S33:Yes)、温度センサが出力する温度が閾値C0未満であるかを判定する(S34)。コントローラ230は、温度センサが出力する温度が閾値C0以上であると判定したことに応じて(S34:No)、待機時間Tkに時間T4を設定する(S35)。他方、コントローラ230は、温度センサが出力する温度が閾値C0未満であると判定したことに応じて(S34:Yes)、待機時間Tkに時間T5を設定する。時間T5は、時間T4より長い。
複合機10が設置された環境温度が低ければ、装着ケース71に装着されたインクカートリッジ50に貯留されているインクの温度も低いと推定される。インクは、温度が低くなるに従って粘度が高くなる。したがって、環境温度が低くなるに従って、第1貯留室53から第2貯留室105へのインクの流量Qcが小さくなる傾向にあるので、温度Cが閾値C0未満であれば、時間T4より長い時間T5が待機時間Tkとして設定される。
そして、コントローラ230は、待機時間Tkを待機した後(S37)、初期処理動作を実行する(S38)。待機時間Tkを待機している間に、インクカートリッジ50の第1貯留室53からサブタンク100の第2貯留室105へインクが流出して、第2貯留室105に貯留されているインク量が増える。待機時間Tkが長くなるに従って、第2貯留室105に貯留されるインク量が多くなる。
コントローラ230は、初期処理動作を実行した後、EEPROM234に記憶されている初期処理フラグに”ON”を代入して(S39)、初期処理を終了する。
[第2実施形態の作用効果]
上記第2実施形態によれば、装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された後、待機時間Tkが経過すると初期処理動作が実行されるので、第2貯留室105からチューブ32へ空気が進入することなく初期処理動作が実行されるまでの時間を短くすることができる。
また、複合機10が設置されている環境温度が低くインクの粘度が高いことにより、第1貯留室53から第2貯留室105への流量Qcが小さくなれば、装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された後、初期処理動作を実行されるまでの待機時間Tkとして、時間T4より長い時間T5が設定されるので、初期処理動作が実行されるタイミングが遅くなる。これにより、初期処理動作において、第2貯留室105からチューブ32へ空気が進入することが抑制される。
また、初期インク量Vc0のインクを貯留しないインクカートリッジ50が装着ケース71に装着されたときには、初期処理動作が実行されないので、第2貯留室105からチューブ32へ空気が進入することが抑制される。
[第3実施形態]
以下、第3実施形態が説明される。第3実施形態に係るプリンタは、第2実施形態に係るプリンタと同様に液面センサ155を初期処理に用いない又は備えていない。また、EEPROM234には、閾値としての流量Qip(第1閾値の一例)、初期処理動作の実行時間Tip、閾値Vth1(第2閾値の一例)、及びインク量Vcと流量Qcとの関係を示す関数またはテーブルが記憶されている。第3実施形態においては、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる初期処理が実行される。それ以外のプリンタの構成については、第1実施形態に係る複合機10と同様なので、詳細な説明が省略される。
第1実施形態と同様に、コントローラ230は、複合機10の装着ケース71に初めてインクカートリッジ50が装着されたときに、初期処理を実行する。図17に示されるように、コントローラ230は、装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したかを判定する(S50)。そして、コントローラ230は、インクカートリッジ50が装着ケース71に初めて装着された時刻、すなわち、装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したことに応じて(S50:Yes)、その時刻をEEPROM234に記憶する。
つづいて、コントローラ230は、装着ケース71に装着されたインクカートリッジ50のICチップ66から、識別情報や初期インク量Vc0、インク量VcなどのCTG情報を読み出す(S51)。読み出されたCTG情報は、EEPROM234に記憶される。
そして、コントローラ230は、EEPROM234の初期処理フラグを読み出す(S52)。コントローラ230は、初期処理フラグが”ON”であれば(S52:No)、初期処理を終了する。初期処理フラグが”ON”であれば、既に初期処理が実行されているからである。
コントローラ230は、初期処理フラグが”OFF”であれば(S52:Yes)、CTG情報に含まれるインク量Vc又は初期インク量Vc0から流量Qcを決定する(S53)。新品であるインクカートリッジ50のICチップ66のメモリには初期インク量Vc0が記憶されている。そして、インクカートリッジ50が使用されると、例えば、装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された後、画像記録やパージなどの記録ヘッド39を通じたインクの排出が実行されると、コントローラ230は、ICチップ66のメモリに記憶されている初期インク量Vc0(第1値の一例)を消去し、現在貯留しているインク量Vc(第2値の一例)をICチップ66のメモリに記憶させる。なお、初期インク量Vc0に代えて、CTG情報に新品のカートリッジであることを示すフラグなどの値や情報が記憶されており、コントローラ230は、その値や情報を読み出して、予めEEPROM234に記憶されている初期インク量を読み出すことによって、インクカートリッジ50に貯留されているインク量を決定してもよい。
装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された後の第1貯留室53から第2貯留室105へのインクの流量Qcは、基準位置(例えば仮想線L)からの第1貯留室53の液面の高さによって変動する。流量Qcは、第1貯留室53の液面の高さ、すなわちインク量Vcに依存することとなる。したがって、インク量Vcと流量Qcとの関係を示す関数またはテーブルがEEPROM234に記憶されていれば、ICチップ66から読み出したインク量Vc又は初期インク量Vc0に基づいて流量Qcを決定することができる。
つづいて、コントローラ230は、決定した流量Qcと、装着センサ154からローレベル信号を受信した時刻から現在までの時間ΔT1とを乗じて、第2貯留室105に貯留されたインク量Vsを算出する(S54)。そして、コントローラ230は、決定した流量Qcが閾値である流量Qip以上であると判定したことに応じて(S55:Yes)、算出したインク量Vsが閾値Vth1以上であるかを判定する(S56)。コントローラ230は、算出したインク量Vsが閾値Vth1未満であると判定すれば(S56:No)、所定の時間間隔でインク量Vsを算出してS56を繰り返して実行する。算出したインク量Vsは、現在時刻が遅くなるにつれて大きくなるので、やがて閾値Vth1以上となる(S56:Yes)。そして、コントローラ230は、インク量Vsが閾値Vth1以上であると判定したことに応じて(S56:Yes)、初期処理動作を開始する(S57)。
コントローラ230は、初期処理動作を実行した後、EEPROM234に記憶されている初期処理フラグに”ON”を代入する(S58)。そして、初期処理動作を実行した後のインク量Vc,Vsを算出して、EEPROM234に記憶させる(S59)。また、算出したインク量VcをICチップ66のメモリに記憶させて(S60)、初期処理を終了する。
コントローラ230は、S55において、流量Qcが流量Qip未満であると判定したことに応じて(S55:No)、閾値Vth2(第3閾値の一例)を算出する(S61)。閾値Vth2は、流量Qipと流量Qcとの差に、初期処理動作を実行する時間Tipを乗じた値として算出される。流量Qcが流量Qip未満であれば、初期処理動作が実行される間に、第2貯留室105に貯留されているインクが減少する。流量Qipと流量Qcとの差は、初期処理動作において、単位時間当たりに第2貯留室105から減少するインク量に相当する。これに時間Tipを乗じた値が、初期処理動作において第2貯留室105から減少するインク量の総量に相当する。
コントローラ230は、算出したインク量Vsが、閾値Vth1と閾値Vth2の和以上であるかを判定する(S62)。コントローラ230は、算出したインク量Vsが、閾値Vth1と閾値Vth2との和未満であると判定すれば(S62:No)、所定の時間間隔でインク量Vsを算出してS62を繰り返して実行する。算出したインク量Vsは、現在時刻が遅くなるにつれて大きくなるので、やがて閾値Vth2以上となる(S62:Yes)。そして、コントローラ230は、インク量Vsが、閾値Vth1と閾値Vth2との和以上であると判定したことに応じて(S62:Yes)、初期処理動作を開始し(S57)、また、S58からS60を実行する。
[第3実施形態の作用効果]
上記第3実施形態によれば、装着ケース71にインクカートリッジ50が装着された後、流量Qcが流量Qip以上であれば、インク量VsがVth1以上となれば、初期処理動作を実行する。これにより、第2貯留室105からインクチューブ32へ空気が進入することなく初期処理動作が実行されるまでの時間を短くすることができる。
また、流量Qipcが流量Qip未満であれば、閾値Vth1に閾値Vth2を加えた値よりインク量Vsが多くなれば、初期処理動作を実行する。これにより、流量Qcに応じて、装着ケース71にインクカートリッジ50が装着されてから初期処理動作が実行されるまでの時間を短くすることができる。
[変形例]
また、上記各実施形態では、記録ヘッド39を通じたインクの排出がシートへの画像記録として説明がされているが、記録ヘッド39を通じたインクの排出は、記録ヘッド39のノズル40から強制的にインクを排出させる所謂パージであってもよい。
また、上記各実施形態では、液面センサ155は、第2貯留室105の後壁112にインクが接触しているか否かによって異なる反射率を有するプリズムを利用して、第2貯留室105におけるインクの液面を光学的に検出するためのセンサであるが、第2貯留室105におけるインクの液面が検出できれば、液面センサ155の構成は特に限定されない。例えば、第2貯留室105内に設けられて、第2貯留室105の液面が境界位置B未満であるか否かにより回動するアクチュエータの被検出部が、検出位置に位置しているか否かを液面センサ155が検出する構成であってもよい。また、第2貯留室105のインクの液面が電極によって検出される構成であってもよい。また、液面センサ155は、サブタンク100の第2貯留室105の液面によって異なる信号を出力するものに代えて、インクカートリッジ50の第1貯留室53の液面によって異なる信号を出力するものであってもよい。
前述された各実施形態では、コントローラ230は、装着センサ154からローレベル信号を取得し、その後に装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したことに応じて(S10:Yes)、S11に示す処理を実行した。コントローラ230がS11に示す処理を実行するのは、装着ケース71内にインクカートリッジ50が存在しない装着ケース71内に、インクカートリッジ50が装着されたことを契機としている。つまり、コントローラ230は、装着ケース71内にインクカートリッジ50が装着されたと判定したことに応じて、S11に示す処理を実行すればよい。なお、コントローラ230が、装着センサ154からローレベル信号を取得し、その後に装着センサ154からハイレベル信号を取得し、さらにその後に装着センサ154からローレベル信号を取得したことは、コントローラ230が、装着ケース71内にカートリッジが装着されたと判定したことの一例である。コントローラ230が、装着ケース71内にインクカートリッジ50が装着されたと判定する、他の例を以下に説明する。
例えば、コントローラ230が、カバーセンサ88からハイレベル信号を受信した後にローレベル信号を受信する。そして、コントローラ230は、ICチップ66のメモリから識別情報を読み出して、EEPROM234に記憶された交換前のインクカートリッジ50の識別情報と比較する。ICチップ66のメモリから読み出した識別情報と、EEPROM234に記憶された識別情報とが異なると判定したことに応じて、コントローラ230は、S13に示す処理を実行してもよい。つまり、「コントローラ230は、ICチップ66のメモリから識別情報を読み出して、EEPROM234に記憶された交換前のインクカートリッジ50の識別情報と比較する。その結果、ICチップ66のメモリから読み出した識別情報と、EEPROM234に記憶された識別情報とが異なると判定した」ことが、コントローラ230が、装着ケース71内にインクカートリッジ50が装着されたと判定することの一例である。この場合、コントローラ230は、S15において記憶する時刻として、ICチップ66のメモリから識別情報を読み出して、EEPROM234に記憶された交換前のインクカートリッジ50の識別情報と比較し、ICチップ66のメモリから読み出した識別情報と、EEPROM234に記憶された識別情報とが異なると判定した時刻をEEPROMに記憶する。もしくは、カバーセンサ88からハイレベル信号を受信した後にローレベル信号を受信した時刻を、S15においてEEPROMに記憶しても良い。
また、例えば、コントローラ230が、カバーセンサ88からハイレベル信号を受信した後にローレベル信号を受信する。そして、コントローラ230は、ディスプレイ17を通じてユーザに、装着ケース71内に新たなインクカートリッジ50の装着をしたか、を示す確認画面を表示させる。コントローラ230は、ディスプレイ17に確認画面を表示させている一方で、操作パネル22を通じて、当該確認画面に対応する、入力を受信する。受信した当該入力が、装着ケース71内に新たなインクカートリッジ50の装着した、ことに対応していることに応じて、コントローラ230は、S11に示す処理を実行する。つまり、「コントローラ230が、カバーセンサ88からハイレベル信号を受信した後にローレベル信号を受信する。そして、コントローラ230は、ディスプレイ17を通じてユーザに、装着ケース71内に新たなインクカートリッジ50の装着をしたか、を示す確認画面を表示させる。コントローラ230は、ディスプレイ17に確認画面を表示させている一方で、操作パネル22を通じて、当該確認画面に対応する、入力を受信する。受信した当該入力が、装着ケース71内に新たなインクカートリッジ50の装着した、ことに対応している」ことが、コントローラ230が、装着ケース71内にインクカートリッジ50が装着されたと判定することの一例である。この場合、コントローラ230は、S15において記憶する時刻として、操作パネル22を通じて、当該確認画面に対応する、入力を受信した時刻をEEPROMに記憶する。
また、前述された実施形態では、インクが液体の一例として説明されているが、液体は、例えば、画像記録時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液でもよいし、記録ヘッド39を洗浄するための水でもよい。
10・・・複合機(液体排出装置)
17・・・ディスプレイ(報知機)
39・・・記録ヘッド
53・・・第1貯留室(第1液室)
66・・・ICチップ(カートリッジメモリ)
71・・・装着ケース
100・・・サブタンク
103・・・液体流路
104・・・気体流路
105・・・第2貯留室(第2液室)
106・・・大気連通口
131・・・第1開口
132・・・第2開口
141・・・第3開口
142・・・第4開口
147・・・大気連通路
152・・・接点(インタフェース)
155・・・液面センサ
230・・・コントローラ
232・・・ROM(メモリ)
233・・・RAM(メモリ)
234・・・EEPROM(メモリ)

Claims (11)

  1. タンクと、
    カートリッジが装着される装着ケースと、
    上記タンクと連通されたヘッドと、
    液面センサと、
    コントローラと、を備える液体排出装置であって、
    上記カートリッジは、
    液体を貯留する第1液室を有しており、
    上記タンクは、
    上記液体を貯留する第2液室と、
    上記第2液室と連通する液体流路及び気体流路と、
    上記第2液室を外部と連通する大気連通路と、を有しており、
    上記液体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第1開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第2開口と、を有しており、
    上記気体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第3開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第4開口と、を有しており、
    上記カートリッジが上記装着ケースに装着されて、上記カートリッジの上記第1液室と、上記タンクの上記液体流路の上記第2開口及び上記気体流路の上記第4開口と、が連通する状態で接続される装着状態において、
    上記第1液室は、上記第2開口よりも上方に位置する部分を有しており、
    上記第2液室は、上記第3開口よりも下方に位置する部分を有しており、
    上記コントローラは、
    上記第2液室内の液面の位置が所定位置以上であることに応じて上記液面センサが出力する第1信号を、上記液面センサから受信し、
    上記第2液室内の液面の位置が上記所定位置未満であることに応じて上記液面センサが出力する第2信号を、上記液面センサから受信し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたか判定し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定したこと、且つ、上記第2信号を受信した後に上記第1信号を上記液面センサから受信したことに応じて、上記第1液室に貯留された液体を上記第2液室から上記ヘッドへ向けて導入する初期処理を実行し、
    上記初期処理を実行している間に、上記第2信号を上記液面センサから受信したことに応じて、上記初期処理を中断し、
    上記初期処理を中断した後に、上記第1信号を上記液面センサから受信したことに応じて、中断している上記初期処理を実行する液体排出装置。
  2. 上記コントローラは、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した時点から、上記第1信号を上記液面センサから受信するまでの第1経過時間が、第1時間に到達していることに応じて、上記初期処理を実行せず、
    上記第1信号を上記液面センサから受信してからの第2経過時間が第2時間に到達したことに応じて、上記初期処理を実行する請求項に記載の液体排出装置。
  3. タンクと、
    カートリッジが装着される装着ケースと、
    上記タンクと連通されたヘッドと、
    液面センサと、
    コントローラと、を備える液体排出装置であって、
    上記カートリッジは、
    液体を貯留する第1液室を有しており、
    上記タンクは、
    上記液体を貯留する第2液室と、
    上記第2液室と連通する液体流路及び気体流路と、
    上記第2液室を外部と連通する大気連通路と、を有しており、
    上記液体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第1開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第2開口と、を有しており、
    上記気体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第3開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第4開口と、を有しており、
    上記カートリッジが上記装着ケースに装着されて、上記カートリッジの上記第1液室と、上記タンクの上記液体流路の上記第2開口及び上記気体流路の上記第4開口と、が連通する状態で接続される装着状態において、
    上記第1液室は、上記第2開口よりも上方に位置する部分を有しており、
    上記第2液室は、上記第3開口よりも下方に位置する部分を有しており、
    上記コントローラは、
    上記第2液室内の液面の位置が所定位置以上であることに応じて上記液面センサが出力する第1信号を、上記液面センサから受信し、
    上記第2液室内の液面の位置が上記所定位置未満であることに応じて上記液面センサが出力する第2信号を、上記液面センサから受信し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたか判定し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定したこと、且つ、上記第2信号を受信した後に上記第1信号を上記液面センサから受信したことに応じて、上記第1液室に貯留された液体を上記第2液室から上記ヘッドへ向けて導入する初期処理を実行し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した時点から、上記第1信号を上記液面センサから受信するまでの第1経過時間が、第1時間に到達していることに応じて、上記初期処理を実行せず、
    上記第1信号を上記液面センサから受信してからの第2経過時間が第2時間に到達したことに応じて、上記初期処理を実行する液体排出装置。
  4. 報知機を更に備えており、
    上記コントローラは、上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した時点からの第3経過時間が、上記第1時間より長い第3時間に到達したこと、且つ、上記第1信号を受信せずに上記第2信号を上記液面センサから受信したことに応じて、上記報知機を作動する請求項2又は3に記載の液体排出装置。
  5. タンクと、
    カートリッジが装着される装着ケースと、
    上記タンクと連通されたヘッドと、
    コントローラと、
    温度センサと、を備える液体排出装置であって、
    上記カートリッジは、
    液体を貯留する第1液室を有しており、
    上記タンクは、
    上記液体を貯留する第2液室と、
    上記第2液室と連通する液体流路及び気体流路と、
    上記第2液室を外部と連通する大気連通路と、を有しており、
    上記液体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第1開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第2開口と、を有しており、
    上記気体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第3開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第4開口と、を有しており、
    上記カートリッジが上記装着ケースに装着されて、上記カートリッジの上記第1液室と、上記タンクの上記液体流路の上記第2開口及び上記気体流路の上記第4開口と、が連通する状態で接続される装着状態において、
    上記第1液室は、上記第2開口よりも上方に位置する部分を有しており、
    上記第2液室は、上記第3開口よりも下方に位置する部分を有しており、
    上記コントローラは、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたか判定し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した時点からの経過時間が第4時間に到達したことに応じて、上記第1液室に貯留された液体を上記第2液室から上記ヘッドへ向けて導入する初期処理を実行し、
    上記温度センサから受信した信号による温度が所定温度より低いことに応じて、上記第4時間に代えて、上記第4時間より長い第5時間を設定し、
    上記経過時間が上記第5時間に到達したことに応じて、上記初期処理を実行する液体排出装置。
  6. インターフェースを更に備えており、
    上記コントローラは、上記インターフェースを通じて、上記カートリッジが有するカートリッジメモリから上記第1液室に初期容量の液体が貯留されていることを示す識別情報を読み出したことを条件として、上記初期処理を実行する請求項に記載の液体排出装置。
  7. タンクと、
    カートリッジが装着される装着ケースと、
    上記タンクと連通されたヘッドと、
    コントローラと、
    インターフェースと、を備える液体排出装置であって、
    上記カートリッジは、
    液体を貯留する第1液室を有しており、
    上記タンクは、
    上記液体を貯留する第2液室と、
    上記第2液室と連通する液体流路及び気体流路と、
    上記第2液室を外部と連通する大気連通路と、を有しており、
    上記液体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第1開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第2開口と、を有しており、
    上記気体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第3開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第4開口と、を有しており、
    上記カートリッジが上記装着ケースに装着されて、上記カートリッジの上記第1液室と、上記タンクの上記液体流路の上記第2開口及び上記気体流路の上記第4開口と、が連通する状態で接続される装着状態において、
    上記第1液室は、上記第2開口よりも上方に位置する部分を有しており、
    上記第2液室は、上記第3開口よりも下方に位置する部分を有しており、
    上記コントローラは、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたか判定し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した時点からの経過時間が第4時間に到達したことに応じて、上記第1液室に貯留された液体を上記第2液室から上記ヘッドへ向けて導入する初期処理を実行し、
    上記インターフェースを通じて、上記カートリッジが有するカートリッジメモリから上記第1液室に初期容量の液体が貯留されていることを示す識別情報を読み出したことを条件として、上記初期処理を実行する液体排出装置。
  8. タンクと、
    カートリッジが装着される装着ケースと、
    上記タンクと連通されたヘッドと、
    インターフェースと、
    コントローラと、を備える液体排出装置であって、
    上記カートリッジは、
    液体を貯留する第1液室を有しており、
    上記タンクは、
    上記液体を貯留する第2液室と、
    上記第2液室と連通する液体流路及び気体流路と、
    上記第2液室を外部と連通する大気連通路と、を有しており、
    上記液体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第1開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第2開口と、を有しており、
    上記気体流路は、上記第2液室に連通する一端側に形成された第3開口と、当該一端側とは反対の他端側に形成され且つ外部に開口する第4開口と、を有しており、
    上記カートリッジが上記装着ケースに装着されて、上記カートリッジの上記第1液室と、上記タンクの上記液体流路の上記第2開口及び上記気体流路の上記第4開口と、が連通する状態で接続される装着状態において、
    上記第1液室は、上記第2開口よりも上方に位置する部分を有しており、
    上記第2液室は、上記第3開口よりも下方に位置する部分を有しており、
    上記コントローラは、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたか判定し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した後に、上記カートリッジが有するカートリッジメモリから、上記インターフェースを通じて、上記第1液室に貯留された液体の液量Vcを読み出し、
    上記第1液室から上記第2液室へ液体が流入する流量Qcを、読み出した上記液量Vcに基づいて決定し、
    上記装着ケースに上記カートリッジが装着されたと判定した時点からの経過時間と上記流量Qcとに基づいて、上記第2液室に貯留されている液量Vsを算出し、
    上記流量Qcが第1閾値以上であり、且つ上記液量Vsが第2閾値以上であることに応じて、上記第1液室に貯留された液体を上記第2液室から上記ヘッドへ向けて導入する初期処理を実行する液体排出装置。
  9. 上記コントローラは、上記流量Qcが上記第1閾値未満であることを条件として、上記第1閾値と上記流量Qcとの差に、上記初期処理が実行される時間を乗じた液量Vthを、上記第2閾値に加えた第3閾値を算出し、
    上記液量Vsが上記第3閾値以上であることに応じて、上記ヘッド、又は上記第2液室から上記ヘッドへの流路を通じて液体を排出させる初期処理を実行する請求項8に記載の液体排出装置。
  10. 上記コントローラは、
    上記カートリッジメモリから、上記インターフェースを通じて、上記第1液室が貯留する液体の液量Vcを読み出し、
    読み出した上記液量Vcに基づいて、上記初期処理を実行した後の上記第1液室が貯留する液体の液量Vc及び上記第2液室が貯留する液体の液量Vsを決定し、
    決定した上記液量Vcを上記インターフェースを通じて上記カートリッジメモリに書き込む請求項7から9のいずれかに記載の液体排出装置。
  11. メモリを更に備えており、
    上記コントローラは、
    上記メモリから、上記初期処理が実行されていないことに対応する第1値を読み出したことを条件として上記初期処理を実行し、
    上記初期処理を終了したことに応じて、上記第1値を、上記初期処理が実行されたことに対応する第2値に更新する請求項1から10のいずれかに記載の液体排出装置。
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